C060-0026C 島津の粉体測定機器 PARTICLE & POWDER PROPERTY ANALYZER 総合カタログ 粉を測り, 粉を生かす 島津の粉体測定機器 粉体は「混合ができる」 「 ,流動させることができる」, い技術の発展は, これら粉体の特長に負うところがき 「簡単に分割できる」 「 ,液体や気体中に分散できる」 わめて大きいといえます。そのため, 粉体の物性を測 などすぐれた性質をもっています。また, 粒子はその るということは, 今後ますます重要になると予想され 体積にくらべ大きな表面積をもっており, 通常の液体 ています。 や固体にみられない特異な挙動を示します。 しかし, 粉 体は粒 子 の 集 合 体であり, 個々の 粒 子 の 新素材の出現や材料設計という概念の導入など, 新し 性 質と集合体としての性質を合わせもっているため, 浮遊粒子捕集 粒子径分布 シングルナノ粒子径 密度 圧縮強度 吸着 比表面積 細孔分布 Contents 2 粒子径分布測定装置のニーズとシーズ P. 4 ISO13320準拠のスタンダード機 SALD-2300 P. 6 ナノ粒子径分布測定装置 SALD-7500nano P. 8 粒子径分布測定装置 SALDシリーズ P. 10 シングルナノ粒子径測定装置 IG-1000 Plus P. 18 一面的な測定では粉体の正確な姿をとらえることは できません。そのため, 粉体の多面的な測定の必要性 と重要性がさけばれてきています。 粒子を見つめ、世界を拓く。 島津は, 表面特性から粒子径分布や集合特性まで, 粉体 の物性を総合的・多面的にとらえるため, 数多くの粉体測 定機器を提供し, 粉体技術発展の一翼を担っています。 粉体の応用分野 電池 燃料電池 鉄鋼 肥料 洗剤 ガラス 調味料 研磨財 加工食品 プラスチック ファインセラミックス 化石燃料 セメント 耐火物 消火剤 塗料 粉体塗料 繊維 医薬 穀物 飼料 触媒 土壌 河川の土砂管理 ゴム 顔料 火薬 化粧品 鋳物 農薬 紙パルプ 原子燃料 マイクロカプセル 超電導材料 電子部品 陶磁器 ナノ粒子特性評価システム P. 20 粒子径分布測定装置 ● ナノ粒子径分布測定装置 SALD-7500nano ● レーザ回折式粒子径分布測定装置 SALD-3100 ● レーザ回折式粒子径分布測定装置 SALD-2300 ● レーザ回折式粒子径分布測定装置 SALD-300V ● レーザ回折式粒子径分布測定装置 SALD-200V ER シングルナノ粒子径測定装置 ● シングルナノ粒子径測定装置 IG-1000 Plus 比表面積・細孔分布測定装置 ● 流動式比表面積測定装置 フローソーブⅢ 2305/2310 ● 自動比表面積測定装置 ジェミニⅦ 2390シリーズ ● 自動比表面積/細孔分布測定装置 トライスターⅡ 3020シリーズ ● 高機能比表面積/細孔分布測定装置 アサップ2020シリーズ ● 高効率比表面積/細孔分布測定装置 アサップ2420 細孔分布測定装置 ● 自動ポロシメータ オートポアⅣ 9500シリーズ 乾式密度測定装置 ● 乾式自動密度計 アキュピックⅡ 1340シリーズ 浮遊粒子捕集装置 ● 浮遊粒子サンプラ SSPM-100 流動特性評価装置 ● フローテスター CFT-500D/100D 粒子圧縮強度評価装置・硬度計 ● 微小圧縮試験機 MCTシリーズ ● マイクロビッカース硬度計 HMV-Gシリーズ 流動特性評価装置 P. 29 粒子圧縮強度評価装置・硬度計 P. 30 レーザ回折・散乱法(SALD シリーズの測定原理) P. 32 定容積膨張法による密度測定 P. 33 比表面積・細孔分布測定装置 P. 22 細孔分布測定装置 P. 26 乾式密度測定装置 P. 27 ガス吸着法による比表面積/細孔分布測定 P. 34 浮遊粒子捕集装置 P. 28 水銀圧入法による細孔分布測定 P. 35 3 粒子径分布測定装置のニーズとシーズ 粒子径分布は, 粉体, 粉末, 粒子の特性を決定する最も大きな要因の一つです。 粉体, 粉末, 粒子は, さまざまな分野のさまざまな目的・用途に用いられています。そのままの状態で製剤, 触媒, 添加物 やバインダーとして用いられる場合や, 製品の原料として用いられる場合もあります。いずれの場合でも, 粒子径分布は 用途や目的に求められる特性や, 最終製品の性能・品質に大きな影響を与えます。したがって, その特性, 性能, 品質を安 定させたり, 向上させるためには粒子径分布の測定は必要不可欠です。 nm μm 1 5 10 50 100 mm マイクロメー トル ナノメー トル 1 500 5 10 50 ミリメー トル 100 500 1 5 フラーレン ナノ粒子 シリカナノ粒子 ナノインク カーボンブラック リポソーム 医薬品 アセトアミノフェン 酸化チタン 化粧品 タルク パール顔料 コーンスターチ 食品 小麦粉 (薄力粉) 小麦粉 (強力粉) セラミックス カオリナイト アルミナ 高分子 触媒 電子材料 0.005 0.01 アクリルビーズポリマー 酸化バナジウム 硫化亜鉛蛍光体 粘土 土壌・土木 0.001 塩化ビニル粉末 シルト セメント 0.05 0.1 0.5 1 5 nm 5 10 IG-1000 Plus 50 100 μm 1 5 10 50 100 mm ミリメー トル 500 1 5 800 2500 SALD-3100 粗い粒子、比重の大きい粒子対応 0.1 3000 SALD-300V 微粒子対応普及型 350 SALD-200V ER 普及型 350 0.25 0.05 0.1 5000 0.2 0.05 4 500 1000 SALD-2300 SALDシリーズのスタンダード 0.017 0.005 0.01 100 SALD-7500nano ナノ粒子対応 0.007 0.001 50 マイクロメー トル 500 シングルナノ粒子対応 0.0005 10 粒子径: μm ナノメー トル 1 砂 0.5 1 5 10 粒子径: μm 50 100 500 1000 5000 粒子径分布測定装置のニーズとシーズ 島津の粒子径分布測定装置は多様な分野で, 多彩な目的・用途に使用され活躍しています。 1. ナノ粒子 ナノ粒子は, その大きさによって特別な性質を発揮することが期待されています。 コンタミ成分や, 凝集体の存在を確実に把握してスクリーニングを行い, 良好な分散状態を維持する手法を開 発するためには, 粒子径分布測定装置はきわめて重要なツールです。 2. 医薬品 微粒子になるほど比表面積が大きくなり, 溶解しやすくなります。また, 注射液中の粒子の場合 , 粒子径により 毛細血管や血管内壁を通過・透過し体内のどの部位まで到達するかが決定されます。これは医薬品の効果や 副作用に大きく影響します。 3. 化粧品 口紅 , マスカラ, アイシャドーなどの微妙な色彩や光沢の違いは粒子径分布の差によってコントロールされて います。クリームの滑らかさや紫外線の遮断特性なども粒子径分布に依存して変化します。 4. 食 品 多くの食品の原料は粉体です。パンやケーキ, パスタなどの食感や歯ざわり舌ざわりなどは粒子径分布に依 存します。さらに飲料の品質安定のためにも粒子径分布のコントロールは重要です。例えば牛乳や乳酸飲料 では, 容器の上部と底部で濃度や味わいに差が出ないように粒子径を細かくしています。 5. セラミックス セラミックスの特性 , すなわち強度 , 密度 , 硬度 , 耐熱性 , 水や空気の透過性などは, 原料粒子の種類だけでな く粒子径分布によっても大きく変化します。 6. 高分子 パイプ, フィルム, シートの原材料として用いられる場合には, 最終製品の , 強度や光の透過性に粒子径分布が 影響します。 7. 触 媒 化学反応性は比表面積や細孔構造の影響も受けますが , 同一材料の場合 , 粒子径分布を変化させることに よって化学反応性をコントロールできます。 8. 電子材料 電子材料に対しては用途や材質の違いによって粒子径分布の影響のしかたや程度も異なります。最終製品の 品質の向上と安定化のために粒子径分布の品質管理が求められるようになってきています。 9. 土壌・土木 地盤の安定性や強度 , 構造物の強度 , 経年変化の度合いなどに, 土砂やセメントの粒子径分布が大きく影響し ます。さらに, 土砂による環境汚染の拡大規模を把握するためにも粒子径分布の測定が重要です。 粒子径分布測定装置 選定ガイド 主にサブマイクロからマイクロメートルの粒子を測りたい。 ★乾燥粉末のまま測りたい。 レーザ回折式粒子径分布測定装置 SALD-2300 ★乾式ユニットの追加 主にマイクロメートルからミリメートルの粒子を測りたい。 金属のような比重の大きい粒子を測りたい。 ★乾燥粉末のまま測りたい。 レーザ回折式粒子径分布測定装置 コストが重要。 主にマイクロメートルの粒子を測りたい。 湿式測定で比重が小さい粒子を測れればOK。 レーザ回折式粒子径分布測定装置 シングルナノ粒子(一桁nm)を測りたい。 凝集体やコンタミが無いことは確認されている。 シングルナノ粒子(一桁nm)を測りたい。 しかし凝業体やコンタミの有無もわからない。 ナノ粒子サンプル中の凝集体やコンタミの有無を確認 するためのスクリーニングを行いたい。 粘性の高い媒体中のナノ粒子を測定したい。 SALD-3100 ★乾式ユニットの追加 SALD-200V ER, SALD-300V シングルナノ粒子径測定装置 IG-1000 Plus SALD-7500nanoでスクリーニングし IG-1000 Plusで測定 ナノ粒子径分布測定装置 SALD-7500nano 5 多彩なオプションと解析アプリケーションで幅広い粒子径分布測定に対応 ISO13320準拠のスタンダード機 レーザ回折式粒子径分布測定装置 SALD-2300 粒子径分布は粉体独特の物性であり, 粉体の挙動や性質を決める重要な物性の一つです。 SALD-2300 は, 医薬, 化粧品, 食品, 飲料, 顔料・塗料, セラミックス, 電子材料など 幅広い粒子径分布測定に対して多彩なオプションと解析アプリケーションで対応します。 さらにSALD シリーズのスタンダード機として, 従来のSALD-2000/2000A/2000J/2100/2200とのデータの互換性, 継続性を重視しながら操作性と解析機能を強化しています。 レーザ回折式粒子径分布測定とは? 粒子群にレーザ光を照射し, そこから発せられる回折・散乱光の強度分布パターンから 計算によって粒子径分布を求める方法です。 測定範囲が広い・測定時間が短い・湿式測定も乾式測定も可能などの優れた特長を持っており, 現在では粒子径分布測定装置の主流となっています。 測定原理はP32をご覧下さい。 6 高い汎用性 測定範囲は17nm∼2500μm(多機能サンプラによる湿式測定の場合) 例えば平均粒子径50nmのポリスチレンラテックス粒子から直径2mmのステンレスボールまで1台の装置で測定できます。 60 10 40 5 20 0.05 0.1 0.5 1 5 10 粒子径(μm) 50 100 500 1000 q3(%) 50 80 40 60 30 40 20 20 10 0 5000 0 0.01 0.05 0.1 平均粒子径50nmのポリスチレンラテックス粒子 0.5 1 5 10 粒子径(μm) 50 100 500 1000 相対粒子量(頻度) 15 相対粒子量(積算) 80 0 0.01 Q3(%) 100 q3(%) 20 相対粒子量(頻度) 相対粒子量(積算) Q3(%) 100 0 5000 直径2mmのステンレスボール 幅広い用途、目的、測定対象と、多様な測定環境、測定条件に合わせて多彩なシステムを構成できます。 多機能サンプラ SALD-MS23 湿式測定システム ・液中分散測定の標準機。 ・直径2.5mmまでの粒子の安定した分散を実現 する循環式サンプラ ・超音波分散器も標準装備 サイクロン噴射型乾式測定ユニット SALD-DS5 WingSALDⅡ PCセット 測定部(光学系) SALD-2300 高濃度サンプル測定ユニット SALD-HC23 乾式測定システム ・粉末のまま測定する場合の標準機 ・吸引と噴射の2段階で強力な分散を実現 ・サンプルを容器に入れるだけの簡単操作 ・ホッパにサンプルを投入するだけのワンショッ トやビーカーから直接吸引するハンドショット も付属 高濃度測定システム ・二枚のガラス板に試料を挟み、最大20wt% 程度の高濃度サンプルを希釈なしで測定可能 極微小量測定システム ・くぼみ付きガラス板の使用で15μL∼150μL の極微小量サンプルの測定が可能 回分セル SALD-BC23 小容量測定システム ・12mLの小液量で測定が可能 ・有機溶媒や酸の使用も可能 ・PC制御沈降抑制かくはん機構搭載 測定対象や測定目的によって異なる多様なサンプル量(懸濁液量)に対応できます。 ● 多機能サンプラのサンプル量は可変、100mL、200mL、300mLから選択することができます ● 回分セルは12mL ● 高濃度サンプル測定システムでは、 くぼみセルを選択することによって15μL∼150μLの極少量に対応。 7 代替手段のない 高感度ナノ粒子径分布測定を実現 ナノ粒子径分布測定装置 SALD-7500nano ナノテクノロジー、ライフサイエンス、 ファインバブルなど、 最先端の技術開発・製品開発を強力にサポートします ナノ粒子の実用化において最も重要な分散・凝集特性の評価を広範囲かつリアルタイムで実現。 低濃度ナノ粒子や光吸収性の高いナノ粒子の粒子径分布を正確かつ高感度に測定したいという強いニーズに応えて開 発しました。ナノ領域において従来の約10 倍の高感度を実現、1ppm未満の低濃度サンプルも測定可能。今までは諦 めていた低濃度ナノ粒子の測定が可能になります。 ファインバブル(100 nm∼60 μmの微細気泡)を1台の測定装置でカバー、 しかもリアルタイムで気泡径の変化をト レースすることができます。 バイオ医薬品に含まれるサブビジブル領域の凝集体評価にも対応、専用オプションを追加したバイオ医薬品凝集性評価 システムもラインナップ。 8 7 nm∼800 µmの幅広い粒子径範囲をカバー 一次粒子から凝集体、コンタミまでを一台の装置で測定 ● 測定範囲7 nm∼800 µmの粒子の変化を、単一光源、単一光学系および単一の測定原理で、切れ目なく連続的に測定できます。 ● 一次粒子から凝集体、 コンタミまでを一台の装置で測定できるので、分散条件などによる凝集特性を幅広い範囲で確認できます。 ナノ粒子の実用化において最も重要な分散・ 凝集特性の評価を広範囲かつリアルタイムで実現 最短1秒間隔で連続測定、 リアルタイムでのモニタリングも可能 ● 測定時間は最短で1秒。1秒間隔での連続測定やリアルタイムでのモニタリングが可能。これは、光源の切り換えが必要ない単一光源−広角度検 出方式だからこそ実現できる機能です。 ● ナノ粒子の分散・凝集・溶解などの反応プロセスを最短1秒間隔で連続観察し、その結果を保存することができます。さらに、統計処理、三次元表示 などの機能を使用して多角的に分析・評価することができます。 ファインバブルの発生状況をインラインでモニタリングすることが可能です。 ● フローセルをファインバブル発生装置に直結すれば、 排水 ポンプ 測定部(光学系) Wingセンサ II フローセル 側方散乱 光センサ 半導体レーザ 後方散乱光センサ 集光レンズ ファインバブル発生装置 注水 ファインバブルの変化を インラインリアルタイムでモニタリング バイオ医薬品凝集性評価システム Aggregates Sizer バイオ医薬品におけるSub-visible particle領域の凝集体の粒子径分布測定に最適 バイオ医薬品の凝集体にはIVP(In-visible Particle)、SVP (Sub-visible Particle)、VP(Visible Particle) と凝集粒子の 大きさによって分類されております。このうちSVP(0.1∼10 μm) 領域の粒子測定は、 これまで複数の手法を併用して解析されている のが一般的です。 バイオ医薬品凝集性評価システムは、SVP領域において粒子径分 布のほか、粒子量を濃度(単位:μg/mL) として定量的に評価することが可能です。 ① SVP領域の凝集体の濃度を定量評価 ② 高感度で凝集体を測定 ③ 最短1秒間隔で凝集していく過程を定量的に評価 9 粒子径分布測定装置 SALDシリーズ 粒子径分布測定装置 SALDシリーズ一覧 ナノ粒子径分布測定装置 SALD-7500nano ● 測定範囲:7nm∼800μm 光源:青紫色半導体レーザ(波長405nm) ● ナノ粒子の分散・凝集に関する時間的変化を広い範囲で評価できます。 ● DLS(動的光散乱法) に比べて以下の利点を有しています。 ● 1秒間隔でのリアルタイム測定可能 ● 粘性の高い媒体やフィルムなどの固体中に分散したナノ粒子も測定可能 ● 0.1ppm∼20%の広い粒子濃度範囲で測定可能 ● 測定上限が800μm(800,000nm) と広いので, 凝集体やコンタミ成分 を確認でき, ナノ粒子サンプルのスクリーニングにも利用可能 ● 湿式測定専用機 レーザ回折式粒子径分布測定装置 SALD-2300 測定範囲:17nm∼2500μm ● 光源:赤色半導体レーザ(波長680nm) ● SALD シリーズのスタンダード機です。医薬, 食品, 電子材料など幅広い粒子径 分布測定に対応します。従来のSALD-2000/2000A/2000J/2100/ 2200とのデータの互換性, 継続性を重視しながら操作性と解析機能を強化し ました。 ● 噴射型 乾式測定にも対応 SALD-3100 ● ● 測定範囲:50nm∼3000μm 光源:赤色半導体レーザ(波長690nm) 土砂や金属粒子など粗い粒子や比重の大きな粒子の測定にも対応しています。 土木, 建設分野や, 河川, 海岸の環境問題の研究, 防災対策などの目的に使用 されています。火力発電所などでは石炭灰の評価に使用されています。 ● 噴射型/自由落下型 両方の乾式測定に対応 SALD-200V ER 測定範囲:250nm∼350μm ● 光源:赤色半導体レーザ(波長670nm) ● 高性能, 省スペース, 低価格を実現した普及型の粒子径分布測定装置です。 ● 食品・飲料・医薬品・化粧品・エマルジョンなど比較的比重の軽いサンプル(比重2 以下) に適しています。 ● 湿式測定専用機 SALD-300V 測定範囲:100nm∼350μm ● 光源:青紫色半導体レーザ(波長405nm) ● SALD-200VERを基本に光源および光学系を改良し微粒子領域での性能を強 ● 湿式測定専用機 化しました。顔料・塗料など青色系, 黒色系の測定も可能になりました。 10 粒子径分布測定装置 SALDシリーズ 特 長 “高分解能”,“高再現性”,“高感度,“高濃度,“高速”,“高信頼性”,“高効率”測定を実現 高分解能 5ピークの粒子径分布も正確に検出する高分解能 粗い粒子からの散乱光は光軸近傍の低角度に集中し微小角度内で激しく変動しますが、微小粒子からの散乱光は中心から高角度ま で緩慢に変動します。一方、粗い粒子からの散乱光強度は非常に強く、微小粒子からの散乱光強度は微弱です。 SALD-7500nano/SALD-2300で採用したWingセンサⅡでは、同心円状の78個の検出素子を中心から周辺に向かって対数的 に検出面積が増加するように配置し、粒子径と散乱光の関係を効果的に利用することによって広い粒子径範囲における高分解能を 実現しています。WingセンサⅡのほか側方1素子、後方5素子のセンサを採用しています。 q3(%) 相対粒子量 (頻度) 相対粒子量 (積算) Q3(%) 粒子径 (μm) 5 ピークを持つ粒子径分布データ 複雑な分布形態を持つ粒子径分布も確実に再現できます。 0.7, 2, 5, 25, 100μmの5種類を混合した粒子の測定例 WingセンサⅡ ※SALD-3100では、Wingセンサ(76素子)を使用しています。 ※SALD-300V、SALD-200V ERでは、54素子のセンサを使用しています。 高再現性 粒子径 (μm) 相対粒子量 (頻度) 相対粒子量 (積算) 相対粒子量 (頻度) 相対粒子量 (積算) 光学系の安定性を追求し、再現性の良い測定を実現しました。測定装置の高い再現性を確保しているのでサンプルの微妙な変化を 確実に捉えることができます。 粒子径 (μm) 同一サンプルを10回測定したデータの重ね描き NIST(アメリカ国立標準技術研究所)トレーサブルな粒子を非常に 高い再現性で測定できます。複数回測定した平均粒子径の標準偏 差がほとんど0になります。 高感度・高濃度 他の手法に比べて、非常に広い濃度範囲(0.1ppm∼20%)で測定が可能です。希釈をすることで粒子径分布が変化してしまうよう なサンプルでも、原液のまま、あるいは必要最低限の希釈をするだけで測定が可能なため、より正確な測定を行うことができます。 粒子径 (μm) 数ppmの低濃度でリポソームを測定した結果です。分散状態によ り, 多くの凝集体が残ることが確認できました。 希釈して測定 相対粒子量 相対粒子量 (頻度) 相対粒子量 (積算) 原液のままで測定 粒子径 (μm) ハンドクリームを原液のまま (高濃度)で測定した場合と希釈して測 定した場合を比較したものです。希釈によって分布幅が狭くなるこ とがわかります。 11 粒子径分布測定装置 SALDシリーズ 高 速 最短1秒間隔で、粒子径の経時変化を連続測定し、その結果を保存することができます。さらに、結果を三次元表示などの機能を使っ て多角的に分析・評価することができます。例えば、粒子群の分散・凝集・溶解の反応過程をモニタリングすることができます。 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 80秒 後 100秒 後 120 秒 後 140秒 後 9. 10. 160秒 後 180秒 後 q 3 (%) 20 18 16 1 0 0% = 2 00 0 相対粒子量 回折散乱光 ( %) 1 00 最初 20秒 後 40秒 後 60秒 後 80 60 40 14 12 10 8 6 4 20 2 0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 センサの 素 子 番 号 45 50 55 60 65 5 0.1 0.5 1 5 粒子径 (μm) 10 50 炭酸カルシウムの溶解過程を光強度分布データと粒子径分布データで示したものです。 溶解は径の小さい粒子から進み, 大きな粒子の相対粒子量が増えていく様子を見ることができます。 高信頼性 レーザ回折法 ISO 13320/JIS Z 8825-1 準拠 SALD システムは、 レーザ回折・散乱法の規格ISO 13320およびJIS Z 8825-1に準拠しています。 JIS 標準粒子でバリデーションが可能 装 置 性 能を確 認するための サンプ ルには、J I S Z 8 9 0 0 - 1で規 定される標 準 粒 子「 M B P 1 - 1 0 」を使 用することができます (SALD-7500nano、SALD-2300の場合)。このサンプルは、広い粒子径分布を持ち、その分布がJISで規定されています。この サンプルを使用することで、装置が常に正確な状態であることを検証できます。 SALD-3100、SALD-300V、SALD-200V ERでは、JIS Z 8901で規定される試験用粉体JIS 11種をバリデーションに使 用しています。 ※SALD-7500nano、SALD-2300では、MBP1-10(S347-61004)を標準付属品としています。 ※SALD-3100、SALD-300V、SALD-200V ERでは、JIS 11種を標準付属品としています。 SALD-3100用(S346-63722)、SALD-300V用(S346-62474)、SALD-200V ER用(S346-62340-01) メンテナンスが容易 強 力 な自己 診 断 機 能を組 み 込 みました。各 種センサ / 検 出 素 子 の 出 力 信 号や 装 置 の 動 作 状 況 がチェックでき、メンテ ナンスが 容 易になりました 。また 、オペレー ションログ( O p e r a t i o n L o g )機 能により、すべての 測 定データには、装 置 の 使 用 状 況 やセ ル の 汚 れの 状 態 などきめ 細 か な 情 報 が 同 封 されて おり、過 去にさか の ぼってデ ータの 妥 当 性を検 証 することができます。また、セル の 汚 れ具 合 の 確 認も可 能です。 光学系の安定性を追求 全 方 位 衝 撃 吸 収 機 構:O S A F( O m n i d i r e c t i o n a l S h o c k A b s o r p t i o n F r a m e )を採 用 。光 学 系 の 全ての 要 素を衝 撃や 振 動 などの 外 乱から完 全に隔 離しています。このため光 軸 調 整はほとんど必 要 ありませ ん 。 光強度分布データ(生データ)を参照しながら測定結果(粒子径分布データ)の妥当性を検討できます。 同 一 画 面 に 、光 強 度 分 布 デ ー タ( 生 デ ー タ )と測 定 結 果( 粒 子 径 分 布 デ ー タ )を 表 示 できるの で 、両 方 の デ ー タを 参 照しな がら測 定 結 果 を 検 証 することが でき ます。 検 出 信 号 のレベ ル( 粒 子 濃 度 )が 適 正 かどうか の 検 証 だけでなく、分 布 幅 の 広 さ や 凝 集 体 やコンタミ成 分 の 存 在 などを 多 角 的 に 検 討し測 定 結 果 の 妥 当 性 を 確 認できます。 12 粒子径分布測定装置 SALDシリーズ 高効率と高信頼性 屈折率選択のミスやわずらわしさを解消 屈折率自動計算機能を搭載 レーザ回折・散乱法では避けて通れない屈折率の選択につい ては、文献値を入力する方法などが一般的でしたが、粒子組 成や形状の影響から必ずしも妥当とは言えませんでした。そ のため、 トライ&エラーによる屈折率の選択という煩雑な作 業 も 行 われてきました 。このような 問 題を解 決 するために LDR法(Light Intensity Distribution Reproduction Method、光強度分布再現法)に基づいて妥当と思われる屈 折率を自動計算する機能を世界で初めて搭載しました。 トップ5(第1番目から第5番目まで)の屈折率の候補が評価 ポイントとともに表示され、その屈折率を用いた場合の粒子 径分布もサムネイルとして表示されます。評価ポイントとサ ムネイルを参考に妥当な屈折率を選択することができます。 ②評 価 ① 屈折率の範囲を指定 ※LDR法は、実測された光強度分布と粒子径分布データから再現(再計算)され た光強度分布との一致性から妥当な屈折率を自動計算する手法です。これは弊 社が開発した手法で、2件の論文として発表され、 「 木下の手法」と呼ばれること もあります。 主要物質については、 リストから屈折率を選択することができ ます。 ③ 屈折率と粒子径計算 結果の候補を表示 SOP作成によりいつも確実に同一条件・同一手順で測定できます アシスト測定機能を搭載 「いつでも、どこでも、誰でも が同じ測定結果を得られる。」 というコンセプト実 現に重 要な機 能です。作 成・指 定された SOPにしたがってPC制御による自動測定を進めることがで き、オペレータの作業は、サンプルの前処理とサンプル投入 だけになります。 前処理方法・条件を含めて測定条件・測定手順を作成・保存し 共有することで、オペレータの交替や、異なる場所・工場での 測定時も同一条件・同一手順で測定することができ、安心して データ比 較を行って頂けます。さらに測 定 時に「アシスト機 能」を使用することで測定者への作業指示が画面に表示され ますので、オペレータの経験に依ることなく正しい測定を行っ て頂けます。 また、操作権限が管理者とオペレータに分かれており、セキュ リティについても配慮しています。 ※SOPは、"Standard Operation Procedure" を略した用語です。 測定条件・手順(SOP)を 作成・保存 測定時、手順・注意点 などを対話的に表示測 定手順の標準化 うっかりミスを防止! オペレータが使用できる 機能を制限できる セキュリティ機能つき 13 粒子径分布測定装置 SALDシリーズ 測定対象に適した多彩な周辺装置群 SALDシリーズ測定機能一覧表 機 種 性 能 SALD-7500nano SALD-2300 SALD-3100 測定原理 0.007∼800 0.017∼2500 0.05∼3000 0.1∼350 0.25∼350 ひとつの測定原理, ひとつの光学系, ひとつの光源で全測定範囲をシームレスにカバー 半導体レーザ 光 源(波長nm) 405 検 出 器 乾式測定 SALD-200V ER レーザ回折・散乱法 測 定 範 囲(μm) 湿式測定 SALD-300V 680 690 84 素子 405 670 54 素子 81 素子 サンプラ(循環式) ○※1 ○※2 ○※3 ○※4 ○※4 回分セル(バッチ式) ○※5 ○※6 ○※7 ○※8 ○※8 高濃度サンプル ○※9 ○※10 ○※11 ○※12 ○※13 ○※14 ○※15 噴射型 自由落下型 ○※16 ※1 ※2 ※3 ※4 ※5 ※6 ※7 ※8 ※9 ※10 ※11 ※12 ※13 ※14 SALD-7500nano用多機能サンプラSALD-MS75(P/N S347-61711-41)をご利用ください。本体(測定部) とは別売です。 SALD-2300用多機能サンプラSALD-MS23(P/N S347-61701-41)をご利用ください。本体(測定部) とは別売です。 SALD-3100用標準サンプラSALD-MS30(P/N S346-63701-10)をご利用ください。本体(測定部) とは別売です。 SALD-200V ERおよびSALD-300V用のサンプラは、標準付属されています。 SALD-7500nano用回分セル(P/N S347-61712-41)をご利用ください。本体(測定部) とは別売です。 SALD-2300用回分セル(P/N S347-61702-41)をご利用ください。本体(測定部) とは別売です。 SALD-3100用回分セル(P/N S321-48338-02)をご利用ください。本体(測定部) とは別売です。 SALD-200V ERおよびSALD-300V用の回分セルは、標準付属されています。 SALD-7500nano用高濃度測定ユニット (P/N S347-61713-41)をご利用ください。本体(測定部) とは別売です。 SALD-2300用高濃度測定ユニット (P/N S347-61703-41)をご利用ください。本体(測定部) とは別売です。 SALD-3100用高濃度サンプル測定システム(P/N S347-60001-11)をご利用ください。本体(測定部) とは別売です。 SALD-300V用高濃度サンプル測定システム(P/N S346-63420-11)をご利用ください。本体(測定部) とは別売です。 SALD-200V ER用高濃度サンプル測定システム(P/N S346-63141-11)をご利用ください。本体(測定部) とは別売です。 サイクロン噴射型乾式測定ユニットSALD-DS5(P/N S347-61706-41)をご利用ください。本体(測定部) とは別売です。 他にコンプレッサ, 集塵機が必要です。 ※15 サイクロン噴射型乾式測定ユニットSALD-DS5(P/N S347-61707-10)をご利用ください。本体(測定部) とは別売です。 他にSALD-3100用検出部ケース(P/N S347-60010-11) とコンプレッサ, 集塵機が必要です。 ※16 自由落下型乾式測定ユニットSALD-DS3(P/N S346-61206-11)をご利用ください。本体(測定部) とは別売です。 他にSALD-3100用検出部ケース(P/N S347-60010-11) と集塵機が必要です。 最も標準的な湿式測定手法です SALD-3100/SALD-2300/SALD-7500nano用 サンプラ SALD-MS シリーズ 測定部 (フローセルが付属しています。) ● 測定部にセットされたフローセルとサンプラの分散槽の間を, 媒液に分散させた粒子 ● 分散槽には攪拌機と超音波振動子を内蔵。分散させた懸濁液を, ポンプによってフロ ● ポンプは媒液だけでなく, 粒子を確実に循環させるために特別に設計されたものです。 ● ほとんどの有機溶媒を分散媒として使用することができます。 光源 群を循環させながら測定を行ないます。 ーセルに送ります。 分散槽容量 ポンプ最大流量 400 cm3 5000cm3/min なし 不可 SALD-3100 S347-61701-41 SALD-MS23 100∼300 cm3 ※1 2000cm3/min あり 可 SALD-2300 S347-61711-41 SALD-MS75 100∼300 cm3 ※1 2000cm3/min あり 可 SALD-7500nano P/N 型 名 S346-63701-10 SALD-MS30 ※1 14 媒液供給ポンプ PC制御 対応機種 SALD-MS23およびSALD-MS75の分散槽容量は可変です。100 cm3、200 cm3、300 cm3から選択することができます。 前方散乱光センサ 側方散乱光センサ 後方散乱光センサ フローセル サンプラ部 攪拌機 分散槽 超音波振動子 ポンプ 粒子径分布測定装置 SALDシリーズ 少量のサンプルと媒液で測定できます SALD-3100/SALD-2300/SALD-7500nano用 回分セル SALD-BC シリーズ (漏斗および攪拌機構付き) ● 少量のサンプル(測定対象粒子) と媒液(分散媒)で測定できます。 ● 有機溶媒や酸を使用できます。 ● 有機溶媒や酸を含む懸濁液の廃液処理が少量で済みます。 ● 攪拌プレートの上下運動で粒子の沈降を抑制します。 ● フッ化エチレン樹脂製の漏斗(ろうと)がついているので懸濁液が 漏斗(ろうと) こぼれにくく指や手につく可能性が少なくなりセルの表面も汚れ 島津だけじゃよ ません。 P/N 型名 容量 対応機種 S321-48338-02 SALD-BC30 12cm 3 SALD-3100 S347-61702-41 SALD-BC23 12cm3 SALD-2300 S347-61712-41 SALD-BC75 5cm3 SALD-7500nano 回分セル レーザ光 上下運動の ストローク 攪拌用プレート 高濃度サンプルを希釈せずに測定できます フローセルまたは回分セル SALD-HC シリーズ 多重散乱光 SALDシリーズ用 高濃度サンプル測定システム レーザ光 ● レーザ回折・散乱法を用いて高濃度サンプルの測定を行うことができます。 ● 2枚のガラス板の間にサンプルをはさみこむことによって, 光路長を極限ま で短縮し, 多重散乱の悪影響を回避します。 ● 希釈することによって粒度分布が変化してしまうようなサンプルを, 原液のま 島津だけじゃよ まで, あるいは必要最小限の希釈だけで測定を行い, 測定対象の実像を正 ガラス板(スライドグラス) 確にとらえます。 型 名 対応機種 SALD-HC30 SALD-3100 S347-61703-41 SALD-HC23 SALD-2300 S347-61713-41 SALD-HC75 SALD-7500nano S346-63420-11 SALD-300V-HC SALD-300V S346-63141-11 SALD-200VER-HC SALD-200V ER 回折・散乱光 P/N S347-60001-11 光路長 通常の回分セルおよびフローセルを用いた場合 レーザ光 側方/後方散乱光 長 路 光 2枚のガラス板でサンプルを挟んだ場合 ガラス試料板 (くぼみ付きスライドグラス, 別売) 中途半端な濃度のサンプル, 非常に高価で極少量しか使えないサンプル, 極少量しか採取できないサンプル ■外形 円形のくぼみ の測定に有効です。 P/N 名 称 くぼみの深さ 枚 数 サンプル量 粒子濃度(重量%) S346-62295-01 ガラス試料板(0.1mm) 0.1mm(100μm) 10枚 0.03cm3 S346-62295-02 ガラス試料板(0.2mm) 0.2mm(200μm) 10枚 0.06cm3 S346-62295-03 ガラス試料板(0.3mm) 0.3mm(300μm) 10枚 0.09cm3 S346-62295-04 ガラス試料板(0.4mm) 0.4mm(400μm) 10枚 0.12cm3 S346-62295-05 ガラス試料板(0.5mm) 0.5mm(500μm) 10枚 0.15cm S346-62295-06 ガラス試料板(0.05mm) 0.05mm(50μm) 10枚 0.015cm3 S347-60002 ガラス試料板セット 0.05∼0.5mm 各2枚 くぼみの深さ 断面 ガラス資料板 (くぼみ付きスライドグラス) 数百ppm∼数% ■使用例 (くぼみセル) スライドグラス 3 ガラス試料板 サンプル 合計12 枚 ※「ガラス試料板(くぼみ付スライドグラス)」は, 高濃度サンプル測定システムのオプションセルです。 測定を行うには, 高濃度サンプル測定システムが必要です。 15 粒子径分布測定装置 SALDシリーズ 粉末サンプルをそのままで測定 SALD-2300/SALD-3100用 サイクロン噴射型乾式測定ユニット SALD-DS5 ● 噴射型乾式測定は, 圧搾空気を用いて, ノズルから測定対象となる 粉体を噴射し, 空気中に分散させて測定する方式です。湿式測定で は対応できない測定対象や測定目的の粒度分布測定を実現します。 ● 水や分散媒に溶解してしまうため, 湿式では測定できない 医薬品や食品 ● 粉体塗料のようにその使用目的/条件から考えて, 乾式で 測定すべきサンプルなどの測定に最適です。 ● 3種類のサンプル吸引機構(サイクロン方式、 ワンショット方式、 ハン SALD-2300にサイクロン噴射型乾式測定ユニットSALD-DS5 を装着 ドショット方式) と3種類の噴射ノズルを標準装備、サンプルの特性 や量に合わせて最適な組み合わせで測定を行うことができます。 ● サンプル吸引機構 ホッパ 適しています。 Wing センサ ● (前方回析・散乱光センサ) エジェクタ 逆流防止空気注入口 集光レンズ 3 種類 エジェクタ 吸引チューブ ● 粒子群 噴射ノズル ハンドショット方式ではビーカや薬包紙から直 接サンプルを吸引し測定することができます。 回析・散乱光 ハンドショット方式 ワンショット方式では、小さなホッパにサンプル を投入するだけで測定でき、少量のサンプルに 測定部 ワンショット方式 サイクロン方式では、専用バイアルビンに装填 したサンプルを旋回させながら吸引し、さらに 噴射 ノズルから噴射して測定を行います。吸引と噴 吸引 射の2段階で分散力が作用するため、凝集体 レーザビーム エアバルブ 手元スイッチ 吸引ノズル サイクロン方式 集塵機が動作しているときだけ、 エアバルブを開けてサンプルを 噴射できる。 圧力調節機構 (PC 制御) PC を多数含むサンプルについても再現性のよい 測定が実現できます。またバイアルビンを使用 集塵機動作 確認用圧力 センサ 集塵機 するので、サンプルの飛散がなく、オペレータ の手も汚れません。 コンプレッサ (圧縮空気源) P/N 型名 対応機種 S347-61707-10 SALD-DS5 for 3100 SALD-3100 S347-61706-41 SALD-DS5 for 2300 SALD-2300 ※1:本体(測定部)の他にコンプレッサ, 集塵機が必要です。 ※2:SALD-3100には、専用の検出部ケース(P/N S347-60010-11)が必要です。 こわれやすい粒子をやさしく測定 SALD-3100 用 自由落下型乾式測定ユニット SALD-DS3 ● ● (P/N346-61206-11) サンプルを振動フィーダより自由落下させて測定を行います。 大きなサンプルや壊れやすいサンプルを分散させずに測定する のに適しています。 振動フィーダ 自由落下 回折・散乱光 センサ 回折・散乱像 集光レンズ 吸引 レーザ光源 コリメート レンズ 検出面 16 SALD-3100に自由落下型乾式測定ユニットSALD-DS3を装着 粒子径分布測定装置 SALDシリーズ ぶっちぎり 世界最速の処理能力!洗浄を含めて1サイクル30秒の測定を実現 SALD-3100 + 非循環式サンプラSALD-AC30 SALD-3100高速湿式測定システム ● 洗浄を含めて30秒で1サイクルの測定を実現。 島津だけじゃよ 30秒のインターバルで連続測定可能。最大で従来の10倍の測定効率 を実現しました。 ●1時間に120サンプルの測定が可能 10時間もかかっていた測定が1時間で完了。 省力化, 効率化に大きな効果。 粉砕プロセスのように, 短時間で粒子径 分布が変化するような対象の評価に威力を発揮します。 ● 「チャポン」と投入するだけで全自動測定。 サンプル投入を検出し, 自動的に測定およびデータの保存を実行します。 ● 通常の循環式測定にも切替可能。 循環/非循環 切替バルブ 測定手順 測定部 前方散乱光センサ 側方散乱光センサ 光源 SALD-3100高速湿式測定システムを使用している間, 清浄な媒液を常 に導入し 分散槽から測定部を通じて排出を続けます。つまり, 分散槽, セル 排出 および配管内は常に洗浄している状態となっています。 フローセル 後方散乱光センサ 非循環式サンプラ この状態で, 分散槽にサンプルを投入すると, 強力なホモジナイザーで瞬 ホモジナイザー 間的に分散し, 攪拌機で希釈して, ポンプで測定部へ懸濁液を送り出します。 媒液導入 サンプル投入 測定部では, 媒液(懸濁液)が一定濃度を超えると, サンプルが投入された モータ 攪拌機 ことを認識し, 回折・散乱光の検出を開始します。その後, 媒液(懸濁液)が 一定濃度を下回ると, サンプルが排出されたことを認識し, 回折・散乱光の 検出を終了します。 このようにサンプルが投入され排出されるまでの全ての回折・散乱光を自 分散槽 動的に検出して粒子径分布を測定しその結果を保存します。 モータ ポンプ サンプルが排出された後は, 清浄な媒液だけを流しつづける待機状態に戻 ります。 以上が1サイクルの測定となります。 サンプル投入 しきい値 洗浄 回折・散乱光の検出 1 cycle : 30秒 次回の測定 濃度 この1サイクルが約30秒です。 サンプル投入 洗浄 データ保存 粒度分布計算 省力化についてのオートサンプラと高速湿式測定システムとの比較 あらかじめ複数の小さなカップ等にサンプルをセットしておき, これを順番かつ自動的に分散槽に投入して測定を行なうオートサ ンプラがあります。オートサンプラを使用すると人間が行なう作業はサンプルのセットだけになりますから一応省力化は実現でき ますが, 測定時間そのものが短くなるわけではありません。セットできるサンプル数は通常30サンプル程度なので, 例えば120 サンプルを測定しようとすれば, 4回サンプルをセットする必要があります。このサンプルのセットは順番を間違えないように注意 する必要があり, 意外に手間のかかる作業になります。したがって, かえって測定時間が長くなってしまいます。 また, 測定終了後にまとめてデータをチェックする時間も必要になります。さらに途中でトラブルが発生していた場合には以後のデ ータは無効になる事もあり,「しまった」と思うことになってしまいます。総合的に考えると120サンプルの測定は10時間かけても 完了できません。これに対して, SALD-3100高速湿式粒子径分布測定システムでは, サンプルを投入するだけで全自動測定が できます。しかもサンプル投入後20秒以内に測定結果が表示されるので, つぎの投入までの間(10秒間)に, その場でデータをチ ェックすることができます。したがって, 全測定が終了したあとで「しまった」と思うことがありません。確実に120サンプルの測定 を1時間で完了できますので, オートサンプラよりも省力化に効果を発揮します。 17 シングルナノ粒子径測定装置 画期的なナノ粒子径測定技術IG法を採用 シングルナノ粒子径測定装置 Single Nano Particle Size Analyzer IG-1000 Plus ● 島津だけじゃよ シングルナノ粒子の粒子径を高感度かつ再現性よく測定で きます。 ● 分布幅の広いサンプルを正確に測定できます。 ● 通常の環境下で測定可能、徹底した前処理(ろ過)も不要 です。 ● 粒 子 の 屈 折 率や 色 の 影 響をほとんど受けませ ん 。屈 折 率を設定(入力)する必要もありません。 ● 生 デ ータ( 回 折 光 強 度 の 時 間 的 変 化 )を用 い て 測 定 結 果の妥当性が検証できます。 測 定 法 IG法(Induced Grating Method 誘導回折格子法) 測定範囲 0.5 ∼ 200nm ★ 日刊工業新聞社 第51回十大新製品賞受賞 ★ 2009ピッツ展 Annual Editors’Choice Awards ブロンズ賞受賞 測定原理 粒子回折格子の拡散 外力 (誘電泳動) OFF ON 回折光強度 OFF レーザ光 粒子径 大 粒子径 小 時 間 粒子回折格子 生成 1次回折光 拡散 IG法では, 液中に粒子群で構成される回折格子を作り, それが拡散・崩壊していくスピードから粒子径を求めています。大きな粒子はゆっく り拡散し, 小さな粒子とくにシングルナノ粒子は急速に拡散します。拡散のプロセスを回折光強度の変化として検出しています。 回分セル内にサンプル(液中に分散されたナノ粒子)を投入し, サンプル懸濁液 交流電圧 a:くし型電極のピッチ バッチセル 2a 18 印加すると誘電泳動の作用で, 左右の電極が対峙する部分の 粒子濃度が高まり, 周期的な粒子濃度の変化すなわち粒子回 a ガラス基板 さらに電極基板を挿入して測定を行います。電極に交流電圧を くし型電極 粒子による回折格子 折格子が生じます。交流電圧を停止すると, 粒子回折格子を構成 していたナノ粒子が拡散をはじめるのでそ のスピードから粒 子 径を求めることができます。 シングルナノ粒子径測定装置 測 定 例 測定例(1) 水酸化フラーレン 測定例(2)分布幅の広いサンプル 平均径が1nm前後の代表例である水酸化フラーレンでも, 高感度か 分布範囲が10倍におよぶ広い分布を持つナノ粒子でも, つ再現性よく粒子径を測定することができます。 ほうに片寄ることなく, 小さな粒子の存在を正確にキャッチします。 大きい (測定濃度 : 0.1wt%) サンプルご提供: 大阪大学 小久保先生 測定例(3)混合サンプルの測定 混合サンプルの評価ができます。IG法では、粒子による回折格子の拡散現象を用いるので, 信号量が粒子径に依存しません。 したがって混合サンプ ルの評価が可能になります。散乱光を使う方法では, 同一体積でも信号量が粒子径の3乗に比例するため, 混合物の評価は困難です。 コロイダルシリカ ○:A, ●:B, △:A+B ポリスチレンラテックス ○:50nm, ●:100nm, △:50nm+100nm 生データ(回折光強度の変化)を用いて測定結果の妥当性を検証できます。 粒子径が小さくなると回折光強度の減少の 勾配が急になり, 粒子径が大きいときは勾配 が緩やかになります。 したがって, 粒子径(平 均粒子径)の大小関係を一見して確認でき ます。 仕 様 項 目 仕 様 測 定 原 理 IG法(Induced Grating Method)誘導回折格子法 測 定 範 囲 0.5nm∼200nm 測 定 時 間 30秒(測定開始からデータ表示まで) 測 定 方 式 回分セル方式( 容量 0.3mL ) 対 応 O S Windows 7 温度調整範囲 7℃∼40℃(オプションの循環恒温槽使用時) 寸 法・重 量 W600 x D400 x H200 mm /15kg 消 電極チップ 耗 品 ※ 粒子濃度 0.01∼1% ※ 媒液の導電率 約400μS/cm (マイクロジーメンス毎センチメートル)以下 ※ 無極性溶媒(トルエン, ヘキサンなど)は使用できません。 19 ナノ粒子特性評価システム 不安定なナノ粒子の分散・凝集特性を多角的に評価 IG-1000 PlusとSALD-7500nanoを1台のPCで 超広域ナノ粒子径分布測定システム IG-1000 Plus+S ●I G法(シングルナノ粒子径測定装置IG-1000 Plus) とレーザ回折・散乱法(ナノ粒子径分布測定装置SALD-7500nano)のコ ンビネーションで新たなナノ粒子評価システムを実現しました。 ● 不安定で変化しやすいナノ粒子の分散・凝集のプロセスを広範囲かつ高感度・高再現性で評価することができます。 ● 評価対象粒子径範囲:0.5nm∼800,000nm(800μm) ● 7nm∼800,000nm(800μm)の範囲はリアルタイムでの観察が可能 ● 7nm∼200nmの範囲は2つの測定原理(IG法とレーザ回折・散乱法) を併用してナノ粒子の実態をより 客観的かつ多角的に評価することができます。 ● コンタミ成分や凝集体に対する確実なスクリーニングを行い, 凝集体 (100 nm∼数µm) コンタミ成分 (数µm以上) 相対粒子量 ナノ粒子 (100 nm以下) その上でシングルナノ粒子の正確な評価を行うことができます。 1 nm 10 nm シングルナノ 粒子径測定装置 100 nm 1000 nm 1 µm 10 µm 100 µm IG法 Plus IG-1000 レーザ回折・散乱法 ナノ粒子径分布測定装置 シングルナノ粒子径測定装置 IG-1000 Plus 20 SALD-7500nano ナノ粒子径分布測定装置 SALD-7500nano ナノ粒子特性評価システム 比表面積から目標(一次粒子径) を推定 ナノ粒子分散状態確認システム IG-1000 Plus+T ●I G法(シングルナノ粒子径測定装置IG-1000 Plus) とBET法(自動比表面積/細孔分布測定装置トライスターⅡ3020)のコ ンビネーションで新たなナノ粒子評価システムを実現しました。 ●トライスターⅡ3020を用いると, 比表面積の測定結果から凝集状態のままでも一次粒子の粒子径を推定することができます。 ● IG-1000 Plusを用いると, 現状の分散状態での粒子径すなわち凝集体の粒子径を測定できます。 ● IG-1000 Plusで測定した凝集体の粒子径が, トライスターⅡ3020で推定した一次粒子の粒子径に近づけば, 分散が効果的 に進んでいることが確認できます。 ● 比表面積から一次粒子の粒子径を推定するためには密度の数値も必要です。 もし密度が不明な場合は乾式自動密度計アキュピックⅡ1340シリーズをご使用ください。 一 次 粒 子の粒子径と比表面積の関係 d = 6 ps 適切な分散状態に近づくと両者の 粒子径は、ほぼ一致するようになる。 一次粒子の粒子径 d : 一次粒子の粒子径 p:密 度 s : 比表面積 トライスターⅡ 3020を用いて 凝集状態のままで一次粒子の粒子径を測定 一次粒子の粒子径 粒子径 粒子径 自動比表面積/細孔分布測定装置 トライスターⅡ3020 一次粒子の粒子径 粒子径 IG-1000 Plusを用いて 現状の分散状態での粒子径を測定 乾式自動密度計 アキュピックⅡ1340シリーズ 21 比表面積・細孔分布測定装置 粒子が細かくなるとその比表面積が増大します。 この大きな比表面積が粉体独特の性質を生み出します。 そのため, 比表面積や細孔分布は粉体の評価に欠かせない項目になっています。 比表面積測定装置のおもな用途 触媒・活性炭・樹脂・化粧品・薬品・セラミックス・磁性材・顔料 カーボンブラック・セメント・繊維・吸着剤・燃料電池の電極特性評価ほか ●粉体の比表面積と測定装置の関係 ジェミニⅦ2390 フローソーブⅢ2305/2310形 トライスターⅡ3020形 細孔分布測定装置のおもな用途 触媒・セラミックス・樹脂・ガラス・電極材・繊維・紙・吸着剤 フィルム・焼結体・核燃料・肥料・薬品・顔料ほか ●多孔体の細孔直径と測定装置の関係 ジェミニⅦ2390(p形) トライスターⅡ3020形 アサップ2020 アサップ2020マイクロポアシステム 22 比表面積・細孔分布測定装置 ユニークな動的定圧法を採用, 高感度検出と迅速測定を実現。 マイクロメリティックス社製 自動比表面積測定装置 ジェミニⅦ 2390シリーズ ● ジェミニ(=双子)の名前のとおり, 同一形状のセルを2本 同時に使用するユニークな動的定圧法を採用し, 定容法 に比べて高感度検出・迅速測定を実現しています。 ● BET比表面積測定を中心に設計され, 高いコストパフォ ーマンスを実現しています。 ● a形とp形の2つのモデルをラインナップしています。p形 ではメソポア解析が可能(約1∼100nm) です。また飽和 蒸気圧(Po)専用ポートを装備しています。 比表面積測定範囲: 0.01m 2/g以上 試料前処理装置(外付けオプション) フロープレップ060(加熱フロー方式) バキュプレップ061(加熱真空換気方式/加熱フロー方式) 3つの測定ポートで独立同時測定, 高精度と高効率を両立。 マイクロメリティックス社製 自動比表面積/細孔分布測定装置 トライスターⅡ 3020シリーズ ● 全世界で圧倒的なシェアを誇るマイクロメリティックス社 ● 標準形モデルに加えて低比表面積測定に最適なクリプト 製比表面積/細孔分布測定装置のスタンダードです。 ン対応形モデルをラインナップ。 ● 3つの測定ポートは, 個々に高精度圧力トランスデューサ を装備, 独立した条件で3試料の同時測定が可能。 ● 30時間の連続無人運転ができます。 測定法: 定容法によるガス吸着法 比表面積測定範囲: 標準形モデル0.01m 2/g以上 クリプトン対応形モデル0.001m 2/g以上 メソポア細孔分布:直径1∼100nm(窒素, BJH法による) マイクロポア細孔分布: 直径0.7∼2nm 試料前処理装置(外付けオプション) ・フロープレップ060LB(加熱ガスフロー方式) ・バキュプレップ061LB(加熱真空排気方式/加熱フロー方式) 23 比表面積・細孔分布測定装置 比表面積/細孔分布測定装置の最上位機種。多様な用途に対応可能 マイクロメリティックス社製 高機能比表面積/細孔分布測定装置 アサップ 2020シリーズ ● BET比表面積からサブナノ領域(直径1nm以下)の細孔 分布まで, ガス吸着法による全自動測定を実現しました。 ● 等温ジャケット, ユニークなガス導入制御により, 特に低 圧域での吸着挙動を正確に測定できます。 ● 高性能デュワーで72時間以上の連続無人運転が可能に なりました。 ● 拡張システムと豊富なオプションをご用意しました。 ● HK法, SF法, CY法など多彩な解析ソフトがご利用い ただけます。 測 定 法:定容式ガス吸着法 測定範囲:比表面積 0.001m2/g以上(クリプトンガス使用時) 0.5 m2/g以上(窒素使用時) メソポア細孔分布 直径 約1∼100nm (窒素, BJH法による) マイクロポア細孔分布 直径 約0.4∼2nm (アルゴンまたは窒素, HK法などによる) ラインアップ ● 窒素用ベーシックモデル ● クリプトン対応モデル 比表面積 0.001m /g∼測定可能 ● マイクロポアシステム 単一ガス (アルゴン又は窒素) で直径0.4nmまでの サブナノ細孔分布測定 ● 化学吸着システム 主に金属触媒の分散率等の評価用 2 解析項目 24 オプション ● 水蒸気吸着オプション ● 吸着速度解析ソフトウェア ● 不飽和炭化水素用マニホルド ● 高真空ポンプ (ターボ分子ポンプ)の増設 前処理部にも搭載可能,ドライポンプ選択可能 Functional Theory)法などの解析ソフト ● DFT (Density ● BET比表面積, Langmuir比表面積 ● DR法, DA法, MP法マイクロポア細孔分布 ● tプロット, αsプロット ● 吸着熱解析 ● BJH法メソポア細孔分布 ● Freundlich ● HK法, SF法, CY法マイクロポア細孔分布 ● 結晶粒径解析 and Temkin等温線解析 比表面積・細孔分布測定装置 測定部6ポート前処理部12ポートを装備, 圧倒的な処理能力を実現 マイクロメリティックス社製 高機能比表面積/細孔分布測定装置 アサップ 2420 ● ヘビーユーザの要求に応える多試料の高効率処理を実現 測定部6ポート, 前処理部12ポートを装備, 多試料の高 効率処理が可能になります。測定ポート・前処理ポートの いずれも, 終了したポートから順次任意のタイミングで セルを交換, 再スタートができます。また, 測定部は同時 測定開始/終了ができるハイスループットモードでさらな る高効率測定が可能になります。 ● 測定部と前処理部の配管が完全独立 配管も真空ポンプも完全に独立しています。 測定部と前処理部が互いに制約を受けることなしに同 時進行が可能です。測定部は前処理部で発生する水分 他のコンタミの影響を全く受けません。 測定法: 定容式ガス吸着法 測定範囲: 比表面積 約0.5m2/g以上(窒素) メソポア細孔分布 直径 約1∼100nm(窒素, BJH法による) マイクロポア細孔分布 直径 約0.7∼2nm(窒素, HK法などによる) BET1点法比表面積を迅速に測定できます。 マイクロメリティックス社製 流動式 比表面積測定装置 フローソーブⅢ 2305/2310 ● ● 表面積は直読できる形で表示されます。 吸着量の検出には, 熱伝導度検出器(TCD)を採用して います。 ● 温調つきの熱伝導度検出器の採用によって, 高感度で安 定性は抜群です。 測定法: 連続流動法 測定範囲: 約0.01m2/g以上 ● 試料冷却用デュワーびんのエレベータ機構と暖気ファンを 内臓した2310と, 手動モデルである2305の2機種から 選択していただけます。 25 細孔分布測定装置 圧入法により細孔分布を高速自動測定 マイクロメリティックス社製 自動ポロシメータ オートポアⅣ 9500シリーズ ● 測定法:水銀圧入法 ● 各種の解析ソフトウェアも充実。 細孔分布を数表やグラフの形で出力可能です。さらに, ● マルチステージで高速測定。 ・フラクタル次元解析 圧力範囲やステージ数の異なる4機種をラインナップ ・Mayer-Stowe法(粒度分布) (9500, 9505, 9510, 9520)。 ・細孔屈曲度 ● シンプルな構造で高分解能。 他の高度な解析ソフトウェアを標準装備。 高精度圧力トランスデューサと, 最新のA/D変換システム を搭載。幅広いレンジをシームレスに測定できます。 オートポアⅣ 9520/9505 オートポアⅣ 9510/9500 低圧部 4 低圧部 2 高圧部 2 高圧部 1 機種別の仕様一覧表 機 種 名 測定ステージ数 測 26 定 範 9520 9510 9505 9500 低圧部 4 2 4 2 高圧部 2 1 2 1 500∼0.003μm 500∼0.003μm 500∼0.0055μm 500∼0.0055μm 囲(直径) 乾式密度測定装置 ヘリウムガスを用いて液体を含む多様な対象の密度を正確に測定 マイクロメリティックス社製 乾式自動密度計 アキュピックⅡ 1340シリーズ ● 固体だけでなく、粉体、ペースト状の試料、さらに液 体の密度も含めて、ほとんどすべての対象の密度を 高感度かつ正確に測定できます。 ● 気体(ヘリウムガス)を用いるので、試料の液体に対 する溶解特性や濡れ特性、気泡の付着性などの問 題を一切考慮する必要がありません。また、液体分 子が侵入できないような微細孔にも気体分子であ 増設用測定モジュール れば侵入できるので、きわめて正確な密度測定が実 本体(コントローラ+測定モジュール) 現できます。 ● 測定後の試料の回収や、同一試料の繰り返し測定 が容易に行えます。 ● 測定モジュー ルを最大5台まで本体に増設できま 本体および増設用測定モジュールの一覧 す。これによって最大6試料までの同時測定が可能 になります。試料点数が多い場合には、最大試料容 量が同じ測定モジュールを複数台増設して処理能 標準モデル 温度調節モデル 増設用 測定モジュール 力の向上を図れます。また、試料サイズが大きく異 100cc 100cc 100cc なる場合には、最大試料容量の異なる測定モジュー 10cc 10cc 10cc ルを増設すれば、試料のサイズに関わらずに同じ測 1cc 1cc 定精度を得ることができます。 ● P CとL A N 接 続すると、W E Bブラウザだけで、過 去5回の測定結果を確認・保存・印刷することがで 試料点数が多い場合のシステム構成例 きます。さらに、オプションソフトウェアを追加する とPCからアキュピック本体を制御できるようにな ります。 ● 天びんを本体のシリアルポートに接続することによ り、試料質量を直接入力することができます。 ● 温度調整モデルは循環恒温槽(オプション)を接続 本体 測定 モジュール 測定 モジュール 測定 モジュール 測定 モジュール 測定 モジュール 10cc 10cc 10cc 10cc 10cc 10cc することによって設定温度での密度測定が可能に なります。 ● 正確な密度測定結果に基づいて、 試料サイズが大きく異なる場合のシステム構成例 * 懸濁液の濃度の評価 * 微粒子のコーティング層の厚みの評価 * 気泡率の評価 など、様々なアプリケーションの可能性が広がります。 ● 測定法:定容積膨張法 「気体ピクノメータ法」という名称で日本薬局方に一 般試験法として収載されています。 本体 測定 モジュール 測定 モジュール 100cc 10cc 1cc 仕事のスタイルに合わせて増設スタイルを選択可能 注)* 測定セル容量に比べ試料量が極端に少ない場合、マルチボ リウムキット(オプション)を用いて、測定セル容量を制限し、 測定精度を向上させることができます。 * 1ccモデルは、粉末試料の測定には適さないので、少量の 粉末を測定する場合は、10ccモデルとマルチボリウムキ ットをご使用ください。 27 浮遊粒子捕集装置 大気中の浮遊粒子をフラットな表面へ捕集できます。 浮遊粒子サンプラ SSPM-100 ● 大気中の浮遊粒子状物質 (SPM:Suspended Particulate Matter)を導電性 コーティングを施したガラス板上(透明かつフラットな表 面)へ捕集できます。金属板やカーボン板のように導電 性を有するものであれば同様に浮遊粒子を捕集するこ とができます。 ● 静電捕集方式を採用しており, 放電電極より発生する負 イオンによって浮遊粒子を帯電させ, 静電気力によって 大気から分離・捕集します。 ● 最大20L/minの大流量において, 0.3μmの浮遊粒子 を90%以上捕集。 ● SSPM-100はサンプラ(捕集装置)であり, 単体では 測定・分析・観察を行なうことができません。 ● 捕集したガラス板を, 各種測定・分析機器, 例えば, 光学 顕微鏡, レーザ回折式粒度分布測定装置, 走査型プロー ブ顕微鏡などにセットして対象となる浮遊粒子を測定・分 析・観察することになります。 導電性コーティングを 施したガラス板 電極 捕集方法 1. 浮遊粒子を含む大気をポンプによってチャンバー内に吸引し ます。 2. チャンバー内で直流高圧電源によって負イオンを発生させ, 吸引した大気中に含まれる浮遊粒子を帯電させます。 3. 帯電した浮遊粒子は, 静電気力で電極側に移動します。 4. 電極には導電性コーティングを施したガラス捕集板を配置し ておき, その表面に浮遊粒子を付着させ捕集を行ないます。 5. 金属板やカーボン板のように導電性を有するものであれば 大気の吸引 放電により 負イオン発生 粒子 放電電極 浮遊粒子が 帯電 直流高圧電源 静電気力で 移動 捕集板に 付着 同様に浮遊粒子を捕集することができます。 集塵電極 導電性コーティング 粒子 排気 ポンプ ガラス捕集板 浮遊粒子サンプラ SSPM-100の構造 28 流動特性評価装置 各種材料の流動性と熱特性の評価に最適 樹脂などの流動性材料について、温度・圧力・流れ速度の関係から流動特性を評価する装置です。 フローテスター CFT-500D/100D 特 長 ● 幅広い圧力範囲 試験圧力範囲が広く、実際の成形条件に近い圧力で測 定することができます。 ● 昇温試験が可能 本装置には一定温度試験の他に、サンプルを一定の割 合で昇温しながら試験する昇温法があります。他の細 管式レオメータでは測定できない樹脂の軟化温度や流 出開始温度が測定できます。 ● 正確な流動測定と再現性のよいデータ 分銅による定試験力負荷システムにより正確な試験力 精度が得られます。そのため、熱可塑性樹脂はもとより、 熱硬化性樹脂の評価も可能です。硬化過程の測定は一 般的には困難ですが、本装置では測定が可能です。熱硬 化性樹脂の成型性や硬化反応性の評価ができます。特 に、半導体やPWBの生産量はますます増加しており、材 料の物性をすばやく知ることや粘度や硬化時間、硬化温 度等の測定で品質を管理することが非常に重要です。 ● 幅広い試験温度範囲 温度範囲は40∼400℃と広く、樹脂(熱可塑性、熱硬 化性) ・ゴム・ トナーをはじめ、食品や薬品などの幅広い 仕 様 試験力範囲 試験温度 試験種類 CFT-500D 0.4903∼49.03MPa(5∼500kgf/cm2) CFT-100D 0.098∼9.807MPa(1∼100kgf/cm2) (室温+20)℃∼400℃ 高温対応型は500℃まで可能 定温試験、等速昇温試験 材料に適合することができます。 ゴム材料では押出成形時の成形性の評価、コピー機で 使用するトナーは印字のにじみやかすれが起こらない よう溶融温度や粘度の管理が重要です。 測定例 エポキシ樹脂の測定 粘度−時間グラフ 定温法での測定結果 試料は同じであり,測定温度のみ異る測定結果の重ね描きグラフです。 (押出し圧力:0.98MPa)成型時に情報として必要な最低粘 度とその時間の違いが確認できます。熱硬化性樹脂は,IC,LSI等のパッケージ封止材にも多く使用されています。その際,どのように して生産性を上げ,不良率を下げるかが重要になってきます。 溶融粘度も関係しますが,試料が硬化するまでに要する時間が短いほうが生産性が上がる一方,あまり短いと成形過程で不良になる ことがあります。より良い配合や成形条件を見つけるためその特性を評価する必要があります。 29 粒子圧縮強度評価装置・硬度計 粉体, 造粒などの原材料になる粒子の強度も, プロダクト粒子の強度も重要な物性です。 一粒一粒の圧縮特性評価が可能です。 微小圧縮試験機 MCTシリーズ ● 微小な圧縮変位測定 微 小 材 料 の 圧 縮 特 製 を 正 確 に 評 価 するた めに 分 解 能 0.001μmで最大100μmまでの測定範囲タイプと, 分解 能0.0001μmで最大10μmまでの測定範囲タイプをご 用意しています。 ● ワイドな試験力レンジ 微 小 材 料を圧 縮するために, 最 大 試 験 力 4 9 0 0 m Nと 1960mNの2タイプをご用意してします。 ● 高精度・高安定性測定 設定試験力あるいは表示試験力の±1%のいずれか大き い方の試験力精度で測定が可能です。 また圧縮過程だけでなく除荷過程の試験も可能であり, 負 荷・除荷の繰返し試験等も可能です。 ● 試料の大きさ測定機能が標準装備 上方向から見た画像による試料の大きさ測定機能が標準付属していますので, 幾何平均径, 長さなどを求めることができます。 また測長キット (オプション) をご使用頂くと, PC画面上に上方向から見た画像を表示でき, 長さ測定が可能です。 さらに画像をデジタルデータでの保存が可能です。 ● 圧縮中試料の変形状態観察が可能(オプション) サイド観察キット (オプション) を取り付けますと, 150∼480倍 (17インチモニタの場合) で, 試料圧縮変形の状態を観察できます。 また観察画像と圧縮データとの同期表示が可能です。 ● 実環境温度試験に対応(オプションシステム) 50∼250℃に試料を加熱した感度環境で圧縮試験が可能です。 形 式 MCT-510 MCT-511 試験力範囲(mN) 試験力分解能 圧 子 変 位 測 定 器 測定範囲(μm) 測定最小単位(μm) MCT-211 電磁力負荷方式 負荷方式 負 荷 装 置 MCT-210 9.8∼4903 9.8∼1961 5μN(49mN以下の試験時) 2μN(19mN以下の試験時) 0∼100 0∼10 0∼100 0∼10 0.001 0.0001 0.001 0.0001 圧縮中画像の観察(約30μmのガラスビーズを, φ50μmの圧子で圧縮) 試験開始時 30 圧縮時 破壊時 粒子圧縮強度評価装置・硬度計 「いつでも、誰でも、その日から熟練者」 近年, 装置に慣れていない方でも使用されるケースが増えています。一方で, 品質を確保するために正確な測定をする必要があり, 「人による誤差がなく誰でも簡単に使える」 ことが, 求められています。こういったご要望にお応えすべく自動測長タイプのマイクロ ビッカース硬度計を標準装置にしました。 マイクロビッカース硬度計 HMV-Gシリーズ 特 長 ● 斬新なGフレームを採用したCCDカメラ内蔵の自動測 長機能を標準化(G21シリーズ) 自動測長機能により人為誤差が無く, 簡単・安心測定を 提供します。斬新なGフレームの採用により作業空間を 広く取り, 操作性を格段に向上させ, 長尺や面積の大き なサンプルも容易に試験できます。 また, 自動レンズ切替機能により, くぼみの大きさに合わ せて自動で適切な倍率に設定されるので, 誰でも正確に お使いいただけます(T形のみ)。 ● 初めてでも使えるソフトウェア(G21シリーズ) 条件設定から結果表示までを一画面内で確認で きるため, 誰でも分かりやすくスムーズに試験で きます。 また、標 準 サンプ ル のデ ータを日常 的に測 定し、 間接検証を行う際には日常点検推移グラフにより 時系列でのデータ推移を時間をかけずに簡単に 確認できます。 ● サンプル全体像とサンプルエッジの自動認識が可能(FAタイプ) 歯車等の複雑形状試料の試験の位置決めが簡単で, 作業時間を短縮でき, さらに全体像の 任意の位置をクリックするだけで位置決めが可能なため, 操作性が飛躍的に向上します。 また, 試験位置毎に試験力を変えることも可能です(特許申請中)。 仕 様 試験力範囲 0.098∼19.6N 読み取り方式 自動:G21シリーズ 手動:G20シリーズ 圧子、対物レンズ 最大取付数 S型:圧子1、対物レンズ2 D型:圧子2、対物レンズ4 測定例 ネジ頭 銅配線膜 セラミックス 31 レーザ回折・散乱法(Laser Diffraction Method) ̶ 粒子径分布測定装置 SALD シリーズの測定原理 ̶ (側方) 散乱光 ● 粒子にレーザビームを照射すると, その粒子からは前後・上下・左右とあらゆる方 散乱角度 (後方) 向に光が発せられます。これが「回折・散乱光」です。 (前方) レーザ光 粒子径と光強度分布パターンの間には, 1対1の関係があります。 回折・散乱光の強さは, 散乱角度とともに変化し, 空間的な強度分布パターンを描 粒子 きます。これが「光強度分布パターン」です。 粒子径が大きい場合, 粒子から発せられる回折・散乱光は前方(レーザビームの進 (側方) 行方向)に集中し, 図では表現できないほどの狭い角度範囲で激しく変動します。 粒子による回析・散乱現象 前方の光に比べると, それ以外の方向の光は非常に弱いものとなります。 粒子径が小さくなるにつれ, 回折・散乱光のパターンは前方方向から周辺へ広がっ 5.0 μm ていきます。 粒子径がさらに小さくなると, 側方光や後方光も強くなってきます。 このとき, 光強度分布パターンは, まるで「マユ」や「ひょうたん」のような形になっ てあらゆる方向に広がっていきます。 このように粒子径と光強度分布パターンの間には, 1対1の対応関係が存在して います。つまり, 光強度分布パターンを検出すれば粒子径がわかるわけです。 2.0 μm ● 測定対象は粒子群です。 実際の粒子径分布測定では, 測定対象は単一の粒子ではなく多数の粒子からな る 「粒子群」です。 粒子群には大きさの異なる多数の粒子が混在しており, 発せら れる光強度分布パターンはそれぞれの粒子からの回折・散乱光の重ね合わせとな ります。この重ねあわされた光強度分布パターンを検出して解析することで,「ど 1.0 μm れくらいの大きさの粒子がどれくらいの割合で含まれているか (粒子径分布)」を 求めることができます。これがレーザ回折式粒子径分布測定装置で採用されてい る 「レーザ回折・散乱法」の基本的な考え方です。 ● 0.5 μm SALDシリーズの光学系 光源(半導体レーザ) から発せられたレーザビームはコリメータによって少し太い ビームに変換され, 粒子群に照射されます。 粒子群から発せられた前方の回折・散乱光はレンズによって集光され, 焦点距離の 位置にある検出面に同心円状の回折・散乱像を結びます。これは, 同心円状に受光 素子が配置されたWingセンサで検出されます。 0.3 μm 側方や後方の散乱光も側方および後方散乱光センサで検出されます。このように して検出された全ての方向の光強度に基づいて粒子径分布が計算されます。 (ただし, SALD-200V ERおよびSALD-300Vは前方の回折・散乱光だけで粒 子径分布を求めています。) 0.2 μm 0.1 μm 粒子径と光強度分布パターンの関係 SALD シリーズの光学系 32 定容積膨張法による密度測定 ● 密度とは ひとくちに密度といっても、 「真密度」 「粒子密度」 「Envelope密度」など、定義の 異なる複数の密度が存在します。 真密度とは、物質自身が占める体積だけを密度算定用の体積とする密度のこと です。 ((a)参照) 粒子密度とは、外部とつながっていない粒子内部の空間(閉細孔) を含めた場合 の密度のことであり ((b)参照)、以下の2種類の体積が含まれています。 (1) 粒子の物質自身の体積 (2) 粒子内の閉細孔の体積 Envelope密度とは、粒子表面の外周を体積とした場合の密度のことであり ((C)参照)、以下の3種類の体積が含まれています。 (1) 粒子の物質自身の体積 (2) 粒子内の閉細孔の体積 (3) 粒子内の開細孔の体積 (外部とつながっている粒子内部の空間) このように種々の密度の定義がありますが、厳密にいえば、アキュピックⅡ1340シ リーズで測定できるのは、 「粒子密度」です。ただし、粒子内部に外部とつながっていな い空間(閉細孔)が無視できる場合には、測定結果を「真密度」と考えることができます。 なお、密度の定義は、測定手法、測定対象の大きさ、形状、用途、さらに業界、分 野等によっても微妙に異なる場合がありますので、上記の定義が絶対的なもの ではありません。ご注意ください。 ● 原理 本装置は、定容積膨張法を使用しています。この方法では一定体積 VCELLの試料室中に体積VSAMPの試料を装填し、定圧力P1(ゲージ 圧)にした後、バルブを開け、別の一定体積VEXPの膨張室と試料室をつ なぎます。この時、系の中の気体は膨張し、圧力はP2になります。ボイ ル・シャルルの法則から、次のような圧力と体積の関係式が得られます。 したがって、試料室の体積VCELLと膨張室の体積VEXPが予め分 かっていれば、膨張前後の気体圧力P1とP2を測定すれば、試料の体積が計算できます。 33 ガス吸着法による比表面積/細孔分布測定 試料(測定対象)の表面に吸着占有面積のわかったガス分子を吸着させ, その量から試料の比表面積を求めたり, ガス分子の凝縮から細孔分布を測定する方法です。 ● ガス分子の吸着と圧力の変化 吸着量 2 吸着量 1 相対圧P/Po 相対圧P/Po 試料を冷却した後, 窒素ガスのように試料と反応を起こしにく 吹き込むガスの量を増やすと, 試料表面はガス分子で覆われ いガスを吹き込むと, 試料表面にガス分子が吸着します。 ていきます。 3 吸着量 吸着量 相対圧P/Po 相対圧P/Po 表面全体がガス分子で覆われた後は, ガス分子の上にガス分子が重なって多層吸着します。この様子は, グラフに示すように, 圧力の 変化に対する吸着量の変化として表現できます。 ただし, このままでは単分子層吸着量, つまり試料表面の一層だ けのガス分子の量を正確に読み取ることはできません。一層目 の吸着から, 多層吸着に移行する過程の情報に対して, 「BETの 式」を適用することにより, 正確に単分子層吸着量を計算するこ とができます。実際の測定には, ガス分子一個の占める試料表 面積がわかっているガスを用います。そして, 単分子層吸着量に ガス分子一個の占める断面積をかければ, 試料の表面積を求め ることができます。 ● ガス分子の凝縮と細孔分布 さらに試料表面にガス分子が何層も吸着していくうちに, 細 孔, つまり試料表面に存在する微細な穴の中にガス分子が凝 吸着量 縮します。 このとき, 大量のガス分子が気体から液体に変化するので, 細 孔内で凝縮がおこったかどうかは, ガス分子の吸着量の伸び を監視していればわかります。 凝縮が起こったときの圧力値は, 細孔の大きさと相関がある ことが知られています。また, 吸着量の伸びは細孔の内容積 相対圧P/Po に比例していますので, 上のグラフから細孔の容積の分布, つ まり細孔分布を求めることができます。 ● サブナノ領域の吸着挙動 サブナノ領域(1nm以下)の細孔では, 凝縮現象が起こりません。 したがって吸着量の急激な変化を, 細孔内へのガス分子の凝縮 と考えることができません。このためサブナノ領域では, 凝縮とは全く異なる吸着メカニズムに基づく解析方法が適用されます。 よく使用されるのがHK法, SF法, CY法など平均ポテンシャルに基づく方法, 層状吸着を拡張して考えるMP法, 異なるガス分子を 吸着させる分子プローブ法などです。 34 水銀圧入法による細孔分布測定 粒子や固体の表面には細孔(さいこう) と呼ばれる小さい穴がたくさんあいています。この細孔は粒子や固体の 触媒作用や吸着作用、保温・防音効果、材料強度や保水度といった物性と深いかかわりを持っていることが知ら れています。 水銀圧入法は、水銀の表面張力が大きいことを利用して、圧力を加えて試料(測定対象)の細孔に水銀を浸入、 圧力と圧入された水銀量から比表面積や細孔分布を求める方法です。 自動ポロシメータ オートポアIV9500シリーズでは、水銀圧入法を採用して細孔分布を測定します。 水銀 細孔 v 積算侵入量 2 v 積算侵入量 1 圧力 P 圧力 P 試料(測定対象)の入った容器内を真空排気したのちに水銀 しかし、水銀に圧力を加えると、細孔の中に水銀が入っていき を満たします。 ます。 水銀には物質を濡らさない性質があるため、試料表面の細孔 水銀に加える圧力を増やすにしたがって、大きい孔から順に小 には水銀は入ってきません。 さい孔にも水銀が入っていきます。 v 積算侵入量 4 v 積算侵入量 3 圧力 P 圧力 P どれくらいの圧力を加えたときに、 どれくらいの大きさの孔に水銀が入っていくかは、理論的に計算することができます。 したがって、 かける圧力を連続的に増加させながら、水銀液面の変化(つまり細孔への水銀侵入量) を検出していけば、試料表面の細 孔の大きさとその体積が測定できるわけです。 水銀圧入法では、数nm∼数100μmまで幅広い範囲の細孔分布を測定できます。 測定対象や用途に応じて、ガス吸着法とうまく使い分けることがポイントです。 0.001μm 0.01μm 0,1nm 1nm 10nm 0.1μm 1μm 10μm 100μm 1000μm 100nm 1000nm micropore mesopore macropore 細孔直径D 水銀圧入法 ガス吸着法 細孔直径と測定方法の関係 オートポア9500シリーズの測定データ例 35 総合カタログ 島津粉体測定機器のホームページ 最新情報をインターネットを通じてタイムリーに提供します。 http://www.an.shimadzu.co.jp/powder/ 製品情報だけでなく、豊富なアプリケーション情報も紹介しています。 また、 セミ ナー/講習会や展示会のご案内もしております。 さらに、粉博士の “粉” 講座では、様々な分野で活用される 「粉体測定の重要性」 と各種粉体測定の 「測定原理」や「測定上の留意点」などをわかりやすく解説しています。 4197-09311-30IK
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