ロシア連邦国石炭資源量評価報告書

ロシア連邦
ロシア連邦国
連邦国
石炭資源量
石炭資源量評価
資源量評価
報告書
2012 年 11 月
JCOAL 資源量評価調査チーム
1.石炭の
石炭の埋蔵量と
埋蔵量と品質特性
1.1.石炭化度
石炭化度の
一般的な特徴
石炭化度の一般的な
ロシア連邦における石炭ランクの一般的な特徴は、
1990 年 1 月に採択された GOST25543-88 ”
ブラウンコール、ハードコール及び無煙炭/生成起源パラメータ及び技術的なパラメータによ
る分類”に明記されている。
GOST25543-88 によるとロシア連邦の全ての石炭はブラウンコール、ハードコール及び無煙
炭の 3 つのグループに分けられ、分類は石炭の工学的、物理的、力学的、及び化学的特性に基
づいて行われ、次の 3 つの要素で同定される。
① 変成度
石炭の変成度は、イマージョンオイル中のビトリナイト反射率指標によって同定される。
② 岩石組成
岩石組成はフジットの微小化学成分含有量によって同定される。
③ 易還元性
易還元性は、異なるランクに対する様々な特性によって識別される。低品位炭(ブラウンコー
ル)に対する易還元性は、無水無灰ベースでセミコークス化した時のレジンの収率で特定される。
中品位炭(ハードコール)に対する易還元性は、無水無灰ベースでの揮発性物質の収率と
Sapozhnikov 軟化溶融層の厚さ評価による粘結性指標で、特定される。高品位炭(無煙炭)に対す
る易還元性は、ビトリナイト反射異方性指標で測定することができる。
上記のパラメータにより、ブラウンコール、ハードコール、無煙炭がグループとサブグルー
プに分類されている。
・低品位のブラウンコールは、1つの石炭記号Bと3つの石炭グループ(1B、2B、3B)か
らなる。
・中品位のハードコールは、15 の石炭記号(D、DG、G、GZhO、GZh、Zh、KZh、K、KO、
KSN、KS、OS、TS、TS、SS、T)と 21 の石炭グループ(1G、2G、1GZhO、2GZhO、1GZh、
2GZh、1Zh、2Zh、1K、2K、1KO、2KO、1KS、2KS、1OS、2OS、1SS、2SS、3SS、1T、
2T)からなる。
・高品位の無煙炭は、1 つの石炭記号(A)と 4 つの石炭グループ(PA、1A、2A、3A)から
なる。
GOST25543-88 は、石炭産業の国際的な協力を得ず、中央計画経済に向けて策定されたもの
であるため、このような石炭品位分類システムは、アメリカや日本で使用しているシステムに
類似するものではない。その結果、このシステムに基づいて分類された石炭は、アメリカもし
くは日本の石炭ランクの概念とは一致しいないであろう。
GOST25543-88 規格と米国材料試験協会(ASTM)規格 ASTM D388-98a によって分類される
ロシアの石炭のランク、記号及びグループの比較は、Table1.1 及び 1.2 のように示せる。
1
Table1.1 ASTM による石炭分類
による石炭分類とロシア
石炭分類とロシア石炭分類
とロシア石炭分類の
石炭分類の概 比較
石炭種
ロシア
ロシア
ASTM 石炭分 備考
石炭評価
石炭グループ
類
1B
褐炭A, B
2B
亜瀝青炭C
3B
亜瀝青炭B
ブラウン B
コール
ハード
D
コール
DG, G,
GzhO,
GZn
亜瀝青炭A
1G, 2G,
1GZhO,
2GZhO,
高揮発性
瀝青炭
1GZh
2GZh
無煙炭
Zh
1Zh, 2Zh
高~中揮発性
瀝青炭
KZh,
K,KO,
1K, 2K,
1KO,2KO,
中揮発性
瀝青炭
KSN, KS
1KS,2KS
OS, TS
1OS,2OS
低揮発性瀝青
炭
SS
1SS,2SS,
3SS
対比不可
T
1T, 2T
大部分
半無煙炭
A
PA
半無煙炭
1A,2A
無煙炭
3A
メタ無煙炭
出典:著者見込
2
非粘結、非凝集(イナーチ
ニ ッ ト の 含 有 量 が 60% 以
上)
Table 1.2. 技術的指標によるロシアの
技術的指標によるロシアの石炭
によるロシアの石炭ランクの
石炭ランクの分類
ランクの分類
石炭種
ブラウン
ロシア
ロ シ ア 英語
石 炭
石 炭 グ 表記
評 価
ループ
B
1B
コール
ハード
技術的指標
備考
Br
Brown
Lignite grade
2B
Br
Brown
Subbituminous
3B
Br
Brown
Subbituminous
LoFl
Long Flame
Free
D
コール
Burning,
high
volatile
high
volatile
bituminous
G
With G
Gas
Gas (light, fiery)
Light,
fiery,
bituminous. Yields large quantaties
of illuminating gas on distillation
Zh
With
Fa
Fat
89-91% Carbon
CoFa
Coking Fat
Intermediate between Fa and Co
Zh
KZh
KZh
grades
K
1K, 2K,
Co
Coking
80-90% Carbon
HaCa
Hard caking
Low volatile (15-17% Ad), high
1KO,
2KO,
1KS,
2KS
OS, TS
1OS,
2OS
SS
1SS,
calorific value (6200-6900Qif)
PoCa
Poorly caking
Subbituminous
Le
Lean
Hard coal, low in volatiles, dry
2SS,
3SS
T
1T, 2T
burning
無煙炭
A
PA
SeAn
1A and An
Semi-Anthracite
86-92% Carbon
Anthracite
92-98% fixed carbon
Anthracite
Meta-Anthracite
2A
3A
An
出典:著者見込
3
1.2.石炭
石炭の
石炭の資源量と
資源量と埋蔵量
ロシアにおける埋蔵量の分類と報告に関するシステムは、ソビエト連邦時代に中央計画経済
に向けて考案されたもので、アメリカ及び日本の埋蔵量が既存の技術で現在の市場において経
済的に開発可能ものであるという概念とは一致しない。
ロシアの埋蔵量システムは、単に地質学的特性の分析に基づいている。
探査の実施レベルに基づき、石炭埋蔵量の確実度で 3 つの主要グループと7つのカテゴリー
(A,B,C1,C2,P1~P3)に区分する。
Table1.3.ロシアの
ロシアの石炭埋蔵量分類
ロシアの石炭埋蔵量分類システム
石炭埋蔵量分類システム
グループ分け
詳細な探査済
区 分
A
分
類
詳細な探査業務は、完了済。採炭箇所から試錐や炭
層確認箇所へ 600~800m オーダーの間隔を持つ、比較
的側方に連続する、均質な層厚を持つ炭層、並びに 300
~400m規模の間隔を持ち、あまり側方に連続しなく、
層厚の均質でない炭層。
炭層に影響する地質学特徴が確認され、炭質は立証
された。採掘条件は、実際の採炭により決定されてき
た、選炭特性は、試験されて理解された。
B
探査業務は、区分 A ほど詳細ではない。
試錐孔、予備的縦坑、ピット、横坑など距離の間隔
1,200~1,600m の範囲。
C1
広範囲な間隔
予備的評価
C2
予備的計算
予 想
P1、P2、P3
予想資源量が、評価された。
詳細に探査され、しばしば地化学及び地球物理学的調
査やトレンチなどに基づくデータのある地域で、炭化
作用の及ぶ範囲の外側に対して。
出典:エネルギー鉱物資源部(Marshall &Associates)チャールストン、西バージニア USA(2002)
区分 A、B、C1 の石炭埋蔵量は、完全に採炭可能と考えられるもので、新しい鉱業計画策定
を決定する場合は、これらに通常区分 C2 を考慮に入れる。
上記の代わりに、より一般的で分類(A、B、C1、C2)の代替として、“balansovye” (balance)
=商業的採掘可能埋蔵量を、分類外として、“zabalansovye” (out-of-balance) =非商業的資源量が
用いられる。
“balansovye” と “zabalansovye” の 同 義 語 と し て 、 “konditsionniye”
4
(conditioned) と
“nekonditsionniye” (unconditioned)がしばしば使用される。
尚、ロシアの埋蔵量区分は Table1.4 に示す。
Table 1.4.ロシアの
ロシアの埋蔵量区分
ロシアの埋蔵量区分
グループ区分
A
定
義
詳細が、明らかな地域の埋蔵量。鉱床境界は、トレンチ、試錐、坑内探査
などにより画される。原炭の炭質及び特性が、開発計画の信頼性を保証する
十分に詳細である。
B
探査されているものの詳細があまり知られていない地域の埋蔵量。鉱床境
界は、トレンチ、試錐、坑内探査などにより画される。原炭の炭質及び特性
が、開発計画の基礎的な信頼性を保証する十分に詳細である。
C1
トレンチ、試錐孔、あるいは坑内探査が、まばらな範囲で評価された地
域の埋蔵量。非常に高密度な範囲でさえ決定出来なかった分布する複合鉱
床の埋蔵量と同様に、この区分には、A及びB埋蔵量の境界にも、また隣接
する埋蔵量を含んでいる。鉱床の炭質と特性は、同タイプの既知な鉱床の
推論と解析により、暫定的に知られている。一般的開発の条件は、知られ
ている。原原炭のトン数は、原炭岩体での走行及び傾斜方向へ延長、平均の
層厚の評価に由来する。無データ地帯での許容数値(allowance)は、統計
的にならざる得ない
C2
これらの埋蔵量は、わずかなデータしかない極めて粗い探査範囲に基づ
く。原炭岩体の範囲は、主に既知の地質構造や近接する他の同様な鉱床と
の比較などにより定義される。原炭岩体の品位と鉱物特性は、コアサンプ
ルやその地域の同様鉱床との比較とから決定される。埋蔵量は、時にはた
った1つの試錐孔など、限られたデータから推定された。この区分は、同鉱
床の埋蔵量A,B,C1に隣接する埋蔵量を含む。
P1
P1 に区分される資源量は、C2 区分で定義される原炭埋蔵量の実際の範囲
外に延長されたかもしれない。P1 タイプの資源量の外側範囲は、地域内で
既知の同様な鉱床からの推定により、間接的に決定される。P1 は、C2 埋蔵
量を増加させることができる主要増源である。
P2
これらの資源量は、既知な鉱床や原炭夾炭地域で可能性ある炭化作用の構
造を示す。それらは、地球物理学的・地球化学的データに基づいて推定さ
れる。原炭岩体の形態、鉱物組成及びサイズは、同地域の同様な炭化作用
を被った地質学構造の推定により評価された。
P3
あるポテンシャルを持った原炭夾炭鉱床は、P3資源量として区分される。
ここれらの資源量の存在は、
「最適な地質学的環境」の理論的な定義に、依っ
ている。 資源量の数字は、地域で同様な鉱床の数字に由来する。
出典: S. Hemley(2002)
5
ロシア報告システム分類(Reporting System)と国際的報告システム分類の間の広義な対応
を Table1.5 に示す。
Table 1.5.ロシアと
ロシアと国際基準
ロシアと国際基準の
国際基準の埋蔵量の
埋蔵量の照合
ロシア
国際基準コード、JORC その他
( 埋 蔵 量 )
( 資 源 量 )
確認埋蔵量
確定資源量
C1
推定埋蔵量
推定資源量
C2
推定埋蔵量
推定資源量
A,
B
/予想資源量
P1
-
予想資源量
P2
-
概算資源量
P3
-
-
出典: S. Hemley(2002)及び著者見込み
“資源量”と“埋蔵量”の用語は、ロシア統計において広範な互換性を持つため、国際基準
コードに規定される厳格な意味合いを持たない。
1.3.石炭資源量
石炭資源量と
埋蔵量の計算基準
石炭資源量と埋蔵量の
ロシアの石炭資源量に関する公式データは、石炭資源の調査、利用、更新、保護などの分野
における公的政策決定と法令規制の機能を果たすロシア連邦行政機関である天然資源・環境省
によって公表される情報でのみ見ることが出来る。
地盤利用に関する連邦機関とロシア連邦地質基金を伴う同省は、下記に示す埋蔵量計算に使
用する一連のパラメーターにより特定の鉱床におけるロシアの全ての石炭埋蔵量を分類する。
-最小炭層厚;
-最大平均灰含有量;
-規定された被覆表土‐石炭層‐比率;
-鉱床に関する明確な条件 -特定の地質学的・採掘状態。
ロシア語及び英語論文で報告された埋蔵量数値に関する懸念事項は、それらが地質学的埋蔵
量、あるいは埋蔵量区分(経済的採掘可能)かどうか、判然としないことである。
6
1.4.資源量
資源量と
資源量と埋蔵量の
埋蔵量の要約
世界エネルギー会議(WEC)によるエネルギー資源量調査の評価では、ロシアの確認可採埋
蔵量は 1,570 億トンである。
WEC の調査を用いた BP の最新の“Statistical Review of World Energy
Report 2012” によれば、2011 年末時点でロシアの無煙炭と瀝青炭の石炭埋蔵量は 490 億トン、
亜瀝青炭と褐炭の石炭埋蔵量は 1,080 億トンとなっている(Table1.6)
。
Table 1.6.2011 年末の
年末の確認埋蔵量
無煙炭・瀝青 亜瀝青炭・褐
炭
アメリカ
(百万ト ト )
合 計
合計割合
炭
108,501
128,794
237,295
27.6%
ロシア
49,086
107,922
157,010
18.2%
中国
62,200
52,300
114,500
13.3%
オーストラリア
37,100
39,300
76,400
8.9%
インド
56,100
4,500
60,600
7.0%
その他
91,775
123,360
215,331
25%
4,047,662
456,176
860,938
100%
世界合計
出典: BP Satistical Review of World Energy Report 2012
石炭埋蔵量においてロシア連邦は、アメリカに次いで 2 番目である。
ロシア連邦の天然資源・環境省のデータによれば、探査済のロシアの確認石炭埋蔵量は、1,933
億トンに達し、それは世界埋蔵量の 19%に相当する。ロシア国内で同省は、ブラウンコールの
埋蔵量は 1,012 億トン、ハードコール埋蔵量は、853 億トン(原料炭埋蔵量 398 億トンを含む)
、
無煙炭埋蔵量 68 億トンとしている。
それは、埋蔵量の分布が、非常に偏在していると強調されるべきである。全ロシア埋蔵量の
10%だけは、最も工業化の進んだロシア欧州域に分布しており、西シベリアに 45%、東シベリ
アと極東に 45%に分布している(Table1.7)
。
7
Table1.7.ロシアの
ロシアの石炭
ロシアの石炭の
石炭の推定資源量・
推定資源量・確認埋蔵量
推定資源量
ロシア合計
確認埋蔵量
確認埋蔵量/推定埋蔵
区分(A+B+C1) 量
比率
3兆9,277億トン
(100%)
1,933億トン
(100%)
4.9%
2,272億トン
(5.8%)
195億トン
(10%)
8.6%
3兆7,005億トン
1,738億トン
4.7%
(94.2%)
(90%)
西シベリア
5,157 億トン
(13%)
857 億トン
(45%)
16.6%
東シベリア
2兆243億トン
678億トン
3.3%
(52%)
(35%)
1兆1,606億トン
203億トン
(30%)
(10%)
ロシア欧州地域
ロシアアジア地域
合計
内 訳;
極東
1.7%
出典: state balance of raw materials resources as January 1,2011 Issue 91. に基づき著者算出。
ロシアの推定資源量は、3 兆 9,227 億トンで世界資源量の 32%と評価されている。
Table1.7 から見られるように、ロシアの評価済石炭ポテンシャルは、未だ探査済み確認埋蔵
量の乏しい信用性である:ロシアの確認埋蔵量/推定資源量の割合は、ロシア全体で 4.9%、ロ
シアの欧州域では 8.6%、ロシアのアジア地域では 4.7%が確認できる。これは、未回収の石炭
資源量の開発を通して石炭生産拡張の良い見通しを示唆する。石炭賦存の可能性のある地域は、
イルクーツク炭田、ミヌシンスク炭田、カンスク・アチンスク炭田及び Primorsky Krai 鉱床で
ある。同時に、Tunguska, Lena と東部のいくつかのその他の炭田と鉱床の莫大な資源量は、実
質的に明確になっていないままである。
操業中、建設中、新会社建設待機中、鉱区(section)での石炭会社において現在、探査中の埋
蔵量区分 A+B+C1 総量は、1,050 億トンである。そのうち、730 億トンが、露天開発に適している。
採掘のために最も良好な状態にある高品質のハードコールは基本的に、Kuzunetsk 炭田で見
つかり、ブラウンコールは、Kansk-Achinsk 炭田で見つかる。Kuzunetsk 炭田の現在の探査済の
埋蔵量は、573 億トン、Kansk-Achinsk 炭田は、461 億トンに達する。操業中の一般炭の商業的埋蔵
量は、146 億トンであると推定され、その内、ハードコールの量は 45.4%、ブラウンコールの量
は 51.2%、無煙炭の量は 3.4%である。原料炭の商業的石炭埋蔵量は、60 億トンと推定されてい
8
る、その内、50%以上は、有益な品位の石炭に相当する。上述した原料炭の 80%(30 億トンに
達する)を超える商業的な石炭埋蔵量は、Kuzunetsk 炭田に、集中している。
ロシア連邦の露天と坑内の石炭埋蔵量の現在量は、数 100 年以上にわたって年産 400~500
百万トン生産を十分可能にする。
9
.
Fig 1.1.ロシアの
ロシアの主要炭田
ロシアの主要炭田・
主要炭田・鉱床分布
1.5.主要炭田
主要炭田・
主要炭田・炭鉱位置図
10
2.炭田・
炭田・鉱床別の
鉱床別の代表的炭質
ロシアでは、20 以上の炭田より生産される、またその大部分の石炭生産および埋蔵量は、7
つの巨大な炭田(1~7 章)よりもたらされる。
Table2.1.ロシアの
ロシアの主要炭田
ロシアの主要炭田の
主要炭田の埋蔵量
(10 億
トン)
Proved
balance reserves by category
Total
A+B+C1
C2
A+B+C1+C2
Basin, basin, deposit
Total
Kansk-Achinsk
Kuznetsky
Irkutsk
Donetsky
Pechorsky
Uzhno-Yakutsky
Lensky
Minusinsky
Tungusky
Podmoskovny
Ulug-Khemsky
Zabaikalsky Deposits
Other basins and deposits
193.3
79.5
51.0
7.6
6.5
7.4
4.6
5.0
5.0
2.0
3.3
2.0
5.4
13.9
79.3
38.8
7.5
4.6
3.0
0.5
2.8
1.8
0.4
2.5
0.5
1.6
0.5
15.0
272.6
118.3
58.5
12.2
9.5
7.8
7.3
6.8
5.3
4.5
3.8
3.6
5.9
29.0
Probable
resources
Reserves-to
resources
ratio, %
3927.7
600.0
640.0
4.9
14.8
175.7
38.3
836.5
44.2
4.2
11.9
0.6
11.0
2.2
149.4
出典: State balance of subsoil reserves of the Russian Federation as of Jan. 1, 2011. Vol. 91, Coal, Part 1, Data. – M.:
Ministry of Natural Resources of the Russian Federation, Federal Agency on Subsoil usage, Geology Fund of the Russian
Federation, November 2012
2.1. Kansk-Achinsk
Kansk-Achinsk のブラウンコール炭田は、東シベリア西部の南方にある。炭田には、10 の石
炭賦存地域がある。そのうちの一つである Itat-Barandatsky は、西シベリア Kemerovo 州にある。
東シベリアでは、炭田西部に 6 つの石炭賦存地域がある。①Bogotolsky②Berezovo-Nazarovsky
③Glyadensko-Serezhsky④Uluisko-Kemchugsky⑤Balakhtinsky⑥Prieniseisky である。また炭田東部
には、3 つの石炭賦存地域がある。①Rybinsky②Abansky③Sayano-Partizansky である。東シベリ
アにある、この 9 つ全ての石炭賦存地域は、主に Krasnoyarsk 地方にある。
探査済の石炭埋蔵量は、確認埋蔵量(A+B+C1)655 億トン、予想埋蔵量(C2) 454 億トンであ
る。
炭田開発は、地理的位置づけ及び石炭賦存状況の観点より非常に適している。実際、層厚
30-50m のブラウンコール夾炭層は、緩やかな傾斜を持って賦存し、地表に露出する。ランク
1B と 2B のブラウンコールは、炭田埋蔵量 98.4%に達する。ランク G のハードコールは、1.6%
に過ぎない。
炭田にある石炭は、以下の特徴を持つブラウンコールである(Sayano-Partizanskoye 鉱床のハ
ードコールを含む)
。すなわち低灰分(12%以下)
、低硫黄分(0.3-0.6%)
、13-16 MJ/kg (3,100-3,800
11
kcal/kg)の発熱量である(Table2.2)
。割合高い発熱量と環境的な安全性を持つ特徴は、まず第一
にボイラーや巨大発電所など一般燃料として有用である。ボイラーと発電所などに利用される
Kansk-Achinsky ブラウンコールは、人工液化燃料にも適している。
研究機関の評価に基づき近い将来、年産 400 百万トン以上の生産規模を持つ巨大な新しい 10
箇所の露天開発が可能である。しかしながらいくつか鉱床開発は、例えば、鉱床の地表に広が
る湿地で、容易に流路を変える蛇行河川のような水理上の諸問題により困難である。更に硅化
したレンズ状砂岩体により剥土現場では、炭層の採掘が困難な場合がある。
Table2.2.Kansk-Achinsk Basin の石炭炭質
銘柄の品位
炭種
Brown
主要鉱床
Borodinsky
Nazarovsky
Berezovsky
Abansky
daf
r
%
W
32
38
34
34
Note: W r – total water content;
d
%
A
9
12
6
9.5
d
daf
V
%
daf
C
47
47
48
47
%
H
72
70.5
70.6
71.3
daf
%
N
5
4.7
4.9
5.1
daf
%
1
0.8
0.9
1.2
S
d
%
0.3
0.6
0.3
0.4
Q
MJ /kg
28.6
27.3
27.8
27.4
– dry fuel state; daf – dry ash-free state; Q r – low heat value
出典: Quality characteristics of Russia coal production / Information issue of ZAO «Rosinformugol» . – Moscow : 2006.
-250
p. (in Russian)
2.2. Kuznetsky
ロシアの主要な石炭炭田は、Kuznetsky 炭田 (Kuzbass)であり、東シベリアの主に Kemerovo
州地域に位置する。炭田の総面積は、26,000km2 である。
Kuzbass の確認埋蔵量(A+B+C1)は、510 億トンと評価され、ロシア炭の 26%に達する。この
うち原料炭の埋蔵量は、300 億トン以上に達し、ロシアの総埋蔵量の 70%以上に達する。
推定石炭資源量は、深度 300-600m で 6,400 億トンに達する。坑内開発の平均深度は 315m であ
る。
石炭層の平均層厚は 6-14m であり、いくつかの鉱床では 25m に達する。
実際、ほとんど全てのランクの石炭は、Kuzbass より産する。
Kuznetsk 炭は、非常に高い発熱量 6,000 – 8,500 kcal/kg、灰分は 8-23.2%、硫黄は、0.3-0.6%、
低水分(7.8-10%)である。
Kuznetsky 炭田は、24 の主要石炭賦存地域に細分される(Fig.2.2.1)
。
12
r
Q
MJ / kg
16
13.5
15.6
15.1
.
Fig 2.1.Kuzbass の炭田位置図
.
Table2.3.Kuznetsky の石炭資源量
13
炭田地域
石炭品位
К
Anzhersky
Т
OS
K2
Aralichevsky Т
G
Baidaevsky
Barzassky
Т
Zh
GZ
G
BD
石炭資源量
確認埋蔵量
確定埋蔵量
推定埋蔵量
合計
Less than
Less than
Less then
600-800m
600-800m
600-800m
600 m depth
600 m depth
600 m depth
75
75
0
0
0
0
0
819
1385
871
43274
183
326
79
567
20
6
0
0
469
139
4
2404
51
4508
2429
5873
943
65
147
877
788
18704
0
33
0
0
0
4
0
21599
34
0
17
0
0
0
0
507
114
640
31
0
0
0
0
0
0
546
131
264
32
0
409
0
39
0
0
631
425
0
2
4508
336
5203
0
0
KZh
551
71
0
275
0
139
66
SS
К
К2
G
2098
38
144
183
583
35
141
80
0
0
3
0
410
3
0
76
39
0
0
0
401
0
0
14
665
0
0
13
KZh
Zh
К
432
1247
120
0
335
0
0
0
0
0
154
0
0
258
0
295
456
120
137
44
0
33538
30
2474
1157
0
0
0
0
0
8740
0
1765
386
0
0
3410
30
709
19845
0
0
3058
3110
4000
0
0
0
0
0
0
0
2788
0
808
0
0
0
322
3000
2250
0
1000
Т
Zh
Erubakovsky
GZh
G
Gsteaming
К
Zavyalovsky
SS
GZh
196
5769
6512
62300
23023
304
0
360
151
1662
168
61
0
0
0
0
0
0
0
2
3361
10570
3648
72
0
221
0
318
139
0
0
1499
1000
17150
4334
103
196
3687
2000
32600
14734
68
696
303
7
91
0
0
0
18
0
194
391
0
298
0
Т
ОS
Kemerovsky SS
К2
К
KZh
К
Т
Kondomsky
ОS
К2
Krapivinsky SS
4727
6980
18265
2088
2420
1043
163
33861
315
183
45922
13
209
1892
539
408
238
103
3372
143
110
242
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1190
669
4196
1143
418
172
60
4205
172
73
7036
1677
3188
5769
260
249
413
0
6307
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2269
0
0
11451
1847
2914
6408
146
1345
220
0
17708
0
0
27193
D
12762
1146
0
11616
0
0
0
Zh
GZh
G
G (steaming)
Zh
3114
151
29623
18137
492
757
0
1532
1034
0
93
0
291
0
0
670
0
7040
3938
0
164
79
20760
13160
0
740
72
0
5
246
690
0
0
0
246
Т
ОS
К2
20945
496
438
901
496
281
0
0
0
5348
0
134
6888
0
23
139
0
0
7669
0
0
Bachadsky
Belovsky
BunguroТ
Chumyshsky
OS
B
Doroninsky G
D
D
Leninsky
Mrassky
14
Zh
3158
935
527
519
396
408
373
Т
D
2842
18730
0
0
0
0
0
3271
0
0
0
0
2842
15459
Plotnikovsky G
G(steaming)
GZ
22529
6631
2453
563
416
872
5566
1657
0
0
0
1581
0
0
0
0
0
0
16400
4558
0
Т
ОS
Prokopevsko
SS
-Kiselevsky
К2
К
KZh
Saltimakovsk D
y
SS
3510
446
11562
2608
4282
3728
75555
921
126
2436
617
1170
704
0
34
42
21
21
193
0
0
1186
97
2490
267
515
800
8016
0
0
1406
1100
1414
1379
0
600
181
1395
200
201
363
7071
769
0
3814
403
789
482
60468
G
3107
25862
0
904
0
0
0
3472
0
930
0
10412
3107
10144
Т
SS
К2
К
Zh
GZh
Т
23218
1586
241
242
5526
18320
14898
389
0
2
74
75
112
4
0
0
0
0
0
0
0
717
203
105
168
340
0
594
0
0
0
0
40
0
0
1765
1383
134
0
1870
7934
1480
20347
0
0
0
3201
10274
12820
Osinovsky
Tersinsky
Titovsky
TomUstinsky
Tutuyasky
Uskatsky
KZh
3326
152
0
637
841
5
1691
Т
SS
ОS
К
B
13245
13894
490
4742
2087
1326
73
128
1478
73
0
0
0
0
0
1115
2453
4
664
1540
3116
3526
358
772
156
18
2081
0
18
318
7670
5761
0
1810
0
G
G
2600
14
0
14
0
0
2600
0
0
0
0
0
0
0
Т
Zh
21519
510
0
151
0
0
0
278
0
0
249
42
21270
39
Source: Kuzbass regional administration 2011
Table 2.4.Kuzbass Basin の石炭地質
銘柄の品位
炭種
Hard
Anthracite
主要鉱床
Berezovskay
a
Gorlovsky
Razrez
daf
r
W
%
d
%
A
daf
V
%
daf
C
%
H
daf
%
N
daf
%
S
d
%
Q
MJ /kg
…-7-8.5
…-24-30
28
…-0.8-1.0
…-8300
5-Nov
…-12
3.5-5.2
0.2-0.3
….-
Note: W r – total water content;
d
– dry fuel state; daf – dry ash-free state; Q r – low heat value
出典: Quality characteristics of Russia coal production / Information issue of ZAO «Rosinformugol» . – Moscow : 2006.
-250
p. (in Russian)
15
r
Q
MJ / kg
2.3. Irkutsk
Irkutsk 炭田は、Irkutsk 州南西に位置して、シベリア縦断(Transsiberian )鉄道に沿って
50-100 km 伸びている。ここで、ブラウンコールとハードコールの 24 鉱床が見つかってい
る。探査済の炭田埋蔵量は、確認埋蔵量(A+B+C1)76 億トン、予想埋蔵量(C2)46 億トン相
当である、これら可採可能な全ての埋蔵量は、露天開発に適している。
石炭ランク D と G を産する Cheremkhovskoye(Fig.3.4)ハードコール鉱床は、現在開発
中である。それらの品質的特徴は、Table2.5 に示す。石炭は燃料として、まず第一にボイラ
ーと発電所に使用される。
この炭田は、高硫黄分を持つハードコール(Novometelkinskoye, Karantsaiskoye その他の鉱
床)の重要な埋蔵量を含んでいる。その多くでは、粘結性を持ち、高い硫黄分を含むものの
コークス製造に用いられる。Azeiskoye、Mugunskoye(Fig.3.4)
)では、ブラウンコール鉱床
を開発中である。これらの炭質特徴は、Table2.5 に示している。
Irkutsk 炭田では、鉄道周辺、石炭の大量賦存、炭層の広範分布、浅層胚胎のような地理
的優位な位置づけにより、年産 5~15 百万トン規模の露天開発による石炭生産が可能である。
将 来 有 望 な ハ ー ド コ ー ル 鉱 床 は 、 Tarasovskoye, Novometelkinskoye, Karantsaiskoye,
Zabituiskoye, Nukutskoye, Ishinskoye, Bozoiskoye である。将来有望なブラウンコール鉱床は、
年産 13 百万トン規模の稼働デザインにより露天開発された Mugunskoye 鉱床である。
Table2.5.Irkutsk Bsain の石炭炭質
銘柄の品位
炭種
Hard
Brown
主要鉱床
Cheremkhov
sky
Azeisky
Mugunsky
daf
r
%
W
d
%
A
daf
V
%
daf
C
%
H
daf
%
N
daf
%
S
d
%
Q
MJ /kg
r
Q
MJ / kg
15
34
46
77
5.6
1.6
1.2
29.9
16.4
25
22
15
17
47
49
72.5
74.5
5.3
5.8
1.5
1.5
0.6
1.2
24.4
24.4
19.2
18.5
Note: W r – total water content;
d
– dry fuel state; daf – dry ash-free state; Q r – low heat value
出典: Quality characteristics of Russia coal production / Information issue of ZAO «Rosinformugol» . – Moscow : 2006. -250
p. (in Russian)
2.4. Donetsky
(Rostov 地域にある)Donetsky 炭田 (Donbass)は、Ukraine にある主要炭田の東部分を占め
る。ここは、最古の炭鉱の一つである。
(Rostov 地域に位置する)Donbass の資源量ベース
は、埋蔵量を含めて 282 億トンと評価されている。
確認埋蔵量(A+B+C1)65 億トン、予想埋蔵量(C2)30 億トンである。
この分類
この分類に
分類に考慮されていない
考慮されていない 38 億トンの
トンの推定(
推定(probable )資源量(??
資源量(??埋蔵量
(??埋蔵量)
埋蔵量)は P1-21 億トン
P2-80 億トン、
トン、P.3-46 億トンである
トンである。???
である。???
深度 1,500m で算出された確認埋蔵量(A+B+C1)は、平均標高 1,300m に相当する。除外
した南-Kamensky ナンバー2の埋蔵量は、
2,300m まで計算された。
資源量ポテンシャルの 52%
16
に達する予想(Forecast)資源量は、深度 1,800m まで評価された。
その深度での東部(Eastern)Donbass の石炭埋蔵量は、全ての種類がある。ブラウンコール
は確認埋蔵量(A+B+C1)総数量のうち①0.4%を占める。ハードコールは②13.2%(3.8%原
料炭を含む)
、無煙炭は③86.4%占める。
2.5. Pechersky
Pechora 炭田は、Arkhangelsk 州の Nenets Autonomous District と Komi 共和国の北部経済地
域にある。対象地域は、100,000Km2。推定資源量は、1,700 億トン以上。石炭は高品位、発熱
量 4,000~7.800 カロリーである。
原料炭は埋蔵量の半分ほどである平均深度は 470m であり、生産は、坑内開発に限定され
る。炭層層厚は、0.7m~1m。総埋蔵量 2/3 と生産のほとんどは、①Intinskoe, ②Vorkuta, ③
Vargashorskoe field である。
生産現場の地質状況-大量に滞水した夾炭層及び永久表土層など、
複合している場合がある。炭田の主要消費地は、ロシア北部ないし北西部である。
2.6. Sakha-Republic(
(Yakutia)
)
Sakha 共和国(Yakutia)は、
巨大と知られ、炭田探査(①South-Yakutia,②Lensky ③Zyryansk)
はあまり進んでいない。主に Sakha (Yakutia)共和国にある 3 炭田①②③の埋蔵量と理論資
源量の総量は、9,230 億トンに達する。探査済の埋蔵量は、確認埋蔵量(A+B+C1)98 億トン、
予想埋蔵量(C2)46 億トンである。
The South-Yakutia (Uzhno-Yakutsky)
The South-Yakutia (Uzhno-Yakutsky)ハードコール炭田は、共和国の主要な資源量ベース(基
幹地域)である。それは、4つの鉱床を含み、特に有用な Zh, KZh 及び К ランクの高品質
の主要埋蔵量がある。これらの鉱床の地質並びに経済的な概算による確認埋蔵量(A+B+C1)
46 億トンである。
現在、Aldan-Chulman(P.69-図 3.7)石炭賦存地域の原料炭 Neryungrinskoye(P.69-図 3.7)鉱
床では、年産 10 百万トン規模の Neryungri(P.69-図 3.7)露天炭鉱で精力的に稼働中である。
Table2.6 には、生産されたハードコールの炭質特徴を示す。Neryungri 露天炭鉱は、直近 15-20
年にその埋蔵量が枯渇する。しかしながら、この石炭賦存地域には、複数の石炭生産会社
の新設により、露天坑に代わりうる十分な埋蔵量がある。
16 億トンの原料炭埋蔵量を有する Elginskoye(年産 15-30 百万トン規模の露天掘鉱の設立可)
は、2013 年以降、原料炭増産が最も有望な鉱床の一つである。
Table2.6.Sakha-Repubulic の石炭炭質
17
銘柄の品位
炭種
主要鉱床
daf
r
W
Neryungrinsk
y
Yakutsky
Hard
Hard
r
Note: W – total water content;
%
d
d
%
A
daf
%
V
daf
%
C
H
daf
%
N
daf
r
Q
MJ /kg
%
Q
MJ / kg
7-15
14-32
17-21
87-91
4.4-5.2
34.1-36.8
24.9
7-15
7.8
14
31
83.8
5.3
35
26.3
7.8
– dry fuel state;
daf –
r
dry ash-free state; Q – low heat value
出典: Quality characteristics of Russia coal production / Information issue of ZAO «Rosinformugol» . – Moscow : 2006.
-250
p. (in Russian)
2.7. Lensky 炭田
Lensky 炭田は、もう一つの共和国の巨大な石炭資源量のベース(基幹地域)である。炭田
は、極東の石炭資源量、全体量 8,680 億トンを牽引する役割を演じる。
しかしながら、その総資源量における埋蔵量の割合は、ごくわずかで確認埋蔵量(A+B+C1)
50 億トンを含んでも 68 億トンにすぎない。
その主要な 35 億トンの埋蔵量は、
露天開発に最適である。
炭田の石炭は、ブラウンコールで B, ハードコールでそれぞれ D ,G にランクされる。生産され
たブラウンコール Kangalassky(P.69-図 3.7)の炭質的特徴は、Table2.7 にしめす。
Lena 炭田は、一般炭と技術転換可能な石炭(テクノロジカルコール)の両方で、Sakha 共和
国(Yakutia の)巨大な資源量ベースであり。特に人工液化燃料製造に適している。しかしながら、
極東における石炭消費地での鉄道連結の欠如により、炭田発展と石炭供給及び輸出構造への貢
献を、大きく阻害することになる。
Table2.7.Lensky Basin の石炭炭質
銘柄の品位
炭種
主要鉱床
Brown
Kangalassky
Note: W r – total water content;
daf
r
W
26.5
d
%
d
%
A
daf
V
13
47.6
%
daf
C
%
70.8
H
daf
5.2
%
Q
MJ /kg
27.8
– dry fuel state; daf – dry ash-free state; Q r – low heat value
出典: Quality characteristics of Russia coal production / Information issue of ZAO «Rosinformugol» . – Moscow : 2006.
-250
p. (in Russian)
2.8. Minusinsky
Minusinsk 炭田は、Khakass 共和国 Yenisey 川両岸にあり、シベリア縦断鉄道(Transsiberian)
に接続する。この炭田では、9つのハードコール鉱床が発見されている。そのうち6鉱床
が、探査済である。2つの鉱床は、4つの石炭生産会社により現在開発中である。石炭は、
坑内と露天で生産されている。生産での水理的状況は、それほど困難ではない。
炭田の探査済の埋蔵量は、確認埋蔵量(A+B+C1)498 億トン、予想埋蔵量(C2) 4 億トン
である。
Chernogorsky 鉱床で生産された石炭は、ランク D と G である。石炭の炭質的特徴は、
18
r
Q
MJ / kg
15.6
Table2.8 に示す。石炭は、粘結性を有す原料炭とエネルギー目的の両方で主に使用されてい
る。
将来最も有望な鉱床は、Beiskoye 鉱床(これらの石炭の炭質的特徴は、Table2.8 に示す)
であり、年産 30 百万トン以上の総生産規模をもつ、複数の露天炭鉱が、新設された。
Table2.8.Minusinsk Basin の石炭炭質
銘柄の品位
炭種
主要鉱床
Hard
Chernogorsk
y
Beisky
r
daf
r
%
W
Note: W – total water content;
d
%
A
14
15.6
9.6
12.3
d
– dry fuel state;
daf –
daf
V
%
daf
%
C
41
78.1
41
79.7
H
daf
%
N
daf
%
S
d
%
Q
MJ /kg
5.3
2.2
0.6
32.2
22.8
5
2.2
0.5
32.3
25.2
r
dry ash-free state; Q – low heat value
出典: Quality characteristics of Russia coal production / Information issue of ZAO «Rosinformugol» . – Moscow : 2006.
-250
p. (in Russian)
2.9. Tungusky
Tungussky 炭田は、ロシアと東シベリアで最大の炭田である。この鉱床は、世界の理論資
源量の総量を、牽引する位置つけである(18,700 億トン)
。この炭田は、東シベリアで北から
南へ、シベリア縦断鉄道(Transsiberian)1,800km 以上に渡り、極東で西から東へ Yenisey 川
から Sakha 共和国 (Yakutia)に 1,200km にわたり広がる。Tunguska 炭田地域の大体 90%にわ
たる範囲は、Krasnoyarsk 地方に属し、炭田の残り部分は、Irkutsk 州と Sakha 共和国 (Yakutia)
位置する。現在まで Tunguska 炭田では、調査と探査が少し進行している。Tunguska 炭田の
主要部分は、工業中心地より少し離れて主に未発達地域あるいは、発達程度の低い地域に
位置する。そのため炭田部は、部分的にしか発達していない。
現在のところ、一般に Tunguska 炭田の北部と南部で、ごく小規模でいくつか稼働する小
さな石炭生産会社がある
炭田の探査済の石炭埋蔵量、確認埋蔵量(A+B+C1)20 億トン、予想埋蔵量(C2) 25 億トン
である。Tunguska 炭田の炭質は、ブラウンコールから無煙炭まで多彩な炭質で特徴づけら
れる。炭田の石炭は、低~中の灰分、低~中の硫黄分、低リン分である。
ブラウンコールのランクは、D から T にわたる。ランク Zh から К の原料炭の資源量につ
いては、炭田(Norilsk area)北部のみで評価された。しかしながら炭田の Yakutian 部分におい
て、予察的な地質学的考察で原料炭の埋蔵がある。
2.10.Podmoskovny
Moscow(モスクワ)炭田-①Leningrad, ②Novgorod, ③Tver, ④Smolensk, ⑤Moscow, ⑥
Kaluga, ⑦Tula,⑧Ryazan region.地域のブラウンコール炭田である。初めて発見された石炭埋
蔵量は、1772 年である。
(200m までの)石炭賦存鉱床の全域、約 120,000 Km2;幅 80-100km
19
r
Q
MJ / kg
のアーチ状バンド。
地質的な埋蔵量は、
118 億トンであり、1973 年当時の確認埋蔵量
(PROVEN)
53 億トンを含んでいる。
1997 年時の探査済埋蔵量は、68 億トンである。これには 39 億トンのバランスシート:
(最小
炭層厚 1.3m 灰分 45%)を含んでいる。
低品位炭(平均灰分 31%、硫黄分 3%、水分 33%、発熱量 11.4-28.2MJ/Kg:2,700~6,700
Kcal)
)と 1980-90 年代の高コスト体質(滞水炭層採掘:WATER-cut layers)により、ほとん
ど全ての会社が閉山した。12 億トン以上の出炭の歴史がある。
2.11. Ulug-Khemsky
Ulug-Khemsky 炭田は、Tyva 共和国の中央部分に位置する。炭田の埋蔵量区分では、確
認埋蔵量(A+B+C1)20 億トン、予想埋蔵量(C2)16 億トンである。探査済の6つのハードコ
ール鉱床がある。
炭田の石炭は、HUMIC(有機物性、腐植土性)
、その炭質的な特徴は、Table2.9 に示す。
現在のところ2つの鉱床は、探査途中である(Kaa-Khemskoye, Chadanskoye)
2つ 以上の鉱 床が、露天開 発による 一般炭生産へ 向け追加 探査が行われ ている 。
Chadanskoye 鉱床のランク G 及び Zh、乾留された(Unoxydized )石炭は、原料炭や人工液
化燃料の生産に適している。しかしながら輸送インフラの欠落が、それらの使用を抑制し
ている;炭田は、最も近い鉄道からも約 500Km 離れて位置している。
Table2.9.Ulug-Khemsky Basin の石炭炭質
銘柄の品位
炭種
Hard
主要炭鉱
daf
r
%
W
Tyvinsky
Coal
Note: W r – total water content;
d
%
A
5
15
d
daf
V
%
46
daf
C
80.5
%
H
daf
%
N
5.9
daf
1.3
%
S
d
%
0.4
Q
MJ / kg
31.65
25.4
– dry fuel state; daf – dry ash-free state; Q r – low heat value
出典: Quality characteristics of Russia coal production / Information issue of ZAO «Rosinformugol» . – Moscow : 2006.
-250
p. (in Russian)
2.12. Zabaikalsky 鉱床
Zabaikalsky 鉱床は、Buryat 共和国と Zabaikalsky 地方の地域を含んでいる。Buryat 共和
国の埋蔵量は、よく探査され評価されている。確認埋蔵量(A+B+C1)22 億トン、予想埋蔵量
(C2)は 4 億トンである。ブラウンコール 63%で大勢を占め、うち 11 億トンは、露天採掘に適
している。
Buryat 共和国のテリトリーの5つの鉱床では、現在探査中である。ブラウンコールの炭質
的特徴は、Table2.10 に示す。
Zabaykalsky 地方の探査済みの埋蔵量は、確認埋蔵量(A+B+C1)総 32 億トン 予想埋蔵量
20
r
Q
MJ /kg
(C2) 1 億トンである。埋蔵量の 83%と大勢占めるブラウンコールは、約 29 億トン(探査済み
埋蔵量 92%②地域)は、露天採掘に適している。
州(Oblast)にある 6 つの鉱床で探査が進んでいる、
3つブラウンコール鉱床:①Kharanorskoye(P.57 図 3.6), ②Tataurovskoye③ Tigninskoye
3つのハードコール鉱床: ①Tugnuisky, ②Ureiskoye ③Zashulanskoye(P.57 Fig 3.6)
近い将来に最も将来性の高い Nikolsk 及び Tugnuisky ハードコール鉱床は、Buryat 共和
国 と Zabaykalsky 地方の境界テリトリーに位置する。現在、石炭は、ここで年産 6 百万トン
規模の Tugnuisky 露天鉱により生産されている。この露天鉱は、直近で年産 8.5 百万トン規模
へ増産する。
現在 Chitinsky ブラウンコールは、ここで採掘され基本的にエネルギー用途に利用される。
その炭質的特徴は、Table2.10 に示す。
Kharanorsky 鉱床の探査済の埋蔵量、確認埋蔵量(A+B+C1)は、7.9 億トンに匹敵し、その
うち 6 億トンは露天採掘に適している。この埋蔵量の主要部(685 百万トン)は、年産 9.5 百万
トン規模を誇る稼働中の露天鉱“Kharanorsky”に集中している。
ハードコール鉱床の中に、将来性の高い鉱床、そのうち巨大な Krasnochikoyskoye 鉱床 並
びに Zashulanskoye 鉱床を十分認識することは重要である。この鉱床の石炭は、D 及び G
にランクされ、低~中の灰分、低硫黄分でありエネルギー燃料利用に適している。
現在、小規模な露天炭鉱により開発中の Zashulanskoye 鉱床は、将来年産 7 百万トン規模の
露天炭鉱の建設が有望である。
Table2.10.Zagaykalsky Deposits の石炭炭質
銘柄の品位
炭種
主要鉱床
Hard
Tugnuisky
Gusinoozersk
y
Chitinsky
Brown
Brown
Note: W r – total water content;
daf
10.4
23
43.5
77
5.4
1.1
0.5
24
16.5
44
75
5.1
1.2
0.6
30
15.8
33
15
42.6
73
4.9
1.2
0.8
28.4
15.5
%
W
d
r
Q
MJ /kg
31.7
r
d
%
A
daf
%
V
daf
C
%
H
daf
%
N
daf
%
S
d
%
– dry fuel state; daf – dry ash-free state; Q r – low heat value
出典: Quality characteristics of Russia coal production / Information issue of ZAO «Rosinformugol» . – Moscow : 2006. -250 p.
(in Russian)
2.13.
.他の炭田と
炭田と鉱床
(上述した?)10 以上ある鉱床では、
(ハバロフスク地方の)よく発達した地域、到達困難な
遠隔地、
ハードコールとブラウンコールを産する。Bureya ハードコール炭田、
特に Urgalskoye
鉱床が最もよく探査が進んでいる。現在、同鉱床は、年産 2.5 百万トン総生産規模もつ炭鉱(坑
内鉱)と露天鉱により開発されている。出炭した炭質の特徴は、Table2.11 に示す。
13 億トンの埋蔵量をもつ Urgalskoye 鉱床は、
年産 5 百万トン規模の炭鉱建設を可能にする。こ
21
Q
MJ / kg
21
こで、
年産 15 百万トン規模に拡張できる新しい石炭生産会社や既存会社の再建を可能にする。
Table 2.11.Khabarovsk Krai Deposits の石炭炭質
銘柄の品位
炭種
d
主要鉱床
Hard
r
W
Urgalsky
r
Note: W – total water content;
8 – 10
d
daf
A
%
– dry fuel state;
daf
V
C
%
%
27 - 33,3
40 - 44,2
daf –
H
daf
daf
r
Q
MJ /kg
%
%
79-80,4
5.9 - 6.2
Q
MJ / kg
32.2-33.1
18.3-25.4
r
dry ash-free state; Q – low heat value
出典: Quality characteristics of Russia coal production / Information issue of ZAO «Rosinformugol» . – Moscow : 2006. -250
p. (in Russian)
Amur 州
Amur 州、ブラウンコール6鉱床とハードコールの1鉱床がある。埋蔵量区分の量は、確認
埋蔵量(A+B+C1)36 億トンである。
現在、ブラウンコール3炭鉱が開発中である:①Raichikhinskoye②Arkharo-Boguchanskoyed
③Yerkovetskoye. Raichikhinskoye 及び Yerkovetskoye 鉱床が、現在最も開発されている一つで
ある。そこでは総 4.7 百万トンの総生産規模を持つ2つの露天炭鉱が開発中である。生産石炭の
炭質的特徴は、Table2.12 に示す。枯渇に近づいている Raichikhinskoye 鉱床の主要埋蔵量の時
期を算定すると残された露天鉱のサービス時間は、3~10 年である。
Yerkovetskoye 鉱床は 1991 年以降開発されてきている。その埋蔵量区分は、11 億トン、露天開
発に適していると評価された。露天炭鉱“Yerkovetsky №1”ここで建設中である。近い将来にこ
こで複数の露天鉱の建設が可能で、うち2つの露天炭鉱では総生産規模年産 8 百万トンに達する
ことができる。Ogodzhinskoye ハードコール鉱床もまた将来大変有望である、その確認埋蔵量
(A+B+C1)総 15 百万トンである。Ogodzhinskoye 鉱床の石炭は、D と SS にランクされ、その炭
質的特徴は、Table2.12 に示す、エネルギー用途に用いられる。
Table 2.12.Amur Oblast Deposits の石炭炭質
銘柄の品位
炭種
Hard
Brown
Brown
d
主要鉱床
r
W
Ogodzhinsky
Raichikhinsk
y
Yerkovestsk
y
Note: W r – total water content;
d
%
daf
A
V
daf
C
H
daf
daf
r
1.8-5.2
Q
MJ /kg
28.1-32.1
Q
MJ / kg
20.6-23.1
63-79
3 - 6,7
21.3-29.5
10-Dec
66,8-70
4,3 - 6
26.6-27.53
8.23-12.6
%
%
%
%
5-Sep
35
Jun-37
81-93
25.1-55.5
Apr-39
31-57
36,3-52
17-28,4
44.3-61.5
– dry fuel state; daf – dry ash-free state; Q r – low heat value
出典: Quality characteristics of Russia coal production / Information issue of ZAO «Rosinformugol» . – Moscow : 2006. -250 p.
(in Russian)
22
Primorsky 地方
資源量ベースでは、以下の地域の埋蔵量を含んでいる。すなわち①Partizansk 炭田、
Razdolnensk ハードコール炭田、南部の複数ハードコール鉱床、さまざまなブラウンコール
鉱床などである。
Primorsky 地方の埋蔵量区分で、確認埋蔵量(A+B+C1)25 億トン、予想埋蔵量(C2)15 億
トンである。総埋蔵量での分類によりブラウンコールは 92%と大勢を占め、ハードコールの
占める割合は、わずか 8%である。ハードコールは、D ~ Т に分類される。ブラウンコー
ルでは、1B~3B が大勢を占め、生産石炭の炭質的特徴は、Table2.13 に示す。
開発中や将来的な炭田鉱床は、州内に埋蔵量が相当量あるにも関わらず、生産には高い
生産技術や膨大な支出が必要なため、困難な採掘条件として特徴づけられる。
Table2.13.Primorsky Deposit の石炭炭質
銘柄の品位
炭種
d
主要鉱床
Hard
Brown
r
W
Primorsky
Primorsky
%
3.6-5.4
18-44
Note: W r – total water content;
d
daf
A
daf
V
C
H
daf
daf
Q
MJ /kg
%
%
%
%
5 - 38,3
17-34
Apr-33
48-55
76-88,5
67-70,5
4 - 5,9
5.5-5.9
30.3-33.5
25.3-27.5
r
Q
MJ / kg
16.5-24.9
9.8-12.8
– dry fuel state; daf – dry ash-free state; Q r – low heat value
出典: Quality characteristics of Russia coal production / Information issue of ZAO «Rosinformugol» . – Moscow : 2006.
-250
p. (in Russian)
Sakhalin 州
ここで 67 鉱床と将来的に有望な石炭賦存地域が探査されている。総埋蔵量は、確認埋蔵量
(A+B+C1)19 億トンを含み、25 億トンである。
111 百万トンの商用埋蔵量を持つ Solntsevskoye ブラウンコール鉱床は、巨大な鉱床と位置付け
られ、効果的技術は、低コストの生産を促すことになる。年産 0.5 百万トン規模のデザインの露
天鉱及び年産 1.5 百万トン規模のデザインの坑内鉱が、この鉱床をベースに新設され、併せて既
存露天鉱は、年産 3.0 百万トン規模で再建された。
Table 2.14.Sakhalin Deposits の石炭炭質
銘柄の品位
炭種
Hard
Brown
主要鉱床
Sakhalinsky
Sakhalinsky
Note: W r – total water content;
d
W
r
A
d
daf
%
%
%
%
%
6-Nov
17.4
15-29
12.7-18.7
30-49
48.9
76-86
66.5-73.4
5.7-6.1
4.7-6.0
V
daf
C
H
daf
daf
Q
MJ /kg
28-34,9
25.2-31.2
r
Q
MJ / kg
19.5-26.8
19.8
– dry fuel state; daf – dry ash-free state; Q r – low heat value
出典: Quality characteristics of Russia coal production / Information issue of ZAO «Rosinformugol» . – Moscow : 2006. -250
p. (in Russian)
23
Magadan 州(Fig.3.13)と Chukotka(Fig.3.14)で、さまざまな鉱床が発見され、それらが組
み合わさり巨大な石炭賦存地域を形成する埋蔵量区分での割合は、20 億トンに過ぎない。そのう
ち基幹部分は、開発中の5つの鉱床に集中している。
総埋蔵量の区分で、ブラウンコールが 66%と大勢を占め、ハードコールの割合は、34%であ
る。ブラウンコールはランク B、ハードコールはランク D, G, Т,無煙炭もある。生産された石炭
の炭質的特徴は、Table2.15 に示す。
確認埋蔵量(A+B+C1)は、Magadan 州及び Chukotka の稼働中の石炭生産会社で、地質及び
経済的評価の結果より、8 億トンである。
Table 2.15.Magadan Oblast Deposits の石炭炭質
銘柄の品位
炭種
Hard
Brown
主要鉱床
Magadansky
Magadansky
Note: W r – total water content;
d
W
r
A
d
daf
%
%
%
%
%
13-19,3
50-52
12.5 - 16.4
18-36
38.3-40.6
74.7-79.9
4.8-5.2
V
daf
C
H
daf
daf
Q
MJ /kg
29.1-32.7
24.4-25.2
r
Q
MJ / kg
18,3 - 35
8.2 - 8.6
– dry fuel state; daf – dry ash-free state; Q r – low heat value
出典: Quality characteristics of Russia coal production / Information issue of ZAO «Rosinformugol» . – Moscow : 2006.
-250
p. (in Russian)
Кamchatka 州
Kamchatka 半島において 11 鉱床と約 300 箇所の石炭が発見されている。
埋蔵量区分では、
確認埋蔵量(A+B+C1+C2)で総量 3 億トン、これらの埋蔵量は、露天開発に適している。そ
のうち主要な 95%は、Krutogorovskoye 鉱床(Fig.3.12)にあり、露天炭鉱の建設の準備に供
される。
現在 Kamchatka 地方で石炭は、2つの小規模な既存露天鉱より産出される。
24