Hand Out DGR57 版主な変更点 9月1日作成 - airtransport

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2015 年 9 月 1 日
IATA 危 険 物 規 則 書 2016 年 1 月 1 日 第 5 7 版 の主 な変 更 点
IATA 危険物規則書第 57 版は、国連や ICAO の改訂時期に当たらないので、大きな改訂点は
ないが、2015 年の第 56 版の発刊後に出された 2 回の補追版 (Addendum) の内容も第 57 版に組
み込まれている。
IATA DGR 第 57 版の内容は、 国連危険物輸送専門家小委員会 (UN Subcommittee of
Experts on the Transport of Dangerous Goods – UN SCoETDG) が発行している 2015 年 1
月 1 日より有効となった国連モデル規則書の第 18 改訂版 (UN Model Regulations, 18th
Revised Edition) と、その内容を反映させて ICAO が 2 年に一度発行している 「航空機による
危険物の安全輸送に関する技術指針 2015-2016 年版」 (Technical Instructions for the Safe
Transport of Dangerous Goods by Air 2015-2016 Edition) に基づいている。
危険物貨物を取扱う職員の作業の一助となるように、ここに掲示した変更点は、第 57 版の変更
点のうち、主なものと考えられるものを列記したのに過ぎず、決して全ての変更点を記したものでな
いことに留意されたい。細かい変更点のすべてについては第 56 版のページ欄外に所定の追加
(□)、修正(△)、削除(×) の各マークを付して注意を喚起してある。
1. – Applicability (適 用 )
1.3.3 – Dangerous Goods in Consolidations (混 載 貨 物 の中 の危 険 物 )
9.1.8.1 に 記 され てい た混 載 貨 物 の定 義 を独 立 したパラグラフ 1.3.3.1 Definition (定 義 )
として挿 入 した。以 後 のパラグラフを 1.3.3.2 Requirements (要 件 ) としてまとめた。
2. – Limitations
(制 限 )
2.3 – Dangerous Goods Carried by Passengers or Crew (乗 員 、乗 客 が携 行 す る危 険
物)
2.3.4.7 と 2.3.5.9 に 触 れ られ てい るリチ ウム電 池 を装 着 した医 療 器 具 を含 む 携 行 可 能 な
電 子 装 置 及 び ス ペ ア の 電 池 の 項 を 改 訂 し 、 『携 行 可 能 な 酸 素 凝 縮 器 』 (Portable oxygen
concentrators - POC) は 『 携 行 可 能 な 医 療 用 電 子 装 置 』 (Portable medical
electronic device – PMED) の 部 類 で あ る と 明 確 に 言 及 し 、 『 携 行 可 能 な 電 子 装 置 』
(Portable electronic devices – PED) の リストを改 訂 し、『パ ワー バ ンク』 (Power bank)
の ような一 般 的 な品 物 も含 ませ た。『パ ワー バ ンク』 は スペ アの リチ ウム電 池 として 捉 え 、機
内 持 ち込 み 手 荷 物 に限 られ る。
Table 2.3.A – 表 を物 件 の アル ファベ ット順 に 編 集 し直 した。使 い や す い ように 、適 用 定 義
条件、運航者の許可の要・不要、預託手荷物の可・否、機内持ち込みの可・否、機長への
情 報 の要 件 の記 述 を表 の右 に寄 せ た。
2.8 – State and Operator Variations (政 府 及 び 運 航 者 例 外 規 定 )
フランス政府の例外規定に改訂があり、ネパール、ベネズエラが新しく例外規定を導入し
た。
5 – Packing
(包 装 )
5.0.1.3 – ULD に 積 み 付 けて搬 入 しても差 し支 えない もの の リストを 改 訂 し、9.1.4 の バ ラ
搬 入 の リストと整 合 性 を持 たせ た。
5.0.1.5.4 – 追 加 の 新 し い パ ラ グ ラ フ を 加 え 、 危 険 物 貨 物 が 入 っ て い る オ ー バ ー パ ッ ク の
中 に、非 危 険 物 貨 物 を同 梱 させ ても差 し支 えないと規 則 を分 かり易 く補 足 した 。
1
5.2.0.6 – 5.2.0.6.1 の 内 容 を そ の ま ま 包 装 基 準 PI 200 に 移 動 さ せ 、 国 連 の Model
Regulation の PI 200 の 記 述 に 整 合 性 を持 たせ た。また、この 修 正 は 、第 58 版 で新 たに
項 目 が追 加 され る PI 200 の 準 備 の ため で もある。
Packing Instructions
(包 装 基 準 )
PI Y963 – 特 別 規 定 SP A112 に 規 定 され てい る ID 8000 Consumer Commodity (日 用
品 ) の 定 義 に 含 む ことが 許 され てい る物 質 の 名 称 を加 えた。更 に 、Consumer Commodity
が収納されている外装容器に他の危険物を同梱してはならない旨、明確に追加表示し
た。
PI 965 – Section IB に 外 装 容 器 は 強 固で 堅 い もの (strong rigid outer packaging) で
な け れ ば な らな い と規 定 を 強 化 した 。この 要 件 を強 調 す るため 、Section IB と Section II
の表を改訂し、許される外装容器を、木製の箱、ファイバーボード箱、ファイバーボード・ド
ラム等 と特 定 した。同 様 な改 訂 が PI 966〜 PI 970 の Section II 及 び PI 968 の Section
IB に も行 った。
PI 966 及 び PI 969 – 本 包 装 基 準 の 適 用 に 当 た っ て 、“この 包 装 基 準 の 適 用 に 当 た り、
「機 器 (equipment)」 とは 「器 具 (device)」 もしくは 「装 置 (apparatus)」 で その 作 動 に つ
きリチウム・セルもしくはバッテリーを電力の供給源とするものを言う”と、どの様なものが
「装 置 (equipment)」 に 相 当 す るの か 説 明 を加 えた。PI 967 及 び PI 970 に も同 様 の 説
明 を加 えた。
PI 967 及 び PI 970 – リチ ウム単 電 池 が 4 個 以 下 、もしくは リチ ウム組 電 池 が 2 個 以 下 装
着されている 『リチウム電池を装着した機器』 を輸送する際に “リチウム電池取扱いラベ
ル ” 貼 付 は 免 除 され る。”リチ ウム電 池 取 扱 い ラベ ル ” の 貼 付 免 除 は 1AWB に その ような
輸 送 物 が 2 個 以 上 ない時 にのみ 適 用 になる。荷 送 人 が 1 AWB に か か る輸 送 物 が 2 個 を
超えてある時に ”リチウム電池取扱いラベル” が必要になると言う荷出し手続きを徹底す
る為 に 、12 ヶ月 の 猶 予 期 間 を与 える。しか し、荷 送 人 は 可 及 的 速 や か に この 要 件 を遵 守 す
ることが 望 まれ る。
7 – Marking (マー キング)
7.1.7.3 – 新 し い パ ラ グ ラ フ を 追 加 し て 、 オ ー バ ー パ ッ ク を 複 数 作 っ た 場 合 、 各 オ ー バ ー
パ ックに 識 別 符 号 を付 ける要 件 を必 須 として明 確 にした。
8 – Documentation
(書 類 の作 成 )
8.1.6.9.2 – 危 険 物 申 告 書 に輸 送 物 の個 数 を算 用 数 字 で記 載 す るか、言 葉 で記 載 す るか、
何 れ でも差 し支 えない旨 、説 明 を入 れ た。
9. – Handling
(取 り扱 い )
9.4.4 – 9.4.4 Damaged or Leaking Packages として、輸 送 物 の破 損 や 内 容 物 の漏 れ が
発見された場合、推奨する対応について新しいパラグラフを加えた。この推奨する対応と
言 うのは、す でに 9.3.6 Damaged Packages of Dangerous Goods で 言 及 され てい る危 険
物 貨 物 の 破 損 で は な く、 例 え ば GHS の ピ ク トグ ラ ム が 付 い て い る 輸 送 物 で 、 人 も し くは 環
境 にリスクを与 えるようなものの 破 損 ・漏 洩 の 場 合 の 対 応 で ある。
10. – Radioactive M aterial ( 放 射 性 物 質 )
10.7.1.3 – 輸 送 物 の 総 重 量 が 50kg を 超 す 場 合 に は 、 容 器 の 最 大 許 容 重 量 を 記 載 し
なければならないと補足した。
10.9.3.2.2 – 動 物 と の 隔 離 を 9.3.13.2 か ら 移 動 さ せ 、 放 射 性 物 質 の 取 り 扱 い を す
べ て 第 10 章 の な か に 移 し た 。「 Cat II-Yellow と Cat III-Yellow の 放 射 性 物 質 は
動 物 と 24 時 間 以 内 の 空 輸 の 場 合 は 0.5m 、24 時 間 を 超 え る 空 輸 の 場 合 は 1.0m の
隔離距離を置くこと」
2
Appendix D – 監督官庁の連絡先などの情報を最新のものに改訂した。
Appendix E – 国連規格容器の供給業者の表 (E 1) および容器の検査機関の情報 (E
2) の内容を修正した。
Appendix F – 販売代理店 (F 2)、IATA 公認訓練校 (F 3 – F 5) および IATA 公認訓
練センター (F 6) の表を改訂した。
Appendix H – 第 57 版 に 別 に Appendix H を 加 え 、2017 年 1 月 1 日 よ り 発 効
に な る 国 連 危 険 物 輸 送 専 門 家 小 委 員 会 ( U N Subcom m ittee of Experts on the
Transport of Dangerous Goods – U N SCoETDG ) の 国 連 モ デ ル 規 則 書 の 第
19 改 訂 版 ( U N M odel Regulations, 19th Revised Edition) に 伴 う 変 更 点
と 、 ICAO が 2 年 に 一 度 発 行 し て い る 「 航 空 機 に よ る 危 険 物 の 安 全 輸 送 に 関 す
る 技 術 指 針 2017-2018 年 版 」 ( Technical Instructions for the Safe
Transport of Dangerous Goods by Air 2017-2018 Edition) の 現 在 ま で に 分
かっている変更点を記述してある。
・試 験 の 結 果 、危 険 物 リ ス ト に 記 載 し て あ る 情 報 と 異 な る 分 類・区 分 に 荷 送 人 が
割り当
てる方法。当該国の然るべき監督官庁の認可が条件となる。
・Polym erizing substances (重 合 物 質 ) の 分 類 基 準 を 区 分 4.1 に 含 ま せ る 。液
状、固体、
安 定 剤 入 り 、温 度 管 理 を 必 要 と す る 液 状 、固 体 の 重 合 物 質 に は 新 し く 国 連 番 号
と正式
輸 送 品 目 名 が 割 り 当 て ら れ る 。温 度 管 理 を 必 要 と す る も の は 航 空 輸 送 は 禁 止 さ
れてい
る 。 液 状 、 固 体 で 安 定 剤 入 り の も の は PI 459 が 割 り 当 て ら れ る 。
・ 現 在 U N 3166 に 割 り 当 て ら れ て い る “ engine” は 、 燃 料 も し く は 燃 料 電 池
の分類に
よ り 、区 分 2.1、第 3 分 類 、も し く は 第 8 分 類 の 新 し い 国 連 番 号 が 割 り 当 て ら
れ る 。器 械 に つ い て も 、エ ン ジ ン と 同 様 に 同 じ 国 連 番 号 に 割 り 当 て ら れ る 。こ
れ ら の 物 件 に は 新 し い 包 装 基 準 PI 220、 PI 378、 PI 972 が 加 え ら れ る 。
・ 新 し い 特 別 規 定 (Special Provision) や 改 訂 さ れ た 特 別 規 定 が あ る 。
・ 現 在 の リ チ ウ ム 電 池 取 扱 い ラ ベ ル を 多 輸 送 形 態 リ チ ウ ム 電 池 取 扱 い マ ー ク
(m ulti-m odal lithium battery m ark) に 変 更 す る 。 リ チ ウ ム ・ セ ル や バ ッ
テリーを言葉でなく、国連番号で表示する。この変更に関連して、リチウム
電 池 に 特 化 し た 新 し い Class 9 の ラ ベ ル を 導 入 す る 。こ の 変 更 は 2018 年 12
月 31 日 ま で 2 年 間 の 猶 予 期 間 を 与 え る 。
以 上
航空機は世界の人々の平和と安寧を願って今日の繁栄を築いて来た。一部の過激な宗教
信奉者が扇動するテロ行為が航空輸送に暗い影を落としている。旅客輸送にも貨物輸送に
も危険物ルールは欠かすことの出来ない大切なルールである。いまのこの時期は、特に危
険物の安全輸送について強く思いをめぐらせる時である。諸兄姉も航空輸送業界のプロと
して是非安全輸送を心掛けて欲しい。
(終)
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