第12章「食」による観光まちづくり

第12章
「食」による観光まちづくり
上原真喜 金城成美 前原優子
山城理紗 吉安章恵 与那覇彩香
1.「食」による町おこし
・「食」をテーマとした町おこし
もともと観光地の魅力アップの要因だった地
元の素材を生かした郷土料理を、町おこしの
テーマとして戦略的に売り出す!
・「B級グルメ」
世代を問わない親しみやすさやコストの安さ
などの利点から、町おこしの食品に多く見ら
れる。
「食」による町おこしの3類型
①元祖の事例 発祥地のアピールで誘客を狙う。
佐世保バーガー(長崎県)
肉じゃが本家争い(舞鶴市VS呉市)
カレー発祥の地争い(横須賀市VS横浜市)
②集積の事例 地域の特産品を有効活用。
餃子(宇都宮市)、焼きそば(富士宮市)
③独自性の事例 他では食べられない「食」。
鍋焼きラーメン(高知)、まぐろラーメン(鹿児島)
2002年2月4日 日本経済新聞
肉じゃが本家争い
旧海軍の東郷平八郎と縁の有る2市が元祖争い
元祖肉じゃが
舞鶴市に赴任していた東郷元帥が、舞鶴市で
作らせた!
本家争い
(平和的な)
いやいや、東郷元帥は舞鶴の10年前に呉市
に居たから、本家はうち!
海軍さんの肉じゃが
2.「食」は観光振興に結び付くか
宿泊観光旅行先での行動・第4位…「買い物・飲食」
今後の国内旅行の主な目的・第3位…「郷土色豊かな料理等を食べる」
「食」による町おこしは
誘客に有効な手段!
ラーメン(福島県喜多方市)
「景観」と「食」のマッチ
・醸造業が栄えた町に残る四千棟の蔵が、写真展
やテレビで取り上げられ観光客が増加。
・「蔵のまち」を見ようとやってきた観光客による口
コミで、ラーメンが一躍全国で人気になった。
・観光客数は安定的に推移し(リピーター多)、ラー
メン店も増加。
・ラーメンだけではなく「蔵」との相乗効果によるとこ
ろが大きい。
讃岐うどん(香川県)
安い!美味い!!讃岐うどん食べ歩き!!
• 香川県民の「県民食」としてイメージが定着。
• 地元情報誌が火付け役となり、90年代に讃岐う
どんブームが始まる。2006年には映画「UDON」
も公開され、現在も根強い人気がある。
• セルフサービスや「麺がなくなる→閉店」「ねぎを
客自ら刻む」「立食うどん」という手間すらも楽し
めるエンタテイメント性が魅力!
• 周囲に広がる田園風景を体験できる!
屋台村(青森県八戸市)
屋台と路地裏・郷土料理のコラボ!
• 昭和30年代をイメージする外装と徹底した地元
食材を利用したスローフードが「みろく横丁」最大
の特徴。
• 行政の全く関与しない運営体制と、店舗の定期
的入れ替え→経済の活性化・新規企業のチャン
スの提供が活力維持の秘訣!
• 地元客も多く、全国自治体の視察も多い。
• 地元主体の屋台→観光客へのアピール力アップ
という好循環を生む!
「かれい川弁当」
駅弁
2004年~
嘉例川駅/鹿児島県霧島市
駅弁とは?
→日鉄道駅構内で販売される地域限定の弁当。
→地域の旬の食材を生かしている。
→旅の移動途中の大きな楽しみ。
http://rail.hobidas.com/travel/ekiben/
archives/2009/07/post_106.html
「ますのすし」
1912年~ 富山駅
・特急「はやとの風」運行記念の際、1日限定で発売された。
・地場の素材にこだわった手作りの味が評判を呼び、恒常的販売に。
※JR肥薩線で見られる、矢岳越えからの「えびの高原・霧山連山」の眺めは、
日本三大車窓の1つとされており、近年注目されている路線に、当駅はある。
http://jikokuhyo.sakura.ne.jp/16/masukomaruazoom.jpg
・常温でも製造後48時間
程度は日持ちする。
→お土産としても利用される。
・駅弁の域を超え、富山を代表
する名物となった。
駅弁大会
京王百貨店新宿店の駅弁大会
「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」
開催時期:毎年1月中旬 期間:2週間
200種類もの駅弁がそろう!
2009年 (第44回大会)
売上個数
2位
牛肉どまん中
(山形県 奥羽本線/米沢駅)
税込1,100円
当大会から生まれ93年から駅売り
4位
氏家かきめし
(北海道 根室本線/厚岸駅)
税込980円
1位
いかめし
(北海道 函館本線/森駅)
税込500円
1971年以来、37年連続でトップを維持
3位
甲州かつサンド
(山梨県 中央本線/小渕沢駅)
税込650円
5位
飛騨牛しぐれ寿司
(岐阜県 高山本線/高山駅)
税込1,200円
駅弁
は・・・
活動しだいで地域のPRやブランド化に加えて、観光誘致にも
大きく貢献できる可能性を秘めている。
日本の鉄道文化と言うだけでなく、各地の風土や食文化、
特産物などと密接につながった貴重な地域資源である。
地域ツーリズムの企画案等に際して、いかに組み込み活用
していくかが知恵の出しどころである。
福岡県北九州市門司
明治から昭和の初めまで、海外との貿
易港として栄えた門司港。洋行客相手の
店も多く、モダンで洋風な建物が多く
あった。
歴史的建造物も活用されており、当時
の古い街並みと新しい建物がまざりあい、
新しくて懐かしい、都市型観光地として
「門司港レトロ」と名付けられた。
とは??
○門司港レトロの
○ご飯の上にカレーとチーズや玉子などを
のせ、オーブンで焼いたもの。
○昭和30年代の門司港にあった喫茶店が
「
」の始まりと言われている。
○余ったカレーをグラタン風にオーブンで
焼いたところ、香ばしく美味しく仕上がっ
たので、のちにお店のメニューとして出し、
お客さんから好評を得た。
2007年3月に門司港の焼きカレー提供
店が集まり発足。
焼きカレー普及
ブランド化
・焼きカレーMAP制作
・焼きカレーをテーマと
したイベント開催
焼きカレーMAP:現在、門司港レトロに
ある、約30軒の焼きカレー提供店を紹介
成功例~富士宮焼きそば~
‹起源
(静岡県富士宮市)
¾富士宮市では終戦直後から、お好み焼き店や
鉄板を備えた駄菓子屋が多く開店
→具なしお好み焼き「=洋食」を安価で提供
(同様に焼きそばもこれらの店で提供)
¾1999年、富士宮市の町おこしを考え、独自性が
ある地元の焼きそばに着目したのがきっかけ
¾古くから富士宮で食べられてきた独特の焼きそば
→新しく「富士宮焼きそば」と命名♪
‹「富士宮焼きそば」調理特徴
1. 市内にある3つの製麺業者の富士宮流焼きそば蒸
し麺を使用している
2. 炒め油にラードを使う(天然植物油も可)
3. ラードを絞った後の「肉かす」を使う
4. イワシの「削り粉(だし粉)」をふりかける
5. 富士宮の高原キャベツを使用
6. ソースの味や量は各店のこだわり!
7. 紅ショウガを添える店多し
8. トッピングはタコ、エビ、卵、肉など各店で工夫
9. 富士山の湧水を使用(調理時の水加減が重要)
10. 厚くて大きな鉄板を使用、火力は強く!!
11. 焼き方は店主or各自(初心者は焼いてもらおう)
12. 食べ方は皿盛りor鉄板直食べ
‹特徴
¾富士宮焼きそばのスタイル
(大衆食堂、鉄板焼き店、スナック、居酒屋etc…)
最も特徴的なのは・・・
おばちゃんや地元の方々との会話
‹麺の歴史
¾台湾ビーフンの食感の再現を目指して考案
¾富士宮市は富士山本宮浅間大社の門前町
→登山客や参拝客が多く訪問♪
¾静岡⇔山梨間を結ぶ交通の要所
→山梨からの買い出し客も多く訪問
保冷技術と交通手段が未発達!!→麺が傷む
麺作りを工夫→オリジナルの麺誕生★
‹主な活動
¾2000年、「富士宮焼きそば学会」立ち上げ
¾NPO法人「まちづくりトップランナーふじのみや本舗」
結成、各地で講演活動
¾2002年、「天下分け麺の戦い」開催、全国TV放映
(類:「三者麺談」、「やぶさ麺まつり」)→認知度up
¾2004年、NPO法人まちづくりトップランナーふじのみ
や本舗が「富士宮焼きそば」「富士宮焼きそば学会」
を商標登録
¾2004年、お宮横丁にアンテナショップをオープン
¾2007年、「富士宮焼きそば」カップ麺発売
¾公式ガイドブック作成
その他様々なイベントに出店するなど幅広く活動中♪
‹主な実績
¾第1回、第2回B‐1グランプリで2連覇!!
¾第3回日本イベント大賞 制作賞受賞
¾地方自治法施行60周年記念大会 総務大臣表彰
¾静岡観光大賞受賞
¾9年間で439億円の経済波及効果
¾“ふるさと納税宣言!!”富士宮やきそばカップ麺
2009年11月~2010年3月売り上げ数39,157個
→223,227円を市に寄付
などなど・・・
富士宮焼きそば老舗店
~つぼ半~
9 辛味の強いソースが決め手!
9 麺の歯ごたえよし!!
9 だし粉は多め♪
9 お酒によく合う♪♪
9 一期一会ノート
論題