「建設的な対話により企業価値の向上を目指す」

日本CFA協会特別シンポジウム
「建設的な対話により企業価値の向上を目指す」
2015年5月22日
いちごアセットマネジメント株式会社
代表取締役社長
スコット キャロン
「投資」とは 将来の選択
「いちご」とは 社会貢献投資
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
2
日本企業、そして日本経済の持続的価値向上のためのメニューは出揃った
 2015年5月13日、東京証券取引所は、コーポレートガバナンス・コードと同
コード策定に伴う有価証券上場規定改正を公表。いずれも6月1日より施行
 策定済みのスチュワードシップ・コードに加え、コーポレートガバナンス・コード
が確定されたことで、日本企業の「稼ぐ力」の創出、持続的な企業価値向上、
日本経済の活性化のための「車の両輪」は整った
 これら全ての企業価値向上実現のためのフレームワークづくりは、日本らし
いエクセレンスを伴った誇るべきもの
 投資家・事業会社双方が研鑽を積み、互いへの理解と中長期的価値創造に
向けた建設的な対話を行う事で、豊かな日本の将来は必ず実現できる
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
3
日本社会全体の意識改革は確実に進化している
 企業と株主の建設的な対話、相互理解の醸成が進んでいる
 企業価値の向上、資本収益性(ROE)への考え方は着実に深化
 将来成長に向けた設備投資、不採算事業の縮小など、企業の新陳代謝は活
発化
 コーポレートガバナンスの強化が、確実に企業パフォーマンスを高めている
 企業の価値創造への取り組みは、年金資産をはじめとした国民の資産形成
全体に貢献
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
4
上場企業と機関投資家の認識ギャップ:
生命保険協会調査「株式価値向上に向けた取り組みに関するアンケート」
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
5
「株式価値向上に向け、経営目標として重視する指標」:1
機関投資家の90%超がROEを重視、企業は利益額・利益の伸び率に重きを置く傾向が強い
(複数選択可)
59.1%
ROE
93.0%
28.0%
ROA
26.7%
58.7%
売上高利益率
32.6%
売上高・売上高
の伸び率
50.9%
20.9%
利益額・利益
の伸び率
61.0%
38.4%
20.4%
市場シェア
11.6%
経済付加価値
(EVA)
企業
平成24年
平成25年
平成26年
3.6%
11.6%
ROIC
(投下資本利益率)
FCF(フリー
キャッシュフロー)
7.8%
投資家
平成24年
平成25年
平成26年
29.1%
20.4%
25.6%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
注:生命保険協会「株式価値向上に向けた取り組みについて」上場企業と機関投資家へのアンケート結果(平成24年∼平成26年)
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
100%
6
「株式価値向上に向け、経営目標として重視する指標」:2
機関投資家の40%は総還元性向を重視し、自社株買いも含めた柔軟な資本政策を望んでいる
(複数選択可)
配当性向
(配当/当期利益)
47.5%
54.7%
株主資本配当率
(DOE)
7.0%
15.1%
配当総額または
1株当たり配当額
29.4%
8.1%
10.4%
総還元性向
43.0%
5.4%
配当利回り
14.0%
29.9%
自己資本比率
企業
平成24年
平成25年
平成26年
15.1%
18.8%
DEレシオ
8.1%
投資家
平成24年
平成25年
平成26年
7.5%
資本コスト
18.6%
0%
10%
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
20%
30%
40%
50%
60%
7
「中長期的な株式価値向上に向けての重点課題」
企業は「規模・シェア拡大」を志向、投資家は「事業の選択と集中」や「投資採算」を重視
(3つまで回答可)
事業規模・
シェア拡大
59.9%
14.0%
製品・サービス
競争力強化
80.6%
68.6%
コスト削減の推
進
54.3%
12.8%
事業の選択
と集中
20.5%
48.8%
投資採算を
重視した投資
企業
平成24年
平成25年
平成26年
25.5%
55.8%
余剰資金の
株主への還元1
投資家
平成24年
平成25年
平成26年
7.3%
48.8%
0%
10%
20%
1:「余剰資金の株主への還元」は平成26年のみの選択肢
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
「手元資金の主な使途」
「企業の持続的成長に向けた投資」の重要性は企業と投資家の共通認識
(単一回答)
成長に向けた投資
資金
60.6%
69.8%
財務安定化のため
の
手元流動性確保
19.7%
4.7%
有利子負債の
返済原資
4.8%
株主還元の一層の
充実のための原資
1.0%
企業
平成24年
平成25年
平成26年
15.1%
投資家
平成25年
平成26年
4.9%
特に決まっていない
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
注:「手元資金の主な使途」の質問項目は平成25年以降の投資家アンケート項目
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
9
「投資の意思決定の判断基準として重要だと思われる指標」
投資意思決定において重視する指標には大きな開き、売上・利益成長 vs ROI(投下資本利益率)
(複数回答可)
60.6%
売上・利益の増加額
23.3%
62.0%
事業投資資金の回収期間
32.6%
27.2%
ROI(投下資本利益率)
84.9%
22.4%
IRR(内部収益率)
33.7%
企業
平成24年
平成25年
平成26年
20.4%
NPV(正味現在価値)
16.3%
判断基準は特に設定してい
ない
投資家
平成24年
平成25年
平成26年
7.6%
0%
10%
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
10
「企業の投資実行時により重点的に内容を説明すべき項目」
投資家は企業が考える「投資の採算性」について理解を深めたい
(複数回答可)
経営計画における
位置づけ
72.7%
39.5%
36.8%
シナジー効果
14.0%
競争力に与える影
響
47.9%
41.9%
投資の前提となる
市場見通し
36.0%
44.2%
31.9%
財務への影響
17.4%
13.4%
投資のリスク
企業
平成25年
平成26年
39.5%
21.9%
投資の収益化時期
投資家
平成25年
平成26年
38.4%
27.0%
投資の収益貢献額
34.9%
30.1%
投資の採算性
59.3%
0%
10%
20%
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
30%
40%
50%
60%
70%
80%
11
Appendix
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
12
1.
「伊藤レポート:持続的成長への競争力とインセンティブ∼企業と投資家の望ましい
関係構築∼」のポイントと、企業経営者・投資家へのメッセージ
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
13
伊藤レポートの提言:1
企業の「稼ぐ力」の持続的低さ、機関投資家の実力不足、両者の対話不足からくる悪循環から決別を
 日本企業のROEの長期低迷の主因は、レバレッジでなく事業収益力の低さ
• ROEを売上高利益率、資本回転率、レバレッジに分解し、日米欧で比較すると、回転率やレバ
レッジには大きな差がない
• 日本企業の低ROEは売上高利益率、事業の収益力の低さによるところが大きい
• 企業の安定性・持続性を優先し、事業分野の新陳代謝やリスクをとる姿勢など競争力向上に
挑戦する姿勢が弱い
 長期投資家不在の「資産運用後進国」日本
• 日本の資本市場プレイヤー(とりわけ機関投資家等)の長期的な企業価値の評価、最終受益
者にリターンを提供する能力に疑問が呈されている
 企業と投資家の対話の欠如がもたらす悪循環
• 世界で一番厳しい消費者と同じように、企業は投資家によって鍛えられているか?双方の間に
埋めがたい意識ギャップが存在(投資家は足元の業績重視、企業はROE軽視)
注:「伊藤レポート:持続的成長への競争力とインセンティブ∼企業と投資家の望ましい関係構築∼」は2014年8月6日に公表
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
14
伊藤レポートの提言:2
企業は資本コストを上回るROEで価値を創造、最低限8%を上回るROEをコミットすべき
 資本効率と企業価値の向上が日本の国富を維持・形成するための鍵
• 日本経済を持続的な成長軌道に乗せるためには企業レベルでの収益力や資本効率、改善が
急務
• 個々の企業が事業の選択やR&D、人材育成等を企業価値という視点で見つめ直すべき
 目指すべきROE水準と資本コストへの認識を高める
• ROEの水準を評価するに当たって最も重要な概念が「資本コスト」。長期的に資本コストを上回
る利益を生むことが価値創造であり、株主はそれを期待していることを日本の経営陣は再認識
すべき
• また、投資家とのコミュニケーションは資本コストの低下につながるという意識を持つことが必要
 資本コストを上回るROEをそして資本効率革命を
• グローバルな投資家と対話をする際の最低ラインとして企業は最低限8%を上回るROEをコミッ
トすべき
• ROEを各種指標に分解し、現場にまで落とし込むことで、現場の高いモチベーションを引き出す
ことが重要
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
15
伊藤レポートの提言:3
自律と他律によるコーポレートガバナンス、目的を持った対話は長期投資家が対象
 株式は保証がないから定期的にモニタリングする必要、社外取締役の「他律」
• 日本企業の長期間の低収益性は自己規律によるガバナンスの限界を物語る。
• CEOに権限が集中しないよう、社内チェック機能を発揮できるプロフェッショナルCFOを養成す
べき
• 内部者による「自律」を補完するのが、社外取締役による「他律」
 企業に求められる対話への理解と心構え、統合報告書の有用性
• 広く平等に情報を伝えることを主眼とした従来型のIR活動に比べ、機関投資家との直接対話、
自社の経営方針を深く理解し共感してくれる投資家との中長期的な関係を構築することが重要
• 対話のベースとして統合報告書等の作成・活用などを通じて、長期志向の投資家に訴求する
ビジネスモデル等を示すことも有益
 機関投資家に求められる対話への姿勢と実力
• 投資家は一方的な質問に終わることなく、投資判断に必要な情報や自らの評価方法等を伝え
ることも重要。投資先企業に関する深い知識を得る十分な準備をし、建設的に対話できる経営
上のテーマに関し、目的を持って対話に臨むべき
• 短期の動向のみで判断している投資家であれば、企業との本質的な対話を行う必要はない
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
16
伊藤レポートの提言:4
インベストメントチェーン全体の進化を、アセットオーナー、セルサイドアナリストの意識改革も必要
 高品質の対話・エンゲージメントを、IRイベントへの社外取締役の参加も
• 経営者との対話にあたっては、短期的な業績数値の話は適当でない。ガバナンス、企業戦略、
長期の業績、資本政策(構成・配分、規律)、リスク(社会・環境問題等を含む)と機会への対応
など、投資家として建設的に対話できる項目に関し、目的を持って臨むべき
• 株主代表の側面を持つ社外取締役がIRイベント、投資家との対話に参加することも重要
 全体最適に立ったインベストメント・チェーン変革を
• 国富の形成や資本市場の豊かさ、企業の価値創造は、インベストメント・チェーンを構成する各
プレイヤーが成熟し、効率的に行動することの集積として実現する
• アセットオーナー(年金基金)、アセットマネージャー(機関投資家)、セルサイド・アナリスト、い
ずれも体制強化のための人材確保が必要
 パッシブ運用偏重から深い分析に基づく銘柄選択を
• 日本市場では機関投資家がパッシブ運用に偏よっており、中長期的な視点から主体的判断と
分析に基づいて株式銘柄を選択する投資家層を厚くする必要
• セルサイド・アナリストは四半期決算フォローではなく、ベーシックレポート作成が推奨される
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
17
2.
「日本版コーポレートガバナンス・コード」の概略とポイント
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
18
コーポレートガバナンス・コード:概略
 5つの基本原則、30の原則、38の補充原則で構成
【基本原則】
• 株主の権利・平等性の確保
• 株主以外のステークホルダーとの適切な協働
• 適切な情報開示と透明性の確保
• 株主との対話
• 取締役会の責務
 スチュワードシップ・コードと同様、「プリンシプルベース・アプローチ」及び「コ
ンプライ・オア・エクスプレイン」
 「実施しない理由」の説明は、株主等のステークホルダーの理解が十分に得
られるよう工夫すべきであり、「ひな型」的な記述や具体性に欠ける表層的な
説明に終始することはコードの趣旨に反する
 2015年6月1日より東京証券取引所の上場規則として適用
 市場第一部及び市場第二部の上場企業は、「基本原則」・「原則」・「補充原
則」のすべてが適用。マザーズ・JASDAQは基本原則のみ適用
注:「コーポレートガバナンス・コード原案」は2015年3月5日に公表
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
19
第1章 株主の権利・平等性の確保
【基本原則1】
上場会社は、株主の権利が実質的に確保されるよう適切な対応を行うとともに、株主がその権利
を適切に行使することができる環境の整備を行うべきである。
また、上場会社は、株主の実質的な平等性を確保すべきである。
少数株主や外国人株主については、株主の権利の実質的な確保、権利行使に係る環境や実質的
な平等性の確保に課題や懸念が生じやすい面があることから、十分に配慮を行うべきである。
【補助原則1−2②】
• 現在、招集は株主総会開催日の二週間前までの発送が義務付けられているが、株主が総会議案の十分な検
討時間を確保できるよう、早期発送に努めるべき
• 招集通知に記載する情報は、株主総会の招集に係る取締役会決議から招集通知を発送するまでの間に、
TDnet や自社のウェブサイトにより電子的に公表すべき
【補助原則1−2⑤ 】
• 信託銀行等の名義で株主を保有する機関投資家等(実質株主)が、自ら議決権行使等を希望する場合は、上
場会社は信託銀行等と協議をしつつ検討を行うべき
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
20
第1章 株主の権利・平等性の確保(続き)
【原則1−4 いわゆる政策保有株式】
• 上場会社が上場株式を保有する場合には、保有に対する方針を開示するとともに、取締役会でそのリターンと
リスクなどを踏まえた中長期的な経済合理性や将来の見通しを検証し、これを反映した保有のねらい・合理性
について具体的な説明を行うべき
• また、政策保有株式に係る議決権行使について基準を策定・開示すべき
【原則1−5 いわゆる買収防衛策】
• 買収防衛策の導入は経営陣・取締役会の保身目的であってはならない
• また、その導入・運用については必要性・合理性をしっかりと検討し、株主に十分な説明を行うべき
【原則1−6 株主の利益を害する可能性のある資本政策】
• 支配権の変動や大規模な希釈化をもたらす資本政策(増資、MBO等を含む)については、既存株主を不当に
害する事のないよう必要性・合理性をしっかりと検討し、株主に十分な説明を行うべき
銀行との持合・非持合分析(2013年度):
非持合企業は、ROEでは1.7%ポイント、
株主還元では0.4%ポイント持合企業を上回る1
持合企業平均
非持合企業平均
買収防衛策2(日本における現状)
ROE
株主還元
4.5%
2.2%
6.2%
2.6%
1: 持合企業:メガバング5行に株式を保有されている企業、非持合企業:TOPIX
採用銘柄のうちメガバンク5行に株式を保有されていない企業
出所: ゴールドマン・サックス「2015年に注目する10の構造テーマ」
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
1: 2014年6月30日時点の全上場会社が対象
出所: 日本投資環境研究所「2014年の株主総会の総括」(資本市場リサーチ
2014年夏季 vol.32)
21
第2章 株主以外のステークホルダーとの適切な協働
【基本原則2】
上場会社は、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の創出は、従業員、顧客、取引先、債権
者、地域社会をはじめとする様々なステークホルダーによるリソースの提供や貢献の結果であること
を十分に認識し、これらのステークホルダーとの適切な協働に努めるべきである。
取締役会・経営陣は、これらのステークホルダーの権利・立場や健全な事業活動倫理を尊重する
企業文化・風土の醸成に向けてリーダーシップを発揮すべきである。
【原則2−1.中長期的な企業価値向上の基礎となる経営理念の策定】
• 上場会社は、様々なステークホルダーへの価値創造に配慮した経営を行いつつ、中長期的な企業価値向上を
図るべきであり、こうした活動の基礎となる経営理念を策定すべき
【原則2−3.社会・環境問題をはじめとするサステナビリティーを巡る課題】
• 社会・環境問題をはじめとするサステナビリティー(持続可能性)を巡る課題について、適切な対応を行うべき
【原則2−4.女性の活用を含む社内の多様性の確保】
• 女性の活用を含む多様性の確保を推進し、会社の持続的な成長を多方面から図るべき
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
22
第3章 適切な情報開示と透明性の確保
【基本原則3】
上場会社は、会社の財政状態・経営成績等の財務情報や、経営戦略・経営課題、リスクやガバナ
ンスに係る情報等の非財務情報について、法令に基づく開示を適切に行うとともに、法令に基づく開
示以外の情報提供にも主体的に取り組むべきである。
その際、取締役会は、開示・提供される情報が株主との間で建設的な対話を行う上での基盤とな
ることも踏まえ、そうした情報(とりわけ非財務情報)が、正確で利用者にとって分かりやすく、情報と
して有用性の高いものとなるようにすべきである。
【原則3−1.情報開示の充実】
• 法令に基づく開示を適切に行うことに加え、会社の意思決定の透明性・公正性を確保し、実効的なコーポレート
ガバナンスを実現するとの観点から、以下について開示・公表すべき
(ⅰ)会社の目指すところ(経営理念等)や経営戦略、経営計画
(ⅱ)コードのそれぞれの原則を踏まえた、コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針
(ⅲ)経営陣幹部・取締役の報酬を決定に関する方針と手続
(ⅳ)経営陣幹部の選任と取締役・監査役候補の指名の方針と手続
(ⅴ)取締役会が上記(ⅳ)を踏まえて経営陣幹部の選任と取締役・監査役候補の指名を行う際の、個々の選
任・指名についての説明
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
23
第4章 取締役会等の責務
【基本原則4】
上場会社の取締役会は、株主に対する受託者責任・説明責任を踏まえ、会社の持続的成長と中
長期的な企業価値の向上を促し、収益力・資本効率等の改善を図るべく、
(1) 企業戦略等の大きな方向性を示すこと
(2) 経営陣幹部による適切なリスクテイクを支える環境整備を行うこと
(3) 独立した客観的な立場から、経営陣(執行役及びいわゆる執行役員を含む)・取締役に対する
実効性の高い監督を行うこと
をはじめとする役割・責務を適切に果たすべきである。
こうした役割・責務は、監査役会設置会社(その役割・責務の一部は監査役及び監査役会が担うこ
ととなる)、指名委員会等設置会社、監査等委員会設置会社など、いずれの機関設計を採用する場
合にも、等しく適切に果たされるべきである。
【補充原則4−2①】
• 経営陣の報酬は、持続的な成長に向けた健全なインセンティブの一つとして機能するよう、中長期的な業績
と連動する報酬の割合や、現金報酬と自社株報酬との割合を適切に設定すべき
【原則4−5.取締役・監査役等の受託者責任】
• 上場会社の取締役・監査役及び経営陣は、それぞれの株主に対する受託者責任を認識し、ステークホル
ダーとの適切な協働を確保しつつ、会社及び株主共同の利益のために行動すべき
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
24
第4章 取締役会等の責務(続き)
【原則4−7.独立社外取締役の役割・責務】
• 独立社外取締役は、特に以下の役割・責務を果たすことが期待されることに留意すべき
(ⅰ)自らの知見に基づき、会社の持続的な成長を促し中長期的な企業価値の向上を図る観点からの助言
(ⅱ)経営陣幹部の選解任その他の取締役会の重要な意思決定を通じた、経営の監督
(ⅲ)会社と経営陣・支配株主等との間の利益相反の監督
(ⅳ)経営陣・支配株主から独立した立場での、取締役会への少数株主等の意見の適切な反映
【原則4−8.独立社外取締役の有効な活用】
• 独立社外取締役は会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に寄与するように役割・責務を果たすべ
きであり、上場会社はそのような資質を十分に備えた独立社外取締役を少なくとも2名以上選任すべき
• また、業種・規模・事業特性・機関設計・会社をとりまく環境等を総合的に勘案して、自主的な判断により、少なく
とも3分の1以上の独立社外取締役を選任することが必要と考える上場会社は、その方針を開示すべき
独立社外取締役の人数1(2014年)
市場区分
市場第一部
市場第二部
マザーズ
JADSAQ
1名以上
2名以上
3名以上
1/3以上
1/2以上
取締役人数
中央値 平均値 社数 比率 社数 比率 社数 比率 社数 比率 社数 比率
1,814
8.0
8.6 1,114 61.4%
390 21.5%
141 7.8%
116 6.4%
36 2.0%
545
7.0
6.9
168 30.8%
18 3.3%
6 1.1%
8 1.5%
1 0.2%
194
5.0
5.3
74 38.1%
11 5.7%
1 0.5%
11 5.7%
2 1.0%
861
6.0
6.0
239 27.8%
28 3.3%
5 0.6%
19 2.2%
3 0.3%
会社数
1: 2014年7月時点において東証一部、二部、マザーズ、JASDAQ上場の全3,414社を対象
出所: 東京証券取引所データに基づき金融庁作成
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
25
第4章 取締役会等の責務(続き)
【補充原則4−12①】
• 社外取締役による問題提起を含め、取締役会審議の活性化のため、会議運営は下記の取扱いを確保すべき
(ⅰ) 取締役会資料が、会日に十分に先立って配布されるようにすること
(ⅱ) 取締役会の資料以外にも、必要に応じて十分な情報が提供されるようにすること
(ⅲ) 年間の取締役会開催スケジュールや予想される審議事項について決定しておくこと
(ⅳ) 審議項目数や開催頻度を適切に設定すること
(ⅴ) 審議時間を十分に確保すること
【原則4−14.取締役・監査役のトレーニング】
• 取締役・監査役に適合したトレーニングの機会の提供・斡旋やその費用の支援を行い、取締役・監査役に対す
るトレーニングの方針について開示を行うべき。また、取締役会は、こうした対応が適切にとられているか否か
を確認すべき
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
26
第5章 株主との対話
【基本原則5】
上場会社は、その持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主総会の場以外
においても、株主との間で建設的な対話を行うべきである。
経営陣幹部・取締役(社外取締役を含む)は、こうした対話を通じて株主の声に耳を傾け、その関
心・懸念に正当な関心を払うとともに、自らの経営方針を株主に分かりやすい形で明確に説明しそ
の理解を得る努力を行い、株主を含むステークホルダーの立場に関するバランスのとれた理解と、
そうした理解を踏まえた適切な対応に努めるべきである。
【原則5−2.経営戦略や経営計画の策定・公表】
• 経営戦略や経営計画の策定・公表に当たっては、収益計画や資本政策の基本的な方針を示すとともに、収益
力・資本効率等に関する目標を提示し、その実現のために、経営資源の配分等に関し具体的に何を実行する
のかについて、株主に分かりやすい言葉・論理で明確に説明を行うべき
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
27
3.
弊社のご紹介とエンゲージメント事例
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
28
「いちご」の由来
「いちご」は、千利休の高弟であった山上宗二が説いた茶人の心構えである
「一期一会」に由来しています。
当社は、日本の文化や価値観にあった投資を通じて日本社会へ貢献するこ
とを志し設立されて以来、一期一会のもつ「人との出会いを大切に」という精
神を企業理念とし、投資先企業の皆様をはじめとしたすべてのステークホ
ルダーとの強固な信頼関係の構築を目指して参りました。
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
29
「いちご」の投資理念
 長期厳選投資
•
徹底的な企業分析
•
上位10銘柄のポートフォリオ占有率:80%
•
平均保有期間:6.1年1
 エンゲージメント投資
•
投資先企業との「責任を持った対話」と「信頼関係構築」に注力
•
上場会社と株主は一心同体−経営者責任と同様、株主責任も!
•
各社の企業文化を尊重し、最大の理解者となれるように常に努める
 社会貢献投資
•
全てのステークホルダーのため、企業の中長期的成長と企業価値向上を支援
•
日本国民の資産形成に資するための、投資を通じた社会貢献
1. 13年8月以前に保有開始した銘柄の平均保有期間、2015年5月現在
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
30
いちごの長期投資
 長期契約による資金運用
•
日本株に特化したロングオンリーのバリュー投資
•
レバレッジはかけず、マーケットエクスポージャーの調整は行わない(常に100%)
•
投資家は欧米の大学基金、医療財団、年金等
•
受託資金の8割以上は3∼5年のロックアップ、9割以上の投資家が更新
•
2015年4月1日現在の運用資産は3,600億円強
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
31
いちごトラストの保有期間
2006年11月に投資信託の運用開始し、保有銘柄の平均保有期間は6.1年
保有平均期間
6.1年1
1. 13年8月以前に保有開始した銘柄の平均保有期間、2015年5月現在
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
32
エンゲージメント投資:弊社の取り組み
 創業以来、「モノを聞く株主」として対話を重視
•
経営陣・社外役員の皆様との定期的なディスカッション
•
事業に対する理解を深めるべく、国内外問わず競合他社やビジネス環境を調査
•
投資先企業及び競合他社の分析レポート作成し、投資先企業と共有
•
店舗、物流センター及び製造拠点見学を積極的に実施
•
投資先企業への取引先・顧客紹介
•
情報ネットワークとしてM&A案件などのご紹介
•
東日本大震災時に投資先企業と共同で被災地支援
•
投資先企業の社外取締役・監査役に就任
•
株主総会に出席し、経営陣を支援
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
33
投資先とのエンゲージメント1: オートバックスセブン
オートバックスセブン(9832):カー用品の販売と取付・交換サービス、車検・整備を全国展開
2008年1月に投資開始。2008年に導入された新経営体制に全面的に賛同。「事業の選択と集中」、「経営効率
の向上」により企業価値の最大化を図る中長期経営方針を継続的にサポート。
•
•
•
•
•
社長及び担当役員、社外取締役との定期的なディスカッション
事業分析及び同業他社分析レポートの作成
注力分野に位置づけている事業へのM&A案件のご紹介
国内店舗及び物流センター訪問
中国・シンガポール・タイなどの海外拠点訪問
千葉の物流センター訪問
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
同社役員の案内の下、上海の店舗を見学
34
投資先とのエンゲージメント2: チヨダ
チヨダ(8185):国内最大店舗を誇る靴小売
・2007年11月に投資開始。現経営陣からのコーポレート・ガバナンス強化を目的とした社外監査役就任を要
請され、2012年よりキャロンが社外監査役を務める。
・代表取締役会長及び社長をはじめとした経営陣の皆様と、密接な信頼関係を構築させていただいてる。
また、東日本大震災時には、同社と協力し、靴及び靴下を救援物資として提供。
平成23年3月15日付、同社プレスリリース抜粋
「東北地方太平洋沖地震」に対する救援物資提供のお知らせ
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の被災地支援のため、下記の内容で救援物資提供を決定
いたしましたのでお知らせいたします。
記
<救援物資提供先>
宮城県仙台市災害対策本部
<提供物資内容>
1.紳士・婦人用スニーカー
サイズ22.5cm∼28.0cm
2.子供・ジュニア用スニーカー サイズ16.0cm∼24.5cm
スニーカー提供合計足数
3.子供用靴下:2,780足
約 15,500 足
約 7,500 足
約 23,000 足
(なお上記救援物資の一部には、当社大株主いちごアセットマネジメントからの寄付による物資がふくま
れております)
<提供物資の届け先>
宮城県仙台市の災害対策本部指定場所
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
35
投資先とのエンゲージメント3: アルパイン
アルパイン(6816):カーオーディオ・ナビゲーションの製造メーカー
・2008年7月より投資開始。中国の開発・製造拠点見学、同社創業者をメインスピーカーに招いての懇親会開
催、同社が本社を置くいわき市での夏祭りへご招待いただくなど、幅広く密接に関係構築を行わせていただく。
・2011年3月におきた東日本大震災ではいわき市も甚大な被害に見舞われたため、我々からいわき市への義
捐金と救援物資を寄付。また、いわき市への週末ボランティアなどにも積極的に参加。
中国・大連の製造拠点及び開発センター訪問
アルパイン 会社案内/CSRレポート
【2012年】
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
【2011年】
36
投資先とのエンゲージメント4: いちごグループホールディングス
いちごグループホールディングス(2337):総合不動産サービスとクリーンエネルギー
・2008年1月より投資開始。その後、リーマンショックをきっかけとした世界的な信用収縮・金融不安により金融
機関からの融資が停止し財務能力が著しく低下。
・当時の経営陣からの依頼により第三者割当の引受など金融支援を行い、経営再建を全面的にサポート。
・2008年10月、キャロンが代表執行役会長に就任し、経営にも積極的に参画、現在に至る。
・2010年に現在の商号に商号変更。
代表執行役会長
スコット キャロン
代表執行役社長
岩﨑 謙司 様
2004年より同社取締役を務めておられる岩﨑社長とのコアヘッド体制。
不動産分野のプロフェッショナルである岩﨑社長を全面的に信頼し、
キャロンはグループ統括として事業計画・財務・投資家対応等を行う。
© 2015 Ichigo Asset Management, Ltd. All rights reserved.
いちごグループホールディングス株式会社 社員
三宅 宏美 選手
ロンドンオリンピック
ウエイトリフティング 48Kg級
銀メダル
37