൦ 3 3 5 ޑ 若い情熱を津軽三味線に込めて 情景を描くような音を目指す 津軽三味線奏者 かみやま たくや さん そ し て、 で旅芸人たちが始めた門付け芸に始 森出身で、青森市で開催される﹁津 とう﹄があったこと。また、本場青 のライブハ 線 か と う﹄ 日、﹃三 味 門とし、演奏家の育成にも熱心でラ まり、戦後の民謡ブームを経て全国 軽三味線日本一決定戦﹂初代チャン ウスにて 豪快さと繊細さを合わせ持つ音が 月1 に広まった津軽三味線。他の三味線 ピオンである福士豊秋先生が区内に ファースト 昨年 と比べて棹が太く重量感のある太棹 在住され、直にお稽古をつけていた ライブが行 イブハウスまでも備えた﹃三味線か ︵ふ と ざ お︶を 使 い、撥 を 叩 き つ け だいたこと。今思えば、たいへん恵 心に迫ってきます。青森県津軽地方 るようにしながら演奏します。迫力 ました。2人の演奏を軸に、福豊会 われ、満員 福士先生が会主をされている福豊 の若手奏者たちにも参加してもらっ まれた環境で始めることができたと 会に英徳さんが入会した1年後。次 て作り上げた のある音と、弾き手が持つ感性や技 即興性もその魅力。荒川区に生まれ 第に弾けるようになっていく弟の姿 から仕事として催し物などで演奏は 御礼となり 育 っ た 2 人 の 青 年、神 山 卓 也 さ ん、 を見ていた兄の卓也さんは、兄弟で してきたけれど、自分たちの三味線 言います。 英徳さん兄弟は、津軽三味線に魅せ やってみたらという両親の後押しも を聞くためにお金を払って集まって 巧によって同じ曲でも展開が変わる ら れ て 小 学 生 の 頃 か ら 練 習 を 重 ね、 あり、追って入会することになりま いただくのは初めて。失敗できない 分のステージ。以前 プロへの道を歩んでいます。 した。 小さな手に大きな太棹を持ち 教えていただき、それをテープに録 生のご自宅に伺ってマンツーマンで で き ま し た。ラ イ ブ が で き た の は、 ﹁良 い 緊 張 感 の 中 で 演 奏 す る こ と が そうです。 という大きなプレッシャーがあった 音して、自宅で毎日1時間ほど練習 津軽三味線の練習は、週1回、先 の英徳さん。もともと祖父や父親が 津軽三味線を最初に始めたのは弟 するのが日課だそうです。 見た、国内外でも活躍する茨城県出 徳さんが8歳のとき、偶然テレビで なかったと言います。ところが、英 ていた時点ではそれほど興味は湧か を流していたそうですが、耳で聞い の動き、糸の叩き方などの基礎練習 習します。構え方から、初歩的な指 ではテープを聞いて、自分なりに練 先生の演奏を見て聞いて覚えて、家 ﹁基本的に練習に楽譜は使いません。 らも頑張っていきなさいと激励して らは、これを第一歩として、これか さんの人たちのおかげです。先生か ん、家族、友人や仲間たちなどたく 生、応援してくれた三味線かとうさ す。ま だ ま だ 道 の り は 長 い で す が、 プロとなって弾き続け、先生のよう に、情景の浮かんでくるような音を 目 指 し て い き た い と 思 い ま す﹂ ︵卓 森市で開催された﹃津軽三味線日本 の弟で8歳になる智彦さんも昨年8 大きな声援を送りたい。実は、兄弟 2012年12月に開催された「神山卓也&神山英徳∼兄弟初 ライブ∼」より。ステージと客席が近くアットホームな雰囲気。 広告のお申し込みは・荒川区芸術文化振興財団 ☎ 3802 7 1 1 1 - 付け﹄ももっと練習して、独奏だけ いただきました﹂ ︵英徳さん︶ でなく唄付けの実力もつけ、先生が をして、最初の合奏曲が弾けるよう 先生が楽しく教えてくださったこと 身の奏者、上妻宏光︵あがつま・ひ もあって、小学生でも飽きずに続け ﹃唄 に な る ま で に 1 年 弱 か か り ま し た。 ﹁今後は歌い手に伴奏をつける カッコいいなあと思ったんです。そ ﹁単 純 に、上 妻 さ ん の 演 奏 を 見 て、 優勝した ﹃津軽三味線日本一決定戦﹄ さらに大きな目標に向かう こうして兄弟揃って続けてきた津 也さん︶ をさらに広げていこうとするエネル 伝統芸能である津軽三味線の魅力 一決定戦﹄では、卓也さんがB級︵始 月 か ら 福 豊 会 に 入 門 し た と の こ と。 ギーにあふれた2人に、惜しみなく さまざまな全国大会にも出場して優 年5月に青 めて5年未満︶ の部、 英徳さんがジュ ゆくゆくは、3兄弟による津軽三味 もそう遠い夢ではなさそうです。 ニアの部でそれぞれ優勝という快挙 受けています。 線トリオの演奏が聞ける日が来るの ています。特に、平成 勝、準優勝などの優れた成績を残し 軽 三 味 線。練 習 の 成 果 を 試 す べ く、 にも出場して良い成績を残したいで られたんだと思います﹂ ︵卓也さん︶ と言ったら、家の近くにある﹃三味 線かとう﹄に相談してくれて、かと うさんから福士豊秋︵ふくし・とよ あき︶先生をご紹介いただきました﹂ ︵英徳さん︶ 初の兄弟ライブを成功させ れ で 両 親 に 津 軽 三 味 線 を 習 い た い、 ろみつ︶さんに強く惹かれました。 これまで指導していただいた福士先 津軽民謡好きで、家の中でよくCD 恵まれた環境のもとで腕を磨く 90 えいとく さん 【プロフィール】 右:神山卓也さん、1991年8月25日生まれ。左:神山英徳さん、 1993年12月17日生まれ。共に荒川区に生まれ育ち、現在は大学在学中。弟・英徳 さんは8歳、兄・卓也さんは11歳から福士豊秋氏に師事し、津軽三味線を始める。 日々の練習を積み重ね、全国大会に出場して腕を磨き、プロ奏者を目指している。 神山 卓也 かみやま 神山 英徳 2008年「長寿慶祝の会」 12 を成し遂げ、西川区長からの激励も 20 家のすぐ近くに、三味線作りを専 2004年10月に行われた 『第4回福豊会おさらい 会』 にて。 小さな身体に抱えた太棹の三味線が大 きく見えます。 情報満載のオフィシャルサイトへアクセス! 荒川区芸術文化振興財団 ACC 2013年2月号 No.290 I 02
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