研究プロトコール 2015.10.26 研究責任者 岡山済生会総合病院 画像

研究プロトコール
2015.10.26
研究責任者
岡山済生会総合病院 画像診断科
西山 徳深
共同研究者
研究タイトル
Virtual Monochromatic Image を用いた膝関節における靱帯・半月板描出能の検討
目的
整形領域における四肢の CT 撮影は多くの施設で行われている.しかし四肢の CT 撮影に
おける様々な条件は,体幹部の撮影に比べ標準化されていない.
膝関節における CT 検査において,靱帯・半月板描出能の検討少ない.同一人物において
数回の管電圧で撮影することは出来ないので,Dual Energy technology を用いた Virtual
Monochromatic Image による画像データの検討は大変有効である.骨領域の描出において
低管電圧撮影が有効とされてきたが,今後は骨折による機能回復に向けた靱帯や半月板の
評価も重要となる.この研究は整形領域の撮影標準化において大変重要である.
今回,Dual Energy technology を用いた CT 装置を使用した Virtual Monochromatic
Image による,膝関節における靱帯・半月板描出能において最適な設定電圧の検討を行う.
方法
対象は整形外科を受診し膝関節痛又は膝関節骨折疑いで CT 検査を施行された患者とす
る.臨床において撮影した画像データを使用し,Virtual Monochromatic Image を用いて
40keV~140keV まで 5keV ごとに大腿骨・膝窩軟骨・半月板・大腿筋肉・前十字靱帯・後
十字靭帯の CT 値の変動を測定する.
測定データより,40keV/65keV(120kVp)/140keV における CT 値変動について有意差検
定 (Paired t Test)を用いて比較検討する.
撮像方法
使用機器は Discovery CT750 HD (GE 社製)
.撮影は,Dual Energy technology を用
いた.撮影条件は,管電圧 140kVp と 80kVp の 2 種類の高速スイッチング方式を用いた撮
影で,管電流 375mA,撮影ビーム幅 40mm,ビームピッチ 0.531:1,管球回転スピード 0.7sec
とした.
画像再構成方法
Matrix:512×512,再構成スライス厚:0.625mm,再構成間隔 0.312mm
再構成関数:standerd/soft
期待される結果
膝関節の描出に焦点を当て,最適撮影表示方法の検討を行なう.膝関節部の描出におい
て,半月板は高電圧で表示し,十字靭帯は低電圧で表示することにより,最適な描出能が
得られると考える.
CT 検査で膝関節における靱帯・半月板を描出し診断可能となれば,MRI 検査に比べ簡便
で患者さんにも優しい検査として大変有効である.
予定症例数
80 例
研究予定期間
当院委員会承認後~2016.4.10
(データ収集対象期間:西暦 2013 年 10 月 1 日 ~ 西暦 2016 年 3 月 31 日
解析期間:当院委員会承認後
~ 西暦 2016 年 4 月 10 日)
同意の取得
対象者が研究の参加を拒否できるよう,当院ホームページ上にて研究情報を公開する.
被験者に起こりうる負担
通常診療内で撮影された CT 画像データを使用する研究のため,被験者に身体的、金銭的、
時間的負担は発生しない.
研究結果の公表
患者の個人情報を伏せた上で,学会・雑誌等での公表を行う.