PRESS RELEASE 第15108号 株式会社 2015年11月19日 富士経済 〒103-0001 東京都中央区日本橋小伝馬町 12-5 小伝馬町YSビル TEL.03-3664-5811 FAX.03-3661-0165 https://www.fuji-keizai.co.jp/ 広報部 TEL.03-3664-5697 http://www.group.fuji-keizai.co.jp/ 炭素繊維複合材料の世界市場を調査、用途別に分析 ―2025年市場予測― ■PAN系炭素繊維複合材料は2014年比2.7倍の2兆5,586億円 ・・・自動車、航空機で採用拡大 総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、近年様々な用途で採用が拡大する炭素繊維複合材料と、炭素繊維、中間基材、接着剤などのキ ーマテリアルや関連部品・装置など11品目の世界市場を調査し、自動車や航空機など7つの用途別にその動向を 分析した。その結果を報告書「炭素繊維複合材料(CFRP/CFRTP)関連技術・用途市場の展望2016」 にまとめた。 PAN系炭素繊維複合材料(成形加工品)は、炭素繊維が持つ軽量・高強度といった基本特性の高さから、自動 車や航空機、風力発電ブレード、スポーツ・レジャー用品等をはじめ、近年様々な用途で採用が拡大している。特 に自動車では、他の材料と比較して圧倒的な軽量化が可能となるため、今後、世界各国で燃費規制が強化されてい く市場環境と相まって需要拡大が予想される。しかし、現状では炭素繊維複合材料の価格が高いことが課題となっ ており、炭素繊維を中心としたマテリアルに加え、中間基材や、成形加工工程におけるコスト削減に向けて研究が 活発化している。 <調査結果の概要> ■PAN系炭素繊維複合材料(成形加工品)の世界市場 2014年 2025年予測 2014年比 CFRP 8,246億円 2兆2,916億円 2.8倍 CFRTP 1,164億円 2,670億円 2.3倍 合 計 9,410億円 2兆5,586億円 2.7倍 PAN系炭素繊維 1,653億円 4,299億円 2.6倍 マトリクス樹脂 338億円 1,093億円 3.2倍 中間基材 3,481億円 8,489億円 2.4倍 ※マテリアルであるPAN系炭素繊維、マトリクス樹脂、また、中間基材は合計の内数 PAN系炭素繊維複合材料は、PAN系炭素繊維に熱硬化性樹脂を含浸させたCFRP(炭素繊維強化熱硬化性 プラスチック)と熱可塑性樹脂を含浸させたCFRTP(炭素繊維強化熱可塑性プラスチック)に分けられる。2 014年の市場は9,410億円となり、2025年には2兆5,586億円が予測される。 2014年のCFRP市場は、航空機用途と風力発電ブレード用途が中心となった。特に、材料単価が高い航空 機用途が市場の過半を占めた。2025年にかけて自動車用途、圧力容器用途が伸び、数量ベースで航空機用途や 風力発電ブレード用途に並ぶ用途に成長すると予測される。 CFRTPは、静電部品・摺動部品用途の伸びが市場拡大をけん引している。2020年以降はLFT−Dや連 続繊維のホットプレス成形などの採用拡大により自動車用途が大きく伸び、2025年には数量ベースで静電部 品・摺動部品用途を超えて最大用途になるとみられる。 炭素繊維に樹脂を含浸させた中間基材は、 連続繊維に熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を含浸させたプリプレグ/ラ ミネートと非連続繊維である短繊維/長繊維を熱可塑性樹脂にコンパウンドしたペレットに分けられる。 市場は航 空機用途やスポーツ用途の熱硬化プリプレグを中心に形成されている。 2020年前後までは中間基材を使用しな いRTM(樹脂注入含浸成形)などのドライ成形の採用が拡大するとみられることから炭素繊維複合材料に占める 中間基材の比率は低下するが、 以降は自動車用熱可塑ラミネートの需要が拡大し中間基材の比率は再び上昇すると 予想される。 ■炭素繊維の世界市場 PAN系炭素繊維 ピッチ系炭素繊維 2014年 1,653億円 153億円 2025年予測 4,299億円 204億円 2014年比 2.6倍 133.3% 2014年のPAN系炭素繊維市場は、1,653億円となった。CFRPではPAN系炭素繊維が用途平均で 55%前後含有される。CFRTPには主にフィラーとして短繊維/長繊維が採用されることから、現状ではCF RP向けが市場の90%を占めている。しかし、2020年以降2025年にかけては連続繊維の採用が自動車用 途で始まり、CFRTP向けが拡大すると予想される。 2014年のピッチ系炭素繊維市場は、153億円となった。市場の40%近くを産業用機械設備分野向けが占 めており、近年の設備投資の落ち込みなどにより、市場は横ばいとなった。しかし、業界再編の影響から需給バラ ンスが適正化してきたため新たな設備投資が回復に向うとみられ、今後は微増と予想される。 ■成形加工装置の世界市場 2014年 144億円 成形加工装置 2025年予測 722億円 2014年比 5.0倍 2014年の市場は、144億円となった。2015年は、Boeing「787」 「777X」向けに新規オ ートクレーブの設置があるため、市場は拡大の見込みである。今後2020年前後にかけては、自動車分野におい て部品生産のためのLFT−D装置やRTM装置の採用が拡大するとみられ、2025年には2014年比5.0 倍の722億円が予測される。 <注目用途市場> ◆自動車用炭素繊維複合材料 2014年 723億円 2025年予測 3,278億円 2014年比 4.5倍 2014年の市場は、723億円となった。今後、自動車の燃費規制に対応するため軽量化素材として炭素繊維 複合材料の採用が欧州を筆頭に拡大していく見通しである。2020年にかけてEV、PHVの市場投入が活発化 し、炭素繊維複合材料採用モデルも増加していくと予想される。さらにピックアップトラックや高級セダンなどの 重量級モデルにおいても軽量化目的の採用が想定され、 2025年に市場は2014年比4.5倍の3,278億円 が予測される。 タイプ別では、CFRPが数量ベースで市場の8割以上を占めている(2014年) 。CFRPは今後もRTM 成形やSMC成形などの技術改良が進むことで市場が拡大していくとみられる。 CFRTPは2020年にかけて 現状の射出成形より強度を高めることができるLFT−D成形が欧州で実用化されることで、 準構造部品用途が増 加すると予想される。さらに2025年にかけて連続繊維ラミネートCFRTPの骨格・構造部品用途が増加する とみられ、徐々にCFRPに置き換わる主流タイプになっていくと想定される。 ◆航空機用炭素繊維複合材料 2014年 4,549億円 2025年予測 1兆3,631億円 2014年比 3.0倍 ここでは航空機の部品・部材に採用される炭素繊維複合材料のうち、機体の一次構造材、二次構造材と、内装部 品向けを対象とした。 2014年の市場は4,549億円となった。今後、Boeing「787」やAirbus「A350XWB」 本件に関するお問合せ:広報部 (Tel.03-3664-5697 Fax.03-3664-5842またはmail address:[email protected]) といった機体重量に占める炭素繊維複合材料比率が50%以上の機体の増産が計画されており、 市場は拡大してい く見通しである。2020年以降もBoeing「777X」など、前継機よりも炭素繊維使用量を増加させた機 体の生産が開始され、引き続き市場は拡大が予想される。 航空機の構造材部品は、高品質で強度が高いオートクレーブ成形が主体であり、タイプ別ではCFRPが数量ベ ースで市場の98%以上を占めている(2014年) 。CFRTPは、CFRPに比べ強度が低いため、一部の構 造材部品や内装部品に採用が限定されていたが、近年、内装材として認定を受けたCFRTPが増加しており、2 015年以降、徐々に実用化されていく見通しである。2025年には、構造材部品には採用実績が多く信頼性を 高めているCFRPが使用され、CFRTPは主に小型の構造材部品や内装部品で使用されていくと予想される。 <調査対象> キーマテリアル/ 関連部品・装置 用途別市場分析 研究開発プロジェ クト・主要企業動向 PAN系炭素繊維 ピッチ系炭素繊維 マトリクス樹脂 中間基材 CFRP CFRTP 接着剤 成形加工装置 ウォータージェットマシン 非破壊検査装置 コア材 自動車 航空機 圧力容器 風力発電ブレード 建築・土木 スポーツ・レジャー 静電部品・摺動部品 <研究開発プロジェクト> 日本 EU ドイツ 米国 中国 韓国 <主要メーカー動向> 炭素繊維メーカー 中間基材メーカー 成形加工メーカー <主要ユーザー動向> 航空機メーカー 自動車メーカー <調査方法> 富士経済専門調査員による参入企業及び関連企業・団体などへのヒアリング及び関連文献調査、社内データベース を併用 <調査期間> 2015年7月∼10月 以上 資料タイトル: 「炭素繊維複合材料(CFRP/CFRTP)関連技術・用途市場の展望2016」 体 価 裁:A4判 262頁 格:書籍版 180,000円+税 PDF/データ版 190,000円+税 書籍版・PDF/データ版セット 210,000円+税 書籍版・ネットワークパッケージ版セット 360,000円+税 発 行 所:株式会社 富士経済 〒103−0001 東京都中央区日本橋小伝馬町12−5 小伝馬町YSビル TEL:03−3664−5811(代) FAX:03−3661−0165 https://www.fuji-keizai.co.jp/ e-mail:[email protected] 調 査・編 集:東京マーケティング本部 第四部 TEL:03−3664−5821 FAX:03−3661−9514 この情報はホームページでもご覧いただけます。 URL: http://www.group.fuji-keizai.co.jp/ 本件に関するお問合せ:広報部 (Tel.03-3664-5697 Fax.03-3664-5842またはmail address:[email protected])
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