教材紹介企業と共同開発第１弾被服製作の基礎・基本とエコの視点を重視した教材「リバーシブルトートバッグ（ミニ）」「リバーシブルトートバッグ」京都府立洛北高等学校なみかわさちこ教諭竝川幸子「作って楽しい」「わかりやすい」「活用できる」そして，「エコの視点」を含めた被服教材゛第１弾「リバーシブルトートバッグ」゛について報告します。１゛はじめにある会社からこんなお話がありました。はしきじ「制服生産段階で余った端生地や制服のモデルチェンジによって使わなくなった生地は廃棄し，燃やすしかないんです。実にもったいないことです。何か活用方法はないでしょうか。」確かに，もったいない話です。゛持続可能な社会をめざして限りある資源の有効活用などについて家庭科の授業でも教えているところです。そこで，思いついたのが被服製作の教材として活用することです。小学校で学習した基礎的・基本的な知識と技術を発展させ，生徒の個性や工夫を生かせると共に，生活がより豊かになる被服製作教材「リバーシブルのトートバッグ」。被服教材は，生徒の意欲を喚起し，製作手順はわかりやすく，そして出来上がった作品を活用できることが大切だと考えています。そんな被服教材を目指し，作り方から説明書・申込書まで企業と協議を重ね完成に至った教材の内容について説明します。企画・販売は，明石被服興業株式会社，監修は私です。２教材の特徴など (1) 作って楽しい教材ア自分流にアレンジ・バッグの基本型に，創意･工夫してボタンやレース等をつけると「オリジナルトート」に。右写真の持ち手にレースをつけたトートバッグは，私の作品です。授業の導入に一例として生徒に見せました。イ (2) 【持ち手をﾚｰｽでｱﾚﾝｼﾞ】各校の状況に応じて教材を選択・トートバッグ（ミニ）は，ミシン活用型と手縫い用があります。学校の設備等により，ミシン製作が困難な場合は手縫い用を。製作時間がかかりすぎないよう，予め一部のみミシン縫いをしたキットになっています。出来上がりはミシン活用型と同じ形・大きさです。・トートバッグは，ミシン活用型で，Ａ４版の教科書が収まる大きさです。わかりやすいア作り方・被服製作の基礎･基本の内容と共に，生徒が作り方を見ながら理解し，製作を進められるようわかりやすく記載しています。 -1- ・トートバッグ（ミニ）の持ち手は，スカートのサスペンダーを活用，トートバッグの持ち手は予め作ってありますので，製作時間の軽減ができます。イ組成表示や洗濯方法・作り方と併せて布地の組成表示･取扱い絵表示を掲載しました。教材の繊維や洗濯方法を知ると共に，その他の繊維の種類や特徴・取り扱い方などに繋げて学習することができます。 (3) 活用できる教材・｢まち｣があってゆったりしたデザインになっています。・トートバッグ（ミニ）は，お弁当やマイボトル，裁縫箱，エプロン等を入れることができます。・トートバッグは，教科書や体操服等を入れることができます。自転車かごに収まる大きさで，肩から掛けられるひもの長さになっています。【ﾚｰｽなどでｱﾚﾝｼﾞしたﾄｰﾄﾊﾞｯｸ】 (4) エコの視点…リユースを考える・表布には制服，内布にはシャツの残反を利用しているので，エコの視点からも授業展開ができます。・制服の生地は，「毛」を含んでいるので，仕上がりが形よく，しっかりしています。【内布はｼｬﾂ地を活用】１本校での実践中学１年生後半にリバーシブルのオリジナルランチョンマットを製作し，中学２年生４月にトートバッグ（ミニ）を製作し，被服製作に係る技術の定着を目指しました。基本型トートバッグ（ミニ）の授業における製作時間は３時間，刺繍やアップリケ・レースつけなどは，各自の自主製作時間としました。また，授業時間内で完成できない場合は，昼休みや放課後を活用して取り組むこととし，大半の生徒は製作完成予定日に完了，そして２～３日以内に全員が完成しました。しかし，その背景には，T･T 授業として明石被服興業株式会社の方々と授業展開したことが大きな要因として上げられます。【生徒の作品】４その他・今回，３パターンを用意しましたが，生徒の状況等に応じて若干の内容変更は可能です。（例：内ポケットをつける，つけない。持ち手はミシン縫いにする，半返し縫いにするなど。）・高等学校においても，被服製作の復習として活用できます。・指導者用キットには，基本的な評価のポイントやこの教材に係る確認テストを含めています。・本教材の販売は「明石被服興業株式会社」が行います。申込みは http://www.akashi-hifuku.jp 教材の価格等について掲載していますので，ホームページを御覧ください。なお，私の経済的便益はありませんので，併せて報告しておきます。 -2-