参考資料 「“共同受信施設”で地上デジタル放送を見るために」 <技術編(参考資料)> 平成18年6月 近畿総合通信局 放送部有線放送課 地上デジタル放送を見る為には アンテナ 地上デジタル放送を受信するためには、UHFアンテナの設置が必 要になります。UHFアンテナは全帯域型のアンテナを使用します。 (現況調査によっては、交換の必要がない場合があります。) UHF全帯域アンテナ 混合・分波器 UHF帯域に従来のアナログ放送に加えてデジタル放送が追加されるた め、混信障害を起こさないように地域毎に適切な混合分波器を選ぶ必要 があります。 混合・分波器 プリアンプ フリンジエリア(放送区域の外周地域等の受信状況がよくない地域)近く の弱電界において、地上デジタル放送を受信するには、アンテナ直下に 低雑音7波対応のプリアンプが必要です。 妨害波が希望波より強い場合には、フィルタで妨害波を減衰する必要が あります。 1 プリアンプ 地上デジタル放送を見る為には ブースタ (ヘッド・ラインアンプ) ブースタは、同軸ケーブルや分岐・分配器による損失を補償して、各部 屋のテレビに適正な信号レベルで配分するために使用します。ブースタの 入出力信号が適正でないと、ブースタ内で信号が歪み、テレビ画面の障害 として現れます。 従来のUHFブースタの仕様は、UHF帯域の伝送波数を2波で設計さ れた機器が標準でしたが、地上デジタル放送では少なくとも7波以上をU HF帯域で伝送できる機器が必要になります。 地上デジタル対応 ブースタ 地上デジタル対応の仕様例 2 地上デジタル放送を見る為には 直列ユニット・テレビ端子 従来、直列ユニット・テレビ端子はオームバンドタイプが多く利用されていましたが、このタ イプは同軸ケーブルの芯線が一部むき出しで接続されるため、電化製品などから発生する外部雑 音の影響を受けやすく、テレビ画面への影響が懸念されます。 そのため外来雑音の影響を受けにくいF型接栓タイプの機器を使用することを推奨します。 雑音の発生源となる電化製品 雑音の発生源となる電化製品 ・携帯電話 ・パソコン、テレビゲーム ・電子レンジ、冷蔵庫 ・掃除機 ・ドライヤー、電気カミソリ ・蛍光灯(インバータタイプ) ・エアコン ・電気こたつ(サーモスタット) F型端子タイプ テレビ端子 (直列ユニット) など HUTシリーズ 3 地上デジタル放送を見る為には 配線する同軸ケーブルには、VHF帯からBS-IF帯まで減衰量が少なく、経年劣化の少ない、 性能が安定したS-7C-FB、S-5C-FB等の同軸ケーブルを使用します。 各機器との接続には、外来雑音の影響や不整合による伝送特性の劣化を避けるため、C15形コ ネクタを使用します。 絶縁体 (発泡ポリエチレン) 内部導体 (芯線) シース 外部導体(銅編祖) 外部導体2(アルミテープ) 〔C15形コネクタ〕 FP-5-H15 [同軸ケーブル S-5C-FBの構造] 4 アンテナ設置例 地上デジタル放送を受信するためには、UHFアンテナの設置が必要です。しかし、2011年7 月まではアナログ放送を同時に受信する必要があります。以下に代表的な設置例を紹介します。 アナログ放送がVHFの場合 アナログ波とデジタル波が同じ方向から到来する場合 <受信する周波数帯域が同じ場合> アナログ VHFアンテナと全帯 VHFアンテナ 域用UHFアンテナを U/V混合器で混合しま す。 また、U/V混合器が内 デジタル 全帯域用 UHFアンテナ 蔵されたU/Vブースタ を使用する方法もあり ます。 追加 アナログ波とデジタル波の チャンネルが、同じ受信帯 域内である場合には、共用 の全帯域用UHFアンテナ で両方を受信します。 デジタル 使用中のアンテナ で受信可能 アナログ U/V混合器 <受信する周波数帯域が違う場合> アナログ波とデジタル波が違う方向から到来する場合 名古屋地区など、デジタル放送の電波がアナログ放送と 違う場所から発射される場合は、2本のUHFアンテナ を設置します。全帯域用UHFアンテナを、U/U混合 器で混合します。 アナログ UHFアンテナ 全帯域用 UHFアンテナ アナログ波とデジタル波の 使用するチャンネルが離れ ている場合には、現在使用 しているUHFアンテナで 受信できない場合がありま す。このような場合には、 新たに全帯域用UHFアン テナに取り替えます。 デジタル デジタル アナログ 旧アンテナ <撤去> 追加 U/U混合器 5 新しいアンテナ に交換 ビル共同受信設備のデジタル改修例 例1 VHF伝送システムの場合 追加・交換機器 VHFアンテナ VHFアンテナ UHFアンテナ アンテナ 混合器 U/V混合器 地上デジタル放送対応 V・Uブースタ VHFブースタ ブースタ 改修 テレビ端子 (V・U) アナログ テレビ 備 アナログ テレビ デジタルチューナー 考 ・デジタルチューナーは別途ご購入ください。 6 テレビ端子 テレビ端子 (VHF) 分岐・分配器 (V・U) 分岐・分配器 分岐・分配器 (VHF) 追加 UHFアンテナ (UHF全帯域アンテナ を追加) 追加 U/V混合器 (地上デジタル放送の 帯域に対応した混 合器を追加) 再調整 又は 交換 を推奨 地上デジタル放送 対応V・Uブースタ 交換 UHF帯域に対応 したものに交換 交換 UHF帯域に対応 したものに交換 ビル共同受信設備のデジタル改修例 例2 VHF・UHF伝送システムの場合 VHFアンテナ 追加・交換機器 UHFアンテナ VHFアンテナ UHFアンテナ 確認 アンテナ U/V混合器 U/V混合器 混合器 V・Uブースタ 地上デジタル放送対応 V・Uブースタ 改修 ブースタ 分岐・分配器 (V・U) テレビ端子 (V・U) アナログ テレビ アナログ テレビ デジタルチューナー 考 ・デジタルチューナーは別途ご購入ください。 7 確認 U/V混合器 (地上デジタル放送の 帯域に対応してい るか確認) 再調整 又は 交換 を推奨 地上デジタル放送 対応V・Uブースタ 分岐・分配器 (V・U) テレビ端子 (V・U) 備 UHFアンテナ (地上デジタル放送の 帯域に対応してい るか、又電波到来 方向が同じである か確認) ビル共同受信設備のデジタル改修例 例3 地上デジタル波の到来方向が違う場合 追加・交換機器 VHFアンテナ VHFアンテナ UHFアンテナ UHFアンテナ UHFアンテナ 追加 アンテナ UHFアンテナ (UHF全帯域アンテナ を追加) U/U混合器 追加 U/V混合器 V・Uブースタ 混合器 U/V混合器 地上デジタル放送対応 V・Uブースタ 改修 ブースタ 分岐・分配器 (V・U) 分岐・分配器 (V・U) テレビ端子 (V・U) テレビ端子 (V・U) アナログ テレビ 備 デジタルチューナー 考 ・デジタルチューナーは別途ご購入ください。 8 アナログ テレビ U/U混合器 (地上デジタル放送の 帯域に対応した混 合器を追加) 再調整 又は 交換 地上デジタル放送 対応V・Uブースタ 都市受信障害・難視解消共同受信施設のデジタル改修例 例1 狭帯域施設(~222MHz等)の広帯域化(~770MHz) 追加・交換機器 パワーインサータ 分岐器 電源 装置 保安器 アナログ テレビ ヘッドアンプ アナログ ヘッドアンプ 幹線増幅器 アンテナ VHF アンテナ UHF アンテナ 幹線増幅器 電源装置 パワーインサータ 分岐器 デジタル チューナー 電源 装置 保安器 OFDM ヘッドアンプ アナログ テレビ 考 ・デジタルチューナーは別途ご購入ください。 9 幹線増幅器 アナログ ヘッドアンプ 備 追加 同一周波数パスス ルー伝送ヘッドア ンプを追加 ※・施設の規模によっ て は 不要の場合があ ります。 ・受信レベルが充分 に あ り、かつ多チャ ン ネ ル間のレベルが 整 っ ていれば不要の 場合もあります。 改修 VHF アンテナ 追加 UHFアンテナ (UHF全帯域アン テナを追加) 交換 電源容量が足りない 場合は交換が必要 交換 770MHz対応幹線増幅 器へ交換 都市受信障害・難視解消共同受信施設のデジタル改修例 例2 狭帯域施設(~222MHz等)のミッドバンド伝送 追加・交換機器 パワーインサータ 分岐器 電源 装置 保安器 アナログ テレビ 改修 VHF アンテナ UHF アンテナ パワーインサータ 幹線増幅器 分岐器 保安器 アナログ テレビ 備 考 ・デジタルチューナー(CATVパススルー対応)は別途ご購入ください。 10 幹線増幅器 デジタル チューナー 電源 装置 電源装置 アナログ ヘッドアンプ OFDM ヘッドアンプ 追加 UHFアンテナ (UHF全帯域アン テナを追加) 追加 ヘッドアンプ アナログ ヘッドアンプ 幹線増幅器 アンテナ VHF アンテナ 周波数変換パスス ルー伝送ヘッドア ンプを追加 ※ ・施設の規模によっ て は 不要の場合があ ります。 ・受信レベルが充分 に あ り、かつ各チャ ン ネ ル間のレベルが 整 っ て い れ ば 、 OFDM ヘ ッ ドアンプに替え て 「 地上デジタル放 送 ブ ロックコンバー タ 」 を追加する場合 もあります。 交換 電源容量が足りない 場合は交換が必要 交換 770MHz対応幹線増幅 器へ交換 都市受信障害・難視解消共同受信施設のデジタル改修例 例3 広帯域施設(~770MHz)の場合 追加・交換機器 VHF アンテナ パワーインサータ アナログ ヘッドアンプ 幹線増幅器 アンテナ UHF アンテナ 分岐器 保安器 アナログ テレビ ヘッドアンプ 電源 装置 UHF アンテナ 幹線増幅器 分岐器 電源装置 パワーインサータ アナログ ヘッドアンプ デジタル チューナー 保安器 アナログ テレビ 備 考 ・デジタルチューナーは別途ご購入ください。 11 幹線増幅器 電源 装置 OFDM ヘッドアンプ UHFアンテナ (地上デジタル放送の 帯域に対応してい るか、又電波到来 方向が同じである か確認) 追加 同一周波数パスス ルー伝送ヘッドア ンプを追加 ※・施設の規模によっ て は 不要の場合があ ります。 ・受信レベルが充分 に あ り、かつ多チャ ン ネ ル間のレベルが 整 っ ていれば不要の 場合もあります。 改修 VHF アンテナ 確認 交換 電源容量が足りない 場合は交換が必要 交換 又は 再調整 デジタル対応の幹線 増幅器に交換 又は、レベル調整を 実施 デジタル改修概要図 共同アンテナ UHF アンテナ VHF アンテナ 混合器 (※) パンザマスト 支持柱 幹線増幅器 (※) 宅内線 分岐器 幹線 (※) 分配器 分配線 アナログ ヘッドアンプ 改修する機器 保安器 デジタル (※) ヘッドアンプ デジタルチューナー 引込線 デジタル テレビ アナログ テレビ 屋内設備部分 屋外設備部分 (個人で負担する部分) (施設所有者で負担する部分) 分岐点 12 デジタル改修例 <既存システム> 【システム概要】 受信チャンネル VHF・UHF(V変換)・BS(V変換) 伝送路 70~250MHz カスケード段数 7段(最大) BS UHF VHF(L) VHF(H) PS PS AC100V PS PS PS PS PS PS PS 13 デジタル改修例 <例1>地上デジタル放送を同一周波数パススルー伝送 【システム概要】 受信チャンネル VHF・UHF(V変換)・UHFデジタル・BS(V変換) 伝送路 70~770MHz カスケード段数 BS UHF VHF(L) 5段(光伝送路を除き最大5段までを目安) VHF(H) UHF(地上デジタル用) 地上デジタル放送受信用のUHFアンテナ (全帯域)を追加します。 光伝送路の追加 PS ・光ファイバの追加 PS ・光送信機(E/O)の追加 ・光受信機(O/E)の追加 AC100V E/O O/E PS ヘッドエンド部の改修 ・アンテナ混合部の追加 ・地上デジタル波レベル調整部、 増幅部の追加 ・出力混合部の追加 PS PS PS その他 幹線増幅器の交換 PS ・分岐器、分配器を770MHz対応品に ・770MHz伝送用増幅器に交換(全数) PS ・電源装置をAC60Vに交換(全数) 交換(全数) ・保安器を770MHz対応品に交換(全数) 〈メリット〉 ・地上デジタル波をUHF伝送するためデジタルチューナーを選びません。 〈デメリット〉 ・伝送路機器の全数交換が必要です。 ・光伝送路の新規敷設が必要です。 PS 14 デジタル改修例 <例2> 地上デジタル放送を周波数変換パススルー伝送 【システム概要】 受信チャンネル VHF・UHF(V変換)・BS(V変換) 伝送路 70~250MHz カスケード段数 7段(最大) BS UHF VHF(L) VHF(H) UHF(地上デジタル用) 地上デジタル放送受信用のUHFアンテ ナ(全帯域)を追加します。 PS PS AC100V PS ヘッドエンド部の改修 ・アンテナ混合部の追加 ・周波数変換パススルー伝送(U→ MID)ヘッドアンプの追加 ・出力混合部の追加 PS PS PS PS PS 〈メリット〉 ・受信点のみの工事で改修ができます。 〈デメリット〉 ・デジタルチューナーがCATVパススルー対応である必要があります。 ・伝送路機器の老朽化に関して、別途改修が必要です。 PS 15
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