第 23 回 FF日本大会 全体会議議事録 2010 年 2 月 28 日(日) 於:奈良県 新公会堂 記録 西本 正子 山口 隆子 1.開会(13:00~)開会宣言 2.歓迎挨拶 (総合司会:佐々木 啓子) 奈良クラブ会長 大西 FFIブラウン会長、FFJ 名誉顧問 弘 愛知和男氏はじめ、多くの方々に出席頂いた事に感謝。 奈良クラブの会員にとっては一生に一度の機会と捉え、生涯の思い出に残る大会にしたいとの心意 気で、一年前から取り組んできた。奈良クラブの会員約 60 名を含め総勢で 230 名に及ぶ多数の参 加者を迎える事が出来、大変光栄に思う。奈良に来て良かったと思って頂けるようにと願っている。 3.FFIメッセージ FFI会長 ジョージ・ブラウン氏挨拶(石井嗣代氏通訳) 最初に奈良クラブと会長へ、素晴らしい会場のアレンジと日本大会開催のご苦労に対して感謝。愛 知和男氏へ、支援いただいていることに感謝。石井嗣代氏と新しく本部の理事になられた余村とこ さんへも感謝。 ・FFIは 33 年の長い歴史の誇りと共に、将来のあり方について考えなければならない時期に来 ている。 ・FFI理事会は、二年前に、組織の名前についても討論した。ホームステイの活動を通して、 人々を隔てている壁を取り除くと言う基本コンセプトは続けなければならないし、名前も変えない が、いくつかの変更は必要であると言う点で一致した。 ・新しいロゴは好評である。 ・新しい参加者に対する新しい企画=テーマを持った交換、を始めた。たとえば、言語を習得する ことや英語の先生達の為のプログラム、エコツーリズムなど。 ・モロッコ、スイス、カナダに、レガシー基金によって新しいクラブを作る事が出来た。 ・ 2009 年、沖縄での世界大会が諸般の事情からキャンセルとなった。2010 年 11 月にワシントン D.C. 2011 年にドイツのハンブルグ、2012 年には日本で世界大会を開催する。日本はFF交 換の鍵を握る重要な国なので、2012年の世界大会は是非成功させたい。 ・ 今日は、折角の機会なので、FFIの新しい戦略についてお話させて頂きたい。 ・ マーケッティングコンサルタントと相談した際、新しいロゴに伴う新たな戦略として、一言で ブランドがイメージ出来るキャッチフレーズ(タグライン)が必要である事、そしてキャッチ フレーズは簡潔に3つ以内のポイントに絞り込む事が成功の秘訣であるとの提案がなされた。 1 例えば、アメリカではナイキの Just do it!ということばがあるように。(※ここで石井嗣代氏 が、「例えば、お~~いお茶、この~~木、なんの木 気になる木、こども店長」を挙げる) その結果、FFIとしては次の3つのキャッチフレーズ(タグライン)を考えた。 ○一番目のキーワードは、explore(発見) →発見の旅の大切さを実感する事(例:何か解らないものを発見する事の喜び、知らない家庭を訪 問する事による新たな発見、新たな文化を発見する喜び、等々) *何か新しい事を発見する喜びはFFの交換の重要な要素である。 ○二番目のキーワード、understand(相互理解) →発見は目的ではなく、それをお互いに理解し合う事が大切である。 多くの世界の人々が日本を訪問することを望んでいるが、日本で(FF・ホームステイが)成功 している理由は、そのユニークな文化を知りたいという願望が根底にあり、それが相互理解に上 手くつながっているからである。 *FFIとしては将来的に、文化の交換も考えている。たとえば、日本で盆栽の技術を紹介する 交換、ヨーロッパ(ドイツ)からアメリカへ英語の語学習得、アメリカからコロンビア(スペ イン語)へ、「言語」を軸にした交換は、大きな一つの鍵である。広島から愛媛へ行くような 遍路の旅のような交換、仏教文化も興味深い。 ○ 三番目のキーワード、serve(相互援助) 三つ目のキーワードが必要であるが、人道的な援助を目的とする国際組織ではないので、ぴっ たりの言葉が最初見つからなかった。 しかし、世界中のFFの活動を見ていると、出会った人達が交換後、ニューオリンズのハリケ ーンやインドネシアの津波、ハイチの地震などの災害時に援助するケースが出てきている。 人道的支援もしている(毎年、コスタリカの学校援助、ロシアの孤児院、開発途上国のみなら ず、地元の人々の求めに応じて)。交換の時に、学校や老人施設、病院などを訪問、文化的な 組織の博物館や美術館、公園、神社仏閣などへの訪問、これらも全て serve ではないか。我々 は既に身近な事で社会に serve しているのである。 これら三つのキーワードをFFの新たなキャッチフレーズ(タグライン)として訴求しつつ、活 動を続けて行けば、次なる発展につながるのではないかと期待している。 私の息子のケースだが、アフリカのケニアでのボランティアの教師体験は偉大な体験であった。 * これらのFF活動を通して、家族や周りの世界を見る目が変わる事を期待して止まない。 2 4.各クラブ参加者の紹介 FFIブラウン会長、FFJ石井嗣代氏、愛知和男氏、そして各クラブの紹介 5.代表者会議 報告 この会議は、共通課題や悩みなどを忌憚なく話し合う場(情報交換の場)。 前向きな発言を選択して紹介。 1)高齢化問題 ・会員の高齢化が進み、会の活動力の低下がみられる。 そのなかで、30代の子育て世代をサポートして、口コミで増えていくようにする。 受入体制が整っているアメリカへの渡航を年に一回は計画し、良い交換をする。 子どもたちの交換をさせる。 ・高齢のために、渡航と受入が難しいが、何らかの形で活動を続けたい場合の関わり方。 (高齢になっても、関わっているケースがある例など) ・高齢で体力が衰えている会員の受入と渡航 ※ブラウン会長のコメント ⇒そういった人たちを受入れるのもFFの一つの良さである。言語の問題でコミュニケーション がとれず、対応が難しいクラブ(ロシア圏など)は、FFIのスタッフを通じて、彼らのアドバ イスを受けてコミュニケーションを図って欲しい。 2)次世代リーダーの発掘 ・人材の確保~新しく入会した人をフォローして、彼らからリーダーを作っていく。 ・世代間の確執(たとえば意見の相違など)を埋めていく努力。 ・家族会員と個人会員の在り方や渡航EDへの援助~各クラブの事情が異なり、一概に何がよいと は言えない。 3)ブロック会議 ・身近な人たちが自分たちの問題を話し合う。 4)日本大会の代表者会議の在り方 ・より広い内容で話し合える。 全体会議の前日に持つのが良い。残った議題は次の日の午前中にカバーできる。 必ずしも全ての議題を討議できないが、メーリング リストなどを活用して、必要に応じて 会議を進めてみてはどうかとの提案があった(検討課題)。代表者会議事録議は別途送付。 ※社会貢献、国際貢献については、時間の関係で議論できず。 6.パネルディスカッション 3 コーディネーター パネリスト 奈良クラブ会長 大西 郡山クラブ会長 蓋 康 大阪クラブ会長 森本 / 吉彦 弘 東京クラブ副会長 / 愛媛クラブ会長 余村 とこ 峯 洋子 大西:このパネルディスカッションの目的は、FFの諸問題を出席者全員が共有することである。 パネリストだけでなく会場の皆さんも含め、個人の視点からご遠慮なく発言していただきたい (多様性を認め合う)。 一番目の議題は、高齢化問題の本質は何か。新規会員が増えない問題が定着化。 森本:高齢者(65歳以上)人口について、 1940-4.7%、1960-5.7%、1980-9.1%、2000-17.3%、2008-22.1% 老齢化指数 65 才÷14 才 1940-13、1960-19、1980-39、2000-119、2008-164 FFの実態は日本全体の高齢化現象の反映に過ぎない。高齢になっても、元気に活躍している 会員はいる。 蓋 :FFの活動内容が変化し、観光化されてはいる面はないだろうか。 友達を作る、文化を知ると云う原点に戻る。 交換をしないと会がしぼむから、交換を積極的におこなうと活動が活発になる。 高齢化は止められない。高齢化は必ずしも問題ではなく、どこかに参加してもらう努力が大切。 余村:(最初に、このような能舞台にあがれるとは思っていなくて、よいチャンスを与えていただ きありがとうございます。般若の面が欲しいくらい。) 今までは口コミのみでやってきた。PRが足りないのではないか。「コレカラ」と云う雑誌に 掲載されて、反響があった。 峯 :アクティヴ会員の高齢化が進み、退会が増え新会員なし。 手作りのパンフを作り、英会話のクラブなどに配り、それによって7名入会してきた。 やはりPRは大切。入会した人たちを大切にしていく事も大切と思う。 森本:FFの会員として、その活動を広い心で参加していけば問題がないのでは? 大西:高齢化は大きな問題ではないと言うご発言が多いようですが、全世界的に高齢化してきてい ると言う事実認識に於いては同じですね?(全員同意)。つまり、高齢化は避けようのない現 実である以上、それに如何に上手く対処して行くかと言う問題と、将来的に如何に新しい会員 を増やす努力をするかと言う事になりますね。 会場:(埼玉)我々は60ちょっとの平均年齢ですが、・・・全国のクラブ、どれくらいですか? 会場:(西東京)昨年、クラブ役員の平均年齢は60才でした。郡山が一番若くて55才。 大西:60才って、若いですね。 4 会場:(東京/松岡)ホームページをご覧になっての問い合わせが入る。大学生からの問い合わせ もあってニューズレターなどを送るがそれっきりで返事が返ってこない。 若い世代に訴えることも必要で、定年組の活動と思われているのではないか? 学生などは夏休みに、このような機会を利用して渡航したいと思っているが、我々は夏休みは 料金が高くて避けているし、休みたい。普通2週間渡航する為、参加できるのは定年組がほと んどである。夏休みや期間の問題で若い人たちと噛み合わない。 若い人たち用のプログラムがないし、方法が確立されていない。 大西:現実問題として、時間的・経済的余裕を考えるとシニアクラスが多い。 若い人たちのように時間があっても参加できない実態があり、現実にはなかなか噛み合わない。 それよりも 60 代の人々にターゲットを絞っていくべきではないかと言う意見もあります が・・・・ ※会場から拍手、多い 会場:(東京)若い人たちの中にも関心があって、参加したい人たちが多い。その若い人たちを将 来のために、受入のパーティの時に声をかけたり、英会話に関心がある人に情報を伝えたり、 ニュースレターの残部を渡したりして色々な活動に参加してもらう。 会員の皆さんが黙っているのでは? 宣伝をしあいましょう。 大西:今すぐには受入や渡航に参加出来ない人達であっても、将来的なポテンシャル会員として、 種まきが必要ではないかと言う事ですね? 峯 : びら を配 った なか で、 大学生か ら関 心が ある とい って きた 。し かし 彼は 、渡 航は でき ない、受入もできない。彼に一体何ができるのか? と私たちは考えた。 東京クラブのやり方は新鮮な意見で、種まきの仕事を今のうちに、来るものは拒まずで参考に したい。 会場:(岐阜/神徳)30代で始めて、知らないうちに60代になった。赤ちゃんだった自分の子 どもたちが大きくなり、ボランティア活動に参加し始めた。かつて若い頃に彼らをホームス テイに連れていったが、その時に経験したことを感謝してくれる。 若い人たちが入会したら連絡を取り合う、きちんとしつこくフォローが大切。 自分の子どもたちに勧めて、そこを中心として広がる輪もある。 大西:次のテーマ、FFの活動は受入と渡航で十分なのだろうか? 一年に一回だけの受入や渡航だけでは、十分魅力的な活動をしている団体と云うイメージを与 える事は出来ないのではないかと言う考え方についてはどう思われますか 蓋 :総会には地域の外国人を呼ぶ。伝統文化とともに福島の郷土料理を食べるなど日本文化を体 験してもらう文化交流をする。 地域への貢献をすることで市の国際交流団体として10万円を後援してもらっている。 5 地域のなかで活動することで、タウン誌や新聞の地域版で紹介してもらい、知名度をあげる。 国内交流は最初、期待していなかったが、素晴らしい交流だった。 大西:外国人だけでなく、日本人同士の国内交流も良いと言う例ですね。 余村:地方の良さをお話なさいました。東京は外国人の多いところだが、東京は一年に6回の交換、 EDの教育などで、いっぱいの予定。1都5県、9つのブロックに分けて地区懇談会をする ので、そこに友達を連れてくる。 ふたつの大きな柱は渡航と受入であるが、FFIも変化に挑戦している、しかし米国主体であ る。日本的バリエーションがあってもいいのではないか? 日 本 だ け に 限ら ず 英 語の 留 学 交換 をす る 。 一 つ は 、 ESL(English as Second Language Program)、一週間勉強し、ホストファミリーに英語の先生になってもらう。英語圏でない 国々にとっては、有益である。 もうひとつは、孫と子どもだけで渡航させる(経費は祖父母の負担)。このようなプログラ ムがあってもいいのでは? 大西:東京は会員数が多くて、6回の渡航と受入だけでも忙しく、結果的には、その事自体が会員 同士の活性化に繋がっていると云う、他の多くのクラブとは違って恵まれたケースではないで しょうか 森本:孫を留学させるのは面白いですなあ。私はそこまでいきません。 受入の時に孫を呼んで一緒に過ごし、将来を見据える。アマゾンの密林から出てきたようなア ンバサダーに孫が驚いた。・・・これは事実ですが(大笑い) 渡航や受入だけで十分だとは思っていない。ポイントはホップ、ステップ、ジャンプではない か? 始まりは、各々が自分のクラブにどのような会員がいるのかということを知らなくては ならない。渡航と受入をすることで互いが親しくなるし、デイホストの人たちにもチャンスが あり、これらの体験を通してFFを知って行く。 魅力的な活動をすることによって広がっていくのではないか。 大西:受入と渡航に、バラエティ溢れる活動を取り込んでいく事も必要と言う事でしょうか。 峯 :他クラブの話を聞いて参考にしたいが、小さなクラブなので、難しい面もある。 孫のことは賛成ではない。親か親に代わる保護者がいない子どもの受入は難しい。 実際に数年前に、問題になった。おばあさんとお孫さん、一緒に来てもホストが別だと孫の態 度が悪い。4、7歳の子どもを連れていきたいと伝えたが、相手クラブから断られた。 会場:(三重/中山)中学生の孫(男)を、夏休みに、祖父母とホームステイを体験させた。 今では社会人や高校生になっているが、現在のところ、このホームステイがどこまで彼らに影 響を与えているのか今はわからない。しかし、体験としては良い。 大西:孫については、ひとつの種まきとして面白いかも知れませんね。 6 余村: ひとこと言い忘れた。小学校5年生だった自身の息子が、ホームステイを体験した。信頼か ら成り立っているFFの活動で、信頼から良い結果が出たので、孫たちの交換と云うような発 言をした。小さい時に国際感覚を身につける、お互いに信頼のなかで受け入れられたら良い。 会場:(奈良/内田)楽しい渡航、楽しい受入をするためには、会自体が楽しくなければいけない、 そのためには普段の会員同士のコミュニケーションが大切。三年ほど前に、world Friendship day 開催の記事が新聞に載る。「クラブで英会話をやっていて・・・でも私は英語ができな い」のコメントが載って、英語を勉強したいと問い合わせが来て、会員が増えた。このよう に英会話のクラスで仲良くなる、手作り、ハイキングなどのイベントで仲良くなって意思疎 通ができ、日常的に活動していくことが大切。良い交流ができる。 大西:最後に、クラブの壁を超えたテーマ別交換についてどう思うか? 全世界のクラブを対象にした交換はどう思うか? 森本:ブラウン会長からのコンサルタント会社を使っての話、なるほどなあと伺った。 FFIのやり方なので、それでよいのでは? テーマ別、全世界化は個人的には面白いと思っ ている。受入の立場で考えた場合、寄木細工、ごちゃごちゃの人が来る。それには賛成できな い。EDがきちんとグループを掌握し、渡航できるのであれば、それは問題ない。受入の立場 からすると、必ずしも、歓迎できない 蓋 :EDがしっかりしないと大変。現地集合、現地解散になるとオリエンテーションがきっちり できていないことが問題。連合軍、というのは変な言い方だが、大きな地域だとアンバサダ ー同士が顔を合わさないまま、ホスト先を訪問することが心配だ。 渡航を単なる旅行として捉える人がいると、他クラブとの合同渡航は難しい。 総論としては賛成。 会場:(福岡/池田)2011年計画として、モスクワの芸術家集団の受入要請が新潟と福岡にあ った。芸術家集団は必ずしもFFの会員ではない。ホームステイとともにプロモーター的な 活動の受入をするのは福岡では無理だと思い、断った。動機はいいことだが、東京と福岡と はクラブの実態が違う。 会場:(東京/仙石)昨年11月、世界大会からの流れの中で、8クラブから13名が来た。 英国、アメリカ、トルコなどといった寄せ集め集団だと、EDの指導が行き届かず、EDが自 身のクラブの人ではないので、行動を注意できないなどEDの遠慮がみえる。 受入側としても、たとえばリターンバンケットがなかったり、集団行動に合わせないなど戸惑 う事がよくある。 余村:東京クラブの場合、EDとアシスタントED、年に、それぞれ6人、計 12 人を選び、新しい 人にチャンスを与えて育てる。半年前からEDとアシスタントEDのトレーニングをする。寄 せ集めの渡航の場合は、メールでもって互いの情報をきちんと伝え、そして理解してから渡航 7 すべきである。 ブラウン:今後の交換のあり方について討論してもらって良かった。ありがとう。 毎年、多くの交換のキャンセルがあり、このようなテーマ別の交換を提案しているが、 今後、検討していきたい。 15:13 おわり 8
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