速報!ITEM in JRC 2016

2016国際医用画像総合展
Instructive, Innovative, and Integrative Radiology
まなび、のばし、
つなげる放射線医学
■会期 2016年4月15日(金) 9:30〜開会式
10:00〜17:00
16日(土) 9:30〜17:00
17日(日) 9:30〜15:00
■会場 パシフィコ横浜 展示ホール A(一部)
、
B、C、D
ITEM in JRC 2016
GE ヘルスケア・ジャパン
高齢化をはじめとする医療を取り巻く社会の変
化に対応するため、GE ではクラウドや IoT とい
ったデジタルの活用と疾患別のアプローチによ
る臨床アウトカムの改善に注力することで、顧
客アウトカム(成果)
の向上を目指している。
同社は 2016 年の事業戦略として「デジタル・
インダストリアル・カンパニー」構想を掲げてお
り、その一環として、膨大な病院データからソ
リューションを導き出す〝Brilliant Hospital”
お
よび生産性向上などを図る〝Brilliant Factory”
等の取り組みを行っている。
『Revolution CT / Revolution GSI』
CT ブースでは「40 th GECT Anniversary ~40 年の歴史が創り出す Clinical Outcome ~」
をテーマに Revolution
Family のテクノロジーからなるClinical Outcome や国内稼働施設からの豊富な臨床画像とともに展示した。
『Revolution CT』
『Revolution GSI』
3T MRI『 SIGNA Pioneer』
1回のスキャンで複数画像が得られる画像再構
築技術「MAGiC」を臨床向け機器としては業界で
初めて搭載した次世代型 MRI。MR 検査時に音を
発生させない同社独自の SILENT SCAN を搭載
するなど患者の負担軽減を実現している。また、
設置面積が 1 . 5 T 機器設置の必要面積とほぼ同等
の 30 m 2 以 下 や、 シ ス テ ム 必 要 電 源 容 量
77 kVA など、病院経営の収益面での要望にも応
えている。
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映像情報メディカル 2016年5月
展示会レポート
多目的 X 線撮影システム『Discovery IGS 730』
天吊式と床置式双方の利点を有した新発想のレーザー
ガイドモバイル C アーム。展示ブースではスマートロボ
ット「Pepper」によるプレゼンテーションが行われ、バ
ーチャル映像により、従来の概念を覆す自由なポジショ
ニングを解説した(写真 1)。 最高水準(DQE 撮影時:
77%/DSA175nGy)、透視時:71%/8.8nGy)透視、
撮影画像、高度な 3 D イメージガイダンスアプリケーシ
ョン。今までにない動きで、清潔な空間とワークフロー
を創出している。
放射性医薬品合成設備『FASTlab』
主にがんの PET 検査で使用する放射性の 18 FDG(フル
オロ デオキシ グルコース )薬剤を自動合成する装置。
FASTlabでは合成用試薬がセットされたフルパッケージ
ングカセット方式を採用することで、短時間で高効率・
低被ばくの確実な 18 FDG 薬剤合成を実現し、PET によ
るがん検査のさらなる利便性向上に貢献すると期待され
ている。
写真1
INNOVATION THEATER
MRブースの一角に設けられた INNOVATION THEATER
では MAGiC、SILENT SCAN、そして昨年の RSNA でも話
題となった ViosWorks(※薬事未承認品)
を中心に同社の最
新技術動向を紹介した。
ViosWorksは高分解能な 3Dボリュームデータに時間軸を
加え、さらに3 D のフロー情報を1度の撮像で得ることがで
きる。たとえば、自由呼吸下にておよそ 8 分で得られた心臓
のフロー情報では、従来心臓の自然撮像に比べてデータ容量
は非常に大きくなるが、この大容量データを高速で解析する
ため、ViosWorks では CPUクラウドを用いた画像表示と画
像解析をコンセプトとしている。今回は胸部領域でデモを行
ったが、ほかの領域でも対応は可能となっている。
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ITEM in JRC 2016
シーメンスヘルスケア
ブース全体を使ったLEDパネルの演出により、
シーメンスの DNA ともいえるイノベーション
の流れが QOL を向上するというゴールへつな
がることを表現。数々の製品群とソリューシ
ョンを体感できる多くの新製品や技術の展示
が行われた。
【イメージング IT】
クラウドサービス『teamplay』
teamplay は 医
用情報ビッグデー
タを扱うクラウド
サービス。世界中
で導入されている
シーメンスの画像
診断装置から得ら
れる情報のビッグ
データを基に、医
療施設の業務効率
改善に貢献する情
報を提供する。
【MRI】
MR-PET『Biograph mMR』
従来の同時収集か
ら、 さ ら に 進 化 し、
MRI と PET のそれぞ
れのデータ情報から
体動や呼吸による動
きを抑制するシナジ
ステック MR-PET 装
置で、最新 MRI に採
用のソフトウェアバ
ージョンE11に対応。
【女性医療】
超音波診断装置
『ACUSON S2000 ABVS HELX Evolution』
スクリーニングから診
断、アフターケアまで自
動乳房ボリュームスキャ
ンの超音波診断装置。タ
ッチパネル搭載により快
適な操作はもちろん、解
析 ワー クス テ ー ション
sUSBA により、片側 3
断面と過去データ、マン
モグラフィなどの他モダ
リティとの同時比較が可
能になり、読影医の負担
を軽減。
【女性医療】
マンモグラフィ『MAMMOMAT Fusion』
スピーディな検査を必
要とするスクリーニング
検査(検診)
において、ス
マートな操作性で短時間
撮影を実現する。また、
設置環境に柔軟に対応す
る次世代型フラットディ
テクタを搭載し、検診車
にも対応。
【MRI】
3T MRI『 MAGNETOM Skyra』
新型アプリケーション搭載により、検査の質と効率を向
上するフルデジタル 3 T MRI。静音技術「Quiet Suite」
で
静かな検査と高画質を両立。新ソリューション「GOBrain」
により、約10 分を要した頭部検査をわずか 5 分程度に短
縮可能(シーメンス社製品比)
。複数断面を同時収集し検査
時 間 を 短 縮、 そ し て 分 解 能 向 上 を 可 能 に す る SMS
(Simultaneous Multi-Slice)
搭載。
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映像情報メディカル 2016年5月
展示会レポート
X 線 CT 装置『SOMATOM シリーズ』
1975 年に頭部専用 CT『SIRETOM』をリリー
ス し て 40 年 を 超 え た。2005 年 に は Dual
Source CT(DSCT)を発表。現在でもシーメン
スはDSCTを臨床導入できる唯一のメーカ(2016
年4月現在)
。※薬事未承認品
分子イメージング PET・CT 装置
『Biograph Horizon』
さらに、人、環境、経営に対しても
メリットを追求し、次世代を見据えて
開発された新しいPET・CT 装置。
血管撮影装置『Artis zee BA PURE』
2 D/ 3 D アプリケーション搭載をはじめ、術中に使いこ
なすための新ユーザインタフェイスを採用。心臓から頭腹
部のインターベンションに幅広く対応する多目的システム。
外科用 X 線撮影装置『Cios Select』
Cios シリーズで最もコンパクトサイズで、手術室内で
のスムーズな移動が可能。73 cm の広い内径と各可動軸
別カラー表示で、術中の作業効率向上と直感的な操作性
を実現。また、高度な画像収集技術と画像処理アルゴリ
ズムを組み合わせた「IDEAL」を搭載し、被ばくを抑えな
がら高画質化を実現。
超音波診断装置『ACUSON NX3 Elite』
装置コントロールパネ
ルデザインを一新し、ス
ワイプ操作が可能な
10 . 4 型の大型タッチパ
ネルを搭載。また、組織
の硬さを画像化する
eSieTouch Elasticity
Imaging(エラストグラ
フィ)を搭載した汎用性
の高い超音波診断装置。
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ITEM in JRC 2016
東芝メディカルシステムズ
同社の経営理念“Made for Life”
の原点に立
ち返り、先進テクノロジーを搭載した数多く
の新製品や新技術を展示した。
320 列エリアディテクタ CT
『Aquilion ONE TM / GENESIS Edition』
国内で 300 台超、全世界で1,000 台超が導入されて
いる Aquilion ONE の新製品 GENESIS Edition は、X 線
出力から検出器、画像再構成に至るまで、さらに機能アッ
プさせることで、より一層の被ばく低減、画質向上、スル
ープット向上を図り、最小設置スペース19 m 2 を実現した
ほか、電源容量も抑制し省エネルギー化を図っている。また、
エリアファインダを搭載し、Volume scan 時にスキャノ
なしで直接、撮影範囲を視認できる機能を世界で初めて搭
載するなど、患者にも術者にもストレスのない快適なワー
クフローを提供する。
マルチスライス CT システム
『Aquilion TM Lightning』
さらなる高画質化と小型化を追求した 16 列検出器/
32 ス ラ イ ス CT。Aquilion PRIME 同 様、Aquilion
ONE シリーズで開発された各種最新技術を惜しみなく投
入している。
マルチスライス CT システム『Aquilion TM PRIME』
高分解能と高速撮影を両立する 80 列検出器/160 ス
ラ イ ス CT。PUREViSION TM Detector、AIDR 3 D
Enhanced、SEMAR TM ヘリカルなど、多数の最新技術
を搭載。
医療画像処理ワークステーション『Vitrea TM』
仏オレア社の先進的な画像解析技術を加え、撮像プロト
コル、線量情報などの検査運用管理ツールを新たに搭載し
た Vitrea バージョン 7 を中心に、画像診断、検査運用を
統合的に支援する製品およびサービスを提案している。
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映像情報メディカル 2016年5月
展示会レポート
1.5 テスラ MRI システム『Vantage Elan TM』
乳房 X 線撮影装置『Pe・ru・ruTM DIGITAL Series』
「高画質 × 簡単 × 省スペース」を実現した 1 . 5 テスラ
MRI 装置。
同社ブースでは、検
診車に設置したデモで
展示。車内検診室の壁
や床に施されたイラス
トは受診者が快適かつ
適切なポジションで検
査を受けられるように
目印としても機能して
いる。
X 線循環器診断システム『Infinix Celeve TM-i』
操作性、画質、線量の最適化により患者、医療従事者、
施設管理者、すべての人に功利的な稼働と安心を提供。
超音波診断装置
『Aplio TM 500
Platinum Series』
組織の硬さを映像化する
Shea wave Elastography
や低流速血流を高精細・高フ
レームレートで描出するSMI
など、さまざまなアプリケー
ションを搭載。最近では産科
において、胎盤内血流を SMI
評価することで、従来のカラ
ードプラでは見えなかった部
分も見えるようになり、SMI
の有用性が期待されている。
放射線部門情報管理システム
『RapideyeAgent TM』
放射線治療部門情報管理システム
『RapideyeAgent RT Pro』
被ばく線量管理と分析ツールの活用、撮
影スキル向上の教育システム、チームケア
に対応した新治療 RIS など、放射線業務の
新たなソリューションを紹介。
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ITEM in JRC 2016
日立製作所
2016 年 4 月1日より日立製作所、日立メデ
ィコ、日立アロカメディカルの 3 社は新たに
日立の「ヘルスケアビジネスユニット」
として
スタートした。同社展示ブースは、診断、治療、
イノベーションの 3 つのエリアが設けられ、
モダリティ単体の供給から、医療全体の質の
向上に向けたプレゼンテーションを行った。
【診断ソリューションエリア】
超電導 MRI システム
『TRILLIUM OVAL』
横幅 74 cm の OVAL(楕円)
形
状の Patient bore をもつ OVAL
シリーズの 3 テスラMRI。32 ch
のヘッドコイルを採用し 2 倍の感
度を実現。VRコーナーも併設し、
オープンデザインの TRILLIUM
OVAL の快適な検査空間をバー
チャルリアリティで体験できた。
マルチスライス CT システム『Supria Grande』
64ch/128slice CT『SCENARIA EX edition』
『Supria Grande』
( 写真左)は、高速・広範囲撮影と高画
質を両立させるコンパクト&ハイパフォーマンスな 64 列マ
ルチスライス CT 装置。
『SCENARIA EX edition』
( 写真右)は、ミニチュアによ
るプロジェクションマッピングを使った設置導入イメージの
提案などを行った。
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映像情報メディカル 2016年5月
展示会レポート
【治療ソリューションエリア】
陽子線治療システム『PROBEAT- Ⅲ』
水素の原子核である陽子を加速器で加速させ、ビーム
状に取り出した陽子線をがん組織に照射することで幹部
を集中的に治療する放射線治療法。陽子線治療システム
に使用されているスポットスキャニング照射技術は世界
で初めて米国 FDA の販売許可を取得している。
超音波診断装置『ARIETTA Precision』
外科治療に貢献し、急性期医療を支えるというコンセ
プトをもつ。従来装置とは異なるスリムなボディデザイ
ンを採用。モニタアーム(オプション構成品)を用いるこ
とで、21 . 5 インチの大型タッチモニタをシーンに適し
た位置へスムーズに移動。また、モニタユニットとベー
スユニットは無線接続することができ、取り外して運用
可能。専用リモートコントローラ(オプション構成品)は
リアルタイムにエコー画像を表示しながらタッチ操作が
でき、スペースが限られた手術室において多彩な設置レ
イアウトを実現している。
【イノベーションエリア】
ヘルスケアクラウド
X 線透視撮影システム『CUREVISTA』
最大視野 42×42cm の FPD および 50kW の高電圧装
置を搭載。より低被ばく、高画質な透視・撮影が可能となり、
さまざまな透視検査、低侵襲内視鏡治療支援が可能。
データドリブンによるイノベーションで診断の質、治
療の質、経営の質向上を図るアプリケーションを提供し、
ユーザの課題を解決する。たとえば、手術室と手術ヘッ
ドクォーターをクラウドで結ぶことで、手術室の全情報
を客観的に把握し、ヘッドクォーターの熟練医師が遠隔
でアドバイスを送ることができる。
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ITEM in JRC 2016
フィリップス エレクトロニクス ジャパン
(株)フィリップス エレクトロニクス ジャパンでは、ITEM2016 の初日の 4 月 15 日(金)、同社ブ
ースにて新製品発表・除幕式を開催した。
開会に先立ち、同社代表取締役社長 ダニー・リスバーグ氏より、製品開発として
のフィリップスのイノベーションは従来同様に継続していくが、今後は製品開発だ
けでなく、正しい診断から治療、そして在宅医療へと続く患者を中心とした一連の
ヘルスケアプロセスの流れを重視し、これに注力していくと述べた。
ロイヤルフィリップス CT 事業ゼネラルマネジャー ミカエル・ストリンドランド
氏が登壇し、フィリップスの CT 事業部では予防にも力を入れており、肺がんのスク
リーニング検査等の開発や、CT アプリケーションにいても、救急領域や脳神経領域
など多岐にわたっての開発を進めていると述べた。また、1 回の正しい診断で検査
を行うということにフォーカスし、それによる病院経営におけるコスト削減にも貢
献していくとも語った。
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映像情報メディカル 2016年5月
展示会レポート
『IQon スペクトラル CT』
2 層検出器
『IQon スペクトラル CT』
『IQon スペクトラル CT』は、スペクトラルディテクタである 2 層検出器を搭載した CT スキャナ。すべての検査で
120kVp 画像データとスペクトラルデータの取得を両立させ、ミスレジストレーションのないスペクトラルデータの取
得が可能であるため、事前に Dual Energy 撮影を追加する判断が必要、診断のデファクトスタンダードとなっている
120 kVp 画像が同時に取得できない、仮想単色 X 線画像の画質、Dual Energy データの位置ずれや時相ずれなどの、
従来の Dual Energy CT での課題をすべて解決する。
『Allura Centron』
本製品は、Allura シリーズの最新システム。心疾患領
域および電気生理検査領域の手技を主要な臨床応用とし
て設計されているが、脳神経領域や血管領域の手技にも
応用可能な柔軟な設計を備えている。
長期運用の安定した実績をもつ MRCX 線管装置や広範
な臨床応用に柔軟で安定した対応が可能な床置き式 C ア
ームガントリ設計にいたるまで、信頼性の高いパフォー
マンスを実現した実績をもつ Allura シリーズが基本とな
っている。また、低線量での手技実施を実現するための
一連の技術、プログラム、手法からなる被ばく低減機構
「DoseWise」も組み込まれている。
『Allura Centron』
『BV Vectra』
『BV Vectra』は、整形外科領域で日常的に行われる外
科治療手技に特化した移動式外科用 X 線システム。本最
新装置は、整形領域手術を積極的に支援する X 線イメー
ジガイダンス機能をもつシステムとして開発設計され、
より優れた画質をより少ない X 線量で実現し、すべての
ユーザが手早く直感的に操作し、外科手術を安定かつ効
率的に進めることを可能にする。
『BV Vectra』
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ITEM in JRC 2016
島津製作所
テ ー マ は「Passion for
Details-Discovering
new clinical values
indiagnostic imaging」
。
X 線画像診断システムで高
い評価を得ている同社のよ
り多様化・充実した臨床付
加価 値を中心に展 示した。
注目が集まる乳房専用 PET
装置では臨床での可能性を
豊富な画像データで紹介。
また、治療分野における新
たな展開を披露した。
『SONIALVISION G4』
多目的性と検査効率、被ばく低減、省
スペース化において実用性に優れ、さま
ざまな施設の要望に柔軟に対応する X 線
テレビシステム。国内で 500 台以上の
納入実績をもつ本機では、従来より搭載
している骨折などの診断が容易に行える
トモシンセシスのほかに、国内で初めて
X 線テレビシステムによる骨密度測定を
可能にした。これにより骨粗しょう症診
断に必要な検査を 1 台で行える X 線テレ
ビシステムとなっている。
『RADspeed Pro EDGE package』
従来より定評のある RADspeedPro の操
作性のよさに加え、トモシンセシス、長尺撮
影、デュアルエナジーサブトラクションを可
能にした最新システム。次検査と同時並行で
トモシンセシスが行えるスループットのよさ
を実現するとともに、金属の影響を極限まで
に抑える画像再構成技術 T-Smart でのトモ
シンセシスが可能となった。さらに、軽量タ
イプの FPD がラインナップに加わり、施設
の要望に柔軟に対応する。
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映像情報メディカル 2016年5月
展示会レポート
『Trinias MiX F12 package』
デバイスの視認性向上と従来の 1 / 2 の線量運用を可能
するなど、さらなる低侵襲治療を実現する血管撮影シス
テム。SCORE Navi/Navi+Plus(オプション )では、
術前 CT 画像と C アームを連動させることで CT 画像をリ
ファレンスにしたインターベンションを可能にし、造影
剤軽減につなげる。また、リアルタイムでStentを強調・
固 定 表 示 す る StentView を 強 化 さ せ た SCORE
StentView+Plus を搭載。従来の 2 マーカ自動検出か
ら、ROI 指定機能による複数マーカでの検出が可能にな
った。
『Elmammo』
検出器ホールに乳房を入れるだけで検査できる乳房専
用 PET 装置。乳房を圧迫する必要がないため痛みのない
検査が行える。高性能検出素子を搭載し、解像度と感度
を高めることで全身用 PET 装置よりも小さな乳がんの診
断を実現している。また、臨床用 PET 装置として世界で
初めて DOI 技術を採用し、視野内で均一な解像度を実現
した。
『LIGHTVISION』
外科手術を支援する新システム。リンパ管や血管に与
した薬剤 ICG から発生する近赤外光を表示することによ
り、直視下では確認できないリンパ管の同定や血流を把
握することができる。乳がん手術時にセンチネルリンパ
節を同定できる手法として有用となる。
『MobileDaRt Evolution series』
全世界で 2 , 700 台以上の実績を誇る FPD 搭載回診車
MobileDaRt シリーズ。ブースでは、Evolution シリー
ズの新製品を展示。撮影から画像表示までわずか 2 秒で
表示され、画像情報は従来シリーズよりさらに大きくな
った 17 インチの大画面 LCD モニタを搭載している。
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ITEM in JRC 2016
富士フイルムメディカル
医療ITは 5 月1日より発売の『SYNAPSE 5』
を中心に、放射線画像診断ソリューション、
統合診療支援プラットフォーム、3 D 画像解
析・地域医療連携の関連製品を展示。
X 線モダリティでは、低線量と快適なワーク
フ ロ ー を 実 現 す る 最 新 の Low Dose
Solutionを中心に展示した。
医用画像情報システム『SYNAPSE 5』
画像処理技術のさらなる向上と、システム全体の
設計を刷新したことで、大量の診断画像を従来比 2
倍のスピードで高速に処理して表示できる。サーバ
上で画像処理が行われ、処理結果のみをクライアン
ト端末に送信し、表示する「サーバサイドレンダリ
ング方式」を新たに採用。画像をクリックしてから
表示されるまでの待ち時間や、表示された画像を操
作する際のレスポンス時間が短縮され、診断効率の
向上と医師のストレス軽減に貢献。
また、
『SYNAPSE 5』に保管されているすべての
画像は、HTML 5 対応の Web ブラウザから閲覧で
きるため、専用ビューアのインストールが不要。ク
ライアント端末に閲覧データが残らず、より高いセ
キュリティ環境下で使用できる。
統合アーカイブシステム
『SYNAPSE VNA』
管理・保管されるすべての情報を、院
内の各診療科システム専用のビューアか
ら参照できる。患者ごとに複数の診療科
の情報を一覧することも可能。また、各
診療科のシステムに保管の診療情報を集
約・保管できるため、システムを更新す
る際に新旧システム間で必要となるデー
タ移行において、作業面・コスト面の負
担を軽減する。さらに、複数施設の診療
情報を一元管理し、共通のルールで運用
できる。地域連携時に、診療情報の共有
基盤としての活用が期待される。
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映像情報メディカル 2016年5月
展示会レポート
タブレット型超音波画像診断装置『SonoSite iViz』
本体の重さが約 520 g の小型・軽量なタブレットタイプの超音波画像
診断装置。小型でありながら 7 インチの液晶画面を装備し、院内の回診時
に医療従事者が白衣のポケットに入れて手軽に持ち運べるほか、在宅医療、
救命救急、僻地・災害医療においても優れた携帯性を発揮する。検査時に
は、本体を片手で持ち親指だけでメニューを選択でき、ピンチやスワイプ
な ど 直 感 的 な 操 作 で 検 査 を 進 め ら れ る。 画 質 も 追 求 し、FUJIFILM
SonoSite, Inc. の小型化技術によって新開発した画像処理回路を搭載。
140 万画素の鮮明で高精細な画像を実現している。また、心臓の弁や心
筋など動きのある部位を時系列で観察できる M モードや、対象物の距離や
面積の測定機能など、豊富な機能を備え、幅広い診療科で活用できる。
さらに、カメラ機能を標準搭載。超音波画像を用いた診断だけでなく、
救急や在宅診療の現場で静止画や動画撮影ができ、医療の現場のニーズに
広く応える。また、無線 LAN 機能も搭載しており、今後セキュアなネッ
トワーク環境下で検査画像の送信機能を追加予定。
デジタル X 線画像診断装置
『FUJIFILM DR CALNEO Smart S47 / S77』
ITEM 初日の 4 月 15 日に同時発売した 14 × 17 インチカ
セ ッ テ DR『CALNEO Smart S 47』と 17 × 17 イ ン チ の
『CALNEO Smart S77』。フラットパネルセンサの内部構造
を見直し、さらなる軽量化と X 線感度の向上を実現した。パネ
ルの蛍光体には、温度や湿度などの環境変化に強い GOS(ガ
ドリニウムオキサイドサルファ)を使用。大きな蛍光体粒子同
士の隙間を小さな蛍光体粒子で埋めて密度を高めた独自設計の
蛍光体層を採用している。
『CALNEO Smart S 47』は、14 × 17 インチサイズのバ
ッテリ交換式カセッテDRとして世界最軽量の 2.5kg。さらに、
ク リ ニ ッ ク 向 け の 画 像 診 断 ワ ー ク ス テ ー シ ョ ン「C@
RNACORE」との連携により、胸部正面の X 線画像から骨の
陰影を低減して、肺野内の肋骨・鎖骨に重なる病変などを確認
しやすくする「胸部アドバンス処理」といった、読影支援のさ
まざまな画像アプリケーションを使用できる。
病院向け放射線検査部門管理支援サービス
『ASSISTA Management』
X 線 撮 影 時 の 諸 条 件 な ど を 医 療 施 設 向 け ク ラ ウ ド サ ー ビ ス
「ASSISTA Portal」のデータセンターにアップロードすることで、
自動でさまざまな分析軸のグラフやリストに整理して表示できる。撮
影情報をオンラインで一元管理し、自動で撮影線量や EI 値、撮影機
器など項目別のグラフ・リストの作成が可能。また、再撮影の事例に
ついては撮影者別、依頼科別に過去の撮影情報を参照できる。
Vol.48 No.5
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ITEM in JRC 2016
コニカミノルタジャパン
本年 4 月より社名が変更され新会社となった同社は、従来のヘルスケア部門と情報機器部門、そ
して計測機器(センシング)
部門の 3 部門が一体となり、最先端の画像処理技術をはじめ、ヘルス
ケア全体をさまざまな切り口で提案するべく生まれかわった。
長尺撮影用システム
『AeroDR ONE SHOT STITCHING』
CR では長いカセッテを使い 1 回で撮る、つまりワン
ショットで撮れることが長尺撮影のポイントだった。し
かしそれがフラットパネルになってからはできず、どう
しても複数回の曝射が主流となっていた。本展示では、
『Aero DR』のパネル 3 枚を使用した長尺撮影用システム
を展示。3 枚の画像を瞬時に結合補正することであたか
も 1 枚のようにワンショットで撮ることができる。従来
のパネルをそのまま使用できるため、立位や臥位、そし
て普通のカセッテ撮影と有効活用できる。
超音波診断装置
『SONIMAGE HS1』
『 SONIMAGE P3』
『Aixplorer』
超音波診断装置は内製化を開始して 5 年が経過した。肩
こりや野球肘といった運動器をみる整形領域の運動傾向の
画像を見るのに特化した超音波診断装置を発売するなど、
さ ま ざ ま な シ リ ー ズ が 出 て き て い る。 ブ ー ス で は
『SONIMAGE HS1』
『SONIMAGE P 3』
ならびに最上位
機 種『Aixplorer』を 展 示。
『Aixplorer』は Shear Wave
Elastography 技術により、乳腺内の腫瘤の硬さを測るこ
とで、不要なバイオプシーを減らすことが可能となる。
ケアストリームヘルス
エンタープライズイメージングソリューション
『CCP(Clinical Collaboration Platform)』
ヘルスケアIT中心に大きく舵を切った同社。今年のテーマ“New Generation,
New Experience.”
は、そこに由来する。展示の目玉は同社製品「Vue PACS」
を中心に置いたソリューション『CCP(Clinical Collaboration Platform)
』
。根
幹には、
「医療を取り巻くすべての関係者の方々に利益を」という考えがある。
VNA(Vender Neutral Archive:ベンダ中立アーカイブ)
の考え方をベースに、
DICOMデータだけでなく心電図の波形や皮膚科の JPEG 画像、さらに内視鏡や
超音波、病理、文書など、他部門データや非DICOMデータも統合サーバに保管し、
1つのビューアでの閲覧や簡単な解析を可能とした。ビューア以外にタブレットや
スマートフォンで閲覧できるほか、HTML ファイルを使用したウェブビューアも強
化。ワークフローを改善し、院内統合化を図る。さらに VNA とクラウドを用い、
セキュリティを担保した形で総合運用する地域連携を提案するなど、
「その先」
のコ
ンサルテーションも含めた病院システム全体の最適化をめざす。同社では10~
20 年先を見すえ、地域中核病院をターゲットに、クラウドならではの拡張性をも
つプラットフォームとしてCCPを提案していくとしている。
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映像情報メディカル 2016年5月
展示会レポート
エレクタ
高精度放射線治療システム『Versa HD』
リニアックの最上位機種としてメイン展示され
ていた。フラットニングフィルタフリーを搭載し、
高精度の放射線治療を短時間かつ安全に提供す
る。コンソールのデモではリニアック自体のコ
ントロールをはじめ、コーンビーム CT の位置決
めがすべてバーチャルに扱えるようになってお
り、実際に患者を治療するワークフローを仮想
的に見ることができる。また、患者照合記録と
情報の管理システム『MOSAIQ』も併せて紹介さ
れていた。 施設全体の情報システムと接続し、
会計や患者の病気の領域やステージなどの機能も
備えており、単体での販売もなされている。加
えてリニアックと組み合わせて使用し、患者の
体表面をスキャンすることで治療中の身体移動を
管理する安全対策装置『Catalyst』を展示。予期
せぬ動きをいちはやく感知し、自動で治療ビームを停止する機能をもつ製品である。
このほか治療計画装置 Monaco シリーズの新バージョン『Monaco 5 . 11』は多機能性に加え、従来の 3~4 倍の計
算速度を実現。さらに世界で稼働するリニアックがどういう状態かをモニタリングし、予防的に修理、部品交換を行う
サービスサポート『Life Cycle Service』が紹介されていた。
ザイオソフト
Ziostation2 の最新バージョンを展示。最新バーションでは、新しく追加されたアプリケーショ
ンとして「CT冠動脈石灰化サブトラクション」や「CT冠動脈比較解析」、
「MR心筋T1 マッピング」
また、簡易 3D ビューア「Zio Cube」などを紹介していた。
CT 冠動脈石灰化サブトラクション/ CT 冠動脈比較解析
「CT 冠動脈石灰化サブトラクション」は、同社独自のアルゴリズム非剛体
位置合わせでサブトラクションを行うことで、冠動脈の石灰化領域を除去す
る。それにより、石灰化領域を除いた血管短軸断面の観察、狭窄率評価が可
能になる。
「CT 冠動脈比較解析」は、CT 冠動脈石灰化サブトラクションで使用した冠
動脈が造影された元画像データと、石灰化サブトラクション後のデータから
冠動脈を自動抽出し、それぞれ比較して観察することができる。
MR 心筋 T1 マッピング
心臓 MRI にて TI を経時的に変化させた造影前と造影後のデータから T 1 値を計
測してマッピングする。細胞外液分画(ECV)を求め、全体、内膜側、外膜側の
ECV を Bull’s Eye Map で表示する。
Zio Cube
Zio Cubeは、医薬品医療機器等法に基づく認証を受けた医療機器ソフトウェア。
研究、学習用途に限らず、臨床現場を含め、使い慣れた端末にインストールして幅
広い用途で利用できる。
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ITEM in JRC 2016
テラリコン・インコーポレイテッド
東陽テクニカ
Overlay PACS Viewing
IMS WebViewer
院内には、PACS サーバや部門サーバなど複数のサー
バがあるため、それぞれのビューアを使用しなければな
らい。しかし、Overlay PACS Viewing を導入するこ
とにより、それらを 1 つのビューアに集約して一元管理
することができる。
IMS WebViewer は、iOS、Andoroid、Windows
に対応した DICOM Web Viewer。ソフトウェアをイン
ストールすることなくクラウドベースに開発しているた
め、ソフトウェアをインストールすることなく使用する
ことができ、デスクトップ PC でもタブレットでも同品
質の DICOM 画像を参照することができる。また、一般
のサーバサイドレンダリングタイプとは異なり、クライ
アントサイドレンダリングタイプであるため、サーバに
負担をかけずに画像を参照することができる。
ジェイマックシステム
ジェイマックシステムでは、
「Get Imagination, Make Innovation. クラウドが拓く医療 ICT
の未来。」をテーマに展示。
「XTREK Viewer /ボリュームレジストレーション」 LiveStack Radiology
XTREK Viewer の新たな機能として、
「ボリュームレ 「LiveStack」は、院内各所に散財する医療書籍と作成し
ジストレーション機能」が追加された。過去画像と比較す た論文やマニュアル、ガイドラインなどの共有/管理を支
る際の位置ずれをワンクリックで合わせることができる。 援する。
CT や MRI などのボリュームデータは撮影ごとに呼吸や
ポジショニングが異なるが、レジストレーションによっ
てボリュームデータ間の正確な相関位置を知ることがで
きる。レジストレーションによって得られた相関位置や
情報を用いることで、比較読影時のスピードやクオリテ
ィが向上する。
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映像情報メディカル 2016年5月
展示会レポート
横河医療ソリューションズ
3
3
「新」
しい技術に「進」
化し、お客様や製品との連携
3
3
を「深」
め、そしてお客様との「信」
頼性を築く―とい
3
3
うキーワード「4 つのしん 」をモットーに、白黒のシ
ックなブース展開がなされていた。
RIS『ShadeQuest/RIS』
今までの同社の製品とはデザイン
を大きく変えた。2 年前、
「未来医
療」というキーワードで富士通との
提携を開始した同社はその成果とし
て、富士通の電子カルテとの連携を
高め、自社製品に落とし込む作業が
進んだ。その結果、同社内のバー
ジョンがグンとアップした。なかで
もRISは電子カルテとの関連性が高
く、富士通の使用するデータベース
を使った製品に作り替えられている
のが大きな特徴である。電子カル
テ 側 が も っ て い る デ ー タ を BI
(Business Inteligence)ツ ー ル
としての、グラフ化できる統計ツー
ルを組み込んだ製品に仕上がってい
る。逆に放射線科をターゲットとし
てやってきた同社の、技師の細かい
業務をケアする機能は富士通の製品
にもうまく取り入れられ、お互いにメリットを生んでいる。一方もちろん独立ベンダであることは変わっておらず、他の電
子カルテメーカ製品との連携も今までどおり案件ごとに保っていく。
画像ビューア『ShadeQuest/ViewR-DG』
レポートシステム『ShadeQuest/Report』
PACS コーナーではおもにビューアとレポートを展示。
ビューアは RIS と同様、電子カルテとの連携機能を付加
している。電子カルテとのデータのやりとりを行う部分
が多く含まれるレポートシステムにもさまざまな機能が
織り込まれている。読影医は読影前にカルテの
記事や検査データなど患者の基本情報を見た上
で画像と向き合い、診断し、レポートを作成する。
その過程で気になる患者がいる場合には当然「フ
ォローしたい」という思いを抱く。カンファレン
スはもちろん、読影後も含めたこうした日常業
務の流れに沿い、同社製品はいろいろな機能を
配置する。これが同社のレポートシステムの基
本的な考え方である。今までは読影準備をする
際に別の端末でカルテを立ち上げて患者を検索
していたのが、レポートシステム内のボタンを
1 個開くだけで、その患者のカルテ画面が開く。
それだけでも作業効率は大幅にアップする。ま
たチェックリスト機能に病理検査や手術が加わ
り、読影医の「次のアクション」をより深くサポ
ートする。
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ITEM in JRC 2016
グッドマン
Multiframe DICOM PACS『Goodnet』
主に循環器分野で発生する検査画像の保存・配信はも
ちろん、複雑化するシステム連携やデータ管理、各種検
査レポートの作成から画像解析まで、さまざまな場面で
医療現場をサポートする Cardiology 総合管理ソリュー
シ ョ ン。Goodnet に 標 準 搭 載 の DICOM ビ ュ ー ワ
「GoodView」は直感的な操作性を追求した画像閲覧機能
に簡易計測機能やファイルフォーマット変換機能を加え、
医療現場の多くの声をカタチにした多機能ビューワであ
り、Windows や iOS に対応した単体製品としても提供。
また、専任スタッフによる検査レポートのカスタマイズ
サービス、解析ソフトウェアの活用支援なども好評。
テクマトリックス
『NOBORI』
NOBORI は、クラウド PACS という市場において多
くのシャアを得ているクラウドサービス。NOBORI は、
バックアップとしてのクラウドではなく、院内にサーバ
を置かない本当の意味でのクラウド環境を提供している。
本 展 示 で は、
「NORORI-PAL」を 紹 介。
「NORORIPAL」は、従来の PACS 機能だけにとどまらず、
「他院と
の医療連携を進めたい」
「 専門性の高い画像解析」
「 緊急時
に院外で画像を参照したい」などのサービスへの要請に応
え、自社開発にとどまらず、
“クラウド上に便利を集め、
医療機関を支援したい”この願いを共有する仲間(PAL)
と多様なサービスをクラウド環境で提供することを目的
に開発したプラットフォームである。
インフィニットテクノロジー
今年で日本進出 15 周年を迎えた同社は、ブースデザインを大幅に変更し、型にはまらない斬新さを強調。製品展示
では従来の主力製品『INFINITT PACS』、そして最近バージョンアップした医用画像レポートシステム『INFINITT
Report』関連のラインナップがメインとなっていた。また同じく初展示として、Mac に対応する『ULite』では非
DICOM データも閲覧できるようになった。このほか放射線情報システム『INFINITT RIS』、放射線被ばく線量管理シ
ステム『INFINITT DoseM』、そして米国などで始まっている、複数ベンダ PACS からの医用画像の検査結果や患者デ
ータが閲覧可能な医療情報統合化情報技術プラットフォーム「VNA(Vendor Neutral Archive)」である『INFINITT
Healthcare Platform(IHP )』が紹介されていた。
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映像情報メディカル 2016年5月
展示会レポート
パナソニックメディカルソリューションズ
手術支援画像システム
同社は今年も「医用画像と映像技術で院内・院
外を“つなぐ”ソリューション」を全面に打ち出し
た展示コンセプト。Plissimo シリーズをベース
に PACS ビューア、レポート機能はもちろん、
遠隔画像や地域医療連携など、さまざまな分野
に対応・拡張されている。なかでも目を引いた
のが、画像を使った手術シミュレーションに「つ
ながる」画像支援システムである。用途としては
トレーニングなど、おもに教育がメイン。整形
外科領域の症例デモでは PACS の画像データを
使い、骨変形で神経を圧迫する部分を除圧する
手術のシミュレーションを紹介していた。この
手術の場合、骨を削り、神経の圧迫をなくすこ
とがゴールだが、内視鏡を使うために術野が見
えにくいのが課題であった。そこで仮想的に内
視鏡画像を作成することで「どこまで削れば神経が出てくるか」の手術計画を立てることができる。至適距離やボリュー
ムは計画の細かな情報として残すことが可能であり、モックアップへの変換や 3 D 閲覧もできる。整形以外の領域でも、
たとえば肝胆膵関連の手術では CT や MRI 画像が使われている。このほか 4K テレビ/4K モニタと 4K タブレット端末
を院内カンファレンスや患者説明に使用する同社の映像技術を生かした高品質画像表示システム、また電子カルテシス
テム『Medicom HR Ⅲ』
( パナソニックヘルスケア社)+『プリッシモ ビューア』が紹介された。
バルコ
『Coronis Uniti』
33 インチ 12 MP 解像度のマンも画像表示、マルチモダリティに対応する高輝度、
超高精細カラーディスプレイ。さまざまなグレースケール、カラー画像をスクリーン内
にベゼルのない大画面に表示し快適な読影を実現している。
『Coronis Fusion 6MP LED』
最新の IPS 液晶パネルと LED バックライト技術を採用し、キャリブレーション
推奨輝度 600 cd/m 2 の高輝度と 1 , 500:1 の高コントラスト比を実現すること
により、濃淡が出やすく黒がしまる卓越した画質を実現している。タッチパッド
を標準添付しており、関心領域の一時的な輝度ブーストを行う SpotView TM など
画像観察のワークフローを強力にサポートする。
『Nio Color 2MP/3MP LED 後継機(仮称)』
( 写真右、中央)
『LED バックライト 1MP カラーディスプレイ(仮称)』
( 写真左)
Nio Color 2 MP/ 3 MP LED 後継機(仮称 )は、 医用画像表示用途として
2016 年第 3 四半期より日本国内販売を予定。モノクロ画像に加えて、カラー
画像の表示にも最適。
LED バックライト 1 MP カラーディスプレイ(仮称)は、医用画像参照用途と
して 2016 年第 2 四半期より日本国内販売を予定。PACS や電子カルテの操作
用画面や、モダリティ撮影後の確認画面として幅広い用途の 19 インチ液晶パネ
ルを採用。
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ITEM in JRC 2016
EIZO
ITEM2016 では、
「EIZO が奏でる白い輪舞曲(ロンド)
」
をテーマに掲げ、使いやすさと高性能を両
立した新デザインの RadiForce モニタをフルラインナップで展示。
新 製 品 と な る 3 MP 21 . 3 型 カ ラ ー 液 晶 モ ニ タ『RadiForce RX 350』、2 MP 21 . 3 型 カ ラ ー 液 晶 モ ニ タ
『RadiForce RX 250』は、読影作業に集中しやすいようにベゼル(画面の外枠)部分には黒色を、側面には清潔感と軽
量感を演出する白色を環状に配している。さらに角を丸くすることで、患者の心理的不安を和らげ、安心感を与える。
また本製品には入力端子だけでなく、出力端子も備えている。そのため、デイジーチェーン接続により複数モニタを
使用する際の配線をシンプルにすることができる。
JVC ケンウッド
TOTOKU の 30 年培ったモノクロ静止画像技術による高精細・ 高品質な画像技術と、
JVC のカラー画像処理技術を融合することにより、未来の医療の領域に新しい価値を提案す
るという同社のコンセプトの象徴として「Powerd by JVC」という新しいロゴを掲げて展示
を行った。
展示の中心となった 21 . 3 型 500 万画素カラー『CCL 550 i 2』/ 21 . 3 型 500
万画素モノクローム『MS 55 i 2』は、マルチモダリティ画像表示に対応マンモグラフ
ィ/トモシンセシス画像表示用ディスプレイ。本製品は、米国食品医薬品局(FDA)
よりブレストトモシンセシス用として認証を取得している。
「サージカル支援ソリューション」コーナーでは、手術室向け分離型 4 K カメラシ
ステムやデジタルワイヤレスインターカムなどを展示。
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映像情報メディカル 2016年5月
展示会レポート
フジデノロ
MRI 用磁性体検知器『MAGGUARD』を中心に、
患者固定具や樹脂製オーダーメイドファントムを
出展。高精度で効率的な画像診断および放射線治
療のために、有用な製品を取り揃えている。
MRI 用磁性体検知器『MAGGUARD』
2 年前に初出展した『MAGGUARD』はシングルポールの自立式でスペース
を取らず設置工事が不要。微小な磁界の変化も検知可能な高感度磁気インピー
ダンス(MI)センサを搭載し、高速デジタル処理回路を駆使することにより磁
気変化を瞬時に捉える性能に加え高精度な検知が可能。
ユーザの声も反映しバージョンアップも行われ、人工知能(AI)搭載により設
置環境を学習機能で判別、最適化する機能を追加。これにより、さらに効率よ
く高精度な検知が可能となった。導入コストもリーズナブルで、新規導入を検
討する施設の引き合いも増えてきている。
パーキンエルマージャパン/イーグル工業(株)ネオプトカンパニー
フラットパネル X 線ディテクタ『XRD 4343RF』
パーキンエルマー社が開発したフラットパネル型デジタル X 線検出器は、シンチレータとアモルファスシリコンパネ
ルの組合せを採用し、医療用・工業用分野において 20 年以上の実績がある。
独自のオプトインタフェイスを採用し高速性を実現、また、画素加算と撮影エリアを設定することによりフレームレ
ートは最大 50 fps の撮影が可能。さらに有効視野 17 × 17 インチ、ピクセルサイズ 150μm の検出部とヨウ化セシ
ウムシンチレータを組み合わせることにより優れた高画質の画像を提供している。
<主な仕様>
●受光サイズ:17 inch
●画素サイズ(μm)※1:
150×150
●画素数 ※1:2,880×2,880
●フレームレート ※1:6.25fps
● A/D コンバータ:16bit
● X 線エネルギーレンジシンチレータ:CsI
●出力インタフェイス:GigE、光ファイバ
※ 1:全画素読み出し時の仕様。画素ビニン
グにより、高速読み出し可能。
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ITEM in JRC 2016
アルティマ
『cQuest Cicada』
『cQuest Cicada』は、多チャンネルで小型の超音波イメージング・サブシステム。従来の超音波イメージング機器
以上に高画質での研究が可能。画像表示の上位ソフトウェア、用途にあったプローブ、表示および制御に使用する PC
などを用意することで、超音波イメージング機能を容易に実現できる。
本展示では、64 ch cQuest Cicada を 2 台組み合わせた 128 ch の超音波装置を展示。単体の cQuest Cicada
(64ch)も展示し、128ch と 64ch の超音波画像の違いをデモをまじえて紹介していた。
ホロジックジャパン
デジタル乳房 X 線撮影装置『Selenia Dimensions』
「データに基づいた、たしかな技術をお届けする」という
コンセプトのもと、今回初めて自社ブース展示を行った同
社。メイン展示は 3 D マンモグラフィ対応のデジタル乳房
X 線撮影装置『Selenia Dimensions』であった。JAMA
(The Journal of the American Medical
Association)によるトモシンセシスの臨床研究でも使用
され、その臨床的有用性が実証されたシステムである。ト
モシンセシスのスキャン時間は 4 秒以下。3 D マンモグラ
フィはルーチンで使用可能な高スループットであり、検診
や診断だけでなく、ステレオガイド下バイオプシー(トモ
バイオプシー)にも対応できる。
このほかバイオプシーガイダンスユニット『Affirm』の展
示に加え、トモシンセシスから合成された 2 D マンモグラ
フィ画像(C-View)をイメージングシステムとしてブース
内部の暗室に設置。画像をスクロールしながら実際に見て
もらう工夫がなされていた。
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映像情報メディカル 2016年5月