事業計画 - 海外旅行情報はOTOA[ 一般社団法人 日本海外ツアー

【 平成 28 年度 事業計画 】
本年8月、本会は社団法人(現、一般社団法人)として設立25周年という節目の年を迎える。
また、1974年8月、当時の運輸省とJATAの要請で任意団体(14社)として発足してから42年となる。
この間、OTOA会員はもちろん、諸先輩始め多くの観光関係者のご理解とご努力により、海外旅行の
発展に微力ながら貢献し得たことに対し、心より感謝と敬意を表する。
昨年の日本人海外旅行者数は3年続けて減少し、遂に訪日外国人旅行者数を下回った。
今年はリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックが開催され、次の東京開催を見据えた様々な動きが
予想されるものの、世界各地で発生しているテロや紛争、近隣諸国との緊張関係等は解決・沈静化の
兆しは見られず、むしろ拡大している地域すらある。 また、経済情勢についても国内・外ともに先行きに
対する不安感は拭いきれず、ますます消費マインドに陰りがさすことも予想される。
特に海外旅行にとっては厳しい環境の中、今年1月に長野県軽井沢町で発生したスキーバス事故に
おける「安全なバス事業者の選択」や訪日旅行での「一部悪質なランドオペレーターへの対策」等が
国と関係団体で議論・検討されており、今後、旅行会社だけではなくランドオペレーターについても
法的位置付けや安全管理体制などに対し厳しい目が向けられる。
本会は、設立の原点でもある「安心・安全の旅」、「良質なサービスの提供」を念頭に置きつつ、直面
する諸問題に対応し、海外旅行の復活に向けて平成28年度事業計画を策定した。
平成 28 年度の各事業計画の概要は、次のとおり。
1. 安全対策事業
(1) 安心・安全への取り組み強化
① 旅行会社の「旅行サービス提供機関の選定責任」がクローズアップされている。
旅行会社の委託を受けたランドオペレーター自身も「旅行サービス提供機関」の選定・選択に
あたっては、自社で選定基準を明確にしておく。
② 特にバス、セダン等、車両の選定にあたっては、保有台数、保険、事故対応、事故歴等々の情
報を把握したうえで行う。
③ 前記②で得た情報は定期的に確認し、常に最新のものとしておく。
④ 「選定基準の設定」に関して、既に明確な基準を持った会員の協力を得て、セミナーを実施する。
⑤ 日本での大災害発生時に備えた危機管理体制の整備について、これまで同様に推進する。
(2) 都市別安全情報の充実
引き続き会員の協力を得て、調査対象都市の早期更新を目指す。
また、日本人旅行者が増えつつあるデスティネーションの情報についても適宜追加対応する。
(3) 各種安全情報の提供、セミナーの案内
各種感染症やISILによるテロ情報など、旅行者の安全に影響を及ぼすような情報・注意喚起を
引き続きホームページやメールニュースを通して提供し、安心・安全な旅の確保に努める。
また会員には、引き続き外部機関が主催する安全関連のセミナーや講習会などを案内し、「安全
管理」に対する意識の啓発・向上に努める。
2. 研修事業
(1) 海外観光関連事業従事者に対する教育・研修の実施
日本人旅行者の誘致に取り組む国々や、日本語ガイド不足に悩む国々に対する「支援施策」
(国際貢献事業)として実施している「海外ガイド・ツアーコーディネーター研修」をこれまで同様、
関係諸機関からの要請に応じて積極的に実施する。
(2) 諸外国の政府観光行政官に対する研修への協力
(一社)海外運輸協力協会(JTCA)の要請を受け、一部講義を受託実施している開発 途上国の
政府観光行政官に対する「観光振興とマーケティング」研修に対しては、引き続き協力する。
(3) JATA 主催 「ニュー・デスティネーション・セミナー」への講師派遣協力
今年を「海外旅行復活の年」とすべく、新たなデスティネーションや切り口の提案、講師の派遣に
全面的に協力する。 なお今年度は、計 10 回の開催を予定している。
(4) 各種研修(セミナー)、講演などの開催及び案内
① 会員からの要請もあり、初心者向け研修を実施する。
・ ビジネスマナー
・ 旅行業法・標準旅行業約款、地上手配基本契約、下請法など
② 会員の協力を得て、各社の制度・基準などのモデルを研修
・ サービス提供機関の選定基準、チェックポイントの策定 (「安全対策事業」の項、参照)
・ 中小ランドオペレーターの効率的手配システムのモデルを研修
③ 外部諸機関が実施する各種セミナー・講演などの案内
3. 情報収集・広報事業
(1) 「OTOA NEWS」の発行・配布
OTOA の活動状況、会員の経営や業務に役立つ情報・資料の掲載など、引き続き紙面の充実に
努める。 今年度も年 6 回(原則奇数月の 15 日)の発行を予定。
(2) 業界紙誌との協力
* 定期的な会見を通して、OTOA 及び会員の活動状況についての広報を強化する。
* 重要な問題については、個別に問題提起を図るなどして解決への取り組みにつなげる。
4. 調査・研究事業
(1) 「OTOA 会員の実情に関する調査」第三弾の実施
平成 19 年 3 月と平成 23 年 2 月の 2 回にわたり実施した「OTOA 会員の実情に関する調査」は、
いずれも 80%を超える回答率で、その後の協会運営にとって大きな指針となった。
設立 25 周年を機会に新たな調査を実施し、会員の経営状況、安全管理の状況、事業者間取引
の実態、インバウンドに関する状況、会員が抱える問題等々幅広く調査し、今後の協会活動に
反映していく。
(2) グローバルスタンダード化の推進、事業者間取引の適正化に向けた活動
2007 年 JATA 国際観光会議において「日本のグローバル競争力徹底討論」、翌年の会議では「日
本の商習慣と世界のそれとの差について」のテーマのもと、いわゆる「グローバルスタンダード化」
の推進が叫ばれたが、今日に至るまで手仕舞いの早期化、代金支払いの早期化など、グローバ
ルスタンダードへ向かっての改善の兆しはほとんど見られない。
旅行者数の減少に加え、旧態依然とした取引形態では、海外のサプライヤーから見放されてしま
い、仕入れに支障をきたす恐れがある。 OTOA としては引き続き改善に向け、粘り強く関係団体
へ働きかけていく。
また、一部の旅行会社との間では、依然として下請法に抵触するような条件での取引を余儀なく
されることも続いており、会員には引き続き公正取引委員会、中小企業庁、下請駆け込み寺への
積極的な相談・利用を強く勧める。
(3) 会員各社の各種制度等についてのサポート
会員や社員にとって有益な福利厚生制度の導入に向けた検討を継続する。
また損保各社の商品や機能、情報などのうち、会員に役立つものは、適宜紹介する。
(4) その他、各種課題の検討
「法律相談会」で頻繁に取り上げられる問題や多くの会員から問い合せのある問題については、
情報提供だけでなく、セミナー・勉強会の開催を含め、適宜対応する。
5. ホームページ事業
(1) SNS の活用
SNS を通じ海外新着情報の発信~拡散を図り、OTOA の認知度向上につなげる。
まずは OTOA の Facebook ページ修正後、海外新着情報の発信を開始する。
また Twitter を活用した情報発信も開始する。
(2) ビデオライブラリーページの充実
* 全掲載映像の見直しを行い、画質の悪い映像や既に古くなった映像は全て削除する。
* また前年に引き続き、政府観光局や観光関連機関、会員の現地支店や提携先等が配信する
映像を積極的に収集~OTOA サイトに公開し、旅行需要の喚起につなげる。
(3) インバウンド関連ページの設置
インバウンド委員会の要請に基づき、会員紹介ページの一層の充実を図る
(4) 新コンテンツの設置、及び既存コンテンツの見直し/充実
OTOA サイトの活発化、OTOA 及び会員の認知度アップなどにつながる取り組みについて、新コン
テンツの設置、新たなサービスの導入なども視野に入れ、検討を継続する。
(5) 海外でのインターネット利用時の注意喚起の発出
今や海外旅行先でも Wi-Fi 環境が整備され、スマートフォンやタブレット端末、ノートパソコンなど
があれば簡単にインターネットへのアクセスが可能になったが、その一方でデータ流出やパスワー
ドなどの漏えいといったトラブルも年々増加傾向にある。
夏休みや年末年始などの繁忙期前に、海外でのインターネット利用時の危険性や注意点につい
て、メールニュースやウェブサイトを通じ、定期的に情報発信を開始する。
6. インバウンド(訪日旅行)事業
(1) インバウンド取り扱い会員の実情把握
年度初めに実施する現況調査及び実施予定の「OTOA 会員の実情に関する調査」を通じて会員
の現状を把握し、今後の活動に役立てる。
(2) ホームページ等を利用した積極的な広報活動の実施
既に、一部インバウンドを取り扱う会員の紹介ページを修正しているが、今年度は国内のサプライ
ヤーや海外の旅行会社に対し認知度向上を図るべく、OTOA インバウンド事業の紹介ページを設
置するなど、さらなる充実を図る。
(3) インバウンド関連情報の提供
インバウンド担当者に向けて各種関係情報を発信しているが、情報の鮮度・種類などを検証し、
より有効な情報提供に努める。
(4) 安心・安全への取り組み強化
「安全対策事業 (1) 安心・安全への取り組み強化」の項、参照
(5) OTOA インバウンド保険など、事故対策保険の付保推進を図る。
7. 連絡協調事業
(1) 観光庁及び関係省庁・観光関連諸団体等との連携強化
アウトバウンド・インバウンド問わず、各種会議体への参画や要請には、これまで同様に積極的に
対応・協力する。 また、意見交換の場を設けるなど、OTOA 活動への理解とアピールにも努める。
(2) 地域分科会との連携
レインボー会(ヨーロッパ)、オセアニア連絡会、SATP(南部アフリカ観光促進協議会)、フィジー会
などの地域分科会とは引き続き連携を図り、各種問題の解決や需要喚起に向けた活動に協働し
て取り組む
(3) 地方支部との連携・協力
海外旅行の需要喚起を目的に毎年各支部が実施している「ワークショップ」には、これまで同様、
資料の提供・来場者募集の告知など、側面からサポートする。
また、支部定例会への役員・講師派遣などの要請には、積極的に対応する。
(4) 法律相談会
「無料法律相談会」の利用方法などについて改めて会員に案内するとともに、相談を通じて多くの
会員に共通する問題があれば、別途セミナーを実施するなどして対応する。
(5) 正会員、賛助会員の入会促進
今年度も会員などの協力を得て、新入会員の拡大に努める。