新潟大学農学部 Depar tment of Produc tion and Environmental Science Facult y of Agriculture, Niigata Universit y 学科案内 農学部 生産環境科学科 生 産 環 境 科 学 科とは 人と自然の共生をめざして 生産環境科学科では、山地の森林地帯から下流の平野までを対象に、野生動植物の生態と保全、失われた自然の再生、 人と環境にやさしい農林生産基盤の整備と情報ネットワークに関する教育と研究を行っています。 コース ● 特色ある2 本学科には、森林環境学コース、農業工学コースの2専修コースがあり、 2年次からどちらかのコースに分属します。どちらも日本技術者教育認 定機構よりプログラム認定を受けた高い教育水準を誇っています。 農業工学コース P6で 紹介 森林環境学コース P7で 紹介 農業生産を支える農業支援技術を創出する 人間と森林、生態系の共生を目指して 工学的・科学的なアプローチにより、農業・農学 森林に代表される生態系の構造と機能、野生 にかかわる問題を解決しようとする学問を学び 動植物の生態や保全に関する科学的基礎知識 ます。社会で活躍できる人材として、農業土木 について学びます。 また、 それらを調査して総合 技術者、農業支援システム技術者、 ならびに農 的に分析・評価するための手法を修得します。 業農村環境技術者の輩出を目指しています。 自然環境調査や緑化分野の技術者・研究者と しての素養を養成します。 新 潟 か ら 地 球 環 境 を 考 える 現代は環境の時代と呼ばれています。科学技術がめざましい発展を遂げる以前は、人間は 地域の自然環境を上手に利用し、多様な生物相を育み、生態系の一員としてともに生きてき ました。現代の科学技術の進歩は私たちの生活を豊かにしてきた反面、温暖化や大気汚染 など、さまざまな地球環境問題を引き起こしてきました。日本はアジアの東端に位置してい ますが、とくに新潟県は季節風に伴って大陸からの影響を受けやすい場所にあります。新潟 で行う研究が地球環境問題の解決の糸口になるかもしれません。私たちは「新潟から地球 環境を考える」をモットーに、国内外における自然環境と調和した農林生産活動の持続的な 発展と、人と自然の共生をめざしています。 2 生産環境科学科長 中田 誠 オンリーワンの 最先端研究 トキの生息環境を 再生する 生産環境科学科の研究室で行われている 「オンリーワンの最先端研究」の一例をご紹介します。 関島 恒夫 准教授 佐渡島では、野生絶滅したトキの野生復帰が、国家プロジェクトとして進め ツキノワグマと共存できる 森づくりをめざして 教授 箕口 秀夫 ツキノワグマ (クマ) は森林生態系を代表する動物です。 クマと共存できる られています。野生復帰は、人工増殖されたトキを野外に放すだけでは実 森づくりは他の生き物の暮らしを保証することでもあります。 そんなクマで 現できず、 それに加えて、放鳥されたトキが永続的に生息していくための すが、時に、林業に大きな被害を与えることがあります。 その被害は 「クマ剥 環境づくりが欠かせません。 トキは、里地里山の代表種であり、水田や河 ぎ」 と呼ばれ、主に植栽されたスギの樹皮を根元からバリバリッと剥がして 川で餌をとり、 その周辺の林で繁殖を行います。 トキが棲める環境づくりと しまう被害です (写真左)。被害を受けると材木として利用できなくなるだ は、近年の度重なる整備で急速に生物多様性を消失させた水田・河川生 けでなく、枯れてしまう場合もあります。 そこで被害を防ぐ方法を考えるた 態系を再生し、 トキの餌となる小動物を量産できる環境に作り変えていく め、新潟県での被害分布や発生する理由について調査を行いました。 その ことです。私の研究室では、水田・河川生態系の生物多様性を決定してい 結果、 「ほとんどすべての被害は下越地方に集中していこと」、 「樹液を餌と る仕組みを理解し、生物多様性を向上させることができる新たな手法や技 して利用していること」がわかりました。 そこで、 クマ剥ぎは子グマが母グマ 術を確立するための研究に積極的に取り組んでいます。 から学習している食料を得るための行動ではないかと考えました。 これか らはいろいろな方法でこの仮説を確かめていくことになります。 新潟の水田から 未来を拓く 微細藻類による 燃料生産技術の開発 教授 中野 和弘 田んぼで 洪水を防ぐ! 准教授 吉川 夏樹 地球環境問題、エネルギー問題、食料問題、多くの課題を抱えている現 最近大きな被害をもたらす雨が増えています。米どころ新潟県では、 その 代。 これら問題の解決策として期待されているものが「ユーグレナ」 です。 広大な田んぼを活用して、洪水を軽減する取組「田んぼダム」が行われて 聞き慣れない人も和名を聞けばわかるはず。 「ミドリムシ」 です。動植物的 います。田んぼダムとは、落水口と呼ばれる田んぼの水の出口に特殊な装 性質を併せ持つ生物学上非常に珍しい存在のミドリムシは、成人が必要と 置を付けて、穴の大きさを小さくし、水田に多くの雨水を貯める試みです。 する多くの栄養素(脂肪酸、 アミノ酸) を豊富に持ち、一定条件下では体内 つまり、田んぼが河川や水路に流れる水の量を減らして、洪水被害を減ら に油脂を貯蔵する性質があります。 さらに大量のCO2を吸収する能力を併 すのです。私の研究室の「ティーム田んぼダム」 は、田んぼダムの効果を せ持っています。 これらの特長は、食料およびバイオ燃料としての利用、 ま 科学的に示したり、技術を開発しています。平成23年の新潟・福島豪雨で た温暖化ガス低減につながります。私の研究室では、特にバイオ燃料の は、見附市、新潟市白根地区、長岡市などで大きな効果が見られました。 生産に着目し、新潟県の持つ広大な水田を利用したミドリムシの大量培養 現在、新潟県外からも多くの視察があり、 この新潟発の取組が全国に広 について研究が行われています。 まりつつあります。 3 生 産 環 境 科 学 科で 学 ぼう Curriculum 授業 内容に 指定科目の履修で 取得できる資格 1 年次 ついて 多彩な実習と演習、 フィールドワークで体感する 生産環境科学科では、1年次に教養教育に関する科目のほか、専修コースを知ってもらうための科目を履修 します。2年次からコースに分属し、専門の講義のほか多彩な実習と演習を通じて新潟県内外でフィールド ワークを体験します。3年次の夏休み前に教員による研究室・卒論テーマの紹介があります。学生は10月か ら研究室に仮配属し、4年次での卒論履修の準備を進めます。 ● 技術士補(農業・森林) ● 測量士補 ● 樹木医補 ● 高校教職免許(農業) ● 自然再生士補 ● GIS学術士 ● 森林情報士2級(森林リモートセンシング・森林GIS) 指定科目の履修で 試験の一部が 免除される資格 ● 専門導入科目 ● 大学学習法 ● コース演習・実習 ● 地域交流サテライト実習 ● 保全生態学 ● 水と食の環境論 ● 全学共通科目 ● スタディスキルズ (大学学習法) ● 情報処理演習 農 業 工 学 コ ース ● バイオマスエネルギー論 ● 森林再生学 ● 環境変動影響学 ● 基礎水理学 ● 応用農業機械学 ● 樹木学 ● 生態環境 GIS ● 基礎構造力学 ● 土木測量学実習 ● 野生植物生態学 ● 防災系演習及び実習 ● 野生動物生態学実習 IC K U P 授業P 「住みよい地域」とは何でしょうか?この授業では、さ 自然は野生植物で溢れています。この実習では、大学 まざまな立場の住民が住みよいと感じ、生き物を含 を飛び出し、路傍や空き地に見られる雑草からブナ めた自然環境も持続的に保たれる地域を目指して、 林など自然の森でみられる樹木まで、野生植物の観 社会で活躍する技術者の経験談に触れながら、実際 察と標本の作成を通して、植物の生態と自然を見る に計画を立案します。 目を養います。 農 業 工 学 コ ース ● 専門応用科目 ● 卒論ガイダンス ● インターンシップ ● 灌漑排水工学 ● 森林環境論 ● 農業工学演習 ● 農業機械実習 ● 森林保全学 ● 地域管理工学 ● インターンシップ ● 育林系演習及び実習 授業P 年次 森 林 環 境 学 コ ース ● 農業工学実験 ● 応用農業プロセス工学 3 IC K U P 野生植物生態学実習 地域管理工学 ● コース演習・実習 森 林 環 境 学 コ ース ● 農地工学 授業P 年次 ● 技術士(農業・森林・情報工学・環境・建設) ● 樹木医 ● 測量士 ● 生産環境科学概論Ⅱ ● 基礎農業プロセス工学 2 ● 林業普及指導員 ● 生物分類技能検定 ● 基本情報技術者 ● 生産環境科学概論Ⅰ ● 専門基礎科目 ● 専門応用科目 ● 1級・2級土木施工管理技士 ● 森林インストラクター ● 普及指導員 共 通 履 修 科目 ● 全学共通科目 ● 学科概論 受験しやすい 資格 ● 2級ビオトープ管理士 ● インターンシップ ● 持続可能な森林経営演習 授業P IC K U P ● ビオトープ計画及び 環境アセスメント演習 IC K U P 農業工学実験 ビオトープ計画及び 環境アセスメント演習 農業工学実験は、農業工学コースに関わる実験技術 自然環境の劣化が世界的に進む中、失われつつある を修得する科目です。土、水、材料、情報および計測 自然を守ることに加え、それを復元・再生することの 技術に関する基礎と応用を学びます。 重要性が高まっています。野外調査や現地視察を通 じて生物や生態系の特性を知り、それらを適切に保 全・再生するための考え方や技術を、ワークショップ 形式の授業を通して学びます。 農 業 工 学 コ ース 4 年次 4 ● 卒論研究 ● 卒論中間発表会 ● 卒論発表会(最終) ● 卒業研究Ⅰ ・Ⅱ 授業P IC K U P 森 林 環 境 学 コ ース ● 卒業研究Ⅰ ・Ⅱ 卒業論文では先生や研究室の先輩とのディスカッション、実験やフィールド調査を通じて、 研究のおもしろさや社会で活躍するためのさまざまな技術・ノウハウを学ぶことができます。 P IC K U P 卒 業 論 文 テ ーマ 例 農 業 工 学 コ ース 森 林 環 境 学 コ ース ● 水熱源ヒートポンプを利用した積雪寒冷地域のハウス環境制御 ● 広葉樹林の再生に関する研究 ● インフルエンザワクチン製造不適卵の非破壊判定装置の開発 ● 異なった光条件におけるクローナル植物ハナイカダの繁殖戦略 ● 日本酒製造の製麹工程での温度管理支援ソフトウェア ● 融雪遅延がブナの樹幹内温度と開葉タイミングに与える影響 ● 排出量取引制度の導入による中山間地域の活性化について ● 東アジアの森林におけるエアロゾル中炭素成分の沈着プロセス ● 稲作方法と農薬が赤トンボ羽化と土壌物理性に及ぼす影響評価 ● 餌資源の季節変化に伴う野ネズミの生息場所選択 ● AE 法を用いた農業用パイプラインに発生する弾性波の特性評価 ● 高分解能衛星データを用いた人工林の密度推定法の検討 ● 地獄山地すべりの発生機構 ● 佐渡大河内川における土石流発生後の Step-Pool の形状 ● 降雨特性変動下における田んぼダムの役割 ● 地震災害地における山地斜面の振動特性 ● キャピラリー・バリア地盤における雨水浸潤制御機能の実用化研究 ● 冬眠タンパク質(HP) を指標にした冬眠進化プロセスの解明 先 輩 か ら のメッセ ー ジ 農業工学コース 小笠 真理恵さん 先輩の1日をみてみよう の1日 小笠さん 福島潟の 流向流速、水草の 分布調査の様子 夕食 自由時間 睡眠 アルバイト 朝食・支度 講義 講義 自由時間 ル(3年生前 期) 1週間のスケジュー 農業と渡り鳥を支える地盤づくり 私は環境問題について学びたいと思い、生産環境科学科を選びました。学科の講義は学内の講義だけで なく、野外実習や室内実験などさまざまな講義があるので、その中で自分の興味がある授業を選んで幅広 く学ぶことが出来ました。2年生からは農業工学コースに進み、工学的・科学的なアプローチから農業・農 学に関わる問題を解決するための手段や技術を学んでいます。現在は、凖絶滅危惧種に指定されている渡 り鳥が餌とする湖沼に生育する植物を、流速や水深といった水の流れの観点から確保するという研究を行 なっています。卒業後は、大学で学んだ専門分野を生かした技術系の公務員や建設コンサルタント、食品企 業等で多くの先輩たちが活躍しています。生産環境科学科では、農業土木や農業機械、生態系保全や森 林管理など多くの専門分野があります。また、実習や実験が多いためか、学科の仲間はみんな仲がいいで す。皆さんも楽しい仲間たちと一緒に興味のある分野を学んで大学生活を送ってみてはいかがですか。 森林環境学コース 新井 大和さん 月 火 1 環境砂防学 統計学基礎 (教養) 2 灌漑排水工学 3 4 農業工学実験 水 木 金 環境汚染物質 化学 森林土木学 応用水理学 応用構造力学 リモート センシング 農村計画学 応用農業 プロセス工学 農業工学実験 e Privat 応用情報処理 演習 トルコに 行った時の写真 学科の仲間はプライベートでも仲がよく、 ご飯に行ったり飲みに行ったりしていま す。また、旅行に行くのが好きなので、長 期休暇のたびに国内、海外に行ける時は 海外のどこか1ヶ所は旅行に行くようにし ています。 の1日 新井さん ブナ林に生息する 野ネズミの 餌資源調査 自由時間 睡眠 アルバイト 朝食 夕食 部活 講義 講義 ル(3年生前 期) 1週間のスケジュー 月 火 あなたの「農」が一新!! 私の所属する生産環境科学科、森林環境学コースでは森林生態系に関わる分野を多岐に 渡って学習していきます。本コースの最大の魅力は充実したフィールドワークです。講義 で学んだことを実際に現地で試みることで、知識・技術共に身に付きます。 私は今、森林生態系を維持していく上で、重要な役割を担っている“野ネズミ”について、そ の生態の把握に取り組んでいます。皆さんの考える「農学」のイメージとは違った初めての 経験ばかりです。動物から植物、自然が好きといった方にはオススメです!! 3 4 昼食 木 稲作学 (教養) 1 2 水 育林系演習 及び実習 植物組織 培養学(教養) 持続可能な 森林経営系 演習 森林保全学 金 森林土木学 植物病理及び 栽培環境学(教養) リモート センシング 森林環境論 森林測量学 実習 e Privat 部活動は準 硬 式野球部に所属していま す。部内は学年を問わず仲が良く、笑いが 絶えません。 普段は冗談が飛び交うような部活です が、大会前になると各部員より一層、気を 引き締め野球に取り組んでいます。 5 農 業 工 学 コ ース 人類の過去と未来を”食” で結ぶ農業工学 農業と環境を技術で結ぶ農業工学 農業工学コースは、大地に根ざした食料生産と人々の暮らしを豊かなものにするため、工学的・科学的なアプローチにより、農業・農学にかかわる問題を 解決するための教育を行うコースです。 農業の基盤である 「土」 「水」 とこれらを農業に利用するための「構造物」の基礎的性質から利用の仕方を学ぶとともに、農村地域の計画手法や自然との 共生についても習得します。 また農業生産への自動化技術や高度情報技術の応用を通して農業の支援技術を学びます。 主な研究テーマ 【水・土】農業の基盤作りに関する研究 ● ● ● ● 土のキャピラリーバリア機能に関する研究 「田んぼダム」の洪水緩和機能に関する研究 地下水変動から見た地すべり発生機構の研究 農地の土壌水分・溶質移動の解明 【情報・機械】農業生産支援に関する研究 ● ● ● ● 微細藻類から燃油を生産する技術の開発研究 脱石油・省エネ農業技術の開発 果実の色評価用カラーチャート 開発途上国の農業・農村開発に関する調査研究 PICKUP 【土木測量学実習】 【農業工学インターンシップ】 島本 由麻 高橋 幸平 この科目は、約二週間、官公庁や企業でインターンシップを行い、大学での授 今日の技術の高度化は目覚ましく、水田や農道、 ダムやため池といった農業工 業が社会ではどのようなのかを体験するというものです。 学の分野もまた例外ではありません。 その中で構造物を立案・施工する際に正 私は地元の土地改良事務所へ行き、地盤沈下調査や生き物調査等の実践を 確に地表上の位置関係という情報を得ることは必須事項であると言えます。土 交えながら楽しく学びました。社会人の方と接する機会も多く、農業工学分野 木測量学実習では測量の計画、実施、 データ調整・整理、製図の一連の流れを での将来のことを考える助けになる授業だと思います。 通して総合的な技術と経験を養成します。 ? なところ ん ど て 究室 究室っ 森井研 研 学分野 能工 水土機 担当教員 森井 俊広 さん 里加 中野 友 ス 4年 学コー 農業工 荻原 教授 さん 龍太郎4年 ス 学コー 農業工 巧みな 「水土」機能を ひも解く 大地は私たちを支え、 そしていのちを育んでくれます。 これは、土が土粒子で できていて、 その中を水が移動しあるいは保水されるからです。私たちの地 域社会と農業生産は、 この巧みな 「水土」 の機能によって維持されています。 「水土」機能をひも解くと、 すてきな未来が見えてきます。 たとえば砂層とその 下に礫層を敷くと、上からしみ込んできた水は両層の境界面でストップしま す。土のキャピラリー・バリア機能といい、 これを利用すれば、少ない水で作 物を育てる乾燥地農業や斜面の土砂災害の防止が可能になります。増加す る廃棄物や汚染物質の長期貯蔵工法としても有用です。研究室では、社会 とその未来に目を向けながら、 「水土」機能をサイエンスしています。 6 研究室では、 これからも増え続ける世 界人口を養うため、乾燥 地での作 物生産量を増加させるた めの研究を行っていま す。私が行っている研究 がいつか 世の 中の 役に 立ってくれると信じて研 究に 取り組 んでいます。 一人で実験するのは大 変な事ですが、同じ研究室 の友達と協力しあいな がら楽しく実験をしていま す。実験やデータ整理と毎日 忙しい 日々を送っ ていますが、 やりがいのある充実した 日々を過ごしています。 ゼミでの発表の資料作 、 に使うデータのまとめや 研究室では、卒業論文 微小な振 ムの損傷度を構造物の 用ダ 農業 は、 研究 りをしています。私の データ処理を中心に取り 動の で振 究室 は研 現在 動から判定するもので、 組んでいます。 森 林 環 境 学 コ ース 生態系を丸かじり 日本一充実した野外実習プログラム 森林環境学コースは、 「自然との共生」 をテーマに、森林に代表される生態系の構造と機能、野生動植物の生態や保全に関する科学的基礎知識について 学ぶとともに、 それらを調査して総合的に分析・評価するための教育を行うコースです。 そして、森林生態系の機能を損なうことなく資源を有効に利用する ための管理方法についての講義、森林造成・保全の作業、森林経営・林道・砂防施設の計画、設計に関する演習・実習を通して、 “生態系の持続的利用” の ための高度な応用技術を持つ森林管理技術者“フォレスター” を養成します。 主な研究テーマ 野生動植物の生態と多様性に関する研究 ● 広域的なブナ林主要高木の開葉と紅葉パターン ● 野生鳥獣被害の実態と防除 ● 気候温暖化が植物の分布と成長に及ぼす影響 ● トキの野生復帰に向けた自然環境再生に関する研究 自然災害の軽減と防止、GISを用いた生態系管理 ● ● ● ● 魚の気持ちになって防災事業を考える 大規模崩壊後の斜面の再不安定化 GISを用いた農業被害をもたらすニホンザルの環境利用特性 水辺林の再生・修復 PICKUP 【森林環境インターンシップ】 【持続可能な森林経営演習】 桐山 沙穂 山口 公康 この科目では、 「 持続可能な森林経営」の意味、現場での森林経営や木材利 森林環境インターンシップでは、学科で得た知識を企業や団体において実践的 用、 それに関する課題等について学びます。文献の抄読、外部講師による講義、 に活かし、就職へのイメージをつかむことができます。私は新潟県庁で行政のお 関連施設の見学を通して、様々な切り口から学んでいきます。 そして、 その中で 仕事を体験しました。 日々の業務だけでなく苗場山の山道の管理や、怪我で保 特に注目した部分をさらに調べてまとめ、発表します。 その過程を通して、森林 護された野生鳥類の世話などもさせて頂き、非常に充実した10日間でした。 に対する考え方をより広く、深いものにすると同時に、 プレゼンテーション能力 この実習でしか得られない貴重な体験が多くあり、皆さんも成長できる良い機 も身に付けられます。 会になると思います。 ? なところ 室 ん ど て 研究 究室っ 野 村上 研 シング分 ートセン モ リ ・ GIS 担当教員 村上 拓彦 ん 香さ 明日2011年 卒業 藤 後 学コース 環境 准教授 森林 広域空間スケールから アプローチする ん 渡邉 由香さ 森林分野の研究は多種多様です。分子レベルのミクロなアプローチから宇 士2年 宙を飛んでいる人工衛星を使ったマクロなアプローチまで様々です。私の研 自然科学研究科修 究室ではGISやリモートセンシングを森林分野、 自然環境分野で活用する方 法について日々研究しています。 リモートセンシングでは地球観測衛星を使 いますので、 まさにマクロな研究内容です。研究室では同期だけではなく、先 輩後輩との交流も育まれ一生の宝物になります。調査にみんなで出掛けた り、学会に参加して他大学の先生や学生と意見交換を行ったりします。卒業 生が社会のいろんなところで活躍していますので、一回りも二回りも大きく なったみんなと将来会えるのが楽しみです。 より高 習得しきれない、 が異なり、授業では 衛星画像 それぞれ専門分野 研究室は、 ちの研究室では、 私た す。 きま がで 得ること た研究を行っ 度な知識や技術を する技術を利用し 境を計測、抽出、図化 ティーも♪毎日仲 や空中写真から環 み会やお菓子パー は飲 時に く、 でな ています。研究だけ っています!! 良く切磋琢磨、頑張 研究室ではパ ソコンで画像 を扱う作業が へ出かけることも 主です。時には調 。 その過程で画 査のため、外 像処理ソフトや 身に付きます。 GPS の扱い方 研究は自分と が自然と の闘いです。 く、 つまずくこととも スムーズにい くことばかりで ありますが、 そん な なときは周りの先 差し伸べてくれま 輩や同級生が す。 お互いに刺激 手を を受け合いな とができます。 がら、研究に取 り組むこ 7 ッションポリシー 生産環境科学科 アドミ 教育活動の目的 これらを持続的に 解し、 生産活動を科学的に理 地域の自然環境と農林 す。 を備えた技術者を育成しま 発展させうる能力と倫理観 求める学生像 と農林業 それらを生態系の保全 心を持ち、 地球環境問題に強い関 る人を求めます。 に役立てることに意欲のあ 入学者選抜情報(定員 50名) 入学者選抜の方針 ■一般選抜(前期) 広い視野から様々な課題を追求できるバランスのとれた 基礎学力と科学に対する強い関心を持つ人を選抜します。 ■一般選抜(後期) 広い視野から様々な課題を追求できるバランスのとれた 基礎学力を有し、かつ学習に対する強い意志を持つ人を選 抜します。 ■推薦入学 目的意識が明快でリーダー的資質をもつほか、卒業後は関 連分野での活躍が期待される人を選抜します。 その他14人 (5.4%) 特別選抜 一般選抜 推薦入試 前期日程 後期日程 30 9 普通科等 農業に関する学科 及び総合学科 6 5 帰国子女 若干名 上記以外に、私費外国人留学生特別入試、3年次編入学の各入試があります。 各入学試験の情報は、新潟大学ホームページ「入学を希望する皆さんへ」 「入 学者選抜要項」をご覧下さい。 卒業生の進路(平成19∼23 年度) 公務員 54人 (20.8%) 国家公務員8人 地方公務員46人 一般企業・団体 93人 (35.9%) 生産 大学院進学 98人 (37.8%) 農林水産省、林野庁、環境省、東北農政局、新潟県、山形県、群馬県、秋田 県、茨城県、長野県、福島県、福井県、静岡県、山形県警、新潟市、上越市、 二本松市、寒河江市、高岡市、長岡市、宇都宮市、滝上町 公務員 大学院進学 一般企業・団体 新潟大学大学院(自然科学研究科) 、東京大学、 東京農工大学、九州大学、千葉大学 新潟県土地改良団体連合会、建設技術研究所、興和、 日本サミコン、廣瀬、 ミルックス、 ラクシー、 ソリマチ、 ヤンマー農機販売関東甲信越カンパニー、 新潟クボタ、晃工業、 日本製紙、渋川広域森林組合、群馬県森林組合連合 会、 フォレストコーポレーション、越後製菓、阿部幸製菓、JA全農にいがた、 JAアルプス、大光銀行、東武バス、 日立ハイテクマテリアルズ、三条信用組 合、JTB北海道、新高速印刷、サンヨー食品、福島民報社、イオンファンタ ジー、原信ナルスホールディングス、掛川花鳥園、協和エクシオ、 タクトシス テムズ、 ビットエイ、山二ガス、群馬ホーム アクセスマップ 農学部 生産環境科学科 「新大正門」下車 約40分 新潟大学 〒950-2181 新潟市西区五十嵐2の町8050 TEL (025)262-6606(代表) 【交通アクセス】 ■JR 新潟駅より越後線「新潟大学前駅」下車(約22分230 円) 徒歩15分 ■バス 新潟駅万代口 7 番乗り場「新潟大学行き(経由)」で 「新大正門」下車(約40分460 円) 新潟大学 農学部 生産環境科学科ホームページ http://www.agr.niigata-u.ac.jp/seikan/ 五十嵐キャンパス 「新潟大学駅前」 下車 約15分 「新潟駅」乗車 内野駅 新潟大学前駅 「新潟駅」⇒「新潟大学前駅」 約22分 高山 I.C. 新通 I.C. 新潟駅
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