労働契約法の特例措置の意義と私立大学の人 事

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改正労契法第一八条第 一項に関するものである 。すなわち、大
学にお ける有期雇用の研究者及び教員などがその有期労働契
約を期間の定めのない 労働契約に転換させるための申し込み
をするのに 必要とされる通算契約期聞が五年と定められたこ
とであ った 。具体的には、 主 として以下の 二点に集約できよう。
門 若手研究者の育成に関する問題
ハ
第 一に、若手研究者の育成に関連する問題である。多くの
私立大学では、大学教員または研究者へのキャリア ・パスと
してT A、R A、助手または助教などの制度を導入してきた 。
これらのポストは、 一般に育成途上の資格として位置づけら
れているため、ほほ例外なく任期を定めて雇用されてきた経
緯がある。育成途上の研究者などは、 これ らの有期雇用のポ
ストを 一定期間経験したのちに任期のないポス ト に就くのが、
標準的なシステムであった 。 したが って、これらのポス トに
就いている者を無期労働契約に転換することは不可能である
ため、雇用期間の上限を設定せざるを得ないこととなる 。 し
かし、これは 助教または研究員などとして本来設計された雇
用期間を全うできない 事態を生ぜしめ、若手研究者のキャ リ
労働契約法の特例措置の意義と私立大学の人事政策上の課題
清水 敏 ・早
稲
田
大
学
常 fE
はじめに
平成 二十五年四月に 施行された改正労働契約法︵以 下、改
正労契法という︶は、多くの大学関係者に少なからざる人事
政策上の懸念を生じさせた 。このため、日本私立大学連盟︵ 以
下、私大連盟︶は、日本私立大学団体連合会︵以下、私大団
連︶と共に、大学に閲し て改正労契法に対する特例措置を設
けるべきことを関係機関に働きかけてきた。 この働きかけが
功を奏 し、このたび﹁棚究開発システムの改革の 推進等に よ
る研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関す
る法律﹂ ︵
以下、﹁強化法﹂という︶及び﹁大学の教員等の任
期に関する法律﹂︵以下、﹁任期法﹂という︶の一部改正によ
って結実 した 。 以下では簡単に、これまでの経緯、特例措置
の意義及び私立大学における有期雇用教職員をめぐる今後の
課題について述べてみたい 。
改正労契法と大学における教育・研究
私立大学関係者の問における人事政策上の最大の懸念は、
・
88
M
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r
. 2014
ア ・パスが中断される事態を招く恐れがあった 。
これに対して、主として理系の研究機関や研究者から改正
労契法の特例措置を講ずべきだとの有力な意見が相次いだこ
とは周知のとおりである 。
口 有期雇用の教員に関する問題
私立大学 から見て 看過できないもう 一つの問題が有期雇用
の教員、とりわけ非常勤講師に 関する問題であった 。
周知のように、私立大学 の財政収入は 、主として 学生納付
金 であるが、ここ数年、各大学の経費節減などの経営努力に
より学費負担者に対する負 担軽減に努めてきたところである 。
また、私立大学に対する公的財政支援は、私立学校振興助成
法制定時の参議院文教委員会の 附帯決議では、私立大学等経
速やかに 二分の 一とするよう努
常経費補助金の補助割合を ﹁
平成
める﹂とされていたが 、 現在の補助割合は 一
0 ・四 % ︵
二十四年度実績︶ にとどま っている。
これまで私立大学が多くの非常勤講師に依拠してきた理由
の 一つには、私立大学 がこのような限られた資源の中におい
ても可能なかぎり多くの科目を開講し、学生諸君に多様な学
習の機会を提供する ことが教育機関としての使命であると認
識していたからにほかならない 。 同時に有期労働契約に基づ
く非常勤講師 の一
雇用は、教育内容または教育方法に対する学
生及び社会のニ lズの変化に適切か つ柔軟に対応するためで
あ った。 これは、今日でも私立大学関係者の共通した認識で
あり、近年でも社会の要請に基づいて教学改革に取り組んで
いるところである 。 しかし改正労契法は 、実際上、大学関係
者にとっては五年という短い期間内に無期労働契約への転換
を是認するか否かの判断を強いられることを意味する 。 これ
は私立大学の人事 政策に不可欠な 一雇用の弾力性を失わせ 、ひ
いては教学改革の足かせになりはしないかとの危慣を生ぜし
めたのである。
このような危倶は、 平成 二十五年六月及び九月の私大団連
︵
清家篤会長︶ の文部科学大臣等への要望書などに見ること
ができるが、同様な要望は、国立大学協会及び公 立大学協会
からも提出されており、大学の設置形態にかかわらず、共通
の︼
課題であ ったのである 。
特例措置の概要と意義
以上のような私大連盟 ・私大団連など大 学関係者の働きか
けもあ って、このたび ﹁
強化法﹂及、ぴ﹁任期法﹂ の 一部改正
に至っ た。 以下では、その概要と意義に触れておきたい 。
ハ
円 ﹁強化法﹂の一部改正について
人文科学のみに係る科学技術
改正点の第 一は、科学技術 ︵
を含む︶に関する研究者または技術者であって大学との間で
有期労働契約を締結した者が、有期労働契約を無期労働契約
に転換させるための申し込みを行うためには、有期労働契約
O年を超える必要があるとしたことであ
の通算契約期間が 一
。
第 一五条の 二第 一項︶
る ︵
このように﹁科学技術に関する研究者﹂に関して無期労働
契約への転換申し込みに必要な通算契約期間が五年から 一O
年に延長されたため、私立大学 における従来の研究員、助教
大学!等報
89.
ω
または助手などに関する有期雇用システムは、ほほ従来どお
り維持ないし運用できることとなり、若手研究者の育成にあ
た っての障害はおおむね取り除かれたと 言え よう。
なお、こ こで言う ﹁
科学技術﹂には ﹁
人文科学 のみに係る
科学技術を含む ﹂とされているため、ここに有期雇用の教員、
特に非常勤講師が合まれるかという微妙な問題が残る 。 これ
は結局、法解釈の問題となり、法的紛争に発展した場合、最
終的には司法判断にゆだねられることになろう。
改正点の第 二は、前記の有期労働契約者のうち、大学 に在
学している間に大学との聞で有期労働契約を締結していた者
に ついては、その大学在学期間は通算契約期間に参入しない
こととされたことである ︵第一五条 の二第 二項
︶。
これは、 学絡をもちつつ、 他方で大学と有期労働契約関係
にある T AやR Aの取り扱いに関わるが、この 雇用期間を通
算契約朋聞から除くことが可能とな ったため、 一O年の通算
契約期間は、 純粋に 若手 研究者育成の期間と して利用するこ
とが可能にな ったと評価 できよう。
﹁任期法﹂の一部改正について
改正点の第 一は、有期雇用の大学の教員︵教授、准教授、
助教、講師及び助手を言う ︶等が有期労働契約を無期労働契
約に転換させるための申し込みを行うために必要な通算契約
期間は 一O年を超えることが必要とされたことである ︵
第七
条第一項 前記のように、人文科学を専 門とする非常勤講
。
︶化法﹂ の ﹁
師は 、 ﹁
強
科学技術に関する研究者﹂に該当 する
かは微妙であるが 、﹁
任期法﹂に基づくポストに位置づけるこ
とによ って通算契約期間を 一
O年とすることが可能となった 。
改正点の第 二は、大学 の教員等 のうち、大学 に在学してい
る聞に大学との聞で有期労働契約を締結して いた者に ついて
は
、 当該大学 に在学
し
て
い
る
期
間
は
通
算期間に 参入しないこ
ととされたことである ︵
第七条第 二項
︶ 。 これは、﹁強化法﹂
の 一部改正と同様に、若手研究者の育成期間にゆとりをもた
せる意義をもつものと 言えよう。
臼 改正の意義
今回の特例措置は、有期雇用の 研究者︵ 研究者としての教
強化法﹂によって、有期 一雇用の教
員も含む︶に関しては、 ﹁
員︵特に、人文科学を専門とする非常勤講師 など︶に関して
は、﹁任期法﹂ によ って、有期労働契約を無期労働契約に転
換させるための申し込みを行うために必要な通算契約期間が
それぞれ 一O年を超えることとされた。 この結果、有期雇用
の教員については、この 一O年の期間内に 当該教員の担当す
る講義科固または淡習科目が 長期にわたり継続して設置を要
するか否かを検討することが可能となるとともに、 当該科目
を設置することが必要であると判断される場合、それを担当
してきた教員 の教育実績などの評価を踏まえて、正規雇用へ
の転換を含む継続雇用の適否を判断するこ とが可能とな った。
このように今次の特例措置 は、改正労契法の 制定目 的であ
る有期雇用労働者の雇用の安定という趣旨を尊重しつつも、
他方において、 大学教育の特殊性から要請さ れる教育・ 研究
の弾力性にも配慮し、両者の 均衡を図ろうとしたものと評価
することができよう。
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0
1
4
私立大学における人事政策上の課題
有期雇用教職員に関する今後の人事政策上の課題について
若干触れておきたい 。
第 一の課題は、有期雇用教職員 の人事管理の適正 化 である 。
前記のように私立大学 は、これまで 学生 に多様な 学習の機会
を提供するために非常勤講師に依拠しつつ教育活動を展開し
てきた 。 しかし、他国において有期雇用教員 に対する人事管
理、とりわけ契約管理は必ずしも厳正とは 言えなか ったので
はないか 。有期雇用教員、とりわけ非常勤講師の採用手続き、
履い止めの手続きなどに関しては、 実質的な採用、雇い止め
一
の権限を有する各学部などにゆだねられ、大 学本 部 と し て 適
切な採用、雇い止めに関するル1 ルが存在するか否か、ル ー
ルが存在するにしても、それが適切に運用されているか否か
などのチェックを厳正に実施してきたであろうか 。今後、こ
うした人 事管 理 、 と り わ け 契 約 管 理 の あ り 方 な ど の 再 検 討 が
課題となろう。
次に、 有期雇用教職員 の処遇問題がある 。 現在私立大学は
、
教育 の質 の改善 やグロ ーバル 化対応をはじめとして多くの改
革 謀 題 を 抱 え て い る が 、 こ れ ら の 改 革を円滑に推進するため
には、正規雇用の教職員だけでは不十分 であり、 ・
有期雇用の
、 今後 は 従
教職員 の協力を得なければなら な い。 したが って
来以上に非常勤講師等 の協力が必要となることが考えられる
が、制問題は処遇である 。 現在の処遇水準のままでは、 これ以
上の協力を期待することは困難であろう。 長期的には、非常
勤講師全体の処遇改善を検討すべきである 。 処遇改善 には財
源が必要となるが、さしあたり非常勤講師の定数管理、契約
管 理を厳正化することによって財源確保することなどが考え
られる 。
最後に、グロ ーバル 化対応 が有期雇用のあり方に影響を及
ぼす可能性を指摘しておきたい 。 私立大学 の教育 ・研究水準
を 手 っ取り早く国際水準に近づけるために、 今後、人材を海
外に求める動きも出てこよう。 その際、従来型の年齢と在職
年数を 主たる要素 とする 賃金体系は、ハイ・タレントの人材
を招刑判する妨げとなるため、 賃金制度 の抜本的な見直しは避
けられないであろう。 結果として、大学 は、海外からハイ・
タレントの人材を獲得するために従来に比して相当高 いコス
トを負担することになるであろうが、高コストの教員 による
教育 ・研究活動が期待どおりに進展するか否かは採用段階で
は明らかではなく、一定のリスクを覚悟し・なくてはならない 。
そこで、このリスクをできるだけ低く抑えようとするならば、
第 一に、賃金体系に業績主義的要素を加味するとともに、年
、 雇用形態を
俸制を導入することが考えられ、また、 第二 に
有 期雇用とすることも想定される。 この両者は、相 互 に矛盾
するものではないから、これらの制度の併用も考えられる 。
こうして、大学 の教員 に関するかぎり、グロー バ ル化の推進
は今後、すべての有期 雇用 H低処遇という図式を 塗り替える
契機を含 んでいるように思われる 。 このような変化は、無期
︶ の現行の処遇システムに
雇用の教職員︵正規雇用の教職員
も 影 響 を 及 ぼ す こ と と な ろ う。
大学i
時報
91•
四
一
||第一回目oDou旦 LOUωコm
xuo報告
・文部科学省高等教育局国際企画室長
吋
m×30の概要・報告
、 グ ローバル人材の 育成に熱心な全国 の
択四 二大学を中心 に
凶七国公私立大学が参加、グローバル人材育成のための国や
大学 の取り組みを高校生 や大学生 を中心として広く社会 に紹
介するもので、グロ ーバルに展開する企業 のトップ 、海外で
の活躍経験のあるアスリ ート 、さまざまな教育関係機関など
の協力も得て、初めて開催した 。
.
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1
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午前中のセ ッシ ョンでは、開会 イベントとして、 基 調講演
やパネルディスカ ッショ ンが大隈記念講堂大講堂 で行われた O
H 開会あいさつ
下村博文文部科学大臣による開会 のあいさつでは、世界の
人 口 ・ 市 場 が 拡 大 を 続 け る 中 、 少 子高 齢 化 が 進 む 日 本 が 今 後
も世界に伍して発展 し ていくためには、国民 一人ひとりの力
を めていくことが必 であり、自分の将来、 日本の未来を
高
要
考えながら、 今 日の開 HUO
を有効に 生 かしてほしい、と来場
した 高校生 や大学生 などに メッ セー ジを送られた 。
続いて、 GGJの代表幹事校である 早稲田大学 の内田勝 一
副総長より、変化 が激しい現代社会 において、 今後世界で活
躍することができ る人材を育成することが大学 にと って重要
• 92
Ma
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07
4
I
4
目指せ!世界にはばたくグローバル人材!
有賀理
m×U O
の目的
F60は 、 こ の G G J採
ーシ ヨン能力の向上のた
めの取り組みを 実施 す る
四 二大学︵大学全体で設
定した目標の達成を目指
全学推進型﹂ 一一大
す ﹁
学、特定の 学部・研究科
などで設定した目標の達
成を目指す﹁特色型﹂三
一大学︶ を選定し、財政
支援を開始してい る。
平成 二十五年十 二月十
五 日 に 開 催 し た 今 回の
文部科学省は、平成 二十四年度よりグロ ーバル人材育成推
ジーッlジ
ェ!
進事業︵の
0
2
0
σ 白こ 若田口 以下﹁G GJ﹂という︶において、
グロ ーバルな舞台に積極的に挑戦し、世界に飛躍できる人材
の育成を図るため、日本人 学生の海外留学のための環境整備
ーや、語
学力・コミュニケ
満席となった開会イ ベントの様子
口 基調講演
な役割であると述べられた 。
基 調 講 演 で は 、 株 式 会 社 ロl ソ ン の 新 浪 剛 史 代 表 取 締 役C
E Oが ﹁真 の ﹃グ ロー バ ル 人 材﹄ と は﹂と い う テl マで登壇
され、﹁逆T字 型 ﹂ と い う キ ー ワード を 用 い て 、 グ ロー バル
人 材 に 最 低 限 必 要 な 基 盤 と し て 、 異 な る 意 見 を受 け 入 れ る 力
とコミュニケ ー シ ョ ン 能 力 を 逆T字の ﹁
横 軸 ﹂ に水平展開し、
そ れ ら の 基 盤 の 上 に 維 に も 負 け な い 専 門 性 を ﹁ 縦軸 ﹂ に 伸 ば
していくことの大切さを語られた 。
二人 目 の 講 演 者 、 野 球 評 論 家 で 元 メ ジ ャ ー リl ガl の小宮
山 情 氏 は ﹁ 世 界 で 活 躍 で き る 秘 訣 と は ﹂と 題 し て 、 自 身 が ア
メリカで得た 貴 重 な 経 験 を 話 す と と も に 、 目 の 前 に 留学 のチ
ャンスがあるのなら、ぜひ利用してほしい、もし失敗しても、
挑戦 し て 失 敗 し た こ と は 必 ず プ ラ ス に な る と 力 強 く 語 ら れ た 。
お 二人 と も 、 若 い う ち に 留学 な ど を 通 じ て 、 海 外 へ 行 って
経験を積み 、 グ ロー バ ル な 人 材 に な ってほしいという、熱い
メ ッセ ー ジ を 来 場 者 に 投 げ か け た 。
白 文部科学省﹁トビタテ 1 留学JAPAN﹂プロジェクト
の紹介
文 部 科学 省 が十月に 立 ち 上 げ た 留 学 促 進 キ ャ ン ペ ー ン ﹁ト
ピタテ ! 留 学JAPAN﹂ のキャンペ ー ン 紹 介 を 行 った。
は じ め に 、 下 村 文 部 科学 大 臣 が 本 キ ャ ン ペ ー ン の 設 立 の 経
緯 な ど に つ い て 説 明 し た。
そ の 後 、 こ の 日 の た め に 結 成 さ れ たAKB認のメンバ ー 八
名によるスペシャルユニ ット と 、 公 募 で 集 ま った 留 学 を 志 す
約 三O名の 学 生パ ックダン サ
ユンクッキ ー﹂ の 替 え 歌 と な
ーが登場し、 AKB唱のヒッ
ト 曲 で あ る ﹁ 恋 す る フ ォ1 チ
る 留 学 応 援 ソ ン グ ﹁ト ビ タ
テ ! フ ォ lチ ユ ン ク ッ キ
る秋元康さんのご協力により
ー﹂が 初 披 露 さ れ た 。この山は、
本キャンペ ー ン の 賛 同 人 で あ
制作が 実 現 し た も の で あ る 。
なお、 当 日のステ ー ジ の 模
G GJ採 択 大学 と、グ
様は、
ロー バル 三O採 択 大 学 計四七
大 学 の学生などのダンス映像
な ど と 合 わ せ て 一曲に編集し、
m・
本 年 二月 十 四 日 よ り イ ン タ ーネ ット 上 ︵
宮晋とさき司吉三5
四 パネルディスカ ッション
85\毛主喜三 H巧弓﹂ρ5Z宗︶ にて公開している 。
高 校 生 、 大 学 生 、 海 外 か ら の 留学 生 、 社 会 人 コ メ ン テl タ
ー に よ る パ ネ ル デ ィ ス カ ッショ ン﹁ 世 界 に つ い て 考 え よ
う ! ﹂ では、高校生 ・大 学 生 は 留学 経験の有無や、 今 後 の 留
学 を考 え て い る 人 、 現 在 は 特 に 考 え て い な い 人 な ど 、 多 様 な
大学時 報
﹁グロ ー バル 化 と は ? ﹂ ﹁グロ ー バ ル 人 材 と は ? ﹂ な ど に つ
いて 議 論 し た 。 特に、 高 校 生 パ ネ リ ス ト か ら は 、 日 本 国 内 で
パネリス ト が そ ろ い 、 そ れ ぞ れ が 異 な る 立 場 や 考 え 方 か ら
・
93
下村文部科学大臣と AKB48の皆さん
で話をする﹁ロ l ルモデルカ
フ ェ﹂や 、高校生に近い目線
でグロ ー バルを語れる大 学 生
などによるプレゼンテ ー シ ョ
ンなどが計六四ブl スで開催
された 。
進 学 ・留 学 ・キャリア相談ブ
ー スの出展に 加え、 参 加型ワ
ークショップとして 、世界の
第一線で活躍する多様な社会
人とお茶を飲みながら少人数
ーシヨン ︶
また、参加四七大学、各国
大使館、各種試験団体、英語 ・
キャリア教育関連団体による
活躍できる道もあるのに、全員がグロ ー バ ル 人 材 に な る 必 要
があるのかと、グロ ー バル人材育成への鋭い問題提起など、
グロ ーバル化 や留学などについて、さまざまな面からの意見
交換がなされた 。 社会人コメンテl タ ー には、グローバル教
GiF T︶専務理事 ・事 務局長辰野まど
育推進プロジェクト ︵
か 氏 、 カ リ フ ォ ル ニ ア 大学 サ ン デ ィ エ ゴ 校賞 作 靖 彦 教 授 、 参
議院議員 ・文教科学委員会委員長 ・弁護士丸山和也氏の 三名
、
を招き、 学生 たちからの 率 直な疑問や質問にも丁寧に 答え
大変意義深い内容のパネルディスカ ッシ ョンとな った。
国 その他 ︵
ブ ース出展、 参加型ワークショップ、ブレゼンテ
出展ブースの様子
このほかにも、留学生とのトl クセ ッシ ョンが 二回開催さ
れ
、 一回目はオ ー ストラリア、アメリカに留学 中の 学生 三名
と中継を結んでトl クを行い、 二回目は日本に帰省中の現役
留学生、海外留学後に囲内の大学に編入した学生などさまざ
足を運んだ高校生、大学生やその保護者は、 全 国の大学や
まな経歴の 学生 との対話が行われ、留学 に ついての意見が 交
わされた 。
各種団体、企業などが提供する留学や国際教育プ ログラムの
内容について情報を集めるとともに、各担当者に直接質問を
行った 。
さらに、いくつかの大学 によるプレゼンテー シ ョンには、
多くの傍聴希望者が訪れたために 、急 逮 実施回 数 を 増 や す な
ど、会場は多くの人たちで終日にぎわった 。
的 アンケート結果
今回の開
H
3 では、 来 場 者 に ア ン ケ ート の協力をお願いし
たので、以下に紹介する︵編集の都合上、 一部内容を修正し
ているものがある︶ 。
−学生の声
・日本の現在の教育やこれから世界で生きるために必要な
こと、体験談を聞くことができ、 多 く のことを知ること
ができた 。
・興味があ った留学 について、﹁実際の ところどうなのか ﹂
という生の 声 、 情 報 を 手 に 入 れ る こ と が で き た 。 勉 強 の
刺激にもな った。
・詳しい資料をもらうこともでき、留 学 してみたいという
.94
Ma
r2
0
1
4
ぼんやりとしたイメ ージが少 しく っきりしたものとなっ
てきた 。
各大学のブ1 スでは ︶進学と留学の両方について聞く
・︵
ことができ、さまざまなプランの立て方も教えてもらう
ことができた 。
−パネルディスカ ッションがとてもおもしろかった 。高校
生の質問も鋭くてハッとさせられた。
−保護者の声
・︵
開会 イベントの ︶会場である大限講堂では熱気が感 じ
られた 。 基調講演は 、本質的なこと、︵講演者の︶経験
したことを聞くことができ、良かった 0
・パネルディスカッションが良かった 。 ﹁
グ ローバル﹂と
いう言葉が 乱立する中で 、具体的な意味や方向性につい
て考えるための良い機会であった 。
・子どもが拙いている将来の希望を理解する助けになった
・選ぶのに困るくらい、プログラムがたくさんあった。行
けないのもあり残念だ った。
を
また、アンケート回答者のうち、九 二%が今回の開 HUO
﹁大変良かった﹂﹁良かった﹂と評価し、また、九七 %が今
後も同株のイベントがあることを期待しており、イベントへ
の満足度と、継続しての開催への期待の高さを見ることがで
え
﹄
る。
今回の何告。は 、初めて の開催にもかかわらず、イベント
O O名程度の参加を得て雄大に開催された 。 大学
全体で四 一
や各種団体・企業から高い関心が寄せられ、新聞やテレビな
0
どのメディアでも多く取り扱われた 。 本 年 中 に 第 二回開 MUO
を開催すべく、今後、 G G
J採択四 二大学と協議を進めてい
く予定である。
GGJの今後の展開と私立大学に期待すること
本事業は、 一昨年十月か ら開始 し、まだ 二年目であるため
本格的な成果が表れるのはこれからとなるが、事業期間中に
全採択大学で 約五万人000名の海外留学を計画 している。
平成 二十四年度の卒業者数に占める海外留学経験者の達成目
標は、採択四二大学で 二二・五 % の と こ ろ 二 ニ・八%の実績
と、初年度は目標を上回り、事業最終の平成二十八年度には
二八 ・七%となる 計画である 。 グロ ーバル人材への社会から
のニ ーズがますます高まる中、本事業を通じて、より多くの
日本人学生が外向きになり海外留学等を経験し、外から日本
と自分自身を見 つめ直す機会に触れられる ようにしたい 。 さ
G G J︶
﹂の知名
らには 、 海 外 に 対 し て ﹁
σ 出こ告白ロ ︵
のoのE
度の向上とブラン ドの確立を図るとともに 、採択四 二大学が
連携してグロ ーバル人材育成の拠点として事業を実施するこ
とにより、わが国の高等教育全体への広がりを推進したい 。
特に、本事業の採択大学の半数は私立大学が占めている 。
各大学は特色に応じた優れた取り組みを展開しており、わが
J採
国の大学全体の 学生数の約八割を占める私立大学へ G G
択大学の取り組みを波及させ、それぞれの建学の精神や地域、
特色なども生かしながら、世界で活躍する人材の育成に取り
組んでもらいたいと強く期待している 。
大 学i
時報
・
9
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