事業計画書 - 野村マネジメント・スクール

平成 28 年度(第三十七期)
事 業計画 書
自
至
平成 28 年 4 月 1 日
平成 29 年 3 月 31 日
平成 28 年 3 月
公益財団法人
野村マネジメント・スクール
平成 28 年 4 月 1 日から平成 29 年 3 月 31 日までの 1 年間において、当財団
は以下の公益目的事業の実施を計画しております。
1.内外の企業経営に関する教育・研修事業
(1)第 33 回「野村・ウォートン価値創造のためのコーポレート・ファイナン
ス講座」
平成 28 年 5 月 16 日から 5 月 27 日の 2 週間にわたり、第 33 回「野村・
ウォートン価値創造のためのコーポレート・ファイナンス講座」を完全合宿
制で実施する計画です。なお、本講座は、昨年までの講座名「野村・ウォー
トン経営財務講座」を改称したものであります。昨年までの講座名称は、2
月に開催する「上級管理者のための野村・ウォートン経営財務講座」と名称
が類似しており、派遣元企業より、両者の違いが分かりにくいとの指摘をい
ただいておりました。「上級管理者のための経営財務講座」に比べ、本講座
は受講生の対象が若干幅広い点、および理論的内容がより重視され、扱う範
囲が広いことを踏まえ、「コーポレート・ファイナンス」の名称を付するこ
とに致しました。
講座の内容は、事業への投資と資金調達の両面から、企業の価値創造に必
要な財務理論と実際への応用方法を体系的に習得できるように編成されて
います。具体的には、平成 27 年 10 月および平成 28 年 2 月に開催した講座
企画会議で、①経営戦略と財務戦略の関係、②価値創造につなげる投資の意
思決定の考え方、③価値評価の基本的な手法、④資本構成および配当政策、
⑤オプションの考え方、⑥財務リスク管理、⑦M&A(企業買収・売却)案
件の評価手法、⑧事業の構造改革・リストラクチャリング、⑨日本企業の価
値創造、などのモジュールで編成することを決定しました。
学習の方法は、講義形式が中心ですが、理論の理解を深めるとともに実務
への応用力を身につけることができるように、受講者の小グループによるケ
ース・スタディとグループ演習、教室でのケース討議も行います。
講座の対象者は、企業の財務戦略の立案、実行の中心となっている人々、
すなわち、企業の財務管理部門、企画部門、子会社・関係会社管理部門、国
際部門や金融機関の投融資部門、事業コンサルティング部門、合併・買収関
連サービス部門などの中堅幹部です。
なお、本年度より開講日前日に初学者向けのオリエンテーション(内容は
財務諸表分析や統計学の基礎など)を実施いたします。
講師陣は、ペンシルベニア大学ウォートン・スクールのビルゲ・ユルマズ
教授、デビッド・ムスト教授、ブラント・グルテキン准教授、東京大学の新
井富雄名誉教授及び当スクールの遠藤幸彦主席研究員で構成する予定です。
受講料は、前年度と同じ 90 万円(消費税別、以下同)です。
(2)第 36 回「トップのための経営戦略講座」
平成 28 年 7 月 10 日から 7 月 29 日の 3 週間にわたり、第 36 回「トップ
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のための経営戦略講座」を完全合宿制で実施する計画です。
講座の内容は、平成 27 年 10 月に開催した講座企画会議で大枠を固めま
した。企業をとりまく環境がますますグローバル化していることを前提に、
①イノベーション・マネジメント、②競争戦略Ⅰ、③ファイナンス、④競争
戦略Ⅱ、⑤戦略的意思決定、⑥経営環境論、⑦知識創造理論から見た戦略、
⑧ゼネラル・マネジメント、などのモジュールを設定する予定です。事業環
境の不確実性が増している中で、競争戦略Ⅱを新たに付け加え、戦略に関す
るモジュールを毎週学ぶ構成にする予定です。
本講座ではケース・メソッドを学習方法として採用しており、3 週間にわ
たり、受講者個人が毎日 3 本程度のケースを予習し、翌日、そのケースにつ
いて小グループ毎にディスカッションを行い、その上で講師の指導の下でク
ラス・ディスカッションを行います。
講座の対象者は、企業の経営幹部(役員・部長クラス)です。
講師陣は、ハーバード・ビジネス・スクールのジョセフ・バダラッコ教授、
カール・ケスター教授、デビッド・モス教授、ステファン・トムキ教授、竹
内弘高教授、ジャン・リブキン教授、ラモン・カサデサス=マサネル教授、
ブライアント大学のマイケル・ロベルト教授のほか、企業経営者を数名特別
講師として加えて編成する予定です。
受講料は、前年度と同じく 190 万円です。
(3)第 6 回「経営者のための IT マネジメント講座」
平成 28 年 11 月 9 日から 11 月 13 日の 5 日間にわたり、第 6 回「経営者
のための IT マネジメント講座」を完全合宿制で実施する計画です。
講座の内容は、6 月に予定している講座企画会議等を通じて詳細を詰めて
まいりますが、基本的には前年度の構成を踏襲しつつも、半日ほど講座の日
程を増強し、①企業経営者に必要な IT マネジメントの要諦(投資決定、危
機管理など)、②IT リーダーに求められる役割と行動、③経営改革と IT、④
業務のデジタル化への対応、④IT を使った革新のためのグループ演習、な
どのモジュールで構成する見込みです。
学習の方法は、ケース討議を中心に、通常の講義やグループ討議、グルー
プ演習などを組み合わせて実施する計画です。
講座の対象者は、企業の役員・経営幹部を想定しています。
講師陣は、前年度と同様に MIT スローン・マネジメント・スクールのピ
ーター・ウェイル教授、コペンハーゲン・ビジネススクールのロバート・オ
ースティン教授、野村総合研究所の淀川高喜研究理事等で編成する予定です。
受講料は、前年度と同じく 50 万円です。
(4)第 13 回「上級管理者のための野村・ウォートン経営財務講座」
平成 29 年 2 月 6 日から 2 月 10 日の 5 日間、第 13 回「野村・ウォートン
上級管理者のための経営財務講座」を完全合宿制の形で実施する計画です。
講座の内容は、5 月に開催する講座企画会議等で詳細を詰めてまいります
が、事業の運営や新規事業への投資、買収案件の評価等に際して、事業部門
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の経営責任者が価値創造のためにやらなければならないことは何かを、経営
戦略と企業財務理論の有機的統合に焦点をあてながら、講義とケース・スタ
ディを通じて学習するものです。財務の技術的要素よりも、経営的な観点に
より重きを置いています。
講座の対象者は、企業の部門長クラスの経営幹部から次席・課長クラスに
まで募集の範囲を広げてきましたが、やや財務の技術的側面に議論が偏る弊
害がみられるため、事業部門において経営的な責任を持つ部門長クラスの経
営幹部にも広げています。
講師は、ペンシルベニア大学ウォートン・スクールのビルゲ・ユルマズ教
授、ブラント・グルテキン准教授、及び東京大学の新井富雄名誉教授等で編
成する予定です。
受講料は、前年度と同じ 55 万円です。
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2.内外の企業経営に関する研究調査等の事業
(1) 各種研究会の企画・運営
「野村・ウォートン経営財務講座」、
「上級管理者のための野村・ウォートン
経営財務講座」、
「トップのための経営戦略講座」の修了生による同窓会活動
を支援するとともに、本年度は5月19日に「経営財務研究会」
(テーマは“(仮)
米国におけるコーポレートガバナンスのトレンド”を予定)、7月27日に「経
営戦略研究会」
(テーマは“(仮)21世紀の民主主義と資本主義”を予定)を
開催する計画です。
(2)「NSAM ワークショップ 2016」の開催
平成 28 年の「NSAM ワークショップ 2016」は、“2030 年の日本”を通
年テーマに定め、トップのための経営戦略講座の修了生を対象に参加者を公
募し、現在 19 名が参加登録しています。
第 1 回会合は平成 28 年 1 月 15 日に開催し、第 2 回は 4 月 8 日、第 3 回
は 7 月 1 日、第 4 回は 10 月 14 日に開催を予定しています。ゲスト講師な
どを交え、技術や、生活、企業経営などに焦点を当てながら、議論を深めて
いく計画です。
(3) 「機関誌(名称未定)」の発行
内外の企業経営に関する研究調査及び各種研究会や NSAM ワークショッ
プの成果のうち、それを一般に広く公開することが公共の利益に資すると判
断されるものについては、積極的にその全部または一部を当スクールのホー
ムページ上で公開し、さらにその抜粋版と企業経営者インタビューなどをと
りまとめたものを機関誌(名称未定)として発行いたします。
(4) その他、内外の企業経営に関する研究調査の実施
国内及び海外の企業経営のトレンドや経営者教育の動向等について、情報
収集を継続します。これらの研究調査の成果の一部は、講座のケースその他
の教材の選定等に利用するほか、各種研究会の企画・運営や、NSAM ワー
クショップ、機関誌等にも活用されます。
3.内外の企業経営に関する学術研究の支援事業
昨年度に引き続き平成 28 年度も以下のような学術研究支援事業を実施する
計画です。
(1) 助成対象
経営者教育、経営学、企業財務(ファイナンス)、IT マネジメントを主テ
ーマに内外の企業経営に関する学術研究を対象に、公募による助成を行う。
(2) 助成金
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1 件当たり 100 万円を上限に、総額 1,000 万円程度をめどとする
(3) 募集方法
当財団のホームページ上で公募するとともに、国内の主な大学・学会(約
150 機関を予定)に募集要項を送付
(4) 募集日程
・募集受付開始:2016 年 4 月 15 日(金)
・募集締切:2016 年 6 月 30 日(木) 17:00(日本時間)必着
・結果発表時期:2016 年 11 月下旬(予定)
・助成対象期間:2016 年 4 月~2017 年 3 月を含め最長 2 年
・助成金支給開始:2016 年 12 月から(予定)
(5) 選考方法(「選考委員会規程」第 3 条)
選考委員会が助成対象を選考し、助成対象の決定は理事長が決裁する
(6) 選考委員
一條 和生
一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 教授(研究科長)
鈴木 一功
早稲田大学大学院 ファイナンス研究科 教授
飯島 淳一
東京工業大学大学院 社会理工学研究科 教授
福井 正樹
野村マネジメント・スクール 専務理事・学長
4.内外の企業経営に関する内外関係機関等との交流・協力事業
(1) 経営教育機関等との交流・情報交換
内外の経営教育機関等と連携し、教材開発への協力や交流を行う予定です。
ハーバード・ビジネス・スクール、ウォートン・スクール、MIT スローン・
マネジメント・スクール、コペンハーゲン・ビジネススクール、東京大学大
学院経済学研究科、一橋大学大学院国際企業戦略科等と経営者教育やケース
開発のための情報交換を行う予定です。
また、要請に応じて、海外のビジネススクールとの交流やわが国の経営者
教育機関への情報提供も行います。
(2) セミナー等への参加
企業経営に関して実績を有する学会や団体が主催するセミナーやフォー
ラム、シンポジウム等に参加し、専門家等と活発な意見交換を行う予定です。
交流の成果は、上記諸事業のさらなる質的向上に生かされます。
以上
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