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日消外会誌 24(5)11290∼
1294,1991年
肝内結石 に伴 った肝内胆管癌症例 の検討
愛媛大学医学部第 2外 科学教室
佐藤 元 通
堀内
淳
阿 部 康 人
増 田 潤
李
木 村
俊
尚
茂
肝 内結石 に併存 した肝 内胆管癌 4 4 / 1 を
経験 した。肝 内結石症 が癌 に先行 した 3 例 の平均病悩期間 は
8 . 7 年で あ った。癌 と結石 の主 占居部位 は 3 例 で一 致 した。腫瘍 は 肉眼的 に塊状型 2 例 , び まん型 1 例 ,
結節型 1 例 に分 け られた。腫瘍 の肝 内浸潤, 胆 管 周囲浸潤 , 隣 接臓器浸潤 , リンパ節転移 をそれぞれ
3, 3, 2, 2例
で認めた。肝切 除 を行 った 2 例 中 1 例 で治 癒切除 しえた. 嚢 胞腺癌 の 1 7 1 1 は
術後 4
年現在生存 中であ るが, 他 は予後不 良 で あ った。腫瘍 の組織 像 は分化型腺癌 で, 検 索 しえた 3 例 では
リンパ管侵襲, 血 管侵襲, 神 経周囲浸潤 をそれぞれ 2 , 1 , 1 例 で認 めた 。非癌部拡張胆管上皮 には
増殖性胆管炎, 異 型性 を認め, 発 癌 へ の関与 が示唆 された。
Key wordsi hepatolithiasis, ch01angiOcarcinOma,
proliferative chOlangitis
は じお
めに
気管支痩 閉鎖 ・
摘・
胆道 ドレナ ー ジ術 1 例 で あ る。C a s e
近年, 肝 内結石症 で肝 内胆管癌 の併存 が 少 な くな い
) , 肝 内結 石症 は肝 内胆管癌 の h i g h r i s k
と報 告 され 1 レ
l は術 後 4 年 現在再発 な く生存 中 で あ るが, 他 は術後 6
状態 で あ る と考 え られ るよ うにな った。肝 内結石症 に
cinoembryonic antigen(CEA)値 は case 3で271,case
伴 った肝 内胆管癌症例 で は結石 の存在 で 臨床像 が修飾
4で14.3ng/mlと 高値 を とっていたが,case l,2で は
され るため, 癌 を術前 に診断す るのは困難 で あ る。両
正常範 囲であ った 。
者 を併存 す る症 例 の 報 告 が 増 えて きた とは い うもの
の, そ の臨床像, 病 態 は必ず しも明 らかで な い。 そ こ
で 自験 4 例 で, 臨 床的, 診 断的 , 病 理学的検討 を加 え
亨( 二 .
I , 自 験例 の概要
1 . 臨 床事項
当科 にお け る肝 内結 石 と肝 内胆管 癌 の 併 存 は 4 例
か 月 以 内 に 癌 死 し た ( T a b l e l ) . 術前 の 血 清 c a r _
2.結 石 と肝 内胆管癌 の関係
結石 の種類 は ビ リル ビン系石 で,結石 は肝 以外 では,
胆嚢 内 に 1例 で,胆 管 内 に 2例 (うち 1例 は前 回手術
時)で存在 した 。肝 内 の結石存在部位 は左右両葉 2例 ,
右葉 2例 で あ る。 Case 3以外 は多数 の結石 が拡張胆管
に充満 していた 。腫瘍 占居部位 は左棄 2例 ,後 区域 1
471,右 3区 域 1例 で あ る。 1例 (Case 2)は結石 と腫
全例女性であ る。臨床症状 は, 右 季肋部痛, 全 身俗怠,
場 の主 占居部位 が一 致 しなか った (Table 2).
日本 肝癌取扱 い規約 1め
に従 い,肉 眼的 にび まん型 2
421,結節型 1例 ,塊 状型 1例 に分類 した (Fig。1)。ま
発 熱, 呼 吸器症状 な どであ る。術前 に黄疸 を認めた症
た手術 時 の癌 の広 が りとしては,肝 門浸潤 を 3例 ,胆
例 は c a s e 2 の1 例 のみで, こ れ は総胆管結石 に起 因 し
管周 囲浸潤 を 3例 で 認 めた。 びまん型 の 2例 では腫 瘍
た 。平均病悩期間 は6 . 6 年で, 4 例 中 3 例 では肝 内結 石
症 の症状 が癌 に先行 し, これ らの症例 で は平均 8 7 年 の
は胆管 周 囲を きわ めて浸潤性 に増殖 し,腫 瘍 の境界 は
不 明瞭 で あ った。Case lは嚢胞状 に拡張 した肝 内胆管
羅患歴 を有 していた。こ れ ら 3 例 は胆道系手術歴 を 1
∼ 2 回 有 した。
上 皮 よ り発生 した乳 頭状嚢胞腺癌 で あ った。隣接臓器
浸潤 陽性例 は 2例 で,case 3で は結腸 ・十 二 指腸 ・腹
当科 での手術術式 の 内訳 は, 肝 切除 2 例 , うち治癒
切除 しえた ものは 1 2 1 1 , 消化管 バ イパ ス 1 例 , 胃亜全
壁 へ ,case 4で は十 二 指腸 ・横隔膜 ・気管 へ 浸潤 して
いた 。遠隔 リンパ 節転移 を 2例 ,遠 隔転移 を 1例 で認
で, 肝 内結石症 の3 6 例中 4 例 ( 1 1 % ) , 肝 内胆管癌 の1 0
例 中 4 例 ( 4 0 % ) に 相 当す る。平均年齢 は6 6 . 8 歳で,
< 1 9 9 0 年1 2 月1 2 日受理> 別 刷請求先 t 佐 藤 元 通
〒7 9 1 - 0 2 愛嬢県温泉郡重信町志津川 愛 嬢大学医学
部第 2 外 科
めた。
3.術 前診断
術前 は case l,3の2711で肝 内胆管癌合併 の疑 いが も
129(1291)
1991年 5月
x
e
姫S
No
1
53F
2
84F
3
85F
4
45F
f
o
は
m
Table 1 Clinical characteristics of the patients with cholangiocarcinomacomplicated by
hepatolithiasis
15 yr.
3 yr.
0.5〕
T
8 yr
Times of
previous
operatlon
Syrnptoms
Outcomes
(Cause of
death)
Operative procedures
pam
2
hepatic resection,
choledochotomy
4 yr,
alive
pain, fever
1
6 months,
diedlturnOr)
pain,
general fatigue
0
pain, cough
general fatigue
2
hepatic resection,
hepaticojejunostomy
gastrojejunostomy,
ileocolostomy
gastrectomy, extemal
biliary drainage, closure
of bronchial fistula
3.5 months,
died(tulnOr)
3 days,
died
(bleedlng)
Table 2 Relationshipbetween biliary calculi and cholangiocarcinoma
Blliary calculi
No
GB4
(
一
)
P
十
十
( 一
)
IHBD
s i t Ⅲ
e …
CBD
(?)
Cholangiocarcinoma
(十 )
AP>M.L
site
gross
appearance
P
nodular
tumor invasion
hilar
periductal
regional
1〕
mph node
L ヽ4
diruse
十
十
A
A_PM
masslve
+
十
‖
十
LM>A
LM.
+
十
■
十
中
GB:Gall bladder, CBD:Common bile duct, IHBD:Intrahepatic blle duct
・・
( ):at the time of the previous operatitlns
Ⅲ…s i t e i t h e a f f e c t e d s e t t e n t o f t h e l i v e r ( A : a n t e r i o r , P : p o t t e r i o r , L : l a t e r a l , M i m e d i a n s e g r n e n t ) 1 ゆ
Fig. I Schematic representation of cholangiocarcinoma and intrahepatic stonesbefore the endoscopic lithotomy.
case 1
case2
たれた 。C a s e 2 は切除肝 の病理学的検索 で は じめて癌
の合併 が発見 された。R e t r o s p e c t i v e に
画 像所 見 を検
討 し て み る と, c a s e l , 3 の 2 例 で は 超 音 波 診 断
下 U S ) , ヨ ン ピュー タ ー断 層 撮
(ultrasOnOgraphy以
影 ( c o m p u t e r i z e d t o m o g r a p h y下
以 C T ) で 腫瘍 の存
在診断 が可能 で あ った。F i g 。2 は c a s e l の
経皮経肝胆
道鏡下切石術後 の p e r c u t a n e o u s t r a n s h e p a t i c c h o l a n ‐
g i o g r a p h y ( P T C ) , C T 像 で あ る。P T C で は腫瘤像 は
認 め なか ったが, C T で
は嚢胞 状 に拡張 した肝 内胆管
内 に乳 頭 状腫 瘤 陰 影 を認 め, 同 部 位 の 針 生検 診 で は
case 3
case 4
c a s e 3 であ った。 C a s e 2 では外側 区域胆管起始部 に狭
窄 ・閉塞 ・壁不整像 を認 めたが, この所 見 のみで癌合
併 を診 断す るのは, r e t r o s p e c t i v eみて
に も困難 であ っ
(=.
ブ
4.病 理組織学的検討
癌 部 の 組 織 型 は case lは高 分化 な乳 頭 状嚢 胞 腺 癌
で,他 の 3例 は中 ∼高分化型管状腺癌 で あ った 。切 除,
剖検 に よ り肝 の標本 が得 られた 3例 で は, リ ンパ管侵
o stones
奪きtumOr
襲 (ly)陽性 2例 ,血 管侵襲 (v)陽 性 1例 ,神 経 周囲
浸潤 (pn)陽性 1例 ,周 囲 へ の浸潤性 は± 1例 ,+2例
で あ った (Table 3).Case lは胆管上皮内 に癌 が 限局
130(1292)
肝内結石 に伴 った肝内胆管 癌症例 の検討
日消外会議 24巻
5号
Fig. 2 CT scan and cholangiogram of case 1. 2a: Percutaneous transhepatic
cholangiogram following endoscopic transhepatic cholangiolithotomy shows
cystic dilatation of the intrahepatic bile in the posterior segment of the liver. 2
b : Abdominal enhancedCT scan shows protruded tumor in the intrahepatic bile
duct.
Table 3 Histologicalfindingsof the tumors and distant intrahepaticbile ducts (IHBD)
Distant IHBD
Tumor
proliferative
cholangitis
dysplasia
一
+ +
tub l-2
一 一
十
tub lⅢⅢ
一
十 十
cyst'・
tub 2ⅢⅢ
invasive
growth
十 十 十
histological
type
十一
十 +
NO
*
Iy : lymphatic, v : vascular and pn : perineural invasion of the tumor cells
*' cyst : cystadenocarcinoma,
tub 1 : well differenciated tubular adenocarcinoma
tub 2 : moderately differenciated tubular adenocarcinoma
してい るので早期肝 内胆管癌 と考 えた 。Case 2,4は 拡
張胆管周囲に極 めて浸潤 性 に癌 が増殖 していた。非癌
3年 目に総 胆管 内結 石 再 発 のた め 胆 道 再 建 術 を行 っ
た。癌 ・結石 とも再 発 な く術後 4年 現在経過 良好 で あ
部肝 内胆管 には,胆 管上皮 の乳頭腫状増殖 ,粘 液腺増
)が認 め ら
生,細 胆管炎 な どのいわ ゆ る増殖 性胆管炎 lン
る。
れた (Fig。1).ま た癌部 か ら離れた拡張胆 管上皮 の一
左葉 に疲痕,線維化 を認めたが,腫瘤 は確認 で きなか っ
部 に異型性を認 めた (Fig。3b).
II.症
例
Case l 1 15年前 に肝 内結石 にて胆摘,乳 頭形成, 胃
切除 BH法 再建 ,12年 前 に胆管 内結 石 にて胆管切開 を
Case 2i 3年 前総胆管結石 で手術 を受 けた。今 回肝
た。切 除標本 の病理学的検索 で疲痕 内に肝 内胆管癌 を
認めた。本症例 は術後 3か 月 よ り残肝 内小結節状転移
が 出現 し,術 後 6か 月に多発性肝転移 で死亡 した 。
受 けたが,右 季肋部痛 が 消失 しなか った。術前 に経皮
Case 3 i半年前 よ り右季肋部痛 ,全 身俗怠感 が 出現
した。肝 内結石 は肝右葉 に 1個 認 めた。術前肝 内胆管
経肝胆道鏡下切石 を行 った後 ,手 術 を施行 した。術前
の胆道 内留置 カテ ー テル よ り粘液 が 多量 に流 出 した。
癌 を疑 い手術 を行 ったが,肝 右葉 の塊状 の腫瘤 が周 囲
に広 範 に浸潤 し,非 切除 に終 った 。術後 3か 月 よ り閉
肝後下 区域切除 ,総 胆管切開 を行 った。後 区域 の肝 内
塞性黄痘 が 出現 し, 4か 月 日に癌死 した .
胆管 は嚢胞状 に拡張 し,多 数 の ビ系石 を含 んでいた.
この 中 に径4cmの 乳頭状腫瘤 を認 めた 。本症例 は術後
Case 4:8年 前 に総胆管結石 で胆摘,胆 管切石術 を
受 けた既往 が あ る。1年 前 よ り右季肋 部痛, 5か 月前
131(1293)
1991年 5月
Fig, 3 Light micrograph of case 1. 3a: papillary cystadenocarcinomain the
tumor tissue (H.E. x40). 3b: papillomatous and glandular proliferation and
pericholangitis of the epithelium in the non-cancerous distant intrahepatic
ducts, so called "proliferating cholangitis" (H.E. x100).
t賂1轟
よ り咳 ,全 身俗怠感 が発現 し,入 院時 には腹部腫瘤 を
認 めた。術前 に腹部腫瘤,胆 管 と十 二 指腸 ・気管 との
腫状肝 内胆管 よ りの広範 な Dysplasiaを伴 う早期胆管
癌 ゆの報告 な どは,胆 汁鬱 滞 の発癌 へ の 関与 を示唆 す
間 の痩孔 と診 断 し,手 術 を行 った 。肝左葉 の腫瘍 が横
隔膜 ・気管 ・十 二 指腸 に浸潤 し,肝 内胆管 と気管 ・十
る。第 2に は,先 天性肝 内胆管拡張症りな どの肝 内胆管
二 指腸 との間 に慶孔 が形成 されていた。痩孔部 閉鎖 を
行 ったが,術 直後 出血 のため死亡 した.剖 検 時,副 腎 ・
肺 ・遠 隔 リンパ節 に転移 が認 め られた。
I I I . 考
察
肝 内結 石 症 に 肝 内 胆管 癌 を併 存 す る頻 度 は 角 田1)
4%(17/180),馬 場 らの6.9%(4/58),中 村 ゆ3.5%(6/
9ち
186), 自験例 11%(4/36)で
,ほ ぼ 5∼ 10%で あ る。
逆 に 肝 内 胆 管 癌 に 肝 内結 石 症 を伴 う確 率 は,藤 田り
22%(6/27),馬
場 らの23.5%(4/17), 自 験4/140%(4/
の先天性形成異常 が両 者 の共 通 の成 因 とな ってい る可
能性 もあげ られ る。こ のほか,Clonorchis sinensisの
関与 もいわれ てい る。.症 例 1,文 献 8,11の よ うな早
期肝 内胆管癌 の多数例 を集め る とともに,切 除肝,剖
検肝 を詳細 に検討す る ことに よ り,肝 内結石症 におけ
る発癌過程 が 今後解 明 され るであろ う.
肝 内結石 が存在す る場合 に,肝 内胆管癌 の併存 を診
断す るのは困難で あ る。その理 由 は,肝 内結石症 では
結石 の存在 に よ り十 分 な肝 内胆管 の造影 が得 られ に く
い うえ,本 症 で は肝 内胆管狭窄,途 絶,壁 硬化 を伴 う
10)で ,両 者 の合併 は少 な くな い。 したが って,肝 内
こ とが多 い こ とにあ る。また,US,CTで
結石症 の治療 に際 しては,肝 内胆管癌 の合併 を念頭 に
肝線維化,萎 縮 な ど肝 内胆管癌 と鑑別困難 な画像 を呈
お く必要 が あ る。
す ることも関係 してい る。自 験例 で もびまん型 では き
肝 内結石症 と肝 内胆管癌 の合併 の成 因 は不 明 で あ る
胆管周 囲炎,
わ めて 困難であ った 。肝 内結石症息者 で は癌合併 を疑
が,い くつ かの可能性 が考 え られて い る。第 1に は,
い,胆 道造影 の詳細 な読影,経 皮経肝胆道鏡検査,胆
肝 内結石症 に起 因 した長期 間 の胆汁鬱滞 に よ り,胆 管
汁細胞診 ,胆 汁中腫瘍 マ ー カ ー,萎 縮肝葉 の経皮的針
上皮 が変性,脱 落,再 生,過 形成 を起 こし,癌 化す る
生検,術 中迅速組織診,切 除生検 な どを積極的 に行 え
可 能 性 が あ げ られ る.自 験 例 で も他 の 報 告 の ご と
Iり
)1い
く5い
,拡 張胆管上皮 の増殖性胆管炎,異 型性 を認
ば, よ り的確 に診 断 され るであ ろ う。
めた 。肝 内結石症完全切石後 の肝 内胆管癌 の発生の,嚢
度進行癌 状態 とな ってい るため,現 在 の と ころ治療成
肝 内結 石症 に伴 った肝 内胆管癌症例 のほ とん どが高
132(1294)
肝内結石に伴 った肝内胆管癌症例 の検討
日消外会誌 24巻
5号
績 は きわめて不 良 で あ るDの。1い
治療
。ゃ は り早期 発見 ・
が 望 まれ ,そ の 意 味 で も肝 内結 石 症 患 者 の フ ォ ロー
6)山 本賢輔,土屋涼一 ,伊藤俊哉 ほか t肝 内結石症 と
肝 内胆管 癌 の 合併 例 の 検 討。 日消 外 会 誌 17:
ア ップに よ り厳重 に行 う必要 が あ ろ う。 また肝 内結石
601--609, 1984
7)呂 明 徳,宮崎耕治,宮本和幸 ほか :肝 内結石症完
全裁石13年後 に発症 した肝 内胆管癌 の 1例 .胆 と
症 の治療 に際 しては,肝 内胆管 の狭窄部 のみ な らず ,
肝 内胆管 の複雑 な菱腫状拡張 ,肝 の限局性萎縮部位 の
積極 的切除 が必要 と考 える。 さらに膵液 の胆汁 内逆流
を認め る場合 は,総 胆管拡張症 と同様 に肝 内胆管上皮
よ りの発癌 の可能性 もあ る と思われ ,胆 汁膵液 分流手
術 を行 うのが望 ま しい。 また最近進歩 した肝 内結石症
に対す る非手術的 療法 のみ に国執す るのは発癌 とい う
観点 か らみ る と危 険 であ る.
文 献
1)角 田 司 t肝 内胆管癌を合併 した肝内結石症。 日
消外会誌 23:118-121,1990
2)馬 場隆一,山本正博,宮崎直之ほか :肝内結石症 に
合併 した肝内胆管癌 の検討.胆道 3:476-483,
1989
3 ) 中 村光司 : 肝内結石 に対す る肝切除, 日 消外会誌
23: 122--125, 1990
4)藤 田 徹 :肝 内胆管癌切除例の臨床病理学的検
討. 日消外会誌 23i36-46,1990
5)Falchuk KR,Lesser PB,Galdabini JJ et al:
Cholangiocarcinoma as related to chronic intra‐
hepatic cholangltis and hepat01ithiasis Am J
Gastroentero1 66: 57--61, 1976
膵 10i743-747,1989
8)官 川秀 一 ,山川 真 ,堀 口 祐 ほか :肝 内結石症 に
合併 した広汎 な Dysplasiaを伴 う粘液産生性早期
胆管癌 の 1例 .胆 道 H209-216,1987
9)Chaudhuri PK,Chaudhuri B,Schuler JJ et al:
Carcinoma associated with congenital cystic
dllation Of bile duct.
Arch
Surg
l17:
1349--1351, 1982
10)大 田哲生,永川宅和,小西一朗 ほか :肝 内結石症 に
合併 した肝内胆管癌 7例 と肝内胆管腺腫 1例 の臨
床病理学的検討。日消外会誌 20:748-753,1987
11)藤 田 徹 ,羽生富士夫,中村光司 23tか:肝 内結石症
の切除肝 に発見 された微小肝内胆管 癌 の 1例 。 日
消外会議 221949-952,1989
12)Nakanulna Y,Terada T,Tanaka Y et al:
Are hepatolithiasis and cholangiocarcinoma
actiologically related P A mOrphological study
of 12 cases of hepatolithiasis associated with
cholangiocarcinoma.Virchows Arch(Pathol
Anat)406:45-58,1985
13)日 本肝癌研究会編 t臨 床 ・
病理.原 発性肝癌取扱 い
規約,金 原 出版,東 京,1987
Cholangiocarcinoma Associated with Hepatolithiasis
MotomichiSato,YoshihitoAbe,Toshihisa[ce,Jun Horiuchi,
Jun Masudaand ShigeruKimura
SecondDepartmentof Surgery,EhimeUniversity, Schoolof Medicine
Four casesof hepatolithiasiscomplicatedby cholangiocarcinoma
are reported.Three patients had preceding
symptomscausedby hepatolithiasis,the averagedurationof which was 8.7years.In 3 patients,the main part of
the tumor and the stoneswerelocatedin the samesideof the liver. The grossappearance
of the tumor weredivided:
massivetype in 2 cases,diffusetype in 1 caseand nodulartype in 1 case.Regionalinvasionof the tumor were
observedin 2 cases;hilar invasionin 3 cases;periductalinvasionin 3 casesand lymphnodemetastasisin 2 cases.
Two patientsunderwenthepaticresection,oneof which was a curative one.Onepatient with cystadenocarcinoma
is alive 4 years post-operatively.The prognosisof another3 patients,who had extendedtumors, was quite poor.
Histologicallythesetumor were differenciatedadenocarcinoma.
Proliferativecholangitisand dysplasiaof the
epitheliumwereobservedin the dilatedintrahepaticbile ducts apart from the tumors;thesemay be malignant
changesleadingto the developmentof cholangiocarcinoma.
Reprint requests: MotomichiSato SecondDepartmentof Surgery,EhimeUniversityMedicalSchool
29 Shitsukawa,Shigenobucho,
Ehime,791-02
Onsen-gun,
JAPAN