2007年4月~2008年3月報告

2008 CSR報告書
編集方針
「2008 CSR報告書」は、NISSHAの2007年度の取り組み
と実績を、お客さまをはじめ、多くのステークホルダーの
みなさまにご報告するもので、以下の編集方針に基づいて
作成しました。
●このCSR報 告 書 は、 環 境 省「 環 境 報 告 ガイドライン
〈2007年版〉」を参考に作成し、「社会的取り組みの状
況」についても言及しました。
●日本写真印刷
(株)
および関係会社を
「NISSHA」
と総称しま
す。本社と本社敷地内の関係会社〈
(株)
ニッシャインターシ
ステムズ 他〉
に関わる内容については、「本社」
と称します。
●専門用語やわかりにくい用語は、本文中や欄外の注釈
で解説するようにしました。
●このCSR報告書は、毎年印刷物として発行し、ホームペー
ジにも掲載します。
2008 CSR報告書について
対象期間/データは2007年4月から2008年3月を原則と
していますが、一部の報告については2008年4月以後に
ついて触れているものもあります。また、データの比較対
象としては、2005年4月から2008年3月の3カ年度分を
掲載しています。
対象範囲/ NISSHAの活動やデータを中心に掲載しています。
関係会社を含むデータ部分については名称を記載しています。
発行/ 2008年6月
次回発行予定/ 2009年6月
CSR報告書表紙について
若手アーティストを支援する活動の一環として、2008CSR
報告書の表紙には、NISSHAが協賛するアートイベント
「ア
ミューズ・アートジャム」の2007年「NISSHA賞」受賞者であ
る、mayuさん
(本名 大沼真由子さん)
の作品を掲載しまし
た。「かわいい」という表面的な言葉だけでは言いあらわ
せない、「mayu語」いっぱいの作品です。
mayuさん(本名:大沼真由子さん)
近年、個展・グループ展開催など活発に活動、かわいさだけ
ではない芯の強さを秘めた作家。山形県出身。
主な受賞歴
2001 山形県展 入選
2002 神奈川県展 入選
2004 ターナー ACRYL AWARD審査員賞
東京ワンダーウォール公募展 入選
2005 大久保 婦久子・美術館収蔵作品賞
〈平成16年度大学院修了制作品展〉
(女子美アートミュージアム)
シェル美術賞2005 入賞
2007 シェル美術賞2007 入賞
アミューズ・アートジャムNISSHA賞
日本写真印刷株式会社
2008 CSR報告書
お問い合わせ先
日本写真印刷株式会社 CSR本部
604 8551 京都市中京区壬生花井町3
T 075 823 5135 F 075 803 0527
http://www.nissha.co.jp
①ソイシール/石油系溶剤の代わりに、環境にやさしい大豆油
をインキの溶剤として用いて印刷されたことを表します。
②バタフライマーク/有害な排液の出ない水なしオフセット印
刷方式で印刷されたことを表します。
③この印刷物にはFSC認証紙を使用しています。
④グリーン購入に取り組んでいます。
※このCSR報告書は、環境に配慮した仕様となっています。ご不
要の際には、地方自治体の取り決めに従った回収・リサイクル
をお願いいたします。
2008 CSR報告書
目 次
2008 CSR報告書
トップメッセージ
2
中期経営計画
4
コーポレートガバナンス体制/企業倫理・コンプライアンス
6
会社概要
7
特集:ものづくりのなかのCSR
8
5つの固有技術
10
加飾フィルム
12
タッチインプット
14
印刷&インフォメーション
15
Nissha IMDの可能性とトレンド理解の重要性
16
社会報告
18
お客さま・取引先のみなさまとともに
19
社会とともに
20
社員とともに
22
株主・投資家のみなさまとともに
24
環境報告
25
環境目標と活動実績
26
省エネと地球温暖化対策
27
環境会計
28
廃棄物の削減と管理
30
事業活動による環境影響
32
汚染の予防と監視/化学物質の管理
34
国内生産・営業拠点の環境取り組み状況
35
ISO認証取得一覧
36
CSR活動の歩み
37
トップメッセージ
NISSHAブランドが創出する価値を共有することで、
広く社会との《共生》を図ることを目指します。
CSR取り組みについて
地球温暖化防止取り組みについて
NISSHAは2007年度下期から、CSR本部を社長直轄の
NISSHAは地球温暖化防止についての取り組みをさら
「戦略部門」のなかに位置づけ、より経営に密接なCSR活
に強化していきます。従来からISO14001のマネジメント
動を目指しています。そのためには
「NISSHAのCSR取り組
システムによる取り組みを通じて、NISSHAの環境目的を
みは、企業理念の戦略的な実践である」
ことを社内に浸透
達成するための、部門ごとの環境目標取り組みを推進し
させることが重要です。そこで、2008年2月から国内外
てきました。なかでもCO2については原単位低減だけで
のグループ会社全域に対して研修活動を展開しています。
なく、排出量削減についても活発な活動を進めています。
企業理念とCSR活動の連携を組織に浸透させることに
2008年度からは、工場設備が環境に与える影響を充分
加え、具体的な活動の「基本方針」
を確立して実践に取り
に考慮し、導入にあたっては環境配慮という観点から投
組みます。 CSRが決して理念で終わることなく、すべての
資判断基準をさらに明確化していきます。またCO2排出
ステークホルダーとの関係を意識した確かな実践と、継
量取引についても具体的な調査を始めました。毎月開催
続的改善を図ることで企業価値の最大化を目指します。
される環境保全委員会に専門委員による分科会を設置
し、CSR本部が中心となり討議を推進していきます。
またコンプライアンス研修会を国内外で定期的に開催
し、企業倫理向上と法令の遵守の重要性について社員
NISSHAは効率的なエネルギー使用をさらに推進して
の理解を深めることができました。今後は、実践項目に
いくため、グループ全体のエネルギー使用状況が把握で
具体的な評価指標(KPI)
を設定し、活動の成果を定量的
きるような環境指標を経営目標のひとつとして設定し、
に評価していきます。
今後も取り組んでいきます。
コーポレートガバナンス体制の見直し
サプライチェーンに対する取り組み
NISSHAはあらたにコーポレートガバナンス体制を見直
NISSHAは購買基本方針の改定に取り組んでいます。
しました。CSRの観点からみてもグローバル企業として通
品質・環境・情報セキュリティを中心とした従来の内容に人
用する体制づくりを目的とし、今後も見直しを継続して
権問題などCSR調達の要件を加味した内容で検討してい
いきます。
ます。 2008年度上期中には改定作業を終え、ただちに
代表取締役社長 兼 最高経営責任者
2008 CSR報告書
関連部門への教育を実施し、サプライヤーのみなさまへ
また、障がい者の方の雇用推進についても一層の努
の購買基本方針説明会を開催していく予定です。このよ
力が必要です。人事基本方針の充実に加え、社内教育
うにNISSHAはサプライヤーのみなさまとの相互信頼関
とインフラの整備に努めていきます。一方、ボランティ
係の構築を積極的に推進していきます。また海外拠点で
アについての基本的な考え方およびボランティア休暇制
の購買基本方針展開を実施し、グローバル企業としての
度のあり方についても見直す必要があると考えていま
責任を果たしていきます。
す。そのうえで、社員のボランティア参加についての基
盤づくりを積極的に検討していきます。
海外拠点での環境保全活動
工場の進出先では地域住民との環境コミュニケーショ
NISSHAは海外生産拠点を中心に環境パフォーマンスの
ンに努めます。地域のみなさまにとって安心できるよき
把握と活動計画による取り組み強化を推進していきます。
隣人となり、《共生》の実現を目指していきます。
2007年度から廃棄物およびエネルギー使用量の把握
を開始し、2008年度中には原単位目標と削減目標を設
最後に
定し積極的に推進していきます。決して国内基準の押し
NISSHAは、ステークホルダーのみなさまとの「信頼の
つけとならないように留意し、それぞれの国・地域の実情
輪
(Nissha’s Circle of Trust)
」の概念を経営理念とリンク
に即した進め方を検討しています。
させることで、CSR活動を具体的に実践していきます。
NISSHAブランドが創出する価値をステークホルダーのみ
今後の課題
なさまと共有することを通じて、広く社会との《共生》を
2007年度にお客さま満足度調査と社員意識調査を実
目指します。
施しました。NISSHAはお客さま満足度
(CS)
と社員満足度
みなさまのご理解とご鞭撻をお願い申し上げます。
(ES)
を企業の“ 健康診断 ”の両輪としてとらえています。
今回の調査結果を受けて経営層のみならず部門リーダー
全員で知恵を絞り、PDCAプロセスを精緻化し会社の成
長戦略に沿った人事制度づくりに取り組んでいきます。
NISSHAとステークホルダーの信頼の輪
Nissha’s Circle of Trust
中期経営計画
第二次中期経営計画の戦略目標達成に向けて
2008年度の新たな目標を設定
きく貢献するとの考え方から、「お客さまが満足されるま
2008年度は、 現在進行中の第二次中期経営計画
であきらめないこと」
を全社共通の戦略スローガンとしま
(2006年度から2008年度までの3カ年経営計画)の最
した。
終年度となります。 当初計画では、第二次中期経営計
「内部プロセスの視点」では、お客さまに満足していた
画の3年目である2008年度
(2009年3月期)に売上高
だくためには、どのプロセスを改善、強化すべきかに注
1,000億円を達成する計画でしたが、2007年度の連結
目して戦略を策定し、目標達成までのステップをKPIとし
売上高は1,016億円となり、第二次中期経営計画2年
て設定しました。また、その取り組みが確実に「お客さ
目で当初の計画を達成しました。 2008年度は新たな
まの満足」につながっているかを、常に評価することをシ
ローリングプランを策定し、連結売上高1,250億円、営
ステム化しました。
業利益率14.4%、ROE12%以上という目標を掲げてお
また、CSR
(企業の社会的責任)
やコンプライアンスの
ります。グローバル市場における事業環境の変化が著し
強化、環境保全への積極的な取り組みなど、当社の活
いなか、企業価値の一層の向上を目指して社員全員の
動を全てのステークホルダーに対してご理解頂けるよう、
英知を結集し、新たな目標達成に向かって果敢にチャレ
その広報活動も充実させました。
「学習と成長の視点」では、会社のビジョンを達成する
ンジしています。
ためには、私たちはどのように学習し、成長していかな
【第二次中期経営計画の重点戦略】
ければならないかを考え、教育制度・教育プログラムの
・成長市場に向けて独自技術のグローバル展開
充実、組織の強化、情報資本の整備に着手しました。
・成長戦略の基本として「お客さま満足主義」にこだわる
特に教育制度・教育プログラムの充実では、2007年4月
∼全社共通の戦略スローガン
に人事企画部を設置し、その充実に取り組みました。社
・NISSHAブランド価値の向上∼グループ社員一人ひと
員一人ひとりの成長が、企業価値の向上につながること
りが主役
を強く意識した一年となりました。
・長期的なコア・コンピタンスの充実を目指して、コーポ
最終的に「財務の視点」では、上記の3つの視点の取
レートR&Dを強化
り組みが、バランスよく実現された結果達成できる目標
・業務プロセスの効率化、収益体質の強化
として、「長期の企業価値の増大」
を掲げました。
・コーポレートガバナンスの一層の強化
第二次中期経営計画の総仕上げに向けて
2007年度の取り組み実績
【第二次中期経営計画の重点戦
2008年度は引き続き
2007年度は、「お客さま満足主義」を第一に掲げ、バ
略】
を重視し、2007年度に作成した戦略マップの精査を
ランストスコアカード
(BSC)の4つの視点でバランスのと
行い、
「2008年度 全社重点戦略マップ」
を作成しました。
れた戦略の実践に取り組んできました。また、その達成
また、「組織のリーダーシップと実行力」
を強化し、会
度を継続的にモニターするためのKPI
(主要業績評価指
社の戦略や目標が、すべての社員に浸透することをテー
標)
を部門別に設定し、継続的に監視→評価をおこない
マとしています。
「長期の企業価値増大」
を図るためには、
ました。
すべての社員が、取り組むべき戦略と与えられた目標を
「お客さまの視点」では、私たちが提供する製品・サー
理解し実践することが最も重要であると考え、組織の伝
ビスが常にお客さまに満足と感動を与えているかを意識
達力(浸透力)
の強化を図ります。 2008年度の目標を達
して戦略を策定しました。お客さまに新たな価値を提案
成するためには「戦略を現場に落とし込むこと」
「会社の
することを目的とし、
「価格」
「品質」
「新技術・新製品」
「ブ
戦略を社員一人ひとりの目標に落とし込むこと」を実現
ランド力」において戦略目標を設定しました。お客さまの
することが重要であると強く認識しています。
2008年度は、第二次中期経営計画の総仕上げに向
ニーズに対応し満足していただくことが次の新たなビジ
ネスをもたらし、その連鎖が当社の企業価値の向上に大
けて、一層邁進します。
2008 CSR 報告書
2008年度 全社重点戦略マップ (2008年4月1日)
長期の企業価値増大
F1
原価構造の
改善
F2
F3
設備・資産の
有効利用
F4
ビジネス機会の
拡大
F5
お客さま価値の
向上
価格
C2
●競争力のある
納期、
品質( 品質、
サポート体制 )
C3
● 質の高い製品、
サービ
価格で製品を
提供する
新技術・新製品
C4
●市場のニーズに合致し
スを提供する
ブランド力
●ブランド力を高める
た製品をタイムリーに
提供する
●製品の安定供給、
サ
お客さまの視点
お客さまへの価値提案
C1
財務の視点
事業規模拡大および
事業ポートフォリオの再構築
生産性向上、
収益力強化
ポート力 、クレーム 対
応力を高める
ERP
業務管理の
プロセス
P2
ERP
顧客管理の
プロセス
P3
イノベーションの
プロセス
P4
ERP
規制と社会の
プロセス
CSR
●コストダウン
●クレーム対応体制整備
●良品率改善計画実施策
●お客さまサポート体制
●品質管理体制強化不良
●技術開発領域の明確
「日写信頼の輪」
の充実
化と新技術・新製品開
発体制強化
強化
●環境管理強化
●CSR強化
流出防止策
●事業リスク低減のため
●資材調達戦略の強化
の生産拠点分散
●IRを含めた広報活動強
内部プロセスの視点
P1
化
●内部統制強化
●コンプライアンス強化
人事
企画
研修
制度
人的資本
教育制度、教育プログラムの充実
●コミュニケーション能力向上・語学力
●営業マネージメント力向上
●開発、
技術の顧客対応力向上
●品質管理スキル向上
●技術開発、
改良スキル向上
●統計的管理・改善手法の習得
人事制度の改革
労働環境の整備
L2
情報資本
ERP
●品質管理システムの強化
●生産管理システムの強化
●クレーム情報の共有化
●販売管理システムの強化
●購買管理システムの強化
●会計システムの強化
●原価管理システムの強化
●人事管理システムの強化
●業務フローのマニュアル化、
標準化
●知財管理機能の強化
L3
人事
企画
組織資本
●品質管理組織強化
広報
●CRD組織強化
CRD
●広報活動組織強化
●人事教育組織強化
学習と成長の視点
L1
コーポレートガバナンス体制
NISSHAは、コーポレート・ガバナンス体制を強化しました。経営監視機能と意思決定のスピード向上、戦略創出機能、
そして戦略実行のスピードアップと高度化を目指し、
まず取締役会を改革しました。取締役の定員枠を定款で定められた
「18
名以内」から
「12名以内」
に減員、具体的には2008年6月の役員人事で取締役を14名から9名とし、うち社外取締役は1
名から2名としました。一方、執行役員制度を導入したことで取締役と執行役員の役割分担が明確になりました。そして代
表取締役社長は取締役会の議長として戦略創出にあたり、最高経営責任者
(CEO)
としても業務執行全般を統括します。
株主総会
選任
・
解任
選任
・
解任
選任
・
解任
経営監視・戦略創出
取締役会
取締役9名
(うち社外取締役2名)
監査
監査役会
監査役4名
(うち社外監査役2名)
監査役室
監査
代表取締役社長
開示統制委員会
(最高経営責任者)
監査
経営会議
CSR推進
投資委員会
執行役員
企業倫理・コンプライアンス委員会
会計監査人
業務執行
内部監査室
品質システム委員会
お客さま満足向上委員会
環境システム委員会
情報セキュリテイ委員会
安全衛生委員会
事業部門・戦略部門・管理部門・グループ会社
リスク管理委員会
企業理念・行動指針
企業倫理・コンプライアンスの取り組みについて
NISSHAは2005年からコンプライアンスの具体的な取
「社員行動マニュアル」
を2006年に作成・配布するとと
り組みを始めました。考え方の基本は、2003年に制定
もに、約半年間にわたり国内外の拠点において研修会を
された
「企業理念」にあります。すなわち
「『印刷』
を基盤
実施しました。ここではNISSHAの社員としての行動規範
に培った固有技術を核とする事業活動を通して、広く社
を確認・徹底するとともに、これらに違反する行為があっ
会との相互信頼に基づいた《共生》を目指す」
との考え方
たときは、すみやかに
「Nisshaホットライン」に通報するこ
は、企業が社会から信頼され、尊敬されるためには、法
とを要請しています。これらの取り組みによりNISSHAの
令はもちろんのこと、倫理についてもこれを守り向上さ
コンプライアンスの維持・向上を図っています。
せることが必要不可欠であることを示しています。「社長
2007年度下期にCSR本部が発足しました。 CSRとコ
コンプライアンス宣言」
もこれを受けて策定し、すべての
ンプライアンスの整合性をとり、また共同で研修会を開
役員・社員に伝達し、徹底しています。
催するなどして理解が深まるよう努めています。 CSRを
以後、具体的な取り組みとしては以下のことを実施し
強固に支える必須条件として、コンプライアンスを位置
てきました。
づけており、その点からもコンプライアンスの取り組み
・コンプライアンス部会をはじめとする組織体制の整備
は一層重要性を増しています。
・コンプライアンス綱領
(取り組み項目)
の策定
2008年度に入ってからは、コンプライアンス綱領に
・「社員行動マニュアル」
(日本語版・各国語版)
の作成お
代えて
「企業倫理・コンプライアンス宣言」
を制定、企業
よび全役員・社員への配布
が今日あるべき姿勢をより明確にしました。また、社内
・「内部通報規程」の制定および「Nisshaホットライン」の
組織もコンプライアンス部会から企業倫理・コンプライア
設置・運用
ンス委員会として推進体制を強化しています。
会社概要
2008 CSR報告書
社
名
日本写真印刷株式会社
創
業
設
立
1929年10月6日
1946年12月28日
者
代表取締役社長 鈴木 順也
代
表
正 社 員 数
資
本
金
(2008年3月末現在)
3,126人(連結) 863人(単体)
5,684百万円
(2008年3月現在)
営業拠点・製造拠点(関係会社含む)
京都・東京・大阪・名古屋・神戸・亀岡・甲賀・伏見・久美浜・加賀・八千代
シカゴ・サンディエゴ・デトロイト・オースチン・サンノゼ・ヴィックスバーグ
デュッセルドルフ・ヘルシンキ・コペンハーゲン・ロンドン・ウルム
クリスチャンスタッド・チェンナイ・ソウル・亀尾・上海・北京・深圳・香港・台北
クアラルンプール・広州・昆山・天安・華城
売上高
連結
単体
100,000
沿
(百万円)
革
1929年 10月
1932年 10月
1946年 12月
1961年 10月
1962年 1月
4月
1963年 5月
1967年 9月
1968年 2月
1969年 4月
1970年 8月
1977年 6月
鈴木尚美社設立
日本写真印刷株式会社設立 代表取締役社長 鈴木直樹 就任
大阪株式市場第二部上場
40,000
産業資材事業操業開始
20,000
京都株式市場上場
83,389
79,406
0
日写不動産株式会社設立
転写箔「ニッシャパトラン」発売
2005
営業利益
東日本写真印刷株式会社設立
東京株式市場第二部上場
電子部品工場竣工
2006
2007(年度)
連結
単体
15,289
15,143
15,000
16,770
(百万円)
株式会社グラフィック・システムズ
10,000
12,129
11,836
東京・大阪株式市場第一部上場
株式会社ニッシャインターシステムズ設立
10,918
5,000
株式会社ニッシャベラール設立
日写興業株式会社設立
0
サザンニッシャ設立
ニッシャコリア株式會社設立
2005
経常利益
ナイテック工業株式会社設立
ナイテック・プレシジョン株式会社設立
2006
2007(年度)
連結
単体
16,313
15,942
広州日写精密塑料有限公司設立
15,000
15,580
(百万円)
香港日寫有限公司設立
13,080
株式会社三央製作所株式取得
13,015
10,000
10,152
日写
(昆山)精密模具有限公司設立
株式会社三央製作所社名変更、
5,000
“ナイテック・モールドエンジニアリング株式会社”とする
2005年 4月 ニッシャヨーロッパ設立
12月 共栄産業株式会社(現 ニッシャ SPプロダクツ株式会社)の株式を取
得し子会社化
2006年 1月
3月
4月
8月
12月
2007年 2月
6月
2008年 1月
97,591
60,000
(現
株式会社エヌ・シー・ピー)
設立
1979年 9月
1988年 12月
1991年 3月
11月
1995年 3月
1996年 11月
1999年 12月
2000年 1月
2001年 12月
2002年 7月
2003年 12月
2004年 4月
12月
82,446
80,000
鈴木直樹 印刷業を開始
101,649
88,735
0
2005
正社員数
台灣日寫股份有限公司設立
2006
連結
単体
2007(年度)
3,126
3,000
ナイテック工業甲賀工場起工式
(人)
ニッシャコリア精密射出株式會社を設立
2,534
2,271
エヌエムイーコリア株式會社を設立
2,000
入力ディバイス
「タッチウインドウ」発売
日写
(上海)科技貿易有限公司設立
1,000
代表取締役社長 鈴木順也 就任
860
ニッシャ USAの子会社、エイモ・テクノロジーズ
(Eimo Technologies,
lnc.)業務開始
0
2005
878
2006
863
2007(年度)
特集:ものづくりのなかの CSR
暮らしのなかの
NISSHA
私たちの身のまわりにはさまざまなNISSHA製品が使われています。携帯電話、パソコン、家電製品、
自動車そして携帯ゲーム機など、暮らしを支えているたくさんの製品で使用されています。
NISSHAは企業理念を「『印刷』を基盤に培った固有技術を核とする事業活動を通して、広く社会との
相互信頼に基づいた《共生》を目指す」
と定義しました。私たちにとって“ものづくり”を通して豊かな
未来を目指すことは、企業理念の達成につながると考えています。そして、私たちの目指す豊かな
未来とは、概念的に
「美しい」
と表現できる未来です。「社会生活の多くが、色・デザイン・機能といっ
た要素から形成されている」
という考え方に基づき、加飾フィルム・タッチインプット・印刷&インフォメー
ションの3つの事業分野において、豊かな未来に向けた“ものづくり”を追求しています。
2008 CSR報告書
事業分野別のおもな製品
加飾フィルム
携帯電話/ PC /家電/自動車内装/ PDA /
スマートフォン/カーナビゲーションシステム/
化粧品・ヘルスケア製品パッケージ/文房具
ほか
タッチインプット
スマートフォン/携帯電話/ PDA /携帯ゲー
ム機/電子辞書/カーナビゲーションシステ
ム/小型PC /家電 ほか
印刷&インフォメーション
写真集/作品集/展覧会図録/雑誌/単行
本/絵本/カレンダー/カタログ・パンフレッ
ト・ポスター/映像メディア/ウエブページ/
店頭POP・ディスプレイ/各種プロモーション
ツール/文化財・美術品の修復・複製・復刻/
美 術 館・博 物 館 向 け 収 蔵 品 管 理システム
Artize シリーズ/文化財画像コンテンツ貸出
サービス Artize.net /各種DBシステム開発
NISSHAは印刷で培った固有技術をImpression Technologyとして定義することで、広く社会とお客さ
まに対して期待に応え得る優れた製品とサービスの提供を実現しています。
Impression Technologyを意匠デザイン、機能デザイン、パターン形成、転写そして貼合といった5
つの固有技術としてとらえ、NISSHAのものづくりの基盤としています。
Impression Technology
NISSHA
NISSHA 5つの固有技術
5 Unique Technologies
貼 合
Double & durable
combination technology
成形同時インサート
5 つの
Impression
Technology
アライメント貼り合わせ
フィルムフォーミング
インキ材料
貼合後加工
10
転 写
Sophisticated & sensitive
transfer decoration
成形同時転写
インキ材料
深絞り転写
転写後加工
両面転写
2008 CSR報告書
意匠デザイン
Enriched & excellent visual
expression
グラフィックデザイン
インダストリアルデザイン
デジタル撮影
画像処理
意匠デザイン
情報を高精度に入力し、それらを忠実かつ効果的に伝え
るための技術です。撮影などデザインのための入力作業、
絵や図柄・文章(フォント)
などのデザイン、そしてそれら
の編集といった要素で構成されています。
NISSHA はこの技術をデジタルアーカイブなど文化資産を継
承する事業や、POP・広告などの販促物、図録などの出版
物、ホームページなどWeb 媒体の制作からノートブック PC
の天板、携帯電話のウインドウ部、自動車の内装品、家電
製品のパーツ製造といった事業で幅広く活用しています。
機能デザイン
Improved & intelligent engineering
版設計
箔構造設計
金型設計
機能デザイン
お客さま要求機能を満足させる構造を設計する技術で
す。機械・装置の設計だけにとどまらず、金型設計や射
出成形から成形後の加工にいたる成形プロセスの設計、
印刷に用いるインキや材料の設計、あるいは効率的な生
産ラインの構築といった材料・加工プロセスで、お客さま
にソリューションを提供するために活用しています。
メカトロニクス設計
光学設計
プログラミング
パターン形成
デザインされた絵や図柄・文章
(フォント)
などを忠実に再
現することにより、意匠や機能を形づくるための技術で
す。エッチング・レーザー加工による版の作製や、その版
による印刷加工、ならびに版を使用しないインクジェット
やフォトリソグラフィー、また成形品をつくるための金型の
切削加工・研磨加工などで活用しています。
パターン
形成
転写
形づくられた意匠や機能を、別のものに写し取る技術で
す。この技術により、高級感のある意匠や高い付加機能
を直接印刷ができないような素材にまで高精度に写しと
ることが可能となりました。対象物に 2 次加工として写し
取る方法から始まり、成形同時転写へと進化した結果、
その適用範囲は大きく広がりました。ノートブック PC の天
板や携帯電話のウインドウ部など、身近な多くの製品で
活用しています。
Accurate & artistic
pattern solutions
凸版印刷
エッチング
平版印刷
めっき
グラビア印刷
真空蒸着
スクリーン印刷
修復・複製
貼合
2 つ以上のものを貼り合わせる技術で、異なる材料を高
精度で貼り合わせることにより、今までにない意匠や機
能を実現する手段として用いられています。
この技術で、自動車内装品に見られるような、より複雑な
3 次元形状への高品位感を備えた意匠の付加 ( 加飾 ) や、
当社主力製品の一つであるタッチインプット、という新しい
機能を実現した製品を生み出すことが可能となりました。
デジタル印刷
11
加飾フィルム
生活を彩るNISSHAの加飾技術
成形と転写を同時に行うNissha IMDを中心とするNISSHAの加飾技術は、携帯電話、PC、家電、自動車から文房具・化粧品に至
るまで、幅広い分野の生活用品に使われています。さまざまな製品の表面を美しく加飾するNISSHA独自のシステムは、その表現
力の豊かさと精度の高さで、世界的な評価を確立しています。
Nissha IMD※1
Nissha IML※
塗装やシルク印刷、パッド印刷など従来の伝統的な工法
フィルム 加 飾によるもうひとつ のソリューション。
にかわり、成形と同時に転写するNissha IMDは、今や世界
Nissha IMDよりもフィルムを厚くすることで、より複雑な
のプラスチック加飾の主要な工法となっています。工程短縮
三次元形状への追従性を追求。おもに自動車の内装部
された加飾工法であるため使用エネルギーが削減できるこ
品分野において、ほかに類を見ない高品位感を兼ね備え
※2
と、そしてインキ層が薄いため、製品中に含まれるVOC が
た加飾技術として近年数多くの採用例を誇っています。
大幅に削減されるだけでなく、歩留まり が良いため、廃
携帯電話やPC業界で絶大な信頼を得てきたNISSHAの表
棄物の削減やエネルギーの効率的な使用が可能となります。
面加飾技術が、いま自動車業界でも活躍しています。
※1 「In-mold Decoration」の略語。「Nissha IMD」はNISSHAの登録商標。
※2 Volatile Organic Compounds
(揮発性有機化合物)
の略。 2004年の大気
汚染防止法改正により、排出が規制されるようになった。
※3 生産されたすべての製品に対する、不良品でない製品の割合。歩留りが低い
と原材料費や製造コストの効率が悪くなるため、収益を圧迫する原因となる。
※「In-mold Label」の略語。「Nissha IML」はNISSHAの登録商標。
※3
12
2008 CSR報告書
一般転写箔※
ラミナガラス※
ラミナガラスは、NISSHAの表面加飾印刷技術を用い
プラスチック成形品のみならずガラスや金属などへの
たガラスパーツです。近年、携帯電話を中心に製品の
加飾を可能にする熱転写箔。わが国初のヒートトランス
小型・薄型化、ディスプレイの品質向上、冷たく透明な
ファーフォイル
(熱転写箔)
を開発して以来、NISSHAの独
質感を好むデザイントレンドなどの影響で、ガラス材料が
自技術は「ニッシャパトラン」のブランド名で長く愛されて
注目されています。ラミナガラスは、表面加飾印刷に加
きました。 Nissha IMD、Nissha IMLなどで表面処理加工
え、万が一ガラスが破損した際の飛散防止効果を併せ
の分野をつねにリードし続けてきたNISSHAの加飾技術
持った製品です。
の原点となる製品です。
※「飛散防止フィルムを貼り合せた加飾用ガラス」
(商標出願中)
※グラビア印刷やシルクスクリーン印刷などによりPETフィルムに絵柄
(インキ層)
を印刷した状態のもの。
13
タッチインプット
人と機械をつなぐ精密で美しい機能
私たちの生活に欠かせない情報・通信機器。ダイナミックに変貌を続けるこの分野では、より高度な機能と複雑な形状を実現するテクノ
ロジーが求められています。NISSHAのタッチ入力システムには、精密な電子部品に写真製版システムといった技術が応用され、さらに
は加飾印刷技術が融合されています。まさに印刷会社としての特色を持ったアプローチで製品デザインの自由度を広げました。ディスプ
レイと一体となって簡単操作を実現する入力ツール、
NISSHAのタッチ入力システム。身近なところで私たちの便利な生活を支えています。
透明抵抗膜方式タッチパネル
静電容量方式タッチセンサー
タッチスクリーン -FineTouch“Classic ”-は、超細密印刷
キャパシティブセンサー‐FineTouch“Capacitive ”‐はタッ
関連技術を応用した回路付きの2枚のフィルムシート、も
チインプットを当社の加飾フィルムを用いたプラスチック
しくはフィルムシート+ガラスシートで構成され、軽さ、
成形部品やラミナガラス部品と融合した製品です。抵抗
薄さ、ディスプレイの視認性、耐久性などに優れています。
膜方式同様、センサーパターンは見えにくく、優れたディ
タッチウインドウ-FineTouch“TouchWindow ”-はタッチス
スプレイ品質を実現します。カバーパーツとの貼り合わ
クリーンの特性をもちながら表面加飾印刷によるデコ
せ供給により、ファインなデコレーションに加え、安定し
レーションを融合した入力ディバイスです。内部の機能
た入力、製品の薄型化に貢献します。多点入力対応品
構造が外部から見えないため製品表面に実装が可能で、
を含む、お客さまが選定したセンサーチップに合わせた
ディスプレイ部の額縁、段差をなくすとともに、さらなる
パターン、構成設計に柔軟に対応します。
薄型化も可能となり、デザインの幅を大きく広げます。
14
印刷 & インフォメーション
2008 CSR報告書
貴重な文化資産を
「残す」
「伝える」
「活用する」
デジタル化による情報革命は、印刷という事業に根本的な変革をもたらしました。デジタルデータを入力から出力まで、トータルに
品質管理していく情報加工産業への転換です。紙メディアであれ、電子メディアであれ、私たちはお客さまが求める最適のコミュ
ニケーション品質を常に追求することが使命となりました。伝統の高度な印刷技術と最先端のデジタル技術、そして豊かな感性を
ベースとした総合的なコミュニケーション技術を駆使して、私たちはお客さまに心からの感動とニーズを超えた価値を提供します。
『法然上人行状絵図』
(国宝・浄土宗総本山知恩院所蔵)
デジタルアーカイブ事業
人類の知恵の結晶である文化資産。それは広く人類
デジタルアーカイブ事業開始
社会が共有すべき財産といえます。この貴重な文化資産
浄土宗は、2011年に迎える宗祖法然上人800年大
を印刷を通して培ってきた
「審美眼」
をいかし、保存・蓄積・
遠忌に向け、各種記念事業を展開するなか、その一環
再生することで次世代へ継承していくとともに、文化の
として
『法然上人行状絵図』のデジタルアーカイブ事業に
振興と社会のさらなる発展に貢献することを目指し、
着手したことを発表しました。
NISSHAは超高精細なデジタルカメラを用い、全48巻、
NISSHAはデジタルアーカイブ事業に取り組んでいます。
NISSHAは今日まで、文化資産の現状保存を基本に、
すべてを合わせると540mを超える一大絵伝をデジタル
京都で活躍されている職人さんたちと連携しながら修復・
データ化しています。
復刻・複製を数多く手がけてきました。デジタルアーカイ
ブ事業では、紙媒体ベースだけでなく、これら豊富な実
績をベースに次世代へ継承するテーマとして、高精細デ
ジタル画像の取り込みと画像処理技術を使った保存にも
取り組んでいます。高精細画像のデジタル化で、経年劣
化の心配もなくなり、指定文化財や美術品だけでなく、
会社や地域社会のなかに埋もれている文化資産を発掘
し、次世代に残していくことが容易となります。さらにデ
ジタル画像に限らず、文化資産が保有するあらゆる情報
をデータベース化し、可能な限りその情報を広く公開す
ることもデジタルアーカイブ構築のテーマとなります。
「法然上人行状絵図」
(巻6段3)
「知恩院」
15
Nissha IMD の可能性とトレンド理解の重要性
「デザイン・
トレンド研究プロジェクト」
に取り組みました。
∼お客さまへどのような提案ができるのか∼
「デザイン・
トレンド研究プロジェクト」への取り組み
Proactiveな姿勢が必要
受注産業である印刷業では、お客さまからの発注を受
お客さまのニーズはどこにあるのか。 NISSHAの技術・
サービスをどのように役立てることができるのか。「私た
けるまでは動き始めないという傾向がありました。これま
ちの生活のなかにあるソーシャルトレンドが、当社のお客
での企業文化はreacitive
(受動的)
であったとも言えます。
さまが開発する製品デザインにも何らかの形で影響を与
しかし、これからはproactive
(能動的)
に自分たちの提案
える」という考えに 基 づき、 そのプロセスのなかで
を進めていく必要があると考えています。
NISSHAの技術が役に立つ機会がないか、あるいはお客
長年培ってきた良き伝統・歴史を基盤としながら、次の
さまに対してどのような提 案 ができるかをNISSHAは
世代、そして未来につながる新しいアイデアを取り入れ
proactive(能動的)に探求しています。
ていくという姿勢。そして、印刷技術をベースにした高
そして、その実践プログラムの一環として、
「o2studio」
品位で多様に進化する表現技術を駆使し、市場にあるさ
と共同で、1年に及ぶ「デザイン・
トレンド研究プロジェクト」
まざまなトレンドやニーズを常に意識しながらproactiveに
に取り組みました。研究プロジェクトの最終報告会では、
具体化していくという姿勢が、企業価値向上につながる
「o2studio」主 宰 Sue Magnussonさ ん、Candice-Leigh
と確信しています。 NISSHAは、お客さまのニーズに的
Baumgardnerさんをまじえパネルディスカッションを開催
確なソリューションを提供する企業を目指して挑戦を続け
し、今後のNissha IMDの可能性やトレンドを理解するこ
ていきます。
との重要性について貴重なお話をいただきました。 次
ページに、その内容を掲載します。
「o2studio」
はカリフォルニアを拠点とするデザインファーム。工業デザインのほか、トレンドリサーチ、新しいデザイン・コンセプトのアイデ
アや色・素材などの提案を幅広い分野で展開。世界有数の自動車メーカーやコンピューター関連企業など多くの提案実績を持っています。
16
2008 CSR報告書
トレンドを理解して弱みを強みに変える
トレンドを視野に入れることをやめてしまうと、
すぐに置いていかれてしまう
トレンドと技術要素の組
グローバル経済の世界
み合わせを実践していくう
では多くの企業がソーシャ
えで、
トレンドがどこに向かっ
ルトレンドを模索していま
ているのか、ということは
す。そのなかでNISSHAが
多くの企業にとって非常に
敏速に行動することは大変
重要なことです。たくさん
重 要なことです。 敏 速に
の企業が、トレンドを理解す
行動しないと失敗してしま
ることでその恩恵を受けま
います。そして、もうひと
した。社会で何が起こって
つ付け加えるならば、プロ
いるかに目を向け、多様な文化があることを理解するなか
ジェクトに対する長期的なコミットメントが必要です。一
で、企業は自分たちの固有技術、製品が社会トレンドに根
度調査をすれば終わりという性質のものではありません。
ざしているかを知ることができます。それにより企業は自身
特にトレンドについていうと、それは常に変容し続けてい
の強みと弱みを理解することができると思います。もし弱
るものなので、それらの行方に常に目を光らせておく手
みがあれば、そこに集中して強みに変え、競争力のある製
法を確立する必要があります。それらを視野に入れるこ
品を開発する手伝いができるのではないかと考えます。
とをやめてしまうと、すぐに置いていかれてしまいます。
(「o2studio」主宰 Sue Magnussonさん)
(「o2studio」主宰 Candice-Leigh Baumgardnerさん)
17
社会報告
NISSHAは2007年度に、本格的なCSR取り組みをスタートしま
した。これを機に、今まで取り組んできたことを見つめ直すとと
もに、ステークホルダーのみなさまとの積極的な意見交換とCSR
の“理念から実践へ”といった課題について、今後の具体的な取
り組みに向けた確認ができました。 2008年度は各個別「基本
方針」の充実などCSRに必要な判断基準を明確化していきます。
ここでは、そんな黎明期のなかでのCSR取り組みを報告します。
お客さま・取引先のみなさまとともに
2008 CSR報告書
「購買基本方針」の制定
お客さま満足度調査
NISSHAは「お客さま満足主義」を第一に掲げ、財務、
NISSHAの業容はここ近年、質・量ともに国内外で広がり
お客さま、業務プロセス、学習と成長の4つの視点から
をみせています。材料調達や外部委託では、
従来の高品質・
経営をとらえています。そのなかで最も重要と位置づけ
低コスト・短納期といった品質面や環境保全状況、また情
ている
「お客さまの視点」では、日々の活動が「お客さま
報セキュリティの状況に重点をおいた取引先のみなさまと
への価値提案」につながっていることを常に意識し、戦
の協力体制の踏襲だけでは、今後の安定供給にむずかし
略の策定・実行に取り組んでいます。
いところもあると考えています。とりわけ戦略的に重要な
「見られている」
ことを意識
NISSHAは常にお客さまから
取引先のみなさまに対しては、共存共栄
(Win-Win)
の信
し、NISSHAの活動に対するお客さまの評価を測るひとつの
頼関係構築を目指しつつも、BCP※3観点での供給リスク回
ツールとして、
「お客さま満足度調査」
を位置づけています。
避を含めたCSR調達にご理解をいただく必要があります。
「お客さま満足度調査」は事業部ごとに実施し、現在ま
そこで、購買部では2007年度から重要取引先のみな
で、計3回実施しました 。
さまへの「工場視察」
を開始しました。そこで発見された
※1
継続実施の目的は、お客さまの評価を正確に把握し、
是正項目に対しては、もちろん取引先のみなさまのご理
その内容を分析し、改善を図ることだととらえています。
解をいただきながら改善要求を提示し、その後も継続的
そして、その改善への取り組みが、お客さま満足のさら
な確認・指導を実践していくことで、さらに強固なパート
なる向上につながっていくと考えています。
ナーシップ構築を目指しています。
「お客さま満足度調査評価点」
を全社KPI (主要業績
2008年度はこのようなCSR取り組みを明確にするため
評価指標)
に設定し、継続的に監視するとともに、各事
にも
「購買基本方針」制定を目指しています。取引先のみ
業部門においてもお客さまのご意見や評価に対しての改
なさまに
「購買基本方針」についてのご理解をいただくた
善活動をKPIとして設定し、重点的に取り組んでいます。
めにも、説明会を積極的に開催していきます。また
「基
※2
お客さまへの質問項目は、
「企業姿勢」
や
「イメージ
(印象)
」
本取引契約」の見直し作業にも着手しています。 NISSHA
などの会社全般に関する内容から、
「技術全般」
「品質」
「サ
はこうしたCSR観点での取り組みを積極的に導入していく
プライチェーン体制」
「トラブル」
など多岐にわたっています。
ことで、グローバル企業としての責任を果たしていきます。
調査対象の事業部門だけでなく、会社全体で
「お客さま満足
度の向上」
が
「企業価値の増大」
につながることを強く意識し
協力会社のみなさまとの集合研修
ています。また、経営層が積極的に
「お客さま満足度向上」
印刷情報事業本部では品質保証部が中心となり、協
に関与していくために、2006年10月
「お客さま満足度向上
力会社のみなさまとの定期集合研修を年2回開催してい
委員会」
を設置しました。委員会では、お客さま満足のため
ます。教育内容は、5S
(整理・整頓・清掃・清潔・躾)
、設備
に、単に製品や価格のみで
保全
( 計 画 的 な 点 検、 部 品 の 交 換 )
、ISO9001 /
はなく、CSR的な観点での
お客さま満足度調査結果(産業資材事業)
Customer Survey results (Industrial Materials Business Unit)
調査対象者
Survey targets
日本
対象者数 Number of targets : 205
Japan 回答者数 Numbers of respondents : 103
サービスや環境問題への対
海外
対象者数 Number of targets : 537
Over seas 回答者数 Numbers of respondents : 114
合計
対象者数 Number of targets : 742
回答者数 Numbers of respondents : 217
Total
回答率
【満足度】
るお客さまの不満度は高く、特に「IMD 箔」および「IMD 金型」の価格
評価は 40 ポイント台と低い。
“Emphasis levels” and “satisfaction levels” evaluated using 5 levels
「重視度」
ならびに
「満足度」
を 5 段階評価(100.0-0.0 ポイントに換算)
1
大変重視する
Extremely emphasized
2
やや重視する
Somewhat emphasized
3
どちらともいえない
競合技術との競争力について
(Converted into point values ranging from 0.0 to 100.0)
重視度 Emphasis levels
評価 Evaluation
【重視度】
満足度 Satisfaction levels
(100.0)
大変満足
Extremely satisfied
(100.0)
(75.0)
まあ満足
Somewhat satisfied
(75.0)
どちらともいえない
(50.0)
Cannot say either way
(50.0)
【満足度】
あまり大変重視しない
Not particularly emphasized
(25.0)
やや不満
Somewhat unsatisfied
(25.0)
5
重視しない
Not emphasized
(0.0)
大変不満
Extremely unsatisfied
(0.0)
「加飾表現力」の 68.7 ポイントは、その重視度との乖離が 20 ポイン
※
( )内は、付与ポイント数 Values inside the brackets indicate the points applied to each level.
評価 2 および 3 の中間点を示す「62.5」をクリアポイントとする
25pt
総合満足度(※1)
Overall level of
satisfaction
推薦意向度(※3)
Level of intent to
recommend Nissha
●
総合満足度は日本、海外のお客さまともにクリアポイントを満た
している。「大変満足」
「まあ満足」との回答(全体の 68.2%)のうち、
「大変満足」の回答比率は 12.0% にとどまる。また、日本での「大
変不満」の層 1.0% に対し海外での回答比率は 4.4% と高い。
継続取引意向度では、全体の 84.7% のお客さまから今後の取引に
前向きな回答をいただき、78.6 ポイントという高い数値を獲得した。
●
推薦意向度は、特に海外のお客さまにおけるポイントが高い。こ
れは「必ず推薦する」との回答比率が「海外」のお客さまにおいて
43.9% と非常に高いことによる。「日本」のお客さまの 7.8% との差
異は大きい。
「ESI 活動」段階における「早い段階からの企画提案提供力」
「関連情報
提供力」において、重視度との乖離がやや大きい傾向がある。
サプライチェーン体制について
【重視度】
特に、「納期対応力(92.8 ポイント)
」ならびに「納品までのリードタ
海外 Oversea (n=114)
イム(89.1 ポイント)
」に対する重視度が高い。
50pt
100pt
75pt
【満足度】
「納品までのリードタイム(54.1 ポイント)
」においては現状の満足度
65.4
が最も低く、加えて重視度との乖離は 35.0 ポイントと非常に大きい。
65.5
Competitiveness with respect to the technological abilities of
competitors
りが協力会社のみなさますべてを訪問させていただくこ
[Emphasis levels]
All items displayed high levels of emphasis of over 80 points.
Customers displayed particular interest with regard to “quality (93.5
points)”.
[Satisfaction levels]
While the discrepancy between the satisfaction level for “decorative expressiveness” (68.7 points) and the emphasis level was more than 20 points,
the proportion of customers who responded that they were “satisfied” was
high at 72.2%.Customers are demanding further strengthening of competitiveness in the areas of “price” and “delivery times”.
Quality of Nissha IMD’s products and services
とで、課題の共有化も可能となりました。
[Emphasis levels]
In comparison with “ESI activity” and “Development/project promotion”
stages, customer interest was high at more than 80 points with regard to
the stage stretching from the “establishment of systems designed to aid in
the start-up of mass production to mass production systems”.
[Satisfaction levels]
Discrepancies between satisfaction and emphasis levels tended to be
slightly large in the areas of “the ability to provide plan proposals from an
early stage” and “the ability to provide relevant information” at the stage
of ESI activity.
Supply chain system
[Emphasis levels]
Emphasis levels with regard to “ability to meet delivery times (92.8 points)”
and “lead times until product delivery (89.1 points)” were particularly
high.
[Satisfaction levels]
For “lead times until product delivery (54.1 points)”, the current level of satisfaction is the lowest for this item, in addition to which, the discrepancy of
35.0 points from the level of emphasis is extremely large.
65.4
78.6
継続取引意向度(※2)
Level of intent to
continue transactions
●
ことを使命としています。
日本 Japan (n=103)
上げ体制構築から量産体制」の段階におけるお客さまの関心が 80 ポ
イント超と高い。
【満足度】
動向など多岐にわたっています。また、担当者一人ひと
[Satisfaction levels]
One item that fell significantly below the target value of this survey was
“price”. Customer dissatisfaction with current “prices” is high, and price
evaluations in the 40 point range for “IMD foil” and “IMD molds” are particularly low.
75.5
81.4
企業姿勢、イメージについて
【重視度】
特にお客さまの期待が高い 90 ポイント以上の項目は、
「信頼性」「課
題解決力」
「技術力」
「製品開発力」
「スピード性」である。
71.5
66.3
76.3
•In terms of overall satisfaction levels, responses from both customers in
Japan and overseas have met the target value of this survey. Among the
68.2 % for “extremely satisfied” and “somewhat satisfied”, the response
rate for “extremely satisfied” stalled at 12.0%. In addition, in contrast
with the 1.0% response rate for “extremely unsatisfied” in Japan, the
overseas response rate was high at 4.4%.
•With regard to the level of intent of customers to continue transactions,
84.7% of customers provide positive responses indicating that were willing to continue transactions with Nissha in the future. This represented a
high value of 78.6 points.
•The level of intent of customers to recommend Nissha was particularly
high among overseas customers. This was due to a very high response
rate of 43.9% for the item “definitely recommend Nissha” among “overseas” customers. This represents a significant difference in comparison
with the 7.8% response rate of customers in “Japan”.
【満足度】
最も満足度が低い項目は「スピード性(56.3 ポイント)
」で、かつ重視
度との乖離が 33.9 ポイントと大きい。
トラブルについて
約 6 割超のお客さまが直近 1 年間以内に、何かしらのトラブルを経験
している。内容では、
「製品不良」との指摘が最も多く、かつお客さ
Corporate attitude and image
11
研修では、このような課題を協力会社のみなさまと共
Customer Survey
Customer Survey
総合評価 Overall evaluation
•Nissha IMD’s overall technological capability (Emphasis and satisfaction
levels)
•Competitiveness with respect to the technological abilities of competitors
(Emphasis and satisfaction levels)
•Quality of Nissha IMD’s products and services (Emphasis and satisfaction
levels)
•Supply chain system (Emphasis and satisfaction levels)
•Invoices (Emphasis and satisfaction levels)
•Corporate attitude and image (Emphasis and satisfaction levels)
•Problems related to transactions with customers (Experience, content,
etc)
ISO14001 / ISO27001、FSC(森林認証制度)、業界
[Emphasis levels]
Most technological related items displayed emphasis levels of greater than
80 points. In particular, trends towards high levels of emphasis for “delivery
times” and “quality” were apparent.
お客さま満足度調査
お客さま満足度調査
● 請求書について(重視度と満足度)
● 企業姿勢、イメージについて(重視度と満足度)
● トラブルについて(経験・内容など)
0pt
Nissha IMD の品質について
【重視度】
「ESI 活動」
「開発/プロジェクト進行」の段階と比べ、特に「量産立ち
● 競合技術との競争力について(重視度と満足度)
● Nissha IMD の品質について(重視度と満足度)
● サプライチェーン体制について(重視度と満足度)
全体 Overall (n=217)
ト以上あるものの、
「満足層」は全体の 72.2%と高い。
「価格面」
「納
期面」での一層の競争力強化が求められている。
The midpoint between evaluation levels 2 and 3 (i.e. 62.5) was set as the
target to be cleared in this survey.
調査の内容 Survey items
● Nissha IMD の技術全般について(重視度と満足度)
10
すべての項目で、80 ポイント以上の高い重視度を示した。特に「品
質(93.5 ポイント)
」に対するお客さまの関心は高い。
Cannot say either way
4
評価の目安 Evaluation criteria
命令を事業部門に発信する
Nissha IMD’s overall technological capability
特に、「納期」および「品質」に対する重視度が高い傾向である。
Response rate
30.6%
クリアポイントを大きく下回る項目は「価格」
。現状の「価格」に対す
応を向上させるべく、NISSHA
し、必要な指導・警告・改善
Results for each item (excerpts)
Nissha IMD の技術全般について
ほとんどの技術関連項目において 80 ポイント以上の重視度を示す。
回答率
Response rate
22.4%
評価スケール Evaluation scale
のパフォーマンスをモニター
各項目の結果(抜粋)
【重視度】
回答率
Response rate
51.0%
[Emphasis levels]
Items which displayed particularly high levels of expectation (more than 90
points) included “reliability”, “issue solving capability”, technological capability”, “product development capability” and “speed”.
有し解決していくことで、より良い品質の確保と、お客
[Satisfaction levels]
The item with the lowest level of satisfaction was “speed (56.3 points)”, and
the discrepancy from the level of emphasis was large at 33.9 points.
Problems related to transactions with customers
Just over 60% of customers have experienced some kind of problem during
transactions with Nissha over the past year.
The most common type of problem was “product defects”, and these were
also regarded as “the most serious form of problem” by customers.
まにとって「最も深刻なトラブル」である。
さま満足度向上の実現を目指しています。
社内報「IN」
に掲載された
「お客さま満足度調査」結果
※1 2007年1月に産業資材事業の第1回調査、2007年7月に印刷情報事業の
第1回調査、2008年1月に産業資材事業の第2回調査の計3回実施しました。
※2 「key performance indicator」の略語。全社主要業績評価指標として部門
別に設定。
※3 「事業継続計画」のことで
「Business Continuity Plan」の略語。
( CS 調査)を実施しています。お客さまから貴重な生の声をいた
NISSHAは2006 年度から「お客さま満足度調査」
だき、その評価を常に意識することは、 企業価値向上を図るうえで大変重要なことと認識しています。また、 取
引先のみなさまに対してCSR 購買を念頭においた「購買基本方針」の 2008 年度中制定を計画しました。 従来の品
質や環境などに加え、 CSR 要件を満たしていくことでグローバル企業としての責任を果たしていきます。
19
社会とともに
アートイベント
「アミューズ・アートジャム」への協賛
「特別展覧会 狩野永徳」
(京都国立博物館)協賛
株式会社アミューズが企画制作する、大型アートイベン
NISSHAは2007年10月から11月にかけて京都国立
ト
「アミューズ・アートジャム2007 in 京都」が、2007年12
博物館で開催された
「特別展覧会 狩野永徳」に協賛しま
月1日・2日の両日、京都文化博物館で開催されました。
した。この展覧会は、安土桃
同イベントは、過去5回の開催で応募総数4,000通以
山時代を代表する絵師、狩野
上、総来場者数6万人を超える、関西発の大型アートイ
永徳(1543-90)が描いた国
ベントに成長し、新人アーティストの登竜門としてますま
宝絵画や初公開される
『洛外
す注目を集めています。 6周年を迎える今年は過去最高
名所遊楽図屏風』などを中心
の応募総数1,546通を記録、そのなかで第一次審査を
とした約70点を一堂に集めた
通過した若く才能あふれるアーティストの作品が一堂に
特別展で、永徳の作品がこれ
会し、会場は数多くの来場者を迎えて大変な盛りあがり
ほどの規模で展示されるのは
をみせました。
初めてのケースとなりました。
NISSHAは2004年度から
主旨に賛同し、このイベン
特別展で制作されたポスター
トに協賛しています。今年
もスポンサー賞
「NISSHA賞」
小倉百人一首歌碑 寄贈
を、ポップな色彩の作品で
京都の嵯峨・嵐山地区に、小倉百人一首文化財団によ
周りを魅了していたmayuさ
る百人一首歌碑100基の建立が成就し、2007年10月
ん
(本名:大沼真由子さん)
に落成式が執りおこなわれました。歌碑は、勅撰和歌集
ごとに、府立嵐山東公園(京都市西京区)
や長神の杜(京
に贈呈しました。
都市右京区)
など5カ所に建てられています。
「NISSHA賞」受賞のmayuさん
それぞれの歌碑手前の石柱や説明板にプリントされた
「荒野のグラフィズム:粟津潔展」への特別協賛
QRコードを携帯電話で読み取ると、百人一首専用サイト
NISSHAは、2007年11月から2008年3月まで金 沢
につながり、和歌の朗詠を聞いたり、和歌や歌人の情報
21世紀美術館(石川県金沢市)で開催された「荒野のグ
を4カ国語で見たりすることができ、百人一首の魅力を
ラフィズム:粟津潔展」に特別協賛しました。この展覧会
満喫できます。 NISSHAはこの事業に賛同し、次の歌碑
は、金沢21世紀美術館が所蔵する粟津潔全作品より、
を寄贈しています。
ノート、ドローイング、未発表作品、実験映像など主要
な1,750点を一堂に展観し、有形無形の粟津芸術の全
ながらへば
貌を捉え、その現在性を
またこのごろや
問いかけようとしました。
しのばれむ
約4カ月の 開 催 期 間 中に
憂しと見し世ぞ
多数の来館者が展覧会に
いまは恋しき
訪れました。
藤原清輔朝臣 作
金沢21世紀美術館「粟津潔展」会場
NISSHA寄贈の歌碑
NISSHAはこれまでにさまざまな社会貢献活動に取り組んできました。文化・芸術支援、地域および社会への貢献、
環境貢献など、 企業理念で定義されている《共生》の実現に向けた取り組みを全社ですすめています。 2008 年
度は取り組みの指標となる「社会貢献基本方針」の制定を念頭におき、取り組みの基盤づくりを積極的にすすめて
いきます。
20
2008 CSR報告書
障がい者通所授産施設への故紙提供
することで、地球温暖化防止の取り組みを進めていく契
NME久美浜工場では2007年秋より、従来からの再
機にすることを目的としました。
生可能故紙引き取り先である
『障がい者通所授産施設
2008年度はこの取り組みを全社に広げ「NISSHA一斉
「かがやきの杜」』
に、工場から排出される故紙だけでな
ライト・ダウン」
として毎月1回実施していきます。
く、社員の家庭から排出される古雑誌やダンボール等の
故紙を持ち寄り、提供するようになりました。障がいの
ある方が作業しやすい重さ・大きさにして所定場所へ持ち
小学校で環境学習を実施
込んでいます。 これまでに
「印刷の仕組みと環境3R」
というテーマで、小学校環
約100kgの故紙が各家庭
境学習を開催しました。「ものづくり」におけるNISSHAの
より持ち込まれ施設へ提供
環境への取り組みや、クイズを通して印刷の仕組みなど
されました。今後もこの活
を紹介しました。
動を継続し、地域の施設
訪問した京都市立京北第一小学校は6年生が毎年ア
運営に助力していきます。
ルミ缶をリサイクルし、集まったお金で車いすを地域に寄
贈するなど社会活動への
意識が高い小学校です。
所定場所での積み替え作業
小学生たちは私たちの
「京都一斉ライト・ダウン」に参加しました。
話を熱心に聞き、質問を
京都府、京都商工会議所など8団体で構成されている
積極的にしてくださるなど
「脱温暖化行動キャンペーン京都ネットワーク」によって、
非常に有意義な時間を持
「京都一斉ライト・ダウン
(ブラックイルミネーション)
」
の実施
つことができました。
環境学習実施風景
が、京都府民や京都府下の事業者に呼びかけられました。
NISSHAもこの取り組みに全面的に賛同し、「京都一
斉ライト・ダウン」への参加を決定。2008年2月15日
(金)
「MOTTAINAI」バッグ※の配布
当日は午後7時以降、原則としてすべての屋外、屋内の
当社はNISSHAのロゴ入り
「MOTTAINAI」バッグを作成
照明を消灯しました。
しました。社員に配布し、レジ袋不使用運動を全社挙げ
京都議定書誕生の地で
て推進しています。この機
あ る 京 都 に 本 社 を おく
会に社員の家族だけでな
NISSHAにとって今回の取
く、周囲の方々にも主旨
り組みはひとつのきっかけ
に賛 同いただき、この運
となるものです。地球環境
動が推進されますよう案内
との《共生》を実現するた
しています。なお原則とし
めには、一人ひとりのエコ
て2008年4月から構内へ
マインドの向上が不可欠で
のレジ袋持ち込みを制限し
す。日頃ライトアップに慣
ています。
「MOTTAINAI」バッグ
れた私たちが、どれほど照
明を使用しているかを実感
「京都一斉ライト・ダウン」
消灯前、消灯後(本社)
※アフリカ人女性として初のノーベル平和賞を受賞した、前ケニア環境副大臣の
ワンガリ・マータイさんは、世界各地で限りある資源の有効活用と地球環境の
保護を訴える
「MOTTAINAI
(もったいない)キャンペーン」を推進しています。
「MOTTAINAI」バッグは「MOTTAINAI」キャンペーンの協賛品で、売上の一部
は植林のグリーンベルト運動に寄付されています。
21
社員とともに
「社員意識調査」を受けた取り組み
し
「計画的人材育成」
「能力開発支援」
「キャリア開発支援」
NISSHAは2007年度に実施した「社員意識調査」の分
という3つの視点から人材育成体系を再構築しました。
析結果を受けて、具体的な施策を推進しています。
研修制度では、新入社員研修や新任参事研修などの
1.人事制度の再構築
「階層別研修」、「技術者向けの専門教育」、業務の必要
より公正で納得性の高い人事制度の再構築を目指
性に応じて語学力を向上させる
「語学研修」
などの従来の
します。 2008年度に
「基本方針・人事ビジョン」
を策
研修に加え、2007年度には、
「論理的思考力強化」
「ビジュ
定し、2009年度には管理職の、2010年度には一
アル・ドキュメンテーション」
「会議の生産性向上」などの
般社員の新人事制度のスタートを目指しています。
テーマ別研修を、社員自らの意思で受講するシステムで
2.時間外労働の削減
新たに実施しました。さらに
「自己啓発支援制度」
を設け、
社員の健康や心身の健康維持増進、およびワーク
社員の自主的な能力開発を積極的に支援していきます。
また、研修制度にとどまらず、職場での指導(OJT)
、
ライフバランス実現の観点から、全社的な時間外労
働の削減を進めていきます。
中長期的なキャリアパスの視点、これらを支える諸制度
取り組みの一つとして、社員が個人別に
「リフレッシュ
の整備など、より包括的な
定時退社日」
として、あらかじめ設定した月に一度
人材育成体系の再構築に
の任意の日に定時で退社する活動を推進しました。
も取り組んでおり、今後も
3.福利厚生の充実
これらの具現化をさらに進
老朽化した独身寮の一部を廃止し、新たな寮の運
めながら、なお一層人材
営を始めました。老朽化している他の寮も2008年
育成に注力していきます。
度中の移転を計画しています。
社員意識調査結果
人事企画部主催による研修風景
さまざまな社内研修会
速報
Preliminary report on the results of the Employee Survey
社員意識調査・集計結果の一部をご紹介します。現在詳細な
The following is an introduction to some of the tabulated results
of the Employee Survey. We are currently pushing ahead with detailed analysis so the details given here are really nothing more
than a quick estimation. We shall communicate the results of our
analysis and specific measures to you at a later date.
分析を進めており、今回の内容はあくまでも速報です。分析結
果や具体的な施策については、後日改めてお伝えします。
調査実施概要
Survey subjects: Permanent employees of the Nissha Group in Japan and
employees stationed overseas
Number of survey subjects: 2,045
Survey period: October 2007
Number of effective responses: 1,883
Response rate: 92.1%
調査対象 国内 Nissha グループ正社員、海外駐在員
調査時期 2007 年 10 月
調査対象者数 2,045 名
有効回答数 1,883 部
回答率 92.1%
勤務する上で重視する項目 ( 上位 5 項目 ) とその満足度
Matters emphasized in work (top 5) and levels of satisfaction
1.0pt
2.0pt
2 位:仕事のやりがい(833)
2.70
2nd: Satisfaction of work
3 位:労働条件・働く環境(701)
そう思う
まあそう思う
Think so
Think so slightly
0%
あまりそう思わない
Do not think so very much
25%
よく分からない
2.87
Do not think so
Do not know
50%
不明
Unclear
5 位:能力発揮(671)
75%
100%
Nissha グループの経営ビジョン・方針や経営目標を十分に理解している
992
535
2.61
5th: Display capabilities
※各項目に関連する質問項目の単純平均値
Simple average figures for the question
items related to each matter
※
( )内の数値は、総回答数
(複数回答あり)を示す。
10
I understand the management vision and policy and business objectives of the Nissha Group sufficiently
278
内研修会を実施しました。なかでもCSR推進部による
2.36
4 位:会社の将来性・経営安定(692)
4th: Future of the company and management
stability
そう思わない
2007年度には、人材育成研修にとどまらず多くの社
2.98
1st: Human relationships in the workplace
3rd: Work conditions and the working
environment
経営ビジョン・方針に対する理解と浸透度
Understanding and level of penetration of management vision and policy
4.0pt
3.0pt
1 位:職場の人間関係(839)
Survey implementation outline
Figures in brackets ( ) indicate the
total number of responses (multiple
responses allowed)
68
満足度
低 Low
Level of satisfaction
「CSR研修会」は、国内のみならずアジアの生産拠点すべ
高 High
総回答の約 67% が肯定的 About 67% of were positive
24
288
947
286
62
293
重要視する項目の上位 5 つについては、ほとんどの項目で平均値が
結果速報総括
Summary of the preliminary report of results
●
Employee Survey
About 66% of were positive
2
1
新しいことに積極的に取り組んでいる人が多い
There are many people who work positively on new things
502
996
308
1
2
Proactive を理解し、実践している
I understand the term “proactive” , and put it into practice
245
632
629
3
1
There are many managers working on reform and change
484
65
953
368
総回答の約 70% が否定的 About 70% of all responses were negative
※グラフ内の数値は回答者数
調査のご協力ありがとうございました。
重要性が高く認識されている「職場の人間関係」や「仕事の
356
総回答の約 52% が否定的 About 52% of all responses were negative
改革や変革に取り組む管理職が多い
The figures in the graph show the numbers of respondents to the respective items
やりがい」が比較的肯定的な評価となっていますが、
「労働条
件・働く環境」の評価が低いことや、経営ビジョンの具現化に
直結する「新しいことに積極的に取り組むこと」に否定的な評
価が大きくなっていることなど、課題が浮び上がっています。
この調査速報は、本社と関係会社という事業特性と歴史経過
の違いを問わずに、いわば “平均” した社員意識の全体的なあ
りさまを俯瞰するものです。さらに固有の課題傾向を詳しく分
析をし、適切に対処対策を講じていくつもりです。
グラフから読み取れるポイント Points that can be read from the graph
●
てで開催されました。「企業理念」の浸透と、その実践
総回答の約 69% が否定的 About 69% of all responses were negative
65
●
Employee Survey
2.5 ポイントを超えており、どちらかというと肯定的な回答が多い。
特に1位である「職場の人間関係」は、2.98 ポイントとかなり高い。
● 一方、3 位の
「労働条件・働く環境」は、2.5 ポイントを下回る。
•Average figures for the top 5 matters emphasized were in excess of 2.5
points for most matters and there tended to be more positive answers
•In particular, the figure for “Human relationships in the workplace”, the
number one matter emphasized, was very high at 2.98 points.
•On the other hand, the figure for “Work conditions, working environment”, the number three matter emphasized, was less than 2.5 points.
●
社員意識調査
社員意識調査
7
I can empathize with the management vision and company policy
総回答の約 66% が肯定的
25
グラフから読み取れるポイント Points that can be read from the graph
経営ビジョンや会社の方針に共感できる
経営ビジョンや会社の方針に対する理解度や共感度は比較的高い。
一方で “新しい事へのチャレンジ” や “Proactive” が、社員の行動で
実践されているという回答は半数を下回る。
•The levels of understanding of and empathy with the management vision
and company policy are comparatively high.
•On the other hand, the number of responses showing that the ideas of
“challenges towards new things” and being “proactive” are put into practice in employee behaviour was less than half.
社内報「IN」
に掲載された
「社員意識調査」結果
総務本部長 野中康朗
Thank you all very much for your cooperation with the survey.
“Human relationships in the workplace” and “Satisfaction of
work”, matters that are recognized to be very important, received
a comparatively positive evaluation, but issues have emerged such
as the low evaluation of “Work conditions and the working environment” and the largely negative assessment of the proposition
that “There are many people who work positively on new things”.
This preliminary report on the survey is an overview of the general situation as it stands for “average” employees so to speak, irrespective of differences in the business characteristics or historical background of corporate headquarters and affiliated companies. We intend to analyze the specific issues and trends in further
detail and put in place appropriate countermeasures.
がNISSHAのCSRの基本的な考え方であるとした「CSRマ
General Manager Yasurou Nonaka,
General Affairs, Human Resources and Legal Affairs
インド」の浸透を目的とした研修内容で、今後も国・地域
の違いに充分配慮しながら
「企業理念」の浸透に努めて
新たに運営を始めた独身寮「天神寮」
いきます。
人材育成方針の実践
NISSHAは「人材=最も重要な経営資源」と位置づけ、
会社にとって必要な経験や能力を持つ人材の育成と、社
員一人ひとりの成長支援を積極的におこない、会社と社
員がともに成長できる企業を目指しています。
2007年度は経営戦略本部に新たに人事企画部を創設
海外での研修風景(左:広州日写、中国 右:Southern Nissha、マレーシア)
社員の思いをまず受け止めるところからNISSHAの成長が始まる、との考えから2007年度に「社員意識調査」を実施し
ました。その結果を分析し適切に対処していきます。 一方、育成する人材像を「人材育成方針」として明示しました。
今後、展開していく各種の人材育成施策は、すべてこの考え方がベースになります。また安全衛生・健康管理では、社
員の安全と心と身体の健康づくり、職場環境の向上を目指して、安全衛生基本方針に沿った取り組みを推進しています。
22
2008 CSR報告書
安全衛生基本方針
ウの継承を目的としたリスクアセスメントの取り組みを推
NISSHAは2008年4月1日付けで安全衛生基本方針を
進しています。
改訂しました。「NISSHAで働くすべての社員の安全と心身
第10次労働災害防止計画に沿った準備を進め、順次
の健康確保は、経営の基盤であり、社会的責任であると
グループ展開をおこない、最終年度にあたる2007年度
の認識のもとで、相互信頼と実践に基き
『安全・快適な職
には国内グループ事業場の全てにおいて取り組みをス
場環境づくり、心と身体の健康づくり』
を積極的に推進す
タートしました。危険源の特定及び適正な評価手順に基
る」
として、国内だけではなく、海外の事業場に対しても
づいた「リスクの除去・低減対策」の考え方が徐々に職場
基本方針に沿った安全衛生の取り組みを推進しています。
に浸透しています。
また、新規機械設備などについては、製造・輸入事業
安全衛生・健康管理
者から残存リスクなどの情報を把握し、実際に取り扱う
作業者に伝達される仕組みを普及しています。今後も適
NISSHAは急速な事業拡大による新規設備投資、社員数
の増加、就業形態の多様化、そしてグローバル化にともな
切な安全衛生管理を進める手順として、リスクアセスメ
い、職場の安全衛生や社員の健康管理についての取り組
ントの取り組みを推進し、安全衛生水準の段階的向上を
みもまた多種多様なものとなっています。労働安全衛生法
図っていきます。
に基づき工場単位の取り組みを主としていますが、2007
年度より基本方針を共通として、2008年度は目的・目標リ
6S活動
ストも統一した考え方にして、取り組みの向上を図っていま
す。また、海外拠点を対象とした支援体制についても順次
ナイテック工業京都工場では、労働安全衛生リスクア
構築し、グローバル企業としての責任を果たしていきます。
セスメントと関連した積極的な6S活動を推進しています。
本社構内の2007年度労働災害発生件数については
と定めていま
6Sを整理・整頓・清掃・清潔・躾・Safety(安全)
下図の通りです。
す。 6S活動の重要性を、社員の品性と企業の品格の向
新規生産設備の安全化は充分に図れていますが、準
上、職場の管理レベルを判定する評価基準ととらえてい
備作業や運搬など、生産に付帯する作業で軽微な負傷
ます。そして6Sが進んでいる職場では安全衛生も高いレ
事故の発生が増加傾向にあります。今後も
「安全で快適
ベルにあると認識しています。 毎朝の朝礼では、6S推
な職場環境づくりおよび社員の心と身体の健康づくり」
進者が6S推進状況の報告と安全に対する意識づけとし
に取り組んでいきます。
て、職場で発生が想定される災害について報告していま
す。そして各職場のミーティングでも水平展開されてお
2004年度
2005年度
2006年度
2007年度
り、社員一人ひとりから報告された危険予知の安全資料
休 務
1
1
3
2
はすべてデータベース化され、職場の全員が閲覧できる
不 休
14
14
6
13
ように運用されています。
合 計
15
15
9
15
労働災害発生件数(本社)
リスクアセスメントのグループ展開
近年の傾向である就業形態の多様化を背景として、
労働災害の削減と職場における安全衛生管理のノウハ
データベース化された安全資料
23
株主・投資家のみなさまとともに
株主総会
積極的な情報開示
毎年6月に定時株主総会を開催しています。事業概要につ
会社情報の開示は適時かつ速やかにおこなうとともに、正
いては映像を用いて説明するなど、よりわかりやすい総会運営
確性、
公正性および継続性に配慮することなどを、
ディスクロー
を目指しています。また株主のみなさまに十分に議案を審議し
ジャーポリシーとして掲げています。ホームページでは、決算
ていただけるよう、
約3週間前には招集通知を送付しています。
情報をはじめとしたさまざまな情報を公開しています。2007
年11月からは、メールアドレスを登録いただいた方に更新情
機関投資家・アナリストのみなさまとのコミュニケーション
報などをお知らせする
「メール配信サービス」
を開始しました。
2007年度は2回の決算説明会および証券会社主催の
情報収集と社内へのフィードバック
IRカンファレンスの場で、経営トップより実績と今後の見
通し・経営戦略などについて説明しました。また年間を通
経営の質を高めることを目的として、投資家のみなさま
じて、ご来社・訪問・電話会議といった方法での個別ミー
からいただいた質問や意見、情報はレポートとして毎週経
営トップなどに配信しています。また取締役や戦略部門ス
ティング対応も実施しました。
2007年度より、経営戦略本部 広報部IRグループを新設し
タッフによるIR連絡会議を毎月開催し、投資家のみなさま
てIR活動を本格化させたこと
からのご意見などについて活発な議論を実施しています。
により、個別ミーティング対
一方、社員向けには、市場調査・分析の専門家を招い
応は300件を超えるなど、よ
て外部の視点を知るための講演会を開催したほか、社内
り多くの機関投資家・アナリス
報の特集などを通じてIR活動の内容について発信していま
トのみなさまに注目していた
す。「私たちは株式市場から見られている」
という意識を
全社員が持ち、行動に生かしていくことを目指しています。
だけるようになりました。
決算説明会
利益配分
個人投資家のみなさまとのコミュニケーション
利益配分については安定配当の継続を基本方針に、
2008年2月、個人投資家向けのIRフェアに初出展しまし
当事業年度および今後の業績、配当性向などを勘案し
た。多くの個人投資家のみなさまに関心を持っていただき、
て配分することとしています。 2006年度の年間配当金
2日間で500名以上の方々に会社説明を実施しました。いわ
は40円で、4期連続の増配となりました。
ゆる
「B to B企業 」
である当社の技術は、一般の方々には馴
※
染みが薄いのではと考え、当社の事業をより具体的にイメー
株式の状況、株主構成
ジできるよう製品サンプルを用意して説明にあたりました。
発行可能株式総数 180,000,000株
2007年12月には、株主のみなさまの声をIR活動の参
発行済株式の総数 45,029,493株
考にしていくため、株主さまアンケートを初めて実施しまし
株主数 4,206名
自己名義
4.0%
(2008年3月末現在)
た。今後は継続的に実施し
個人・その他
ていくとともに、アンケート
13.3%
の集計結果を株主のみなさ
外国法人等
19.7%
まへフィードバックし、双方
金融機関・
証券会社
36.8%
その他国内法人
向のコミュニケーションを推
進したいと考えています。
株主構成
26.2%
個人投資家向けフェアでの
NISSHAブース
※「Business to Business」の略語で
「B 2 B」
とも記載される。特定のお客さまを
ビジネス対象とした企業間取り引き。
2007 年 11 月にディスクロージャーポリシーを掲げました。 株主・投資家のみなさまの NISSHAに対する理解と、
企業価値の適切な評価をいただくことを目的として、 会社情報の適時かつ速やかな開示と、 正確性、 公正性お
よび継続性に配慮することなどを述べています。また個人投資家向けの IRフェアに初めて出展し、 多くの来場者
の方々に会社情報の説明を実施しました。
24
環境に対する考え方
環境方針に基づいて、地球環境保護が経営の最重要課題
と考え、NISSHAは環境マネジメントシステムを構築し、環境
負 荷を低 減 する取り組 みを展 開しています。 国 内 外 で
ISO14001認証を取得し、環境パフォーマンスの改善に努め
ています。
環境方針
日本写真印刷グループは国内で行う生産・開発・販売・管理
の活動及び製品・サービスにおいて、地球環境保護が経営活
動の最重要課題と認識し、環境に配慮した取り組みを行い地
球環境保全に努める。
1.環境マネジメントシステムを構築し、継続的改善を図ること
により積極的に環境保全を推進する。
2.環境側面に関係して適用可能な法的要求事項及び協定・顧
客との取り決め事項などを順守し、さらに技術的・経済的に
可能な範囲で自主管理基準を設けて環境保全に取り組む。
3.環境マネジメント重点項目として下記項目に取り組むことに
より汚染の予防に努める。
(1)
廃棄物の再生・再資源化を図ると共に廃棄物の発生率を
低減する。
(2)
特定化学物質の適正管理及び使用率低減を図る。
(3)
電気・ガスエネルギーの効率的利用により地球温暖化防止
を図る。
(4)
環境負荷の少ない製造方法を考案し実施する。
(5)
環境に配慮した製品の開発を行う。
(6)
顧客に環境負荷の少ない製品を提案する。
4.環境目的及び環境目標の設定・実施・見直しにより継続的改
善と汚染の予防に努める。
5.日本写真印刷グループのために働くすべての人に環境方針
を周知し、環境保全に対する意識高揚に努める。
6.この環境方針は一般の人が入手できるように公開する。
2007年6月28日制定
日本写真印刷株式会社 代表取締役社長 鈴木順也
環境報告
NISSHAは2008年度から、環境経営をさらに積極的にすす
めています。 CO2排出量削減取り組みでは、各拠点の原単位で
の削減取り組みのほか、全社の総排出量削減に向けて
「環境保
全委員会」分科会のなかでその手法の検討をすすめています。
そして、廃棄物ゼロエミッション
(再生・再資源化率99.5%以上)
の維持も継続して注力しており、国内すべての拠点でゼロエミッ
ション達成を目指しています。また、国内拠点だけでなく海外
生産拠点についてもCO2排出量削減や廃棄物の分別と削減取り
組みをさらに強化していきます。
環境目標と活動実績
評価 今後の主な取り組み
・ゼロエミッション(再生・再資源化率 99.5 %)
・廃棄物(有価物含む)/売上高の比率を 5 ポイント以上低
減(基準年度:2006 年度)
・再生・再資源化率 99.8%
・廃棄物(有価物含む)/生産高約 8 ポイント低減
地球温暖化防止
・生産部門は不適合品率の低減により廃棄物の発生抑制
( Reduce )
(数値目標は各生産部門で設定)
・お客さまの製品外観基準が年々厳しくなるなどの外部
要因もあり、 2006 年度よりは向上したが、設定した
チャレンジ目標を達成できない部門があった
( 1 )電気・ガスエネルギーおよび水の使用率
(使用量/売上高または生産高)6 ポイント低減
( 2 )二酸化炭素( CO 2 ) 発生比率
( CO 2 発生量/売上高または生産高)6 ポイント低減
( 3 )二酸化炭素発生( CO 2 ) 量を 2 ポイント低減
・本社・電気使用率:2007 年度平均 14.0、約 5 ポイン
ト低減(2006 年度平均 19.2)
・本社・ガス使用率:2007 年度平均 14.6、約 5 ポイント
低減(2006 年度平均 19.8)
・本社・CO 2 発生比率:2007 年度平均 10.9 、約 4 ポイ
ント低減( 2006 年度平均 14.9 )
・緑地の維持
・計画的な緑地管理
○
廃棄物の削減と
再生・再資源化
・環境配慮設計による製品開発
・お客さまに環境負荷の少ない製法・製品の提案
・お客さまに環境負荷の少ない工法のプレゼンテーション実施
・お客さまのグリーン調達基準への対応
・業務のなかで環境保全活動推進
・事務効率改善による環境負荷低減
・グリーン調達推進
・省エネ設備の導入
・環境負荷低減材料比較チェックリストでの材料選定
○
・環境に配慮した製品の開発
・屋上緑化
・材料・工程の見直しによる材料およ
びエネルギー使用量低減
○
・入力ディバイスでの熱処理の少ない製造方法
・NII 印刷の運転効率改善による電力使用量削減
・印刷情報 MIC グループのプリンタートナー完全リサイクル化
○
・環境負荷の少ない製造方法・原材料・副資材・梱包・流通
の採用
・海外生産拠点での取り組み
・
「環境保全委員会」
分科会での取り組み
排出量取引検討
・品質を維持しながら作業性改善を図る
○
製造・開発に
よる負荷低減
・QC 手法や FMEA の導入により工程
改善および品質管理体制を強化し
てチャレンジ目標達成を目指す
○
・有機溶剤の使用率を 5 %以上低減(トルエン・キシレン・メ ・本社 PRTR 届け出対象 3 物質
タノール・MEK・酢酸エチルなど)
(基準年度:2006 年度) ・全有機溶剤の使用率は 2006 年度よりは低減したが
目標は達成できなかった
・海外生産拠点での取り組み
△
汚染予防
上記以外の
環境保全活動
△
2007 年度実績
△
2007 年∼2008 年度目標
○
テーマ
・継続
・IMD 工法、タッチウインドウの提案
・FSC 認証紙の印刷物提案
・小学校環境学習
・
「 MOTTAINAI 」バッグ配布によるレジ
袋不使用運動
※使用率や発生比率の算出には、
昨年度までは売上高を使用していましたが、今年度からは、
生産高を使用しています。
環境取り組み実績と成果
質保証部や生産技術本部が中心となって常に内容を見
地球温暖化防止では本社で電気使用率(電気使用量
直しています。適時お客さまの要求事項の変化に対応す
/生産高)、ガス使用率
(ガス使用量/生産高)
ともに約
るため改訂作業を実施しています。
5ポイント、上水使用率(上水使用量/生産高)は約26
また、毎月の環境保全委員会※でおもに生産拠点の地
ポイント削減しました。そして、CO2発生比率は約4ポイ
域住民のみなさまの苦情にも真摯に耳をかたむけていま
ントの削減となりました。
す。 2007年度の苦情件数は合計3件でした。すべて適
2007年度の廃棄物再生・再資源化率はNISSHA平均
切に対応し是正しました。
(海外拠点を除く)
で99.8%となりました。課題を残す拠点
京都市で小学校環境学習を開催しました。教育内容に
もなかにはありますが、ゼロエミッション
(再生・再資源化
工夫をこらし、印刷会社の特徴を加味した環境学習が実
率 99.5%以上)
の完全達成を目指して取り組んでいます。
施できました。 2008年度はさらに内容を見直し開催回
汚染予防では、全有機溶剤の使用率は2006年度に
数も増やしていきます。この取り組みは今後、生産拠点
引き続き低減できましたが、目標は達成できませんでし
を中心に実施していく方針で、こうした環境コミュニケー
た。 PCや冷蔵庫といった大型箔の作業量増加にともな
ションにより地域社会との《共生》
を実現していきます。
「京都一斉ライト・ダウン」
に本社が参加し
2007年2月には
い、有機溶剤の使用率も増加傾向にあります。
NISSHAは環境関連法令順守点検を定期的に実施して
ました。2008年度はこの取り組みをNISSHA国内全拠点で展
います。2007年度はすべての国内拠点で環境関連法令
開し、毎月第2金曜日を
「NISSHA一斉ライト・ダウン」
の日とし
に対する規制逸脱の事実はありませんでした。
て取り組んでいます。また
「MOTTAINAI」
バッグを全社員に配
2006年度に策定した「環境管理物質管理基準」は品
布し、レジ袋の社内への持ち込みを原則として制限しました。
※原則的に毎月開催されている。環境パフォーマンス・環境法規制類の変化なら
びに順守状況・お客さまの要求事項・地域社会からの要求事項・行政報告事項・
環境測定結果・近隣苦情などが報告・審議され、環境保全状況の監視と予防に
あたっている。
2008 年度は2007 年 4 月 1 日に制定された全社「環境目的」取り組みの 2 年目となります。ここでは2007 年度に
各部門が「環境目的」達成に取り組んだ成果の報告と、 2008 年度に予定されている新たな取り組みについて報
告します。
26
省エネと地球温暖化対策
2008 CSR報告書
NISSHAのCO排出量状況
は排出量の把握をさらに推進し、2009年度から
「原単
NISSHAの2007年 度CO2排 出 量 は 国 内 で50,965t-
位」での削減目標を設定して取り組む計画です。
CO2となり、2006年 度 の44,334t-CO2に 対して、 約
15%(約6,600t-CO2)の増加となりました。 CO2排出量
が 増 加 し た お も な 拠 点 と 増 加 量 は、NII 甲 賀
(約
CO2排出量と原単位の推移
3,500t-CO2)、NPI加賀(約2,000t-CO2)、そして本社
(t-CO2)
(約600t-CO2)
です。これはNII甲賀、NPI加賀第二工場
60,000
CO2排出量(t-CO2)/生産高(千円)
2,000
1,782
といった新規工場の本格稼動、そして本社の第二本社
棟運用開始によるもので、これらを除いた既存拠点の
40,000
35,816
1.632
50,965
44,334
1.210
■ NII 甲賀
■ NPI 加賀 (NME 加賀を含む)
■その他(東京・大阪・東日写)
CO2排出量は、2006年度に対してほぼ横ばいで推移し
1,000
■ NME(淀・亀岡・久美浜)
■ NII 亀岡
20,000
ています。特に、主力工場のひとつであるNII亀岡では、
■本社
2006年度に対して生産高が約57%増加しましたが、
原単位推移
0
CO2排出量はほぼ横ばいで推移するなど、各部門の「原
2005
2006
0
2007 (年度)
※環境省「環境報告ガイドライン2007年版」の「温室効果ガス排出量」の数値を用いて算出。
※小数点以下を四捨五入しているため合計値が一致しない場合があります。
※2006年度にNII甲賀工場の値を加えました。
単位」での削減取り組みの効果があらわれています。 NII
亀岡に限らず、ほとんどの拠点でCO2発生比率は減少に
向かっています。
今後の課題
都市ガス・LPG消費量
灯油・ガソリン・軽油・
の推移
重油消費量の推移
3)
(千m
NISSHAはお客さまのニーズを先取りして、今後もさら
(kI) (NISSHA国内)
6,000
に新規工場の建設や既存工場の増床・増設をすすめてい
200
5,071
きますが、CO2排出量削減取り組みも強化していきます。
4,500
3,454
具体的には、環境配慮という観点から新規設備の導入
判断基準をさらに強化していきます。そして適正なCO2
排出量取引※についての調査を始めました。環境保全委
員会のなかに設けた専門委員による分科会でこれらの作
159
100
1,500
50
業をすすめています。
140
150
3,895
3,000
0
176
2005 2006 2007 (年度)
0
2005 2006 2007 (年度)
現在、原単位での削減取り組み効果は各拠点で顕著
にあらわれています。しかし、この効果だけでは総排出
エネルギー消費の推移
量の削減にはつながりません。あくまでも結果論であり、
(MWh)
(千GJ)
実質的なCO2排出量削減管理に結びついていないのが
920
900
現状です。今後は、原単位での削減活動を基盤として、
795
645
代替エネルギーや設備導入などの検討で、CO2総排出量
電気消費量の推移
600
削減活動の“見える化”に取り組む必要があります。
60,069
60,000
50,813
50,000
42,274
40,000
30,000
2008年度から、海外生産拠点でのCO2排出量削減取
20,000
300
10,000
り組みについても強化しています。 2007年度の海外生
0
産拠点でのCO2排出量は約4,500tでした。 2008年度
2005 2006 2007 (年度)
0
2005 2006 2007 (年度)
※CO2排出量抑制を目的として、排出されるCO2を企業間や国家間で金銭取引
する仕組み。
NISSHAはCO 排出量削減取り組みを強化していきます。
新規設備導入基準の明確化や CO 排出量取引についての調査・検討、そして海外生産拠点を含めた取り組みの強
化などを積極的にすすめています。
27
環境会計
2007年度集計結果
環境保全コスト(事業活動に応じた分類)
環境保全コスト全体では、2006年度に対して約5,500万
分 類
円
(約8%)
の増加となりました。研究開発コストの投資がお
おもな取り組みの内容
単位:千円
投資額※1 費用額※2
①事業エリア内コスト
もな増加原因です。環境保全コスト
(費用)
のおもなものには、
資源循環コスト
(約3億2,300万円)
、研究開発コスト
(約1億
公害防止コスト
排水処理施設、
ミスト除去装置、
脱臭装置などの維持費
0
36.835
地球環境保全コスト
省エネ設備などの導入
0
7,451
資源循環コスト
廃棄物の再生・再資源化費用
廃棄物処理費用
不適合品率低減取り組み
0 322,941
内
、管理活動コスト
(約1億2,000万円)
があります。
6,600万円)
0 367,227
訳
製造工程の生産効率改善と工程内ミス・ロスの低減は省資
源と省エネに大きく寄与しています。廃棄物の削減では、昨年
度に引き続き単純焼却・埋め立て廃棄物の資源化を第一に取
り組み、処分量を約36%、処分費用を約28%削減できました。
資源循環コストは、再生・再資源化費用と廃棄物処理
②上・下流コスト
サプライヤーとの原材料・梱包材環境
負荷改善要請・試行
外注加工業者への環境保全教育・指導
容器包装リサイクルなどに関わる費用
費用がおもなものです。 2007年度も廃棄物の有価物化
を活発に進め、人的資源の投入を中心として資源循環
コストは約10%増加しました。その結果、新たに月10t
③管理活動コスト
環境負荷測定費用
環境マネジメントの構築・維持
従業員環境教育
事業所内緑化
の廃棄物を有価物にすることができました。
研究開発コストは新たに分析機器を導入したことで大
幅な投資額増加となりました。お客さまのご要望に適確
④研究開発コスト
環境負荷低減のための開発・改良
にこたえ、EUや中国をはじめとする環境規制物質への
対応を強化していく必要から、製品の製造段階における
環境負荷抑制を目的として導入したもので、よりスピー
ディーで、より正確な分析結果の報告が実現できました。
管理活動コストは、マネジメントシステム運用の効率化
7,637
1,800 119,880
93,600 166,283
⑤社会活動コスト
社会貢献活動
グリーン購入ネットワーク参加費
0
15,584
⑥環境損傷対応コスト
0
0
合 計
を目指しおもに環境マネジメントシステムの整備、運用コ
ストを中心に5%削減できました。しかし、社員の増加に
0
95,400 676,611
集計範囲:本社 対象期間:2007 年 4月1日 ∼ 2008 年 3月31日
より環境教育にかかわる費用は増加傾向にあります。
環境保全効果では、大幅な生産高の増加にもかかわ
環境保全コスト算出方法
※1)投資額:従来から、生産性を改善し、省エネ・省資源につながる生産設備を導入してきま
らず、総エネルギー投入量や廃棄物総排出量はほぼ横
ばいに抑えることができました。各部門による熱心な環
した。このため、
これらの生産設備の投資額は、環境保全のコストとしてあえて計上しませ
境取り組みの成果があらわれたものと考えています。
置などについては、投資額に計上しました。
んでした。ただし、水質や大気などの汚染を防止する仕組みを持つ生産設備および分析装
※2)費用額:事業エリア内コスト/公害防止コストとしては、水質や大気の汚染防止を目的
としている施設・設備を対象として計上しました。生産設備に付随する汚染予防設備の維持
費については、購入費用に基づいて算出しました。費用に投資額に対する減価償却費を含
今後の課題
めました。
上・下流コスト/物流に関する環境取り組みとして、材料購入時に一部の原材料で梱包ダン
これまでは本社を対象とした環境会計を作成してきま
ボールを使わないことをはじめ、再生プラスチック梱包箱の使用、材料保護緩衝材の再使
用、
マテリアルリサイクルできる包装材の使用、
また一部の製品で梱包箱の通い箱化・再生
プラスチック梱包箱使用などをおこなっています。これらの費用は、お客さまや取引先のみ
したが、事業活動がグローバルに展開していることを考
慮すると、対象範囲を拡大していく必要があります。今
なさまと協議してコストアップにならないよう工夫しましたので、取り組み要請および試行
などにかかった費用を上・下流コストに計上しました。
後はできるだけ多くの関係会社を対象範囲とした環境会
研究開発コスト/省エネ・省資源・省スペースなどの要望に対応した環境負荷低減のための
開発と改良に取り組んでいます。ただし、品質改善・生産性改善なども同時に追求する活動
計を作成し報告書に掲載していきます。
であるため、人件費の一定割合だけを計上しました。
環境保全活動に要した経営資源とその効果を関連づけて把握することは、 環境経営を進めていくうえで不可欠で
す。この報告書では、 環境省が公表している「環境会計ガイドライン2005 年版」を参考に、 環境保全コストとそ
の効果を算出しました。 環境会計は、 社内的には経営管理ツールとして、また対外的にはお客さまやステークホ
ルダーのみなさまとのコミュニケーションツールとして活用します。
28
2008 CSR報告書
環境保全効果
環境保全効果の分類
2005年度
環境パフォーマンス指標(単位)
(環境保全効果)
363,867
374,756
10,889
電力使用量(GJ)
256,460
253,378
260,032
6,654
都市ガス使用量(GJ)
115,372
107,574
112,073
4,499
27
3
0
▲3
2,344
2,545
2,525
▲20
軽油使用量(GJ)
514
367
126
▲241
PRTR法対象物質(トルエン)使用量(t)
322
321
365
44
16,332
18,269
18,248
▲21
水資源投入量(千m3)
274
305
300
▲5
水道水投入量(千m3)
112
87
75
▲12
井戸水投入量(千m3)
162
218
225
7
20,309
19,744
20,324
580
5,380
5,308
5,314
6
67
11
7
▲4
224
248
246
▲2
NOx(ppm)※1
79
76
50
▲26
振動(dB)※2
32
31
37
6
主要原材料・生産部財投入量(t)
温室効果ガス排出量(t-CO2)
廃棄物等(有価物含む)総排出量(t)
廃棄物単純焼却・埋め立て処分量(t)
総排水量(下水)
( 千 m 3)
その他の環境保全効果
2006年度との差
実績値
374,717
ガソリン使用量(GJ)
事業活動から排出する
環境負荷及び廃棄物に
関する環境保全効果
2007年度
総エネルギー投入量(GJ)
灯油使用量(GJ)
事業活動に投入する
資源に関する
環境保全効果
2006年度
(基準期間)
集計範囲:本社 対象期間:2007 年 4月1日∼2008 年 3月31日
注) 環境保全効果は、本社での使用・消費・排出量を、前年度の量と単純に比較して量の増減〈(2007年度物質量)
−
(2006年度物質量)〉を算出しました。
売上高増加に伴う数字の調整はおこなっていません。数値は小数点以下四捨五入により、他頁の数値と一致しない場合があります。
※1)ボイラー・冷温水発生機排ガス測定値の最大値を記載しました。
※2)年2回実施している振動測定値の最大値を記載しました。
環境保全対策に伴う経済効果
単位:千円
効 果 の 内 容
収 益
費用削減
金額
主たる事業活動で生じた廃棄物のリサイクル又は使用済み製品等のリサイクルによる事業収入
24,726
省エネルギーによるエネルギー費の節減
43,673
省資源又はリサイクルに伴う廃棄物処理費の節減(単純焼却・埋め立て廃棄物処理費)
合 計
459
68,858
集計範囲:本社 対象期間:2007 年 4月1日∼2008 年 3月31日
注) 環境保全対策に伴う経済効果としては、廃棄物を有価物として売却した売却額を算出しました。
省エネ・省資源対策は全部門で実施しています。売上高当たりの電気使用量
(電気使用率)が低減したので2006年度の電気使用率を2007年度売上高
に乗じた値を2007年度電気使用量として仮に算出しました。
環境配慮型製品などの販売による推定効果は算出しませんでした。
VOC(揮発性有機化合物)の監視強化
「大気汚染防止法」の規制により、当社でも
これは法に適合するFID分析方式の炭化水
グラビア印刷機から排出されるVOCを集約
素計で、その場でVOC濃度がデジタル表示
回収し除去する、大規模な燃焼装置の導入
されるものです。これによってVOCの監視
を進めています。
を強化します。
また、必要に応じていつでもその場で大気
中VOCの濃度が測定できるよう、「ポータ
ブルVOC濃度計」
を導入しました。
ポータブルVOC濃度計による測定
29
廃棄物の削減と管理
ゼロエミッション
(再生・再資源化率:99.5%以上)
を継続
廃棄物排出、再生・再資源化の推移
2007年度もNISSHA国内全体でゼロエミッション(再
生・再資源化率:99.5%以上)
を継続しています。しかし
[本社単独]
達成状況は事業場によってバラツキがあるため、個々の
廃棄物量
(t)
事業場すべてがゼロエミッションを達成するように取り組
みをすすめてきました。
98.8%
99.8%
99.9%
4,000
3,000
3,066
2,946
2,837
拠点すべてがゼロエミッションを宣言することができまし
2,476
た。 2007年度NISSHA国内全体の再生・再資源化率は、
100
ゼロエミッション
達成は 99.5% 以上
東日本写真印刷が10月に達成、ナイテック・モールド
エンジニアリングの各工場でも2月にほぼ達成し、生産
再生・再資源化率(%)
有価物
焼却・
埋め立て廃棄物
2,350
再資源化廃棄物
2,241
再生・再資源化率
2,000
平均99.8%で推移しています。
1,000
海外事業場での取組み
NISSHAは海外生産拠点での廃棄物分別と削減取り
組みを強化していきます。それぞれの事業場が拠点と
67
0
する国や地域の関連法令
11
2005
2006
98.3%
99.4%
7
2007 (年度)
順守と実情に配慮しつつ、
2008年 度 中は把 握に努
[グループ連結]
め、遅くとも2009年度か
廃棄物量(t)
らは再生・再資源化率や廃
棄物量削減について目標
値を設定し、取り組んでい
きます。
99.8%
6,354
日写昆山の廃棄物置き場
一般廃棄物と危険廃棄物のエリアがラ
インで区別されていて、受け皿も設置
されている。
再生・再資源化率(%)
100
ゼロエミッション
達成は 99.5% 以上
6,000
5,227
有価物
焼却・
埋め立て廃棄物
4,520
4,000
4,085
3,779
再資源化廃棄物
再生・再資源化率
3,640
廃棄物リスクの管理
廃棄物に関するコンプライアンスやリスク管理を徹底
2,000
していくためには、各事業場で同じレベルの廃棄物管理
を推進していく必要があります。そのため、NISSHAは
126
国内事業場を中心に
「廃棄物管理基準」の統一化を進め
0
ています。
2005
53
2006
27
2007(年度)
※ナイテック・モールドエンジニアリング、ナイテック工業甲賀は2006年度から、
大阪支社・東京支社は2007年度からのデータとなります。
一方で、各事業場の廃棄物の排出状況や、委託先、
処理状況確認等を一元的に管理できる
「廃棄物管理シス
テム」の導入も検討しています。その前提となるのが電
子マニフェストの導入で、2008年度の取り組みテーマと
しています。
2007 年度はNISSHA の再生・再資源化率が年間で平均 99.8%となり、国内グループ全体で廃棄物ゼロエミッショ
ンを達成しています。 2007 年度の本社の有価物・廃棄物の全排出量は、 一般廃棄物を含めて5,314tで、 前年
比約 1.3% 増とほぼ横ばいで推移しました。しかし、 単純焼却・埋め立て廃棄物は7.3tで、 前年度に対して約
30% の削減ができました。
30
2008 CSR報告書
2007年度廃棄物フロー
有
価
物
樹脂くず
4.8 %
紙くず
57.7%
産
48.5 %
業
廃
樹脂チップ
紙材料
(再生紙)
物
0.8 %
鉄材料
木くず
0.0 %
建材チップ他
樹木くず
0.5 %
肥料・養土
廃溶剤・廃インキ
廃ウエス
22.5 %
0.5 %
13.4 %
1.9 %
再 生・再 資 源 化
ガラスくず
42.2%
金・銀・銅・アルミ
鉄くず・廃缶
廃プラスチック
年間総量
5,314t
棄
再 生・再 資 源 化
金・銀・銅・アルミ含有くず 4.4 %
造園土木資材
(再生材)
、RPF
(固形燃料)
建築材
(ガラス粒)
溶剤回収
(再生溶剤)
、助燃剤・熱利用
熱利用
(→土木原料)
廃酸
(塩化第二鉄含む) 1.5 %
塩化鉄
(再生)
/銀回収
廃アルカリ
0.1 %
中和剤
(熱利用→セメント原料)
汚泥
(下期)
0.9 %
銅回収
(→セメント原料)
産 業 廃 棄 物・一 般 廃 棄 物
廃酸・廃アルカリ・
試薬類・ガラスの一部
0.03 %
一般廃棄物
0.11 %
単純焼却
埋め立て
0.1%
構内コンポスト・ヤードで植栽廃棄物を肥料化
事業系一般廃棄物の削減にも取り組んでい
ます。その一環として、事業場構内で発生
する植栽廃棄物をコンポスト・ヤードに貯蔵
し、肥料化したうえで植栽の育成に利用し
ています。
コンポスト・ヤード
できあがった肥料
(腐葉土)
31
事業活動による環境影響
NISSHAの事業活動のなかでは、さまざまな環境負荷
INPUT
が発生します。 2007年度の物質投入
(インプット)
と物
質排出
(アウトプット)
をフロー図で表しました。製品返品
主 要 原 材 料・生 産 部 材
率の改善と、より付加価値の高い製品へのシフトが顕著
となり、生産高は41%増加しましたが、物質投入量およ
PETフィルム
び物質排出量とも2006年度と比べてほぼ変わりはあり
2,372t
852t
1,211t
グラビアインキ
溶剤
ませんでした。
含リン銅ボール
10t
0t
22t
1t
無水クロム酸
酸
物質投入(インプット)の概要
アルカリ
おもなインプットとしては、原材料の紙
(約72%)
、PET
フィルム
(約13%)
、インキ
(約5%)
や、製造工程で使用
する溶剤
(約7%)
、酸・アルカリなどがあります。事業別に
みると、加飾フィルム事業では、原材料のPETフィルムと
金属材
グラビア印刷の製版工程
(シリンダー作成)
で使用
TS製品などの工程で使用
透明導電性ガラス板
プラスチックシート
プリント基板材
転写箔を印刷する
グラビア印刷工程で使用
381t
FPC関連材料
グラビアインキ、製造工程で用いる溶剤や無水クロム酸、
酸、アルカリなどがあり、タッチインプット事業では、原
酸
(塩化第二鉄溶液含む) 76t
アルカリ
7t
材料の透明導電性膜を有するガラス板とフィルムなどがあ
溶剤
ります。 2007年度はタッチウインドウに使用するプラス
5t
紙
オフセットインキ
チックシートが大幅に増加しました。印刷&インフォメー
13,188t
218t
製本針金
ション事業では、原材料の紙が大半を占め、この他にオ
2t
24t
製本糊
フセットインキや製造工程で用いる現像液、定着液、銀
現像液・定着液
塩フィルム、PS版
(Pre-Sensitized Plate)
などがあり、CTP
4t
2t
銀塩フィルム
デジタルプルーフ
フィルム・紙
(Computer to Plate)
の普及で銀塩フィルムは年々減少傾
向にあります。水の使用に関しては、製品の品質に影響
オフセット印刷工程で使用
製本加工工程で使用
製版工程
(製版フィルム
作成)
で使用
2t
1t
処理液
しない範囲で水道水の使用を控え、井戸水を使用して水
PS版
57t
オフセット印刷の刷版工程で使用
道水の使用を約14%削減しました。ボイラーやクーリング
紙
オフセットインキ
10t
1t
校正刷工程で使用
タワー補給水、製造工程内洗浄水などがおもな用途です。
副資材・梱包材
物質排出(アウトプット)の概要
エ ネ ル ギ ー
おもなアウトプットとしては前年度に引き続き、生産や事
電気
ガス
務作業などに伴う廃棄物、排水、CO2、VOC
(揮発性有機
化合物)
などがあります。CO2量としては社内で都市ガス使
26,081MWh
2,727千m3
水
用時に発生する量、営業車やフォークリフト使用時に発生す
る量と電気発電時
(社外)
に発生する量を合算しました。発
水道水
井戸水
生した廃棄物は資源として再活用することを基本として取り
組み、前年度と比較して、単純焼却・埋め立て廃棄物を4t
75千m3
225千m3
集計範囲:本社
注)小数点以下四捨五入により合計値が一致しない場合があります。
削減し、99.9%という再生・再資源化率を維持しています。
さまざまな原材料を調達し、資源・エネルギーを使用して、お客さまに製品を提供する― 事業活動はさまざまな
局面で環境負荷を生みだします。 環境影響を示す2007 年度のフローを引き続き掲載します。 2007 年度は物質
投入量、物質排出量ともに2006 年度に比べてほぼ変わりはありませんでした。
32
2008 CSR報告書
OUTPUT
転写箔
紙くず
再生資源
( IMD 転写箔)
金・銀・銅・アルミ含有くず
樹脂くず
(有価物)
3,066t
鉄くず・廃缶
木くず
加飾フィルム事業
廃溶剤・廃インキ
再生資源
廃ウエス
(産業廃棄物)
FineTouch
廃酸
廃プラスチック
その他
製品
単純焼却・埋め立て
2,241t
廃プラスチック
その他
7t
(産業廃棄物)
タッチインプット事業
二酸化炭素
(CO2)
20,324t-CO2
排 気
印刷製品
VOC
下水
排 水
1,101t
246千m3
印刷&インフォメーション事業
※)本社基準により算出しました。
水利用量の推移
排水量の推移
(千m3)
(千m3)
350
305
274
300
300
井戸水
250
162
218
224
248
246
2005
2006
2007(年度)
200
225
150
100
50
0
112
87
2005
2006
75
水道水
0
2007(年度)
屋上緑化の実験プラント
独自に研究、設計した手づくりの「屋上緑
化」実験プラントを、本社環境管理部事務
所の屋根上に設置しました。サツマイモの
水耕栽培方式によるもので夏場だけのプラ
ントですが、表面温度や室温の低減効果を
測定することで、今後社屋・工場の屋上緑
化にいかしたいと考えています。
「水耕栽培」装置を設置
緑化完成イメージ
(8月頃の予想)
33
汚染の予防と監視/化学物質の管理
汚染の予防
汚染予防のための監視・測定業務としては、厳しい自主管理基準値のもと定期的に実施している大気汚染物質、排水
水質、騒音、振動、臭気に加え、VOCの自主測定を実施しています。
大気汚染防止法・ボイラー・冷温水発生機排ガス測定結果一覧表(本社)
2006年度
2005年度
2007年度
化学物質名
単位規制値
規制値
8月
2月
8月
2月
8月
2月
ばいじん
g/m3N
0.10
─
0.002
─
0.003
─
0.003
NOx
ppm
150
65
79
68
76
43
50
注)複数のボイラーの測定値の最大値を記載。
大気汚染防止法・悪臭防止法関連測定結果一覧表(本社敷地境界)
2005年度
2007年度
2006年度
化学物質名
単位規制値
規制値注1
6月
12月
6月
12月
6月
12月
メタノール
cm3/m3
7
0.4以下
0.4以下
0.4以下
0.4以下
0.4以下
0.4以下
メチルエチルケトン
cm3/m3
3
0.2以下
0.6
0.2
0.2
0.2以下
0.2以下
キシレン
cm3/m3
3
0.5以下
0.5以下
0.5以下
0.5以下
0.5以下
0.5以下
トルエン
cm3/m3
2
0.2以下
0.2
0.2以下
0.2以下
0.2以下
0.2以下
塩化水素
3
cm /m
3
0.2
0.05以下
0.05以下
0.05以下
0.05以下
0.05以下
0.05以下
酢酸エチル
cm /m
3
注2
0.1以下
0.1以下
0.1以下
0.1以下
0.1以下
0.1以下
硫酸
mg/m3
0.03
0.01以下
0.01以下
0.01以下
0.023
0.01以下
0.01以下
クロムおよびその化合物
mg/m3
0.002
0.001以下
0.001以下
0.001以下
0.001以下
0.001以下
0.001以下
3
3
注1)複数の敷地境界測定値の最大値を記載。
注2)悪臭防止法に基づく地域の指定および基準の設定
(京都市告示)
、大気汚染防止法に関連する京都府環境を守り育てる条例施行規則・有害物質に係る規制基準。
※○.○○○以下の記載は、
分析機器の下限値以下を示しています。
化学物質の管理
2007年度の本社届け出対象物質は、キシレン・トルエンおよび銅水溶性塩の3物質でした。クロムおよび三価クロム
化合物、六価クロム化合物は届け出が不要となりました。
NII甲賀工場は本格稼動にともないキシレン、トルエンとも大幅に増加しました。
PRTR法対象物質
単位:kg
PRTR
化学物質名
番号
日本写真印刷
2007年度
2006年度
大気への排出量 産廃業者への移動量 届け出の対象 大気への排出量 産廃業者への移動量 届け出の対象
1,700
1,000
○
930
560
○
0
3,600
○
0
4,900
○
227 トルエン
170,000
92,000
○
180,000
110,000
○
ニッシャインターシステムズ
227 トルエン
41,000
23,000
○
46,000
27,000
○
ナイテック工業(亀岡)
227 トルエン
210,000
110,000
○
210,000
120,000
○
キシレン
1,600
370
○
4,500
850
○
227 トルエン
29,000
15,000
○
74,000
29,000
○
63
207
ナイテック工業(甲賀)
63
キシレン
銅水溶性塩
(錯塩を除く)
注)個々の値は、頭2桁に四捨五入しています。
汚染予防対策として、法規制値より厳しい自主基準値を設定し、各部門できめ細かな取り組みを実施しています。
一方、 PRTR 法対象物質については、排出量・移動量の測定など、管理の精度を高めるとともに、削減と代替化
に取り組んでいます。
34
国内生産・営業拠点の環境取り組み状況 (2007 年 4 月から 2008 年 3 月)
拠点名、生産品目
廃棄物関連・その他の取り組み
廃棄物再生・再資源化率
ナイテック工業(亀岡工場)
単純焼却・埋め立て
再生資源 ( 有価物)
0.2%
0.8%
京都府亀岡市
ISO14001 認証取得:
2003 年 12 月
汚泥・鉄くず・
廃缶など
16.9%
ナイテック工業(甲賀工場)
再生・再資源
99.8 %
アルミニューム(有価物)
単純焼却・埋め立て
0.8%
滋賀県甲賀市
紙くず・段ボール類
ISO14001 認証取得:
2007 年 6 月
廃ウエス 1.4%
廃プラスチック
56.4%
25.7%
0.2%
0.8%
汚泥・鉄くず・
廃缶・木屑など
2007年9月より錫廃棄物・11月よりABS樹脂の有価物
化を実現化し、今後一層の有価物化推進を図る。
2008 年度はマニフェストの電子化取り組みを積極的
に推進する。
廃インキ
産業資材の IMD 転写箔の生産とIMD 金型の点
検用試作成形など
2008 CSR報告書
再生・再資源
99.8 %
14.6%
廃プラスチック
焼却廃棄物について再生・再資源化を検討していたと
ころ、処理施設(甲賀市衛生センター)で排ガスの余熱
を温水として回収し、給湯・暖房に利用(サーマルリサイ
クル)
されていることを確認。
アルミ屑の再生・再資源化の検討により1月から有価物
化が実現。
57.5%
廃インキ
24.7%
産業資材の IMD 転写箔の生産
ナイテック・プレシジョン(加賀工場)
石川県加賀市
ISO14001 認証取得:
2003 年 7 月
リサイクル金属など
単純焼却・埋め立て
0.3 %
0.1%
紙くずなど
法規制値よりも厳しい自主管理基準による排水管理。
10.5%
再生資源
(廃酸・廃アル
カリなど)
再生・再資源
99.7 %
13.2%
第三工場の廃水・廃熱の一部再利用による環境負荷低
減の取組み。
廃プラスチック
75.9%
電子事業のタッチスクリーン、タッチウインドウ
の製造
ナイテック・モールドエンジニアリング
京都市伏見区
京都府京丹後市
京都府亀岡市
石川県加賀市
ISO14001 認証取得:
2006 年 6 月
単純焼却・埋め立て
0.6 %
紙くず 4.0%
リサイクル
再生・再資源
単純焼却・
埋め立て
0.5 %
サーマルリサイクル
1.2%
アルミ板
再生・再資源
プラスチック類、
廃酸・
廃アルカリなど
紙くず
単純焼却・埋め立て
( 生ゴミ、金属類)0.4 %
8%
再生・再資源
99.6 %
紙くず
91.6%
印刷情報事業・産業資材事業・電子事業の営業部
門と印刷情報事業の企画制作部門・生産管理部門
大阪支社
単純焼却・埋め立て
( プラスチック類、紙くずなど)3.6%
大阪市中央区
ISO14001 認証取得:
2004 年 12 月
蛍光管をリース方式に変更したことにより産業廃棄物
から除外、
また廃ブランケットを焼却廃棄物からサーマ
ルリサイクルに分別。
94.1%
オフセット印刷の枚葉機と輪転機で書籍・カタ
ログ・チラシなどを印刷・製本
ISO14001 認証取得:
2004 年 12 月
ガス使用の効率化に取り組み、15%の削減を達成。
新規印刷機導入にあわせて旧印刷機2台を廃棄したこ
とで、生産能力は旧印刷機ほぼ2台分を維持しながら、
廃棄物はほぼ1台分に削減できた。
3.1%
99.5 %
東京都千代田区
樹脂 31.0%
金属 14.1%
ISO14001 認証取得:
2004 年 12 月
東京支社
廃棄物の再生・再資源化、有価物化に取り組み、単純焼
却・埋め立て廃棄物を1/5に低減。
99.4 %
50.3%
マテリアルリサイクル 1.1%
千葉県八千代市
石川県地球温暖化防止の取組「エコライフ大作戦」の
活動参加。
教育を中心としたエコドライブ実践に取り組み、社用車
燃費を1.5倍に向上。
産業資材の IMD 金型・一般金型・成形品製造
東日本写真印刷
有価物化への取り組みと廃棄物分別の徹底による再
生再資源化率99.7%を達成。
廃酸・
廃アルカリなど
14.5%
再生・再資源
96.4 %
印刷情報事業の営業部門を中心に、企画制作部
門、生産統括部門
35
紙くず
81.9%
長年の課題であった生ゴミのリサイクル化を実現。
また2007年4月からは弁当ケースの廃プラリサイクル処
理が可能となったことで、
再生・再資源化率が99.6%とな
り、
テナントビルながらゼロエミッションを達成した。分別
の徹底と監視の継続により2007年度を通してゼロエミッ
ションを維持している。
オフィスの蛍光灯の抜き取り、昼休時など不要時の消
灯、残業時間の削減などによる作業効率改善に継続し
て取り組んでいる。電気・ガソリンエネルギーの削減に
よりCO2削減を目指している。
テナントビル固有の問題として、本来リサイクル出来る
にもかかわらず焼却されてしまう廃棄物があり、廃棄
物再生・再資源化率向上への課題となっている。しか
し、前年に比べ「廃酸・廃アルカリなど」を約40%削減す
るなど、生販一体となって環境保全に取り組んでいる。
また、継続的取り組みとして夜間空調停止や昼休時消
灯を続けており、高い意識でエネルギー使用量削減に
努めている。
・ISO14001(環境)
・ISO27001(情報セキュリテイ)認証取得一覧
ISO9001(品質)
対象エリア
ISO規格
ISO9001
対象商品
タッチスクリーン
関連商品
(TS製品)
京都
本社
東京
支社
○
○
大阪
支社
取得年月
(初回登録)
NPI・ NME
Southern 広州日写 日写
(昆山)
東日本
NII
NII
NME
NME
Nissha 精密塑料 精密模具
写真印刷 (亀岡) (甲賀) (加賀) (亀岡) (淀・久美浜) Sdn.Bhd. 有限公司 有限公司
1998.7
○
○
2002.4
○
2000.3
成形同時転写箔
(IMD転写箔)
○
○
2001.8
○
○
2007.2
○
2000.3
○
成形同時転写
成形品
(IMD転写成形品)
2002.4
○
2006.3
○
IMLフィルム・
IML成形品
○
○
○
○
○
2005.11
○
○
箔送り装置
ISO14001
2005.3
○
金型
印刷関連製品及び
マルチメディア
関連製品
2006.8
○
○
2008.3
○
2000.9
○
2002.4
○
2001.6
○
○
○
○
2003.7
○
2003.12
○
2004.12
○
2006.6
○
2007.6
○
2006.3
○
2006.8
○
ISO27001
海外関係会社
は取得計画中
○
○
○
○
○
○
印刷情報・ 印刷情報・ 印刷情報・
管理部門 管理部門 管理部門
○
○
産電
2007.2
2005.9
営業・NCP 営業・NCP 営業・NCP
産電
2007.2
○
2006.8
○
○
○
○
○
2007.10
注)○は認証取得を表す。認証機関:BUREAU VERITAS 認定機関:UKAS
NISSHAは、お客さまに高品質の製品を提供することが、メーカーとして果たすべき最も重要な責任であると考え
ています。 製品の性能や仕上がりの美しさだけではなく、総合的な品質の継続的改善をはかるために、今後も「品
質」
「環境」そして「情報セキュリティ」の ISO 認証取得を維持していきます。
36
2008 CSR報告書
CSR活動の歩み
1974
● 排水処理施設設置
(8月)
1986
● 触媒脱臭装置付きオフセット輪転機導入
(8月)
1988
● 第14回
1993
● 排水処理施設更新
(8月)
1998
● タッチスクリーン関連製品でISO9001認証取得
(7月)
1999
● 本社
2000
● 環境方針制定
(9月)
2001
● 第1回
内部環境監査実施(2月)
● エコドライブ宣言
(10月)
● 第1回
環境保全委員会開催
(2月)
● NISSHA全体
(国内)
で廃棄物「ゼロエミッション」達成(11月)
● 第1回
環境システム委員会開催(4月)
●「2006CSR報告書」
発行(11月)
● ISO14001
2004年版移行完了(6月)
● ナイテック
・プレシジョン
(株)
「石川労働局長優良賞」受賞
(7月)
● 印刷情報
・NCPでISO27001認証取得
(9月)
●「環境報告書2005」
発行(10月)
京都市中京自衛消防隊訓練大会(9月)
● エコ京都21アドバンス
「循環型社会形成部門」認定(12月)
2006
● ナイテック
・モールドエンジニアリング
(株)
環境マネジメントシステム運用開始
(1月)
● 本社廃棄物ゼロエミッション達成
(3月)
● Southern
環境マネジメントシステム構築開始
(10月)
Nissha Sdn. Bhd. ISO14001認証取得(3月)
● 社員行動マニュアル配布
(5月)
● ナイテック
・モールドエンジニアリング
(株)
● 本社
ISO14001認証取得(6月)
環境マネジメントシステム運用開始
(9月)
● 印刷情報
・管理部門でISO27001認証取得(8月)
● 広州日写精密塑料有限公司 ISO14001認証取得
(8月)
● 本社
2002
ISO14001認証取得(6月)
2007
● 自社基準によるグリーン調達ガイドライン運用開始
(3月)
● 第一回
「お客さま満足度調査」実施
(1月)
● ナイテック工業
(株)
甲賀工場
● エコ京都21
「循環型社会形成部門」認定(12月)
環境マネジメントシステム運用開始
(1月)
● 日写
(昆山)
精密模具有限公司 ISO14001認証取得
(2月)
2003
● 環境方針改正
(1月)
● 日写
「環境管理物質管理基準」策定(3月)
● ナイテック
・プレシジョン
(株)
● 安全衛生基本方針制定
(4月)
環境マネジメントシステム運用開始
(1月)
● 本社防災訓練実施
(6月)
● 第3回 世界水フォーラム
「水のえん 2003 in 京都」出展
(3月)
● ナイテック工業
(株)
甲賀工場 ISO14001認証取得(6月)
●「企業理念」
「経営基本方針」
「行動指針」制定(4月)
●
● ナイテック
・プレシジョン
(株)ISO14001認証取得(7月)
ナイテック・モールドエンジニアリング
(株)久美浜工場「安全
衛生に係る京都労働局長奨励賞」受賞(7月)
● ナイテック工業
(株)
環境マネジメントシステム運用開始
(7月)
● 3方針
(品質・環境・情報セキュリティ)
の制定
(6月)
●「グリーン購入ネットワーク」
参加
(8月)
●「ハチハチキッズデイ」
開催(8月)
●「環境報告書2003」
発行
(10月)
● 第一回
「社員意識調査」実施(10月)
● 伊能忠敬の古地図修復
(11月)
●「2007CSR報告書」
発行(10月)
● ナイテック工業
(株)ISO14001認証取得
(12月)
● 産業資材
・電子事業本部でISO27001認証取得(10月)
● 小学校で環境学習を実施
(12月)
2004
● 東京支社
・大阪支社、東日本写真印刷(株)
● 日写
(昆山)
精密模具有限公司、
江蘇省より「高新技術産品認
環境マネジメントシステム運用開始
(6月)
定」受ける
(12月)
●「環境報告書2004」
発行
(10月)
● 東京支社
・大阪支社、東日本写真印刷(株)
2008
ISO14001認証取得(12月)
● 京都一斉ライト
・ダウン参加(2月)
● CSR研修会開催
(2月∼3月)
● 社員に
「MOTTAINAI」バッグ配布(3月)
2005
●「リスクマネジメント基本方針」
「社長コンプライアンス宣言」
● NISSHA一斉ライト
・ダウンがスタート
(4月)
「個人情報保護方針」発表(4月)
●
● 環境方針改正
(4月)
日写
(昆山)
精密模具有限公司、
昆山市労働社会保障局より労
働法遵守「A級」受賞
(4月)
編
集
後
記
CSR研修会を国内・海外拠点で開催した。企業理念の重要性、コンプライアンスや児童労働問題そして環境問題への取り組みであったり、さまざまなテー
マについて簡潔にまとめた研修内容だった。研修について、いろいろな意見をいただいたが、とりわけ海外ではCSRに対する少し違った意見を聞くことがで
きた。「社会貢献や近隣とのコミュニケーションといったようなCSRテーマとお客さまのご要望に応えていくこととの間にどういった関係があるのか」
といった
率直な意見であったり、また「他人の屋根の雪はおろすな」
という昔からの考え方があるなかでCSRははたしてどうなのか、といったような意見である。国・
地域・人種や宗教の違いが原因でISO26000が認証ではなくガイドラインとして発行が見込まれているという状況を知識として持っていたが、その状況を自
分自身が身をもって体験できたわけである。日本という国がいつも正しいわけではない。 CSRはその国や地域に応じた根づき方であるべきだ。決して何で
もありということではなく、お互いに理解して尊重することが何事においても大事である。そのうえでNISSHAの特徴をいかに出していくのかという課題が
ある。まず、必要とされる基本方針の整備が必要である。
日本写真印刷株式会社
2008 CSR報告書
お問い合わせ先
日本写真印刷株式会社 CSR本部
604 8551 京都市中京区壬生花井町3
T 075 823 5135 F 075 803 0527
http://www.nissha.co.jp
①ソイシール/石油系溶剤の代わりに、環境にやさしい大豆油
をインキの溶剤として用いて印刷されたことを表します。
②バタフライマーク/有害な排液の出ない水なしオフセット印
刷方式で印刷されたことを表します。
③この印刷物にはFSC認証紙を使用しています。
④グリーン購入に取り組んでいます。
※このCSR報告書は、環境に配慮した仕様となっています。ご不
要の際には、地方自治体の取り決めに従った回収・リサイクル
をお願いいたします。