生きている図書館プロジェクト

Living Library-Osaka
【速報】
生きている図書館プロジェクト
vol.1
「生きている図書館」のことが新聞に載ったのは、2008 年 6 月 28 日土曜日のこと。
写真に目を引かれて記事を読んだ APIS のメンバーは思った「私がやりたかったことをして
いる人たちがいる」
。ここから APIS での取り組みが始まった。
この春、日本語による「生きている図書館」実施手引書の発行という事業名で大阪市市民
活動推進基金助成金の対象事業に選ばれ、本格的に活動を進めている。
では、
「生きている図書館」とは何だ?
図書館(Library)だから、本(book)があって、読者(reader)がいる。本を読むのに
必要な辞書(dictionary)があって、司書(librarian)や運営者(organiser)がいる。
本も辞書も生きている(living)人で、もちろん読む人、司書、運営者は人だから、全てが
人で出来ている図書館、
「生きている図書館(Living
Library )
」
。
図書館を訪れ、読んでみたい本を選び、貸し出しを受けて読む。そこは同じだけれど、読
んでみたい本が人だってところが違う。読む人は選んだ本(時には辞書も一緒に)と読書の
ためのスペースで会話する。読者と本とが交わす会話の内容はその時、その時限りのただ一
つの体験となる。この体験は読者にとっては、自分の中にある偏見や思い込みに気づき、そ
れが全く事実に基づかないものだと理解するきっかけになり、本にとっては、貼付けられた
呼び名でひとくくりに出来ない自分自身を表現し、自己肯定感を得る機会になる。
だから、この企画のスローガンは
“Don’t judge a book by its cover!”
「本の表紙で決めるな!」
偏見や思い込みを持たれやすい人たちがいる。
例えば、障害によって。職業によって。性的指向によって。人種や民族によって。病気に
よって。信仰によって。犯した罪によって・・・etc・・・・
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c NPO 法人 暴力防止情報スペース・APIS
Living Library-Osaka
見た目や勝手な決めつけで、相手のことを実際に知ることをしないままでいることが、暴
力や対立を引き起こしている。だけど、どうやって知ればいいのか?幼い頃、街ですれ違う
時に、じっと見てはいけないと大人に言われてから、見ないようにしている人たちとどうや
って知り合うのか?
普段の暮らしの中ではそんな多様な人生を生きる人に会うことはなかなか出来ない。でも、
本を通して様々な世界を知ることは可能だ。その本が人間だったら、五感を通して知り合う
こともできる。そのような出会いを実現するのが「生きている図書館」である。
「生きている図書館」はデンマークのロスキルド(Roskilde)で始まった。
1970 年代から続いている音楽祭”Roskilde Festival”は NPO によって運営され、4日間で
150 ものアーチストたちが参加する大きなロックイベントだった。その 2000 年のイベント
で「暴力を止めよう」という企画を担当した人たちによってこのユニークな図書館は始まっ
た。
「自分自身の偏見や思い込みに焦点をあてて考えることが出来、また、平和で前向きに楽
しく偏見と向き合える企画を作りたい」との思いから、普段あまり触れ合うことの出来ない
人と出会い、
直接話を聞くことが出来る場として、
人が本の役割をする図書館を考えついた。
素晴らしい!!
その後、ハンガリーやノルウエーなど 30 カ国以上で開催され、2008 年 12 月にはついに
日本でも開催された。
APIS
は 1996 年から CAP(子どもへの暴力防止)プログラムを提供し、DV や虐待
などの暴力防止の啓発活動を続けている。その経験から暴力を防止するには、人権尊重、特
に多様性の理解が重要であることを実感してきた。人の体と心を傷つける暴力は、相手は自
分とは違う人であり、考え方や感じ方も違っていることへの想像力が無いことから生じるの
だ。
「生きている図書館」はこの多様性理解にもってこいの企画だから、是非やりた
い。どうしたら出来るのか、模索しながら今日に至っている。
まず、取り組んでいるのは開催するための手引書を日本語訳することで、そのための契約
を 2009 年 3 月に版権を持っている COE と結んだ。
手引書を作るに当たって、
自分たちで実際にやってみる予定を立てている。
そのためにも、
5 月 29,30 日に東京大学先端科学技術センターで開催される国内第2回目の「生きている図
書館」の見学にメンバーが出かけて行く。
そして、このプロジェクトの参加者を募って、大阪での開催を実現していきたいと強く願
っている。
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c NPO 法人 暴力防止情報スペース・APIS
Living Library-Osaka
「生きている図書館って一体何だろう???」なんて思ってないで、百聞は一見にし
かず。まずは参加してみては。
参加の方法はいくらでもある。
?「生きている図書館」プロジェクトのメンバーになる。
(誰でも大歓迎)
?「生きている図書館」を開催する場所を提供する。
(あなたの町で開ける)
?「生きている図書館」の開催者になる。
(主催でも共催でも)
?「生きている図書館」の本になる。
(あなたの話に耳を傾ける人が待っている)
?「生きている図書館」プロジェクトの支援者になる。
(理解と協力を求む)
?「生きている図書館」で本を読む。
(あなたの偏見は何?)
?
?
あなたのアイデア大歓迎
?
「生きている図書館」に興味が湧いたら、ぜひ連絡を
また、下記のサイトでも情報を得ることが可能
http://living-library.jp/
YouTube にもアップ
http://www.youtube.com/watch?v=OQZvEUOypPE
連絡先
NPO APIS 内
電話:06-6924-5551 (月・水・金 10:00~17:00)
FAX:06-6924-5556
Mail: [email protected]
「生きている図書館」プロジェクト
朴 宗筍、グロエンダル トム(緑谷都夢)、
山本房子、木村ゆかり、朴 宗美、横山恵子
【この事業は平成21年度大阪市市民活動推進基金事業補助を得ています】
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