血液像検査結果の報告時間について

検査・輸血部通信 Vol.3
2007 年 5 月 24 日発行
発行元:北大病院検査・輸血部
血液像検査結果の報告時間について
~結果報告までの流れ~
様々な病態の把握に利用される血液像
●血液像検査は最短 30 分
検査。検査部血液検査室には、血液像
血液像検査は、まずフローサイトメトリー法を利用した自動
検査の結果についての問い合わせが日
分析機で測定されます。分析機での測定で異常が検出されなけ
に数件寄せられます。血液像検査の結
れば、そのデータを検査結果として採用しますので最短 30 分
果がなかなか届かず「いつもなら 30 分
で結果が報告されます。
で結果が出ているのに...」と疑問に思
●分析機で異常値が検出されたら時間延長
われる先生もいらっしゃるのではない
自動分析機の測定で白血球の異常が疑われた場合は、顕微鏡
でしょうか。実は、血液像検査は方法
による目視(鏡検)での確認検査が必要になります。自動分析
によって数十分で報告できる場合と、
機で何らかの異常が検出されると自動的に塗抹標本の作製と
数時間要してしまう場合があるので
染色が行われます。
す。今回は血液像検査の結果報告につ
検体が到着してから標本が完成するまでにかかる時間は最
短で 30 分、最長で 3 時間程度です。
いて簡単にご説明いたします。
検体の到着から結果報告までの流れ
検体受領
~20 分
自動分析機
5分
正
常
デ
ー
タ
結果送信
所要時間
最短 30 分
異常データ
塗抹標本作製
30 分~3 時間
染色
鏡検
0~2 時間
結果送信
2 分/枚
20 分
所要時間
2~6時間
1 日 200 枚程度の標
本を作製します。
1 度に染色できるの
は 25 枚までなので
かなりの時間差が生
じてしまいます。
標本が完成次第すぐに鏡検を行いますが、多量の標本を鏡検
するため「血液像」の報告時間には 2 時間~6 時間程度のばら
つきが生じます。
●緊急白血球 5 分画検査の報告時間
「緊急白血球 5 分画」検査を行う場合は、鏡検による確認検査
は行わず分析機のデータをそのまま用いますので約 30 分で報
告可能です。
問い合わせ
血液検査室
内線(5713)
検査部は平成 19 年 4 月 1 日より検査・輸血部となりました。
これからもよろしくお願いします