第27回国際化粧品技術者連盟(IFSCC)世界大会

NEWS RELEASE
2012 年 10 月 19 日
ポーラ化成工業(株) 世界で唯一の国際的な化粧品技術専門学会
第 27 回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)世界大会でポスター賞を受賞
ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業株式会社(本社:東京都品川区、社長:岩﨑泰夫)は、2年に1度開催され
る化粧品技術者達の学術大会である、第 27 回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)南アフリカ・ヨハネスブルク大会で
「IFSCC POSTER AWARD」を受賞しました。今大会の応募ポスター総数は 158 編の中から1件選ばれての受賞です。ポ
ーラのアワード受賞は今回で6回目となり、現在までの受賞回数ランキングは世界第3位とトップクラスです。
■受賞論文名
英文名: Discovery of adrenomedullin as a new melanocyte-activating factor
和文名: 新規メラノサイト活性化成分アドレノメジュリンの同定とそのメカニズム
発表者: ポーラ化成工業(株) 肌科学研究部 皮膚科学研究室 本川智紀
■論文概略
シミなどの色素沈着は、皮膚中にメラニンが異常に蓄積することで引き起こされる。メラニンが皮膚に蓄積する過程で、まずメ
ラニンは、メラニン産生細胞(メラノサイト)で過剰に産生され、その後周辺の細胞(ケラチノサイト)へ拡がり、皮膚中に蓄積する。この
過程で、「デンドライト」という構造がメラニンの受け渡しに関係する。デンドライトは、紫外線などでメラノサイトが活性化された状態で
はその数が増加することが知られている。本研究では、このメラニンの受け渡しに関るデンドライトに着目し、その数を制御す
る新規因子の探索を実施した。
我々は、ヒトの持つ全遺伝子の状態を網羅的に解析する技術を用い、45,000 以上の候補から、シミを模した時に状態変化
する因子を探索した。その結果、デンドライト数を亢進させる新規因子アドレノメジュリン(ADM)を同定した。ADM は、既存の
シミ関連因子と比較し、デンドライト数を顕著に増加する。更に、ADM はメラニン産生を亢進する作用も持つことが確認されると
ともに、シミ部位で大量に存在していることも確認された。これらの結果は、ADM がメラニンの皮膚中の蓄積に大きく関ること
を示唆する新知見である。
本研究成果を活用することで、これまでとは異なる、より効果的な美白化粧品の提案につながるものと考えている。
「IFSCC POSTER AWARD」を受賞した本川智紀研究員
■IFSCC について
IFSCC は、世界で最も権威ある化粧品学会で、世界 47 ヶ国が加盟し、2 年に 1 回学術大会を開催しています。世界のト
ップレベルの化粧品技術者達が最先端の化粧品技術を発表するいわば化粧品業界のオリンピックともいえるものです。
応募論文発表は IFSCC の厳正な審査を受け、選ばれたものだけに許されます。今回は初めてのアフリカ大陸での開催と
なり、口頭発表 64 件、ポスター発表 158 件がそれぞれの新規性や優秀性を競い、アワードの覇権を争いました。
【本件に関するお問い合わせ先】 (株) ポーラ・オルビスホールディングス 広報・IR 室
Tel 03-3563-5540/Fax 03-3563-5543