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巨大な疣贅を合併した感染性心内膜炎の1症例 佐賀県 峯 悠太郎,徳田

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巨大な疣贅を合併した感染性心内膜炎の1症例
◎峯 悠太郎 1)、徳田 英理子 1)、成村 和子 1)、宮原 美幸 1)、永石 信二 1)
唐津赤十字病院 1)
【はじめに】
前尖の後交連側(A3)から高度の僧帽弁逆流を認
感染性心内膜炎(IE)は心内膜に細菌集簇を含
め、軽度の肺高血圧を合併していた。
む疣贅(vegetation)を形成し、菌血症、塞栓症、
【経過】
心不全など多彩な臨床症状を呈し予後不良と
発熱、炎症所見に加え、経胸壁心エコーに
なりうる疾患である。そのため迅速な診断が
て僧帽弁前尖に巨大な可動性腫瘤を認めたこ
必要であり、経胸壁心エコーはこの有用なツ
とから IE と診断された。僧帽弁逆流は高度な
ールである。今回我々は巨大な疣贅を合併し
がら心不全は呈していなかった。疣贅の大き
た感染性心内膜炎の1症例を経験したので報
さより塞栓症のリスクが高いと判断され、手
告する。
術目的に他院へ緊急転院となった。手術所見
【症例】
は僧帽弁前尖(A3)の弁腹部位までと僧帽弁
23 歳 男性 既往歴は特記事項なし
後尖(P3)の弁尖及び弁輪部に疣贅が付着し
【現病歴】
ていたものの弁尖の破壊はなく、形成可能と
2013 年〇月頃より高度咳嗽、39 度台の発熱
判断され僧帽弁形成術が施行された。術後経
あり。気道感染疑いで近医にて入院加療を行
過も良好で入院 30 日で退院となった。なお、
うも改善なく、不明熱精査目的のため当院内
摘出された疣贅からは血液培養と同様
科に約1ヶ月後に紹介され受診となる。前医
Streptococcus gallolyticus が検出された。
施行の全身 CT で脾腫および脾梗塞の所見あり。
【結語】
また高度の収縮期雑音を聴取、心電図は正常
今回、巨大な疣贅を合併した感染性心内膜
洞調律(83bpm)、胸部レントゲンにて軽度心拡
炎を経験した。直径 10mm 未満の疣贅の場合
大をみた。
に比べて、直径 10mm 以上の疣贅を認める場
【血液検査】
合は、塞栓症の発症率が 20%から 40%へと有
WBC 7,700/µl、RBC 324×104/µl、Hb 10.0g/dl
意に増加するという報告があることから疣贅
PLT 17.7×104/µl、CRP 10.2mg/dl、BNP 31.7µ/l
の大きさや可動性を診断することは塞栓症の
PCT 0.32ng/ml
リスクを層別化するのに有用であると考えら
血液培養(+)Streptococcus gallolyticus
れた。検出された Streptococcus gallolyticus は
【心エコー検査】
ヒトを含んだ様々な動物の腸管内に常在して
AoD 34mm、LAD 39mm、IVST 8mm、PWT
いるが、一部の菌においてヒトに心内膜炎や
8mm、LVDd 58mm、LVDs 37mm、EF 65%、
髄膜炎などを引き起こすことが報告されてい
E/A 1.7、DcT 242msec、E/E′8.5、MR severe、
る。今回消化管の精査までは至っておらず直
TR-PG 35mmHg、IVC 15mm/6mm
接的な因果関係は不明だが、感染源は智歯の
左心室は軽度拡大していたが、収縮能は保た
可能性が考えられた。
れていた。また僧帽弁前尖に 27×16mm の可動
連絡先:0955-72-5111(内線 315)
性腫瘤が付着しており、収縮期に左房側へ落
ち込む像を認めた。カラードプラにて僧帽弁
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