ア メリカ Massachusetts General Hospital(`13)

MGH研修レポート 学籍番号 0601227418
医学部医学科4回生 長野眞大
僕 は 9/25 ~ 10/18 ま で の 三 週 間 ア メ リ カ の ボ ス ト ン に あ る Massachusetts General
Hospital(MGH)に留学をしてきました。MGH はハーバードメディカルスクールの関連病院
のうちの一つであり、世界で初のエーテル手術が行われたことで知られる病院です。
僕はこの病院に三野先生という京都大学卒の病理学の先生にアプライして留学しました。
・留学までの VISA 取得などの過程
三野先生は年に一度、三回生の病理学各論の講義で特別講義として MGH から日本に講義に
来て下さいます。僕はその時に三野先生とお話させていただき MGH へ留学させていただき
たいとの旨を伝えました。その後先生が席が空いてるかを確認して下さり空いているとい
うことだったので留学させていただくことに決まりました。
ここから向こうの秘書さんとやり取りすることになります。ここからが大変で、ハーバー
ドの施設の一つということで大変セキュリティが厳しく煩雑です。三野先生が手伝って下
さるものの記入すべき書類が沢山あります。周りの他の同級生を見ていて思うのは圧倒的
に書類や向こうとのやり取りが多いです。留学したいのであればある程度覚悟を決めてす
ることをオススメします。(とは言っても僕が細かいことが苦手だということもありますが
…)
他の留学の人は ESTA で留学していることも多いのですが、MGH やハーバードメディカル
スクールの場合は必ず J-1 VISA が要ります。というのはポリクリのイレクティブなどで
MGH に行く場合は向こうで医療行為に携わるわけではないので ESTA で行けるのですが、
このマイコースの留学で行く場合は向こうで実際に実験に携わることになるので VISA が
必要になります。
J-1 VISA は大体取得までに 3~4 ヶ月かかり大変なのでそれを考えて手続きを進めましょう。
教務の方に依頼されたので詳細の手続きの過程や書類をまとめたものを教務に預けておく
ので必要になった後輩の子は使って下さい。
・留学費用
MGH の基礎研究の留学自体に僕は$510 とビザ取得に約$150 程度かかります。宿泊に僕は
全部で$1680 かかりました。フライトは僕はどこかを経由するのが不安だったので成田空
港初の JAL のボストンのローガン空港直行便で行きました。正確ではないですが、確か 21
万円くらいだった気がします。
ここからはアメリカでの生活についてです。
•ラボでの実験生活
僕は pancreas cancer の cell origin を同定することをテーマにしている General Surgery の
ラボで実験をしました。
たまたまそのラボには日本で外科をされてから二年間研究にいらっしゃっている中川先生
という方がおられました。僕は 3 週間だけなのでということでその先生の下で実験を行い
ました。もう少し 2,3 ヶ月与えられれば、自分でテーマを考えて実験することも出来たので
すが。日本で現在は退官されておられる光山先生の下で二年間ラボに通っていたこともあ
り、基本的な手技は出来る状態で行ったのでさほど実験のいう点で困ることもありません
でした。というのもやはり実験の手技自体はほとんど変わらず、PCR や電気泳動はどこの
ラボでもやりますし、マウスへの腹腔内投与なども同じやり方なのでマウスの扱いも困り
ません。ただ僕は免疫染色はしたことがなかったのでそれだけ初めての手技として向こう
で習得しました。ただキシレンを英語ではザイリーンと発音したり、少し発音やターミノ
ロジーで困ることはまれにありました。日本のラボにいる時から留学生などと話しておく
と良いかと思います。実際の実験内容は具体的に口外してはいけないのですが、主には毎
日マウスの尻尾を採り PCR、電気泳動とマウスの膵臓の HE、IHC を永遠とやり続けてまし
た(笑)。
僕の場合は、実験の待ち時間にラボの人と話してボストンのどこが楽しいとか観光行くな
らどこの何がいいとかご飯はどこがおいしいかとか聞きながら毎日九時くらいから五時く
らいまで実験をして終わったら聞いたとこへ遊びに行くという感じで毎日進んでいきまし
た。
・ボストンの私生活
ボストンはハーバードや MIT など有名な大学があると同時にボストンティーパーティーや
アメリカ独立宣言が行なわれた非常に歴史の深い町であり大変きれいなレンガ造の街並み
を残しています。ボストンコモンやパブリックガーデンといった美しく広い公園では休日
にのんびり自然を感じながら羽を伸ばすことが出来ますし、歴史に興味のある場合は the
American Revolutionary War の遺跡をめぐるフリーダムトレイルを歩ことも出来ます。英語
での無料ツアーがクインシーマーケットの Fanuel hall から出るので英語の練習に行ってみ
たりすると良いでしょう。
ハーバード大学は歴史を感じさせてくれる大きなハーバードヤードがあり学生や犬が走り
回っていながらも周りには大きなレンガ造の校舎が並びハーバードの偉大さを感じること
が出来ます。対照的に MIT はガラス張りの高い塔が多く近代テクノロジーを感じることが
できます。MIT 博物館では視覚の錯覚を利用した面白い絵画やホログラム、ロボットなど興
味深い展示物が沢山ありました。ハーバードにはサイエンスセンターというのがありそこ
では時間の単位がどのように作られて来たかの展示があり、原子時計などが飾ってありま
した。
またこのような美しい街並みを残しながらも中心地では New Berry St.や Copley Place 辺り
に高級ブランドから中級ブランドまでのアパレルショップが並びショッピングにも困るこ
とはありません。
食に関してはハンバーガーを食べるかチャイナタウンで食べるのがオススメです。あくま
で個人的な感想ですが、アメリカでハンバーガー以外の食事は似たものが日本にもあり日
本の方が美味しいです。ただハンバーガーに関してはアメリカの方が概して美味しいです。
色々な人にオススメのハンバーガーを聞いて色々なお店に行ったのですが、ハーバードス
クエア辺りの Mr.Barkeley, Russel Tavern、コープリー、パークストリート周辺の U burger,
Five nupkin burger が美味しかったです。
ただお店で外食すると一回に付きチップ込みでフードのみで$20 くらいしますのでファー
ストフードを買ってどっかで食べるかチャイナタウンなど物価の安いところに出かけるか
どちらかを主流にし、友達とちょっといいものを食べに行こうかという時にお店に行くと
いいかと思います。
チャイナタウンは文字通り中華や日本食、ベトナム料理が安価に食べられます。安いにも
関わらずチャイナタウンはかなり美味しいです。中華の味付けは世界共通です(笑)。また
ファーストフードに関してはクインシーマーケットがオススメです。クインシーマーケッ
トには軒並みファーストフード点が並びフードコートを設置してくれているのでそこでい
ただくことができます。クインシーマーケットのパンの器に入れてくれるクラムチャウダ
ーがおいしかったです。
近くに大道芸をしている広場があり、横にはコーチ、アバクロ、バナリパ、アーバンアウ
トフィッターズ、ギャップ、アメリカンイーグルなどのアパレルショップもあります。
ボストンでの休日は一日観光に使うところを持ってくると良いかと思います。Museum of
Science や MFA や New England Aquarium といったところは特に良いかと思います。僕は
出来なかったのですが水族館の近くから出ているクルーズがとても楽しいみたいです。
僕の場合は同級生にハーバードメディカルスクールに行っている子がいてその子に郊外に
リンゴ狩りや水族館に連れて行ってもらったりしました。
・宿泊
ボストンは物価がとても高いです。大抵のところが一泊$100~150 近くし、僕が泊まった
ところでも一泊$70 しました。(一ヶ月以上滞在すると$50 になるみたいですが。)
なので長くいる場合はホームステイさせてもらう方が金銭的に良いかと思います。僕の場
合は時間がなかったのでホームステイ先を探せなかったのですが、自分が泊まったところ
にすごく満足しました。
僕が泊まったところは North Quincy のボストンクインシーハウスというところなのですが
スタッフは全員日本人(二人しかいませんが)で朝食は日本食がついています。お風呂と御手
洗いは共用ですが洗濯も出来ます。そしてハーバードや MGH などへのアクセスも電車一本
で行けます。そして 1 番良かったところが狭いがゆえに宿のみんなと良く顔を合わせる機
会があるのでお互いにロビーで話したりして仲良くなったりできてご飯とかも良く一緒に
食べに行ったりしました。ハーバードや MGH に行く人が多く泊まる宿なので、みなさん学
術レベルも高く大変面白い話を沢山してくださいました。大分大学の医学科の 4 回生、京
医卒の MGH に留学に来ている先生、京大卒のハーバードのポスドク、NYU の Cold War
専門の歴史家、Human Biology の先生など色んな方と知り合いになりご飯に行ったりしま
した。
ニューヨーク旅行
休日は二回ニューヨークに一泊二日で旅行に行きました。アメリカに来ているのでせっか
くなのでと思い、行って来たのですが、かなり良かったので時間があれば是非足を運んで
下さい。
ボストンからニューヨークまでの移動は South Station から出る Peter Pan/Grey Hound の
バスを使えば往復$50 くらいで取れて 4h20min で着くので案外気軽に出かけることが出来
ます。一回目は NY 近くに留学していた京大の友達と遊び、二回目はボストンで同じ宿に一
緒に住んでいた NY 出身の子に案内してもらいました。
NY はとにかく人が多いのですが、買い物が好きな子にとってはとても楽しい町です。一回
目に行った時はタイムスクエア、ブロードウェイ、ロックフェラーセンター、ワールドト
レードセンターの記念碑、自由の女神、メトロポリタン美術館などの観光地を歩いて見に
行って過ごして、二回目には SOHO や 34St や 5ave で買い物をしたり、セントラルパーク
でゆっくりしたり、夜はエンパイアステートビルディングを眺めながらおしゃれなバーで
アメリカのカクテルを味わいました。
総括
このボストンへの留学の三週間を通して様々なことを学びました。特に印象的で考えさせ
られたのが、日本人の海外でのキャリアアップについてです。
アメリカでもう十年以上病理学の研究と臨床をされている三野先生と日本で十数年間外科
の臨床に携わった後に研究のために MGH をされている中川先生という二人の違う道を歩
みながらも海外で尽力していらっしゃる方に三週間密接に関わり合い、日本と海外の違い
やキャリアアップの仕方、苦労するところなどを学ぶことが出来ました。
留学する前は将来は海外でバリバリ働くのがかっこいいと思っていました。しかし、日本
で生まれ育った者は程度は人によるとはいえ、やはり海外の人に比べ英語という点でハン
ディを抱えてしまいます。そんな中、海外で実績を残してキャリアを積んでいくにはどの
ようにしたら良いかということを深く考えさせられました。今まで漠然と将来したいと考
えていたことは、実際はどうなのか、またどのようにすべきなのかということを、“諦め”
ということではなく前向きな考察として色々思案を巡らせることが出来ました。
この留学を通して、将来漠然とやりたいと思っていたことが少し具体的に考えることが出
来るようになりました。百聞は一見に如かずと言うように、これは現地で生活し、現地で
頑張っておられる日本人二人の姿を見て初めて感じ、考えることが出来たものだと思いま
す。
日本人が二人もいらっしゃったということは英語を話す機会が減ったという点に関して言
えばマイナスの一面であるかもしれません。しかし、僕の英語力がつたないこともあり、
会話で本当に微細なニュアンスを伝えたりすることは英語では出来ず、大まかなことしか
コミュニケーションはできないので、こうして日本人の二人がいて僕が聞きたかったこと
や考えなどを詳細に話し合うことが出来たのは本当に良い機会であったと思います。
これから臨床実習も始まっていくこの折り返しの地点とも言えるマイコースの時期に、将
来について少しではあるものの具体的なビジョンを掴むことが出来て自分なりには最高の
マイコースプログラムでした。
最後にはなりましたが、このような機会を与えて下さった三野先生、実験生活において御
指導下さった中川先生、マイコースプログラムの計画を作成するにあたり前向きに様々な
御協力をして下さった武田先生、日本で英語のブラッシュアップを手伝って下さった木原
先生、日本でラボに通わせて下さった光山先生、留学前に膵臓病理を学ぶ機会を与えて下
さった羽賀先生をはじめとし、この留学を御支援して下さったすべての方に心より感謝申
し上げます。