GS1 ヘルスケア メキシコシティ国際会議 1 これまでの GS1 ヘルスケア国際会議での日本側発表一覧 (敬称略・2015 年 6 月現在) 開催年月日 開催地 日本の講演発表 2005 年 9 月 ブリュッセル 2005 年 11 月 米プリンストン 2006 年 3 月 ローマ 2006 年 6 月 米ミネアポリス (財)流通システム開発センター 黒澤康雄 2006 年 9 月 パリ オリンパスメディカルシステムズ 関野直己氏 2007 年 2 月 ベルリン 2007 年 6 月 米オーランド 2007 年 10 月 ロンドン サクラ精機 東竜一郎氏 2008 年 2 月 スペイン・グラナダ 日本医療機器産業連合会 原山秀一氏 2008 年 6 月 トロント (財)流通システム開発センター 濱野径雄 2008 年 10 月 東 京 日本の医療機関・企業による講演 多数 2009 年 3 月 ウィーン 京都第二赤十字病院 田中聖人先生 2009 年 6 月 ワシントン DC サクラ精機 東竜一郎氏 日本医療機器工業会 村田昭夫氏 2009 年 10 月 香 港 京都第二赤十字病院 田中聖人先生 2010 年 3 月 サンパウロ 2010 年 6 月 ジュネーブ 東京医療保健大学 山下和彦先生 2010 年 11 月 シンガポール GS1 ヘルスケアジャパン協議会長 開原成允先生 伊丹市立病院 中田精三先生 2011 年 4 月 ワシントン DC 日本医療機器工業会 村田昭夫氏 (財)流通システム開発センター 黒澤康雄 2011 年 10 月 アムステルダム 2012 年 3 月 シドニー 2012 年 10 月 リスボン 2013 年 4 月 アルゼンチン・ブエノスアイレス 2013 年 10 月 サンフランシスコ 2014 年 4 月 韓国 ソウル 2014 年 10 月 デンマーク・コペンハーゲン 2015 年 4 月 メキシコシティ 2015 年 10 月 ハンガリー・ブダペスト NTT 東日本関東病院長 落合慈之先生 厚生労働省医政局 井上智博氏 2 GS1 ヘルスケア メキシコシティ国際会議概要 会 期 : 2015 年 4 月 21 日(火) ~ 4 月 23 日(木) 会 場 : メキシコシティ インターコンチネンタルホテル・プレジデント 主 催 : GS1 ヘルスケア本部 ホ ス ト : GS1 メキシコ 参加登録数 : 380 名 (内 各国規制当局 25 名、ヘルスケア関係者 178 名) 日本からの参加者: (一財)流通システム開発センター 濱野径雄 (一財)流通システム開発センター 植村康一 (一財)流通システム開発センター 黒澤康雄 スポンサー : 計3名 Saphety, WEDO technologies, DHL, T21 会場のインターコンチネンタルホテル パネルディスカッション参加者 ホスト国 GS メキシコ CEO に記念品贈呈 ウルリケ氏による開会挨拶 メドトロニック社による講演 ネットワークイベント会場 会議のトピックス ①GS1Healthcare 会議は年 2 回春と秋に開催され、欧州・米国・その他の地域をローテーションで開催地としている。今 回は 32 ヶ国からの参加があり、昨年秋のコペンハーゲン会議の参加者と同規模の開催であった。 ②日本からの参加は流開センター3 名のみ。アジア圏からは、日本以外に韓国 2 名の参加のみであった。 ③メキシコでの開催という事から、中南米諸国の事例報告も多く、特にブラジル及びアルゼンチン規制当局が義務化 3 した医薬品包装に対する商品コード(GTIN)、有効期限、ロット番号、さらにシリアル番号を表示項目とするGS1 データマ トリックス表示規制、追跡/遡及管理についての納品サプライヤー及び病院での利用事例が多く取り上げられた。 ④米国 FDA 医薬品局の担当官から、電話中継によって「医薬品サプライチェーン安全保障法」の義務化内容の解説が 行われた。GS1US オフィスから職員の参加は無かった。施行開始の 2015 年 1 月からの医薬品メーカーの取引明細情 報の「受け渡し」、メーカーの取引情報保管および卸売業の取引明細情報の「受け取り」、メーカー及び卸売業の取引 情報保管については、施行スケジュール通り進行しているとの報告があった。 ⑤世界で義務化が進展している医薬品・医療機器規制の状況について、GS1 本部から各国別に計 11 か国の進捗報 告が行われた。 欧州連合 ブラジル コロンビア インド ヨルダン メキシコ サウジアラビア 台湾 韓国 アラブ首長国連邦(UAE) 湾岸協力会議(GCC) ⑥欧州連合においては、医療機器のユニークデバイス識別規則の運用細則について 2015 年、今年中の公開をめざし て作業中との報告があった。また欧州医薬品製造業界と卸売業業界では、欧州地域の医薬品データベースと商取引 EDI による情報共有化を進めており、その進捗について中間報告があった。 ⑦次回国際会議は、2015 年 10 月 20 日(火)~22 日(木)にハンガリー・ブダペストで、2016 年春の開催地は未定、2016 年 10 月は北京で開催される予定である。 4 月1日(第 1 日) オープニングプレナリーセッション 「開会あいさつ」 ・GS1 本部 ウルリケ・クレイサ氏 Ms. Ulrike Kreysa, Vice President, Healthcare, GS1 Global Office GS1 本部ウルリケ・クレイサ氏及びミゲル・ロペラ会長の開会挨拶(ビデオ放映)があった。 「メキシコの医療業界動向について」 ・メキシコ健康省代表マエストロ・ミケル・アローラ・ペナロサ氏 Maestoro Mikel Arrola Penalosa, COFEPRIS, Mexico メキシコ健康省代表マエストロ・ミケル・アローラ・ペナロサ氏より参加者全員への歓迎挨拶とメキシコの最近の医療業 界の動向について簡単な紹介があった。メキシコでは国民の薬の使用量が年々増加しており、品質と偽造医薬品に対 する対応が迫られている。2020 年までには 100~200 種の新薬が市場に出ると考えられている。また、衛生用品、タバ コ、酒類などの未登録商品も多く、トレーサビリティの重要性とともに GS1 標準に関する期待が強調された。 「会議参加人数とトピックスの紹介」 ・GS1 本部 マリアンヌ・ティモン氏 Ms. Marianne Timmons, President, Industry Engagement, GS1 Global Office 今回、5 つの地域、32 ヶ国から 358 人という過去最高レベルの参加があった。また、178 人という過去最高のヘルス ケア関係者の参加に加えて、各国の規制当局から 25 人、産業界からも 39 人の参加があった。ヘルスケアに関する GS1 標準の導入状況としては、インドの病院での事業所・場所識別番号 GLN(グローバルロケーションナンバー)の導 入、WHO によるワクチンへの GS1 標準バーコード表示の推奨、デンマークの GS1 標準による義務規制の施行準備な 4 どがある。GS1 標準を利用することによって様々なメリットが得られると考えられる、全ての医療従事者と患者とさらに 密接な関係を築く必要がある。どうすればもっと病院に貢献できるのか、もっと良くできるかを考えるためにも、関係す る皆さんからの意見フィードバック、考え、アイデアの共有化が必要である。 「GS1 メキシコから歓迎挨拶」 ・GS1 メキシコ CEO マリオ・ド・アグエロ氏 Mr. Mario de Aguero, CEO, GS1Mexico GS1 メキシコの CEO から、メキシコでの GS1 標準の利用について簡単な紹介があった。メキシコでは、現在およそ 関係のある 35,000 社のうち、988 の企業で GS1 標準が使用されている。電子商取引での GTIN の利用、信頼できる商 品在庫情報のための“SYNCFONIA”、GLN 利用などによって、受信時間は 33%の削減、デリバリー時間は 66%削減さ れている。さらに我々GS1 メキシコは国内での GS1 標準の利用拡大を目指している。 南米からの参加者のスナップ GS1 メキシコ CEO マリオ・ド・アグエロ氏による挨拶 「病院、薬局、患者と共にある GS1 ヘルスケア」 産業界から 5 名のパネルストによる講演とパネルディスカッションが行われ、患者安全の実現、メーカー・卸売業・医 療現場をつなぐサプライチェーンの各場面において、製品識別の高度化がもたらす患者安全の実現や業務品質の向 上について、GS1 標準システムが極めて有効である旨を出席者に説明した。 ・パネリスト: ・メドトロニック社 スティーブ・カペル氏 Steve Capel, Director Global CRM Process Excellence, Medtronic ・欧州製薬団体連合会(EFPIA) / グラクソ・スミス・クライン社 グラント・コートニー氏 Grant Courtney, Strategy and Advocacy Manager, GSK ・アメリソースバーゲン社 ジェフリー・デントン氏 Jeffery Denton, Sr. Director, Global Secure Supply Chain, Amerisorce Bergen ・フリークエンツ社 ルイス・コントニック氏 Lewis Kontnik, Strategic Advisor, Frequentz ・セント・ジェームズ病院 ファーガル・マックグローティ氏 Feargal Mc Groarty, Project Managaer, St James’s Hospital ・アボットラボラトリーズ社 マイク・ウォラス氏 Mike Wallace, Global Standards & Serialisation Director, Abbott 主講演者の講演内容は以下のとおり。パネルディスカッションでは取り上げるべき議論は行われなかった。 「世界での GS1 標準の導入による効果は何か」 ・欧州製薬団体連合会(EFPIA) / グラクソ・スミス・クライン社 戦略諮問マネージャー グラント コートニー氏 Grant Courtney, Strategy and Advocacy Manager, GSK GS1 ヘルスケアのビジョンは、オープンでニュートラルな組織として、ヘルスケアに関する規制当局、取引組織や関 係者に対して、患者の安全性、サプライチェーンでのセキュリティと効率化の向上、トレーサビリティの実現、商品デー 5 タベース整備等のために、世界標準の方向性をインプット(普及推進)することにある。 GS1 ヘルスケアでは 10 年前、つまり 2005 年からそのための改革を行ってきた。現在、全世界でのバーコードの 1 日のスキャン数は 60 億回、100 万を超える企業や組織が GS1 に関わっている。現在世界を見渡すと規制当局や税関 との協調も重要なテーマとなっている。 GS1 標準の導入によりオランダでは、トータルで 106 万ユーロ(約 1 億 3,780 万円)の購買費の削減ができ、在庫レベ ルで 20%(有効期限切れの商品を 80%カット)の商品削減が可能となった。アイルランドのセント・ジェームズ病院では 5 百万ユーロ(約 6 億 5,000 万円、2010 年)のコスト削減を達成し、10 分以内に全ての医薬品の「ありか」を認識するこ とが可能となった。9 万ユーロ(約 1,170 万円)あった商品の廃棄はゼロとなった。アルゼンチンではいくつかの病院に院 内トレーサビリティシステムが導入された。110 万回以上の納品取引が行われ、計 2,500 万商品がシリアル番号表示さ れ、600 万点近くの商品が実際に患者に投与された。投与エラーの削減、偽造医薬品対策、リコール対策、患者認識 の向上など、GS1 標準を活用することによって達成できるメリットが多く存在する。 なお、講演の中で、グラント・コートニー氏から会場参加者に GS1 標準利用についての質問があり、会場の約 30% がリコールに関して、50%が患者の認識に関して GS1 標準を利用しているとの回答が寄せられた。 「多くの関係者の協力で標準化が実現する」 ・フリークエンツ社 戦略アドバイザー ルイス・コントニック氏 Lewis Kontnik, Strategic Advisor, Frequentz 「卵が先か、鶏が先か」という問題がある。システムがないから進まないのか、表示がないから進まないのか。10 年 前、メーカーは国際標準に対応しようとしたが、メーカーから卸売業、病院、調剤薬局、そして患者まではメーカーだけ では国際標準の導入は達成できなかった。いろいろな関係者の協力が必要である。情報を共有して少しずつ進めてい くしかないと考える。ユースケースが沢山世界各地から集まってきている。それらをぜひ見て欲しい。みんなが必要と 思えば前へ進むだろう。関係者と共に利益を共有しながら話し合うことが重要である。一人一人が興味を引くように仕 向けることが必要である。グロサリー業界では毎日バーコードをスキャンして効率的な運用を行っている。グロサリー 業界で達成できたことが、どうして医療業界ではできないのか。そこをもう一度考えよう。 「GS1 標準を利用した患者安全性の向上」 ・アイルランド セントジェームス病院 プロジェクトマネージャー ファーガル マックグローティ氏 Feargal Mc Groarty, Project Managaer, St James’s Hospital, Ireland アイルランドのセント・ジェームス病院には、先天性凝固障害のための国立センターが設置されている。約 2,000 人 の血友病患者が居り、その中の 200 人が重症患者である。75%を超える患者が自宅で自己治療を行っており、これら の薬剤費には 4500 万ユーロが必要となっている。医薬品が患者に届くまでにはパズルのピースのように、メーカーか ら患者まで、コールドチェーンサプライヤを含めた多くのピースが必要となるが、その中で GS1 標準は全体に関わるピ ースとなる。今回、医薬品パッケージに表示された GS1 データマトリックスを利用することにより、例えば3ヵ月間で、 20 患者のみでの利用でも 7 万ユーロ(約 910 万円)のコスト削減ができている。また、患者自身がバーコードから医薬品 を確認するためのスマートフォンの業務アプリも開発した。今後は最も有効期限の古い医薬品からの使用(先入れ先 出し)、4 日以上医薬品バーコードをスキャンしていない患者への警告、他の疾患への適応拡大などを行っていく予定 である。患者の安全性向上とサプライチェーンのコスト削減のために必要な「技術と GS1 標準」の両者はすでに揃って いる。 「病院薬局へのトレーサビリティの導入」 ・アルゼンチン グエメス・サナトリウム 薬剤部長 エステラ イズクイエルド氏 Dr. Estela Izquierdo, Chief of Pharmacy, Sanatorio Guemes, Argentina 6 我々のサナトリウムでは、GTIN による薬剤の識別、病室ベッドサイドでの GTIN を使用したバーコードチェックが始め られている。特にアルゼンチンでは再梱包(リパック)された商品が多く病院に流通しており、その内容の確認が必須に なっている。今後はどの病棟の、どのフロアへ薬剤を送るのか、薬剤、看護師、患者、処方内容を含めた照合確認が 重要になり、これらを含めたトレーサビレティを行っていくことを予定している。患者投与履歴とともに、薬剤データベー スのアップデートの重要性などについて説明した。 「国際病院連盟と GS1 の共同作業―フランスの病院への導入例」 ・国際病院連盟(IHF) ジーン‐マイケル・デスコウター氏 Jean-Michel Descoutures, International Hospital Federation (IHF) 2007 年に設立されたフランスの共同購買機構である、“Resah-idf”についての説明があった。Resah-idf は非営利の 団体であり、フランスでのヘルスケア関係商品の補充業務に関する主なキープレーヤーとなっている。150 の会員病 院と介護施設(総計 42,000 床、約 15 億ユーロ(約 1,950 億円)の調達)に関わっている。ヘルスケア商品以外の一般商 品調達と物流サービスも提供している。 サプライチェーンの効率化を目指して、メーカー、プロバイダー、医療施設との間で、製品マスターデータ交換による 電子カタログの導入プロジェクトを開始した。現在、カテゴリーの異なる商品を用いて、病院内でどのような情報が必要 なのかを検討するためのパイロットを立上げ、関係者の社内データ収集のためのアクションプランの構築、取扱薬品 のグローバルリストづくり、そのリストと GS1 標準のマッピングなどを行っている。条件が揃えば将来的な情報共有化 のために GDSN(グローバル・データ・シンクロナイゼーション(同期化)・ネットワーク)への接続も検討することとしてい る。 「GS1 標準を利用した医療製品のトレーサビリティによる患者の安全性」 ・コロンビア ファンダシオン・バレ・デル・リリー社 ビクター・ロペス氏 Victor Lopez, Head Supply Chain Manager, Fundacion Valle del Lili, Colombia GS1 標準の導入の目的は、在庫管理のためという意識が高いが、現在ではそれに加えて患者の安全性向上というこ とが大きなモチベーションとなっている。看護師などの関係者にも GS1 標準の有用性を説明し理解させなければいけ ない。正確な患者、正確な薬、正確な用量、正確な時間、正確な経路の 5 つの正確性を確保するために GS1 標準が重 要である。同じような商品名称、同じような形状の薬剤も多いため、国内のある病院では全ての薬剤にトレーサビリテ ィの目的で、院内のスタッフによって個々にラベルを添付しており、その作業として 2,500 万コロンビアペソ(約 125 万円) の費用がかかっている。 ・ヘルスケアプロバイダー協議会(HPAC)表彰式 ・HPAC (Healthcare Provider Advisory Council)Award ヘルスケアプロバイダー協議会(HPAC)表彰は、GS1 標準システムを施設や企業が導入し、その設備投資に対して明 確、かつ優れた効果が得られ、GS1 標準活動に積極的に貢献し、国際、地域、地方などからの支持があるユースケー スに与えられる。今回はアルゼンチンのアレマン病院とアイルランドの HSE(Health Service Executive)が表彰された。 以下、受賞者による事例スピーチ。 「GTIN、GLN による病院トレーサビリティ実現」 ・アルゼンチン・アレマン病院 ハイジ・ウィンマース氏 Heidi Wimmers, Hospital Aleman、Argentina アレマン病院では GTIN がバーコード表示され、かつデータベース登録された薬剤のみを購入し、5 つの正確性(正 確な患者、正確な薬、正確な用量、正確な時間、正確な経路)の確保に努めている。GTIN は中箱(販売包装単位)のみ の表示であるが(調剤包装単位に表示はない)、3,000 種の医薬品については院内トレーサビリティが行われている。 その際、事業所・場所識別番号である GLN を利用している(一部電子タグ(RFID)も使用しているようである)。また、 7 GTIN 表示のバーコードを患者が読取って、自分の薬の内容を確認することもできている。 「アイルランドの国家医療機器トレーサビリティ管理プロジェクト」 ・アイルランド HSE(Health Service Executive) ポーリン・ビガンヌ氏 Pauline Biggane, HSE (Health Service Executive) アイルランドでは、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)患者に一度使用された医療器材を、そのまま最大 20 人の患者の 診療に対して使用された医療事故があった。このことを踏まえて、2008 年にアイルランド政府と HSE は、 GS1 標準を 採用し、医療器材に GTIN バーコード表示、中央洗浄滅菌の各設備(CDU)、及び内視鏡のリプロセッシングの各設備 のトレーサビリティ管理構築のプロジェクトを開始した。世界で唯一の国家トレーサビリティ戦略であり、2015 年中に全 体使用量の 90%をカバーできるようになる。洗浄滅菌工程の温度データなどの情報も電子化して取り込むことを行っ ており、履歴データの管理を容易にすることに成功した。また、医療器具の大手貸出企業である“Synthes(シンセス)” が、世界で初めて GS1 標準バーコードを導入した。引き続いて他の企業が GS1 標順次準の導入を決定することが期 待される。 実導入事例セッション 公共政策ワークグループ public policy work group 「医薬品とワクチンに関する世界からの規制要求とイニシアチブ」 ・GS1 本部 ジェラルディン・リサルディ‐ボネ氏 Geraldine Lissalde-Bonnet, GS1 Global Office ① 欧州連合(EU) EU 域内の各国で任意制定されていた医薬品規制が統合され、欧州連合の規則として一本化される。ここでの報告 は、EU の規制当局が発表している内容とは少し異なっており、実情を踏まえた内容であった。EU 規制当局である欧州 委員会はスケジュールの変更を行っていないので、現状における正しい進捗としては欧州委員会のスケジュールとな るが、実際には欧州委員会と各国間でのやり取りが続いており、少しずつしか進んでいないとのことである。 EU での医薬品マスターデータ交換用ハブ(接続拠点 下図参照)の設置に向け、欧州製薬団体連合会(European Federation of Pharmaceutical Industries and Association: EFPIA)、European Genome-phenome Archive( EGA)と取引関 係先企業が、欧州医薬品検証機構(European Medicine Verification Organaization : EMVO)を設立した。法人登録はルク センブルクで活動拠点はブリュッセルである。2015 年末までに専任スタッフを置く予定。Aegato、Avarto、Softsolid 等と 連携して、EU 内で青写真となるシステム (National Blueprint System)のフレームワークを検討中である。 8 EU の医薬品偽造対策指令(Falsified Medicines Directive:FMD(注))について 2011 年 7 月に欧州連合官報に公示された EU 指令 Directive(2011/62/EC)は、全てのヒト処方医薬品の安全確保の ため、製品識別と改ざん防止措置(Anti-tampering)の導入を定義し、その導入を誘導している。具体的内容については 2015 年に公開される運用細則法(Delegate Act:政令に相当)で規定するべく、欧州委員会で現在作業中である。 デッドライン: 2011 年 7 月 偽造対策指令(FMD)(注)承認公示 2015 年第 2 四半期 運用細則(Delegated Acts on Harmonized safety features)制定予定 2015 年第 4 四半期 運用細則 発行予定 2018 年 すべての EU 加盟国での施行予定 バーコード表示対象:販売包装単位 データエレメント(調整中): 〇製品コード(名称、一般名、薬剤形態、薬効の強さ(力値:Active Potency)と パッケージサイズの識別ができること) 〇ランダム番号で構成されるシリアルナンバー 〇国家保険償還番号又はその他の国家承認番号(市場から要求された場合に備えて) 〇バッチナンバー 〇有効期限 データキャリア : 2 次元バーコード 目視文字形態 : 商品コード、シリアルナンバー、国家保険償還番号 移行期間の可能性: 運用細則が 2015 年第 4 四半期に発行される(予定)時点から、遡って 3 年前(つまり 2012 年第 4 四半期)までに、指 令に準拠していない状態で、市場に出された商品および製造・包装・ラベル表示された商品は、発行から 5 年後、つま り 2020 年までは、そのまま販売し使用することができる。 (注)Falsified Medicine フォルシフェイド・メディスン フォルシフェイド薬とは、認可された現実の医薬品になりすまして流通する、いわゆる偽造医薬品のこと。具体的に は 3 つの意味がある。a) 包装・表示、名称、添加物を含む全成分の組成・濃度(有効価)等のアイデンティティにつ いて虚偽の表示があるもの。b) 製造者、製造国、起源国、販売承認保持者等のソースについて虚偽の表示がある もの。c) 使用した流通経路に関する記録や文書等の履歴について虚偽の表示がなされているものをいう。 Q&A:スペインなどでは NTIN(National Trade Item Number: GTIN のデータ項目では無く、その国で独自にデータ項目が 定義された 14 桁の商品コード。GTIN の対語として National を設定)が求められている。 質問:GS1 はどのような対応指導をしているのか? →回答: GTIN を表示することが GS1 の普遍のスタンスである。 ② ブラジル バーコード表示: バーコード表示対象 :販売包装単位、元梱包装単位のみ。調剤包装単位は対象外 データエレメント : 国家保険承認番号、有効期限、バッチ/ロットナンバー、シリアルナンバー デッドライン: 2015 年 12 月 10 日 商品の 3 バッチ分についてのシリアル番号表示とトラッキングが要求される 2016 年 12 月 10 日 全ての医薬品に関してのシリアル番号表示とトラッキングが要求される 9 トレーサビリティモデルは ANVISA(ブラジル国家衛生監督局)のトレーサビリティ・メッセージスタンダード(標準構文 形式)による。国内の病院では調剤包装単位でのトレーサビリティ管理のテストも行なわれているとのこと。 ③ コロンビア バーコード表示: バーコード表示対象 : 販売包装単位 データエレメント : GTIN、シリアルナンバー データキャリア : GS1 データマトリックス デッドライン :未定 GS1 コロンビアは、国際整合性を確保するという視点から現実的なデッドラインの作成について調整中。偽造医薬品 対策としては、調剤包装単位で行う必要があると認識している。 ④ インド バーコード表示: バーコード表示対象 :海外向け輸出品の調剤包装単位、販売包装単位、元梱包装単位 データエレメント : GTIN、バッチ/ロットナンバー、有効期限、シリアルナンバー (調剤包装単位については新たな通知が出るまでは、目視文字のみで可) データキャリア : GS1-128、GS1 データマトリックス デッドライン: 元梱包装単位 2011 年 10 月 1 日 販売包装単位 2013 年 1 月 1 日 モノカートン(個装) 2015 年 4 月 1 日 データ報告 2015 年 7 月 1 日 データベース登録サイト 2015 年 7 月稼働予定 データサブミッションポータル(データベース登録サイト): 2015 年 7 月稼働予定 2015 年 4 月 1 日時点でインド通商産業省傘下の外国貿易統合監督局(Directorate General of Foreign Trade: DGFT) が公式発表 調剤包装単位:目視文字表示についての施行スケジュールは不明 集合包装単位:デッドラインを作成中 メーカーによるサプライチェーン上での商品のトラッキングを主目的としている。 ⑤ ヨルダン バーコード表示: バーコード表示対象 : 販売包装単位 データエレメント : GTIN、有効期限、バッチ/ロットナンバー、シリアルナンバー データキャリア : GS1 データマトリックス デッドライン : 2017 年 データサブミッションポータル(データベース登録サイト) : 未定 ヨルダン食品医薬品局(JFDA)は段階的な導入のタイムフレームを持っている。製品識別は 2017 年、シリアル番号 表示は不明。薬剤認証と薬価管理のためのデータベース構築を目標に 現在作業中。 ⑥ メキシコ 10 トレーサビリティ規制に関する草案を作成中。保健省はトレーサビリティシステムの改定を計画している。いくつかの 異なる手法によるコスト評価を行い、関係者と協議を行う予定。それらを元に、薬剤トレーサビリティのための改定要求 の草案を 2015 年末までに発表予定。 ⑦ サウジアラビア サウジアラビア薬剤コード(SDG)とバーコード仕様についての業界ガイダンスを公表。 またサウジアラビアFDAと GS1 サウジアラビア事務所がGS1 標準コード導入利用について包括的な協力覚書を締結 した(2015 年 6 月)。対象製品は、医薬品、医療機器、さらに食品、殺虫剤。これら製品の偽造品の流通防止等に GS1 標準を活用する。 バーコード表示: バーコード表示対象 : 販売包装単位 データエレメント : GTIN、バッチ/ロットナンバー、有効期限、シリアルナンバー シリアル番号表示はフェーズⅡの段階で義務化する データキャリア : GS1 データマトリックス デッドライン : 2015 年 3 月 21 日 ⇒ 実態として延期して 9 月から開始の企業もある 2017 年 3 月 12 日 ⇒ シリアル番号表示 データサブミッションポータル(データベース登録サイト) : 登録サイトあり。GLN の登録も必要である。 ⑧ 韓 国 バーコード表示: バーコード表示対象:販売包装単位 データエレメント : NTIN(GTIN データ項目と異なり、その国で独自定義された 14 桁商品コード)、 バッチ/ロットナンバー、有効期限、シリアルナンバー データキャリア : GS1 データマトリックス、GS1-128 バーコード(麻酔薬に関しては RFID も要求?) デッドライン : 2010 年 全ての薬剤に NTIN を設定すること 2012 年 一部の薬剤にシリアル番号以外の全項目を表示する 2013 年 処方薬すべてにシリアル番号以外の全項目を表示する 2015 年 1 月 1 日 生物由来製品、麻酔薬、向精神薬、一部の爆発性薬物にシリアル番号表示 2015 年末 全ての商品にシリアル番号表示 データサブミッションポータル(データベース登録サイト) : 検討中 ⑨ 台 湾 2015 年4 月15 日の台湾FDA(TFDA)、関連業界による会合で、バーコード要求事項の規制草案に関して:検討。2015 年末までに TFDA ルールを発表する予定。 準拠のためのデッドライン: 発行して 1 年以内に施行。 ただし、シリアル番号表示は 3 年以内 バーコード表示 : バーコード表示対象 : 元梱包装単位、販売包装単位、調剤包装単位 データエレメント : GTIN、バッチ/ロットナンバー、品質保持期限 11 シリアルナンバー表示は販売包装単位のみ(デッドライン:発行後 3 年以内) 調剤包装単位のバッチ/ロットナンバー、品質保持期限は目視文字のみ表示でも可 (バーコード表示でなくてもよい) ⑩ アラブ首長国連邦(UAE) 規制当局は、連邦単位での薬剤のバーコード化と国家トレーサビリティシステムに関して世界標準の利用を承認し た。世界で幅広く医薬品業界でシステム導入を行っているスイス企業の“SICPA”が、トレーサビリティシステムを売り 込んでいる。GS1本部として UAE 保健省と協議を継続中。タイムスケジュールは未定。 ⑪ 湾岸協力会議(GCC) 医薬品識別と標準バーコードの利用に合意した。湾岸協力会議内で議論の上、アラブ連合の立場で偽造医薬品対 策を行う。近い将来医療従事者が入手可能な医薬品に関する電子情報共有化システムを構築する予定。 ヘルスケア関係当局、警察、税関、司法機関との合同委員会の構築が必要。偽造医薬品のための地域レベルでの データベース構築と、偽造医薬品を発見した際の緊急警告ネットワークおよび行動指針の構築が必要である。 4 月 22 日(第 2 日) プレナリー・セッション: トレーサビリティ トレーサビリティは、今日、多くの規制当局の関心の的であり、世界的な規制と活動が進展している。このセッションではト レーサビリティと認証、偽造品対策、および患者に正規製品を届ける必要性について議論された。 「アメリカでの医薬品供給プロセスにおける安全性向上に関する最新動向」 ・アメリカ FDA アソシエイト・ダイレクター コニー・ユング博士(音声による中継) Connie Jung, Associate Director, U.S. FDA アメリカでは、「医薬品サプライチェーン安全保障法」(Drug Supply Chain Security Act:: DSCSA)が今年 2015 年 1 月から施 行されたが、幸運にも今のところ大きな問題はない。産業界からの質問は FDA に色々届いているが、それらはホームペー ジでも公開している。 2023 年までにパッケージレベルでのトレーシング(川下から川上への遡及管理)が必要である。製造業者・卸売業者・物流 受託業者(3PL)・再梱包業者・調剤薬局において取引履歴(Transaction History)、取引情報(Transaction Information)、取引明 細(Transaction Statement)が揃っており、データ保存されていることが必須となる(現状では、メーカーと卸売業が個別にデー タ保存する)。 卸売業者、物流受託業者(3PL)等を含め、取引先に責任と必要性を知ってもらうことが重要。2014 年 12 月には Product Tracing Requirements-Compliance Policy Guidance for Industry が発行された。トラッキング記録に関しては紙ベースでも電 子化でもどちらでもよい。EPCIS(EPC インフォメーション・システム)も利用可能。 疑わしい製品の識別に関して、製造業者、卸売業者、物流受託業者(3PL)、再梱包業者、調剤薬局は、2015 年 1 月までに 検証するシステムとプロセスを確定することが必要となる。検証の要求事項はシリアル番号表示が始まれば、その時点で追 加変更となる。 ガイドライン草案が発行され、リコールあるいは疑わしい薬剤が FDA などから公開された場合、 12 〇製造業者、卸売業者、再梱包業者は、1 営業日(48 時間)以内、 〇調剤薬局は原則 2 営業日以内 に取引履歴(TH)、取引情報(TI)、取引明細(TS)を FDA に提供しなければならない。これについては産業界から本当に可 能かどうか、少し疑問の声が上がっていると聞いている。 2015 年 1 月以降、取引先の確認が強化される。製造業者と再梱包業者は FDA へ、卸売業者と物流受託業者(3PL)は州政 府医薬品局または連邦政府へ、調剤薬局は州政府医薬品局へのライセンスの証明をそれぞれ確認しなければならない。製 品のシリアル番号表示のデッドラインは、予定通り 〇メーカーにおいては 2017 年 11 月 27 日 〇再梱包業者は 2018 年 11 月 27 日 製品識別番号としてはナショナルドラッグコード(NDC 10 桁)が採用される。 「Rx360 Traceability Data Exchange Architecture(TDEA)ワークグループ活動」 ・アメリカ アッビー社 ロイド・メーガー氏 Lloyd Mager, Programme Manager Supply Chain Strategic Initiatives, AbbVie, U.S. トレーサビレティに関する各種のデータ交換の方法は業界やセクターが違えば異なる。ハーモナイゼーションが必要であ る。医薬品取引データ交換のモデルとしては、 ①トルコのように国家がデータ・デポジトリーを持つような「中央集中型」 ②EU のような各国内のデータ・デポジトリーとハブ(接続拠点)による「セミ中央集中型」 ③アメリカのようにメーカーと卸売業、さらに(将来参加する)調剤薬局のそれぞれが データ・デポジトリーを持つ「個別型」 の3つがある。 データ交換がうまくいくためには、関係者は、その目的のためにどのデータが必要か、どこにデータを蓄積させるか、どう やってデータを動かし、誰がアクセス権をもってアクセスできるか、いつそれは必要になり、誰が何をどうしたのかといったプ ロセスを、どうやって決定するのかという事について合意しなければならない。 「ブラジルでのシリアル番号表示とトレーサビリティ規制――挑戦と課題」 ・ブラジル ジョンソン&ジョンソン社 レアンドロ・オリベイラ氏 Leandro Olivera, Serialisation and Traceabilitu Manager, Johnson & Johnson, Brazil ブラジル厚生省の規制である RDC54 とは、ANVISA(ブラジル国家衛生監督局)の Collegoate Board 決議第 54 号のことで あり、2013 年 12 月 10 日に発行された。シリアル番号表示とトレーサビリティ実現のための要求事項が定義されており、処方 薬と OTC の両方が対象となっている。2016 年 12 月 10 日が最終導入期限である。販売包装単位ならびに元梱包装単位に シリアル番号表示が必要である。調剤包装単位とパレット単位は義務の対象ではない。シリアル番号表示は販売包装単位 と元梱包装単位が対象であり、調剤包装単位は含まれていない。 シリアル番号表示は、2 年以内に 3 バッチ製造分での導入、3 年以内に完全導入が必要である。シリアル番号の桁数は 13 桁で、国内製造品は登録されたオーナーが、輸入品は製造業者レベルで完全にランダムな番号を設定する。製品サンプル や治験薬(ステージⅣ)も含まれる。 トレーサビリティは、製造工程から調剤工程までをカバーしており、社内移動も含む保管管理状態の変更に焦点が当てら れており、それらの情報は常にメーカーにフィードバックされる。ANVISA からではなく、産業界自体の自発的、かつ積極的な 異常報告によって運営される。国がデータベースを構築しているアルゼンチン、トルコ、中国のモデル例、アメリカのモデル 例、EU のモデル例との比較が説明された。ブラジルでは国内の企業が使用できるデータ交換のハブ Hub(接続拠点)が設置 されており、ヨーロッパのハブ方式に近い(前述)。 13 ただし、サプライチェーンの全てにおいて事業所・場所識別番号の GLN を持っているわけではないので、持っていない場 合の対処方法が必要かもしれない。ブラジル国内の医薬品業界では合理的な共同ができているが、サプライチェーンのプ レイヤー間での戦術的、技術的な協力に欠けている。病院側が今まで行ってきた管理プロセスを、販売包装単位の管理に 変更して行けるのか等、直面する課題がある。ヒューマンエラーを防ぐために、過去 6 年も 7 年もかけてシステム改善してき た病院もあり、そういった病院ではそう簡単にシステムは変えられない。成功のためには、産業界、流通業、小売業、GS1、 行政機関、サービスプロバイダー、その他のサプライチェーンに関わる様々なプレイヤーからなる技術的チームが必要であ る。 「APEC ロードマップとトラック&トレースに関するワークグループ」 ・アメリカ FDA アソシエイト・ダイレクター コニー・ユング博士 (音声による中継) Connie Jung, Associate Director, U.S. FDA アジア太平洋経済協力会議(Asia-Pacific Economic Cooperation:APEC)では、2013 年 1 月からの 5 年計画で APEC Roadmap for Global Medical Product Integrity and Supply Chain Security というプロジェクトを実施している。APEC 参加 国と APEC 非参加国のいくつかの規制当局が参加して、各国の規制当局向けの政策提言(推奨)やトレーニング・プロ グラムの策定を目指して活動している。現在、9 つのWGが活動しており、そのうち医薬品を対象としたTrack and Trace Systems WG(略称:T&TWG)の推進役として GS1 本部が参加している。2015 年 1 月 26~29 日にフィリピンで WG が行わ れた。ほぼ全ての APEC 地域から 150 人の参加者があり、日本からは武田薬品工業が講師として参加した。ビデオを含むト レーニング資料は APEC Harmonization Center のホームページで参照することができる。次回は 8 月 24 日~28 日にフィリ ピンのセブ島で予定されており、Good Manufacturing Practice:GMP(医薬品及び医薬部外品の製造管理/品質管理基準)、輸 入/輸出、トラック&トレース、インターネット販売、発見技術の 5 つのトレーニング・プログラムについてアジェンダが作成さ れた。現在 WG への参加募集中である。 「ABAC パイロット試験について」 ・イーライ・リリー社 ジョン・スティール氏 John Steele, Senior Director, International Government Affairs, Eli Lilly and Company ABAC(APEC Business Advisory Council )は、APEC の公式民間諮問機関であり、アジア・パシフィック地域の 21 の国・地域 の首脳によって指名された、産業界を代表する企業で構成されている。イーライ・リリー社は、2013 年に医薬品業界として初 めて ABAC に参加した。ワインなど他の商品で行われている ABAC/APEC Global Data Syncronaization (GDS) パイロットに、 医薬品のパイロット企業として参加している。GS1 標準による GDS を利用した、医薬品のシリアル番号表示と認証による、コ スト削減、偽薬対策などのパイロットプロジェクトである。テネシー大学のライフサイエンスセンターでのフェーズⅠ試験は 2015 年第 1 四半期で終了した。さらにいくつかの参加者を募ったフェーズⅡ試験を計画している。フィリピン(ホスト国)、シン ガポール、台湾、中国、ペルー、マレーシア、タイ、韓国が参加を表明している。現在ワークグループに参加しているのは、 イーライ・リリー社、ファイザー社、EMD セローノ社(注)、ジョンソン&ジョンソン社、アッビー社、サノフィ社、バイエル社である (ブリストル・マイヤーズスクイブ社とアボット・ラボラトリーズ社はオブザーバー参加)。 (注) EMD セローノ社 : メルク社、ダルムシュタット社等のバイオ医薬品合弁企業のこと。 専門家に聞く:コンカレント・ブレークアウト・セッション 1.「複数国対応パッケージの識別とマーキング」 ・グラクソ・スミス・クライン社 グラント・コートニー氏 Grant Courtney, GSK 複数の国で共通の医薬品パッケージを使用する場合、国別の保険償還番号などを基準とした NTIN(GTIN のデータ項 14 目とは異なり、その国独自の製品コード 14 桁。Global の対語として National を設定)を入れる必要がある場合がある。 このような場合 GTIN、NTIN、(国家保険償還番号(NHRN : National Healthcare Reimbursement Number)をどう使い分け るのかという事が問題となる。GS1 のアプリケーション識別子(略称は AI)を用いて GTIN と共に国家保険償還番号 (NHRN)を表示することが可能である。GTIN の AI は(01)であるが、これに例えばブラジルの NHRN 用の AI(717)を使っ て、両方を設定することが可能となる。この方法を用いて複数の国の保険償還番号を同時に設定することもできる。た だし、保険償還番号などは、常に GTIN の属性情報としての取り扱いなので、GTIN が第一に優先されて設定されること が必須である。一方 NTIN は GTIN とデータ項目の構成で、完全に互換性があるわけではなく、NTIN と NHRN との組み 合わせ設定はできない。 2.「GS1 データマトリックスでのマーキング」 ・GS1 本部 チャック・ビス氏 / コスタリカ CEFA ダニエル・チャベス氏 Chunk Biss, GS1 Global Office; Daniel Chaves, CEFA, Costa Rica GS1 本部の自動データ識別担当のチャック・ビス氏とコスタリカ CEFA ダニエル・チャベス氏から、一般的な 2 次元 シンボルの経緯、歴史、技術仕様、機能等の説明の後、GS1 データマトリックス仕様についての説明がなされた。 データマトリックスシンボルは、1989 年International Data Matrix 社によって開発され、医療機器・器材本体、自動車部 品、機械部品分野において、データの直接マーキング(Direct Part Marking)への適合性が高いシンボルとして広く認 知されている。FDA の医療機器 UDI 規則で定義される「永久表示」には、直接マーキングによる GS1 データマトリック スの表示が有効であろう。 GS1 データマトリックス仕様としては、 データセットとして FNC1 モードを必ず設定する データマトリックスの先頭(左端)に “]d2” を配置すること こうして GS1 仕様とすることが定義されている。GS1 データマトリックスを読み取る場合はイメージセンサー式スキャナ (=カメラリーダー)が必要となるため、一次元レーザー式スキャナに比較して導入コストが高くなる。ハードウェア単価と してはスキャナ @150~300 米ドル、システム約 1,000 米ドル、検証装置約 2,000 米ドル程度となっている。 独ビーブラウン社の GS1 データマトリックス表示見本 3.「医療用医薬品シリアライゼーションの課題」 ・ファイザー社 ペギー・スティーバー氏 Peggy Staver, Pfizer 米国医薬品品質安全法(H.R. 3204 - Drug Quality and Security Act)が、2013 年 11 月 27 日に成立した。この法律で は、製品の商取引を認可登録されたトレーディングパートナーとのみ行い、偽造、またはその他の危険な疑いのある 15 製品(例:偽造医薬品や成分配合不適切医薬品等)を調査し、特定し、排除するためのシステムを、2014 年末までに設 置し、2015 年 1 月から施行することが義務付けられた。更に 2017 年にはシリアライゼーション規制として製品固有識 別コードに加えて、シリアル番号で表示管理することが義務付けられた。 これによるシリアル番号表示、つまりシリアル化の義務は the lowest sellable pack(最少販売単位)となっている。例え ば 10 個パック入りの箱が最少販売単位であれば、その 10 個入りの箱にシリアル番号を付けなければならず、他の国 の制度と相違する部分がある。また、米国医薬品品質安全法の義務は返品にも適用される。 サプライチェーン取引パートナーは、以下の期限までに製品固有識別コードが表示され、その正当性を検証するこ とができる製品のみを商取引することが義務付けられた。 2017 年 11 月 27 日 医薬品メーカーが販売包装単位にシリアル番号を表示する 2018 年 11 月 27 日 再梱包業者が販売包装単位にシリアル番号を表示する 2019 年 11 月 27 日 卸売業/物流業が元梱包装単位でのトレーサビリティ管理を開始する 2020 年 11 月 27 日 調剤薬局が元梱包装単位でのトレーサビリティ管理を開始する 2023 年 11 月 27 日 調剤包装単位でのトレーサビリティ管理を開始する ※詳細スケジュールは下図参照 FDA のガイダンスには、医薬品の承認番号は FDA が発番するナショナルドラックコード(NDC:ナショナルドラッグコー ド 10 桁)を利用し、NDC の先頭に”003”を付け、右端にチェックデジット 1 桁を付加して、GS1 標準の計 14 桁に変換す る方法も記載されている。 実導入事例セッション: 1. 「トレーサビリティのための相互データ交換を確実にする EPCIS」 ・モデレータ: アッビー社 ロイド・メーガー氏 マッケソン社 スコット・ムーニー氏 Moderators: Lloid Mager, AbbVie; Scott Mooney, McKesson サプライチェーン上での運用効率化の向上及び安全性の向上のために必要な透明性の向上、そして保管の安 全規制要求を満足するために、どうすればEPCIS(EPCインフォメーション・システム)が、異なるサプライチェーンの シナリオ上の幅広いビジネスプロセスに対応できるのか等について、パネル討論形式に進行した。 EPCIS につ 16 いての基本的な説明も行われたが、GDSN(グローバル・データシンクロナイゼーション・ネットワーク)などを利用し た仕組みで共有化することが重要といった程度の説明のみで、具体的な提案はなかった。会場からの、「中小の 小規模企業の場合にも利用メリットは見出されるのか」という質問に対して、「EPCIS は、使いやすい仕組みなので 規模が小さくても使ってもらえるはず」という回答のみであった。「実際に中小企業が使用するには具体的な規制 が制定されないと難しい」という意見もあり。 2. 「医薬品のトレーサビリティ」 ・モデレータ: グラクソ・スミス・クライン社 グラント・コートニー氏 ファイザー社 ペギー・スティーバー氏 Moderators: Grant Countney, GSK; Peggy Staver, Pfizer 医薬品に対して GS1 標準を導入した製造業者について、彼らが直面した課題とそれをどう乗り越えたのかを共有す るセッション。さらに、トレーサビリティの導入によって得られたと認識している、その有益性や評価を共有する事が極 めて重要である。 3. 「ユニークデバイス識別 (UDI):入門セッション・・・・自動識別技術(AIDC)&GDSN」 ・モデレータ: メドトロニック社 ジャッキー・エルキン氏 ・パネリスト: コヴィディエン社 デビット・ブロークス氏 GS11 本部ピーター・アルバレス氏 / チャック・ビス氏 Moderators: Jackie Elkin, Medtronic Panellist: David Brooks, Covidien; Peter Alvarez、GS1 Global Office / Chuck Biss, Gs1 Global Office UDI は、一貫した、明確な、世界標準の、医療機器の 1 つの識別を規定することを目的としている。UDI の有益性と導 入に関する入門的な説明が行われた。 4. 「公共政策 public policy 医療機器 Medical Device」 ・プレゼンテータ: GS1 本部 ジェラルデン・リサルディ・ボネ氏 Presenter: Geraldine Lissalde-Bonnet, GS1 Global Office 医療機器に関する世界各国の規制要求とイニシアチブについての解説。通常は限られたグループでのみ情報共有 が行われるが、その概要がこのセッションでのみ公開された。 4 月 23 日(第 3 日) プレナリー・セッション: 「医療機器のためのユニークデバイス識別と規制当局によるトラック&トレースイニシアチブ」 UDI は、一貫した、明確な、世界標準の、1 つのデバイス識別を規定することを目的としている。このセッションでは 世界的に見た医療機器の UDI 概要を提供するとともに、医療機器のためのトラック&トレースに関してのいくつかのイ ニシアチブについて情報が提供された。 「アメリカの医療機器 UDI ルールの概要について」 ・アメリカ FDA 放射線医療機器安全管理センター(CDRH) 情報アソシエイト・ダイレクター リンダ・シグ氏 Linda Sigg, U.S. FDA CDRH 既に 2013 年 9 月 24 日から施行が始まった医療機関UDI規則について、広報PRを含めて、また周知徹底の意味を 含めて入門的な説明が行われた。内容としては、2007 年の修正FDA法の成立、2012 年の安全保障・改正法の成立、 2013 年9 月のUDI規則の施行など日程の説明。さらに、そもそも UDI とは何か?、グローバル UDI データベースとは?、 17 規則の施行スケジュールの確認、医療機器のモデルとバージョンの用語定義、異機種の機器が混在する場合のラベ ル表示方法、ラベル表示者(ラベラー)として研修の重要性、販売代理店との作業連携、製品情報の品質の維持 等が 説明された。なお、グローバル UDI データベースには、2014 年 9 月現在 約 34,000 アイテムの登録が、現時点で約 49,000 アイテムが登録済である。ヘルプデスクには、約 6,000 件の問い合わせが寄せられた。 18 「医療機器 UDI-UDI ルール導入の経験と課題」 ・アメリカ USDM ライフサイエンス社 UDI 担当 ジェイ・クローリー氏(前 FDA 放射線医療機器安全管理センター (CDRH)シニア・アドバイザー) Jay Crowley, Vice President of Unique Device Identification Solutions and Services, USDN Life Sciences (former Senior Advisor, US FDA) 医療機器 UDI システムはグローバルな透明性と支援を提供する。例えば、医療機器のリコール、有害事象報告、トラ ック&トレース、サプライチェーンの安全性確保、偽造製品対策、災害/テロ対策、欠品/代替品対策、医療事故の減 少、患者と医療従事者に対する医療機器情報の入手の容易性など。UDI は製品の配送からその製品寿命が尽きるま での期間を通して、製品を識別することによってトレーサビリティをサポートすることを意図している。 略 語 I : Implantable Devices LS : Life - Sustaining Devices LS : Life – Supporting Devices FDA UDI要求の遵守日一覧表 機器クラス分類 ラベル表示/グローバル UDI データベース/遵守日 クラスⅢ機器(クラスⅢの生命維持装 置・延命装置を含む) 米国公衆安全サービス法(PHS Act)で クラスⅢの生命維持装置・延命装置は 2015 2014 年 9 月 24 日 器を含む) 生命維持装置・延命装置(クラスⅡ、 Ⅰ、未分類装置) クラスⅡ機器(埋め込み機器、生命維持 装置・延命装置を除く) 年 9 月 24 日までに UDI 永久表示が必要 上記以外の全てのクラスⅢ機器は 2016 年 9 月 24 日までに UDI 永久表示が必要 承認された機器 埋め込み機器(クラスⅡ、Ⅰ、未分類機 ダイレクトマーキング(要求日) 2015 年 9 月 24 日 適用なし (N/A : Not Applicable) 2015 年 9 月 24 日 2015 年 9 月 24 日 2016 年 9 月 24 日 2018 年 9 月 24 日 クラスⅠ機器または未分類の機器(埋 め込み機器、生命維持装置・延命装置 2018 年 9 月 24 日 2020 年 9 月 24 日 を除く) 19 20 UDI 規則の遵守対応は大変な作業である。例えば以下のような留意項目を乗り越えなければならない。 留意項目(1): 〇予期していなかった事象 〇医療機器なのか、医薬品なのか、コンビネーションプロダクトなのか? コンビネーションプロダクトとは? 〇付属物(アクセサリー)なのか、部品なのか、予備品なのか? どうやってマークしたらいいのか? 〇誰が製造者(ラべラー)なのか? 〇何を製造するのか? 〇製品の品ぞろえは どれだけの SKU(在庫容量:Stock Keeping Unit)となるのか? 〇その製品は UDI 規制対象か?(アメリカ国内か海外か) 〇リスクのクラスは?(アメリカ国内か海外か) 等 留意項目(2): 医療機器とは、アクセサリーや部品などの全てが含まれる。つまりこれらは全て UDI 規制の対象となる。 〇アクセサリーでないものとは? アクセサリーの定義に合致しない機器は、単純にアクセサリーとして取り扱わない。これらは機器の接合部品 (junction)として使用されることがあるからである。 留意項目(3): 機器の部品の代用として支給されたスペア―パーツは医療機器ではない。ただし、もしそのスペアパーツによって その機器の特性やパフォーマンスが大きく変わる場合は、それ自体を医療機器と考えるべきである。 留意項目(4): ラベラー(製造者)とは? ラベラーとはその機器を商業的に流通させる意図をもって、機器にラベルを添付する者、あるいはリプレースあるい は改造加工(モディファイ)する目的でラベルを添付する者をいう。 EU の定義では、その者の名前において、市場に出すために製品をデザインし、製造するために責任を負う個人あ るいは法的事業者を製造者という。 GHTF(グローバル整合化タスクフォース)および IMDRF(国際医療機器規制当局者フォーラム)の定義では、ラベラー (製造者)とはその者の名前において、利用可能な医療機器の製造意図をもって医療機器をデザインし、あるいは製 造を行う、個人あるいは法的事業者を製造者といい、その医療機器がその者自身あるいは他人によって製造されたか 21 は問わない。 〇どうやってラベル化するか? 〇どこにラベルを添付するのか? 規制の概念は? 〇どれだけのラベル形式(テンプレート)が必要か? 〇UDI ラベルとダイレクトマーキング(直接表示)の違いを理解しているか? 〇バーコードの品質が守られているか? 米国連邦官報(2013 年 9 月 24 日発行) 「グローバル UDI データベース・産業界向けガイダンス」 「ベクトン・デッキンソン社における GS1 標準の導入状況」 ・メキシコ ベクトン・デッキンソン社 ヨハン・ハブロ・ソリス氏 Juan Pablo Solis, Reaginal Director, BD, Mexico, BD( Becton,Dickinson & Company)は、米国ニュージャージー州フランクリンレイクス市に本社を構え、 100 ヵ国以 上で事業を展開し、29,000 以上の従業員を擁する。フォーチュン誌世界ランキングでは 332 位であり、製造拠点は世 界で 50 ヶ所を超える。 BD メデイカル、BD ダイアグノステイクス、 BD バイオサイエンスの 3 部門を通じて、医療器材、 機器、検査室用器材、抗体、試薬、診断用製品を製造・販売して、世界の医療従事者、ライフサイエンス研究者、臨床 検査室,医療業界をサポートしている企業である。 BD では,製品を定義する段階で GTIN14 桁の使用が開始される。商品カタログの番号及び GTIN が製品に付与さ れ、基幹システムに登録される。GTIN は各製品レベルについて作成されるが、商品アイテム番号が直接 GTIN に含ま れる形で作成され、病院関係者や卸売業者とデータ共有され、製品の階層(例:個装→中箱→外箱)を容易に判断でき るようにしている。BD 独自のコードシステムの採用も考慮したが、病院側のサプライチェーンプロセスの効率化や電子 力ルテの推進等、病院内でのシステムの BD のサポートが充分にできることを考慮して、GS1 規格に一本化した。 BD は病院関係者との協働を通じて、上記のコード付与方法を決定した。これは,製品によっては製品レベルにおけるバ ーコード貼付が、製品自体が小さい等の理由で物理的に不可能なものもあり、これらの制約事項を病院関係者と協議 22 し、各種の IT システムで補完して活用できるようにした。BD では、GTIN 以外の製品情報も GTIN にリンクさせている。 製品情報の新規作成・追加には、最小梱包単位、有効期限、パッケージングの方法、アレルギー物質の有無等が含ま れており、患者,規制当局,顧客及びサプライチェーンにおける参加者のすべてを満足させる形で決定された。BD は卸売業者とともに,製品データを Global Data Synchronization Network (GDSN) を介してデータ共有した。 物流センターでは、GTIN のみならず、複数の製品が混載されたパレットを開梱せずに、外からパレットの内容情報を 自動認識するために Serial Shipping Container Code (SSCC:シリアル出荷コンテナコード)を利用している。 これらのデ ータは、BD のリソース管理に関する基幹システム(ERP: Enterprise Resource Planning)である SAP に収納されている。 事業所・場所識別番号 GLN も利用 GTIN と SSCC を出荷ラベルに表示 物流センターでは商品を混載した パレットの明細識別に SSCC を利用 「アルゼンチン 国家医薬品食品医療技術監督庁(ANMAT)の医療機器トレーサビリティ規制について」 ・アルゼンチン メドトロニック社 アンドレア・ロドリゲス氏 Rodriguez, Regulatory Affairs Manager, Medronic, Argentina アルゼンチンの国家医薬品食品医療技術監督庁(ANMAT:Administración Nacional de Medicamentos, Alimentos y Tecnología Médica)の医療機器トレーサビリティ規制について、アルゼンチンのメドトロニック社 アンドレア・ロドリゲス 氏から発表があった。 ANMAT は 1992 年に設立され、アルゼンチンの医薬品・医療機器等の登録・管理等を行い、その安全性に責任を有 している。医療機器のトレーサビリティ規制については 2012 年から取組みを開始し、2013 年法律(Law No. 2175/13)が 施行された。販売流通業者に対して、GS1標準による製品コード(GTIN)と事業所・場所識別番号(GLN)の識別情報を基 本項目として、ANMAT のデータベースセンターにリアルタイムで登録を行うことを義務化している。データベース形態 23 は、中央集中管理型といえる。医療機器への GS1-128 バーコードによる製品コード GTIN、有効期限、ロット番号、シリ アル番号表示を義務化している。義務付けは段階的に行っており、すでにデータベースには相当数の製品情報(イ ベント・データ)が蓄積されて来ている。 「GDSN(グローバル・データシンクロナイゼーション・ネットワーク)の利用効果」 ・1WorldSync 社 ニック・マンゾー氏 ジョンソン&ジョンソン社 MJ・ワイリー氏 Nick Manzo, Global Sr. Director of Industry Development, 1worldSync, U.S. MJ Wylie, Global GDSN Deployment, Johnson & Johnson, U.S. 1WorldSync 社のニック・マンゾー氏及びジョンソン&ジョンソン社の MJ・ワイリー氏から、GDSN(グローバル・データ シンクロナイゼーション・ネットワーク)の概要、その利用メリット一般について説明があった。 「次回会議、ブダペストへの招待」 ・GS1 ハンガリー ソフィア・ブラニー氏 Zsofia Buranyi, PR and Marketing Manager, GS1 Hungary 次回 GS1 ヘルスケア国際会議は 2015 年 10 月 20 日から 22 日まで、ハンガリー・ブダペスト市で開催される。GS1 ハンガリー ソフィア・ブラニー氏からハンガリー国の情報紹介、ブダペスト市の概要及び名所などが動画ビデオで紹 介され、世界の関係者からのブダペスト会議への参加呼びかけがあった。 GS1 ヘルスケア ブダペスト国際会議 2015 年 10 月 20 日 ~ 22 日 ハンガリー・ブダペスト 「閉会挨拶」 ・GS1 ヘルスケア 共同議長 スティーブ・カペル氏(メドトロニック社) Closing remarks – GS1 Healthcare Tri-chairs スティーブ・カペル氏より、世界各国の出席者への謝辞、各講演者への謝辞、ホスト国 GS1 メキシコ事務局への謝 辞、GS1 本部への謝辞、そして次回ハンガリー国際会議への積極的な参加要請が述べられ閉会となった。 以上 24
© Copyright 2024 Paperzz