「バーミンガム オータムショー Autumn Fair 2007」視察報告 英国ノリタケ

◎ 「バーミンガム オータムショー Autumn Fair 2007」視察報告
英国ノリタケ 社長 寺澤博敏
* 開催期間: 2007 年 9 月 2 日~5 日 (4 日間) 注: ”Volume” ホールは 9 月 1 日も開場
* 開催場所: The National Exhibition Centre - Birmingham
* 会場構成と出展商材カテゴリー(出展者数=主催者発表)
1 号館 & 2 号館一部
= “Giving” - “Volume”
(約 200 社) -
2 号館一部
= “Living” - “Kitchen & Dining”, (約 160 社)
2 号館一部 & 3 号館一部 = “Living” - “Home Interiors” (約 200 社)
3 号館一部
= “Living” - “Art” (約 60 社)
3 号館一部 & 4 号館一部 = “Giving” - “Design Gifts” (約 500 社)
4 号館一部
= “Giving” - “Greetings & Stationery” (約 200 社)
4 号館一部
= “Giving” - “Jewellery & fashion Accessories” (約 200 社)
5 号館一部
= “Giving” - “Toys” (約 150 社)
5 号館一部
= “Giving” - “Gifts” (約 500 社)
主催側は商品カテゴリーを “Giving” 及び “Living” に分けギフト以外のインテリアをはじめと
する家庭用品販売の機会であることもアピールしているものの、実質的にはクリスマス商戦を見据
えた調達の場となっております。
2000 社を超える出展業者ならびに来場客も完全に目的の一致した見本市であり、現在の流
行・トレンド・競合状況の把握とか、将来に向けての準備ではなく、まもなく始まるクリスマスセールと
いう”稼ぎ時”に実際に売る”飯の種”を調達するおそらく最後のタイミングとしてこの見本市が機能し
存在していると考えております。
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ディテールではもちろんそれぞれの商品でトレンドも存在するのでしょうが、クリスマスというター
ゲットのはっきりとした販売機会に対して極めて有効な供給と需要のバランスが図られた場所と感じ
ております。
(上記 2 会場風景画像:主催者ホームページ www.autumnfair.com から引用)
主催者による商材カテゴリーは前述の通りですが、具体的な商品は以下の通りです;
“Giving” - “Volume” = 小型家電、DIY 用品、玩具、装身具、バス・トイレ用品、台所用品、
寝具、筆記具、小家具、PC 関連用品、ペット用品、菓子類、缶詰・乾物食材等
“Living” - “Kitchen & Dining” = 台所用品、食器類、関連アクセサリー等
“Living” - “Home Interiors” = 屋内装飾品各種、小家具、クッション類、額縁、装飾用印刷
物(絵画・版画)、写真立て、鏡台、クリスマスオーナメント類等
“Living” - “Art” = 装飾用絵画・版画・写真等
“Giving” - “Design Gifts” = ファンシーショップ系ギフト各種、装身具、インテリア・アクセサリ
ー等
“Giving” - “Greetings & Stationery” = クリスマス・グリーティングカード、包装紙、ショッピ
ングバッグ、筆記具、ダイアリー等
“Giving” - “Jewellery & fashion Accessories” = 装身具各種、鞄類、時計等
“Giving” - “Toys” = 玩具全般
“Giving” - “Gifts” = ギフト用品各種
上記のように商材はありとあらゆるものを含み、決してギフトに限らずこの時期に売れる商品を象
徴しております。また、出展者のほとんどは製造者ではなく、現在在庫を抱えるか間もなく商品が入
荷するのを待っているディストリビューターで、クリスマスセールの始まる前の 10 月初旬~中旬に納
品が必要なタイミングを考えると、メーカー不在の出展者の顔ぶれも充分に理解が出来ます。
食器関連のメーカーではチャーチル社が 1 小間、金属食器のアーサープライス社が 1 小間の出
展がありましたが来場するバイヤーがその場で欲しがっている商品とは言えず、活況とは言い難い
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状況であったようです。
「会場はまるでバザール」「ごちゃごちゃしている」 と語る取引先バイヤー(百貨店)もおりましたが、
そう言う彼らもこの見本市にやってきて 11 月限定の短いセール期間に集中して売る商品を調達す
る風景が見られました。仮にウェッジウッド社・ポートメリオン社などが出展していても、このバイヤー
は彼らの時間の多くを食器以外のスタンドで費やしたはずです。
一方で、当見本市の主催者が今年より従来の ”Spring Fair”と”Autumn Fair” に加えて、欧
州休暇月シーズン前の 6 月に別会場で ”Summer Fair” という新たな見本市を始めました。今
年始まったばかりで、現時点での効果や将来的な可能性については未だ不明です。
また、フランクフルトでは来年より夏メッセ “Tendence” が 7 月に開催されます。
これらが定着するかどうかも分かりませんし、客が納得しないかもしれませんが、インテリア・ギフト
商売に取り組む新しい可能性(タイムスケジュール)へのチャレンジの一つではないかと考えていま
す。
商材についても従来とは違ったチャレンジを試みるべきで、かわいい缶入りのクリスマスマグカッ
プだけではなく、消費者が食器類を始めとする家庭用品から離れていると言われる中で、時間は
掛かるものの模索して行かねばならないと感じております。
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