英語圏文学講読(古典) 米村 泰明 授業概要 16世紀半ばから17世紀初頭にかけてイングランドで活躍した世界的な劇作家ウィリアム・シェイクスピ アの『ベニスの商人』と『マクベス』を翻訳と原典を用いて読む。かたや知性と才覚で男性社会を牛耳るヒロ イン、かたや夫の野望を実現すべく女でなくなった妻の姿が描かれている。中世からエリザベス朝における女 性像を中心に読み込んでいく。文学作品の読み方を講義し、自分で読めるように指導する。 授業計画 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回 第11回 第12回 第13回 第14回 第15回 第16回 オリエンテーション イングランド文学における女性像の変遷とシェイクスピアのヒロイン 『ベニスの商人』第一回 結婚と女性(1) 『ベニスの商人』第二回 結婚と女性(2) 『ベニスの商人』第三回 箱選びの意味するもの 『ベニスの商人』第四回 人肉裁判の意味するもの 『ベニスの商人』第五回 指輪騒動の意味するもの 『ベニスの商人』第六回 まとめ 『マクベス』と四大悲劇について 『マクベス』第一回 魔女の世界観 『マクベス』第二回 マクベス夫人の人物像(1) 『マクベス』第三回 ダンカン王殺害(1) 『マクベス』第四回 ダンカン王殺害(2) 『マクベス』第五回 マクベス夫人の人物像(2) 『マクベス』第六回 マクベス夫人の人物像(3) 『マクベス』第七回 まとめ 筆記試験 到達目標 大きく言えば「文学作品を読む」という行為を自らで行えるように、読みの訓練を行う。個別の目標としては、 作品世界の基本となる世界観やイメジャリー、修辞法についての基本的な知識を身につける。 履修上の注意 講義科目ではあるが、文学作品の読み方を身につけるという意味では、実習科目でもある。座っていればい いというものではない。履修するものは速やかに翻訳を購入し、第2回目の授業時までには両作品とも読み終 わっておくこと。 予習復習 授業中に音読させるので、必ず授業前に音読してくること。その際に読めない漢字、意味のわからない言葉 の意味は調べておくこと。これを行っていないと判断した時には、出席扱いとはしない。 評価方法 予習復習の程度、授業への参加度、随時課すレポート、筆記試験をもとに評価する。 テキスト 翻訳『ベニスの商人』 『マクベス』 どちらも松岡和子訳(ちくま文庫)を標準テキストとする。書店に発注すると時間がかかるので、自分で書 店をめぐること。上記以外にも翻訳は出版されているので、購入して読み比べることを勧める。
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