第11号 PDF - 一般社団法人 日本住宅基礎鉄筋工業会

2014 第 11 号
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レインフォースメント
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the 基 礎
the 基 礎
日本住宅基礎鉄筋工業会
1. はじめに
現 在、 在 来 軸 組 構 法、 枠 組 壁 工 法 な ど の 4 号 建 築 物 の 基 礎 仕 様 に つ い
て は、 平 成 12 年 建 設 省 告 示 第 1347 号 に 定 め ら れ た 仕 様 規 定 に 従 い 供
給 さ れ て い る の が 現 状 で あ り ま す。
し か し な が ら、 平 成 12 年 4 月 に 施 行 さ れ た 「住 宅 の 品 質 確 保 の 促 進 等
に 関 す る 法 律」 や 平 成 21 年 6 月 に 施 行 さ れ た 「長 期 優 良 住 宅 の 普 及 の
促 進 に 関 す る 法 律」 な ど に よ り、 住 宅 の 安 全 性 や 長 寿 命 化 が 叫 ば れ る よ
う に な り、 基 礎 へ の 安 全 性 お よ び 品 質 向 上 へ の 要 求 が 高 ま り つ つ あ り ま
す。
社 団 法 人 日 本 住 宅 基 礎 鉄 筋 工 業 会 ( 以 下, 日 住 筋 (JHR:Japan
Housing Reinforcement)) で は、 そ の よ う な 社 会 的 要 請 に 対 し て、 住 宅
基 礎 の さ ら な る 安 全 性 と 品 質 向 上 を 目 的 に、 こ こ に 推 奨 す る ベ タ 基 礎 の
仕 様 に つ い て と り ま と め、 発 信 す る も の で あ り ま す。
本 マ ニ ュ ア ル で 推 奨 す る ベ タ 基 礎 の 仕 様 は、 基 礎 に 生 じ る 応 力 に 対 し
て、 お お む ね 許 容 応 力 度 以 内 に 収 ま る 基 礎 仕 様 を 標 準 仕 様 と し、 と り ま
と め る こ と と し ま し た。
本 マ ニ ュ ア ル が、 会 員 お よ び 住 宅 基 礎 に 係 る 実 務 者 の 方 々 に 広 く 活 用
さ れ、 本 推 奨 ベ タ 基 礎 の 仕 様 が 普 及 し、 住 宅 基 礎 の 安 全 性 と 品 質 向 上 に
貢 献 ・ 寄 与 す る こ と を 期 待 す る 次 第 で あ り ま す。
2014
第 11 号
一般社団法人日本住宅基礎鉄筋工業会
〒186-0004 東京都国立市中2-4-3
日本住宅基礎鉄筋工業会
TEL:042-576-0551 FAX:042-576-1094
JHRを横切るラインは鉄筋を表現しています。住
宅をイメージし三角形状に配したJHRは有筋コン
クリート構造住宅をシンボライズしています。
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Reinforcement
一般社団法人
日本住宅基礎鉄筋工業会
-the 基 礎-
〒186-0004
第11号
東京都国立市中2-4-3
TEL:042-576-0551 FAX:042-576-1094
2014年10月発行
理事長代行 佐藤 収一 ………………………………………………………………………………………… 4
東京理科大学・名誉教授 松崎 育弘 ……………………………………………………………………… 5
■□今年の工業会の活動(上半期4月~9月)□■
日本住宅基礎鉄筋工業会 平成26年定時総会を開催 …………………………………………………………… 6
■平成26年度 第1回講演会 千葉工業大学教授・中野克彦氏 「ヘルシンキで開催されたSAG4」
……………… 8
■インタビュー・新学術会員ご紹介
日本大学教授・安達俊夫氏/新潟工科大学教授・地濃茂雄氏/工学院大学名誉教授・宮澤健二氏 …………… 10
■ 補助金、法改正など…………………………………………………………………………………………… 13
■会員企業訪問 (23)有限会社 大野組 ………………………………………………………………………… 14
(24)西日本鋼業 株式会社 …………………………………………………………………… 16
(25)有限会社 実松製作所 …………………………………………………………………… 18
■2014年度 住宅市場の動向予測 ……………………………………………………………………………… 20
■トピックス 工業会の実験施設がスタート …………………………………………………………………… 26
■data & data 2015年度概算要求 住宅関連は前年上回る2183億円 ……………………………………… 28
「住宅着工統計、異形棒鋼価格推移」 ………………………………………………… 30
■会員名簿 ……………………………………………………………………………………………………… 33
●巻頭コラム
最近の自然災害の物凄さにはあきれます。
時代が変わったなどとの話では済まないし、多くの犠
御嶽山の噴火・2 週続きの大型台風の上陸・広島の大
牲者が出ている現実を今一度見詰める必要があると思い
雨による土砂災害、まことにもって自然の力、異常気象
ます。
による、甚大な被害にはあきれるばかりです。
短時間に一度に降る雨の量・火山の噴火など、想像を
はるかに超えた情況とは思いますが、何とか人的被害が
起こらない様な体制を国に先頭に立って積極的に推し進
めていただきたいと思います。
また、
異常な殺人事件等
「神戸・北海道」
など
「弱い相手」
に対して思いやりのかけらもないような事件が、多々発
生しています。
これらの対策も原因の究明と対処を早急に考える必要
があると思います。
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基礎設計・施工で人材育成
安心安全の技術開発も実施
一 般
社団法人 日本住宅基礎鉄筋工業会
理事長代行 佐藤 収一
会員をはじめ関係者の皆様には、私ども一般
でまいりたいと思います。実験設備の活用につ
社団法人日本住宅基礎鉄筋工業会に対しまして、
きましては、当面やりたいことが沢山あります
毎々ご指導ご鞭撻を賜り大変有り難うございま
が、工業会として 1 つずつ問題を解決していくこ
す。
とで、お客様であるハウスメーカー、工務店様、
あるいは地場の基礎工事業者の皆さんと力を合わ
私は今年度、池原理事長の体調不良で、理事長
せ家が崩れないようなしっかりした基礎鉄筋を作
代行の任に当たることとなりました。工業会では、
り、普及させて行きたいと思います。今後皆様の
今年様々な事業を進めているところで有り大変責
お力添えをお願いいたします。
任の重さを感じているところでありますので、ご
協力の程宜しくお願い申し上げます。
また今後の工業会の事業活動では、資格制度に
さて、今年度より学術会員の先生方が 10 名に
ついてはしっかりした方針を決定して早期に導入
増え、地盤、鉄筋、コンクリート、そして上の住
していきたいと考えております。また推奨基礎仕
宅躯体まで、
三位一体での色々な形で勉強や研究・
様マニュアルの改訂版の発行、機関誌の発行に加
開発が出来るようになりました。全国に住宅関係
えて、ホームページでの情報発信につきましても、
の様々な団体がありますが、余所ではこういう体
基礎に対する各方面からの問合せに答えられるよ
制は先ずないのではないかと自負しております。
う、学術会員の先生方のお力をお借りして積極的
に進めてまいりたいと思っています。
これまでの 10 年近い活動の中でも、推奨基礎
仕様マニュアルですとか工法等についてまとめて
今後とも、こうした基礎鉄筋の技術等に関わる
きましたが、こうした体制の強化によりさらに一
活動により、わたしども一般社団法人日本住宅基
層、工業会としての形が出来てきました。
礎鉄筋工業会は、製品である溶接組立鉄筋の供給
また、昨年は筑波の会員工場の一角に、我々工
を通じて、一層の安心安全、高性能な住宅建築に
業会としての実験設備を導入させて頂きました。
寄与すべく進めて参りたいと思います。
今年度の予算でも承認させて頂きましたので積極
的に活用してまいりたいと考えております。特に
基礎の立上がり部の開口補強等の実験について
は、国の補助金も頂きましたのでしっかり取組ん
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技術に対する責任を
第二段階を迎える工業会
東京理科大学
名誉教授 松崎 育弘
日本住宅基礎鉄筋工業会は発足以来 9 年になり
から技術的な問題に対して、工業会はきちっとし
ます。こうした技術に関わる協会の存在は色々な
たものを作るべきだと思っています。
意味で望ましいと何時も思っていましたので、皆
基礎の溶接組立て鉄筋がスタートして以来、技
さんと共に様々な活動が出来ることは大変有意義
術的にも色々なことに対応してやってきた。工業
であると思っています。
会も 10 年近くになるわけですので、そうした技
私自身は長年RC造の研究や技術開発をしてき
術的なもについてある程度力を発揮出来るように
ましたが、昭和 38 年に鉄骨造で霞が関ビルがで
なってきた。考えてみますと、これが工業会の第
きたとき、RCの建物は高くて6階建てくらいま
二段階であり、責任ある工業会になっていかなけ
ででしたので、RCで高層建築ができないだろう
ればいけないなあと思っています。
かと思いました。その当時の建築学会の大会でも
本年度の事業活動計画にもありますが、工業会
RCの高層化の可能性がテーマで、高くても 25
の実験施設を活用して、実験データを集め技術資
階くらいだろうというのが当時の一般的な考えで
料をみんなで作っていく、その結果を仕事に反映
した。それが今は 50 階、60 階というレベルになっ
させていく。技術的に確実なものを自分たちが把
ている。当時それを実現するためにはどういう技
握出来るようにするということで、構造設計者に
術が必要か、材料的には高強度のコンクリートが
も勉強してもらえるし、自分たちの配筋決定にも
必要とか、配筋についてはこうしようとか色々提
役立てることが出来る。あるいは色々な基礎の技
案された。
術的な問題についてもかなりなことが発言出来る
しかし普及するまでには時間がかったのです
ようにしていきたい。
が、昭和 60 年代から平成になってゼネコンや設
この様なことをつらつら思っております。その
計事務所も、そういう技術を身につけたいと言う
ため今年度から学術会員の先生方を増強させてい
ことで一気に技術が普及した。いまは普通に 20
ただきました。先生方の力を借りながら、もう一
階建てくらいの設計が出来て、すぐ実現出来るよ
歩、二歩、技術開発などで工業会の力を上げていっ
うになった。私をはじめ学術会員の先生方はそう
ていただきたいと思っています。
いう高層化のお手伝いをしてきたのです。
今工業会は、これまでよりももう一歩進んだ第
一方住宅の基礎も、こうした高層建築と同じ鉄
二段階に来ているということを思いまして、皆さ
筋コンクリートで作られていると言いますが、そ
んの力を結集しながら、色々成果を出していけれ
の技術について責任をもってやっているのかとな
ばいいと思っています。
ると、誰もいないのではないかと思います。です
(総会の挨拶より)
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■□今年の工業会の活動(上半期 4 月~ 9 月)□■
平成 26 年度 定時総会を開催
工業会の実験設備を活用した事業展開など決める
学術会員に新たに3氏が就任
一般社団法人日本住宅基礎鉄筋工業会(池原映次
理事長)では、5月 16 日東京・九段下のホテルグ
ランドパレスで、平成 26 年度定時総会を開催した。
全国から役員、会員、関係者など 50 名が出席した。
総会では、まず池原理事長が挨拶に立ち、「今年
は駆込み需要の反動もありすこし静かな状況となっ
ており、新築需要が当面落ち込みと予想さています
が、技術不足、技能者不足がますます深刻になるこ
とが心配され、現場での施工の省力化、機械化、シ
ステム化等が一段と進むものと思われます。わたし
ども一般社団法人日本住宅基礎鉄筋工業会は、製品
挨拶する池原理事長
である溶接組立鉄筋の供給を通じて、安心して住宅
今年度の活動としては、工業会の実験設備を会員
供給が行われるよう、現場省力化のための新たな製
の皆様方には、利用・研修して頂けるよう整備する
品、工法等の開発、住宅基礎の設計・施工を担う人
と共に、住宅基礎に特化した資格制度を想定した勉
材の育成等につきましても考えて参りたい思いま
強会を 6 回やっていきたいと思います。
す。
また「推奨基礎仕様マニュアル」につきましても、
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来賓祝辞
総会後の懇親会では、国交省の野尻係長からもご祝辞を頂いたのをは
じめ、学術会員を代表して福井大学大学院の磯准教授、新たに学術会
員となった方々からもご祝辞を頂きました。
国土交通省 住宅局住宅生産課
住宅性能表示担当係長 野尻真伸氏
福井大学大学院 工学研究科
建築建設工学専攻 准教授 磯雅人氏
ベタ基礎編の改定作業も考えております。
雄教授、工学院大学の宮澤健二名誉教授の3人が加
会員の皆様、関連業界の皆様には、ご指導・ご鞭
わったことをが報告された。
撻を賜りますと共に、各種事業への御支援・御協力
なお、工業会の今年度の主な事業計画は次の通り
を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます」と述
である。
べた。
①講習会・勉強会の開催 年間2回
議事では池原理事長が議長となって行われた。主
②資格制度勉強会 年6回開催(7月~ 12 月)
な審議事項は、
③技術委員会
・平成 25 年度事業・決算報告について
・資格制度の検討
・一部役員改選について
・推奨基礎仕様マニュアルのベタ基礎編の改定
・主たる事務所の移転・変更について
版作成
・平成 26 年度事業計画・予算案について
④広報委員会
・工業会の実験開発等について
・機関誌「レインフォースメント」の発刊
で、いずれも原案通り承認された。
・ホームページの更新、活用
一部役員改選では、退会した理事(奥地建産㈱)
総会終了後は、工業会の今期第1回となる講演会
に換わって、
(有)創電社の伊勢幸信社長が理事に
を開催。講師には、工業会の学術会員であり、千葉
選任された。主たる事務所の移転・変更では新事務
工業大学・中野克彦教授を招き、「ヘルシンキの話」
所を国立の㈱サトウ本社内とした。
をテーマに話を聞いた。中野教授は国際構造コンク
今年度の実験・開発等についてでは、昨年工業会
リート連合の概況、とくに昨年、フィンランド・ヘ
の実験施設を㈱メークス茨城工場の一角に整備した
ルシンキ市で開催したSAG4の模様を紹介すると
ことから、その活用としてスリーブ補強などの開口
ともに、工業会が建設を計画している実験施設につ
補強技術開発を行うほか、段取り筋評定取得に向け
いて説明した。
た実験等を行うことなどを決めた。そのため補助金
その後、会場を移し恒例の懇親会開催。会員をは
申請等も行う。
じめ学術会員、関係者など約 50 名が集まり、情報
また技術委員会から、今年度学術会員として新た
交換を行った。懇親会では、佐藤副理事長の挨拶に
に日本大学の安達俊夫教授、新潟工科大学の地濃茂
つづき、来賓として国土交通省住宅局住宅生産課の
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左:挨拶する
技術委員長の
松崎育弘・東
京理科大学名
誉教授
右 : 懇親会
野尻真伸住宅性能表示担当係長が挨拶した。また学
授の3氏も出席し挨拶した。最後に工業会の技術委
術会員を代表して福井大学の磯雅人准教授が挨拶し
員長である松崎育弘東京理科大学名誉教授が乾杯を
た。新たに学術会員となった日本大学の安達教授、
行い、賑やかな懇親会がスタートした。
新潟工科大学の地濃教授、工学院大学の宮澤名誉教
平成 26 年度 第1回講演会
ヘルシンキで開催された SAG4
会議の内容や当地の都市建設などを話題に講演
千葉工業大学
教授 中野克彦氏
(一社)日本住宅基礎鉄筋工業会(JHR)は5
群(TG)は同趣旨の委員会・SAG4(Special
月 16 日午後4時から東京都千代田区飯田橋のホテ
Activity Group (SAG) 4 “Fastenings to Structural
ルグランドパレスで 2014 年度第一回の講演会を開
Concrete and Masonry Structures”)に改称し、毎
催し、千葉工業大学・中野克彦教授が「ヘルシンキ
年、年次会議ほかの活動を行っている。近年ではバー
の話」をテーマに講演した。中野教授は国際構造コ
クレー市(米国カリフォルニア州、2008 年6月)、
ンクリート連合の概況、とくに昨年、フィンランド・
ジャクソンビル市(米国フロリダ州、2010 年7月)、
ヘルシンキ市で開催したSAG4の模様を紹介する
アビスコ村(スウェーデン・キルナ県、2010 年7月)、
とともに、工業会が建設を計画している実験施設に
ベルリン市(ドイツ、2011 年 11 月)、京都(2012
ついて説明した。
年5月)、ヘルシンキ市(フィンランド、2013 年5
コンクリート関連の世界的な研究組織は 1998 年
月)で年次会議を開催。東京理科大学(工学部建築
に統合して国際構造コンクリート連合(federation
学科)松崎育弘名誉教授(JHR名誉会員)ととも
internationale du beton、略称「fib」、本部は
に、2010 年から中野教授も参加している。SAG
スイス・ローザンヌ市)が発足。前身組織がアン
4の委員長はドイツのロルフ・エリゲンハウゼン博
カー施工の国際的なガイドラインを作るため 1987
士(Rolf Eligehausen)。
年に組織した鉄筋・石材構造の緊結に関する任務
昨年5月 20・21 日のヘルシンキ会議にはメンバー
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ヘルシンキの建築を語る中野教授
講演会
40 名、日本からは研究者4名、メーカーから2名
活動は建築から家具(北欧家具の有力ブランド・ア
が参加し、アンカーに関する6件、設計に関する6
ルテック)、ガラス食器(イッタラ社が製造)など
件、疲労に関する3件、クリープに関する4件、耐
の日用品のデザイン、絵画まで多岐に渡る。講演で
久性に関する2件について意見を交換した。接着系
は 1930 年代半ば、ヘルシンキ郊外のムンッキニエ
アンカーの疲労による引張許容応力度、無機系のク
ミ地区に建設した自宅兼アトリエ(現在はアールト
リープ試験、松崎名誉教授の山梨県笹子トンネル事
財団の事務所)を中心に、大聖堂、市庁舎などの建
故報告(天井板落下事故、2012 年 12 月2日)ほか、
築例について映像を使って説明するとともに、アー
あと施工アンカーに関する学会指針など技術環境の
ルトの設計思想(人間の生活が中心にある建築を作
変化もあって日本からの発表が多かった。
るべき)や手法(通りに対して閉ざし、中庭に対し
アンカー施工については、2010 年に日本建築学
て開ける家をつくる)も紹介した。
会(
「各種合成構造設計指針・第4編各種アンカー
最後に中野教授はJHRが建設を計画している実
ボルト設計指針」の改定)で接着系あと施工アンカー
験施設について説明した。新潟工科大学の加力フ
に関する学会指針が始めて出された。中野教授は指
レームを具体例として原理を紹介し、計画中の施設
針の内容をまとめた解説資料を配布するとともに、
は 400 Hの柱、計画中のものは高さ6m、長さ4m
代表的な製品(金属拡張アンカー)と工法、アンカー
で、新潟工科大学の施設より一回り大きい試験装置。
を打つ本数、位置で様々に変化する破壊と耐力のメ
地震を想定した繰り返し加力実験など様々な実験が
カニズム(設計式)について説明した。配布した資
できる。
料は 2013 年3月号の日本コンクリート工学会「コ
なお、講演に先立ってJHR・佐藤収一副理事
ンクリート工学」(第 51 巻・第3号、243 ~ 250 ペー
長、学術会員を代表して東京理科大学の松崎名誉教
ジ)の解説「各種合成構造設計指針にあける接着系
授が挨拶した。佐藤副理事長はJHR・10 年の歴
あと施工アンカーボルトの引張支持力に関する設計
史を振り返るとともに、実験の事業化を軸に第2段
法と課題」
(千葉工業大学(工学部建築都市環境学科)
階に入った溶接ユニット鉄筋業界の更なる発展を期
中野教授、東京理科大学(工学部建築学科)松崎育
した。
弘名誉教授、大成建設㈱(技術センター)杉山智昭
氏)
。
ヘルシンキ会議に関連して中野教授は著名な建築
家・アールトの建築事例や、ヘルシンキの都市設
計について解説した。アルヴァ・アールト(Alvar
Aalto、本名はフーゴ・ヘンリク・アールト、1898
~ 1976 年)はフィンランドが生んだ 20 世紀を代表
する世界的な建築家、都市計画家、デザイナーで、
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イン
新・学術会員ご紹介
地盤の問題などを分り
易く伝えていきたい
日本大学 理工学部建築学科
教授 工学博士
安達 俊夫 氏
が手薄だったと思います。特に、4号建築を対象と
した地盤調査・基礎の設計等は、手薄なところがあ
――安達先生が取組まれてきた研究は
りました。せいぜい、1988 年に刊行した小規模建
安達 建築のなかで地盤・基礎をやる人は少ない
築物基礎設計の手引きくらいしかないような状態で
のですが、地盤・基礎を専門にしてやってきました。
した。
最近は特に液状化問題に取組んでいます。いわゆる
しかし、2000 年に住宅品確法ができるまでは、
地震時を対象とした地盤です。20 年近くは液状化
地盤や基礎にからむトラブルが随分多くなってきた
を中心に研究しています。液状化の現象、そのメカ
ので、建築学会としても、オーソライズされた指針
ニズムなどを研究しています。
や、技術資料を提供しなければいけないということ
2008 年に小規模建築物基礎設計指針が建築学会
で、小規模建築物基礎設計指針という本ができたわ
で出版しましたが、その時私が委員長を務めさせて
けです。出版してみたら、随分反響があり、本の需
もらい、8 年がかりで作成しました。千葉工業大学
要も多くあったので、学会でもびっくりしました。
の中野先生も執筆者になって頂きました。住宅の基
こんなに発行部数が出るとは思わなかったのです。
礎設計については、これがきっかけです。
建築学会では、基礎的な構造計算の方法などを出
版しているのですが、木造建築の基礎をやっている
――最近の住宅建築と地盤・基礎については、ど
人はすくないしわかりにくいので、この本では、図
のように見ていますか。
表で断面算定できるようにし、構造計算を基本とし
ますが、間違えないためのチェック用の図表等で、
安達 戸建の地盤調査はスウェーデン式サウン
簡易的な設計ができるように、二本立てで構成され
ディングでやっています。中規模以上では標準貫入
ています。その点で皆さんから評価されています。
試験です。住宅では地盤調査に費用を多くかけられ
ないので、なるべく迅速に安くやれるスウェーデン
――工業会に一言お願いします
式でやるということですが、試験法には若干の問題
安達 技術の向上を図るために、いろいろ勉強会
点もあると思います。またその結果を元に基礎をど
とか講習会をされていますので、工業会の活動は大
う設計するかというのはなかなか難しい問題です。
変すばらしいと思っています。
基本的にはスウェーデン式の結果をN値に換算し
私も工業会の勉強会で地盤のことを話す予定で、
たりして設計していますが、表層の 50㎝とか 1 m
液状化の話や地盤の支持力の問題などをテーマに話
未満とかのデータでは障害物もあるし、なかなか安
したい思っています。来られる人は、必ずしも専門
定していない土を相手にしているので設計もなかな
の人ばかりではないということなので、分かりやす
か難しいと思います。
い内容でやってくれないかといわれています。でき
建築学会の立場として、着工数が圧倒的に多いに
るだけ地盤の問題などを分りやすく伝えていきたい
もかかわらず、戸建住宅の基礎というのは、地盤調
と思っています。
査も含めてちょっと基礎設計の技術基準などの整備
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新・学術会員ご紹介
生きものコンクリート
新潟工科大学 学長特別補佐
教授 工学博士
地濃 茂雄 氏
そのことで、強さも寿命も同じように思われがちで
す。しかし、そうではありません。コンクリートは、
――ご専門のコンクリートについて
地濃 コンクリートは、人工の岩石です。それは、
セメントと水を繰り混ぜて出来た糊(セメント糊)
が、時間と共に固まることの性質を活かして、砂と
砂利を合体させたものです。
その固まったコンクリートは、圧縮される力には
強いのですが引っ張られる力には極めて弱い。そこ
で、引っ張りに強い鉄筋の助けを借りることにした
と言う訳です。
しかし、鉄筋には火熱に弱いこと、酸素と水分の
下で錆びることの弱点があります。
ところが、偶然にもコンクリー卜は、鉄筋の弱点
を補う性質を持ち合わせていました。コンクリート
が鉄筋を囲い込み、持ちつ持たれつの関係から、両
者一体となって、押しにも、引きにも、曲げにも強
く、耐火的で長持ちする鉄筋コンクリートが生み出
されたのです。
「半永久的」と考えられてきた鉄筋コンクリート。
しかし近年、砂や砂利の枯渇化・低品質化、施工上
の不具合、環境の悪化(酸性雨、潮風、凍結融解)
等が複雑に絡み合い、建物や構造物の寿命を早める
ような事態となってきました。
それが今日、取り沙汰されているコンクリートの
劣化・老朽化問題です。コンクリートと鉄筋コンク
リートを再認識すべき時にあるのです。
人間と同じような生きもの。その上、現場における
一品生産品。ですから、特に次の二点について理解
して頂きたいのです。
まず第一に、コンクリートの強度や寿命はセメン
ト糊の濃度によって支配されます。例えば、濃度が
薄ければ強度も小さく、寿命も短くなります。
第二に、セメント糊は数時間後に固まり始め、そ
の後も水を栄養分として強さを発揮し続け、およそ
一カ月で成人になります。この間の子育てが極めて
重要です。早期のうちに型枠を外したり、乾燥させ
たりすると成長はその時点で止まります。子育て期
間中の湿潤養生が肝要であると言えます。
次に、かぶり厚さ(鉄筋の表面からコンクリート
表面までの距離)についても触れさせてもらいます。
一般に、耐久性や耐火性の観点から、かぶり厚さ
は3~4cm 必要です。しかし、ずさんな施工管理で、
このことが守られず、かぶり厚さが小さくなると鉄
筋は容易に発錆し、耐力や耐久性の低下を引き起こ
すことになります。鉄筋の発錆を誘発するようなひ
び割れについても同様なことが言えます。
住宅基礎に関わる鉄筋工事とコンクリート工事の
一連の作業は、とても大事なことだと考えます。
――工業会に一言お願いします。
地濃 日本住宅基礎鉄筋工業会および会員各位の
先駆的な取り組みに敬意を表します。
――住宅基礎のコンクリートについては
地濃 建物の規模に拘わらずコンクリートの使い
方は同じです。住宅の基礎だから安易に取り扱うと
言う訳にはいかないと考えます。
コンクリートは、どんな条件下でも固まります。
建築に求められる性能は、安全性・耐久性・機能
性・施工性・意匠性・経済性です。その一翼を担い、
一層の発展へと向かっておられる工業会。河上から
河下まで、多岐にわたる作業工程の有機的な繋がり
と知識普及をこれからも期待致します。
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新・学術会員ご紹介
基礎に要求される性能も複雑
-人通口、地反力、狭小住宅対策-
工学院大学 名誉教授
工学博士
宮澤 健二 氏
り筋かいとしては効きません。建築基準法施行令第
――長年住宅に取組まれた中で、基礎に対する意
45 条違反です。裁判で決着がつくと思います。
識はどのようなものでしたか。
その他、根切りが浅いものがある。ベタ基礎にす
れば安全だと思っているようですが、そう安全では
宮澤 普通の構造物は、独立基礎、杭基礎が主体
ないですね。基礎の根切りは、もう少し深くして欲
で、地反力分布の問題は殆どありません。しかし、
しいですね。ところがこれは経済性の問題で、根切
住宅の基礎は布基礎です。従来簡単な接地圧、低版
りしたときの残土処分の問題がありますね。
の曲げ強度の検討程度でしたが、最近は、長期と短
それから、近年の木造技術の開発について言えば、
期について地反力分布と基礎梁の曲げ応力をどう評
クリープ、リラックゼーションや局部応力の問題が
価するか、或いは人通口、通気口の問題もあります。
あります。クリープたわみの研究は古くからありま
また、近年はべた基礎が多く、残土処理の問題から
すが、接合部のクリープやリラックゼーション、木
基礎の根切りが極端に小さいことがあります。更に、
材のほぞのせん断抵抗や摩擦抵抗なども未解決で
柱の引き抜き防止に対する基礎の役割や狭小住宅の
す。私も柱の土台めり込みとボルト接合部の一年半
建物全体の転倒防止の検討で地反力分布をどう評価
位の長期載荷実験をやったことがあります。最終変
するかと言った難しい問題もあります。まだまだ、
形は、初期変形の 1.5 ~ 2 倍になることがあります。
課題があるよう思います。
特に木造やっている研究者は、ベースが建築サイ
ドの人と林産関係の人がいますが、林産関係の人は
――最近の木造住宅と基礎についての問題は、
この部分についてよく研究されています。最近木造
宮澤 長期優良住宅等の要請から、基礎に人通口
ラーメンやCLT構造が開発されていますが、実施
が必要になってきました。外周は換気口を設けず、
にあたってはこの点も考慮して欲しいと思います。
殆どが基礎パッキンになりました。しかし、内部の
人通口は構造耐力上難しい問題です。防湿対策とし
――工業会に一言お願いします
てべた基礎とし、基礎梁せいを上げる傾向がありま
宮澤 住宅メーカーやビルダーなど住宅をやって
す。それから既存住宅でもそういう問題が出ていま
いる人からすると、鉄筋の溶接とは何かとか、溶接
す。既存住宅では人通口が十分配慮されておらず、
にも色々問題点があるということが、余り知られて
シロアリ調査等で、基礎に人通口のように穴を開け
いなかった。組立て鉄筋だったら何でもいいだろう
そのままにする業者があるそうです。
と思われがちですが、やはり性能がちゃんと担保さ
また欠陥住宅訴訟で私が見たのは、べた基礎の住
れるということをしないといけないし、やっぱり誰
宅で、
内部にコンク-ト基礎の立ち上がりを設けず、
かの客観的判断が必要、誰も知らないままやるのは
べた基礎盤直上に土台を直置きし、その上に筋かい
よくない。何らかの形で性能を社会的に担保という
壁を設置している。筋かいの一方は土台には接合で
か、保障する。そういう事が必用だと思いますので、
きるが、
外周柱は外周土台上なので直接接合できず、
工業会の役割は大変貴重だと思います。
三ツ割木片を挟んで取り付けていた。これでは引張
― 12 ―
reinforcement
■■ 補助金、法改正など ■■
出している。その中で、建設業の担い手確保等の実
住宅・建築物技術高度化事業
基礎梁の開口補強の開発で採択
現に向けた目玉の施策とも言える「担い手3法」の
改正法が6月から交付された。そのうち、建設業法
国土交通省は 8 月 8 日、平成 26 年度「住宅・建
での「建設業者及びその団体による担い手確保・育
築物技術高度化事業」の採択提案を発表した。住宅
成」等については即日施行となり、業界団体等では
建築行政が直面する環境対策、長寿命化対策、安全
担い手の確保・育成のための具体策が求められるこ
対策等の解決に寄与する先導的技術開発を複数の構
ととなった。
成員の共同により行う者を公募によって募り、優れ
改正のポイントは次の通りである。
た技術開発の提案を応募した者に対して、国が当該
・公共工事での施工体制台帳の作成・提出について
技術開発に要する費用の一部を補助するもの。採択
改正では、公共工事の受注者が下請契約を締結す
採択されたのは 18 提案で、そのうち木造関連は 12
るときは、その金額にかかわらず施工体制台帳を作
提案となっており、日本住宅基礎鉄筋工業会関連で
成提出することとなり、下請金額の下限が撤廃され
千葉工業大学の中野克彦教授らの「住宅用基礎梁の
た。
開口部補強構造」も採択された。
・入札金額の内訳書の提出について
木造関連で採択されたのは次の通り。
改正では、能力のない業者が最低制限価格で入札
①木製クワトロサッシの開発とローコストエコハ
する事態を排除するため、入札の際に入札金額の内
ウスへの適応技術開②女性の健康サポート機能付き
訳を提出するとこが法的に求められるようになる。
温水洗浄便座の技術開発③二重配管構造の給湯新配
・建設業からの暴力団排除の徹底について
管システム等の技術開発④住宅等におけるアレル
改正法では、建設業許可、浄化槽工事業登録及び
ギー対策を目的とした集中換気システムの開発⑤電
解体工事業登録の欠格要因及び取消事由に、暴力団
力ピークカット及び快適性向上に資する太陽熱を利
員、暴力団員でなくなった日から5年を経過しない
用した住宅向け調湿・除湿並びに低温床暖房システ
もの、暴力団員等がその事業活動を支配する者の 3
ムの開発⑥環境に配慮した既存躯体と補強部材接続
つを追加した。
面における省力化接合工法の技術開発⑦入戸火砕流
・解体工事業の新設について
堆積物(シラス)を利用した建築分野における次
29 番目の建設業許可業種として解体工事が新設
世代型コンクリートの技術開発⑧窯業外装材 ( サイ
された。経過措置として、とび・土工工事業の許可
ディング ) の施工方法改善による省資源、廃棄物削
を受けて解体工事業をしている者は引き続き3年間
減及び安全性向上につながる技術開発⑨間伐材を活
(公布の日から計5年間程度)は解体工事業の許可
用した倒壊防止型1部屋耐震補強工法の技術開発⑩
を受けなくても、解体工事することが可能。
ハイブリッド架構による耐火木造建築の技術開発⑪
アーチフレーム方式による木造住宅耐震改修工法の
技術開発⑫住宅用基礎梁の開口部補強構造に関する
技術開発
「担い手 3 法」改正、6 月公布
解体工事業が建設業許可業種に
10 年後に 50 万人不足すると言われる建設技能労
働者。国もその対策に向けて、若年入職者の確保育
成、外国人研修生の拡大などで積極的な施策を打ち
― 13 ―
reinforcement
会員企業訪問 23
建て方・運送から基礎鉄筋へ
自社施工化も進める
京都府
有限会社 大野組
(有)大野組(大野貴祥社長)は7年ほど前から
を取得したことで、大野組として生産・販売を展開
住宅用の溶接組立て鉄筋の加工を始め、現在では月
することになった。
間 700 トン程度生産するまでになった。大手ハウス
工場の特徴は、「フットワークがいいところだ」
メーカーを主な得意先として、配送エリアは地元近
と工場長は説明する。同社では東海から中国・四国
畿を始め愛知 ・ 三重、四国、岡山、山陰など広範な
まで広範囲な配送エリアを抱えているが、自社の運
エリアをカバーしている。昨年からは新規の顧客開
送で対応出来ることが大きなメリットだと自慢す
拓を進めようと営業担当も作り積極的な展開を始め
る。毎日、20 棟前後各地へ出荷、また工事部でも
ている。
10 台ほど走らせている。その要となっているのが
大野組は、元々大手ハウスメーカーの建て方工
工程管理部門だという。「うちでは、各部門の枠を
事、鉄骨の組立て工事を行ってきた会社で、現在も
越えて、各現場の工程を全て把握している掛かりが
年間 800 ~ 1000 棟程度の工事を行っているという。
います。そのお陰で、着工から工事完了までスムー
工事を行う一方、現場で使う資材の配送も行うよう
ズにデリバリー、工事ができるし、ハウスメーカー
になり、工事部門に加えて運送部門がスタート。ハ
も安心だと思います」と工場長は説明する。
ウスメーカーの現場へ資材配送、建て方工事という
工場の生産設備は、切断機3台、加工機6台、半
一連の流れを仕事としてきた関係で、現場で他の業
自動溶接機2台、マルチスポット溶接機5台、メッ
種との繋がりもできた。そうした中で、同社の住宅
シュベンダー2台などだ。工場要員 15 人、作図 10
用の溶接組立て鉄筋の加工は、工業会の会員である
人という配置。20 代前半の社員が多いとのことで
木下工業㈱の京都工場として始めたことがきっかけ
社内は明るい雰囲気だ。「特にオペレーターは若い
だった。その後、同社工場ではBRS工法での評定
ですね。会社としては働きやすい環境作りを心がけ
― 14 ―
reinforcement
ていますが、若い人は何でも熱心に取組んでもらえ
「我々は運送の他、建て方、大工工事、屋根工事
ます」と、工場長は語る。同社の生産スタイルは注
など大体一棟まるごと工事をしているのですが、今
文から出荷まで最短で 3 営業日も可能だが、他と異
後は基礎まで対応出来るようにしたいと考えていま
なるのは「JIT生産よりも少し早めの生産」であ
す」と石田工場長は期待する。基礎鉄筋を加工する
るとのこと。
「お客さまによって急に納品を求めら
だけでなく総合力を活かした展開を目指している。
れることが多々あるので、対応出来るようにしてい
同社はこの他にもグループ企業として、鋼材加工
る」というものだ。加えて自社の運送部があれば、
等を行う㈱大野興業、落下防止用水平安全ネット・
フットワークがよくなるのは当然と言うわけだ。
建設仮設資材等のリースを行う㈱オーテック、CA
同社は今後ますます工期短縮やコストダウンが求
Dオペレーター等の人材派遣会社㈱アクセス 22 が
められるので、ユニット鉄筋の普及もますます盛ん
ある。
になると見ており、その生産体制の改革は、整備、
増強をねらったものだ。当面はスポット溶接機等で
■(有)大野組
の加工品の滞留場所の確保など、作業の効率化、安
本社:京都部京田辺市天王奥別所 64-2
全確保などで、生産ラインの見直しを進めるとのこ
電話:0774-68-0203
と。
また、同社の持つ「工事力」に関しては、今後の
職人不足時代に対応し強みとして基礎でも活かした
いとしている。
「現場で鉄筋を組んで欲しいという
要望は常にある」とのことであり、いまは2班が基
礎工事に対応しているとのこと。
― 15 ―
reinforcement
会員企業訪問 24
日本で唯一、棒鋼から一貫製造
地元市場にユニット鉄筋普及目指す
長崎県
西日本鋼業株式会社
西日本鋼業㈱(秋葉一敬社長)は、自社で製造し
た鉄筋で、住宅用ユニット鉄筋を加工・販売する会
社だ。
「日本国内ではうちだけ」と同社の山下道義統括
部長は、会社の特徴を一言で表現する。同社は昭和
西日本鋼業㈱
取締役社長
秋葉 一敬氏
23 年創業という歴史を持つ会社で、造船材や建築
用の圧延鋼材、H型鋼などの端材を原料にした小型
丸棒メーカーとしてスタート。こうした再生鋼材を
製造するメーカーは、昭和 40 年頃がピークで全国
に 150 社ほどあったとの事だが、現在は3社のみと
規格(SRR235、SDR295、SDR345)を取得し、長
なり、そのうち再生棒鋼を製造しているのは、同社
崎県県産品に登録している。
だけという。現在社員 49 名、日鉄住金物産㈱が株
その規格鉄筋で、新たに住宅ユニット鉄筋の加工
式の 95%を持つ。
を始めた。昨年には、鉄筋加工工場を新設し、最新
鉄筋加工に進出したのは平成 11 年からで、そこ
のマルチスポット溶接機やメッシュ曲げ機などの設
から地元長崎県を中心に佐賀、福岡西部等の基礎工
備投資を行い、市場へのユニット鉄筋等の普及を本
事業者に直接販売してきた。再生棒鋼の鉄筋は、無
格的に開始した。
規格品の鉄筋であり、安価な製品として普及してき
同社の鉄筋生産量は、月間 2000 トンで住宅用基
たという。しかし、性能表示制度や住宅取庇担保履
礎鉄筋の加工は 200 トン (150 棟前後 )。他に長崎県
行法などの施行で、住宅基礎の性能基準が明確に
県産品登録を武器に、自治体向けに鳥獣被害対策
なったため、使用される鉄筋も規格性能が問われる
用の防護柵に使用する支柱材の切断加工品を年間
ようになった。そこで同社では、無規格品の製品で
1500 トンから 2000 トン納入している。また、長崎
は、将来的な需要は見込めなくなるとして、平成
県発注の港湾土木工事向けに使用する魚礁等の工事
23 年に JISG 3117 鉄筋コンクリート用再生棒鋼の
物件への対応やホームセンター向けにも切断加工販
― 16 ―
reinforcement
炉前材
加熱炉への投入
圧延工場 冷却床
鉄筋化工 マルチスポット溶接機
鉄筋加工場
売を行っており、地元に軸足を置いた営業政策に転
いる。「CADは女性2名で担当しています。誰で
換している。
「鉄筋は市況に大きく左右されやすい
も出来るような仕組みを構築しています」とのこと
商品ですが、加工品は価格が安定しているので、今
だ。また配送についても、土地柄道路も狭いので2
後も加工品への比率を上げていきたい」と山下統括
トン車での配送にて、客先への対応を行っている。
部長は期待する。
同社では現在、住宅基礎ユニット鉄筋の積極的な
工場は、鉄筋を製造する熱間圧延工場と溶接組み
拡大を目指して、日本建築センターの溶接評定取得
立てを加工する鉄筋加工場に分かれている。熱間圧
に向けて準備中だ。九州地区ではビルダーや工務店
延工場では、新日鐵住金の各製鉄所から分譲された
は基礎工事に関わる事は、業者任せになっている事
厚板材を全数成分分析を行い、各規格グレードに適
が多く、ユニット鉄筋などへの普及がなかなか進ま
合したものに選別し、約 100㎜幅に切断、加熱炉に
ないと言われる。また基礎工事業者も、専業という
おいて材料温度 1000 度に加熱し 13 回の圧延を行い
よりも左官業や造園業などと兼業で、規模の小さい
鉄筋を製造する。鉄を再度溶解することなく製造す
ところが多いという。同社ではそうした基礎工事の
るため、電力消費を抑えたエコ製品だという。品質
市場をみて、「基礎性能を考えている中堅以上のビ
管理では、素材の成分分析をはじめ、圧延温度管理
ルダーや工務店へユニット鉄筋を提案をしていきた
や製品の抜き取りによる強度・伸び試験を行い、品
い」と山下統括部長は語る。JIS 規格の取得や溶接
質保証を高めている。
の評定取得は、性能だけでなく地域市場での営業に
住宅ユニット鉄筋では、取材した 8 月末は鳥獣被
も役立てたいとしている。
害対策用の加工がピークで、倉庫には完成した加工
■西日本鋼業㈱
製品が山積みされていた。ユニット鉄筋の加工で
本社:長崎県佐世保市千尽町4番地の8
は、FAX などで入手した図面をスキャンして自動
電話:0956-31-4334
的に拾い出し出来るソフトを自社開発して活用して
― 17 ―
reinforcement
会員企業訪問 25
リスクヘッジのポイントは
企業理念の “ 信用累積拡大経営 ”
佐賀県
有限会社 実松製作所
(有)実松製作所(実松新一郎社長)は、昨年秋
からBRS工法の住宅基礎用の溶接組立て鉄筋の製
造を開始、異業種から参入組だ。創業は昭和 32 年
と歴史があり元々養鶏のケージ製造などをしてきた
会社である。しかしケージ等の養鶏設備は外国産に
(有)実松製作所
代表取締役社長
実松 新一郎氏
押されて国内メーカーは数社しかなくなっており、
同社はその内の1社だという。現在の主な製品は、
養鶏設備や豚舎、牛舎関連の飼料タンクなどの畜産
関連が4割、ワイヤーメッシュなどの溶接金網関係
が4割、階段、工場向けパレット、移動台車など鉄
い空気にふれているわけで、5年でサビが出たり、
工関係の加工が2割とのこと。その他では最近防獣
10 年で溶接がはがれたりしてはいけない。溶接に
アミなど用途として使うワイヤーメッシュの加工製
してもメッキにしても品質的に高いものが必要」と
品も多い。昨年から始めた住宅用基礎鉄筋は、約一
実松社長は語る。その品質の良さでシェアを伸ばし
年が経過して月間 50 ~ 60 トン(30 ~ 40 棟分)の
た。しかし日本の養鶏場は、小規模な農家養鶏から
生産量だという。
「まだまだ実績が少ないので頑張っ
100 万羽とか 500 万羽とかの大手の寡占市場となっ
て早く採算ラインに乗せたいと思います。工場設備
た。設備も大型化し、ケージだけでなく様々な設備
にも余裕がありますし、月間 100 ~ 200 棟はいける
も付くようになり同社も苦戦を強いられるように
ようになりたい」と実松社長は新事業に意欲的だ。
なった。そしてオートメーション化したものが先進
そして、今回の基礎鉄筋への参入は、長年培って
地・ヨーロッパなどから入るようになってきた。同
きた溶接の技術があったからだと説明する。同社の
社はケージの市場が様変わりする中で、溶接技術を
養鶏用のケージは、かつて九州地区で 90%のシェ
活かしたワイヤーメッシュ、二次製品の市場開拓を
アを持っていたという。「ケージは 20 年くらいの耐
進め経営の安定化を図ってきたという。
久性が求められます。コンクリートの中の鉄筋と違
基礎鉄筋でも、そうした技術・品質が支えになっ
― 18 ―
reinforcement
鉄鋼係:油タンク製作
金網係:コンクリート二次製品製作
金網係:住宅基礎鉄筋製作
金網係:スポット溶接機 ワイヤーメッシュ製作
てるのはもちろんだがサービス対応にも自信をのぞ
かせる。
「最初から量産してもクレームが多ければ
何もならない。お客様との対応、現場での指導方法
がだんだん分ってきてた。これだったらお客さんに
勧められる。ユーザーに迷惑が掛からないよう少し
ずつ伸ばしていきたい」という。いま一番心がけて
いるの短納期への対応で、
「通常3~4日納期です
が、お客さんの工程に対応していきたい。できれば
翌日発送もやっていきたい」と担当者の宮原課長代
理は語る。鶏舎などの仕事では1~2カ月の納期が
必要で、
ものづくりではこの辺が大きく違うという。
同社では二次加工品やワイヤーメッシュなどで短納
期に対応しており心配ないという。
工場は 4200㎡の広さがあり、フロアーの各所で
畜産、金網、鉄筋などが加工されている。主な設備
機械は、金網自動溶接機、アーク溶接機、TIG溶
接機、スポット溶接機、ロボット溶接機、NCベン
ダー、メッキ設備など。基礎鉄筋は、今のところ大
手ハウスメーカー数社の仕事をしているだけだが、
地の利を活かして大手グループや地元ビルダーへの
金網・畜産係:全自動スポット溶接機
普及を図っていく考えだ。基礎鉄筋の配送エリアは
地元佐賀をはじめ長崎、福岡、熊本などで、高速道
路で1時間半以内の距離。「配送の仕方も分ってき
た。佐賀から東は人口も多く住宅需要も多いので営
業に力を入れていきたい」と、実松社長は自社の立
地の良さもメリットだと語る。
■(有)実松製作所
本社・工場 佐賀件神埼市千代田町姉391-1
電話 0952-34-6311
― 19 ―
reinforcement
2014 年度 住宅市場の動向予測
8月も持家の深刻な着工減が続く
秋需で回復するも動き鈍く年内下落続く
昨年の 10 月以降消費税増税の反動による住宅着工数の減少が、今年の夏を過ぎ
て、ようやく底を打ったかと思われる動きとなりつつあるようだが、調査機関の
予想をもとに今年度の住宅着工の動きの先読みを試みた。
景気の予想として住宅業界がよく目にするのは、
出典:JK情報センター「需要動向予測調査」
大手問屋のジャパン建材内(JK情報センター)に
よる「需要動向予測調査」である。3000 社近い工
務店や販売店のアンケート結果をまとめて指標化し
たもので、9月 5 日発表の第3四半期(10 月~ 12 月)
の需要予測は、右のグラフの通りである。7月~9
月まで下落していた指標が、10 月~ 12 月にかけて
は、ほぼ平行線を描いていることが分かる。
工務店の仕事量の需要予測(平成 26 年度第3四半期[10 月~ 12 月])回答数 2,880
大手ハウスメーカーの対前年同月比の受注動向は
次頁の表とグラフの通りである。昨年の 10 月以降
出典:JK情報センター「需要動向予測調査」
軒並み前年同月比で、大幅に落ち込んでいることが
分かる。
今年 4 月の消費税増税後、ハウスメーカーだけ
でなく、全国的に新築住宅の販売が落ち込んでい
る。大手住宅メーカーのタマホームの受注状況は金
額ベースで見ると、6 月が前年同月比 50%、7 月が
積水ハウス 8月度受注速報
販売店の仕事量の需要予測(平成 26 年度第3四半期[10 月~ 12 月])回答数 2,917
前年同月比
出典:JK情報センター「需要動向予測調査」
戸
木材取扱量の推移と需要予測(平成 26 年度第3四半期[10 月~ 12 月])
― 20 ―
建
住
宅
-33%
低 層 賃 貸 住 宅
-13%
分 譲 住 宅 事 業
-26%
マ ン シ ョ ン 事 業
13%
リ フ ォ ー ム 事 業
-10%
合
-22%
計
reinforcement
主要ハウスメーカー 最新受注情報
ハウスメーカー
9月
10 月
11 月
12 月
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
住
業
65%
△ 30%
△ 28%
△ 24%
△ 15%
△ 16%
△ 23%
△ 31%
△ 4%
△ 34%
△ 22%
△ 32%
大 和 ハ ウ ス
35%
7%
△ 4%
△ 7%
△ 7%
△ 10%
△ 11%
△ 7%
△ 9%
△ 17%
△ 9%
△ 16%
積 水 ハ ウ ス
74%
△ 16%
△ 32%
△ 28%
△ 25%
△ 32%
△ 34%
△ 40%
△ 33%
△ 34%
△ 38%
△ 34%
旭化成ホームズ
48%
△ 32%
△ 13%
△ 22%
△ 25%
△ 18%
△ 10%
△ 8%
△ 11%
△ 12%
△ 7%
△ 9%
ミサワホーム
22%
△ 20%
△ 22%
△ 27%
△ 26%
△ 26%
△ 21%
△ 26%
△ 27%
△ 22%
△ 30%
△ 30%
パ ナ ホ ー ム
17%
△ 14%
△ 22%
△ 21%
△ 11%
三 井 ホ ー ム
69%
0.2%
タ マ ホ ー ム
91%
△ 52%
友
林
△ 19%
△ 16%
△ 19%
△ 19%
△ 18%
△ 19%
△ 14%
△ 0.4% △ 11.3% △ 24.9% △ 15%
△ 34%
△ 34%
△ 16%
△ 17%
△ 21%
△ 25%
△ 45%
△ 32%
△ 30%
△ 31%
△ 50%
△ 42%
△ 40%
△ 40%
△ 25%
△ 30%
※金額ベース
前年同月比
タマホーム
ミサワホーム
三井ホーム
住友林業
大和ハウス
パナホーム
積水ハウス
― 21 ―
旭化成ホームズ
reinforcement
主要建設資材 月別需要予測
主要建設資材
セメント
生コンクリート
木材
普通鋼鋼材
形鋼
小形棒鋼
アスファルト
11 月
9.0%
9.3%
10.2%
11.9%
24.3%
5.6%
△ 2.5%
12 月
7.1%
7.0%
14.2%
15.3%
17.4%
9.2%
0.3%
1月
15.2%
14.2%
12.5%
1.6%
21.3%
7.3%
3.8%
2月
3月
4月
2.2%
4.2%
1.0%
2.9%
3.2%
0.8%
3.6%
3.4%
△ 2.9%
△ 4.8% △ 2.3% △ 2.1%
11.8%
1.5% △ 11.3%
△ 2.5%
0.4%
△ 5.3%
△ 12.4% 6.9%
13.7%
5月
0.3%
△ 1.5%
△ 9.6%
△ 6.3%
△ 2.1%
△ 4.2%
△ 0.5%
6月
9.4%
10.6%
4.9%
13.0%
9.6%
14.2%
9.5%
7月
8月
7.4%
7.1%
1.8%
12.2%
7.6%
6.8%
9.5%
13.3%
13.5%
△ 6.3%
18.8%
9.0%
12.4%
20.8%
アスファルト
9月
10 月
5.9%
5.2%
5.8%
2.3%
△ 7.7% △ 12.8%
11.2% △ 2.4%
7.0%
△ 3.5%
9.8%
5.1%
29.3%
20.0%
※需要ベース
前年同月比
形鋼
セメント
小形棒鋼
普通鋼鋼材
生コンクリート
木材
58%、8 月が 60%だった。プレハブ住宅メーカーの
みたのが 23 頁の表である。
積水ハウスも 8 月の戸建住宅の受注状況は前年同期
○印で示したようにマンションと持ち家の減少が
比 66%であり、3 割以上の減少となっている。
大きいことが分かる。第1四半期(4~6月)で見
消費税増税後、政府は駆け込み需要の反動減を抑
ると持ち家で約2割、マンションで約3割の減少と
える策を打ち出してきたが、4 月から 6 月の国内総
なった。それに比べて賃貸住宅や分譲戸建の開発で
生産(GDP)は実質年率でマイナス 6.8%になり、
は影響が少ないことが分かる。
景気の急激な減速が懸念されるようになった。特
最新の8月の動きも含めた5カ月分の推移につい
に民間住宅の国内需要は前期比 10.3%のマイナスで
て、持ち家とマンションで見てみると、○印で示し
あり、消費税前の駆け込み需要からの反動が色濃く
たようにマンションの方は約2割減と着工の減少が
出ている。増税後の住宅政策は住宅ローン減税と低
おさまりつつあるようだ。それに比べて持ち家の方
所得者向けの「すまい給付金」が住宅需要を後押し
は、まだ2割減と続いており、本格的な秋需まで減
する政策の柱であるが、着工戸数や大手ハウスメー
少が続きそうな模様である。特に木造の注文住宅に
カーの受注実績を見る限り、効果的に機能している
ついては、今後の回復が望まれる。
とは言いがたい。
マンションは着工減はなぜ夏におさまってきたの
だろうか。これについては、第一生命経済研究所経
1997 年の消費税増税直後の年には、半期でマイ
済調査部が6月に発表した「住宅着工の反動減の行
ナス 20%の減少となった。では今回はどうだった
方~改めて前回増税時を振り返る~」というレポー
のだろうか。新年度を迎えた 2014 年4月から6月
トを参考にすると、 97 年増税時には売れ残りマン
までの第一四半期の着工数を前年度同期と比較して
ションの戸数が多かったことが環境を悪化させた一
― 22 ―
reinforcement
(調査:新住宅ジャーナル)
全体
持家
貸家
分譲戸建
マンション
木造
非木造
13年度第1四半期(4~6)
241,349
87,958
84,960
33,091
33,885
134,235
107,114
14年度第1四半期(4~6)
218,834
70,951
89,669
32,254
23,351
119,397
99,437
-9.62
-19.34
4.46
-2.65
-31.08
-11.05
-7.16
対前年同期比(4~6月)
第一四半期の新築住宅着工戸数の推移(戸)と対前年同期比(%)
(調査:新住宅ジャーナル)
2014年
2014年
2013年
2013年
4月
23,799
283,57
4月
8290
10718
5月
22,288
28,902
5月
7307
12893
6月
24,864
30,699
6月
7754
10274
7月
23,524
31,475
7月
9011
9977
94,475
119,433
32362
43862
8月
合計
対前年同期比
合計
対前年同期比
-20.89
持ち家着工の推移(戸)と対前年同期比(%)
-26.81
マンションの推移(戸)と対前年同期比(%)
因だということが納得できるだろう。次ページの表
情からマンションにおいては、駆け込み需要の反動
を見てわかる通り、1998 年と 2014 年を比較すると
以上の住宅の減少を招く可能性は低いものとなっ
マンションの在庫の量が圧倒的に違う。こうした事
た。
一方で持ち家の減少の背
景について一般論として見
てみると、一般消費者の一
時的な買い控えによる影響
が大きいわけで、戸建の注
文住宅ともなると、購入時
に資金に関しても核家族に
よるものだけではない。特
に 親 か ら の 購 入 資金の援
助 が、 首 都 圏 で は 平 均 で
1000 万円ほどになるとい
う住宅会社からの話もよく
聞く。
住宅ローン減税などの諸
政策がうまく伝わらなかっ
た と い う こ と も 考えられ
― 23 ―
といった程度の対応に留まり、下支え要因に乏し
時の経験を生かしていることが示唆される(資料
い状況であった。そうした状況から消費者も「金
8)。
資料5.GDP成長率の推移
(前期比年率、%)
関の破綻やアジア通貨危機といえるだろう。こう
利が上がりそうになってから検討する」といった
8
このように、足元の住宅市場を取り巻く環境は
した需要の減速に対して、供給の調整が間に合わ
待ちの姿勢になりやすかった可能性がある。
前回増税時
6
決して悪いものではなく、前回のような駆け込み
ずマンション在庫が大幅に積みあがったことも
今回
このように前回増税時には、景気、在庫、政策
予測
4
以上の反動減を生じさせるような状況ではない。
住宅着工の落ち込みを長期化させた(資料4)。
対応などの要因が重なることで、駆け込み需要の
reinforcement
2
反動以上の住宅の減少を招いたのである。
資料4.首都圏マンション全残戸数と新規契約率
資料6.首都圏マンション全残戸数と新規契約率
(出所)㈱不動産経済研究所「首都圏・近畿圏のマンション市場動向」
0
(%) 95
(千戸)
4.足元の環境は悪くない
20
新規契約率(右軸)
20
全残戸数
18
90
-4
翻って足元の住宅市場を取り巻く環境をみて
85
18
(%)
(千戸)
-2
全残戸数
-6
15
みると、前回から状況は様変わりしている。まず
80
13
-8
国内景気については、大手金融機関の破綻やアジ
75
10
70
ア通貨危機といった金融市場の混乱を招くリス
1
新規契約率(右軸)
80
13
75
2 10 3
96/13
8
4
1
2
3
4
1
97/14
2
3
70
4
98/15
65
(注)今回の52014 年1-3月期以降は予測
60
調査(4月調査)をみると、実質GDP成長率は、
3
マンション在庫については、時間をかけて消化
55
14 年4-6月期や 15 年 10-12 月期は消費税率引
5
3
0
93
85
15
(出所)内閣府、日本経済研究センター
65
クは小さいと考えられる。ESPフォーキャスト
8
90
60
55
0
50
50
してきた様子が分かる(資料6)。首都圏におい
き上げ後の反動によって落ち込むと見込まれて
08
09
10
11
12
13
14
95
96
97
98
99
ては、今回増税時の方が駆け込み需要が発生した
いるものの、改善傾向での推移が見込まれている
首都圏マンション全残戸数と新規契約率
98(出所)(株)不動産経済研究所「首都圏・近畿圏のマンション市場
年(左)と 2014 年(右)の推移
94
(出所)(株)不動産経済研究所「首都圏・近畿圏のマンション市
動向」
場動向」 (資料5)。年度でみても、14 年度+0.71%、15
とみられるが、在庫の過剰な積みあがりは確認さ
(各社発行のレポートの一部を引用)
れず、駆け込み需要に対して適切な供給が行われ
年度+1.34%と国内景気は消費税率引き上げを
実質GDP成長率 2014
年度 + 0.5%
また、前回局面では、駆け込み終了後は超低金
ていたことが窺える(資料6、7)。経営者の住
乗り越えて改善していくと予想されている。
新設住宅着工数 2014
年度 91.2 万戸
利・金利先高感が下支えになるとの観測があった
宅景況感調査(見通し)をみてみると、前回増税
が、それ以外には新商品の販売や営業強化を図る
消費税率引き上げによる実質所得の目減りを受けて個
時より消極的であり、ここからも企業は前回増税
第一生命経済研レポート 2014.6
といった程度の対応に留まり、下支え要因に乏し
人消費が減少し、成長率を押し下げたが、9
月期は、
時の経験を生かしていることが示唆される(資料
い状況であった。そうした状況から消費者も「金
個人消費が消費増税後の落込みから持ち直すととも
8)。
利が上がりそうになってから検討する」といった
に、公的需要の増加が押し上げに寄与。
このように、足元の住宅市場を取り巻く環境は
みずほ総研 「2014・2015 年度 内外経済見通し」9 月 9 日
待ちの姿勢になりやすかった可能性がある。
決して悪いものではなく、前回のような駆け込み
このように前回増税時には、景気、在庫、政策
実質GDP成長率 2014
年度 + 0.7%
以上の反動減を生じさせるような状況ではない。
対応などの要因が重なることで、駆け込み需要の
新設着工戸数 年率 80 万戸台で推移
反動以上の住宅の減少を招いたのである。
資料6.首都圏マンション全残戸数と新規契約率
(%)
新設着工は年度半ばにかけて減少傾向を辿ると見込ん
(千戸)
20
4.足元の環境は悪くない
翻って足元の住宅市場を取り巻く環境をみて
全残戸数
新規契約率(右軸)
18
でいる。住宅投資については新設着工に遅れて動くこ
85
とから、年内は減少傾向を辿ると想定している。設備
15
80
投資は、増加基調を維持すると見込んでいる。
富国生命保険 「2014・2015 年度 日本経済の見通し」8 月 18 日
みると、前回から状況は様変わりしている。まず
国内景気については、大手金融機関の破綻やアジ
ア通貨危機といった金融市場の混乱を招くリス
クは小さいと考えられる。ESPフォーキャスト
調査(4月調査)をみると、実質GDP成長率は、
90
13
75
10
70
8
実質GDP成長率 2014
年度 + 0.8%
65
新設住宅着工数 2014
年度 91 万戸
5
60
3
55
0
50
14 年4-6月期や 15 年 10-12 月期は消費税率引
設 備 投 資 は + 6.3 %、 個 人 消 費 は - 2.7 %、 住 宅
き上げ後の反動によって落ち込むと見込まれて
投 資08は ー 8.3
見 通 し14を
09 %。14
10 年 度 の
11 実 質 成
12 長 率 13
いるものの、改善傾向での推移が見込まれている
「14 ~ 15 年度 改訂経済見通し」 14 年 9 月発表
1.2%
→ 0.9% → 0.8%と下方修正。
(出所)(株)不動産経済研究所「首都圏・近畿圏のマンション市場
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
動向」
(資料5)。年度でみても、14 年度+0.71%、15
年度+1.34%と国内景気は消費税率引き上げを
る。たとえ、家族の誰かが住宅ローン減税のことを
乗り越えて改善していくと予想されている。
パンフレットで見て理解できたとしても、親世代も
含めた出資者にうまく説明して全員が理解・納得で
きるというわけでもない。こうした層が、前年の増
税前にあおられて購入したしわ寄せがきているの
か、あるいは、価格が下がるまで延ばそうという慎
重論が出てきているのかもしれない。このように消
費者のマインドに影響される要素が高いのが持ち家
― 24 ―
第一生命経済研レポート 2014.6
reinforcement
新設住宅着工数 2014 年度 87 万戸
消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動は 7-9 月期以
降は減衰。買い替えサイクルが長い住宅投資の反動はし
ばらく続く可能性が高いが、個人消費は反動の影響が和
ニッセイ基礎研究所「2014 ~ 2016年度経済見通し 9 月 8 日 らぐ 7-9 月期には前期比でプラスに転じる可能性高い。
( 各 社 発 行のレポートの一部を引用)
実質GDP成長率 2014 年度 + 0.3%
実質GDP成長率 2014 年度 + 0. 2%
新設住宅着工数 2014 年度 89.7 万戸
実質所得落込みなど背景に今後の個人消費の回復ベース
は鈍いと予想され、景気の持ち直しベースは緩やかにな
る。積み上がった在庫を急速に調整する動きや海外経済
三菱UFJリサーチ&コンサルティング 9 月 9 日
「2014 / 2015 年度経済見通し(2014 年 9 月)
」
の悪化により輸出低迷には、景気が下振れリスクがある。
実質GDP成長率 2014 年度 + 0.6%
新設住宅着工数 2014 年度 91.1 万戸
2014 年度内は国内家計所得と個人消費、企業収益と設
備投資が増加する自律的回復の動きが続くことで、輸出
回復が遅れる中でも景気回復基調は維持される。2014
三井住友信託銀行「調査月報 2014/9 No.29」
年度は内需主導の回復を続ける余力が残っている。
の特徴である。
込みの危険をはらんでいるので、今後の動向を慎重
同じように需要の先食いに影響されるのがオー
に見極める姿勢が必要である。
ナーに決定権のある賃貸住宅なのだが、昨年9月以
降には先食いの影響が出ていた賃貸が、今年の春か
らはあまり影響がなく、注文住宅が大きな影響を受
けた後、夏以降にやや落ち込んできた。
今年度後半まで長引きそうな持ち家着工の減少で
あるが、足元の景気の動きを見ていると、先行き悪
くなるという要素は特に見られないので、来年には
再び堅調な動きが期待できるのだろうか。今年の年
末には消費税を 10%にするかどうか政府の方針が
決まるわけであるが、今年度の住宅着工減によるダ
メージを考慮に入れれば、できるだけ避けたいとこ
ろだ。
2015 年度の景気はウクライナ・ロシア情勢の影
響による欧州経済の混乱など海外景気の振れに左右
されやすい状況になるという見方も出てきているの
で来年は世界経済の不安要因もある。
つまり、2014 年度は消費税増税の影響による落
込み、2015 年度は世界経済の動向による更なる落
― 25 ―
reinforcement
■ トピックス
工業会の実験施設がスタート
最初の実験は補助事業の有孔梁の強度試験
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茨城県常総市のメークス本社工場の一角に開設
会員企業が自由に利用出来る体制を整備
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(一社)日本住宅基礎鉄筋工業会の実験施設がい
測器などを活用し、ようやく実験設備の体制が整っ
よいよ今秋から動き出す。手始めの実験として、平
たものだ。実験装置は最大 120 トンの加力が行える
成 26 年度住宅・建築物技術高度化事業で採択され
ものとのこと。工業会では、補助金事業の実験や工
た「住宅用基礎梁の開口部補強構造に関する技術開
業会独自の技術開発などこの実験施設を活用してい
発」での有孔梁の強度試験を行う予定である。
く他、会員企業にも、自社製品の実験や開発に自由
この実験施設は、昨年来工業会が自前の施設とし
に使ってもらえるよう整備を進めていく計画だ。
て設置・整備を進めてきたもので、会員企業・メー
実験施設のスタートは、国交省の採択を受けた補
クス㈱(森山慶一社長)の本社工場内の倉庫の一角
助事業「住宅用基礎梁の開口部補強構造に関する技
に設置されたもの。昨年から工事を進め、すでに試
術開発」での実験からとなった。
験体をセットする架台のベースが完成。あとは試験
この補助事業は、住宅の環境対策、長寿命化対策、
体に合わせた加力試験装置の架台の組み立てを待つ
安全対策等で優れた先導的技術開発を応募した者に
ばかりとなっている。10 月以降には装置の組み立
対して、国が技術開発に要する費用の一部を補助す
てが行われ実験がスタートする。
るもの。募集された技術開発の分野は、①住宅等に
工業会独自の実験施設設置については、
「品質の
おける環境対策や健康向上に資する技術開発②住宅
向上、安心・安全な住宅基礎の提供」を標榜する工
等におけるストック活用、長寿命化対策に資する技
業会として、その使命を果たすためその必要性が技
術開発③住宅等における防災性向上や安全対策に資
術委員かなどから上がっていたもので、学術委員の
する技術開発の3つ。今回採択されたのは③の安全
先生方から寄贈された各種資料や油圧ジャッキ、計
対策で、学術会員である千葉工業大学の中野克彦教
― 26 ―
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.
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++±
reinforcement
授などが中心となって提案し、8月8日付けで採択
に向けた実験、開発等を進める計画だ。
された。事業期間は3年で、工業会のバックアップ
なお実験設備の会員の利用については、運用規約
のもと会員が協力して行うことになったもの。
等を検討中であり、早急に対応したいとしている。
今回提案された技術開発は、住宅のシングル配筋
「工業会で実験を受けるのではなく、設備を貸すだ
の基礎では、配管スリーブ等の開口部補強の根拠が
けです。ですから積極的に自分のところでこういう
不明瞭であることから、実験等によって明確にする
ことやってみたいとか、これを使いたいという希望
ことで、開口部補強の安全性を確保し、製品開発に
があれば何時でも使って欲しい」と小島副理事長は
活かそうというもである。
述べている。
工業会では、
「RCでは梁成の3分の1位を限度
に孔をあけることができる。しかし住宅基礎などの
シングル配筋では5分の1位が限界でということを
建築センターの評定で言われる。今回の開口部補強
の実験で、ダブル配筋と同じように開口部を大きく
出来るようになれば大きな成果」と期待している。
また今回の開口部補強の技術開発とともに、工業
会では、施工省力化などからニーズが高まっている
段取り筋について、工業会が進めているスポット溶
接技術を活用するなどして、段取り筋での評定取得
― 27 ―
reinforcement
■■ data & data ■■
2015 年度概算要求 住宅関連は前年上回る 2183 億円
新 設 の「 地 域 型 住 宅 グ リ ー ン 事 業 」 に 120 億 円
国の 2015 年度予算要求が8月 29 日に出揃った。
億円と大きな予算額となっている。これは今年度ま
予算要求額は、今年度の 95 兆 9000 億円を上回る総
で3カ年続けられてきた新築住宅に対する中小工務
額 101 兆円という過去最大規模のもの。そのうち
店向けの「地域型住宅ブランド化事業」の “ 続編 ” で、
国土交通省の予算概算要求は、一般会計予算6兆
新築住宅に対する補助金がなくなることから新規事
6860 億円で前年度比で 16%増、この予算の増額は、
業としてはじめられるものだ。ただし、これまでと
主に災害対策やインフラの維持管理や整備による防
違うのは、「省エネルギー性能に優れた家」という
災・減災のための施策にあてられる。公共事業関係
ことが明確に打ち出されている点である。説明図を
費は6兆 121 億円で対前年度の1・16 倍。国土交
見て分かるように低炭素住宅やゼロエネルギー住宅
通省としては「国土のグランドデザイン 2050」に
も含まれていて、長期優良住宅の場合は、補助額が
示された「コンパクト+ネットワーク」等の考え方
100 万円が限度額であるが、低炭素住宅やゼロエネ
に基づく戦略的な取組を展開する。
ルギー住宅の場合は、165 万円まで限度額が引上げ
住宅関連の施策を担う住宅局の予算概算要求は、
られる。
国費にして 2183 億円(1.17 倍)と前年度とほぼ同
では、今までのゼロルギー住宅事業は来年度はど
額となっている。
国の予算
このうち住宅局の予算概算要求の一覧の中から新
うなるのであろうか。これは環境・ストック活用推
規の事業について見てみと 3 つある。
省CO 2 先導事業などと共に含まれていて、住宅・
一つ目は、
「地域型住宅グリーン化事業」で、120
建築物の省エネルギー、省CO 2 対策、健康、災害
進事業(国費 206 億円 前年度比 1.18 倍)の中に
の 予 算 概 算 要 求 は、 国 費 に し て
2183億円(1・
とほぼ同額となっている。
このうち住宅局の予算概算要求の
一覧の中から新規の事業について見
てみる。対前年度倍率で「皆増」と
書 か れ て い る も の が そ れ に あ た る、
3つ「皆増」と記されているので一
つずつ見てみよう。
対策、木造、木質化などのリーディング
プロジェクトに対する支援の予算の内に
含まれており、全体の予算としてはほぼ
前年通りである。
もう一つの新規事業としては、「住宅
倍)と前年度
17
確保要配慮者あんしん居住推進事業(国
費 100 億円)」である。これは今までの
公営住宅の低所得者向けのセーフティ
ネットとは異なり、新たな民間住宅セー
フティネットへの支援として、高齢者、
障害者、子育て世帯等を対象に、良質な
まるのだ。ただし、これまでと違う
評に応えて“続編”が来年度から始
者も多いことだろう。その通り。好
の“続編”なのだろうかと思う事業
き た「 地 域 型 住 宅 ブ ラ ン ド 化 事 業 」
して、今年度まで3カ年続けられて
円と予算額も大きい。これはもしか
一 つ 目 は、「 地 域 型 住 宅 グ リ ー ン
化事業」と記されており、120億
度額で
ギー住
である
住宅の
ギー住
かるよ
ている
家」と
民間賃貸住宅を供給するためにリフォー
ムやコンバージョンの際の支援を行うも
のだ。
3つめの新規事業は、「密集市街地総
地域における木造住宅の生産体制を強化し、環境負荷の低減を図るた
め、資材供給、設計、施工などの連携体制による、省エネルギー性能
や耐久性等に優れた木造住宅の整備に対して支援する。
合防災事業(国費 32 億円)」である。高
齢化の著しい密集市街地において、子育
て支援施設やサービス付き高齢者向け住
― 28 ―
のは
り、全体の予算としては
高齢化の著しい密集市街地において、地方公共団体や民間事業者等が
連携し、防災街区の整備に関する事業など防災対策の推進とあわせ、
多様な世帯の居住促進を図るため、子育て支援施設やサービス付き高
齢者向け住宅、福祉施設等の生活支援機能等の整備を進めるなど、密
集市街地における総合的な環境整備に対する支援を重点的に実施する。
reinforcement
な民間住宅セーフティネットへの支
要望に関しては、贈与税の非課税措置、登録
免許税の特例措置の2年間延長、固定資産税
の条例減税制度の3年間延長、買取再販の不
動産取得税の非課税措置、サ高住の不動産取
得税・固定資産税の特例措置の2年間延長な
ど今年度事業の延長継続が多い。
続いて林業や木材に関する支援策が多い林
野庁の予算要求について見てみる。
「新たな
木材需要創出総合プロジェクト」としてCL
Tなどの新製品・技術の開発・普及の加速化
の著しい密集市街地において、子育
などに 31 億円の予算が設けられている。な
お平成 26 年度のCLTに関する支援は、C
LT協会を窓口として住木センターを事務局
とした公募があり4件が採択されている。ナ
既存住宅ストックの長寿命化に資するリフォームの先進的な取り組み
を支援するとともに、リフォームや売買の際に行われるインスペク
ションについて、インスペクション技術の開発・高度化やその結果の
蓄積・活用を支援することにより、中古住宅流通・リフォーム市場の
活性化を図る。
イス、長谷萬などが採択されており、このう
ちナイスでは仙台物流センターの仮設事務所
の新築工事でCLTを活用した設計を行い、
その過程で行う実験や解析などのプロセスを
取りまとめて公開する予定だ。
宅、福祉施設等の生活支援機能等の整備を進める際
の支援である。
経済産業省の予算に関しては、工場の省エネ化に
来 年 度 の 予 算 概 算 要 求 に は、 今 年 度 よ り も リ
対する支援、新素材の開発・省エネ設備機器に対す
8
New Housing Journal 2014/10
フォームに対する支援をより具体的な事業に落とし
る支援が盛り込まれている。施主向けのネット・ゼ
込んだものが多く見られるようだ。
ロ・エネルギーハウスが引き続き行われるほか、エ
例えば、今後の普及が期待されているインスペク
ネファームの補助金が 150 億円設けられている。
ションに関しては、
「インスペクションの活用によ
る住宅活性化事業市場」として新たに 3.5 億円の予
算が要求されている。
また、
「長期優良住宅化リフォーム推進事業」は、
優先課題推進枠として、今年度の2・37 倍の国費
72.79 億円が要求されている。また、社会資本整備
総合交付金の一環として、行われている子育て世帯
の賃貸住宅の支援においても、既存住宅ストックの
子育て機能の充実等による長寿命化の取り組みに対
しても支援が行われる計画だ。
このほか、スマートウェルネス住宅などの支援事
業に関しては、今年度とほぼ同じの要求額となって
いる。以上が住宅局の予算である。
また、国交省の平成 27 年度国土交通省税制改正
― 29 ―
reinforcement
■■ data & data ■■
■ 2014 年度前半(4月~8月)の都道府県・利用関係別の新設住宅数の動き
前年同期と比べ、全体で- 10.6%、持ち家では- 19.2% と大幅減に
今年4月から消費税が8% となり、住宅業界は駆込み需要の反動もあり、新設住宅の着工数は大幅
にダウンしている。14 年度の4月から8月まで5カ月間のデータを集計してみた。各地とも持家は大
幅なマイナスである。
合
計
H25 年度 前年度比
全
北
青
岩
宮
秋
山
福
茨
栃
群
埼
千
東
神
新
富
石
福
山
長
岐
静
愛
三
滋
京
大
兵
奈
和
鳥
島
岡
広
山
徳
香
愛
高
福
佐
長
熊
大
宮
鹿
沖
国 987,254
海 道 34,967
森
6,454
手
9,870
城 25,746
田
4,366
形
5,879
島 15,954
城 24,367
木 14,418
馬 14,205
玉 62,376
葉 49,986
京 147,978
奈 川 77,359
潟 13,576
山
6,130
川
7,421
井
4,334
梨
5,139
野 12,261
阜 12,124
岡 28,570
知 63,974
重 10,858
賀 10,662
都 19,582
阪 68,806
庫 36,420
良
7,481
歌 山
5,667
取
2,419
根
3,471
山 13,467
島 19,018
口
8,494
島
4,561
川
6,899
媛
8,462
知
3,658
岡 41,703
賀
5,453
崎
6,659
本 12,353
分
7,289
崎
7,964
児 島 11,281
縄 17,173
H26.
4-8 月
10.6 367,332
-1.6 14,851
15.7
2,557
21.5
3,643
21.6 10,101
16.1
1,868
20.4
2,014
28.4
6,036
9.6
8,848
-5.9
5,949
16.1
4,893
3.8 23,267
11.6 18,430
4.7 57,197
10.6 26,824
18.2
5,224
12.1
2,493
15.8
2,930
14.0
1,668
17.8
1,777
13.1
4,579
9.4
4,263
15.9 10,031
11.0 22,290
11.1
4,143
10.5
3,571
22.1
7,419
13.1 26,537
9.9 14,453
8.6
2,671
9.8
2,091
10.8
1,023
20.1
1,261
19.6
4,285
9.9
6,647
-1.4
3,352
27.5
1,534
27.6
2,179
8.4
2,974
37.4
1,144
14.1 15,007
13.3
2,073
9.6
2,794
6.5
4,573
3.9
2,556
15.7
2,774
12.3
3,870
26.1
6,668
持
家
同期間比 H25 年度 前年度比
-10.5 352,841
-9.3 13,304
-16.2
4,206
-6.9
5,176
1.4
9,673
-15.5
3,193
-25.5
3,765
-13.1
8,269
-8.0 12,200
3.6
8,101
-10.9
8,073
-8.3 20,091
-15.9 15,609
-6.1 21,352
-19.9 18,426
-4.8
8,415
-1.6
3,909
-10.1
4,327
-13.5
2,993
-18.1
3,566
-17.6
8,382
-20.7
7,709
-17.1 15,778
-16.4 24,614
-3.7
6,691
-13.8
5,524
-2.1
5,453
-5.6 12,493
4.4 12,141
-24.0
3,208
-5.8
3,415
1.5
1,631
-10.5
1,928
-17.2
6,728
-15.7
6,572
-4.1
3,983
-7.4
2,626
-25.4
3,759
-16.7
4,560
-20.9
1,915
-14.1 11,313
-1.2
2,706
-9.6
3,140
-15.9
5,280
-19.9
3,336
-12.7
3,706
-16.5
5,498
5.1
4,104
H26.
4-8 月
11.5 121,905
10.4
5,488
25.1
1,669
14.5
2,005
1.0
3,594
19.5
1,327
18.1
1,248
19.5
3,075
6.6
4,173
4.4
2,738
16.3
2,660
6.9
6,957
9.6
5,295
7.4
7,719
6.9
5,724
21.0
3,257
19.7
1,584
13.7
1,643
18.5
1,103
12.8
1,141
14.5
2,955
16.8
2,542
13.2
5,106
8.2
8,125
9.7
2,300
11.2
1,772
15.0
1,920
8.9
4,036
11.1
4,153
9.1
1,071
12.2
1,112
36.1
509
36.4
661
14.7
2,070
11.9
2,247
10.8
1,363
11.5
872
20.2
1,216
16.0
1,474
17.7
668
9.2
4,018
22.6
805
8.1
1,225
15.0
1,831
12.9
1,198
15.1
1,280
17.3
1,691
16.6
1,285
貸
家
同期間比 H25 年度 前年度比
-19.2 369,993
-19.0 17,502
-19.2
1,940
-12.5
3,926
-17.3 12,516
-20.4
824
-32.4
1,610
-12.0
6,752
-17.5
8,932
-19.1
4,089
-16.4
3,721
-16.4 21,922
-21.2 17,647
-15.3 62,188
-26.2 27,311
-13.6
4,432
-7.4
1,692
-19.9
2,165
-22.2
917
-26.4
1,151
-23.8
2,602
-24.4
2,696
-24.1
9,077
-20.7 21,642
-15.9
2,822
-22.9
2,712
-15.3
7,225
-23.4 27,967
-16.7 11,379
-23.4
1,928
-18.1
1,451
-26.6
680
-14.9
1,210
-22.8
4,976
-16.5
7,066
-14.5
3,244
-18.1
1,660
-22.3
2,379
-22.7
2,669
-10.3
1,043
-14.6 19,789
-26.4
2,007
-2.7
2,804
-18.9
5,424
-14.9
3,124
-14.3
3,014
-24.9
4,446
-18.5 11,720
― 30 ―
H26.
4-8 月
15.3 143,145
-7.4
7,830
5.2
713
31.8
1,365
66.3
4,619
16.2
409
23.8
572
49.1
2,367
3.9
3,244
-17.5
1,991
5.7
1,496
10.0
8,263
19.3
6,719
14.8 24,548
14.7
9,982
17.4
1,553
-9.1
662
16.3
837
-0.2
415
20.9
391
12.6
1,213
1.2
784
21.0
3,395
14.2
7,252
21.3
1,196
4.0
1,097
26.5
3,161
28.2 11,839
17.9
4,911
21.1
798
1.0
566
-15.3
387
-6.5
488
20.3
1,715
13.2
2,099
-14.9
1,614
63.5
536
52.7
738
7.1
1,082
77.7
316
11.8
7,567
-6.1
895
18.7
1,059
2.6
1,994
20.7
992
7.6
1,011
9.7
1,812
37.3
4,652
分
譲
同期間比 H25 年度 前年度比
-1.6 259,148
-2.1
3,900
-14.2
285
-6.1
689
15.8
3,499
7.3
316
-12.8
427
-21.4
893
3.7
3,080
44.0
2,179
11.4
2,395
-0.6 20,211
-18.1 16,458
1.2 62,933
-10.5 31,481
7.6
710
-5.6
475
1.6
910
13.7
417
-21.3
366
11.5
1,209
-32.9
1,677
-8.1
3,505
-18.2 17,515
20.9
1,316
13.3
2,394
12.3
6,695
13.6 28,197
21.3 12,685
-14.7
2,317
7.6
786
54.8
101
-1.2
266
-0.5
1,720
-24.1
5,318
20.9
1,153
14.0
202
-20.7
733
2.7
1,154
1.3
617
-0.7 10,389
31.0
728
-24.5
674
-20.2
1,630
-28.6
779
-16.7
1,219
-3.0
1,234
14.2
1,311
3.8
-11.1
-18.1
27.8
-9.7
-0.9
40.5
13.6
43.6
1.2
40.8
-4.5
6.4
-5.0
9.3
-2.7
66.7
31.3
18.1
57.8
1.9
-4.4
13.8
12.4
0.6
18.5
25.2
2.7
4.9
-1.1
21.3
-36.1
63.2
53.4
3.0
-2.8
13.5
2.4
-10.7
65.4
23.4
67.0
-9.5
-0.4
-43.4
64.1
7.4
-11.7
住
H26.
4-8 月
99,480
1,446
171
218
1,782
123
179
580
1,420
1,126
735
7,854
6,379
24,300
10,722
388
227
449
145
140
395
929
1,471
6,729
635
690
2,296
10,546
5,114
802
410
126
111
498
2,299
321
111
224
332
156
3,401
368
502
730
356
474
347
723
宅
同期間比
-11.2
-2.1
21.3
37.1
11.4
-6.8
-4.8
35.5
1.6
18.3
-23.4
-9.1
-7.9
-10.4
-26.4
46.4
92.4
19.1
0.7
20.7
-26.7
12.5
-3.5
-10.3
12.0
-20.4
-4.7
-14.4
8.5
-31.7
25.0
103.2
27.6
-34.1
-4.7
-39.8
19.4
-45.0
-37.2
-56.4
-31.6
14.6
23.6
8.0
-1.9
3.7
-27.4
5.2
reinforcement
■新設住宅着工・利用関係別戸数,床面積
総 計
戸数
平成21
22
23
24
25
前年比
持 家
床面積
775,277
819,020
841,246
893,002
987,254
-25.4
5.6
2.7
6.2
10.6
67,755
73,876
75,748
79,413
87,313
25.1 - 25.8
26.1 - 26.8
620,207
582,428
9.1
-6.1
55,468
50,007
25.4 - 25.8
26.4 - 26.8
410,493
365,485
11.3
-11.0
36,897
31,333
25年 8月
9
10
11
12
26年1月
2
3
4
5
6
7
8
84,343
88,539
90,226
91,475
89,578
77,843
69,689
69,411
75,286
67,791
75,757
72,880
73,771
8.8
19.4
7.1
14.1
18.0
12.3
1.0
-2.9
-3.3
-15.0
-9.5
-14.1
-12.5
7,598
7,850
7,995
8,109
7,788
6,755
6,004
5,915
6,496
5,785
6,507
6,231
6,315
前年比
-21.5
9.0
2.5
4.8
9.9
戸数
貸 家
前年比
286,993
308,517
304,822
316,532
352,841
給与住宅
前年比
戸数
分譲住宅
前年比
戸数
季節調整値
前年比 (千戸) 前月比
311,463
291,840
289,762
320,891
369,993
-30.0
-6.3
-0.7
10.7
15.3
13,231
6,580
7,576
5,919
5,272
19.3
-50.3
15.1
-21.9
-10.9
163,590
212,083
239,086
249,660
259,148
-40.0
29.6
12.7
4.4
3.8
9.2 222,239
-9.8 188,221
11.3 218,412
-15.3 233,348
8.8
6.8
3,266
4,153
-27.3
27.2
176,290
156,706
7.9
-11.1
11.1 150,812
-15.1 118,725
13.3 145,520
-21.3 146,726
11.7
0.8
2,087
2,761
-37.8
32.3
112,074
97,273
9.8
-13.2
9.9
18.1
9.4
15.2
17.1
10.5
-2.4
-6.2
-6.9
-19.4
-13.6
-18.2
-16.9
11.2
14.2
17.6
22.6
19.1
5.9
-0.4
-13.0
-16.1
-22.9
-19.0
-25.3
-22.7
7.0
21.5
3.3
17.1
29.8
21.5
24.7
11.3
12.0
3.1
1.8
-7.7
-3.8
374
551
698
360
184
355
669
368
600
632
421
691
417
-16.5
42.0
97.2
4.7
-38.9
24.6
37.4
-9.6
95.4
95.1
-10.8
13.3
11.5
23,042
23,968
20,502
21,269
21,902
22,580
18,385
18,468
19,710
17,437
19,415
20,042
20,669
8.5
23.5
-2.7
-1.0
2.1
8.6
-20.9
-8.5
-7.8
-27.1
-11.9
-7.7
-10.3
31,379
32,128
33,967
34,580
31,858
24,955
22,891
21,650
23,799
22,288
24,864
23,524
24,250
-7.6
7.5
-1.2
3.8
11.5
戸数
29,548
31,892
35,059
35,266
35,634
29,953
27,744
28,925
31,177
27,434
31,057
28,623
28,435
966
1,028
1,030
1,037
1,055
987
919
895
906
872
883
839
845
-1.1
6.4
0.2
0.6
1.7
-6.4
-6.9
-2.7
1.3
-3.7
1.3
-5.0
0.7
■マンション,
分譲一戸建,プレハブ,ツーバイフォー,着工戸数 (単位:戸,%)
平成21
22
23
24
25
分譲住宅
マンション
一 戸 建
分譲に占
戸数
前年比
戸数
前年比
める割合
67,382
-59.1
41.2
95,294
-10.6
97,757
45.1
46.1
113,427
19.0
120,092
22.8
50.2
117,979
4.0
124,027
3.3
49.7
124,536
5.6
123,818
-0.2
47.8
133,906
7.5
プレハブ
戸数
前年比
ツーバイフォー
新設に占
124,361
125,702
128,216
134,087
149,756
-16.3
1.1
2.0
4.6
11.7
める割合
16.0
15.3
15.2
15.0
15.2
戸数
前年比
92,883
97,437
98,680
110,459
120,520
-10.9
4.9
1.3
11.9
9.1
25.1 - 25.8
26.1 - 26.8
87,820
72,067
6.4
-17.9
49.8
46.0
87,589
83,663
9.3
-4.5
92,106
90,687
9.4
-1.5
14.9
15.6
74,658
69,837
14.8
-6.5
25.4 - 25.8
26.4 - 26.8
55,134
43,162
8.8
-21.7
49.2
44.4
56,379
53,435
10.8
-5.2
61,075
56,302
11.0
-7.8
14.9
15.4
49,815
44,585
15.4
-10.5
25年 8月
9
10
11
12
26年 1月
2
3
4
5
6
7
8
10,929
12,497
8,509
9,037
9,736
11,941
8,674
8,290
8,902
7,307
7,754
9,011
10,188
6.0
35.6
-17.7
-14.6
-7.4
18.6
-33.5
-13.4
-16.9
-43.3
-24.5
-12.7
-6.8
47.4
52.1
41.5
42.5
44.5
52.9
47.2
44.9
45.2
41.9
39.9
45.0
49.3
11,983
11,396
11,766
12,111
12,026
10,530
9,654
10,044
10,737
10,026
11,491
10,882
10,299
11.3
12.4
10.4
12.1
10.8
-0.3
-4.9
-4.3
1.7
-7.9
-1.4
-3.7
-14.1
12,184
12,545
12,929
14,332
14,490
12,950
10,837
10,598
10,735
10,672
12,350
11,818
10,727
7.2
13.8
3.1
13.8
22.2
10.6
10.6
11.3
2.0
-3.9
-7.8
-14.8
-12.0
14.4
14.2
14.3
15.7
16.2
16.6
15.6
15.3
14.3
15.7
16.3
16.2
14.5
10,135
10,665
11,680
11,899
11,209
8,700
7,940
8,612
8,896
8,186
9,412
8,908
9,183
4.9
12.1
4.7
3.5
9.3
6.6
8.8
-8.3
-10.3
-5.5
-15.7
-10.4
-9.4
― 31 ―
reinforcement
■■ data & data ■■
異形棒鋼 SD295(19 ミリ) 価格推移表
異形棒鋼 SD295(19 ミリ)
1月
72,500
72,500
78,500
70,500
52,500
52,500
62,500
62,500
59,500
58,500
55,500
54,500
68,500
65,500
東 京
大 阪
東 京
大 阪
東 京
大 阪
東 京
大 阪
東 京
大 阪
東 京
大 阪
東 京
大 阪
平成 20 年
平成 21 年
平成 22 年
平成 23 年
平成 24 年
平成 25 年
平成 26 年
2月
80,500
85,500
74,000
68,500
54,000
52,500
64,000
62,500
59,500
56,500
57,500
56,500
70,500
65,500
3月
91,000
92,500
69,500
62,500
59,500
60,500
65,500
67,500
60,000
57,500
59,500
57,500
69,500
64,500
4月
99,000
104,500
64,500
60,500
65,500
65,500
66,500
68,500
60,000
57,500
59,500
57,500
68,500
64,500
5月
107,500
111,500
62,500
58,500
66,000
65,500
64,500
67,500
60,000
55,500
60,500
56,500
66,500
64,500
6月
110,500
111,500
59,500
55,500
64,500
64,500
62,500
65,500
57,500
53,500
60,500
54,500
66,500
62,500
7月
112,500
114,500
59,500
55,500
60,500
58,500
61,500
62,500
56,500
52,500
60,500
55,500
66,500
62,500
8月
112,500
114,500
59,500
58,500
59,500
55,500
61,500
61,500
55,500
52,500
60,500
56,500
65,500
62,500
9月
112,500
114,500
60,500
60,500
59,500
55,500
61,000
62,500
55,500
52,500
60,500
58,500
10 月
110,500
99,500
58,500
56,500
57,500
52,500
61,500
60,500
53,500
49,500
62,500
61,500
11 月
101,000
90,500
56,500
55,500
56,500
52,500
60,500
58,500
53,500
47,500
65,500
63,500
12 月
84,500
79,500
52,500
52,500
59,000
59,500
59,500
58,500
53,500
47,500
68,500
65,500
需要増加による需給の引
140,000
き締まりを見込み、値戻
しへの強い意欲をみせて
120,000
いる。しかしながら、需
100,000
東京
要家側は材料手配を急ぐ
大阪
80,000
気配はなく、今後の市況
動向をうかがいながら小
60,000
口当用買いに徹してい
40,000
る。目先、横ばい推移の
見通し。
20,000
0
9
11
1
3
5
7
平成21年
9
11
1
3
5
7
9
11
1
3
平成22年
5
7
9
11
1
3
5
平成23年
7
平成24年
9
11
1
3
5
7
9
11
1
3
5
7
■建設物価調査会
異形棒鋼は変わらず。メーカー各社は、鉄くず価
平成25年
平成26年
各調査では、異形棒鋼の市況について次のように
格の先高観から値上げ姿勢を強めており、流通筋も
見ている。
売り腰を強める構えにある。秋口以降、需要は増加
するとの見方も多いことから、目先、強含みで推移。
■経済調査会(2014 年 9 月上旬調べ)
電力料金等のコスト高を抱えるメーカー各社は、
価 格 は、SD295A・D16 で ト ン 当 た り 6 万 6000
鉄くず価格の先高観も加わり値上げ姿勢を強めてい
円と前月比横ばい。特にマンションをはじめとした
る秋口以降、需要は増加するとの見方も多いことか
住宅向けの鋼材需要は、消費税増税後の反動から減
ら強含みで推移する公算が大きい。
少を続けており、盆明け以降も引き合いは低調に推
移している。
主原料となる鉄屑相場は、為替が円安傾向にある
中、輸出が堅調で、国内市況も足元では強含みで推
移している。メーカー側は、鉄屑以外の電力料金や
輸送コストも高止まりの状態にあることから、改善
の兆しが見え始めた採算が再び悪化することに危機
感を抱いている。
このため、メーカー側は、下期以降に期待される
― 32 ―
reinforcement
一般社団法人日本住宅基礎鉄筋工業会 会員名簿
■正会員
青山鋼業 株式会社
有限会社 大野組
岡田工業 株式会社
木下工業 株式会社
相模メッシュ鋼業 株式会社
株式会社 サクセスヒカリ
株式会社 サトウ
有限会社 実松製作所
株式会社 新永建設
昭和産業 株式会社
成信基工 株式会社
有限会社 創電社
有限会社 創桐
株式会社 タツミ
トーテツ産業 株式会社
トライアンテクノメタル 株式会社
夏目金網工業 株式会社
ナイガイユニット 株式会社
西日本鋼業 株式会社
有限会社 西山鉄網製作所
株式会社 ビー ・ アール ・ エス
藤工業 株式会社
メ―クス 株式会社
株式会社 米澤製作所
〒
344-0122
610-0326
211-0051
820-1105
252-0156
701-4264
186-0004
842-0052
252-0812
308-0857
596-0013
989-6264
669-1514
954-0087
323-0813
381-0026
441-1317
720-0311
857-0852
124-0006
369-0201
339-0072
303-0046
920-0377
住
所
埼玉県春日部市下柳 1581
京都府京田辺市天王奥別所 64-2
神奈川県川崎市中原区宮内 1-6-34
福岡県鞍手郡小竹町大字新山崎 361
神奈川県相模原市緑区青山 832-1
岡山県瀬戸内市長船町土師 2606-1
東京都国立市中 2-4-3
佐賀県神埼市千代田町姉 391-1
神奈川県藤沢市西俣野 949
茨城県筑西市小川 1911
大阪府大阪市岸和田市臨海町 6-1
宮城県大崎市古川上埣字阿弥陀 18-1
兵庫県三田市川除 45-1
新潟県見附市芝野町 1232-1
栃木県小山市大字横倉 662
長野県長野市松岡 2-6-18
愛知県 新城市有海字飛塚 12-8
広島県福山市沼隈町大字草 2785-239
長崎県佐世保市千尽町 4-8
東京都葛飾区 堀切 4-57-21
埼玉県深谷市岡 3062
埼玉県さいたま市岩槻区古ヶ場 2-7-1
茨城県常総市内守谷町きぬの里 1-3-3
石川県金沢市打木町東 348
窓口担当者
岡 本 雅 昭
坂 本 篤 史
岡田 健太郎
逸 木 崇 裕
安 藤 武
奥 山 保
佐 藤 収 一
宮 原 亮
小山田 徳也
枝 諭 希
橋 本 信 夫
伊 勢 幸 信
山 本 圭 司
栃 木 英 樹
秋 元 武 男
高 坂 雅 夫
夏 目 博 行
三 谷 敏 明
山 下 道 義
西 山 明 良
田 嶋 光 春
藤 田 清 志
森 山 慶 一
米 澤 隆 亮
電話
048-745-2141
0774-68-0203
044-766-2841
09496-2-1531
042-780-5581
0869-26-5117
042-576-0551
0952-34-6311
0466-84-1420
0296-28-1234
072-423-2006
0229-27-2165
079-564-5484
0258-66-5515
0285-27-2339
026-251-1606
0536-25-1188
084-987-2131
0956-31-4334
03-3603-0111
048-585-0192
048-795-0075
0297-27-1611
076-240-1331
■賛助会員
ウインファースト 株式会社
宇部興産 株式会社
株式会社エルエルアイ 出版
小野建 株式会社
株式会社 カナイ
株式会社 カネシン
関東スチール 株式会社
株式会社 キャダック
山陽電機 株式会社
秩父産業 株式会社 建材部
東陽建設工機 株式会社
日鉄住金物産 株式会社
株式会社 ニチラス
阪和興業 株式会社
104-0028
105-8449
103-0004
870-0106
340-0833
124-0022
300-4111
920-0205
270-1406
270-2221
551-0002
550-8662
176-0011
541-8585
東京都中央区八重洲 2-3-14 京セラビル 3F
東京都港区芝浦 1-2-1 シーバンスN館
東京都中央区東日本橋 2-27-4 靴下会館 6F
東京都中央区八重洲 1-3-22 八重洲龍名館ビル 2F
埼玉県八潮市西袋 717-1
東京都葛飾区奥戸 4-19-12
茨城県土浦市大畑 580
石川県金沢市大浦町ホ 10-3
千葉県白井市中 98-10
千葉県松戸市紙敷 422-1
大阪府大阪市大正区三軒屋家東 2-4-15
大阪府大阪市西区新町 1-10-9(日鉄住金物産ビル)
東京都練馬区豊玉上 2-27-2 2F
大阪府大阪市中央区伏見町 4-3-9
瀬 戸 祐 司
芳 賀 信 喜
福 原 正 則
高 畑 祐 一
橋 本 秀 夫
安 田 友 一
菊 地 敏 諭
丹 保 勝 利
和 田 吉 正
国府田 民也
松 本 浩 樹
土 田 真 人
実 重 成 則
伊 東 博 之
03-3270-8991
03-5419-6203
03-3868-0738
03-3275-2161
048-924-1131
03-3696-6781
029-862-5531
076-237-9588
047-491-4641
047-365-4572
06-6552-0341
06-7222-8036
03-3993-3251
06-6206-3768
■学術会員
東京理科大学
千葉工業大学 建築都市環境学科
福井大学大学院 工学研究科 建築建設工学専攻
日本大学 理工学部 建築学科
新潟工科大学 学長特別補佐
工学院大学
株式会社 堀江建築工学研究所
株式会社 堀江建築工学研究所
新都市設計
大成建設株式会社(前東京理科大学 助教)
松崎 育弘
中野 克彦
磯 雅人
安達 俊夫
地濃 茂雄
宮澤 健二
太田 勤
迫田 丈志
日下部 匠
杉山 智昭
― 33 ―
名誉教授
教授
准教授
教授
教授
名誉教授
reinforcement
reinforcement
the 基 礎
一般社団法人 日本住宅基礎鉄筋工業会
編集・発行
〒186-0004 東京都国立市中2-4-3
TEL:042-576-0551 FAX:042-576-1094
ホームページ http://jhr-net.jp/
― 34 ―
2014 第 11 号
reinforcement
レインフォースメント
reinforcement
the 基 礎
the 基 礎
日本住宅基礎鉄筋工業会
1. はじめに
現 在、 在 来 軸 組 構 法、 枠 組 壁 工 法 な ど の 4 号 建 築 物 の 基 礎 仕 様 に つ い
て は、 平 成 12 年 建 設 省 告 示 第 1347 号 に 定 め ら れ た 仕 様 規 定 に 従 い 供
給 さ れ て い る の が 現 状 で あ り ま す。
し か し な が ら、 平 成 12 年 4 月 に 施 行 さ れ た 「住 宅 の 品 質 確 保 の 促 進 等
に 関 す る 法 律」 や 平 成 21 年 6 月 に 施 行 さ れ た 「長 期 優 良 住 宅 の 普 及 の
促 進 に 関 す る 法 律」 な ど に よ り、 住 宅 の 安 全 性 や 長 寿 命 化 が 叫 ば れ る よ
う に な り、 基 礎 へ の 安 全 性 お よ び 品 質 向 上 へ の 要 求 が 高 ま り つ つ あ り ま
す。
社 団 法 人 日 本 住 宅 基 礎 鉄 筋 工 業 会 ( 以 下, 日 住 筋 (JHR:Japan
Housing Reinforcement)) で は、 そ の よ う な 社 会 的 要 請 に 対 し て、 住 宅
基 礎 の さ ら な る 安 全 性 と 品 質 向 上 を 目 的 に、 こ こ に 推 奨 す る ベ タ 基 礎 の
仕 様 に つ い て と り ま と め、 発 信 す る も の で あ り ま す。
本 マ ニ ュ ア ル で 推 奨 す る ベ タ 基 礎 の 仕 様 は、 基 礎 に 生 じ る 応 力 に 対 し
て、 お お む ね 許 容 応 力 度 以 内 に 収 ま る 基 礎 仕 様 を 標 準 仕 様 と し、 と り ま
と め る こ と と し ま し た。
本 マ ニ ュ ア ル が、 会 員 お よ び 住 宅 基 礎 に 係 る 実 務 者 の 方 々 に 広 く 活 用
さ れ、 本 推 奨 ベ タ 基 礎 の 仕 様 が 普 及 し、 住 宅 基 礎 の 安 全 性 と 品 質 向 上 に
貢 献 ・ 寄 与 す る こ と を 期 待 す る 次 第 で あ り ま す。
2014
第 11 号
一般社団法人日本住宅基礎鉄筋工業会
〒186-0004 東京都国立市中2-4-3
日本住宅基礎鉄筋工業会
TEL:042-576-0551 FAX:042-576-1094
JHRを横切るラインは鉄筋を表現しています。住
宅をイメージし三角形状に配したJHRは有筋コン
クリート構造住宅をシンボライズしています。