配偶者からの暴力事案への適切な対応について(例規通達) 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(平成 13 年法律第 31 号。以下「法」という。 )は平成 13 年4月 13 日に公布され、本年 10 月 13 日に施行された。 配偶者からの暴力事案への対応は、これまでも女性・子どもを守る施策として被害の未然防止等に取り組んでき たところであるが、その徹底を期するため、平成 13 年 11 月1日から次により実施することとしたから、運用上誤 りのないようにされたい。 記 第1 取組みの基本 1 指導教養の徹底 全警察職員に対し、配偶者からの暴力(法第1条第1項に定めるものをいう。以下同じ。 )事案は、 「加害者 に犯罪であるという意識がほとんどなく、被害者(法第1条第2項に定めるものをいう。以下同じ。 )が無気 力になる」という特性があることを理解させるとともに、被害者の心身の状況等に十分な配慮を行いつつ、適 切な措置を図るよう指導教養するものとする。 2 暴力の制止と被害の防止措置 配偶者からの暴力を認めたときは、警察法(昭和 29 年法律第 162 号) 、警察官職務執行法(昭和 23 年法律 第 136 号)その他の法令に基づき、暴力の制止、被害者の保護等に資するため、被害者の意思を踏まえ、暴行、 傷害等の刑法(明治 40 年法律第 45 号)を積極的に適用した検挙、防犯指導、関係機関・団体等の紹介、相手方 への指導警告その他事案に応じた適切な措置を講じるものとする。 3 関係機関等との連携協力 (1) 適切な被害者保護等をより円滑に行うため、配偶者暴力相談支援センター、富山県被害者支援連絡協議 会等の関係機関・団体との情報交換を活発化して緊密な連携協力を図り、実質的機能をより一層強化するも のとする。 (2) 配偶者からの暴力が行われていると認めるときは、法第8条の規定に従い、被害の発生を防止するために 必要な措置を講じるとともに、保護命令の発令の有無のみにとらわれることなく、他の刑罰法令の適用も検 討し、生活安全部門、地域部門、刑事部門、被害者対策部門相互の連携を密にし、迅速かつ適切な対応に努 めるものとする。 第2 相談等の受理 1 受理 (1) 被害者等(被害者、被害者が未成年者若しくは成年被後見人である場合の法定代理人又は被害者から相談 等の委託を受けた者をいう。以下同じ。)から配偶者からの暴力に関し相談、又は援助若しくは保護(以下 「相談等」という。 )を求められた場合は、相談等を求められた職員において、相談等を受理するものとす る。 (2) 現場臨場を必要とする通報があった場合は、原則として、同通報に基づき現場臨場した者が相談等を受理 するものとする。 (3) 警察本部通信指令課は、被害者等から110番通報があった場合、緊急を要するものは直ちに事案発生地 を管轄する警察署に通報し、緊急を要せず直ちに現場臨場する必要のないものは、被害者等に対し、被害者 等の住居地を管轄する警察署及び相談窓口の電話番号等を教示するとともに、当該警察署に通報しその措置 を引き継ぐものとする。 2 受理に当たっての留意事項 (1) 被害者の立場に立った相談等の受理 配偶者からの暴力事案の特性にかんがみ、被害者等の負担を軽減し、かつ、二次的被害を与えないよう、 被害者等に接する際は、被害者の立場に立ってできる限りの配慮を行うこと。 このためには女性警察官又は女性職員による相談対応、相談室の整備、被害者等と加害者(被害者の配偶 者)が遭遇しないような相談の実施等被害者等が相談・申告しやすい環境づくりに積極的に取り組むこと。 (2) 被害者に対する適切な対応 ア 情報提供 被害者のおかれている状況に応じて、刑事手続、保護命令制度、配偶者暴力相談支援センターにおける 一時保護、警察本部長又は警察署長(以下「警察本部長等」という。 )による援助など被害者が要望すれ ば活用し得る制度については網羅的に教示を行い、その上で被害者の要望を聴取すること。 イ 心情等への配慮 配偶者から暴力を受けている被害者に対応する場合は、離婚や子どもの親権問題等について立ち入る ことのないよう留意するとともに、被害者の国籍、心身の障害の有無等を問わずその人権を十分尊重す ること。 (3) 関係機関への円滑な引継ぎ 被害者等から相談等を受理した結果、「被害」が刑法上の暴行罪又は傷害罪(心的外傷後ストレス障害(P TSD)を生じたものを含む。)に当たるような身体に対する暴力及び刑法上の脅迫罪に当たるような生命又 は身体に対して害を加える旨を告知してする脅迫が行われていないこと(上記「被害」に該当しない「身体 に対する暴力に準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動」による被害のみである場合)が判明した場合は、配 偶者暴力相談支援センターへ円滑に引き継ぐこと。 (4) 児童虐待防止のための措置 児童が同居する家庭において配偶者に対する暴力が認められる場合については、児童に著しい心理的外傷 を与えるものであれば、児童虐待に当たることから、少年部門と緊密な連携を図り、児童相談所等へ通告す るなど適切に対応すること。 第3 相談等の記録 1 記録の作成等 (1) 被害者等から相談等を受理した場合、被害者及び配偶者の住居に関わらず、被害者が加害者と夫婦関係に ある場合(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。以下「夫婦関係等」 という。 )は、配偶者からの暴力相談等対応票(別記様式第1号。以下「対応票」という。 )及び配偶者から の暴力事案管理票(別記様式第2号。以下「管理票」という。 )を作成し、単に恋人関係であるなど夫婦関 係等でない場合は、警察安全相談簿(以下「相談簿」という。 )のみを作成すること。 (2) 作成した対応票及び管理票(以下「対応票等」という。 )並びに相談簿は、警察本部にあっては生活安全部 長、警察署にあっては警察署長に報告し、決裁を受けること。 2 対応票等の記載要領 (1) 対応票は、別添「配偶者からの暴力相談等対応票」記載要領のとおりとし、裁判所に提出する書面である ことから客観的事実のみを記載する。 (2) 管理票については、対応票に記載する事項以外の部内処理のために必要な事項を記載する。 3 対応票等及び相談簿作成の留意事項 (1) 対応票等は、相談等を求められた際、速やかに作成すること。 (2) 相談等を受理した者は、 警察本部勤務員は警察本部生活安全企画課(以下「生活安全企画課」 という。)、 警察署勤務員は警察署生活安全課からの助言を受けるなどし、適切な作成に努めること。 (3) 数回にわたり相談等を求められた場合においては、それぞれの日時、場所等の情報が必要となるため、そ の都度、対応票等を作成すること。 (4) 被害者等から被害届又は告訴若しくは告発を受理した場合であっても、対応票等を併せて作成すること。 (5) 被害者等からの匿名による相談等であっても、後日、相手が特定できる場合があるので対応票等を作成す ること。 (6) 裁判において、加害者が対応票を閲覧することが可能であることから、記載に当たっては、被害者や被害 者の親族その他被害者と社会生活において密接な関係を有する者(被害者と同居しているその成年に達しな い子及び配偶者と同居している者を除く。以下「親族等」という。)の安全を図る観点から、適切な表現に努 めること。 (7) 「被害」とは、刑法上の暴行罪又は傷害罪(心的外傷後ストレス障害(PTSD)を生じたものを含む。) に当たるような身体に対する暴力を受けること及び刑法上の脅迫罪に当たるような生命又は身体に対して 害を加える旨を告知してする脅迫を受けることをいう。 なお、上記「被害」に該当しない「身体に対する暴力に準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動」による被 害のみを受けていることが判明した場合は、対応票等を作成せず、相談簿を作成すること。 (8) 相談時には離婚し若しくは婚姻が取り消され又は事実上離婚したと同様の事情にある場合であっても、そ れ以前に配偶者からの暴力を受け、引き続き配偶者であった者から身体に対する暴力又は生命等に対する脅 迫(被害者の生命又は身体に対し害を加える旨を告知してする脅迫をいう。以下同じ。)を受けていること が判明した場合には、対応票等を作成すること。 (9) 被害者等からの相談受理後、職員から被害者に連絡を取った場合、当初相談時と状況が特段変わらなけれ ば管理票へその旨を記載し、また、加害者との間における新たな状況を告げられた場合は、新たに対応票等 を作成すること。 第4 対応票等及び相談簿の保管等 1 関係所属への送付 (1) 警察本部で作成した対応票等及び相談簿については、生活安全企画課で保管し、写しを被害者の住居地を 管轄する警察署へ送付すること。 (2) 警察署で作成した対応票等及び相談簿については、警察署生活安全課で保管し、写しを生活安全企画課へ 速やかに送付すること。 2 管理簿の作成 対応票等及び相談簿の受領又はその写しの送付を受けた生活安全企画課及び警察署生活安全課は、配偶者か らの暴力事案管理簿(別記様式第3号)を作成すること。 第5 法に基づく裁判所からの要求及び通知に対する措置 1 裁判所からの書面提出要求等に対する措置 (1) 裁判所から法第14条第2項及び同条第3項に基づく書面提出要求及び説明要求(以下「書面提出要求等」と いう。)があった場合は、警察本部は生活安全企画課、警察署は生活安全課において対応票の記載内容の 確認を行い、速やかに提出しなければならない。 (2) 裁判所から警察署長に書面提出要求等がなされた場合は、その旨を生活安全企画課に通報する。 2 保護命令の通知を受けた後の措置 (1) 警察本部の執るべき措置 裁判所から法第15条第3項に基づく通知を受けたときは、生活安全企画課長において次の措置を執るもの とする。 ア 速やかに、申立人に連絡を取り、申立人の住居、勤務先その他その通常所在する場所を把握し、当該場 所を管轄する警察署長(以下「関係署長」という。)に対し、保護命令が発せられた旨及びその内容を 通報する。 (ア) 申立人の住居が県外にあることが判明した場合は、申立人の住居地を管轄する都道府県警察にその後 の措置を引き継ぐものとし、その旨を同項に基づく通知を行った裁判所に対し通報する。 (イ) 保護命令に係る申立人の住居、勤務先その他その通常所在する場所が複数の都道府県の区域に及ぶ場 合は、その管轄する関係都道府県警察に通報する。 イ 裁判所から保護命令の効力の発生について通知を受けるなどして保護命令の効力の発生を確認したと きは、速やかに、関係署長に対し、その旨及び保護命令の効力が生じた日時を通報する。 ウ 裁判所から保護命令の停止又は取り消しの通知を受けたときは、速やかに、関係署長に対し、その内 容を通報する。 (2) 申立人の住所を管轄する警察署長の執るべき措置 生活安全企画課長から前記2(1)アの通報を受けた警察署長は、次の措置を執るものとする。 ア 申立人の住居地を管轄する警察署長は、申立人の意向を確認した上で申立人方(保護施設等に保護され ている場合は、当該施設)に警察署員を訪問させるなどして、次の事項を教示する。 (ア) 配偶者暴力相談支援センターの利用に関する事項 (イ) 緊急時の警察に対する通報に関する事項 (ウ) 配偶者からの暴力に係る防犯上の留意事項 イ 保護命令が発せられる場合は、申立人が「更なる配偶者からの暴力によりその生命又は身体に重大な危 害を受けるおそれが大きい」状態にあるということに十分留意し、保護命令に係る情報について関係す る警察署員に周知するとともに、事案に応じて必要な措置を講じる。 3 子への接近禁止命令に伴う適切な措置 前記2の保護命令の通知を受けた後の措置に準じて、適切な措置を講じること。 4 被害者の親族等への接近禁止命令に伴う適切な措置 前記2の保護命令の通知を受けた後の措置に準じて、適切な措置を講じること。 また、配偶者が被害者の親族等を脅迫し、あるいは復縁等を求めてつきまとい等の行為を行うなどの場合に は、その態様に応じて、ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成 12 年法律第 81 号。以下「ストーカー 規制法」という。)等の活用に努めること。 5 配偶者暴力相談支援センターへの保護命令の通知に伴う適切な措置 生活安全企画課長は、保護命令について裁判所から通知を受けたときは、配偶者暴力相談支援センターに対 する通知が行われているか否かを確認の上、通知が行われている場合は、当該配偶者暴力相談支援センターと 十分な連携を図り、適切な役割分担の下に、被害者の安全の確保が図られるようにすること。 6 配偶者暴力相談支援センターとの連携について 警察署長は、法第 15 条第3項に基づく通知を受け、かつ、配偶者暴力相談支援センターにも通知した旨の 連絡がある場合は、当該配偶者暴力相談支援センターと連絡をとり、被害者の安全確保に関する情報の共有に 努め、事案に応じて、警察署員と配偶者暴力相談支援センター職員が同席して被害者に対する助言等を行うな ど、被害者の安全の確保が図られるようにするとともに、相互の連携に十分配意すること。 第6 警察本部長等の援助 1 援助に対する基本的な考え方 法第8条の2の規定による援助は、配偶者から身体に対する暴力を受けている被害者(被害が「身体に対す る暴力に準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動」のみである場合を除く。 )が真に望んでおり、被害者自らに よる積極的な申出があった場合で、警察本部長等が相当と認めるときに実施するものとする。 2 援助の申出の相当性の判断 事前に相談等を受理していた被害者から援助の申出があった場合は、それまでの相談内容等からその相当性 を判断し、援助を相当と認めるときは、配偶者からの暴力による被害を自ら防止するための警察本部長等によ る援助に関する規則(平成 16 年国家公安委員会規則第 18 号。以下「規則」という。 )第1条の援助を行い、 また、相談等を経ずに直接援助の申出があった場合は、申出者から、配偶者からどのような暴力を受けている か及び受けたい援助の内容について、援助申出書(規則第2条の援助申出書をいう。以下同じ。 )の提出を求 める前に具体的に聴取すること。 次のような場合は、援助を相当と認めるときに該当しないものとする。 (1) 申出人が配偶者からの暴力を受けている状況の具体的な説明をしないとき。 (2) 申出人が配偶者から身体に対する暴力を受けておらず、被害が「身体に対する暴力に準ずる心身に有害な 影響を及ぼす言動」のみと認められるとき。 (3) 申出に係る援助の内容が、規則で定めるものでないとき。 (4) 援助を受けようとする目的が配偶者からの暴力による被害を自ら防止するためのものでないとき。 3 援助申出書の提出 被害者から援助の申出があり、その申出に基づき援助を行うことが相当であると認めたときは、被害者の申 出内容等を確認し、その意思に基づくものであることを明らかにするため、援助申出書の提出を求めること。 なお、事前に相談等を受理していないにもかかわらず、申出人が援助申出書を提出しようとした場合は、 援助を相当と判断した場合に初めて援助申出書の提出を求めるものである旨を申出人に説明し、まず、相談を するよう促すこと。 4 援助申出書の送付 (1) 警察本部において援助の措置を実施した場合、援助申出書については、生活安全企画課で保管し、写しを 被害者の住居地を管轄する警察署へ送付すること。 (2) 警察署において援助の措置を実施した場合、援助申出書については、警察署生活安全課で保管し、写しを 生活安全企画課へ速やかに送付すること。 5 申出者に対する配慮 援助の申出を受けた警察署が、事前の相談等を受理していない場合は、申出者に対し他警察署等への相談 の有無を確認し、相談を受理した警察署がある場合は当該警察署から対応票等を取り寄せるなど、申出者が再 度事情を説明しなくても済むよう十分配意すること。 6 援助に当たっての留意事項 法第8条の2における「配偶者からの暴力を受けている者」とは、法第1条第1項で定義されている「配偶 者からの暴力」のうち、配偶者又は配偶者であった者からの身体に対する暴力を受けている者に限るとされて いるが、新たに、生命等に対する脅迫を受けた被害者についても保護命令を申し立てることができること(法 第 10 条第1項)を踏まえ、生命等に対する脅迫を受けた者から被害を自ら防止するための援助を受けたい旨 の申出があり、その申出を相当と認めるときは、身体に対する暴力を受けている者に準じて、被害の発生を防 止するために必要な援助を実施するものとする。 第7 事件の捜査 1 保護命令違反事件の捜査 法第29条に規定する保護命令違反に係る事件の捜査は、生活安全部門で捜査するものとする。 2 刑法犯事件の捜査 配偶者からの暴力に係る傷害、暴行事件等刑法に該当する事件は、原則として刑事部門で捜査する。ただし、 裁判所から保護命令が発せられた後に敢行された刑法に該当する事件等生活安全部門で捜査することが適当 と認められるものについては、生活安全部門で捜査するものとする。 第8 保護命令違反事件捜査に当たっての留意事項 1 保護命令の相手方に対する命令内容の認識確認 保護命令の相手方の住居地を管轄する警察署は、保護命令違反事件の故意の立証に備え、生活安全企画課か ら保護命令に係る送達通知書が発出された旨の連絡を受けた場合、速やかに相手方が命令の内容等を認識して いるかを確認し、認識していない場合は、命令の内容を明確に認識させること。 2 保護命令の効力等の確認 (1) 保護命令違反事件の捜査に当たっては、保護命令の内容及びその効力の有無について、生活安全企画課に 照会するなどにより確認した上で、適切に対応すること。 (2) 法第15条第3項に基づく通知を受けた場合であって、保護命令の効力が生じたことについて裁判所から通 知を受けていないときは、生活安全企画課を通じ当該命令を発した裁判所に照会すること。 3 接近禁止命令違反の捜査 法第 10 条第1項第1号にいう「被害者の住居、勤務先その他その通常所在する場所の付近」を保護命令の 相手方がはいかいしている場合であれば、申立人がその場に居合わせなくとも違反が成立することに留意する こと。 4 子への接近禁止命令違反の捜査 子への接近禁止命令が発せられている場合に、いわゆる面接交渉権が認められているときは、保護命令違反 の成否に影響を及ぼすおそれがあるので、離婚した被害者の子への接近禁止命令の捜査を行うに当たっては、 当該子に係る面接交渉権が加害者に認められているか否かを確認し、捜査の適正を期すること。 5 電話等を禁止する保護命令違反の捜査 法第 10 条第2項各号の行為は、ストーカー規制法第2条第1項各号のつきまとい等を参考にして規定され たものであり、ストーカー規制法で用いられている用語については、ストーカー規制法と同様の解釈を行うも のとする。 6 被害者の親族等への接近禁止命令違反の捜査 法第 10 条第4項に規定する「親族」とは、民法(明治 29 年法律第 89 号)第 725 条に規定する親族であり、 「被害者と社会生活において密接な関係を有する者」とは、被害者の身上、安全等を配慮する立場にある者を いうと解され、職場の上司、配偶者暴力相談支援センターや民間シェルターの職員のうち、被害者に対し現に 継続的な保護や支援を行っている者等がこれに該当するものと考えられるので留意すること。 第9 その他の留意事項 1 現場臨場時の配慮 110番通報等による現場臨場の際には、正に配偶者が暴力を振るっているところである場合も多いことか ら、被害者の生命及び身体の安全の確保を最優先するとともに、受傷事故の防止にも十分に配意すること。 2 被害者に対する加害者からの捜索願の届出の受理 警察における行方不明者発見活動は、行方不明者の保護を図り、その他保護者等の期待にこたえることを目 的としており、加害者が被害者を探すための手段として利用されてはならないことは当然である。したがって、 加害者である被害者の配偶者から捜索願が提出される段階で、配偶者からの暴力を理由として家を出ている事 実を把握している場合には、捜索願を受理しないこと。 また、捜索願を受理した後に、当該捜索願が加害者(被害者の配偶者)から出されたものであることが判明 した場合は、被害者の意思に従い、その生存のみを連絡するなど、被害者の立場に立って、適切な措置を講じ ること。 別記様式省略
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