デジカメの設計思想と 内部処理 視覚と画像鑑賞

2016/12/14
天体写真講義
技術研究会
デジカメの設計思想と
内部処理
株 ニコン 映像事業部
歌川 健
2016.1.15
天体写真講義
技術研究会
視覚と画像鑑賞
1.数学的扱い可能なこと
2.人の視覚に共通性有り
3.好みで各人各様なこと
1
2016/12/14
天体写真講義
技術研究会
◎このように、人間の知覚は
測定器で測ったようにはいかない。
◎画像を再現するに当たっては
・測色的再現(測定器で測ったような)
・見た時の印象(記憶)に近い再現
(本質的には不可能だが)
・好ましい再現(肌、木、空の色)
のどれかを実現しようと意識している。
天体写真講義
技術研究会
順応
ホワイトバランス
WB
2
2016/12/14
カメラのホワイトバランス(WB):光源
×WB設定
天体写真講義
技術研究会
光源:晴天
光源:蛍光灯
カメラ:晴天
カメラ:晴天
出力処理、CMS
光源:晴天
光源:蛍光灯
カメラ:蛍光灯
カメラ:蛍光灯
光源:晴天
光源:蛍光灯
カメラ:W
カメラ:W
天体写真講義
技術研究会
カメラのWB調整
(1)基本的にGは変更せずB,R出力に
Bgain, Rgain を乗じて調整する。
2700度
(2)色温度が著しく高い又は低い場合
はWBの補正の量を弱目にする。
400
500
600
700
400
500
600
700
400
500
600
700
5000度
400
500
600
700
10000度
400
500
600
700
3
2016/12/14
天体写真講義
技術研究会
色の理論
マンセル色立体
◎マンセル色立体・・・1905に画家Munsellが考案:経験的。
・1915「アトラス・オブ・ザ・マンセル・カラー・システム」現在「マンセル・ブック・オブ・カラー」
・1958修正マンセル色立体:JISに採用1958「JIS準拠標準色票」
・表面の知覚色(心理的な色)の属性:
[明度V] (黒V=0から 白V=10)明るさという属性を明度 lightness V。
[彩度C] 飽和度という属性を彩度クローマ chroma C。
[色相H] 色相はそのまま色相H。
・基本色相5:赤R、黄Y、緑G、青B、紫Pで360度を5等分
補色色相5:青緑BG、青紫PB、赤紫RP、黄赤YR、黄緑YG
計10色相。これを更に10等分して100色相。
・表記法は(HV/C)の形で、5R 4/14 明度4/彩度14
・Munsell色表の観測条件は
①昼光に順応した肉眼で
②V=5~7の無彩色面を周辺視野として
③無彩色面上に色表をおいて
④標準光源で45度方向照明、垂直方向から見る
色彩光学 太田登 口絵
4
2016/12/14
表色系
カ
ン
ハ
ニ
ー
歌
川
研
究
室
表色系
混色系color mixing system
顕色系color appearance system
色の区別
心理物理色(開口色)
知覚色。
知覚色は主に物体表面色に適用。
概念
心理物理_的概念
純然たる心理_的概念
基礎
色感覚に基づく
色知覚に基づく
表示原理
混色による
等色関数に基づく。
物体標準(色票)による。
色票との比較において行われる。
代表例
CIE表色系
Munsell表色系
表示対象
光の色
物体の色彩
表示量、
記号
三刺激値tri-stimulus value
(1)光源の色:
測光量cd、色度(x,y)
(2)物体の色: 色度座標Y,x,y
Munsell表色系では、
色相、明度、彩度。
記号はHVC。
色彩光学 太田登 口絵
色の数学的扱い
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2016/12/14
映像カンパニー 歌川研究室
色のベクトル表示
380nmから780nmまで10nmおきの値を要素とする
「41次元ベクトル」 で表現
0.0000
R =
0.0001
・・・・
-0.0936
-0.0926
・・・・
0.3476
0.3397
・・・・
400
500
600
700
nm
0.0000
測色の基礎
◎測色の基礎
視覚の3色性:「任意の色は3種類の色の混色で等色できる」
等色の加法性(グラスマンの法則) A=B,C=D,A+C=B+D :ベクトル
原刺激(reference color stimuli):独立な3つの色光 R,G,B :ベクトル
3刺激値(tristimulus values): RQ,GQ,BQ :スカラー
任意の色刺激
Q= RQ ・R+ GQ ・G+ BQ ・B :ベクトル
加法測
3刺激値
G
3つの光
B
Q
R
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等色実験
700nm
435.8nm の単色光を表すベクトル
546.1nm
r(λ)・R + g(λ)・G + b(λ)・B
0.4
r(λ)
b(λ)
係数 ベクトル
0.3
g(λ)
0.2
0.1
0.0
-0.1
λ
-0.2
色光 Q
400 450
500
550
600
650
700 nm
RGB表色系の等色関数
分光視感効率 V(λ)=r(λ)+4.5907×g(λ) +0.0601×b(λ)
加法測
任意の色刺激
Q= RQ ・R+ GQ ・G+ BQ ・B :ベクトル
3刺激値
CIE_RGB表色系
◎CIE_RGB表色系(CIE1931測色標準観測者)
・WrightとGuildの2度視野混色実験に基づきCIEが作成。
単色光原刺激 R,G,B( 700nm,546.1nm ,435.8nm )での
等色実験から等色関数r(λ),g(λ),b (λ)決定。
0.4
r(λ)
b(λ)
0.3
g(λ)
0.2
0.1
0.0
-0.1
-0.2
400 450
500
550
600
650
700 nm
RGB表色系の等色関数
分光視感効率 V(λ)=r(λ)+4.5907×g(λ) +0.0601×b(λ)
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2016/12/14
CIE_RGB表色系
・分光分布Q(λ)の色光の3刺激値は、
RQ =ΣQ(λ)・r(λ) ; Σはλ=380~780の和
GQ =ΣQ(λ)・g(λ)
BQ =ΣQ(λ)・b (λ)
等エネルギー白色E基準で RE = GE= BE
Σr(λ) =Σg(λ) =Σb(λ)
R G Bを軸とする3次元空間を
色空間(color space)と呼ぶ。
0.3
0.2
0.1
0.0
・規格化
r=R/(R+G+B)
g=G/(R+G+B)
b=B/(R+G+B); r+g+b=1
-0.1
-1.0
1.0
0.0
rg色度図
rg色度図スペクトル奇跡。(右図)
CIE_XYZ表色系
(株)ニコン 歌川
CIE_RGB表色系の3原刺激[R],[G],[B]の3刺激値R,G,B
CIE_XYZ表色系の3原刺激[X],[Y],[Z]の3刺激値X,Y,Z
の変換式は、
2.7689 1.7518 1.1302
X
R
Y = 1.0000 4.5907 0.0601 G
0 0.0565 5.5943
Z
B
等色関数 x(λ),y(λ),z(λ)も同じ変換関係。
1.0
z(λ)
520
540
y(λ)
x(λ)
560
500
0.5
400
500
600
緑
700
黄
580
A
D50(0.35,0.36)
D65(0.31,0.33)
XYZ表色系の色度座標x,y,zは
x=X/(X+Y+Z)
y=Y/(X+Y+Z)
z=Z/(X+Y+Z)
600
620
赤
青
480
紫
460
1.0
0.5
1.0
8
2016/12/14
映像カン
ハ
゚
ニ
ー
歌
川
研
究
室
色光ベクトルと等色関数
◎色光ベクトル
原刺激X,Y,Z
を決めると
◎等色関数 x,y,z
が決まる。
・380nmから780nmまで、
10nmおきにとれば、
色光ベクトルも等色関数も
41次元ベクトル。
CIE-Lab表色系
L*=116(Y/YN)1/3-16 ; (Y/YN>0.008856 )
= 903.29 (Y/YN) ; (Y/YN =< 0.008856 )
a * =500[(X/XN)1/3-Y/YN)1/3]
b * =200[(Y/YN)1/3-(Z/ZN)1/3]
白基準 XN,YN,ZNは標準の光の下完全拡散面の3刺激値。
L*
*
クロマ Cab * =((a * )2+(b * )2)1/2
色相角 hab * =tan-1(b * / a *)
b
a*
9
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天体写真講義
技術研究会
Gamut Mapping
L*
◎Lab空間でみた色域の広がり
*
b
a*
(1) sRGB色立体と
(2) 写真プリントの色立体
b
写真プリントは
・黄色の色相と
・シアン部分の突出
・暗い部分の色(彩度)が充実
a
破線:sRGB
実線:プリント
Gamut Mapping
LMS
10
2016/12/14
CIE_XYZ
CIE_RGB
11
2016/12/14
sRGB
Adobe RGB
12
2016/12/14
天体写真講義
技術研究会
色再現
測色的色再現
色再現の分類
天体写真講義
技術研究会
◎色再現の目標に関するHuntの分類
カテゴリー
光源
目標
測色的色再現
同じ
X,Y,Z一致(Y=100に規格化)
即ち相対輝度一致
Y,x,y の x,y一致。
対応する色再現
異なる
観察光源、観察条件、輝度も異なる。
順応したときに色の「見え」が一致。
好ましい色再現
肌、草、空などの
「好まれる色にする」
13
2016/12/14
天体写真講義
技術研究会
デジタルカメラの
画像処理の流れ
カメラの画像処理の流れ
天体写真講義
技術研究会
(株)ニコン 歌川
簡単には3×3の
マトリクス乗算。
撮
像
素
子
W
B
γ
変
換
色
空
間
変
換
補
間
256
Ro
Go
Bo
Ro
Go
Bo
Ro
Go
Bo
R1
G1
B1
色
補
正
R
G
B
240
208
192
176
160
Z2i
i. 255
3600
sY256 i
画像
表示
userγ(Y=DX1mode1)とγ=1/2.2
256
224
C
R
T
へ
の
入
力
sRGB
144
128
112
96
80
64
48
R
G
B
32
16
0
0
0
0
300
600
900
1200
1500
1800
2100
2400
2700
3000
i
リニア入力
3300
3600
3600
RoとBoに
ゲイン乗じて
白バランスをとる。
メモリ
Jpeg圧縮
YCrCb変換
Y=a1*R+a2*G+a3*B
400
500
600
700
Cr =R-Y
Cb=B-Y
14
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天体写真講義
技術研究会
測色的色再現の方法
◎測色的色再現の条件=モニタ発光の等色関数をセンサー感度分布( Ro Go Bo )に持つカメラで撮像し
表示すればよい。
D65
D65光源
Y
x
y
測色計
400
500
600
700
D65白
Y'
x
y
モニタ発光スペクトル
測色計
白
R
G
B
256
センサ感度による リニア出力
RoGoBo
白
等色関数と
発光スペクトルと
相違に注意!!
userγ(Y=DX1mode1)とγ=1/2.2
256
240
224
208
C
R
T
へ
の
入
力
192
176
発
光
強
度
160
Z2
i
i. 255
3600
sY256
i
144
128
112
96
80
R
G
B
64
48
32
16
0
0
0
0
300
600
900
1200
1500
1800
2100
2400
2700
3000
3300
i
3600
測色的再現
CRT入力信号強度
3600
リニア入力
R
G
B
3発光スペクトルの等色関数
リニアRoGoBo
DSCとモニタによる色再現と観察環境
a11 a12 a13
2.7689 1.7518 1.1302
XR
R
a21 a22 a23
YG = 1.0000 4.5907 0.0601
G
0 0.0565 5.5943
ZB
B
a31 a32 a33
◎眼の応答
・順応
色処理
R
G
B
色
マ
ト
リ
ク
ス
補
間
256
Rs
Gs
Bs
γ
変
換
γ=2.2
Rm
Gm
Bm
天体写真講義
技術研究会
◎脳の解釈
・ 開口色と表面色
・記憶色
・質感, 立体感
L
M
S
脳
userγ(Y=DX1mode1)とγ=1/2.2
256
◎観察条件
240
224
208
C
R
T
へ
の
入
力
192
176
基本は
sY256
1)環境
160
Z2i
i. 255
3600
i
144
128
112
・出力媒体自体の明るさ、白色点
96
80
64
48
32
測色的再現
カメラの実際は
好ましい再現
16
0
0
0
0
300
600
900
1200
1500
1800
i
2100
リニア入力
2400
2700
3000
3300
3600
3600
階調処理
・背景と周辺の明るさ、白色点
2)出力機器特性
・「見え」のモード
・表現可能な色域
・表現可能な階調範囲
・黒の締まり(表面反射)
・測色的色再現が実現しても「見えのモード」違えば同じには感じない。
15
2016/12/14
天体写真講義
技術研究会
色空間
と
規格(標準化)
sRGB と Adobe RGB
天体写真講義
(株)ニコン 歌川
技術研究会
1.0
Y
520
540
546
560
G
500
0.5
R
X
O
B
480
Z
460
1.0
sRGB
w (0.3127,0.3290)
R (0.64, 0.33)
G (0.3, 0.6)
B (0.15, 0.06)
580
⑭ ⑪ ⑯黄
⑫
④
A ⑦
600
⑥
D50(0.35,0.36)
①
620
②
⑲D65(0.31,0.33)
⑨ ⑮
赤
③
700
⑱ ⑤ ⑰
⑩
青
⑬⑧ 紫
緑
W
Adobe RGB
w (0.3127,0.3290)
R (0.64, 0.33)
G (0.21, 0.71)
B (0.15, 0.06)
435
0.5
1.0
マ ク ベ ス
チャート
16
2016/12/14
表現可能な色の範囲
天体写真講義
技術研究会
Y
Munsell Color 48色相16明度
768色の表面色含有率は
ほぼ下記のようであるという。
G
R
W
X
色空間
含有率
sRGB
55%
Adobe
RGB
sYCC
76%
xvYCC
100%
sRGB
O
B
Z
sYCC
Y
Ye
G
Cy
W
98%
R
B
Mg
Cr
Cb
カラーマネジメント(CMS)と標準化
◎カラーマネジメント(CMS)と標準化
・機器独立色再現(Device Independent Color Reproduction)
変換関係示すデータ添付
具体例 ・画像にICCプロファイル添付
標準規格で規定
・sRGB規格
・他にscRGB,sYCC,xvYCC
特徴
・PCを用いて画像の色変換
・簡単で汎用性高い
・PCS (profile Connection Space) ・機器側で標準に合わせて設計
欠点
・PC必要で計算重い
・sRGB色域は写真や印刷の
全色域をカバーできていない。
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2016/12/14
ICCプロファイルによるCMS
◎PCSを用いたカラーマネージメントシステム(CMS)
PCS
プロファイル
プロファイル
DSC
プリンタ
機器独立色空間
Device Independent
Color Space
スキャナ
CIEXYZ
モニタ
CIELab
プロファイル
プロファイル
L*
◎ICCのPCS(profile connection space)
*
b
・白色点 D50
・色空間は CIE_XYZ or CIE_Lab
◎加工処理としては・・・・・色相の曲がり気になる
・gamut mapping(出力色域へ)
例えばモニタプロファイルは、
a*
R, G , B ,Wの色度座標の
違いを変換するLUT又は
3×3マトリクスと
R, G , B ,の階調変換カーブ
LUTで構成される。
・好ましい色作り
天体写真講義
技術研究会
DSC画像の
空間周波数特性
とサンプリング
18
2016/12/14
DSC撮像部構成
天体写真講義
技術研究会
・Ir_cut・・・赤外吸収ガラス。赤外cut多層膜。片方あるいは両方。
・OLPF ・・・ ぼかし効果:複屈折で水平方向分離
+位相板(直線偏光を円偏向に)+複屈折垂直方向分離。
・マイクロレンズアレイ
・CFA(Color Filter Array) ・・・ RGB色フィルター
・PD ・・・ 受光部フォトダイオード
Ir_cut
マイクロレンズ
水晶体+網膜+脳
受光部
画像
処理
OLPF
脳
モニタ
CFA
天体写真講義
技術研究会
各光学要素の
MTFと
画像のSRF
(空間周波数応答)
19
2016/12/14
フーリエ変換

1
フーリエ変換
F(k) =2π
フーリエ逆変換
f(x)=
 f(x)・exp(-ikx)dx
 F(k)・exp(ikx)dk



f(x)が実数の場合、kの正の側だけで表現可能
F(k) =F(-k)*
F(k) =|F(k)|exp(-iφ(k))
点像分布:MTF:画素サイズ
2
点像分布関数
{2J 1(x)/x}
f
D
第1暗環半径 x=2π・r ・ NA/λ= 3.83
r=エアリーディスク半径
F=f/D
天体写真講義
技術研究会
r = ( 3.83/π)・λ/2NA ; (n=1)
r = 1.22・λ・F
r
λ=0.55uで 2r=1.34・F ,a(ミクロン) =約 F
無収差のボケ
無収差レンズのMTF
1
F2
0.8
F4
0.6
画素サイズ
F2
3ミクロン
F4
6ミクロン
0.4
F8
0.2
0
75
30 50
(56)
(42)
12ミクロン画素の
ナイキスト周波数
F16
100
(83)
6ミクロン画素の
ナイキスト周波数
9ミクロン
F8
150
140
200
本/mm
(167)
3ミクロン画素の
ナイキスト周波数
F16
12ミクロン
無収差のMTF値 0.2となる解像本数はおおむね 1200/F
10ミクロン
20
2016/12/14
Sampling定理
天体写真講義
技術研究会
標本化定理1
標本化定理
◎標本化定理(sampling theorem)

取り扱っている信号の最大周波数がfmaxなら
2×fmax 以上の標本化周波数でサンプリングする必要がある。

原画像をサンプルする画素間の距離がd(標本化周波数が1/d)のとき、
原画像に含まれている空間周波数がナイキスト周波数fN=1/(2d)以下
ならば、原画像を完全に復元できる。
実空間 ---- 周波数空間(フーリエ空間)
d
1 . 2f N
0.8fN
0.8fN
x
1.2fN
fN
=1/2d
f
=1/d
SamplingによるMTFへの影響
天体写真講義
技術研究会
ナイキスト周波数fNは、fN=1/(2p) ;pは画素ピッチ
画像の周期が
画像の周期が
ナイキスト周 波数_fN の1/2
ナイキスト周 波数 _fN
p
in phase
2 2 0 0 2 2 0 0 出力
2
1 1 1 1 1 1 1 1 1
出力
out of phase
2 1 0 1出力
2 1 0 1 2
2 0 2 0 2出力
0 2 0 2
in phase
out of phase
mean
kN
0 1/(2p) 1/p:f
3本線chartの見え
mean=sin(πpf)/(πpf)
21
2016/12/14
OLPF設計の最適化
天体写真講義
技術研究会
1)ナイキスト周波数を完全に除去
複屈折型
理想
0 1/2p 1/p
p
MTF特性 M(f)=sin(2πp・f)/(2πp・f)
2)少し弱めにして、画像の高周波成分の
ロスを減らす。
例えばナイキスト周波数の
1.3倍位置をcutoff。
複屈折利用型
0 1/2p 1/p
少し弱め
3)方向性が特殊なもの
・遮断域が片方だけのOLPF
・遮断域が菱形のOLPF
0 1/2p 1/p
天体写真講義
技術研究会
画素開口のMTF
◎矩形開口: 一辺dの場合MTFは
M(f)=sin(π・d・f)/ (π・d・f)
A
◎円形開口: 一辺aの場合MTFは
M(f)=2J1(π・a・f)/ (π・a・f)
B
C
0 1/2p 1/p
これはd=0.867aを一辺とする矩形開口のそれに近い
M(f)≑ sin(π・d・f)/ (π・d・f) ; d=0.867aとして
M(f)≑ sin(π・0.867af)/(π・.867af)
A)
B)
C)
辺長=P
直径P円
直径0.9P円
22
2016/12/14
OLPF有りの場合のMTF合成
天体写真講義
技術研究会
Combolution(畳み込み)・・・像を点像分布だけボカす
I1(x)=Ob(x)* Ps(x) * OLp(x) * Ap(x) ・ comb(x)
ピッチp
実空間
被写体輝度分布
点像分布関数
(PSF)
光学ローパスフィルタ
(OLPF)
受光部アパーチャー
関数
ぼけた像
サンプリンク
積
Ob(x)
Ps(x)
Lo(x)
Ap(x)
I2(x)
I2(x)
convolution
フーリエ空間
kN
Ob (k)
convolution
kN
Ps (k)
kN
kN
Lo (k)
Ap (k)
kN
(k)
I1I1
(k)
サンプリングによるフィルター効果
位相項作用
ピッチ1/p
kN
I2 (k)
aliasing
積
I1(k)=Ob(k)・ Ps(k) ・ OLp(k) ・ Ap(k) * comb (k)
掛け算
天体写真講義
技術研究会
SFR(総合MTF)
⑤
× サンプリングの フィルター効 果
0 1/2p 1/p
1/d
(画素ピッチp;ナイキスト周波数fN=1/2p)
@
23
2016/12/14
天体写真講義
技術研究会
DSC画像の
補間処理
天体写真講義
技術研究会
補間法
24
2016/12/14
CFA
天体写真講義
技術研究会
◎1画素にRGBの3色
原色
◎ 1画素に1色
補色
R: G : B=1 :1 : 1
R: G : B=1 :2 : 1
R
G
B
Ye
Mg
Sy
R
G
R
B
B
G
Bayer
R: G: Cy: B= 1 :1 : 1 : 1
4色
Y: G: Cy: Mg = 1 :1 : 1 : 1
補色
Bayer配列と各色のナイキスト領域
Bayer配列
d
G R G
B G B
G R G
B G B
G R G
G R G R
補間
R
G
R
G
R
B G B G
G
G R G R
B
G
B
G
B G B G
G
G
G
G
R
R
R
R
G
G
G
正しく表現できる空間周波数域
天体写真講義
技術研究会
G
全画素のナイキスト領域
G画素のナイキスト領域
1/2d
B
B
B
B
最も単純な補間フィルタ
1/4
1/2
1/4
1/2
1
1/2
1/4
1/2
1/4
R・B画素のナイキスト領域
25
1/2
1
OLPFなし
Cr Cr Cr Cr
Cr Cr Cr Cr
Cr Cr Cr Cr
R R R R
R R R R
R R R R
R R R R
Cb Cb Cb Cb
Cb Cb Cb Cb
B B B B
B B B B
B B B B
B B B B
G
B
G
B
Cr Cr Cr Cr
Cr
Cr
R
R
R
G
R
G
Cb Cb Cb Cb
Cb
Cb
Cr
Cr
R
R
G
B
G
B
Cb Cb Cb Cb
Cb
B
B
Cb
B
B
R
G
R
G
G
G
G
G
G
G
G G G G
G G G G
G G G G
G G G G
G
G
2016/12/14
補間法(面間相関使う簡単な例))
元画像とそのBayer化画像
ナイキスト周波数
天体写真講義
技術研究会
Bayer配列
色差で補間
1/4 1/2 1/4
1/4 1/2 1/4
1/2
天体写真講義
技術研究会
注目
下側の図はBayer化後
OLPFあり
26
2016/12/14
元画像とBayer化後の単純補間結果
天体写真講義
技術研究会
下側の図は単純な補間後
OLPFなし
OLPFあり
Bayer配列と各色のナイキスト領域
天体写真講義
技術研究会
d
G R G
B G B
G R G
B G B
G R G
R
G
R
G
R
G
B
G
B
G
全画素のナイキスト領域
G画素のナイキスト領域
1/2d
R・B画素のナイキスト領域
正しく表現できる空間周波数域
27
2016/12/14
D1の頃
天体写真講義
技術研究会
Processing Algorithms
From Camera Body
color artifacts
From Nikon Capture
Suppression of the color artifacts is enough.
天体写真講義
技術研究会
光学系
28
2016/12/14
光学開口の回折像
天体写真講義
技術研究会
矩形開口
矩形開口の回折像
円形開口の回折像
ケラレ開口
この場合は
どうなる
円形開口
BORN WOLF Principles of Optics
天体写真講義
技術研究会
天体望遠鏡とDSCの組み合わせ
50mmφ
射出光束径
50倍 1mmφ
入射瞳の小さなDSC
が効率的
29
2016/12/14
天体写真講義
技術研究会
フィルムカメラとの違い
デジタル写真画像
の相似性
フィルムカメラとの違い
天体写真講義
技術研究会
デジタル画像の相似性
30
2016/12/14
フィルムカメラとの違い
天体写真講義
技術研究会
デジタル画像
の相似性
天体写真講義
技術研究会
等価画素とMTF
電子数とS/N
31
2016/12/14
最近のフィルムの等価画素
天体写真講義
技術研究会
◎フジカラースーパーHRⅡ100 の場合
f=50本/mm で MTF=0.5
ピッチP相当の矩形
開口で考える
1
fMTF0.5
0.5
P
film
50本
M1(f)=sin(π・P・f)/(π・P・f)=0.5
100本/mm
sin(f)/f
とすれば
P=1/(1.65・fMTF0.5 ), fMTF0.5 =50,として
P=12.1μ
◎36mm/12u=3000、 24mm /12u=2000、
単純な割り算だと 画素数 3000×2000 = 600万画素
天体写真講義
技術研究会
SFR(総合MTF)
⑤
× サンプリングの フィルター効 果
0 1/2p 1/p
1/d
(画素ピッチp;ナイキスト周波数fN=1/2p)
@
32
2016/12/14
画素サイズと飽和電荷量
天体写真講義
技術研究会
(例)電子数のorder目安は
ある画素サイズで、
ISO200で飽和電子数30000
ならば:
ISO2000では飽和電子数3000
1999サマーセミナー 乾谷正史 メガピクセルDSカメラにおける高画質化技術 より
撮像素子出力とノイズの例
高ISO感度
撮像素子のノイズ
1)自然の法則によるもの
・光ショットノイズ
2)撮像デバイスに起因するもの
・FPNノイズ
・暗電流ノイズ
天体写真講義
技術研究会
低ISO感度
0dB
信号
ダイナミックレンジ
3600
-20
S/N
100
-40
光ショットノイズ
3)アナログ回路のノイズ
・アンプノイズ
-60
ベースラインノイズ
<画像ノイズは他に>
・エリアジングノイズ
・補間ノイズ
・圧縮ノイズ
-80
10
100
1000
10000
電荷数
発生電荷数=入射光量×量子効率
33
2016/12/14
光ショットノイズ
天体写真講義
技術研究会
フォトンの揺らぎはポアソン分布で表されるが、数が多くな
ると正規分布に近づく。平均値の片側において、
平均値+σの外になるのは、15%
平均値+2σの外になるのは、2.3%
平均値+3σの外になるのは、0.13%
画素平均9eの場合を考えると、本来はポアソン分布で正
確に論ずべきだが、ここではわかりやすく近似的な扱いで
二項分布のままで考えると。
平均9e(従ってσ=3e)では、
2σの外の3e以下になる確率は2.3%もある!
25画素あれば、その内1画素はこれ!
平均
9e
3e
以下
本:VISION A.Rose 1972
天体写真講義
技術研究会
フィルムカメラとの違い
デジタルカメラの
点像問題
34
2016/12/14
星の色の正確な再現は
非常に難しい
天体写真講義
技術研究会
*狙いは:見た目と同じ色?。 印象的な色?。
・センサー分光感度分布の影響
・星像が入射する画素数が少ない
補間予測は誤差が大
RGBを独立に検出する工夫が必要
・諸収差の影響(形状・色)
・情報となる電子数が少なくS/Nが悪い
・画素欠陥、ノイズの影響
分光感度
原色・補色
天体写真講義
技術研究会
Hα 656ミクロン
デジタル
35
2016/12/14
画素サイズと点像サイズ
天体写真講義
技術研究会
右図は回折による
ボケだけの広がり。
写真レンズの
幾何収差を含めると、
F4とかF5.6位が
最小点像であること
が多い。
従って、実際の星像は複数画素にまたがって入射する。
◎これによって点欠陥と識別の可能性が生まれる。
3層構造の撮像素子
天体写真講義
技術研究会
フォービオンのセンサー
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2016/12/14
OLPF
1点を4点に「ぼかす」
画素ずらし
天体写真講義
技術研究会
天体写真講義
技術研究会
・高解像度化に画素ずらし
複数回露出が使われる。
・1画素ずらし、複数回露光で
同じ画素のRGB値を正確に求め
3板相当の正確な色を求める。
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2016/12/14
階調圧縮 (D-Lighting)
通常撮影画像
映像カンパニー歌川研究室
左にD-Lighting処理
END
38