DAIDO STEEL CSR報告書 2006 Corporate Social Responsibility Report 2006 Corporate Social Responsibility Report 2006 CSR報告書の編集方針 企業の事業活動に関する情報は、従来、事業報告やア Contents 1 編集方針/ CSR報告書の対象と範囲 2 社長メッセージ ニュアル・レポート、インベスター・リレーションズなど主として 営業記録、収益性やキャッシュフローの観点から開示され、 企業の評価や格付けはこの類の情報をもとにしていました。 人・社会・地球環境への 責任と貢献 しかし、近年、企業規模の巨大化、活動の多様化、活動 領域の拡大、取引や資本市場の国際化などにともなって、 企業評価には従来型の情報のみでは不十分であるとの世 3 界的な認識が高まり、企業はこれに応える内容の情報開示 大同特殊鋼グループの CSRの考え方 を迫られるようになりました。このような要請への対応は「環 大同CSRトピックス 境報告書」に始まりましたが、状況はさらに変化し、現在で は環境問題を含め、文化貢献、地域支援、従業員の福 4 「CSR報告書」が企業情報のスタンダードに加えられるに至 5 りました。 そこで大同特殊鋼でも2006年度からは昨年までの環境 環境活動を通じて 浜頓別自然愛護活動 祉・健康等々を企業の社会的責任として包括的に伝える 文化を通じて 名演奏家シリーズ 6 報告書に代えて、CSR報告書を刊行することになりました。 スポーツを通じて ハンドボール フェニックス日本一 対象が広く、領域が必ずしも明確でなく、また、どこまで を企業の社会的責任とするのかといった基本的なコンセン サスも確立されていない状況ではありますが、まずは当社に 7 おけるCSRをできるだけ具体的な姿にブレークダウンして本 報告書にまとめました。今後は、皆様の声に耳を傾け、至 社会への責任 11 地球環境への責任 27 産業への責任 33 従業員への責任 40 地域社会への責任 45 大同グループ概要 らぬを正しつつ版を改めてまいりたいと考えています。 CSR報告書の対象と範囲 本報告書は当社のお客様、株主、従業員、地域住民、 一般消費者、投資家、公共機関等々のすべてのステークホ ールダーのご参考に供するものです。本報告書が取り上げ る範囲としては、文化・スポーツ支援、コーポレートガバナン ス・コンプライアンス・リスクマネジメントを柱とする社会への 責任、地球環境への責任、産業への責任、従業員への責 任、地域社会への責任という5つのカテゴリーに分けてまと めました。 1 DAIDO STEEL 人・社会・地球環境への責任と貢献 代表取締役社長 企業はとまることは許されず、発展し続けなければ明日 サイクル型の企業であったと申せましょう。以来90年、高強 は有りません。また、企業の発展は同時に、社会の持続 度化、軽量化、長寿命化、効率化、工程省略化、加工負 可能な発展をもたらすものでなければなりません。社会あ 荷低減化など客先ニーズを徹底追求し開発されてきた当 ってこその企業であります。 社の特殊鋼は、世界をリードする日本の自動車産業をはじ そのような視点に立てば、長い歳月、風雪に耐えてきた 伝統ある企業には、ある共通のバックボーンがあることに め幅広い産業分野において、製品の性能向上、省資源、 省エネルギー、環境負荷低減に大きく貢献しています。 思い至ります。それは、どんな時代にあっても常に社会の また、大量のエネルギーを消費する装置産業であること 負託に応え、信頼を得てきているということです。逆に歴 を常に認識し、地球温暖化対策、大気・水質環境保全対 史ある著名な企業でも、不祥事を起こしてひとたび信頼を 策、化学物質排出低減、リサイクル、環境負荷低減型製品 失えば、長年の実績も烏有に帰してしまうのは自明の理で やシステムの開発、工場緑化など多様な側面から地球環 す。長く健全な経営を続け発展してきた企業が、営利事業 境保全対策に積極的な投資を行っています。 のレベルを越えた公共性を帯びるのは自然の流れであり、 当社は直接的な環境支援活動や文化支援活動にも長 それが今日、企業活動のグローバル・スタンダードと目され 年取り組んでおりますが、最近では、ラムサール条約登録 るようになったCSR(Corporate Social Responsibility=企 湿地として指定された人類の貴重な環境資産である北海 業の社会的責任) の概念にほかならないと思います。 道クッチャロ湖畔に手付かずの自然林を所有し、この地域 本冊子は、従来の環境報告書をCSR報告書とし、当社 における環境保全活動や環境教育活動への支援を実施 の事業活動の紹介をCSRの視点に照らしながらより発展 しています。当社はご高承のようにハンドボールチームを 的な内容に改め、広く関係各位のご理解を頂きたいと願 擁して永らく日本のトップレベルにあり、スポーツ振興、地 うものです。 域振興にも努め、また、定期的に名演奏家シリーズを開催 CSRの目標は、 「環境」活動と併せて、 「人と社会」にいか するなど、種々の文化支援にも力を注いでいます。お子さ に貢献するかということに尽きると思います。人とは、お客 んを対象とした展覧会やフェスティバルの開催などを通じ 様、消費者、従業員、株主、取引先、地域住民など企業に た明るいコミュニティーづくり、アミューズメント施設、大同 関わるすべての人々 (いわゆるステークホールダー) であり、 工業大学・大同高等学校、大同病院・だいどうクリニックの 環境とは、人類を永続的に受容しうる 「地球環境」のことで 支援により地域の振興や人々のふれあいの輪を広げるな す。私ども大同特殊鋼株式会社は「モノづくりを通じて、人 ど、地域社会に密着した活動においても、長年に亘って絶 と社会に貢献し、モノづくりの中で高度の資源リサイクルと えざる努力を続けています。 ゼロエミッションを追求し地球環境の保全に貢献する」 こと を経営の原点に据えています。 当社の創業は、電気エネルギー開発の黎明期、余剰電 力を活用し鉄スクラップを鋼製品に再生する電気炉製鋼 当社は、将来に亘って、事業活動そのものは勿論のこと、 本業を離れた幅広い分野に及ぶ「環境、人・社会への貢 献」に努力して参ります。一層のご理解とご支援を賜れば 誠に幸いでございます。 から始まっており、生まれながらにして資源・エネルギーリ 2 大同特殊鋼グループのCSRの考え方 大同特殊鋼グループの CSRの考え方 大同特殊鋼は素材メーカーであり、 多量の原料を膨大なエネルギーを投入して 製品に転換する工程で、 排ガス、排熱、副産物の排出等をともなう 生産システムで成り立っています。 従って当社のCSRにおける最優先課題は 環境負荷の低減であると認識し、 これを主軸にCSRへの取組みをまとめました。 基本理念 大同特殊鋼グループは、21世紀社会への貢献 を謳った経営理念に基づき、長期的かつグロー バルな視点に立って、すべの事業活動において 環境の保全と循環型社会の発展との調和に努 社会 め、「環境調和型社会の構築」と「地球規模の環 境保全」に貢献します。 地域社会 地球環境 大同特殊鋼 基本方針 1. 事業活動の全段階における 環境負荷低減と環境の保全 従業員 産業 ・環境関連法規制の遵守と迅速な対応 ・省エネ・燃転・グリーン物流・緑化による 地球温暖化対策の推進 ・省資源・ゼロエミッションの推進による 循環型社会構築への参画 ・CSR調達の推進 ・生態系との調和 ・エコファクトリーの確立 2. エコ製品・環境エンジニアリングおよび サービスによる社会貢献 ・環境貢献型製品・環境設備の開発、提供 ・環境ビジネスの推進 ・省エネ技術移転の推進 3. エココミュニケーションの推進 ・地域共生・エココミュニケーション活動の展開 ・環境情報の提供、公開 ・人材育成、環境・コンプライアンス教育の充実 ・環境連結経営の推進 3 DAIDO STEEL 大同CSRトピックス DAIDO CSR TOPICS Environment 当社は、北海道浜頓別町クッチャ ロ湖のほとりに半世紀にわたって、自 然林をそのままの姿で維持・保全し ています。クッチャロ湖は自然環境に 恵まれた北海道でも屈指の秘境で、 ラムサール条約(水鳥の貴重な生息 地である湿地を保護する国際条約 で、1971年イランのラムサールで採択 大同CSRトピックス された) の認定湿地です。当社では 環境活動を通じて どう」 と名づけて環境シンボルに位 この森を「クッチャロ 自然の森だい 浜頓別自然愛護活動 置づけ、本業の活動とは別に社会貢 献活動の一つとして2005年から「浜 頓別プロジェクト」 を発足させました。 クッチャロ湖保全活動 「クッチャロ 自然の森だいどう」には直 径5mもあろうかという樹齢数百年の巨木 が生い茂り、天然記念物の絶滅危惧種オ ジロワシが冬の渡り鳥であるにもかかわら ず通年見られるという貴重な環境が残さ れています。この森を環境メッセージの発 信基地として、自然愛護啓発運動を2005 年より開始しました。 環境教育活動 自らの事業活動に直接関係のない領域 で、地球環境という高次の環境問題の教 育啓発に関わることもこれからの企業にと って大切な姿勢です。当社はまずは地域 の人々、当社従業員とその家族に始まり、 やがてあらゆる人々に及ぶ環境マインドの 啓発を今後の主要な取組みの一つとして 力を注いでまいります。クッチャロ湖保全 活動をその契機と考えています。 環境林造営活動 本業に関わる領域ではもちろん、長年にわたって地域の環境保全と美化を目指す工 場緑化に力を注いできています。知多工場は当初からグリーンゾーンを工場レイアウト の主要なコンセプトとして設計され、モデル工場として評価されているばかりでなく、工 場周辺の植林造営も積極的に推進し、現在では外縁の自然林と一体化して生態系を 育むまでに至っています。また、設備の更新などで生じたスペースの余裕は最優先で 緑化に振り向けるなど、環境林の造営に高い意識を持って取組んでいます。 4 DAIDO CSR TOPICS Culture 「名演奏家シリーズ」は、CBC(中 大同CSRトピックス 部日本放送株式会社) の企画・主催 文化を通じて により1987年にスタートし、1991年か ら当社が単独協賛し、毎年継続し 名演奏家シリーズ て開催してまいりました。 「名演奏家シリーズ」は、室内楽専 用の小ホールでの一流アーティスト による演奏、親しみやすい演目の設 2005年の名演奏家 シリーズ 定、 トークタイムを設けて出演者との 一体感を盛り上げるなどクラシック 2005年も、著名なアーティストをお招き 音楽に身近に親しんでいただけるよ し、クラシックファンのみならず広く一般の う工夫を凝らしています。現在では 方々にも楽しんでいただける内容の公演 とし、好評を博しました。当社は、こうした 音楽愛好家のみならず地域の人々 活動を通じて感動と刺激を提供し、地域 に幅広く愛されています。 の文化振興の支援に努めてまいります。 10 11 10 27 11 29 電気文化会館 ザ・コンサートホール 電気文化会館 ザ・コンサートホール しらかわホール 飯田みち代 木村 大 月 日 (火)19:00 (いいだ みちよ) 月 日 (木)19:00 (きむら だい) ソプラノ・ リサイタル ギター・ リサイタル 名古屋出身のソプラノ。今オペ ラ界で最も注目されている一 人。 「女の愛と生涯」 をコンサー トのテーマに、彼女の声の力 が存分に発揮される。 1997年、17歳でCDデビュー。 クラシック音楽界に旋風を巻 き起こした木村が、英国留学 を経て3年半ぶりの単独リサイ タル。 5 DAIDO STEEL 月 日 (火)19:00 横山幸雄 (よこやま ゆきお) & 錦織 健 (にしきおり けん) 【ピアノ&語り】 ショパン、私の 美しきライバル 天使派ショパン、悪魔派リスト。 そんな19世紀パリの社交界を 彩った美しい男性二人の世界 が、今このステージに甦る!リ ストに扮する錦織が、横山のピ アノの調べにのせて、素晴らし きライバル、ショパンの人生を 語る。 12 14 月 日 (水)19:00 電気文化会館 ザ・コンサートホール 安永 徹 (やすなが とおる) & 市野あゆみ (いちの あゆみ) 【ヴァイオリン&ピアノ】 デュオコンサート の夕べ 名門ベルリンフィルのコンサー トマスターを務めるヴァイオリ ニスト、安永。世界的奏者が、 夫人の市野とともに魅せる精 緻なアンサンブル。 大同CSRトピックス DAIDO CSR TOPICS Sports 大同CSRトピックス スポーツを通じて ハンドボール 他 ハンドボールは大同特殊鋼の社技 ともいえるスポーツで、当社は古くか ハンドボール振興 らこの種目に力を入れ、みずから実 フェニックス日本一 業団チームの強豪として活躍すると ハンドボールが日本に紹介されたのは 同時に、ハンドボール界の振興に貢 1922年のこと。歴史が古い割には地味な 献しています。今年、当社ハンドボー スポーツですが、当社は早くからクラブチ ル部「フェニックス」は第30回の日本 ームを組織して日本リーグによる国内リー リーグで9年ぶり10回目の優勝を遂 グ戦や国際競技会、オリンピックへの参加 げました。 など、中心的存在としてその普及、振興を リードしています。 地域貢献 当社ハンドボール部OBが中心となって、 東海ハンドボールスクールを開校し、小学生 から一般市民にいたるまでの希望者に指導 を行い、草の根からのハンドボール振興に 努めています。 また一般の方々に体育館・グランドを開放 し、剣道、バレーボール、バドミントン、卓球、 野球、ソフトボール等々の練習や試合にご利 用いただいて、地域のスポーツ振興や市民 交流を支援しています。 6 社会への責任 Responsibility for Society コーポレート・ガバナンス の状況 社会的責任を果たすことが企業評価 当社では、変化の激しい経営環 ズアップされています。社会の持続 境に対応すべく、コーポレート・ 的な発展を維持していくために、環 ガバナンスを経営の最重要課題 のひとつと認識し、経営の効率 化・意思決定の迅速化および経営 の重要な基準として世界的にクロー 境への配慮、社会問題解決への参画 など経済活動を超えた役割が企業に の透明性の確保に向けた取組み 強く求められているのです。そのため を行っています。 にはモラルを堅持し、情報開示に努 また、社会に貢献する企業とし めて経営の透明性を高め、従業員が て の 責 任 を 明 確 に する た め に 、 安心して働ける環境をつくるなどの 「危機管理・倫理法令順守委員会」 を設置するとともに、 「大同特殊 鋼企業倫理憲章」を制定しており 幅広い取組みが必要です。当社は、 企業倫理憲章の制定、行動基準の明 ます。社会に開かれた企業として 文化などを通じて全社に社会的責任 の基盤の整備に努めてまいりま への指針を周知徹底させています。 す。 リスク管理体制の 整備の状況 当社では、コンプライアンス重 視の経営を実践するとともに、当 社グループにおいて近い将来予 想されるリスクおよび潜在的リス クを排除、防止するための審議、 ならびに、突発的危機発生による 対外的影響を最小限にするため の対応策の協議の場として、 「危機 管理・倫理法令順守委員会」を設 置しております。 また、コンプライアンス担当役 員の選任を行うとともに、コンプ ライアンス担当役員および総務 プ全体としてのリスク管理体制の 部ならびに社外の弁護士へのホ 一層の強化に努めております。 ットラインを設置しております。 なお、本年4月1日施行の「公益 さらに、 「大同特殊鋼企業倫理憲 通報者保護法」への対応につきま 章」および「大同特殊鋼の行動基 しては、全社体制を整え、ホット 準」を制定し、全従業員とグルー ラインを増設し、あわせて社則の プ各社への周知徹底を行うととも 制 定・改 正 を 行 い ました 。ま た に、グループ会社を含めた潜在的 「大同特殊鋼の行動基準」を改め 経営リスクの洗い直しと対応策の て全社員へ配布し、教育啓発活動 検討を実施しており、当社グルー の準備を進めております。 7 DAIDO STEEL 社会への責任 Responsibility for Society 地球上には多くの開発途上地域 おも維持するには、省資源、省エネ があり、21世紀はこれらの地域の ルギーが不可欠です。そこで、当 工業化やインフラ整備が加速度的 社は資源、エネルギーを繰り返し に進み、資源・エネルギー消費の 使用する循環型社会へのアプロー 絶対量は増大し続けるでしょう。こ チを製造業における社会的責任の れに対処して持続可能な成長をな 原点に位置づけます。 循環型社会を目指す 持続可能な発展を 見据えて ゼロエミッション 当社が原材料として使用する鉄ス クラップは、それ自体リサイクル資 源です。出発点からして循環型の生 産システムが備わっているといえま しょう。 リサイクルとは、言い換えれば最 終廃棄物の量をいかに減らすかと いう技術でもありますが、当社は 2003年に製鋼副産物を再生活用 し埋立て処分量を限りなくゼロに近 づけようというゼロエミッション計 画を策定、現在、この目標はほぼ達 成されています。 8 Responsibility for Society より進化した製品や技術の開発 燃料電池材料、環境分析技術とい は、モノづくりに携わる企業がまず った新分野でも、将来を見据えて 担うべき社会的使命です。当社は、 多岐にわたる開発テーマと取り組 主力製品である特殊鋼はもとより、 んでいます。 産業技術への貢献 区分 開発テーマ 高寿命化 概要 高強度化、疲労強度向上による 高寿命材料の開発 燃料電池用新素材 「ナノクラッド」 自動車の環境にやさしい次世代動力 システムとして注目の燃料電池。当社 ではその重要部品のひとつである金属 軽量化 小型軽量化を狙った高強度材料の開発 セパレータ用に、世界最高水準の高性 能を発揮する新素材「ナノクラッド(商 品名) 」の開発に成功、月産10トン規模 工程省略 新型快削鋼の開発および適用拡大 熱処理シミュレーション技術の精度向上 非調質鋼の用途拡大 鋼材 の製造設備を新設して、工業生産体制 に入っています。 ナノクラッドは固体高分子型燃料電池 用の金属セパレータで、高度の耐食性 有害物レス 非鉛系超快削鋼の開発 と導電性の両立を可能にしました。そ の耐食性・導電性は、従来材料である ステンレス鋼・カーボンに比べ、それぞ 環境保全 新材料 新分野 高磁力、高耐熱性、高耐食性の磁石の開発 高磁束密度かつ低損失の 軟磁性材料の開発 燃料電池 燃料電池用高性能セパレータの開発 チタン 環境分析 れ100倍および30倍に達します。 高窒素鋼の量産技術の開発 結晶粒微細化技術により鉄鋼の 特性を向上 磁性材料 マグネシウム 9 DAIDO STEEL 高強度低廉タービンホイール用合金の開発 蒸気タービンディスク用の低膨張合金の開発 新チタン溶解炉の開発 成形性改善と高強度化を目指した 組織制御圧延技術の開発 マグネシウム合金の溶解製造方法の確立 フッ素量評価技術の精度向上 ナノクラッド 社会への責任 環境特性に優れた非鉛快削 ステンレス鋼「TICS」 これは、環境に好ましくない鉛の含有 を排除した新しいタイプの快削ステンレ ス鋼で、当社、東北大学、産業技術総合 研究所、東北特殊鋼株式会社の共同開発 による画期的な材料です。2005年には、 この開発に携わった研究者が社団法人発 Ti炭硫化物 50μm TICS (ミクロ写真) 明協会から「21世紀発明奨励賞」を受賞 しています。 TICSの特徴は、チタン、炭素、硫黄を バランスよく添加することによって鋼中 MnS にチタン炭硫化物を生成させた点にあり ます。チタン炭硫化物は鋼中に微細に分 散するので優れた切削性が得られ、化学 的に安定であるところから耐食性にも優 れています。 50μm SUS430F (ミクロ写真) 電動パワーステアリング用 モータ磁石 大同特殊鋼グループでは、ネオジウム EPSモータ ―鉄―ボロン系磁石(ラジアル異方性リ 電動パワーステアリングモータ ング磁石)の開発を進めており、その中 で新加工法の採用による磁石性能の向 上、着磁の最適化を行い、自動車の電動 パワーステアリング用モータの性能進化 を目指しています。 電動パワーステアリングは、従来の油 磁石 コイル 圧式に比べて環境にやさしく、また、3∼ 5%程度の燃費低減が見込まれます。油 圧式は配管内に常時作動油を循環させる 必要がありますが、電動式では環境負荷 ステータ 要素の作動油が不要であり、その分エネ ルギー消費が抑えられます。 今後、パワーステアリングは油圧式か ら電動式へと転換していくものと期待さ れます。 ステータ 10 地球環境への責任 Responsibility for Global Environment 原材料等の資源をインプットし、これにエネルギーを加えて鉄鋼製品としてアウトプットするま でのあらゆるプロセスにおいて、当社は環境負荷の低減に最大限の努力を傾注しています。鉄 スクラップを主体に原料の90%がリサイクル品であることは、起点からの環境保全型の生産 システムといえます。製造工程の排ガスにおいては、燃料転換や燃料原単位改善を推し進め、 きわめて大幅な排出削減を実現しています。製品のかたわら 発生する副産物についても、社内リサイクルや路盤材などの外 販再生品としてトータルでその約95%を有効活用しています。 エネルギー ユーティリティー 電力 1.780TWh 燃料(原油換算)29.2万kl 酸素 9,290万Nm 主原料 鉄スクラップ 146.8万トン 合金類 12.8万トン 社内リサイクル 43.5万トン 鉄スクラップ 工業用水 窒素 アルゴン 3 大気放出 2,398万m 5,100万m 650万m CO 2 SO X NO X 3 3 3 副原料 石灰 7.6万トン 還元材 5.2万トン 社内リサイクル 20.6万トン 資材 レンガ類 3.6万トン 電極 0.6万トン 社内リサイクル 2.1万トン 溶解 精錬 製鋼工程 連続鋳造 加熱 分塊圧延 分塊圧延工程 加熱 副産物 社内発生 スクラップ 排水 43.5万トン 有効活用量 45.4万トン 製鋼スラグ、 スケールレンガなど リサイクル製品 スラグ路盤材 亜鉛原料 11 DAIDO STEEL 製品圧延 製品圧延工程 29.4万トン 1.2万トン 未活用副産物 スラジ、 レンガなど 4.7万トン 放流量 2,331万m 3 最終処分場 ※ CO2:工場で使用するエネルギーから炭素トンに換算 SOX:工場で使用している燃料中のS分をSO2に換算 NOX:排ガスサンプリングからNO2に換算 地球環境への責任 当社は環境負荷物質を発生源で 抑制するための各種設備の導入や 技術開発を行い、これに投じたコス Responsibility for Global Environment トに見合う効果を上げています。 環境負荷低減への取組み 北均熱炉燃料ガス転換 No.1ボイラ燃料ガス転換 2600tプレス用「高恒温リジェネ炉」の導入 環境関連対策投資累積金額と主な投資内容 知多工場 各集塵装置設備 エコタウン関係 星崎工場 コージェネレーション設備 渋川工場 知多工場 スカイハウス設置 集塵装置更新 星崎工場 排水中窒素低減対策 局所集塵設置 (酸洗ライン更新) 知多工場加熱炉 リジェネバーナ導入 知多工場 電気炉ダスト処理施設建設(DSM) 知多工場 フロン代替洗浄設備の導入 億円 500 400 知多工場 排水処理設備遠隔監視化 37.2万炭素トン 237トン 480トン 知多工場No.2連続鋳造建設 知多工場建屋集じん増強 星崎工場 連続鋳造建設 300 知多工場電気炉 スカイハウス設置 知多工場 廃熱ボイラー設置 知多工場No.1 連続鋳造建設 200 100 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 0 環境保全投資 製品 特殊鋼鋼材 電子部品 自動車部品 産業機械部品 155.7万トン 環境保全のために、多年にわたっ ネ設備の導入といった対策を継続実 て、集じん装置の導入、SOX、NOX低 施し、その累積投資額は2005年で 減のための燃料転換、歩留まり向上 482億円に及んでいます。最近では と工程省略を可能にする連続鋳造設 局所集じん装置の新設、建屋集じん 備の導入、排水中の窒素低減技術の 能力の増強に力を入れ、さらなる大 導入、リジェネ化、コジェネ化等省エ 気汚染対策の強化をめざしています。 (2005年実績) 環境保全コスト 2003∼2005年において 環境保全コスト (単位:百万円) 環境保全コストの分類 主な内容 03年度 04年度 05年度 3,603 3,737 4,052 522 735 1,163 環境マネジメントのための諸活動 341 298 310 960 1,730 1,964 37 33 29 535 313 454 5,997 6,846 7,973 投資した環境保全対策コスト 1. 事業エリア内コスト *3 環境負荷抑制活動 とその効果を環境省のガイド 2. 上・下流コスト 燃料転換によるコスト差 ラインに従って定量化し、以下 3. 管理活動コスト のような結果が得られました。 金 額 4. 研究開発コスト 研究開発活動 5. 社会活動コスト 自然保護、緑化、美化活動 6. 環境損傷コスト *1、 *2 汚染賦課金 合 計 *1:03, 04年度王子工場土壌油汚染による修復費 *2:05年度地質調査費6,700万円含む *3:石綿処理コスト500万円含む 効果 効 果 副産物リサイクル 埋立抑制 合 計 03年度 764 金 額 04年度 635 (単位:百万円) 05年度 773 446 414 487 1,210 1,049 1,260 12 地球温暖化が地球の営みを狂 体制を確立して地球温暖化対策に わせ、人類の将来すら危うくしてい Responsibility for Global Environment 貢献してまいりました。 ます。産業活動の急速な拡大がも そのガイドラインとなったのが日本 たらしたこの事態に対して、産業自 鉄鋼連盟が中心となってまとめた自 体が責任の一端を負わなければな 主行動計画で、当社はこれに沿っ りません。日本の鉄鋼業は早くから た設備や操業の改善、技術の開発 石油系エネルギーの削減、廃熱回 を推し進めて着実に成果を上げて 収、操業技術改善などに取り組み、 います。 世界最高水準の省エネルギー生産 地球温暖化対策 省エネルギー対策への 重点投資 当社は、1995年から2005年の11 省エネルギー対策累計投資額(1995年以降) 60 50 年間で、累計60億円を省エネルギー対 策に投資しています。これにより回転炉 40 床式炉の改善、均熱炉の廃熱回収装置の 改善をはじめ、最近では、CO 2 排出低減 30 に有効な燃料転換、セルフリジェネバー な取り組みを実施しています。 10 0 二酸化炭素(CO2)排出量と エネルギー原単位削減への 取組み 95 96 ます。2005年のCO2排出量は生産量の 増加、新設備の稼動などを受けて前年よ りやや増加してはいますが、1990年比 では約0.6%の減少となっています。 エネルギー原単位については、環境保 99 00 01 02 03 04 05 1000 2000 CO2排出量(千t-CO2/年) (1990年実績比)の低減を目標としてい 98 エネルギー原単位と二酸化炭素排出量の推移 900 CO2排出量 CO2原単位 当社は、2008年以降2012年までの 5 年 間 で 、C O 2 の 平 均 排 出 量 1 0 % 97 800 1500 700 600 500 1000 400 300 500 200 全対策や製品の高付加価値化、リサイク ルの推進などが影響し、1990年比では 2.6%の増加となっていますが、前年よ りは約2%減少しています。積極的な省 エネルギー投資が増エネルギー要因を抑 制して増加傾向に歯止めをかけており、 近い将来における数値目標の達成を期し ております。 13 DAIDO STEEL 100 0 90 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 10 0 -CO2/生産量t) など、地球温暖化防止に向けてさまざま 20 CO2原単位( ナーの導入による燃料使用量の大幅削減 地球環境への責任 ●鍛造台車式加熱炉の改善(渋川工場) 台車式加熱炉は、台車上に鍛造母材を積載 し炉内装入、抽出を行うバッチ式の加熱炉で す。この排熱回収装置に鍛造業界としては初 のリジェネバーナーシステムを95年に導入し、 現在までに6基分の改善を実施し燃料使用量 を40%削減しました。 ●均熱炉の廃熱回収装置の改善 (知多工場) バーナー 火炎 燃焼空気 500℃ 熱交換器 500℃ 燃焼空気 均熱炉 知多工場では廃熱回収の効率向上のため 排ガス(入) 850℃ に熱交換器の更新、材質変更による高温耐久 20℃ 外気 排ガス (出) 550℃ 性の改善、熱膨張代へのダスト侵入の防止、 侵入ダスト清掃窓の新設といった一連の改善 ブロア外気:20℃ を実施し、高効率化とコンパクト化を実現しま 排ガス 出口 550℃ 排ガス 入口 850℃ した。またこれにより設備性能の持続性を確 保しました。 熱交換器概要図 ●取鍋予熱装置の リジェネバーナー導入(知多工場) エネルギーをより効率的に使用するために、 ロス削減に着眼し、改善として燃料設備の廃 蓄熱体 連続回転 外気エア 20℃ 燃焼エア 850℃ 今回導入した シングル型 リジェネバーナー 外気エア 排ガス 熱回収に取り組んでいます。 製鋼工場にある取鍋予熱装置はこれまで大 きな改善は着手されておらず燃焼ロスが大きい 排ガス (出) 150℃ 状態であり、燃焼方法や廃熱回収といった改 蓄熱体 排ガス (入) 1000℃ 排ガス 燃焼エア 善に余地がある状況でした。 そこで、セルフリジェネバーナーの導入を図り ました。今回導入したセルフリジェネバーナーは リジェネ熱交換概要図 取鍋 シングル型であり、従来の2台1組のツイン型よ りコンパクトとなっており小スペースでの設置が 可能となりました。蓄熱体は一体型で、ゆっくり 取鍋予熱装置 リジェネ概要 回転する機構を有しており、蓄熱体を通過する 空気の流路を排ガスの通過する流路が少しず つ切り替わり連続して熱交換することにより燃 料を削減する省エネ設備です。その結果、従来 よりも、燃料使用量を約20%削減しています。 ●燃料転換(星崎工場) 星崎工場では、棒鋼圧延・加熱炉運転エネ ルギーの都市ガス化、棒鋼用多目的熱処理炉 導入による重油焚き熱処理炉の廃止により、 2006年6月に重油燃料の全廃を実現しました。 これにより星崎工場全体でCO 2 排出量を約 3%削減しました。不要になった重油タンク跡 地は緑化して環境保護に役立てています。 14 運輸面でのCO2排出削減 2005年における日本のCO2排出量は1990年の実績に比べると8.1%も増加し ています。運輸や生活分野での増加がその主な要因とされています。重工業には重 量物の運輸が不可分なので、当社は積極的にモーダルシフトやそれをサポートする 施設の改善を推進して環境への貢献に努力を注いでいます。 ●モーダルシフト 出荷量の増大により、当社の運輸面での CO2排出の絶対量は対2001年比4.3%の増加 となっていますが、CO 2 排出原単位は同年比 10.3.%の大幅減を示しています。これは当社 が進めてきたモーダルシフトの成果です。CO2 排出原単位はトラックを使用した場合に対し船 では78%、鉄道では87%も削減され、モーダ ルシフトがきわめて有効であることを裏付けて います。 当社では、今後もトラック輸送から船舶・鉄 運輸部門の二酸化炭素排出量と原単位 千t-CO2/年 120 kg-CO2/トンキロ 130 100 二 酸 80 化 炭 素 60 排 出 40 量 CO2排出量 CO2排出原単位 二 120 酸 化 炭 素 110 排 出 原 100 単 位 20 0 90 01年 02年 03年 04年 05年 08年 道へのモーダルシフトをより積極的に推進して まいります。 輸送機関別の二酸化炭素排出量比較 g-CO2/トンキロ 200 150 ▲78% 100 ▲87% 50 0 トラック 船 貨車 ●物流施設の改善 雨天でも船による鋼材出荷ができるよう全 天候バースを建造し、現在では自社製品輸送 の26%を効率の高い船舶輸送をまかなってい ます。また陸上輸送も鉄道へのシフトを積極的 に推進しています。最近の例では2003年に名 古屋地区の工場から新潟県の倉庫向け鋼材 輸送(3万t/年) を、2006年には同工場から秋田 地区向け (1万t/年) および新潟地区向け (2.4万 t/年) をそれぞれトレーラーから鉄道に全面転換 鉄道輸送でCO 2 の排出原単位 87%削減 いたしました。 ●エコドライブの実施 トラック輸送では、きめ細かなエコドライブを 指導し、人と環境にやさしい安全・低エミッショ ン運転を徹底させるよう努めています。 1.スピードの抑制:100km/h→80km/hで20% 燃費削減 2.急発進・加速をしない:20%以上の燃費削減 3.エンジンブレーキやエキゾーストブレーキを使 用した惰力走行の推奨:燃料消費を抑える 4.早めのシフトアップ・遅めのシフトダウン: 15%の燃費削減 5.加速・減速の繰り返しを控える:燃費削減 6.タイヤ空気圧のこまめな点検:規定値より 20%低いと8%燃費悪化 7.アイドリングストップ 15 DAIDO STEEL 列車・トラックに共用可能の鋼材 専用トレーラ 地球環境への責任 空気と水は、自然環境の基本で あり、当社は最優先の環境対策と Responsibility for Global Environment してその保全に取り組んでいます。 大気・水質環境保全対策 大気環境保全 大気汚染物質の主要なものは硫黄酸化 と窒素酸化物(NOX)で、当社で 物(SOX) はその低減に努めています。SOXについ ては硫黄含有量の少ないタイプの石油燃 料や天然ガスへの転換に努めた結果、排 出量は1990年当時に比べて半減しまし た。 硫黄酸化物の排出量推移(SO2換算) トン/年 1000 知多工場 星崎工場 渋川工場 築地テク 川崎工場 王子工場 800 600 400 200 NOXについては、低NOXバーナーの開 0 発、燃焼改善、脱硫装置および重油の水 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 蒸気アトマイズ導入など各種の対策を実 施し、近年の生産量増大にもかかわらず、 排出量の増加傾向を低レベルに抑制して います。 窒素酸化物の排出量推移(NO2換算) トン/年 1000 知多工場 星崎工場 渋川工場 築地テク 川崎工場 王子工場 800 600 400 200 0 90 水質環境保全 熱作業を多くともなう鉄鋼生産では冷 91 92 93 94 95 96 97 00 01 02 03 04 05 mg/l 15 ■ COD COD規制値:20mg/l ■ SS て繰り返し再利用し、工場外への排出を SS規制値:30mg/l 10 極力抑えており、水の循環率は知多工場 中窒素低減の新技術を含む浄化処理の 99 化学的酸素要求量(COD)と浮遊物質濃度(SS)の推移(知多工場) 却水を大量に使用します。これを処理し では95%にも及んでいます。排水は水 98 濃 度 5 後、モニターで常時厳重に水質を監視し ています。主要な測定データについては、 所定の監督官庁に送信しています。 0 97 98 99 00 01 02 03 04 05 16 化学物質の排出低減 Responsibility for Global Environment 化学物質の管理 「特定化学物質の環境への排出量の把 過去6年間にわたる当社の実績推移と 握等及び管理の改善の促進に関する法 2005年度単年の実績はグラフおよび表 律」 ( PRTR法)を順守し、当社では社団 に示す通りです。大気への排出量、外へ 法人日本鉄鋼連盟作成のマニュアルに従 の移動量ともに確実に低減しており、移 って、化学物質の排出量、移動量を把握 動量削減については2008年目標でゼ し、毎年行政当局への届け出を行ってい ロエミッションに向かって限りない努力 ます。 を続けています。 2005年度届出化学物質(当社工場で5t以上取り扱っている物質を対象) 政令番号 1 物質名 亜鉛の 水溶性 化合物 1.大気 排 2.公共用水 出 量 3.土壌 4.自所内埋立 移 1.下水道 動 量 2.所外埋立 68 100 145 179 単位:t/年(ダイオキシンはg-TEQ/年) 230 クロム コバルト ジクロロ ダイオ キシン類 及び3価 及びその メタン 化合物 化合物 232 鉛及び 化合物 283 311 346 ニッケル フッ化 マンガン モリブ 化合物 水素及び 及び デン及び 水溶性塩 化合物 化合物 計 0 0.01 0 6 0.82 0.07 0.01 0 0.01 0 6 0.18 0.02 0 0 0.021 0.03 1.5 19 3.3 0.08 24 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 381 2.4 0 0 77 107 0 233 10 810 化学物質の排出・移動量の 低減推移 排 出 量 ジクロロメタン(大気への排出) クロム及び3価クロム(外への移動量) トン/年 トン/年 50 40 30 20 10 0 移 動 量 00 01 02 03 04 05 1000 800 600 400 200 0 01 02 03 04 05 マンガン及びその化合物(外への移動量) ニッケル化合物(外への移動量) トン/年 トン/年 200 800 移 150 動 100 量 50 移 600 動 400 量 200 0 00 17 DAIDO STEEL 00 01 02 03 04 05 0 00 01 02 03 04 05 地球環境への責任 ダイオキシン類排出の削減 ダイオキシン類排出濃度(知多工場) ng-TEQ/Nm3 1.5 当社は製鋼用電気炉から発生するダイ オキシン類の削減を目指す日本鉄鋼連盟 制定の自主管理計画に参画、製鋼用電気 炉のダイオキシン類排出量は2002年 12月から既設炉に適用されるようにな った排出基準値を大幅に下回って推移し ており、2004年度末には1996年比で 約65%の排出量削減を達成いたしまし 1.0 濃 度 0.5 た。さらに2005年には前年の約2分の 1というきわめて低いレベルに到達して います。 また2002年度以降は電気炉からの直 0 電気炉 建屋集塵 98 99 00 01 02 03 04 05 接排出量把握に加えて電気炉建屋集塵か らの排出濃度の測定も開始し、ダブルチ ェックによる管理効果の徹底を図ってい ます。 PCB管理 「化学物質の審査及び製造に関する法 PCB含有トランス、 コンデンサーの保有台数 工 場 個 数 律」 (1972年制定・施行)に従って、当社 知多工場 665 ではPCBを含有するすべてのトランスお 星崎工場 83 よびコンデンサーの管理システムを整 渋川工場 36 え、管理台帳による関連会社をも含めた 築地テクノセンター 厳密な保管管理を実施しています。 川崎工場 24 王子工場 9 関連会社 207 9 計量証明事業登録証 PCB含有トランス、コンデンサーの 保管状況(星崎工場) 18 Responsibility for Global Environment 水や大気の汚染、森林伐採、砂 副産物の埋立て処分量を1990年 漠化などが集中的に同時進行し、 における実績の5%未満に削減す 今、危機に瀕している地球環境。 るプロジェクト 「ゼロエミッション」を 有効な対策のひとつとして先進諸 策定し、種々のリサイクル技術の導 国が目指しているのが循環型社会 入・開発に取り組んでいます。 へのシフトです。当社では2003年、 循環型社会を目指す取組み 副産物のリサイクル 当社において、電気炉製鋼に伴って発 リサイクル率と埋立量の推移 千トン/年 140 % 100 生する副産物は、社内発生スクラップ44 120 万トン/年(全量リサイクル)と製鋼スラ グ等50万トン/年(有効活用量45万ト ン、未活用量5万トン)です。これまで、 種 々 のリサイクル 技 術 開 発 に 取 組 み 、 05年度のリサイクル率は95%まで向上 してきました。残りの未活用副産物につ いても有効利用を推進しています。 ダストはDSMで処理していますが、 DSMで処理できないものが一部ありま す。これは、現在推進中のペレタイザー でスケールに混ぜてペレット化し全量電 埋 立 量 100 90 80 60 80 リ サ イ ク ル 率 40 20 0 70 90 95 00 01 02 03 04 05 埋立量 気炉へ装入する計画です。 06 07 08 リサイクル率 スラジ に つ い て は 、D S R 炉 に よ る 100%リサイクル化を目指しています。 副産物の発生量内訳 未活用副産物発生量内訳 スラジ 2% その他 1% その他15% レンガ 0% レンガ 4% ダスト 6% スラジ38% スケール 17% スケール 22% 製鋼スラグ 65% ダスト 30% 05年度有効活用副産物内訳 (除社内発生スクラップ) 45.4万トン/年 19 DAIDO STEEL 05年度未活用副産物内訳 4.7万トン/年 地球環境への責任 製鋼スラグのリサイクル 道路建設用の路盤材として使用されて 製鋼スラグ資源化量の推移 30 万トン/年 きた製鋼スラグは、平成12年制定のグ リーン購入法によって調達品目に選定さ れてさらに普及し、インフラ構築に欠か 25 20 せない資材として広く有効利用されてい ます。 15 10 5 0 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 土質改良材 路盤材 廃レンガのリサイクル 廃レンガリサイクルのポイントは、い かに収集効率を高めるかにかかっていま す。当社では移動式ふるいやトロンメル (回転ふるい)をフル活用し、収集範囲を ふるい下にまで広げ、2003年以降、リ サイクル率を80%以上にまで引き上げ ました。 レンガのリサイクルに効果を発揮 トロンメル 廃レンガリサイクル率推移 % 100 80 リ サ イ 60 ク ル 率 40 20 0 98 99 00 01 02 03 04 05 06/4 5 6 7 8 9 10 20 ダスト、スラッジのリサイクル これまで特殊鋼製鋼工程で発生するダ 県内鉄鋼各社のダスト、スラッジを処理 スト、スラッジは大部分が回収後、産業廃 して最終処分量4万3千トンに削減、ニッ 棄物として埋立て処分されていました ケル回収量160万トンを目指していま が、当社ではこれをリサイクルする技術 す。いずれはめっきメーカー等からのス の開発と取組み、最終的にDSR設備とし ラッジも受け入れ、地域全体の廃棄物リ て完成いたしました。これによって愛知 サイクルに貢献する計画です。 画期的なDSR設備 1996年、知多工場では、それまで廃 棄処分されていた粉体ダストを高温火炎 中に吹き込み瞬時に溶融する技術を導入 しました。これをベースに粉体乾燥スラ ッジを溶融して酸化物とし、これを還元 してニッケル等の含有率を高めた合金を 回収する技術の開発に成功しました。こ れがDSR(Daido Special Recycling リサイクルのエースDSR設備 Process for Direct & Smelting Reduction)設備です。回収された合金 は特殊鋼原料として再利用され、合金以 外の成分は溶融スラグとして高品質な路 盤材へとリサイクルするというきわめて 効率の高い設備です。 模式図 原料受入 乾燥 粉体溶融還元処理 Pre-treatment of sludge Drying Smelting reduction 製 品 Product 粉体分離回収 Screen DSRプロセス 粉体溶融酸素バーナー ※2 Specially designed fuel-oxygen burner スラッジ Sludge ※1 スラッジ乾燥機 ※1 Sludge dryer 廃熱利用 Drying by スラッジ乾燥 exhaust gas ※2 Dry sludge Dry sludge, dust 煙突 Stack 乾燥スラッジ 乾燥スラッジ、ばいじん(ダスト) 排ガス処理 Exhaust gas treatment 集塵機 酸性ガス洗浄設備 (脱硫) Dust collector Desulfurization tower 炭 材 Carbon 冷却塔 Cooling tower 高速カーボンインジェクション Carbon injoction 排風機 Blower 骨材 Aggregate 窒素ガス Nitrogen gas ニッケル含有合金 Nickel alloy 21 DAIDO STEEL 撹拌機能 溶融スラグ Equipment for stirring Fused slag 地球環境への責任 Responsibility for Global Environment 製造工程における環境保全の努 製品としての環境貢献要素と考え 力はもとより、製品そのものの属性 られます。当社の主力分野である としても環境貢献度の高い製品・ 自動車用特殊鋼については、後の 設備・製造技術開発を常に目指し 27ページにまとめて詳細に取り上 ています。高品質、長寿命、工程 げてありますが、ここではそれ以外 省略、軽量化、歩留まり向上などが の例をいくつかご紹介します。 環境に貢献する製品・設備・ 製造技術の開発 大断面鋳造機稼動開始 知多工場では年間粗鋼163万トンの 特殊鋼を連続鋳造機2機とインゴット(鋼 塊)鋳造機で生産しています。そのイン ゴットの鋳造機に替わる大断面鋳造機 PHC(Promising Hybrid Caster: 将来有望で多機能の鋳造機)を開発し、 2004年7月に操業を開始しました。 これにより品質向上、歩留向上および CO 2 の排出量削減を図ることができま す。 CO2排出削減に貢献する 大断面鋳造機 知多工場のローラーハース式 STC焼鈍炉 知軸受鋼精密圧延棒鋼の雰囲気熱処理 能力の増強を図るために、STC炉3号機 を増設し、2006年8月から量産を開始 しました。 本焼鈍炉は省エネルギー、省力、歩留 省エネ・省力のローラーハース式 STC焼鈍炉 向上を目的に設置した熱処理炉です。 大型舶用バルブ 当 社 の 舶 用 バ ル ブ は 世 界 シェア の 70%を有し、独自の技術と信頼性によ り世界の海を広く航行しています。これ は渋川工場の大型鍛造機と高速鍛造機の 絶妙なコンビネーション鍛造により実現 できた特性です。 同一素材でありながら表側は耐磨耗 性、裏側は耐高温性という異なった特性 を併せ持つ舶用デイーゼルエンジン排気 バルブです。 耐磨耗・耐高温の 異特性を併せ持つ 大型船用バルブ 22 Responsibility for Global Environment 環境負荷の実態は社会情勢の ンジニアリング事業を展開してまい 変化に伴って変容いたしますが、 りました。そこから生まれた多くの 当社では、長年蓄積してきた操業 新設備や技術が、さまざまなステー 技術と設備技術をベースに、常に ジで環境保全や省エネルギーに貢 時代のニーズを見据えた先進のエ 献しています。 環境に貢献する設備・ エンジニアリングの提供 廃棄物処理装置 アーク式灰溶融システム 酸素バーナ火炎式灰溶融システム 熱分解ガス化システム 製鉄ダスト還元処理システム 電炉ダストリサイクル設備 下水汚泥溶融処理システム 下水汚泥炭化処理システム PCB真空加熱回収システム 大気汚染清浄装置 自動車トンネル用フィルタ式除じん装置 自動車トンネル用電気式除じん装置 バグフィルタ集じん装置 水処理装置 高勾配電磁フィルタ 鉄鋼用循環水処理装置 ボイラー起動排水処理装置 下水処理装置 移動床式生物膜ろ過装置 生活排水処理装置 埋立ゴミ浸出水処理装置 23 DAIDO STEEL 地球環境への責任 当社がこれまでに開発した環境 その代表的なモデルを以下にご紹 貢献システムは、廃棄物処理、大気 介いたします。 汚染浄化、水処理に大別されます。 Responsibility for Global Environment 各方面で活躍する 大同の環境貢献システム 下水汚泥炭化処理システム 下水汚泥を無酸素あるいは低酸素状態 で熱分解し、 「炭素+無機質」 という新しい 組成を持つ炭化製品に再生させるもので、 日本下水道事業団との共同研究により開 発したものです。2001年以来3機が操業 し、2006年12月現在4号機が建設中で す。下水道の整備につれて下水処理場に おける生活排水の処理量が増大し、これが 下水汚泥炭化処理炉外観 下水汚泥という二次廃棄物を増大させて いますが、本設備はその対策モデルとして 今後さらなる貢献が期待されます。 自動車トンネル用電気式除じん装置 これまで実績と経験を積んできたごみ 焼却用電気集じん機の技術を自動車トン ネ ル の 除じん に 転 用した 装 置 を 開 発 、 2003年に1号機、2006年に2号機が 稼動しています。当社はすでに自動車ト ンネル用除じん装置としてフィルタ式の ものを先行開発し、業界トップシェアを 占めていましたが、さらに高効率の集じ ん 装 置 へ の ニ ーズ の 高 まりを 受 け て、 1995年来開発を進めて実用化を果たし たものです。 PCB真空加熱回収システム 排気 メカニカルブースタ 遮断弁 1 当社はトランス、コンデンサ等に付着 真空ポンプ 活性炭 吸着装置 2 したPCB(ポリ塩化ビフェニル)を含む 絶縁油を真空加熱分離方式で除去・回収 3次凝縮器 窒素ガス 凝縮油 受器 1次凝縮器 2次凝縮器 する技術を開発いたしました。これは愛 知電機株式会社との共同開発によるもの で、2016年7月までにPCB廃棄物の無 害化を義務づける特別措置法により認定 真空加熱炉 : 真空排気 窒素循環ブロア 冷却装置 : 循環冷却 されるものです。 24 Responsibility for Global Environment 当社では、工場をはじめとする 高い設備については重点的に点検 全設備とその操業について、環境 管理を行い、環境マネジメントの充 への影響を抑えるよう日常的に厳し 実に努めています。 く監視しています。特に影響度の 環境マネジメントシステム 重点設備点検の実施モデル 星崎工場では、環境への影響度が懸念 される設備を指定し、年1回、これらを 重点的に点検する環境重点設備点検を実 行しています。工場長、公害防止管理者、 設備担当者で構成されたチームが、設備 の個別点検、計測器の動作確認、緊急時 排水処理設備 のシミュレーション等を実施して、環境 に影響する重大事態の発生を未然に防止 できるよう努めています。 コジェネレーション設備 内部監査員の養成と技能向上 環境関連有資格者数(2006年10月現在) 資格 毎年10月、外部講師を招いて、一泊二 日の内部監査員養成講習会を開催してい ます。本講習会は2005年で6回を数え、 公害防止管理者 大同特殊鋼ならびにグループ各社からの 多くの参加者がISO認定の環境関連内部 監査員の資格を取得しています。 エネルギー管理士 環境計量士 また、毎年4月、有資格者で実際に内 部監査に従事している監査員を対象に、 技能向上のための1日講習会を実施して 有資格者数 主任 29 大気(1-4種) 54 水質 52 騒音・振動 63 ダイオキシン 31 熱 93 電気 41 濃度 5 騒音・振動 4 作業環境測定士 16 放射線取扱主任者 10 衛生工学衛生管理者 14 います。毎回、当社ならびにグループ各 社から多数の内部監査員が参加して、技 能向上の実を上げています。 ISO環境マネジメントシステム審査員補 内部監査員 7 66 当社のISO14001認証取得状況 取得年月日 1996.8.19 1998.2.22 1998.2.22 工場 星崎工場 渋川工場 所在地 愛知県名古屋市 群馬県渋川市 更新年月日 2002.8.19 2004.2.22 知多工場 知多型鍛造工場 知多帯綱工場 含む 愛知県東海市 2004.2.22 1998.8.26 築地テクノセンター 粉末工場 含む 愛知県名古屋市 2004.8.25 1998.8.26 1999.6.24 川崎工場 王子工場 神奈川県川崎市 東京都北区 2004.8.26 2002.6.24 講習会風景 25 DAIDO STEEL 地球環境への責任 社内では、研修システムや定期 的な環境意識向上運動、さらには 外部より専門家を招いての環境学 Responsibility for Global Environment 習など、さまざまな方策によって常 に環境意識の向上を図っています。 また、環境モデルを設定し、エコ運 動を支援するなど一般向けの環境 保全・自然愛護の啓発にも取り組 んでいます。 環境教育 環境モラル向上に向けての プロモーション 新入社員教育、新任中間管理職教育等、 職責別の教育コースの主要テーマとして 環境に焦点をあわせ、環境マネジメント の意義や方針、実施方法の理解と徹底を 図っています。 また、外部から専門家を招き、環境啓 発の講演を随時開催しています。環境・ リサイクル・省エネルギーを目指す月間 運動を設定し、工場別に独自のイベント 講習風景 を実施するなど、常時全社的なプロモー ションを展開しています。 自然体験ツアー 北海道クッチャロ湖畔にある当社所有 の「クッチャロ 自然の森だいどう」を環境 シンボルとし、2005年から開始した環 境保全・自然愛護の啓発活動の一環とし て、まず社員およびその家族や友人を対 象に、自然体験ツアーを開催しています。 このようなイベントを次代へ、そして一 般社会に向けての強力な環境メッセージ へと発展させてまいります。 「クッチャロ 自然の森だいどう」エコキャンプツアー 26 産業への責任 Responsibility for Industries 大同特殊鋼は特殊鋼のリーディング カンパニーとして、日本の産業界に優 れた品質の素材を提供して参りまし た。その需要範囲は、自動車産業を はじめ、船舶、鉄道車両、航空機、機 械など世界のトップレベルを行く日本 の工業分野のほとんど全域に及んで います。その中でも、自動車産業は当 社最大の顧客であり、世界をリードす るそのダイナミックな躍進の一翼を担 っています。 当社は、日本のモノづくりの原点を見 据え、さらに高品質な製品や技術の 開発と取り組んで、次代へ向けて進 化を続ける日本の産業への責任を果 たしてまいります。 27 DAIDO STEEL 産業への責任 Responsibility for Industries 低公害や省エネルギーは、どの 化。当社はこの基本的要求を満た 産業界でも次世代への発展を目指 すきわめて比強度の高い素材を数 すには欠かせないテーマです。そ 多く開発しています。 のためのキーワードのひとつは軽量 軽量化・高強度化への貢献 高強度歯車用鋼 合金設計により浸炭層の強靭化と粒界 酸化層の低減を実現しました。当社独自 の高品質・高性能特殊鋼製造技術である ELVAC プロセスによる清浄鋼です。 高強度ばね鋼 主に自動車のサスペンションに使わ れ、耐ヘタリ性、耐腐食疲労強度に優れ、 ケイ素系の鋼であるにもかかわらず脱炭 特性が優れているなど、多様な特性を兼 ね備えています。 エンジン部品用快削チタン合金 当社独自のプラズマ積層凝固炉と真空 アーク炉によるダブルメルトで製造した チタン合金は、エンジン軽量化の決め手 として高い評価を受けています。低コス トの切削加工が可能で、生産性の向上に も貢献します。 28 Responsibility for Industries 資源やエネルギーの限界が強く 損耗の激しい部品用に特に耐久性 意識されるようになって、部材の長 に優れたさまざまな材料を提供し 寿命化はますますクリティカルな時 ています。 代のニーズとなっています。当社は、 長寿命化への貢献 超清浄軸受鋼 当社独自の優れた溶解技術により、鋼 中の非金属介在物やガス成分を著しく低 減したきわめて清浄度の高い鋼です。優 れた耐摩耗性、耐食性を発揮しますので、 軸受部の寿命を大幅に延長します。 Eシリーズ快削鋼 ベース鋼 Pb鋼 E鋼 EE鋼 環境負荷要因となり得る鉛を含有しな い快削鋼で、従来、鉛快削鋼が使われて きた部品はもとより、歯車等の鉛快削鋼 の適用が難しかった部品にも適します。 超硬旋削工具の寿命を著しく向上させ、 ドリル工具の長寿命化にも効果がありま す。 (写真は旋削切り屑の破砕性比較 上 段は従来品 下段はEシリーズ快削鋼) EST EST(Ethylene Super Tube)は、大 同独自技術のプラズマアーク溶接で遠心 鋳造管の内面をコーティングしたTube です。耐コーキング性、耐浸炭性に優れ ており、エチレン分解炉管に適用され、 連続稼動時間の延長、管の寿命延長、エ チレン歩留向上の効果により、エチレン プラントの省資源、省エネルギーを実現 しています。 29 DAIDO STEEL 産業への責任 Responsibility for Industries 効率を高めるためには、目的に 定用途向けの高性能材料を提供 向かって高度に特化した材料が求 し、効率化への要求にお応えして められます。当社は、このような特 います。 効率化への貢献 高希土類磁石 高希土類磁石は、高性能で耐熱性、組 み立て性に優れ、エンジン、 トランスミッ ション、ステアリング、シャーシなど自動 車のさまざまな形状部位に適応します。 形状自由度が高く、シャフトやプレス部 品、各種樹脂等との一体成形が可能であ るなど使用効率の高い材料です。当社グ ループ企業のダイドー電子株式会社が製 造し、国内のみならず広く世界のニーズ に応えています。 形状記憶合金 形状記憶合金は、変形させても温める ともとの形にもどるという不思議な性質 に加え、超弾性効果という特性も備えた 材料です。当社の形状記憶合金は微妙な 形状調整にも対応する優れた精度を特長 とします。新たな合金元素の配合により 性能はさらに飛躍し、自動車分野におい てもさらなる需要の広がりが見込まれま す。 プラスチック型用鋼 テールランプ、ミラーカバー、インナ ーバルブパネルなど当社の自動車プラス チック部品成形用の金型材料は、加工性、 鏡面性に優れている上に、肉盛溶接時の 予熱・後熱が不要で割れの発生もありま せんので、金型成形を格段に効率化しま す。 30 Responsibility for Industries 工程省略は、省エネルギー、環 大な部品を集成する製造工程のさ 境負荷低減に直結します。当社は、 まざまなレベルでの省工程に貢献 多様な性能の材料を開発して、膨 しています。 工程省略への貢献 非調質鋼 調質工程を省略した鋼で、高い降伏強 度を備えています。クランク用の他、か ち割性能を高めた鋼種はコネクティング ロッドに適用されています。 冷鍛高周波焼入用鋼 圧延素材の硬度が低く、軟化熱処理の 省略が可能であり、冷鍛時の金型の寿命 を増大させます。高周波焼入れ性も安定 しており、冷間鍛造性と焼入性を兼備す る優れた材料です。 冷鍛用ボロン鋼 軟化熱処理が不要、冷間加工難度の高 い部品の加工が可能、靭性が高い、など の特長があり、ディファレンシャル・ギア などの歯車部品に最適の材料です。 31 DAIDO STEEL 産業への責任 Responsibility for Industries ニアネットシェープは当社が素材 車をはじめ多くの需要分野で加工 メーカーとして特に力を入れている 負担の低減、ひいては生産の高効 開発目標です。この取組みから優 率化に貢献しています。 れて特徴ある製品が生まれ、自動 加工負担軽減への貢献 てきすん 誤差±0.1%以内という精密寸法精度 でユーザーの細かい寸法要求に対応し、 加工負担を低減した当社の代表的ニアネ ットシェープ材料です。 「てきすん」は精 密・多サイズ・多サイクルの3機能対応型 の圧延方式から生まれ、スリム化、小ロ ット化という時代のニーズをも満たしま す。 e-QUALITY 規格寸法を撤廃し、サイズフリー化を 実現。当社が開発した画期的な圧延平角 品用の工具鋼です。切削代を1mm以下 に押さえ、フライス1回仕上げを可能に するなど、加工負担低減のメリットは計 り知れません。製造コストを低減し、製 作日数を短縮します。 精密鋳造技術 ロストワックスと呼ばれる精密鋳造技 術は、従来製法では遠く及ばないミクロ の寸法精度を実現して、従来の鋳造品で は対応できなかった用途をカバーし、機 械加工や研磨などの仕上げ工程の大幅な 省略を可能にしました。 32 従業員への責任 Responsibility for Employees 会社が社会的責任を果たしていくため には、当然、従業員一人一人に高いモ ラルが求められます。当社は企業倫理 憲章を制定し、行動基準を設定するな どそのための基盤を確立しています。 また、責任ある社会人として職業人と しての育成・練磨を図るための教育シ ステムを整備しています。多くの従業員 を預かる企業の責任として、職場にお ける安全、防災、健康、衛生の徹底もま た最も大切な責務です。当社はこの面 においても細部にわたって遺漏のない 組織的運営を実践しています。 社内教育は、入社後の新入社員研修に 始まり、管理職・スタッフコース(事務所 系)及びエキスパートコース(技術系)の 各階層に計画的に実施されます。 33 DAIDO STEEL 従業員への責任 当社は、 「大同特殊鋼企業倫理憲 Responsibility for Employees 順守することを誓約しています。 章」 および「大同特殊鋼の行動基準」 倫理法令順守の経営を実践する体 を制定して、当社の企業活動の具 制として、危機管理・倫理法令順守 体的な行動基準を明確にすると共 委員会を設けるとともに、内部通報 に、経営者をはじめ社員全員にこれ 制度としてホットラインを設置してい らを教育・徹底しています。また、経 ます。 営者をはじめ社員全員がこれらを 倫理啓発への取組み 大同特殊鋼企業倫理憲章 当社は、次の8原則に基づき、国の内 外を問わず、全ての法律、国際ルールお よびその精神を順守するとともに、社会 的良識をもって行動します。 1. 顧客、社会に信頼され、満足される「技 術・サービス・品質」を通じて社会に 貢献する。 2. 公正、透明、自由な競争と適正な取 引を行う。また、政治、行政との健全か つ正常な関係を保つ。 3. 株主をはじめ、社会と広くコミュニケー ションを行い、企業情報を積極的かつ 公正に開示する。 4. 社員の多様性、人格、個性を尊重す るとともに、安全で働きやすい環境を 確保し、 ゆとりと豊かさを実現する。 5. 環境問題は、人類共通の課題である ことを認識して、積極的、自主的に行 動する。 6. 良き企業市民として、企業倫理・法令 順守による企業活動を行う。また、個 人情報・顧客情報保護に留意する。 国際的な事業活動においては、現地 の文化・慣習を尊重し、 その発展に貢 献する経営を行う。 業務執行・監査・監視および内部統制の仕組み 株主総会 大同特殊鋼の 行動基準 選解任 選解任 1.事業活動 (1)優れた製品・サービス 会計監査人(監査法人) (1)の提供と安全性 (外部監査) (2)取引先・関係先との (2)健全で良好な関係 (3)公正で自由な競争の維持促進 (4)知的財産権の保護 2.社会との関係 (1)倫理法令の順守 (2)反社会勢力との絶縁 (3)地球環境の保全 (4)社会・環境貢献 取締役会 取締役 会計監査 監視 代表取締役会長・ 社長・副社長 相互 連係 私 は、 私 「大 の した 同特 宣 がっ 殊鋼 言 て行 企業 動す 倫理 るこ 憲章 とを 」を 、こ 年 順守 こに 月 し、 誓い 「大 ます 日 同特 。 殊鋼 の行 動基 (所 準」 属) に __ __ __ __ こ (署 __ の行 名) __ 動基 __ こ __ 準は __ の行 、上 __ 動基 記に __ 問い 準を 署名 __ 合わ 紛失 のう __ せく 、破 いた え大 __ ださ 損し だく 切に い。 た場 場合 保管 ただ 合は もあ し、 し、 、総 りま 日常 事情 務部 す。 的に によ 企業 活用 って 倫理 して は、 室で くだ 上長 再配 さい と連 布し 。 名で ます 始末 ので 書を 提出 して 3.社員との関係 (1)社員の人格・個性の尊重 (2)安全で健康的な職場環境の確保 (3)会社の利益を損なう行為の禁止 (4)贈物・接待等の制限 平成18年4月1日現在 選解任 監査 監査役会 監査役 7. 市民社会の秩序や安全に脅威を与 える反社会的勢力および団体とは断 固として対決する。 8. 経営トップは、本憲章の精神の実現 のため、率先垂範して社内への徹底、 グループ企業・取引先への周知およ び社内体制の整備を行うとともに、本 憲章に反する事態が発生したときには、 自ら問題解決にあたり、迅速かつ的確 な情報公開を行い、再発防止に努め、 厳正な処分を行う。 報告 監査部(内部監査) 報告 危機管理・倫理法令順守委員会 代表取締役社長・副社長 コンプライアンス担当取締役 担当常務取締役 助言 社外 弁護士 報告 総務部 ホットライン担当 相談、通報窓口(ホットライン) 基準 行動 鋼の 特殊 同 大 (第 3版 2 00 6年 4月 1日 発行 ) 34 Responsibility for Employees 当社は、有能な産業人の育成を 振興にも多大の貢献を果たしていま 目的に昭和39年に大同工業大学を す。現在、学生数は約3,300名を数 設立いたしました。以来大同工業大 え、未来の日本を担う有為の若者が 学は、40余年にわたって多くの人材 ここで研鑽を積んでいます。 を送り出し、人づくり、地域の教育 一般教育への取り組み 管理職/スタッフコース教育体系 必修 選択必修 部門指定、OJT 部長 管 理 職 選抜・指名 自己啓発 スターセミナー 高等経営学講座 キャリア セミナー (45歳∼) 次長 経営戦略Ⅱ/技術戦略Ⅱ 課長 新任室長研修 シナリオプランニング リーダーシップ/コーチング 係長 経営戦略Ⅰ/技術戦略Ⅱ 意思決定/組織論 コンプライアンス/安全/環境 管 理 職 統括主任 コーチング基礎/ ファシリテーション T O E I C 受 験 コ ン ピ テ ン シ ー 強 化 ︵ 行 動 特 性 ・ 指 向 性 ︶ 部 門 内 勉 強 会 マーケティング/ アカウンティング 関 係 法 令 講 座 随 時 社 外 講 習 会 ︵ 専 門 職 能 講 習 会 ・ 学 会 ・ 資 格 取 得 ︶ 経営幹部セミナー 一 般 留 学 ︵ 国 内 ・ 海 外 ︶ 特 別 ・ 特 命 留 学 ︵ 国 内 ・ 国 外 ︶ 通 信 教 育 講 座 RE教育 主務 3年目研修 主任 生涯設計 新入社員フォロー 新入社員研修 ・設備基礎講座 ・品質基礎講座 ・商流・物流講座 ・企業会計講座 ・経済性工学 JK/N7 JK/Q7 大同工業大学 概要 学部構成 設置者 学校法人 大同学園 創 立 昭和39年4月1日 所在地 名古屋市南区滝春町1 0-3 滝春校舎 名古屋市南区滝春1 0-3 白水校舎 名古屋市南区白水町40 学 長 澤岡 昭(平成11年4月就任) 理事長 田中 卓 学生数 学部3,176名 大学院85名 工学部 機械工学科 ロボティクス学科(平成18年度新設) 情報機械システム工学科(平成18年度募集停止) 電気電子工学科 建築学科 都市環境デザイン学科 情報学部 情報学科 教養部(教養課程を含む) 大学院工学研究科 修士課程 機械工学専攻 電気・電子工学専攻 建設工学専攻 (平成1 8年度募集停止) 建築学専攻 (平成1 8年度新設) 都市環境デザイン学専攻 (平成1 8年度新設) 博士後期課程 材料・環境工学専攻 大同工業大学キャンパス 35 DAIDO STEEL 大学院情報学研究科 修士課程 情報学専攻 従業員への責任 当社の高卒新入技術系職員は、 Responsibility for Employees 各工場に配属されます。その前身、 生涯教育のスタートとして入社後まず 大同製鋼技能者養成所の開所は遠 大同特殊鋼技術学園に入園し、ここ く昭和15年に遡り、日本の優れたモ で1年間、鉄鋼の製造技術、電気・ ノづくりの根底を支えるエキスパート 機械の操作・保守技術を学んでから を育ててまいりました。 技術教育への取り組み エキスパートコース教育体系 職 責・役 割 係 長 管理技法 専門技術 安全衛生 新任係長研修 工 長 新任工長研修 洋 上 研 修 班 長 新任班長研修 職 場 活 性 化 研 修 会 J K ︵ Q 7 / N 7 ︶ 手 法 講 座 一 般 大 同 工 業 大 学 留 学 一 般 保 全 教 育 ︵ 保 全 管 理 ・ 機 械 基 礎 ・ 電 気 基 礎 ︶ 電 気 保 全 マ ン 教 育 ︵ 初 級 ・ 中 級 ・ 上 級 ︶ 機 械 保 全 マ ン 教 育 ︵ 初 級 ・ 中 級 ・ 上 級 ︶ 国 家 技 能 検 定 ︵ 事 前 教 育 ・ 受 験 ︶ 管 理 手 法 教 育 ︵ 6 大 ロ ス ・ O J T ト レ ー ナ 養 成 ︶ T H P リ ー ダ ー 養 成 セ ミ ナ ー 技 術 ・ 資 格 取 得 講 習 職 場 学 習 会 生涯設計 安 全 係 長 工 長 研 修 班長フォロー研修 通 信 教 育 講 座 ニ ュ ー ラ イ フ プ ラ ン セ ミ ナ ー ︵ 58 才 ︶ 啓 発 誌 購 読 法 定 特 別 教 育 中堅社員研修 配属2年目フォロー研修 自己啓発 職場指導員教育 大同特殊鋼技術学園(配属先決定) 全社教育 事業場教育 職場内教育 社内教育 大同特殊鋼技術学園 カリキュラム 社外教育 分類 項目 基礎講座 一般教育 専門教育 工場での体験学習 心身教育 資格取得 科目・内容 数学 英語 パソコン 体育(クラブ活動、 ランニング) クレーン運転士免許 危険物乙4 電気工事士 高圧ガス取扱い 【技能講習】玉掛 ガス溶接 フォークリフト 【特別教育】酸欠 粉塵 アーク溶接 砥石取替作業 生産管理 品質管理 問題解決(IE) 生産技術 金属工学 製鋼 圧延 鍛造 整備検査 二次加工 機械保全 機械工学 機械要素 製図 油空圧 溶接 電気保全 電気工学 シーケンス 電気保全 技能照査 技能照査(金属熱処理) 技能大会(電気・機械) 配属職場実習 配属予定職場実習 導入教育 会社概要他各種講話 HR 野外訓練 富士登山、 ウォーキング他 行事 県体育大会他 修了研修旅行 修了式 36 当社では、「従業員は宝であり 康は幸せの原点」という普遍的な 財産である」という基本理念に立 認識に基づいて、労使協が三位一 脚し、みんなにとって「安全と健 体の活動を展開しています。 Responsibility for Employees 安全教育と健康管理 労使協一体の安全と健康 副社長を頂点として、常時、全社 成り、それぞれの役割分担を明確に のさらなる増進・改革のための体制 的な対応が可能な体制を整えていま することによって、きめ細かな安全 をいちだんと強化しています。 す。昨年6月には、人事部から安全 対策の徹底を図っています。また、 厚生室を安全推進部として分離、昇 人に優しい設備を目指し、潜在危険 行事を編成し、労使協が一体となっ 格させました。本部はソフト改革・ 要因を徹底的に洗い出してフェイル て目に見える形で安全衛生の増進を ハード改革・ヘルス改革の3室から セーフを絞り込むなど、安全と健康 支援しています。 管理体制 年間を通じて表のような安全衛生 統括安全衛生管理者(事業場長) 安全チーム 各製造室 統括安全衛生管理者(事業場長) 安全チーム 各製造室 担当役員 副社長 ソフト改革室 安全増進の軌跡 担当役員 グラフは年間の事故発生率の推 安全推進部 ハード改革室 ヘルス改革室 移を示すもので、製造業は全産業 トップの安全への関わり の平均レベルを下回っていますが、 鉄鋼業は製造業全体のレベルより 安全衛生行事 さらに低位安定した推移を示して 社長・担当役員 労組委員長 事業場長 年頭 メッセージ 安全週間 います。大同グループの成績は、 衛生週間 鉄鋼業の中でも各年おおむね平均 労使幹部巡視 副社長特別巡視 社長表彰 全社安全衛生委員会 各事業場総合安全衛生巡視 値を下回っており、 安全に関しては、 大同グループは傑出した実績を残 しています。 近くは、2005年度の第46回日 本鉄鋼連盟鉄鋼安全表彰において 知多・川崎・築地の3工場が優秀賞 に輝いています。 安全成績 2 1.88 2.0 1.89 1.8 1.82 1 1.02 0.39 0.38 0.38 0.244 0.255 1.75 1.5 1.26 1.19 1.18 全産業 1.72 1.1 0.51 0.44 0.5 0.34 0.0 37 DAIDO STEEL 0.356 0.32 94 95 96 97 0.066 98 1.78 1.02 0.97 0.98 0.98 0.99 0.39 0.34 0.36 0.38 0.44 0.068 0.075 ’ 00 ’ 01 1.95 1.01 0.48 0.389 0.304 0.237 ’ 02 大同Gr 1.85 1.77 0.266 99 鉄連総合 1.79 1.0 0.55 製造業 ’ 03 ’ 04 ’ 05 従業員への責任 THP(Total Health Promotion Plan= 日本21活動など、全社を挙げて心 心とからだの健康づくり運動)教育、保健 と身体の健康管理プロジェクトを 士による現場での出前教育、健康 強力に推進しています。 Responsibility for Employees 健康・衛生体制 安全衛生教育 安全確保に対する責任の徹底と安全技 能向上のための教育を職責別に体系化し て実施しています。職場内の健康チェッ ク、生活習慣病のチェックなども、密度高 教育体系 教育対象 研修名 頻度(回/年) 係長 新任係長教育 2 工長 新任工長教育 4 班長 新任班長教育 4 班長安全フォロー研修 6 全社安全衛生研修会 1 5年目フォロー研修 3 2年目フォロー研修 2 室長 室長安全教育 4 部長・室長 THP教育 6 く定期的に実施しています。 また製造プロセスの近代化で身近な体 験が稀になってきた類の危険を再評価 一般 し、シミュレーターを使用して実感させ、 危険に対する感性を持続させるといった 取り組みも行っています。 危険体験塾での教育 風景(フォークリフト の死角の認識) 労使幹部の安全衛生巡視 メンタルヘルスケア ストレスに満ちた現代生活の中で、メ ンタルヘルスケアの必要性がいちだんと 高まっています。当社では、専属の産業 医5名と保健士9名を常備し、メンタル ヘルスケアの徹底を図っています。転ば ぬ先の杖で、当社では教育・啓蒙活動、 ストレス診断、快適職場確立への取り組 みなどを通じて、特に予防措置に重点を 置いた対策を実施しています。 THP教育 出前教育 相談室カード 38 従業員への責任 Responsibility for Employees 多くの従業員、設備、施設を抱 に立ち、防災マニュアルの整備、避 える当社にとって、近く予想される 難訓練の実施など防災教育の徹底 東海大地震をはじめ自然災害に対 を図るとともに、非常物資の拡充、 して可能な限りの備えをすることは 災害発生時の連絡網の完備など防 大きな社会的責務です。この自覚 災体制の充実に力を入れています。 防災教育と体制 防災マニュアルの作成 東海地震関連情報の把握、地震対策本 部の設置・組織・役割分担などを詳細に 規定したマニュアルを作成し、いざとい う場合の迅速で的確な対応を図っていま す。また、「地震防災カード」を全従業員 に配布し、地震発生時の行動基準や心得 を周知徹底させています。 負傷者搬送訓練 衛星電話による コミュニケーション確保 本社・東京本社・工場を結ぶ衛星電話 によるネットワークを整え、通話訓練等 も実施して、災害時の不通が予想される 固定電話や携帯電話に代わるコミュニケ ーション手段を確保しています。 非常物資の常備 全従業員に行きわたるよう1人当たり 9食分の非常食と飲料水3リットルを常 備し、災害に備えています。 放水訓練 避難訓練の実施 年に1回、各事業所ごとに地元消防署の 指導を仰いで、総合避難訓練を実施して います。安全地帯への避難、負傷者の搬 送、放水、消火などの実習が行われます。 安否確認システムの確立 今後の取組みとして、外部からのシス テム導入を含め、災害発生時の従業員安 否確認システムの確立を検討中です。 39 DAIDO STEEL 消火訓練 地域社会への責任 Responsibility for Local Society 大同特殊鋼は、中部・東海から関東に かけて6工場があり、関連する多くの グループ企業とともに、広い地域で雇 用の創出に貢献しています。また、年 寄付 間を通じて寄付やボランティア活動を ©中央協同募金会 赤い羽根募金 当社は社会貢献活動の一環と 行い、各事業所単位では、さまざまな 催しの開催や体育館、グラウンドの一 観光・ レジャー事業 木曽駒高原ホテル 中央アルプス木曾駒ケ岳の山 麓に建つ木曽駒高原ホテル。グ ループ企業としては異色の木曽 駒高原観光開発株式会社がゴル 般開放などを通じて地域住民とのコミ フコースとあわせて経営に当た ュニケーションを深めています。グル り、さわやかな高原の気候と美 ープ企業にはホテルやゴルフコース経 しい景観に恵まれた中京の奥座 金は、地域ごとに使途を決めて 営などの観光レジャー産業もあり、レ 敷に唯一の本格サマー・バケー 社会福祉に役立てています。災 クレーションを通じての人々の交流、 害の発生に際しては、救援金と 地域の活性化にも一役買っています。 してこの募金から積み立てられ 地域への環境負荷を抑えることは、も た基金が大きな役割を果たして とより、製造業としての最も基本的な社 して、地域ごとに一斉に行われ る赤い羽根募金運動に積極的に 協力しています。集まった寄付 います。 ション・リゾートとして人気を集 めています。 会責任です。6個所の当社工場では排 ガスの抑制や集塵に努め、大気と水質 を厳重に監視して環境負荷の低 減に着実な成果を上げています。 歳末助け合い募金 毎年12月に入ると各地で歳 末助け合い募金が始まります。 この時期、各地域のお年寄り、 障害のある方、恵まれない児童 などに温かい手を差し伸べる運 動として定着していますが、こ の運動を支えるボランティアの 担い手として地域の企業が大き な貢献を果たしており、 当社もその一員として 協力を続けています。 木曽駒高原 カントリークラブ 木曽駒が岳の秀峰を眼前に仰 ぎ、高原の清流を縫ってたどる 18ホールは、日本屈指のサマー リゾートコースとして遠く東京 や大阪のゴルファーをも魅了し ています。木曽駒高原ホテル、 姉妹コース木曽駒高原宇山カン トリークラブとリンクし、貴重 な観光資源として地域に貢献し ています。 40 Responsibility for Local Society エリア別取組み サマーフェスタ元浜 知多 エリア 地元各地区の自治体が主催する「サマーフ ェスタ元浜」に例年協賛しています。キャラク ターショー、体験コーナー、野外映画会、 盆踊りなど盛りだくさんの催し で地域の人々とのホット な 交 流 を 盛り上 げ ています。 Chita Area 丸屋玉の湯 ●環境方針 知多工場 大同特殊鋼グループ企 業の丸太運輸株式会社が ス パ を 開 発 し 、「 丸 屋 玉 の 湯 」 を 立 ち 上 げ て、 工場長 町おこし、地域の人々の 中坪 修一 健康増進、レクレーショ ンに一役買っています。 所 在 地 生産品目 敷地面積 操業開始 従業員数 愛知県東海市 特殊鉄鋼材、型鋳造製品、帯鋼製品 1,117千m2 1962年 2,501名 1. 環境保全への取組を経営の重点課題の一つとして位置づ け、工場長及び従業員が一致協力してこれを推進します。 2. 環境に関する法規制はもとより、県, 市, 業界及び地 域との取決め事項を遵守します。 3.環境負荷の低減及び環境改善を継続的に推進 するため、次の活動に積極的に取組みます。 ・環境汚染の予防 ・省エネルギー活動の推進 ・省資源、廃棄物再利用の促進 ・環境に優しい特殊鋼鋼材の開発と拡販 4. 環境目的・目標を設定し、全従業員で環境改善活 動を推進すると共に、定期的な見直しを行います。 5. 全従業員に、環境に関する教育・訓練を実施し、資 質の向上に努めます。 星崎工場では、地域ならびに同 工場従業員・協力各社の幼稚園児 から中学3年のお子さんに呼びか けて、 「くすのき子供作品展」を毎 年6月に開催しています。2,000 点程度の応募作品の中から入選し た作品を表彰し、星崎工場体育館 に展示します。 41 DAIDO STEEL 項 目 煤じん NOx 設 備 規制値 電気炉(5基) NO4ボイラー NO1ボイラー 小型加熱炉 NO4ボイラー NO1ボイラー 小型加熱炉 0.05,0.1 0.20 0.20 0.08 90 170 80 実 績 値 最 大 最 小 0.0002 0.0008 0.0004 0.0007 0.0004 0.0064 0.0004 0.0015 62 79 118 151 21 60 水質 項 目 ●環境目標 1. 粉じん・ばいじんの発生と飛散防止対策及び緑化整備の推進 2. 廃油の分別処理、回収及び監視強化 3. 副生物の利用拡大と有効活用(スラグ、 ダスト、 レン ガ、 スケール、廃酸ほか廃棄物)関係室1件以上 4. 省エネルギーの推進(CO2排出量の低減5,000t-C/年) 関係室1件以上 環境に優しい特殊鋼鋼材の開発と拡販 1件以上 5. くすのき子供作品展 星崎・ 築地 エリア 大気 有害物質 一般項目 カドミウム シアン 有機燐 鉛 六価クロム 砒素 総水銀 pH COD SS 規制値 0.1 1 1 0.1 0.5 0.1 0.005 5.5∼8.5 20 30 実 績 値 最 大 最 小 <0.005 <0.1 <0.1 0.04 <0.02 <0.04 <0.01 <0.0005 7.7 6.2 5.8 1 24 1 地域社会への責任 ホタル園 星崎工場は「地域社会に貢献する開かれた工場」を スローガンに、グランド、体育館、テニスコートなどを 一般開放し、広く市民に利用いただいています。地元 の方々と一体となってさまざまな催しも行っています が、2005年夏には、工場内にホタル園を設営し、多 くの方々を楽しませました。 星崎工場 工場長 西村 司 所 在 地 生産品目 敷地面積 操業開始 従業員数 名古屋市南区 ステンレス鋼、 工具鋼、 チタン 330千m2 1937年 558名 当工場は、名古屋市南部の市街地に位置しステン レス鋼・工具鋼の製造拠点であり、 Ti ・高合金、 ターゲ ット材等の生産も行っています。 大気 ●環境方針 煤じん 1. 環境への影響を十分認識し、地域との調和を図り、 汚染の防止に努めます。 2. 環 境 関 連 法 規 制 、公 害 防 止 協 定 、地 域 住 民 との取り決め事項を遵守します。 3. 環 境目的 及び環 境目標を設 定し、継 続 的な環 境 改 善を全 従 業 員で推 進 すると共に定 期 的 な見直しを行います。 4. 全従業員に環境に関する教育・訓練を実施し、 資質の向上に努めます。 〈本年度の環境重点取組事項〉 1. コンプライアンス 環境測定管理体制の強化 2. 省エネルギー活動の推進 エネルギー原単位の1%/年 向上 3. ISO14001体制の強化 環境緊急事態への準備及び対応の充実 築地テクノセンター 築地テクノセンター長 岩平 徹 所 在 地 名古屋市港区 生産品目 新幹線クロッシングレール、原子力発 電用バルブ、 ポンプ 敷地面積 142千m2 操業開始 1917年 従業員数 509名 秋の祭典 項 目 項 目 設 備 規制値 ボイラー 大型圧延均熱炉 線材圧延加熱炉 ボイラー 大型圧延均熱炉 線材圧延加熱炉 NOx 0.05 0.10 0.20 150 130 130 実 績 値 最 大 最 小 0.0007 0.0058 0.0013 0.0067 0.0029 0.0031 30.1 46.4 25.1 27.7 31 41.8 星崎工場では、毎年9 月に地域中心の運動会と 従業員による競技会を 「秋の祭典」として同時開 水質 規制値 項 目 有害物質 一般項目 カドミウム シアン 有機燐 鉛 六価クロム 砒素 総水銀 pH BOD SS 0.1 1 1 0.1 0.5 0.1 0.005 5.8∼8.6 25 30 実 績 値 最 大 最 小 <0.005 <0.1 <0.1 <0.02 <0.04 <0.01 <0.0005 7.3 6.6 5.9 1.7 12 <1 ●基本理念 ●土壌汚染について 名古屋市の市街地に立地する築地テクノセンターは、 鋳鋼品、鋼塊、金属粉末、磁石の製造に係る事業活動 において地域に与える影響を認識し、 これまで培ってき た環境管理技術を駆使し、 また更に向上させることによ って環境負荷の低減に努め、 ひいてはこれが地球環境 の保全に貢献することを基本理念として、 自然と調和で きる製品およびサービスを社会に提供します。 築地テクノセンターでは昨年12月に特定施設の廃 止し、 名古屋市に届出しました。 名古屋市の指導のもと、 土壌調査を実施し汚染 が判明(3月18日新聞発表)。 その後、対策をまとめ名古屋市の検討委員会で 了解のもと浄化を開始、 現在揚水曝気法で浄化継 続中。 催し、地域におけるふれ あいの輪を広げていま す。 Hoshizaki & Tsukiji Area ●環境方針 1. 環境マネジメントシステムを構築し、継続的に改善 して汚染の予防に努めます。 2. 事業活動が環境に与える影響を十分認識し、環 境関連法規制、公害防止協定、地域住民との取 決め事項等を遵守して、地域と調和した企業づく りに努めます。 効率的な事業活動を通じて、消費エネルギーの大半を 3. 占める電力消費量の低減、廃棄物リサイクル等の推進、 及び環境にやさしい製品の供給、開発に努めます。 4. 活動の推進にあたっては、環境目的及び環境目標 を設定し、更に定期的な見直しを行なって環境の 保全に努めます。 5. 全従業員に環境に関する教育・訓練を実施し、資 質の向上に努めます。 水質 項 目 有害物質 一般項目 カドミウム シアン 有機燐 鉛 六価クロム 砒素 総水銀 pH BOD SS 規制値 0.1 1 1 0.1 0.5 0.1 0.005 6.7∼8.5 15 25 実 績 値 最 大 最 小 <0.0005 <0.1 ―― <0.02 <0.04 <0.01 <0.0005 8.0 6.9 3.6 <1 2 <1 ふれあいフェスティバル 渋川工場では毎年夏の行事であ 関東 エリア った「納涼祭」を「ふれあいフェス ティバル」に衣替えして秋9月に開 催、地域の方々を1,000人を上 回る規模でお招きし、ゴルフ大会 や抽選会など盛りだくさんの企画 をお楽しみいただき、地域におけ るふれあいの実を上げています。 42 スポーツプラザ渋川 Responsibility for Local Society エリア別取組み 大同特殊鋼のグループ企業、大同ライフサービス株 式会社が運営する100打席180ヤードという都会で はあまりお目にかかれない大型ゴルフ練習場。スポー ツプラザと銘打つ通り冷暖房完備の快適空間です。ラ ウンジやパッティンググリーン、バンカーなどの設備 Kanto Area バス停の屋根の 設置 はもちろんのこと、プロレッスン、スクールも開設し、 地域の方々に健康で楽しい時間を提供しています。 渋川工場 周囲を山に囲まれ、 風光明媚な渋川市の市 街地に位置し、 世界最大規模の特殊溶解設備 を有し、 ジェットエンジン、 ロケット部品などにも使 用されるハイスペックな高級鋼、 超合金を生産。 川 崎 工 場 で は 、創 業 工場前の市バスのバス停 工場長 方々の、雨よけや直射日 地域環境に対する取組みを当工場の事業 活動における最重要課題のひとつと認識すると ともに、 地域との調和・より良い共存を目指します。 高橋 元 の屋根を設置しました。 で市バスを利用される 項 目 設 備 ボイラー 調質焼鈍炉 鍛造加熱炉 ボイラー 調質焼鈍炉 鍛造加熱炉 煤じん ●工場方針 90周年記念行事として、 当社社員だけでなく地域 大気 ●環境保全活動 所 在 地 生産品目 敷地面積 操業開始 従業員数 群馬県渋川市 火造品、金型用素材、鍛造用ブルーム等 180千m2 1937年 453人 光よけとなっています。 また出来野グラウンド ◆ゼロエミッション・リサイクル スラグ処理場の稼動等、 産業廃棄物の有効 利用の推進を図っています。 ◆省エネルギー 加熱炉リジェネバーナー化等設備改善により 省エネ活動を進めています。 ◆地域対策 当工場は住宅が隣接する市街地にあり地域 環境に格段の配慮を行っています。 NOx 規制値 0.25 0.20 0.25 230 180 150 実 績 値 最 大 最 小 0.023 0.004 <0.003 <0.003 81 48 110 <0.003 72 24 71 水質 項 目 カドミウム シアン 有機燐 鉛 六価クロム 砒素 総水銀 pH BOD SS 有害物質 一般項目 を地域に開放し、ソフト 規制値 0.1 1 1 0.1 0.5 0.1 0.005 5.8∼8.6 25 50 実 績 値 最 大 最 小 <0.005 <0.1 <0.1 <0.01 <0.04 <0.01 <0.0005 7.5 6.7 2.0 0.7 3.2 0.1 ボール、サッカー教室と して利用していただいた ●工場方針 川崎工場 当工場は、多様化する時代のニーズに応える特殊 鋼の生産拠点として、最先端の製品と技術を追求す ると共に、地域及び地球環境に与える影響を認識し、 かけがいのない地球環境の保全に貢献するとともに、 循環型社会の発展との調和に努めていきます。 り、月に2回、工場前の道 路清掃(ゴミウォッチン グ)を行い、地域の美化 工場長 中尾 眞理 る「かわさき市民祭り」に 一大地域行事を、今後も 設 備 圧延加熱炉1 圧延加熱炉2 調質炉1 圧延加熱炉1 圧延加熱炉2 調質炉1 煤じん NOx 毎年、川崎市が主催す 50万の市民が参加する 項 目 ●環境保全活動 に努めています。 も協賛しています。述べ 大気 所 在 地 生産品目 敷地面積 操業開始 従業員数 神奈川県川崎市 ステンレス形鋼、 鉄筋バー、 レール 60千m2 1966年 174名 1. ゼロエミッションの推進 酸洗中和汚泥や圧延汚泥を再溶解することによっ て鋼に戻す、再資源化を実施しています。 2. エコ製品開発 長寿命化による地球にやさしい製品として、 ステン レスレールやステンレス鉄筋を開発しました。 2. 緑化の推進 壁面緑化などを検討し、 緑豊かな工場を目指します。 項 目 有害物質 一般項目 いきます。 当工場は、製材用帯鋸を中心とした刃物および自 動車用クラッチ等に使用される高品質・高機能素材 を生産しています。 0.2 0.2 0.25 170 170 200 実 績 値 最 大 最 小 <0.001 <0.001 <0.001 25 20 25 20 20 17 水質 盛り上げるべく支援して 王子工場 規制値 カドミウム シアン 有機燐 鉛 六価クロム 砒素 総水銀 pH COD SS 規制値 0.1 1 1 0.1 0.5 0.1 0.005 5.8∼8.6 60 90 実 績 値 最 大 最 小 <0.01 <0.05 <0.1 <0.02 <0.05 <0.01 <0.0005 8.2 6.3 6.8 2.4 <5 大気 特定施設なし ●工場方針 東京都内での工場として、環境保全活動をスパ イラルアップさせながら地域・地球環境にやさしい工 場造りを進めています。 工場長 吉田 宏 所 在 地 生産品目 敷地面積 操業開始 従業員数 43 DAIDO STEEL 東京都北区 焼入帯、帯鋸 8千m2 1955年 29名 ●環境保全活動 (1)環境汚染の防止 熱処理工程での油焼入れ時に発生するオイルミ ストを防止するためノンオイル焼入れ法を確立し ました。今後、適用拡大を図ります。 (2)省資源および省エネルギー化 ● 購入資材(砥石・梱包)の原単位向上および間 紙・ダンボール等のリサイクル資源化を図ります。 ● ユーティリティ統合、実働率向上により電力原 単位の向上を図ります。 水質 項 目 有害物質 一般項目 特定施設なし 鉱物油 動植物油脂類 規制値 ―― 5 30 実 績 値 最 大 最 小 ―― <2.5 <2.5 地域社会への責任 北海道 浜頓別 エリア 環境メッセージを 発信する 北海道の一地域から広く社会 に、特に次代を担う学童を意識 した情報の発信を実施してまい ります。2006年度は、手始め クッチャロ 自然の森 だいどう としてクッチャロ湖の紹介パン フレットや現地案内看板の看板 を制作して、浜頓別町ならびに 現地環境支援NPOに寄贈して います。 環境マインドを 育てる Hamatonbetsu Area 「クッチャロ 自然 の森だいどう」をはじ めとする素晴らしい 環境を体感する自然 体験ツアーを開催し ています。まず大同 社員とその家族に参 加を呼びかけ、今後は地元の人々と共に活動する 中で、環境マインドの輪を大きく広げていきます。 44 大同グループ概要 売上高 企業情報 ■ 単独 ■ 連結 億円 5000 経営理念 4,291 21世紀社会に貢献する 4000 3,384 3,512 創造的、個性的な企業集団をめざし、 2,238 2,286 未開の領域に挑戦し続けます。 2000 会社概要〔2006年3月末現在〕 1000 会社名 大同特殊鋼株式会社 英文社名 Daido Steel Co.,Ltd. 創業 1916年(大正5年)8月19日 経常利益 設立 1950年(昭和25年)2月1日 億円 400 0 〒461-8581 名古屋市東区東桜一丁目1番10号 (アーバンネット名古屋ビル) 200 代表者 代表取締役社長 小澤正俊 150 従業員数 3542名 4億3,448万7,693株 株主数 38,631名 主要営業品目 03 04 05 394 226 211 155 91 102 0 -50 93 90 50 39 32 2 -36 24 -16 -26 98 99 00 01 02 03 04 05 推進体制 社 長 従業員数 10,321名 会社数 39社〔連結子会社31社・持分法適用関連会社8社〕 工場名 認証年月日 東北特殊鋼株式会社 2000. 1.27 日本鍛工株式会社 2001. 4.12 フジオーゼックス株式会社 2001. 7.17 全 社 環 境 エ ネ ル ギ ー 委 員 会 2003.11. 9 大同興業株式会社 2003.12.10 大同精密工業株式会社 2004. 1.29 下村特殊精工株式会社 2004. 2.26 大同エコメット株式会社 2004. 7. 1 Daido PDM(THAILAND)CO.,LTD. 2004. 7.19 日星精工株式会社 2004.10. 8 理研製鋼株式会社 2004.12.16 東洋産業株式会社 2005. 1.18 大同アミスター株式会社 2005. 6. 9 日本精線株式会社 2005. 9.15 株式会社大同キャスティングス 2005.10.13 45 DAIDO STEEL 02 63 特殊鋼鋼材、電子・磁性材料、 自動車部品・産業機械部品 エンジニアリング、新素材、流通・サービスなど 株式会社ダイドー電子 01 ■ 単独 100 大同特殊鋼グループの概要〔2006年3月末現在〕 大同グループ ISO14001 認証取得会社一覧 00 2,034 2,082 2,138 ■ 連結 URL http://www.daido.co.jp/ 発行済株式総数 99 2,974 2,570 300 250 371億7,246万4,289 円 98 2,453 350 TEL(052)963-7501 資本金 3,678 3,271 3,445 3000 人を活かし、技術を極め、 本社所在地 3,786 4,807 環 事 境 務 エ 局 ネ ル ギ ー 部 川 崎 工 場 、 王 子 工 場 委 員 長 ・ ・ 担 当 常 務 環 境 担 当 室 長 会 議 省 エ ネ ル ギ ー 担 当 室 長 会 議 大 同 グ ル ー プ 環 境 連 絡 会 議 環 境 マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 事 務 局 監 査 渋 川 工 場 、 築 地 テ ク ノ セ ン タ ー 知 多 工 場 、 星 崎 工 場 工 事 場 務 環 局 境 担 当 室 工 場 内 部 監 査 工 場 環 境 委 員 会 委 員 長 ・ ・ 工 場 長 、 セ ン タ ー 長 会社名(ISO14001 認証取得) 〒 所 在 地 TEL ホームページアドレス 特殊鋼鋼材 大同ステンレ ス(株) 578-0976 大阪府東大阪市西鴻池町四丁目 3-27 06-6745-0021 http://www.daido-sswire.co.jp 下村特殊精工(株) (2004.02.26) 272-0034 千葉県市川市市川一丁目 3-18 (明治生命市川ビル 2F) 0473-21-3841 http://www.sts-shimomura.com 大同アミスター(株) (2005.06.09) 574-0062 大阪府大東市氷野三丁目 152 072-871-8601 http://www.amistar.co.jp 大同マテックス (株) 210-0863 川崎市川崎区夜光二丁目 4-1 大同特殊鋼(株)川崎工場内 044-270-2411 http://www.daidomatex.co.jp 天文大同特殊鋼 股 中華民国台湾省桃園県平鎮市廣仁里 31 隣大昌路 1 號 DAIDO AMISTAR (S)PTE LTD No.21, Senoko South Road, Woodlands East, Singapore 758079 65-6758-1611 − DAIDO PDM (THAILAND) 116 Moo 2, Theparak Rd., KM.26, Tambol Bangsaothong, KingCO., LTD. (2004.07.19) Amphur Bangsaothong, Samutprakarn. 10540, Thailand 66-2-708-9366 http://www.daidothai.blogspot.com DAIDO AMISTAR (M)SDN. BHD. No.8, Jalan Perusahaan Utama, Taman Industri Selesa Jaya, Off Jalan Balakong, 43300 Selangor Darul Ehsan, West Malaysia 60-3-8961-7566 − 大同資材サービ ス(株) 457-0811 名古屋市南区大同町四丁目 7 052-611-8801 http://www.daido.co.jp/dsk/ (2004.07.01) 457-0811 名古屋市南区大同町四丁目 7 052-611-8831 http://www.daido.co.jp/dgk/ 0562-33-1231 http://www.daido-technica.co.jp 大同エコメット (株) 886-3-493-6622 http://www.daidosteel.com.tw 大同テクニカ (株) 477-0035 愛知県東海市元浜町 39 王子製鉄(株)* 103-0027 東京都中央区日本橋三丁目 2-9(三晶ビル 8F) 03-5201-7711 http://www.oji-steel.co.jp 丸太運輸(株)* 467-0856 名古屋市瑞穂区新開町 22-20 052-872-3311 http://www.maruta.co.jp 桜井興産(株)* 457-0807 名古屋市南区鶴見通三丁目 3 052-611-5151 http://www.aichi-iic.or.jp/co/o8natd-uni/sakurai/ 130-0002 東京都墨田区業平四丁目 8-1 03-3624-8331 http://www.izumidenki.com 泉電気工業(株)* 理研製鋼(株)* (2004.12.16) 104-0031 川一産業(株)* 210-0867 * 東京都中央区京橋二丁目 17-3(ヨシザワビル) 03-5159-0811 http://www.rkn.co.jp 川崎市川崎区扇町 5-9 044-355-2715 http://www.kawaichi.jp 東北特殊鋼(株) (2000.01.27) 989-1393 宮城県柴田郡村田町大字村田字西ケ丘 23 0224-82-1010 http://www.tohokusteel.com 日本精線(株)* (2005.09.15) 541-0043 大阪市中央区高麗橋四丁目 1-1 06-6222-5431 http://www.n-seisen.co.jp (2003.11.09) 509-9132 岐阜県中津川市茄子川 1642-144 電子・磁性材料 (株) ダ イド ー電子 0573-68-6177 http://www.daido-electronics.co.jp Daido Electronics (Thailand) Co., Ltd. 43 Moo 9, Rojana Industrial Park, Rojana Road, Tambol Tanuu, Amphur U-Thai, Ayutthaya 13210, Thailand 66-35-330-734 − 大同スペシャルメタル(株) 108-0075 東京都港区港南一丁目 6-35(大同品川ビル) 03-5495-7237 http://www.dsml.co.jp 静岡県菊川市三沢 1500-60 0537-35-5973 http://www.oozx.co.jp 名古屋市港区竜宮町 10 大同特殊鋼(株)築地テクノセンター内 052-691-5191 http://www.d-cast.jp 自動車部品・産業機械部品 フジ オーゼックス (株) (2001.07.17) 439-0023 (株)大同キャスティングス (2005.10.13) 455-0022 東洋産業(株) (2005.01.18) 230-0001 横浜市鶴見区矢向一丁目 5-48 045-571-3781 日本鍛工(株) (2001.04.12) 660-0095 兵庫県尼崎市大浜町二丁目 1 06-6416-1051 大同スターテクノ (株) − http://www.j-d-f.co.jp 群馬県渋川市石原 500 0279-23-1375 日星精工(株) (2004.10.08) 457-0801 名古屋市南区丹後通二丁目 1-3 052-611-6271 http://www.nssy.co.jp 大同精密工業(株) (2004.01.29) 171-0021 東京都豊島区西池袋三丁目 1-15 (西池袋 TS ビル 3F) 03-5956-9171 http://www.daidoseimitu.co.jp 377-0007 OHIO STAR FORGE CO. 4000 Mahoning Avenue, PO Box 430, Warren, Ohio 444820430, U.S.A. − 1-330-847-6360 http://www.ohiostar.com エンジニアリング (株)大同機械製作所 457-8577 名古屋市南区滝春町 9 052-611-7171 http://www.daido-kikai.co.jp 大同環境エンジニアリング(株) 457-0819 名古屋市南区滝春町 9 052-613-6851 http://www.daido-kankyo.co.jp 大同プラント工業(株) 457-0819 名古屋市南区滝春町 9 052-613-6861 http://www.daido-plant.co.jp 名古屋市東区東桜一丁目 1-10 (アーバンネット名古屋ビル) 052-963-7600 http://www.daidokogyo.co.jp http://www.daidolife.co.jp 流通・サービ ス 大同興業(株) (2003.12.10) 461-0005 (株)大同ラ イフサービ ス 457-0811 名古屋市南区大同町四丁目 7 052-611-8843 (株) ラ イフサポート 457-0811 名古屋市南区大同町四丁目 7 052-611-8874 399-6101 長野県木曽郡木曽町日義 4898-8 0264-23-7501 http://www.kisokoma.co.jp 457-0811 名古屋市南区大同町二丁目 30 大同特殊鋼(株)技術開発研究所内 052-611-9434 http://www.daido.co.jp/dbr/ 木曽駒高原観光開発(株) (株)大同分析リサーチ Daido Steel (America)Inc. (株) スター インフォテック 1111 Plaza Drive, Suite 740 Schaumburg, IL 60173, U.S.A. 名古屋市東区東桜一丁目 1-10 461-0005 (アーバンネット名古屋ビル) − 1-847-517-7950 http://www.daidosteel.com 052-963-7557 http://www.d-sit.co.jp 無印:連結子会社 *:持分法適用関連会社 46 表紙の写真 「クッチャロ 自然の森だいどう」 日本最北のラムサール条約登録湿地、 クッチャロ湖。 その湖畔に大同特殊鋼が半世紀にわたり護り続けてきた森があります。 私たちはこの森を「クッチャロ 自然の森だいどう」と名付け、 環境保全・自然愛護啓発のシンボルとし、 環境活動を展開していきます。 ★ DATA 本 社 名古屋市東区東桜一丁目1番10号(アーバンネット名古屋ビル) 東京本社 東京都港区港南一丁目6-35(大同品川ビル) 大阪支店 大阪市中央区高麗橋四丁目1-1(興銀ビル) お問い合わせ先 環境エネルギー部 TEL052-963-7514 FAX052-963-4386 発行日:2006年12月 ※この報告書の内容はインターネットでもご覧いただけます。www.daido.co.jp 古紙配合率100%再生紙を使用しています
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