(一社)日本包装機械工業会 改正 RoHS 指令と包装機械への影響について 対象製品カテゴリー カテゴリー 対象製品例 強制適用開始 1 大型家庭用電気製品 冷蔵庫、洗濯機、エアコン、電子レンジなど 2 小型家庭用電気製品 電気掃除機、時計、アイロンなど 3 IT及び遠隔通信機器 パソコン、プリンター、携帯電話など 4 民生用機器 テレビ、ラジオ、ビデオカメラ、楽器など 5 照明装置 蛍光灯、放電灯など、 (フィラメント電球は除く) 6 電動工具(据付型大型産業 ドリル、のこぎり、ミシン、ボール盤、旋盤など 用は除く) (据付型大型産業用は除く) 7 玩具 電車、ビデオゲーム機、スポーツ器具など 8 医療用機器 補聴器など 2014 年 7 月 22 日 インビドロ診断用医療機器 2016 年 7 月 22 日 監視及び制御機器 煙感知器、コインパーク、自家発電機 2014 年 7 月 22 日 工業・産業用監視及び制御 工場設備に使用される監視及び制御機器など 2017 年 7 月 22 日 飲用自動販売機、現金引出機等 2006 年 7 月 1 日 体外診断用医療機器 9 2006 年 7 月 1 日 機器 10 自動販売機 11 上記のカテゴリに適用され 2019 年 7 月 22 日 ないその他の電気電子機器 2011 年 7 月 1 日に改正 RoHS 指令(2011/65/EU)が EU 官報に掲載され、2013 年 1 月 3 日 以降新指令に基づいた法律に置き換わる(1 月 2 日まで改正前の法律が有効)。 RoHS 指令は、電気・電子機器における特定有害物資の使用制限に関する指令のことで、 環境・人体に有害な化学物資が自然環境に暴露されないようにするため、2006 年 7 月 1 日以 降、EU 市場に上市する電気・電子機器に鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、ポリ臭化ビフ ェニール(PBB) 、ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)の 6 物質の使用を原則禁止(最大許容 濃度が決められている)とした。この指令が 2011 年 7 月に改正され、規制が強化されること になった。 1 改正の概要 ①対象製品カテゴリーの追加 廃電気電子機器指令(WEEE 指令)に適用されていたカテゴリー8(医療用機器)と カテゴリー9(監視・制御機器)も対象。 さらに、カテゴリー11 として「その他の電気電子機器」が対象となった。 ②CE マーキングの貼付(RoHS 指令対応) 機械指令・低電圧指令・EMC 指令に記載の要求事項に加え、改正 RoHS 指令に規定の 整合規格(EN 規格)を満たさなければ CE マークを貼付できなくなる。この整合規格は 官報(Official Journal of the European Union)で告示されるが、現時点(2012 年 8 月 16 日現在)では確認できていない。 ③今後の追加物質候補を提示 1/3 (一社)日本包装機械工業会 制限対象 6 物質(鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、ポリ臭化ビフェニール、ポリ臭 化ジフェニルエーテル)は同じだが、今後、リスク評価する物質として 4 物質を提示。 ⑤適用除外項目の追加 全カテゴリー共通の適用除外項目(附属書Ⅲ)に加え、新たに追加された医療用機器(カ テゴリー8)、監視・制御機器(カテゴリー9)の適用除外項目(附属書Ⅳ)が規定された。 しかし、「その他の電気電子機器」(カテゴリー11)の適用除外の規定が明確ではない。 2 改正 RoHS 指令の要点 (1)包装機械もこの指令では電気電子機器に属する可能性が大きい 改正 RoHS 指令が対象とする電気電子機器(EEE)は、交流 1000V、直流 1500V を超 えない定格電圧で使用するように設計された機器のことをいっている。 「その他の電気電子機器」として新たにカテゴリー11 を設定。この対象範囲拡大のこと を、オープンスコープ化というのであるが、このことから包装機械も対象となる可能性が 大きい。 (2)適用除外について 改正 RoHS 指令の第 2 条 4 項に大型固定式産業用工具(tool)、大型固定式設置物 (installation)は適用しないと記載されている。 RoHS2 FAQ(2012 年 6 月 16 日公開の改正 RoHS 指令ドラフト FAQ)によると; ①工具(tool) ・特定の用途のために共に機能する機械、設備、およびまたは構成品の集合体。 ・一定の場所で専門家によって永続的に据付、撤去される。 ・製造工場または研究開発施設において、専門家によって使用され保守される。 ・大型であること。 上記全てを満足すれば適用除外。 ②設置物(installation) ・幾つかのタイプの機器、および該当する場合にはその他の装置との組合せ。 ・専門家によって組立てられ、据付けられ、撤去される。 ・予め決められ専用化された場所において永続的に使用されることが意図される。 ・大型であること。 上記全てを満足すれば適用除外。 ③大型固定設置物(適用除外の恩恵を得られるもの)の例として ・ロボットや工作機械(産業、食品、印刷媒体、その他用)を含む生産・加工ライン。 ・コンベヤー搬送システム なども記載されている。 ④大型に関して ・輸送する部分品の総量が 5.71×2.35×2.39mを超え、20 フィートコンテナ(ISO)で移 動するには大きすぎる場合は、大型と考えられる。 ・設置物の合計重量が 44 トン以上なら大型と考えられる。 ・工具(tool)と設置物(installation)とでは大型の意味が異なる(大型の工具は大型の設 置物よりも小さい) 。 ・大型に関するサイズや重量の詳細のガイダンスは作成中。 2/3 (一社)日本包装機械工業会 3 改正 RoHS 指令の包装機械への影響 ①上記 2 から、ラインに組込まれる包装機械は対象外と思われる。 ②個人商店やスーパーマーケットなどで単体使用される包装機械、キャスター付の 包装機械(簡単に移動できる)等は対象になると思われる。 ③tool なのか installation なのか、large-scale か否かの判断は、製造者、アセンブラ、ユ ーザーの責任で行わなければならない。 ④製造者の義務として、RoHS 指令への適合性評価を行い、技術文書を残し、自己宣言を 行う。また上市後不適合とみなされればリコールが要求されている。 4 包装機械工業会の取り組み カテゴリー11「その他の電気電子機器」の大きさや重量等の詳細が不明なので、日本工 作機械工業会、日本分析機器工業会を中心に、改正 RoHS_LSSIT 関連工業会連絡会(22 団体)が 6 月 21 日に発足した。日包工もこれに参加し情報収集、意見交換を行っており、 新しい情報が分かりしだい会員企業の皆様にお伝えする予定である。 RoHS 指令は人の健康や環境への悪影響を防ぐための指令である。RoHS 指令への適用 の有無にかかわらず、環境に配慮された材料や部品を採用していくことを推奨するととも に、RoHS 指令以外にも、食品接触材料使用規則(EU)NO.10/2011、EHEDG、REACH 等 にも目を光らせておく必要がある。 5 その他 ① 改正 RoHS 指令のことを、欧州では“RoHS2”指令とも呼ばれている。 ② 経済産業省の情報 Web で “国際協調と調和の促進 RoHS 指令” と入力して検索すると、 “国際協調と調和の促進 RoHS 指令(有害物質使用制限・・・)”という表題が出る。 ここをクリックすると、勉強会の資料・改正 RoHS 指令(2011/65/EU)の官報(英文)を 見ることができる。 ③ 独立行政法人 中小企業基盤整備機構 の情報 Web で “ここが知りたい RoHS 指令” と入力して検索すると、 “ここが知りたい RoHS 指令”という表題が出る。 ここをクリックして、ホームページ右側の “Q&A 一覧”をクリックすると、 改正 RoHS 指令の各種情報を見ることができる。 ④ RoHS2 FAQ(15 June 2012)英文 Web で “RoHS2 FAQ” と入力して検索すると、 “FAQs-European Commission-Europa” という表題が出る。 ここをクリックすると、 “RoHS2 FAQ”(15 June 2012)(英文)を見ることができる。 3/3
© Copyright 2024 Paperzz