「印刷物事例別料金調査(2010年度)」 の実施と結果について 財団法人経済調査会 調査研究部 第三調査研究室 ② 事例1 チラシ はじめに ③ 事例2 単行本 ④ 事例3 複写帳票 当会では,印刷関連会社のご協力を得て,印刷 物制作費の調査を実施し,その結果を「積算資料 ⑤ 事例4 パンフレット(小ロット) →仕様・見本を提示し,見積り書作成を依頼 印刷料金」 (以下「本誌」 )にて公表しています。 昨年に引き続き,印刷物の事例を示し,その印 ⑶ 回 答 刷物制作費について,各社の実取引価格をベース 調査内容 回答数 に見積り書を作成していただく手法(印刷物事例 ①企業概要アンケート ②事例1 チラシ ③事例2 単行本 ④事例3 複写帳票 ⑤事例4 パンフレット(小ロット) 282件 161件 138件 126件 160件 別料金調査,以下「本調査」 )で調査を実施しま したので,その内容と結果をお知らせします。 印刷物は,一品ごとに仕様が異なる受注生産品 であるため,その制作費算出には,仕様に従って 回答企業の概要については,従業員数99人以 各項目の料金を積み上げて(積算)いくことが必 下および年間売上高20億円未満の企業が全体の 要になりますが,本調査では,印刷物事例につい 約80%を占めました。 て仕様と組見本を示すことで,制作費全体の料金 水準把握を目的としました。 本調査の結果が,印刷物制作費の概算を判断す る参考情報になればと考えています。 ⑷ 集計方法 ・全国単純集計 ・見積り書の内容により判断可能な外れ値(項目 モレ,計算ミス,数量違いなど)や統計上(標 本調査の概要 準偏差や四分位)の外れ値は除外 ・ 「値引き」 「調整」等の端数処理は考慮せず 本調査の概要は以下のとおりです。 ⑴ 調査実施時期 調査結果 事例1 チラシ 2010年6〜9月 事例1 チラシでは,図-1に示す仕様・組見 ⑵ 調査内容 ① 企業概要アンケート調査 →企業概要および市況アンケート記入を依頼 前文–10 印刷料金 ’11 本にて調査を実施しました。 調査結果の概要は以下のとおりです。 ⑴ 見積り項目 刷版種類については,CTP版が86.7%と大半を ① 見積り書の内訳の有無 占めました。昨年も同様の傾向でしたので,印刷 ▪内訳あり……111件(68.9%) 物制作工程における刷版の主流はCTP版である ▪内訳なし…… 50件(31.1%) と判断できます。 ② 刷版種類(見積り書より判断可能な件数) 面付・印刷規格については,代表的な回答が ▪CTP版……91件(86.7%) 25.3%を占めた菊 (A)半裁 (A2) ・12面付と24.2 ▪PS版 ……14件(13.3%) %占めた菊 (A)全判 (A1) ・24面付の2種類で, ③ 面付・印刷規格 (見積り書より判断可能な件数) その他の50.5%はさまざまな面付・印刷規格の組 ▪菊 (A) 全判 (A1) ・24面付……24件(24.2%) み合わせが選択されていました。当然のことなが ▪菊 (A) 半裁 (A2) ・12面付……25件(25.3%) ら,保有設備により面付・印刷規格を決定するこ ▪その他……50件(50.5%) とが基本となりますが,本事例のように制作数量 ④ 用紙規格(見積り書より判断可能な件数) が多い場合は,面付を行い大判規格の刷版を制作 ▪菊判 ……59件(57.3%) して印刷することで印刷通し数が低減し,結果と ▪A判 ……36件(35.0%) して生産効率の上昇や制作費用の削減といった効 ▪その他……8件( 7.8%) 果を得ることができます。 図 ―1 事例1 チラシ 仕様・組見本 【仕 様】 項 目 内 容 1.規 格 ・仕上り規格 210×100 ㎜ 2.ページ数 ・両面 3.製本・加工 ・化粧断ち 4.製作数量 ・120,000枚 5.デザイン (DTP前作業) ・発注者よりデザイン指定としてカンプ紙が支給される ※このためデザインそのものを考える作業は不要とする 6.原稿内訳 ※発注者よりデジタル原稿が支給される 1)文 字:Wordファイル 1ファイル 3)写 真:写真データ 1点 7.印 刷 ・両面 4色(プロセスカラー) 8.校 正 1)文字レイアウト校正 :2回1部 9.用 紙 ・上質コート紙 四六判換算 73 ㎏ 10.包 装 ・1,500枚単位でクラフト包装(80包み) 11.その他 ・取引実績のある顧客からのスポット印刷物発注とする ・貴社工場と同市内への1カ所一括納品とする 【組見本】 〈表 面〉 2) 図 版:ロゴデータ 2点 4) キャプチャー:HPよりキャプチャー化して使用 1点 2)色校正 :1回1部 ・納期は標準的とする ・現金決済とする 〈裏 面〉 印刷料金 ’11 前文–11 ⑵ 見積り結果 が238,800円であり,調査結果からは,本事例に 調査結果は表-1のとおりです。 おける印刷物制作費用の概算は24万円前後の水 個々に見ると最小値と最大値の差が大きい項目 準と考えられます。 なお,参考までに,本誌(2010年版/前号)に がありますが,総額では,最小値と最大値の差が おける積算結果は表-2のとおりです。 3.2倍はあるものの,平均値は243,336円,中央値 表 ―1 事例1 チラシ 項目別調査結果 最小値 ① 項 目 DTP 〜校正 製版〜刷版(色校正含む) 印刷 製本・加工(包装含む) 用紙 諸経費(運賃含む) 総額 平均値 最大値 ④ 中央値 比較 (④÷①) 本誌 (2010年版) による積算結果 1,000円 8,000円 24,912円 4,000円 31,830円 3,000円 14,275円 37,543円 76,142円 31,104円 53,765円 26,778円 11,500円 36,500円 69,600円 30,000円 50,976円 23,000円 36,750円 76,000円 144,000円 61,000円 99,165円 71,720円 36.8倍 9.5倍 5.8倍 15.3倍 3.1倍 23.9倍 6,000円 29,800円 82,400円 32,800円 44,808円 25,455円 122,400円 243,336円 238,800円 386,980円 3.2倍 221,263円 ※集計は全国ベースの結果です。 ※見積り書の内容により判断可能な外れ値(項目モレ,計算ミス,数量違いなど)や統計上(標準偏差や四分位)の外れ値は対象外としました。 ※調査結果は回答企業の仕様の解釈や制作手法の違いによる差を含んでいるものとします。 ※本誌による積算結果は、調査時期に合わせ“2010年版/前号”の掲載内容(単価は東京地区)にて算出しました。 表 ―2 事例1 チラシ 本誌(2010年版/前号) による積算結果 印刷物事例調査 ちらし 件名 項目 構成 B.DTPパーツ作成 1 文字 2 図版 3 写真 C.DTPメイクアップ 表面 裏面 2 貼り込み 1 メイクアップ 規格等 データ処理 データ処理 データ処理 カラー 切抜き 文字主体 カラー A5以下 文字主体 カラー A5以下 210 × 100 ㎜ 規格・㌻数 単価 300 300 500 400 数量 数量 数量 数量 12,000 部 金額 円× 円× 円× 円× 1 ファイル 2点 2点 1点 = = = = DTPパーツ作成 計 300 600 1,000 400 2,300 円 円 円 円 円 700 円× 2,000 円× 100 円× 1㌻ 1㌻ 4点 = = = DTPメイクアップ 計 700 2,000 400 3,100 円 円 円 円 150 円× 2㌻× 1部× 2回= 校正紙出力 計 600 円 600 円 2,500 円 × 2枚× 1部× 1回= 色校正 計 5,000 円 5,000 円 D.校正紙出力 1 校正紙 両面 カラー A 4 以下 op 2 .色校正 1 デジタル 両面 DDCP A 4 両面 両面 面付 12面付 出力 A 2 100 円× 2,800 円× ㌻× 2版× 12 面 × 4色 2版= = 刷版 計 2,400 円 22,400 円 24,800 円 両面 A2 10,000 通し 1.03 円 × 2版× 4色× 10,000 通 = 印刷 計 82,400 円 82,400 円 A5 相当 クラフト 0.24 円 × 50 円 × 120,000 枚 80 包 = = 製本・加工 計 28,800 円 4,000 円 32,800 円 F.刷版 1 CTP版 G.印刷 1 枚葉 H.製本・加工 1 化粧断ち 2 包装 I.用紙 1 上質 コート紙 (数量) (金額) 菊 判 50.5 ㎏ 白紙断ち 2切 〈合計金額〉 1 加工高(各工程の合計) 2 諸経費(諸経費率×加工高) 正味数量 5,000 枚 + 148 円 × 350 円 × 13 % × 印刷予備紙 440 枚 + 50.5 ㎏ ÷ 11 包 製本予備紙 40 枚 = 1,000 枚 × 用紙総量 5,480 枚 5,480 枚 = 用紙 計 195,808 円 = 合計(加工高+諸経費 ※消費税別) ※本誌による積算結果は,調査時期に合わせ“2010年版/前号”の掲載内容(単価は東京地区)にて算出しました。 ※調査結果との比較のため,最も回答の多かった「CTP,菊(A)半裁12面付(A2)印刷」にて算出しました。 前文–12 印刷料金 ’11 40,958 円 3,850 円 44,808 円 195,808 円 25,455 円 221,263 円 調査結果の概要は以下のとおりです。 調査結果 事例2 単行本 ⑴ 見積り項目 ① 見積り書の内訳の有無 事例2 単行本では,図−2に示す仕様・組見 ▪内訳あり……91件(65.9%) ▪内訳なし……47件(34.1%) 本にて調査を実施しました。 図 ―2 事例2 単行本 仕様・組見本 【仕 様】 項 目 内 容 1.規 格 ・仕上り規格 B5 2.ページ数 ・168ページ 3.製本・加工 1)並製本 あじろ綴じ 2)見返し貼り(前後) 4.製作数量 ・5,000部 5.デザイン (DTP前作業) 1)表 紙 ※発注者より完全デジタル原稿が支給されるため,デザインを考える作業は不要とする 2)本 文(目次,奥付含む) ※発注者より“段組指定”があり,各ページのレイアウトは受注者にて行う 6.原稿内訳 ※発注者よりデジタル原稿が支給される 1)表 紙:完全デジタル原稿データ 2)本 文 ・本 扉 2ページ : 表紙1のデータ使用 ※裏は印刷なし ・序 文 1ページ : 文字 Word 1ファイル ・目 次 3ページ : 文字 Word 1ファイル ・本 文 161ページ : 文字 Word 10ファイル,罫表 Excel 40点,写真データ 121点 ・奥 付 1ページ : 文字 Word 1ファイル 7.印 刷 1)表 紙:表紙1・4 4色(プロセスカラー) 2)本 文:1色(スミ) ※表紙2・3は見返し貼りのため印刷なし 8.校 正 1)表 紙:文字レイアウト校正 :1回1部 2)本 文:文字レイアウト校正 :3回1部 色校正 :1回1部 9.用 紙 1)表 紙:アートポスト 四六判換算220 ㎏ 2)見返し:色上質紙 厚口(浅黄色) 3)本 文:上質紙 四六判換算70 ㎏ 10.包 装 ・25部単位でクラフト包装(200包) 11.その他 ・取引実績のある顧客からのスポット印刷物発注とする ・貴社工場と同市内への1カ所一括納品とする 【組見本】 〈本文 罫表入り〉 〈本文 写真入り〉 ・納期は標準的とする ・現金決済とする 〈奥 付〉 印刷料金 ’11 前文–13 ② 刷版種類(見積り書より判断可能な件数) えていくと,16ページ×10台(台とは複数のペ ▪ CTP 版……74件(90.2%) ージが印刷された1枚の紙を折りたたんだものを ▪ PS 版 …… 8件( 9.8%) 示す製本における単位)の160ページに8ページ ③ 表紙印刷規格(見積り書より判断可能な件数) を加えたページ数になります。前述したように, ▪四六判 (B) 半裁 (B2) ……39件(52.0%) 本事例のようなページ物印刷物は,制作工程の都 ▪四六判 (B) 四裁 (B3) ……26件(34.7%) 合上,1枚の紙に両面で16ページ(片面で8ペ ▪その他 ージ)または両面で8ページ(片面で4ページ) ……10件(13.3%) ④ 本文印刷規格(見積り書より判断可能な件数) 印刷するのが効率的であるため,仕様を決定する ▪四六判 (B) 全半 (B1) ……10件(12.5%) 段階で印刷物全体のページ数を4,8,16の倍数 ▪四六判 (B) 半裁 (B2) ……47件(58.8%) にすることが望ましいと言えます。 用紙の規格については,表紙・本文ともに四六 ▪四六判 (B) 四裁 (B2) ……15件(18.8%) ▪その他 判が90%以上となっています。単行本や書籍な …… 8件(10.1%) ⑤ 表紙用紙規格(見積り書より判断可能な件数) どの多ページで構成された印刷物(ページ物印刷 ▪四六判……75件(94.9%) 物とも言う)は,多ページを面付して印刷し,そ ▪その他…… 4件( 5.1%) の紙を折り加工し,表紙と合わせた後に断裁加工 ⑥ 表紙用紙規格(見積り書より判断可能な件数) を行って本としての体裁を整えるため,印刷・加 ▪四六判……77件(95.1%) 工のための余白が必要となります。このため,本 ▪その他…… 4件( 4.9%) 事例のように,枚葉印刷機によるB系列のページ 刷版種類については,事例2でも事例1と同様 物印刷物制作の際には,B判よりも一回り大きな 四六判を使用するのが一般的と言えます。 にCTP版が90.2%と大半を占めました。 印刷規格については,表紙・本文とも四六 (B) ⑵ 見積り結果 半裁 (B2) の選択比率が高く,表紙は52.0%,本文 は58.8%を占めています。本文は1枚の紙に複数 調査結果は表−3のとおりです。 のページを面付し,それを折りたたんで重ねるこ 事例1と同様に個々に見ると最小値と最大値の とにより1冊の本としての機能を果たしますが, 差が大きい項目がありますが,総額では,最小値 制作工程の都合上,1枚の紙に両面で16ページ と最大値の差が2.9倍はあるものの,平均値は (片面で8ページ)または両面で8ページ(片面 1,492,430円,中央値が1,490,000円であり,調査 で4ページ)印刷するのが,効率的と言われてい 結果からは,本事例における印刷物制作費用の概 ます。本事例では,仕上り規格がB5であるため, 算は150万円前後の水準と考えられます。 なお,参考までに,本誌(2010年版/前号)に B5を片面で8ページ面付(両面で16ページ)し た規格が半裁 (B2) になります。なお,本事例で おける積算結果は表−4のとおりです。 はページ数を168ページとし,16ページ単位で数 表 ―3 事例2 単行本 項目別調査結果 最小値 ① 平均値 中央値 最大値 ④ DTP 〜校正 製版〜刷版(色校正含む) 印刷 製本・加工(包装含む) 用紙 諸経費(運賃含む) 16,800円 52,538円 54,125円 85,000円 211,250円 4,500円 337,789円 126,019円 201,472円 229,442円 409,195円 114,159円 336,000円 119,750円 192,000円 218,675円 391,703円 99,013円 840,000円 250,000円 360,000円 450,000円 639,250円 315,461円 50.0倍 4.8倍 6.7倍 5.3倍 3.0倍 70.1倍 471,780円 99,000円 259,900円 149,350円 362,728円 107,421円 総額 827,425円 1,492,430円 1,490,000円 2,400,000円 2.9倍 1,450,179円 項 目 比較 (④÷①) 本誌 (2010年版) による積算結果 ※集計は全国ベースの結果です。 ※見積り書の内容により判断可能な外れ値(項目モレ,計算ミス,数量違いなど)や統計上(標準偏差や四分位)の外れ値は対象外としました。 ※調査結果は回答企業の仕様の解釈や制作手法の違いによる差を含んでいるものとします。 ※本誌による積算結果は,調査時期に合わせ“2010年版/前号”の掲載内容(単価は東京地区)にて算出しました。 前文–14 印刷料金 ’11 表 ―4 事例2 単行本 本誌(2010年版/前号) による積算結果 印刷物事例調査 単行本 件名 項目 構成 A.企画・編集デザイン 1 デザイン 本文等 書籍系 文字組 B.DTPパーツ作成 本文等 本文等 2 罫表 罫表入り 3 写真 写真入り データ処理 データ処理 作表 B6相当 データ処理 モノクロ 300 800 450 400 画像主体 B5 文字主体 モノクロ B5 文字主体 モノクロ B5 画像主体 1,300 800 1,200 700 100 1 文字 C.DTPメイクアップ 本扉 1 メイクアップ 序文 目次 2 データチェック 表紙1・4 3 貼り込み D.校正紙出力 1 校正紙 op 2 .色校正 1 デジタル F.刷版 規格等 G.印刷 1 枚葉 数量 金額 = 企画・編集デザイン 計 円× 円× 円× 円× 3 ファイル 10 ファイル 40 点 121 点 = = = = DTPパーツ作成 計 900 8,000 18,000 48,400 75,300 円 円 円 円 円 円× 円× 円× 円× 円× 1 2 164 2 121 = = = = = DTPメイクアップ 計 1,300 1,600 196,800 1,400 12,100 213,200 円 円 円 円 円 円 ㌻ ㌻ ㌻ ㌻ 点 168,000 円 168,000 円 1回= 3回= 校正紙出力 計 250 円 15,030 円 15,280 円 表紙1・4 DDCP B4 3,000 円 × 1枚× 1部× 1回= 色校正 計 3,000 円 3,000 円 面付 4面付 出力 B2 面付 8㌻面付 本文等(160㌻) 出力 B2 面付 4㌻面付×2面付 本文等(8㌻) 出力 B2 100 3,000 100 3,000 100 3,000 ㌻ 版 ㌻ 版 ㌻ 版 × × × × × × 4面× 4色 面× 1色 2面× 1色 1版= = 20 版 = = 2版= = 刷版 計 400 12,000 16,000 60,000 1,600 6,000 96,000 円 円 円 円 円 円 円 表紙1・4 B2 1,250 通し 本文等(160㌻)B2 5,000 通し 本文等(8㌻)B2 2,500 通し 4,600 円 × 1.41 円 × 2.01 円 × 1版× 20 版 × 20 版 × 4色× 1色× 1色× 通= 5,000 通 = 2,500 通 = 印刷 計 18,400 141,000 100,500 259,900 円 円 円 円 本文基本 本文加算 表紙くるみ 見返し 2 包装 クラフト I.用紙 (数量) 表紙 1 アートポスト (金額) 本文等 3 上質紙 数量 168 ㌻ 1部× 1部× 並製本 1 あじろ綴じ 見返し 色上質紙 数量 1枚× 167 ㌻ × H.製本・加工 2 単価 1,000 円× 5,000 部 数量 250 円× 30 円× 表紙1・4 カラー B4 本文等 モノクロ B5 表紙1・4 1 CTP版 B5 本文等 168 ㌻ 規格・㌻数 1 8 20 4 2 × = 1台= = = 50 円 × 200 包 四六判 220.0 ㎏ 白紙断ち 4切 印刷予備紙 123 枚 + 220.0 ㎏ ÷ 8包 四六判 厚口 正味数量 1,250 枚 + 20,000 円 ÷ 印刷予備紙 枚+ 四六判 70.0 ㎏ 白紙断ち 2切 正味数量 26,250 枚 + 130 円 × 350 円 × 印刷予備紙 1,194 枚 + 70.0 ㎏ ÷ 112 包 (数量) (金額) 円 円 円 円 × × × × × × 正味数量 625 枚 + 240 円 × 600 円 × (数量) (金額) 15.56 1.42 6.21 4.68 円 円 円 円 円 円 〈合計金額〉 1 加工高(各工程の合計) 2 諸経費(諸経費率×加工高) 8%× 15.56 1.42 6.21 4.68 27.87 円 円 円 円 円 × 5,000 部 = = 製本・加工 計 製本予備紙 10 枚 = 1,000 枚 × 用紙総量 758 枚 758 枚 = = 表紙 用紙金額 計 製本予備紙 用紙総量 19 枚 = 1,269 枚 1,000 枚 × 1,269 枚 = 見返し 用紙金額 計 製本予備紙 用紙総量 394 枚 = 27,838 枚 1,000 枚 × 27,838 枚 = 本文等 用紙金額 計 用紙 計 1,342,758 円 = 合計(加工高+諸経費 ※消費税別) 139,350 円 10,000 円 149,350 円 40,022 円 4,800 円 44,822 円 25,380 円 25,380 円 253,326 39,200 292,526 362,728 円 円 円 円 1,342,758 円 107,421 円 1,450,179 円 ※本誌による積算結果は,調査時期に合わせ“2010年版/前号”の掲載内容(単価は東京地区)にて算出しました。 ※調査結果との比較のため,最も回答の多かった「CTP,表紙四六(B)半裁(B2)印刷 本文四六(B)半裁(B2)印刷」にて算出しました。 印刷料金 ’11 前文–15 ② 刷版種類(見積り書より判断可能な件数) 調査結果 事例3 複写伝票 ▪ CTP 版……40件(65.6%) ▪ PS 版 ……21件(34.4%) ③ 印刷規格(見積り書より判断可能な件数) 事例3 複写伝票では,図−3に示す仕様・組 ▪菊 (A) 半裁 (A2) ……24件(41.4%) ▪菊 (A) 四裁 (A3) ……26件(56.9%) 見本にて調査を実施しました。 調査結果の概要は以下のとおりです。 ▪その他 …… 1件( 1.7%) 刷版種類については,事例3でもCTP版の割 ⑴ 見積り項目 合が高い結果となりました。 印刷規格については,菊 (A)四裁 (A3)が56.9 ① 見積り書の内訳の有無 ▪内訳あり……76件(61.8%) %となりました。複写伝票の印刷では,上下の用 ▪内訳なし……47件(38.2%) 紙に印刷された表を重ねて利用することから印刷 図 ―3 事例3 複写帳票 仕様・組見本 【仕 様】 項 目 内 容 1.規 格 ・仕上り規格 A4 2.ページ数 ・2枚複写 100組 3.製本・加工 1)複写帳票天のり 2)2つ穴あけ 3)ナンバリング印刷 1カ所6桁 連続ナンバー(上紙・下紙) 4.製作数量 ・100冊 5.デザイン (DTP前作業) ・発注者よりデザイン指定として帳票の紙原稿が支給される ※このためデザインそのものを考える作業は不要とする 6.原稿内訳 ※発注者よりアナログ原稿が支給される ・帳 票 : 紙原稿 1枚 ※1枚目(上紙)が原稿として支給され,2枚目(下紙)の文字差し替えは,指示によるものとする 7.印 刷 1)1枚目(上紙): 1色(スミ) 8.校 正 ・文字レイアウト校正:2回1部 9.用 紙 2)2枚目(下紙): 1色(グリーン) 1)1枚目(上紙): ノーカーボン紙 上葉 N- 40 2)2枚目(下紙): ノーカーボン紙 下葉 N- 60 ※ブルー発色とする 10.包 装 ・10冊単位でクラフト包装(10包み) 11.その他 ・取引実績のある顧客からのスポット印刷物発注とする ・貴社工場と同市内への1カ所一括納品とする 【組見本】 ・納期は標準的とする ・現金決済とする 〈1枚目(上紙)※2枚目(下紙) は文字差し替えのみ〉 ナンバリング印刷 1カ所 6桁 1枚目 (上紙) 2枚目 (下紙) 両方とも 文字差し替え 1枚目 (上紙) 本人控え 2枚目 (下紙) 事務所控え 穴あけ 2つ穴 前文–16 印刷料金 ’11 位置に精度が求められること,製本時の作業効率 差が6.5倍,平均値は114,725円,中央値が107,500 の関係等により,半裁以下の規格が一般的になっ 円となりました。この結果から,本事例における ています。 印刷物制作費用の概算は11万円前後の水準と考 えられます。 ⑵ 見積り結果 なお,参考までに,本誌(2010年版/前号)に 調査結果は表−5のとおりです。 おける積算結果は積算結果は表−6のとおりで 事例3では,総額についての最小値と最大値に す。 表 ―5 事例3 複写伝票 項目別調査結果 最小値 ① 項 目 平均値 最大値 ④ 中央値 比較 (④÷①) 本誌 (2010年版) による積算結果 DTP 〜校正 製版〜刷版 印刷〜製本・加工(包装含む) 用紙 諸経費(運賃含む) 1,000円 2,400円 24,000円 20,400円 2,000円 8,179円 7,003円 48,173円 41,733円 13,081円 7,000円 6,000円 44,000円 39,421円 11,627円 20,000円 16,000円 154,300円 75,684円 33,660円 20.0倍 6.7倍 6.4倍 3.7倍 16.8倍 7,612円 6,000円 81,000円 37,023円 17,113円 総額 37,000円 114,725円 107,500円 239,460円 6.5倍 148,748円 ※集計は全国ベースの結果です。 ※見積り書の内容により判断可能な外れ値(項目モレ,計算ミス,数量違いなど)や統計上(標準偏差や四分位)の外れ値は対象外としました。 ※調査結果は回答企業の仕様の解釈や制作手法の違いによる差を含んでいるものとします。 ※本誌による積算結果は,調査時期に合わせ“2010年版/前号”の掲載内容(単価は東京地区)にて算出しました。 表 ―6 事例3 複写帳票 本誌(2010年版/前号) による積算結果 印刷物事例調査 複写帳票 件名 項目 構成 B.DTPパーツ作成 1 文字 上下 入力 C.DTPメイクアップ 上紙 下紙 帳票 A 4 帳票 複製 D.校正紙出力 1 校正紙 上下 モノクロ A 4 上下 上紙 下紙 1 メイクアップ F.刷版 1 CTP版 G.印刷 1 枚葉 規格等 数量 数量 数量 金額 452 字 = DTPパーツ作成 計 452 円 452 円 6,500 円× 500 円× 1㌻ 1㌻ = = DTPメイクアップ 計 6,500 円 500 円 7,000 円 40 円× 2㌻× 1部× 2回= 校正紙出力 計 160 円 160 円 面付 2 面付 出力 A 3 100 円× 2,800 円× ㌻× 2版× 2面× 1色 2版= = 刷版 計 400 円 5,600 円 6,000 円 A3 5,000 通し A3 5,000 通し 1.20 円 × 1.30 円 × 1版× 1版× 1色× 1色× 5,000 通 = 5,000 通 = 印刷 計 6,000 円 6,500 円 12,500 円 150 円 × 0.11 円 × 100 冊 100,000 枚 50 円 × 10 包 I.用紙 下紙 (金額) 2 ノーカーボン 下葉 単価 100 冊 数量 1.0 円× H.製本・加工 1 複写帳票 2枚100組 A4 2 面付 穴あけ 2つ穴 A4 100,000枚 2 付加加工 ナンバリング 3 包装 クラフト (数量) 上紙 1 ノーカーボン (金額) 上葉 A4 2 枚複写 100組 規格・㌻数 A 判 白紙断ち N- 40 2切 正味数量 1,250 枚 + 13,200 円 ÷ 525 円 × A 判 白紙断ち N- 60 2切 12,500 円 ÷ 525 円 × 〈合計金額〉 1 加工高(各工程の合計) 2 諸経費(諸経費率×加工高) 13 % × 印刷予備紙 33 枚 + 3包 3包 = = = = 製本・加工 計 製本予備紙 35 枚 = 1,000 枚 × 用紙総量 1,318 枚 1,318 枚 = 上紙 用紙金額 計 1,000 枚 × 1,318 枚 = 下紙 用紙金額 計 用紙 計 131,635 円 = 合計(加工高+諸経費 ※消費税別) 15,000 11,000 42,000 500 68,500 円 円 円 円 円 17,398 1,575 18,973 16,475 1,575 18,050 37,023 円 円 円 円 円 円 円 131,635 円 17,113 円 148,748 円 ※本誌による積算結果は,調査時期に合わせ“2010年版/前号”の掲載内容(単価は東京地区)にて算出しました。 ※調査結果との比較のため,最も回答の多かった「CTP,菊(A)四裁(A3)印刷」にて算出しました。 印刷料金 ’11 前文–17 調査結果 事例4 パンフレット(小ロット) ▪オンデマンド印刷……48件(40.7%) ③ 刷版種類(見積り書より判断可能な件数) ▪ CTP 版……53件(86.9%) ▪ PS 版 …… 8件(13.1%) 事例4 パンフレット(小ロット)では,図− 4に示す仕様・組見本にて調査を実施しました。 本事例では, 「A4で8ページのパンフレットを ※オフセット印刷について ④ 印刷規格(見積り書より判断可能な件数) ▪菊 (A) 半裁 (A2) ……40件(78.4%) 50部」という,小ロットの印刷物の場合,どの ▪その他 ような制作手法が選択されるかに注目しました。 ※オフセット印刷について 調査結果の概要は以下のとおりです。 ……11件(21.6%) 印刷方式については,オフセット印刷が59.3%, オンデマンド印刷が40.7%となりました。 ⑴ 見積り項目 オンデマンド印刷は,刷版を使用せず印刷用デ ① 見積り書の内訳の有無 ータから直接印刷 (出力)するデジタル印刷が主流 ▪内訳あり……110件(68.8%) で,本事例のような小ロットの印刷物や一定数量 ▪内訳なし…… 50件(31.3%) ごとに違う情報を印刷したい場合(例:宛名入り ② 印刷方式(見積り書より判断可能な件数) DM,店名入りパンフレット等)に利用されてい ▪オフセット印刷 ……70件(59.3%) ます。 図 ―4 事例4 パンフレット (小ロット)仕様・組見本 【仕 様】 項 目 内 容 1.規 格 ・仕上り規格 A4 2.ページ数 ・8ページ 3.製本・加工 ・中綴じ 4.製作数量 ・50部 5.デザイン (DTP前作業) ・発注者よりPDF(完全原稿)が支給されるため,デザインを考える作業は不要とする 6.原稿内訳 ※発注者よりPDF(完全原稿)が支給される ・PDFデータ 8ページ分 1ファイル 7.印 刷 8.校 正 ・4色(プロセスカラー) ※PDF(完全原稿)支給のため不要とする 9.用 紙 ・上質コート紙 四六判換算90 ㎏ 10.包 装 ・50部でクラフト包装(1包み) 11.その他 ・取引実績のある顧客からのスポット印刷物発注とする ・貴社工場と同市内への1カ所一括納品とする 【組見本】 〈8ページ〉 前文–18 印刷料金 ’11 〈1ページ〉 ・納期は標準的とする ・現金決済とする 〈2〜7ページ〉 ⑵ 見積り結果 額(平均値)を比較すると,その差は3.4倍,金 調査結果は表−7のとおりです。 額差は55,813円となりました。オフセット印刷で オフセット印刷では,総額の最小値と最大値の は刷版の制作が必要であること,また,基本的に 差が2.3倍,平均値は79,224円,中央値が78,890円 同じ印刷物を大量複製することが目的の設備であ であり,調査結果からは,本事例におけるオフセ るため,ある程度の数量までは設備の大きさに見 ット印刷による制作費用の概算は8万円前後の水 合った最低基準料金(制作数量によらず発生する 準と考えられます。 固定費)がかかってしまうことになります。この 一方,オンデマンド印刷では,総額の最小値と ため,本事例のような小ロットの印刷物制作で 最大値の差が6.4倍,平均値は23,411円,中央値が は,オンデマンド印刷が費用面で有利であり,そ 27,000円であり,調査結果からは,本事例におけ の差が現れた結果と言えます。 なお,参考までに,本誌(2010年版/前号)に るオンデマンド印刷による制作費用の概算は25,000 おけるオフセット印刷の積算結果は表−8のと 円前後の水準と考えられます。 おりです。 なお,オフセット印刷とオンデマンド印刷の総 表 ―7 事例4 パンフレット (小ロット)項目別調査結果 最小値 ① 項 目 平均値 オフセット印刷 DTP 〜校正 製版〜刷版 印刷 製本・加工(包装含む) 用紙 諸経費(運賃含む) 300円 5,200円 10,000円 500円 688円 1,107円 総額 44,500円 オンデマンド印刷 総額 8,750円 最大値 ④ 中央値 6,072円 24,484円 33,034円 5,987円 3,266円 10,037円 比較 (④÷①) 5,000円 24,000円 32,000円 5,000円 3,000円 8,000円 24,000円 48,000円 56,000円 15,500円 7,000円 24,900円 79,224円 78,890円 28,411円 27,000円 本誌 (2010年版) による積算結果 80.0倍 9.2倍 5.6倍 31.0倍 10.2倍 22.5倍 5,600円 23,200円 33,600円 1,570円 3,283円 8,743円 126,000円 2.8倍 75,996円 56,000円 6.4倍 ― ※集計は全国ベースの結果です。 ※見積り書の内容により判断可能な外れ値(項目モレ,計算ミス,数量違いなど)や統計上(標準偏差や四分位)の外れ値は対象外としました。 ※調査結果は回答企業の仕様の解釈や制作手法の違いによる差を含んでいるものとします。 ※本誌による積算結果は,調査時期に合わせ“2010年版/前号”の掲載内容(単価は東京地区)にて算出しました。 表 ―8 事例4 パンフレット(小ロット)本誌 (2010年版/前号) による積算結果 件名 印刷物事例調査 パンフレット(小ロット) 項目 構成 C.DTPメイクアップ 1 データチェック 規格等 A4 8 ページ 規格・㌻数 単価 数量 700 円× 8㌻ 面付 4 ㌻面付け 出力 A 2 100 円× 2,800 円× 4㌻× 2版× G.印刷 1 枚葉(最低基準) A2 50 通し 4,200 円 × 2版× H.製本・加工 1 中綴じ(最低基準) 2 包装 A4 クラフト 50 円 × 1包 F.刷版 1 CTP版 画像主体 I.用紙 1 上紙 コート紙 (数量) (金額) 菊 判 62.5 ㎏ 白紙断ち 2切 〈合計金額〉 1 加工高(各工程の合計) 2 諸経費(諸経費率×加工高) 正味数量 25 枚 + 170 円 × 350 円 × 13 % × 印刷予備紙 250 枚 + 62.5 ㎏ ÷ 1包 数量 50 部 数量 数量 金額 = DTPメイクアップ 計 5,600 円 5,600 円 面× 4色 2版= = 刷版 計 800 円 22,400 円 23,200 円 4色× = 印刷 計 33,600 円 33,600 円 = = 製本・加工 計 1,520 円 50 円 1,570 円 製本予備紙 1枚= 1,000 枚 × 用紙総量 276 枚 276 枚 = 用紙金額 計 用紙 計 67,253 円 = 合計(加工高+諸経費 ※消費税別) 2,933 350 3,283 3,283 円 円 円 円 67,253 円 8,743 円 75,996 円 ※本誌による積算結果は,調査時期に合わせ“2010年版/前号”の掲載内容(単価は東京地区)にて算出しました。 ※調査結果との比較のため,最も回答の多かった「オフセット,CTP,菊(A)半裁(A2)印刷」にて算出しました。 印刷料金 ’11 前文–19 小値と最大値の差は,4.8〜9.5倍でした。この項 まとめ 目では,刷版種類や規格および色校正手法の選択 が料金差の要因と考えられます。 印刷物の事例を示し,その印刷物の制作につい 刷版種類についてはフィルム製版の有無 (CTP て,各社の実取引価格をベースに見積り書を作成 版は無,PS版は有) ,刷版規格についてはページ していただく手法で行った本調査の結果の概要は 物印刷物での版数,色校正については主にDDCP 以上のとおりです。 の機種・品質の違いにより,コスト面の差が出や 本稿の最後として,調査結果より得られた料金 すくなります。刷版種類や規格は,基本的に受注 における集計項目ごとの傾向についてまとめます。 側の保有設備によって決まりますが,色校正手法 は発注側の要求する品質に左右されますので,仕 ⑴ 全 体 様決定時に受発注間双方での確認が必要だと言え 個別の事例の結果で述べてきたように,総額に ます。 おける各事例の最小値と最大値の差は,2.9〜6.5 倍でした。 この差が発生する要因については, ③ 印刷および製本加工(包装含む) 印刷および製本加工おける各事例の最小値と最 大値の差は,印刷で5.6〜6.7倍,製本加工で5.3〜 ・印刷物仕様の読み取り方の違い 31.0倍の結果でした。印刷では,刷版規格(=印 ・選択する制作工程・印刷規格の違い 刷規格)と面付数の関係により印刷通し数が変わ ・工程別料金の企業間格差 るため,刷版規格がコストに影響します。なお, 等が考えられます。 他の項目に比べ,最小値と最大値の差が安定して 次に,これらの観点をベースに,主要な項目別 料金についての傾向を見ていきます。 いるため,刷版規格の要因を除くと印刷単価の企 業間格差が出やすい項目だと言えます。 製本加工では,事例4(オフセット印刷)で31.0 ⑵ 個別項目 ① DTP 〜校正 DTP〜校正における各事例の最小値と最大値 の差は,20.0〜80.0倍でした。 倍の差が出ましたが,これは最低基準料金の設定 の違いが要因と考えられます。 ④ 用 紙 用紙における各事例の最小値と最大値の差は, DTP作業の見積もりは,仕様の原稿内訳や組 事例4を除き3倍程度の結果でした。数量算出に 見本イメージから作業量(主に所要時間)を想定 おける予備紙枚数の影響もありますが,用紙価格 し,それに係る費用を算出するのが一般的です の企業間格差が要因だと言えます。 が,この作業量想定の違いが料金差を生んでいる ⑤ 諸経費(運賃含む) と考えられます。また,本誌「印刷費積算体系」 諸経費における各事例の最小値と最大値の差 におけるDTP作業は“デザイン指示によるオペ は,16.8〜70.1倍の結果でした。諸経費について レーション作業でデザイン作業は含まない”との は,各企業の見積り項目としての扱いや含まれる 位置付けですが,このデザイン作業への解釈の違 費用の内容がまちまちであるため,単純な比較は いも要因の一つと考えられます。 できません。 なお,事例4は仕様にて“PDF(完全原稿) 支給”の設定でしたので,完全原稿への解釈の違 当会では,今後も定期的に「印刷物事例調査」 いにより大きな差になったと思われます。 を実施し,本誌の掲載内容充実を図っていく所存 ② 製版〜刷版(色校正含む) です。 製版〜刷版(色校正含む)における各事例の最 前文–20 印刷料金 ’11
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