レイアウト 1 - 埼玉医科大学

—創刊1998年11月—
34
NO.
CONTENTS
2 0 1 4
F EBRUARY
…………………………………………
総合医療センター病院長が埼玉県救急医療功労者に表彰されました!
…………
P-1
ご紹介
歯科口腔外科 ……… 歯科口腔外科 金子 貴宏
病院ボランティア募集 …………………………… P-2
心臓血管外科
……… 心臓血管外科 今中 和人
P-3
トピックス
季節に流行る疾患と予防法のご紹介(冬)インフルエンザ
…………… 小児科 森脇 浩一
P-5
レポート
『第1回SMCメディカルラリー開催』-メイヨークリニックに続け!SMCチーム医療の推進-
…… 高度救命救急センター看護師長 臼井美登里
P-7
『ドクターヘリ 小学校体験会:教育機関との連携によるドクターヘリ事業推進の試み』-地域を支えるチーム医療-
…… 高度救命救急センター フライトナース 主任 内藤ゆみえ
P-9
『フィリピン共和国における台風被害に対する国際緊急援助隊医療チーム派遣報告』-世界に羽ばたくチーム医療-
……… 高度救命救急センター 看護師 武川 礼子 P-11
お知らせ
手術室へ新規導入した可搬型ワイヤレスタイプX線撮影装置「AeroDR」について
…………… 中央放射線部 P-13
連載
高齢者のリハビリテーション18
リハビリテーション科 國澤 洋介/高倉 保幸 P-14
トピックス
ようこそ赤ちゃんママパパクラス
…… 周産期センター3階 松本 瑞江・長房 千紘 P-15
ご紹介
カフェテリアの紹介 (株)ウエルフェア 矢島 健二 P-17
クリスマスコンサート ……… 診療サービス委員会 P-18
外来受診について/面会者へのお願い
……… P-19
㈳小江戸川越観光協会
基本理念
安全で質の高い医療を提供し、
地域から信頼される医療機関を目指します。
トピックス
SAITAMA MEDICAL CENTER
総合医療センター病院長が埼玉県救急医療功労者に表彰されました!
埼玉県は、9月4日「救急の日(9月9日)」を記念
し、長年にわたり救急医療に貢献した団体・医療機
埼玉医科大学からは、総合医療センター堤晴彦病
院長が救急医療功労者として表彰されました。他の
関及び個人に対する表彰式を、上田埼玉県知事を主
催者として金井埼玉県医師会会長出席の下、埼玉県
危機管理防炎センターにて開催されました。
表彰者とともに、今後ますますの救急業務や救急医
療に対する県民の理解や救急医療関係者の意識の高
揚に貢献すべく、決意を新たにしました。
1
ご紹介
SAITAMA MEDICAL CENTER
歯科口腔外科
歯科口腔外科 金子 貴宏
当院の歯科口腔外科では歯や顎、顔面の病気につ
いて総合的な診断、治療を行っています。口腔外科
るよう心掛けております。
当科は、歯科関連施設としては稀な当直医を有す
疾患は、その特殊性から専門性を必要とされる診療
領域です。当科は社団法人日本口腔外科学会専門医
制度研修機関であり、学会が定める口腔外科専門
る救急体制を維持しており、顎顔面外傷などの緊急
処置に対して24時間体制で受け入れ可能です。今後
も近隣歯科診療所との病院連携を密にした高次歯科
医・指導医を3名、口腔外科専門医1名、口腔外科専
修医4名を有しており、さまざまな疾患に対して適
医療を担う施設として、地域医療に貢献し、良質の
医療が提供できるよう日々精進していきたいと考え
ておりますので、よろしくお願いいたします。
切な診査診断のもと、患者さんが安心して治療を受
けていただけるよう体制を整えております。 取り扱う病気は、腫瘍、炎症、嚢胞、外傷、顎関
節など口腔外科全般に及び、その他、口腔インプラ
ント治療についても積極的に治療を行っておりま
す。また、いわゆる一般歯科医療は特別に全身管理
を必要とする基礎疾患を有する有病者に対して行っ
ております。口腔腫瘍や顎顔面骨々折の治療は、通
常入院、全身麻酔のもとでの治療となりますが、口
腔インプラントをはじめとする外来日帰り治療に関
しては、患者さんの痛みや精神的負担を最小限に止
めるよう、鎮静法を併用した処置を実施しており、
患者さんにはリラックスした状態で治療が受けられ
病院ボランティア募集
医務課 町田
病院ボランティアを募集しています!!
ぜひ、あなたの力をお貸しください。
ボランティア活動に関心のある方は下記までご連
現在、当院にはボランティアとして活動してる方
がいます。バスから降りて、車椅子をお探しの方に
絡ください。
ボランティア申し込みは:医務課 町田
やさしく声をかけ手を差し伸べています。また、男
性の介護者と来られる患者さんも増えており、女性
☎049-228-3697
がトイレに入りづらくて困っているような時、やさ
しく声をかけ、お手伝いをしています。どんなにあ
りがたいか知れません。患者さんとして、またその
家族として、病院を訪ねたとき何処に行けばいいの
か、どうすれば良いのかわからなく不安を感じた方
も多いと思います。そんな時、やさしく声をかけて
くれるボランティアに出会うとホッとするのではな
いでしょうか。
病院ボランティアはこんな活動をしています。
♦玄関案内 ♦受付案内
♦車椅子介助 ♦バスの乗降介助
♦トイレ介助 等
2
ご紹介
SAITAMA MEDICAL CENTER
心臓血管外科
心臓血管外科 今中 和人
ない元気な方でないとリスクの高い治療でした。
これに対し、ステントグラフト内挿術は血管内治
療です。バネ付きの人工血管(図1)で動脈瘤を内
総合医療センター心臓血管外科では、心臓と大動
脈の手術治療を毎年 100 例内外行ってきており、
2012年は120例と増加傾向でした。現在のスタッフ
は准教授(科長)1名、講師1名、助教3名です。
張りします。動脈瘤への血流を遮断し減圧すること
で破裂を予防するという治療です。動脈瘤は残りま
すが減圧され、破裂予防という治療の目的はこれで
どのような疾患を治療しているか?
充分果たせることになります。
心臓血管外科の治療対象となる疾患は、
1 狭心症・心筋梗塞
2 心臓弁膜症
3 大動脈瘤・大動脈解離
4 先天性心疾患
です。
昨今では、上記の2つ以上の疾患の手術を同時に
受ける患者さんもしばしばおられます。大多数の心
臓や胸部大動脈の手術では、一時的に心臓に止まっ
てもらう必要がありますが、単に心臓が停止してし
まうと大変なことになります。患者さんの心臓が停
止している間、人工心肺という装置に心臓の肩代わ
りをさせたうえで手術をします。重い疾患が対象な
うえ、手術がかなり大掛かりなので、今日でも心臓
や胸部大動脈の手術は大手術になります。巷では
「名医もの」「医療ランキングもの」が大流行で、
それに呼応するように無闇に新しい方法を取り入れ
たり、宣伝調の情報を流布する風潮すら無きにしも
あらずですが、当科では「個々の患者さんにとって
堅実で最も望ましい治療」を追及しております。ま
図-1
ステントグラフトはシースと呼ばれる 1㎝弱の硬
い棒のようなものの中に装填されています。鼡径部
(足の付け根)を数㎝切開し確保される大腿動脈か
ら動脈内に挿入し、動脈瘤のある部位で展開しま
す。動脈瘤の前後に人工血管をバネで押さえつける
ことで血流は人工血管内のみを流れることになり
(図2)
、動脈瘤の破裂を予防することができます。
た、極めて重症の患者さんでも緊急手術でも原則と
してすべて受けいれ、あらゆる対策・工夫を講じて
基本的に傷はこの鼡径部の数㎝の傷のみで、手術
自体は心臓、肺などに負担を与えません。そのた
め、これまで耐術困難とされていた方でも手術を受
手術の安全性を向上させています。その中で、胸部
大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術について
ご紹介します。
けることが可能となりました。もちろん手術合併症
も起こりえますが、従来の人工血管置換術と比較す
ると体に対する負担は小さくなります。
バネで押さえつけるだけなので、時間がたって漏
れたりずれたりしないのか、或いは押さえつけ固定
される場所がないので実施できない方もいる、な
胸部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術
胸部大動脈瘤は破裂すると、救命することが非常
に困難な疾患です。また、破裂するとき、もしくは
破裂する直前まで症状がまったくないことが多く、
なかなか発見されない疾患でもあります。
破裂予防のための手段は基本的には手術しかあり
ど、まだまだ問題はありますが、今後の胸部大動脈
瘤の治療のひとつの手段として増えていくものと考
えられます。
ません。従来は動脈瘤を切除し人工血管に取り換え
るという人工血管置換術しかありませんでした。大
その他の手術
きく開胸をしなければいけないこと、人工心肺を使
用しなければいけないことなど、かなり侵襲の大き
な手術となってしまい、患者さんの体に大きな負担
1 狭心症・心筋梗塞
心臓を栄養する「冠動脈」の狭窄や閉塞による疾
患です。人工心肺を使用せずに行う「心拍動下冠動
脈バイパス手術」は、手術リスクが下がらないのに
をかける手術です。そのため、基本的には併存症の
3
SAITAMA MEDICAL CENTER
図-2-B
図-2-A
Aでは大きな動脈瘤がうつっていますが、
ステントグラフト内挿後のBでは血流が遮断されて動脈瘤がうつらなくなっています。
長期成績が悪いという報告が相次いでおり、当科で
は従来のスタイルの冠動脈バイパス術を基本とし、
患者さんの状況に応じて心拍動下バイパス手術も
行っています。
2 心臓弁膜症
従来は、ほぼすべての心臓弁膜症に対する治療は
人工弁置換でした。当院では透析患者さんなどの複
雑なケースも含めた人工弁置換の経験も豊富です
が、昨今、非常に増えている僧帽弁閉鎖不全症に対
して、人工弁置換と比べて利点が多い、自己弁を温
存する弁形成手術(図3)を積極的に行っており、
このところ、ほぼ全例で自己弁温存が可能でした。
2012年の手術死亡は困難な定時手術の2例、1%
台で、他に 1人、他病死された方がおられました。
これからも引き続き、患者さん中心の安全性・満足
度の高い心臓血管外科手術を目指して参ります。
図-3
4
トピックス
SAITAMA MEDICAL CENTER
季節に流行る疾患と予防法のご紹介(冬)
インフルエンザ
小児科 森脇 浩一
には A型の2種類と B型のワクチンが含まれていま
冬に流行する病気の代表格はやはりインフルエン
ザでしょう。筆者は小児科医ですが、インフルエン
す。なぜこのように複数のタイプが含まれているか
ザは大人も子どもも罹るとつらい病気で、比較的合
併症も起こりやすい病気です。今シーズンの流行が
早ければこの記事が出る頃にはピークを過ぎている
というと、インフルエンザには A型とB型(あまり
病原性の強くない C型というのもあります)がある
のはご存知だと思いますが、 A型は更に分かれてい
かも知れませんが、やはり外せないと思います。
まず、インフルエンザがどういう病気かおさらい
してみましょう。日本語では「流行性感冒」、かつ
て流行するのは主にA/H1N1亜型(かつてはソ連型
でしたが 2009 年以後はインフルエンザ( H1N1 )
2009と入れ替わりました)と A/ H3N2亜型(香港
型)です。また時々ニュースになっている病原性の
高いと考えられている鳥インフルエンザは A型でも
別のものです。 A型は型が違うと予防接種の効果が
なく、そのため2009年にはワクチンを緊急輸入した
ことを覚えている方もいるかも知れません。インフ
ルエンザウイルスは変異しやすく、この Hや N(イ
ンフルエンザウイルスの成分と考えて下さい)が同
じ数字でも年によって少しずつ変わってくるので毎
年新しいワクチンを製造しています。しかし、突然
変異で新しいインフルエンザウイルスが流行すると
そのワクチンは効果がありません。また麻疹などの
ワクチンに比べると感染を完全に阻止するというよ
り重症化を予防するくらいに考えたほうが良いかも
知れません。しかし、それでもワクチンを毎年接種
していると抗体が残っているといわれます。また、
日本では学校での集団接種をやめた1990年代から老
人の冬季の超過死亡が増加した事が示されていま
す。これはおそらく小児のワクチン接種で社会的な
流行が抑えられ、老人の超過死亡も減ったのではな
いかと考えられています。ワクチンはこのように
100%の効果が期待できるものではありませんが、
それでも予防法の中では確実性が高いものです。
あとは一般的な対応になります。インフルエンザ
は咳やくしゃみの際に口から飛ぶ小さな水滴(飛
沫)で感染します。これを飛沫感染と言います。マ
スクは飛沫を防ぐので、インフルエンザで咳やく
しゃみをしている人から周囲への感染を予防する事
になります。しかし、隣にインフルエンザの人がい
て咳やくしゃみをしていてその飛沫が皮膚につき、
例えば手についた場合その手を鼻や口に持っていく
とインフルエンザウイルスが体内に入る可能性が出
てきます。特に日本の場合、咳やくしゃみをすると
きに口を手のひらで覆う事が多いと思いますが、そ
の場合はその手から感染が拡がる可能性がありま
ては略して「流感」などと言っておりましたが最近
はあまり聞かなくなったように思います。言葉の意
味としては「よくはやる風邪」という意味になりま
すが、風邪とインフルエンザではかなり印象が異な
るのではないでしょうか。厚生労働省も「インフル
エンザはかぜじゃない」というポスターを以前作っ
ていました。風邪という言葉は私も外来で患者さん
やご家族への説明でよく使うのですが、非常に曖昧
です。医師が使う時にはウイルス性の上気道炎(炎
症が鼻やのどに限定されているもの)を指すことが
多く、かつ軽微で免疫力で自然治癒するものという
ニュアンスが含まれている事が多い様に思います。
インフルエンザもウイルス性感染で一般的には感染
部位は上気道に止まります。今でこそタミフルなど
の抗ウイルス薬の使用が一般的になってきました
が、それはこの10年余りの事で健康な人であれば免
疫力で自然治癒します。何がインフルエンザを他の
風邪(ウイルス性上気道炎)と区別しているかとい
うと、まず症状の強さです。皆さんの中でもインフ
ルエンザにかかった時に頭痛や倦怠感の強さなど辛
い思いをされた方は多いのではないでしょうか。小
児では稀ではありますが脳炎や脳症といった後遺症
を残したり、死亡したりするような合併症の頻度が
他のウイルス感染より高いのも特徴です。また年配
者ではインフルエンザを契機に肺炎などにかかって
死亡する可能性が高くなる事も指摘されています。
このように「ウイルス性上気道炎」ではあります
が、「軽微」とは言えないため、少しでも早く治す
ためにこの10年余り抗ウイルス薬が使用されるよう
になったと言えるでしょう。
さて、本題の予防法に移りたいと思います。予防
の本道はやはり予防接種になります。厚生労働省の
ホームページに掲載されている予防法(図-1)でも
第一に挙げられているのが予防接種です。予防接種
5
SAITAMA MEDICAL CENTER
働省のホームページには記載されていません。これ
インフルエンザの予防法
については一部の医療関係者のブログなどでは話題
になっています。たしかに論文などでインフルエン
ザの予防にうがいが効果を示したというものはない
ようですが、一般的な風邪の予防に水のうがいで効
1)流行前のワクチン接種
2)飛沫感染対策としての咳エチケット
3)外出後の手荒い等
4)適度な湿度の保持
5)十分な休養とバランスの取れた
栄養摂取
6)人混みや繁華街への外出を控える
果があったという報告もありました。ただ、その効
果は本人の自己申告によるものでそれ程信頼度の高
い研究ではありませんでした。一方、適度の湿度の
保持でインフルエンザは予防できるとされています
ので、うがいでのどを湿らせることの効果はあるか
も知れません。それ程、お金や手間ひまのかかる事
ではないのでやってみてもよいと個人的には考えて
います。但し、ヨードのうがい液(イソジンなど)
(厚生労働省HPより)
図-1
を毎日長期に使い続けるのはお勧めできません。先
ほどの研究でもヨードのうがい液は水のうがいのよ
うな効果がなかったようですし、甲状腺の異常を来
す可能性もあるからです。
最後に抗ウイルス薬による予防です。これは非常
に限定されていて65歳以上の高齢者、慢性呼吸器疾
す。これに対しては肘の内側で口を覆うやり方があ
るようです。このようにマスクはインフルエンザに
かかっている人から周囲への感染を予防する効果は
期待できますが、マスクをしている人が周囲からの
インフルエンザ感染は予防できるものではなさそう
です。むしろ外出から帰った時の手洗いは重要だと
思います。 2009年のいわゆる「新型インフルエン
患または慢性心疾患患者、代謝性疾患患者(糖尿病
等)、腎機能障害患者で同居家族などがインフルエ
ンザを発症した場合のみが対象となり、保険診療の
対象とはなりません。
以上、まとめると体調管理、手洗い、ワクチン接種
ということになるでしょうか。皆さんのインフルエン
ザ対策にこの一文が役に立つ事を願っています。
ザ」の流行から公共の場に手指消毒液がおかれてい
るのを良く見かけるようになりました。これを活用
するのも一つの方法だと思います。
あとインフルエンザに限らず一般的な風邪の予防
として以前から言われているうがいですが、厚生労
彩の国
埼玉県
埼玉県マスコット
コバトン
厚生労働省HPより ポスター
6
レポート
SAITAMA MEDICAL CENTER
『第1回SMCメディカルラリー開催』
-メイヨークリニックに続け!SMCチーム医療の推進-
高度救命救急センター看護師長 臼井美登里
今回「第1回SMCメディカルラリー」を、当施設の公
式行事として、11月10日(日)看護学校にて開催しまし
の研修を継続することで啓蒙しました。当初は、思うよ
うに進みませんでしたが、東北の地震が追い風となり、
た。メディカルラリーは、特殊メイクを施した模擬の傷
意識が高まったようです。追い風を受けて、
カードの必
要性を啓蒙するためのDVDを作成し、研修会でPRを続
病者や関係者役のスタッフが、臨場感たっぷりに演技す
る仮想現場において、いかに迅速で的確なチーム活動
がなされるかを競う競技です。救急医療分野では、以前
けました。現在では、
ほぼ全ての病棟に配備されていま
す。また、病院全体での災害訓練を検討中でしたが、そ
の前段階としてメディカルラリーが発案(西田看護師)
されました。前述した、災害2ブースは、災害委員会で担
より全国各地でラリーが開催されています。
しかし、突
発不測の事態は、救急医療現場に限りません。災害や
院内急変時は、医師や看護師に限らず全ての病院職員
当しています。
が一丸となって対応することが求められます。そこで、
看護部災害委員会とスキルスラボ委員会が中心とな
り、災害想定 2と院内急変 4、合わせて 6ブースを設営
し、3人一組、6チームで競いました。前日の午後から、
ラ
リースタッフ全員で、看護学校6室に模擬の病室や看護
室を設営。元の状態でお返しできるよう、設営前に現場
写真を撮影(カメラマンは林看護師)。模擬のモニター
やナースコール、病室の壁や天井(唯一ラリー経験の
ある武川看護師)など、
よくここまで準備したと舌を巻
く程のリアル感を醸し出していました。
火災発生!避難せよ!(認知症や牽引中の患者)
一方で、
スキルスラボ委員会は、救急領域で早くから
実施されていたシミュレーション教育を、病棟全体にも
広げたいという思いから、H20年に発足。スキルスラボ
の意味がなかなか理解されず、
メンバーも自発的な参
加を呼びかけたため、思うように集まりませんでした。
教育委員会のフィジカルアセスメント研修の枠を頂き、
1回は、各種シミュレーターを用いた呼吸音と瞳孔の観
察方法を、
プレゼンと疑似体験を合わせた研修会。2回
目は各病棟に特有な急変・インシデント事例をストー
リー化し演じる…そのお披露目会を実施しました。医師
役を本当の医師が演じた病棟もあり、それを観に来て
くれる医師もいました。当初は、心肺停止のケースが多
く、病棟でよく起こるインシデント例の方が、各部署の
シミュレーション教育に有効であると指導しました。今
では様々な症例が作成され、3年前よりDVD化していま
す。DVDを活用すれば、教える側の人間が少なくても、
シミュレーターと視覚教材による教育が可能になりま
す。上記のシュミレーション教育を活用し、院内急変 4
ブースは、ラボ委員会(指導:宗像・柾木看護師)で担当
しました。
チャレンジャーの方々には、事前にコスプレをしてく
るようにお願いしました。災害や急変時は、臨機応変で
柔軟な対応が求められます。
しかし、私達は、突発不測
の事態に遭遇すると、頭が真っ白になり、いつもできて
ブース優勝した『地震発生!初動体制を確立せよ!』
開催に至った経緯は、災害委員会からでした。災害拠
点病院として機動力のある活動を切望し、H21年看護
部内に災害委員会を発足。その後、各病棟ですぐに活
用できる簡易マニュアルとアクションカードの作成を啓
蒙。アクションカードは、災害が発生した時間帯によって
看護師数が極端に違うことから、役割ごとに優先して実
施する事項が列挙されたカードです。
リーダーによって
配られたカードを項目に沿って実施。終了したらリー
ダーに報告し、新たなカードをもらう。漏れなく効率よく
活動を遂行するのに必要なカードです。既に作成され
ていた救命のカードを基に、災害委員の職場から作成。
その中から外科・内科病棟用を掲示し、師長会・主任会
等でプレゼンしました。同時に、看護師全員を対象とし
た災害研修を実施し、次年度からは新人・新採用者対象
7
SAITAMA MEDICAL CENTER
いることができなくなります。これは、医療者であるこ
とのプライドと、医療者に課せられたプレッシャーによ
チーム医療の中心は医師と思われがちですが、
「医
師が良い医療を提供するために、チームメンバーがそ
るものだと思います。コスプレをすることで、プレッ
シャーや無意味なプライドを捨てて、楽しみながら学ん
でほしいという意図が込められていました。ちなみに、
れぞれの役割を全うすること」が重要なのだと思いま
す。チーム医療の調整役は看護師であり、看護師は調
整役ができる高い能力を持っていると言えます。メイ
ヨークリニックで一番素晴らしいと感じたことは、チー
ムメンバーが同じ土俵にいることです。医師、看護師、
事務職…はては清掃業者まで、お互いが尊重し合う関
私のコスプレは、単なる目立ちたがり
(笑)
です。とはい
え、皆さんの精神を破壊するのに、十分な破壊力はあっ
たのではないかと自負しております。
係のように感じました。
院内急変ブース:おおっと!VF出現!
優勝:OPE室チーム(臨床工学技士(ME)さんと♡♡)
ラリー当日は、各ブース長へ本部よりトランシーバで
指示が出され、
1ブースでのラリーが終了するとフィード
ラリーは、個々の能力によらず、
チーム力が試されま
す。優勝したOPE室チームは、唯一、MEさんがメンバー
として参加していました。2 位の救命は、1 年目だけの
バックされ、
その後SSという簡単なゲームやクイズが出
題されます。次のブースへの移動までの間、
水分補給と
お菓子などが用意され、足りなくなると補給されます。
特に、
低血糖予防のため、
チョコレートと飲み物を勧める
よう指示がありました。また、各チームに1名ずつチュー
チームでした。まさにチーム力の勝利です。ラリーチャレ
ンジャー18名に対し、
ラリースタッフは、看護学生、事務
の方々、ME、MA
(医療補助者)さん等 56名、見学者 17
ター(お世話係)
が配置されており、各ストーリ-の流出
防止にも配慮されていました。各ブースには、医師役が
名。何よりの収穫は、
チャレンジャーだけでなく、
企画した
スタッフも、
楽しみながら学べたことです。ラリー未経験
の者同士が、協力し合い成し遂げることで、他部署の
1名ずつ配置されていましたが、必ずしもまともな医師
とは限りません。患者と見間違いそうな超高齢の医師
や、何もできない医師などです。性格の悪い医師役を
やった看護師が、元(素)キャラと勘違いされ、
「もう2度
と医師役はやらない!」
と憤慨していました。演技賞もの
(笑)だったのですがねぇ…。優勝チームの中島看護師
は、医師を医師とも思わぬ暴言を吐きつつ、
ダメ医師で
も出来る事を指示し、いつも通り?
!うまく医師を使って
いました。
方々との交流が深まりました。そして、
最後に、
委員長の
私が何もしなくても、準備~運営~片づけ迄、
ラリース
タッフが完璧にこなしてくれました。スタッフの自発性に
脱帽です。初の試みだったので看護部を中心にPRしまし
たが、
今年度参加した方々の生の声が、
一番の啓蒙活動
になる事を期待しています。次年度は、
他職種の方々
(特
に若い医師)
の参加を増やし、
日本のメイヨークリニック
を目指し、
SMCチーム医療の推進に尽力を尽くしていき
たいと考えています。
準優勝:救命1年生チーム(リーダーも初体験)
ラリースタッフ・チャレンジャー全員集合!
8
レポート
SAITAMA MEDICAL CENTER
『ドクターヘリ 小学校体験会:教育機関との連携によるドクターヘリ事業推進の試み』-地域を支えるチーム医療-
高度救命救急センター フライトナース 主任 内藤ゆみえ
平成 25年 12月5日、私達フライトナースの夢であっ
た「ドクターヘリ小学校体験会」を実現することができ
を要請する消防機関が、教育機関を選定しないのか、
教育機関側がドクターヘリの離着陸に不安を感じてい
ました。今回は埼玉県央消防本部、運航会社の朝日航
洋の協力のもと、北本市立中丸小学校(生徒数 488
るのか、
実態を知りたいと考えました。
そこで、2010年7月、場外離着陸場に指定されている
名)、鴻巣市立馬室小学校(生徒数246名)二校の全校
生徒、教職員、近隣住民の方に参加協力して頂きまし
教育機関の学校長を対象に、意識調査を実施しました。
その結果、自校が場外離着陸場に指定されていること
を知らない、
ドクターヘリが校庭を利用する際の手順を
知らない等の事実が浮き彫りになり、
ドクターヘリの知
た。子供達の喜ぶ表情やドクターヘリが校庭上空に見
えた時の歓声は、今でも鮮明に覚えています。まるで埼
玉県の空にドクターヘリが初めて飛んだ日の喜びと感
名度は上がっても、
ドクターヘリ事業に対する情報不足
が伺えました。
ドクターヘリの離着陸には騒音の問題、
ヘリコプターの回転翼によって強風が起こり、校庭の砂
動が甦ったかのようでした。
が舞い上がることや、物が飛散する危険がゼロではあ
りません。これらの危険性から生徒の安全面、授業への
影響、近隣住民に対する影響を懸念する意見が聞かれ
ました。傾向としては、離着陸場として使用経験のない
学校長の方が、一度でも離着陸の経験を持つ学校長よ
り、
危険に対する不安が強い結果でした。
以上のことから、教育機関にドクターヘリを理解して
頂き、少しでも不安を払拭できるよう、病院としてでき
ることはないのかと考えました。
鴻巣市立馬室小学校で記念撮影
埼玉県ドクターヘリ事業は、2007年10月に埼玉医科
大学総合医療センターに導入されてから6年が経過し、
総出動件数は1700件に上ります。消防機関からの要請
を受け、5分以内に離陸、最高時速220キロで県内を15
~ 20分でカバーします。
ドクターヘリの目的は搬送の
手段だけでなく、医師・看護師を救急現場に運び、早期
治療を開始することです。
ドクターヘリが着陸できる場
所は、あらかじめ登録されている場外離着陸場と呼ば
れる場所です。事故現場などから患者さんを運んでき
た救急車とドクターヘリが接触する場所、言い換えれば
個性派揃いのフライトナース 集合!
「ドクターヘリを校庭に降ろす!実際の活動を見て、聞
医師と患者さんとの待ち合わせ場所です。この場所が、
交通事故であれば事故現場のすぐ近くが望ましく、安
全な場所が選択されます。場外離着陸場で早期に治療
を行うことは、救命率の向上や後遺症の軽減に大きな
いて、体験してもらいたい!」
この意見が、
ドクターヘリ事業推進の一環として採用
されました。
しかし喜んでばかりもいられず、
企画準備段
階でさまざまな壁にぶち当たりました。小学校にドクター
ヘリを降ろすためには、消防機関に安全を確保してもら
わなければなりません。県内35消防本部に協力依頼を
効果をもたらします。
県内の場外離着陸場は、553ヶ所指定されており、そ
の内291ヶ所は小中高等学校の教育機関です。
しかし、
運航開始から3年後の実績において、出動件数 515件
中、教育機関を場外離着陸場として使用された回数は
し、
快諾を得られたのは、
埼玉県央消防本部だけでした。
消防機関や教育機関は年間スケジュールが決定してお
り、
それぞれの機関との調整に3年の月日を要しました。
35件と少数でした。実際、消防本部の訓練場や防災基
地など、消防機関が使い慣れた場所が多く利用されて
おり、事故現場から近い教育機関ではなく、遠く離れた
訓練場を選定している現状がありました。
ドクターヘリ
関係者が集まり、授業・給食・下校の時間割に合わせ
た時間調整、生徒が見学する場所や消防車両の配置な
どを含めた安全管理、マスコミによる取材・撮影につい
9
SAITAMA MEDICAL CENTER
生徒から、ヘリコプターの構造や搬送に関する困難な
点など大人顔負けの質問を頂き、目的を持って見学し
ていたことに大変驚きました。また、多くの人達によっ
て、万一の保険について、綿密な打ち合わせを実施しま
した。私達にとっては、
この打ち合わせが顔の見える関
係となり、情報不足であったドクターヘリシステムにつ
いての説明や、学校側の事情なども伺うことができ、不
安要素の払拭に繋がる大変貴重な機会となりました。
て命が救われている事や、将来人の役に立つ仕事につ
きたいと嬉しい感想も頂きました。
ランデブーポイント:医師と看護師が初期治療を開始
ドクターヘリの飛来を今か今かと待つ生徒達
今回の教育機関との試みは、消防機関が小学校を緊
体験会は、本番さながらの内容で行われました。歩行
者と乗用車の交通事故を想定し、
リアリティを演出する
ため、校庭に集まる生徒の目の前で実演しました。乗用
車の運転手役が、混乱してしまう設定で、生徒に問いか
けると大きな声で「119番に電話して。」
と、
しっかり答え
急離発着場として選定できることが目的でした。
しかし、
生徒の反応や教職員の皆様との交流の中で、それ以上
の大切なことを学ばせて頂きました。救急のスペシャリ
スト達が働く姿を見せることによって、
大きく影響を受け
たのは、
私達医療従事者かもしれません。埼玉県民の命
を預かる責任の重さを噛み締めると同時に、
好きな看護
の仕事に誇りを持ちたいと強く実感できました。この試
みは、次年度以降埼玉県青少年課の事業として取り組
む予定となっています。今回の成功と反省を生かし、
よ
り発展した推進活動に努めていきたいと考えています。
余談ですが、
ヘリコ プ タ ー
から降りてきた
看護師は、私の
てくれました。生徒の誘導によって救急車を呼ぶことが
でき、救急隊による処置が行われる様子を見学。通常は
プライバシー保護のため、シートで覆われている現場
を目の当たりにし、生徒達は食い入るように見ていたの
が印象的でした。救急隊がドクターヘリを要請。数分
後、校庭上空にドクターヘリが現れました。校庭の砂が
舞わないよう、消防車が散水を実施。ヘリコプターが着
陸する際の説明を聞いている生徒達のワクワクとドキ
ドキが伝わってきました。無事にドクターヘリが着陸す
ると、中から医師と看護師が医療資機材を持って、傷病
者の待つ救急車へ走り込む姿が見えました。医師が点
滴や超音波を用いて治療を行う様子、消防車両の役割・
ドクターヘリの設備など質問を交えながら、真剣な眼差
上 司 で ある臼
井美登里看護
師長です。師長
は看 護 管 理 者
しで見ていました。
であり、業務で
ドクターヘリに
生徒達に囲まれる目立ちたがり屋の臼井師長
搭乗することはありません。
しかし、
フライトナースの立
場や苦悩を知る一番の理解者であり、対外的な活動を
陰で支えてくれていました。日頃から「ヘリに乗ってみ
たい」
という師長に感謝の気持ちを込めて、ぜひフライ
トナース役として参加してもらえないかとお願いしまし
た。目立ちたがり屋の師長(笑)に喜んでもらえ、さら
に、
フライトナースの実際をより知ってもらえる機会に
なったと感じています。
最後に、体験会を開催するにあたり、多くの関係者の
方にご尽力頂きました。この場をお借りして心より感謝
質疑応答:『どうしたらヘリの看護師になれますか?』
馬室小学校では、体験会終了後、質疑応答と生徒に
申し上げます。
よる感想発表会の時間を設けて頂きました。低学年の
10
レポート
SAITAMA MEDICAL CENTER
『フィリピン共和国における台風被害に対する国際緊急援助隊医療チーム派遣報告』-世界に羽ばたくチーム医療- 高度救命救急センター 看護師 武川 礼子
この子供達の笑顔が続くよう、
もっと笑顔にできたら…
という思いで活動を開始しました。活動は、拠点となる
リーサル公園に大型エアテントを設営し診療活動を行
い、その他住民の飲み水の水質調査や医療ニーズの調
査を行いました。その結果を受けて、
甚大な被害を受け
2013年 11月 8日~ 9日にかけて大型台風 30号は、
����
フィリピン中部のレイテ島やセブ島等を含む島嶼地域
を横断し、暴風雨・高潮・洪水・土砂崩れ等に因る被害を
もたらしました。フィリピン共和国政府からの要請に基
づき、独立行政法人 国際協力機構 国際緊急援助隊
(JDR)
は医療チーム1次隊~3次隊を11月11日~12月
12日の期間で派遣。私は2次隊のチーフナースとして、
当院小児科浅野医師と共に11月20日~12月3日の2週
間参加しました。
11月18日に派遣要請が入り病棟スタッフの協力の
元勤務を調整し、20時半に派遣決定。19日は成田に宿
泊し、20日早朝に空港特別待合室に集合。全国各地か
ら集まった医師5名、看護師8名を含む29名の隊員と共
に成田を旅立ちました。5時間程でマニラに到着し、大
使館から被害状況等の報告を受けました。翌 21日は、
マニラから被災地であるタクロバンへ自衛隊機C-130
に乗りこみ、
1時間40分程で「屋根や天井が強風により
吹き飛ばされ、
とても空港とは思えない場所」に降り立
ちました。日本から持ち込んだ資機材を自分達の手で
トラックへ運び込み、
1次隊がすでに活動しているタク
ロバン市内へバスで移動しました。バスから見える風景
は、強風によりヤシの木が途中で立ち折れ、屋根や壁が
吹き飛んだ家屋、高潮により全てが流された住宅地跡、
東日本大震災の津波被害を彷彿とさせる風景が広がっ
ていました。東日本大震災ではフィリピンからも多くの
支援を受け、改めて「恩返しができれば…」という思い
がありました。
た病院支援や、医療ニーズが高いバランガイ(最小行
政区・村落)
の巡回診療を行いました。
エアテント(外観)
エアテント内での活動は気温44度・湿度80%の環境
の中、文字通り汗水流してチーム一丸となり被災者の
診療にあたりました。台風や高潮による怪我、
さらに感
染の併発、高潮により5時間以上もの海水への浸水に
よる皮膚病、キャンプ生活による風邪症状、テントに来
られる多くの方々の症状は多種多様でした。暑い中、出
来る限り迅速に、少しでも不安を払拭できればと、チー
ム一丸となり看護にあたりました。
エアテント内部 とにかく暑い!
その中で、様々な問診から被災後の生活を実態調査
し、結果に基づき健康アドバイスを実施しました。例え
タクロバン空港 とても空港とは思えない…
ば、怪我を負い、傷口が汚染⇒家の周りは泥水だらけ⇒
ここで傷をきれいにしてもすぐに汚染するだろう。この
場合、足に包帯を巻いたあと、
ビニール袋で覆い、少し
でも傷口が汚染されないようにし、
さらに傷口が汚れた
JDRの活動拠点は、
レイテ島北東部タクロバン市内
の市役所や大聖堂近くのリーサル公園でした。裏の小
学校には、悲惨な体験をしたであろう多くの子供達が
いました。それでも子供達は、制服であるベストの背に
書かれているローマ字表記の名前を次々と読み上げ、
遊びに誘うように笑顔で元気な姿を見せてくれました。
時には水で十分に洗浄するよう指導。
しかし、
ミネラル
ウォーターが手に入らず、井戸水を飲み水として使用し
11
SAITAMA MEDICAL CENTER
ている場合は、煮沸後の冷却水を使用するよう生活状
況にあった指導を行いました。また、傷の洗浄で毎日テ
衆衛生活動としてポスターを現地の方の協力で作成し
啓発活動を行いました。この巡回診療では合計 142名
ントを訪れる方々は、傷の消毒の際には悲鳴をあげて
痛みを訴えました。それでも、終了後は笑顔で帰宅でき
るよう、言葉はなかなか通じないものの必死で片言の
の診療にあたりました。
チーフナースとして、活動拠点であるテント内診療の
調整を図ると共に、
多くの場所に出向いた活動となった
ため、看護班の情報共有の強化のためのミーティング
現地語を覚え、日本人の「おもてなし」の心を伝えるこ
とができるよう努力しました。泣きながら帰る子供も、
翌日受付に来るときには笑顔で「magandang umaga
時間の確保に努めました。また、
日常の診療とは違う資
機材を使用していることから、各隊員が存分に能力を
発揮し活動に打ち込めるよう、資機材管理を徹底する
(おはよう)」
と言ってくれるようになりました。このテン
ト診療では合計654名の診療にあたりました。
こと。さらに高温多湿の環境の中での活動を余儀なく
されたため、熱中症・脱水・疲労に留意しながら、時には
医師に強制的な休息を勧めました。自身は患者さんと
被害は12月6日現在、死者 5,786人、行方不明 1,779
人、負傷者26,136人、家屋損壊約115万戸で、約993万
人以上が被災し、現地の病院も多く被災しました。
1次
の触れ合いが少なくなりましたが、チームでの活動が
患者さんの笑顔に繋がり、感謝の言葉にパワーをもら
隊から病院支援を行っていた隣の島であるサマール島
のバセイの病院は、2次隊が引き継ぎ診療にあたりまし
えたことが、
チーフナースとしての役割を果たした充実
感として感じられました。
た。ここは被災直後から大きな被害を受けた病院で、女
性医師がたった一人で入院患者や外来患者の診療を
続けており、
とても疲弊した状態であったため、少しで
も手助けができれば…と支援に入った病院です。時折、
突然襲ってくるスコールを少しでもよけられるよう、壊
れた屋根を覆うためにブールーシートを被せる事から
始まり、多くの患者さんの診療・看護を行いました。他、
タクロバン市内の病院では発電機を持ち込み ,明かり
を灯し、環境を整えながら診療を行いました。この病院
支援では合計390名の診療にあたりました。
資機材管理は、活動に欠かせない!
現地では公衆衛生的活動や巡回診療のニーズはま
だ高く、
3次隊を要請し引継ぎを行いました。
1次隊か
ら2次隊へと引き継がれ培われた情報により、新たな
ニーズがある場所への巡回診療に繋げることができた
と3次隊隊員から聞く事ができました。まだまだ災害の
爪跡が残り、苦労されている被災者も多くおりますが、
一日でも早い復興を願っています。
また、
このような貴重な体験をさせて戴くことができ
たのも、看護部長・総看護師長・救命センター師長のご
公衆衛生啓発ポスター
これらの活動と並行して、来院されてくる方々の被災
理解とご支援、そしてなにより病棟スタッフのご協力
あってのことと深く感謝致します。
後の生活環境調査や飲み水の水質調査、
さらに他の地
域の医療ニーズの調査を実施しました。その結果をふ
まえ、公衆衛生活動や巡回診療に繋げ、病院支援が終
了し残りの期間の二日間で2箇所の巡回診療を行いま
した。現地の青年海外協力隊員の力を借りて診療場所
を確保し、あらかじめ宣伝していた成果により、当日は
200人を超える村民が待ち構えていました。しかし、平
時から医療の手が行き届いていない地域であり、持病
の相談やワクチンの希望、血圧測定希望の方々もいま
した。フィリピン軍との並行した診療と現地のスタッフ
とも協力し、
なんとか満足してもらえるよう努力をし、公
二次隊集合写真 現地スタッフと共に
12
お知らせ
SAITAMA MEDICAL CENTER
手術室へ新規導入した可搬型ワイヤレスタイプX線撮影装置「AeroDR」について
中央放射線部
歪みの無い高品質のX線画像が得られる
1. はじめに
当院では2013年 9月19日より4階手術室に、可搬
型ワイヤレスタイプX線撮影装置「 Konica Minolta
Health Care社製 AeroDR」の運用が開始されまし
た。従来は、CR( Computed Radiography)の撮影
装 置を使 用して いました 。AeroDR は FPD(Flat
【 AeroDR
Panel Detector)の撮影装置となります。
は 世 界 最 軽 量 ※1の カ
セッテ型デジタル X 線撮
影装置】
2. CRとFPDの違い
CRとは、IP( Imaging
Plate)といわれる輝尽性
蛍光体粉末を塗布した板
にX線を照射する事で IP
に画像が蓄積され、専用
の読み取り装置で読み取
ることで画像化して出力
する装置となります。
それに対し FPDは、 X線の強弱を半導体検出器
で直接読み取り、画像化します。その為、撮影後
すぐに画像が確認でき、撮影のスループットが格
段に向上しました。
X線の情報を直接得る事で、歪みが無く細部の
表現にすぐれた画像を実現しました。
ダイナミックレンジが広い
X線の強弱を細かく表現が可能となります。
装置のコンパクト化が可能
CR では大きな読み取り装置等が必要でした
が、基本的に FPDパネルとノートパソコン 1台
で運用が可能となります。
上記の特徴に加え、当院の AeroDRシステムは
無線での撮影環境を構築した為、オーダー情報
の取得から、撮影画像のPACSへの送信までの
全てが無線で行え、迅速な撮影や画像の提供が
可能となりました。
3. FPDの特徴
X線の検出効率が高い
CR装置に比べて2倍以上の感度を有し、X線量
を1/2~1/3程度に軽減できます。
IPの取り換え無く連続撮影が可能
画像の読み取り作業が必要な
く、 1枚で何回も連続撮影が
可能です。
撮影直後に画像の確認が可能
X線を照射後、数秒後には画像の確認が可能とな
り、
迅速な画像の提供が可能となります。
4. おわりに
今回、手術室全域に無線環境を構築し、
AeroDRを導入した事で、撮影から画像提供する
までの時間が格段に短縮され高い評価をいただい
ております。現在は手術室のみの運用となってい
ますが、今後は院内全域でも同様な環境を構築す
る事で迅速な X線画像提供の実現が可能となると
考えています。
今後とも中央放射線部の運営に御理解とご協力の
程よろしくお願いします。
13
連載
SAITAMA MEDICAL CENTER
高齢者のリハビリテーション18
― 高齢者の運動機能評価⑧ 足踏みテスト ―
リハビリテーション科 國澤 洋介/高倉 保幸
今回は、耳の奥にあって、体の向きを適切に保つ前
庭機能を測定する足踏みテストについて説明します。
の模様などを利用する事も可能です)。
② 両腕を伸ばして前方に水平にあげます。
1. 何のために行うの?
③ その状態で、水平に足を持ち上げて足踏みをしま
す。足踏みの速度は普通に歩くペースです。
体の方向を適切に保つためには、視覚以外の感覚
情報を上手に利用する必要があります。高齢者で
<本番>
④ 同じような足踏みを目を閉じたまま、 100歩行い
は、視覚に頼りがちになることが知られています
が、視覚だけに頼って他の感覚機能を使った運動コ
ントロールができなくなると、急に暗くなったり、
ます。 100歩行ったらそのまま止まり、目を開け
て体の向きをチェックします。なお、このテスト
は転倒しやすいので一人で行わず、バランスを崩
した時に支えることができる運動能力がある人に
必ず付き添ってもらって行いましょう。
頭を動かしたりしたときに、転倒しやすくなりま
す。このテストでは、視覚に頼らずに耳の奥にある
前庭の機能を使って、どの程度体の向きを保つこと
3. どのくらいできれば良いの?
ができるか調べます。なお、左右の足の能力に差が
ある人は、このテストで前庭の機能を調べることが
できませんので注意して下さい。
体の傾きが左右に 45度以内であれば大丈夫で
す。45度以上の時にはボーダライン、90度以上の
時には前庭機能の低下やどちらかの足の機能低下
などが疑われます。原因の判断には、専門的な知
識に加え、時には検査が必要になることがありま
すので、かかりつけ医に相談することをお薦めし
ます。
2. テストはどうやるの?
<準備>
① 床の上に図のような放射線状に一本の線を書き、
その中心の線に体の向きを合わせて立ちます(床
足踏みテスト
スタート
スタート
45 度以内なら健康
了
終
14
トピックス
SAITAMA MEDICAL CENTER
ようこそ赤ちゃんママパパクラス
周産期センター3階 松本 瑞江・長房 千紘
ママパパクラスとは??
周産期センター 2階産科外来では、外来通院されて
す。そのため、担当するスタッフは、周産期センター3階
病棟のスタッフ(助産師・保健師・看護師)が交代で行って
いる妊婦さんとそのパートナーの方を対象に、両親学
います。そのほか、産科医や産科麻酔科医、新生児科
級であるママパパクラスを定期的に開催しています。
ママパパクラスの目的は??
医、
管理栄養師と協力してクラスを運営しています。
ママパパクラスで担当させていただくと、妊婦さん
がお産で入院になった時などにお会いし、
「あの時の助
1. 女 性に備わった出 産
のための機能を最大
限に生 かして自然と
の調和を図り、心身の
健康を保持するため
に必要な知識を得て、
実践に移す方法を学
習する機会を提供す
る
2. 仲間同士で情報を交
換・共有することで参加者の主体性を引き出す
3.「 産 ま せ て もらう」で は なく、自 分 で 産 む!育
てる!という意識を引き出す
指導目標は??
1. 妊娠中の身体の変化や妊娠経過、入院の時期か
ら分娩経過、産後の生活などの流れを理解するこ
とができる
2. 出産への心構えができ、母児ともに安全にお産
を迎えられる
3. 自分 流 のマタニティライフ、バースプラン、育
児スタイルを考えることができる
4. 夫婦そろって育児のスタートラインに立つこと
ができる
このような、目的・指導目標をもとに、参加者も一
体になって、参加できる会を目指しています。
開催されている日は??
毎月第1~4週土曜日に開催しており、
クラスの内容
は、妊娠・栄養編、分娩編、新生児編があります。すべて
受講されても、一つだけの受講でも構いません。ただ
し、パートナーの方の立ち会い分娩を希望されている
ときには、パートナーの方も必ず同席のもと分娩編の
受講をお願いしています。
対象者は??
妊娠・栄養編: 妊娠23週までの方
分娩編
: 妊娠32週以降の方
新生児編 : 妊娠32週以降の方
担当するスタッフは??
周産期センターでは、外来と病棟で一連のケアが提
供できるように、病棟スタッフが外来も担当していま
産師さん!」などと声をかけていただくこともあり、私た
ちスタッフも嬉しくなります。
このようなパンフレットを使用して行っています。パ
ンフレットは、スタッフが協力して作成したもので、適
宜、
修正見直しをしています。
妊娠・栄養編
<充実したマタニティライフを過ごそう!
!>
妊娠・栄養編では、栄養面を中心としており、管理栄
養士からは、妊娠中の栄養についての話があり、実際ど
のくらいの食材が妊娠中には必要かなど、妊婦さんと
一緒に手を動かしながら考えていきます。
産科医からは、妊娠中の問題点についての話があり、
私たち看護スタッフからは、一冊の本を紹介し、気持ち
が落ち着くようなCDを流しながら、朗読させていただ
いています。それぞれに様々な想いを感じ、時には涙を
見せる妊婦さんやパートナーの方もいます。
改めてお腹の赤ちゃんとお話しをしていただけたら
と思っています。そして、
この先も、楽しくマタニティラ
15
SAITAMA MEDICAL CENTER
イフが過ごせるように、困っていることや工夫している
ことなどについてのグループワークを行い、仲間づくり
ビンゴゲームをしながら、赤
ちゃんや母乳について楽し
をしてもらっています。パートナーの方が参加されてい
る場合には、妊婦体験ジャケットを着用してもらい、臨
月の妊婦さんの気持ちを理解していただいています。
みながら一緒に学んでいき
ます。ゲームなどで楽しく学
べることで、
リラックスして
分娩編
<赤ちゃんとの対面☆それが出産!
!>
分娩編は、通常分娩(経膣分娩)される妊婦さんを中
学んでいただけているよう
です。
この写真は、ビンゴゲー
心として、主に分娩に関してのお話をしています。産科
ムの問題です。
さくらんぼクラス
医からは、妊娠後期の問題点についての話、産科麻酔
科医からは、無痛分娩と帝王切開時の麻酔についての
話があります。無痛分娩は、その時に話を聞いて、興味
当院は総合周産期母子医
療センターであることから、
多胎(双子、三つ子)の妊婦さ
を持つ方もいます。希望者は、産科外来で産科麻酔科
を受診してもらっています。そして看護スタッフからは、
妊婦さんやパートナーの方と一緒になって学べるよう
んも多く、2007年より多胎
学級である、さくらんぼクラ
に、お産について書かれたカードで、
ゲームを行いなが
ら、
お産の流れについて考えていき、最終的に呼吸法の
お話やマッサージ法なども説明しています。お産バック
の中身や準備するものについての説明もします。
スも立ち上がりました。多胎の妊婦さんは管理入院さ
れることも多いため、開催日は、2か月に1回と回数は少
なめですが、1回に5組限定で行っており、少人数の会な
ので、多胎の妊婦仲間は作りやすいようです。多胎の育
児は、
パートナーの方の協力が必要不可欠であるため、
さくらんぼクラスは、
パートナーの方が一緒に参加する
ことを条件とさせていただいています。
さくらんぼクラスは、産科医や新生児科医からの話
はありませんが、赤ちゃんがNICU(新生児集中治療室)
に入院されるケースも少なくないため、NICUの看護ス
タッフと協力し、NICUの様子なども紹介しています。産
科スタッフからは、多胎の種類について、育児、授乳方
法の紹介、地域の保健センターなどからのサポートに
ついて主に話をしています。
また、
グループになって、それぞれのテーマについて
グループワークをしていただいています。
会の最後に
授乳方法などは実際に入院中に使用している搾乳器
や授乳クッションなども紹介しながら話をします。そし
は 、希 望 者 が
い れ ば 、分 娩
室と新生児室
の見学に行き
ます。
て、先輩パパもしくは、先輩ママに実際に来院していた
だき、実際の多胎の育児とはどういうものか、体験談を
語っていただいています。育児方法に限らず、妊娠中に
行っておいたほうがよいことや、ベビーカーなどグッズ
についてもお話していただいています。実際の話に参
加者のみなさんは、興味深く話を聴いていらっしゃいま
新生児編
<赤ちゃんとの生活を想像してみよう!
!>
この会では、赤ちゃんとは?ということを学んでいた
す。
このように、私たちは妊婦さんやパートナーの方が
安全に安心してお産に臨めるようにサポートさせてい
ただいています。
だいています。新生児科医より、赤ちゃんについてスラ
イドを用いて話があります。その後、看護スタッフより、
16
ご紹介
SAITAMA MEDICAL CENTER
カフェテリアの紹介
(株)ウエルフェア 矢島 賢二
【食の安全】
テレビ、雑誌等で大きく取り上げられている食の
安全については、大学病院内の施設である事を十分
【概要】
カフェテリアは昭和 60年 6月の開院以来、総合医
療センターの飲食施設として3階フロア―にて9名の
自覚し、万全を期するために日々努力しておりま
す。
調理師を揃え営業しています。
客席数は約 300席からなり、丼物や麺類、各種定
原材料の品質チェック、食材の鮮度チェックや温
度管理の徹底はもちろんのこと、出来上がった商品
(ハンバーグや焼き魚等)の中心温度の測定やコン
ベクションでの設定温度調理を日常的に行なってお
食をはじめ四季折々の食材を取り入れたイベントメ
ニューや低カロリーに抑えたヘルシーメニュー等々
豊富なメニューを提供しています。喫茶コーナーで
は、飲み物をはじめお弁当やサンドウィッチ、ケー
ります。手作りへのこだわりを持ち、お客様にさら
においしい商品を提供できるよう日々取り組んでい
キ類等も販売しており、職員、患者さんの憩いの場
としてご利用していただいております。
また、職員、学生の方々には各種パーティーの場
ます。
衛生管理においても、全従業員が手指の消毒は逆
性石鹸で洗い乾燥、その後消毒用アルコールを使用
しています。
これからも安全、安心な料理を提供してまいりま
す。
としてもご利用していただいており、お客様のご要
望に適した料理に真心をこめてご提供しています。
【お客様の為に】
埼玉医科大学のミッションである『Your HAPPINESS Is Our HAPPINESS』を旗印に、お客様に満
足して頂けるサービスを提供すべく従業員一同一生
料理の一例:若鶏の辛味噌塩こうじ焼き
【ご案内】
懸命取り組んでいます。
お客様に満足して頂ける為の第一歩は、心のこ
もった笑顔のあいさつと考えております。美味しい
営業時間:平日(月曜日~土曜日)
午前8時半~午後7時
料理を提供させていただくことはもちろんですが、
心地よい空間の中でお食事をして頂けるような雰囲
日・祭日
午前11時~午後4時
気作りを心掛けております。
また、病院内のレストランということもあり、職
員の方々や外来患者さんや入院患者さんのご利用が
大半を占めております。職員専用席や車椅子専用席
休業日
:年末年始
(12月29日~31日・1月1日~3日)
電話番号: 049-228-3649
のご用意もございますので是非ご利用ください。
なお、店内には「お運び困難な方は声をおかけ下
その他:当店ではほとんどの商品につきましてお
持ち帰りも承っております。是非ご利用ください。
さい」と案内表示をさせていただいております。些
細なことでもお気軽にお声かけください。 ご来店を心よりお待ちしております。
17
コンサート
SAITAMA MEDICAL CENTER
クリスマスコンサート
診療サービス委員会
今年のクリスマスコンサートも大勢の方々にご参
加いただきありがとうございました。司会を務めさ
せていただきました神経内科の原 渉です。
出演者の皆様には美しい歌声や演奏を披露してい
ただき、私もすてきな時間を過ごさせていただきま
した。会場にお集まりいただいた大多数の方々は入
院中の患者さんであり、決して体調が万全ではない
方が多かったとは思いますが、司会席から見えた会
場のみなさんの笑顔がとても印象的でした。神経内
科の領域でも、残念ながら治療法の確立していない
認知症や神経難病において音楽療法の効果が期待さ
れています。今回も短い時間ではありましたが、音
楽を通じて一人でも多くの方々が穏やかなひととき
を過ごしていただけたのなら幸いです。
最後にコンサートの開催、運営に伴いご尽力いた
だいた、診療サービス委員会の皆様に感謝申し上げ
ます。
神経内科 原 渉
今回、クリスマスコンサートの司会を務めさせて
いただきました。私は、今までクリスマスコンサー
トに参加したことがなかったため、当日を迎えるま
でなかなかイメージが湧かず、不安でいっぱいでし
た。しかし、前年度司会者の方や周りの職員の方々
にアイデアやアドバイスをいただきながら準備を進
め、無事にクリスマスコンサートを終えることがで
きました。多くの方々にご協力いただけたことに感
謝しております。
当日の30分前までは人がまばらでしたが、開始時
間には大勢の方が集まり、1階席は埋まり、 2階か
らご覧になっている方もいらっしゃいました。司会
進行役はとても緊張し、紹介文をうまく読めなかっ
たことなど反省点は多々ありますが、素敵な歌や演
奏を聴きながら、会場の皆さんの笑顔を間近に見る
ことができ、とても幸せな気持ちになりました。楽
器や手拍子、合唱などで全員参加型の楽しい会に
なったと思います。また、後日職員の方から声をか
けていただいたり、入院患者さんから「楽しかっ
た。」とお言葉をいただく場面があり、嬉しかった
です。今回クリスマスコンサートに参加すること
で、音楽の力を強く感じました。約 1時間と短時間
ではありましたが、患者さんやご家族、会場の皆さ
んと素敵な時間を共有することができてよかったで
す。ありがとうございました。
栄養部 保田 知美
18
SAITAMA MEDICAL CENTER
外来受診について
初めての方
* 診療日 月曜~土曜
(日曜・祝日・年末年始を除く)
* 診療受付時間 8:30 ~ 11:00
* 診療時間
9:00 ~ 17:00
保険証確認のお願い
当院では受診の際、毎回「保険証」の確認を
させていただいております。
その理由として、保険の資格喪失や有効期限
切れが数多く発生し、保険者(会社・市町村
等)に誤った請求をしてしまうからです。
会計受付時にファイルに入れてご提示くだ
さい。また、保険証を変更された際には速やか
にお申し出ください。
ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
再来の方
* 診療日 月曜~土曜
(日曜・祝日・年末年始を除く)
* 診療受付時間 8:30 ~ 11:00
(予約の方を除く)
予約以外の11時以降の受付はありません。
初めての方、再来の方も午後まで診療を行ってお
りますが11時以降の受付はできません。(再来で予
約のある方を除く)また、診療科や曜日によって受
付できない場合もあります。
面会者へのお願い
表紙写真:伊佐沼の白鷺
編
・ 咳、熱などの症状ある方やお子様の面会は
ご遠慮ください。
・ 必ず病棟の看護師に面会の許可を得てください。
アクセス
電車
池袋より東武東上線・東京メトロ有楽町線30分 川越駅下車
西武新宿駅より西武新宿線60分
大宮駅よりJR埼京線20分
本川越駅下車
川越駅下車
大宮駅よりJR高崎線9分
上尾駅下車
※下車後、バスまたはタクシーでおいでください。
バス
川越駅東口より東武バス
車
関越自動車道川越インターより8km、約15分
県道51号線(川越上尾線)沿い
後
記
時の経つのは早いもの
平成26年もあっという間に2月となり、
だと感じる今日この頃です。
本年、
一冊目の総合医療センターニュース
(34号)
の発刊で
す。本年もよろしくお願いいたします。
昨年の夏は猛暑に見舞われました。その影響により今年の冬
は雪も多く寒い冬になると言われ、
都心では例年より14日も早く
初雪が観測されました。
この時期は室外と室内との気温差が大きいため、
衣服の調節
も重要だと考えられます。
また、
トイレやお風呂など室温が低く
なりがちな場所で心筋梗塞・脳梗塞を発症する率が上がるとも
言われています。
冬場はお風呂に入る時に風呂釜の蓋を外して、
湯気で風呂場
を温めてから衣服を脱ぐようにすると急激な温度の変化を避け
ることが出来るそうです。
お試しください。
今号の表紙には伊佐沼の白鷺を掲載いたしました。昨年11月
末頃の伊佐沼の周りには朝早くから沢山の方達が寒い中、
カメ
ラのファインダーを覗いていました。朝靄が煙る池のほとりで羽
を休める白鷺の姿がなんとも幻想的だそうです。
まもなく春の訪れも感じられる季節になりますが、
まだまだ寒
い日が続きます。
どうぞ、
ご自愛くださいますように…。
(上尾駅西口・平方・埼玉医大・川越運動公園行き)
(25分)埼玉医大下車
JR高崎線上尾駅西口より東武バス
(川越駅行き)
(20分)埼玉医大下車
市内循環バス
「川越シャトル」40系統 42系統 43系統
集
編集員
埼玉医科大学総合医療センターニュース 第34号
発行年月日
発 行
発行責任者
連 絡 先
印 刷
平成26年2月25日
埼玉医科大学総合医療センター
病院長 堤 晴彦
医療センターニュース編集局(医務課内)
ヨーコー印刷(株)
http://www.saitama-med.ac.jp/kawagoe/index.html
院
内
配
布
用