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2004
環境・社会行動レポート
会社概要
事業内容
設 立
資 本 金
電気事業
1952年9月16日
約1,524億円
75
J-POWERは、日本各地に
カ所の発電設備を有し
電力安定供給に貢献しています。(関係会社分を含む)
国内の電力設備
(2004年3月31日現在)
●発電設備(最大出力)
59カ所
8,550,500kW
水力発電所
火力・地熱発電所
8カ所
7,824,500kW
計
67カ所 16,375,000kW
●送電設備(亘長)
2,404.4km
うち超高圧送電線
1,970.2km
直流送電線
267.2km
●変電設備(出力)
3カ所 4,292,000kVA
●周波数変換所(出力)
1カ所
300,000kW
●交直変換設備(出力)
4カ所
2,000,000kW
●無線通信設備(回線延長)
1,418,173ch-km
●関係会社保有発電設備
4カ所
78,050kW
風力発電所
コジェネレーション設備
1カ所
12,280kW
廃棄物発電所
1カ所
20,600kW
IPP発電設備(最大契約) 2カ所
372,000kW
計
8カ所
482,930kW
水力発電所
火力発電所
地熱発電所
風力発電所
廃棄物発電、コジェネレーション、IPP事業
変電所・周波数変換所・交直変換所
送電線
技術開発センター・研究所
発電電力量
(2003年度・関係会社分を除く)
12,103百万kWh
水力
石炭火力
51,133百万kWh
地熱
105百万kWh
計
63,341百万kWh
販売電力量・収入
(2003年度・関係会社分を除く)
58,787百万kWh
電力量
電力量収入
453,478百万円
発電設備出力
営業収益、営業費用、経常利益
販売電力量
(百kW)
200,000 火力
水力
(億円) 電気事業営業収益
6,000 電気事業営業費用
経常利益
(百万kWh)
70,000 火力
水力
160,153 160,853 160,853 163,750
150,000 139,153
58,787
60,000
5,000
54,429
48,915
50,000
50,403
4,503
56,545
78,245
78,245
78,245
40,000
4,342
4,215
4,008
3,000
30,000
30,040
38,986
41,529
45,527
47,937
2,000
20,000
82,608
82,608
82,608
82,608
85,505
1,000
10,000
9,786
0
5,190
3,445
39,826
100,000
50,000
5,462
3,849
4,000
77,545
5,477
4,953
1999
2000
2001
2002
2003(年度)
グラフには関係会社分の数値は含んでいません。
0
1999
9,929
8,874
8,902
2000
2001
2002
329
10,850
2003(年度)
0
1999
353
2000
369
2001
273
2002
335
2003(年度)
編集方針
●
当社では、環境問題への取り組み全般を情報公開する
ため、1998年より環境行動レポートを毎年作成して
おり、今回で7回目の発行となります。今後とも毎年
継続し、次回は、2005年8月の予定です。
●
作成にあたっては、他社の優れた環境報告の考え方や
環境省が公表した「環境報告書ガイドライン(2003
年度版)
」の考え方を参考としました。
●
さらに、持続可能性報告への充実に向け、
「環境側面」
はもちろんのこと、
「経営全般」
「社会的側面」の要素
も含めました。
●
本レポートは、2003年度の当社における国内の活動
を中心に作成しました。
(一部の取り組み内容は、2004
年4月以降の実績も記載)
●
本レポートにおけるグループの範囲は原則として財務
連結の対象とします。
●
なお、数値データは、2004年3月末時点の単体ベース
の実績であり、グループ会社分を含む場合には当該箇
所にその旨注記しています。
●
会社の事業活動と環境〔INPUT、事業活動、OUTPUT〕
目 次
トップメッセージ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
企業理念 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
発電事業と環境
石炭火力発電と環境 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
水力発電と環境 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
原子力発電と環境 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
風力発電と環境 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
バイオマス発電と環境 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
[ 環境編 ]
Ⅰ.環境マネジメント
1.J-POWERグループ環境経営ビジョン ・・・・・7
2.2004年度環境行動指針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
3.事業活動と環境(2003年度)・・・・・・・・・・・・・11
4.環境会計・環境効率性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・13
5.環境マネジメント組織と取り組み ・・・・・・・15
Ⅱ.環境活動状況
1.2003年度活動実績一覧表 ・・・・・・・・・・・・・・・19
2.地球温暖化防止対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
3.環境保全への取り組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・33
4.循環資源の再生・再利用 ・・・・・・・・・・・・・・・43
5.技術研究開発 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47
6.環境コミュニケーション ・・・・・・・・・・・・・・・51
[ 社会編 ]
1.社会とのかかわり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・57
2.コンプライアンス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・59
3.従業員とのかかわり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・59
[ 社外の評価・意見 ]
1.環境経営格付 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・65
2.環境レポート大賞(奨励賞)受賞
(奥只見・大鳥増設建設所 環境報告書)・・・65
3.読者意見 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66
の数値(P.11∼P.12)並びに定量目標に対する2003
年度実績(P.19)の信頼性について、第三者機関(㈱
新日本環境品質研究所)による審査を受けました。こ
の結果をP.67に掲載しています。
●
今年度は新たに、本レポートのダイジェスト版を発行
しました。
●
また、本レポートは、当社ホームページ「環境対策・
社会貢献」に掲載します。
(2004年9月予定)
●
用語・索引集をP.79∼82に掲載しています。
[ 第三者審査 ]
第三者機関による
「2004環境・社会行動レポート」の審査 ・・・・・・・67
[ 資料編 ]
環境年表 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・68
年度別データ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・69
グループ企業における取り組み ・・・・・・・・・・・・・71
地球温暖化対策推進大綱の概要 ・・・・・・・・・・・・・75
気候変動枠組条約の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・75
京都議定書の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・76
電気事業における環境行動計画 ・・・・・・・・・・・・・77
環境影響評価法の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・79
用語・索引集 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・79
組織・各事業所所在地・電話番号 ・・・・・・・・・・・83
主なJ-POWERグループ企業の紹介 ・・・・・・・・・・84
Ⅰ
・
環
境
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
Ⅱ
・
環
境
活
動
状
況
社
会
編
社
外
の
評
価
・
意
見
第
三
者
審
査
資
料
編
トップメッセージ
2003年6月に電気事業法が改正され、小売自由化範囲の段階的な拡大、卸電力取引所の創設などによ
り今後の電気事業においては益々競争が進展するものと予想されています。
一方、J-POWERの民営化につきましては、2003年10月にJ-POWERの設立根拠法でありました電
源開発促進法が廃止されるとともに、完全民営化に向けてJ-POWER株式の取得、管理、および売却等
を実施するための法人としてJ-POWER民営化ファンド株式会社が設立され、既に大規模増資の引き受
けがなされました。
このような事業環境のもと、今後、国内外での市場競争時代に勝ち残る企業として引き続き発展して
いくために、
「卸電気事業競争力の徹底強化」と「国際事業・新事業の拡大推進」を経営方針に掲げ、
2001年度から「第三次企業革新計画」
(5カ年計画)を推進しております。2004年4月には、この計画
の達成に向けてJ-POWERグループの再編を実施するなどグループ経営の強化を図っています。
J-POWERの環境への取り組みについては、これまで環境管理という観点から、2000年6月に「電源
開発環境方針」を制定し全社で取り組みを行ってきましたが、エネルギーと環境の共立を目指す企業理
念を踏まえ、持続可能な社会の発展に更に貢献していくため、環境保全と経済価値の向上を同時に実現
する「環境経営」への取り組み姿勢を明らかにするとともにグループ各社へ拡大することと致しました。
これにより、2004年4月にJ-POWER単独であった「電源開発環境方針」に換えて、J-POWERグ
ループとしての基本姿勢、地球環境問題、地域環境問題および透明性・信頼性への取り組みに関する「JPOWERグループ環境経営ビジョン」の基本方針を定めました。特に、二酸化炭素排出量の大きいエネ
ルギー供給業を営む者として、地球環境問題への取り組みについての決意を明らかに致しました。
現在、この方針に沿って、J-POWERおよびJ-POWERグループ連結各社のアクション・プログラム
策定に向けた中長期の取り組み課題・目標設定のあり方・達成手段に係る具体的な検討を開始している
ところです。
J-POWERは、民営化後の持続的な発展に向けて「エネルギー」と「環境」をキーワードに環境経営
の推進に全力を挙げて取り組んでまいります。
2004年8月
代表取締役社長
1
企 業 理 念
わたしたちは
人々の求めるエネルギーを不断に提供し、日本と世界の持続可能な発展に貢献する
誠実と誇りを、すべての企業活動の原点とする
環境との調和をはかり、地域の信頼に生きる
利益を成長の源泉とし、その成果を社会と共に分かち合う
自らをつねに磨き、知恵と技術のさきがけとなる
豊かな個性と情熱をひとつにし、明日に挑戦する
J-POWERグループが取り組んでいる事業
卸電気事業で培った技術力をコアに事業領域を広げています。
国内電力事業
海外電力事業
資源関連事業
卸電気事業
(水力・火力・流通・原子力)
電力会社向けIPP事業
PPS向け発電事業
オンサイト型エネルギーサービス
風力・廃棄物・バイオマス
環境関連事業
エンジニアリング
活用事業
連結売上高構成比
当社の設備出力と10電力会社の設備出力
(2004年3月期)
(2004年3月末現在,単体ベース)
(単位;MW)
その他の事業
46,
931百万円
電気事業雑収益
1,
573百万円
70,000
原子力
8%
1%
水力発電
135,
758百万円
24%
92%
託送
63,
398百万円
40,000
30,000
火力発電
322,
191百万円
国内シェア
約7%
20,000
10,000
0
東
京
関
西
中
部
九
州
J-POWER
電気事業
522,
922百万円
水力
50,000
11%
56%
火力(地熱)
60,000
東
北
中
国
四
国
北
海
道
北
陸
沖
縄
2
発電事業と環境
当社は、暮らしと経済活動に不可欠な電力エネルギーを生産・供給する発電事業をメイン事業としています。その主
力発電設備である石炭火力発電、水力発電と現在推進中の原子力発電、風力発電、バイオマス発電について、それぞれ
環境とのかかわりを以下のように考えています。
石炭火力発電と環境
当社の石炭火力発電
当社は、日本の電気事業における全石炭火力発電設備
が発生します。当社は、これらの環境負荷を最小限に抑え
の約22%に相当する総出力781万kWの設備(全国7ヶ所
るためには、総合的な排煙処理対策を施した発電所でク
の発電所)を保有する我が国における石炭火力発電の
リーンな電気に変換して利用することが最も効果的な方
リーディングカンパニーです。
法であると考えています。当社が採用した設備は、世界最
石炭は、供給安定性および経済性に優れた化石燃料で
すが、燃焼に伴い、硫黄酸化物、窒素酸化物、ばいじんなど
高水準の熱効率を有し、ばいじん除去、脱硫、脱硝などの
環境対策設備にも世界最先端の技術を導入してきました。
地球規模の視点
当社は地球温暖化問題と石炭利用とを地球規模で捉え、
京都メカニズムを活用して国際的に対処する必要がある
と考えています。石炭は化石燃料の中でもひときわ可採
埋蔵量が多く、人類が最も長期に使い続けられる燃料で
す。地球規模でみると石炭は全一次エネルギー需要の約
4分の1を占め、電気の約40%が石炭から作られていま
す。石炭の消費量は今後も長期にわたり増大すると予測
されており、特に京都議定書の約束を持たない発展途上
国では成長のための消費増大が顕著であり、これが地球
温暖化対策上大きな課題となっています。また欧米にお
いて、効率の低い老朽発電設備が数多く利用されている
橘湾火力発電所(徳島県)
ことも要対策課題です。
持続可能な石炭利用
当社は環境特性に優れた日本の高効率石炭火力発電技
持続可能な石炭利用サイクル
術を、これらの国に移転することが重要な地球温暖化対
途上国など
策になると考えます。この技術移転を京都メカニズムに
則って実施すれば、日本は共同実施(JI)やクリーン開
発メカニズム(CDM)を通じてCO2排出クレジットを
石炭利用の
高効率化
石炭消費量の抑制
CO2排出削減
獲得でき、これを利用して国内で石炭を効率良く利用し
続けることができます。また、これがより一層高効率の
石炭利用技術の開発につながり、これを自ら利用すると
ともに、京都メカニズムを通じてさらに海外に移転する
クレジット移転
技術移転
ことができます。
当社はこのような取り組みの長期的、継続的な実施が、
世界に冠たる石炭利用技術を有する当社をはじめとした
さらなる石炭の
高効率利用技術開発
高効率石炭利用
日本の役割であり、地球温暖化問題に地球規模で対処し
ながら、日本のエネルギーセキュリティー確保と経済性
向上とを両立させる、持続可能な石炭利用のあり方であ
ると考えます。
3
日 本
● 石炭の供給安定性
石炭の可採埋蔵量は192年分(9,844.5億t)とさ
確認可採埋蔵量
れており、石油の41年分(1兆1477億バレル)
、天
然ガスの67年分(175.8兆m3)と比べて極めて大き
確認可採埋蔵量 9,844.5億t 192
石 炭
く、また米国、オーストラリア、ヨーロッパ、中国
など、世界各国に幅広く分布しているので、エネル
67.1 確認可採埋蔵量 175.8兆m3
天然ガス
ギーの大部分を輸入に頼るわが国にとって抜群の供
給安定性を有しています。他方、これに対して石油
41.0
石 油
は中東に全資源の約63%が集中し、日本の中東から
0
確認可採埋蔵量 1兆1477億バレル
50
100
150
200
250 (年)
出典:BP Statistical Review of World Energy June 2004
の輸入依存度も86%と極めて高いので、国際紛争な
どによる供給支障の大きなリスクを有しています。
世界の確認可採埋蔵量と生産量(2003)
970.0
442.2
741.5
1,667.0
229.98
125.40
6.58 62.2
カナダ 249.99
旧ソ連
ヨーロッパ
84.4
7.56 4.7
その他アフリカ・中東
238.8
367.3
114.50
インド
0.77 1.3
203.6
その他アジア
10.71
・オセアニア
347.2
中国
49.52
南アフリカ
米国
日本
2003年生産量 単位:百万t
世界計 51.1億t
2003年確認可採埋蔵量 単位:10億t
世界計 9,844.5億t
82.09
オーストラリア
べて安価でかつ安定していることがわかります。
エネルギー源別輸入価格(発熱量当たり)
7.00
輸入価格:円 / 1,000kcal
の平均価格をみると、石炭の価格は原油やLNGに比
その他アメリカ
出典:BP Statistical Review of
World Energy June 2004
● 石炭の価格
過去30年にわたる輸入エネルギーの発熱量当たり
22.96 72.0
原 油
一般炭
LNG
6.00
5.00
4.00
3.00
2.00
1.00
0.00
● 世界の石炭需要
70 72 74 76 78 80 82 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02
世界の石炭需要は、IEA(国際エネルギー機関)
の
出所:エネルギー・経済統計要覧2004
推計では、2000年時点で石油換算24億tで、全一次
エネルギー需要の26%を占めています。また2000年
世界の石炭需要の予測(基準シナリオ)
以降年率1.4%で増加し、2030年には石油換算36億
の石炭消費が倍増し2030年には世界の石炭消費の
54%を占めるとみられています。特に中国
(年率2.2
%)
およびインド
(年率2.4%)
の伸びが顕著です。
発電用燃料における、石炭需要は2000年時点で
43%であり、年率1.8%で増加し、2030年時点にお
いても41%程度を占めるものと予測されています。
40
石炭需要(石油換算億t)
tに達すると予測されています。地域別では、アジア
OECD
経済移行国
アジア
その他途上国
30
20
10
0
2000
2010
2020
2030
出典:World Energy Outlook 2002(IEA)
4
水力発電と環境
水力発電の特徴と現状
水力発電は、わが国の総発生電力量の10%、総発電出
力の20%を占め、その河川と地形の特徴を活かした純国
産の貴重なエネルギーであるとともに、発電に際して
CO2を発生しないなど環境に与える影響が比較的少ない
再生可能エネルギーの中で量的・質的に最も信頼できる
エネルギーですが、河川環境への影響(貯水池および減
水区間の出現などに伴う河川生態系の変化)
、貯水池流
入土砂の処理および水質悪化等の課題も顕在化してきて
います。
奥只見発電所(福島県・新潟県)
今後の取り組み
当社は、水力発電におけるこれらの課題に対し河川維
当社の代表的な水力発電所
持流量の確保、魚道、表面取水設備の設置などの解決策
を実施することで、社会からの信頼性が高まれば、本来
地点名
一般水力
(単位:万kW)
設備出力
奥只見
56
(国内出力 第1位)
水力発電が持つ地球温暖化防止や電力の安定供給におい
田子倉
38
( 〃 第2位)
てますます貢献できると認識しています。また、これま
佐久間
35
( 〃 第3位)
手取川第1
25
( 〃 第6位)
御母衣
21.5 ( 〃 第7位)
での国内大小合わせて59カ所、855万kW以上の水力開
発(国内水力シェア約20%、全電源の約3%)と40年間
その他(47地点)
にわたる海外水力技術協力を通じて得たノウハウを、環
境影響の少ない小水力事業に活かし、各自治体等の要望
揚水発電
182.
55
合 計(52地点)
358.
05
新豊根
112.5
下郷
100
に応えて調査計画から建設運転に至るエンジニアリング
奥清津
100
事業に積極的に取り組んでいきます。
奥清津第2
一方、世界には水力発電に適し経済的な開発が可能な
地点が数多く残されており、当社は、それらの開発に、
コンサルティング事業等を通じて貢献したいと考えてい
60
その他(3地点)
124.
5
合 計(7地点)
497.
0
水力全体(59地点)合計
855.
05
(注)海水揚水実証試験設備は含まず。
(2004年4月1日現在)
ます。
原子力発電と環境
原子力発電は、発電に際してCO2を排出しないため、
地球温暖化対策の中心的な役割を果たすものと考えてい
ます。
当社は、1995年8月、国の原子力委員会決定に基づき、
軽水炉プルトニウム利用計画(プルサーマル)の一環と
して青森県大間町において、全炉心MOX燃料装荷をめ
ざした原子力発電所(フルMOX−ABWR:138万3,000
kW)の建設に取り組んでいます。
現在、着工に向けて準備工事を進めるとともに、国に
よる安全審査を受けています。
大間原子力発電所完成予想図(青森県)
5
風力発電と環境
風力発電は、発電に際してCO2を排出しないクリーン
また、風力発電は出力変動が大きいという特性があり、
な再生可能エネルギーであり、資源の乏しい我が国に
当社は、新エネルギー・産業技術総合開発機構からの受
とっては貴重な純国産エネルギーです。
託事業として、苫前ウィンビラ発電所に蓄電池を併設す
2000年に国内の大規模ウィンド・ファームの先駆け
となる北海道の苫前ウィンビラ発電所の営業運転を開始
ることによって、瞬時瞬時に変動する発電出力を平滑化
する技術開発を実施しています。
して以降、順次、秋田県の仁賀保高原風力発電所、東京
都の東京臨海風力発電所、岩手県のグリーンパワーくず
まき風力発電所の4地点78,050kWを開発し、更に北海
道の瀬棚地点、愛知県の田原地点、長崎県の鹿町地点、
熊本県の西原地点の4地点66,500kWを建設中であり、今
後とも積極的に風力発電事業を展開していくこととして
います。
開発にあたっては、環境調査や景観シミュレーション
を実施し、環境に配慮した計画を策定し、建設を進めて
います。
仁賀保高原風力発電所(秋田県)
バイオマス発電と環境
バイオマスは、太陽エネルギーが植物の光合成や動植
また、海外でのバイオマス発電所建設など、バイオマ
物の食物連鎖によって生体内に固定、蓄積されたもので、
スの有効利用に取り組んでおり、今後とも、バイオマス
生物の体や排泄物などを意味します。バイオマスは炭素
エネルギーの利用促進を幅広く積極的に進めていきます。
や水素を含むことから燃焼可能であり、新エネルギー源
として注目されています。
植物
バイオマスに含まれる炭素は、もともと大気中の炭素
が成長過程で光合成により植物に固定されたものなので、
燃焼で発生するCO2は、右図のように短い時間サイクル
で排出と固定をくり返すため、温室効果をもたらすもの
光合成
加工
とはみなされません。
バイオマス資源は、再生可能な新エネルギーとして位
置付けられており、CO2排出量削減に有効なことから、
CO2
国をはじめ各方面においてその利用方法及び普及促進の
検討が進められています。また、バイオマス資源の多く
は未利用であり、循環型社会を形成する上でも有効利用
が期待されています。
バイオマス
エネルギー(燃料)
利用(燃焼)
当社は、国内のバイオマス資源を大量にしかも経済的
に利用するには、石炭火力発電所での混焼が最も効率的
であると考えており、これまでに乾燥下水汚泥燃料や木
質チップを石炭と混焼する技術開発を推進しています。
6
[ 環境編 ]
Ⅰ.環境マネジメント
1.J-POWERグループ環境経営ビジョン
基本方針
J-POWERグループは、
● 基本姿勢
・エネルギー供給に携わる企業として環境との調和を図りながら、人々の暮らしと経済活動に欠くことの出
来ないエネルギーを不断に提供することにより、日本と世界の持続可能な発展に貢献します。
J-POWERグループは、エネルギー供給に携わる企業として石炭をはじめとする限りある資源を多様なニー
ズに呼応して有効に活用し、人々の暮らしと経済活動に欠くことの出来ない電力を効率的に生産し絶えるこ
となく提供し続ける。その事業活動に伴い発生する環境への影響を小さくするよう努力し、地球温暖化防止
対応をはじめとした環境リスクの低減と環境効率(生産量/環境負荷量)の向上を図り、環境配慮と経済価
値の向上を同時に実現することにより、日本と世界の持続可能な発展に貢献する。
● 地球環境問題への取り組み
*
・国連気候変動枠組条約の原則 に則り、地球規模での費用対効果を考慮して地球温暖化問題に取り組みま
す。そのため、エネルギー利用効率の維持・向上、CO2排出の少ない電源の開発、技術の開発・移転・普
及、および京都メカニズムの活用などを合理的に組み合わせることにより、販売電力量あたりのCO2排出
量を、継続的に低減してゆきます。さらに、究極の目標としてCO 2の回収・固定などによるゼロエミッ
ションを目指し、努力を続けます。
地球温暖化問題は、人類が今世紀を通じて化石燃料を主要なエネルギー源としてゆかざるを得ない中で、長
期的に取り組んでゆくべき最も重要な課題である。その対策には大きなコストを伴うが、環境と経済が調和
した持続可能な開発を実現してゆくためには、地球規模でみて費用対効果の高い対策・措置をすすんで採用
し、より大きな温室効果ガスの削減をより小さなコストで実行してゆくことが望まれ、京都議定書のベース
である国連気候変動枠組条約にもその原則が明記されている。
J-POWERグループは、エネルギー利用効率の維持・向上、CO2排出の少ない電源の開発、技術の開発・
移転・普及および京都メカニズムなどを、地球規模での費用対効果を考慮して経済合理的に組み合わせて実
施することにより、販売電力量あたりのCO2排出量を継続的に低減させてゆく。
さらに、世界の人々に持続可能な形でエネルギーを提供し続けてゆくためには、化石燃料の燃焼によって
発生するCO2を回収・固定することが今世紀中に必要になると認識し、CO2のゼロエミッションをJ-POWER
グループが目指すべき究極の目標として設定し、技術の開発と実証に努力してゆく。
*
気候変動枠組条約第3条(原則)第3項:
「…気候変動に対処するための政策および措置は、可能な限り最小の費用によって地球規模で利益がもたらされるように費用対効果の大き
いものとすることについても考慮を払うべきである。…」
ビジョン基本方針に関しての説明
ここに掲げたJ-POWERグループ環境経営ビジョンは、エネルギー供給をメイ
ン事業とする私たちが、環境との関わりについてどのような信念をもって企業活
動を行っていこうとしているかを明らかにしたものです。
この基本方針策定にあたっては、崎田さんをはじめとする環境経営分野に詳し
い有識者の方々による環境座談会を開催し、社会全体からみた私たちの企業活動
環境行動推進会議議長
常務取締役 北村 雅良
7
について、第三者の眼で忌憚のないご意見ご示唆をいただきました。
今年度は、この基本方針に沿ったアクションプログラムを策定していくこととしています。
● 地域環境問題への取り組み
・事業活動に伴う環境への影響を小さくするよう対策を講じるとともに、省資源と資源の再生・再利用に努
め廃棄物の発生を抑制し、地域社会との共生を目指します。
環
境
編
J-POWERグループは、国の内外を問わず、地域の人々の生活環境と安全の確保が地域との共生の基盤で
あることを認識し、自らの事業活動に伴って発生する大気・水質など地域環境への影響を小さくするよう、最
新の技術と知見により対策を講じ、省資源に努め有限な資源の再生・再利用に心掛けることにより廃棄物の
発生を抑制するとともに適正に処理し、事故・災害発生時などの緊急時対応を含め、地域社会の一員として
信頼されるよう努力する。
Ⅰ
・
環
境
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
● 透明性・信頼性への取り組み
・あらゆる事業活動において法令等の遵守を徹底し、幅広い環境情報の公開に努めるとともにステークホル
ダーとのコミュニケーションの充実を図ります。
J-POWERグループは、あらゆる事業活動において環境マネジメントの改善とコンプライアンスの徹底を
図るとともに、幅広い環境情報の公開に努めることにより企業の透明性を高め、当社ステークホルダーとの
環境コミュニケーションを充実し、どのような事業展開と環境活動が期待されているかを的確に捉え、グルー
プ全体の技術と知恵を結集し、それに応え続けることにより社会から信頼されるよう努力する。
アクション・プログラム
・上記「基本方針」に沿って、中長期の具体的な課題・目標・取組手段を明らかにし、その達成に向け努力します。
2004年4月1日
社 長
ビジョン基本方針に対するご意見
暮らしや事業活動の基盤となるエネルギーの安定供給は社会の重要課題です。
火力・水力・地熱・風力・原子力など多様な電源を確保し、地球環境問題にも積
極的に対応する基本方針を貫いていただきたいと思います。
特に「CO2ゼロエミッション」を究極の目標に据えつつ、環境保全と経済価値
を見据え、持続可能な発展に向けた評価方法を「環境効率」として提示するなど、
わかりやすい情報公開にもつながると存じます。企業の社会的責任が重視される
中、市民や立地地域住民、社員はじめ広く社会に向けて、常に企業情報や環境リス
ジャーナリスト・環境カウンセラー
崎田 裕子さん
クなどを公開し、相互コミュニケーションを大切にした信頼される企業運営を推進していただきたいと考えます。
信頼の基盤には、社会が多様な電源の特徴をよく知ることも重要です。
「エネルギー教育」にも今後積極的に
取り組んでいただきたいと期待しております。
8
2.2004年度環境行動指針
2004年3月、取り組み実績の評価、環境関係の社会動向、社内外からの評価・意見を取り入れ行動指針の見直しを行いました。
全事業所にてこの指針に則した行動計画を策定し鋭意取り組んでいます。
1.地球環境問題への取り組み
(1)エネルギー利用効率の
(1)維持・向上
(2)CO2排出の少ない
(2)電源の開発
(3)技術の開発・移転・
(3)普及
(4)京都メカニズムの
(4)活用等
(5)CO2以外の温室効果ガス
(5)の大気中への排出抑制
● 既設火力発電所の高効率運転の維持と新設設備の高効率化
● 既設水力・地熱発電所ならびに風力・リサイクル事業における安定運転
● 水力発電所機器更新時の発電効率向上
● 省エネルギーの推進
・電力設備の効率的な運用管理を図り所内率の低減を推進する
・オフィスの省エネルギーを推進する
・省エネルギー事業の推進および省エネルギー関連商品の普及を促進する
・原材料等の輸送における環境負荷軽減への取り組み
● 原子力発電所の新設
・大間原子力発電所の建設に向けた準備を着実に推進する
● 再生可能・未利用エネルギーの有効利用
・水力発電所、地熱発電所ならびに風力、
リサイクル事業における新規地点の開発を推進する
・海外バイオマス発電事業を推進する
・再生可能・未利用エネルギー等の開発コンサルティング事業を推進する
● 天然ガス系燃料の利用促進
・ガスコンバインドサイクル発電、
コジェネ事業を推進する
● 石炭ガス化燃料電池複合発電技術(IGFC)、固体酸化物型燃料電池技術(SOFC)の開発を推進する
● 石炭ガス化複合発電(IGCC)実証試験を電力共同研究により推進する
● 木質などのバイオマス系燃料利用技術の開発を推進する
● 新型二次電池、雪氷冷熱エネルギー導入試験等を推進する
● CO2の吸収・固定、回収・処分技術の研究開発の推進
● 共同実施(J I)、
クリーン開発メカニズム(CDM)および排出量取引案件の発掘・培養・実施
● 海外植林事業の推進
● SF(
6 六ふっ化硫黄)
についてはガス絶縁機器からの排出を抑制する
● HFC(ハイドロフルオロカーボン)については空調機器からの排出を抑制する
2.地域環境問題への取り組み
9
(1)環境負荷の排出抑制
● 排出抑制の継続
・SOx、NOx、
ばいじんの排出を抑制するために適切な燃焼管理および環境対策設備の適切な管理を実施する
・水質汚濁物質の排出を抑制するために排水処理設備の適切な管理を実施する
・騒音、振動、悪臭の発生を抑制するために発生機器の適切な管理を実施する
・土壌・地下水汚染を防止するために設備の適切な管理を実施すると共に、
社有地における調査計画を策定し実施する
(2)循環資源の再生・
(2)再利用
● 循環資源の再生・再利用
・石炭灰・石こうの有効利用を促進する
・コンクリート塊、金属クズ等の建設副産物や流木等の有効利用を促進する
・紙類、
ビン、缶、
プラスチック等の分別収集を徹底し再生・再利用を促進する
・用水の循環使用、薬品、潤滑油等使用量節減等を推進する
・低公害車(低排出・低燃費)等の利用拡大を推進する
● 紙ごみ等の一般廃棄物の低減
● 廃棄物の適正処理の徹底
(3)有害化学物質の管理
● PRTR制度
・PRTR法の対象となる化学物質について排出量・移動量の把握・管理および届出を行う
● ダイオキシン
・廃棄物焼却炉の適切な管理を実施しダイオキシン法に基づき排ガスおよび焼却灰の調査を実施および報告を行う
・ダイオキシン類前駆体連続測定モニターの普及を促進する
● PCB
・廃棄物処理法およびPCB特別措置法に基づき適切に保管・管理する
・国の計画を踏まえた当社基本方針に沿って処理計画を策定する
● 有害化学物質取り扱量の削減に向けた取り組み
(4)自然環境の保全への
(4)配慮
● 計画・設計面における取り組み
・事業が環境へ与える影響をモニタリング等により評価し計画・設計段階から環境に与える影響を低減するよう努める
● 建設工事における取り組み
・自然との共生に向けた環境保全対策を実施する。
・特に地域の生態系への影響の軽減を図るとともに、
種の多様性の保全に努める
● 貯水池・調整池の管理
・貯水池・調整池の管理に当たっては河川の環境保全
(堆砂、
濁水、
水質等)
に配慮する
● 森林の保全に向けた取り組み
・自社の特定保有林を水源林に位置付け保全に努める
(5)海外プロジェクトに
(5)おける環境配慮
● 環境対策技術の海外移転の推進
・火力発電の環境対策技術および水力発電の技術移転を推進する
・風力、太陽光、廃棄物発電、省エネ等の環境配慮型技術協力を推進する
● 適切な環境配慮に基づく開発計画の策定と実施
(6)技術研究開発の推進
● 水域環境浄化技術、貯水池堆砂掃砂技術、湖底土有効利用、土壌・地下水質浄化等の研究開発
3.透明性・信頼性への取り組み
①環境管理の充実
(1)環境管理レベルの向上
● J-POWERの火力・地熱発電所におけるISO認証取得および水力部門における準備
● 従業員の意識向上
・環境管理に関する教育、研修、訓練を計画的に実施する
● J-POWERグループ環境管理推進協議会を通じたグループワイド環境管理の充実
・主要子会社との環境管理体制を強化する
● 環境会計
・コストおよび保全効果の把握手法の充実に努める
・適切な環境効率指標の検討を進める
● 取引業者への環境管理協力要請
● ライフサイクルアセスメント手法を取り入れた環境ラベルの認証取得
(2)環境管理システムの
(2)効果的な運用
● 環境管理システムの継続的改善
・環境負荷の実態を把握するとともに環境保全のための目標を設定する
・法令、協定等を遵守し、
目標達成に取り組む
・環境監査を計画的に実施する
・環境監査の結果に基づき環境管理システムを見直し・継続的な改善を行う
● 環境面でのリスクマネジメント、緊急事態発生時の連絡の徹底
(3)環境管理コンサルティング
(3)事業の推進
● ISO関連コンサルティング事業の推進
(4)
グリーン調達への
(4)取り組み
● グリーン調達への取り組みの推進
環
境
編
Ⅰ
・
環
境
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
②社会とのコミュニケーション
(1)環境情報の公表
● 環境報告書の充実
● 環境ラベル(タイプⅢ)の公表を行う
● 環境保全活動に関する広報
・新聞、経済誌、
ホームページ、社誌等を通じた環境保全活動の広報を行う
・事業所、PR施設等への来客者に対する広報を行う
(2)
コミュニケーションの
(2)活性化
● 環境関連行事等の活用
・事業所施設等を活用した取り組みを実施する
● 社外とのコミュニケーションの多様化
・社外モニター等による社会とのコミュニケーションを推進する
(3)社会貢献活動の推進
● 地域の環境保全活動への参加
・環境月間等に呼応し、市町村、地区等主催の清掃・美化活動、植樹祭などに参加する
● 地域環境保全活動への主体的な取り組み
2004年度 定量目標
行動指針
温室効果ガスの排出抑制
CO2の吸収・固定、回収・処分への取り組み
環境負荷の排出抑制
資源の再生・再利用等による廃棄物の低減
定量目標
項 目
①石炭火力平均熱効率(発電端)
②本店ビル電灯電力使用量
③再生可能・未利用エネルギーの開発
④SF6回収率
⑤海外植林事業面積
⑥SOx排出原単位
⑦NOx排出原単位
⑧石炭灰の再資源化率
⑨石こうの再資源化率
⑩流木の再資源化量
⑪再生紙購入率
⑫紙くず等の発生量
2004年度目標値
40%以上
極力低減(190万kWh以下)
5万kW以上
98%以上
3,000ha以上
0.
25g/kWh以下
0.
55g/kWh以下
65%以上
100%
9,000m3以上
99%以上
極力低減(本店ビル40t以下)
(注)数値目標はJ-POWER単独での合算値もしくは平均値です。ただし、②と⑫は本店ビルのみの値、③と⑤はグループ会社分を含む参画事業全体の合算値です。
10
3.事業活動と環境(2003年度)
2003年度におけるINPUT(投入)とOUTPUT(発生)は以下の通りです。
INPUT
事業活動
石炭火力発電所では石炭、補助燃料とし
当社の各発電所で生み出した電気は全国各地域の電力
て重油・軽油を使用する他、工業用水や薬
会社を通じて、皆さまのご家庭、工場、商店、病院などに届け
品類を使用しています。
られています。
●卸電気事業
石炭火力発電所
燃料
1,841万 t
石炭(湿炭)
重油
6.9万kl
軽油
2.6万kl
バイオマス(下水汚泥燃料) 0.7千t
水
工業用水
主な資材
石灰石(CaCO3)
アンモニア(NH3)
808万m3
地熱発電所
蒸気量
熱水量
石炭火力
511億kWh
水力
121億kWh
地熱
1億kWh
21万t
1.2万t
薬品類(100%換算)
997t
塩酸(HCl)
692t
硫酸(H2SO4) カセイソーダ(NaOH) 5.7千t
水力発電所
発電用取水量
揚水用動力
省エネルギー
省資源活動
発電電力量
原子力
646億m3
14億kWh
建設準備中
計633億kWh
※石炭火力には、バイオマスによる発電量を含む。
104万t
479万t
事業所・オフィス内使用
1,728万kWh
電力使用量
372kl
ガソリン
185kl
軽油
天然ガス(自動車) 375m3N
コピー用紙
25百万枚
衛生用紙
71千個
下記の事業活動に伴うINPUT・OUTPUTデータは含めていません。
●国内電力(風力・廃棄物 他)
●海外電力・エネルギー投資(海外IPP事業 他)
●環境事業(投資・植林投資 他)
●資源関連(新燃料・ガス・石炭 他)
●エンジニアリング(国内外コンサルティング 他) 等
(注)水力発電所では河川水を使用しますが、発電後は全量そのまま河川に還元しています。
また、地熱発電所においては蒸気を使用しますが、熱水は発電後に還元井から地中に還元しています。
11
各地域の電力会社
皆さまのご家庭など
OUTPUT
石炭火力発電所の代表的なOUTPUT
はCO2、
SOx、
NOxなどの大気への排出です。
供 給
環
境
編
廃棄物については極力再利用に努め
ました。
販売電力量
588億kWh
揚水発電電力量 10億kWh
流通事業
(変電・送電)
合 計 598億kWh
所内電力量
および送電ロス
▲ 35億kWh
主な資源の再生・再利用
[有効利用率]
石炭灰
112万 t [ 76%]
石こう
32万 t [100%]
燃えがら(石炭灰除く) 2.8千 t [100%]
その他の産業廃棄物
古紙
貝類等
ダム湖の流木
920 t [ 32%]
264 t [ 86%]
201 t [ 70%]
9.4千 m3[ 89%]
石炭火力発電所
大気への排出等
CO2
SOx
NOx
ばいじん 排水
排水COD
4,107万 t-CO2
0.8万 t
2.5万 t
0.1万 t
283万 m3
11.7 t
水力発電所
発電後放流水量
646億 m3
地熱発電所
熱水量
511万 t
Ⅰ
・
環
境
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
産業廃棄物
石炭灰
35万 t
石こう
0万 t
燃えがら(石炭灰除く) 0千 t
汚泥(石こう除く)
3.5千 t
その他の産業廃棄物 1,977 t
特別管理産業廃棄物
34 t
一般廃棄物
古紙
貝類等
ダム湖の流木
オフィスの電力使用と車輌用
燃料使用に伴うCO2排出量
42 t
87 t
1.1千 m3
8.4千 t-CO2
12
4.環境会計・環境効率性
環境会計
り組んでいます。また、こうした取り組みを発展させ、
当社は、環境と経済との最適バランスを常に保ちなが
ら、事業活動を展開していくため、環境会計を効果的・
公表を継続することにより、コストと効果の面からの一
効率的な環境経営のツールのひとつとして位置付け、取
層の信頼性と適合性の向上を目指していきます。
● 算定要領
期 間:2003年4月1日∼2004年3月31日
公表様式:環境省の環境会計ガイドライン(2002年度版)を参考
対象範囲:全社費用額(減価償却費を含む)
・設備の運転・維持に伴う人件費・委託費・修繕費・薬品費、廃棄物のリサイクル及び処理費用、研究開発、海外事業に伴う費用(委託費・
人件費等)等を中心にコストを算定
・ただし、地球温暖化対策への水力発電の貢献度やグリーン購入等の取り組みを示す「上・下流コスト」については、算定の範囲・方法に課
題があると判断し、今年度も算定より除外
● 環境保全コストと環境保全効果
分 類
公害防止
(単位:億円)
主な対策・取り組みの内容
金 額
大気汚染防止(脱硫・脱硝、ばいじん処理)、
水質汚濁防止(排水処理)など
環境保全効果
SOx排出量8.
4千t・原単位0.
17g/kWh
NOx排出量25.
0千t・原単位0.
49g/kWh
ばいじん排出量1.
0千t
236.
8
29.
1
CO2排出量4,
107万t-CO2・原単位0.
86㎏-CO2/kWh
石炭火力平均熱効率40.
3%
本店ビル電灯使用量対前年度比5.
9万kWh削減
SF6回収率98%
再生可能・未利用エネルギー開発32万kW
海外植林面積2,
200ha
資源循環
資源の再生・再利用による廃棄物の低減対策、
廃棄物の処理・処分
95.
6
石炭灰発生量147万t・有効利用率76%
石こう発生量32万t・有効利用率100%
流木有効利用量約9.
4千m3
本店一般廃棄物発生量30t・対前年比39%削減
管理活動
環境負荷監視・測定、環境保全対策組織の人件費、
環境教育費用など
20.
6
内部環境監査員研修受講262名(累計1,
165名)
(グループ会社含む)
再生紙購入率98.
4%
研究開発
高効率発電、燃料電池利用、CO2固定・回収、
石炭灰・石こう有効利用など
10.
8
社会活動
緑化、環境広告、環境美化、環境関連団体への加入、
環境報告書など
30.
3
環境報告書8,
000部発行
国際事業
海外における環境保全対策技術協力事業
14.
5
海外コンサルティング事業実績14件(累計226件)
海外研修生受入実績25名(累計2,
005名)
そ の 他
汚染負荷量賦課金など
地球環境保全
温室効果ガスの排出抑制対策(石炭火力高効率運転の
維持、再生可能・未利用エネルギーの開発、省エネルギー
型設備管理費、CO 2 以外の温室効果ガス排出抑制)、
CO2の吸収・固定への取り組み(海外植林事業)
8.
0
合 計
445.
7
表中のSOx・NOx排出原単位の分母は石炭火力発電所発電電力量、CO2排出原単位の分母は全電源販売電力量
● 経済効果
(単位:億円)
分 類
収 益
費用節減
内 容
金 額
石炭灰、石こう、硫酸の有価物売却
2.
7
石炭火力熱効率向上(USC導入)による燃料費の節減
12.
5
石炭灰、石こう、硫酸のリサイクルによる処分費用の節減
40.
6
合 計
(1)環境保全コスト
2003年度の費用額は、約446億円で
あり、分類別では、大気汚染防止・水
質汚濁防止などの「公害防止」が全体
の53%を占めています。
環境保全コスト年度比較
(億円)
700
その他
資源循環
500
400
300
200
研究開発
2%
83.0
489.0
72.1
46.3
11.5
72.8
22.3
463.6
74.8
80.7
13
2000
445.7
84.2
95.6
社会活動
7%
資源循環
21%
29.1
287.3
2001
2002
236.8
2003
国際事業
3%
その他
2%
管理活動
5%
20.8
409.2
289.3
100
0
環境保全コストの分類別内訳
地球環境保全
公害防止
587.3
600
55.
8
地球環境保全
7%
公害防止
53%
(3)経済効果
(2)環境保全効果
当社の収益または費用の節減に貢献した取り組みにつ
環境汚染などの未然防止および現在の負荷の水準を維
いて算定した結果は、約56億円でした。
持させ、また環境改善を図った効果とし、物量単位で測
環
境
編
定しました。なお、この効果は当社行動指針における定
量目標に当社の特徴を表す項目を加えて示しています。
環境効率性
タについて販売電力量を主な環境指標
(INPUT、OUTPUT)
J-POWERグループ環境経営ビジョン基本方針(P.7
で割った値を示します。
参照)の中の基本姿勢の解説で、環境効率(生産量/環
この値が高くなるほど、少ない資源の投入または少な
境負荷量)の向上を図ることを示しました。
環境効率等の対象環境指標・目標値については、現在
い環境負荷の排出で多くの電気を生産し販売したことに
アクションプログラム策定過程で検討中です。ちなみに、
なります。以下のすべての項目において改善傾向にある
当社の環境効率性の向上度合を評価するため、主力事業
ことが確認できました。
である石炭火力発電を対象として1990年度以降のデー
販売電力量/石炭, CO2
(石炭:千kWh/t)
販売電力量/SOx, NOx, ばいじん
(CO2:百万kWh/t-CO2) (SOx・NOx:百万kWh/t)
4.0
12.0 8
石炭
CO2
11.6
11.6
11.6
SOx
NOx
ばいじん
11.6
3.5
Ⅰ
・
環
境
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
(ばいじん:百万kWh/t)
50
44.1
46.7
48.4
47.5
11.5 6
40
5.67
3.0
11.2
28.0
11.0 4
2.93
2.84
2.93
2.95
2.95
2.5
1990
2000
2001
2002
2003
10.0 0
1990
販売電力量/石炭灰
(埋立処分総量:千kWh/t)
埋立処分総量
自社外埋立処分量
2991.7
139.5
150
1973.0
100
50
0
92.2
2278.1
50.5
81.0
75.2
1466.2
258.6
1990
2000
2001
※石炭重量は、乾炭28MJ/㎏換算。
2002
1.74
1.77
1.80
1.91
2000
2001
2002
2003
20
10
販売電力量/工業用水・排水
(自社外埋立処分量:千kWh/t)
250
200
30
4.08
2.73
10.5 2
1.03
2.0
4.78
3.92
2003
(千kWh/m3)
5,000
25
4,000
20
3,000
2,000
工業用水
排水
15
5
0
0
16.0
6.04
6.21
5.92
2001
2002
2003
15.4
12.7
10
1,000
16.9
15.7
4.17
4.82
1990
2000
※ばいじん排出量は、月1回の測定値から算出。
環境指標の統合化検討
当社では、重み付けによる統合化について検討を進め、
21世紀COE(世界的研究拠点)プロジェクト(国際基
よりわかりやすい環境効率の指標化を目指していく予定
督教大学:ICU)の一環であるJEPIX(日本版環境政策
であり、そのひとつとして2003年9月より、文部科学省
優先度指数)開発フォーラムに参加しています。
14
5.環境マネジメント組織と取り組み
当社が、企業理念に基づく環境保全活動を全社活動として行うにあたり、環境マネジメントシステムを用いた環境管
理の基本事項を定めることを目的として、2000年3月、
「環境管理規程」を制定しました。
「環境管理規程」で定める環境管理の主体と機能は次の通りです。
全社マネジメント組織
当社では、環境マネジメント全般について審議・調
また、当社は、環境管理の国際規格であるISO14001に
整・報告するため、常務会のもと担当常務を議長とする
準拠した環境マネジメントシステム
(EMS:Environmental
「環境行動推進会議」を設置しています。電力設備の計
Management Systems)
を全事業所(注1)に導入し、環境
画・建設・運用にかかわる事業部や環境に関係の深い業
保全活動の継続的な改善に取り組んでいます。
務を遂行する部、事業部、センターの長を委員とし、火
事業所では、全社環境方針に基づき実行単位ごとに環
力事業部環境グループが事務局をつとめるとともに、全
境行動計画を策定し、PDCAマネジメントサイクルによ
社の環境活動を総括しています。
りEMSを運用しています。
(注1)一部小人数機関を除く
J-POWER環境マネジメント組織図(2003年度)
(注2)
本
店
事業所(支店・火力発電所・建設所など)
社 長
常務会
委 員
経営企画部
環境行動推進会議
若松総合事業所
総務部
議 長:火力事業部担当常務取締役
副議長:経営企画部担当取締役
事務局:火力事業部環境グループ
PCB処理検討部会
技術開発センター
茅ヶ崎研究所・若松研究所
水力流通事業部
支店・建設所・立地所・工事所
火力事業部
火力発電所・地熱発電所・若松火力センター
環境会計専門部会
原子力事業部
大間原子力建設準備事務所
J-POWERグループ環境管理推進協議会
新事業部
環境行動推進会議のテーマ
・J-POWERグループ環境経営ビジョン
の策定・見直し
・環境保全活動の点検・見直し
・その他環境管理全般の審議・調整・報告
国際事業部
エンジニアリング事業部
沖縄海水揚水実証試験所
(注2)支店は、管轄する水力発電、送電、変電、情報通信、運転制御設備の保守・
運用等を担当しています。
Plan
Plan
環境方針・環境行動計画
環境方針見直し
Action
(行動指針策定)
経営による
見直し
(環境管理プログラム)
Do
策定
Check
環境保全活動の実施
Check
見直し
内部環境監査
報告書
環境負荷計測
法規制や環境経営などの社会的動向
環境・社会行動レポート読者などの社外からの意見
15
Action
実行責任者による
EMSの運用
見直し
環境行動推進会議での主な審議内容
J-POWERグループ環境経営ビジョン基本方針など多くの案件を審議し、重要な案件は常務会に付議しました。
会議開催日
審議件数
主な内容
第1回 2003.5.
30
6件
第2回 2003.7.
31
2件
環境・社会行動レポート発行内容、環境面での緊急・異常事態等発生状況の公表
「見直し」年次報告および環境行動計画、環境関連行事の取り組み方針、
J-POWERグループ環境管理推進協議会の活動状況など
第3回 2003.
10.
24
3件
ISO14001認証取得取組状況、緊急異常事態発生時の連絡体制整備
第4回 2003.
11.
20
1件
J-POWERグループ環境経営ビジョンの検討
第5回 2003.
12.
22
2件
EMS運用状況中間報告、J-POWERグループ環境経営ビジョンの検討
第6回 2004.1.
16
1件
J-POWERグループ環境経営ビジョンの検討
第7回 2004.2.
12
1件
第8回 2004.2.
24
4件
(計20件)
環
境
編
J-POWERグループ環境経営ビジョンの検討
2004年度環境行動指針の制定、PCB処理計画、水源林保全の進め方
EMSの実行単位と概要
各事業所においては、計画・設計、建設、保守・運用に応
社の保守・運用事業所(各火力発電所・地熱発電所、各
じたEMSを構築・運用し、継続的な改善に努めています。
支店)において、当社と一体となったEMSを運用して
なお、電力設備の維持管理を行うグループ各社は、当
区 分
事業所名
います。
※はISO14001認証取得事業所
概 要
計画・設計
エンジニアリング事業部※
発電設備建設の他、新たな事業分野で、環境への配慮をプロジェクトの計画・設計段階から実施す
るため、EMSを導入・運用。
2001年2月にISO14001の認証を取得。
建 設 工 事
奥只見・大島増設建設所※(注1)
大間原子力建設準備事務所
大間幹線立地所・中四幹線工事所
佐久間東幹線建替工事所
水質汚濁、騒音・振動防止、建設副産物の有効利用など、環境アセスメントなどを通じて計画された
対策を確実に実施するためEMSを導入・運用。奥只見・大島増設建設所では1999年9月にISO140
01の認証を取得(建設機関では日本初)、運用してきたが、工事終了にともない2003年9月に認証
を返上。
保守・運用
そ
の
他
Ⅰ
・
環
境
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
各火力発電所(磯子・高砂・竹原・橘湾・
松島・松浦※・石川石炭)
環境法令、環境保全協定などを遵守し、環境負荷の低減に向けた取り組みを実施していくためEMS
各支店(北海道・東日本・中部・西日本) を導入・運用。
1998年に松浦火力発電所から導入を開始し、
2001年度末に導入を完了。松浦火力発
鬼首地熱発電所
電所では、
1999年6月にISO14001の認証を取得。
また、同発電所において2004年6月行われた定期審査では、グループ関係会社との一体となった
茅ヶ崎研究センター
EMSについて審査合格し、登録範囲をグループ関係全社まで拡大しています。
若松総合事業所(若松研究所・若松火
さらに今年度中に他の火力発電所および地熱発電所においても同様にISO14001認証を取得する
力センター含む)
予定です。
沖縄海水揚水実証試験所(注2)
省エネルギー・省資源への取り組みも重要との認識のもと、本店ビルを対象とするEMSを導入。
本 店
合 計 20事業所(2003年3月末)
(注1)
2003年11月に閉所。 (注2)
2004年3月に閉所。
社員に向けた環境情報の発信
環境管理の充実およびグループ社員の環境意識高揚
のため、電子掲示板、環境情報ネット、グループ誌
メディア
タイトル
「J-POWERs」で情報を随時発信しており、社員はだれ
でもいつでも閲覧できるようになっています。
情報の内容
環境法令・規制・データ情報 ・法規制等の改正・施行など
・社会動向
電子掲示板
環境管理・行事情報
・社内の環境行事
・環境管理システムなど
自然・環境・動植物の広場
・従業員の自由な意見交換の場
・法規制全般
イントラネット
環境情報ネット
・環境管理システム全般
・環境教育・研修など
環境情報ネット
16
J-POWERグループ環境管理推進協議会
を9回実施しました。
J-POWERは、2002年度に「J-POWERグループ環
境管理推進協議会」を発足、2003年度は協議会を4回開
2004年度からはJ-POWERグループ環境経営ビジョ
催し、各社の環境管理体制の推進状況やJ-POWERグ
ン基本方針の策定、およびグループ会社の再編にあわせ、
ループ環境経営ビジョンなどの審議を行いました。
組織を見直し、
、
「J-POWERグループ環境行動推進協議
会」としてグループ一体となった活動を推進しています。
また協議会では、環境教育・研修の一環としてJPOWERグループ各社の本社社員に対し環境管理説明会
J-POWERグループ環境管理推進協議会組織図(2003年度)
J-POWERグループ環境管理推進協議会
議 長:電源開発㈱
火力事業部環境担当部長
副議長:開発電気㈱
安全品質環境管理部長
委 員
オブザーバー
電発産業㈱ 電源開発㈱ 総務部関連事業G
㈱電発環境緑化センター 電源開発㈱ 火力事業部企画・管理G
㈱電発コール・テックアンドマリーン 電源開発㈱ 水力流通事業部企画・管理G
開発工事㈱ 電発ホールディング・カンパニー㈱
㈱開発計算センター 事務局:電源開発㈱
火力事業部環境グループ
開発電子技術㈱ ㈱開発設計コンサルタント イー・ピー・ディー・シー海外炭㈱ J-POWERグループ環境行動推進協議会組織図(2004年度)
J-POWERグループ環境行動推進協議会
委 員
㈱JPビジネスサービス
議 長:電源開発㈱
火力事業部環境担当部長
開発電子技術㈱
副議長:㈱JPハイテック
㈱ジェイペック
㈱JPリソーシズ
事務局:電源開発㈱
火力事業部環境グループ
関係会社
糸魚川発電㈱
市原パワー㈱
仁賀保高原風力発電㈱
㈱グリーンパワーくずまき
長崎鹿町風力発電㈱
㈱グリーンパワー阿蘇
㈱ジェイウインド田原
㈱開発設計コンサルタント
電源開発㈱ 新事業部
オブザーバー
電源開発㈱ 経営企画部経営企画G、
総務部関連事業G、国際事業部、
火力事業部企画管理G、エンジニアリング事業部
プラントサービスG、水力流通事業部企画・管理G
㈱電発コール・テックアンドマリーン
教育・研修
本店や事業所では、環境問題に対する認識を深め、自
対象のE-ラーニングによる環境教育を開始しました。
EMS内部環境監査員研修の累計受講者はグループ社
らの責任感を醸成するため、環境に関する社内外の研修
を多数実施しています。2003年度末からグループ社員
員も含め1,165人となりました。
2003年度 環境関係研修等実績
種 別
環境経営全般
EMS運用
基礎研修
E・ラーニング
各テーマ
研修項目
回 数
人 数
21
約510
J-POWERグループの取り組み
各関係会社役員・社員
9
約150
J-POWERグループの取り組み
本店社員
2
79
環境管理責任者
内部環境監査員
16
262
各支店・発電所等の所員
関係会社環境関連オルグ
環境経営講演会
内部環境監査員研修
主な内容
環境経営、社会的責任投資
ISO14001 要求事項、内部環境監査手法
内部環境監査員フォローアップ研修
内部環境監査員
1
15
不適合事項の指摘演習、模擬検査
新入社員導入研修
新入社員
2
22
環境問題の基礎とJ-POWERグループの取り組み
環境問題の基礎知識
本店社員
1
92
地球環境問題、地域環境問題
環境月間環境講演会
本店及び関係会社社員
1
90
演題「大江戸エネルギー・リサイクル事情」
地球温暖化問題講演会
本店社員
1
70
排出権取引の展望とJ-POWERグループの取り組み
計
17
対 象
環境関連オルグ
54
約1,290人
環境関連公的資格の取得状況
発電所などでは、公害防止管理者など公的資格者を適
正に配置し環境保全の日常業務を円滑に行っています。
今後も社員の知識・能力の向上を図る観点からもさまざ
まな資格取得の指導と支援を行っていきます。
2004年4月現在
資 格
取得者数
資 格
取得者数
資 格
取得者数
278
高圧ガス製造保安責任者(甲・乙・丙種)
技術士 建設部門(建設環境)
9
特別管理産業廃棄物管理責任者
技術士 環境部門(環境保全計画)
2
産業廃棄物最終処分場技術管理者
48
危険物取扱者 甲種
公害防止管理者 主任管理者
5
廃棄物処理施設技術管理者
20
ボイラー技士 (特級・1級・2級)
公害防止管理者 大気(第1∼4種)
189
ビオトープ計画管理士(1級・2級)
2
ボイラー整備士
公害防止管理者 水質(第1∼4種)
123
ビオトープ施工管理士(1級・2級)
3
特定化学物質等作業主任者
公害防止管理者 騒音関係
97
造園施工管理技士 1・2級
29
公害防止管理者 振動関係
39
電気主任技術者 第1∼3種
747
485
59
1,
045
3
754
毒物劇物取扱責任者(一般・特定)
6
有機溶剤作業主任者
348
衛生管理者 第1種・第2種
285
公害防止管理者 一般粉じん関係
3
放射線取扱主任者 第1・2種
公害防止管理者 特定粉じん関係
1
エネルギー管理士 電気
148
計量士 環境
エネルギー管理士 熱
230
作業環境測定士(第1・2種)
13
EMS審査員(審査員補)
16
公害防止管理者 ダイオキシン類関係
10
88
※J-POWER社員を対象とし、複数の級・種別のある資格の取得者数は延べ人数を記載
7
日常管理および緊急時対応
当社では、環境に影響を与える緊急事態を始めとする
の連絡体制を確立しました。
Ⅰ
・
環
境
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
また併せて環境管理規程も改訂し、環境面での緊急事
様々な災害・リスク等に対して、社会的責任の履行と経
営資源保全のための危機対応力を強化するため、2003
環
境
編
態発生時の連絡体制の整備も行いました。
年8月に危機管理規程を制定し、発生時及び予防のため
環境面での緊急事態の想定
①
②
③
④
⑤
大気汚染、水質汚濁、温排水、騒音、振動、悪臭、土壌汚染等に関して、法令・条例・協定に抵触するか、又はその恐れのある場合。
環境影響を伴う化学物質、油脂等の漏洩、流出事故が発生した場合。
廃棄物処理に関し、不法投棄あるいは不適切な処理がなされた場合。
地震・自然災害・火災等により設備に異常が発生し上記①から③の状況に至った場合。
貯水池管理に関し、社会的影響を伴う濁水及び赤潮が発生するか、又はその恐れのある場合。
社内総合防災訓練
2003年10月には、東海地震発生の想定で、本店及び
東日本支店をはじめ7機関が参加して総合防災訓練(初
動対応・実働・情報伝達)を行いました。これ以外にも、
大規模地震を想定した安否確認システム訓練を全社員と
その家族を対象に実施しました。
社内総合防災訓練
環境に関する事故の発生状況
2003年度は環境に関する事故が1件発生しましたが、
めるとともに、関係機関に連絡を行いました。また、
熱
再発防止対策を講じました。
水が流出した河川下流域で河川水の分析やパトロールを
● 鬼首地熱発電所における熱水流出事故について
行いましたが、特に異常は認められませんでした。
2003年4月29日から30日にかけて、地下から汲み上げ
*
られた熱水 が付近の河川に流出する事故が発生しました。
事故は、熱水移送配管の接続部分が外れたことによる
もので、発見後、当該配管の使用を中止し熱水流出を止
再発防止対策として、今回外れた配管と同様の接続方
式をとっている全ての配管について接続方式を変更致し
ました。
*
熱水とは、地中に浸透した雨水などが加熱されて高温高圧となったもの。
18
Ⅱ.環境活動状況
1.2003年度活動実績一覧表
当社の2003年度における環境活動の主な成果は以下の通りです。
地球温暖化防止対策
掲載ページ
P. 21∼P. 30
●温室効果ガスの排出抑制
● 石炭火力発電で平均熱効率40.3%を達成(目標40.0%以上)
● 全国で水力発電所を安定運転中、奥只見・大鳥増設発電所を運転開始
● 松浦火力発電所においてバイオソリッド(下水汚泥)燃料を利用した実機混焼試験を実施。タイ国にてバイオマス発
電所を運転開始および計画
● 岩手県 巻町のグリーンパワーくずまき風力発電所の運転開始。苫前・仁賀保・東京湾の風力発電所は安定運転中、
スペインで事業会社を取得し風力発電所を運営。瀬棚、田原、鹿町、西原地点を建設中。
● 大間原子力発電所の配置計画見直しを踏まえ、原子炉設置許可申請書を提出
● オフィスにおける電力使用量の抑制(本店ビルの電灯電力使用量は179kWh)(目標190kWh以下)
● SF6回収率で98%を達成(目標98%以上)
P. 31∼P. 32
●京都メカニズムの活用に向けた取り組み
● CDM事業の推進(CDM化推進中プロジェクト7件、可能性調査実施プロジェクト8件)
P. 32
●CO2の吸収・固定、回収への取り組み
● 海外(オーストラリア、エクアドル)にて2,200haの植林を実施(目標達成)
環境保全への取り組み
P. 33∼P. 37
●法令遵守、環境アセスメント・モニタリング、環境負荷の排出抑制
● 石炭火力のSOx排出原単位0.17g/kWh、
NOx排出原単位0.49g/kWhを達成
(目標S0x 0.25以下、
N0x 0.55以下)
● 法令または条例の環境規則条項の違反なし。環境負荷の排出抑制に努力
● 環境面での緊急異常事態発生時の連絡体制整備
P. 38
●有害化学物質の管理
● PRTR法、ダイオキシン法に基づき化学物質を適正管理・報告
● 高濃度PCB処理について、国の広域処理計画に添った当社処理計画の方針を確認
P. 39∼P. 40
●自然環境の保全
● 社有地の水源林保全の取り組みを開始
P. 41∼P. 42
●環境対策技術の海外移転
● 海外技術コンサルタント業務を新規に16件実施、海外研修生25名受け入れ
● 海外IPP事業の推進(6カ国/地域、15件で石炭火力、ガスコジェネ、風力、地熱、バイオマスなど)
■定量目標(2001年度より以下の項目に対して数値目標を定め環境保全に向けた取り組みを強化しています。)
項 目
実 績
判 定
%
40以上
40.3
○
②本店ビル電灯電力使用量
万kWh
極力低減(190以下)
179
○
③再生可能・未利用
エネルギーの開発
万kW
32以上
32
○
%
98以上
98
○
千ha
2.
2以上
2.
2
○
⑥SOx排出原単位
g/kWh
0.25以下
0.17
○
⑦NOx排出原単位
g/kWh
0.55以下
0.49
○
65以上
76
○
④SF6回収率
CO2吸収・固定、
回収への取り組み
環境負荷の
排出抑制
⑤海外植林事業面積
⑧石炭灰有効利用率
⑨石こう有効利用率
資源の再生・再利用
による廃棄物の低減
2003年度
目 標
①石炭火力平均熱効率
(発電端)
温室効果ガスの
排出抑制
単 位
%
%
100
100
○
千m3
5以上
9.
4
○
⑪再生紙購入率
%
98.
4
△
⑫本店ビル紙ごみ等の一般廃棄物発生量
t
100
極力低減
(50以下)
30
○
⑩流木有効利用量
(注)数値目標はJ-POWER単独での合算値もしくは平均値です。ただし、②と⑫は本店ビルのみの値、③と⑤はグループ会社分を含む参画事業全体の合算値です。
19
循環資源の再生・再利用
P. 43∼P. 46
●廃棄物の低減、グリーン購入、環境リサイクル事業
●
●
●
●
●
石炭灰発生量のうち76%の約112万tを有効利用(目標65%以上)
脱硫石こうは100%有効利用(目標100%)
流木は9.4千m3を有効利用(目標5千m3以上)
再生紙購入率は98.4%(目標100%:達成できず)
全国にて紙ゴミ等低減努力、本店社屋での排出量は約30t(目標50t以下)
技術研究開発
P. 47∼P. 48
●研究開発成果の導入
● 石炭火力発電において超々臨界圧発電技術(USC)の採用により世界最高レベルの高効率運転を継続
● 世界初の海水揚水発電技術実証試験を終了
P. 49∼P. 50
●研究開発推進中の技術
● 高効率石炭利用技術として、燃料電池、ガスタービン、蒸気タービンをあわせた石炭ガス化燃料電池複合発電の
実現をめざし、パイロットプラントによる試験を継続
● 水域環境浄化のための技術開発および提案
環境コミュニケーション
P. 51
●環境報告書の発行
● 環境・社会行動レポートを発行、英語版も発行、ホームページで公表
P. 51∼P. 56
●広報・環境保全活動の展開
●
●
●
●
環
境
編
Ⅱ
・
環
境
活
動
状
況
環境広報活動の実施、環境広告を新聞、経済誌、週刊誌、地下鉄ホームなどに掲載
当社PR施設への見学者数は約30万人
環境月間などに呼応し各事業所、事業設備の周辺地域の清掃活動等を実施
本店にて2回グリーンフェアを開催
(評価判定基準 ○目標達成 △目標の80%達成 ×目標の80%以下)
2003年度取り組み内容の評価と今後の方針
各発電所における省エネルギーの推進や適切な燃焼管理の実施による高効率運転維持
昼休消灯等の省エネルギー活動の更なる徹底
奥只見・大鳥増設、維持流量発電、 巻風力、タイバイオマス発電を運開
2004年度は長崎鹿町風力、阿蘇西原風力、田原風力の開発を目標
2004年度
目 標
40以上
極力低減(190以下)
5以上
ガス絶縁機器、空調機器などの据付・点検・撤去の厳正な管理を実施
98以上
天候・病原虫などに注意を払い適切な植栽管理を実施
3.
0以上
}
各発電所における適切な燃焼管理と対策設備の管理を実施
セメント会社への供給量拡大および人工漁礁造成事業への供給等による有効利用率の向上
有効利用の促進に努力し100%有効利用を継続
0.
25以下
0.
55以下
65以上
100
継続的な回収・有効利用の実施
9.
0以上
社外事情等により達成できず。取組みに対する理解と協力を依頼
99以上
ミックス紙の回収・リサイクル等更なる分別の徹底化
極力低減(40以下)
20
2.地球温暖化防止対策
当社は、地球温暖化防止対策への取り組みを経営の重要課題の一つとして位置付け、自主的かつ積極的に推進しています。
基本的考え方
(2)原子力発電や新エネルギーなどのCO2排出の少ない
地球温暖化問題は、人類が今世紀を通じて化石燃料を
主要なエネルギー源とせざるを得ない中で、長期的に取
電源の開発
り組んでゆくべき最も重要な課題と認識しています。そ
(3)高効率石炭燃焼技術などの技術の開発・移転・普及
の対策には大きなコストを伴いますが、環境と経済が調
(4)地球温暖化防止対策を地球規模で効率的に実施する
和した持続可能な開発を実現してゆくためには、地球規
ため京都議定書が導入した京都メカニズムなどの活用
模でみて費用対効果の高い対策・措置をすすんで採用し、
これらの対策に加え、当社は、世界の人々に持続可能
より大きな温室効果ガスの削減をより小さなコストで実
な形でエネルギーを提供し続けてゆくためには、今世紀
行してゆく必要があります。
中に化石燃料の燃焼によって発生するCO2を回収・固定
当社はこのような考え方に基づき、次の4つの対策を、
することが必要になると認識しており、
「CO2のゼロエ
地球規模での費用対効果を考慮して経済合理的に組み合
ミッション」を究極の目標として、技術の開発と実証に
わせて実施することにより、販売電力量あたりのCO2排
努力してゆくこととしています。
(注1)
出量
また、電気事業連合会関係12社(注2)と共同で、
「2010
を継続的に低減させてゆく取り組みを行って
います。
年度における使用端CO2排出原単位を1990年度実績か
(1)自然エネルギーである水力発電などの安定運転維持
ら20%程度低減するよう努める」という極めてチャレン
や、火力発電の熱効率向上などエネルギー利用効率
ジングな目標にも取り組んでいます(
「電気事業におけ
の維持・向上
る環境行動計画」P.77参照)
。
J-POWER
海外における取り組み
石炭火力発電所
● 石炭火力発電所の高効率運転の維持
● 京都メカニズムの活用
● 化石燃料の利用効率向上に向けた技術研究開発
● 海外植林事業の推進
日本原子力発電
共同火力
● 安定運転の継続
水力・地熱発電所
IPPなど
● 新規地点開発の継続
風力発電
● 新エネルギー
原子力発電所
● 大間原子力の新設
事業の推進
廃棄物発電
送電・変電
販売端
使用端
発電所
一般需要家
(家庭・工場等)
送電・変電・配電
火力・原子力・水力他
● 省エネルギーの推進
一般電気事業者(10社)
電気事業連合会関係12社の目標
2010年度における使用端CO2排出原単位を1990年度実績から20%程度低減する
CO2排出量
(㎏-CO2)
21
=
電気の使用量
〔電力量〕
(kWh)
CO2排出原単位
×
〔電力量当たりのCO2排出量〕
(㎏-CO2/kWh)
CO2排出実績
当社の全電源のCO2排出量および排出原単位の実績
1990年度から1999年度までは、CO2排出量および全
電源CO2排出原単位(注3)は、ほぼ一定で推移しました。
CO2排出原単位
(㎏-CO2/kWh)
販売電力量 CO2排出量
(億kWh)(万t-CO2)
1,000 10,000
3.0
2000年度以降は、新規大規模石炭火力発電所の運転
2.7
開始および石炭火力発電所の高稼働に伴い、CO2排出量
2.4
は増加しています。
火力販売電力量(億kWh)
水力販売電力量(億kWh)
全電源CO2排出原単位(㎏-CO2/kWh)
CO2排出量(万t-CO2)
900
9,000
800
8,000
2.1
700
7,000
2003年度は、販売電力量が約588億kWh(前年度比
1.8
600
6,000
約8%増)でした。CO2排出量は、石炭火力の高稼働に
1.5
500
5,000
400
4,000
300
3,000
200
2,000
100
1,000
0
0
伴い4,107万t-CO2(前年度比約5%増)となりました。
一方、全電源CO2排出原単位は、水力発電所の高稼働
により0.70㎏-CO2/kWhとなり、前年度に比べ約3%減
少しました。
4,107
1.2
3,360
0.9 2,418
2,533
0.6 0.65
0.67
3,915
0.72
0.69
0.70
0.3
0.0
1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003
環
境
編
(年度)
石炭火力発電だけに注目すると、発電所建設の都度、
設計最高熱効率と平均熱効率が向上してきており、当社
当社の石炭火力発電所の熱効率とCO2排出原単位の実績
排出原単位
(㎏-CO2/kWh)
熱効率(%)
45
1.4
の効率改善努力の成果が現れています。これに伴い石炭
火力CO2排出原単位(注4)は、低下傾向を続けています。
2003年度の石炭火力のCO2排出原単位は0.86㎏-CO2/
kWhでした。
40.1
1.2
39.0
39.0
0.89
0.89
40.3 40.3
40
1.0
35
Ⅱ
・
環
境
活
動
状
況
0.86 0.86
0.86
0.8
30
発電端設計最高熱効率
発電端平均熱効率(%)
CO2排出原単位(㎏-CO2/kWh)
0.6
1990
1995
2000
2002 2003
25
(年度)
(CO2排出原単位は環境省「温室効果ガス排出量算定に関する検討結果
総括報告書」
(2002年8月)
記載の燃料種別排出係数を用いて計算した。
)
(注1)
販売電力量あたりのCO2排出量
電気の使用に伴うCO2排出量は、お客さまの使用電力量と使用端CO2排出原単位を掛け合わせて算出できます。このう
ちお客さまの使用電力量は、天候やお客さまの電気の使用事情といった電気事業者の努力が及ばない諸状況により増減
することから、電気事業者としては、自らの努力が反映可能な使用端CO2排出原単位目標を採用しています。なお、当
社は卸電気事業者であるため、販売電力量あたりのCO2排出量を指標として採用しています。
(注2)
電気事業連合会関係12社
電気事業連合会10社
(北海道電力㈱、東北電力㈱、東京電力㈱、中部電力㈱、北陸電力㈱、関西電力㈱、中国電力㈱、
四国電力㈱、九州電力㈱、沖縄電力㈱)
+電源開発㈱+日本原子力発電㈱
(注3)
全電源CO2排出原単位
全電源CO2排出原単位=CO2排出量÷全電源の販売電力量
(注4)
石炭火力CO2排出原単位
石炭火力CO2排出原単位=石炭火力発電所のCO2排出量÷石炭火力発電所の販売電力量
22
温室効果ガスの排出抑制
石炭火力発電所の高効率運転の維持
当社の石炭火力発電所は、従来より、省エネルギーの
推進や超々臨界圧技術(USC)などの新技術の導入によ
石炭灰・石こうの発生抑制など大きな環境保全・経済効
果をもたらします。
り、熱効率の向上に努めてきました。2003年度の熱効率
(発電端)は、40.3%(2002年度と同ポイント)となり
当社内のUSC導入発電所シェア
ました。
ユニット数
また、熱効率の向上は、化石燃料節減だけでなく、CO2、
SOx、NOx排出抑制、工業用水や薬品類の節減、さらに
磯子火力発電所(神奈川県)
4/14
(全ユニット)
定格出力
47%
2003年度販売電力量
54%
聴音によるポンプの点検(磯子火力発電所)
水力発電所の安定運転
水力発電は、わが国にとって貴重な国産エネルギーで
当社は、国内に59カ所、総出力855万kWの水力発電
あり、発電に際してCO2を発生しないなど、環境に与え
設備を保有しており、2003年度の水力発電電力量は
る影響が比較的少ないクリーンなエネルギーです(
「水
121.03億kWhとなっています。水力発電によるCO2排
力発電と環境」参照 P.5)
出抑制効果(注)は約450万t-CO2に相当します。
佐久間発電所(静岡県)
開閉器のガス圧の点検(佐久間発電所)
(注)本文中のCO2排出抑制効果は、原子力、水力、地熱、風力発電による抑制効果を、日本全体における全電源の
平均原単位(㎏-CO2/kWh)を用いて試算したものです。
23
地熱発電所の安定運転
地熱発電は火山やその周辺の地中に存在する膨大な熱
によるCO2排出抑制効果は約4万t-CO2に相当します。
エネルギーを、高温の熱水や蒸気として採取・利用する
ことによって発電します。
地熱発電は発電規模が小さいものの、発電に際して
CO2をほとんど排出せず、再生可能エネルギーとして一
定の役割が見込まれています。
当社は、鬼首地熱発電所
(宮城県)
において1975年より
発電(出力1万2,500kW)を行っており、2003年度の地
熱発電電力量は、1.04億kWhとなっています。地熱発電
鬼首地熱発電所(宮城県)
環
境
編
バイオマス発電への取り組み
● 木質系バイオマスの利用
当社は、2001年度から
(財)
地球環境産業技術研究機構
これまで、国内の木質系バイオマス資源量を調査し、
と共同で、木質系バイオマスの石炭火力発電所への混焼
燃料性状を分析しました。また、小型実験装置による石
技術の開発を始めました。
炭との混焼基礎試験を行い、燃焼に問題の無いことを確
この技術開発では、対象とする木質バイオマスとして
間伐材などを想定しています。これらの有効利用を進め
ることは、地球環境保全だけでなく林業の活性化の促進
認しました。
2004年5月より約半年間の予定で、松浦火力発電所
(長崎県)において実機混焼試験を実施しています。
にもつながります。
松浦火力発電所(長崎県)
Ⅱ
・
環
境
活
動
状
況
木質系バイオマスチップ
● バイオソリッド(下水汚泥)燃料の利用
バイオソリッド燃料とは、下水処理場で発生する汚泥
来ることを確認しています。仮にバイオソリッド燃料を
を廃食用油と混合して加熱し、水分を除去したもので、石
松浦火力1号機(100万kW)で1%混焼した場合、年間
炭と同程度の発熱量を有します。木質系バイオマスと同
で約5万t-CO2を削減できます。
様に、当社はこの燃料を石炭火力発電所において混焼さ
せる取り組みを進めています。
これまで、燃料性状を分析し、さらには小型実験装置
を使用して混焼基礎試験を行い、混焼する場合の基礎的
な特性を把握しました。
また、国内初の試みとして、松浦火力発電所(長崎県)
において実機混焼試験を2003年8月から約1年間かけて
実施しており、最大1%の混焼率において問題無く燃焼出
バイオソリッド燃料
バイオソリッド燃料貯蔵サイロ
24
火力事業部 技術グループ 早川 一彦
バイオマスは新しいエネルギー源として期待され
ており、その有効利用は当社だけではなく社会的に
も重要なことです。私達も積極的に取り組んでいき
ます。
● タイ国におけるバイオマス発電事業
当社はタイ国において、同国の民間発電会社である
EGCOと共同で、バイオマス発電IPP事業を進め、2003
年5月に営業運転を開始しました。
3万t-CO2の排出抑制効果に相当します。
また、発電所は、電気集じん器および排水処理設備を
設置するなどの環境保全対策を実施し、周辺の環境に配
同国は世界6位の米生産国であり、特にロイエット県
を中心とする東北部は同国有数の穀倉地帯となっており、
慮しています。
当社は、タイ国ヤラ県(バンコク市南方約1,000㎞)
精米後のもみ殻については野焼きされる等、その処理が
においても、ゴムを原木とする製材工場から廃棄される
問題となっていました。
屑材を燃料とするバイオマス発電計画(23MW)も進め
本事業は、年間約7万6千tのもみ殻を発電用燃料とし
ています。このプロジェクトによってタイ電力公社に電
て有効利用するもので、当社にとって国内外初のバイオ
気を供給し、同社の火力発電所の燃料消費抑制だけでな
マス発電事業となります。本発電所の年間発生電力量
く、年間約6万tのCO2削減が可能です。
(計算値)は年間6,439万kWhとなり、同国における約
ロイエット籾殻火力発電所諸元
ヤラ県バイオマス発電所諸元
地
点 タイ国ロイエット県
地
点 タイ国ヤラ県
燃
料 精米工場から出るもみ殻
燃
料 現地製材工場から出るゴム木廃材
出
力 9,950kW
出
力 23,000kW
マルチサイクロン
環境対策設備 電気集じん器
排水処理設備
マルチサイクロン
環境対策設備 電気集じん器
排水処理設備
運 転 開 始 2003年5月
運 転 開 始 2005年8月予定
もみ殻
風力発電の推進
営業運転を行っている苫前ウィンビラ発電所、仁賀保
しています。さらに2003年3月にスペインのGamesa社
高原風力発電所に加え、2003年3月には東京都の地球温
グループから事業会社を取得し、同国において発電所の
暖化防止対策のパイロット事業で、お台場近くの中央防
運営を行っています。
波堤埋立地に「東京臨海風力発電所」
(通称;東京かざ
国内における運転中の発電所の年間発生電力量(計画
ぐるま)が、2003年12月には岩手県 巻町に「グリー
値)は約1億6,650万kWhとなり、
約7万t-CO2の排出抑
ンパワーくずまき風力発電所」が完成、営業運転を開始
制効果に相当します。
しました。また、現在新たに4ヶ所の風力発電所を建設
25
東京臨海風力発電所(東京都)
スペイン国ガリシア州の風力発電所
(運転中)
苫前ウィンビラ発電所 仁賀保高原風力発電所 東京臨海風力発電所 グリーンパワーくずまき風力発電所
(北海道苫前町) (秋田県仁賀保町)
(東京都)
(岩手県 巻町)
モンテ セイシオ カンド、セラド カンド、
オテリオ ドコト風力発電所(スペイン ガリシア州)
発電所出力
30,600kW
24,750kW
1,700kW
21,000kW
64,210kW
風車発電機
1,650kW×14基
1,500kW× 5基
1,650kW×15基
850kW×2基
1,750kW×12基
660kW×96基
850kW× 1基
約5,100万kWh
約250万kWh
約5,900万kWh
一般家庭約1万7千世帯分 一般家庭約1万5千世帯分 一般家庭800世帯分
約5,400万kWh
一般家庭約1万6千世帯分
約1億8,000万kWh
一般家庭約5万5千世帯分
運転開始
2000年12月
2003年3月
2003年12月
2003年3月
当社出資比率
100%(2004年8月予定) 67%
50%
100%
50%(当社子会社を通じて出資)
年間発生電力量
(計画値)
2001年12月
(建設中)
田原臨海風力発電所
(愛知県田原市)
長崎鹿町ウィンドファーム
(長崎県鹿町町)
阿蘇にしはらウィンドファーム
(熊本県西原村)
瀬棚臨海風力発電所
(北海道瀬棚町)
発電所出力
22,000kW
15,000kW
17,500kW
12,
000kW
風車発電機
2,
000kW×11基
1,000kW×15基
1,
750kW×10基
2,
000kW×6基
約4,
000万kWh
一般家庭約1万2千世帯分
約2,
800万kWh
一般家庭約8千世帯分
約2,
300万kWh
一般家庭約7千世帯分
約3,
500万kWh
一般家庭約1万世帯分
運転開始
2005年3月予定
2005年2月末予定
2005年2月末予定
2005年度予定
当社出資比率
66%
70%
81%
100%
年間発生電力量
(計画値)
環
境
編
Ⅱ
・
環
境
活
動
状
況
RPS制度(電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法)
エネルギーの安定供給と環境の保全に寄与するこ
ここでいう新エネルギー等とは、
政府が認定した
とを目的に、一般電気事業者に一定量以上の新エネ
設備から、
風力、
太陽光、
地熱、
水力
(水路式で出力
ルギー電気の利用を義務付ける新法(RPS制度)が、
1,000kW以下のもの)
、バイオマス等を変換して得
2003年4月に施行されました。
られる電気を指します。
新事業部 風力開発グループ 鷲尾 朝昭
CO2を排出しないクリーンなエネルギーである風
力発電にも環境調査は欠かせません。私達は自然と
地域との共存を目指し、常に最適な風車のレイアウ
トを追い求めています!
26
原子力発電所の新設
当社は、青森県大間町において、全炉心MOX燃料装
た(運転開始予定2012年3月)
。安全対策の徹底、環境保
荷をめざした原子力発電所(フルMOX−ABWR:138
全に細心の注意をはらい、地域社会との共生を図りつつ
万3,000kW)の建設に取り組んでいます。
建設計画を推進します。なお、大間原子力発電所が完成
発電所計画については、発電所配置計画の見直しを踏
まえ、2004年3月、原子炉設置許可申請書を提出しまし
した場合、CO2排出抑制効果は年間で約330万t-CO2に
相当すると予測しています(利用率80%で想定)
。
原子力発電所の新設
大間原子力発電所準備工事における
環境保全対策
大間原子力発電所建設準備工事における環境保全対
策は「大間原子力発電所 環境影響評価書」に記載す
る環境保全の措置に基づき実施すると共に、環境マネ
道路下の横断函渠(小動物移動用)
ジメントシステム(平成12年10月17日制定)を導入
し環境配慮、環境改善活動、環境向上活動に努めてい
ます。
項 目
設
備
対
内 容
陸生動物・植生保護
敷地の約29%を非改変区域とし自然状態
でそのまま保存
小動物移動経路の確保
付替国道において
・ 小動物が移動できる道路下の横断函渠
・ 側溝から這い上がり易い傾斜側溝の
設置
水質汚濁対策
・ 海域での汚濁拡散防止膜の設置と水質
監視
・ 海中コンクリート打設に伴う海水中和
処理
・ 仮設沈澱池へ導水し上澄み水を排出
騒音・振動対策
・ 低騒音・低振動型機械の選定
・ 騒音を測定し必要な対策の実施
策
工
事
中 工事中土砂処理対策
の
対 粉じん対策
策
・ 掘削及び浚渫により発生した土砂は
埋立、埋め戻し、盛土に利用し、残土は
敷地内の土捨場に盛土のうえ順次緑化
・ 工事車輛の洗車設備
・ 工事用道路の散水、清掃
・ 粉じん防止塀・ネットの設置
道路交通騒音
・ 工事車輛通行ルートの指定
・ 海上輸送に振替え通行量低減
産業廃棄物
・ 法に基づく適正処理
・ 立木、根をチップ化し緑化材へ有効利用
汚濁拡散防止膜
希少動植物の調査
また、環境監視については、大気質、騒音、振動、
水質の4項目に対して準備工事を開始した平成12年4
月より測定しており、いずれも環境影響評価書で定め
た基準値等を満足していることを確認しています。
さらに、発電所計画地点の希少動植物の保護に万全
を期するため、希少動植物の生息、生育状況について
も適宜調査を実施しています。
大間原子力建設準備事務所 土木建築G 岩城 紹
準備工事に伴う環境負荷を監視するとともに低減
に努め、津軽海峡に面した豊かな自然と調和する発
電所を目指しています。
27
原材料等の輸送における環境負荷軽減への取り組み
● 石炭輸送船の大型化による環境負荷の低減
当社は年間1千万tを超える石炭を海外(オーストラリ
ア、中国、インドネシアなど)から輸入しています。
石炭輸送船は、約6万t積載可能な船が一般的ですが、当
社では、船会社との契約により当社専用船の大型化を進
石炭輸送船の大型化により、石炭重量当たりに消費す
る燃料油量の削減が可能となります。
また、輸送に伴う環境負荷(CO2、硫黄酸化物、窒素
酸化物等)も軽減されることとなります。
めています。
当社石炭専用船一覧表
船 名
載貨重量トン(積載可能量)
蒼 龍 丸
(そうりゅうまる)
翔 鵬 丸
(しょうほうまる)
黒 滝 山 丸
(くろたきさんまる)
翠 嶺 丸
(すいれいまる)
SOUTHERN CROSS
(サザンクロス)
BLUE ISLAND
(ブルーアイランド)
つのみね
竣工年
86,
868
1995年
87,
996
1995年
87,
890
1995年
89,
000
1996年
73,
939
1997年
152,
398
2000年
152,
400
2000年
石炭専用船(BLUE ISLAND)
環
境
編
Ⅱ
・
環
境
活
動
状
況
省エネルギーの推進
● 本店ビルの省エネルギー
本店ビルではEMSに基づき冷房排熱の活用、コンピュー
(万kWh)
250.0
タ室の排熱回収とあわせ、蓄熱式ヒートポンプの設置に
よる電力負荷平準化、照明の不要時消灯の徹底などによ
本店ビル電灯電力使用量
213.6
224.2
216.3
194.4
200.0
189.7
185.4
2001
2002
る省エネルギー対策を講じています。
1999年度の本店ビルにおける照明器具のインバータ
179.5
150.0
化工事の実施により2000年度は1997∼1999年の3カ年
平均と比較して約23.7万kWh(約11%)の省エネルギー
100.0
効果が得られました。2003年度の使用量は省エネルギー
に努めた結果、179.5万kWhとなり、前年度比3.2%の
50.0
1997
1998
1999
2000
2003 (年度)
削減となりました。
館内給湯用ソーラーパネル(本店ビル屋上)
28
● 省エネルギー活動
地球温暖化防止の身近な取り組みとして、各事業所で
また、車両の利用にあたっては、アイドリングストッ
は、昼休み消灯、待機電力削減の徹底等の省エネルギー
プの徹底などに努め、2003年度の社有車利用に伴う燃
活動を実施しています。本店、支店、建設所等のオフィ
料消費量(ガソリン・軽油)は約557kl(2002年度実績
スにおける2003年度の電力使用量は、1,728万kWh
(2002
約655kl)であり、前年度比15%の削減となりました。
年度実績1,781万kWh)
となり、前年度比約3%の削減と
なりました。
オフィスの電力使用と車両の利用によるCO2排出量は、
約8.4千t-CO2です。
総務部総務グループ 星野 純一郎
本店社屋は東京都環境局からの依頼を受け、
「エネ
ルギー消費先分類調査と省エネルギー診断」に協力
しています。調査結果は分析・統計処理、参考事例
集などに使用され、今後の実効性ある省エネルギー
推進制度構築の一助となります。
顧客の利益
● 省エネルギー事業の推進
ESCOの配当
当社は、主として電力の供給面からの対策を推進する
だけでなく、需要面からの省エネルギーの重要性も強く
認識し、わが国初のエネルギーサービス事業会社(ESCO)
光
熱
費
支
出
である㈱ファーストエスコ(1997年5月設立)に出資し
返 金 利
済
分 初期投資
保
証
顧客の
利益
光
熱
費
支
出
光
熱
費
支
出
ESCO事業
実施後
契約期間
終了後
ています。
また、省エネルギー機器の販売や省エネルギー関連コ
ンサルティングについてもグループ会社とともに取り組
ESCO事業
実施前
んでいます(P.74参照)
。
出典:(財)省エネルギーセンター「ESCO事業のススメ」
(g-CO2/kWh)
日本の電源種別 LCA CO2
(参考)日本の電源種別LCA CO2
1,200
1,000
発電燃料燃焼
975
日本の電源別のライフサイクルを考慮したCO2
設備・運用
887
800
排出量(LCA CO2)は左図の通りとなります。こ
742
704
600
こでは、発電用燃料の燃焼に加え、原料の採掘か
608
478
519
ら発電設備等の建設・燃料輸送・精製・運用・保
408
400
守等のために消費されている全てのエネルギーを
200
0
29
88
石
炭
火
力
130
111
L
N
G
火
力
Lコ
Nン
Gバ
イ
ン
38
石
油
火
力
53
太
陽
光
29
風
力
22
原
子
力
対象としてCO2排出量を算出しています。
15
地
熱
11
水
力
出典:(財)電力中央研究所
CO2以外の温室効果ガスの排出抑制対策
CO2以外の温室効果ガスの排出抑制
気候変動枠組条約における温室効果ガスは、CO2以外
に5種類が対象です。電気事業から排出するこれらの温
室効果ガスが温暖化に及ぼす影響は、CO2による影響の
排出抑制対策
対象ガス
六フッ化硫黄
(SF6)
ガス絶縁機器の絶縁体として使用。機器点
検時および機器廃棄時に確実に回収・再利
用することで、排出抑制を図る。
1/500(注)程度です。
空調機器の冷媒等に使用。規制対象フロン
このうちSF6は、密閉状態で使用されるため、使用時
ハイドロフルオロカーボン
(HFC)
は排出されませんが、機器点検時撤去時等に一部が排出
される可能性があります。当社では、
回収・再利用する
ことで、回収率98%以上を目標に確実な排出抑制を図っ
ており、2003年度におけるSF6の回収率は98%となり
ました。
(注)
「電気事業における環境行動計画」電気事業連合会
(2003.9)
による
特定フロン・ハロン保有・消費量
2003年度末
(t)
分 類
からの代替が進むと予想されるが、機器の
設置・修理時の漏洩防止・回収・再利用に
協力し、排出抑制に努めている。
パーフルオロカーボン
(PFC)
亜酸化窒素
(N2O)
メタン
(CH4)
当社は未保有。
石炭火力発電所の熱効率の向上等により、
極力排出を抑制。
石炭火力発電所の排ガス中のCH4濃度は
大気環境濃度以下で、実質的な排出はなし。
オゾン層保護
用 途
特定フロン
保有量
消費量
2.
5
0.0
冷媒用
ハロン
保有量
消費量
3.
9
0.0
消火器
その他フロン等
保有量
消費量
9.5
0.1
冷媒用
計
保有量
消費量
15.7
0.1
代替フロン(HFC)
保有量
消費量
1.4
0.0
環
境
編
上部成層圏
(地上約20∼40㎞)
に存在するオゾン層
は、有害紫外線を吸収することにより、生命を保護
Ⅱ
・
環
境
活
動
状
況
する大切な役割を果たしています。特定フロン・ハロ
ンは、このオゾン層を破壊し、人の健康や生態系に
重大な影響をもたらすおそれがあるため、国際的に
生産量および消費量の削減が義務付けられています。
当社は、ユーザーであるため直接の規制は受けま
冷媒用
せんが、保有量・消費量の把握を定期的に行い、そ
の管理に努めています。
(参考)オゾン層破壊物質は、分子内に塩素または臭素を含む化学的に安定な物質で、特定フロン、ハロンなどがあ
りますが、これらは、HFC、PFC、SF6とともに、強力な温室効果ガスでもあります。
(参考)オゾン層保護法
(特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律)
では、モントリオール議定書に基づく
規制対象物質を「特定物質」として、規制スケジュールに即し生産量および消費量の段階的削減を行っています。
(参考)この結果、ハロンは1993年末、特定フロン等は1995年末をもって生産等が全廃されています。その他のオ
ゾン層破壊物質についても、順次生産が全廃されることとなっています。
30
京都メカニズムの活用に向けた取り組み
京都メカニズムの意義と当社の活用方針
京都メカニズムは京都議定書(P.76参照)の目標達成
定し、事業者による京都メカニズム活用を「エネルギー
にあたり経済効率向上のため導入されました。目標達成
起源の二酸化炭素排出抑制をより確実なものとするため
コストが世界で最も高いとされている日本はこれによっ
の有効な対策である」と位置付けました。これを受け、
て大きなメリットを受けることになります。
当社は、京都メカニズム(JI、CDMおよび排出権取引)
を積極的に活用するための活動を行っています。
2002年6月の京都議定書受諾に先立ち、日本政府は
2002年3月、地球温暖化対策推進大綱(P.75参照)を改
JI、CDMプロジェクトの発掘・培養・実施
JIやCDMを活用するため、温室効果ガスの排出削減に
る一方、他社が手がけるプロジェクトに投資家、CER
つながるプロジェクトの発掘・培養・実施を行っています。
(認証排出削減量)バイヤーとして参加し、共同でCDM
2003年度は特に、CDM事業の推進を中心に取り組み
事業とする取り組みを行っています。
を進めてきました。自社でCDMプロジェクトを開発す
● CDMプロジェクトの流れ
CDM事業のクレジット獲得までの流れは下図の通りです。
CDMプロジェクト手続きフロー
温暖化ガス排出削減プロジェクト
事業者等
プロジェクト設計書(PDD)
・排出削減/吸収増大ベースライン
・モニタリング・検証計画
・環境影響評価
・関係者のコメント
COP/MOP
投資国 DNA
申請
ホスト国 DNA
指定運営機関
指定
信任(指定)
監督
方法論審査
モニタリング報告書
注)COP/MOP:Conference of the Parties serving as the meeting
of the Parties to the Kyoto Protocol
(議定書発行後、議定書に関することを審議する締約国会合)
DNA:Designated National Authority(指定国家機関)
CER:Certified Emission Reduction(CDMから発生する排出削減量)
有効化報告書
CDM 理事会
登録
方法論パネル
}
パブリックコメント
パブリックコメント
承認
有効化(Validation)
登録(Registration)
指定運営機関
モニタリング
検証(Verification)
認証(Certification)
CDM 理事会
CERの発行(Issuance)
● 自社でのCDM事業開発
タイ国ヤラ県においてゴム木製材工場の廃材を燃料と
回収・処分するプロジェクトについても案件の発掘およ
するバイオマス発電計画(23MW)をCDMプロジェク
び調査を実施しています。このうち、埋立地メタンガス
トとして開発するため、2003年5月、日本政府からCDM
回収処理プロジェクトについては、アルゼンチン、チリ
事業承認を得ました。
などで事業化の準備を進めています。
また、温室効果の高いガスに着目し、これらのガスを
● 発展途上国企業との共同によるCDMプロジェクト開発
当社は発展途上国の企業が計画しているプロジェクト
ト設計書(PDD)を作成・公開しました。これらのプロ
の中から、潜在的CDMプロジェクトを発掘し、プロジェ
ジェクトの内、3件の小規模CDMを除く通常規模のもの
クトに投資家、CERバイヤーとして参加しながら、現地
については、ベースラインおよびモニタリングに関する
企業と共同でCDMプロジェクトを開発する取り組みも
方法論をCDM理事会に提出し、1件がA評価(承認)を
進めています。
得、方法論として登録され、他の2件はB評価(要修正)
2003年度は、6件のプロジェクトについてプロジェク
31
を得ています。
● 可能性調査
回収発電プロジェクトなど6件の調査を他社と共同して
JI/CDMプロジェクトの発掘を目的として、東欧で風
実施しました。
力発電プロジェクトおよび地域熱供給プロジェクトの事
業可能性調査を実施しました。また、中国の炭鉱メタン
2003年度 CDM化推進中プロジェクトおよびJI/CDM可能性調査実施プロジェクト
⑨⑩
⑧
CDM化推進中プロジェクト
①タイバイオマス発電プロジェクト
②ガテマラ小水力発電プロジェクト
③コロンビア水力発電プロジェクト
④ブラジル小水力発電プロジェクト
⑭⑮
⑫
⑪
JI/CDM可能性調査実施プロジェクト
③
⑧ブルガリア地域熱供給プロジェクト
⑨ルーマニア風力発電プロジェクト
⑩ルーマニア廃棄物処理場
メタンガス回収利用プロジェクト
⑪マダガスカル荒廃森林跡地植林
プロジェクト
②
①
⑬
⑤⑥⑦
⑤チリ工場燃料転換プロジェクト
⑥チリコジェネプロジェクト
⑦チリ都市ガス漏洩防止プロジェクト
④
⑫スリランカ水力発電プロジェクト
⑬インドネシアLNGプラントCO2
分離回収プロジェクト
⑭中国炭鉱メタン回収熱併給発電
プロジェクト
⑮中国炭鉱メタン回収・発電プロジェクト
京都メカニズムの活用に向けた活動
排出権取引市場の分析・予測において世界をリードす
これらに先立つ9月にはアジア開発銀行(ADB)と国
るポイントカーボン社(ノルウェー)と提携し、2003
際排出権取引協会(IETA)主催の東南アジアフォーラ
年10月同社日本代理店として専門家を対象とする情報提
ムを協賛しました。
供を開始するとともに、同月ウェブベースの活動を中心
また、東欧諸国での省エネルギー事業への投資を目的
とする「GHGソリューションズ」を立ち上げ、地球温
とするファンド*に欧州復興開発銀行(EBRD)などと
暖化対策に関心のある日本の企業を中心に幅広い情報を
ともに出資し、クレジット獲得に向けた取り組みを行っ
提供するとともに、ソリューションを見出してゆく場と
ています。
して活用されています。
*
Dexia-Fondelec Energy Efficiency and Emissions Reduction Fund
CO2の吸収・固定、回収への取り組み
環
境
編
Ⅱ
・
環
境
活
動
状
況
海外植林事業の推進
植林は大気中のCO2を吸収・固定するための効果的な
方策です。当社はオーストラリアおよびエクアドルにお
いて合弁会社を設立し、それぞれ最終植林面積1万ha規
模の植林事業を行っています。植林木は、将来製紙原料
等として活用されるため、現在製紙用に伐採されている
天然林の保護も図られます。
国 名
合弁会社名(構成社名)
BPFL(注1)社(王子製紙㈱、伊藤忠商事㈱、㈱講談社、
オーストラリア
㈱JPリソーシズ、セイホク㈱、当社)
エクアドル
Eucalyptus Pacifico 社(WALTS INTERNATIONAL社、
三菱製紙㈱、住友商事㈱、㈱JPec、当社)
オーストラリアにおける植林風景
開始年度
エクアドルにおける植林風景
2003年度植林面積(累計) 2003年度CO2固定量
最終目標面積
1998年
約1,100ha(6,100ha)
約14万t-CO2
約10,000ha
2001年
約1,100ha(2,300ha)
約 7万t-CO2
約10,000ha
(注1)Brisbane Plantation Forest Company of Australia Pty., Ltd.
CO2の吸収・固定に向けた研究開発
当社はオーストラリア国クイーンズランド州のエン
時のCO2の挙動を、流体流動シミュレーション等により
シャム炭鉱跡地で、短期間にCO2固定能力の高い森林を
予測しモニタリングの最適化を図る目的で、2002年度
造成するための技術実証試験を日豪共同で実施していま
より3カ年計画で研究をスタートさせています。(いずれ
す。また、CO2地中貯蔵に関して、モニタリング観測点
も新エネルギー・産業技術総合開発機構よりの受託)
を最適に配置するための研究も実施しており、地中貯留
32
3.環境保全への取り組み
法令遵守
2003年度は法令または条例の環境規制条項の違反はありません。また、環境保全協定値の超過は発生していません。
主な環境関連法令
当社の火力発電所における環境関連協定
関係する主な事業内容
法令の名称
対象発電所
名 称
締結先
環境影響評価法、
電気事業法
発電所の建設に伴う周辺地域への環境
影響の予測、評価の実施
環境保全協定書
磯子火力発電所
横浜市
大気汚染防止法
発電所の運転に伴うSOx、NOx、
ばいじんなどの排出管理
公害防止協定書
高砂火力発電所
兵庫県、高砂市
広島県、竹原市
発電所で発生する排水の公共水域への
排水管理
環境保全に関する
協定書
竹原火力発電所
水質汚濁防止法
騒音規制法
発電所・変電所の運転や設備建設工事に
伴う騒音の発生防止
環境保全協定
松島火力発電所
長崎県、大瀬戸町
環境保全協定書
松浦火力発電所
振動規制法
発電所・変電所の運転や設備建設工事に
伴う振動の発生防止
長崎県、松浦市、佐賀県、
伊万里市
悪臭防止法
発電所・変電所の運転に伴う悪臭の発生
防止
環境保全協定書
石川石炭火力
発電所
沖縄県、石川市
工場立地法
発電所などの敷地の緑化
環境保全協定書
橘湾火力発電所
徳島県、阿南市
工業用水法
発電用水として使用するための地下水
のくみ上げ
自然公園法
自然公園内での発電所、変電所、
送電設備、通信設備の建設
河川法
特定化学物質の環境
への排出量の把握及
び管理の改善の促進
に関する法律
(PRTR法)
磯子火力発電所については、新2号機(60万kW,2009
年運転開始予定)の増設に伴い、2004年3月31日付で環
境保全協定の改定を行いました。
河川からの発電用水の取水、河川区域内
への発電用施設の設置
発電所などで使用する化学物質の
環境中への排出管理
一昨年(2002年度)に発生した県条例基準値超過の経過について
2002年9月に、磯子火力発電所の石炭灰最終処分場に
おいて、放流水中マンガン濃度が神奈川県条例基準値を
廃棄物の処理および
清掃に関する法律
事業活動に伴って発生する廃棄物の
適正な管理
特定工場における公
害防止組織の整備に
関する法律
発電所における公害防止管理者などの
選任
超過しました(注)。
本件に関しては環境保全に万全を期すため、緊急の対
応として処分場内に排水処理設備を設置し、浸透水中に
含まれるマンガンを基準値以下に処理したのち、水質的
に問題のないことを確認したうえで放流を行っています。
なお、マンガン混入の根本的な原因除去に向けて関係
行政機関とも随時協議を行いながら対応を行っていると
環境関連協定における締結内容
環境関連協定の内容については、地点・地域の特性な
原因究明に向けた各種調査を進めていくとともに、対策
どによる相違があるものの、主に次のような内容で構成
の一環として覆土工事等を先行して実施するなど、鋭意、
され、大気・水質等については定量的に約束しています。
取り組みを行っています。
・大気汚染の防止対策
・水質汚濁の防止対策
・騒音・振動の防止対策
・悪臭の防止対策
・廃棄物の処理対策
・自然保護対策
・事故時の措置
33
ころであり、処分場内のボーリング調査や水質調査等、
(注)基準値超過の状況:2002年9月19日、石炭灰最終処分場(神奈川
ι
県茅ヶ崎市)において河川への放流水中マンガン濃度が1.1㎎/
となり、神奈川県生活環境の保全等に関する条例に定める基準値
ι以下)を超過しました。
(1㎎/
環境アセスメントとモニタリング
発電所などの新設、増設の際は、環境アセスメント
(環
また、環境アセスメント制度においては、発電所運転
境影響評価)
を実施します。周辺の自然環境
(大気、水、土
開始後も一定期間環境モニタリングを継続することと
壌、生態系など)
や社会環境
(産業、土地利用、交通の状
なっており、必要な調査を継続して環境への影響が予測
況など)
の現況を調査し、発電所立地が周辺の環境に及
評価の範囲内であることを確認しています(
「環境影響
ぼす影響を事前に予測・評価し、その結果を公表して地
評価法の概要」P.79参照)
。
域の方々の意見を聞き、適切な処置を講じています。
環
境
編
発電所運転開始後の環境モニタリング(海域)
橘湾火力発電所近傍大気観測局(徳島県阿南市)
発電所運転開始後の環境モニタリング(陸域)
テレメータ表示装置(徳島県保健環境センター)
Ⅱ
・
環
境
活
動
状
況
当社事業にかかる環境アセスメントの実績
時期:環境影響評価書等提出
No.
県 名
プロジェクト名
時 期
No.
県 名
プロジェクト名
1
2
福 島
下 郷
1974.02
10
沖 縄
海水揚水実証試験 1989.01
静 岡
佐久間第2
1978.01
11
福 島
3
新 潟
破間川
1978.06
12
4
長 野
早木戸
1981.08
13
5
福 島
只 見
1981.11
14
福 島
6
岐 阜
徳 山
1982.12
15
長 崎
松 島
7
北海道
熊 牛
1983.05
16
広 島
竹原3号
8
北海道
札内川
1986.08
17
長 崎
9
静 岡
秋葉第3
1987.08
18
沖 縄
水力
火力
原子力
時 期
No.
県 名
プロジェクト名
時 期
竹原2号燃料転換 1991.02
19
広 島
黒 谷
1989.02
20
徳 島
橘 湾
1994.10
岩 手
胆沢第1
1991.06
21
神奈川
新磯子
1996.08
新 潟
奥清津第2
1992.05
22
青 森
大 間
1999.09
奥只見・大鳥増設 1995.09
23
岡 山
本四連系線
1983.05
1976.01
24
群 馬
只見幹線Ⅲ期
1995.04
1980.02
25
静 岡
佐久間東幹線 1995.11
松 浦
1981.04
26
青 森
大間幹線
2000.06
石 川
1982.12
27
福 島
布引高原
2003.06
送電線
風力
環境影響評価法に基づく対応のほかに公有水面埋立法、森林法等の法律および地方自治体の条例等に基づき実施したものも含みます。
34
環境負荷の排出抑制
大気汚染防止
2003年度の排出量および原単位は、ほぼ前年度並と
石炭火力発電所では石炭燃焼に伴い、硫黄酸化物や窒
なっています。
素酸化物、ばいじんが発生します。これらを除去するた
また、当社の石炭火力発電所の排出原単位は、欧米主
めに燃焼方法を改善したり、排煙脱硫装置や排煙脱硝装
要国に比べ極めて低い水準にあります。
置、電気集じん器などの排ガス浄化装置を設置していま
す。これらは設置された年代などにより性能は異なりま
2003年度実績
すが、その時点での最新技術を導入しており高い効率で
種類
SOx
除去しています。
装置の運転は、排煙の状況を連続監視できる測定計器
を設置するなどの自動制御で、また、運転員が24時間監
排出原単位
(g/kWh)
2
1
0.34
0.22
0.24
0.23
0.20
0.17
0
(年度)1995 1999 2000 2001 2002 2003
排出量
8.
4千t
原単位
0.17g/kWh
NOx
68∼87%
25.0千t
0.49g/kWh
ばいじん
99%(設計値)
1.
0千t
0.02g/kWh
(注)文中・図表の原単位の分母は、石炭火力発電所発電電力量
(注)
ばいじん排出量は、
月1回の測定値から算出。
視し、異常時にも迅速に対応できるようにしています。
SOx排出原単位の推移と比較
装置(除去)の効率
67∼99%
NOx排出原単位の推移と比較
4.4
2.0
排出原単位
2
(g/kWh)
6
カ
国
平
均
︵
米
、
英
、
仏
、
独
、
伊
、
加
︶
1
0.85
0.67
0.53
0.53
0.52
0.49
0
(年度)1995 1999 2000 2001 2002
2003
6
カ
国
平
均
︵
米
、
英
、
仏
、
独
、
伊
、
加
︶
(注)6カ国平均はOECD ENVIRONMENTAL DATA COMPENDIUM 1999 および ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES 1994-1995、1996-97より試算(対象:火力発電所)
湿式排煙脱硫装置のしくみ
ポンプ
石灰石
スラリー
石灰石と
水の混合液
●石灰石を粉状にして、水との混合液(石灰
石スラリー)
をつくり、
これを排ガスに噴射す
ると、排ガス中の硫黄酸化物と石灰が反応
して石膏になります。
(乾式排煙脱硫装置についてはP.47参照)
排ガス
石膏製造装置へ
ポンプ
空気
NH3(アンモニア)
排煙脱硝装置のしくみ
排ガス
NOX
NH3
NOX
触媒
N2
直流高電圧
電源
放電電極
捕集された
ばいじん
集じん電極
排ガス
35
●窒素酸化物を含んだ排ガスにアンモニアを
加え、金属系の触媒(化学反応を起こさせ
る物質)の中に通します。
●排ガスの中の窒素酸化物は、触媒の働き
で化学反応を起こし、窒素と水に分解します。
H2O
電気集じん器のしくみ
●高圧の電気を流した2つの電極の間に、排
−
ガスを通すと、
ばいじんは○の電気を帯びて
+
−
○側の電極に引き寄せ
られます。電極に付
着し堆積したばいじんを、周期的な槌打に
よって集じん器の下部に落とし取り除きます。
この原理は、下敷きなどを摩擦すると静電
気を帯び、紙やゴミが付着するのと同じ原
理です。
石炭火力発電所の環境保全対策
大気汚染防止
騒音・振動防止
● ばいじんの除去
● 騒音発生源の建屋内への収納
● 硫黄酸化物の除去
● 低騒音・低振動型機器の採用
● 窒素酸化物の除去
煙突
排煙監視
電気集じん器
排煙脱硫装置
排煙脱硝装置
発電機
ボイラー
タービン
変
圧
器
復水器
石こう
排水監視
水温監視
石炭灰
総合排水処理装置
騒音・振動監視
臭気監視
粉じん監視
水質汚濁防止
廃棄物の有効利用
環
境
編
● 石炭灰の有効利用
● 石こうの有効利用
水質汚濁防止
悪臭防止
全ての石炭火力発電所に排水処理装置を設置し、排煙
石炭火力発電所の排煙脱硝装置等ではアンモニアを使
脱硫装置から排出される水や事務所排水などを適切に処
用しますが、周辺に影響を与えないよう、アンモニア使
理しています。
用装置の定期点検や性能試験、日常巡視点検など、万全
排水には金属類や有機物などが含まれていますが、構
内の総合排水処理装置において凝集・沈澱・ろ過等によ
り除去されます。
処理された水については、自動測定装置による常時監
の対策を講じています。また、受入貯蔵等についても漏
洩防止に十分留意しています。
Ⅱ
・
環
境
活
動
状
況
悪臭の強さは、発電所の敷地境界で定期的に測定して
おり、基準値以下であることを確認しています。
視および定期的な分析により適正に監視され、水質汚濁
防止法や環境保全協定等による規制値を十分に下回って
いることを確認しています。
温排水対策
石炭火力発電所では、発電に使用した蒸気の冷却用に
海水を取水し、温排水として放流しています。温排水は
騒音・振動防止
石炭火力発電所では、ボイラー、タービン、送風ファ
ンなどの騒音・振動を発生させる設備について、低騒
音・低振動型の機器を採用したり、建屋内への収納によ
り、その発生防止に努めています。
周辺海域の海生生物等に影響を与えないよう、立地条件
にあった取水・放水方式を採用して、適切に管理してい
ます。
温排水の温度は24時間常時監視し、協定で定める基準
値を遵守するよう努めています。
また、石炭火力・水力発電所等での屋外設備について
も、低騒音・低振動型の機器を採用するとともに、必要
に応じて防音カバー・防音壁などを設置しています。
騒音や振動の大きさは、発電所の敷地境界で定期的に
測定し、基準値以下であることを確認しています。
粉じん対策
石炭火力発電所では、揚炭・運炭・貯炭など石炭を取
り扱う時に粉じんが飛散しないよう密閉式のコンベアや
屋内貯炭場を設置したり、地形や気象条件などの状況に
応じて、遮風・散水などの対策を行っています。
緑化対策
石炭火力発電所には常緑樹を中心として樹木や芝、季
節の花々が植えられ、敷地の20%以上が緑化され野鳥や
昆虫、小動物の生息地となっています。
36
土壌汚染防止
● 土壌汚染の実態調査
当社は1999年に施行された環境影響評価法(それ以
前は1977年の経済産業省の環境アセスメント制度)や
地元自治体の指導要綱などに基づき、従前より発電所等
の建設に先立って環境アセスメントを実施しており、そ
の中で建設用地内等の土壌汚染実態調査を実施し汚染の
ないことを事前に確認しています(
「環境アセスメント
とモニタリング」P.34参照)
。
土壌汚染調査状況
調査結果の事例
・地点名 :橘湾火力発電所(徳島県阿南市)
・調査時期:1992年1月
・調査場所:発電所の建設予定地内の3地点
・調査項目:水銀、カドミウム、鉛、PCB等、「土壌の汚染に係る環境基準」に定める有害物質
・調査結果:いずれの項目とも「土壌の汚染に係る環境基準」を下回っており問題のないことを確認しています。
● 土壌汚染の予防
土壌汚染による健康影響の懸念や対策の確立への社会
び配管等の周辺に防液堤を設置したり、分離して構内の
的要請が強まっている状態を踏まえ、2003年2月に「土
排水処理装置で処理する設計とするなど、万一漏洩が
壌汚染対策法」が施行されました。
あっても海域や周辺地域に流出しないよう、消防法等、
各種法令に則った設備設計を行っています。
一方、発電所の運用に関しては使用する薬品類や有害
化学物質の環境への漏れがないよう、EMSにより取り扱
い方法や緊急時対応などを定めて厳重に管理し、また必
同法では土壌汚染の状況を把握するため、汚染の可能
性のある土地について一定の機会を捉えて調査を行い、
対象となる土地として、使用廃止された有害物質使用特
定施設にかかわる工場等の敷地が規定されています。
当社においては現時点で法の対象となる事業場(土地)
要に応じて所員を対象とした教育訓練を実施するなどの
はありませんが、土壌汚染リスクマネジメントの観点か
対策により土壌・地下水の汚染発生を防止しています。
ら、2004年度から2005年度にかけて、自主的に国内の
また、PCB廃棄物保管にあたっては、PCB使用機器
全事業場(現業機関のみ)を対象とした土壌汚染可能性
や保管容器から漏洩がないよう厳重に管理するとともに、
万一漏洩があっても土壌に浸透する恐れがないようコン
クリート壁・床で遮水された屋内施設で保管しています。
37
● 法との関係
発電所の建設に際しては、重油や薬品類のタンクおよ
調査を行う計画です。
有害化学物質の管理
PRTR(環境汚染物質排出移動登録)法
PRTR制度とは「化学物質の環境への排出量と廃棄物
に含まれた形で移動する化学物質の量を登録して公表す
る仕組み」のことで1999年に法が制定され、2001年度
から対象化学物質の把握が開始されました。
当社は塗装や火力発電所の給水処理などに化学物質を
使用していますが、従来から購入量・使用量などを把
握・記録するなど適正な管理を行ってきました。
2003年度の実績は以下の通りです。
これら化学物質については、
極力使用量の削減に向けて
取り組むとともに、
使用に際しても決められた手順を遵守
するなど適正管理に努めています。
また、
ダイオキシン類に
ついても設備の適正管理等により排出抑制に努めています。
PRTR 排出量・移動量の集計結果(2003年度)
物質名
用 途
取扱量
環境への排出量
廃棄物としての移動量
63:キシレン
179:ダイオキシン類
253:ヒドラジン
307:ポリ=アルキルエーテル
機器や装置などの塗装用の塗料の薄め液
廃棄物の焼却
火力発電用のボイラー水の水質調整用
貯炭場用界面活性剤
6.
25t/y
−
4.
80t/y
3.
00t/y
3,
600㎏/y
0.
19㎎-TEQ/y
0.
0㎏/y
0.
0㎏/y
0.0㎏/y
2.
1㎎-TEQ/y
0.0㎏/y
0.
0㎏/y
・特定化学物質を年間1t以上取り扱う事業所を対象に集計しました。 ・ダイオキシン類は廃棄物焼却炉からの排出量を集計しました。
・数値は法に則り、各事業所ごとに届け出た値の合計です。
ダイオキシン類対策
当社では、流木処理等にあたり極力チップ化などによ
また、ダイオキシン類の排出を抑制するには、廃棄物
る有効利用を図っていますが、焼却炉(ダイオキシン類
の有効利用を促進し、廃棄物発生量を低減させることも
対策特別措置法で規定された特定施設)も3事業所で保
重要です。
有しています。これらの特定施設では、事前分別処理お
Ⅱ
・
環
境
活
動
状
況
焼却炉保有事業所
よび燃焼温度管理等の適切な維持管理を行っています。
東日本支店 小出電力所(新潟県)
同法では、排ガス中のダイオキシン濃度等の年1回以
西日本支店 高知電力所(高知県)
上の測定、自治体への報告を規定していますが、2003
環
境
編
橘湾火力発電所(徳島県)
年度は、全ての焼却炉で、排出基準以下でした。
PCBの管理
PCBは耐熱性、絶縁性にすぐれているため、絶縁油と
して変圧器などの電気機器に広く使用されてきましたが、
有害性が問題となり、1974年に製造・輸入の禁止、保
有者への厳重な保管・管理が義務付けられました。当社
では、保管倉庫などを設置して厳重に保管・管理してい
ます。また、2001年7月にはPCB特別措置法が施行され、
PCB廃棄物の適正な処理が義務付けられました。
絶縁油(高濃度PCB含有)の保管量は約139kl(2003
年6月時点)です。
保管場所
地点数
石炭火力発電所
水力発電所(含変電所)
その他
3
28
2
当社PCB処理基本方針
・負の遺産であるPCBの処理を早期に実施し、環境リスクの回避を図る。
・PCB処理を国の広域処理計画に基づき行うこと。
微量PCB混入問題
PCB使用禁止後の重電機器から非意図的に混入した
当諸法規に従い届出を行っています。PCB混入の原因究
PCBが極微量(検出事例の約60%が5.0ppm以下)検出
明と微量のPCB汚染物の処理の方向性に関しては、現在、
された件に関して、2002年7月に国のプレス発表が行わ
国の検討会にて検討が行われていますが、当社としても
れています。当社においても絶縁油使用機器について調
本問題に伴うリスク回避を図るため、適宜、必要な対応
査した結果、PCBの検出事例が確認されたため、混入が
を行っていきます。
判明した機器については厳重に管理を行うとともに、該
38
自然環境の保全
水力発電所における河川環境との調和
水力発電所では、自然と調和した発電所づくりを進めるとともに、河川環境との調和に努めています。
● ダムの水質管理
大規模貯水池は、台風や集中豪雨時などにより大量の
泥土を含んだ河川水が流入して貯水池内に留まることに
より、発電放流による河川の濁りが長期化することがあ
ります。
そのため、濁水の早期排出を行うほか、濁水が長期化
するおそれのあるダムにおいては、表層の比較的濁度の
低い水を取水できる「表面取水設備」を設置しています。
・設置済のダム(池原、風屋、魚梁瀬の各ダム)
工事中の坂本ダム表面取水設備(奈良県)
・設置中のダム(坂本ダム:2005年度完成予定)
● 河川維持流量の放流
水力発電所のダム下流においては、ダムから発電所放
水口までの河川流量が減少するため、国土交通省はじめ
関係機関と協議のうえ、河川の正常流量確保のため河川
維持流量の放流を実施しています。
このような取り組みは2004年度末までに30発電所、区
間延長527㎞で実施しています。
七色ダム維持流量放流(丸囲内)
(和歌山県・三重県)
● 森林の保全に向けた取り組み
当社は、森林の持つ多面性を重視して、自社保有林の
一部を水源林に位置付け保全に努めることを決定し、2002
年12月に「水源林保全暫定指針」を制定し、2003年度
より水源林保全に関する取り組みを開始しました。
●ダム堆積土砂の処理
ダム湖には、ダム上流域より毎年大量の土砂が流れ込
み堆積します。このため冠水被害対策などの目的から、
浚渫・湖外搬出、湖内移動等の堆砂対策を実施しており、
2003年度においては、10カ所のダムで約112万m3の堆
積土砂を排除し、その内約5割は骨材や埋立て工事等へ
再利用するなどの有効利用を図っています。
秋葉ダム堆積土砂の処理作業(静岡県)
佐久間貯水池の堆砂対策を担当している
中部支店 佐久間電力所 田中 学
ここ佐久間は、水力発電所における発生電力量は
全国№1ですが、上流域より土砂が流込み堆砂に苦慮
しているので、日々堆砂処理を実施して貯水池の延
命化並びに自然環境に配慮し取り組んでいます。
39
希少動植物との共生
生物の多様性の保全を意識し、希少動植物との共生に向け、綿密な調査・計画と建設・運用に取り組んでいます。
● 奥只見・大鳥増設工事 | イヌワシ
1999年7月以来鋭意工事を進めてきた奥只見・大鳥増
設発電所が2003年6月に運転を開始しました。
保護対策を実施しました。当社は猛禽類等に詳しい方々
で構成される委員会を設置し、希少鳥類調査、および保
既設の奥只見ダムと大鳥ダムを利用して、新たな水路
護に関する指導・助言を踏まえモニタリング各種保護対
と発電所を地下につくることにより、合計約29万kWの
策、さらに湿地環境の復元など、自然との共生に向けた
リパワリングプロジェクトです。
種々の取り組みを実施しました。
環境保全対策を確実に実行するため、ISO14001認証
本地点の対応については、2003年度土木学会賞にお
を建設現場として日本で初めて取得し、所員および工事
いて「水力発電所再開発(奥只見・大鳥発電所増設)に
関係者の環境保全意識と環境管理レベルの向上、継続的
おける自然環境保全と技術課題の克服 ─ イヌワシの繁
な環境負荷の抑制に努め、以下の環境上の配慮を徹底し
殖活動と共存をめざして ─」により、
「技術賞」を受賞
ました。
しました。
Ⅱ
・
環
境
活
動
状
況
・改変面積の最小化、既設ダムの利用
・騒音、振動の最小化、照明、色彩の配慮
・建設副産物の有効利用、廃棄物適正処理の徹底
・河川等の水質保全
イヌワシ(環境省レッドデータブックカテゴリー絶滅
危惧ⅠB類)の営巣期(11月∼翌年6月)には、営巣地
から1.2㎞の範囲内での地上部の工事を休止するなどの
環
境
編
巣立ちから30日目の幼鳥(2003年7月16日撮影)
● 沖縄海水揚水発電実証試験 | 環境創生地
1987年度から2003年度にかけて、沖縄県国頭村で海
をめざしました。
水揚水発電技術実証試験(経済産業省より受託)を実施
その後のモニタリングにより自然環境の順調な復元が
しました。周辺には沖縄県特有の希少動物が生息してい
確認されています。これらの取り組みは「ヤンバルの森
たため、建設にあたっては、45,000㎡の残土処理場は周
から ─ 開発と自然の共存をめざした挑戦の記録 ─」
辺と同様の山なりの地形を築造して周辺と同様の樹木を
としてとりまとめ、環境保全活動に役立てています。
約3万本植栽し、環境創生地(ビオトープ)として自然
状況の復元を図るなど、周辺自然環境と調和した発電所
ヤンバルの森から
本地点においても1999年度土木学会技術賞を受賞し
ています。
環境創生地
40
環境保全対策技術の海外移転
当社の海外技術協力事業への取り組み
● これまでの実績
当社の海外技術協力事業は、1960年代初頭から始まり
以来40 年余り、国内で培った技術と経験を活かし、海外
コンサルティング事業を基軸として、相手国機関への
などを展開し、高い評価と信頼を獲得してきました。
海外コンサルティング事業の実績は2003年度末現在
で59カ国、累計226プロジェクトに達しています。
政府専門家の派遣、発展途上国からの研修生受け入れ
海外コンサルティング事業及び投資型IPP事業の実施状況
海外コンサルティング事業実績
25件
59カ国 226件
29件(継続)
SEC HoldCo, S.A.
(スペイン、風力発電)
アジア
19カ国
1件
197件(終了)
108件
16件
山西天石電力有限公司
(中国、ボタ焚き火力発電)
ヨーロッパ
13カ国
投資型IPP事業実績
北米
1カ国
営業運転中 11件
1件
嘉恵(チアフイ)電力股分有限公司
(台湾、ガスコンバインドサイクル発電)
3件
Roi-Et Green Co., Ltd.
(タイ、籾殻発電)
33件
中近東
アフリカ
13カ国
Ormat Leyte Co., Ltd.
(フィリピン、地熱発電)
ガルフエレクトリック
Samutprakarn Cogeneration Co., Ltd.
(タイ、ガスコジェネレーション)
Nong Khae Cogeneration Co., Ltd.
(タイ、ガスコジェネレーション)
Gulf Cogeneration Co., Ltd.
(タイ、ガスコジェネレーション)
TLP Cogeneration Co., Ltd.
(タイ、ガスコジェネレーション)
39件
中南米
13カ国
タイオイルパワー
Thaioil Power Co., Ltd.
(タイ、ガスコジェネレーション)
Independent Power(Thailand)Co., Ltd.
(タイ、ガスコンバインドサイクル発電)
(2004年3月末現在)
● 最近の主な海外プロジェクト
石炭火力における環境保全対策技術の海外移転として
は、EU諸国のSOx、NOx低減技術、酸性雨に悩む東欧
高硫黄炭脱硫技術実証試験(経済産業省より受託)など
を実施してきました。
諸国への最適なSOx低減対策提案、さらに中国における
ウランバートル第4火力発電所改修計画
41
ルーマニア国廃棄物埋立処分場メタンガス有効利用調査
最近の主な海外プロジェクト
国 名
実施期間
火力
分類
ウランバートル第4火力発電所改修計画
プロジェクト名
モンゴル
2001.11∼2006.10
実施概要
発電所改修の施工監理
火力
ジャナマンジュ火力炭塵飛散防止スタディ
マレーシア
2003.
10∼2003.
12
火力発電所の貯炭場における炭塵飛散防止対策を立案する
水力
ユンカン水力発電計画
ペルー
1998.05∼2004.09
ダム・発電所建設の詳細設計及び施工監理
水力
アッパーコトマレ水力発電計画
スリランカ
2003.11∼2009.11
ダム・発電所建設の入札支援及び施工監理
送配電
パラグアイ首都圏送配電網整備計画
パラグアイ
1996.08∼2005.11
送電線建設、変電所新増設、配電網整備の詳細設計及び施工監理
技術基準
電力技術基準他整備計画
カンボジア
2002.10∼2004.01
電力技術基準等整備に関する知的支援
環境管理
ベトナム電力庁EMS構築支援
ベトナム
2003.
11∼2004.
01
電力庁が環境マネジメントシステムを構築するための支援
廃棄物
廃棄物埋立処分場メタンガス有効利用調査
ルーマニア
2003.
10∼2004.
03
廃棄物埋立処分場から発生するメタンガスの有効利用策を立案する
太陽光
太陽光発電等分散配置型システム技術実証研究
中国
2003.
10∼2005.
03
風力、新型蓄電池、ミニグリッドの実証試験を行う
風力
北ルソン風力発電計画
フィリピン
2002.
09∼2004.
06
風力発電所建設のための入札支援を行う
省エネ
省エネルギー普及・促進のための制度構築事業
スリランカ
2004.
03∼2004.
10
省エネルギー推進のために最適な制度、組織、政策を提言する
海外IPP事業の推進
当社は世界的な電気事業の民営化・自由化に対応し、
6カ国/地域、15件の海外IPPプロジェクトに携わって
さまざまな事業へ参画するとともに、国内で培った火力
います。2002年9月に設置したバンコック事務所におい
発電所の高効率化技術、環境保全対策技術を活かして、
ては、投資案件の円滑かつ安定的な事業運営を図るべく
環境と経済性の両立を図りながら、2003年度末現在で
現地のスタッフとともに仕事をしています。
ロイエットもみがら発電所
環
境
編
Ⅱ
・
環
境
活
動
状
況
チアフイガス火力発電所
今後の事業展開と持続可能な発展への貢献
海外コンサルティング事業については、ODAを巡る困
難な状況の中、ODAを用いた電力分野を中心としつつ水
より適切なポートフォリオのもとで海外投資に取り組ん
でいきます。
道・灌漑など当社の技術が活用できる分野への進出に取
こうした海外技術協力を、今後もコンサルティングと
り組むほか、民間開発プロジェクトなど非ODA分野への
投資事業の両分野で推進することが、世界の持続可能な
事業展開もめざしていきます。またIPP事業については、
発展の貢献につながると考えています。
● 海外研修生受け入れ実績
2003年度:25名 累計:2,005名
国際事業部コンサルティング火力G
山田 一之
海外での環境協力とは、主役で
ある現地の人々と裏方である我々
が共に作りあげていくシナリオも
幕引きも存在しない舞台のような
ものだ、と常々業務の中で感じて
います。
海外研修生実習状況
42
4. 循環資源の再生・再利用
廃棄物の低減
石炭灰の有効利用
当社が排出する廃棄物のうち、最もその量が多いのは
石炭灰の有効利用量の推移
石炭灰です。石炭灰は石炭火力発電所で石炭を燃焼する
石炭灰量(万t)
200
有効利用率(%)
100
有効利用率
埋立処分
有効利用量
とき、その残さとして発生するものです。
2003年度における石炭灰の発生量は147万tであり、こ
150
のうち、76%にあたる112万tを有効利用しました。
75%
76%
67%
71%
64%
35.8
有効利用の分野は、セメント原料やコンクリート混和
30.5
100
材としての再資源化を中心に、土木・建築資材や農林水
75
67%
48.0
49.3
55.1
50
29.3
産用資材となっています。特に農林水産用資材では、グ
50
ループ会社が経営する肥料工場でけい酸カリ肥料を製造
90.0
72.3
98.8
101.4
2001
2002
110.7
25
96.3
し、販売しています。
0
なお、有効利用できなかった分の大半は、4カ所の自
1998
1999
2000
0
2003(年度)
社処分場(茅ヶ崎市、北九州市、松浦市、石川市)で埋
立処分しています。
石炭灰の有効利用の内訳(2003年度)
セメント・コンクリート
有効利用
112万t
石炭灰発生量
147万t
土木・建築資材
1万t
外装材・埋戻し材・充填材
など
農林水産用資材
5万t
けい酸加里肥料
など
自社処分場への搬入
埋立処分
35万t
セメント原料・コンクリート混和材
など
106万t
その他
人工湧昇流事業への石炭灰利用
長崎県2地点で全国初のマウンド型人工湧
昇流事業(人工海底山脈)開始
石炭灰の大量なリサイクル先の1つとして、海底に
設置されるマウンド型人工湧昇流漁場の構築素材に
石炭灰が利用されています。
水深100m前後の海底に十数mのマウンドをアッ
34万t
2万t
て、この人工海底山脈の構築が開始されました。本
事業は2003年度から2005年度までの3ヶ年計画であ
り、1地点2万t超の石炭灰利用が予定されています。
昨年度当社松浦火力発電所より供給した石炭灰は2地
点で約1.5万tです。
なお、本事業においてアッシュクリート配合技術
提供・施工機器リース等を㈱アッシュクリート※にて
シュクリート(石炭灰硬化体ブロック)により構築
行っています。
して、海底に分布する栄養塩を光合成が可能な水深
※電源開発㈱、㈱間組、西武建設㈱、東京電力㈱、出光興産㈱による
出資会社。
まで持ち上げる流れ(湧昇流)を作り出し、
「栄養塩
→植物プランクトン→動物プランクトン→魚類→栄
養塩」の食物連鎖を海域に創造することにより、漁
獲量の増大が期待できます。
これまでの実証事業の成果を受け、2003年度より
長崎県の対馬・宇久の2地点で広域漁場整備工事とし
石炭灰を利用した人工湧昇流漁場(イメージ)
43
石こうの有効利用
当社は、石炭火力発電所の湿式排煙脱硫装置の運転に
より副産物として発生する石こうを、石こうボードやセ
メントの原料としてその全量を有効利用しています。2003
年度の有効利用量は約32万tとなり、有効利用率は100%
を維持しています。
建設副産物の有効利用
当社は、電力設備の新設や補修などで発生する建設副
また、生産された緑化混合材を利用し法面緑化工事を
産物について、コンクリート塊、伐採木の再資源化や建
実施しています。
環
境
編
設発生土の構内での活用などを請負業者等と一体となっ
て推進しています。
佐久間東幹線一部建替工事において発生する伐採木に
ついて、
① 用材として使用可能な幹は、市場へ搬出
② シガラ杭として使用可能な幹は、土留めシガラ等
に利用
③ 上記以外の幹・枝葉・根については、チップ化し
緑化材混合、雑草繁茂防止、マルチング
幹等のチップ化および法面緑化工事(佐久間東幹線建替工事所)
Ⅱ
・
環
境
活
動
状
況
として全量を有効利用しています。
流木の有効利用
2003年度は道路法面吹付材などへの需要が多く、前
当社は、水力発電所のダム湖に流れ込む流木を自主的
に引き上げ、木炭の製造や木酢液の採取に利用したり、
年度に回収・貯蔵していた流木も加工し、9,400m3を有
チップ化して建築用材料や肥料として再利用しています。
効利用しました。
流木の有効利用
堆肥材料
流 木
茸床材
チップ化
建築資材用材料
炭 化
流木炭
燃 料
流木木酢液
用 途
流木炭粒
商品名
水道水脱臭材 「みずすまし」
土壌改良材
精製木酢液
化粧品 「モクシィ」
「湖樹の精Ⅱ」
農業・園芸用
ダム湖に流れ込む流木(佐久間ダム)
44
オフィスでの取り組み
当社では全社で古紙の裏面利用、紙類、ビン、カン、
プラスチックの分別収集、封筒の再利用などの取り組み
生量はミックス紙の分別回収リサイクルにより、30tと
なり、前年度比39%削減しました。
により一般廃棄物の低減に努めています。2003年度の
本店ビルからの紙くず等の一般廃棄物については本店
EMSに基づき分別方法を周知して取り組んでおり、発
分別回収ボックス
電源開発㈱本店
グリーン購入
グリーン物品の購入
当社では、衛生用紙やコピー紙の再生紙使用、パソコ
ン、複写機などのOA機器の省エネルギータイプ採用を
はじめとするグリーン物品の購入に取り組んでいます。
2001年度にはグリーン購入法の全面施行に伴い、社内
2003年度購入した主なグリーン物品(グループ会社含む)
分 野
品 目
紙類
コピー用紙、衛生用紙(トイレットペーパー)
納入印刷物
印刷物(報告書類など)
文具類
シャープペンシル、事務用(社名入)封筒、ボール
で「グリーン製品購入指針」を策定、グリーン物品の優
ペン、蛍光ペン、
ファイル、
リサイクルボックスなど
先購入をさらに推進しています。2003年度は12分野で
OA機器
電子計算機(パソコン、プリンタ)、複写機
購入を進め、コピー用紙の再生紙購入率は98.4%となり
公共工事
低騒音型建設機械(バックホウ、
ブルドーザなど)
ました。
低公害車の導入
当社では社有車についても「グリーン購入指針」で対
象品目に定め低公害車の導入を進めています。
2003年度末現在の導入車両数は全社で71台(約20%)
となっており、今後も更新時や新規導入する際は原則的
に低公害車(注)への切り替えを順次行っていくことを決
定しています。
(注)ハイブリッド車、天然ガス自動車、電気自動車、メタノール自動車、
低燃費かつ低排出ガス認定車
天然ガス車
45
環境リサイクル事業
環境リサイクル事業
活かし、PFI/PPPによる環境リサイクル分野における
当社は、廃棄物の適正処理、環境対策、未利用エネル
ギーの利用促進等の面から社会貢献をめざしています。
特に、長年にわたる地域電力会社との契約に基づき、発電
(送電)
設備等のインフラにかかわる設備投資、
設計、
建設、
保守、
管理を一括で実施してきました。これらの経験を
公共インフラ整備運営事業に積極的に取り組んでいます。
(注)PFI(Private Finance Initiative)/PPP(Public Private
Partnership)
とは、公共施設の建設、維持、管理、運営等を民間
の資金、経営能力、技術能力等を活用して事業実施する手法です。
PFI/PPP型 環境リサイクル事業イメージ
自治体事業範囲
SPC事業範囲
中間処理事業(PFI/PPP)
焼却・溶融・発電事業
マテリアル・リサイクル事業
環
境
編
電 力
SPC
ごみ収集事業
可燃ゴミ
一般廃棄物収集
(市町村)
パッカー輸送
直接搬入
粗大等一廃
粗大ごみ
リサイクル施設
(自治体施設)
焼却・溶融
・発電施設
焼却灰・スラグ
溶融飛灰
Ⅱ
・
環
境
活
動
状
況
破砕残さ
産業廃棄物
建設混合廃棄物
リサイクルプラザ
灰有効利用施設
建設工事
公共工事等
●取り組み事例
・廃棄物発電/廃棄物中間処理事業(大牟田リサイクル発電などPFI方式による事業参画)
・浄水場廃水処理施設整備運営事業(寒川浄水場廃水処理特定事業へ事業参画、浄水発生土の有効利用拡大)
・PFIアドバイザリー(余熱利用施設PFIアドバイザリー業務他)
・PFI事業における契約・リスク分担に関する調査
・PFI業務可能性調査
ダイオキシン類簡易連続測定法の開発
当社は、㈱ジェイペック
(旧㈱電発環境緑化センター)
この簡易測定法を製品化し2002
と共同開発でダイオキシン類の簡易測定法の開発に取り
年1月より販売しています(商
組んできました。その結果、焼却炉の排ガス中の有機ハ
品名OHC-201)
。この装置は、
ロゲン化合物を測定することにより、ダイオキシン類濃
ダイオキシン類の排出量抑制等
度を間接的に連続測定することに成功しました。当社は、
に寄与するものと期待されます。
OHC-201
OHC-201の営業担当をしている
新事業部 環境営業・商品グループ 渡部 剛
排出濃度監視のみならず、ダイオキシン類除去の
為に使用している活性炭の注入量制御による運転・
コストの最適化など運転管理用としても有用なもの
と思慮されます。この商品の普及が環境保全対策に
少しでも役立てば幸いです。
46
5. 技術研究開発
当社はこれまで電力分野において常に時代をリードする技術開発に取り組み、それを自社設備に適用することを通じ
て、日本の電力技術の発展に貢献してまいりました。当社は今後ともより一層高効率で経済性の高い発電システムの開
発に取り組むとともに、
「エネルギー」と「環境」の分野においてオンリーワン・ナンバーワンとなるような、新たな
事業の創出に向けた技術開発にも熱心に取り組んでいます。
研究開発成果の導入
「エネルギー」と「環境」分野における近年の主な技術研究開発の成果とその導入状況を紹介します。
石炭火力発電分野
世界最高レベルの発電効率
火力発電の発電効率向上をめざしボイラー・タービン
用の耐熱合金材料の信頼性、安全性、経済性などの確立
を図りながら、蒸気条件(温度・圧力)を段階的に向上
させ、松浦火力2号機以降の当社発電設備に導入、世界
最高レベルの発電効率を達成しました。
これにより、石炭使用量等の削減、環境負荷物質の排
出抑制等、環境に与える影響をより少なくするとともに
松浦2号機USCタービン
経済的な電力供給にも役立っています。
※共同研究企業(タービン)三菱重工業㈱、㈱日立製作所、㈱東芝
〃 (ボイラー)三菱重工業㈱、バブコック日立㈱、
石川島播磨重工業㈱
※1999 日本機械学会賞
ガス
活性炭
工業用水も大幅削減
石炭火力発電所の湿式排煙脱硫装置では、大量の工業
グリーンガス
用水を使用しています。当社では1980年以降国の支援
を得て乾式脱硫装置の研究開発を推進し、磯子火力発電
所新1号機に国内で初めて導入しました。湿式排煙脱硫
排ガス
装置と比較して、用水を99%削減、消費電力を40%削
減可能となりました。
磯子火力発電所乾式排煙脱硫装置(脱硫塔)
水力発電分野
既設ダムの再開発
既設ダムを再開発するダム機能の維持と周辺地域への
影響を最小限にするため、貯水位を下げずにダム本体に
新しい取水口をあける大水深新型仮締切工法を開発し、
奥只見発電所増設工事に適用しました。国も既設ダムの
活用を徹底する方針としていることから、今後この技術
の適用ニーズの増大が予想されます。
※共同開発企業 鹿島建設㈱、東洋建設㈱
※2003 土木学会「技術賞」
奥只見ダム仮締切工
47
海を利用する揚水発電
2004年度以降は、当社と沖縄電力㈱で試験を継続し
世界初の海水揚水発電技術実証試験
(最大出力3万kW)
を沖縄本島において国からの委託を受け実施しました。
ます。
※1999 土木学会「技術賞」
海水揚水は立地上の多くの利点を有するものの、海水
であることから種々の課題があり、その克服に向け、ゴ
ムシートの海水遮水と漏水検知復水システム、FRP製水
圧管路、特殊ステンレス鋼ポンプ水車などの新技術を開
発導入し、1999年度から5年間の試験運転を通じてシス
テムの検証を行いました。
海水揚水発電技術実証試験
環
境
編
ごみ発電分野
廃棄物を利用する発電
一般ごみを原料とした「廃棄物固形化燃料(RDF)
」
Ⅱ
・
環
境
活
動
状
況
を使用して、経済性・環境特性に優れた廃棄物発電シス
テムを構築し、大牟田リサイクル発電所にその技術を導
入しました。実証試験ではRDFの燃焼によるボイラ腐
食を抑えつつ、ごみ発電としては35%という高効率発電
が可能であることを確認するとともに、ばいじん・SOx・
NOxに加えダイオキシン類や重金属類の除去も可能な高
度排煙処理技術を開発しました。
RDF利用発電技術試験装置全景
リサイクル・環境分野
石炭灰の有効利用
石炭には約10%の灰分が含まれ、当社では年間150万
t程度の灰が発生しています。これを主にセメント原料
等に有効利用していますが、それ以外への利用促進の研
究開発にも積極的に取り組んでいます。
● 土木工事への利用
当社は発電所の新設工事等への適用を通じて石炭灰の
有効利用技術を開発してきました。現在、調査、設計か
ら石炭灰の供給、施工管理まで一貫したエンジニアリン
グを提供しています。
FGC深層混合処理工法
※1999 地盤工学会「技術開発賞」
※2002 電力土木技術協会「技術奨励賞」
● 農業への利用(P.74参照) ● 漁業への利用(P.43参照)
48
研究開発推進中の技術
「エネルギー」と「環境」分野における近年の技術研
究開発テーマのうち代表的なものを紹介します。バイオ
マス燃料についてはP.24、CO2の吸収・固定技術につ
いてはP.32に紹介していますのでご覧ください。
エネルギー分野
石炭からガス製造
高効率石炭利用技術として、燃料電池、ガスタービン、
蒸気タービンをあわせた石炭ガス化燃料電池複合発電
(IGFC)の実現をめざし、石炭ガス化技術および石炭ガ
ス精製技術を開発しています。2002年3月より150t/dパ
イロットプラントによる試験を開始し、5年間にわたり
各種性能試験および信頼性確認試験等を実施しています。
燃料電池石炭ガス化製造パイロットプラント
石炭ガス利用の燃料電池(SOFC)
固体酸化物形燃料電池
(SOFC)
は多様な燃料が使用で
き、分散電源から火力代替電源まで幅広い利用が可能な
高効率で信頼性の高い燃料電池です。石炭ガス化と組合
せることで大幅なCO2削減が可能な、複合発電システム
の実現が期待できます。現在はモジュール構造を抜本的
に見直したうえでスケールアップし、長期の信頼性検証
とシステム化技術の確立を目指して開発を進めています。
加圧型10kW級モジュール
環境分野
貯水池堆砂の掃砂技術
貯水池では、上流から流入する土砂が堆積することに
より貯水容量が減少します。また、貯水池より下流では
土砂が十分に供給されないため、河床低下などが生じま
す。解決策として、貯水池内の堆積土砂をダム下流に仮
置きし、出水時にこれを流下させる手法があり、水理実
験、数値解析、現地調査を通して開発中です。
※共同研究機関:蘭国デルフト水理研究所
英国HRウォリングフォード水理研究所
掃砂水理模型実験
水域環境浄化技術
当社の水力発電所環境保全技術を発展させ、
「環境コ
ミュニティーサイト※1」
と
「天然素材を利用した底泥浄化
技術※2」
の二つを組み合わせる新たな発想に基づき、水
域環境浄化のための技術開発および提案を行っています。
※1 ITを通じて地域の人々と環境に関する情報を交換/共有するサイト
を提案しています。
※2 流木炭や火山礫などポーラスな材料を湖沼底泥内に設置し、好気性
微生物の活動を活性化させることにより底泥を浄化する技術です。
底泥浄化技術実証試験
49
超臨界水利用技術
超臨界水(374℃、22Mpa以上)は、加水分解反応、
酸化反応等のさまざまな反応が期待されています。この
特性を活用して、バイオマスの高度燃料転換などの物質
資源のリサイクル技術や高性能な排水処理技術の開発を
進めています。
超臨界水試験装置
木材廃棄物からプラスチック製造
未利用間伐材等の木質系廃棄物から、木材の主要成分
環
境
編
であるリグニンとセルロースとを分離・回収し、それら
を再利用する技術開発です。回収したリグニンは機能性
木質新素材(ウッドプラスチック)の原料とし、一方の
セルロースは糖に分解された状態で分離されるため、こ
れを発酵させて生分解性プラスチック(ポリ乳酸)の原
料として利用します。
※共同試験事業者:
「機能性木質新素材技術研究組合」
加入組合員のうち
㈱荏原製作所、大成建設㈱、東洋樹脂㈱、コクヨ㈱、㈱マルトー、
コスモスエンジニアリング㈱、名古屋港木材倉庫㈱
機能性木質新素材製造実証プラント(林野庁補助事業)
食品廃棄物からプラスチック製造
石油代替プラスチックである生分解性プラスチックの
Ⅱ
・
環
境
活
動
状
況
原料である
「ポリ乳酸」
は、食品加工工場、ホテル、デパー
ト等の食品廃棄物を糖化・発酵処理して製造されます。本
技術開発はポリ乳酸の実証プロセスを検証することを目
的に、
「北九州エコタウン」
地区にて実施しています。
※共同試験事業者:
(財)
北九州産業学術推進機構、㈱荏原製作所、
オルガノ㈱、㈱武蔵野化学研究所、環境テクノス㈱
茅ヶ崎研究所 環境科学研究室 川崎 昌三
食品廃棄物石油代替プラスチック製造実証プラント(農林水産省補助事業)
若松研究所 EAGLE開発G
J-POWERは発電所の建
設、運用を通じて様々な環
境保全技術を培ってきまし
た。これらの技術を応用・
発展させ、環境と調和のと
れた社会の実現に貢献する
研究を行っています。
安富 寿徳
IGFCの実現をめざし、燃
料電池に供給可能な石炭ガ
ス製造技術を確立すること
を目的に、石炭処理量150t/
日パイロットプラントによ
る研究に取り組んでいます。
特許等の工業所有権 取得件数
発電技術分野
リサイクル技術分野
単独出願
6件
−
環境技術分野
−
共同出願
16件
5件
計
22件
5件
その他
計
9件
15件
14件
95件
130件
14件
104件
145件
50
6. 環境コミュニケーション
当社は、環境保全への取り組み状況を公表するとともに、地域社会の一員として信頼され、親しまれ、地域とともに生
きる存在となるため、コミュニケーションを大切にし取り組んでいます。さらに、卸電気事業が主体である当社は、電気
の最終消費者の方々と直接お話しする機会が少ないことから、皆様に知っていただくための広報活動を推進しています。
環境報告書の発行
当社では、
「環境行動レポート」を1998
年度より毎年発行しており、2003年度に
「環境・社会行動レポート」と改題し、本
報告書で7年目の発行となりました。今年
度は新たに、ダイジェスト版を発行しまし
た。また、2002年度より英語版も発行し
ています。
当社ホームページ上でも公開しています。
http://www.jpower.co.jp
英語版
広報活動
広告
新聞、経済誌、週刊誌、交通機関などに企業広告をは
じめ多数の広告を掲載しています。
2004年2月より「Reの視点シリーズ」として、温暖
ピー:Think New, Think Renew)
これまで「もみ殻発電」
「植林事業」
「バイオソリッド」
「石炭ガス化技術」を新聞掲載しました。
化対策を始めとする地球環境問題に積極的に取り組んで
環境に対する真摯な姿勢をイメージしたコマーシャル
いる姿勢を当社事業を通じて伝えています(キャッチコ
を提供番組「音のソノリティ」
(NTV)で放映しています。
● 新聞広告
もみがら発電(2004年2月掲載)
51
植林事業(2004年3月掲載)
バイオソリッド(2004年3月掲載)
● TVCM
環境「巨木」篇
環
境
編
石炭ガス化技術(2004年5月掲載)
主なパンフレット
「会社案内」
「アニュアルレポート」
を毎年発行し、
社外の
当社事業を分かりやすく編集した
「おしえて!
「Jパワー」
っ
方々に配布・説明しています。
この中でも、
当社環境保全
て?」
や子供向けのパンフレット
「J-POWERは力もち」
を
の取り組みを掲載しています。
また、
一般になじみの薄い
発行し、
発電所や各種イベント実施の際配布しています。
Ⅱ
・
環
境
活
動
状
況
「J-POWERは力もち」
「おしえて!
「Jパワー」って?」
「会社案内」
「アニュアルレポート」
グループ内広報誌「J-POWERs」
2004年3月まで、J-POWER社誌として「電源」を発
行していましたが、これを、J-POWERグループ社員を
対象とし、グループ各社トップの経営意思伝達、グルー
プ内情報の共有、そしてグループ社員間コミュニケー
ション活性化などを図る目的でリニューアルし、同年4
月よりグループ内広報誌「J-POWERs」として発行し
ています。
この「J-POWERs」では、環境月間や「環境・社会
行動レポート」を発行する時期に、これらの取り組みを
特集などを企画して紹介しています。
J-POWER 社誌「電源」
グループ内広報誌「J-POWERs」
52
PR館の運営
当社では現在15カ所のPR施設があり、2003年度は約30万人の方々にご来場いただきました。
● 開放型発電所
奥清津第二発電所(新潟県)は、水力発電所の発電機
や配電盤など実物の設備を見て触って見学できる開放型
発電所で、展示施設「OKKY」を併設しています(2003
年度入館者:21,547人)
。
奥清津展示施設OKKY
● MIBOROダムサイドパーク
2001年4月に「MIBOROダムサイドパーク」がオープ
ンしました。御母衣ダム(岐阜県)の建設の歴史や「荘
川桜」誕生にまつわるドラマを紹介するPR施設や、御
母衣ダムを眺めながら食事ができるレストランがありま
す(2003年度入館者:119,386人)
。
MIBOROダムサイドパーク
● Jパワー・よんでんWaンダーランド
2000年12月に橘湾火力発電所(徳島県)の対岸に、
「J
パワー・よんでんWaンダーランド」がオープンしまし
た。この施設は発電所建設に利用した土捨場の跡地を四
国電力と当社が共同で地域の方々が憩える場所として整
備したものです(2003年度入館者:65,159人)
。
Jパワー・よんでんWaンダーランド
PR施設一覧
名 称
①鬼首展示館
①
②
③ ④⑤
⑧
⑨
⑩
⑫
⑬
⑦
⑪
⑭
⑮
53
⑥
②奥只見電力館
③奥清津展示施設OKKY
④只見展示館
⑤下郷展示館
⑥沼原展示館
⑦佐久間電力館
⑧手取川ダム展示館
⑨MIBOROダムサイドパーク
⑩竹原火力展示館
⑪Jパワー・よんでんWaンダーランド
⑫MATSUURAエネルギープラザ
⑬松島火力PR室
⑭J-POWERふれあい館
⑮てぃだホール
所在地
〒989-6941 宮城県玉造郡鳴子町鬼首字荒雄岳2-5
〒946-0082 新潟県北魚沼郡湯之谷村大字芋川字大鳥1317-3
〒949-6212 新潟県南魚沼郡湯沢町大字三国字土場山502
〒968-0421 福島県南会津郡只見町大字只見字後山2476-230
〒969-5208 福島県南会津郡下郷町大字小沼崎字半丈乙847-1
〒352-0111 栃木県黒磯市板室字滝ノ沢897-6
〒431-3901 静岡県磐田郡佐久間町佐久間2252
〒920-2336 石川県石川郡尾口村東二口ホ18-1
〒501-5505 岐阜県大野郡白川村大字牧140-1
〒729-2311 広島県竹原市忠海町西長浜3035-13
〒779-1620 徳島県阿南市福井町舟端1番地
〒859-4506 長崎県松浦市志佐町白浜免字瀬崎458-1
〒857-2531 長崎県西彼杵郡大瀬戸町松島内郷2573-3
〒859-2101 鹿児島県薩摩郡鶴田町神子字打込3985-9
〒904-1103 沖縄県石川市字赤崎3-4-1
荘川桜
御母衣湖畔中野展望台に立っている二本の巨桜は、
樹齢450余年といわれ、いずれもアズマヒガンです。
いまは湖底に沈む中野地区の照蓮寺および光輪寺の
境内にあったもので、
村民に長く親しまれてきました。
1959年の晩秋、ダム建設中のこの地を訪れた当社初
代総裁が、この巨桜が湖底に沈むのを愛惜し、
「桜博
士」
といわれた桜研究の第一人者、故笹部新太郎氏に
現在の荘川桜
依頼し移植が実行されました。多くの専門家をして
「不可能」
といわしめた世界に例を見ない大規模な移
移植作業
環
境
編
植工事は1960年12月に完了し、荘川桜と名付けられ
現在も当社が管理し、
毎年見事な花を咲かせています。
環境保全活動の展開
環境月間行事の実施
毎年6月は国が定める環境月間です。これまでの社会
● 社長メッセージおよび環境省ポスターの掲示
や企業のあり方を見つめ直し、職場や地域においてどう
当社では環境月間にあたり、社長メッセージおよび環
したら環境に貢献する行動ができるかを考え、行動して
境省ポスターを全事業所に掲示し、社員の環境意識の向
いくため2003年度もこれに呼応した行事を計画し、本
上を図っています。
Ⅱ
・
環
境
活
動
状
況
店や事業所において講演会を開催したり、地域の海浜・
道路清掃活動や自治体主催の植樹祭に参加するなどさま
ざまな行事を実施しました。
行事区分
実施内容および実施事業所数
講演会、訓示・訓話等
講演会主催:
7、訓示・訓話:
9、勉強会:
8、講演会公聴:
5
環境フェア、環境パネル展
グリーンフェア:
1、環境パネル展示:
3、環境フェア出展:
1
環境写真展、環境標語募集
環境写真展:
1、環境標語の募集:
1
環境教育ビデオ上映
環境教育ビデオ上映:
16
ポスター掲示、情報提供等
社長メッセージ及び環境月間ポスターの掲示:
森林ボランティア、自然観察会
国内全機関、パンフレット配布:
2、環境月間テーマ掲示:
1
森林ボランティア:
5、自然観察会:
2
環境美化運動など
海浜清掃:延べ10、近隣地域清掃:延べ33、
職場環境整備:延べ30、植樹・植栽、プランター設置、
花苗配布:延べ21
リサイクル活動
地球温暖化防止活動
リサイクル推進活動:
16
省エネ推進活動:
13、アイドリングストップ運動:
13、
ノーカーデーの実施:
2
環境測定
環境測定:延べ12
施設見学会
施設見学会:
13
その他
禁煙タイム:
5、施設開放イベント:
1
54
環境月間行事の実施状況
石川英輔氏環境講演会(本店)
岩屋海岸清掃 若松総合事業所(福岡県)
横浜市環境パネル展 磯子火力発電所(神奈川県)
グリーンフェアの開催
2003年度は6月と10月の2回、当社本店正面玄関前に
おいて、発電事業で発生する副産物を利用した環境配慮
型商品の展示即売会「グリーンフェア」を開催しました。
この催しでは、一般の方々に、グループ企業が製造販
売している環境配慮商品を実際に見て触っていただき、
環境保全活動への理解を深めていただくとともに、地域
特産品の販売を通じて、当社の発電所が所在する地域の
紹介を行いました。
「グリーンフェア」
(本店)
グリーンフェアの開催
開催日
来場者数(人)
募金金額(円)
寄付先
2003.
6
806
57,
698
全額:地球環境基金(環境事業団)
2003.
10
381
33,
215
全額:緑の募金(国土緑化推進機構)
花いっぱい運動への参加
北本連系電力所(北海道)では、地元町内会主催の
「花いっぱい運動」に参加して、1991年から毎年6月に
地元の小学生とともに、七飯町の国道5号線沿いにサル
北本連系電力所(北海道)
55
ビアを植えてきました。
2003年度も当社からの参加者を含め総勢50人で、約
3万本を植えました。
北本連系電力所(北海道)
地域の皆さまとの植樹活動
各機関では、地域の皆様との植樹活動などを進めています。その一部を紹介します。
●
北山川電力所では尾鷲市、尾鷲漁協関係者、三重県漁
連の皆さまとの共催により2004年3月に植樹祭を開催
しました。
●
この植樹祭は、地元漁協関係者との地域交流の中で、
皆さまからの「山の荒廃が進んでいるので少しでも山
を復活させたい」との意見がきっかけとなり実現した
環
境
編
もので、今年で4年目となりました。今回は当社から
約40人が参加し、市内栃川原の市有林にヤマザクラの
苗木40本を植樹しました。
尾鷲漁協関係者等との共催による植樹祭 北山川電力所(三重県)
●
2003年4月に開催された天竜川漁協主催の植樹祭に、
Ⅱ
・
環
境
活
動
状
況
中部支店・佐久間電力所などから有志10名が参加しま
した。
●
当日は、秋葉ダム湖に流れ込む新開沢源流、草木谷
において280本の広葉樹(ヤマザクラ、ケヤキ、コナ
ラ、モミジなど)の苗木を植樹しました。
天竜川漁協主催の植樹祭 佐久間電力所(静岡県)
十津川村美化運動への参加・協力(桜の苗木植樹)十津川電力所(奈良県)
●
「おかやま共生の森」森林ボランティアへの参加 西日本送電管理所(岡山県)
J-POWERグループ社員で構成するボランティア組織
「J-POWERフォレストクラブ」
(会員30余名)は、日
本山岳会自然保護委員会「高尾の森づくりの会」の活
動に賛同し会員として森林ボランティア活動に参加し
ています。
●
同会は、東京都八王子市裏高尾の小下沢国有林の森
づくり活動を実施しており、J-POWERグループ社員
も環境保全と健康づくりをテーマにして取り組んでい
ます。
「高尾の森づくりの会」の植樹祭参加 J-POWERフォレストクラブ
56
[ 社会編 ]
当社は、顧客、株主、従業員、地域の方々、取引先などによって支えられ信頼されてはじめて生きて
いくことができる社会的存在です。こうした基本的な認識のもと、さまざまな施策に基づき、社会とと
もに活動を展開しています。
1.社会とのかかわり
J-POWERふれあいコンサート
当社は、1992年より現在まで全国各地で80回を超え
る「J-POWERふれあいコンサート」を開催しています。
当社施設のある地域を中心に本格的なクラシックコン
サートを開催しており、地域住民を招待し、音楽を通じ
た地域とのコミュニケーション活動による地域広報、地
域対応への支援や当社の企業イメージの理解促進を図る
ことを目的としています。
J-POWERふれあいコンサート
2003年度は以下の通り5地点で開催しました。
開催機関 開催日 場 所 入場者(人)
高砂火力発電所
2003.9.
23
高砂市文化会館
761
北山川電力所
2003.9.
28
海山町立中央公民館
451
上士幌電力所
2003.9.
28
足寄町民センター
197
南九州電力所
2003.
11.4
鶴田町中央公民館
磯子火力発電所
2004.1.
25
みなとみらい大ホール
350
1,316
発電所等開放デー
石炭火力発電所などでは、
「開放デー」を開催し、地
参加者からは、
「日頃見る事のできない発電所の見学
は、良い経験ができた」
「子供たちへも教えることがで
域の方々とのコミュニケーションを図っています。
当日は、設備の見学をメインに、それぞれの発電所な
きた」との意見が多く、今後とも地域の方々に対する当
どで多様な催しが実施され、多くの方々に参加していた
社事業の理解促進と、コミュニケーションの場として推
だきました。
進していくこととしています。
磯子火力発電所(神奈川県)
松島火力発電所(長崎県)
竹原火力発電所(広島県)
2003年度 発電所等開放デー
開催日
茅ヶ崎研究所(神奈川県)
57
開催機関
参加者
2003.6.8
竹原火力発電所
3,
500
2003.8.
24
若松総合事業所、若松研究所、
若松火力センター
2,
200
2003.8.
31
松浦火力発電所
1,
000
2003.
10.
13
松島火力発電所
1,
800
2003.
11.3
磯子火力発電所
2003.
11.9
石川石炭火力発電所
1,
800
2003.
11.
23
高砂火力発電所
1,
500
2003.
12.
23
茅ヶ崎研究所
2,
000
2004.3.
28
橘湾火力発電所
3,
500
700
各機関で実施している社会的な活動の一部を紹介します。
● NPOとの共同活動
茅ヶ崎研究所では、茅ヶ崎市内のNPO団体などが共同
で実施している「千の川クリーンキャンペーン」活動に
参加しています。この活動の一環として、
「生き残れ川
の応援団」と共同して河川水などの水質測定方法につい
て啓発活動を実施しました。
「千の川クリーンキャンペーン」活動 茅ヶ崎研究所(神奈川県)
● 神奈川マラソンコース清掃および給水・応援ボランティア
● J-POWER CUP サッカー大会
社
会
編
高砂火力発電所(兵庫県)
磯子火力発電所(神奈川県)
● 松島火力自衛消防隊による住宅火災消火
松島火力発電所自衛消防隊は、2003年10月に発生し
● 大間中学校におけるエネルギー教室
た島内住宅火災において迅速な消防活動を行い火災鎮圧
に大きく貢献したことから、大瀬戸町長より感謝状を受
けました。
大間原子力建設準備事務所(青森県)
● わかふじ国体でのボランティア
松島火力発電所自衛消防隊(長崎県)
● 除雪ボランティア
国体ボート大会が2003年9月に天竜ボート場(船明ダ
湯沢町除雪ボランティア実行委員会に協力し、自力に
ム湖)で開催され、この大会の公式練習時にJ-POWER
より除雪できない要援護世帯の除雪作業にJ-POWERグ
グループによるレスキュー(小型船からの監視・救助)
ループで参加しました。
奥清津電力所
(新潟県)
のボランティアを実施しました。
佐久間電力所
(静岡県)
58
2.コンプライアンス
当社は「企業理念」および「企業行動規範」に基づき、従前よりコンプライアンスに力を注いでまいりましたが、コ
ンプライアンス活動を更に強化すべく、2003年4月に、社員の業務活動に際しての、具体的な行動基準として「コンプ
ライアンス行動指針」を制定しました。
役員をはじめ社員の一人ひとりが、法令や社内規程に定められたことを守り、社会常識に則って行動することにより、
健全な企業活動を推進していきます。
コンプライアンス・ガイドブック
コンプライアンス講演会
3.従業員とのかかわり
業務改善・アイデア提案
社内提案制度としては、
「業務改善提案」および「ア
アイデア提案は、
「自分の担当業務に限らず積極的に、
業務全般にわたる改善・効率化に関する自由なアイデア
イデア提案」があります。
業務改善提案は「広く従業員から担当する業務の効率
化および改善に関する自由な提案を求め、業務の活性化
と合理化の推進を図ること」という目的で1965年から
を提案」する制度で、2000年度より実施しています。
2003年度の提案件数、優秀提案は、以下のとおりと
なりました。
行われています。
制 度
業務改善提案
提案件数
195件
優秀提案件名
最優秀賞(社長褒賞)
2件
「高水圧型半円筒形鋼コンク
リート仮締切工法の開発」
「松浦火力発電所排水処理
最適運用によるコスト削減
及び運用効率化」
アイデア提案
234件
金賞
1件
「行き先表示カードの活用」
業務改善提案表彰式
59
安全衛生の取り組み
当社では、1993年1月に制定した安全衛生管理規程に
画で「心とからだの健康づくりに取り組もう」を基本目
基づき、安全衛生管理体制、安全衛生教育、業者災害お
標に、
「健康診断と生活習慣の見直しによる心とからだ
よび公衆災害の防止、労働安全衛生マネジメントシステ
の健康づくりの推進」と「快適職場づくりの推進」を重
ム等の細則を定め、安全管理に取り組み、労働災害の防
点推進項目に掲げ、健康増進に向けた指導の強化、衛生
止等に努めています。
的で快適な職場環境の整備に努めています。
社員の健康面については、2003年度安全衛生業務計
安全衛生管理体制
安 全 衛 生 管 理 組 織 図
社 長
副 社 長
常務取締役
担当取締役
【本店】
総括安全衛生管理者
(安全衛生所管部担当役員)
【水力流通事業部】
【水力流通事業部を除く事業部、センター、部】
事業部長
(総括安全衛生管理者)
事業部長、センター所長、部長
【建設機関等(建設所、立地所、工事所等)】
【支店】
安全衛生所管部長
(人事労務部長)
安全担当
総括安全衛生管理者
(支店長)
社
会
編
【火力発電所】
総括安全衛生管理者
(所長)
総括安全衛生管理者
(所長)
【事業部本部】
衛生管理者
安全管理者
安全管理者
安全管理者
産業医
安全担当
衛生管理者
衛生管理者
衛生管理者
産業医
安全担当
産業医
各部長
安全担当
【調査機関等(調査所等)】
安全担当
安全担当
支店を含む
地区構成
【建設機関等(建設所、センター、事業所等)】
総括安全衛生管理者
(所長)
所 長
安全担当
安全管理者
【制御所及び支店管下機関(電力所、送電管理所、情報通信所、支所、送電所)】
【会社従業員10人以上の機関】
総括安全衛生管理者
(所長)
作業・工事連絡会
安全管理者
衛生管理者
【会社従業員10人未満の機関】
所 長
作業・工事連絡会
支
地店
区を
構含
成ま
な
い
産業医
安全担当
【会社従業員10人未満の機関(地熱発電所等)】
安全衛生推進者
安全衛生推進者
所 長
安全衛生推進者
60
安全衛生管理体制
当社では、社員の安全技術レベル等の向上を図る目的
で、社内での階層別・職能別研修を実施するとともに中
央労働災害防止協会等が実施する外部研修に積極的に参
加しています。
災害模擬体験学習会
2003年度 研修実績
研修内容
実施主体(主催者)
実施回数
延参加者数
階層別・職能別研修
人事労務部
11
309
災害模擬体験学習会
同 上
1
322
安全衛生教育トレーナー講座 他
中央労働災害防止協会
20
41
ヒューマンファクター研修
電力中央研究所
9
1307
安全パトロール
当社では、労働災害の防止を目的に大規模工事、定期
点検工事を中心に人事労務部長および支店長による安全
パトロールを実施しています。また、重傷災害等発生機
関については、災害の発生に至った要因・背景等の特別
調査を行い再発防止に努めています。
発電所定期点検前の朝礼
安全衛生委員会等
当社では、全社の安全衛生管理に関する意見を聴く機
関として安全衛生全社委員会等を設置し、また各機関で
も安全衛生委員会等を設け従業員代表の意見を安全管理
活動に反映しています。
安全衛生推進連絡会
当社・関係工事等業者の労働災害
2003年度は、
「労働安全の最優先を実践する」を安全
の基本目標に、
「繰り返し型災害(墜落・転落、挟まれ・
巻き込まれ、飛来・落下、感電)の防止」
「一体的保守
体制下における安全衛生体制の確立と推進」を重点推進
災害実績
重傷
6
項目として災害防止に取り組んだ結果、災害発生件数は
4
前年度より約40%少なくなりました。
2
軽傷
9人
(8件)
8
0
61
死亡
(人)
10
8人
(8件)
6人
6人
(6件)(6件)
7人
(5件)
4人
(4件)
1人
(1件)
0人
(0件)
2001
0人
(0件)
2002
2003
安全衛生推進協議会の開催
当社発注工事にかかわり、工事業者の労働災害の防止
および衛生管理の推進面から、安全衛生推進協議会を設
け毎月1回定期的に安全衛生に関する連絡調整を行って
います。
労働安全衛生マネジメントシステムの運用
安全衛生PDCAサイクル
当社は、労働安全衛生活動における安全衛生水準の連
続的かつ継続的な向上を目的として、2002年4月に安全
P(年度安全衛生業務計画の策定)
衛生管理規程を改正し労働安全衛生マネジメントシステ
ムの導入を制度化し、その後運用しています。
A(改善・見直し)
D(安全衛生計画の実施)
C(実施内容の点検、監査)
社
会
編
総合健康管理センター
本店地区の当社社員および関係会社社員の健康管理を
診療・精密検査、健康相談室では各種健康診断・健康相
目的に総合健康管理センター(診療所、健康相談室、歯
談(メンタルヘルス、栄養指導、保健指導、運動指導、
科診療所)を設けて、医師、保健師、看護師、管理栄養
セクハラ)
、歯科診療所では歯科診療・歯科健診・歯科
士、歯科衛生士、臨床心理士を配置し、診療所では一般
健康相談を行っています。
法定健康診断および人間ドックの受診状況
労働安全衛生法で規定している定期健康診断、特殊健
受診状況
(単位:%)
2002年度
2003年度
康診断を実施するとともに自主的取り組みとして、人間
春季健康診断
95
94
ドック、歯科健診、眼科検診の受診を積極的に支援して
人間ドック
63
67
います。主な受診状況は、次の通りとなっています。
項 目
※対象人員(人間ドックは35歳以上を対象)に対する受診人員の割合
人事労務部安全衛生グループ 健康相談室
保健師 志田 小壽恵(左)、石川 裕子(中)
管理栄養士 大屋 みつこ(右)
J-POWERグループ大で健康保持増進事業(心と
からだの健康づくり)を展開し、疾病予防及健康の
保持増進ための保健指導や禁煙指導、食生活の改善
指導を実施しています。
62
THP(トータル・ヘルスプロモーション・プラン)事業の取り組み
体力づくりと生活習慣病等の予防的措置として、全社
において運動・保健・栄養・メンタルヘルスの各プログ
ラムを関係会社と一体となって実施推進しています。
メンタルヘルスへの取り組み
職場環境の変化、業務内容の変更に伴ない社員の心身
への負荷が懸念されており、これらに適切に対応するた
本店THP体力測定
めに、総合健康管理センターの健康相談室に産業医、専
門嘱託医、カウンセラ−、保健師を配置し、メンタルヘ
ルスケアに取り組んでいます。
セクシャルハラスメント防止への取り組み
セクシュアルハラスメントは、個人としての尊厳、名
誉、人格などを不当に傷つけ、当人の意欲や能力を阻害
する場合があり、職場環境に重大な影響を及ぼします。
そこでセクシュアルハラスメントを未然に防止するため、
パンフレットやビデオ教材による社員への周知・啓発活
動を行うとともに、相談や苦情に対応する窓口を設け対
応しています。
VDT作業の労働衛生
セクシュアルハラスメント防止パンフレット
「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライ
ン」
(厚生労働省 2002年4月改訂)に準拠し、VDT作
業の労働衛生啓発ポスターの掲示、定時のJ-POWERリ
フレッシュ体操の推進、眼科健診等の実施によりVDT作
業の快適職場環境整備に努めています。
職場における分煙対策
職場における受動喫煙を防止するため、原則事務所内
並びに社有車内は禁煙とする「全社喫煙対策指針」を制
定し周知徹底を図るとともに、禁煙への理解促進に取り
組み、職場の快適環境の保持に努めています。
喫煙室(本店)
63
人材の育成・活用
当社は企業理念の中で、
「誠実と誇りを、全ての企業
成長し続ける企業であるためには常に成長する意欲を
活動の原点とする」
、
「自らをつねに磨き、知恵と技術の
もった誠実で豊かな個性が必要です。経営方針を実現し
さきがけとなる」
、
「豊かな個性と情熱をひとつにし、明
ながらそのような人材を育成するために、さまざまな施
日に挑戦する」と謳っています。企業の根幹は人であり、
策を実施しています。
経営方針と自己実現を両立させる人材育成・活用諸施策
評価・マネジメント
制度
組織目標管理制度
人材育成・活用制度
(キャリア・ディベロップメント・プログラム)
自己申告制度
高齢者活用施策
キャリアプラン
形成・支援
人材登録制度
社
会
編
個人目標管理制度
社内人材公募制度
ビジネススキル
習得・支援
転進支援制度
人事考課制度
国内外公募
留学制度
公的資格取得
奨励
早期退職優遇制度
ビジネスリーダー
育成
転職支援制度
社員処遇制度
達成感・やりがいの創出、希望する職務への挑戦、キャリア形成の支援、第二の人生設計支援 など
人事労務部研修グループ 仙波 久重
経営資源としての人材の重要性が高まるなかで、
キャリア・ディベロップメント・プログラムに基づ
き、社員の能力開発のためにさまざまな研修を用意
しています。
64
[ 社外の評価・意見 ]
c K.Mita: SMRI
1.環境経営格付
平成15年度
環境
J 水資源・水質
NPO法人環境経営学会の環境経営格付機構による
経営
社会
「2003年度環境経営格付け評価」を受けました。
K 自然環境保護
I 土壌汚染対策
R 就業の継続性
この格付けは、環境対応を含む企業の社会的責任や持
続可能性への対応状況を総合的に評価するもので、
「経
営健全性(5項目)
」
「環境対応(9項目)
」
「倫理・社会対
L グリーン調達・
グリーン購入
Q 消費者への
配慮
S 労働安全衛生
D リスク
マネジメント
応(7項目)
」の3つの分野に対しそれぞれ「戦略」
「仕組」
「成果」の3側面からなる63評価項目で構成されています。
評価にあたっては、189の設問、371の必須要件に対
H 化学物質管理
C 法令等の順守
B 企業統治
G 資源循環
廃棄物
M エコ
デザイン P 地域社会
との調和
T 機会均等
E 情報開示
U 女性の社会進出・
就業支援
O 企業文化
A 経営理念
F 地球温暖化対策
省エネルギー
する事前調査票への回答、その裏付け確認のための2日
N 物流
間にわたるエビデンス審査、さらに、社長への直接イン
タビューによる企業経営姿勢・環境への取り組み方針の
確認が行われました。
評価結果は右のツリー図のとおり、50項目が優(緑
Sustainable
Management Tree
葉)
、12項目が良(黄葉)
、1項目が可(赤葉)でした。
今後ともこのような格付審査への参加を通じ、社会的
な評価を真摯に受け止め、いただいた貴重なご意見を参
考に取り組み改善を進めていきます。
戦略
成果
仕組
戦略
優
良
成果
可
不可
該当せず
葉なし
落葉
2.環境レポート大賞(奨励賞)受賞 ─ 奥只見・大鳥増設建設所 環境報告書 ─
2004年1月16日、第7回環境レポート大賞表彰式(主
なことが事業の特性から適当であり、期間限定の事業所
催:
(財)
地球・人間フォーラム・
(社)
全国環境保全推進
事業における環境報告書のあり方を問う先駆的な取り組
連合会)が開催され、当社の奥只見・大鳥増設建設所に
みであるとの評価を頂きました。
おいて作成した「奥只見・大鳥発電所増設工事における
また、報告書の製作にあたり大学生(研修生)も参加
環境保全の取り組みの実績 ― 環境報告書 2003 ―」が
しており、このことも報告書に外部の視点を加えるなど
環境報告奨励賞を受賞しました。
コミュニケーションツールとしての工夫がみられるとし
審査の講評では、周辺の環境要因に関する記述が豊富
て評価を頂きました。
賞状
環境報告書
65
第7回環境レポート大賞表彰式
3.読者意見
2003環境・社会行動レポート(2003年8月発行)に対し、読者の方々よりご意見を頂きました。
当社は、これらのご意見を今後のレポート作成や環境経営推進への大切なメッセージとして受け取り、今後の業務に
役立ててまいります。
アンケート集計結果(2004年6月末時点:回答者計45名)
Q1. どのような読者の方
調査・研究
機関関係者
3%
当社との
取引関係者
3%
学生
7%
政府・行政
関係者
9%
投資家
2%
Q2. レポートのわかりやすさ
非常に
わかりにくい
2%
わかりにくい
2%
Q3. 当社の取り組みへの評価
まったく評価できない
0%
あまり評価
できない
2%
無回答
2%
非常に
わかりやすい
20%
企業の環境関係者
28%
その他
10%
無回答
2%
大変評価できる
29%
評価できる
67%
わかりやすい
74%
市民
26%
環境NGO
などの関係者
12%
Q4. 当社が今後さらに積極的に取り組むべきと思われる項目(1人5項目まで選択)
環境マネジメント
環境効率性・環境会計
定量目標と実績
温室効果ガスの排出抑制
京都メカニズムの活用に向けた取り組み
CO2の吸収・固定、回収の取り組み
法令遵守
環境アセスメントとモニタリング
環境負荷の排出抑制
有害化学物質の管理
自然環境の保全
環境保全対策技術の海外移転
廃棄物の低減
グリーン購入
環境リサイクル事業
技術研究開発
環境コミュニケーション
第三者提言
読者意見
社会とのかかわり
コンプライアンス
安全衛生の取り組み
グループ企業における取り組み
0
社
外
の
評
価
・
意
見
2
4
6
8
10
12
14
16
(延べ件数)
Q5. 当社に期待する具体的な行動
代表的なご意見
当社の取り組み
温室効果ガスの排出抑制とアピール
(企業の環境関係者)
火力発電所の高効率運転などエネルギー利用効率の維持向上、水力発電等CO2排出の少な
い電源の開発、技術の開発・移転・普及、さらに京都メカニズムの活用など地球規模での対策
を推進します。毎年発行する環境・社会行動レポートなどで取り組み状況を報告いたします。
廃棄物排出ゼロへ向けた取り組み
(企業の環境関係者)
当社の産業廃棄物のうち99%は石炭灰です。国内のみならず海外との連携によりセメントや
肥料などの原材料として有効利用を推進します。
CO2の吸収・固定、回収
(市民)
海外植林やCO2地中貯蔵に向けた研究などを推進します。
自然エネルギーへの転換
(市民)
風力発電については経済的に開発可能で系統上の支障などのない地点から順次開発します。
また、バイオマス混焼にも積極的に取り組みます。
トラブルの開示
(環境NGO等)
今後とも環境・社会行動レポートなどにて報告いたします。
海外のエネルギー問題の解決(学生)
海外技術コンサルティング、政府専門家派遣、海外研修生受け入れ、
IPP事業への参画などの
取り組みを推進します。
低公害な新しい発電方法の開発
(政府・行政関係者)
世界中に豊富に存在する天然資源である石炭をガス化し、燃料電池と組み合わせて発電に利
用する、クリーンで高効率な複合発電システムの開発を推進します。
66
[ 第三者審査 ]
第三者機関による「2004環境・社会行動レポート」の審査
当社は、
「2004環境・社会行動レポート」記載の環境
パフォーマンス数値についての信頼性を担保するため、
株式会社新日本環境品質研究所による第三者審査を受審
しました。
審査では、以下の項目などが実施されました。
① 記載内容が実態と適合することを示す根拠の資料
② インタビューによる事実関係の確認
③ 記載内容の正確性チェック(数値項目の情報プロ
セスの内部統制評価やサンプリングによるデータ
の正確性チェック)
サンプリングは、本店、佐久間電力所、松浦火力発電
所を対象に行われました。
入手
審査状況
本店
佐久間電力所(流木処理場)
松浦火力発電所(中央制御室)
67
[ 資料編 ]
環境年表
年代
世界の動き
日本の動き
1950
1960
1970
1972 国連人間環境会議開催(ストックホルム)
1975 ワシントン条約発効
1967「公害対策基本法」公布
1968「大気汚染防止法」公布
〃 「騒音規制法」公布
1970「水質汚濁防止法」公布
〃 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」公布
1971「悪臭防止法」公布
1974 「大気汚染防止法」改正公布(総量規制導入)
1975「振動規制法」公布
1977 通産省省議アセス通達
1980
1985 オゾン層保護のためのウィーン条約採択
当社の動き
1952 当社設立
1960 御母衣、荘川桜の移植実施
1964 磯子火力発電所に関する公害防止協定を横浜市と締結(横浜方式)
1973 沼原、運開(湿原の保全)
1975 高砂火力1号機、排煙脱硫装置完成
(わが国初の全量排煙脱硫装置)
1976 十津川第一、取水口を表面取水設備に改造
1977 船明、運開(魚道設置)
1980 魚梁瀬、取水口を選択取水設備に改造
1982 竹原火力1号、排煙脱硝装置設置
1984「環境影響評価実施要綱」閣議決定
1986 磯子火力、神奈川県「公害防止功労賞」受賞
1987 石川石炭火力、公共の色彩賞環境色彩十選に入選
「資源エネルギー庁長官表彰」受賞(省エネルギー)
1988 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)設置
1988 高砂火力発電所、
1990
1990 「地球温暖化防止行動計画」決定
1990 「地球環境問題対策委員会」設置
1992 「環境と開発に関する国連会議」開催(リオデジ
〃 西吉野第一、河川維持流量の放流開始(既設発電所で当社初)
ャネイロ)
〃 田子倉、流木炭の製造開始
「資源エネルギー庁長官表彰」受賞(省エネルギー)
〃 竹原火力発電所、
1993 「再生資源の利用促進に関する法律」公布
1993 「環境行動推進会議」設置
〃 「環境基本法」公布
〃 「でんぱつ環境行動指針」策定
〃 流動床(FBC)燃焼技術開発が日本エネルギー学会技術部門賞受賞
〃 流木炭、流木木酢液、流木ダルマが「通商産業省大臣賞」受賞(再資
源化アイデア)
〃 若松総合事業所超高温タービン開発で「平成5年度苅田賞」受賞
1994 気候変動枠組条約発効
1994 「環境基本計画」閣議決定
1994 熊牛、通産省グッドデザイン賞受賞
1995 気候変動枠組条約第1回締約国会議(COP1)
〃 中国、高硫黄炭脱硫技術実証試験(黄島発電所)試験運転開始
開催(ベルリン)
1995「容器包装リサイクル法」公布
1995 竹原火力2号機、流動床ボイラ転換
1996 気候変動枠組条約第2回締約国会議(COP2) 1997「環境影響評価(アセス)法」公布
1997 奥清津第二、土木学会技術賞受賞(地域との共生・開放型発電所)
開催(ジュネーブ)
1998 エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エ 1998 「新でんぱつ環境行動指針」策定
ネルギー法)」改正公布
〃 ISO14001「環境マネジメントシステム」制定
〃 オーストラリア国の植林事業に着手
1997 気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3) 〃 「地球温暖化対策の推進に関する法律」公布
〃 松浦火力発電所2号機・膜式排煙脱硫排水処理装置が「工業技術院長
賞」受賞(大気汚染防止)
開催(京都)
1998 気候変動枠組条約第4回締約国会議(COP4) 1999「PRTR法」公布
1999 松浦火力、ISO14001認証取得
〃 「ダイオキシン類対策特別措置法」公布
開催(ブエノスアイレス)
〃 大間原子力発電計画、国の電源開発基本計画に組み入れ
1999 気候変動枠組条約第5回締約国会議(COP5)
〃 奥只見・大鳥増設建設所、ISO14001認証取得(建設機関として国内初)
開催(ボン)
〃 松浦火力発電所2号機タービンが「日本機械学会賞」受賞(熱効率向
上等)
2000 2000 気候変動枠組条約第6回締約国会議(COP6) 2000 「循環型社会形成推進基本法」公布
2000 「環境管理規程」制定
開催(ハーグ)
〃 「電源開発環境方針」制定
〃 沖縄海水揚水、土木学会技術賞受賞(環境創生地)およびエネルギー広報
施設・広報活動表彰「運営委員長奨励賞」受賞(環境問題理解促進活動)
〃 苫前ウィンビラ発電所運開
〃 石炭灰を利用した深層混合処理工法で「地盤工学会技術開発賞」受
賞(資源の循環利用)
「土木学会賞」受賞(周辺環境保全・調和対策、海底
〃 橘湾火力発電所、
浚渫土再利用、石炭灰大量有効利用他)
2001 建設部 ISO14001認証取得
2001 COP6再開会合開催(ボン)
2001 省庁再編により環境省発足
〃 仁賀保高原風力発電所運開
〃 気候変動枠組条約第7回締約国会議(COP7) 〃 「PCB廃棄物の適正な処理の推進に関する特 〃 磯子火力発電所、
「公共の色彩賞−環境色彩10選」入賞
別措置法」施行
開催(マラケシュ)
〃 京都議定書運用ルール決定
2002 ISO14001に準拠したEMSの全社導入完了
2002「持続可能な開発に関する世界首脳会議」 2002「省エネ法」改正
〃 磯子火力新1号機運開
〃 「地球温暖化対策推進大綱」改定
(ヨハネスブルグ)
〃 灰循環型PFBC技術開発で「日本エネルギー学会賞」受賞(脱硫効率・
〃 気候変動枠組条約第8回締約国会議(COP8) 〃 「地球温暖化対策推進法」改正
熱効率向上、石炭灰削減等)
〃 「京都議定書」受諾
開催(ニューデリー)
〃 大牟田リサイクル発電所運開
〃 「自然再生推進法」公布
〃 東京臨海風力発電所運開
2003 気候変動枠組条約第9回締約国会議(COP9) 2003「土壌汚染対策法」施行
「新エネ大賞・新エネルギー財団会長賞」受賞
2003 大牟田リサイクル発電所、
「土木学会技術賞」受賞(自然環境保全と
〃 「電気事業者による新エネルギー等の利用に関 〃 奥只見・大鳥発電所増設、
開催(ミラノ)
技術開発の克服)
する特別措置法(RPS法)」施行
〃 「環境教育推進法」施行
第
三
者
審
査
資
料
編
68
年度別データ
データは各年度の年間値または年度末時点値です。
電力設備(最大出力)
(万kW)
1,000
単 位
1990年度
2000年度
2001年度
2002年度
800
水力
万kW
709
826
826
826
855
火力
万kW
465
775
782
782
782
600
石炭
万kW
464
774
781
781
781
400
地熱
万kW
1
1
1
1
1
万kW
1,174
1,601
1,609
1,609
1,637
合計
水力
火力
2003年度
200
0
発電電力量
1990
2001
2002
2003
2000
2001
2002
2003
2000
2001
2002
2003
(百万kWh)
単 位
1990年度
2000年度
2001年度
2002年度
2003年度
50,000
水力
百万kWh
12,451
12,550
11,333
10,624
12,
103
40,000
火力
百万kWh
29,551
41,945
44,544
48,679
51,
237
30,000
石炭
百万kWh
29,452
41,840
44,439
48,599
51,
133
地熱
百万kWh
99
105
105
80
104
百万kWh
42,002
54,495
55,877
59,303
63,
340
合計
水力
火力
20,000
10,000
0
販売電力量
1990
(百万kWh)
単 位
水力(揚水発電分を除く) 百万kWh
2000年度
2001年度
2002年度
2003年度
10,046
9,929
8,873
8,902
10,
850
40,000
30,000
百万kWh
27,293
38,987
41,529
45,527
47,
937
百万kWh
27,206
38,892
41,434
45,453
47,
841
地熱
百万kWh
87
95
96
74
96
百万kWh
37,338
48,915
50,403
54,429
58,
787
合計
50,000
1990年度
石炭
火力
水力
火力
20,000
10,000
0
燃料消費量
1990
(万t)
単 位
石炭(乾炭28MJ/㎏換算)
万t
1990年度
2000年度
2001年度
2002年度
2003年度
956
1,
330
1,
412
1,
543
1,
621
(万kl)
2,000
10.0
石炭(左目盛)
重油(右目盛)
軽油(右目盛)
1,500
7.5
351
342
341
340
339
1,000
5.0
重油
万kl
10
3
5
5
7
500
2.5
軽油
万kl
1
5
3
3
3
0
使用原単位(石炭火力) t/百万kWh
1990
(注)使用原単位の分母は石炭火力発電所販売電力量
温室効果ガス排出量
2000
2001
2002
0.0
2003
(万t-CO2)(㎏-CO2/kWh)
(t)
(%)
4,500
0.9
9.0 100
4,000
0.8
単 位
1990年度
2000年度
2001年度
2002年度
2003年度
万t-CO2
2,418
3,360
3,574
3,915
4,
107
3,500
0.7
8.0 90
7.0 80
排出原単位(全電源) ㎏-CO2/kWh
0.65
0.69
0.71
0.72
0.70
3,000
0.6
6.0
㎏-CO2/kWh
0.89
0.86
0.86
0.86
0.86
2,500
0.5
5.0
−
0.
5
0.
1
0.0
0.1
2,000
0.4
4.0
0.3
3.0
CO2 排出量
〃 (石炭火力)
SF6
排出量
t
取扱量
t
−
4.8
5.1
4.2
6.
2
1,500
回収率
%
−
90
98
99
98
1,000
0.2
t
−
0.
0
0.
0
0.0
0.0
500
0.1
0
0.0
HFC排出量
(注)排出原単位の分母は販売電力量
単 位
石炭火力平均熱効率(発電端)
%
2000年度
2001年度
2002年度
2003年度
39.0
40.1
40.2
40.3
40.3
特定フロン等使用実績
特定フロン
2000
2001
2002
2003
0
40
39
(t)
2000年度
2001年度
2002年度
2003年度
12
10
t
3.6
1.7
1.8
1.6
2.
5
消費量
t
0.7
0.0
0.0
0.0
0.0
保有量
t
4.7
4.2
4.3
4.4
3.
9
消費量
t
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
その他フロン等 保有量
t
2.8
10.0
10.7
9.4
9.5
消費量
t
0.0
0.0
0.1
0.1
0.1
HFC(代替フロン)保有量
t
−
0.4
0.8
1.1
1.4
消費量
t
−
0.0
0.0
0.0
0.0
1990
2000
特定フロン保有量
〃 消費量
ハロン 保有量
2001
2002
2003
その他フロン等保有量
〃 消費量
HFC(代替フロン)
保有量
8
6
4
2
0
1990
2000
2001
2002
70
60
50
40
30
2.0 20
1.0 10
41
1990年度
保有量
ハロン
1990
SF6排出量(t)
取扱量(t)
回収率
(%)
42
1990年度
38
単 位
CO2排出量(万t-CO2)
排出原単位(全電源)
(㎏-CO2/kWh)
〃 (石炭火力)
(㎏-CO2/kWh)
(%)
石炭火力発電所平均熱効率(発電端)
69
2000
2003
0
(千t)
SOx,
NOxおよびばいじん排出実績
単 位
1990年度
2000年度
2001年度
2002年度
2003年度
9.9
9.9
10.2
9.5
8.
4
排出原単位(石炭火力) g/kWh
0.34
0.24
0.23
0.20
0.17
NOx排出量
26.4
22.3
23.4
25.2
0.90
0.
53
0.
53
0.52
1.
0
0.
9
0.
9
0.
9
1.
0
0.
03
0.
02
0.
02
0.
02
0.
02
SOx排出量
千t
千t
排出原単位(石炭火力) g/kWh
ばいじん排出量
千t
排出原単位(石炭火力) g/kWh
単 位
1.0
20
0.8
25.
0
15
0.6
0.49
10
0.4
5
0.2
0
1990
(万t)
2000年度
2001年度
2002年度
2003年度
万t
125.7
144.3
153.9
150.7
146.
5
〃 有効利用量
万t
71.9
96.3
98.8
101.4
111.
9
〃 有効利用率
%
57
67
64
67
76
石こう発生量
万t
−
33.1
35.4
33.0
31.
9
石こう有効利用率
%
100
100
100
100
100
m3
有効利用量
0.0
2003
(万t)
120
100
120
80
100
60
80
40
60
20
40
1990
−
2000年度
2001年度
2002年度
2003年度
2000
2001
2002
0
2003
−
7,500
5,000
15,000
9,
400
10,000
5,000
0
2000
(万kWh)
単 位
−
2000年度
2001年度
2002年度
2003年度
オフィス使用電力量(全社) 万kWh
−
1,796
1,797
1,781
1,
728
本店ビル 電力使用量
万kWh
−
890
866
884
881
電灯・コンセント分
万kWh
−
194
190
185
179
−
2000年度
2001年度
2002年度
2003年度
kl
−
517
452
438
372
kl
−
182
176
217
185
天然ガス
千m3N
−
4
1
0.5
0.4
車両台数
台
−
459
417
390
362
グリーン購入実績
−
−
2001年度
2002年度
2003年度
万枚
−
−
2,560
2,617
2,
492
コピー紙再生紙購入量 万枚
−
−
2,380
2,560
2,
453
コピー紙再生紙購入率
−
−
93
98
98.
4
%
海外技術協力プロジェクト実績
1,000
500
2000
600
550
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
2001
2002
2003
(台)
4.0
ガソリン
(左目盛)
軽油(左目盛)
中南米 ヨーロッパ
北 米
計
1.0
0.0
2000
件
133
33
42
17
1
226
実施国数
カ国
19
13
13
13
1
59
海外研修生受入実績
海外研修受入人数 計
人
(累計)
アジア・オセアニア
人
(累計)
中近東・アフリカ
2002
2003
2000年度
2001年度
−
16
(1,908)
−
12
(1,223)
人
(累計)
−
中南米
人
(累計)
ヨーロッパ
人
(累計)
2002年度
2003年度
53
(1,961)
19
(1,980)
25
(2,
005)
48
(1,271)
17
(1,288)
20
(1,
308)
3
( 407)
2
( 409)
1
( 410)
3
( 413)
−
1
( 260)
2
( 262)
1
( 263)
2
( 265)
−
0
( 18)
1
( 19)
0
( 19)
0
( 19)
(%)
100
50
コピー紙購入量
(左目盛)
コピー紙再生紙購入量
(左目盛)
コピー紙再生紙購入率
(右目盛)
2001
2002
0
2003
(カ国)
30
海外プロジェクト実施件数(左目盛)
海外プロジェクト実施国数(右目盛)
20
50
0
資
料
編
10
アジア・
オセアニア
中近東・
アフリカ
中南米
アジア・オセアニア
中近東・アフリカ
2,000
ヨーロッパ
0
北米
中南米
ヨーロッパ
1,500
1,000
500
(百万円)
営業実績
0
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
(累計)
(人)
−
2001
(万枚)
100
実施件数
500
250
2.0
(件)
アジア・オセアニア 中近東・アフリカ
単 位
天然ガス
(左目盛)
車両台数(右目盛)
3.0
150
単 位
2003
(kl)
(千m3N)
車両使用による燃料消費量
単 位
2002
電灯・コンセント分
1,500
0
単 位
2001
オフィス使用電力量(全社)
本店ビル 電力使用量
2,000
オフィス電力使用量
コピー紙購入量
2002
石こう発生量(万t )
(右目盛)
15,000
単 位
軽油
2001
140
(m3)
流木有効利用量
2000
発生量 (万t )
有効利用量(万t )
160
1990年度
石炭灰発生量
ガソリン
1.2
25
(注)
ばいじん排出量は、
月1回の測定値から算出
(注)排出原単位の分母は石炭火力発電所発電電力量
石炭灰・石こう有効利用実績
(g/kWh)
ばいじん排出量(左目盛)
排出原単位(石炭火力)
(右目盛)
SOx排出量(左目盛)
排出原単位(石炭火力)
(右目盛)
NOx排出量(左目盛)
排出原単位(石炭火力)
(右目盛)
30
2000
2001
電気事業営業収益
電気事業営業費用
2002
2003
経常利益(右目盛)
(百万円)
500,000
単 位
1990年度
2000年度
2001年度
2002年度
電気事業営業収益
百万円
412,637
495,307
547,733
546,209
2003年度
518,
978
電気事業営業費用
百万円
325,514
384,937
434,241
421,541
400,
754
300,000
経常利益
百万円
11,879
35,334
36,883
27,275
33,
522
0
100000
400,000
1990
2000
2001
2002
2003
0
70
グループ企業における取り組み
主要グループ会社では、2004年4月の主要グループ会社の再編に伴い新たな環境管理体制で、それぞれの環境保全活動を
開始すると共に環境対応商品の開発・サービスの提供を行っています。グループ会社における取り組みの一部を紹介します。
主要グループ会社の再編
グループ一体となった業務の高度化、コストダウンに
向けた取り組みを一層強化するため、2004年4月に主要
9事業会社のうち6社を3社に統合しました。この結果、グ
ループの主要事業会社は6社となりました。
J-POWERグループの子会社再編の概要
︻
二
〇
〇
三
年
度
︼
︻
再
編
後
︼
電発産業㈱
㈱開発計算センター
開発工事㈱
J-POWER
(シェアードサービスセンター)
㈱電発環境緑化
センター
環境緑化
部門
補償
部門
開発電気㈱
火力
部門
㈱電発コール・
テックアンドマリーン
水送変電
部門
株式会社JPビジネスサービス
株式会社JPハイテック(水送変事業会社)
株式会社ジェイペック(火力事業会社)
・電発産業㈱・㈱開発計算センター
(・J-POWER SSC)
・開発工事㈱・開発電気㈱(水送変電部門)
・㈱電発環境緑化センター(補償部門)
・開発電気㈱(火力部門)・㈱電発コール・テックアンドマリーン
・㈱電発環境緑化センター(環境緑化部門)
◆事業概要
・J-POWERグループ内外の商事・厚生
施設運営等一般サービス、研修・高齢
者活用等人材開発業務、システムサー
ビス全般。管理間接部門の統合スリム
化に資するシェアードサービス 他
◆事業概要
・J-POWER水力発電、送変電設備の保
守業務全般
・J-POWER外部の各種事業
用地補償、各種測量調査、公共工事等
土木建築工事、発送変電設備の各種工
事・保守、
ビル等電気設備工事 他
◆事業概要
・J-POWER火力発電設備の保守業務
全般
・J-POWER外部の各種事業
各種調査・モニタリング、造園・植栽工事、
火力副生品(石炭灰・石膏)
・肥料の販売、
火力設備の各種工事 他
開発電子技術㈱、㈱開発設計コンサルタント、イー・
ニー㈱は、J-POWERに吸収合併しました。
ピー・ディー・シー海外炭㈱については、従来のままと
なお、イー・ピー・ディー・シー海外炭㈱は、2004
なっております。また、電発ホールディング・カンパ
年7月1日より「㈱JPリソーシズ」と社名変更しました。
環境マネジメント
㈱JPハイテックおよび㈱ジェイペックでは、環境基本
方針および環境管理体制を整備し、環境保全活動に取り
なお、現地の事業所ではJ-POWERと一体となった環
境管理活動を行っています。
組んでいます。
JPハイテック環境管理体制
● ㈱JPハイテック
社 長
環境基本方針
安全品質環境管理部
品質・環境委員会
事業活動により発生する環境への影響を軽減するよう取り組み
社会に貢献します
行動指針
1.J-POWERグループの一員としてISO14001認証取得に向
け活動していきます
2.事業活動に伴う環境への影響を社員一人ひとりが認識し、そ
の影響を軽減する活動に積極的に取り組みます
3.環境関連法令およびそれらに関連する諸規程を遵守します
4.廃棄物の発生抑制、再利用、再資源化に努めます
5.省エネルギー、省資源化を推進します
6.地域社会に協力して環境の美化に努めます
環境管理小委員
支店・営業所長
総務部長
環境管理者
環境管理者
電気事業部長
土木建築事業部長
環境管理者
事業所長等
環境管理者
送電補償事業
本部長
カンパニー長
環境管理者
環境管理者
平成16年4月1日
株式会社 JPハイテック
代表取締役社長 岩 下 修
71
事業所長等
事業所長等
環境管理者
環境管理者
2003年度グループ各社の活動状況
● 主なグループ会社 活動の実績
●
環境管理規程の策定(各社)
●
環境月間には多くの事業所がJ-POWERと協調し地
域活動に参加(各社)
●
環境月間行事として環境講演会を開催(開発電気㈱)
●
全社における節電運動の展開(各社)
●
J-POWER主催の内部環境監査員研修への参加
(各社)
●
福祉団体へリース契約終了後のノートパソコンの提供
御母衣出張所における清掃活動
(10台程度)
(㈱開発計算センター)
●
町内会への古紙、古新聞の回収協力(㈱開発設計コ
ンサルタント)
●
オーストラリアにおける植林事業の継続実施(イー・
ピー・ディー・シー海外炭㈱)
●
化学生物技術センターにおいてISO14001認証取得
(1997年8月)
し、継続運用
(㈱電発環境緑化センター)
内部環境監査の状況
● ㈱ジェイペック
環境基本方針
環境管理活動を全社的に実行し、
循環型社会の実現に貢献する。
株式会社ジェイペックは、J-POWERグループの一員として、
火力発電所・地熱発電所の建設、運転、保守及び石炭灰の経
営資源化並びに環境に関する調査研究・緑化造園を中核とす
る事業活動の中で、環境保全への取り組みを積極的に推進し、
持続的発展が可能な循環型社会の実現に向け貢献します。
[行動指針]
1.事業活動に伴う環境影響を従業員一人ひとりが認識し、環
境管理活動に積極的に取り組みます。
2.環境保全関係の法令その他諸規程を遵守致します。
3.省エネルギー、省資源に努めます。
4.地域社会と調和を図り、環境改善に努めます。
5.廃棄物の発生低減、再使用、再生利用に努め、環境影響の
低減を図ります。
6.本方針を全従業員に周知し、教育・啓蒙に努め、環境管理
システムを継続的に改善します。
ジェイペック環境管理体制
社 長
安全品質環境管理部長
資
料
編
品質・環境管理推進委員会
環境管理推進小委員会
総務部長
カンパニー長
事業所長
営業所長
ISO認証機関長
環境管理者
環境管理者
平成16年4月1日
株式会社 ジェイペック
※1
代表取締役社長 中 澤 恒 雄
※1 平成16年7月1日に署名人を大野正道に変更しています。
72
グループ会社の主な環境負荷データ
● グループ会社の事業所・オフィスでのデータ
グループ会社の環境負荷については、J-POWERグ
ループ環境管理推進協議会を通じ各社への呼びかけ、そ
れぞれ実態把握に努めました。今後、このデータをもと
に環境負荷低減に向けた取り組みを実施します。
主なデータ
対象会社一覧
(Input)
・電発産業㈱
・電力使用量
・開発電気㈱
・燃料(ガソリン, 軽油)
・㈱電発環境緑化センター
438 万kWh
1,121 kl
・オフィス用紙
14 百万枚
・㈱電発コール・テックアンドマリーン
・開発工事㈱
(Output)
・㈱開発計算センター
・CO2
・開発電子技術㈱
・㈱開発設計コンサルタント
4.6 千t-CO2
※表中の数値は各社から報告を受けた数値を合計したものです。
※CO2は電力、燃料の使用に伴う排出量を計算したものです。
※表中の対象会社は2003年度時点の会社名であり、2004年度からは
P.71のように再編されています。
● グループ会社の石炭火力発電所のデータ
2001年7月に太平洋セメント㈱の発電所として運転開
始し、2003年4月当社80%、太平洋セメント㈱20%の
●
資本出資による糸魚川発電㈱(独立発電事業者)として
電力卸供給の共同事業を開始しました。
発電所概要
主なデータ
所 在 地:新潟県糸魚川市
(Input)
発電設備:石炭焚汽力
最大出力:134MW
・石炭
215 千t
・重油
0.7 千kl
・石灰石
3.2 千t
(Output)
・販売電力量
545 百万kWh
・CO2
540 千t-CO2
・石炭灰
37.9 千t(全量セメント原料としてリサイクル)
(排ガス実績)
・SOx
年平均 43 ppm
・NOx
年平均 53 ppm
・ばいじん
年平均 0.9 ㎎/m3N
糸魚川発電所
※濃度はO2 6%換算値
73
環境ビジネス
● ㈱ジェイペック
● ㈱JPビジネスサービス
〈環境緑化事業〉
〈節水バルブ「セブスター」〉
3つのキーワード「環境に優しい」
「水資源の節約」
「経
環境緑化事業部では、長年の実績を有する環境調査解
費節減」を掲げ、節水バルブ「セブスター」の販売を
析、造園緑化工事・管理だけでなく、近年はビオトープ
行っています。
などの自然環境保全・創出に関する調査・計画・設計・
施工・管理業務や水環境改善のための洗浄剤(ノヴァク
リア)をコアとしたラインナップを用意するなど、独自
の環境ソリューションをご提供しています。
セブスター
連絡先:株式会社JPビジネスサービス 商事部
TEL:03−3642−9817
ホームページ:http://www.jpbs.co.jp/
● ㈱JPハイテック
JPハイテックは、環境対策事業として設備の省エネ診
断を行い、各種省エネ製品の取付工事の施工を行ってい
ます。
イオンアクア洗浄剤 ノヴァクリア
自然環境保全・創出
連絡先:株式会社ジェイペック 環境緑化事業部
TEL:03−5203−0361
ホームページ:http://www.jp-ec.co.jp/
〈火力リサイクル事業〉
石炭火力発電所から発生・副生する石炭灰・石こうの
販売、また、石炭灰を主原料とする世界初の「ク溶性け
い酸加里肥料」を開発し全国で販売を行っており、資源
省エネ機器「エコシルフィ」
「ネオルック」
連絡先:株式会社JPハイテック 電気事業部 省エネ・技術グループ
TEL:03−3234−0468
ホームページ:http://www.jphytec.co.jp/
の有効活用を図っています。
● ㈱エピュレ
山間地のダムには大量の流木が運ばれてきます。こう
した流木は回収・撤去されますが、有効利用できないも
のか調査・研究を行った結果、良質な炭にできることを
発見しました。この自然と人間に優しい「流木炭・木酢
液」を活用し、スキンケア商品などを製造・販売してい
スーパ−ブレンド
資
料
編
連絡先:株式会社ジェイペック 火力リサイクル事業部 肥料事業グループ
TEL:03−5203−0371
ホームページ:http://www.jp-ec.co.jp/
● ㈱開発設計コンサルタント
ます。
調査・解析・予測評価・対策等、環境と開発のバラン
スをとるための幅広い業務を行っています。また、これ
まで培ってきた地質・地下水に関する調査技術を生かし
て、精度の高い調査及び解析を行い、最良の浄化対策を
ご提案させていただきます。
木酢液
株式会社エピュレ お客様窓口
フリーダイヤル:0120−669−884
ホームページ:http://www.epure.co.jp/
湖樹の精Ⅱ
(土壌汚染対策法に基づく指定調査機関:環2003-1-815)
連絡先:株式会社開発設計コンサルタント
TEL:03−5371−9588
ホームページ:http://www.kdc.co.jp/
74
地球温暖化対策推進大綱の概要
政府は、2002年に京都議定書に定められた温室効果
定書を締結しました。現在は、大綱に基づいて個々の取
ガス削減目標6%(1990年比)を達成するための具体的
り組みを進めており、現在最初の進捗状況評価およびそ
施策を新たな「地球温暖化対策推進大綱」として取りまと
れを踏まえた施策の見直しの検討が進められています。
めるとともに「地球温暖化対策推進法」を改正し、京都議
基本的考え方
●
●
温暖化対策への取り組みが、経済活性化や雇用創出な
公共団体、
事業者、
国民といったすべての主体がそれぞ
どにもつながるよう、技術革新や経済界の創意工夫を
れの役割に応じて総力を挙げて取り組むことが不可欠
活かし、環境と経済の両立に資するような仕組みの整
である。
かかる観点から、
引き続き事業者の自主的取組
備・構築を図る(
「環境と経済の両立」
)
。
の推進を図るとともに、
特に、
民生・運輸部門の対策を
節目節目(2004年、2007年)に対策の進捗状況につ
強力に進める
(各界各層が一体となった取組の推進)
。
いて評価・見直しを行い、段階的に必要な対策を講じ
●
●
米国や開発途上国を含む全ての国が参加する共通のルー
ていく(
「ステップ・バイ・ステップのアプローチ」
)
。
ルが構築されるよう、引き続き最大限の努力を傾けて
京都議定書の目標達成は決して容易ではなく、
国、
地方
いく(
「地球温暖化対策の国際的連携の確保」
)
。
地球温暖化対策推進大綱(2002)の区分ごとの目標
2010
現行対策
+8%
エネルギー
起源CO22
非エネルギー
起源CO2,
メタン , N2O
HFC,
PFC,
SF6
1990年
(基準年)
レベル
2002
−0.
5%
−2%
+2%
革新的技術開発
国民各層の更なる努力
森林吸収
−3.
9%
(京都メカニズム)
−1.
6%
目標 基準年比 −6%
気候変動枠組条約の概要
国連気候変動枠組条約は温暖化防止に向けた国際的な
が批准しています。
枠組みを定めた条約です。1992年6月にブラジルのリオ
気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととなら
デジャネイロで開催された第1回「持続可能な開発に関
ない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定化
する世界首脳会議」
(通称 地球環境サミット)
で採択され、
させることを究極的な目的としています。
1994年3月21日に発効しました。現在188カ国、1地域
原則
① 共通だが差異のある責任に基づく気候系の保護
④ 持続可能な開発を推進する権利・義務
② 特別な状況への配慮
⑤ 協力的かつ開放的な国際協力体制の確立に向けた協力
(注)
③ 予防対策の実施
75
(注)
原則③の全文
締約国は、気候変動の原因を予測し、防止し又は最小
果の大きいものとすることについても考慮を払うべきで
限にするための予防措置をとるとともに、気候変動の悪
ある。このため、これらの政策および措置は、社会経済
影響を緩和すべきである。深刻な又は回復不可能な損害
状況の相違が考慮され、包括的なものであり、関連する
のおそれがある場合には、科学的な確実性が十分にない
すべての温室効果ガスの発生源、吸収源及び貯蔵庫並び
ことをもって、このような予防措置をとることを延期す
に適応のための措置を網羅し、かつ、経済のすべての部
る理由とすべきではない。もっとも、気候変動に対処す
門を含むべきである。気候変動に対処するための努力は、
るための政策および措置は、可能な限り最小の費用に
関心を有する締約国の協力によっても行われ得る。
よって地球的規模で利益がもたらされるように費用対効
京都議定書の概要
京都議定書の概要
京都議定書は、国連気候変動枠組条約の第3回締約国
会議(COP3)で1997年12月に採択された、附属書Ⅰ
(注)
国
●
の温室効果ガス排出抑制目標を定めた決議であり、
対象温室効果ガス
(GHG)
:CO2、メタン、N2O(亜酸
55カ国以上の批准と批准した附属書Ⅰ国の排出量合計が
55%以上という条件にて発効します。
(注)先進国35カ国(経済移行国11カ国含む)と欧州共同体
*排出量取引
化窒素)
、HFC(ハイドロフルオロカーボン)
、PFC
割当排出量(またはCDM・JIによる削減量)の国際取
(パーフルオロカーボン)
、SF6(六フッ化硫黄)
の6種類
引。附属書Ⅰ国は取得した他国の割当排出量(又は
のガス
CDM・JIによる削減量)を自国の割当排出量に追加す
●
約束期間:2008∼2012年(第一約束期間)
ることが可能。
●
目標:附属書Ⅰ国間で約束期間平均の温室効果ガス排
●
出量を、1990年レベルに比べて少なくとも5%削減す
附属書Ⅰ国間で共同でGHG排出削減の事業を実施し、
る。附属書Ⅰ国は京都議定書の附属書Bで削減目標を
削減量を関係国間で配分する仕組み。2008∼2012年
数値で約束し、日本の削減目標は6%。
の削減量が対象。詳細ルールについては、マラケシュ
シンク(吸収源)の扱い:土地利用の変化および林業
で採択され京都議定書の発効待ち。
部門における1990年以降の植林、再植林および森林減
●
*共同実施(JI)
*クリーン開発メカニズム(CDM)
少に限定して吸収量増大を排出枠に計上できる。
附属書Ⅰ国が発展途上国でGHG排出削減の事業を実
京都メカニズム:削減目標を全世界規模で経済合理的
施し、削減量を関係国間で配分する仕組み。2000年
に達成する手段として導入されたメカニズム
以降の削減量が対象。
京都議定書の状況
最大のGHG排出国である米国が2001年に京都議定書
資
料
編
が動き始めました。
から離脱したことにより、一度は京都議定書は発効不可
日本政府は、日本の京都議定書約束達成のために必要
能ではないかと危ぶまれましたが、その後の国際協調に
な法改正などを行ったうえで、2002年6月に京都議定書
より同年11月にはCOP7で京都議定書の運用ルールを定
を受諾しました。現在ロシアが批准すれば、京都議定書
める法文書が採択され、京都議定書発効に向けて、世界
発効の条件が整う状況となっています。
76
電気事業における環境行動計画 「電気事業における環境行動計画」電気事業連合会(2003.9)より抜粋
主行動計画は、国の審議会等でその進捗状況の点検を受
「電気事業における環境行動計画」は、地球温暖化問
けています。
題等に対する電気事業としての取り組み方針・計画をま
また、
「経団連環境自主行動計画」
(当時)は、政府が
とめたもので、実績や国内外の動向等を踏まえて毎年
京都議定書における温室効果ガス削減目標6%を達成す
フォローアップを行うこととしています。
この行動計画は、1997年6月に経団連が策定した「経
るための具体的施策として取りまとめた「地球温暖化対
団連環境自主行動計画」に組み込まれており、
「経団連
策推進大綱」の中で、
「中核の一つを成すもの」と位置
環境自主行動計画」およびこれらを構成する産業界の自
付けられています。
地球温暖化対策
CO2排出削減目標
電気事業はCO2排出削減に対する目標として、2010
これにより、2010年度において、使用電力量は1990
年度における使用端CO2排出原単位を1990年度実績か
年度比で40%増加すると見込まれるのに対し、CO2排出
ら20%程度低減(0.34㎏-CO2/kWh程度にまで低減)す
量は12%程度の伸びに抑えられると試算されます。
るよう努めることとしています。
1990年度
(実績)
2000年度
(実績)
2001年度
(実績)
2002年度
(実績)
2005年度
(見通し)
2010年度
使用電力量
(億kWh)
6,
590
8,
380
8,
240
8,
410
8,
530
[見通し]
9,200
CO2排出量
(億t
‐CO2)
2.
77
[0.02]
3.
17
[0.11]
3.
12
[0.13]
3.
42
[0.17]
3.
1
[見通し]
3.2
0.
421
0.
378
0.
379
0.
407
0.
36
[目標]
1990年度比20%程度低減
(0.34程度)
項 目
使用端CO2排出原単位
(㎏-CO2/kWh)
*使用端CO2排出原単位 = CO2排出量 ÷ 使用電力量
*2005年度、2010年度の見通しは、平成15年度供給計画をベースに試算したものである。
*共同火力、IPP(独立系発電事業者)
などから購入して販売した電力量、購入した電力の発電時に排出されたCO2を含む。
[ ]内の値は、IPP、
自家発電などからの購入電力分に相当するCO2排出量を再掲。
*燃料種別CO2排出係数は環境省「温室効果ガス排出量算定に関する検討結果総括報告書」
(平成14年8月)
の記載値を使用した。
77
CO2排出削減対策の概要
電気事業におけるCO2排出削減対策を大別すると「電
以下にその概要を示します。
気の供給面」と「電気の使用面」の2つに分けられます。
CO2排出原単位(発電端)の各国比較(2001年度)
● 電気の供給面
(電気事業連合会試算)
CO2排出原単位
(㎏-CO2/kWh)
・発電の際にCO2を排出しない原子力発電や比較的排
出の少ないLNG火力発電の導入拡大と、原子力発電
0.61
0.6
0.5
の利用率向上
0.4
・水力・地熱・太陽光・風力発電等の自然エネルギー
0.47
0.47
イギリス
イタリア
ドイツ
25
23
30
0.34
0.3
0.22
0.2
の開発・普及
0.50
0.1
0.05
0.0
・コンバインドサイクル発電や高効率石炭火力の導入
0
等による火力発電効率の向上と送配電ロスの低減等
フランス
カナダ
35
20
電力設備の効率向上
1
77
40
● 電気の使用面
日 本
13
58
80
動、ヒートポンプ等、高効率・省エネルギー機器の
100
23
6
4
10
60
・お客さまサイドにおける省エネルギー方策のPR活
米 国
原子力発電
水力発電
14
発電電力量比率(%)
開発・普及および未利用エネルギーの活用
出典:Energy Balances of OECD Countries 2000-2001
日本については電気事業連合会調べ
・蓄熱システム等の普及・促進による負荷平準化の推進
廃棄物等の削減・再資源化
電気事業における廃棄物最終処分量の削減目標
(万t)
1,000
再資源化量
最終処分量
800
600
400
717
774
807
850
832
500
260
700
581
633
657
691
136
141
150
141
900
750
200
240
0
150
電気事業連合会資料(2003.9)
主な廃棄物と副生品の再資源化量等の推移
種 類
廃
棄
物
副
生
品
1990年度
資
料
編
2010(年度)
2005
(見通し)(見通し)
1990
1999
2000
2001
2002
(実績) (実績) (実績) (実績) (実績)
*1990年度は一部推計値を含む。
[目標]
150
2000年度
(万 t)
2001年度
2002年度
燃え殻
ばいじん
(石炭灰)
発生量
再資源化量
(再資源化率)
347
137
(39%)
544
420
(77%)
582
446
(77%)
605
474
(78%)
がれき類
(建設廃材)
発生量
再資源化量
(再資源化率)
40
21
(53%)
36
30
(83%)
39
34
(87%)
33
31
(94%)
金属くず
発生量
再資源化量
(再資源化率)
14
13
(93%)
15
15
(96%)
15
14
(94%)
17
16
(96%)
脱硫石膏
発生量
再資源化量
(再資源化率)
85
85
(100%)
157
157
(100%)
153
153
(100%)
160
160
(100%)
電気事業連合会資料(2003.9)
*廃棄物には、有価物も含む。 *がれき類(建設廃材)
と金属くずについては、1990年度は推計値
*脱硫石膏は副生品として全量売却されている。 *再資源化率は、実数量により算出(発生量・再資源化量の万t未満の数量は四捨五入による数値処理実施)
78
環境影響評価法の概要
環境影響評価の手続きフロー(発電事業の場合)
国
事業者
1999年6月に施行された環境影響評価法は、規模が大
住民・地方自治体
届出
経済産業大臣
事業計画
都道府県知事
判定
(アセスが必要か否か) (一定規模以上) 意見
届出
経済産業大臣
縦覧
環境大臣
送付
都道府県知事
住民
意見
いて、その実施が環境に及ぼす影響の調査・予測および
評価等を事業者が行うとともに、その方法および結果に
ついて関係都道府県知事等、主務大臣等、および住民が
送付
方法書
審査・勧告 (アセスの方法)
きく環境影響の程度が著しくなる可能性のある事業につ
意見を述べるための手続きを定め、それによる環境影響
評価の結果を事業の内容に反映させるための措置を講ず
意見
ることなどを定めています。
調 査
発電所については、過去20年間、通商産業省(当時)
意見
届出
経済産業大臣
送付
準備書
審査・勧告
縦覧・説明会
意見
届出
経済産業大臣
都道府県知事
響評価を実施してきましたが、環境影響評価法制定に合
住民
わせて電気事業法改正も行われました。現在はこの二つ
意見
の法律に基づいて環境影響評価が行われています。
送付
評価書
審査・勧告
都道府県知事
縦覧
で省議決定された環境アセスメント制度に基づき環境影
住民
なお、当社はこれまで上記の法律の他に公有水面埋立
法、森林法等の法律および地方自治体の条例等に基づき、
環境アセスメントを実施してきています。
事業開始
用語・索引集
ページは、
主な記載カ所を表示
卸電力取引所
あ
P.1
既存の電力会社や自家発電保有者が余剰電力を取引所に卸し、小売業
亜酸化窒素
(N2O)
P.30
一酸化二窒素ともいう。二酸化炭素、メタン、対流圏オゾン、クロロ
者が取引所から電力を調達し需要家に販売するものです。2003年11月
に大手電力など21社で設立されました。
フルオロカーボン(CFC)などとともに代表的な温室効果ガスの一つ。
温室効果はCO2の310倍。物の燃焼や窒素肥料の施肥などが発生原因で
あるといわれている。
温排水
P.36
火力や原子力発電において、タービンを回した後の蒸気は、復水器で
冷却されて水に戻り、再びボイラーに送られ循環利用されている。この
アッシュクリート
P.43
復水器の冷却用水として、わが国のほとんどの発電所では海水が使用さ
れている。蒸気を冷やした海水は、復水器を通る間に温度が上昇し、放
一般廃棄物
P.9,45
水口から海に戻されるので、この海水を温排水と呼んでいる。
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」
では、産業廃棄物以外の廃棄物
を一般廃棄物と定義しており、家庭から発生する
「生活系一般廃棄物」と
事業所や飲食店から発生する
「事業系一般廃棄物」
に区分している。
硫黄酸化物
(SOx)
P.3,9,10,12,13,14,19,23,28,35,36,47,70,73
か
海水揚水発電
P.39,48
海を上部調整池もしくは下部調整池として利用する揚水発電。利点と
硫黄の酸化物の総称で、SOxと略称される。二酸化硫黄(SO2)のほ
しては河川水等の淡水および下池用のダムが不要、海岸に面した立地と
か、三酸化硫黄(SO3)
、硫酸ミスト(H2SO4)などが含まれる。工場
なることから電力需要地近傍に建設できる可能性が広がる。資源エネル
や火力発電所で石炭、重油を燃焼する際、その燃料中に存在する硫黄分
ギー庁は世界初の実証試験を沖縄本島にて実施中である。
が硫黄酸化物となり排出ガス中に含まれ酸性雨の原因物質などの一つと
化学的酸素要求量
(COD : Chemical Oxygen Demand)
して大気汚染の原因となる。
オゾン層
P.30
域や湖沼の汚濁指標に用いる。
79
P.12
水中の汚濁物質(主に有機物)を酸化するのに消費される酸素量。海
河川維持流量
P.39
河川環境の保全および清流回復への取り組みとして、発電所の減水区
今日の世代の欲求を満たすような開発をいう」と定義している。また、
1991年に国際自然保護連合(IUCN)
、国連環境計画(UNEP)
、世界自
間を解消する目的で、各河川ごとに魚類の生息環境の回復や河川景観の
然保護基金(WWF)が共同で作成した「新・世界環境保全戦略」では
向上など、良好な河川環境を回復・創出するうえで確保すべき要件を総
「人々の生活の質的改善を、その生活支持基盤となっている各生態系の
収容能力限界内で生活しつつ達成すること」と定義している。
合的に検討し設定される河川放流量のこと。
環境アセスメント
P.34,37,79
環境会計
P.10,13
従来は財務分析の中に反映されにくかった企業の環境保全に関する投資や
指定運営機関
(DOE : Designated Operational Entity)
P.31
CDM事業の有効化審査、削減量の検証、認定を行う機関としてCDM
理事会の信任と国連事務局の指定を受けた機関。
経費、
さらにその効果などを正確に把握し、
開示していくための仕組み。
企業に
とっては、
自社の環境保全への取り組みを定量的に示して、
事業活動における
シンク(吸収源)
P.76
環境保全コストの費用対効果を向上させるメリットがあり、
ステークホルダー
にとっては、
環境報告書などを通して企業環境会計データを得ることで、
企業
水源林
P.9,19,39
の環境への取り組みの状況を同じ尺度で比較・検証するツールとなる。
環境監査
P.10,15,17
環境効率
(性)
P.7,10,13,14
事業活動で使用される水、電気、原料等の使用量の削減活動や廃棄物、
石炭ガス化燃料電池複合発電
(IGFC : Integrated Coal Gasification Fuel Cell
Combined Cycle)
P.9,20,49
燃料電池、
ガスタービン、
蒸気タービンの3つの発電形態を組み合わせたト
リプル複合発電システムで、
石炭火力発電としては究極の発電システム。
排水、排ガス等の発生量の削減活動および遵法性、環境汚染防止等への
石炭灰
努力を数値化し、活動状況を比較評価する手法。
環境創生地
P.40
環境保全協定
(公害防止協定)
P.33
P.9,10,12,13,14,19,23,33,43,48,73,74,78
た
ダイオキシン類
P.38,46
ポリ塩化ジベンゾ−パラ−ジオキシン(PCDD)
、ポリ塩化ジベンゾ
環境マネジメントシステム
P.15,16,17,18,28
(EMS : Environmental Management Systems)
フラン(PCDF)およびコプラナ−ポリ塩化ビフェニル(コプラナ−
PCB)の総称。通常、環境中に極微量に存在する有害な物質。人の生
命および健康に重大な影響を与えるおそれがある物質であることから、
気候変動枠組条約
P.7,75,76
2000年1月ダイオキシン類対策特別措置法が施行され、廃棄物焼却炉な
どからの排出抑制が行われている。
京都議定書
P.3,7,31,76
代替フロン
京都メカニズム
P.3,7,9,19,21,31,41,76
P.30
オゾン層を破壊するフロンガスの代わりとして利用されている物質。
代替フロンは半導体の製造過程や冷蔵庫などに利用されているが二酸化
P.20,45
炭素の数千倍から数万倍もの温暖化作用があるため、1997年12月に京
製品やサービスを購入する際に、価格や品質、利便性、デザインだけ
都で開催された気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)で削減の
グリーン購入
でなく環境への影響を重視し、環境負荷ができるだけ小さいものを優先
対象になった。
して購入すること。
地球温暖化
さ
再生可能エネルギー
P.5,6,9,10,19,24
P.3,5,6,7,19,21,75
窒素酸化物
(NOx)
P.3,9,10,12,13,14,19,23,28,35,36,48,70,73
地球上で有限である石炭・石油などの化石燃料に対し、太陽、水力、
物が燃える際に大気中の窒素や物に含まれる窒素化合物が酸素と結合
風力、
波力、
バイオマスなど、
自然現象の中で得られるエネルギーのこと。
して窒素酸化物(NOx)が必ず発生する。発電所や工場のボイラー、お
よび自動車エンジンなど高温燃焼の際に一酸化窒素(NO)が発生し、こ
産業廃棄物
P.12,46
事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃えがら、汚泥、廃油、廃酸、
廃アルカリ、廃プラスチックなどの廃棄物をいう。
「廃棄物の処理及び
資
料
編
れはまた酸化されて安定な二酸化窒素(NO2)となり大気中に排出され
る。また窒素酸化物は紫外線により光化学反応を起こし、オゾンなど光
化学オキシダントを生成する。
清掃に関する法律」により、その適正な処理が図られている。
地熱発電
持続可能性報告
(ガイドライン)
P.9,11,12,18,24
P.0
持続可能な発展という観点から、
環境面のみでなく社会面と経済面の報
超々臨界圧技術
(USC : Ultra Super Critical)
P.23,47
告も統合した報告
(サステナビリティレポート)
について、
国連環境計画や
各国の環境団体、
機関投資家、
会計士協会、
企業などからなる国際的なNGO
であるGRI
(Global Reporting Initiative)
が策定しているガイドライン。
超臨界水
P.50
水は高温・高圧の臨界点
(374℃、
22.1メガパスカル)
を超えると、
「超臨
界状態」
となり、
通常では水に溶けないものでも溶けるようになるととも
持続可能な発展/開発(Sustainable Development)
P.7,75
に、
酸化分解も促進され、
有機物を最終的には水と炭酸ガスに分解できる。
1987年の「環境と開発に関する世界委員会」報告書では、
「持続可能
な開発とは、将来の世代が自らの欲求を充足する能力を損なうことなく、
低公害車
P.9,45
80
電気式集じん装置
P.35
発電
(熱)
効率
P.3,19,21,22,23,41,47
発電設備に供給された熱量に対する発電電力量(熱量換算)の割合。
電気事業における環境行動計画
P.77
電気事業者が自主的かつ積極的に環境保全対策に取り組むため、電気
事業連合会関係12社がとりまとめた自主行動計画。地球温暖化対策や循
ビオトープ
P.40
ドイツ語のBio(生物)とTope(空間、場所)を組み合わせた造語で、
環型社会の構築について具体的な目標を設定し積極的な取り組みを行っ
野生生物が共存している生態系、生息空間のこと。元来は広範囲の自然
ているもの。透明性を確保するため毎年フォローアップを行い、結果を
生態系を意味するもの。最近では人工的に植物や魚、昆虫が共存する空
公表している。
間として作り出したものを指す事が多い。
(電力)
小売自由化
P.1
風力発電
P.6,19,25,26
1999年5月に改正電気事業法が成立し、2000年3月施行となり、これ
まで地域の電力会社(全国の10電力会社)に限って認められていた電力
の小売事業は、他企業も参入できることになった。これにより、対象と
なる場合には、電力の供給者を、地域の電力会社も含めた中から自由に
附属書Ⅰ国
P.76
気候変動枠組条約の附属書Ⅰに記載されている将来の温室効果ガス排
出削減を約束した国(本文中では「先進国」と表現)
。
選択できるようになった。
附属書B国
特別管理産業廃棄物
P.76
P.12
京都議定書の附属書Bに記載されている、2008年から2012年までの
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」では、産業廃棄物の中で爆発
間の1990年比温室効果ガス排出削減を数値目標として示して約束した
性、毒性、感染性を有するものを特別管理産業廃棄物と定義し、厳重な
国(本文中では「先進国」と表現)
。
管理を図っている。引火点の低い廃油、医療系廃棄物、PCB廃棄物、廃
プルサーマル
石綿、重金属を高濃度含有する汚泥等が該当する。
P.5
プルサーマルとは原子炉使用済燃料の再処理によって回収されるプル
土壌汚染
P.37
土壌や地下水が有害物質により汚染されること、
または汚染された状
トニウムをウランと混合した酸化物燃料
(MOX
(モックス)
燃料;Mixed
Oxcide Fuel)
の形で、主として軽水炉発電により利用するものである。
態のこと。
原材料の漏出や廃棄物の埋立・投棄等により汚染物質が直接土
壌に混入する場合と、
大気汚染や水質汚濁等を通じて間接的に土壌を汚
染する場合があり、
いったん汚染されると回復が困難で顕在化しにくい。
フルMOX-ABWR
P.5,27
これまでの「プルサーマル計画」は、原子炉全体の3分の1程度まで
MOX燃料を使用する計画であるが、これに対して、原子炉全体(フル)
でMOX燃料を利用する計画を「フルMOX」という。
な
燃料電池
P.9,20,49
燃料電池は、外部から水素と酸素を供給しその化学反応によって電気
ま
を発生させる装置で高い発電効率が得られ、排熱も有効利用できるため
総合エネルギー効率が高く、省エネルギーやCO2排出量の削減にも効果
がある。燃焼工程がないために大気汚染物質の排出が少なく、また、発
電設備に回転部分がないため低騒音等環境特性上優れている。
メタン
(CH4)
P.30
天然ガスの主成分。なお、有機物の腐敗・発酵によっても発生する。
温室効果ガスのうち、二酸化炭素の次に多く排出されており、温室効果
はCO2の21倍。
は
ハイドロフルオロカーボン
(HFC)
P.30
や
オゾン層を破壊しないことから、
CFCsやHCFCsの規制に対応した代
替物質として1991年頃から電気冷蔵庫、
カーエアコンなどに使用されは
揚水式水力発電
P.5,11,12,40,48
じめた化学物質。人工的温室効果ガス。温室効果はCO2の12∼12,000
倍。
パーフルオロカーボン
(PFC)
ら
P.30
1980年代から、半導体製造用として使用されている化学物質。人工
的温室効果ガス。温室効果はCO2の5,700∼11,900倍。
ライフサイクルアセスメント
(LCA : Life Cycle Assessment)
P.10,29
その製品にかかわる資源の採取から製造、使用、廃棄、輸送などのす
排煙脱硝装置
P.35
排煙脱硫装置
P.35,44
べての段階を通して、投入された資源・エネルギーや、排出された環境
負荷およびそれらによる地球や生態系への環境影響を定量的、客観的に
バイオマス
ばいじん
P.3,9,12,13,14,35
流木
六フッ化硫黄
(SF6)
P.10,12,13,19,20,44
P.9,10,13,19,30
大気中の浮遊物質の発生源について、大気汚染防止法では、物の燃焼
フッ素と硫黄の化合物で、天然には存在せず工業的に生成される。化
等によって発生する物質を「ばいじん」
、物の粉砕や堆積に伴い発生ま
学的に安定で、絶縁性能に優れていることなどから、電気事業では、遮
たは飛散する物質を「粉じん」
、自動車の運行に伴い発生するものは「粒
断器などの絶縁ガスに使用している。温室効果はCO2の22,200倍。
子状物質」と区分している。
81
P.6,9,11,19,24,25,31,32
評価する手法のこと。
PFI
P.46
(民間主導の社会資本整備:Private Finance Initiative)
アルファベット
従来国や地方自治体が行ってきたインフラ整備などのサービスを、民
A
間資本が代わって提供する手法で、行政の財政負担を増すことなく社会
ABWR
P.5,27
(改良型沸騰水型炉:Advanced Boiling Water Reactor)
資本の整備を行う効果と同時に、企業の公共事業拡大の契機としても注
目されている。
PPP
(官民協力: Public-Private and Partnership)
C
CDM
P.3,9,31,32,76
(クリーン開発メカニズム:Clean Development Mechanism)
F
P.46
PRTR
P.9,19,38
(環境汚染物質排出・移動登録:Pollutant Release and
Transfer Register)
R
FGC深層混合処理工法
P.48
石炭灰・石こう・セメントの混合スラリーを軟弱地盤の改良工事に使
RDF(廃棄物固形化燃料:Refuse Derived Fuel)
P.48
用する工法。
S
I
IPP(独立発電事業者:Independent Power Producer) P.5,42
一般電気事業者に電気を供給する事業者のうち卸電気事業者以外のもの。
ISO14001
SOFC
P.9,49
(固体酸化物燃料電池:Solid Oxide Fuel Cells)
SPC(特別目的会社:Special Purpose Company) P.46
P.16,17,40,72
国際標準化機構(ISO)が策定している環境管理に関する国際規格
ISO14000 シリーズの一つで、環境マネジメントシステムの要求事項
を規定したもの。
J
JI(共同実施:Joint Inplementation)P.3,9,31,32,41,76
O
ODA
P.42
(政府開発援助:Official Development Assistance)
政府や関係機関が発展途上国の経済発展や福祉向上などを目的に提供
する資金や技術援助のこと。外務省や国際協力機構(JICA)
、国際協力
銀行(JBIC)などが実施する。
資
料
編
P
PCB
P.9,19,38
(ポリ塩化ビフェニル:Polychlorinated Biphenyl)
1929年に初めて工業製品化された有機塩素化合物。安定性、耐熱性、
絶縁性を利用してさまざまな用途に用いられてきたが、環境中で難分解
性であり、生物に蓄積しやすく、かつ慢性毒性があることが明らかにな
り、1974年に化学物質審査規制法に基づき、製造、輸入、新規使用が
禁止された。保管中のPCB廃棄物については、2001年7月に施行され
たPCB特別措置法により、2016年までの無害化処理が規定された。
PDCAサイクル
P.15
Plan(計画)Do(実行)Check(点検)Action(行動)からなるサ
イクル。環境管理システムにおいても、このサイクルを繰り返し回すこ
とにより継続的改善を図っていくことが基本となる。
82
組織・各事業所所在地・電話番号
名 称
本 店
水力流通事業部
北海道支店
北地域制御所
北本連系電力所
上士幌電力所
北海道送電管理所
上士幌送電所
北海道情報通信所
東日本支店
東地域制御所
川越電力所
沼原電力所
田子倉電力所
下郷電力所
東和電力所
小出電力所
奥清津電力所
西東京電力所
東日本送電管理所
関東情報通信所
東北情報通信所
中部支店
中地域制御所
名古屋電力所
佐久間電力所
九頭竜電力所
御母衣電力所
中部送電管理所
静岡送電所
中部情報通信所
西日本支店
西地域制御所
紀和電力所
十津川電力所
北山川電力所
高知電力所
南九州電力所
西日本送電管理所
橋本送電所
福岡送電所
関西情報通信所
四国情報通信所
九州情報通信所
火力事業部
原子力事業部
経営企画部
大間幹線立地所
中四幹線工事所
佐久間東幹線建替工事所
揖斐川調査所
球磨川調査所
磯子火力発電所
高砂火力発電所
竹原火力発電所
橘湾火力発電所
松島火力発電所
松浦火力発電所
石川石炭火力発電所
鬼首地熱発電所
若松火力センター
大間原子力建設準備事務所
青森事務所
若松総合事業所
北陸支社
中国支社
仙台事務所
四国支社
福岡事務所
技術開発センター
茅ヶ崎研究所
若松研究所
所 在 地
104ー8165 東京都中央区銀座6ー15ー1
060ー0003 札幌市中央区北三条西3丁目 大同生命ビル
041ー1102
041ー1102
080ー1408
041−1102
080−1408
041−1102
北海道亀田郡七飯町字峠下703
北海道亀田郡七飯町字峠下703
北海道河東郡上士幌町字上士幌東2線228ー3
北海道亀田郡七飯町字峠下703
北海道河東郡上士幌町字上士幌東2線228−3
北海道亀田郡七飯町字峠下703
350−1162 埼玉県川越市大字南大塚151番地
350−1162
350−1162
325−0111
968−0421
969−5208
028−0122
946−0011
949−6212
195−0051
350−1162
350−1162
980−0811
埼玉県川越市大字南大塚151番地
埼玉県川越市大字南大塚151番地
栃木県黒磯市板室字滝の沢897−6
福島県南会津郡只見町大字只見字新屋敷1604番地
福島県南会津郡下郷町大字小沼崎字半丈乙847−1
岩手県和賀郡東和町谷内9区15番地
新潟県北魚沼郡小出町大字小出島字坂之下889
新潟県南魚沼郡湯沢町大字三国字土場山502
町田市真光寺2号160番地−1
埼玉県川越市大字南大塚151番地
埼玉県川越市大字南大塚151番地
仙台市青葉区一番町4−6−1 仙台第一生命タワービル
486−0815 愛知県春日井市十三塚町十三塚3030番地
486−0815
486−0815
431−3901
912−0214
501−5505
486−0815
420−0068
486−0815
愛知県春日井市十三塚町十三塚3030番地
愛知県春日井市十三塚町十三塚3030番地
静岡県磐田郡佐久間町佐久間2690
福井県大野郡和泉村長野36の17
岐阜県大野郡白川村牧字横平162−1
愛知県春日井市十三塚町十三塚3030番地
静岡県静岡市田町4丁目69
愛知県春日井市十三塚町十三塚3030番地
530−6691 大阪市北区中之島6−2−27 中之島センタービル
793−0010
648−0016
637−1333
639−3806
781−6445
868−0022
711−0933
648−0016
812−0011
648−0016
793−0010
812−0011
035−0035
793−0010
412−0042
501−0603
868−0022
235−8510
676−0074
729−2394
779−1631
857−2531
859−4595
904−1103
989−6802
808−0111
039−4601
030−0802
808−0111
930−0004
730−0013
980−0811
760−0023
812−0011
253−0041
253−0041
808−0111
愛媛県西条市飯岡2810
和歌山県橋本市隅田町下兵庫622−2
奈良県吉野郡十津川村小原5−3
奈良県吉野郡下北山村大字下池原ウノス751
高知県安芸郡北川村長山177
熊本県人吉市願成寺町860番地13
岡山県倉敷市児島通生1600−1
和歌山県橋本市隅田町下兵庫622−2
福岡市博多区博多駅前3−2−1 日本生命博多駅前ビル
和歌山県橋本市隅田町下兵庫622−2
愛媛県西条市飯岡2810
福岡市博多区博多駅前3−2−1 日本生命博多駅前ビル
青森県むつ市本町1番10号
愛媛県西条市飯岡2810
静岡県御殿場市萩原518−1 ドリームパレス
岐阜県揖斐郡揖斐川町上南方675
熊本県人吉市願成寺町860番地13
神奈川県横浜市磯子区新磯子町37−2
兵庫県高砂市梅井6丁目4番1号
広島県竹原市忠海長浜2丁目1番1号
徳島県阿南市橘町小勝3番地
長崎県西彼杵郡大瀬戸町松島内郷2573−3
長崎県松浦市志佐町白浜免字瀬崎458−1
沖縄県石川市字赤崎3−4−1
宮城県玉造郡鳴子町字末沢西16−10
福岡県北九州市若松区柳崎町1番
青森県下北郡大間町大字大間字大間平20
青森県青森市本町1−2−20 住友生命青森柳町ビル
福岡県北九州市若松区柳崎町1番
富山県富山市桜橋通り5−13 富山興銀ビル
広島市中区八丁堀15−10 セントラルビル
仙台市青葉区一番町4−6−1 仙台第一生命タワービル
香川県高松市寿町1−4−3 GEエジソンビル高松
福岡市博多区博多駅前3−2−1 日本生命博多駅前ビル
神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎1−9−88
神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎1−9−88
福岡県北九州市若松区柳崎町1番
電話番号
03ー3546ー2211
011ー221ー8445
0138ー65ー9861
0138ー65ー5821
01564−2−4101
0138−65−5821
01564−2−4104
0138−65−5821
049−246−9711
049−248−4551
049−242−6678
0287−69−0505
0241−82−2251
0241−68−2221
0198−44−2111
02579−2−0990
025−789−2707
042−735−5753
049−242−6677
049−246−9754
022−267−2551
0568−81−2300
0568−85−5651
0568−81−3220
0539−65−0071
0779−78−2131
05769−5−2311
0568−81−2048
054−252−7277
0568−81−3251
06−6448−5921
0897−53−1371
0736−33−1602
07466−2−0058
07468−5−2158
0887−38−4003
0966−24−3100
086−472−6511
0736−32−0961
092−472−3736
0736−33−3601
0897−55−2263
092−472−3736
0175−22−8177
0897−53−4871
0550−84−6464
0585−22−0722
0966−24−3100
045−761−0281
0794−47−1301
0846−27−0211
0884−34−3221
0959−22−2111
0956−72−1201
098−964−3711
0229−82−2141
093−741−0931
0175−37−2125
017−722−4772
093−741−0931
076−442−1151
082−221−0423
022−267−2551
087−822−0821
092−472−3736
0467−87−1211
0467−87−1211
093−741−0931
※駐在は含めていません。
83
名 称
所 在 地
ワシントン事務所
(アメリカ国)
1101 17th Street, N.W Suite 802 Washington, DC 20036
北京事務所
(中国)
Chang Fu Gong Office Building, Jia-26, Jian Guo Men Wai Da Jie, Beijing 100022 PRC
バンコック事務所
(タイ国)
Nantawan Building, 161 Rajdamri Road, Lumpinee Pathumwan, Bangkok 10330 Thailand
クアラルンプール事務所
(マレーシア国)
32, 1st Floor, Jalan 28/70 A Desa Sri Hartamas 50480 Kuala Lumpur
ユンカン水力工事監理事務所
(ペルー国)
Calle Morelli No.109, 3ro. Piso, San Borja, Lima 41, PERU
プルリア揚水工事監理事務所
(インド国)
WESEB PPSP Administrative Bld., Patherdhi Village, P.O. Baghmundi, Purulia Dist.,
West Bengal State 723152 INDIA
アッパーコトマレ水力工事監理事務所(スリランカ国)
304-1, Union Place, P.O.Box 2014, Colombo 2, Sri Lanka
ダイニン水力工事監理事務所
(ベトナム国)
Dai Ninh Ninh Gia-Duc Trong-Ram Dong VIETNAM
主なJ-POWERグループ企業の紹介
会社名
主な事業内容
所在地
ホームページ・アドレス
㈱JPビジネスサービス
J-POWERグループ内外の商事・厚生施設運営
等一般サービス、研修・高齢者活用等人材開発業
務、システムサービス全般、管理間接部門の統合
スリム化に資するシェアードサービス他
東京都江東区
http://www.jpbs.co.jp
㈱JPハイテック
・J-POWER水力発電、送変電設備の保守業務
全般
・J-POWER外部の各種事業用地補償、各種測
量調査、公共工事等土木建築工事、発送変電設
備の各種工事・保守、
ビル等電気設備工事 他
東京都千代田区
http://www.jphytec.co.jp
㈱ジェイペック
・J-POWER火力発電設備の保守業務全般
・J-POWER外部の各種事業環境調査・モニタリ
ング、造園・植栽工事、火力副生品(石炭灰・石膏)・
肥料の販売、火力設備の各種工事 他
東京都中央区
http://www.jp-ec.co.jp
開発電子技術㈱
電子応用設備、通信設備の施工、保守等
東京都文京区
http://www.kec.co.jp
㈱開発設計コンサルタント
土木工事、一般建築、発電設備の設計、施工監理等
東京都中野区
http://www.kdc.co.jp
㈱JPリソーシズ
石炭の調査、探鉱、開発およびこれに対する投資等
東京都中央区
http://www.eoc.co.jp
資
料
編
将来見通しに関する注意事項
本誌に記載されている計画、戦略、見込みなどは、現在入手可能な情報に基づく当社の判断により作成されております。従って、今後
生ずる様々な要素の変化により異なる結果になり得る可能性があります。
84
〒104-8165 東京都中央区銀座6-15-1
環境行動推進会議事務局:火力事業部 環境グループ
このレポートには、ケナフ紙を使用しています
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る揮発性溶剤の代わりに大豆油の比率を高
めた「大豆油インキ」を用い、印刷時に有害な
廃液が出ない「水なし方式」で印刷しています。
TEL. 03-3546-2211(大代表) FAX. 03-3546-9357
ホームページ:http://www.jpower.co.jp
電子メール :[email protected]
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電源開発(株)火力事業部 環境グループまでお願いいたします。
2004年8月発行