中国の映画市場、2~3 年後には世界最大に 世界第二位の映画市場となった中国は、2014 年の観客動員数が 8 億人を突破しました。 国家新聞出版広電総局・映画局映画処の周宝林処長は 11 日に取材に対し、 「中国にはまだ 膨大な基盤と潜在力があり、今後 2、3 年で世界最大の映画市場になる」との見通しを示 しました。新華網が伝えました。 近年では、グローバル化が進むにつれ、中国の映画市場は急速に発展しつつあります。 1993 年と 2000 年の二回の改革を経て、中国の映画産業は急速な発展期に飛び込みました。 今年 7 月を迎えるにあたり、夏季映画の興行争いの火ぶたが切られ、昨年同様に激戦とな っています。周宝林処長は、 「昨年、中国の映画興行収入は約 300 億元(1 元は約 20 円) に達し、2002 年の産業化初期と比べると 32 倍になった。また、興収の年平均成長率は 35% 前後を維持している」と指摘しました。 有名な人気女優趙薇(ヴィッキー・チャオ)が初めて監督した話題の青春・ラブ映画「過 ぎ去りし青春に捧ぐ(致我们终将逝去的青春-So Young-) 」の上映を皮切りにして、中国 での大きな青春映画ブームにあやかって、多くの俳優たちも若者の中で流行している青春 小説を取材して映画の監督を務めました。映画市場に新しい風が吹き込み、数ヶ月間に多 数の青春映画が公開されます。それらが人気を占めています。 今年の夏には、上映した映画は依然としてたくさんのジャンルが集まり、恋愛、アニメ ーション、アクションアドベンチャー、ファンタジー、青春映画、サスペンスのお馴染み の顔ぶれが続々と登場しました。それで、たくさんの問題が増えてきました。映画プロモ ーションや広告に頼って非常に人気が出る映画がある一方、PRをあまりしなかった映画 の興行収入が高くなくなっています。したがって、映画の質は玉石混淆だと言われていま す。そして、多くの青春映画はプロットが似ているため、似たような青春映画を何度も見 て、観衆たちはもう見飽きました。 しかし、今年の夏季映画は引き続き人気のある青春映画のほかに、上映前に映画の PR をあまりしなかった国産アニメ映画「西游記之大聖帰来(西遊記・新たなヒーローとして 帰ってきた孫悟空という意味) 」が夏季映画の最大のダークホースになっています。興行 収入は6日間で軽く3億元(約60 億円)を超え、国産アニメ映画の最高の興行記録をマー クし、中国国産アニメ映画の歴史に新たな 1 ページを加えました。「西游記之大聖帰来」 は観客の中で評判がいいし、映画評価サイト・豆瓣では 8.8 ポイント(10 ポイントが最高) を獲得し、中国版ツイッターの微博(ウェイボー)には、 「国産アニメの将来」や「最高 な国産アニメ映画」などとのコメントが寄せられ、人々の間で人気が出て、話題になって います。その原因を考えると、子供のころの記憶が薄らいでいたとしても、 「ヒーローと して帰ってきた孫悟空」を見ると、その記憶が鮮明に蘇ることでしょう。この映画では、 古典名著「西游記」に出てくる孫悟空のイメージが比較的忠実に表現されており、その映 画を見に行った人たちの心の中のヒーローを生き生きと再現しています。そのため、痛快 で満足感を見る人に与えてくれます。 確かに、映画は、現代社会で人々の文化生活における重要な一部分として、生活の中で 大きな影響を与えました。映画産業の発展をサポートし、多彩な異文化を体験し、人の精 神生活がどんどん豊富になっています。残念ながら、中国市場においては海外映画の輸入 枠などもあり、海外の優秀な映画作品が上映される機会はあまり多くないのが現状です。 海外作品の興行成績に対し、国産映画が圧倒的な強さを見せています。映画市場の繁栄を 促進するため、もっといい環境を作る必要があると思います。 まず、今後、私たちは映画市場を開拓するため、国内外の映画関係の仕事に従事する学 者や業界代表などとの交流をとることに集中しなければなりません。例えば、海外の監督 と協力しあって質の高い作品をつくることや、映画祭でお互いの国の映画を見ることなど です。そして、海外のメディア産業のすばらしいところを学び、新たなメディア環境を作 り、国際映画交流の橋を架けることを目指します。同時に、優秀な国産映画を海外市場に 輸出できるよう、今の政策が、映画の輸出入をより励ますものになれば、中国の映画産業 は新たな発展の波に乗るに違いありません。 外交学院日本語学部 王 家慧 (クレア北京事務所インターン勤務)
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