農林水産省委託 地球的規模の問題に対する食料・農業・農村分野の貢献策に関する基礎調査 ODAと農産物貿易に関する政策一貫性 に関する基礎調査 報告書 - バラ および チャ - 2007 年 3 月 財団法人 国際開発センター は し が き 本報告書は、平成 18 年度「ODA と農産物貿易に関する政策一貫性に関する基礎調査委託事 業」の結果を取りまとめたものである。 近年、国際社会では政策一貫性の重要性が認識されており、日本の ODA 大綱にも「ODA と貿 易や投資との有機的連関」や「ODA 政策と他の政策との連携を図り政策全般の整合性を確保 すること」と触れられている。農業分野においても、農産物貿易や農業振興の政策との一 体性と一貫性を保ちつつ、ODA の実施を図っていくことが必要となっているが、ODA により 途上国の農産物輸出能力が強化され、日本の農業に負の影響を及ぼすことも懸念されてい る。 一方、農林水産省は従来 ODA の実施に際して日本の農業に負の影響を与えないという立場 を取ってきたが、2005 年に農産物についても「LDC 無税無枠」と共に「開発イニシアティ ブ」を打ち出し、途上国の「売れる農林水産物づくり」に向けた輸出振興への協力へと大 きく政策を転換させ、国内政策も「攻めの農政」へ大きく政策転換している。また、2006 年 9 月には中川前大臣のケニア訪問時に「日本・ケニア農林水産パートナーシッププログ ラム」及び「日本・アフリカ農林水産パートナーシッププログラム」を発表している。 このような状況で、政策一貫性へ向けた協力内容の検討、並びに途上国の農産物の輸出促 進のための協力の検討が必要となり、 「国内農業にも配慮した政策一貫性の確保」と「途上 国の輸出促進」という、一見相反する政策目標が整合性を持ち両立するような、途上国へ の農業協力の方向性を検討することとなった。 本調査の目的は次の三点である。第一に、政策一貫性基礎調査として、ドナーの協力が途 上国の農産物輸出に結びついている事例を取り上げ、ケニアのバラ(園芸作物)及びチャ (工芸作物)を対象に事例調査を行う。第二に、輸出振興基礎調査として、ケニアの園芸 作物及びルワンダの農産物全般を取り上げ、農産物の輸出促進の資する国際協力を検討す る。最後に、以上の調査結果を踏まえ、政策一貫性へ向けたアフリカに対する農業協力の 方向性を検討する。 本調査の内容は、政策一貫性調査では、既に輸出産業に成長しているケニアのバラとチャ への国際協力の状況、輸出に至る要因、輸入国への影響、輸出に結びつく協力内容、日本 農業と両立する協力内容を検討した。また、輸出促進基礎調査では、ケニアにおいては、 園芸作物の生産から輸出に至るチェーンの中で、品質管理や規格・標準、要請の出ている 植物衛生検査所強化計画の検討を行った。ルワンダにおいては、コーヒー、チャ、花きな どの輸出可能性と課題を整理した。この両調査の結果から、日本の農業振興政策や農産物 貿易政策と政策の一貫性を確保出来る協力の方向性を検討した。 本調査の実施にあたっては調査団を編成し、2006 年 10 月から 11 月にかけて、ケニア、ル ワンダ、オランダ、ドイツ、アラブ首長国連邦(ドバイ)での現地調査を行なった。現地 調査では、バラ、チャ、園芸作物などの生産から加工、流通、販売、輸出に至るプロセス において、国際協力がどのように輸出促進に結びついていったか、その要因や現状の把握 するために政府関係者、農民、生産関係者、加工関係者、市場関係者、流通関係者、援助 機関、NGO の方々へのヒアリングや意見交換及び各訪問先での現場調査を行った。また、輸 入国では、途上国の農産物が輸入に至るまでの経緯や輸入が与える影響、輸入国側の対応 を調査するために、生産関係者や市場関係者、政府関係者へのインタビューや現場調査を 行った。 更に、国内において、学識経験者や実務関係者からなる調査検討委員会を設置し、調査方 針や調査の結果、提言の取りまとめに対して、計 3 回に亘り貴重なご意見を頂いた。 なお、本調査の実施に際しては、農林水産省大臣官房国際部国際協力課より、数多くの御 指導を賜り、便宜を図って頂いたことに感謝を申し上げたい。また、ケニア、ルワンダ、 オランダ、アラブ首長国連邦(ドバイ)、ドイツでの現地調査においては、各国政府機関、 在ケニア日本大使館、独立行政法人国際協力機構ケニア事務所、同ルワンダ事務所、並び に同機構の専門家の方々、国際機関や NGO、インタビューに応じて下さった農民や生産・加 工・流通・輸出関係者の方々、民間企業の方々から多大なご支援とご協力を頂いた。更に、 在日本ルワンダ大使には現地調査にあたり貴重なアドバイスを頂いた。これらの方々には ここに深く感謝を申し上げたい。 最後に、本報告書は当センターの責任において作成したものであり、日本国政府、並びに 農林水産省の見解や政策を反映するものではないことを付記する。 2007 年 3 月 財団法人 国際開発センター 理事長 薮田 仁一郎 調査対象国(ケニア及びルワンダ) RWANDA KENYA 目 次 図表一覧 ··································································· iii 略語表 ······································································ ix 要約 ······································································ xiii 序章 調査の背景と目的、調査方法と工程 1 調査の背景と目的······················································ 序-1 2 調査の内容と方法······················································ 序-3 第 1 章 政策一貫性基礎調査(事例調査):ケニアのバラ 1.1 ケニアの園芸・工芸作物の生産と貿易動向······························· 1-1 1.2 世界のバラ生産(切り花)と貿易動向····································· 1-5 1.3 ケニアのバラ生産・貿易動向と産業変遷································ 1-13 1.4 輸入国への影響(1)- アラブ首長国連邦(ドバイ)- ··················· 1-28 1.5 輸入国への影響(2)- オランダ - ···································· 1-33 1.6 事例からの示唆······················································ 1-42 第 2 章 政策一貫性基礎調査(事例調査):ケニアのチャ 2.1 世界のチャ生産と貿易動向············································· 2-1 2.2 ケニアのチャ生産と貿易動向··········································· 2-8 2.3 輸入国にかかる調査 2.4 ケニアのチャの課題と事例からの示唆·································· 2-15 - アラブ首長国連邦(ドバイ) ・ドイツ - ··········· 2-14 第 3 章 輸出促進基礎調査:ケニアの園芸作物の輸出可能性と植物衛生検査所 3.1 農作物の輸出量からみたマーケット分析 -ケニアの園芸作物を例として- ··· 3-1 3.2 ヨーロッパの輸入規制への対応········································· 3-4 3.3 ケニアにおける植物検疫の現状と課題··································· 3-6 3.4 植物衛生検査と園芸作物産業に対するドナーの支援動向·················· 3-17 3.5 ケニア植物衛生検査所強化案件と協力の方向性·························· 3-26 第 4 章 輸出促進基礎調査:ルワンダの農作物と輸出可能性 4.1 ルワンダの概況と農業・開発戦略······································· 4-1 4.2 農業と農産物の生産・貿易動向········································ 4-16 4.3 輸出可能性のある農産物の現状と課題·································· 4-19 4.4 輸出能力の増大に貢献する協力の方向性································ 4-37 i 第 5 章 「政策一貫性」へ向けた我が国のアフリカ農業協力の方向性 5.1 政策一貫性についての議論············································· 5-1 5.2 本調査における政策一貫性検討の枠組み································· 5-7 5.3 事例調査結果に基づく比較・分析······································ 5-12 5.4 協力の方向性:政策一貫性に向けて···································· 5-24 ii 図 表 一 覧 図 図 1.1 ケニア園芸作物の輸出相手国と作物別輸出量の構成比 (2005 年) ········ 1-3 図 1.2 世界の花き輸出構成比 (2001 年) ···································· 1-5 図 1.3 切り花(バラ)の各国生産動向········································ 1-7 図 1.4 輸入切り花の金額と単価の推移····································· 1-11 図 1.5 ケニアにおける切り花(バラ)の主要生産地域························· 1-13 図 1.6 ナイロビ・東京・デビルト(オランダ)の平均気温と降水量の推移 ······· 1-14 図 1.7 ケニアの切り花とバラの輸出数量・金額の推移······················· 1-15 図 1.8 オランダの切り花(バラ)輸入先に占めるケニアの割合 ················· 1-17 図 1.9 ケニアにおける花き生産から輸出に至るフロー······················· 1-18 図 1.10 ナイバシャ湖周辺の開墾状況······································· 1-22 図 1.11 ドバイフラワーセンター··········································· 1-28 図 1.12 貨物受け入れから出荷までの流れ··································· 1-30 図 1.13 オランダにおける花き輸入と構成比の推移··························· 1-33 図 1.14 オランダの切り花輸出入国の構成比 (2004 年) ······················· 1-34 図 1.15 オランダ花き産業の構造変遷······································· 1-42 図 2.1 茶系ドリンク生産量の推移·········································· 2-5 図 2.2 日本のチャ市場における国内生産と輸入······························ 2-6 図 2.3 ケニアのチャの輸出先·············································· 2-8 図 2.4 ケニアのチャの生産地············································· 2-10 図 2.5 一芯二葉························································· 2-10 図 2.6 ケニアのチャの生産−加工−流通−輸出に至る流れ······················ 2-11 図 2.7 モンバサオークションにおけるケニア産チャの価格推移 ··············· 2-13 図 3.1 KEPHIS の機能 ····················································· 3-6 図 3.2 KEPHIS の組織図 ··················································· 3-7 図 3.3 園芸作物の生産・流通と KEPHIS の役割······························ 3-13 図 3.4 ケニアにおける園芸作物流通イメージと KEPHIS の寄与 ················ 3-17 図 3.5 ケニアの小規模園芸農家の問題分析································· 3-18 図 3.6 KEPHIS に係る協力のコンセプト ···································· 3-29 図 3.7 KEPHIS プロジェクトの実施計画案(調査団提言) ···················· 3-31 図 4.1 ルワンダの地図···················································· 4-2 図 4.2 ルワンダの国家開発計画と農業・輸出振興政策························ 4-7 図 4.3 ドナーの対ルワンダ援助資金総額と日本の支援割合の推移 ············· 4-12 図 4.4 スキーム別の対ルワンダ開発援助額のシェア(1995~2004 年:累計) ···· 4-13 iii 図 4.5 ドナー別の対ルワンダ無償資金協力金額のシェア(1995~2004 年:累計) 4-13 図 4.6 セクター別の対ルワンダ無償資金協力額と比率(1995~2004 年:累計) ·· 4-13 図 4.7 キガリの気候····················································· 4-16 図 4.8 ルワンダの輸出数量と金額の推移··································· 4-17 図 4.9 輸出品の内訳(1996~2005 年:累計) ································ 4-17 図 4.10 ルワンダのコーヒー生産地········································· 4-19 図 4.11 コーヒー生産量と輸出量・額の推移································· 4-20 図 4.12 USAID によるコーヒーセクターへの支援概念 ························· 4-23 図 4.13 チャの生産地域と生産性 (2002 年) ································· 4-26 図 4.14 チャ生産量と輸出量・額の推移····································· 4-27 図 4.15 花き輸出量・額の推移············································· 4-31 図 5.1 CDI ランキング ···················································· 5-3 図 5.2 政策一貫性と分類·················································· 5-7 図 5.3 ODA 政策と農業政策の関係 ········································· 5-10 図 5.4 国際協力によって農産物が輸出に至る条件と枠組み ··················· 5-12 図 5.5 生産から輸出までのバリュー・チェーンと国際協力の位置付け ········· 5-13 図 5.6 農産物が輸出に至る条件 ·········································· 5-15 図 5.7 「開発のための政策一貫性」の模式図······························· 5-21 図 5.8 農産物の競合度と日本産品の競争力································· 5-25 図 5.9 国際協力により日本農業に影響を与える可能性······················· 5-26 図 5.10 短期的取り組みと中長期的取り組み································· 5-28 図 5.11 小農に対する協力················································· 5-29 図 5.12 バリュー・チェーンにおける品質基準と役割分担····················· 5-30 図 5.13 SWOT 分析による戦略の検討 ········································ 5-32 図 5.14 日本市場でのポジショニング(棲み分け)····························· 5-34 図 5.15 バリュー・チェーンの中の棲み分け(花きの例)····················· 5-36 図 5.16 日本が狙うべき市場 - 棲み分け戦略による比較 - ··················· 5-37 図 5.17 統合一貫性戦略と国内・対外政策の枠組み··························· 5-39 図 5.18 ODA の流れと日本・オランダの比較 ································· 5-43 iv 表 表 1.1 ケニア主要商品別の輸出額の推移···································· 1-1 表 1.2 市場における農作物の販売額(農家別)······························ 1-2 表 1.3 ケニア園芸作物の輸出推移·········································· 1-3 表 1.4 ケニア工芸作物の輸出推移·········································· 1-4 表 1.5 世界の花き類の生産面積及び生産額·································· 1-8 表 1.6 日本の花き生産概況の推移········································· 1-10 表 1.7 輸入切り花の数量・金額・単価 (2004 年) ··························· 1-11 表 1.8 切り花(バラ)の国別輸入数量・金額の推移··························· 1-12 表 1.9 ナイバシャ湖周辺の開拓状況と全リン濃度の推移····················· 1-22 表 1.10 ケニアの切り花(バラ)産業に対する IFC の融資案件 ··················· 1-27 表 1.11 オランダのバラ輸入の推移········································· 1-34 表 1.12 オランダの園芸農園における栽培面積別農家数の推移 ················· 1-37 表 1.13 オランダ花き市場における取引高の推移····························· 1-38 表 1.14 オランダ国内の切り花需給構成 (2004 年) ··························· 1-43 表 2.1 世界のチャ生産主要国と生産量······································ 2-2 表 2.2 世界のチャ生産と貿易動向 (2004 年) ································ 2-3 表 2.3 日本でのチャの生産と消費·········································· 2-4 表 2.4 茶類の消費量の推移················································ 2-4 表 2.5 紅茶の種類別消費量の推移·········································· 2-5 表 2.6 日本のチャの貿易·················································· 2-7 表 2.7 ケニアのインスタント・ティーの輸出································ 2-9 表 2.8 ケニアの部門別チャ生産············································ 2-9 表 2.9 ケニアのチャ産業に対する世界銀行の協力··························· 2-12 表 2.10 モンバサオークションでの国別の価格及び取扱量····················· 2-13 表 2.11 ケニアの主な農産物の対日輸出····································· 2-16 表 3.1 ケニアの主な園芸作物における輸出量の比較(1) ······················ 3-1 表 3.2 ケニアの主な園芸作物における輸出量の比較(2)······················· 3-2 表 3.3 ケニアの輸出可能性のある農作物···································· 3-3 表 3.4 EU における生鮮農産物の輸入規制 ··································· 3-4 表 3.5 EU における主な民間食品基準 ······································· 3-5 表 3.6 ケニアの農業・農産物に関する法律及び基準·························· 3-5 表 3.7 KEPHIS 職員の陣容 ················································· 3-8 表 3.8 KEPHIS の施設とサービス ·········································· 3-10 表 3.9 本部・分析化学ラボの主要機材····································· 3-11 表 3.10 ムグガ植物検疫所の主要機材······································· 3-11 表 3.11 モンバサ地区事務所の主要機材····································· 3-12 v 表 3.12 KEPHIS の収支計算書 (2003~2005 年度)····························· 3-12 表 3.13 ケニアの農産物の輸出違反例······································· 3-14 表 3.14 農作物の感染例··················································· 3-15 表 3.15 病害虫の診断結果················································· 3-15 表 3.16 病害虫危険度解析(PRA)に対する各国の取り組み状況 ················ 3-16 表 3.17 ケニア園芸産業に対する課題とドナーの支援内容····················· 3-18 表 3.18 KEPHIS 強化案件の当初要請内容概要(2004 年要請分) ················ 3-26 表 3.19 KEPHIS 強化への協力実施内容(調査団提案:概要) ·················· 3-30 表 3.20 KEPHIS 強化への協力実施内容(調査団提案:詳細) ·················· 3-36 表 3.21 ケニア園芸セクターにおける主なドナーの技術協力マトリクス ········· 3-37 表 3.22 KEPHIS 法人事業化計画の目標一覧 ·································· 3-39 表 4.1 ルワンダの主な社会経済指標········································ 4-2 表 4.2 ルワンダの GDP と構成比の推移······································ 4-5 表 4.3 ルワンダにおける開発案件のプロセスと機関別の役割 ················· 4-14 表 4.4 ワーキング・グループにおけるルワンダ政府・ドナーの所掌 ··········· 4-15 表 4.5 主要農作物における生産量の推移··································· 4-18 表 4.6 コーヒーの品質分類··············································· 4-21 表 4.7 果実・野菜の輸出入額の推移······································· 4-34 表 4.8 果実と野菜の耕地面積と生産性 (2003~2004 年) ····················· 4-35 表 4.9 ルワンダの輸出可能性のある農作物································· 4-36 表 4.10 協力の方向性(長期的・短期的)····································· 4-40 表 5.1 開発貢献度指標(CDI) (2006 年) ····································· 5-3 表 5.2 ODA 大綱における政策一貫性 ········································ 5-5 表 5.3 政策一貫性の種類·················································· 5-7 表 5.4 アフリカにおける競合品と非競合品································· 5-10 表 5.5 輸入国(オランダと日本)への影響比較······························· 5-17 表 5.6 日本とオランダの経験の比較······································· 5-27 表 5.7 バリュー・チェーンにおける協力事例······························· 5-41 vi 囲み 囲み 1.1 技術革新によるロジスティクスの最新動向「切り花の海上輸送 」 ······· 1-9 囲み 1.2 アフリカにおける協力の成功例(1)「ジョモ・ケニヤッタ大学」 ········ 1-20 囲み 1.3 ケニア・花き企業の先進的な取り組み例····························· 1-23 囲み 1.4 ドバイのフリートレードゾーン····································· 1-29 囲み 1.5 DFC の施設概要 ··················································· 1-32 囲み 1.6 アールスメア花き市場の概要······································· 1-39 囲み 2.1 ケニアのチャ産業とドバイ・チャ貿易センター······················· 2-17 囲み 3.1 ドナー園芸作物調整グループ会議 (議事録まとめ) ···················· 3-20 囲み 3.2 ケニアの園芸作物と植物検疫······································· 3-40 囲み 4.1 ルワンダ内戦の概要················································ 4-3 囲み 4.2 アフリカにおける協力の成功例(2)「USAID のコーヒー開発支援」 ······ 4-22 囲み 4.3 コーヒー生産とウォッシング・ステーション························· 4-24 囲み 4.4 コーヒー加工と加工工場··········································· 4-25 囲み 4.5 チャ・加工工場··················································· 4-28 囲み 4.6 ルワンダの花き商業農園··········································· 4-32 囲み 4.7 ルワンダの農産物と品質管理······································· 4-36 囲み 5.1 海外経済協力会議·················································· 5-6 囲み 5.2 オランダの花き産業と政策転換····································· 5-19 vii viii 略 語 表 ADAR : Agribusiness Development Activity in Rwanda アグリビジネス開発案件 (USAID コーヒー支援案件) APHIS : Animal and Plant Health Inspection Service 動植物検疫所 ARPEF : Rwanda Flower Producers Exporter Federation 花き生産・輸出協会 BRC : British Retailer Consortium 英国小売協会 CDI : Commitment to Development Index 開発貢献度指標 CEPEX : Central Projects and External Finance Bureau 中央公共投資・財源事務局 CGD : Center for Global Development グローバル開発センター Common Market for East and South Africa 東南部アフリカ共同市場 COMESA : CTC : Crush, Tear, Curl CTC 製法 CWS : Coffee Washing Station コーヒー洗浄場 DAD : Development Assistance Database 開発援助データベース DCA : Development Credit Authority USAID 公的貸付保障機関 DDP : District Development Plan 郡開発計画 DFC : Dubai Flower Center ドバイフラワーセンター DNA : Deoxyribonucleic acid デオキシリボ核酸 DPCG : Development Partner Coordination Group 開発パートナー調整グループ DTTC : Dubai Tea Trade Center ドバイチャ貿易センター EAC : East African Community 東アフリカ共同体 EATTA : East African Tea Trade Agency 東アフリカ茶貿易公社 EDPRS : Economic Development & Poverty Reduction 経済開発・貧困削減戦略 Strategy EFU : External Finance Unit 対外財務部 ELISA : Enzyme-Linked Immunosorbent Assay 酵素結合抗体法 EPC : Export Promotion Council ケニア輸出促進評議会 EPA : Environmental Protection Agency 米国環境保護局 ERS : The Economic Recovery Strategy for Wealth ケニア経済再生戦略 and Environment Creation ETV : Elevated Transfer Vehicle 自動搬送システム EU : European Union 欧州連合 EUREP-GAP: European Retailer’s Good Agricultural Practice 欧州小売業界-適正農業規範 EUSPs : End User Service Providers 利用者へのサービス提供 FPEAK : Fresh Produce Exporters Association of Kenya ケニア生鮮農産物輸出組合 GAP : Good Agricultural Practice 適正農業規範 GC : Gas Chromatograph ガスクロマトグラフ GDP : Gross Domestic Product 国内総生産 ix GLP : Good Laboratory Practice 適正検査規範 GMO : Genetically Modified Organism 遺伝子組換作物 GTZ : Deutsche Gesellschaft fur Technische ドイツ技術協力公社 Zusammenarbeit HACCP : Hazard Analysis and Critical Control Point 危害要因分析・必須管理点 HBA : The Dutch Agricultural Wholesale Board オランダ花き園芸評議会 for Flowers and Plants HCDA : Horticultural Crops Development Authority 園芸作物開発公社 HFC : Holland Flower Council オランダ花き協会 HIPC : Highly Indebted Poor Countries 重債務貧困国 HPLC : High Performance Liquid Chromatograph 高速液体クロマトグラフ ICT : Information, Communication 情報通信技術 IFAD : International Fund for Agricultural Development 国際農業開発基金 IFC : International Finance Corporation & Technology 国際金融公社 IFC : International Food Standard 国際食品基準 IPM : Integrated Pest Management 統合型病害虫管理 ISAR : The Institut des Sciences Agronomiques du ルワンダ国立農業研究所 Rwanda ISO : International Organization for Standardization 国際基準化機構 ISTA : International Seed Testing Association 国際種子検査協会 ITC : International Institute of Geo-Information 国際地球情報科学 Science & Earth Observation ・地球観測研究所 International Union for Conservation of Nature 国際自然保護連合 IUCN : and Natural Resources JBIC : Japan Bank for International Cooperation 国際協力銀行 JETRO : Japan External Trade Organization 日本貿易振興機構 JFMA : Japan Floral Marketing Association (有)日本フローラルマーケティング協会 JICA : Japan International Cooperation Agency 国際協力機構 KARI : Kenya Agricultural Research Institute ケニア農業研究所 KEBS : Kenya Bureau of Standards ケニア基準局 KEPHIS : Kenya Plant Health Inspectorate Services ケニア植物衛生検疫所 KFC : Kenya Flower Council ケニア花き協会 KHDP : Kenya Horticulture Development Programme ケニア園芸開発プログラム (USAID 支援プログラム) KLM : Koninklijke Luchtvaart Maatschappij KLM オランダ航空 KSH : Kenya Shilling ケニア・シリング KTDA : Kenya Tea Development Agency ケニア茶開発機構 KWS : Kenya Wildlife Service ケニア野生生物サービス LNROA : Lake Naivasha Riparian Owners Association ナイバシャ湖沿岸住民協会 x LDC : Less Developed Countries 開発途上国 MINAGRI : Ministry of Agriculture and Animal Resource ルワンダ農業動物資源省 MINECOFIN : Ministry of Finance and Economic Planning 財務経済計画省 M/P : Master Plan マスタープラン MPS : Milieu Programma Sierteelt 花き産業環境プログラム MRL : Maximum Residue Level 最大農薬残留限界 MS : Mass Spectrometer 質量分析計 NAES : National Agricultural Extension Strategy 国家農業普及戦略 NAP : National Agricultural Strategy 国家農業政策 NPRP : National Poverty Reduction Programme 国家貧困削減計画 OCIR-THE : Rwanda Tea Authority ルワンダチャ協会 OCIR-CAFÉ : Rwanda Coffee Authority ODA : Official Development Assistance 政府開発援助 OECD : Organization for Economic Cooperation and 経済協力開発機構 ルワンダコーヒー協会 Development OOF : Other official flow ODA 以外の公的資金 PCR : Polymerase Chain Reaction DNA 分子増幅技術 PCPB : Pest Control Products Board 病害虫管理製品審議会 PEARL : Partnership Enhancing Agriculture in Rwanda 農業協力支援案件 through Linkages (USAID コーヒー支援案件) PPP : Public Private Partnership 官民協調 PQS : Plant Quarantine Station 植物検疫所 PRA : Pest Risk Analysis 病害虫危険度解析 PRSP : Poverty Reduction Strategic Paper 貧困削減戦略文書 PSOM : Program for Cooperation with Emerging 経済協力プログラム Market (オランダ経済省) RADA : Rwanda Agricultural Development Authority ルワンダ農業開発機構 RARDA : Rwanda Animal Resource Development ルワンダ動物資源開発公社 Authority RASFF : Rapid Alert System for Food and Feed 食品及び飼料に関する 緊急警告システム RBS : Rwanda Bureau of Standards REMA : Rwanda Environmental Management Authority ルワンダ環境管理公社 RHODA : Rwanda Horticulture Development Authority 園芸作物開発公社 RIEPA : Rwanda Investment and Export Promotion ルワンダ輸出投資促進機構 ルワンダ規格局 Agency RIPA : Rwanda Investment Promotion Agency ルワンダ投資促進機構 RPF : Rwandan Patriotic Front ルワンダ愛国戦線 xi RWASHOSCCO:Rwanda Smallholder Specialty Coffee ルワンダ小規模農家高品質 Company 販売会社 SANAS : South African National Accreditation System 南アフリカ国家認定システム SNV : Services of Netherlands Volunteers オランダボランティア協会 SPAT : Strategic Plan for Agricultural Transformation 農業改革戦略計画 SPS : Sanitary and Phytosanitary 衛生植物検疫 SRA : The Strategy for Revitalizing Agriculture ケニア農業活性化戦略 TBK : Tea Board of Kenya ケニア茶評議会 TRFK : Tea Research Foundation of Kenya ケニア茶研究協会 USAID : United States Agency for International 米国国際開発庁 Development USDA : United States Department of Agriculture USFDA : United States Food and Drug Administration 米国食品医薬品局 WTO : World Trade Organization 世界貿易機構 xii アメリカ連邦農務省 要 約 要 約 1. 調査の背景と目的 近年、国際社会では政策一貫性の重要性が認識されており、日本の ODA 大綱にも「ODA と貿易や 投資との有機的連関」や「ODA 政策と他の政策との連携と政策全般の整合性」について触れられ ている。農業分野においても農産物貿易や農業振興の政策との一体性と一貫性を保ちつつ、ODA の実施を図っていくことが必要となっているが、ODA により農産物輸出能力が強化され、日本の 農業に負の影響を及ぼすことも懸念されている。 一方、農林水産省は従来 ODA の実施に際して日本の農業に負の影響を与えないという立場を取っ てきたが、2005 年に農産物についても「LDC 無税無枠」と伴に「開発イニシアティブ」を打ち出 し、途上国の「売れる農林水産物づくり」に向けた輸出振興への協力へと大きく政策を転換させ た。また、国内政策も「攻めの農政」へ大きく政策転換している。2006 年 9 月には中川前大臣 のケニア訪問時に「日本・ケニア農林水産パートナーシッププログラム」及び「日本・アフリカ 農林水産パートナーシッププログラム」を発表した。 このような状況で、政策一貫性へ向けた協力内容の検討、並びに途上国の農産物の輸出促進のた めの協力の検討が必要となり、 「国内農業にも配慮した政策一貫性の確保」と「途上国の輸出促 進」という、一見相反する政策目標が整合性を持ち両立するような、途上国への農業協力の方向 性を検討することとなった。 本調査の目的は次の通りである。 1) 政策一貫性調査として、過去のドナーの協力により輸出に結びついている事例を取り上げ、 ケニアのバラ(花き)及びチャ(工芸作物)を対象に事例調査分析を行い、協力により輸出 に至る条件、及び輸入国の農業への影響などを把握する。また、今後日本の農業に影響を及 ぼし得る協力内容、並びに日本の農業振興と両立し ODA と農産物貿易及び農業振興の政策の 一貫性を確保できるような協力の方向性を検討する。 2) 輸出振興基礎調査として、農産物の輸出促進に向けた協力を検討するために、ケニアの園芸 作物を対象に輸出のボトルネックとなり得る農産物の輸出規格を調査し、要請の出ている 「植物衛生検査所強化計画」を検討する。また、ルワンダの農産物全般についての輸出可能 性と課題を検討する。 3) 以上の調査結果から、 「政策一貫性」へ向けたアフリカに対する農業協力の方向性を検討す る。 2. 政策一貫性の議論と本調査の枠組み 開発援助に関する政策一貫性には、大別して「国内の視点からの政策一貫性」と「開発のための 政策一貫性」の 2 つがある。 「国内の視点からの政策一貫性」は、国内農業に負の影響を与えな いように援助政策との一貫性を保つことである。一方、 「開発のための政策一貫性」は、開発途 上国の経済発展と貧困削減のために、援助のみならず貿易や投資、その他の開発途上国に影響を xiii 与える広範な政策分野に亘って政策間の一貫性を確保し、途上国の開発に結びつけるべきである という考えである。国際的な潮流では後者の重要性が認識されている。 日本において政策一貫性は、ODA 大綱に一部は触れられているが、2003 年の DAC 日本援助審査で は、1) ODA の目的が狭い国益が優先しないこと、2) 開発のための政策一貫性の政策表明と国民 への啓発を行うこと、3) 開発のための政策一貫性についての分析能力を高めることなどが勧告 されている。また、開発のための政策一貫性指標1では、2003 年以来連続して最下位にランクさ れている。他方、JBIC では東アジアで ODA が投資や貿易政策と一貫性を持って行われ、東アジ アの成長に貢献したという調査結果が報告されている。 本調査での枠組みは、 「開発のための政策一貫性」と「国内の視 開発のための政策一貫性 点からの(国内農業に配慮した)政策一貫性」という双方の視 点を取り入れて政策一貫性の検討を行うものである。ODA と農業 農業協力の方向性 の両政策が整合性を持ち両立するためには、農業政策の目的を 損なうような ODA の影響にも配慮しながらも「売れる農産物づ 国内の視点からの政策一貫性 くり」を促進することである。日本の農業に影響を与えるかど 出所:調査団 うかは当該農産物が日本の生産と競合するかどうかによる。本 図 S-1 本調査の枠組み 調査では、日本の農業と競合する可能性のあるケニアのチャと バラを事例として取り上げているが、対象とするアフリカの花 きと工芸作物を、競合するかどうかという点で分類すると次のようになる。 表 S-1 アフリカにおける競合品と非競合品 分類 花きと工芸作物に 説明 事例対象 おける例 競合品 日本で生産されているもので、既に日本 バラ、カーネーションなど ケニアのバラ 市場に入っているもの 非競合品 コーヒー、カカオ、紅茶、 日本で生産されていないもの ケニアのチャ 綿花、サイザルなど 日本で生産されているもので、現在あま 潜在競合品 り日本市場に入っていないが、輸送コス 緑茶など (ケニアのチャ) トの縮小などにより将来的に輸入が増 える可能性のあるもの 出所:調査団作成 これらの事例調査の結果から、協力から輸出に至る条件及び輸入国への影響を比較分析した上で、 「国内の視点からの一貫性」を保てない、日本の農業に負の影響を与えるような協力内容を検討 し、最後に、 「国内の視点」と「開発のための政策一貫性」を両立出来るような農業協力の方向 1 Commitment to Development Index (CDI)。Center for Global Development (CGD)が公表し、援助、貿易、投資、移民、平和 維持、環境、新技術の普及という 7 分野の政策を評価し、数値化して順位付けを行っている。 xiv 性を検討した。 3. 政策一貫性調査(事例調査) :ケニアのバラ(第1章) ケニアの重要な産業である農業の中で、伝統的輸出農産物であるチャやコーヒーなどの工芸作物、 並びに非伝統的輸出農産物である花きや野菜、果実などの園芸作物は輸出産業の柱となっている。 この中でも花き(切り花) 、特にバラにおける生産と輸出面での成長は著しい。 世界のバラ生産は、かつてはオランダなどが生産の中心であったが、1980 年代後半からアフリ カ、南米、アジア諸国での生産と輸出の成長が著しく、特に赤道直下の高地という地理的条件に 恵まれたアフリカのケニア、南米のエクアドルとコロンビアの成長が著しい。経済のグローバル 化とロジスティクスの技術革新により、これら南半球の国々から北半球の先進諸国への輸出が急 増している。 ケニアのバラ生産は 1980 年代後半からオランダ政府の補助金により本格的な生産が始まり、 1990 年代にはオランダや英国からの民間投資により大規模な生産が行われ、そのほとんどが両 国に輸出されている。オランダ政府や欧州連合(EU) 、国際金融公社(IFC)からは、人材育成や インフラ整備、補助金など、これらの民間投資を支援するような協力が行われている。現在、更 に自然条件に恵まれたエチオピア政府が投資優遇政策をとり、ケニアに投資した外資系企業がエ チオピアに進出しており、ケニア側はオランダ企業がエチオピアに移ることによるケニアの花き 産業の衰退に危惧を抱いている。 輸入国側のオランダでは、1970 年代に国内産の端境期に輸入が開始され、1980 年代にはアフリ カからの輸入が増加した。一旦は市場から排除しようとしたが困難であったため、積極的にケニ アに投資し、オランダがステークを握り輸入するというように方針転換した。生産拠点をケニア に移転させ、国内は高品質なものを生産するという市場差別化により生産の棲み分けをした。ま た、生産から販売・輸出までのバリュー・チェーンの入口である育種など投入材や生産技術と、 出口である市場拠点機能を抑え、世界の花きにおける地位を保つという戦略に転換をした。その 結果、オランダとドイツ向けが中心の物流拠点であったオランダ市場の市場圏が拡大し、現在は EU と東欧の市場拠点となり、アフリカからのバラもオランダの市場を経由してこれらの地域に 輸出されている。オランダの市場は更に大規模化し集積機能強化を図っている。また、ケニアの みならず世界中で生産されているバラ品種の多くはオランダの育種会社の開発したものであり、 生産の入口部分を握っている。オランダの国内、生産面積に大きな変化はないが、栽培農家数は 15 年の間で半減し、大規模化、企業化という構造転換が進んだ。 このようなオランダの戦略転換の背景には、当事者である業界が危機感を抱いて積極的に政府と 協働し、国内産業戦略や対外投資戦略、海外援助戦略を策定し、必要に応じて方向転換を行って きたことが挙げられる。特に、オランダ花き園芸評議会は業界と政府をつなぐ機能を果たし、業 界からの課徴金をこのような戦略策定や研究開発やマーケティングに投資している。 日本のバラ市場では約 268 億円のバラ市場規模の 6~7%を輸入品が占めている。ケニアからの輸 入は近年増加し金額ベースで輸入量の 5.6%(1.1 億円、2005 年)程度であるが、オランダ経由 のものを加えると更に多くなると推定される。2006 年には物流拠点としてドバイフラワーセン xv ターが開設し、アフリカからの輸入増加の可能性が高まった。日本の花き市場はオランダとは異 なり、都道府県に分散する花き市場に向けて、各地で産地間競争をしている。日本でもオランダ の例を参考にし、今後予想される輸入の増加に対し、国内でも危機感を持ち、国内での棲み分け、 海外への市場拡大とその中での棲み分けなどの国際市場戦略を立て、そのために今から、研究開 発や市場機能強化など布石を打つことが望ましい。 4. 政策一貫性調査(事例調査) :ケニアのチャ(第 2 章) 世界のチャの生産は、2005 年には中国とインドで世界の半分を生産し、スリランカも加えると これらの三ヶ国が全体の約 60%を占めている。ケニアは 2004 年以降スリランカを抜き世界第三 位の生産国となった。貿易については、アジアでは各国とも輸出と輸入の双方向の貿易をしてお り、アフリカは輸出が主で、欧州ではチャを輸入・加工し高級茶として輸出している。なお、ケ ニアは世界第一位の輸出国である。 ケニアのチャは伝統的な輸出作物であり、大規模で安定した生産と輸出を続けている。ほぼ全量 がティー・バック用の CTC 紅茶2に加工されている。バルクでブレンド用として、英国や中東、 西南アジアのチャイ市場に輸出されている。主な輸出先はパキスタン、エジプト、英国、アフガ ニスタン、スーダンや UAE であり、これらの国々で約 80%を占めている。 チャの生産は小農部門とエステート部門(商業農園)に分かれ、生産面積の 3 分の 2、生産量の 60%が小農部門の生産である。小農部門ではケニア紅茶開発公社(KTDA)が小規模生産者から茶葉 を買い上げ、加工、流通、オークションでの販売までを行っている。KTDA には 1960~70 年代に 世界銀行が技術とインフラ整備の資金援助をして基礎を作り、技術的にも経済的にも成功例とさ れている。モンバサのオークションでは、東アフリカ中の紅茶が集められセリにかけられ、世界 各地に輸出されている。 ケニアのチャの課題は、現在のバルクでの CTC 紅茶一辺倒の生産を脱却し、付加価値の創造と輸 出先の多様化にある。ケニアのチャは低農薬、手摘みが特徴であるが、CTC 紅茶としてのブレン ド用が多く、ケニア・チャの良さやケニア・チャとしてのブランドがあまり認識されていない。 付加価値化にはこれらの長所を生かしたブランドの創造と市場での認知、ティー・バッグ用の CTC 紅茶のみならずリーフ・ティー用のオーソドックス紅茶の商品開発が求められる。 日本の協力してきたジョモ・ケニヤッタ農工大学出身の人材がケニアの農産物輸出産業を支えて いる。ケニアのチャは成熟した産業であり ODA での協力は考えにくい。日本の出来る最も効果的 な協力はケニア産チャを輸入することである。日本の紅茶需要の半分がペットボトルなどの紅茶 ドリンク需要であり、これらを製造している大手飲料メーカーの輸入促進のため、ケニアのチャ の認知度を上げるべく、当該メーカーへの紹介や働きかけなどが効果的である。 日本のチャ市場は 15 万トンで、うち緑茶 11 万トン、紅茶 1.5 万トン、中国茶などが 2 万トンで ある。緑茶は年間 10 万トンが生産され、紅茶のほぼ全量を輸入している。ケニアからの紅茶の 2 Crush, Tear, Curl の略で、ティーバッグ用の細かく刻んだ紅茶。抽出時間が短く、ミルク・ティーなどの濃い紅茶に向いてい る。 xvi 輸入は少なくまた単価も低い。近年は緑茶ドリンク用のインスタント・ティーの輸入が急増して おり、将来的に輸入が増えることは考えられる。ケニアのリーフの緑茶は、現段階では日本市場 の嗜好や品質にマッチするのは困難であるが、年中新茶が取れるという条件やロジスティクスの 革新と日本からの働きかけがあれば、日本への輸出もあり得る。日本の緑茶はペットボトル需要 に圧されて茶葉需要が停滞し、緑茶の嗜好や味の判る人口が減りつつある。日本のチャ産業とし ても、緑茶の国内茶葉市場の開発、品質の差別化を図ることが望ましい。 5. 輸出促進基礎調査:ケニアの園芸作物の輸出可能性と植物衛生検査所(第 3 章) ケニアの園芸作物は主な輸出先である欧州市場のニーズにあわせて輸出され、園芸作物の 80%が 小規模農家により生産されており、小規模農家の収入向上にも貢献している。輸出可能性のある 農作物は、花きの他、野菜(エンドウマメ、ベビーコーン等)、果実(パッション・フルーツ)等で ある。欧州市場へ生鮮農産物を輸出する際には、輸入国政府の求める残留農薬基準やトレーサビ リティなどの要求の他、民間の求める EUREP-GAP(EU 小売業界の適正農業規範)や BRC(英国小 売協会の食品基準)など基準や規格などの厳しい要求を満たす必要がある。ケニアでは政府や民 間レベルで独自の規制や基準・規格を作成して、安全な農産物の生産のための品質管理を行って いるが、小規模の農家は技術・経済的に対応困難である。ケニアの農産物の品質管理の中で中心 的な役割を果たしているのが「ケニア植物衛生検査所 (KEPHIS)」であり、植物を病害虫から守 る植物防疫と人の健康を守る食品安全の双方の機能を持っている。 KEPHIS の課題は、 · 植物検疫では輸出検疫に重点が置かれ、輸入検疫や輸入許可制度における病害虫危険度解析 (PRA: Pest Risk Analysis)が不十分で、国内での病害虫蔓延による農業被害や、人々の 食品の安全性に対するリスクを減らすために、自国の植物保護機能も強化する必要がある。 · 植物検疫の法制度はある程度整備されているが、実際の検査では、資機材、同定診断体制、 人材などの問題から的確で迅速な検査のニーズに応えられていない。 · 品質保証では、各種の分析機能はかなりの機器が旧式であり、分析ニーズに対応困難である。 また、輸出用の基準検査や国内流通農産物の安全のための検査能力を強化する必要がある。 · 小規模農家における作物栽培管理・指導のための病害虫クリニックなどの農家への助言サー ビスを、小規模農家の所得向上のためにも強化の必要がある。 協力の方向性は次の通りである。 1) KEPHIS の人材育成を強化することで、園芸作物の衛生検査サービス能力が向上し、ケニア国 内において農作物の病害虫被害や、食品としての農産物の安全性に対するリスクを低下させ、 国内の園芸作物が保護され農作物の安全性が確保される。 2) KEPHIS によって農薬、肥料、種子など投入材の品質が確認され、生産時の病害虫診断が適切 に行なわれることによって、農家が安心して生産を行うことが出来、市場に安全で品質の良 い農産物を流通させることが出来る。 3) 輸出時の市場の要求を満たすための検査能力を強化することで、輸入国から拒否されるもの も減少し、ケニアの農産物安全性に対する信頼性が向上し、結果として輸出が促進されて農 家所得が向上する。 協力は人材育成を主眼とした 2 つのフェーズに分け、フェーズ 1 では分析能力強化、植物衛生機 xvii 能強化とそのための人材育成を行い、フェーズ 2 では植物検疫機能の強化を行うことが望ましい。 KEPHIS への協力による効果としては、次のことが期待される。 1) 植物衛生・検疫機能の強化により、海 外からの検疫病害虫の侵入を未然に防 KEPHISプロジェクトのコンセプト ぎ、侵入警戒調査及び発生予察等によ 上位目標 ケニアの園芸作物の国内での衛生と安全性が確保され、園芸 り国内の病害虫発生を早期に発見して 作物の輸出促進に伴って、農家所得が向上する。 防除を行うことができ、作物を病害虫 プロジェクト目標 園芸作物の植物衛生検査サービスが強化される 被害から守ることが出来る。また、輸 出農産物の病害虫発生リスクも軽減で アウトプット き、輸出時損失を減らしケニア農産物 1. 化学分析ラボのサービスが改善される - 農業投入資材の分析と認証 品質の信頼性が増して輸出促進に貢献 - 残留農薬分析 2. 植物衛生サービスが改善される する。 - 輸出入の植物検査 - 輸出入の植物検疫 2) 分析検査機能強化により、国内の食の 3. 職員研修と能力開発が改善される 安全を確保でき、また輸出市場が要求 活動 する品質、かつ安全な農産物を供給で 1. 分析技術の向上:残留農薬分析、環境モニタリング 2. 病害虫診断技術、生物制御、ペストリスクアナリシス き、輸出促進に貢献する。 3. 農家助言センターのための人材開発の改善 3) 病害虫診断能力強化により農家への助 インプット(技術協力) 言サービスも強化され、小規模農家の <日本側> - 長期・短期派遣専門家 生産段階での病害虫管理技術が向上し、 (病害虫診断、残留農薬分析、マイコトキシン分析、GMO検査 リスク評価、ペストリスクアナリシス、植物衛生データベース等) 小農による輸出促進及び貧困削減に貢 - 日本での研修 <ケニア側> - カウンターパート 献する。 - 機材他の維持管理費 - 専門家の事務所、必要な施設、ユーティリティ他 4) 日本は既に小規模農家の生産段階での 協力を行っており、その前後の入口と 出所:調査団にて作成 しての投入材の品質保証、出口として 図 S-2 KEPHIS への協力の方向性 の農産物の品質保証と検査の機能強化 を行うことで、日本の協力との連携が 確保出来る。生産から輸出までのバリュー・チェーン全体をつなぎ、小規模農家主体の売れ る農産物づくりに貢献することは、貧困削減にも効果がある。 5) ケニアにおいて、世界的に認められた検査機関が輸出農産物の残留農薬分析を行えるように なり、時間とコストが節約でき、周辺国への利益としても東アフリカ全体への波及効果が期 待出来る。 6. 輸出促進基礎調査:ルワンダの農産物の輸出可能性と課題(第 4 章) ルワンダは人口 810 万人の貧困率(51.2%)の高い重責債務国であり、労働人口の 90%が農業セク ター、GDP の 46%が農林業により占められる農業国である。主要輸出農産物はコーヒー、チャで、 花きがそれらに続く。1994 年のジェノサイドにより大きな打撃を受けたが、復興へかける政治 的意思、ビジネスのような政府づくり、効率的な制度整備、汚職のないガバナンス、治安安定へ の取り組みは目覚ましく、現在は政情も安定し経済成長が続いている。 開発戦略は Vision 2020 及び貧困削減戦略文書の下に、農業・園芸作物、輸出促進に向けた開発 戦略やアクションプランを策定し、ケニアなどの周辺国とは規模・価格面での競争を避けるため、 xviii 低容量・高品質・高付加価値の農産品生産・輸出拡大を開発戦略の柱としている。最終的にはこ れらを地域開発や貧困削減へつなげることを目指している。 コーヒーは高品質で知られているが、品質が一定しないためコーヒー・ウォッシング・ステーシ ョン(CWS)により高品質・高付加価値化が必要である。チャの輸出は増加傾向にあり、高品質 で高値で取引されているが、更に高付加価値化を目指している。花きは、輸出商業農園は国内で 1 社のみである。園芸作物開発公社(RHODA)が設立されたばかりで、花きの研究開発・産業支援 機関が十分に機能していない。果実・野菜の生産量の約 70%が国内向けの生産・販売であり、国 内産業育成の方針があるが、品質管理が課題である。 農業の研究・開発は国立農業研究所(ISAR)が担当し、協同組合や小規模農家からの相談にも対応 している。投資・貿易促進は投資輸出促進機構(RIEPA)が担当している。2006 年 1 月の行政機構 改革に伴って農業動物資源省(MINAGRI)の園芸作業部会(Horticultural Taskforce)が園芸開発 公社(RHODA)へ改編・新設され、農業開発公社(RADA)など既存組織との分掌や具体的な取り組み はこれから行われる予定である。灌漑による水資源の開発は必要であるが、灌漑施設整備が遅れ ている。 ルワンダに対する協力ニーズとしては次のものが挙げられる。 1) 内陸国で輸送及びエネルギーコストとも高く、輸出には不利な地理的条件にあるが、品質の 高く化学投入材が未使用で独特のアロマのあるコーヒーやチャ、汚染されていない環境で栽 培出来る花きなど強みのある農産物もある。ケニアのように大量輸出する市場で勝負するの でなく、少量で付加価値を付けターゲットとする市場を絞ることが重要である。 2) 短期的に外国投資を呼び込むことが近道であるが、長期的には研究開発や農産物の輸出促進 を担当する機関の組織強化が重要である。ルワンダには十分な研究開発が出来る機関はなく、 ISAR の強化や民間企業にも裨益できる体制が望まれる。また、戦略的な調査研究も重要であ る。RIEPA は投資と輸出を促進する実施機関であり、投資に対し One-Stop Service を導入す るなど効率的で機動力がある機関であり、マーケット・スタディーや詳細な輸出戦略の策定、 輸出入統計システムとサービス強化などの協力を通したキャパシティ・ビルディングが望ま れる。また、園芸作物については、新たに園芸開発公社 (RHODA)という実施機関を設立した ばかりであり、この機関のキャパシティ・ビルディングが必要である。 3) また、長期的には人材育成が重要である。付加価値を付け狙ったマーケットに輸出するには そのための人材が必要で、大学や研究機関などで各レベルでの人的資源の育成が必要である。 4) 更には、長期的な協力としてバリュー・チェーンの整備支援も必要である。生産から販売・ 輸出までのバリュー・チェーン、貧困削減も含む開発枠組を考慮した協力が必要である。 5) 灌漑整備も長期的な協力としてが必要である。水資源の確保により作物の国内供給安定化、 周辺国への輸出可能性もあり、小規模農家への裨益や貧困削減への貢献も期待出来る。 6) 短期的にはコーヒーのウォッシング・ステーションの整備が輸出に直接結びつく。施設だけ を整備するのでは十分に機能しないので、農民の組織づくりや販売面での協力を組み合わせ る必要がある。 7) 民間投資の奨励は必要だが、ルワンダの強みである汚染のない環境で作られた農産物を維持 する配慮が必要である。 xix 7. 「政策一貫性」へ向けた協力の方向性(第 5 章) 本調査の枠組みに基づいて、本調査で扱った政策一貫性調査事例のケニアのバラ、チャ、並びに 輸出促進調査の事例のケニアの野菜と果実、ルワンダのコーヒーの事例も対象に、協力により輸 出に至る条件、及び輸入国の影響について比較分析を行った結果は次の通りである。 1) 協力によって輸出に至る条件は、市場ありきで「輸出市場を見つけ、その市場条件に満たす ものを生産し、バリュー・チェーン全体をつなぐ協力をする」ことである。具体的な協力と しては、第一に、輸出先で求める植物検疫に加え GAP(適正農業規範)など、市場で求める 基準や規範・品質を満たすための品質管理に対する協力がある。第二に、研究開発、インフ ラ整備、適切な制度や政策の適用など、公的機関の果たす役割を強化する協力である。 2) 輸入国への影響について、ケニアのバラの輸入国であるオランダの事例では、アフリカ産花 きの輸入増加に対して、積極的に戦略転換した結果、産業全体としての競争力を保つに至っ ている。国内生産は商品市場の中でも付加価値市場にシフトし、産業のバリュー・チェーン のうち入口(投入材と技術)及び出口(市場機能)での競争力を確保している。この経験は、 日本の工業セクターが東アジアで経験したことと類似しており、双方とも「開発のための一 貫性のある政策」を採用し「途上国開発と国内産業発展の両立」を達成していると言える。 これら事例調査の比較分析結果から、日本の農業に影響を与える可能性が高い協力を検討した結 果は次の通りである。 1) 競合品に対し生産から輸出までバリュー・チェーンをつなぐ協力は途上国の輸出につながり、 日本の農業に負の影響を与える可能性が高い。 2) 広い意味では、途上国への協力を抑制したのにも関わらず、次第に市場開放を余儀なくされ 衰退していくことが、日本の農業に与える負の影響の最大のものである。現在の国際情勢か らも、国内市場での外国産農産物との競争激化を食い止めることは容易ではない。このよう な状況で、途上国への協力を抑制するならば、それこそが、日本農業へ与えうる最大の「負 の影響」となるであろう。なぜなら、オランダの花き業界の経験に見るように、協力もまた、 戦略的に取り組むことで、産業衰退を食い止める助力となるからである。更に、いくら途上 国への援助を続けたとしても、現状のままでは政策一貫性に関する国際的評価は改善されな いであろう。途上国への援助に関わらず、業界が衰退していくとの認識に立てば、守り一辺 倒ではなく、日本の工業セクターやオランダの花き産業が行ったように攻めの姿勢に転じ、 海外市場を視野に入れた、業界全体として国際競争力を向上させるための構造転換が必要で ある。そのためには協力として何が出来るのかを含めた戦略を検討する必要がある。 以上を検討した結果、 「政策一貫性」へ向けた協力の方向性は、 「国内の視点からの政策一貫性」 と「開発のための政策一貫性」を両立させるような協力と言える。全ての政策一貫性を確保する ことは困難を伴うが、援助政策と国内農業政策の一貫性に配慮しつつ、段階的に開発のための政 策一貫性へ整合性を確保するよう、時間をかけて柔軟に対応していくことが必要である。 オランダに代表される政策一貫性で高位にランクされる国では、産業界と政府が協働で、国内産 業に配慮しながらも国際的に評価されるようなイニシアティブを取っている。日本も世界市場の 中での国内業界全体の戦略を検討し、将来像を明確に意識しながら布石を打っていく必要がある。 今後、途上国に対する援助政策は、 「開発のための政策一貫性」を保つために、途上国開発と自 国産業発展を両立させ、国内政策と対外政策を統合した一貫性のある戦略を立てる必要があり、 xx この一環としての援助を実施していくことが望ましい。 具体的な協力の方向性としては、短期的な取り組みとして、 「国内の視点からの(国内農業との) 政策一貫性」に配慮した当面の協力、中長期的な取り組みとして、将来を見据えた国内政策と対 外政策を統合した戦略を検討し、その戦略に沿った協力がある。これにより将来的に「開発のた めの一貫性」も確保される。 協力の短期的な取り組みとして、当面日本の農業に負の影響なく国際協力を行うには、非競合品 や周辺基盤に対する協力を行うことである。花きや工芸作物は商業的に行われており、民間大農 場への協力というのは ODA では考えにくく、次のような協力が挙げられる。 1) 小規模生産者を対象とした協力として、伝統的な輸出農産物など非競合品の小規模生産者に 対し、生産から輸出までバリュー・チェーン全体をつなぐような協力がある。例えば、伝統 的な輸出農産物に対する初期段階での基盤整備の協力として、ルワンダのコーヒーの小規模 生産者を対象に、コーヒー・ウォッシング・ステーションの整備と運営、組織化、マーケテ ィングに関する協力がある。 2) 基礎的な協力としては、人材育成や研究開発に対する協力がある。これらの協力は成果が発 現するには時間がかかり、当面は日本の農業に大きな影響は与えないが、中長期的な展望の 下で今から開始する必要がある。例えば、ルワンダではジェノサイトがあり、ルワンダは人 材も研究能力も貧弱なので、将来を見据えて人材育成や研究開発能力強化が必要である。 3) バリュー・チェーンをつなぐものとしては、生産システムと品質管理への協力がある。生産 の前後のプロセスをつなぎ、生産−加工−流通−輸出と言ったバリュー・チェーンをつなげる 協力が「売れる農産物づくり」には必要である。農産物を輸出するには輸入市場が要求する 各生産・加工処理段階での基準や規格を満たす必要があり、これらの基準・規格を満たせば 品質の向上や付加価値が創造され、国際競争力も強化される。その基準や規範を設定し、検 査・監督する機能の強化への協力がある。対象品目の生産者が小規模生産者であれば貧困削 減という目的に合致し、ODA の対象としても相応しい。ケニアでも KENYA-GAP の作成を進め ているが、GAP は今後国際標準となり得るため、日本が GAP の作成と適用に協力することは 戦略的な ODA の対象となり、国際標準化も視野に入れた同分野への協力が望まれる。特に、 ケニアやルワンダでは無農薬や低農薬で栽培される作物が多い。この強みを活かした無農薬 農産物を認証するシステムを導入するなど、品質を保証するシステムへの協力が考えられる。 4) 植物検疫能力強化への協力もバリュー・チェーンをつなぐ協力である。例えば、ケニアの KEPHIS は幅広い機能を持っているが、人材はその機能に追いついておらず育成と能力強化が 必要である。小規模生産農家が多い野菜や果実などの園芸作物を対象にすれば、各生産・加 工処理段階で品質の向上が図られ、結果として小規模農家の所得向上につながる。KEPHIS は農業生産の前段階と後段階での品質向上に大きな役割を果たしており、現在実施されてい る小規模農民園芸強化計画(JICA)などと連携して KEPHIS の強化を図ることにより、生産か ら流通、輸出までの一連のチェーンで支援することとなり、輸出促進に効果的である。また、 アフリカ大陸で KEPHIS のような機関は南アフリカにしかなく、東アフリカにこのような拠 点が出来ることは東アフリカ全体に便益が波及する。 中長期的な取り組みとして、 「国内の視点からの(農業政策との)政策一貫性」の観点と「開発 のための政策一貫性」の観点を統合し、国内政策と対外政策との整合性を保つ戦略を以下の通り 検討した。このような「統合一貫性戦略」に沿って国内政策、対外政策、対外援助政策と協力の xxi 方向性の枠組みをまとめたものが図 S-3 であり、その要旨は次の通りである。 1) まずは市場を海外まで拡大し、その中で日本の強みを活かした棲み分けと、それに向けた経 営基盤強化を行う。 · 市場差別化:技術力、品質、高度なサービスを活かし差別化された市場を狙う(商品市場 内での高品質市場 (新技術/品種、高品質) 、及びバリュー・チェーン内での川上や川下 (知財、標準、ノウハウ、高度なサービス、情報) ) · 市場拡大:国内市場だけでなく、市場開放した海外市場も狙って市場を拡大する(市場の 高度化、そのための情報発信など) · 経営基盤強化:上記を達成するために、業界として経営基盤を強化する(ノウハウ、合理 化、低コスト化、情報力、新技術開発) 2) 次に、上記に沿った整合性のある国内政策と対外・援助政策を実施する。 短期的取組み:国内の視点からみた政策一貫性 長期的取組み:開発のための政策一貫性 ■業界関係も参加し統合戦略策定 統合一貫性戦略 ●拡大市場で日本の強みを活かした棲 み分けを狙い、それに向けた経営基盤 強化 ■フィードバックと必要な方向性修正 ●これに沿った国内政策と整合性のあ る一貫した対外・援助政策 ■国内戦略の実行 1.市場差別化(棲み分け)戦略 -高品質商品市場 -バリューチェーン内での川上や川下 国内政策 2.市場拡大戦略: 日本→アジア→世界市場 3.経営基盤強化戦略 対外政策 政 策 一 貫 性 ■自由な貿易・投資による 市場拡大と国際分業 ●市場拡大への障害除去(制度,流通インフ ラ,検疫,コールドチェーン) ●市場の拡大・底上げ(高品質商品のPR、普 及,情報提供) ●市場拡大への技術開発(各市場嗜好に応じ た商品開発,各国の条件にあった技術開発) ●投資・貿易環境整備(制度,インフラ) ■非競合品や周辺基盤に対する協力 対外援助政策 ●新品種,新技術,新商品,高度サービス開発強化 ●技術開発や障害解消のための研究開発強化 ●経営能力・ノウハウ強化 ●品質管理標準化(GAPなど) ●市場,流通,情報,マーケティング機能強化 ●相手国情報収集と提供(市場,安全基準情報など) ●知的財産保護 ●基礎的な協力(人材育成、研究開発) ●小規模生産者への協力 ●生産システムと品質管理 ●植物検疫能力向上 ●権利の保護(種苗法など知的財産,商標) ●国際的な品質向上(品質管理標準の普及,安全・ 衛生基準整備) ●人材の育成(各国公的機関やビジネスに必要な 人材) ●リスク管理(防疫,知財保護,紛争処理,安全対 策) ■統合戦略 に沿った競合品を含めた協力 ●需要の底上げ:新品種・新用途の啓蒙 ●流通・販売チャンネル整備(インフラ,制度) ●植物検疫能力向上 ●各種制度整備 -安全,安心,衛生のための品質管理標準化 -知的財産保護の制度整備と実行能力向上 ●嗜好に応じた商品開発,地域条件にあった技 術開発 ●人材育成(公的機関、ビジネス人材) 出所:調査団作成 図 S-3 統合一貫性戦略とその中における国内・対外政策の枠組み、協力の方向性 xxii 上述の検討の結果、推奨される中長期的な協力は、国内政策と対外・援助政策の統合一貫性 戦略に沿って、競合品も含めてバリュー・チェーンをつなぐ次のような協力である。 1) 2) 3) 4) 5) 途上国市場での需要の底上げ(新品種・新用途の啓蒙) 嗜好に応じた商品開発、地域条件にあった技術開発 流通・販売チャンネル整備(インフラ、制度、コールドチェーン整備) 植物検疫能力向上 各種法制度整備(安全、安心、衛生のための品質管理標準化の制度普及、種苗法など知的 財産保護の制度整備、各種制度の実行能力向上) 6) 人材育成(公的機関、ビジネス人材) なお、国内外の政策を考慮した統合一貫性戦略の策定に関する留意点は次の通りである。 1) 競合品についての市場差別化 商品の細分化市場における棲分けとバリュー・チェーンにおける棲分けの 2 つがある。商品 市場での狙う市場は高付加価値市場であり、例えば、新品種、新技術、有機農産物、新ノウ ハウ、新サービス市場などである。バリュー・チェーンの中で狙うべき市場は、川上及び川 下市場であり、新品種・技術・ノウハウの開発、情報・市場・流通機能、高品質サービスな どが対象分野である。この 2 つの市場差別化のポジショニングをまとめたものが図 S-4 であ る。但し、新たな品種や技術、ノウハウなどを開発すれば、それを保護する知的財産保護が 必要であり、高い品質を保つには品質管理など標準化が必要となってくる。途上国に対し、 知的財産保護の枠組みづくりと実行能力を付けさせること、標準化のためのシステムを普及 し実行させることも必要となってくる。 知的財産保護 高 市場 価値 ■新品種開発 ■新技術開発 ■新ノウハウ ■普及品パテント ■高品質農産物生産 :有機なども含む ■高度サービス ■マーケティング情報 ■高度加工 ■普及品農産物生産 標準化 ■市場、流通 ■一次加工 低 上流 中流 下流 バリュー・チェーン 出所:調査団作成 図 S-4 棲み分け戦略でのポジショニング 2) 市場の拡大 オランダの花きの事例では、国内とドイツが主な市場圏であったが、次第に EU、更にロシア など東欧も含む欧州全体に拡大した。日本での花きや緑茶も外国市場開放により市場が拡大 する可能性もある。現在のアジア市場では切り花の利用は限られているので、今後、新品種 の啓蒙、切り花の需要に応じたきめ細やかなサービスなどの普及によりアジアの需要を拡大 できる可能性がある。また、緑茶は近年の健康ブームで欧米やアジアでも需要が伸びており、 これらの市場に高品質な茶や地元の人の嗜好にあった飲み方などを広め、需要を拡大できる 可能性もある。このような需要拡大を行う具体的な戦略を立て、そのために何を行うかを業 界として検討することが望まれる。 xxiii 3) 経営基盤の強化 日本農業の経営基盤は強くない。市場差別化戦略に即してこれらの経営基盤の強化を行うこ とが望まれる。花きの場合、散在する国内市場に向けた産地間競争をしているが、今後は国 際競争の時代となることが予見される。オランダでは花き評議会が花き関連業者から収入に 応じた会費を徴収し、どのような戦略が必要か、その戦略にはどのような研究が必要かを議 論し、その原資で大学や研究機関に研究開発を委託している。国際競争で勝つには何が必要 か、都道府県別でなく国レベルで国際競争の中でどのように勝つかを検討することが望まれ る。そして、どのような技術開発や情報、ノウハウは何が必要かを議論し、(1) 海外情報の 提供と共有、(2) 国際競争に勝つための研究開発:散在する試験場での個別研究から全国連 携へ、(3) 全国レベルでの業界主導の戦略検討、(4) 経営能力やノウハウの向上などに取り 組んでいくことが望まれる。 最後に、政策一貫性へ向けた ODA の体制の課題を挙げる。DAC の対日援助審査では、「開発の ための一貫性に関する政策表明と国民の啓蒙」、「開発のための政策一貫性に関する分析能力 の向上」が勧告されている。オランダとの比較で、日本の援助総額はオランダと比較になら ない程大きいにもかかわらず、オランダは CDI で1位にランクされているのに対し、日本は 最下位という対照的な結果となり国際的評価が低い。オランダの事例との比較から、日本で は分析に基づく政策一貫性のための援助政策や国内政策の戦略機能強化が遅れていることが 指摘され、低い評価の要因ともなっている。政策の一貫性を確保するためにも、 「開発のため の政策一貫性」へ向けた ODA の戦略・分析能力強化が望まれる。ODA 政策と実施の流れの中で、 日本とオランダのタイプを位置づけると、日本は援助の一連の流れにおける実施部門(純粋な 援助政策やプロジェクトの計画・実施・評価など)に力点を置いているのに対し、オランダは 政策一貫性を視野に入れ、分析や広報の川下部門、及び川上部門の戦略策定機能にも力を入 れていることが判る。 大 オランダ型 競争力/ 投入量 日本型 小 川上 戦 略 機 能 計 画 実 施 評 価 分 析 広 報 川下 実施 出所:調査団にて作成 注記:ポジショニングは調査団の判断による 図 S-5 ODA の流れと日本・オランダの比較 今後、日本の援助も狭義の計画や評価機能強化のみならず、政策の一貫性を視野に入れて、 川上と川下部門、すなわち広義の計画である戦略策定機能及び分析機能を強化し、国内外に 広報・啓蒙していくことが必要である。そのためには援助政策の立案を業界関係者などと協 同で行うこと、援助政策や実施の情報も一般国民や業界関係者への情報公開することが必要 であり、これらにより日本の生産者にも各国の状況が情報として普及され、将来的には国内 産業の競争力強化に結びつくことが望まれる。 xxiv 序章 調査の背景と目的、調査方法と工程 序論 1. 1.1 調査の背景と目的、調査方法と工程 調査の背景と目的 調査の背景 (1) 政策一貫性検討の必要性 近年、国際社会では政策一貫性の重要性が認識されており、日本の ODA 大綱でも「我が国 の ODA と途上国の開発に大きな影響を有する貿易や投資が有機的関連を保ちつつ実施され、 総体として開発途上国の発展を促進するように努める」とされている。また、 「ODA の実施 に当たっては、我が国の経済・社会との関連性に配慮しつつ、我が国の重要な政策との連 携を図り、政策全般の整合性を確保する」ことが謳われており、農業分野においても、農 産物貿易や農業振興などに関する政策との一体性と一貫性を保ちつつ、ODA の実施を図って いくことが必要となっている。 農業分野の ODA は、途上国における飢餓や貧困の削減、地球環境温暖化をはじめとする環 境問題や世界の食糧需給の将来に亘る安定等の地球的規模の問題への取組みを目的に実施 されているが、ODA によって途上国の農業生産力の向上や農産物輸出の能力が強化され、そ の結果、経済のグローバル化に伴って、日本の農業及び農業政策に影響を及ぼす事態も懸 念されている。 (2) 輸出振興への協力の必要性 他方、農林水産省は従来 ODA の実施に際しては日本の農業に負の影響を与えないという立 場を取ってきたが、2005 年の WTO 閣僚会議にて農産物についても「LDC 無税無枠」と共に 「開発イニシアティブ」を打ち出し、途上国の「売れる農林水産物づくり」に向けた輸出 振興への協力へ、国内政策も「攻めの農政」へと大きく政策を転換している。また、2006 年 9 月には中川前大臣のケニア訪問時に「日本・ケニア農林水産パートナーシッププログ ラム」及び「日本・アフリカ農林水産パートナーシッププログラム」を発表している。 このような状況で、政策一貫性へ向けた協力内容の検討、並びに途上国の農産物の輸出促 進のための協力の検討が必要となり、 「国内農業にも配慮した政策一貫性の確保」と「途上 国の輸出促進」という、一見相反する政策目標が整合性を持ち両立するような、途上国へ の農業協力の方向性を検討することとなった。 序-1 1.2 調査の目的 (1) 政策一貫性基礎調査 ドナーの協力により輸出に結びついている事例を取り上げ、ケニアのバラ(園芸作物)及 びチャ(工芸作物)を対象に以下の事例調査を行う。 · · 国際協力によって輸出に至る条件と、輸入国の農業へ与える影響などを把握する。 今後日本の農業に影響を及ぼし得る国際協力の内容、並びに日本の農業振興と両立 し得るような、ODA と農産物貿易及び農業振興の政策一貫性を確保する協力の方向 性を検討する。 (2) 輸出振興基礎調査 農産物の輸出促進のための協力を検討するために、ケニアとルワンダにおいて以下の基礎 調査を行う。 · ケニアの園芸作物を対象とし、輸出促進のボトルネックとなり得る農産物の輸出規 格を調査し、ケニアから要請の出ている「植物衛生検査所強化計画」を検討する。 · ルワンダの農産物全般について、輸出促進の可能性と課題を検討する。 (3) まとめ 以上の調査結果から、政策一貫性へ向けたアフリカに対する農業協力の方向性を検討する。 序-2 2. 調査の内容と方法 2.1 調査内容 主な調査内容は以下の通りである。 1. ケニアにおける輸出農産品の事例調査及び調査結果に基づく比較・分析(バラ、チャ) (A) 事例の調査分析 (B) 調査対象農産物の輸入国に関わる調査・分析 (C) 事例調査結果に基づく比較・分析 2. ケニアにおける農産物の輸出可能性(園芸作物、植物衛生検査所強化計画の検討) 3. ルワンダにおける農産物の輸出可能性 4. 現地調査・分析結果に基づく検討 (A) 我が国の農業に影響を及ぼす可能性がある協力の検討 (B) 輸出能力増大に貢献する協力の方向性の検討 5. 調査の手順及び分析手法の取りまとめ 6. 関係者アンケートの実施 7. 調査結果の公表及び事業報告書の作成 2.2 調査実施方法 (1) 国内調査 既存資料の分析 既存資料を基に、調査対象国であるケニアとルワンダ、対象作物の輸入国であるオランダ や日本における農産物貿易の現状と見通しを概観すると共に、対象品目を扱う産業の現状 や課題を整理した。 調査検討委員会開催 調査対象品目及びその貿易、並びに対象国に造詣の深い学識経験者及び国際協力関係者か ら構成される調査検討委員会を設置した。本検討委員会では調査活動及び調査分析手法に 関する助言を行うとともに、調査結果を基にした検討等を実施するため、計 3 回の委員会 を開催し議論を行った。なお、調査検討委員会には調査団もメンバーとして参加した。 現地調査 ケニア及びルワンダにおいて計 3 週間、アラブ首長国連邦(ドバイ) 、オランダ及びドイツ にて計 1 週間の現地調査を実施した。現地調査では各国の農業開発関連省庁や対象作物関 序-3 係機関、我が国の援助関係機関や国際機関、農業協同組合や農民団体との対話を通じて、 調査対象国の農業開発や農産物貿易における現状と課題を把握した。また、農業開発や農 産物貿易を進める上でボトルネックとなっている課題についても、その解決方法を検討し た。 (2) 調査実施体制 調査の実施にあたり、以下の通り調査団及び調査検討委員会を組織した。 調査団員(○は現地調査団員) ○ 総括・国際農業 吉村 浩司 (財)国際開発センター ○ 農業貿易 等々力 ○ 農産物規格 上野 一美 海外貨物検査株式会社 コンサルタント部長 アフリカ農業 鳥海 直子 (財)国際開発センター 主任研究員 経理 宇津木 絵 (財)国際開発センター 博明 (財)国際開発センター 主任研究員 研究員 なお、ケニアにおける現地調査に当たっては、日・ケニア農林水産パートナーシッププロ グラム実施に関する意見交換等のためケニアに派遣された、農林水産省横浜植物防疫所の 中山宏基 次席植物検疫官と同行し、植物検疫に関し共同して調査を行った。 調査検討委員会 委員(以下五十音順、○印は座長) ○ 山田 三郎 元(財)国際開発センター顧問 農産物貿易 聞谷 正人 株式会社セレクティー社長 チャの生産流通貿易 花谷 厚 国際協力(アフリカ農業協力) 福井 博一 岐阜大学 教授 バラの貿易 米村 浩次 米村花きコンサルタント事務所 花きの生産流通 国際協力機構 (3) 調査工程 国内調査 2006 年 7 月~9 月 既存資料の整理・分析 2006 年 10 月 2 日 第 1 回国内検討委員会開催 (調査テーマ、調査方法の検討) 2006 年 12 月 8 日 第 2 回国内検討委員会開催 (現地調査結果の報告) 2007 年 1 月~2 月 調査報告書の作成 2007 年 2 月 2 日 第 3 回国内検討委員会開催 (報告書及び協力の方向性の検討) 2007 年 2 月 アンケート調査実施 2007 年 3 月 23 日 最終報告書(和文、英文要約) 提出 序-4 現地調査日程 日付 調 査 行 程 備考 10月22日 (日) 成田発→アムステルダム→ハンブルグ 吉村団長 10月23日 (月) ドイツ紅茶協会 吉村団長 羽田発→関空→ 10月24日 等々力/上野/中山団員 (火) ドバイ→ナイロビ着 等々力/上野/中山団員 ハンブルグ発→アムステルダム→ナイロビ着 10月25日 吉村団長 (水) (1)JICAケニア事務所 (2)JETROナイロビ事務所 (3)ケニア規格局(KEBS) (4)ケニア輸出促進評議会(EPC) 10月26日 (木) (1)ケニア植物衛生検疫所(KEPHIS) (2)ケニアチャ開発公社(KTDA) (3)園芸作物開発公社(HCDA) (4)病害虫管理製品審議会(PCPB) (5)ケニアチャ評議会(TBK) (6)ケニア農業省 (7)JICA専門家との打合せ 10月27日 野坂氏 (金) ナイロビ発→キスム→ケリチョ着 (1)ケニアチャ研究協会(TRFK) (2)Kenya Tea Packers Ltd.(KETEPA)視察 (3)James Finlay (Kenya) Ltd.視察 10月28日 (土) (1)Finlay Flowers Ltd.視察 (2)ケニアチャ開発公社 Momul製茶工場視察 ケリチョ発→キスム→ナイロビ着 10月29日 (日) ナイロビ発→モンバサ着 10月30日 (月) (1)ケニア植物衛生検疫所(KEPHIS) モンバサ事務所視察 モンバサ港検疫所 (2)東アフリカチャ貿易公社(EATTA)視察 (3)Mbaraki Port Warehouses (Kenya) Ltd.視察 (4)Global Tea & Commodities (K) Ltd.視察 10月31日 (火) (1)モンバサ・オークション視察 EATTA/チャ モンバサ発→ナイロビ着 (2)ケニア植物衛生検疫所(KEPHIS) JKIA視察 11月1日 (水) (1)ケニア植物衛生検疫所(KEPHIS) ムグガ検疫所視察 ナイロビ空港貨物検疫所 Muguga (2)ケニア中央統計局 (3)園芸作物開発公社(HCDA) マチャコス管理倉庫視察 HCDA Depo, Machakos (4)野菜生産農家視察 Makutano Mango Group (5)ケニア植物衛生検疫所(KEPHIS) 11月2日 (木) ナイロビ発→ナイバシャ着 (1)ケニア生鮮農作物輸出組合(FPEAK) (2)Homegrown Ltd.視察 (3)Sher Agencies Ltd.視察 (4)Stockman Rozen Kenya Ltd.視察 (5)Greenlands Agroproducers Ltd.視察 11月3日 EUREP-GAP Certified Farm, Thika (金) (1)在ケニアオランダ大使館 (2)ケニア植物衛生検疫所(KEPHIS) (3)世界銀行 (4)JICAケニア事務所 (5)在ケニア日本国大使館 表敬訪問 (6)Rosavie(Vermont) Ltd.視察 Preserved Flower Company (7)伊藤忠商事 11月4日 (土) ナイロビ発→ 上野/中山団員 序-5 日付 調 査 行 程 11月5日 (日) →ドバイ→関空→羽田着 11月6日 (月) (1)ルワンダ投資輸出促進機構(RIEPA) 備考 上野/中山団員 ナイロビ発→キガリ着 吉村団長/等々力団員 (2)ルワンダチャ協会(OCIR-THE) (3)ルワンダコーヒー協会(OCIR CAFÉ) 11月7日 (火) (1)RWANDEX視察 (2)農業動物資源省(MINAGRI) (3)RWANDA FLORA視察 (4)RWACOF視察 (5)Agrocoffee Industries Ltd.視察 (6)Coffee Business Center Ltd.視察 11月8日 11月9日 11月10日 (水) (1)URWIBUTSO NYIRANGARAMA視察 Base (2)SORWATHE視察 Byumba (3)COOPAC視察 Gisenyi/Kigali (木) (1)Spread/PEARL/ADAR Project視察 Butare (2)RWASHOSCCO社視察 Butare (3)MARABA Cooperative視察 Maraba (4)KARABA Cooperative視察 Karaba (金) (1)農業動物資源省(MINAGRI) 園芸タスクフォース (2)ルワンダチャ協会(OCIR-THE) (3)ルワンダコーヒー協会(OCIR-CAFÉ) (4)ルワンダ投資輸出促進機構(RIEPA) (5)農業動物資源省(MINAGRI) 統計局 (6)ルワンダチャ協会(OCIR-THE) (7)JICA ルワンダ駐在員事務所 調査報告 11月11日 (土) (1)農業動物資源省(MINAGRI)大臣表敬訪問 11月12日 (日) →ドバイ着 11月13日 (月) (1)ドバイチャ貿易センター(DTTC) キガリ発→ナイロビ→ ドバイ・チャ・オークション (2)ドバイフラワーセンター(DFC) (3)Van Bohemen Flowers社視察 11月14日 (火) ドバイ発→アムステルダム着 11月15日 (水) (1)アールスメア花き市場視察 DFC内 (2)オランダ花き園芸評議会(HBA) (3)アントン スパーガーレン社視察 (4)植物検疫官訪問 アールスメア花き市場内 (5)ヒルベルダ社視察 (6)園芸作物生協販売所視察 (7)オランダウェブ社訪問 (8)テラニグラ社訪問 11月16日 (木) (1)アールスメア花き市場 11月17日 (金) (1)小売店視察(アルバートハイン、花市など) 11月18日 (土) アムステルダム発→ 11月19日 (日) →成田着 (機中泊) 序-6 (4) 報告書の構成 本報告書は次の通り取りまとめた。 第1章 政策一貫性基礎調査(事例調査):ケニアのバラ 第2章 政策一貫性基礎調査(事例調査):ケニアのチャ 第3章 輸出促進基礎調査:ケニアの園芸作物の輸出可能性と植物衛生検査所 第4章 輸出促進基礎調査:ルワンダの農産物の輸出可能性 第5章 「政策一貫性」へ向けた我が国のアフリカ農業協力の方向性 政策一貫性基礎調査 ケニア ケニアのバラ 事例調査 (第1章) 輸出促進基礎調査 ケニアのチャ 事例調査 (第2章) ケニアの輸出促進調査 (園芸作物:第3章) ルワンダの輸出促進調査 (農産物全般:第4章) ルワンダ 「政策一貫性」へ向けた我が国のアフリカ農業協力の方向性 (第5章) 図:調査の枠組みと報告書の構成 序-7
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