No.224 神山 卓也・神山 英徳 - ACC 公益財団法人 荒川区芸術文化

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若い情熱を津軽三味線に込めて
情景を描くような音を目指す
津軽三味線奏者
かみやま
たくや
さん
そ し て、
で旅芸人たちが始めた門付け芸に始
森出身で、青森市で開催される﹁津
とう﹄があったこと。また、本場青
のライブハ
線 か と う﹄
日、﹃三 味
門とし、演奏家の育成にも熱心でラ
まり、戦後の民謡ブームを経て全国
軽三味線日本一決定戦﹂初代チャン
ウスにて
豪快さと繊細さを合わせ持つ音が
月1
に広まった津軽三味線。他の三味線
ピオンである福士豊秋先生が区内に
ファースト
昨年
と比べて棹が太く重量感のある太棹
在住され、直にお稽古をつけていた
ライブが行
イブハウスまでも備えた﹃三味線か
︵ふ と ざ お︶を 使 い、撥 を 叩 き つ け
だいたこと。今思えば、たいへん恵
心に迫ってきます。青森県津軽地方
るようにしながら演奏します。迫力
ました。2人の演奏を軸に、福豊会
われ、満員
福士先生が会主をされている福豊
の若手奏者たちにも参加してもらっ
まれた環境で始めることができたと
会に英徳さんが入会した1年後。次
て作り上げた
のある音と、弾き手が持つ感性や技
即興性もその魅力。荒川区に生まれ
第に弾けるようになっていく弟の姿
から仕事として催し物などで演奏は
御礼となり
育 っ た 2 人 の 青 年、神 山 卓 也 さ ん、
を見ていた兄の卓也さんは、兄弟で
してきたけれど、自分たちの三味線
言います。
英徳さん兄弟は、津軽三味線に魅せ
やってみたらという両親の後押しも
を聞くためにお金を払って集まって
巧によって同じ曲でも展開が変わる
ら れ て 小 学 生 の 頃 か ら 練 習 を 重 ね、
あり、追って入会することになりま
いただくのは初めて。失敗できない
分のステージ。以前
プロへの道を歩んでいます。
した。
小さな手に大きな太棹を持ち
教えていただき、それをテープに録
生のご自宅に伺ってマンツーマンで
で き ま し た。ラ イ ブ が で き た の は、
﹁良 い 緊 張 感 の 中 で 演 奏 す る こ と が
そうです。
という大きなプレッシャーがあった
音して、自宅で毎日1時間ほど練習
津軽三味線の練習は、週1回、先
の英徳さん。もともと祖父や父親が
津軽三味線を最初に始めたのは弟
するのが日課だそうです。
見た、国内外でも活躍する茨城県出
徳さんが8歳のとき、偶然テレビで
なかったと言います。ところが、英
ていた時点ではそれほど興味は湧か
を流していたそうですが、耳で聞い
の動き、糸の叩き方などの基礎練習
習します。構え方から、初歩的な指
ではテープを聞いて、自分なりに練
先生の演奏を見て聞いて覚えて、家
﹁基本的に練習に楽譜は使いません。
らも頑張っていきなさいと激励して
らは、これを第一歩として、これか
さんの人たちのおかげです。先生か
ん、家族、友人や仲間たちなどたく
生、応援してくれた三味線かとうさ
す。ま だ ま だ 道 の り は 長 い で す が、
プロとなって弾き続け、先生のよう
に、情景の浮かんでくるような音を
目 指 し て い き た い と 思 い ま す﹂
︵卓
森市で開催された﹃津軽三味線日本
の弟で8歳になる智彦さんも昨年8
大きな声援を送りたい。実は、兄弟
2012年12月に開催された「神山卓也&神山英徳∼兄弟初
ライブ∼」より。ステージと客席が近くアットホームな雰囲気。
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付け﹄ももっと練習して、独奏だけ
いただきました﹂
︵英徳さん︶
でなく唄付けの実力もつけ、先生が
をして、最初の合奏曲が弾けるよう
先生が楽しく教えてくださったこと
身の奏者、上妻宏光︵あがつま・ひ
もあって、小学生でも飽きずに続け
﹃唄
に な る ま で に 1 年 弱 か か り ま し た。 ﹁今後は歌い手に伴奏をつける
カッコいいなあと思ったんです。そ
﹁単 純 に、上 妻 さ ん の 演 奏 を 見 て、
優勝した
﹃津軽三味線日本一決定戦﹄
さらに大きな目標に向かう
こうして兄弟揃って続けてきた津
也さん︶
をさらに広げていこうとするエネル
伝統芸能である津軽三味線の魅力
一決定戦﹄では、卓也さんがB級︵始
月 か ら 福 豊 会 に 入 門 し た と の こ と。
ギーにあふれた2人に、惜しみなく
さまざまな全国大会にも出場して優
年5月に青
めて5年未満︶
の部、
英徳さんがジュ
ゆくゆくは、3兄弟による津軽三味
もそう遠い夢ではなさそうです。
ニアの部でそれぞれ優勝という快挙
受けています。
線トリオの演奏が聞ける日が来るの
ています。特に、平成
勝、準優勝などの優れた成績を残し
軽 三 味 線。練 習 の 成 果 を 試 す べ く、
にも出場して良い成績を残したいで
られたんだと思います﹂
︵卓也さん︶
と言ったら、家の近くにある﹃三味
線かとう﹄に相談してくれて、かと
うさんから福士豊秋︵ふくし・とよ
あき︶先生をご紹介いただきました﹂
︵英徳さん︶
初の兄弟ライブを成功させ
れ で 両 親 に 津 軽 三 味 線 を 習 い た い、
ろみつ︶さんに強く惹かれました。
これまで指導していただいた福士先
津軽民謡好きで、家の中でよくCD
恵まれた環境のもとで腕を磨く
90
えいとく
さん
【プロフィール】 右:神山卓也さん、1991年8月25日生まれ。左:神山英徳さん、
1993年12月17日生まれ。共に荒川区に生まれ育ち、現在は大学在学中。弟・英徳
さんは8歳、兄・卓也さんは11歳から福士豊秋氏に師事し、津軽三味線を始める。
日々の練習を積み重ね、全国大会に出場して腕を磨き、プロ奏者を目指している。
神山 卓也
かみやま
神山 英徳
2008年「長寿慶祝の会」
12
を成し遂げ、西川区長からの激励も
20
家のすぐ近くに、三味線作りを専
2004年10月に行われた
『第4回福豊会おさらい
会』
にて。
小さな身体に抱えた太棹の三味線が大
きく見えます。
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ACC 2013年2月号 No.290 I 02