振動による不快感 基本原理

振動による不快感
基本原理
基本原理
快適性の阻害は主観的であり、測定することが困難です。振動の原因は多数あり、
識別することは困難です。特定の基本原則を知ると、振動の原因を特定すること
が容易になります。
周波数
周波数は Hz(ヘルツ)で計測され、運動のようなイベントが繰り返し起こるとき
の頻度を特定します。1 秒に 3 回発生する振動は周波数 3Hz となります。
振動と振幅
何かが反復振動運動に投入されると、振動が発生します。振幅は半発振 (Y/2) の
高さです。
振動は、周波数 0 ~ 25 Hz の範囲で不快さを経験します。周波数 25Hz 以上の振動
はノイズとして捉えられます。
T
T = 振動周期。
Y = 振動。
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371 654
Y
振動による不快感
基本原理
共振周波数
共振周波数は第一にシステムのマス(重量)と剛性( スプリング定数)で特定さ
れます。したがって、各コンポーネントには、質量とサスペンションにより異な
る共鳴振動数があります。
共鳴振動数は質量の増加に伴い減少し、剛性の増大で上昇します。
共鳴振動
外乱周波数が共振周波数と同時発生すると、共鳴振動が発生します。共鳴振動は
通常、大幅に増加する振幅によって気づくことができます。
減衰
減衰は、構造物の振動が制御不能になるのを防ぐことができます。減衰のひとつ
に摩擦減衰があります。これは、2 つの表面間の摩擦のことであり、互いに関連し
て動くことで、動きを衰えさせます。摩擦があると、運動エネルギーが熱に変換
されます。
摩擦による減衰は、より速い動きやより大きな摩擦によってより強力になります。
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振動による不快感
振動
振動
車両の共鳴振動は、周波数 1 〜 13 Hz の範囲で通常は発生します。
不快感を引き起こす振動の識別
振動の問題を識別するために、不快感の内容と発生時期を知ることが重要です。
振動の原因を特定する方法を、下図からさがしてください。
質問
1. どのように振動を感じ、見て、聞きましたか?
はい
いい
え
-
-
-
-
注記
2. たとえば、ステアリング ホイール、シートまた
は車両の別の部分に振動はありますか?
3. 振動は車両前方または後方からですか?
4. 振動に方向があるように感じられますか?
5. 振動は車両の速度の影響を受けていますか?この
場合、振動が発生する速度、振動が最大になるタ
イミングは ?
6. 振動はブレーキの影響を受けていますか?
7. 振動はエンジン トルク(クラッチ解除、加速、
エンジン ブレーキ)の影響を受けていますか ?
8. 振動はエンジンスピードの影響を受けています
か?この場合、振動が最大になるエンジン ス
ピードは?
9. 振動はギア選択の影響を受けていますか?この場
合、振動が最大になるギア選択は?
10. 振動は悪路またはスムーズ路面の影響を受けてい
ますか?
11. 振動は向かい風、横風、追い風の影響を受けてい
ますか?
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振動による不快感
振動
質問
はい
いい
え
注記
12. 振動は上昇したタグアクスル、変更した車両レベ
ル、荷重移動の影響を受けていますか?
13. 振動は車両のトレーラーの有無に影響を受けてい
ますか?
14. 振動は、車両への荷重の重さまたは荷重の種類に
影響を受けていますか?
15. 振動の発生に関連して、車両または架装上の何か
を変更しましたか?
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振動による不快感
振動
テスト走行
テスト走行時に車両とトレーラーの写真を撮り、Scania に連絡する際には撮影し
た写真を使用してください。
テスト走行時に留意すること :
• 車両にエアサス ペンションがある場合、車両のレベルをチェックし、値をメモ
します。
• キャブレベルをチェックし、値をメモします。
• ドライバーの報告通りに、振動が発生したときと同じ条件でテスト ドライブを
行います。
• テストドライバーと一緒に車両を運転し、ドライバーが経験した不快感をもた
らす振動を理解します。
テスト走行時に次のことを行い、「不快感を引き起こす振動の識別」と題する質問
に答えてください :
•
•
•
•
•
•
•
最大許容荷重での走行。
ニュートラルダウンヒルでの惰性走行。
エンジンブレーキ。
クラッチペダルを踏み込んだ状態で走行。
セミトレーラー接続および非接続の両方で走行。
高速道路またはその他の滑らかな路面で走行
運転手が振動が発生するという条件で走行
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振動による不快感
振動源
振動源
道路からの振動
路面による振動は以下の要因によって発生することがあります:
•
•
•
•
路面状態
欠陥のあるキャブダンパー
シャシまたはキャブにおける車両レベルの調整不良
架装の強度不足
ステアリングホイールの強い振動(shimmy)
症状
原因
処置
ステアリングホイールが周波数 8 ~ 12Hz で継続して振動する。
振動には大きな振幅がある。
ホイールがバランスを欠い
ている
1. 汚れたタイヤとリムを洗います。
2. 破損しタイヤとリムを交換または修理します。
3. すべてのステアリングアクスル上の不適切なキャスターを調整します。
4. 動的にバランスのとれていないステアリングホイールのバランスを取
ります。
5. 問題が解決しない場合は、不適切なステアリングジオメトリを調整し
ます。
ステアリング システムの振動 (flutter)
症状
原因
ステアリングホイールが周波数 7 ~ 10Hz で振動し、低周波を発
生します。10 ~ 100km/h の速度で平坦な道路を走行時に振動が
発生し、減速または加速すると消える。
ホイールの動的アンバラン 動的にバランスのとれていないステアリングホイールのバランスを取りま
ス。
す。
処置
ステアリングホイールのハンマー打ち(ゴツゴツ叩かれるように響く)
症状
原因
処置
ステアリングホイールが取られる、または強く不規則に 8 Hz の
周波数で振動する。
ショックアブソーバー不良
ショックアブソーバーの交換。
ステアリングアクスルの振動運動
不適切なステアリングジオメトリを調整します。
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振動による不快感
振動源
シャシの跳ねる動き
症状
原因
処置
• 周波数 1 ~ 1.5 Hz でのキャブの垂直方向の動き。
リヤフレームオーバーハングが弱すぎる。
道路からの外乱周波数が、共鳴振動を発生するシャ
シの共振周波数と一致する。
フレーム オーバー ハングを強化します。
フロントアクスルのショックアブソーバーの交
換。
• キャブの縦方向の動き。
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振動による不快感
振動源
タイヤと車輪からの振動
タイヤと車輪からの振動は、ホイールが均一でなかったり、バランスがとれてい
なかったり、トレッド周りのゴムの特性が異なる場合に発生します。これがアク
スルのパワー振動になります。振動に最も気づきやすいのは、平坦な道路を走行
し、加速とともに周波数が上昇するときです。
中心から外れたホイール。
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372 282
372 281
372 280
ホイールの不均一の原因例 :
楕円形のホイール。
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不均一な摩耗。
振動による不快感
振動源
タイヤのリバウンド
タイヤのリバウンドは悪路とスムーズ路面の両方で発生する可能性があります。
タイヤのリバウンドはある程度までは正常とみなします。タイヤのリバウンドが
リヤアクスルのタイヤで発生する。タイヤのリバウンドの原因には、サスペン
ション システムの代わりにタイヤによって、衝撃を吸収することにもあります。
タイヤに十分な減衰がないと、タイヤとシャシは自励振動を始めます。
症状
原因
処置
硬いサスペンションシステムと少なすぎる減衰が組
車両が駆動するリヤアクスルではねるときに、キャブが縦方向に
み合わさって、タイヤでの車両のリバンドが発生し
動く。周波数 2 ~ 5 Hz で振動が発生する。
ます。
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371 455
エアサスペンションがある車両では、タイヤのリバウンドは、荷重がなかったり、
少ない荷重で車両を走行させると発生する可能性があります。リーフスプリング
サスペンションがある車両では、タイヤのリバウンドは、車両の積載状態にかか
わらず発生する可能性がありますが、車両に荷重がないときにリスクが最大にな
ります。ある一定のタイヤのリバウンドは、積載がない建設車両やリーフスプリ
ングサスペンションを装備した 6 x 4 ホイール構成の重量物輸送トラクターでは正
常とみなされます。
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タイヤ空気圧を変え、これによって発生が、動き
の異なる周波数で起こるか確認します。
振動による不快感
振動源
予防策
フロントホイールのチェック
警告!
アクスルをスタンドで支えないでください。アクスルスタンドは、フロントアク
スルの下で安全対策としてだけ使ってください。
1. ジャッキを使ってフロントアクスルをリフトします。
2. フロントアクスルの下にスタンドを設置します。
3. タイヤにはさまった石を取り除きます。
4. 時速 40 km 以上の速度でホイールの回転を始めます。タイヤの径方向の振れ、
楕円形化または振動を確認します。
5. タイヤとリムに径方向の振れがないか確認します。タイヤ側面とリム側面の最
も大きな径方向の振れ位置をメモします。
6. 過剰な径方向の振れを減らすためには、タイヤはリムとの関係で組み合わせま
す。タイヤとリムの最も大きな径方向の振れ位置は、互いに 180° とします。
注記:
決して振動を引き起こすホイールで走行しないでください。
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振動による不快感
振動源
ドライブアクスルのタイヤの点検
警告!
けん引ビームをアクスルスタンドで支えないでください。アクスルスタンドは、
けん引ビームの下で、安全対策としてのみ使用してください。
1. アクスル中央にジャッキをセットし、ドライブアクスルのホイールをリフトし
ます。
2. けん引ビームの下にアクスルスタンドをセットします。
3. タイヤとリムの洗浄タイヤにはさまった石を取り除きます。
4. 破損しタイヤとリムを交換または修理します。
5. 時速 40 km 以上の速度でホイールの回転を始めます。どのホイールが振動して
いるかを確認します。タイヤとリムに径方向の振れがないか確認します。ラジ
アルランアウトは 1.5 mm を超えてはいけません。
6. 車輪を外し、ハーフ シャフトをスピンします。振動があるかチェックします。
径方向の振れまたは楕円形化の確認をします。
7. 過剰な径方向の振れを減らすためには、タイヤはリムとの関係で組み合わせま
す。タイヤとリムの最も大きな径方向の振れ位置は、互いに 180° とします。
タイヤ点検の詳細については、Scania ワークショップまでお問い合わせください。
注記:
決して振動を引き起こすホイールで走行しないでください。
ホイールの取り付け
ホイールを取り付け、ナットに油を差し、600 Nm のトルクで締めます。
溝の深いタイヤ
正しいタイプのタイヤが使用されているかチェックします。溝の深いタイヤは振
動の原因になることがあります。
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振動による不快感
振動源
パワートレーンからの振動
パワートレーンからの固有振動は、架装が誤って構成されている場合に、車両の
他の部分に伝達します。
症状
原因
処置
パワートレーンからの振動は、車両の他の部分に転送されます。 パワートレーンの部品が、架装やシャシに触れてい
る。
パワートレーンサスペンションが十分に減衰されて
いない。
正しいインシュレーターが装着されていることを
確認します。必要である場合は交換します。
破損したインシュレーターを交換します。
キャブが、架装またはシャシに触れています。
-
キャブサスペンションまたはキャブティルトシステ
ムが正しく取り付けられていません。
-
キャブが周波数 7 ~ 7.5Hz で横方向に振動している。振動が平坦 静的アンバランス
な道路で 80 ~ 95 km/h の速度で発生します。速度による振動変 均一が取れていないホイールまたはトレッド近くの
化の頻度。
ゴムの特性の変化。
-
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12 (22)
アクションの詳細は、「タイヤと車輪からの振動」
にあります。
振動による不快感
振動源
エンジンからの振動
静止時と運動時の両方で、エンジンによって発生する振動が車両全体に残ります。
症状
原因
処置
a
クランクシャフト周波数 :エンジンスピードが約 2,000 rpm か エンジンの不正または損傷したエンジン サスペン
ら下がると、クランクシャフトの回転と同様の周波数で振動が発 ションの機械的アンバランス
生する。アクセルペダルがすぐに解放されると振幅が大きくな
る。
フロントインシュレーターに正しいカラーコー
ディングがあることを確認します。必要である場
合は交換します。
エンジンに負荷がかかると、ギアの選択に関係なく同じエンジン 燃焼関連の振動。
スピードで振動が発生する。
Scania ワークショップに対応を求めてください。
破損したインシュレーターを交換します。
Scania ワークショップに対応を求めてください。
エンジンは、アイドリング状態のときに不規則に駆動する。
点火周波数b: 点火の周波数と同じ周波数で車両全体に振動が発生 インジェクションシステムの設定不良
します。
インジェクターの開プレッシャーが低すぎる。
a. クランクシャフト周波数 = エンジン速度 /60
b. 点火周波数 = ( エンジンスピード ·n)/60、n = シリンダー数 /2 の場合
エンジン振動の詳しいチェックについては、Scania のワーク ショップにお問い合
わせください。
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13 (22)
Scania ワークショップに対応を求めてください。
振動による不快感
振動源
タイミングギヤからの振動
タイミングギヤの振動は、タイミングギヤで発生するトルクとパワーの変化によ
り発生します。
プロペラ シャフトからの振動
プロペラシャフトは、頻繁に車両で反動します。大型のユニバーサルジョイント
アングルは、大きな反動力を与えます。
α
371 647
α
症状
原因
処置
速度に応じて変化する高周波で車両全体に振動が発生します。振 好ましくないユニバーサルジョイントアングル
動が速度 70 ~ 90 km/h で発生し、車両レベルの上下およびタグ (α)。
アクスルの上昇の有無によって変化します。
プロペラシャフトのジオメトリが変更された場合、
振動が、例えば坂道発進や急坂運転中のような、低速かつ高エン 好ましくないユニバーサルジョイントアングルが発
ジン負荷時に発生します。
生することがあります。これは、例えばサポートベ
アリングプレートが移動したり、スプリットシャフ
トパワーテイクオフが取り付けられると発生するこ
とがあります (split shaft PTO)。
振動が高速で発生し、上昇の有無にかかわらず、または車両レベ 不安定なプロペラシャフト。
ルが変更された場合にタグアクスルに影響を受けていません。
間違っている場合は、正しい車両レベルに設定し
ます。
低速で振動が発生する場合、走行中に ELC ク
イック コントロールを起動します。
プロペラ シャフトは破損している場合は交換し
ます。
落ちているバランスウエイトを取り付けます。
遊びがあるユニバーサルジョイントクロスは交換
します。
タイミングギヤ振動の詳しいチェックについては、Scania のワーク ショップにお
問い合わせください。
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14 (22)
振動による不快感
振動源
リヤアクスルの跳ね返り
症状
原因
処置
周波数 3.5 ~ 5.5Hz で車両全体に振動が発生します。振動は、
TC ( トラクション コントロール ) が高いハーフ シャフト トル
ク、軽負荷時やエアサス ペンション装備リアアクスルとを組み
合わせて頻繁に発生します。例えば、坂道スタートで高ハーフ
シャフトトルクが発生します。
ドライブアクスルのホイールが地面に対してスリッ
プし、ホイールがリバウンドする傾向になります。
その後、変化が駆動トルクに現れ、リバウンドの動
きと相互作用し、振動を発生させます。
この種の振動は正常であり、対応は不要です。
症状
原因
処置
周波数 5 ~ 6Hz で車両全体に振動が発生します。柔らかい路面
の走行時、軽負荷の車両に振動が発生します。
駆動アクスルのホイールが地面に対してぎこちなく
スリップし、タイミングギアに振動を発生させま
す。
この種の振動は正常であり、対応は不要です。
駆動系振動
逆風からの振動
逆風と横風は、ルーフサインが振動する時など、車両に振動を発生させます。
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振動による不快感
車両内の反応
車両内の反応
フレーム振動
フレームの共振周波数は 5-7 Hz です。フレームの共鳴振動は、ホイールからの外
乱周波数が 5-7 Hz で、速度 60 ~ 85 km/h で発生します。フレームの共鳴振動は、
例えば速度 30 ~ 40 km/h で、外乱周波数の半分でも発生します。
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22:10-634 発行 1 2016-09-02
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371 456
フレーム振動は架装搭載シャシの共振振動であり、ホイールから外乱周波数が伝
わります。フレーム振動は、振動の振幅が充分に大きくなり、減衰が適切でない
と快適性を損ねます。
振動による不快感
車両内の反応
サブフレームの位置
サブフレームを前方へ引っ張り、可能な限りフロントアクスルに近い位置でシャ
シフレームに取り付ける必要があります。こうすることでシャシフレームの負荷
が軽減され、フレーム振動のリスクが低下します。
≤600
366 850
フロントアクスルの中心からサブフレーム前端までの最大許容距離 は 600 mm で
す。
最も前方のアタッチメントの位置
フレーム振動を中和するには、最も前方の架装アタッチメントポイントをできる
限りフロントアクスルの近くに配置する必要があります。
フロントアクスル中心およびサブフレームのフロントアタッチメントスクリュー
間の最大許容距離は 725 mm です。
原因
処置
周波数 5-7Hz でフレームが垂直方向に振動します。振動は、悪路 フレーク強度不足
またはスムーズ路面において、速度 60 ~ 85 km/h で振動が発生 サブフレーム強度不足
します。振動は負荷条件の変化に影響されます。
架装の強度不足
-
≤725
緩やかアタッチメントはすべて締めます。第一フ
ロントアクスルの中心からサブフレームの最前端
までの距離が正しいことを確認します。
振動を抑制する制振が不十分です
サブフレームアタッチメントには、正しい種類が
使われ、正しい位置に取り付けられ、正しいトル
クで締め付けられているか確認します。
-
タイヤとホイールからの振動
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-
サブフレームのアタッチメントに柔軟性があり過ぎ
る
静的アンバランス
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-
22:10-634 発行 1 2016-09-02
17 (22)
366 849
症状
アクションの詳細は、「タイヤと車輪からの振動」
にあります。
振動による不快感
車両内の反応
症状
原因
処置
トレーラー
トレーラーなしで車両をテストドライブ。症状が
消えたら、トレーラーのトラブルシューティング
と修理を行います。
サブフレームのアタッチメントに関する詳細は、文書「サブフレームおよ
びアタッチメントの選択」に記載されています。
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22:10-634 発行 1 2016-09-02
18 (22)
振動による不快感
車両内の反応
セミトレーラ付きトラクタのフレーム振動
症状
原因
処置
周波数 5 ~ 7Hz でセミトレーラが振動します。振動は、悪路また 静的アンバランス
はスムーズ路面において、速度 60 ~ 85 km/h で振動が発生しま タイヤとホイールからの振動
す。
共振周波数と振動が発生する速度が変わるほどに、
負荷に大きな変更があった。
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22:10-634 発行 1 2016-09-02
19 (22)
アクションの詳細は、「タイヤと車輪からの振動」
にあります。
異なったタイプのセミトレーラーと共にトラク
ターをテストドライブします。例えば、トラクタ
にフラットベッドセミトレーラーが接続されてい
た場合、より強固なタンカーセミトレーラーと交
換ができます。
振動による不快感
車両内の反応
アクスルの動き
371 431
アクスルがタイヤ上で飛び跳ね、自ら振動を始めると、シャシの横方向の動きが
発生します。ホイールのひとつが、大きなデコボコを通過すると、動きが発生す
る可能性があります。
症状
原因
処置
周波数 11 ~ 13 Hz で横方向に振動するシャシ。滑らかな道で 60
~ 70 km/h の速度で走行中に振動が発生します。
タイヤの空気圧が低すぎる。
タイヤの空気圧を上げます。
タイヤとホイールからの振動。
アクションの詳細は、「タイヤと車輪からの振動」
にあります。
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22:10-634 発行 1 2016-09-02
20 (22)
振動による不快感
車両内の反応
シャシの動き
371 444
車両のサスペンション システムに、大きな垂直方向の動きがあります。フロント
アクスルサスペンションが不十分な場合、動きがキャブに伝わり、垂直方向の動
きを感じます。リヤアクスルサスペンションが不十分な場合、動きがフレームに
伝わり、キャブで縦方向の動きを感じます。
症状
原因
処置
キャブまたはフレームが、周波数 1 ~ 1.5Hz で振動します。車両 磨耗したショックアブソーバー
ショックアブソーバーの交換。
が、例えば、橋や鉄道の踏切にある接合部分のようなかなりの段 長いオーバー ハングや後方搭載のクレーンなど、車
差を通過する時に、振動が発生します。
両のかなり後方に重心がある重量物。
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21 (22)
振動による不快感
車両内の反応
制動時の振動
症状
原因
処置
ステアリングホイールが周波数がおよそ 7 または 14Hz で振動す リムおよびブレーキドラム間、またはブレーキドラ
る。速度が 40 または 80 km/h で軽くブレーキをかけると振動が ムおよびハブ間の泥によるブレーキドラムの楕円形
発生します。振動の周波数は、車両の速度に対応します。
化。破損したリムまたは誤って装着したホイールも
ブレーキ ドラムを楕円形化します。
Scania ワークショップに対応を求めてください。
低速で軽くブレーキをかけると振動が発生します。
ブレーキドラムを交換します。
ブレーキドラムの変形。
ステアリングホイールが、およそ 7 ~ 14Hz の周波数で振動しま ブレーキドラムのホットスポット。
す。振動が、高速走行で長くブレーキをかけると発生します。振
動の周波数は、車両の速度に対応します。
ブレーキドラムを交換します。
ステアリングホイールが、およそ 8 ~ 14Hz の周波数で振動しま ゆがんだブレーキ ディスクやブレーキ ディスクの
す。軽いブレーキで振動が発生し、周波数が車両の速度に対応し 厚さの変化。
ます。
ブレーキディスクを交換します。
ブレーキからの振動の詳しいチェックについては、Scania のワーク ショップにお
問い合わせください。
ステアリングホイールの振動
ステアリングホイールの振動は、すべてのステアリングホイールに発生する可能
性があります。
Scania ワークショップに対応を求めてください。
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22 (22)
ブレーキ適合の点検。
Scania ワークショップに対応を求めてください。