平成 25 年度 公益財団法人 四万十川財団 事業報告目録

平成 25 年度
公益財団法人 四万十川財団
事業報告目録
公 1-1.四万十川の日事業
公 1-2.四万十川一斉清掃支援事業
公 1-3.森林ボランティア活動促進事業
公 1-4. 清流の森づくり事業
公 1-5.清流通信作成事業
公 2-1.文化的景観づくり推進事業
公 2-2.流域活性化支援事業
公 2-3.四万十リバーマスター育成事業
収 1.四万十ブランド認証事業
四万十川基金の活用
公 1-1
四万十川の日事業
平成 25 年度 四万十川財団事業報告
四万十川の日事業
1
事業計画
四万十川の日(7月25日)の制定趣旨に沿うため、四万十川の保全への理解が深まるよ
う、小学生等の参加による清流度や水生生物の生息調査等を実施します。
2
報 告
主となる事業として「四万十川の生きものはかせ!遊んで学ぼうわくわく楽校 ♪」
を企画。高知県内の親子を対象に、川での生物観察等の体験学習イベントを 実施した
。(*次ページ参照)
また、小学生と水生生物の調査や高校生と清流度調査の実施、さらに総合的な 学習
の一環として窪川高校生から四万十川と当財団に対するインタビューを受け たり、田
野々小学校の子ども達に四万十川の説明を行ったりもした。
職員のスキルアップのため、リスクマネジメント講習等の研修にも参加した。
3
今後の展望
近年子どもが川で遊ぶ姿を見る機会が減ってきた。その要因としては、まず川で遊
んだことがない、保護者世代が川に慣れ親しんでいない、川での事故が懸念される等
の理由があげられることが本事業を通して分かった。
そこで、次年度は保護者を巻き込んで事業を展開することで、まず川遊びの楽しさ
を保護者・子どもの両者に実感してもらいたい。また、リバーマスター等の協力を得
ながらその地域での楽しい川遊びを伝えていきたい。
4
活動詳細
【環境学習補助活動】
・パックテストによる COD 調査
(上岡沈下橋・一斗俵沈下橋・久万秋沈下橋の3地点) 6/4
・四万十町四万十川再生委員会との懇談 6/4
・米奥小学校と水生生物の観察 7/6
・窪川高校生と水生生物観察によるスコア判定と清流度調査 7/10
・窪川高校生による四万十川に関するインタビューの受け入れ 10/23
・田野々小学校4年生と四万十川の学習、生物観察 11/21
・窪川高校生の四万十川に関する総合的学習の成果発表会への参加 1/22
・高知県立幡多農業高等学校 四万十川自然環境研究クラブ補助 12/21、3/12
【研修・講座・シンポジウム参加等】
・川の恵に感謝する会 8/4
・水シンポジウム 2013 in こうち 8/22
・高知県環境研究センター発表会 1/30
・リスクマネジメント講習会 2/15
・四万十川 愛媛・高知連携協議会 2/27
四万十川の生きものはかせ!遊んで学ぼうわくわく楽校♪
【主旨・目的】
四万十川の日(7 月 25 日:渡川が四万十川に正式に名称変更したのを機に高知県が
制定)にちなみ、高知県下の小学生と保護者を対象とし、川遊び等を通じて、川の環境
について考える講座を実施する。
四万十川に生息する生き物について学ぶことを目的とし、トンボ公園内の学遊館を見
学することにより事前に知識を習得する。その後、実際に干潟やトンボ公園で生き物を
探すことで、体験しながら生き物についての学習を深めていきたい。また、これらの活
動を通して、四万十川での楽しさを体験するだけでなく、四万十川に対する興味・関心
を深めたい。
【実施年月日】
平成25年7月21日(日) 9:00~15:30
【実施場所】
高知県四万十市具同 8055-5
高知県四万十市間崎
四万十川野鳥自然公園付近の干潟
高知県四万十市山路 2494-1
【内
四万十市トンボ自然公園
アカメ館
容】
午前
学遊館あきついおの見学、四万十川の干潟で川に入っての生物観察
昼食
屋形船に乗っての昼食
午後
トンボ公園敷地内で親子で生きものさがしゲーム
【参加費用】
1,000 円(1 人 昼食代として)
【募集対象者と人数】
・高知県下の小学生とその保護者
・募集人数 15 組 30 名程度(*当日参加者 11組 30 名)
参加者の多くは四万十市内の小学生であったが、高知市から参加した親子もいた。募集
時に直接小学校を訪問して話をした成果もあり、定員の倍以上もの応募があった。
企画については、川から離れつつある近年の子どもたちには川での楽しい経験が必要
なのではないかと考え、体験を重視したメニューとした。
当日は学遊館あきついおの見学後、1人1人が網をもって川に入り、膝まで水につかりな
がら生きものを観察。普段ただ眺めているだけの身近な場所から、アカメの稚魚や大きな
エビ、その他たくさんの生物を見つけることができ、子どもだけでなく保護者も夢中になっ
て取り組んでいた。また、昼食を兼ねた屋形船の体験は、参加者のほとんどが初めてであ
り、川面との近さに驚いていた。船頭の話を聞いたり、途中伝統的な漁法の見学も行った。
午後はトンボ公園の敷地内で陸上の生きものを観察。レベル1~5までに分けられた生き
ものを親子で探していき、そのタイムを競うゲームを行った。見つけてきた生きものが違っ
ていると親子で悔しがり、図鑑を見てはまた走り回る姿を見ることができた。
事後アンケートでは「初めての経験ばかりだった」という声が多数あがっており、子ども
だけでなく保護者の川遊びの経験も少ないことが分かった。子どもが川に慣れ親しむため
には、まずは保護者の理解と安全の確保が必要であり、そのためには今回のような保護者
参加型のイベントが必要であると感じた。また、経験を重ねていくうちにイベントではなく
自分達で遊び始める子どもたちの為に、地域で見守る体制作りや安全に遊べる場の整備
に努めていかなければならない。
公 1-2
四万十川一斉清掃支援事業
平成 25 年度 四万十川財団事業報告
四万十川一斉清掃支援事業
1
事業計画
流域5市町が連携して取り組むための調整及び積極的な広報を実施する。
2
報 告
平成25年度も日程調整を行い、四万十川一斉清掃を実施。雨天の為、中止となっ
た地域もあったが流域全体で約5500人の住民が参加した。各市町回覧で告知したり、
約1万5千部のちらしを新聞に折り込み周知に努めた。
3
今後の展望
4
活動詳細
少しでも多くの人に参加してもらえるよう、家族での参加を促したり、小中学校へ
の呼びかけを実施する等の対策を練っていきたい。
【実施年月日】
平成25年3月31日(日) 四万十町
平成25年4月 7日(日) 四万十市・中土佐町・津野町
平成25年4月14日(日) 梼原町
【実施場所】
四万十市・四万十町・中土佐町・津野町・梼原町
【主 催】
財団法人 四万十川財団
四万十川総合保全機構(四万十市・四万十町・中土佐町・津野町・梼原町)
【協 力】
国土交通省中村河川国道事務所
高知県幡多土木事務所、高知県須崎土木事務所
高知県須崎土木事務所四万十町事務所
【参加延べ人数】 約 5,510 人
【特徴的な点】
・古タイヤ、家電、不法投棄などの大型で意図して捨てられているごみがある。
・年々参加住民が増えている地域があり、四万十川への愛着を感じた。
・雨天の為、西土佐は中止、実施地域も参加人数は少なめであった。
・若者の参加が少ないように感じる。流域の学校に声掛けをしてはどうか。
・清掃の結果を住民に知らせる仕組みづくりの検討が必要ではないか。
H25 年度
市町名
四万十市
四万十川流域 一斉清掃 結果報告
Total 参加延べ人数
収集ゴミ総量
約 1150 名
2.5トン
2013年 4 月25日
一番多かったゴミとその量
今年の清掃の特徴的な点
ビン、缶、ペットボト
前日の雨の影響で河川が増水し、西土佐地域は
ル・・・全体の 2~3割程
中止となった。
中村地域でいえば、参加人数は前年度と変わら
ずゴミの収量は大幅に減少した。
四万十町
中土佐町
約 3000 人
約60人
金物類
古タイヤと家電などが多く捨てられていた。
●不燃物(カン・ビン)
・・・軽四トラック2車
●可燃物(ビニール系)
・・・軽四トラック1車
悪天候のため、例年より参加者・ゴミの量とも
10,290kg
不燃物・・・軽四トラック2車
可燃物・・・軽四トラック1車
廃プラスチック
津野町
約 200 人
約 1090kg
約 380kg
に少なかった
雨天のため参加者は少なく、川も増水していた
ため道路沿い中心の収集となった。ゴミの収集
量は昨年より減少していたが、昨年同様廃プラ
スチックの占める割合が高かった。
不燃ゴミ 4 ㌧トラック約3台分
梼原町
約 1100 人
可燃ごみ・・・
地域で処理したので不明
不燃ゴミ(トタン・あぜな 参加者が比較的多く、四万十川への愛着の意識
み・鉄・ビニール袋等)・・・
が高いことが裏付けられた。それに反してゴミ
4 ㌧トラックで約2台分
の量が少なかった印象あり。ゴミの量は毎年減
っているようだが、不法投棄箇所が新たに 2
箇所発見された。
合
計
約 5510人
四万十市
四万十町
津野町
梼原町
中土佐町
公 1-3
森林ボランティア活動促進事業
平成 25 年度 四万十川財団事業報告
森林ボランティア活動促進事業
1
事業計画
高知大学や森林ボランティアグループとの連携、協力により、森林保全のための森林
ボランティア養成講座(四万十樵養成塾)を開催します。森林ボランティアグループ
の活動支援を行ないます。
2
報 告
主となる事業として「平成25年度 四万十樵養成塾」を開催。高知大学の今安氏を
講師に迎え、チェーンソー手帳取得可能な講座を実施し、9名の受講生に手帳を発行
した。(*次ページ参照)また、受講生のうち数名はボランティア団体である四万十
樵塾に入会し、ボランティア活動に取り組んでいる。
上記の他に、四万十川の森林ボランティア団体のネットワーク形成の為、複数団体
による会議を実施し、四万十川財団はその事務局を担った。
さらにチェーンソー手帳の取得等、研修による職員のスキルアップも図った。
3
今後の展望
川の保全のためには山の手入れは必要不可欠であり、そのためにはたくさんの人に
山に関わってもらうこと、そして安全で継続的な活動が必要である。そこで、 主事
業である「四万十樵養成塾」の周知方法として、町内の回覧を利用することを検討し
、多くの人に山に入る機会を提供したい。また、継続して山の活動に取り組めるよう
四万十樵塾への入会を勧め、イベントや研修の案内を出していく。
ニーズの高かった刈払機の講習についても検討する。
4
活動詳細
【その他の補助活動】
・流域の森林ボランティア団体連携の為の準備会 11/2
(参加団体)四万十樵塾・朝霧森林倶楽部・四万十次世代の会・四万十の森救援隊
シマントモリモリ団・遊山会 計 12 名
・四万十樵塾による生態系トラスト協会の間伐補助 1/11、12
【研修・講座・シンポジウム参加等】
・西ヶ方大学「いのちをいただくとは?」 7/13
・第7回協働の森フォーラム 8/31
・自伐・小規模林業の意義と可能性 9/28
・森林ボランティア団体「遊山会」との懇談会 11/13
・森林・林業活性化のための勉強会 12/3
・民有林活用研修 12/4、5
・森林保全ボランティア作業安全研修
(*神田・武市 チェーンソー手帳取得) 1/10
・自伐林業シンポジウム 3/12
平成 25 年度
四万十樵養成塾
【趣旨・目的等】
健全な森林は清流を育み、動植物による多様な生態系を保ち、山地災害を防ぎつつ、二
酸化炭素を吸収して地球温暖化を防いでいます。また、木々の緑や深緑が醸し出す豊かな
景観は、リラクゼーションをもたらし、社会生活で大きなストレスを受けている現代人にとっ
ての癒し効果も注目されるところです。
当財団では、県民共有の財産である四万十川をみんなで守り、清流を後世に引き継いで
いくことを目的とし活動していますが、その目的達成の為には、過疎・高齢化等により荒廃
しつつある人工林の間伐促進が不可欠であると考えています。
そこで当財団では、平成 13 年度よりチェーンソーを使った本格的な間伐が出来る森林
ボランティアの養成講座を開講しています。そして、その講座の卒業生が中心となって組
織された、森林ボランティアグループ「四万十樵塾」は、間伐することにより四万十川の環
境保全に資することを目的として、現在、四万十川流域を中心に活躍中です。
【実施年月日】
平成25年 11 月29 日(金) ~
12 月 1 日(日) 2 泊 3 日
【実施場所】
高知県高岡郡津野町船戸4724 四万十源流センターせいらんの里 、周辺の県有林
【内
容】
・チェーンソーを用いて行う伐木等の業務従事者安全衛生教育講座
(チェーンソーの取り扱いに関する講座、座学及び間伐実習)
*尚、講座修了者には、チェーンソー手帳(伐木等特別教育修了証)を交付。
【参加費用】
18,000 円(1 人 テキスト代、宿泊代、交流会参加費として)
【募集対象者と人数】
・チェーンソー使用経験は問いません。(初心者大歓迎)
・20 歳以上で健康な方(5kg 程度の装備を持ち山登りできる方)
・募集人数
10 名程度(*当日参加者 9名)
昨年度よりチェーンソー手帳取得可能な講座としている効果もあってか、キャンセルが1名
出たものの募集の段階では定員いっぱいとなった。参加者のほとんどはチェーンソー使用
未経験者であり、50~60 代が半数、40 代以下は I ターンや地域おこし協力隊の方であった。
参加理由を見てみると「シルバーでチェーンソーを使いたい」「持ち山の手入れをしたい」
「正しいチェーンソーの使い方を学びたい」という理由が大部分であった。
当日は高知大学の今安氏を講師に招き、また樵養成塾を卒業したメンバーで構成される
ボランティア団体「四万十樵塾」を助手に迎え、林業・木材製造業労働災害防止協会の定め
るカリキュラムに沿って講習を進めた。チェーンソーや間伐に関する知識・技術を一から丁
寧に学べる講習となり、初めての参加者に分かりやく、また経験者からも、正しい知識を持
っている人に学べる貴重な体験だという声があがった。参加者同士の交流も盛んで、本事
業終了後に互いの地域を行き来するほどになっている。
無事に参加者9名全員がチェーンソー手帳を取得することができ、そのうち数名は四万
十樵塾に入会し、ボランティアとして活躍している。また、四万十樵塾は毎月1回定例活動を
行っており、流域の山の手入れを続けている。
公 1-4
清流の森づくり事業
平成 25 年度 四万十川財団事業報告
清流の森づくり事業
1
事業計画
清流保全に必要な下刈や除間伐等に取り組みます。また、日本一ともいわれる四万十
2
報 告
生物多様性の取り組みについて知るため、県及び5市町の職員と広島県への視察を
行った。(*次ページ参照)
また、埼玉県からの自然再生・循環社会に関する視察を受け入れた他、青森県の弘
前大学での講演も行った。
川流域の生物多様性を守るための取り組みを進めます。
3
4
今後の展望
活動詳細
下刈りや除間伐は一通り終わり、必要な森がないので場所の検討が必要である。生
物多様性こうち戦略が26年3月に策定され、これから高知県内各地域でのとりくみ
が始まる段階に来ている。流域内で充分な協議のうえ、連携した取り組みができれば
良い。 【その他の補助活動】
・埼玉県議会視察(自然再生・循環社会対策特別委員会)の受け入れ 7/30
・白神山地世界自然遺産登録20周年記念シンポジウムでの講演 11/24
【研修・講座・シンポジウム等参加】
・クマタカのはく製お披露目会 4/20
・キリンビール 水と自然と暮らしのキャンペーン2013 「たっすいがは、いかん!山の手入れ体験バスツアー春」 5/26
・下津井ほたる祭り 6/2
・生物多様性タウンミーティング 7/6、7/7
・生物多様性に関する事業所研修会7/9
・ウナギフォーラム 7/14
・第3回四万十町生物多様性の町づくり検討委員会・特別講演 10/29
・高知人文社会科学会 3/15
・四万十川流域保全振興委員会 12/18、3/25
・高知大学・四万十市連携事業 アユ・スジアオノリの報告会3/26
・ネイチャーセンター実行委員会 1/27、3/28
北広島町視察について
【趣旨・目的等】
生物多様性のとりくみの先進地である広島県北広島町のとりくみを学び、今後の活動を
検討する材料とする。
【日
時】
平成25年 10 月 7 日(月) ~ 10月 8 日(火)
【実施場所】
広島県山県郡北広島町東八幡原 119-1 高原の自然館
広島県山県郡北広島町有田 1234 北広島町役場本庁舎
【視察参加者】
梼原町
環境整備課 久岡俊彦
津野町
産業建設課長 黒川満洋
四万十町 環境課長
山脇一生
四万十市 観光課長
小松富士夫
高知県林業振興・環境部 環境共生課 四万十川・清流担当 主幹 門田充訓
公益財団法人四万十川財団
事務局長
神田修
10 月 7 日(月) 14:30~16:30
<芸北高原の自然館>
・
高原の自然館(フィールドミュージアム)の活動について
・
北広島町の生物多様性の町づくり概略
・
北広島町生物多様性の保全に関する条例制定への流れ
・
生物多様性きたひろ戦略について
・
北広島町レッドデータブック作成について
霧ヶ谷湿原で自然再生事業の実際を視察。
現地で白川学芸員から説明を受ける。
雲月山野生生物保護区にて現地説明
10 月8日(火) 9:30~11:30
北広島町役場本庁舎401会議室で町の取組みの説明を受ける
・企画課 政策立案室
道川智治
生物多様性の町づくり 具体例
・商工観光課 観光振興係
藤井明美
農山村体験推進事業(事業具体例)
・芸北高原の自然館
白川勝信
生物多様性の取組み全般について
公 1-5
清流通信作成事業
平成 25 年度 四万十川財団事業報告
清流通信作成事業
1
事業計画
四万十川のタイムリーかつホットな情報を、ホームページにより発信するとともに
首都圏を中心とする通信社や旅行代理店などに提供します。
また、ホームページの外国語表記やアクセス増加対策を検討します。
2
報 告
毎月発信しているWEB機関誌「清流通信 四万十川物語」については、平成25年度
も1月に1号ずつ配信した。記念すべき第200章においては、四万十大使6名の皆様
のご協力を得て、著名人のサインを読者にプレゼントするという企画を立てた。また
、流域内の次月のイベント周知欄を設ける等、全国862件に発信しているネットワー
クを利用して、観光客の誘致も図った。
清流通信・HP以外のデバイスとして、平成25年度よりFacebookを導入し、タイム
リーな写真や記事をアップしている。
3
今後の展望
清流通信については引き続き毎月の発信を行っていくとともに、配信先の増加に努
める。併せて、ホームページやFacebookを上手く活用することで、四万十川と四万
十川財団のアピールを積極的に行っていく。
4
詳 細
【配信件数】
2014年3月31日現在 862件
【配信先】
国・県・市町村・マスコミ・旅行会社・四万十川財団会員・一般の方々など
【配信内容】
198章 13.4.25 四万十川をまもろう!バナナ
199章 13.5.24 四万十町打井川に受け継がれる諸伝説
200章 13.6.25 祝!200章
201章 13.7.25 平成25年度 四万十川の日事業
202章 13.8.23 ∼自然とともに 川漁師のムラに生まれて∼
203章 13.9.25 四万十川の百名花
204章 13.10.25 四万十川すみずみツーリズム
205章 13.11.25
一斗俵沈下橋と清水大橋
206章 13.12.25 津野町地域おこし協力隊
207章 14.1.27
鶴と四万十
208章 14.2.25 カゴノオト
209章 14.3.25 ブランド認証事業に新商品が仲間入り!!
〈送信者〉
公益財団法人 四万十川財団
Shimantogawa Monogatari
第 198 章
TEL:0880-29-0200
FAX:0880-29-0201
通信日● 2013 年 4 月 25 日
E-mail: [email protected]
URL:http://www.shimanto.or.jp
バナナ1房に 四万十川への想いを込めて
「 四万十川をまもろう!バナナ 」をご存じだろうか?
これは、合同会社 ドール(あのバナナやパイナップルで有名なドールです。
)が 『 地域貢献バナナ 1 房で 1
つの喜びに 』と題して取り組んでいる事業のひとつだ。同社は日本の各地で文化保護、教育支援、環境保全、地
域振興、スポーツ振興などをテーマに、地域の特性を生かしたバナナの販売を行っている。青森県の“カーリング
バナナ”
、奈良県の“LOVE
DEER
BANANA”、お隣の愛媛県では“愛のあるバナナ”等、地域の独自性を生
かした商品を地元業者と共同開発し、17都道県において売上げの一部を寄附し、地域貢献活動に取り組んでいる。
そのドールが、高知市にある 株式会社 高知青果市場 と共同開発
した商品が「 四万十川をまもろう!バナナ 」。高知青果市場 は平成
20年以来毎年、バナナ1パックにつき1円を四万十川基金に寄付し
てくださっている。また、高知青果は四万十川桜マラソンへのバナナ
提供も行っており、積極的に四万十川に関わってくれているのだ。
4月19日(金)には、平成24年度売上げ分の寄附贈呈式が中土
佐町役場で行なわれ、高知青果市場尾﨑眞一社長より当財団の池田洋
光理事長に目録が手渡された。
お預かりしたご寄付は、責任を持って有効に活用いたします。
左から尾﨑眞一社長、池田洋光理事長、田中俊秀常務
「四万十川をまもろう!バナナ」
さて、このバナナだが、高知のほとんどの大手スーパー
で買うことができる。
「四万十川をまもろう!バナナ」は数ある地域貢献バナナの
中でも売上げはベスト5に入るそうで
“
高知県民は四万十川に対しての意識が高いのですね
”
とドールの方も感心されていた。
「 四万十川を大事にしたい。後世に残したい 」
このような思いは多くの人が持っているだろうが、それを行動に移すことはなかなか難しい。でも、同じバナナを
買うのでも、“ 四万十川をまもろうバナナを買う ”ただそれだけのことで、四万十川を守ることにつながる。
皆さんも是非この“四万十川をまもろう!バナナ”を手にとってくださいね。
また、お知り合いの方にもこんなバナナがあることを話題にしてもらえたら嬉しいです。
四万十川に関わる手段は意外に身近にあるんですね。
四万十川財団が新体制になりました。
桜も散り、春のやわらかな陽差しがだんだんとまぶしくなってきました。みなさまいかがお過ごしでしょうか。
さて、平成 25 年 4 月 1 日をもって当財団は「公益財団法人 四万十川財団」と名称を改め、新しいスタート
を切りました。心機一転これまで以上に努めてまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
この4月から新体制になりましたので、まずはスタッフの紹介からさせて頂こうと思います。
◎新事務局長 神田 修(写真中央)
5 年前に四万十市へ幸せ移住しました。
子ども 3 人、妻 1 人。
愛する四万十川のために頑張ります!
◎新事務局スタッフ 武市 真実(写真右)
はじめまして!今年度より清流通信の担当をさせて頂きます。
皆様に読んでもらえるような清流通信を作るだけでなく、アクティ
ブに、そして若々しく活動していきたいと思っています。
今後ともどうぞよろしくお願いします!
◎事務スタッフ
藤宗 恵美子(写真左)
勤務歴10年のベテランさんです。
藤宗さんにかかれば分からないことなんて何にもなし!
地域の方々にも愛される四万十川財団のお母さん的存在です。
皆様よろしくお願いします!
よってこい四万十
日時
5 月 3 日(金)10:00~15:00
場所
四万十町
内容
アメゴ釣りや地場産品の販売、ホビー館のフィギュアの絵付け体験など、
十川こいのぼり公園
四万十町をまるごと体験♪空を見上げると、四万十川の上をたくさんの
こいのぼりが悠々と泳いでいますよ!
→詳しくは
第 24 回かつお祭
四万十町観光協会(0880-29-6004)まで
日時
5 月 19 日(日)
10:00~15:00
場所
中土佐町
内容
かつお料理の出店、かつお一本釣り競争、ところてん早食い競争など
久礼八幡宮前ふるさと海岸
様々なイベントが企画されています。おいしく楽しいイベントがてんこ盛り!
さぁ 皆さんも鰹之國へ Let’s
→詳しくは
Go!!
中土佐町 水産商工課(0889-52 -2473)まで
(取材/記事
武市 真実)
〈送信者〉
公 益 財 団 法 人
四 万 十 川 財 団
TEL:0880-29-0200
FAX:0880-29-0201
Shimantogawa Monogatari
第 199章
通信日● 2013 年 5月 24日
E-mail: [email protected]
~四万十町・打井川に受け継がれる諸伝説~
馬之助神社。それは四万十町・打井川の静かな谷あいにある神社で、祭神はたった7歳の悪ガキ馬之助。
昔、打井川の峠のふもとに貧乏な百姓がいた。貧乏な上に子だくさんであったこの家族は、馬之助を授かった
時には「よう育てんけん押し子にしよう」と話し合った。押し子とは、生まれて間もない赤ん坊を土の中に埋め
てしまうことらしいが、母親はどうしてもそんなかわいそうなことはできないと猛反対し、馬之助を育てること
に決めたそうだ。しかし、そんな母親の思いとは裏腹に、馬之助は腹が減っては盗みをし、両親が畳に頭をこす
りつけて謝って回ってもそれでもイタズラばかりをし続け、ついに7歳の時に捨てられてしまった。たった7歳
の子どもを山に置き去りにする。いくらイタズラをして困ると言えども、母親は身を引き裂かれる思いだったに
違いない。こんなことならあの時押し子にしておけば良かったと後悔もしたことだろう・・・。山に捨てられた
馬之助は、最初の1週間くらいは川でサワガニを捕まえながらなんとか生き延びたようだが、やはり1ヶ月もし
た頃には姿が見えなくなり、どうやら亡くなってしまったようである。そのすぐ後、両
親はもとより家族・親戚一同が亡くなってしまい、そして、災いは馬之助の親族だけで
なく山で仕事をする者皆に降りかかるようになった。山に仕入れに来ようものならその
家族には不幸がもたらされ、馬之助の悪口を言おうものなら命を奪われたそうだ。
困り果てた村人は、坊様を雇って社や通夜堂を建て、馬之助大明神として毎月例祭を
するようになった。それからというもの、災いがなくなっただけでなく、馬之助神社を
参拝するといろんなご利益がもたらされるようになり、今では県内外問わずたくさんの
信者がいるという。
馬之助の像
馬之助神社
実際にあった最近の話だが、足が悪くて医者に行ってもどうにもならないような男性
が馬之助神社に水車を作ったところ、驚くほど足の調子が良くなったそうだ。また、会
社の経営が芳しくなかった男性がサワガニの石像を奉納したところ、どんどん仕事が舞
い込んでくるようになったという。今では全国から感謝の気持ちを込めて、馬之助にお
もちゃやお菓子が届けられ、馬之助神社にはそれらが所狭しとならべられている。ただ、
イタズラ好きの神様なので・・・大阪の TV 局が取材に来た時はカメラの電源が入らな
かったり、馬之助のご神体を撮影すると奇妙な光が映っていたというような話もある。
皆さんもお立ちよりの際には邪念を払って純粋な気持ちで参拝してほしい。
ところで、打井川の諸伝説のおもしろいマップがあるのをご存じだろうか。これ
は、流域のある男性が、伊能忠敬のように独自で手書きで書かれたマップで、とて
も可愛らしいうえに、すごく詳細に事が記されている私の大好きなマップである。
是非ともリンクをクリックして、大きな画面でご覧頂きたい。上記の馬之助神社の
話ももちろん、他の諸伝説に関しても場所と内容とが分かりやすく記載されている。
このような形で、後世にその地域のことを伝承し、残していくことは清流四万十に
とっても重要なことである。この方は、打井川だけでなく四万十町のいろんなとこ
ろのマップを描かれているので、興味のある方は財団までご連絡ください。
さて、話がそれてしまったが、打井川の伝説についてもう少し紹介したいと思う。
このマップと見比べながら読み進めて頂けると分かりやすいのではないだろうか。
打井川どきどきマップ.pdf
しむか地蔵。お地蔵さまにおしっこをかけたいたずらっ子とそれを叱ったおじいちゃんの話
打井川どきどきマップ
左上参照
奥打井川の地蔵峠に首なし地蔵さまがいる。昔、この首なし地蔵さまに、いたずらっ子が大量のおっしこをか
けては「しむか地蔵。しむか地蔵。
」
(*訳
しみるか地蔵)とひとりごとを言ってはおしっこをかけ続けたそう
だ。そこに 1 人のじいさまが通りかかって「こりゃ!そんなことをしてたまるか。ちんちが腫れてしまうぞ。」
といたずらっ子を叱りとばし、そして、地蔵さまを清水で洗い流して祀り直したそうだ。「今日はええことをし
た」とじいさまは穏やかな気持ちで家に帰って行った。ところが、それからというもの、じいさまの周りではろ
くなことがなかった。飼っていた牛は死んでしまうし、家内はわずらってしまう・・・。それもそのはず。「あ
の時せっかく子どもが名前をつけてくれよったに、じいのすが叱りとばしたもんじゃけん台なしになってしもう
た。いらんでええことをしてくれた。」と地蔵さまが怒っているというではないか。これは悪いことをしてしも
うたと、じいさまは急いで地蔵さまにお詫びをし、「しむか地蔵」という名前をつけ、さらに新しい地蔵さまを
隣に並べて供養をした。お地蔵さまはイタズラをされようとも子どもと遊ぶのが大好きなんですね。
ところで、この首なし地蔵さま。「わしの首は、辰巳の方角にとんでいてころびよるが誰も拾ってくれるもん
がおらん。誰でもかまわんが拾い上げてくれたら、なんでも願い事を 1 つだけは必ずかねちゃるのにな。」とお
告げを残したそうだ。そして、今でも地蔵さまは首なしで立っている・・・。
この石に座ると大雨が降る!?
昔、この石の上で権現様がお休み
になったことからそう言われる。
横にある木は、権現様がお休みに
なるときに置き忘れた杖が、その
まま成長したものだとか・・。
雨降り石
打井川ドキドキマップ
左上
かっぱアイス
これぞ巷で有名なあのかっぱア
イス!!
かっぱの大好きなきゅうり味の
さっぱりしたアイスです。打井川
にお越しの時は是非どうぞ。
いちおしアイス!
第 10 回 ホタルまつり in 森の巣箱
日時:平成 25 年 6 月 8 日(土) 16:00~21:00
場所:津野町床鍋 森の巣箱
内容:子ども達のホタル関連作品の表彰や日本舞踊やマジックなどの
催し事、津野町うまいもの市、夜8時からは近くの川でホタル鑑賞が
あります。
この時期だけの癒しのイベント。みなさんもホタルの光で心を安らげ
てみませんか?
詳しくは津野町役場の HP をご覧ください。
(取材/記事 武市 真実)
Shimantogawa Monogatari
第200章
通信日● 2013 年 6月 25 日
〈送信者〉
公 益 財 団 法 人
四 万 十 川 財 団
TEL:0880-29-0200
FAX:0880-29-0201
E-mail: [email protected]
祝 清流通信第200章
いつも清流通信をご愛読いただきありがとうございます。おかげさまで今月号をもって、清流通信第200章
を迎えることができました!!本当にありがとうございます。
平成9年7月から清流通信は毎月1章ずつ発信を続け、約16年の月日を歩んできました。
第1章は橋本大二郎 元高知県知事のメッセージから始まり、第47章で 20 世紀最後の年・ミレニアムを祝
い、その後、第 100 章と歩みを進めていきながら本日第 200 章に至りました。この間、本当にたくさんの方々
にご協力いただき、そして支えられながら今日までやってこられたことに大変感謝しております。今後とも清流
通信をどうぞよろしくお願いいたします。
さて、今回は記念すべき第 200 章ということで、四万十大使の方々からメッセージを頂戴いたしました。皆
様お忙しい中にもかかわらず快く引き受けてくださり、四万十川に対する熱い想いを感じました。四万十大使の
皆様どうもありがとうございます。早速、いただいたメッセージのご紹介をさせていただこうと思います。
*四万十大使:各界でご活躍の著名な方の中で、自然や環境保全にご理解があり、四万十川の紹介や保全への
支援の呼びかけなどを自主活動の中で行うことをご承認いただいた方を、高知県知事が委嘱さ
せていただいております。現在は6名の皆様にご活躍いただいております。
宮崎美子さん
三好礼子さん
山本容子さん
椎名誠さん
歌人
俵 万智さん
畠山重篤さん
第 200 章 記念プレゼント!
今回四万十大使の皆様から頂いた直筆のメッセージを、抽選で清流通信読者の方にプレゼントします!四万
十川への愛がたくさん詰まった色紙を手に、皆で四万十川を盛り上げていきませんか。
ご希望の方は、氏名・お電話番号・どの方の色紙をご希望かを記載して下記までメールをお願いします。
尚、当選は抽選によりますのでご希望に添えないこともございます。予めご了承ください。当選された方に
はこちらからご連絡いたします。締切は平成25年7月 5 日(金)まで。
皆様のご応募お待ちいたしております!
申込・お問い合わせ
公益財団法人 四万十川財団
TEL 0880-29-0200/FAX 0880-29-0201
Mail [email protected]
(担当:武市)
(記事:武市真実)
〈送信者〉
公
四
Shimantogawa Monogatari
第 201 章
通信日● 2013 年 7 月 25 日
平成 25 年度
益 財 団 法 人
万 十 川 財 団
TEL: 0880-29-0200
FAX: 0880-29-0201
E-mail: [email protected]
四万十川の日事業
7/21(日)平成 25 年度四万十川の日事業「四万十川の生きものはかせ!遊んで学ぼうわくわく楽校♪」を開催
しました!少し雲がかかり風の吹く涼しい天候の中、参加者 30 名の皆様と自然の中で生きものを探しました。身近
にあるけれど日頃はあまり体験できない、本当の意味での自然の遊び・学びを体験できたのではないかと思います。
今月号の清流通信では、今年度のこの事業についてご紹介したいと思います。
(午前の部)事前学習と四万十川の干潟で生きものさがし
今回お世話になったのは高知県四万十市にあるトンボ自然公園さん。
こちらは世界で初めてトンボの保護区を設置し、そこには70数種類ものトンボと
他にもカエルやセミ・花など数多くの生きものが暮らしています。また、トンボ自
然公園では、トンボだけでなく魚についても知ることができ、スタッフの方も豊富
な知識を持っておられます。
午前の部は、そんなトンボ自然公園の学遊館「あきついお」で四万十川の魚に
ついて学習した後、実際に四万十川の干潟に行って、生物観察をしました。
親子で川に入って生
きものさがし。冷たく
て気持ち良い!
網の中には不思議
な生き物が たくさ ん
いたよ。
見つけた生きものをお
姉ちゃんに教えてもら
ったよ。
珍しい生きものがいっ
ぱいでお父さんも興味
深々!
アカメの赤ちゃん
こんなに大きなエビも!
四万十川のチワラスボ
(昼食)屋形船に乗って遊覧ごはん
お昼ごはんは、屋形船に乗って四万十川で採れる食材を使ったお料理を満喫。話上手な船頭さんの案内で四万十川
を遊覧し、川漁師のおじさんが実際に漁を見せてくれました。船着き場に帰るとたくさんのカモがお出迎えに!
うなぎに手長エビのか
ら揚げ、青さのりなど
四万十川ならではのお
いしいお料理にみんな
大満足でした!
川漁師のおっちゃんが
獲れたお魚を持たせ
てくれたよ!大きくて
どきどき。
カモがカモーン!
とお迎えに・・・
(午後の部)生きものさがしゲーム! in トンボ自然公園
午後はトンボ自然公園で、生きものさがしゲームをしました。ルールは、レベル1からレベル5までの生きものを
親子で順に見つけていくというもの。さすがにレベル5になると難しかったですが、親子で走り回って生きものさが
しをしました。
レベル5は難関。でもやってみたい!
おばあちゃんが教えてくれたよ♪
見つけたぞー!!!
まとめ
今回は四万十川に興味・関心を持ってもらいたいという願いを込めて、楽しく学べる企画を考えました。参加
者の皆様からは、「来年も是非参加したい」
「こんなに生きものが見れておもしろい」との声をいただき、成功に
終わったのではないかと一安心しております。
一方で、参加者の大部分は今回の会場となった四万十市在住の方でしたが、干潟での生物観察も屋形船も「初めて
経験しました!」という声が多かったように思います。清流四万十川は私たちのごく身近にありますが、それ故に、
その良さにはなかなか気づきにくいもの。近年観光客向けの開発が進んでおり、ますますその傾向が強くなってい
くのではないかと心配しています。四万十川はただきれいなだけの川ではなく、生物がたくさんいて、そしてそこ
に地元の人とのつながりがあるからこそ素晴らしい。そのことを伝えていくためにも、もう一度地元の人に四万十
川に目を向けてもらうことが大切だと改めて感じました。我々四万十川財団もそのお手伝いを通して、これからの
四万十川を支えていけるよう努力していきたいと思います。
今回のこのイベントも、来年からは、その場かぎりではなくきちんと身につく学びにすることが必要だと感じて
います。リバーマスターやトンボ自然公園をはじめとする流域の”川の達人”の力も借りながら、イベント実施回
数を増やしたり、自由研究として今度は自分で学びを深めていってもらったりと新たな取り組みをしていこうと思
います。
長くなりましたが、平成 25 年度 四万十川の日事業が定員の 2 倍もの応募を集め、大盛況に終わったことを
報告させていただきます。
7/19(金)ブランド認定委員会を開催しました。・・・ところで、四万十ブランドって何?
四万十ブランドとは、四万十川と左の約束を交わした
商品で、四万十川流域の原材料を使用し、流域内で生産・
栽培され、四万十川保全への対策を行っている商品に認定
されるものです。今回は四万十町の生姜と加工品の3品が
新たに認定されました。
認定委員会ではこれからもっともっとブランド認定制度が
盛り上がっていくよう熱い討議がなされました!委員の皆様
どうもありがとうございました。四万十ブランドにふさわし
い商品をご存知の方は、是非お知らせください!!
それから今回認定された生姜ですが、無農薬で栽培されて
おりスジが感じられない本当に素晴らしい一品です。是非ご
賞味ください。
↓四万十の情熱生姜
~四万十町一斗表で育てる情熱生姜はこちら~
四万十スイートファーマーズ
http://shimanto-sweet-farmers.net/
(取材/記事 武市 真実)
〈送信者〉
四万十川財団
TEL: 0880-29-0200
FAX: 0880-29-0201
公益財団法人
Shimantogawa Monogatari
第 202 章
E-mail: [email protected]
URL:http://www.shimanto.or.jp
通信日● 2013 年 8 月 23 日
にい
みつ兄・カッパのみっちゃん
四万十市三里の岡村三男さん(昭和6年生まれ)は、流域でも名うての川
漁師だ。地元では「みつ兄」と呼ばれている。岡村さんは、中村山内家の第
かようないき
とよあきら
二家老・加用内記を先祖に頂く家系に生まれた。中村山内家三代・豊明 が
将軍徳川綱吉の怒りに触れて改易(家が取り潰されること)になったとき、
先祖たちは野にくだり、三里まで来た。そこで、
「 魚もようけおるし、ここ
で漁師になろう。 」と暮らし始めたと岡村さんは伝え聞いている。それ以
来、加用の子孫たちは、代々川漁をなりわいとして暮らしてきた。
岡村さんは、川漁師の家系に生まれ、父の音次さんに川漁を仕込まれる。
音次さんは素潜りの達人で、その血を継いだ岡村さんもスム(潜る)のが得意だった。3分でも4分で
も平気で潜った。友人の目の前で4尺もの鯉を“抱き獲り”してみせたこともある。
「カッパのみっち
ゃん」と呼ばれる由縁である。
「兄貴が二人とも戦争にとられとったけんね。学校を出て漁師になって、
親父と毎日一緒に川の上で暮らして、漁一本で食うてきた。夏の昼は地曳き網、夜は渕巻き(火振り漁)、
冬の間は下田にボラを獲りにいきよった。」そこで、川で生きていくための様々な知識を音次さんから
仕込まれた。「親父はえらかった(すごかった)ぜ。渕巻きから帰る船の上で『控えておれよぉ』言い
もって銛を投げて、10 メートル先のスズキを外すことなく獲った。親父にはかなわん。」岡村さんは
今でもそういう。その音次さんから「 自然に従わんといかん 」
「 自然の摂理によって生活をせよ 」
と教えを受けた岡村さんの口癖は「 自然ととも(一緒)よね。 」である。
もくせい
木犀の花がにおったら・・・
岡村さんが育った三里の島の宮には、川で生きていくための様々な言い伝え
が残されていた。それはまさに、四万十の厳しい自然の中で人間がいかに生き
抜いていくか、その知恵の集合体だった。植物の状態等で時機を知る「 自然
た て ず りょう
暦 」もその一つだ。ネコヤナギが咲いたらゴリの立簀 漁 を始め、イタドリの花が
咲いたら蟹籠を浸けた。ホゼ(彼岸花)が咲いたら鮎が下ると言って地引き網を
引き、雪汁(雪解け水)を呑むと鯉が眠るといって舟を出して鯉を突いた。
その中でも島の宮の人たちが秘中の秘として護ってきた口伝がある。
銀⽊犀の花
「 これはうちんくに伝わる秘中の秘やけど、もうかまん。僕で最後やけん。
ウチの庭に銀木犀の木があるろ。あの花がかすかににおったら、鮎は瀬の肩で一
晩泊まりをする。『一番付き』いうて、(産卵のための)瀬付きを始める。その瀬は、棹さしたらズルーっとめり
こ
込うでいくような小石と砂混じりの瀬よ。モーターにのっちょったら分からん。オン(雄)が先に立って、メン
(雌)が後ろについちょる。それから2・3日して木犀がきつうにおい出したら、一晩泊まりの大群がどっと瀬に
付く。こういうときはえらい漁をするぜ。 」
みつ兄の夢
「 今、都会から来た人たちが四万十の風景を見て、褒めてくれる。いいと言ってくれる。その景色は、昔の
人が何代にもわたってコツコツ造り上げた努力のたまものよね。昔の人は、母さんが腹に子供を宿したら、そ
の子の食い分といって土地を造った。それも機械がある訳じゃない、川原からもってきた玉石をついて、そり
ゃあすごい労力よ。昔の人がそんな死ぬるような思いをして創り上げたものを、今の人は金のために平気で
壊してしまう。それは結局自らの身を滅ぼすことになりはせんか。 」
岡村さんは村の言い伝えをとぎれさせてはならないと、趣味の絵を活かして絵巻物を制作した。「高いも
んやね。京都の装丁屋に頼んだら10万とられたぜ。」岡村さんは笑う。絵巻には囲炉裏の端でおんちゃんたち
に聞いた昔の話が描きこまれている。「雲つえ」という雲の底が抜けたような恐ろしい豪雨のこと、皆泣きな
がら流されていったと伝えられる大水害のこと、そして、伝え聞いた話から復元したかつての村の姿。
岡村さんの現在の夢は、家の沖に眠る三里の遺跡に日の目を見せることだ。「昭和54年に試掘したとき、
当時の文化庁の調査官に『四国で第一級の縄文遺跡』とお墨付きをもろうたがやけんね。縄文だけやない。
青磁も古伊万里も出ちょうがやけん。これをどうしても掘ってもらわないかん。四万十には自然はある。けん
ど文化的なものがない。このままではこの集落も廃れるばかりよ。何とか若いもんが働ける場所をかまえな
いかん。人に来てもらえるようにせないかん。」80才を越えても、岡村さんの意気はあがるばかりである。
お知らせ
今回ご紹介した岡村三男さんの話の聞き書きが、今年2月上梓されました。
永沢正好著「 岡村三男翁聞書
川は生きちょる ―四万十川に暮らす― 」大河書房
流域トピックス
¥3800
「 大正中津川集落の人と自然が共生する地域づくり協定 」締結
8⽉23⽇(⾦)
⾼知県と四万⼗町、四万⼗町⼤正中津川地区との間
で「⼤正中津川集落の⼈と⾃然が共⽣する地域づくり協定」が締結されま
した。この協定は「豊かな清流や優れた⾃然環境と景観を有する地区と⾃
然との共⽣」をキーワードに、地域住⺠と⾏政とが環境保全・地域振興の
取組みを協働して⾏なう協定で、四万⼗川流域ではしまんと⿊尊むら(H
18締結)に続いて2例⽬です。中津川地区のこれからにご注⽬ください。
〈送信者〉
Shimantogawa Monogatari
第 203 章
通信日● 2013 年 9 月 25 日
公
四
益 財 団 法 人
万 十 川 財 団
TEL: 0880-29-0200
FAX: 0880-29-0201
E-mail: [email protected]
~四万十川の百名花~
清流四万十川は、水質だけでなく、そこに人々の暮らしが結びついていたり豊かな自然が残っていたりするか
らこそ素晴らしい。そういった話をよく耳にする。しかし、具体的に人々の暮らしがどんなものであるかとか、
豊かな自然とはどういったものか、というのは一般の人にとってなかなか理解しがたいものでもあると私は考え
る。おそらく、自分の経験や考えに結びつき、
“そういうことか!”と感じるまで、思考は幽体離脱のように自
分とはちょっと遠いところでぐるぐる回るのであろう。
そこで、四万十川の豊かな自然について少しでも身近に感じてほしいという願いを込めて、今月号では四万十
川のお花を追い続けている男性を取材することにした。
四万十市役所にお勤めの杉村 和男さん。
四万十川に限るわけではないのだが、お花を追い続けてもう 25 年になるという。
財団のHPで紹介している旬のお花についてもこの方から写真や情報の提供を受
けており、その種類は半年でもう150種類を超えている。つまり、四万十川には
それだけたくさんのお花が咲いているということである。
そんなたくさんのお花の中から、四万十川を象徴する花や珍しい花 100 種類を厳
選して「四万十川百名花」として一覧にしてくれているので是非一度ご覧いただ
きたい。財団の HP にコーナーを作っているので、そちらからご覧ください。
百名花の中でも特に四万十川を象徴するトサシモツケ・シチョウゲ・オオクサボタンの3つについてだけ紹介し
ようと思う。
●トサシモツケ(四万十川百名花の 24)
四万十川、徳島県の那珂川、勝浦川だけに分布する四国固有種。河川の岩場に
生え、多種との競合を嫌います。以前は、絶滅の心配など無いと思うくらい無
数に生えていましたが、これが油断となって、竹ヤブが陸地から河岸へと広が
り本種の自生地を圧迫して、ほとんど無くなっています。
●シチョウゲ(四万十川百名花の 34)
四国では、四万十市~四万十町大正までの四万十川及び梼原川だけに分布します。
川岸、河原の岩場に生える小低木。トサシモツケとよく混生して、四万十川の代
表的な植物。この時期、四万十川には多くの観光客が訪れますが、花が小さいた
め(長さ1cm 程度)に目を向ける人はありません。
●オオクサボタン(四万十川百名花 74)
四国では四万十川流域だけに分布し、牧野富太郎博士によって四万十市麻生で
発見され世に知られることになった、四万十川の代表的な植物。葉は三出複葉
で名前のとおりボタンに似ますが、学(属)名は、Clematis (クレマチス)で、
同名の園芸種によく似ます。林縁に生え、10 月頃、薄紫色の花を咲かせます。
花後の果実も白髭のようになって、よく目立ちます。
1つの成功は 1000 の失敗から
さて、杉村さんが撮影されているお花はどんな場所に咲いているとあなたはお考えになるだろうか。こんなに
きれいな写真を撮るにはきっと人には教えられないような特別な場所があるのだと、私は思っていた。
しかし、実際はこんなところなのである・・・!
杉村さんとの取材では、狭い道や山道をひたすら走り、途中いろんなところで車は停車する。本当にその辺り
に咲いている花を探しては写真を撮っていくという感じだ。写真を撮るためには、獣道を作るかのように草をか
き分けたり、寝そべって良い位置を探したり、背景にどんな植物があるかを見たりと、いろんな工夫が凝らされ
ている。そして、ひとつの写真を撮るためには 20 分程度の時間が必要で、それでも納得する1枚はなかなか撮
れないらしい。
「花は事務的な記録には付き合ってくれず、気まぐれに自分の咲きたい時に咲きたい場所で咲く。
だからたくさん足を運ばないと成功を手に入れることはできない。」と杉村さんは熱く語る。それと同時に、
「こ
んな道端にも実は珍しい花が咲いていたりする。ただ、眺めてこの花ってなんだろう?そう思うことだけでも、
花や自然に目を向ける大きなきっかけになる」ということを私に教えてくれたように思う。
10 月は四万十川流域だけに分布するオオクサボタンが咲き始める。まずはこの花を探してみることから始め
るのもいいかもしれない。
ちなみに、素人の私が撮った写真と杉村さんの写真ではこんなにも差が出る。ちょっと残念だが、それはそれ
で、上手く撮りたいという気持ちが生まれ、それがまた私にお花への興味をかきたてるのである。
武市撮影
杉村さん撮影
受講生募集中!平成 25 年度
ちょっと一息~四国カルストの牛~
四万十樵養成塾!!
山の手入れに興味のある方、チェーンソー手帳取得をご希望される方、もちろん未経験の方も大歓迎!
チェーンソーの使い方や間伐の仕方を基礎からじっくり学ぶことが出来ます。
マンツーマンの指導で安心・安全。受講生にはチェーンソー手帳を発行します!
この機会に皆さん是非チャレンジしてみませんか!
日時
場所
募集
平成 25 年 11 月 29 日(金)~ 12 月1日(日) 2泊3日
高知県高岡郡津野町船戸
せいらんの里とその周辺の民有林
20 歳以上の健康な方 10 名程度
詳しくは当財団までお問い合わせください!
〈送信者〉
Shimantogawa Monogatari
第 204 章
通信日● 2013 年 10 月 25 日
公
四
益 財 団 法 人
万 十 川 財 団
TEL: 0880-29-0200
FAX: 0880-29-0201
E-mail: [email protected]
四万十川すみずみツーリズム
四万十川すみずみツーリズムは、四万十川を上流から下流、すみずみまで巡ってほしいという願いから平成
21 年に正式発足しました。個人で経営する農家民宿や農家レストラン、それから体験施設などがこの団体に加
入して活動しています。発足当時は23件であった施設も、5 年目を迎える今年度は約 1.5 倍の 36 施設になり
皆で力を合わせ、流域の振興とその地域での暮らしを守っています。
普段ホテルや旅館などを利用している方々にとって、農家民宿や農家レストランと聞くとちょっと馴染みがな
いように感じるかもしれません。1 日に 1 組だけしか泊まれないお宿も多いですし、お料理もシェフが作るわけ
ではなく会員さんの手作りです。施設に行くまでには少し不安になるようなくねくね道を抜けなければなりませ
ん。
ですが、そこには言葉では言い表すことのできない魅力があります。それは、行ってみた人にしか分からない
穏やかな時間と四万十ならではの楽しさ。その魅力を感じた人たちが、
“また逢おうね”と約束して帰っていく
ような、そんな場所がすみずみツーリズムにはあるのです。
「私が地域から大根を買うと、取引先のおばあちゃんはそのお金を孫のお小遣いにす
るんだと嬉しそうに話す。そしてそれがまた自分にとっても嬉しいんだ」
「もともと川で遊ぶことが好きでね。いろんな人に川遊びの楽しさを知ってもらいた
いし、自分も一緒になって遊びたい」
「歳もとったし得意なことはなにもないけれど、お客様が四万十でゆっくり過ごして
笑顔を見せてくれることがすごく嬉しいからこれからも続けていきたい」
「四万十っていいところ。それをもっといろんな人に伝えていきたい」
会員さんの思いは様々ですが、共通して言えることは『自分の住んでいる地域が大好きで、誰かのために何かが
できることがすごく嬉しい』ということ。まさにおもてなしのプロなのです。そんな気持ちが伝わるからこそ、
訪れた人は心を奪われるのでしょう。また、四万十の雄大な自然を頭ではなく体で感じられることも、普段はで
きないような体験ができることも、機械的な日常から離れて安らげることも、もちろんすみずみツーリズムの魅
力です。
会員さんはすごく謙虚に「こんな田舎によう来たねぇ。何もないけどゆっくりしていきや」と言いますが、そ
んなことはありません。実はそこにあるのは質の高いものばかり。教えてくれる川遊び、案内してくれる森の中
一つをとってもそこに住む人だからこそできるもの。お料理にしても、一見地味そうに見える地元の旬の食材を
見事な逸品に仕上げます。お宿もとても手入れが行き届いていて、清潔で自然と調和した癒しの空間になってい
るのです。
スタンプラリー始めました
結成以来、お客様が迷わないように統一看板を設置し、HP や MAP も作成してきたすみずみツーリズム。せっ
かく MAP を作ったのだから是非やってみたいね!と2年前から意見を出し合っていたスタンプラリーをようや
く今年実施することになりました。専門家がいるわけでもなく、地域の人たちだけで企画し、デザインし、作り
上げてきたスタンプラリーについて、この場を借りてご紹介させてください。
四万十川すみずみスタンプラリー
期間 : 平成 25 年 10 月 19 日~平成 26 年 5 月 31 日
応募方法: すみずみツーリズム加入施設をご利用ごとに1つスタンプがもらえます。宿泊か体験
いずれか1つを含めた合計5つのスタンプを集めてください。ただし、押印は1施設
1回のみです。応募はがきに必要事項を記入して切手を貼ってポストに投函すると、
抽選ですみずみクーポンが当たります。
1等
2等
3等
すみずみクーポン
すみずみクーポン
すみずみクーポン
5000 円
3000 円
1000 円
1本
3本
5本
各施設についての詳細は HP や MAP をご覧ください。(http://shimanto.or.jp/GT/)
ちらしはこちらから。すみずみスタンプラリー応募用紙.pdf MAP.PDF
目的は何なのか。誰をターゲットにするのか。景品はどうするのか。スタンプはどうやって作るのか。
4 月に行われた総会から夏の繁忙期を挟んで約半年。集まれる時間を見つけては話し合いをし、幾度となくメ
ールや電話で連絡を取り合い、ようやくここまでたどり着きました。作業自体を振り返ってみると、箇条書きに
して並べてみると、そんなに大したことではないのかもしれません。ですが、そこに地域を大切に思う住民の想
いと努力の結晶が詰まっています。少しでも興味を持たれた方は是非この機会にすみずみツーリズムの施設を訪
れてみてくださいね!
10 月 4 日・5 日の2日間にわたって、全国文化的景観連絡協議会四万十大会が四万十市にて開催されました。
この大会は、文化的景観の保存・活用の意識及び今後の在り方をともに考え、次世代に引き継いていくための方
策を検討・協議するために毎年開催されています。
四万十川の重要文化的景観については全国で唯一5市町が連携しているということ
で、当財団の神田事務局長が四万十を代表して流域連携に関する事例報告を実施。
連携するメリット、そしてこれからについて熱く語りました。
また、中越先生や文化庁の方の貴重なご講演、参加者も交えたパネルディスカッショ
ンも行われました。夜の懇親会では皆が驚く高知方式で来た人から順にお酒を交わし、
終始和やかな雰囲気で会場も賑わいました。
2 日目は2コースに分かれての現地視察。あいにくの雨でしたが、皆さん十分に四万
十を感じていただくことはできたでしょうか。ご遠方の中お越しいただいた皆様どうもありがとうございました。
今後とも四万十川流域の重要文化的景観についてご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。
〈送信者〉
公
四
Shimantogawa Monogatari
第 205 章
通信日● 2013 年 11 月 25 日
益 財 団 法 人
万 十 川 財 団
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台風接近!10 月の四万十川について報告
肌寒い日が続くようになりもうじき訪れるであろう冬の季節に目をうばわれがちだが、ここでちょっと先月の
ことを思い出してみてほしい。10 月下旬ごろから台風が相次ぎ、日本各地でその影響が危惧された。四万十でも
豪雨となり、別名「暴れ川」とも呼ばれる四万十川について多くの方からご心配の声を頂いたので、今月号では、
先月の四万十川の報告を少しだけさせていただきたいと思う。
結論から述べると、四万十は無事であった。どの沈下橋も落ちることなく、また周辺の集落等にも大きな影響
はなかったと言える。
一斗俵沈下橋
上岡沈下橋
上岡沈下橋へ向かう歩道
一斗俵沈下橋は沈む直前で、水が橋を乗り越えて流れている。また、上岡沈下橋は完全に沈んでしまっており、
対岸の歩道だけが見えている状態だ。さらに、上岡の場合は歩道にまで水が押し寄せている。今回は事務局周
辺の報告ばかりになるが、上流から下流まであらゆるところで大雨による川の変化が見られたようだ。
増水時には茶色く濁った川の水も、台風が過ぎさるとまたこんなにもきれいな
水になる。そして、徐々に水の中から沈下橋が顔を出し、何事もなかったかのよ
うにいつもと同じ日常が繰り返される。
それにしても、台風が来ると四万十のあちらこちらで川や橋に関する情報が飛
び交う。
「岩間も沈んだで。
」「早瀬も流れたらしい。」フェイスブックにも続々と
写真がアップされていく。そんな姿を見ていると、四万十の人々はあちらこちら
でつながっているんだと感じた。
香川出身の私から見ると、これがまた四万十ならではの暮らしなのである。
一枚の写真から。
3 つの橋.jpg
左の写真をご覧いただきたい。よく見ると3つの橋があり、右から順に一斗俵
沈下橋、源流大橋、清水大橋である。一斗俵沈下橋は四万十で現存する最古の沈
下橋で、清水大橋は一番新しく架けられた沈下橋、源流大橋は利便性を考慮して
後に架けられた抜水橋である。
集落に着目してみると、見えているのが米奥集落、手前(写っていないが)が
壱斗俵集落である。壱斗俵集落は、昔、南部忠高が荒地であったところを田にし、
貢物として穀一斗を献上したことからそう名付けられた。また、米奥集落は「米
の川」と「川奥」という2つの地名からきている。米の川は壱斗俵と同じく南部
忠高によって開拓された地であり、元禄地払帳によると壱斗俵よりも規模も石高
もはるかに大きかったことが分かる。米がたくさんとれる地での“米の川”とい
う名はとてもおもしろい。はっきりしたことはまだ調べられていないのだが、米
が流れるほどたくさんとれたのか、川で流通させたのか、様々な憶測がたてられ
そうである。
一斗俵沈下橋と清水大橋
一斗俵沈下橋が架かる以前は、歩行渡り(かちわたり)と呼ばれる方法で対岸へ渡ったという。浅瀬を選んで
着物をまくり上げ、フンドシを出して渡る方法であったが、危険なうえに不便であることは想像に容易い。そこ
で、次にできたのが板橋である。竹で編んだ筒状の籠のようなものの中に石を入れて橋脚とし、その上に板を渡
した。板は川岸の大木に縄でつながれており、大水になると下流に流れたが、また縄を手繰り寄せて板を回収し
たという。しかし、ゆさゆさ揺れる板橋もやはり危険なので、次に考えられたのが渡し舟である。
川を行き来するための渡し舟は、竿渡しと引き舟を併用しており、学校に通う
子どもたちや商人などたくさんの人が利用した。小学校の6年間この渡し舟を利
用したある人によると、雨の日、みのと笠をつけて竿を持って舟上に立っていた
船頭さんの雄姿は、今も脳裏に強く残っているそうだ。しかし、やはり増水時の
渡し舟による犠牲者も後を絶つことはなかった。
そして昭和 10 年、念願の沈下橋が渡船地に架設された。これまでの危険さや
不便さを考えると画期的だと当時の住民は大喜びしたという。しかし、希望に満
ちた沈下橋の工事も難航した。当時 3000 円という大金を集め、潜水師の命を
落としながらやっとの思いで完成した沈下橋も、直後の災害により橋台が壊れ、
中央部が流されてしまう。修繕工事においても、河床が深いために橋脚を安定さ
せることが難しく、その結果、橋脚工事はせずに中央部のスパンを長くし厚さを
つけるという手段をとっている。修繕工事には当初よりも多い 3600 円という
費用がかかり、金銭的にも労力的、精神的にも苦難を強いられたことは言うまで
もない。歴史を振り返ってみると、一斗俵沈下橋が当時の住民にとってどれほど
重要なものであったか、そしてそれを後世に残し引き継いでいくことにどれだけ
の価値があるのかも、自然と見えてくる。
時代は変わり、平成 7 年には抜水橋である源流大橋が建設され、一斗俵沈下橋
もその役目を終えた。しかし、今なお夏には子どもたちの遊び場として輝き続け
一斗俵沈下橋.JPG
ているのである。
清水大橋は、住民たちが一斗俵沈下橋まで迂回するのに不便さを感じたこ
とから作られた沈下橋である。こちらも当初は板橋がかけられたようで、そ
の橋脚が今も残っている。残っている3つの橋脚を比べてみると、石の種類
や積み方が違っており、壊れては修繕していたことがよく分かる。また、橋
にはたいてい見合い地蔵と言って対になって地蔵があることが多いが、清水
大橋の場合は相方のお地蔵さんがいない。もとからいなかったのか、洪水に
よって流されたのか、それとも違う場所にあるのか。さらに、清水大橋にあ
るお地蔵さんは、一斗俵のものとは形が少し違っている。この地域には、ま
だまだおもしろいことがありそうで、とても楽しみである。
板橋の橋脚.JPG
最初にご覧いただいた3つの橋が映る写真。実はあの写真からは板橋の名残、沈下橋、抜水橋と3世代につい
てを知ることができる。さらに、集落についても詳しく調べていけば、より多くを語ることができそうだ。
高知に来て、四万十川財団に勤めて、約8か月。ますます四万十はおもしろいと感じた取材であった。
武内元局長と神田局長
11 月 23・24日と昨日まで東京の浅草で開催されていた「東京四万十町展」
に当財団も参加してきました。その中で、四万十川流域の文化的景観について
説明をさせて頂きました。今回は四万十町が主催ということで、メインは今月
の清流通信のような内容です。少しでも多くの人が四万十に目を向けてくれる
といいのですが・・・!
一方で、局長は青森県の白神で開催されていたシンポジウムの中で、四万十
川についての紹介をしてきました!
四万十川の魅力を全国に発信することができた2日間でした。
Shimantogawa Monogatari
第 206 章
通信日● 2013 年 12 月 25 日
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津野町で飲める本格派コーヒー
中土佐町大野見から津野町に抜ける山道が 197 号線に合流する少し手前。四万十川の源流点を見晴らせる雄
大な場所で、修業を積んだ職人の点てる本格的なコーヒーを飲むことができる。「Coffee 7 Fushigi」店主の山
本歩氏は東京で料理人として働いていたとき、コース料理の最後に最適なコーヒーを提供したいと考えるように
なった。その思いは彼をコーヒー器具専門会社に転職させ、そしてコーヒーと真剣に向き合わせることになる。
業界で有名な故河野敏夫氏の最後の弟子となり、焙煎担当として豆の煎り方やその具合にこだわりを持ち、師匠
の愛用していた焙煎機を受け継いで今年10月に津野町でお店を開いた。
山本氏が津野町に来たのは約2年半前のこと。独立して開業したいと望んでいたところ、津野町が地域おこし
協力隊を募集していることを知り四万十川源流点の町にやってきた。過去に1度訪れたことがあっただけの四万
十川流域でなぜお店を開こうと思ったのかと尋ねると、“四万十川に呼ばれてやって来た”と答える山本氏。そ
の直感は正しかったようである。たまたま知り合った大家さんが理解のある人で開店にあたって親身に協力して
くれたこと。たまたま出会った地域おこし協力隊の同期の実家に、彼が勤めていた会社の年代物のサイフォンが
眠っていたこと。奥様がスイーツ好きで、津野町に来てから手作りスイーツの出荷を始めたところ評判になった
こと。四万十川源流点の町で四万十川の美味しい水を使って点てるコーヒーを彼自身が満足しており、自信をも
って提供出来ること。
引き寄せられるようにやってきた四万十川源流点の町。彼にたくさんの巡りあわせを提供していて、必要なと
きに必要な支えがタイミングよくもたらされていると感じはしないだろうか。そういう意味で、山本氏は本当に
四万十川に呼ばれてやって来たコーヒー職人なのである。そして、四万十川は目に見えない魅力で人を引き寄せ
る不思議な力を持っているということも同時に言えるのではないだろうか。
さて、山本氏の点てる本格的なコーヒー。今回いただいたのは「温泉珈琲」
という四万十川源流域の冷鉱泉を利用しているコーヒーである。本当に角の立
たない丸い感じの柔らかさで、その中にもコーヒーの香りと味が主張しすぎな
い程度できちんと存在感を示している。これがプロの点てるコーヒーなんだと
局長とうっとりしてしまった。また、美人な奥様の手作りスイーツも趣味で始
めたとは思えないほど本格的で美味しく、女性にも男性にもおすすめだ。
わざわざ行こうと思えるお店。自信をもって知人におすすめできるお店。四
万十川源流点で本格的なコーヒーを飲めるお店。そして、それだけでなく住民
たちの穏やかな笑い声が響く憩いの場。こんな素敵なお店が四万十川沿いにで
きたことを私はとても嬉しく思う。皆さんも是非足を運んでみてほしい。
ちなみに店名の「Coffee 7 Fushigi」は、コーヒーにはまだ不思議なこと
がたくさん隠されていること、店主の山本氏が不思議な性格だということから
名付けられたらしい。このお店には、店主に会いに行く面白さもある。
農業で生きていく
山本氏と同じく津野町の地域おこし協力隊として3年前に四万十にやってきたのは
西森 路晃氏。京都で生まれ育ち、事務の仕事をしながら暮らしていた。四万十には祖
母がいたそうで、小学生のころに何度か遊びに来たことがあるらしいが、四万十との縁
はただそれだけ。ところが、彼も山本氏と同じように導かれるように四万十にやってく
ることとなった。
四万十に来るまではごく普通のサラリーマン。農業なんてしたことがなかったという。
しかし、四万十に来てからの3年間が彼を大きく変えていった。もちろん農業も始めた
し、山に入って木を切るようになった。鶏もさばくし、料理も始めた。梼原町で有名な
棚田オーナー制度を津野町でもやってみたいと、町の人と協力して津野町の棚田オーナ
—制度の仕組みを検討し運営し始め、棚田をキャンドルでライトアップするイベントも
一緒に考えた。こうやって町の人にいろんなことを教えてもらいながら、自分のできる
ことを一生懸命やり続けていった結果、町の人が自然と彼を支えてくれるようになった。そして、彼も町のため
にと強く思うようになっていき、彼の役割が町の中にできていった。このような良いスパイラルが農業未経験者
の彼に“四万十で農業をして生きていく”という決断をさせたのではないだろうか。きっとたくさんの不安があ
ったに違いない。本当に生活していけるか、困ったとき助けてくれる人はいるか、他に選択肢はないのか。そん
な彼を支えたのは、間違いなく四万十の風土と温かい町民たちなのである。
地域おこし協力隊の3年間の任期を終えた後、来年4月から西森氏は本格的
に農業で生活していくことになる。3年間の経験から、1 人でやっていくため
に栽培するのはシシトウと決めたそうだ。今は試験的に少しだけ育てているが
4月からは 250 本のシシトウを育てて生計を立てていく。他にも自分の食べ
る分のお米や野菜を作り、町のためにできることを探しながら四万十で骨をう
ずめるつもりだと穏やかに語ってくれた。彼の今後の活躍がとても楽しみであ
り、四万十にとっても大変ありがたいことであると感じた。
地域おこし協力隊
今回は津野町の地域おこし協力隊の2人を取材した。山本氏は業界でも通用する本格的なコーヒーと住民の憩
いの場を四万十に提供してくれた。西森氏は四万十で農業をするということを決意し、町の人と一緒になって農
業に関する新しいシステムを作ってくれた。共通して言えることは、外から来た人と昔からそこに住む町民とが
協力し合って取り組んでいるということ。外からの新しいアイディアに四万十らしさや昔ながらの知恵が加わっ
て新しい何かが生まれているということである。
四万十の住民は昔から川と上手に向き合って暮らしてきた。そして川からの恵や被害もまた、皆で分け合って
支え合って暮らしてきた。人々は自然と力を合わせることが出来るし、たくさんの知恵を持っている。津野町は、
そんな四万十の風土と外から来る人たちの熱意が折り重なって動いている素晴らしい町なのだと感じた。
今回は津野町を取材したが、地域おこし協力隊は四万十の多くで採用されている。四万十のあちらこちらで何
が起きているのか、これから何が起きようとしているのか、目を向ける価値は十分ありそうだ。
12 月 22 日(日)四万十市西土佐の口屋内で初めてのキャンドル
イベントが開催されました。このイベントも地域の方や地域おこし
協力隊などたくさんの人が関わって企画されています。
竹の中で柔らかく光る火が口屋内の広域を照らした幻想的なイベ
ントでした。旧口屋内小学校ではトン汁
やホットココア、熱燗ならぬ竹熱燗がふる
まわれた他、ハンドベルの演奏や天体観測
も行われました。
皆さんも楽しいクリスマスをお過ごしくだ
さいね。
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Shimantogawa Monogatari
第 207 章
通信日● 2014 年 1 月 24 日
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昨年中は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました.
本年も昨年同様、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
四万十川財団一同
日本人にとって、幸福や長寿を象徴する鳥である鶴。新年の祝いには
鶴の挿絵。千羽の折鶴で祈りをささげ、民話「鶴の恩返し」でも親しまれ
ている。そんな鶴が、四万十にもやって来ることを皆様はご存知だろうか。
鶴はシベリアや中国から越冬のために日本へやってくる。四万十で見られる鶴のほとんどがナベヅル
やマナヅルで、世界一の越冬地・九州の出水平野に向かうため、休憩地点として四万十に立ち寄るよう
だ。しかし、中には四万十を越冬地として選ぶ鶴も見られる。四万十では昭和40年代から飛来・越冬
する鶴を確認しており、越冬した翌年には同じ鶴が子どもを連れて飛来、再び四万十で冬を越す姿も見
られている。
今年も四万十に鶴がやってきた。特筆すべきは鶴のために人工的に作った環
境に鶴がやってきたということ。全国で初めてのことだ。
その仕掛け人、澤田佳長さんにお話をうかがった。
野生生物環境研究センター所長の澤田さん(77)は、40 年以上も四万十
で鶴を見守っている。
「鶴は雑穀性で、稲など植物の種子や根、昆虫や魚類などいろいろなものを
食べます。また、外敵から身を守るため、浅く水が張っていることやすぐに
飛び立てるような条件の整ったねぐらが必要です。鶴が越冬するということ
は、四万十には豊かな生態系と水田・湿地が残っているということであり、
四万十川の原風景が維持されているということなのです。
」
「今年越冬した鶴が翌年子どもを連れてやってくるようなサイクルを
続けていくことで、四万十で越冬する鶴の数を増やしていきたい。そ
のためには、多くの人の協力が必要です。」と澤田さん。鶴はとても気
の弱い鳥であり、人が立ち入ったり、大きな音がしたりするだけでも逃
げてしまい、次から四万十には来てくれなくなる。何気なく行う犬の散
歩や釣りなどでも知らずのうちに鶴をおびやかしている可能性があり、
周辺住民の理解と協力が欠かせないという。また、えさの確保やねぐら
の整備のためには農家との連携も必要になってくる。四万十で鶴を迎え
るためには、それぞれの人がそれぞれの立場から協力することが重要に
なりそうだ。
約8年前に四万十市の中村商工会議所が中心となって、
鶴の越冬地づくりと環境保全を目的に設立した「四万
十つるの里づくりの会」。今では約 30 の民間団体と地
域の区長等が協力し、取り組みを進めている。鶴の訪
れる場所に注意喚起の看板を立てたり、えさ場やねぐら
の整備に取り組んだり、啓発活動として自然体験学習の
実施、数年前からは“つるの里祭り”も開催するように
なった。先日 1 月 20 日まで四万十市の中央公民館で
写真展も行うなど、多くの人に鶴の PR を行っている。
高知県四万十市中村小姓町 46 中村商工会議所内
http://www.shimanto-tsuru.com
ところで、「最後の清流四万十川」というこの言葉、昭和 58年に NHK の番組で使われ定着したも
のであるが、なんと発案者は澤田さんなのである。長年四万十川を見守り続けた澤田さんが、テレビ局
の方に「四万十川を最後の清流にしたくない」という想いを語ったところ、この言葉ができたのだとか。
テレビ番組で四万十川を取り上げてもらうのにも何年も何年も交渉を続け、やっと実現したのだと穏や
かに語ってくれた。澤田さんは鶴だけでなく四万十川をも見守り続けてくれている。
四万十川流域の春の風物詩、四万十街道ひなまつりが
今年も開催されます。早春の四万十に遊びに来ませんか。
開催日時
2014 年 2 月 15 日(土)~4 月 3 日(木)
※地域により開催期間が異なりますのでお問い合わせく
ださい。
開催場所
高岡郡津野町・高岡郡梼原町・高岡郡中土佐町・
高岡郡四万十町・四万十市・愛媛県鬼北町
■主催:四万十遺産ネットワークス(NPO 四万十 ART・
ART 梼原・津野町ひなまつり実行委員会・NPO ナイ
スリバープロジェクト・明星ヶ丘いきいき会)
問い合わせ先窓口:高野七福神の会
電話:0889-62-3238(㈱山興 内)
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Shimantogawa Monogatari
第 208 章
通信日● 2014 年 2 月 25 日
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カゴが使う人によってギシギシ、ギュッギュッといろんな音をさせるように。
カゴが出入り自由であるように。
いろんな人がここを訪れ、心地いいと思えるところ。
そんな願いを込めてつけた名前は「カゴノオト」
2012 年 12 月、四万十町昭和にオープンしたカフェ「カゴノオト」。土
佐昭和駅から歩いて約5分のところにある。オープンしてまだ1年と少しだ
が、地の食材を大切に使った本格的な料理を味わえることが好評で、地元に
もすっかり定着した。民家を改装した洒落たダイニング、柔らかな照明が広
がる畳の間に、自然と心が落ち着いていく。
経営するのは「暮らしカシマシ製作所」の前 成照(まえ みちあき)さんと
「 わくる 」の小清水 緑(こしみず みどり)さんご夫妻。以前から自分たちの
暮らしや食について考えるところがあったが、震災をきっかけに東京から四万十
町に移住を決意。I ターンで四万十に来た。
“料理。畑。ものづくり。歌。人っていろんな可能性があって、いろんな生き方ができる”
暮らし全体をなりわいにしていく事を「暮らしカシマシ製作所」という屋号
にこめて生活する成照さん。前職は洋食のコック。その前は大道具の仕事も経
験していて、ものづくりが好き。さらに、ミュージシャンとしての顔も持つ。
その全てが自分の暮らしそのものであり、自分の味を最大限に活かした生き方
をしたいと語ってくれた成照さん。その言葉通り料理もし、店内改装も成照さ
んが手がけ、ショーケースや子どものおむつを替える為の台など、必要なもの
はできるだけ自身で作っている。料理、ものづくり、音楽、もちろんそれ以外
のひとつひとつのことにも想いを込めて、いろんなことに挑戦していく生き方を四万十で見せてくれている。
“ここでいろんな人やコトが少しずつ、つながって広がっていくように”
≪週替わり
ご飯セットメニュー≫
・チキンサルサソース
・ナバナのスパニッシュオムレツ
・大根の中華風煮物
・人参サラダ
・ごはん
・スープ
緑さんは、東京でソーシャルワーカーとして働くなかで、障がいのあ
る人たちの魅力を感じていた。多くの人にその魅力を知ってもらいたい、
自分の思いを伝えていきたいと、仕事をしながら週に1度カフェを開い
た。カフェの名は、和・輪・環が来るように「わくる」。雇われて給料を
もらいながら生活していくスタイルは、自分が違和感を感じている社会
に荷担しているような後ろめたさがあったという緑さんは、四万十へ来
て自分たちの手で畑で野菜を育て、店を自分たちで作り、カフェで食事
と語らいの場を提供し・・・と四万十で自らの暮らし方と働き方を創り
出している。また、畑仕事が自分たちの食べるもの、料理の材料を作る
ように、四万十での暮らしは仕事と生活がそのまま結びついていること
が魅力なんだということも話してくれた。
左の写真はカゴノオトの週替わりランチ。評判通り、本格的です!
ディナー、お菓子等もあるので皆さんも是非行ってみてくださいね。
photos
わろう渕の大蛇原画展
2 月 5 日~15 日まで、カゴノオトで「わろう渕の大蛇原画展」が
開催された。わろう渕にやってくる大蛇が女の子を飲み込んでしまい、
それに怒った住民がなんとか大蛇を退治したという四万十町の民話を
紙芝居で表現したイベントだ。
企画されたのは四万十町在住の中平大世さん(64)
。地元のことを
記録に残したり、本にして残していくこともできるが、おばあちゃん
が孫に語り継いでいくように口承していきたいという願いからこのイ
ベントを考えられたそうだ。2月8日は、中平さんご本人が子どもた
ちに話をする場も設けられ、たくさんの親子がカゴノオトに訪れた。
また、小学校からも声がかかっており出前授業も開催されるようである。
四万十川の春の風物詩
ゴリのがら引き漁体験ツアー!
四万十川に伝わる伝統漁「ゴリのがら引き漁」を体験してみませんか?
当日は地元漁師の指導のもと、貝殻のついた仕掛けを引っ張って、網に
追い込む漁法を体験することができます!体験後は天然ゴリを使った料
理をご堪能ください!
【開催日時】平成26年 3 月 16 日(日)10:00~13:00
【体験料】1,000 円(昼食・保険料込)*小学生未満無料
【集合場所】四万十市観光協会
【募集人数】20 名(*最少催行人数 10 名以上)
【お申し込み】インターネットで受付しております。
http://www.hata-koiki.com/author693a4/000213.html
【お問い合わせ】(社)四万十市観光協会
0880-35-4171
〈送信者〉
公
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Shimantogawa Monogatari
第 209 章
通信日● 2014 年 3 月 25 日
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四万十ブランド認証に新商品が仲間入り!!
当財団が取り組んでいる「四万十ブランド認証事業」。四万十川流域で生産されており、四万十川など環境や
消費者へ充分配慮して作られている商品を“四万十ブランド”として応援していく制度である。この四万十ブラ
ンドに新商品が仲間入りしました!
~奥四万十の風 生姜~
今回四万十ブランドに仲間入りした商品は「奥四万十の風 生姜」。
清流通信第 183 章でも取材させていただいた西村 善徳さん(77)
が、中土佐町大野見で作られている商品だ。高知県のエコファーマー
認定を受けており、農薬 8 割以上減をモットーに栽培されている。
西村さんが、できるだけ農薬を使用せずに生姜を育てているのは、
もちろん消費者の安全を思ってのこともあるが、一方で四万十川に対
する熱い想いからでもある。
昔の畑作では当たり前のように農薬が使用され、四万十川に流され
てきた。そのことが原因で四万十川の水質が落ちてはいないか、四万
十川の上流で水を汚してはいないかと気にかけ、環境に配慮した農業
をされている。水稲と生姜との輪作体系をとること、耕作放棄地とな
っている畑を自らユンボを使って耕しそこで生姜を育てること、収穫
物の貯蔵には自ら掘り進めた横穴で自然の状態で保存していること、
また息子さんお孫さん世代にもその農業を伝えていっていること。
文章にしてみるとどれも簡単なことのように感じてしまうかもし
れないが、取材をしてみてこれらがどれだけ大変なことかよく分かっ
た。農薬を使えばもっと手軽に多くの収穫物が得られるが、ほぼ農薬
を使っていないようなこの状態では、新芽を虫に食われたり病気に注
意したりと環境に左右される幅がどうしても大きくなってしまう。ま
た、77 歳というご年齢で岩のような石がごろごろ転がる耕作放棄地
を整備していくことにどれだけの体力を要するか。横穴の貯蔵庫を掘
り進めるのも 10 数年かかったという。
そこまでしなくても生姜は作れるのに、そこまでして四万十川や環
境のことを考えてくれる。本当に四万十ブランドにふさわしい、あり
がたい方であると感じた。
「奥四万十の風 生姜」をどうぞよろしくお願いいたします!
西村 善徳さん HP(http://okusimanto.com/)
昨年 4 月より新体制となり、新たなスタートを切った当財団。皆様の温かいご支援とご指導のおかげで無事に
1年を終えることができました。本当にありがとうございました。
今年度はできるだけたくさんの方との関係を結び、自分たちがこれからやるべきことを考え、その土台作りに
力を注いできました。川に入って生物調査や水質調査、森林ボランティアの育成だけでなく自身もチェーンソー
手帳を取得し一緒に間伐。地元の人と話す時間を大切にしたり、親子を対象にしたイベントを実施。四万十川流
域の重要文化的景観についても考えました。スキルアップのため講習会に参加したり、多数の事務局業務を務め
たりと、多くの方々にお声掛けいただけたこともあり充実した1年となりました。
次年度も、今年度積み上げてきたものの上にさらに成果を残せるよう、精力的に取り組んでいきたいと思って
います。
今後ともご指導ご鞭撻どうぞよろしくお願いいたします。
里山の春を満喫しにきてみんかよ?
満開の菜の花畑に四万十町の
特産品やイベント盛りだくさん!
【日時】平成 26 年 4 月 27 日(日)
午前 10 時~午後 3 時まで
【場所】高知県立農業大学校
「アグリ体験塾」敷地内&周辺
●四万十町特産うまいもん屋台村
●新鮮野菜市
●よさこい踊り
●四万十手仕事市
●謝肉祭(要予約)
●もち投げ、ちびっこゲーム広場など ほか多数!
(申し込み・お問い合わせ)
菜の花まつり実行委員会(四万十町観光協会内)
TEL 0880-29-6004
公 2-1
文化的景観づくり推進事業
平成 25 年度 四万十川財団事業報告
文化的景観づくり推進事業
1
事業計画
四万十川流域の「重要文化的景観」を保全、活用し、地域づくりに生かす取組をしま
す。そのため、「四万十川流域文化的景観連絡協議会」を通じて流域市町の連携を図
るとともに、ホームページでの発信やDVD、写真を活用した宣伝に取り組みます。
2
報 告
流域5市町が連携して「学生キャンプ2013」を企画し、全国から大学生18名を募
り3泊4日のモニターツアーを実施した。四万十ならではの様々な体験や地元の方の
話を聞きながら、それを基に最終日に ウチとソトから考える 四万十川流域の景観
シンポジウム2013 を催行した。シンポジウムでは、学生から四万十に対する4つの提
案があり、後日それについて担当者で協議し、学生への返答を行った。
また、全国文化的景観地区連絡協議会が四万十市で行われた他、奈良文化財研究所
主催の遺跡・景観合同研修会に参加する等、文化的景観に関する知識も深めた。
3
今後の展望
文化財を専門とする職員が少ない四万十の性質を補うため、次年度学生キャンプで
は専門家と四万十を繋ぐための企画を立てる。また、より深い学びのあるキャンプと
するため、企画段階から講師に関わってもらう。
担当者のスキルアップの為、県内外で行われる研修等には5市町で参加するように
し、また現地にもなるべく足を運ぶようにする。四万十の文化的景観を体感するだけ
でなく、地元との繋がりも大切にしたい。
4
活動詳細
【その他の補助活動】
・四万十遺産ネットワークスの事務局補助
【研修・講座・シンポジウム等参加】
・文化的景観MAPの修正・増刷
・梼原町文化的景観保存・整備活用計画策定委員会 11/1、2/25
・津野歴史文化基本構想等策定委員会 10/31
・中土佐町文化的景観整備委員会 11/1、2/25、
・四万十町文化的景観整備管理委員会 10/30
・四万十市重要文化的景観整備活用計画検討会 2/26
・四万十川の重要文化的景観 サイクルガイド養成講座 年4回実施
・高知市民の大学 日本の重要文化的景観 10/22
・平成25年度全国文化的景観地区連絡協議会四万十大会 10/4、5
・四万十川条例重点地域における許可制度研修会 5/9、1/22
・平成25年度遺跡整備・景観合同研究集会 1/24、25
四万十川流域文化的景観連絡協議会 事務局
【趣旨・目的等】
平成 21 年、四万十川流域は文化庁が新しく定めた文化財である“重要文化的景観”に選
定された。また、初めて5市町が連携して選定されたとして、全国から注目を集めている。
四万十川財団は、県及び流域市町の職員で構成される四万十川流域文化的景観連絡協
議会の事務局を務め、文化的景観についての調査研究及び情報交換並びに施策の調整等
を行い、文化的景観を守り育てるとともに地域住民の生活環境及び文化の向上に努める。
【今年度会議実績】
平成25年度は、学生キャンプ 2013 の準備・実施及び次年度学生キャンプの企画をメイン
に行った。
第1回(13.4.24) 仕様書の完成、スケジュールの確認、請負者選定の基準等
第2回(13.6.28) 学生キャンプの業務委託について
第3回(13.7.16) 学生キャンププロポーザル・審査・打合せ
第4回(13.7.26) 講師謝金について、委託業者との打合せ、全国大会に向けて
8/7-8/10
四万十川流域5市町連携事業 学生キャンプ2013
第5回(13.9.2)
学生キャンプ振り返りと今後、レポート提出期限、全国大会に向けて
第6回(13.10.16) 報告書について、委託業者より振り返り、次年度の企画について
第7回(13.11.12) 学生提案に対する行政回答まとめ、委託業者の随意契約、次年度企画
第8回(13.11.29)
スケジュール確認、キャンプ報告、次年度企画について森先生と会議
第9回(13.12.24) 現状確認、スケジュール確認、次年度企画について
第10回(14.1.7)
スケジュール確認、次年度企画について
第11回(14.1.24) 森先生と次年度企画について打合せ、スケジュール確認
第12回(14.2.14) 次年度の日程・仕様書・業者委託について、H25 年度報告書について
第13回(14.3.10)
次年度企画・仕様書について、キャンプ目標について再確認
大学生 18 名が 2 グループに別れて、四万十川の景観を見て・聴いて・体感することでその
魅力を探る3泊4日のモニターツアーを実施。最終日には参加学生と講師・パネリスト・地域
住民によるミニシンポジウム「ウチとソトから考える 四万十川の景観シンポジウム 2013」
を開催。ツアー中の体験をもとに、“自分か住む×四万十ならでは=より豊かな四万十の暮
らし”をテーマに、グループ毎に四万十への提案をしてもらい、講師や地域住民による質疑
を行った。
シンポジウム終了後、学生提案に対する行政としての回答をまとめ、メーリングリストを
利用して学生とのやりとりを実施。今回の提案を受け、今後の四万十川流域の文化的景観
の活用について検討した。
●参加大学
徳島大学・熊本大学・法政大学・龍谷大学・高知大学・東京農業大学(計 19 名)
●初年度学生キャンプを受けて
初めて5市町連携で取り組んだ事業ということもあり計画が遅れがちではあったが、5
市町が一丸となって事業に取り組めたことは大きな成果となった。また、参加学生からも
好評の事業となり、四万十にインターンシップに来たり、地域の会合で学生キャンプについ
て発表を行ったりと、参加学生と四万十のつながりがうまれた。さらに、学生の反応を見て
参加大学の先生方も四万十に興味を持ってくれるようになった。
そこで、協議の結果、学生キャンプは3か年の継続事業とし、成果を図ることとした。初年
度の反省を基に、次年度に向けての計画を緻密に行い、目標・手段・スケジュールを細目に
確認しながら現在企画を進めている段階である。
公 2-2
流域活性化支援事業
平成 25 年度 四万十川財団事業報告
流域活性化支援事業
1
事業計画
四万十川流域でグリーンツーリズムの取組をしている施設で組織する「四万十川すみ
ずみツーリズム」を支援します。
2
報 告
四万十川すみずみツーリズムとして、これまで作成してきたMAPを有効活用したい
と考え、目玉事業として「四万十川すみずみスタンプラリー」を企画した。会費収入
の中から、ちらし作成費や景品代を算出し、新しくFacebookを活用しながら集客と
四万十川のPRに取り組んでいる。
また、現在鳥獣による農作物の被害が大きくなっている中、四万十川すみずみツー
リズムでは猪肉・鹿肉を利用したジビエ料理の推進を検討しており、調理法や解体方
法、法律についての講習会も実施した。
3
今後の展望
スタンプラリーについては平成26年5月末までの事業としているため、連休の集客
を狙い、より積極的な周知を徹底する。
また、猪肉・鹿肉については興味をもっている会員が多いため、県の鳥獣対策課や
保健所と連携しながら四万十川すみずみツーリズムとして法に沿った安全な料理を提
供できる方法について検討を進めていく。
さらに、文化的景観推進事業とも関連付けながら、四万十ならではの暮らしを体験
できる農家民宿の強みを生より活かせるよう取り組んでいく。
4
活動詳細
【その他の補助活動、研修・講座・シンポジウム参加等】
・千葉大学・高知大学教員によるすみずみツーリズムの経済効果調査の受け入れ
・馬之助祭 4/16
・大正ロマンファッションショー 4/21
・てっぺん四万十裏源流 津野町民による清掃活動 6/2
・四万十町観光協会主催 民泊研修会 8/7
・平成25年度地域づくり交流会 8/28
・四万十ドラマ畦地さんとの会談 11/14
・菜の花まつり企画会議 2/28、3/24
・桜マラソン実行委員会 総務企画部会 5/15、6/14、6/26、7/17、9/11、1/17、3/19
・四万十川展(仮称)企画会議 計11回
四万十川すみずみツーリズム連絡会 事務局
【趣旨・目的等】
四万十川すみずみツーリズムの事務局を務める。四万十川流域でグリーンツーリズムに
取り組んでいるグループ等を対象にし、相互の人的ネットワーク形成と情報交換を進める
ことにより、四万十川流域におけるグリーツーリズム活動の拡大と発展、ひいては地域の
活性化を目指す。また、清流四万十川を後世につなぐため、流域の景観及び環境保全活動
に積極的に取り組んで行く。
【今年度実績】
すみずみツーリズムの MAP を活かして集客を図りたいということで、今年度はスタンプ
ラリーの実施をメインの事業にした。また、会員同士及びお客様向けのネットワークの形成
を目的に併せてフェイスブック講習を行うこととした。
13.4.18
第 1 回役員会
13.5.21
第 2 回役員会
13.6.18
第 1 回四万十川すみずみツーリズム連絡会総会
・平成 24 年度実績報告及び収支決算・会計監査報告
・平成 25 年度事業計画案及び収支予算案
・会則改正、役員改選
・フェイスブック講座
13.9.3
第 3 回役員会
13.9.30
第 2 回四万十川すみずみツーリズム連絡会
・新会員 鷹取の家さんのご紹介
・スタンプラリーについて
・経済効果調査に関する説明
13.11.11
第 4 回役員会
13.12.20
第 3 回四万十川すみずみツーリズム連絡会
・スタンプラリー会計報告・経過報告
・第2回フェイスブック講座
14.3.6
第 5 回役員会
14.4.10
第 4 回四万十川すみずみツーリズム連連絡会
●今年度の目玉事業であるスタンプラリーについては、役員と事務局で下案を練り、連絡
会で会員の意見を聞きながら企画を進めて行った。スタンプラリーの期間は、客数の少な
い冬前から連休明けまでとし、すみずみツーリズム加入施設の利用でスタンプを 1 つ押印、
条件を満たした5つのスタンプを集めると抽選ですみずみクーポン券が当たるものとした。
スタンプラリー開始にあたって、役員と事務局を中心にチラシやスタンプの作成、会員向け
の説明資料の作成などを行い、また景品であるすみずみクーポン券については会費収入
より支出することを決めた。
連絡会での経過報告で、スタンプラリーの宣伝不足や会員自身にまだこの事業が定着し
ていないことが要因となり、スタンプラリーが少し停滞気味であることが分かった。そこで、
役員より、お客様にスタンプラリー周知の徹底や周辺のすみずみ会員施設の案内を行うよ
う呼びかけをし、同時に進めていたフェイスブックの有効活用を始めた。これから夏のシー
ズンを迎える四万十には多くの観光客が来ることを想定し、4月の早い段階で早期戦略を
練るため連絡会の開催を決定した。
●連絡会では、スタンプラリー以外にも消費税対策やジビエ料理に関する悩み相談、お互
いの施設見学等を行うことで交流を行っている。また、昼食は会場付近の会員が用意し、
互いの料理を実際に食べて参考にしたり、新商品のお披露目も行っている。
公 2-3
四万十リバーマスター育成事業
平成 25 年度 四万十川財団事業報告
四万十リバーマスター育成事業
1
事業計画
流域に訪れる方々に対して、川の危険情報や見どころ情報を提供するとともに四万十
川でのマナーアップの指導等の活動を行うための四万十リバーマスターの委嘱や、そ
のレベルアップのための講習会や研修会、意見交換会を行います。
2
報 告
今年度は会場を6か所用意し、リバーマスターの方が参加しやすい連絡会の体制を
とった。その結果、同じ地域に住むリバーマスターで似たような悩みや川の問題を感
じとっている人がいたり、またあえて他の地域での会場に参加することで交流を図ろ
うとする方もいた。四万十川の上流と下流で起こっている事等は少しずつ違ってはい
るが、同じ川として連携して保全に取り組むことが必要であると一致した。
3
今後の展望
今年度は連絡会のみの開催であったが、リバーマスターの方の希望により、上流と
下流の交流や漁体験の実施を検討する。また、川で子どもが遊ぶような企画にリバー
マスターと連携して取り組むことで、その地域の川の遊び方や危険な場所について子
どもたちに伝えていきたい。
平成25年度末でリバーマスターの任期が終了する為、更新の案内を発送するととも
に、若い世代のリバーマスターへの就任も促していきたい。
4
活動詳細
【その他の活動・研修等】
・十和水神祭 6/1
・人権教育研究集約大会における講演 2/13
・高知県商工労働部研修会 2/13
・十和リバーフェスタ会議 3/11
・高知大学・四万十市連携事業 アユ・スジアオノリの報告会 3/26
四万十リバーマスター育成事業
【趣旨・目的等】
四万十川が“日本最後の清流”と呼ばれるようになってから、毎年多くの観光客・レジャー
客が流域を訪れるようになってきた。しかし、一方で、水難事故の多発や、観光客が環境保
全や安全確保のための具体的情報を得る機会が少ない等の新たな課題・問題が生じた。
そこで、そうした問題を解決するために『河川を利用する人に知ってもらいたい情報・訪
れた方が知りたい情報を提供する、また必要に応じて注意喚起する体制』をとるため、
2001 年の秋、四万十川流域でこの川に直接関わっている個人・団体を四万十リバーマスタ
ーとして高知県が選任した。
四万十リバーマスターは、所謂“四万十川の達人”で、『四万十川と向かい合い、生活の知
恵として四万十川の環境保全や魅力を身に付けた人』ということであるが、具体的には、
①四万十川及びこれを取りまく自然に配慮するマナー、②河川利用時の安全確保、③生活
者優先などの四万十川利用ルール、④観光客の参考となる道路情報や観光情報等を河川
利用者・観光客に提供し、必要に応じた注意喚起を行うことが、その任務となっている。
四万十川財団は四万十リバーマスターの育成・活動支援を行うことで、地域で四万十川
を守る仕組みづくりに努めている。
【四万十リバーマスターの人数】
86 名(任期 H26.3 末まで)
【今年度実績】
職員2人が H25年4月着任であるため、リバーマスターの方々と顔をつなぐこと・直接会
って話をお伺いすることを目的にあいさつ回りを実施。
また、例年開催している連絡会については、会場数を増やすことで多くの人が参加しや
すい体制をとった。
平成 26 年 3 月 3 日
大正地区
参加者 2 名
平成 26 年 3 月 3 日
十和地区 参加者 2 名
平成 26 年 3 月 4 日
西土佐地区 参加者 6 名
平成 26 年 3 月 4 日
中村地区
平成 26 年 3 月 5 日
津野・梼原地区 参加者 3 名
平成 26 年 3 月 5 日
窪川・大野見地区 参加者 4 名
参加者 10 名
連絡会での意見・情報交換の結果、現在四万十川に起きている問題について情報を得るこ
とができた。また、本事業の在り方・体制についても意見をもらうことができた。
①子どもが川で遊ばなくなってきている。
川遊びは危険が伴い、また保護者の理解が得にくいため年々川で遊ぶ子どもが減って
きている。しかし、今の子どもたちはその楽しさを知らないだけであって、川に連れて行け
ばとても喜んで遊び始める。そこで、川遊びのできる場の整備やイベントの実施により、子
どもだけでなく保護者に対しても川遊びのハードルを下げることが重要であるという意見
が出た。これを受け、四万十川財団としてもイベントの企画とともに、危険予知やリスクマネ
ジメントの研修等にリバーマスターの方と取り組んでいきたいと考える。
②昔と今の四万十川を比較して
昔と比べると、アユやエビ等の生物の数がめっきり減った、外来魚や鵜が増えた、水質が
落ちた等の話はよく取り上げられる。しかし、それについては個人的感覚の範囲であったり、
原因が特定できないために対策が打てないのが現状である。そこで、四万十川に関する
データを集め化学的根拠と原因を探り、豊かな四万十川を取り戻すための具体的対策が
必要だという意見が出た。次年度以降の取り組みとして検討していく。
③リバーマスターの体制
現在は流域をひとつのグループとして捉えているが、地区ごとに小グループ及び代表
者を設置し、地域での精力的活動に取り組んではどうかという意見が出た。また、リバーマ
スターの交流会も企画してほしいとの要望があったので、両者について次年度検討する。
収1
四万十ブランド認証事業
平成 25 年度 四万十川財団事業報告
四万十ブランド認証事業
1
事業計画
財団ホームページ等で「四万十ブランド認証制度」の周知及び認証品の紹介、PRを行
います。
また、認証者同士の情報交換会を開催するとともに認証者の要望や意見を踏まえた
販売支援やPRに取り組みます。
2
報 告
平成25年度は新たに2件4商品を四万十ブランドとして認証し、さらに2件6商品
の更新申請を受け、現在は6件14商品が四万十ブランドに認証されている。
3
今後の展望
四万十ブランドのブランドバリューを上げるために、認証品の数を増やすことに取
り組む。
また、四万十ブランドの制度についての見直しを検討し、認証者にとってよりメリ
ットのある制度になるよう改善を試みる。
4
活動詳細
【その他の活動・研修等】
・高知県商工会議所主催 販売促進のためのセミナー 1/23
四万十ブランド認証事業
【趣旨・目的等】
四国山脈の分水嶺から黒潮の踊る土佐湾沖まで、長躯 196 キロを蛇行しながら流れ下る
四万十川。その川こそ、我が国最後の清流と呼ばれる川であり、我々はこの貴重な財産を
守り育てていかなければならない。そのためには、この流域の人々が、この川の名を誇りと
して子どもの代まで孫の代まで心豊かに生きることができてこそ、世界に誇れる資産とな
るのです。その仕組みが四万十ブランドである。四万十川の名を経済活動や環境保護・保全
のブランド名として確立する取り組みを進めている。
【今年度実績】
●新規契約
1
2 件 4 商品
四万十スイートファーマーズ 代表 茨木 良太
(生産場所)四万十町一斗俵
(加工場所)四万十町窪川
(認証商品)四万十の情熱生姜、生姜糖、生姜パウダー
2 個人農家
西村 善徳
(生産場所)中土佐町吉野
(認証商品)奥四万十の風 生姜
【現在の状況】
6件 14 商品
【今後】
現在は、認証者へのメリットよりも、書類提出やシール貼り作業など手間の方が多い状況
である。また、四万十ブランド認証事業の知名度及びブランドバリューが低いことも課題と
して挙げられる。今後は、現在の認証者と話し合いをしながら本事業の見直しを図り、認証
者と四万十川双方にメリットが生まれるような良い循環システムを構築しなければならな
い。
【研修・講座・シンポジウム等参加】
・高知県商工会議所主催 販売促進のためのセミナー
1/23
商 品 紹 介
ゆずっこ村
ぽん酢
認証番号:第2号
認証番号:第 3 号
(三又柚子婦人グループ)
(三又柚子婦人グループ)
柚子酢
四万十物語 いちごようかん
認証番号:第 4 号
認証番号:第 26 号
(三又柚子婦人グループ)
(ひめ工房)
四万十物語 おいもようかん
四万十川の青のり
認証番号:第 27 号
認証番号:第 30 号
(ひめ工房)
(四万十川下流漁業協同組合)
四万十川の青さのり
栗のかんろ煮
認証番号:第 30 号
認証番号:第 32 号
(四万十川下流漁業協同組合)
(株式会社しまんと美野里)
栗のしぶかわ煮
栗の黒蜜しぶかわ煮
認証番号:第 33 号
認証番号:第 34 号
(株式会社しまんと美野里)
(株式会社しまんと美野里)
四万十の情熱生姜
生姜糖
認証番号:第 35 号
認証番号:第 36 号
(四万十スイートファーマーズ)
(四万十スイートファーマーズ)
生姜パウダー
奥四万十の風 生姜
認証番号:第 37 号
認証番号:第 38 号
(四万十スイートファーマーズ)
(中土佐町 西村 善徳)
四万十川基金の活用
株式会社山岸竹材店様より 2013.4.9
高知県須崎市にある株式会社山
岸竹材店から、虎竹で作った『虎竹
削り箸』の売上金一部を、四万十川
基金へ寄付していただきました。 四
万十川の保全のため、大切に活用さ
せていただきます。ありがとうござ
いました。
*「竹虎 株式会社 山岸竹材店」は、高知県須崎市にある、環境に配慮した取り組みを
進
め
る
、
竹
材
専
業
メ
ー
カ
ー
で
す
。
http://www.taketora.co.jp/taketora/shimantokikin.htm
株式会社高知青果市場様より
2013.4.19
株式会社高知青果市場様から、『四万十川
をまもろう ! バナナ』の売上金一部を、四
万十川基金に寄付して頂きました。
これは、高知県内の量販店で販売していた
「四万十川をまもろう!バナナ」の売上金の
一部が、株式会社高知青果市場及び株式会
社ドールを通じて、四万十川の環境保全支援
の為に寄付されたものです。
* 「四万十川をまもろう ! バナナ」・・・
フィリピンで栽培され、株式会社ドールと株式会社高知青果市場とが共同開発した商
品です。
なお、このバナナは、高知県内の量販店でお求めいただけます。
四万十川リバーサイドフルウォーク実行委員会様より 2013.6.14
四万十川リバーサイドフルウォークは
毎年4月に行われており、自然の見
どころが豊富なコースを四万十川を
満喫しながら歩いていくというイベ
ントです。四万十川財団には、清流保
全のためその一部を寄付として頂き
ました。ありがとうございます。
四万十農業協同組合様より 2013.7.26
四万十農協は四万十川の環境保全
に役立てようと、殻が残らず環境に
優しい水稲肥料(被服尿素を使用し
ていない一発栽培肥料)「仁井田郷
ロマン伝説」を販売しています。
平成 22 年より平成 25 年度まで、
売上げの一部を寄付していただける
ことになっています。四万十川の環
境保全活動に活用させていただきま
す。ありがとうございました。
株式会社西日本セイムス様 2013.8.20
株式会社西日本セイムス様から、
先頃行われた環境保全の『いっしょ
に ECO キャンペーン』の売上金一部
を、四万十川基金へ寄付していただ
きました。
四万十川の保全のため、大切に活
用させていただきます。ありがとう
ございました。
四万十川ウルトラマラソン実行委員会様より 2014.1.31
国内でも指折りとなった四万十川ウル
トラマラソン。四万十川を渡る風がラン
ナーの疲れた体と心を癒やし、たくさ
んのボランティアや沿道の住民の惜し
みない声援が広がるイベントです。四
万十川の保全のためにと寄付を頂き
ました。ありがとうございます。