2011年の株式市場の回顧と2012年の展望

2012年1月4日
日興アセットマネジメント株式会社
2011年の株式市場の回顧と
0 年の株式市場の回顧と
2012年の展望
●2011年の世界の株式市場の振り返り
<2011年の世界株式の推移と主な出来事>
110
東日本大震災発生
(3/11)
(2011年1月3日~2011年12月30日)
ユーロ圏首脳、ギリシャ向け第2次金融支援で合意
ロ圏首脳 ギリシ 向け第2次金融支援で合意 EU首脳、
(7/21)
財政規律強化などで
EU・ユーロ圏首脳、
「包括戦略」で合意
(10/27)
100
90
米QE2終了
(6/30)
世界株式:MSCI ACワールド指数
(米ドル・ベース、左目盛)
合意(12/9)
S&Pが米国債を格下げ
(8/5)
(円)
90
円安
日米欧主要6中央銀行、
市場への米ドル資金の
供給拡充で合意(11/30)
ご参考:円相場(対米ドル、右目盛)
85
70
円相場
円相場が16年ぶりに
年ぶり
G7が円売り
円売り
最高値更新(3/17) 協調介入(3/18)
1
2
3
4
5
円相場、
75円95銭(8/19)
6
7
8
9
10
11
12
80
円高
政府・日銀が円売り
政府・日銀が円売り
単独介入(8/4) 円相場、 単独介入(10/31)
75円78銭(10/21)
60
50
100
95
2010年末=100として指数化
80
105
75
(月)
(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)
以下では、MSCI ACワールド指数(米ドル・ベース)をベースとして、世界の株式市場の1年を振り返ります。
‹ 上半期
年初は、米国の景気回復期待や企業業績の改善傾向などを背景に、先進国を中心とした株価上昇が見られた一
方、新興国では、インフレ抑制などを狙った金融引き締めが目立ち、株価は冴えませんでした。その後、中東・北ア
、新興国
、
抑制
融引 締
目
、株価
。
後、中東 北
フリカで拡がりを見せていた民主化運動が主要産油国リビアでも拡大したことに加え、3月には東日本大震災が発
生したことなどから、世界的に株価が下落しました。震災後の混乱が落ち着き始めると、世界的な景気回復の継続
期待などから株価が反発する局面もあったものの、5月以降、米国で予想を下回る経済指標の発表が相次ぎ、景気
の踊り場が意識されるようになったほか、欧州財政問題に対する警戒感が強まり、株価は下落基調となりました。
‹ 下半期
株価は、ギリシャ向け追加支援の合意などから7月に一時、持ち直したものの、秋頃にかけては、欧州高債務国や
米国の格下げ、経済指標の軟化を背景とする米国景気の先行き不透明感の強まりなどから、下落基調となりました。
特に、高債務国支援での足並みの乱れが目立つようになり、欧州の政府債務懸念が金融機関に対する信用懸念
へと拡がると、株価下落が大きくなりました。10月下旬に欧州首脳が債務問題への包括戦略で合意すると、株価は
大きく反発したものの、その後、市場の懸念がイタリアにまで飛び火すると、再度、軟調となりました。しかし、11月末
に日米欧の主要中央銀行が市場への資金供給の拡充で合意すると市場は持ち直しました。12月の欧州首脳会議
では、財政規律強化などが合意されたものの、格付会社は内容が不十分として、欧州主要国の格付の見直し方針
を示しました。ただし、株価は、米経済指標の持ち直しなどに支えられて年末を迎えました。
MSCI ACワールド指数(米ドル・ベース)の年間騰落率は▲9.4%と、3年ぶりのマイナスとなりました。
(2005年:+8.8%→2006年:+18.8%→2007年:+9.6%→2008年:▲43.5%→2009年:+31.5%→2010年:+10.4%)
MSCI ACワ
ACワールド指数に関する著作権、知的財産権その他一切の権利は、MSCI
ルド指数に関する著作権、知的財産権その他 切の権利は、MSCI Inc
Inc.に帰属します。
に帰属します。
※上記グラフ、データは過去のものであり、将来を約束するものではありません。
■ 当資料は、日興アセットマネジメントが投資環境についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資料では
ありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のもので
あり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
■ 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産は為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。
したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、
投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
1/6
<地域・規模別の2011年の騰落率>
-30
-25
-20
-15
-10
-5
0
5
10
(%)
-7.6
先進国株式
-8.9
成長株
大型株
-9.1
世界株式
-9.4
-10.0
バリュー株
-11.2
中型株
-12.8
小型株
-20.4
新興国株式
(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)
<セクター(世界産業分類基準の10セクター)別の2011年の騰落率>
-30
-25
-20
-15
-10
-5
(%)
10
5.2
生活必需品
電気通信サービス
-5.0
エネルギー
-5.0
情報技術
-5.5
-6.7
一般消費財・サービス
-8.0
80
公益事業
-9.4
ご参考:世界株式
-12.0
資本財・サービス
素材
5
6.6
ヘルスケア
金融
0
-21.5
-23.0
(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)
※ 世界株式:MSCI ACワールド指数、先進国株式:MSCIワールド指数、新興国株式:MSCIエマージング・マーケット指数、
その他の指数:MSCI ACワールド指数を構成するサブ指数(いずれも米ドル・ベース)
※ 各指数に関する著作権、知的財産権その他一切の権利は、MSCI Inc.に帰属します。
; 投資家のリスク回避姿勢を反映し、地域別では新興国株式、規模別では小型株が特に下落しました。
; セクター別では、景気の影響を比較的受けにくいとされる、ヘルスケア、生活必需品が上昇した一方、
景気の先行き不透明感や欧州債務問題などの影響を受けた、素材、金融の軟調が目立ちました。
※上記グラフ、データは過去のものであり、将来を約束するものではありません。
■ 当資料は、日興アセットマネジメントが投資環境についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資料では
ありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のもので
あり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
■ 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産は為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。
したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、
投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
2/6
<ご参考:世界の主要株価指数の2011年の騰落率>
-50
-45
-40
-35
-30
-25
-20
-15
-10
-5
0
5
5.5
米国 ダウ工業株30種平均
4.1
フィリピン 総合指数
3.2
インドネシア ジャカルタ 総合指数
0.8
マレーシア FTSEブルサマレーシアKLCIインデックス
南アフリカ FTSE/JSE アフリカ 全株指数
-0.4
タイ SET指数
-0.7
ニュージーランド NZSX浮動株50 トータルリターン
-1.0
-1.8
18
米国 ナスダック総合指数
-3.8
メキシコ ボルサ指数
-5.6
英国 FT100指数
-7.6
ご参考:先進国株式
-9.4
ご参考:世界株式
韓国
-11.0
総合株価指数
豪州 S&P/ASX200指数
指数
-14.5
14 5
ドイツ DAX指数
-14.7
フランス CAC40指数
-17.0
シンガポール ST指数
-17.0
日経平均株価
-17.3
-18.1
ブラジル ボベスパ指数
-20.0
20 0
香港 ハンセン指数
ンセン指数
ご参考:新興国株式
-20.4
ハンガリー ブダペスト証取指数
-20.4
-20.8
ポーランド ワルシャワWIG指数
台湾
-21.2
加権指数
中国 上海総合指数
-21.7
ロシア RTS指数(米ドル建)
-21.9
21 9
トルコ イスタンブール ナショナル100種
-22.3
-24.6
インド SENSEX30種
-27.5
ベトナム VN指数
-30.1
アルゼンチン メルバル指数
エジプト CASE30指数
10
(%)
-49.3
(信頼できると判断したデ タをもとに日興アセ トマネジメントが作成)
(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)
※ 世界株式:MSCI ACワールド指数、先進国株式:MSCIワールド指数、新興国株式:MSCIエマージング・マーケット指数(いずれも
米ドル・ベース)
※ グラフに掲載した各指数に関する著作権、知的財産権その他一切の権利は、当該指数の算出元または公表元に帰属します。
; 景気への懸念が強まる局面が何度かあったものの、企業業績の好調が続いた米国や、相対的に景気
が堅調だった東南アジアの国々などで株価が上昇しました。
; 一方、投資家のリスク回避の動きなどを反映し、下位には新興国が目立ちました。また、円高に見舞わ
れた日本や、欧州債務問題の影響を受けた仏・独などでも株価の下落が大きくなりました。
※上記グラフ、データは過去のものであり、将来を約束するものではありません。
■ 当資料は、日興アセットマネジメントが投資環境についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資料では
ありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のもので
あり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
■ 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産は為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。
したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、
投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
3/6
<ご参考:世界の主要通貨の2011年の騰落率(対円)>
円高
-30
円安
-25
-20
-15
-10
米ドル
スイス・フラン
オーストラリア・ドル
ニュージーランド・ドル
英ポンド
フィリピン・ペソ
インドネシア・ルピア
コロンビア・ペソ
シンガポール・ドル
カナダ・ドル
スウ
スウェーデン・クローナ
デン クロ ナ
ノルウェー・クローネ
デンマーク・クローネ
ユーロ
韓国ウォン
マレーシア・リンギ
エジプト・ポンド
台湾ドル
ルーマニア・レイ
タイ・バーツ
ロシア・ルーブル
ナイジェリア・ナイラ
ベトナム・ドン
アルゼンチン・ペソ
ゼ
ポーランド・ズロチ
ハンガリー・フォリント
インド・ルピー
南アフリカ・ランド
トルコ・リラ
5
10
(%)
-5.1
-5.2
-5.4
-5.5
-5.5
-5.6
-5.8
-5.9
-6.2
-6.2
-7.4
-7.6
76
-7.7
-7.8
-8.2
-8.3
-8.4
-8.8
-8.8
-9.2
-9.8
-10.0
-11.3
-12.2
-12.5
12 5
香港ドル
メキシコ・ペソ
0
-0.9
中国人民元
ブラジル・レアル
-5
-15.6
-16.0
-18.5
-19.0
-20.2
22.2
-22.2
-22.6
(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)
; 投資家のリスク回避の動きや商品市況の軟化などを反映し、下位には新興国や資源国、中でも経常
赤字の国が目立ちました。
; 一方、管理変動相場制を採っている中国の人民元や、米ドルなどの下げは限定的でした。
※上記グラフ、データは過去のものであり、将来を約束するものではありません。
■ 当資料は、日興アセットマネジメントが投資環境についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資料では
ありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のもので
あり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
■ 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産は為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。
したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、
投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
4/6
●2012年上半期の展望
‹ 景気
弊社では、日米のGDP成長率を2012年通年でいずれも前年比+1.8%(2011年実績予想、日本:
弊社では、日米のGDP成長率を2012年通年でいずれも前年比
1.8%(2011年実績予想、日本:
▲0.7%、米国:+1.9%)と予想していますが、上半期については、日本が前期比年率換算+1%台前
半、米国が+2%程度とみています。一方、ユーロ圏については、上半期で▲1%台前半、通年でも
▲0.7%程度(2011年実績予想:+1.5%)と、マイナス成長を想定しています。また、中国については、
当局の景気抑制策の効果や、不動産価格の下落に伴なう資産効果の低下に加え、公害や汚職、
高速鉄道での事故、厳しい生活環境などを背景に、人々が自信を失いかけているとみられることも
あり、上半期は+6.0~+6.5%にとどまるとみています。なお、中国に対する見方は一般に厳しくなりつ
つありますが、弊社の見通しは特に弱気な方であると考えられます。
‹ 金融政策および為替、債券
び
大方の経済圏では、インフレ率が向こう数ヵ月、極めて低水準になるとみられます。このため、従来、
利上げを実施してきた各国中央銀行は、市場の予想よりもはるかに迅速に、しかも、継続的に利下
げを行なうことが可能になると考えられます。特に、ECB(欧州中央銀行)は、向こう2四半期にそれ
ぞれ0.25ポイントずつ利下げを行なうとみられるほか、これまでに導入した流動性供給策によって銀
行の資金繰りや自己資本比率、収益性の改善を後押しすることでしょう。また、中国では、金融政策
だけでなく、財政政策および規制についても緩和が継続するとみられます。
こうした環境のもと 日本の投資家にとって海外投資の魅力が低下していることもあり 円相場は高
こうした環境のもと、日本の投資家にとって海外投資の魅力が低下していることもあり、円相場は高
値近辺での推移を続けると予想され、対米ドルで3月末:76円、6月末:76円、対ユーロで3月末:
98.8円、6月末:96.5円と見込んでいます。
インフレ率が極めて低い水準で推移するとみられること、各国中央銀行の政策により債券が買い支
えられていること、金融機関が保守的にならざるを得ない状況にあること、さらに、景気後退に対する
懸念がくすぶっていることを踏まえると、日米ユーロ圏の債券利回りは小幅に低下(価格は小幅に上
昇)する公算が大きいと考えられます。投資収益は、先進国国債指数(シティグループ世界国債イン
デックス*、円ベース)で▲0.5%程度、10年物日本国債で+1%弱と見込んでいます。
‹ 株式
2012年の企業業績予想は世界的に下方修正されるとみられますが、株式市場はそれだけでなく、
ユーロ圏が緩やかな景気後退に陥ることも既に織り込み済みであると考えられます。このため、その
他の地域の経済成長に牽引される形で、緩やかな上昇を遂げると見込まれます。配当を含む投資
収益は、世界株価指数(MSCI ACワールド指数*、円換算ベース)で+4%弱、TOPIX*で+8%弱と想
定しています。
‹ 国際商品市況
商品市況は目先、不安定な展開になるとみられます。しかし、日米で緩やかな経済成長が続いてい
るほか、ユーロ圏および中国の景気についても、鈍化しているとはいえ、急失速に至る公算が低い
ことから、商品市況(米ドル・ベース)の投資収益は3月末で+3%強、6月末には+7%弱となり、その
後は安定した動きになるとみています。なお、現在は投機筋が商品市場から遠ざかる動きが見られ
ますが、今後、QE3など、投機を刺激するような大規模な量的緩和が行なわれる可能性は低いと考
えています。
‹ 主なリスク
中国では 地下金融と不動産市場の問題が 層悪化しており 世界経済に悪影響が及ぶ可能性が
中国では、地下金融と不動産市場の問題が一層悪化しており、世界経済に悪影響が及ぶ可能性が
あります。欧米先進国などでは、財政赤字削減が十分でないと判断された場合や、経済状況が予想
を下回る場合などに、国債の格付が引き下げられる恐れがあります。米国の財政規律改善に向けた
動きは前途多難で、時として市場の懸念につながると考えられます。また、ユーロ圏の銀行が融資を
世界的に縮小する動きを強めていますが、この穴をその他の地域の銀行が完全に埋めることは難し
いとみられます。さらに、2011年の初めに比べれば沈静化しているものの、地政学的リスクも依然と
して残っており、特に緊縮財政策下の南欧諸国でのストライキや騒乱、中東・北アフリカ地域の情
勢などに注意する必要があると考えられます。
*各指数に関する著作権、知的財産権その他一切の権利は、当該指数の算出元または公表元に帰属します。
■ 当資料は、日興アセットマネジメントが投資環境についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資料では
ありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のもので
あり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
■ 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産は為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。
したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、
投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
5/6
●201
2012
2年の主な注目点
; 欧州の政府債務問題および金融市場の緊張への対応
咋年12月のEU(欧州連合)首脳会議では、財政規律強化のための新条約の制定や、恒久的な安全網で
あるESM(欧州安定メカニズム)設立の2012年7月への前倒し、IMF(国際通貨基金)への融資を通じた新
安全網の整備などが合意されました。欧州当局の対応は、市場の圧力に促される形で進んでいるものの、
即効性に欠けるほか、実効性への懸念などもあり、市場の緊張がいまだに続いている状況です。
今後は、各国議会での承認など、上記合意事項の実現に向けての動きや高債務国での財政赤字削減努
力の進捗状況に加え、ECB(欧州中央銀行)による高債務国の国債購入の拡大やESMの規模拡大など
の対応に踏み切るかどうかに市場の関心が集まっています。
なお、上記首脳会議の終了を受け、主要格付会社3社はいずれも欧州各国の格付を引き下げ方向で見
直す方針を示しており 早ければ1月にも発表される結果と市場の反応が注目されます また 昨年12月
直す方針を示しており、早ければ1月にも発表される結果と市場の反応が注目されます。また、昨年12月
に発表されたストレステスト(資産査定)で、今年6月末までに総額1,147億ユーロの資本増強を義務づけ
けられた、欧州金融機関の動向にも注意が必要です。
; 主要国・地域での首脳交替
1月の台湾総統選挙に続き、3月にはロシア、5月にはフランス、11月には米国、さらに12月には韓国で大
統領選挙が行なわれます。また、中国でも、最高指導者にあたる総書記が秋の共産党大会で交代します。
各国首脳は、景気低迷などによる支持率低下で多くが苦境にあり、選挙を睨んで内向き姿勢となりがちな
、保護 義的 動き 台頭す 可能性
す。
、先進国 中
す 政治面
リ ダ
ため、保護主義的な動きが台頭する可能性があります。また、先進国を中心とする政治面でのリーダー
シップの欠如などを背景として、世界経済の安定に欠かせない国際協調が難しくなり、何らかの問題が発
生した際の対応がその場しのぎとなるようなことも考えられます。一方、新興国は、互いの連携を強めてい
るだけでなく、世界的な問題への関与を高めており、今後はBRICsなどがさらに積極姿勢を示し、主要先
進国に代わってイニシアチブをとるようなケースまで見られるようになるかどうかが注目されます。
; 主要国・地域の景気
政府債務問題の拡がりや緊縮財政の影響から、ユーロ圏の景気後退が懸念されるようになった一方、米
国については、ひところの悲観的な見方が昨年末にかけて後退しました。ただし、大統領選挙を控えた民
主 共和党間の対立激化に伴ない 米政治機能に低下が見られ 景気や財政 の影響が注目されます
主・共和党間の対立激化に伴ない、米政治機能に低下が見られ、景気や財政への影響が注目されます。
例えば、財政赤字削減の内容を決める超党派委員会の協議が昨年11月に失敗に終わったため、事前取
決めに基づいた強制的な赤字削減措置が2013年から導入される予定ですが、その回避や、先ごろ2ヵ月
の暫定延長が決まった給与税減税のさらなる延長などに向け、両党が歩み寄るかどうかが注目されます。
なお、OECD(経済協力開発機構)は、昨年11月に発表した最新の経済見通しの中で、欧州債務危機の
拡大と米国の過度な財政緊縮を想定した「下振れシナリオ」として、日米ユーロ圏のいずれもが2012年お
よび2013年にマイナス成長になるという厳しい見通しも示しています(下図参照)。中国の見通しについて
は、日米ユーロ圏と比べて水準が引き続きかなり高いだけでなく、下振れ・上振れの両シナリオ間の開きが
小さくな ており 世界経済の牽引役としての存在感だけでなく安定感も目立ちます
小さくなっており、世界経済の牽引役としての存在感だけでなく安定感も目立ちます。
<OECDによる、日米ユーロ圏および中国の経済成長率(前年比)見通し>
4
(2011年~2013年予想)
(%)
12
上振れシナリオ
(%)
11
3
米国
ユーロ圏
2
中国
日本
10
基本見通し
1
9
0
8
7
-1
下振れシナリオ
6
-2
出所:OECD 「Economic Outlook No.90」
-3
11
1
12
2
(年)
13
3
11
4
12
5
(年)
13
6
11
7
12
8
13
9
(年)
5
11
1
12
2
13
33 (年)
※上記データは過去のものおよび予想であり、将来を約束するものではありません。
■ 当資料は、日興アセットマネジメントが投資環境についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資料では
ありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のもので
あり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
■ 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産は為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。
したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、
投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
6/6