携帯電話用システム電源

BH6020FV
コミュニケーション IC
携帯電話用システム電源
BH6020FV
BH6020FV は携帯電話に必要な、CMOS タイプ・バイポーラタイプの 2 種類のレギュレータ、遅延時間をコントロー
ルできるディテクタ、バイブレータ用レギュレータ、音量切り換え可能な 3ch の N-MOS で構成されています。
バイブレータ用ドライバは、外部に抵抗を付けることで出力電圧を可変できます。
用途
!用途
PDC、PHS、携帯機器
特長
!特長
1) CMOS タイプのレギュレータを 2ch、バイポーラタイプを 1ch 内蔵。
2) 遅延時間を外付けコンデンサで可変できるディテクタ回路 2ch 内蔵。
3) バイブレータ用ドライバ内蔵。
4) リンガー用として N-MOS トランジスタを 3ch 内蔵し、音量切り換えが可能。
5) 150°C で動作するサーマルシャットダウン回路内蔵。
6) SSOP-B24 パッケージ。
絶対最大定格 (Ta=25°C)
!絶対最大定格
Parameter
電源電圧
Unit
VBAT
Limits
-0.3∼+7.0
Pd
630*
mW
動作温度範囲
Topr
-25∼+75
°C
保存温度範囲
Tstg
-55∼-125
°C
許容損失
Symbol
V
* Ta=25°C 以上で使用する場合は,1°C につき 6.3mW を減じる。
推奨動作条件 (Ta=25°C)
!推奨動作条件
Parameter
電源電圧
* ディテクタ部は、1.5∼5.5V。
Symbol
VBAT
Min.
*
3.2
Typ.
Max.
Unit
-
5.5
V
BH6020FV
コミュニケーション IC
ブロックダイアグラム
!ブロックダイアグラム
COLLECT
1
VIB
1V
24
OUT1
23
VBAT
22
OUT2
21
REG2 ON
20
VIB ON
19
GND
18
BASE
17
OUT3
16
REG3 ON
15
TR1 ON
14
TR2 ON
13
TR3 ON
REG1
+
−
VIB OUT
2
30k
VBAT
NF
REG2
3
100k
DELAY1
IN
(VBAT)
4
2.5M
DET1
DET OUT1
5
Vref
DET OUT2
400k
6
GND
DET2
DET IN2
7
REG3
DELAY2
REG2
8
TSD
POW GND
9
TR1 OUT
10
VIB
OUT1
2M
POW GND
400k
TR2 OUT
11
400k
TR3 OUT
12
400k
BH6020FV
コミュニケーション IC
電気的特性 (特に指定のない限り Ta=25°C, VBAT=3.6V, BPF=20∼20kHz)
!電気的特性
Parameter
Symbol
Min.
Typ.
Max.
Unit
[回路電流]
Conditions
回路電流 1
IQ1
-
20
40
µA
REG1 のみ ON
REG2∼3, VIB=OFF
REG は無負荷
回路電流 2
IQ2
-
35
80
µA
REG1, REG2=ON
REG3, VIB=OFF
REG は無負荷
回路電流 3
IQ3
-
40
80
µA
REG1, REG3=ON
REG2, VIB=OFF
REG は無負荷
回路電流 4
IQ4
-
6.5
12
mA
REG1, VIB=ON
REG2, REG3=OFF
REG は無負荷
[レギュレータ部] (内蔵 MOS タイプ)
<REG1> (内蔵 MOS, 常時 ON)
出力電圧
VOUT1
2.94
3.0
3.06
V
最大出力電流
IOMAX1
100
-
-
mA
入出力電圧差 A
VDIF1A
-
0.05
-
V
VBAT=2.8V, Io=20mA
入出力電圧差 B
VDIF1B
-
0.15
0.3
V
VBAT=2.8V, Io=60mA
負荷安定度
∆VO1L
-
5
40
mV
入力安定度
∆VO1I
-
0
20
mV
VBAT=3.3∼5.5V, Io=30mA
リップルリジェクション
RR1
45
57
-
dB
∆VO/∆T
-
±100
-
ppm/°C
VBAT=3.6V, Io=30mA
VRR=-20dBV, fRR=1kHZ
Io=30mA
ILMT1
-
-
450
mA
3.0
3.06
V
出力電圧温度係数
出力電流制限値
Io=30mA
Vo1≤VOUT -0.1V
Io=1∼80Ma
Ta=-25∼+75°C
<REG2> (内蔵 MOS, コントロール端子付)
出力電圧
VOUT2
2.94
最大出力電流
IOMAX2
100
-
-
mA
入出力電圧差 A
VDIF2A
-
0.05
-
V
Vo2≤VOUT2 -0.1V
VBAT=2.8V, Io=20mA
入出力電圧差 B
VDIF2B
-
0.15
0.3
V
VBAT=2.8V, Io=60mA
負荷安定度
∆VO2L
-
5
40
mV
Io=1∼80mA
入力安定度
∆VO2I
-
0
20
mV
VBAT=3.3∼5.5V, Io=30mA
リップルリジェクション
RR2
45
57
-
dB
出力電圧温度係数
∆VO/∆T
-
±100
-
ppm/°C
VBAT=3.6V, Io=30mA
VRR=-20dBV, fRR=1kHZ
Io=30mA
コントロール端子
RCONT2
1.5
2.5
4
MΩ
Io=30mA
プルダウン抵抗
コントロール端子
動作
VC2H
2.0
-
-
V
制御電圧
非動作
VC2L
-0.3
-
0.3
V
ILMT2
-
-
450
mA
出力電流制限値
* 耐放射線設計はしておりません。
Ta=-25∼+75°C
BH6020FV
コミュニケーション IC
Parameter
Symbol
[レギュレータ部] (PNP 外付けタイプ)
Min.
Typ.
Max.
Unit
Conditions
<REG3> (PNP 外付け、コントロール端子付)
出力電圧
VOUT3
2.925
3.0
3.075
V
最大出力電流
IOMAX3
250
-
-
mA
入出力電圧差
VDIF3
-
0.1
0.2
V
負荷安定度
∆VO3L
-
10
100
mV
入力安定度
∆VO3I
-
2
20
mV
VBAT=3.3∼5.5V, Io=100mA
リップルリジェクション
RR3
45
57
-
dB
VBAT=3.6V, Io=100mA
VRR=20dBV, fRR=1kHZ
Io=100mA
出力電圧温度係数
∆VO/∆T
-
±100
-
ppm/°C
コントロール端子
RCONT3
1
2
4
MΩ
Io=100mA
Vo3≤VOUT3-0.1V
VBAT=2.8V, Io=100mA
Io=1∼200mA
プルアップ抵抗
コントロール端子
動作
VC3H
-
-
0.25
V
制御電圧
非動作
VC3L
OUT1
-0.3
-
OUT1
+0.3
V
OUT1 端子(24pin)基準
検出電圧
VDET1
3.136
3.2
3.264
V
検出電圧: “H”→“L”
検出解除ヒステリシス幅
VHIS1
64
128
192
mV
IT1
0.6
1.2
2.4
時定数端子スレッショルド電圧
VT1
1.1
1.2
1.3
µA
V
遅延時間
DT1
-
1
-
ms
∆VD/∆T
-
±100
-
ppm/°C
<DET2>
検出電圧
VDET2
2.646
2.70
2.754
V
検出解除ヒステリシス幅
VHIS2
54
108
163
mV
[ディテクタ部]
<DET1> (VBAT 検出)
時定数端子流出電流
“L”→“H”検知後の遅延
CDELAY=1000pF
検出電圧温度係数
検出端子流入電流
IIN2
-
0.8
2.0
µA
時定数端子流出電流
IT2
0.6
1.2
2.4
µA
時定数端子スレッショルド電圧
VT2
1.1
1.2
1.3
V
遅延時間
DT2
-
20
-
ms
∆VD/∆T
-
±100
-
ppm/°C
検出電圧: “H”→“L”
VIN=3V
“L”→“H”検知後の遅延
CDELAY=0.02µF
検出電圧温度係数
* 耐放射線設計はしておりません。
BH6020FV
コミュニケーション IC
Parameter
[バイブレータドライバ部]
Symbol
Min.
Typ.
Max.
Unit
出力電圧
VOUT4
1.20
1.30
1.40
V
最大出力電流
IOMAX4
250
-
-
mA
Vo4≤VOUT4-0.2V
負荷安定度
∆VO4L
-
25
150
mV
Io=10∼200mA
入力安定度
∆VO4I
RCONT4
-
5
60
mV
VBAT=3.3∼5.5V, Io=100mA
250
400
700
kΩ
コントロール端子
Conditions
Io=100mA
プルダウン抵抗
コントロール端子
動作
VC4H
2.0
-
-
V
制御電圧
非動作
VC4L
-0.3
-
0.3
V
VON
VOFF
2.5
-0.3
-
0.2
V
V
RCONT
250
400
700
kΩ
Vsat1
-
0.1
0.3
V
Io=50mA, VON=3.0V
µA
mA
Vsat≤0.5V, VON=3.0V
Io=50mA, VON=3.0V
[MOS トランジスタ部]
ON/OFF 端子
制御電圧
ON
OFF
コントロール端子
プルダウン抵抗
駆動時出力電圧
TR1
TR2
TR3
OFF 時リーク電流
ILEAK1
-
0
5
最大出力電流
IOMAX1
150
-
-
駆動時出力電圧
Vsat2
-
0.1
0.3
V
OFF 時リーク電流
ILEAK2
-
0
5
最大出力電流
IOMAX2
150
-
-
µA
mA
駆動時出力電圧
Vsat3
-
0.1
0.3
V
µA
mA
OFF 時リーク電流
ILEAK3
-
0
5
最大出力電流
IOMAX3
150
-
-
* 耐放射線設計はしておりません。
VOUT=3.6V
VOUT=3.6V
Vsat≤0.5V, VON=3.0V
Io=50mA,VON=3.0V
VOUT=3.6V
Vsat≤0.5V, VON=3.0V
BH6020FV
コミュニケーション IC
測定回路図
!測定回路図
B
VM24
10
SW名
→ SW1
デフォルト設定→ (A)
A
1V
24
1Ω
4.7μ
SW3
(OFF)
REG2
Is22
22
3
1Ω
30k
3M
A
SW23
(A)
B
C
C
Vs5
21
Vs21
A
B
Vs4
SW4
(A)
IN
(VBAT)
4
300k
SW22
(OFF)
VBAT
SW21
(A)
100k
A
23
2
VBAT
Is24
VM22
130k
SW2
(A)
Vs2
A
−
B
A
C
C
REG1
VRR
+
B
B
VIB
SW24
(A)
4.7μ
C
Is2
1
B
A
SW20
(OFF)
C
DET1
20
5
Is5
Vref
Is6
A
C B
SW6
(A)
6
GND
Is18
SW5
(A)
470k
19
A
DET2
7
Vs7
SW7
(A)
3M
18
SW18
(A)
200
C
B
B
100k
A
470k
REG3
VM17
OUT1
2M
9
C
2MΩ
POW GND
16
B
11
14
SW14
(OFF)
12
13
B A
A
SW12
(A)
B
Is12
SW15
(OFF)
15
C
10
SW13
(OFF)
A
Vs11
SW11
(A)
Is11
B
SW10
(A)
Is10
1M
A
C
Vs10
1M
Vs16
C
VIB
TSD
Is17
1Ω
17
SW17
(OFF)
B
Vs8
SW8
(A)
300k
REG2
SW16
(A)
A
4.7μ
8
C
1M
Vs12
Fig.1
BH6020FV
コミュニケーション IC
応用例
!応用例
10Ω
COLLECT
1
1V
VIB
24
OUT1
4.7μ
REG1
+
1Ω
−
VIB OUT
30k
モータ
VBAT
NF
VBAT
23
2
REG2
22
3
RB521S-30
OUT2
4.7μ
100k
1Ω
DELAY1
IN
4
21
REG2 ON
(VBAT)
1000pF
2.5M
DET1
DET OUT1
20
5
VIB ON
Vref
DET OUT2
400k
19
6
GND
GND
DET2
DET IN2
100k
18
7
BASE
REG3
DELAY2
VBAT
REG2
8
0.02μF
VIB
TSD
POW GND
TR1 OUT
ON / OFF
9
17
OUT3
4.7μ
OUT1
1Ω
2M
POW GND
16
REG3 ON
15
10
TR1 ON
400k
TR2 OUT
14
11
TR2 ON
400k
TR3 OUT
13
12
TR3 ON
400k
Fig.2
BH6020FV
コミュニケーション IC
外付け部品の説明
!外付け部品の説明
(1) バイブレータ用レギュレータ出力電圧変更
1) VIB OUT 現状設定について
約1V
出力電圧(VIBOUT)は、
R1+R2
V O=
×基準電圧(1V)
R2
30k+100k
=
× 1
100k
=1.3V
+
VIBOUT
−
2
R1=30k
3
NF
R2=100k
2) 出力電圧変換について
約1V
+
外付け抵抗
−
2
RA
出力電圧(VIBOUT)は、
(RA//R1)+(RB//R2)
VO=
× 1V
(RB//R2)
R1=30k
ここで RA<<R1 のとき
RB<<R2
RA+RB
VO≒
× 1V となります。
RB
3
NF
RB
R2=100k
〈数値例、RA=5kΩ、RB=4.3kΩ〉
(5k//30k)+(4.3k//100k)
VO=
× 1
(4.3k//100k)
≒2.04V
3) 出力電圧範囲について
内部回路
Vsat
COLLECT
1
VBAT1
内部回路構成上Max.値は
=VBAT1−Vsat−VF
VOUT(Max)
(0.2V)
(0.7V)
=VBAT1−0.9V
VIBOUT
2
VF
NF
30kΩ
(R1)
3
100kΩ
(R2)
ただし、これは回路設計上のMax.値で
バラツキ、温度特性を含めると
VOUT(Max.)
=VBAT1−1.5V
位が適当な値です。
4) 出力電圧変更時の注意点
出力電圧設定は内部の R1、R2 から決定されています。
変更される場合、R1、R2 のどちらかにパラレルに接続することで設定できますが、内部抵抗と外付け抵抗の相対バラ
ツキが大きくなります。
そこで、内部の R1(30kΩ)、R2(100kΩ)より 1∼2 桁小さい抵抗値を R1、R2 それぞれにパラレルに接続すると相対バラ
ツキを低減することができます。
以上、設定を変更される際は十分評価の上セットうえで、問題ないことを確認していただきますようよろしくお願いし
ます。
BH6020FV
コミュニケーション IC
使用上の注意
!使用上の注意
応用例は推奨すべきものと確信しておりますが、ご使用にあたっては特性の確認を十分にお願いします。
その他、外付け回路定数を変更してご使用になる時は、静特性のみならず、過渡特性も含め外付け部品及び当社 IC の
バラツキ等を考慮して十分なマージンを見て決定してください。
本 IC はモノリシック IC であり、Fig.8 のように、P 基板(サブストレート)と、各素子間に P+アイソレーションを有
しています。この P 層と各素子の N 層とで P−N 接合が形成され、電位関係が、
・ GND>VOUT、GND>VIN のとき P-N 接合が寄生ダイオードとして
・ VOUT>GND>VIN のとき P-N 接合が寄生トランジスタとして動作します。
寄生素子は、IC の構造上必然的にできるものです。寄生素子の動作は、回路間の相互干渉を引き起こし、誤動作、ひ
いては破壊の原因ともなります。したがって、入力端子に GND(P基板)より低い電圧を印加するなど、寄生素子が動
作するような使い方をしないよう十分に注意してください。
抵抗
トランジスタ
(OUT) C
B
E (GND)
IN
N
P+
P+
P
P
N
N
P基板(サブストレート)
OUT
寄生素子
IN
C
B
E
GND
Fig.8 モノリシックICの簡易構造
P+
BH6020FV
コミュニケーション IC
電気的特性曲線
!電気的特性曲線
4.0
60
40
20
0
0
1
2
3
5
4
6
7
3.0
2.0
1.0
0
0
8
4.0
・VBAT=3.6V
REG2 OUTPUT VOLTAGE: VOUT2 (V)
・REG1=ON
・REG2∼3, VIB=OFF
・REG無負荷
REG1 OUTPUT VOLTAGE: VOUT1 (V)
QUIESCENT CURRENT: IQ (μA)
80
100
300
200
3.0
2.0
1.0
0
0
400
Fig.4 REG1ロードレギュレーション
Fig.5 REG2ロードレギュレーション
・VBAT=3.6V
・VRR=−20dBV
REG3
(Io=100mA)
50 100
300
1k
3k
10k
30k 100k
Fig.6 リップルリジェクション周波数特性
6
DET2 OUTPUT VOLTAGE: VDET2 (V)
REG1(Io=30mA)
REG2
(Io=30mA)
DET1 OUTPUT VOLTAGE: VDET1 (V)
REPPLE REJECTION:RR[dB]
400
Fig.3 消費電流−電源電圧特性
20
4.5
3
1.5
0
0
1
3
2
4
4.5
3
1.5
0
0
1
2
INPUT VOLTAGE: VIN2 (V)
Fig.7 DET1検出・解除電圧
Fig.8 DET2検出・解除電圧
200
100
7.8±0.2
13
7.6±0.3
5.6±0.2
24
Fig.9 N-MOSトランジスタドライブ能力
1
0.65
0.15±0.1
200
1.15±0.1
0.1
100
OUTPUT CURRENT: IOTR (mA)
3
POWER SUPPLY VOLTAGE: VBAT (V)
外形寸法図 (unit : mm)
!外形寸法図
300
0
0
300
REG2 OUTPUT CURRENT: IO2 (mA)
FREQUENCY:fRR[Hz]
OUTPUT VOLTAGE: VOTR (mV)
200
REG1 OUTPUT CURRENT: IO1 (mA)
60
0
20
100
POWER SUPPLY VOLTAGE: VBAT (V)
6
40
・VBAT=3.6V
12
0.22±0.1
0.3Min.
0.1
SSOP-B24
4