各地クラブの例会に出席しました アップルトンの小学校で日本について話をしました。 4/11 湖の町ミノクアにてお抹茶にトライする子供 4/24 湖の町ミノクアで見た白い鹿 4/24 6220地区派遣グループのリーダー Roy Valichka 氏 2010−2011年度 Group Study Exchange(GSE)派遣編 目 次 GSEプログラム前半を終えて 2010−’ 11年度 RI第2710地区 ガバナー 前田 茂 …………………… 2 GSEの達成おめでとう! 地区財団カウンセラー 川妻 二郎 …………………………………………………… 3 2010-11年度GSE(日本から米国へ編) D−2710R財団委員長 小田 大治 国際ロータリー 第2710地区 派遣メンバー …………………………… 4 ……………………………………………………………………… 5 事前研修 ………………………………………………………………………………………………………………… 6 滞在スケジュール ……………………………………………………………………………………………………… 7 受入先 第6220地区概要 …………………………………………………………………………………………… 9 訪問都市概要 ①Appleton(アップルトン) ……………………………………………………………………………………… 10 ②Sturgeon Bay(スタージョンベイ)…………………………………………………………………………… 11 ③Menominee(メノミニー), Marinette(マリネット)……………………………………………………… 12 ④Marquette(マーケット) ……………………………………………………………………………………… 13 ⑤Minocqua(ミノクワ)…………………………………………………………………………………………… 14 ⑥Antigo(アンティゴ) …………………………………………………………………………………………… 15 ⑦Wausau(ワウサウ) …………………………………………………………………………………………… 16 ⑧Green Bay(グリーンベイ) …………………………………………………………………………………… 17 ⑨Waupaca(ワウパカ) …………………………………………………………………………………………… 18 訪問したロータリークラブ …………………………………………………………………………………………… 19 職業研修報告 山下江法律事務所 山口 亜由美 ………………………………………………………………………………… 20 三次市役所 中垣 健一 …………………………………………………………………………………………… 22 株式会社サンエー 高田 浩二 …………………………………………………………………………………… 26 株式会社広島三次ワイナリー 花本 直明 ……………………………………………………………………… 28 2010−2011 RI2710地区 GSE派遣プログラムを終えて GSE委員長/チームリーダー 小根森 直子 …………………………………………………………………… 30 受入先(国際ロータリー 第6220地区)コーディネーター ……………………………………………………… 35 GSEプログラム前半を終えて 2010−’ 11年度 RI第2710地区 ガバナー 前 田 茂 2010−’ 11年度の研究グループ交換チームを派遣するための申請書は、2009年10月1日がロータ リー財団への提出締切日となっていました。そして2009年4月の会合で管理委員会は2010−’ 11 プログラム年度より両方の地区が国際財団活動資金を利用する交換については、同プログラム年 度内に両チームが交換を行うことができないという決定がなされました。従って2010−’ 11プロ グラム年度に一方の地区がチーム派遣した場合、もう一方の地区は2011−’ 12年度にチームを派 遣するという形になります。年度内にGSE交換プログラムに参加したいと考える地区は、国際 財団活動資金を用いるほかの地区と2年間にわたって交換を行うか、DDFを配分して年度内に 交換を行うか選択する必要がありました。 我地区としてはDDFに頼って年度内に両方の交換は無理があると考え、2年間の交換を選択 し、GSEコーディネーターのアニータ・ダニエル氏にこのことを伝え、組み合わせを依頼しま した。この結果、2010−’ 11年度のGSE組み合わせが第2710地区と第6220地区に決定したことを、 研究グループ交換部マネージャー、ロレーナ・スティーブンソン氏より受けて確認書の取り交わ しをしました。そして2009年12月30日付けでRI第6220地区ガバナーエレクト、スチーブン・セ ルベック氏へ手紙で挨拶をしました。 年が明けて2010年1月20日、21日の2日間、国際協議会で隣席となり、コミュニケーションを とるようセッティングがなされておりました。この時から地区相互の親交を深めて、以降派遣地 区との連絡調整、日程調整、派遣チーム募集と選考、選考後のチームオリエンテーション等、緻 密なスケジュールが実行されていきました。 国際ロータリーのロータリー財団研究グループ交換(GSE)プログラムは、事業と専門職務経 験の浅い25歳から40歳の男女に文化と職業交流のまたとない機会を提供するものであります。今 回アメリカRI第6220地区は、ウィスコンシン州とミシガン州の一部の地区では、こうした交流 事業に積極的に取り組んでいる地区であると聞いています。我々第2710地区がまず4月に訪問を して今年度前半が終了したことになり、新年度の10月に第6220地区の派遣メンバーを受け入れる ことになります。 準備の為のオリエンテーションを5回も繰りかえしてプレゼンテーションの練習があり、その 上ロータリー財団GSE壮行会も盛会に開催し、成果と無事帰国を祈願したものでありました。 派遣メンバーはリーダーの小根森直子氏をはじめ、5名中4名が三次、1名が広島市と地域が偏 った選考となりましたが、全員出発前から意気投合して結束していました。アメリカで1カ月の 研修を終えた成果は、普通では体験できない一生の宝となったことと思います。 また、訪問先のクラブから東日本大震災の義捐金も託されており、この機会が大変有意義で意 思疎通がよりよく果された結果であると感じております。この10月にはアメリカからの巡遣団を 受け入れるわけですので、今以上もてなしの心で迎えることが大切であると考えます。関係者の 皆様大変ご苦労様でございました。 −2− GSEの達成おめでとう! 地区財団カウンセラー 川 妻 二 郎 1986−87年第2710地区の松尾ガバナーは、ロータリー財団のプログラムの中で、GSEが参加 者にとって最も意義深いプログラムであるとよく云われていたのを思い出す。 テキサス州サンアントニオに5人のメンバーを連れてのチームリーダーは松尾さん自身であっ た。何度目かのホームステイ先の婦人から広島の女性が書いた“My Mother Died in Hiroshima”と いう英文の小冊子を渡され、帰国後筆者を探し、了解を取り付けて日本語に翻訳し、自費出版に こぎつける。こんなエピソードもあったのだから、松尾さんにとっては尚更のGSEであったに 違いない。 昨年から始まった小根森チームのオリエンテーションでは、松尾さんの話も交えながら、また 3月の壮行会では「羽をひろげて楽しんできてほしい」と激励し、無事を祈った。 途中送られてきた葉書の写真では自信に満ちた笑顔いっぱいで、これは大丈夫と安心した。そ の中身がこの報告書に綴られている。みんな成長した。おめでとう。 そんな位置づけのGSEは40年を超えるプログラムだが、財団改革に伴って2013年からはVT T(職業研修チーム)に衣替えする。ただしかなり専門性の強いプログラムになるようだ。 何はともあれ、10月にはアメリカ側のチームを温かく迎えて往復のGSEの完成を期待してい ます。 −3− 2010−11年度GSE(日本から米国へ編) D−2710R財団委員長 小 田 大 治 2010年9月組織を少し変更し、面接選考会。俄に動き始めた感がありました。それまではなり を潜めていたというか、進展が見られなかったプログラムでした。 以来、急激に検討を重ねて準備に入り、メンバーのオリエンテーションを実行しました。25歳 から40歳までの優秀な人材をクラブから推薦を頂き、未熟な私達が選考することが一番苦痛を感 じました。しかも、リーダーは女性でクリニックの事務長、兼妻、兼母。更には、フラワーアレ ンジメントという仕事をこなされた、所謂スーパーレディーであります。 広島での会議もさることながら、メンバーの関係から交通の不便な三次に集まって頂きました。 次年度GSE担当の河村委員長も必ず宿泊をして頂き、打合せを行いました。川妻カウンセラー からもGSEが最も素晴らしいプログラムだと聞かされておりましたし、自分自身そう感じまし た。 幕末の頃から日本は外国に学び、素晴らしい成果を上げてきております。しかも、ホテルに宿 泊するのではなく、必ずホームステイすること。現地の家族と話をすること、これが一番素晴ら しいことだと思います。派遣を承認して頂きました各事業所においても、現役のスタッフを一カ 月間国外に派遣させるわけですから、それなりの負担が生じますので、このプログラムは本当に 大掛かりなプログラムであります。本来ならば受け入れプログラムを同じ年度で実施する訳です から、想像しただけで大変と思われます。現地に同行し、ロータリアンとして、また、地区を代 表して、いや日本を代表しての訪問は、かなりなプレッシャーが掛かったと想像出来ます。 先日、US空軍士官学校(コロラドスプリングス)から候補生が3週間のプログラムで我が家に ホームステイしました。指導者を除き、男性2名女性3名で三次のエリアに来たわけです。彼ら は、泥の水の中で匍匐前進訓練をし、学力はハーバード大学並み。しかも芸術や音楽に堪能(現 に我が家でピアノ演奏)。午前中は市内の三次高校と県立大学で学び、午後は歴史的なことや民 族的なことと、あらゆる分野に出掛け三次を研究しました。ペリーが浦賀にやって来て以来の出 来事だと思いました。また、三次高校の生徒たちにとっても素晴らしい刺激に成ったはずです。 特に英語の先生には、十分すぎるぐらい刺激になったかもしれません。 日本の若者が、どんどん海外に出向き自らが勉学に励む。そうあって欲しいものです。 −4− 国際ロータリー 第2710地区 派遣メンバー Team KONEMORI チームリーダー 小根森 直子(Leader) 所属クラブ:三次中央RC 勤 務 先:小根森医院 事務長 フラワーデザイナー チームメンバー 山口 亜由美(AYU) 高田 浩二(TAKA) スポンサークラブ:広島北RC 勤 務 先:山下江法律事務所 経営企画部長・弁護士秘書 スポンサークラブ:三次中央RC 勤 務 先:株式会社サンエー 第三事業部 ユニット製造部 購買課 中垣 健一(KEN) 花本 直明(HANA) スポンサークラブ:三次中央RC 勤 務 先:三次市役所 地域振興部 地域振興課 ひとづくり係 主任主事 スポンサークラブ:三次中央RC 勤 務 先:株式会社広島三次ワイナリー 製造課 ワインメーカー −5− 事前研修 チームメンバーは出発前に、12時間の研修を義務付けられています。チームメンバーは、この オリエンテーションを通じて、ロータリーに関する基本知識を身に着け、1か月ともに行動する ためのチーム作りと英語でのプレゼンテーションの準備を行っていきました。 回 第1回 日 時 2010年 11月13日(土) 13:00∼16:30 第2回 第3回 2011年 1月22日(土) 2011年 2月19日(土) 10:00∼16:00 第5回 2011年 3月5日(土) 16:00∼17:30 第6回 第7回 地区事務局 会議室 2010年 12月25日(土) 広島三次ワイナリー 会議室 13:00∼18:00 10:00∼15:00 第4回 場 所 2011年 3月21日(月祝) 10:00∼16:00 2011年 3月29日(火) 15:00∼18:00 地区事務局 会議室 小田大治 財団委員長宅 ホテル グランヴィア 広島 ホテル グランヴィア 広島 小根森医院 会議室 内 容 参加者 ・川妻パストガバナー講話 ・小田大治財団委員長講話 ・連絡事項及び諸注意/地区事務局 岡崎 ①今後の予定 ②提出物について ③その他 名刺作成、ブレザーの採寸、健診 ・討議 ①リーダーおよびメンバーの所感 ②GSEの手引きから重要事項の確認 ③役割分担および今後の計画 川妻 二郎 小田 大治 小根森直子 河村敬一郎 ・連絡事項及び諸注意 ・研修 ①英文による自己紹介 ②ゲーム 大切な物 ③ミシガン・ウイスコンシンに関する研究発表 ・自分の役割分担に関連して今後の方針を発表 連絡係:高田、プレゼンDVD係:中垣、 おみやげ係:花本、リーダー補佐&記録係:山口 小田 大治 小根森直子 河村敬一郎 ・連絡事項及び諸注意 ・制服採寸 ・研修 ①英文による自己紹介 ②ゲーム 私の仕事(ひとり5分程度+コメント) ・各メンバーが自分の役割分担に関連して現況を発表 小田 大治 小根森直子 河村敬一郎 ・田中健志前GSE委員長を囲んで…体験談と質問 ・研修 ①∼道のつく日本の伝統文化について(英語) 小根森:華道、山口:神道、中垣:書道、 高田:茶道、花本:武道 ②自分の周りにあるエコ、 地球環境についてスピーチ(英語) ・プレゼンの英文担当の割当 基本情報:中垣、産業:高田、文化:山口、食べ物:花本 ・壮行会 ・プレゼンの実践 ・質疑応答 ・研修 ①訪問先での質問(英語) ②アメリカ国歌を歌ってみる ③お土産に関する説明(英語) 持統天皇:小根森 和泉式部:山口 小野小町:中垣 紫 式 部:高田 清少納言:花本 神 楽:山口 幸 紙:高田 宮 島:花本 ④プレゼンテーションの修正 ⑤壮行会でご指摘いただいた件についての調査報告 ・日誌のフォーマットの確認 ・研修 ①アメリカ合衆国国歌の練習(講師:三待美早穂) ②プレゼンテーション仕上げ ・確認事項 ①訪問先の希望の確認 小根森が先方コーディネーターにメール ②GSE報告書について 過去の報告書を参照して、必要な内容を確認 …職場研修に関する報告は各自1ページ程度 …滞在先の文化や生活について座談会形式あり …パンフレットを翻訳している可能性あり ③お土産: …ホームステイ先のお土産は各自で補充 …職場訪問先用にハンカチ50枚を追加注文 …三次RCのバッチを手配 ④現地携帯 …中垣が手配、小根森が申込(+支払) ⑤集合方法 …三次からタクシー、山口は8時に空港で合流 −6− 山口亜由美 中垣 健一 高田 浩二 花本 直明 山口亜由美 中垣 健一 高田 浩二 花本 直明 山口亜由美 中垣 健一 高田 浩二 花本 直明 小田 大治 小根森直子 河村敬一郎 山口亜由美 中垣 健一 高田 浩二 花本 直明 R財団関係者 GSE関係者 推薦クラブ会長 推薦者事業主 小田 大治 小根森直子 河村敬一郎 山口亜由美 中垣 健一 高田 浩二 花本 直明 小根森直子 山口亜由美 中垣 健一 高田 浩二 花本 直明 2010−2011年度 第6220地区GSEスケジュール (アメリカ合衆国ウィスコンシン州とミシガン州北部) ※4月9日・5月7日∼9日以外はロータリークラブ会員宅にホームステイ 広島空港9:00発(JAL1602便), 成田空港15:05発(DLT276便, 所要時間13時間) 4月 9日 (土) 三次市7:00発(タクシー), 19:49乗り継ぎ, ウィスコンシン州グリーンベイ(Green Bay)空港20:12着, 市内ホテル泊 4月 9日 (土) デトロイト空港13:55着, ホームステイ 4月10日 (日) 11:00 アップルトン(Appleton)市へ移動, 4月11日 (月) 職場・地域訪問(個人の訪問希望先) 正午にロータリークラブ(以下, RC)例会出席, 職場・地域訪問 4月12日 (火) ホストファミリーとのふれ合い, 4月13日 (水) 職場・地域訪問(個人の訪問希望先) 4月14日 (木) 7:15 ロータリークラブでの朝食後に例会出席, 12:00 RC例会出席ためウィスコンシン州スタージョンベイ(Sturgeon Bay)市へ移動, 夕食はRC地区例会で スタージョンベイ市の観光, 委員会関係者と夕食 4月15日 (金) RC委員会出席, 委員会関係者との夕食まで休憩 4月16日 (土) 午前中 RC地区例会に出席(GSEメンバー紹介), ウィスコンシン州マリネット(Marinette)市・ミシガン州メノミニー(Menominee)市へ移動 4月17日 (日) RC例会出席後, 4月18日 (月) マリネット市・メノミニー市観光 職場訪問(個人の訪問希望先), 12:00 RC例会出席, 午後からミシガン州マーケット(Marquette)市に移動 4月19日 (火) 買物, 職場・地域訪問(個人の訪問希望先) , マーケット市の観光, 先進医療施設見学 4月20日 (水) 12:00 RC例会出席, 職場・地域訪問(個人の訪問希望先), 鉱山見学, 4月21日 (木) 7:00 RC例会出席, スキーホール見学, 北ミシガン大学見学 4月22日 (金) 職場・地域訪問(個人の訪問希望先) ミノクワ湖の観光, 夕食(Lake of the Torches Casino) 4月23日 (土) ウィスコンシン州ミノクワ(Minocqua)市へ移動, 4月24日 (日) 終日休暇 スノーモービルホール見学, 天然資源センター見学, 養魚研究所見学, 4月25日 (月) アメリカ原住民資料館見学, RC合同例会出席および食事 4月26日 (火) ウィスコンシン州アンティゴ(Antigo)市へ移動 4月27日 (水) アンティゴ市の観光 買物など個人的な時間 4月28日 (木) ウィスコンシン州ワウサウ(Wausau)市へ移動, チーズ工場見学, 病院見学, 午後はホストファミリーと食事 4月29日 (金) 農場見学, Ribマウンテンタワー見学, 個人的な時間, 午後はホストファミリーと食事 4月30日 (土) Leigh Yawkey美術館見学, 5月1日 (日) ウィスコンシン州グリーンベイ(Green Bay)市へ移動 5月2日 (月) 12:00 RC例会出席, パッカースタジアム見学, グリーンベイRCと夕食 5月3日 (火) 午前中, 西RC例会出席, スクミット市長表敬訪問, 野生動物保護地域見学, RCホストファミリーの家で日本式交流 5月4日 (水) Packerland Sunriseクラブ例会出席, ウィスコンシン州ワウパカ(Waupaca)市へ移動 5月5日 (木) Mardsen劇場見学, 指揮官居留地で喫茶, 湖を見学 5月6日 (金) ワウパカ市役所見学, ワウパカ市を見学(人口統計・経済・市政・教育など), ウィスコンシン州マディソン(Madison)市(州都)見学, マディソン大学見学, ワウパカ鋳造場見学 5月7日 (土) ウィスコンシン州グリーンベイ(Green Bay)市へ移動, 市内ホテル泊 5月8日 (日) グリーンベイ空港10:15出発(DLT3244便), デトロイト空港15:25出発 (DLT275便, 日付変更線通過, 所要時間13時間) 5月9日 (月) 成田空港17:30着, 東京都内ホテル宿泊 5月10日 (火) 羽田空港9:40発(JAL1605便), 広島空港11:10着, 三次市13:30着(タクシー) アメリカ国内滞在期間および滞在地 4月9日 ウィスコンシン州グリーンベイ市 4月10日 ∼ 4月14日 ウィスコンシン州アップルトン市 4月14日 ∼ 4月17日 ウィスコンシン州スタージョンベイ市 4月17日 ∼ 4月19日 ミシガン州マリネット市 4月19日 ∼ 4月22日 ミシガン州マーケット市 4月23日 ∼ 4月26日 ウィスコンシン州ミノクワ市 4月26日 ∼ 4月28日 ウィスコンシン州アンティゴ市 4月28日 ∼ 5月1日 ウィスコンシン州ワウサウ市 5月1日 ∼ 5月4日 ウィスコンシン州グリーンベイ市 5月4日 ∼ 5月7日 ウィスコンシン州ワウパカ市 5月7日 ∼ 5月8日 ウィスコンシン州グリーンベイ市 −7− 2010−2011『ガバナー月信』2011年4月号 VOL.10に掲載 −8− 受入先 第6220地区概要 受入先の国際ロータリー第6220地区は、アメリカのミシガン州とウィスコンシン州からなり、 おおよそ日本の北陸以北、北海道までと同じ緯度に位置しています。42のロータリークラブを有 し、2,200人のロータリアンがいます。主要産業は、ミシガン州は自動車産業、ウィスコンシン州 は製造業、農業(特に乳牛の牧畜が有名)です。インディアン由来の都市名も多くありました。 訪問都市概要 訪問した都市は9都市。3、4日に1回、移動していたことになります。 各都市を訪問順に一筆書きでつなぐと、直線距離にして約1,000Kmになりました。 ウィスコンシン州 ノースダコタ モンタナ ワシントン ミシガン州 ミネソタ サウスダコタ オレゴン アイダホ ワイオミング アイオア ネブラスカ イリノイ ネバダ ユタ コロラド カンザス ミズーリ カリフォルニア アリゾナ オハイオ イン ディアナ オクラホマ アーカンソー ニュー メキシコ ウェスト バージニア ケンタッキー テネシー ミシシッピ ジョージア アラバマ テキサス ルイジアナ 国際大会開催地 フロリダ 4 滞在場所(滞在期間) ① Appleton : 4/10∼4/14 5 ② Sturgeon Bay : 4/14∼4/17 ③ Marinette / Menominee : 4/17∼4/19 6 ④ Marquette : 4/19∼4/23 3 ⑤ Minocqua : 4/23∼4/26 7 2 ⑥ Antigo : 4/26∼4/28 8 9 ⑦ Wausau : 4/28∼5/1 ⑧ Green Bay : 5/1∼5/4 1 ⑨ Waupaca : 5/4∼5/7 −9− ① Appleton(アップルトン) 東京より空路約15時間、ミシガン州デトロイトを経由し、ウィスコンシン州Green Bayに入りま した。空港では、夜遅くにも関わらず多くの皆さんの盛大な歓迎を受けアメリカでの初日を迎え ることになりました。 Appletonは、フォックスリバー沿いにある、人口約7万人の町。人々は皆、フレンドリーで、 今回の研修で初めてのプレゼンを控えてナイーブになっていた私たちにとっては、ゆったりと、 のんびり過せるとても素晴らしい街並みでした。 が、しかし、Appletonへの到着の夜、ホストやロータリアンの皆さんとのWelcome Partyも終盤に 差し掛かったとき、問題が発生しました。ん?何か音がする...火事かな?・・・そのサイレ ンは、なんと生まれて初めての竜巻警報でした。その場から、ホスト宅へ即帰宅し、テレビ、ラ ジオを見、懐中電灯を片手に待機、メンバーの中にはシェルターに非難した人も...。結局、 深刻な被害は少なかったものの、街路樹の枝葉は折れ、場所によっては大きな被害も出ていた模 様です。日本では、まず経験することが無いことを、わずか2日目に体験...してしまいました。 Appletonでも多くの企業を訪問し、メンバーで、個人で研修を受けてまいりましたが、中でも、 学校の設備の充実ぶりには、驚きました。我々が訪問したのは、Lawrence University (LU)、Fox Valley Technical College (FVTC) です。LUは、1847年に設立された音楽、理系を中心とした私立大 学です。現在約1,400人の生徒が在籍し多くのプログラムを受講しています。音楽全般、環境、演 劇、考古学など。FVTCは、技術的な専門学校ではあるが、とても多くの学科を持っており、 私が見学した製造技術科においては、最新の設備から旧式の設備まで取り揃えており、一通りの 操作方法を習得できる。また、高校生の参加も認められており、卒業生の多くは、即戦力として 活躍しているそうです。しかしながら、あまりにも専門的な内容であったため、私も理解できな いことがたくさんあったのが悔やまれます。 どちらの学校も、広大な土地に建てられており、施設、設備も日本の大手の大学とは同等かそ れ以上であり、専門的な知識を得ることのできる最高の環境ではないかと感じました。 Appleton滞在最終日の早朝、我々の初 めての経験、Breakfast Meetingに参加いた しました。なんと朝7時から朝食を食べ、 その後例会がスタート。時差ぼけの残る 私にとっては、プレゼン中もなかなか声 がでず、ほろ苦の例会デビューとなりま した。 右も左もわからない我々では有りましたが、Appletonロータリーの皆さんの優しさとおおらか さに包まれ、楽しく時を過す事ができました。有難うございました。 (高田) −10− ② Sturgeon Bay(スタージョンベイ) ウィスコンシン州北東部、ミシガン湖に突き出しているように見えるドア半島内に位置してい るのが、人口約9,000人の小さな町スタージョンベイである。4月とは思えないくらいの温度の低 さと風の冷たさでとても寒かった。ただ、この町は夏季にはとても過ごしやすい気候なため、避 暑地としてホテル、別荘はもちろん、ヨットハーバーも多数あり、人口も二倍近くになるらしい。 サクランボとリンゴの栽培が盛んで果樹園も見受けられた。 4月15、16日は、第6220地区の日本のロータリークラブでいう地区大会が行われた。私たちG SEメンバーは16日の10時半から1時間という長い時間を取って頂き、第2710地区の紹介を中心 に英語でプレゼンテーションを行った。同時に、東日本大震災についても写真を交えて説明を行 った。私たちは地区大会といえば、昨年10月10日に三次市の広島県立みよし公園で開催された、 第2710地区の地区大会をイメージしていた。広い会場に地区内のロータリアンの方々が大勢来ら れ、とても盛大に開催され、私たちメンバーもステージに立ち紹介して頂いた。そのイメージが 強く、1時間もあれだけの大勢のロータリアンの方々の前でプレゼンテーションを行うというこ とを想像していた私たちにとっては、かなりの緊張感があった。しかし、その想像とは全く違う 結果となってしまったのである。 当日、私たちは会場に集まった。会場はリゾートホテル内であり、覗いてみると、例会が行わ れるのではないかと勘違いしてしまうような会場でした。同じロータリークラブでも国が違うと ここまで違ってしまうのかと思ってしまうくらいでした。出席者は100名前後で、服装もノーネ クタイの方も多数いらっしゃり、スティーヴン・セルヴィックガバナーもノーネクタイでした。 どちらかというと、アットホームな地区大会の雰囲気でした。 私たちのプレゼンテーションですが、メンバー全員緊張していた のですが、ロータリアンの方々がみな真剣に聞いてくださり、私た ちのアメリカンジョークにもしっかりとリアクションして頂き、メ ンバー全員上手く説明することができた。また、東日本大震災に関 しては、ガバナーをはじめ、涙を流してまで聞いてくださり、また 1万ドルの義援金も頂きました。さらにはメンバー全員にそれぞれ プレゼントまで用意して頂きました。 今年の10月には第6220地区のGSEメンバーが来られるので、感 謝の意味も込めてしっかりと交流できたらと考えています。 (花本) 地区大会のプレゼン終了後にメンバーとガバナー −11− ③ Menominee(メノミニー), Marinette(マリネット) メノミニーは、ミシガン州メノミニー郡の郡庁所在地で、アッパー半島で4番目に大きい都市 です。面積2,140平方キロメートルで人口は約2万5千人です。 この地域のネイティブアメリカンの部族「メノミニー」という名前から由来します。この地域 は、もともとメノミニーインディアン部族の拠点でした。彼らは、ウィスコンシン州ではフォッ クス川に沿って生活していました。 メノミニーは、木材の町として有名になりました。全盛期のメノミニーではアメリカでは他の どの都市よりも多くの木材を生産しました。この直後、メノミニーオペラハウスが復元されてい ます。ウィスコンシン州東部の海岸線を繋ぐ交通の要所であるため、総工費約32億円(自治体の 年間予算額は約3億2千万円)を投じて大規模な道路拡張工事が急ピッチで進んでいました。 ウィスコンシン州マリネット郡は、人口約4万3千人で面積は2,480平方キロメートルです。ミ シガン州とウィスコンシン州の境にあるマリネット郡は、ミシガン州メノミニー郡と隣接してお り、両郡には時差が1時間存在します。また、郡内に14箇所の滝が点在し、滝めぐりツアーが開 催されるなど自然が豊富なことから「Outdoor Paradise (アウトドアの楽園)」と呼ばれるほどアウ トドアを年間をとおして楽しめる公園などが多数あります。 NWTC(ノースウェストウィスコンシンテクニカルカレッジ) グリーンベイ、ウィスコンシンに位置する、公立の専門学校です。 毎年、約4万2,000人の入学 者がいます。学校には、構造、工事、ビジネス、健康科学、情報技術、教育プログラムがありま す。ウィスコンシン州内にグリーンベイキャンパス、マリネットキャンパス、およびスタージョ ンベイキャンパスがあります。この学校の卒業生の就職率は非常に高く、様々な分野で即戦力と して活躍しているそうです。 The D.A.R. Boys & Girls Club ボーイズアンドガールズクラブとは全米に広がっている学童保育の場の1つです。子どもの個 性を伸ばし、リーダーシップを高め、身体的健康と全ての少年少女の自尊心を高めるため、社交 的で教育的なレクレーショナルなプログラムが提供されます。 負担金は、子ども1人につき入所費20ドル。月額80ドル、または日額10ドルだそうです。 子どもアマチュアラジオ局 約15人の若者が関係している非常にユニークなアマチュアラジオ 局です。子どもラジオ放送局は、米国(カナダ)や、世界の多くの 領域で認可されました。地理などについての学習、彼らが話す人々 と地域についての面白い話題、基本的なコミュニケーション技術と ラジオの基礎が習得できます。 子ども達が楽しそうに交信している様子が印象的でした。(中垣) −12− 子どもラジオ放送局スタジオ ④ Marquette(マーケット) 今回9カ所の滞在先の中で、唯一ミシガン州にあるMarquetteは、人口2万1千人、面積50hの 北ミシガン最大の町。今年は異常気象で特に寒いという話は行く先々で聞かされたが、ここ Marquetteでは4月も中旬に関わらず雪が降っていた。Marquetteは、滋賀県東近江市と姉妹都市で 図書館には東近江に関する展示物のほか、日本に関する書物も多く、町の人たちは日本について よく知っていた。 Marquetteには、北ミシガン最大の町にふさわしくスケールの大きな施設が多くあった。人口 120万人、面積900hの広島に比べると決して「大きい」とは思えない町だが、私の今回の研修を 通じてのアメリカの印象「土地があるってスゴイ!」というのは、この町で決定づけられた。 Northern Michigan Universityは、北ミシガン最大の大学で、180専攻 に9,400人の学生がおり、その80%が大学院に進学する。ここにある Superior Domeは1991年に建設された直径163mの世界最大の木造ドー ムで、オリンピックトレーニングセンターとしてアスリートの教育 も行われている。大学内の博物館では潤沢な森林とその気候から北 欧からの移民者が多い町の歴史を知ることができた。 Superior Dome 大学地区に隣接してあるMarquette General Hospitalには、200人超の医師、2,400人のスタッフが働 いており、年間12,000人の入院患者、350,000人の外来患者がある。その向かいには、Pioneer Surgicalというインプラントなどの医療器具を生産する会社もあった。医療関連とはいえ、製造業 (工場)が総合病院に隣接しているのを大変面白く思った。 CLIFFSは鉄鉱を採掘して、鉄の含有率を採掘時の35%から65%にまで高めたパレットを販売する、 従業員80,000人の会社だ。一軒家ほどに大きな240t積、360t積のトラックが24時間365日、深さ 360mにまで掘り下げられた巨大な穴から鉄を掘り出している。 「資源がある」というのはこうい うことか、と思い知らされた。 大きな大学のある町らしく、裁判所、教会、市役所は大学の歴史の教授が案内してくれた。他 の町では、こういった場所は職業研修の一環として業務の話を聞くことが殆どだったので、特に 印象に残るものだった。ただ、見学に次ぐ見学にメンバーはかなりへばり気味だったが・・・。 Children Museumは、子どもが料理したり新聞を作ったりできる施 設で、売店では子どもが作った石けんなどが販売されていた。幼い ころからビジネス感覚を養っているのがよくわかった。 Marine Time Museumではアメリカの海難救助の歴史を学んだ。 (山口) Children Museum −13− ⑤ Minocqua(ミノクワ) アメリカに来てのちょうど折り返し地点、今回のGSEで初めての丸1日休日の日を迎える。 私の今回のホームステイ先は、40代後半の夫婦、高校生の娘さん、中学生の息子さんの4人家族 の家に御邪魔することとなった。 4月24日は日曜日でみなさん仕事も学校も休み、どう過ごすのかなと考えていたら、23日の夕 食後、ホストから「明日はイースターで、教会でイベントがあり、家族で参加する予定にしてい るが、君も一緒に行くかい」と、言われた。私はせっかくなので参加させてもらうことにした。 その前に「イースター」とは何かだが、別名「復活祭」とも言われ、キリスト教の典礼歴におけ る最も重要な祝い日で、十字架にかけられて死んだイエス・キリストが3日目に復活したことを 記念するものである。その日がまさに4月24日だったのである。キリスト信者の多いアメリカに いるのだから、確かにこの日が休日になるのはよく考えてみれば、納得してしまう。 当日、家族と一緒に教会に向かった。車から外を眺めてみても特に変わった様子はなかった。 しかし、教会に着くとそこは、駐車場いっぱいに車がすでに停まっていて、中にも人が数多くい た。定刻になると、ステージの上ではバンド演奏を交えて参加者全員で合唱が何曲か続いた。そ の後は、小学生の子どもたちが、ステージの上にある浴槽なようなものに何人か続けて服を着た まま漬けられていった。そうこうしているうちに、1時間でイベントは終了した。日本に住んで いるとなかなかこういった経験をすることはない。 今回アメリカで11軒の家に御邪魔させて頂いたが、半分以上の家で食事の時には必ず祈りを捧 げていた。家によって差はあるが、日本以上に宗教的なものに対する関心や忠誠心のようなもの は高いのだと感じた。 また、こちらの御宅だけではないが、アメリカ人は家族をとても大切にしているなと感じた。 日本人が大切にしていないというわけではないが、アメリカでは夫婦関係で夫が妻にとても協力 的であった。料理も上手で、どこの家庭にも外に大きなグリルがあり、そのグリルは旦那さんの 担当である。しかもみんな楽しそうに料理をしているので雰囲気もとても良かった。 日本では夜遅くまで仕事をして、休日も仕事に出たりということ もある。裏を返せばそれだけ責任感が強いということにもなるが、 アメリカ人は仕事に対してオン・オフのスイッチの切り替えが上手 なのかなと感じた。それと妻への感謝を常に忘れていないように感 じる。今自分がこうしていられるのは妻のお蔭だと言わんばかりの ように大切にしている。この点はしっかり見習う必要があると感じた。 (花本) −14− ホームステイ先の家にはどこにもこのような グリルが、しかも担当はお父さん ⑥ Antigo(アンティゴ) 4月26日の朝、Minocquaを出発し、道中にあるMerrillという人口1万人、面積20h足らずの町 に寄り、市役所、裁判所を見学、昼にMerrillRCの例会に参加した。例会での私の席は、高齢者 の集まったテーブルで、GSEについてもご存知なく、何故に日本人女性が突然自分のテーブル にちょこんといるのかわからない、といった風だった。この例会にはAntigoのホストファミリー がメーキャップに来てくれていた。例会終了後にAnthigoまで一緒に移動したのだが、その移動手 段がなんとキャンピングカー1台。楽しい経験であったが、移動に次ぐ移動につかれたメンバー は爆睡。 6カ所目の滞在先となるAntigoは、人口9千人、面積17hの小さな町。研修も半分を過ぎ、人 里離れた土地にも随分と慣れてきていたが、ここは特に山深い土地だった。ホストファミリーが 仕事熱心な不動産業者であったこともあり、研修を終えて自宅へ帰るまでの間にも、自社の物件 に寄ることもあったのだが、そこから自宅までは、これでもかという位に蛙の鳴き声が聞こえ、 熊が頻出する場所だった。 そのような町での主要産業は、もちろん木材産業。私は(1度目の)大学時代には、農学部林 産学科で木材工学を、大学院では工学部建築学科で木構造を専攻しており、木材産業の工場につ いては、日本国内でも何度か見学をしたことがあったが、アメリカでの規模の大きさにはとにか く舌を巻くばかりであった。 地場場産業への貢献をその使命の一つとして掲げている Northcentral Technical Collegeは、ウィスコンシン州中部の6地域にキ ャンパスを有し、その一つがここAntigoにある。Antigoキャンパスで は、既存の教育施設の他、2011年6月開校予定のWood Technology Center of Excellenceの見学もさせて頂いた。まだ箱が完成したような 状態で具体的に見学可能なものはこれと言ってなかったのだが、体 育館ほどにだだっ広い建物の中にはこれから木材加工機械が設置さ Wood Technology Center of Excellence れるとのことだった。人口9千人ほどの町でこれから木材産業のた めの教育・研究機関が生れる。資源と土地のある国の力をまざまざ と見て、日本の林業、林産業の未来について考えさせられた。 Kretz Lumber Co., Inc.は75年の歴史があり、従業員115名の持ち株 制度により組織されている。取扱樹種は15樹種を数え、1,350坪の製 造施設からは、木材をはじめフローリング材や寄せ木に至るまで様々 Krets Lumber Co.,inc.. な木製品を生産している。 REGI(Raptor Education Group, Inc.)は、野生で傷ついた猛禽を保護し、再び野生で生活できる よう治療、リハビリテーション、教育をおこなう非営利法人で、寄付金のほか保護中の鳥の養父 母になる制度などで運営されている。 (山口) −15− ⑦ Wausau(ワウサウ) Antigo訪問の後、4月28日から5月1日の間、我々は、Marathon Countyの中核Wausauの町を訪 れました。Wausau、人口約4万人の町で、ウィスコンシン川をはじめ多くの川や湖や森、大自然 に囲まれた町でした。ホストファミリー宅の外には、野うさぎや鹿や七面鳥など顔をだし、のん びりとリラックスできました。しかしながら、冬眠明けの熊が隣の家のバードフィーダーを壊し ている様を写した写真を見せられたときには、正直、朝晩は外に出たくないなと感じました。 スポーツも大変盛んで、中でも川の側にはカヤック専用の練習コースなど、日本では中々見ら れない光景を目にしました。また、日本と同じようにゴルフも人気が有り、5∼6箇所ほどのゴ ルフコースもあるようです。私のホストファーザーも、我々を研修先に送り届けた後、ゴルフに 出かけておりました。時には、夫婦でプレイすることもあるそうです。どの町を訪問していても 感じたのは、夫婦とても仲良く、普段何気ない食後の散歩なども声を掛けるわけでもなく自然に 行っている...私達夫婦も見習いたいものです。 Wausauでも多くの研修を行いましたが、私が印象深かったものは、発電所(Weston Power Plamt) や製紙工場(Wausau Paper)などです。 発電所は、140ヘクタールの広大な土地に、1950年に建設され、 多くの電力を町に供給しています。発電所を訪問するのは生まれて 初めての事で、そのスケールの大きさには驚きました。小さな一軒 家くらいの大きなタービンがいくつも回っている...ふと見ると 工場で使ってる多くの設備が、日本や韓国などアジアのメーカーば かり。アジアの技術が、この大きな工場の核となる部分で動いてい る、感動すると共に誇りに思いました。また、何かおかしいなと思 っていましたが、それは働いている人たちの少ないこと。全てはコンピューターによって管理さ れており、4棟からなる発電所をコンピューターに囲まれた小さな一室で、なんと、たった2人 で制御している、驚きの連続でした。 発電所も製紙工場にも言えることなのですが、ウィスコンシン川 を中心とした多くの川の水を使っている。そして、使った水はクリ ーニングし、川に戻す。日本で想像していた大雑把なイメージは、 この時点で跡形も無く崩れ去り、代わりに、合理的で我々以上にエ コな取り組みを普通に行っているという実感に変わりました。 また、この町での思い出の1つに移動の際にメンバー皆で歌を歌ったこと。始まりは、Wausau をアテンドしてくれたコーディネーターのDave、この陽気なおじさんが長時間の運転で眠くなら ないように、と話したのがきっかけでしたが、楽しい時間を過す事ができました。 Dave、そしてWausauのロータリアンの皆さん、どうも有難うございました。 (高田) −16− ⑧ Green Bay(グリーンベイ) ウィスコンシン州東部の商工業都市で人口約10万人です。市制150周年を迎えました。ミシガ ン湖に臨むグリーンベイ湾奥に位置します。また、州の北を流れるフォックス川の河口にあたり ます。五大湖中屈指の良港を有し、セント・ローレンス水路を経て大型海洋船が寄港し、輸出入 港、商業中心地として重要視されています。製紙、機械、乳製品加工、食品缶詰などの工業が盛 んです。1634年にフランス人によって開かれた同州最古の町で、毛皮交易地として発展しました。 アメフトの世界チャンピオン(2010年)グリーンベ イパッカーズの本拠地で地元はもちろん全米中に熱狂 的なファンを持ちNFLの中でも屈指の人気を誇ります。 リーグ過去最多となる12回もの優勝により「タイトル タウンUSA」とも呼ばれます。優勝決定戦の3日前 ぐらい前から、熱狂的なファンがスタジアム周辺に泊 まり込みで試合を待ちます。 郊外には、市民の寄付によって建設されている動物 園や野生動物保護施設などもあります。 パッカースタジアムのフィールドにて Bellin Health Hospital 1907年創設された病院で従業員2,900人。57万人が居住す10の郡を管轄しています。健康リスク に対する評価点が国の平均値70.5より75.5と高く、2002年では70だった数値が5.5ポイント伸びた そうです(国は73から下落) 。2002年までの財政赤字から脱却し、2003年以降2010年までに累計1 億の黒字転換に成功しました。その背景には、病院ビジネスチームによる緻密な戦略と住民から 選ばれるナンバーワンの病院になるための経営努力があったそうです。過去5年間で21%の医療 費削減を実現しています。 マラソンなど健康に良いことを行うとポイント制で医療保険の掛け金が下がるなど、ユニーク なシステムがあります。病院内のビジネスチームは企業の雇用主に対して健康増進と医療費の削 減を訴え、従業員の健康問題解決策を提案して売り込みます。また、ショッピングモールなどの 店内に医療機関を置いているそうです。 Brown County Museum 1870年代から1930年代初めまで氷産業が栄えました。刃渡り3メートルものノコギリで湖の分 厚い氷を切って販売していました。氷は、食糧冷蔵保存等に多大な需要がありました。特にビー ル工場、精肉工場、乳製品工場、鉄道などの全ては製造・保存・冷蔵輸送に何トンもの氷が必要 だったため、1880年には年間800トンもの氷を収穫しました。しかし、1890年代初めに大きな町が 原因で水質汚染により天然の氷は収穫できなくなり、人口の製氷業が栄えましたが、現在も天然 の氷を収穫して販売している地域がいくつかあるそうです。19世紀中ごろからアメリカの経済は 急成長し、建築ラッシュで林業が栄えたことについての歴史資料が展示してありました。北ミシ ガン地方の豊かな森林は、アメリカ国内の至る所で新しい市町が生まれ、農場・工場などを建造 するための格好の資源となりました。また,北ミシガン地方から大量に伐採した木(ホワイトパ イン)を運搬するのに湖や多くの川は大変便利でした。 (中垣) −17− ⑨ Waupaca(ワウパカ) 「ワウパカ」という地名は、インディアンの名前に由来します。人口約5万4千人です。79本 以上の川が流れ、「Chain 0’Lakes (湖の鎖)」と呼ばれるほど240以上の湖が数珠繋ぎのように点在 し、1,214平方キロメートルもの森林地帯が広がる自然豊かなリゾート地です。 「A fisherman’ s paradise (釣り人の楽園)」と呼ばれるほど、大きなマスが釣れる小川が35本以上もある他、狩猟、 遊泳、ハイキング、ボート、ウォータースキー、スノーモービルなどを楽しむことができます。 スノーモービルにおいては、㈱ヤマハ発動機のスノーモービルの運転テストコースがあるなど、 日本のメーカーとの関わりがあります。 ワウパカ市は、1849年の開拓後に産業が次々と発達し、東部からの開拓者が多く移住してきま した。現在では、ウィスコンシン州で急成長を遂げる自治体の1つとなり,行政福祉・産業部門 で大きな発展が見られます。 1997年以来、香川県三豊 (みとよ)市(旧三豊郡仁尾町)と友好都市提携を結んでおり、中学生を 中心とするホームステイ交換プログラムが行われています。商店街の一角に日本の松が記念樹と して植えてありました。 Thyssen Krupp Foundryは、トラクターなどの農業機械、大型トラック、さらには建築資材まで 世界中の輸送市場を主眼におく鋳造業者です。工場の広さは584立方キロメートルもあり、ワウ パカには第1∼第3工場、マリネットに第4工場があります。私たちは、第1工場を見学しました。 この会社は、TS-16949およびISO14001認定の製造会社であり、1日9,500トンを超える鉄を溶解 して、ねずみ鋳鉄、ダクタイル鋳鉄、コンパクト黒鉛鋳鉄を鋳造しています。これらの鋳物は垂 直、高圧、生砂の鋳型で製造されます。見学した工場では1kgから160kgまで、鋳物の製造に適 した各サイズの鋳型を使用しています。また、エネルギーなどの資源の賢明な利用も求めていま す。最近、第2工場に設置された熱回収設備がその代表です。溶銑炉の溶解作業からの廃熱を集 めて、冬の間、暖房に利用します。このプロジェクトにより、暖房シーズンごとに大量の天然ガ スを節約でき、資源の節約と地球温暖化ガスの排出減が実現するそうです。ThyssenKrupp Waupacaの目標は、砂利およびスラグを可能な限り環境に適した方法で再利用することです。こ れにより埋立地のスペースを節約し、その他の鉱物資源を採掘する代わりに鋳造砂やスラグを使 用できるそうです。過去5年にわたり、当社は砂やスラグの代替再利用市場の開発に成功。ここ では、80,000トンの鋳造砂を利用して再生に成功したワウパカの砂利採掘場がありました。 Quantum Farmsでは、乳牛2,500頭を飼育していました。全ての牛の足首に万歩計の機能も備わ ったコンピューターが取り付けられ、それにより個々の牛の病歴や搾乳量データが分かるなど、 徹底した牛の健康管理で安定した搾乳量を保っています。一度に64 頭の搾乳、多い牛で1回の搾乳量は150リットル以上です。深さ5 メートルのタンクに貯めた牛糞から発生する30℃のメタンガスを燃 料とする自家発電(政府から25%の補助金)で牛舎に必要な電力を 賄っています。また、搾った牛乳の熱で温めた温水で冬場の牛舎内 の清掃等を行うそうです。小スペースで必要なことが全てできる農 業が理想とのことでした。 (中垣) −18− メタンガスを燃料とした発電機 訪問したロータリークラブ ⑨−⑱ ④−⑥ ①−① ⑧−⑭ ⑧−⑮ ④−⑦ ⑦−⑫ ③−④ ⑨−⑰ ⑤−⑩ ③−⑤ ⑤−⑨ ④−⑧ ⑦−⑬ ⑥−⑪ ①−② ②−③ ⑦ Wausau ④ Marquette ① Appleton ⑫Wausau ⑥Marquette RC ①Appleton RC ②Appleton Breakfast RC ⑦Marquette Breakfast RC ⑬Wausau Early Bird RC ⑧Marquette West RC ⑧ Green Bay ② Sturgeon Bay ⑭Green Bay RC ⑤ Minocqua ③Sturgeon Bay RC ⑮Green Bay West RC ⑨Lakeland RC ⑯Packerland Sunrise Howard RC ※ ⑩Merrill RC ③ Marinette,Menominee ④Marinette RC ⑨ Waupaca ⑥ Antigo ⑤Menominee RC ⑰Clintonville RC ⑪Northwoods RC ⑱Waupaca Breakfast RC ※印のRCはバナーの準備が無かったので写真にありません。 −19− 職業研修報告 山下江法律事務所 山 口 亜由美 私は、広島市内で弁護士16名、秘書27名を擁する中四国最大規模の法律事務所の経営企画部に 在籍しています。総勢40名を超える事務所だからこそ存在するような部署で、事務所の日常業務 として、ウェブサイトの管理と運営、広告の企画や制作手配などの広報のほか、所長が理事長を 務めるNPO法人広島経済活性化推進倶楽部で理事兼事務局長としてNPOの運営にも携わって います。研究員として所属していた期間も含め14年間大学に在籍し社会人経験が浅いこと、大学 での専門が現在の仕事とは直接的に関係してないこと、法律事務所の経営企画部となると地方に いてロールモデルを見出しがたいことなど、今回の機会は、私にとって正に「渡りに舟」といっ た感じの研修でした。 今回、Appletonで2つ(弁護士14名のHerrling Clark Law Firm、弁護 士12人のMcCarty Law Firm) 、Menominee(弁護士1名の事務所)と Green Bay(6都市に事務所を構え、弁護士は全体で72名、Green Bay に13名のDavis Kuelthau attorneys at law)で各1つの法律事務所を訪問 してロータリアンの弁護士に日々の仕事について話を聞くことがで きました。 Menominee とMerrillでは、裁判所を訪れて裁判官の話を聞く機会を McCarty Law firm 得ました。裁判所の見学はその他、Marquette、Green Bay、Waupacaで させていただきました。 AppletonとMerrillでは、市役所勤めの弁護士に、Waupakaでは、検事の下で働く法律家に話を聞 くことができました。それ以外にも、Wausauでは、ホストファミリーが手配してくれた見学先の ビジネス展にブースを出展していた法律事務所(2都市に弁護士含め専門家62名が所属している Ruder Ware)のマーケティング担当者と名刺交換ができました。 アメリカと日本では弁護士の職域や専門の分化のされ方や社会的 立場が異なり、話を聞いていてどうにも理解できなかった部分は、 後から考えるにそういった事情に起因していました。勤務先の事務 所の専門は何か?とは、会う弁護士すべてに聞かれました。また、 "Attorney"という単語を何でも日本語の「弁護士」として解釈してい たのも、混乱の元だったようで、単に「法律(の専門)家」程度に考 Herrling Clark Law Firmの イエローページ広告 えれば話もわかり易かったというのも、1か月の研修を終えて、自 分の中に参照例が蓄積されてから気づいたことでした。「混乱した点」 =「違いの顕著な部分」と言えるかもしれません。職業研修において得た職業に関する知見以外 での最大の収穫は、「コミュニケーションミスで生じた誤解は、相手の思いやりの産物である。」 と思えたことです。 −20− 今回話を聞けた法律家(弁護士)について「アメリカの法律家(弁護士)は∼」と一概に言って よいものかどうかは別として、他の職業を経験している人が存外に多いことが印象に残りました。 特に、Merrillの裁判官は、高校でレスリングの指導をしていた、という経歴の持ち主でしたし、 Appletonで話を聞いた勤務弁護士の1人は、航空会社に勤務した後、法科大学院に進学していま した。アメリカでは弁護士が多く、特に傷害や家族問題(DV、離婚)などの分野では顧客の獲 得競争が激しく、ホストファミリー(同業者ではない)からはそういった弁護士がambulance chaser(車を走らせているときに救急車を見かけたら病院まで追いかけて行って仕事を取る)と して揶揄されていることも聞きました。 スーパーに買い物に行くと、カートに弁護士が広告を掲示してい るのも散見しました。一方、RCに所属している弁護士は、企業法 務を専門としていることが多く、ある弁護士は、仕事の7割が企業 法務で、内、訴訟が5割、残りの5割は商取引にかかわる業務、と いうことでした。アメリカでは州ごとに法律が異なり、州を越えて 契約書を交わす際に必要になる適用法の摺合せが業務の大半を占め るとのことでした。 スーパーのカートの広告 このほか、仕事の2割は政府関係、地方自治体関係、公共施設の建設に関わるもの、不動産取 引に関わるものということでした。この場合、顧客の獲得はもっぱら紹介によるもので、若手弁 護士がRCやYMCAに参加するのは、人脈形成の意味合いが強いとの印象を受けました。大手 事務所では、セミナーを開催したりニュースレターを発行したりもしていましたが、不定期的に 法律事情が変化した場合に必要に応じて、ということもあり、新規顧客開拓というよりは、既存 顧客に対するサービスを目的としたものでした。既存顧客を大切にしていると、そこからまた紹 介がある、といった考えに則っているようです。こういった事務所の運営は役員弁護士が頻繁(毎 週1回1時間)に会議を開き決定していました。中には所内でクッキングコンテストを開催して いる楽しい事務所もありました。 自分の職業研修のほか、他のメンバーの職業研修に同行したり、美術館や博物館、NPOが運 営する施設の視察をさせていただいて知見を深めたり、研修を担当してくださった方やホストフ ァミリーをはじめ多くのロータリアンや町の人との交流を深めるなど、得難い経験をさせていた だきました。今後の仕事にいろいろな意味で活かせます。ありがとうございます。 誕生日のお祝いをしてもらいました −21− 職業研修報告 三次市役所 中 垣健一 私は、三次市役所に10年間勤務しています。現在は、人権啓発・平和行政・男女共同参画・青 少年健全育成に関わる仕事をしており、参加メンバーの中では唯一の公務員として参加させてい ただきました。 市役所訪問 市長がロータリアンだからこそ、実現できた市役所さらには市長 訪問でした。特にグリーンベイ市役所は市制150周年を迎えられ、 市長の市政に対する熱意をお聞きすることができました。 市長は、グリーンベイの商工会議所の会頭をされた後に市長に就 任されたそうで、市長としてその経験を市政(特に市の産業育成や 都市開発)に活かしておられます。また、三次市行政(学校教育行 グリーンベイ市議場で市長と 政も含めて)とのシステムの違いについて理解を深めました。アメリカでは学校教育行政は役所 の中には位置づいておらず、学校教育委員会として独立しています。しかしながら市長は、将来 の地元産業を支える人材育成という観点で学校教育は非常に重要であり、市長としても大きな関 心事項だとおっしゃっていました。 どの市役所にも共通すること 庁舎内の職員数が少ないです。市役所業務のかなり部分を外部委託(アウトソーシング)で行 っています。来庁者も少ないです。日本の市役所は相談や証明書発行等の来庁者が多いですが、 自分が所有するIDが多方面で有効であるから、日本のように個別に証明が不要です。わずらわ しい手続きを必要としません。 総合窓口サービス以外、全職員個室状態、間仕切りしてあります。顧問弁護士を常勤職員とし て雇っていて、行政訴訟裁判などで活躍されています。企業誘致(新企業に補助金)や住宅建設 で定住促進や税収増を目指しています。議会は毎月平日の午後6時∼7時に開催され、市長が議 長を務めます。議員数も少ないです。アメリカでは、ロータリアンの2人に1人は女性ですが市 役所でも女性の管理職が日本に比べて多いのが印象的でした。近年の財政難によって、様々な市 の計画が凍結状態だそうです。 市の中心部が寂れていて売出し中の中古建造物が目立ちました。地域によっては、中国の企業 による中古物件の買収が進んでいるそうです。市役所庁舎ですら、かつて高校の校舎だった建物 や百貨店ビルを使用しています。 公務員は休日にボランティア作業をする習慣が強く、お世話になったワウパカ市役所職員のヘ −22− ンリーさんはゴミ拾いや河川の掃除を定期的にしているそうです。 コンピューター管理が進んでおり、インターネットでパソコンがあればどこからでも業務シス テムにアクセスして必要な仕事ができます。小さい市役所の庁舎は、警察と消防と複合施設にな っています。 学校訪問 レイクランドユニオン高校・ワウパカ高校 地域の人々の生活圏、経済圏が広域化し、学校運営も統廃合を余儀なくされたそうです。統廃 合をしないと解決できない広域的な課題があったそうです。学校の統廃合により教育予算を確保 できたものの、通学エリアが広域化しました。そこは、最新のITで情報不足をカバーしている そうです。日本は少子化が統廃合の大きな理由ですが、財政難が第1の理由と聞いてアメリカの 財政は深刻だと感じました。 学校の統廃合により、より高度で、より専門的な教育を提供でき るそうです。統廃合をしないで小規模のままでは、財政も行き詰っ て教育サービス水準低下を招いたそうです。 ノートパソコンを教室に持ち込んで授業をしていました。先生が 校舎内でアイポッドを持ち歩いて情報共有していました。パソコン パソコン画面をタッチ操作できる 「スマートボード」 の画面が拡大で映写されるスマートボードが印象的でした。先生が そのボードをタッチすると自由にパソコン操作ができます。 また、授業を録画してアイポッドやスカイプを使って授業を受け られなかった生徒とやり取りできるそうです。こんな事まですると、 学校に通学する必要性が将来的には無くなってくるのではないかと 思いました。 ものすごい数のトレーニングマシン 広い室内が狭く感じるぐらい多くの器具が備えられているトレーニングルームは充実していま した。アメフトの選手を育成する目的かも知れません。学校によって施設の充実に格差がありま した。全校生徒数800人のワウパカ高校では、生徒の給食費は生徒の保護者の所得に応じて生徒 の負担額が違うそうです。公立学校における自然体験などが希薄化しているそうで、学校が休み の日に地域の自然体験施設でそのような体験ができます。その施設では、沼地に住む小さな生物 から動植物、さらには自然エネルギーの重要性も学習できます。当然、施設の屋根には発電用の 大きなソーラーパネルが装備してありました。自然を集団で学習することによって人間関係を形 成する基礎を育むプログラムが実施されていました。 製造業 鉄鋼山、発電所、製紙工場、換気扇製造、鋳物、木工製品、医療 製品(人工関節など)、米軍造船工場を見学しました。世界をマー ケットにしているからこそ、大規模な施設を有しています。 私はアメリカに対して大量生産が招く大量な廃棄物というイメー ジを持っていましたが、そのイメージは払拭されました。印象的だ −23− 鉄鉱山で見た巨大なトラック タイヤはブリヂストン ったのは、品質管理、環境問題、無駄の排除、資源リサイクル、自然エネルギー有効利用(ソー ラーパネルなど)が研究され追求されていました。 ホームステイで印象に残ったこと 男性が家事(特に料理)に積極的に 関わっておられました。朝から手の込 んだケーキを焼いてくださったり、夕 食はほとんどの家庭が夫婦で料理をし ておられました。「何より食べることに 関心があるから自然と自分で料理をす るようになった。」と言っておられた のが印象的でした。 また、書道を披露するとホストファ ミリーから書いて欲しい字のリクエス トがあり、私と高田さんを自家用セス 慣れた手つきでケーキを焼くホストファーザー ナ機に乗せてくださったホストファミリーには「航空」 「飛行機」な どを書いて大変喜ばれました。ホストファミリーに「自分で書いてみますか?」と聞くと難しそ うに思ったのか「No, thank you.」と言われました。 Minocquaに滞在中、久しぶりに春らしい陽気となった午後、ミニチュアゴルフをさせていただ きました。稀に見るスーパーショットや珍プレーの数々にメンバー一同盛り上がりました。パッ トが全然入らず、逆にストレスがたまったメンバーもいたかも知れませんが…。研修期間の中間 地点ぐらいで、このようなレクレーションを企画してくださった現地のコーディネーターに感謝 します。 ミニチュアゴルフを楽しむメンバー −24− 5月8日(日)第25回FUN RUN:第25回ワウパカ市内マラソン大会5kmの部出場 3位入賞(出場者281人)タイム18分50秒 ワウパカ市内で毎年開催されている市民健康マラソン大会にホストファミリーと一緒に出場し ました。スタート前には参加者全員でアメリカ国歌を斉唱しました。レースでは、最初だけでも 目立とうと500メートル付近まで、かなりのオーバーペースで先頭を走りました。 レース前日にホストファミリーとジョギング調整をしていた成果もあって体がよく動き、その 後2人にしか抜かれずに3位でのゴール。ちなみに優勝賞品は自転車(マウンテンバイク)だっ たので、仮に優勝していても日本へ持ち帰るのは困難でしたが…。 ホストファミリーと私が「走ることが好き」という共通点があったお陰で、この様なチャンス をいただき、多くの市民ランナーと交流することができました。 出場ナンバーカードと入賞メダル 一緒に走ったホストファーザーとゴール地点で 25ch ANNUAL RMC FUN RUNS WAUPACA, WISCONSIN SATURDAY, MAY7, 2011 Plase Div Age S 5k Pace 1 1 JOE GIACALONE Name 26 M HARTLAND Town 16:21 5:16 2 1 PETER PELLEGROM 35 M STEVENS PO 18:35 5:59 3 2 KENICHI NAKAGAKI 35 M WAUPAKA 18:50 6:04 4 1 JACKIE GIACALONE 27 F HARTLAND 19:20 6:14 5 2 NICK PAULSON 25 M STEVENSPOI 19:28 6:17 このようにアメリカで多くの事を学び、多くの人々と出会えたのも「GSE」という素晴らし いプログラムのお陰です。今回得ることができた多くの経験を今後において役立てていきます。 私を派遣メンバーに選んでいただき、出発前のオリエンテーションから帰国まで支援してくださ った委員会の皆様をはじめ、ご関係の全ての皆様に感謝を申し上げて報告とさせていただきます。 本当にありがとうございました。 −25− 職業研修報告 株式会社サンエー 高 田浩二 私の勤めている会社は、自動車、主にトラックに使用するパーツを開発、製造しております。 購買課に所属しており、海外のサプライヤーと連絡を取り合い、部材など購入しております。こ れまで、海外での生活も経験はしておりましたので、日常会話などは問題なくこなせておりまし たが、やはりコストやデリバリーなどの話をしていると、特に、品質トラブルの起こった際など には、我々の考えと海外サプライヤーの考えとが真っ向から対立してしまうということの繰り返 しで、日々、頭を抱えておりました。 今回、GSEメンバーの一員になることで、多くの企業、工場を訪問し現在多くの企業、製造 業者が直面しているであろうコミュニケーションのスキルを得ることができるのではと。品質面 では、日本のスタンダードと海外のグローバルスタンダードとの違い、これはどちらが正しいの かを考えるのではなく、海外の企業は品質面に関してどのように考え、どのように行動している のかをこの目で見てきたいと考え参加いたしました。 GSEメンバーとして、ウィスコンシンを皮切りにアッパーミシガンを転々とし、多くの企業 を訪問してまいりました。 2ヶ所目の訪問先であるDoor County, Sturgeon Bayでは、主にシボ レー車のシフトノブやステンレス製の歯車などを製造しているProProducts Inc.を見学いたしました。 ここでは、これまで私の持っていた感覚を、いい意味で覆すもの でした。プラント内にあるのは、全て最新式の設備であり、また、 日本のメーカーと提携を結んでいることから、製造現場もすばらし く整理されており日本製の設備が多く見られました。購買担当の方 に伺いましたが、スチールなど原材料は全て国内で調達しており、 また、ひとつの部材に対しバックアップとして、2∼3社のサプラ イヤーを抱えているとの事。やはり、自動車関係のお客様も多くJ IT(Just in time)での納品をおこなう為に、念には念をという形で す。 また、生産に関し重要なポイントを尋ねたところ、次のような回 答を頂きました。①品質②デリバリー③コスト…、上記の点(サプ ライヤー、①∼③)に関しては、どの会社を訪問しても同じことを 言われておりました。我々、日本のメーカーも同じような感覚では おりますが、どうしても、③コストに目がいきがちであり、改めて、 品質一番ということを考える良い機会を得ることができました。 −26− さらに、工場を訪問するにあたり、情報の管理が徹底されていることに感銘を受けました。工 程内に入るときには、秘密保持の為のサインを行い、内部での写真撮影は厳禁。我々も国内、海 外問わずお客様が訪問されるので、重要情報漏れが無いよう気をつけなければならないと感じ、 帰国しすぐに実践できることですので、企画書にて提案していきたいと思っています。 ミシガン、ウィスコンシン州といえば、自動車関係ではBIG3といわれていたGM、FORD、ク ライスラーの拠点があり、大工業地帯でもあるデトロイトを思い浮かべていたということもあり、 デトロイトでの研修が無い...正直、がっかりしていたのですが、各地を訪れて感じたのは、 言い方は悪いのですが、小さな田舎町ではありながらも、州内、国内だけにとどまらず、世界を 相手にしている企業がたくさんあることです。 また、それらの工場を訪問すると、ひとつの町ではないかと感じるほど大規模なものであり、 多くの作業が自動化され、日本以上に合理化が進んでいることに驚きました。もちろん最重要部 においては、人の手によって加工など行われていましたが。また、エコ活動も全ての工程で取り 入れられており、3R (Reduce、Reuse、Recycle) などは、当たり前のように行われていました。 アメリカの工場...私の想像していた、もっと大雑把なもので、技術的なこともたいしたこ とは無い、というものを大きく180度、転換いたしました。スケールが大き過ぎて、なかなか我々 のような工場で真似をするのは難しい物もありますが、良い点はしっかり実践していきたいと考 えてます。 一ヶ月の職業研修を終えて、今私が感じていることは、 購買としてのコミュニケーションの難しさは何かしらあって当然であると思うし、最終的には やはり人と人との関係で成り立っているのでは、と感じています。どちらが正しいかではなく、 相手の国の文化や考え方を理解し、また理解しようすることが大事であると考えています。 今後は、自社にて未だ整備されていない海外との購買業務の全般をしょってたつ(自称)とい うことを日々頭に入れ、業務をおこなっていきたい。仕事の話では、喧々諤々でもよいが、仕事 が終わればノーサイド。笑顔で冗談を言い合えるような関係を築いていければ、自然とさまざま なスキルが身につくのではと考えています。また、今回の研修先にて出会うことのできたホスト ファミリー、お世話になった皆さん、友人...今後も良いアドバイスをもらいながら、仕事に、 そして家庭に、いろんなことに頑張っていきたい。 今回は、このような機会を与えていただき、 誠に感謝いたしており、次回このような機会 が再度あるのであれば、ぜひ参加したいと考 えています。 有難うございました。 RI第6220地区大会に参加 −27− 職業研修報告 株式会社広島三次ワイナリー 花 本直明 私は広島県北部に位置する三次市に在住し、同市内の第三セクターである株式会社広島三次ワ イナリーに勤務し、製造課に所属し主にワイン醸造、品質管理の仕事をしています。年間約110 トンのブドウを仕込み、約23万本のワインを製造しています。 グリーンベイ到着 「いらっしゃいませ!」と日本語で歓迎 今回、私がGSEに参加しようと考えたのは、アメリカでワイン 醸造とブドウ栽培について学び、技術と知識を習得し、今後の弊社 の発展に貢献できるような人材になりたいと強く思ったからです。 同時に、アメリカの文化、食生活なども学び、国際人として成長し てきたいとも思い、また、三次中央ロータリークラブのロータリア ンであり、弊社代表取締役千 一郎氏に、推薦と同時に全面的にサ ポートして頂けたことも参加への意欲に繋がりました。会社を1ヶ 月空けるということは、弊社のような中小企業では、非常にリスクを伴いますが、千 氏がロー タリアンであり、理解して私を送り出して頂いたことには大変感謝しています。 まず、アメリカのワイン事情に関してですが、「ワインといえば フランス」というのが半数以上の日本人の頭にあるのではないで しょうか。しかし、伝統的なフランスに対し、アメリカは最新技術、 最新機器を導入し、レベルでは肩を並べている、またはフランス 以上と考えている人も世界中では少なくないでしょう。1ヶ月で、 私はウィスコンシン州内の9つのワイナリーに行くことができま 約300本の樽を使用している、100年以上続く 歴史あるワイナリー した。 この地域は日本の北海道と同じような気候で、夏季の時間が短く、 ブドウ栽培は困難な地域であります。日本では、ブドウの産地に こだわり、産地の特性を生かしていかに良いワインを造れるかと いう、産地を重視したワイナリーが多いのに対し、アメリカでは ワイナリーはウィスコンシン州にあるのですが、ブドウ畑を西海 岸のカリフォルニアに所有し、またはその地域で作られたブドウ、 またはブドウの果汁を購入し、とにかく良いワインを造るという ことを念頭に置いていると感じました。 あるワイナリーでは夜中に収穫し、トラックで26時間かけて運び すぐに仕込みを行うワイナリーもありました。日本では困難でも 低い可能性にかけてブドウ栽培にチャレンジしますが、アメリカ ではブドウ栽培は割り切っているように感じました。 シャルドネ、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンなどの主要 −28− 品種はミシガン州やウィスコンシン州では気候的に栽培には適して いません。だからと言って、このようなワインとして人気のある品 種を造らないわけにはいきません。造るのならば良いワインを造ろ う、そのためには良いブドウから、良いブドウは西海岸からという ことで、前に記したように購入といった形を取っているのです。 もちろん、栽培をしているワイナリーもありました。私の勉強不 足もありますが、聞いたことのない品種ばかりでした。フロンテッ ク、マーシャル・フォック、ラ・クロスなど数多くありました。こ れらに共通する点は、冬の寒さに耐えることができる点であります。 耐えたからといって良いブドウができるわけではありません。ブド ウには、温度、日照量、雨量など様々な気候条件に左右されます。 この地域では夏季の期間が短いため、日照量が西海岸と比べるとか なり少ないのです。それらがブドウにどういった影響を及ぼすかと 4月中旬でも雪の降るブドウ畑、 このような気候ではブドウ栽培は非常に困難 いうと、糖度(甘さ)が足りない、酸が高く食べると酸っぱい。こ ういったブドウをワインにすると、アルコール分が低く、酸っぱい ワインになってしまいます。そうなってしまったワインは、砂糖を 使用せざるを得なくなります。酸っぱいワインを甘いワインに変え て製品にする。この方法で対処されているワイナリーが多かったです。 ほとんどのワイナリーが規模としては小さいとこでしたが、接客 面ではとてもフレンドリーでお客さんに対応していたと思いました。 野球観戦 マイナーリーグ2A 観客席の中に砂場や外にはアスレチックがあり 家族で楽しめるように工夫してある 規模が大きいとなかなか一人ひとりのお客さんと会話をしながらの 接客は難しいですが、小さい規模ならではの良い一面を見ることが できました。 アメリカは飲酒運転に対してとても規制が緩く、「ビールジョッ キ3杯まで大丈夫」という説明も受けたりしました。なので、ワイ ナリーに来た人は何杯もテイスティングをします。中にはボトルで 購入し、何人かでテーブルを囲んで昼間から飲んでいるお客さんも フルーツワインのワインメーカーで 写真で見る以上にかなり大きい、 他にもチーズの彫刻を造ることで有名 いました。このテイスティングのお客さんへの対応などはとて も勉強になった部分が多かったです。 造り手自らカウンターに立つこともありますし、代わりの 売店スタッフが対応しても、私の専門的な質問に答えてくれ ます。弊社では恥ずかしながら私がなかなかカウンターに立 とても仲良しの 3人兄弟、 家畜の世話や ゲームをしたりと 楽しく過ごした つことはありませんし、売店のスタッフも専門的なことはよく 分からないのが現状です。1人でも多くのお客さんに満足して頂 くためには、この点は改善点であります。今まで造ることばかりに 囚われていた私にとって、造るだけではダメ、自分がワインをどう 売っていくかが自分の仕事だと気づかされました。 これらの経験を生かして、今以上に仕事に励んでいきます。あり がとうございました。 日本語を書くのに夢中、 自分の名前を漢字にあてて書いている −29− 2010−2011RI第2710地区 GSE派遣プログラムを終えて GSE委員長 チームリーダー 小根森 直 子 2011年4月9日に日本を出発したRI第2710地区GSE派遣グループは5月9日、大きな成果を あげて全員元気に帰って参りました。1年以上の準備期間を持ち、前田茂地区ガバナー、川妻二 郎パストガバナーをはじめ、地区役員の皆様、多くのロータリアンの皆様の御支援と激励に支え られ、万全を期して臨んだプログラムでございました。また、オリエンテーション等メンバーが 集合する際には所属する職場の皆様に多大なる寛容とご協力を頂いた事に改めて御礼申し上げた いと存じます。受け入れ地区であるRI第6220地区でも手厚い体勢を整えてスケジュールを準備 して頂いており期待以上の収穫を持ち帰ることができました。多くの皆様のお陰様でプログラム を終えることが出来ましたことを心よりの感謝を込めてここにご報告いたします。 さて、RI第6220地区の訪問ですが訪れた市町は9つ、滞在期間 30日間のうち最初と最後の夜を除いてすべてホームステイでした。 RI第6220地区の地区大会に参加し、訪問中に出席したクラブ例会 は18つ、そしてそのすべてで30∼50分のプレゼンテーションを行い ました。 プレゼンテーションの内容はRI第2710地区内の自然風土、産業、 文化、メンバーの紹介、そして東日本大震災の映像で構成されてい マーケットの裁判所にて ます。プレゼンテーションはとても好評で、朝の例会と昼の例会とで1日2回行うこともあるな ど、メンバーにとってはかなりハードな訪問プログラムとなりました。しかし、メンバーは皆、 毎回のプレゼンテーションに少しずつ工夫を重ね、少しでも良いものをと努力しました。 職業研修は毎日のように組んで頂いており、様々な職場を訪問しました。研修での説明の英語 は速く専門的でかなりハードなものでしたがメンバーは熱心にメモをとり、聞き取れないときは 協力して助け合っていました。ホストファミリーの皆さんは皆大変に明るく親切で私達の疲れを 癒して下さいました。メンバーも皆努めて良い関係を作りすばらしい親睦を築き上げて来たと思 います。リーダーとしてはメンバーの皆さんを大変に誇らしく思いますし、心から拍手を送りた いと思います。 以下に私が見たRI第6220地区の印象について簡単に述べさせて頂きます。 グリーンベイに到着 私たちGSEチームが最初の宿泊地であるグリーンベイに到着し たとき、飛行機の窓外には雪が積もっていました。東京では満開の 桜に見送られただけに気候の違いに驚かされました。滞在中の気候 は厳しく、トルネードの被害を目の当たりにしたり、4月の吹雪を 経験したり、春服で行った私達にはつらい日もありました。ただ、 ロータリアンの皆さんが手袋や帽子、厚手のジャケットを下さるな ど温かい気配りをして下さりずいぶんと助けて頂きました。 −30− グリーンベイでの出迎え 空港には、到着が午後9時過ぎだったにも関わらずスチーブン・セルビック地区ガバナーをは じめ、ジョー・ジョンズガバナーエレクト、GSE委員長、6220地区派遣リーダーなど10人以上 のロータリアンが出迎えて下さいました。大きな横断幕を見て長旅の疲れが一度に吹き飛んだ瞬 間でした。 ロータリアン 日本でもそうですがロータリアンは皆、親切で誠実、 問題が起こると親身になって考えてくれます。プレゼ ンテーションで東日本震災や原爆をどう扱うか意見を 求めると、真剣に考えアドバイスしてくれました。また、 大皿やマグカップ、本などのアメリカで頂いたお土産 をどう持ち帰るかということも、手を尽くして一番い 良い方法を考え、大きな海外旅行用スーツケースを3 個も調達し、分散して持ち帰ることができるようにし てくれました。着いてすぐ、メンバーのひとりのスー ツケースが壊れましたがすぐに代用品を貸してくれ、 クリントンビルRCでの例会出席後の記念撮影 数日後には修理して返してくれました。本当に感謝の気持ちで一杯です。 クラブの会員構成ですが、私達が訪れたところがリゾート地だったせいかもしれませんが、会 員の平均年齢は高く、リタイアした人が多く見られました。一方で若い人の勧誘を奨励していて、 私のホストには25歳のロータリアンもいました。そして特筆すべきは女性パワーの大きさです。 女性が40%以上のクラブがほとんどで過半数のクラブも珍しくありません。女性の職業は経営者 に加え、学校の先生関係、銀行員、医療関係の人が多く見られました。奥さんがパストガバナー で現アシスタントガバナーがご主人という夫婦もあり女性パワーは健在でした。RI第6220地区 では海外交流が盛んで毎年交換留学生を受け入れていました。GSEのリーダー経験者も沢山い て、様々なおもしろい経験談を話してくれました。 ロータリークラブの例会 例会の流れは概ねどこも同じでした。受付を通るとすぐにビュッ フェ形式の食事をとります。18つの例会のうち、テーブルで個別に サービスしてくれたのは2つだけだったと思います。そしてそのビ ュッフェのメニューはたいていどこも、サラダ、肉かサーモン、温 野菜、ポテト、パンケーキかピザ、パンといったものでした。モー ニング例会に5回出席しましたが、そこではシリアルもありました。 30分が経つと、クラブ会長が点鐘をして皆でアメリカ国旗の方を ワウパカの例会にてジョー・ジョンズ氏と “幸せなら肩叩こう”を合唱 向き、左胸に右手を当て合衆国への忠誠の言葉を斉唱します。その後、神への感謝の祈りを捧げ るクラブがほとんどでした。国歌を斉唱するところは1つだけでした。私たちGSEメンバーが、 練習していった合衆国国歌を歌うと皆とても感激してスタンディングオベーションで讃えてくれ ました。この曲はアメリカ人でも歌うのが難しいそうです。 さて、進行はすべて会長が行います。会長は短いスピーチをしてから、ゲストの紹介をします。 会員の家族、友人、親戚等身近な人が気軽に参加していました。日本でいうスマイルボックスは 銘々が挙手をしてスピーチをし、たいてい1ドルを寄付します。おもしろかったのはたいていの クラブで“ハーフ&ハーフ”というのがあって、受付で1ドルのくじを買い、その半券でくじ引 −31− きをし、当たった人が全額をもらうというものです。中にはさらにもう一段階あり、トランプを ひいてその人が外れれば次の週に繰り越されそれが何万円にも積み立てられている所もありまし た。当たれば大変な収入です。 例会の雰囲気はどこも例外なく和やかで笑いに満ちていました。皆、必ずユーモアを交えて話 し、会場の人々は常に笑う準備ができています。私達もプレゼンテーションの中にユーモアを加 える努力をしました。私達の訪問を記事にしてくれた新聞記事のなかに“メンバー達は英語が不 自由なく使え、ユーモアを理解しジョークが言える”と書いてもらったことは大変にうれしかっ たことの1つです。 クラブ会員はとても温かく、例会の前には沢山の人が私達の所に挨拶に来てくれますし、終わ った後はプレゼンテーションがすばらしかったと、また、沢山の人達が言いに来てくれました。 興味深かったのは、幹事報告、委員会報告などの報告事項が例会ではほとんど無いことと会報 がどのクラブにも無かったことです。たいていのことはメールでやり取りされているようでした。 地区大会 4月17日 (日)はRI第6220地区の地区大会に出席しました。RI第2710地区以上に大きな地区 ですのでさぞ沢山のロータリアンが参加するものと思っておりましたが、参加者は100名余りで した。ほとんどが地区の役員関係者です。ホテルの個室を取り、そ こで小さなパーティーを持ち交流を深めていました。私達もGSE 委員長の部屋で休ませてもらったり、ガバナーエレクトの招待を受 けて部屋で軽食を頂いたりしました。 私達のプレゼンテーションは午前10時からの部会で行いましたが 聴衆は50名くらいでした。プレゼンテーションには3月11日の東日 本大震災の映像も加えておりましたが、多くのロータリアンが涙を 流して下さいました。殊に地区ガバナーのスチーブン・セルビック RID6220地区大会にて ガバナーのスチーブン・セルビック氏より お土産を頂く。 氏が大きな涙をぽろぽろと流されていたのが印象的でした。 RI第6220地区のスチーブン・セルビックガバナーにRI第2710 地区の前田茂ガバナーからのお土産である三次人形を贈り、RI第 6220地区からはメンバー各々に大皿、マグカップ、ワイン、菓子の 詰め合わせを頂きました。特にお伝えしたいのは、このとき、GS Eの訪問に寄せてということで、RI第6220地区から東日本大震災 に対して10,000ドルの寄付を頂戴したことです。ロータリアンの温 地区大会のお土産 かい友情に感激致しました。 衣食住 アメリカの人々みんながそうとはいえませんが、少なくとも私たちが訪れたミシガン・ウィス コンシン地区のロータリアンが生活の中で何を大切にしているかと 言えば間違いなく衣食住のうちの“住”だと思います。リビングの 飾り付け、キッチンの小物、ベッドのうえの枕やクッションはまる でファッション雑誌の一ページのようにコーディネイトされていま した。多くの人が自然と芸術を愛し、その中で生活しています。自 然のことをMother Nature(母なる大自然)と呼び、悪天候が続くと コーディネイトされた室内 “Mother Natureがいたずらをしている”などと表現します。湖や川 −32− の畔に家を建てている人が多く、ボートやカヤックを楽しみます。 狩りや釣りもさかんでした。小鳥を愛する人が多く、50センチくら いの長さのえさ箱を庭木につり下げていたりします。実際、住居の 周りに動物が多く生息しており、鹿、リス、ウサギ、七面鳥などは 日常的に見ることができました。私は珍しい真っ白な鹿を見ること ができました。 住に比べて衣服にはほとんどお金をかけていません。食に関して ホストファミリーの家のそばの湖にて は健康に対してナーバスな人も多いですが、油と砂糖の摂取はかな り多いように感じました。料理は単純であまり手をかけないようで した。 老後の暮らしのめどが立つと50歳代で仕事を辞め第二の人生を歩 む人が多いと聞きました。旅行を中心にゆったりと自然の中で暮ら すようです。リタイヤ後の財テク関係のコンサルタントが私が知り 合ったロータリアンに3人いたことからもそこがアメリカ人にとっ て大きな関心事であることに間違いはありません。 アップルトンにて小鳥の餌づけの様子 教 育 今回の訪問で最もすばらしいと感じたのは、教育でした。就学前の子供のためには“子供ミュ ージアム”と呼ばれるものがあります。1つの町にたいてい1つはあり、行政に頼らずすべて寄 付金と会費で運営されていました。目的は ①科学的思考の育成 ②学習や職業への興味の育成 ③集団行動の訓練 です。科学的思考の育成プログラムとしては金貨のメッキ付け、テスラーの 電気実験、火力による空気の流れの実験、スライム作りなど大人が見ても感心するような興味深 いものが用意されています。また、体の一部が巨大な模型になっていて自分が血液となって滑り 台を移動するような仕掛けもありました。職業体験も本格的な模擬体験が用意されていました。 小学校ではひとクラスの人数は大体20人から25人程度でした。驚 いたのはインテラクトボード、またはスマートボードと呼ばれる電 子黒板の普及率です。たいていの学校ですべての教室に配備され、 先生達がそれを日常的に使いこなしていました。日本でまだ黒板と チョークを使っていると言うと目を丸くして驚いていました。文字 や絵ばかりでなく、動く画像、今現在のホットな教材を提供する為 に、電子黒板はとても効果的なツールだと思いました。 高校は大体700人程度の生徒数でした。設備が大変に充実しており、 800人収容の本格的なホール、マシンの充実したジム、粘土や彫金、 セラミック制作のできる美術室、楽器演奏やコーラスといった目的 子供ミュージアム 別に作られた音楽室をみることができました。また、車の修理や排 水工事、電気工事、大工仕事のコースが選択でき、自分で様々なこ とを処理する能力を育成していました。 学校は築50年のものでもとてもきれいです。定期的に手を加えて いるのと、毎日5人位の清掃員が時間をかけて清掃しているからで す。また、建物全体がセントラル制御の冷暖房完備で、教育に大き な予算が使われていることが印象的でした。 高校普通科にて車の整備を教える教室設備 −33− 医 療 病院をいくつか訪問させてもらいました。印象として、設備の近 代化や衛生面は日本の方が進んでいるように思いました。ただ、患 者さんや従業員の満足度、幸福感となるとこの地区の方が数段上だ と思いました。私が訪れた3つの病院はいずれも市を代表する公立 の病院でした。例えば300床の施設に200人以上のスタッフがいます。 病室はすべて個室で追加料金は不要です。すべての部屋が庭に面し スタッフの休憩室(ワウサウ病院) ており、シャワー、トイレ、ミニキッチン、ソファが備わっていま す。救急の個室は大きなナースステーションを囲んで配置され、い つもナースの監視下にあります。家族用の待合室があり暖炉、ソフ ァ、参考書籍があります。ドクターは皆個室を持ち、看護師も3人 単位で個室を持っています。スタッフ用の休憩室には軽食やドリン クが24時間配置されています。スタッフ用の図書館は電子化され最 新の雑誌がパソコンで閲覧できるようになっていました。ヘルスセ 産科病棟にある家族の為の待合室(ワウサウ病院) ンターという部屋があり、スタッフが医学の知識を提供していて患者が自分の病気について調べ ることができるのです。これが私のみた地区での標準的な公立病院でした。 また、予防医学の啓蒙がさかんに行われていました。ロータリアンのなかに、もと看護師で企 業の従業員の健康管理の仕事をしている方がおられました。運動、食事、生活習慣を点数化して 従業員の意識改革を図っていました。企業としてみれば従業員の医療保険費の支払いは大きな出 費となるわけで、専門家を雇って健康管理に力を入れているのです。そしてそこに1つのビジネ スチャンスが生まれているというわけです。 以上、私が見てきた合衆国、ミシガン、ウイスコンシン州の一部の様子を報告させて頂きました。 最後になりましたが、特にプログラムの準備段階においてオリエンテーションに参加して頂く 等、多大なるご指導ご協力を頂きました小田大治地区財団委員長様、河村敬一郎GSE委員長様、 田中健志前GSE委員長兼派遣リーダー様、印刷物を通して応援して下さった丸田洋司地区月信 委員長様、そして複雑な事務をこなし準備に御尽力頂いた地区事務局の岡崎様、布施様にメンバ ー一同を代表して心より感謝申し上げたいと存じます。本当にありがとうございました。 −34− 受入先(国際ロータリー 第6220地区)コーディネーター GSE In-Bound Chair: Diane Dappern-920-680-1680 [email protected] 2150 Gadwall Ln., Green Bay, WI 54311 GSE Out-bound Chair: Fred Borchardt-920-739-1178 [email protected] 2519 Brookdale Ct., Appleton, WI 54911 Past District GSE Chair: Dennis Rader-920-434-1133 [email protected] 3425 Shady Ln., Green Bay, WI 54313 Appleton: Tom R. Berkedal- 920-735-9511/920-734-9336 [email protected] 225 E. Applecreek Rd., Appleton, WI 54914-3983 R.L. deJong-920-749-4931 [email protected] 1239 Shade Tr. Ln., Appleton, WI 54915 Roy Valitchka (Outbound Team Leader)- 920-733-0568 [email protected] N 2095 Mead St., Appleton WI 54913 Sturgeon Bay: Sandy Hurley-920-743-2951/920-743-1575 [email protected] 548 E. Vine Ct., Sturgeon Bay, WI 54235 Marinette/Menominee: Katherine Murwin- 906-863-8355 [email protected] 3201 18th St., Menominee, M I 49458 Frank OユRourke-715-735-7425 [email protected] Marquette: Jack Frost-906-226-1663/906-869-0864 [email protected] Northern Initiative, PO BOX 7009, Marquette, MI 49855 Maynard Bowers-906-228-9190 [email protected] 2 Northern Ln., Marquette, MI 49855 Minocqua: Sue Morris-715-356-3178/715-356-2229/715-892-0285 [email protected] PO box 120, Minocqua, WI 54548 −35− Antigo: Leah Antoniewicz-715-216-1263 [email protected] 2032 Neva Rd., Antigo, WI 54409 Norman (John) Ebel N 2829 Strong Rd., Antigo, WI 54409 [email protected] Wausau: Dave Finkbiner-715-843-5800 [email protected] PO box 1612, Wausau, WI 54402 Pat Puyleart-715-355-1585 [email protected] 7403 Strawflower cir., Wausau, WI 54401 Waupaca/Clintonville: Sue Aschliman 715-823-2036 [email protected] N 10915 Schweitzer Rd., Clintonville, WI 5492 John Gusmer- 715-258-2685 [email protected] 122 Shadow Lk. Dr., Waupaca, WI 54981 Green Bay: Dianne Koeppler 920-3661496 [email protected] 1795 Ashbury Circle, Green Bay, WI 54303 *District Governor: Steven Selvik; Sturgeon Bay 920-743-7912/workノ.920-493-6947/cell [email protected] 3040 Park Dr., PO box 586, Sturgeon Bay, WI 54235 *District Governor Elect (2011-2012): Joe Jones; Waupaca 715-445-3118/715-445-5000 E1715 Lakeshore Dr., Iola, WI 54945 *District Governor Nominee (2012-2013): Bob Sharkey; Houghton/Hancock 906-337-6839/906-281-3645 [email protected] 803 W. Douglas, Houghton, MI 49913 *District Governor Nominee (2013-2014): David Yeghiaian 920-498-2227 [email protected] 2434 Clear Brook Circle, Green Bay, WI 54313 −36−
© Copyright 2024 Paperzz