目 次 1.「大学院入学案内」序文 …………………………………………………………………………………… 1 2.大学院医学系研究科の特色………………………………………………………………………………… 2 3.沿 革 ……………………………………………………………………………………………………… 5 4.機 構 ……………………………………………………………………………………………………… 6 5.教室紹介 分 子 総 合 医 学 専 攻 生 物 化 学 分子生物学/生体高分子学 ……………………………………………… 19 分子細胞化学/機能分子制御 …………………………………………… 25 微 生 物・ 免 疫 学 分子病原細菌学/耐性菌制御学 ………………………………………… 29 分子細胞免疫学/免疫細胞動態学 ……………………………………… 36 ウイルス学 ………………………………………………………………… 41 病 態 内 科 学 分子細胞内科学(血液・腫瘍内科学)………………………………… 49 器官制御内科学(循環器内科学) ……………………………………… 54 病態修復内科学(消化器内科学) ……………………………………… 58 機能調節内科学(呼吸器内科学) ……………………………………… 63 代謝病態内科学(糖尿病・内分泌内科学) ………………………… 67 免疫応答内科学(腎臓内科学) ………………………………………… 72 高 次 医 用 科 学 量子医学 …………………………………………………………………… 76 臓器病態診断学/病態構造解析学 ……………………………………… 83 医療管理情報学 …………………………………………………………… 88 先 端 応 用 医 学 分子標的治療学 …………………………………………………………… 92 神経遺伝情報学 …………………………………………………………… 97 実 験 動 物 科 学 実験動物科学 ……………………………………………………………… 101 老 化 基 礎 科 学 老化基礎科学 ……………………………………………………………… 103 細 胞 情 報 医 学 専 攻 細 胞 科 学 細胞生物物理学/イメージング生理学………………………………… 107 細胞生理学/分子動態学 ………………………………………………… 111 神経情報薬理学/分子薬理学 …………………………………………… 116 脳神経病態制御学 神経内科学 ………………………………………………………………… 119 精神医学/精神生物学 …………………………………………………… 131 脳神経外科学/遺伝子治療学/脳血管内治療学 …………………… 136 頭頸部・感覚器外科学 眼科学/感覚器障害制御学 ……………………………………………… 148 顎顔面外科学/咀嚼障害制御学 ………………………………………… 161 腫 瘍 病 態 学 分子腫瘍学 ………………………………………………………………… 164 腫瘍生物学 ………………………………………………………………… 169 臨床薬物情報学 医療薬学 …………………………………………………………………… 172 高次神経統御学 視覚神経科学 ……………………………………………………………… 177 神経免疫学 ………………………………………………………………… 179 脳生命科学 ………………………………………………………………… 182 器官系機能調節学 神経性調節学 ……………………………………………………………… 185 循環器学 …………………………………………………………………… 189 液性調節学 ………………………………………………………………… 192 分子・細胞適応学 発生・遺伝学 ……………………………………………………………… 197 内分泌・代謝学 …………………………………………………………… 202 神 経 生 化 学 神経生化学 ………………………………………………………………… 209 機 能 構 築 医 学 専 攻 機 能 形 態 学 分子細胞学 ………………………………………………………………… 213 機能組織学 ………………………………………………………………… 216 細胞生物学 ………………………………………………………………… 222 病 理 病 態 学 生体反応病理学/分子病理診断学 ……………………………………… 225 腫瘍病理学/神経機能病理学 …………………………………………… 228 病 態 外 科 学 器官調節外科学 …………………………………………………………… 235 血管外科学 ………………………………………………………………… 249 病態制御外科学 …………………………………………………………… 254 内分泌・移植外科学 ……………………………………………………… 260 胸部機能外科学/胸部構築外科学 ……………………………………… 269 小児外科学 ………………………………………………………………… 272 泌尿器科学 ………………………………………………………………… 276 運動・形態外科学 整形外科学/リウマチ学/手の外科学………………………………… 283 皮膚病態学/皮膚結合組織病態学 ……………………………………… 289 形成外科学 ………………………………………………………………… 293 生 体 管 理 医 学 麻酔・蘇生医学 …………………………………………………………… 296 救急・集中治療医学 ……………………………………………………… 300 細胞治療医学 ……………………………………………………………… 302 病理組織医学 ……………………………………………………………… 304 病 態 医 療 学 光学診療学 ………………………………………………………………… 307 細 細胞工学 …………………………………………………………………… 309 胞 工 学 健 康 社 会 医 学 専 攻 社 会 生 命 科 学 法医・生命倫理学 ………………………………………………………… 315 環境労働衛生学 …………………………………………………………… 318 公衆衛生学 ………………………………………………………………… 321 予防医学/医学推計・判断学 …………………………………………… 325 国際保健医療学/環境医動物学 ………………………………………… 331 発 育・ 加 齢 医 学 小児科学/成長発達医学 ………………………………………………… 334 発達・老年精神医学 ……………………………………………………… 341 老年科学 …………………………………………………………………… 344 産婦人科学/生殖器腫瘍制御学 ………………………………………… 350 周 産 母 子 医 学 周産母子医学 ……………………………………………………………… 354 親と子どもの精神医学 親と子どもの精神医学 …………………………………………………… 359 総 合 管 理 医 学 予防医療学 ………………………………………………………………… 361 在宅管理医学 ……………………………………………………………… 364 総合診療医学 ……………………………………………………………… 368 総合医学教育学 …………………………………………………………… 378 健 康 増 進 医 学 健康栄養医学/健康・スポーツ医学/精神健康医学 ……………… 381 疫 疫 学 ……………………………………………………………………… 386 学 6.共通研究施設 ⑴ アイソトープ総合センター分館 ………………………………………………………………………… 393 ⑵ 名古屋大学医学部附属動物実験施設 …………………………………………………………………… 396 ⑶ 教育研究機器センター技術室 …………………………………………………………………………… 397 ⑷ 図書館の利用について …………………………………………………………………………………… 399 7.学位申請手続等について…………………………………………………………………………………… 402 8.参考資料 ⑴ 名古屋大学大学院通則 …………………………………………………………………………………… 404 ⑵ 名古屋大学大学院医学系研究科規程 …………………………………………………………………… 416 ⑶ 名古屋大学学位規定 ……………………………………………………………………………………… 420 ⑹ 建物配置図…………………………………………………………………………………………………… 425 1. 「大学院入学案内」序文 医学系研究科長 濵 口 道 成 名古屋大学大学院医学系研究科の入学案内を発刊するにあたり、当校研究科の沿革と概要について述 べさせて頂きます。名古屋大学大学院医学系研究科は、昭和 30 年に医学部の上に付加された新生大学院 として発足し、学部の組織と連動する生理、病理、社会医学、内科、外科の 5 専攻で運用されてきました。 しかし、医学の先端化と医療の高度化に伴って、大学院教育の重要性が高まってきたことと、高等教育 の中で大学院教育を重要点に強化するいわゆる大学院重点化の動きを受け、本研究科も平成 10 年度から 12 年度にかけて学部中心から大学院中心の機構へと改革されました。この改革に伴い、大学院博士課程 の入学定員は 1 年次 80 名から同 161 名へと大幅に増加し、質量ともに充実してきています。また、専攻 も従来の基礎医学と臨床医学を融合させた形の分子総合医学、細胞情報医学、機能構築医学、健康社会 医学の 4 専攻へと、大きく変わりました。 大学院では、従来医学部に属していた講座等が大学院を本籍とする基幹講座を構成し、研究施設、環 境医学研究所、総合保険体育科学センター等が協力講座となり、さらに各専攻に 1 ないし 2 の連携講座 が参加しています。連携講座には近隣の愛知県がんセンター研究所、愛知県心身障害者コロニー発達障 害研究所及び国立長寿医療センターが入り、大学院学生の育成を行っています。更に平成 15 年度より神 経疾患・腫瘍分子医学研究センターが設置され、また 21 世紀 COE「神経疾患・腫瘍分子医学研究の拠 点形成」が発足し、一層の研究の発展と、人材の育成、充実を目指しています。 明治維新当時の西洋医学の導入以来、医学は基礎医学と臨床医学に分別され、大学院も基本的にこの 分別に従い編成されてきました。しかし、近年医学の急速な発展、人遺伝子の解明に伴い、方法論、技 術について基礎医学と臨床医学で、研究面での相違点は殆どなくなり、一層の交流が進んできました。 実際、学年の途中で主専攻科目を基礎医学系科目から臨床医学系科目に、またはその逆に変更するケー スも増えてきています。本研究科もこのような動きをさらに促進し、bedside と bench の間の研究の流動 性を高め、基礎医学と臨床医学の融合した新たな領域の形成を目指しています。一方、12 年度から、多 様な人材を求め、社会人入学制度もとり入れ、幅広い教育研究環境の提供を行っています。 多くの大学院生にとって在学中どのようにして学費と生活費を工面するかが大きな問題ですが、 ティーチングアシスタントやリサーチアシスタントの制度が充実し、少しずつではあるが大学院生に対 する経済的な援助も増えつつあります。さらに、大学院生へのフェローシップ、大学院を修了した後の ポストとしてポストドクトラルフェローシップの配分が始まり、大学院中心の体制に移行した本学研究 科については、このような道は一層充実しつつあります。 21 世紀の新しい医学の展開を前に大学院の重要性はかつてない程に大きくなっており、本学も学部か ら大学院へと重心を移し、国立大学も法人化され、大学の責任が問われる時期になってきました。この ような重要な時期に、将来、先端医学を牽引する教育者・研究者をめざすものは勿論、先端医療機関で 高度医療の指導的な医師となることを希望する医学生が多数、本研究科に入学し、名古屋大学の将来を 担ってくれることを願ってやみません。 ─1─ 2.大学院医学系研究科の特色 大学院教育委員会委員長 古 川 鋼 一 1. 大学院の現状 (1)大学院機構 ○名古屋大学医学系研究科は、昭和 30 年に学部の上に付加された新制大学院(博士課程、修業年限 4 年) として発足した。生理系、病理系、社会医学系、内科系、外科系の 5 専攻に分かれ、過去 40 年間に多 大の修了者を送り出してきた。 ○平成 12 年までに、医学講座が新しく医学系研究科に重点化され、5 専攻が廃止されて基礎医学と臨床 医学を統合した分子総合医学、細胞情報医学、機能構築医学、健康社会医学の 4 専攻が設置された。各々 の専攻に属する大講座(基幹講座)の中に基幹となる専門分野(基幹分野)と各講座・専門分野間を連携 する広域連携分野(難治疾患制御学領域と医学解析学領域)が置かれている。各専攻の機能を一層包括 的なものとするために、医学系研究科附属神経疾患・腫瘍分子医学研究支援センター、(動物実験施 設)、本学環境医学研究所と総合保健体育科学センターの関連医学研究教育分野を各専攻の協力講座 とした。さらに、教育研究上の複合的連携を推し進めるために近隣の先端学研究機構(愛知県がんセ ンター研究所、愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所、国立長寿医療センター)の関連医学教育 分野を連携分野として専攻に組み込んでいる。 ○医学系研究科の博士課程学生定員は 161 名である。医学系研究科の博士学位取得者数は論文博士を加 えると年間約 180 名となり年間の学部卒業者(100 名)よりはるかに多い。 ○ 13 年度より修士課程として医科学専攻を設置した。学生定員は 20 名であるが博士課程と連動して研 究活動を行っている。 (2)大学院教育(博士課程) ○基礎科目と専攻科目 カリキュラムは大学院生に共通の基礎科目と専攻科目の 2 本立てとしている。基礎科目(4 単位)は 基盤医学特論講義(医学特論)と基盤医科学実習(ベーシックトレーニング)から成る。基礎科目は主と して 1 年次に履修する。 ○基盤医学特論講義 基盤医学特論講義は、入門講義、特定の主題の下の個別及び集中講義そして国際的な先端的研究の 講義に大別している。内容は年次ごとに大学院教育委員会が中心となって企画し実施を推進するが、 4 専攻系の各大講座・専攻分野の各授業科目と 200 を越えるテーマに準拠して個別または集中講義の形 態で全大学院生を対象に開講している。 ─2─ ○基盤医科学実習 基盤医科学実習(ベーシックトレーニング)のカリキュラムは年次ごとに検討され決定されるが、平 成14年度は54のカテゴリーの200に及ぶ実験技術の実習項目に準拠して全大学院生を対象に開講した。 ○専攻科目 専攻科目は主専攻科目(16 単位) 、副専攻科目または広域専攻科目(10 単位)から成る。主専攻科目と 副専攻科目または広域科目は共に必須としている。各専攻科目の内容は、セミナーと実験研究から成 る。主専攻科目、副専攻科目、広域科目の組み合わせは自由とし、一人一人の学生の個性的な研究想 像能力の育成を図っている。臨床系科目を主専攻とする時には、6 単位以上の基礎医学系科目を副専 攻とし、また年次単位で科目の設定を変更できるものとしている。 専攻科目として、総合科目と特定科目、それに特別先端臨床科目の 3 つのカテゴリーの科目を開講 している。4 専攻の協力、連携を含む各大講座のそれぞれの専攻分野を総合科目として、また、当該 専攻分野の中のさらに細分化された先端亜分野を特定科目として開講している。さらに、医学・医療 の多様化、高度化に伴い臨床サイドに直結した課題を真正面から取り上げ、系統的に発展させること のできる指導的な臨床医学研究者を養成する目的で、連携する基幹関連病院(臨床教授、臨床助教授) が先端医療に関する特別臨床科目を開講している。 ○社会人コース 医学・医療の多様化、高度化に伴い、臨床サイドに直結した課題を真正面から取り上げ、系統的に 発展させることのできる臨床医学研究者や非医系の民間の研究所にあって違った視点から医学を追究 する学術的研究者を育成することが今後益々求められている。こうした多様な社会的要請に応えうる 医学の研究者や医師を養成するために、先端医療機関や民間の先端生命科学関連研究機関に在籍する 社会人を対象とする社会に開かれたコースを設けている。 ○大学院生研究発表会 平成 3 年度から 10 月に 2 日間、12 月に 2 日間に亘り、「大学院生研究発表会」を開催してきた。これ は学位予備審査の性格も持ち、ここで発表・討論した後、不備な点を補って、完成した学位論文とする。 大学院生にとっては発表・討論のトレーニングの機会ともなるし、また、研究交流の促進にも役立っ ている。 ○大学院学生の大学間交流 平成 8 年度より、国立大学間に加えて、公立、私立大学間においても、大学間相互単位互換協定に 基づき、単位の互換、授業料の不徴収が可能となり、他大学の大学院学生との交流が盛んに行われる ようになってきた。また大学院生を海外の研究機関へ派遣して、新しい技術や知識を取得することに よって、研究のさらなる発展をめざしている。 ○国際交流研修コースの開催、外国人研究者の受け入れ 昭和 62 年にユネスコ・ICRO の委嘱による国際技術研修コースの第 1 回を、平成 4 年には第 2 回を開 催するなど、こうした研究・セミナーを積極的に開催してきた。また国際協力事業団事業に協力し、 インド国のサージャイガンジー大学院大学との間で、研究者の派遣と招聘を積極的に行ってきている。 ─3─ さらに、日本学術振興会事業や外国政府派遣研究者を積極的に受け入れてきた。これらは、大学院生 と外国人研究者の期間内での交流の機会を広げて大学院研究の国際化を進める上で重要な布石となっ ている。 ○鶴舞公開セミナー 平成 8 年度から大学院新入学者と進学希望者へのガイダンスとして 2 日間集中の「鶴舞公開セミナー」 を開催し、各指導教官の研究を研究する専門領域の概況、そして各研究室が進めている研究について 紹介している。これらは新入学者に勉学の方向性に対して指針を示す上で、または大学院への進学を 希望するものへ本学を紹介する上で有意義なものと考える。 ○大学院短縮修了制度 優れた研究業績を上げたもので、博士課程に 3 年以上在学して修了を認定されるいわゆる短縮修了 の制度を実施している。 ○ T・A 制度と R・A の活用 平成 4 年度から T・A(ティーチング・アシスタント)制度を積極的に活用し、教員からの一方的な 教育方法と併用して、学生自らが教えつつ学ぶ姿勢を身につけることにより、学生の創造性を引き出 し、討論・演習教育を通じて総合力を育成している。また平成 8 年度から R・A(リサーチ・アシスタ ント)を実施して、優秀な大学院学生がさらに積極的に研究活動に参加していくことを奨励している。 ○共通機器の充実 大学院最先端設備費によって、機器の数、質ともに飛躍的に上昇した。さらに、大学院教育委員会 経費の一部で購入した最先端の機器を設置することによって、大学院生の研究環境の充実をはかって いる。 ─4─ 3.沿 革 History 明治4年∼5年 1871∼1872 仮病院・仮医学校 Temporary Hospital and Temporary Medical School 明治5年∼6年 1872∼1873 義病院 Alms Clinic 明治11年 1878 明治14年 1881 公立医学校 Public Medical School 愛知医学校 Aichi Medical School 明治6年 1873 明治9年 1876 病院・医学講習場 Hospital and Medical Training School 公立医学講習場・公立医学所 Public Medical Training School 明治34年 1901 明治36年 1903 愛知県立医学校 Aichi Prefectural Medical School 愛知県立医学専門学校 Aichi Perfectural Medical College 大正9年 1920 愛知医科大学 Aichi Medical College 昭和6年(官立移管)1931(Nationalized) 名古屋医科大学 Nagoya Medical College 昭和14年 1939 名古屋帝国大学臨時附属医学専門部 Nagoya Imperial Temporary Medical College 昭和14年 1939 昭和19年 1944 名古屋帝国大学附属医学専門部 Nagoya Imperial University Medical College 昭和22年(25. 3 廃止)1947(closed 1950) 名古屋大学附属医学専門部 Nagoya University Medical College 名古屋帝国大学 Nagoya Imperial University 昭和14年 1939 名古屋帝国大学 Nagoya Imperial University 医学部 School of Medicine 医学部 School of Medicine 昭和18∼20年 1943∼1945 名古屋帝国大学附置航空医学研究所 Research Institute of Aeronautical Medicine 昭和24年(新制) 1949(Under New Educational System) 名古屋大学 Nagoya University 昭和21年∼1946∼ 名古屋帝国大学附置環境医学研究所 Research Institute of Environmental Medicin 大学院医学系研究科 Graduate School of Medicine 昭和26年(55. 3 廃校)1951(closed 1980) 昭和14 年 1939 附属病院 University Hospital 附属看護学校 School of Nursing 昭和34年(56. 3 廃校)1959(closed 1981) 附属助産婦学校 School of Midwifery 昭和19年 1944 昭和30年(57. 3 廃校) 1955(closed 1982) 附属病院分院 Branch Hospital (平成8年4月本院へ統合一元化) (Unified with Main Hospital 1996) 医学部 School of Medicine 昭和34年(58.4 改組)1959(reorganised 1983) 附属無菌動物研究施設 Research Institute for Germfree Life 昭和37年(58.4 改組)1962(reorganised 1983) 附属癌研究施設 Cancer Research Institute 附属診療放射線技師学校 School of Radiological Technology 昭和40年(58.4 改組)1965(reorganised 1983) 昭和36年(56. 3 廃校)1961(closed 1981) 附属医真菌研究施設 Research Institute of Medical Mycology 附属臨床検査技師学校 School of Medical Technology 昭和58年 1983 平成15年4月(2003) 附属病態制御研究施設 Research Institute for Disease Mechanism and Control 神経疾患・腫瘍分子医学研究センター 昭和52年(平成9.10改組)1977(reorganised 1997) 平成9年10月 1997.10 名古屋大学医療技術短期大学部 College of Medical Technology 保健学科 School of Health Sciences ─5─ 医学部 School of Medicine 4.機 構 名古屋大学大学院医学系研究科は、昭和 30 年に設置された。この研究科は生理系(7 講座)、病理系(3 講座)、社会医 学系 (4 講座) 、内科系(7 講座)、外科系(7 講座)の計 5 専攻、28 講座で構成され医学研究者等を育成して今日に至った。 しかし、21 世紀の先端医学と高度医療を担う人材を養成することを目的に、旧来の閉鎖的な小講座制による学部主導 の研究体制から、先端化・多様化した現代医学に即する複数の基幹専門分野と広域連携分野を含む大講座制と可塑性 に富む新しい専攻を基礎とする大学院主導の包括的でかつ開放的な研究体制へと改組すべく、平成 10 年度から 3 年 次計画で大学院機構の整備を行い、12 年度完成した。 (図−1)その概要は下記に示すとおりである。また 13 年度には 医科学専攻 (修士課程)を設置した。 博士課程 修士課程 健康社会医学・細胞情報医学 (平成 10 年度設置) (平成 11 年度設置) 医科学 分子総合医学・機能構築医学 (平成 12 年度設置) (平成 12 年度設置) 図−1 Ⅰ 博士課程 1. 分子総合医学専攻 Program in Integrated Molecular Medicine 入学定員 Admission 34 名 【目 的】医学の諸課題を分子レベルで解析し、有機的、包括的に総合することにより、病因・病態の解明と新しい 診断、治療法の開発を目指す。 また、これに関わる大学院教育と関連する学部教育(兼任)を担当する。 分析 的医学解析技術を主要な研究方法とする基礎医学系(生物化学、微生物・免疫学)と臨床医学系(病態内科 学、 高次医用科学) の大講座と協力講座及び連携分野で構成される。 組織 大講座名 Field 生物化学 Biological Chemistry 微生物・免疫学 Microbiology and Immunology 病態内科学 Internal Medicine 分 子 総 合 医 学 専 攻 高次医用科学 High-Technology Application of Medicine 専門分野 Department 担当教授 Professors 教授 Prof. 門松 健治 Kadomatsu, Kenji 分 子 生 物 学 生 体 高 分 子 学 分 子 細 胞 化 学 Molecular Biology 分 耐 分 免 ウ 子病原細菌 性 菌 制 御 子細胞免疫 疫細胞動態 イ ル ス 学 学 学 学 学 Molecular Bacteriology Molecular Virology 教授 Prof. 西山 幸廣 Nishiyama, Yukihiro 分 器 病 機 代 免 子 官 態 能 謝 疫 細 制 修 調 病 応 胞 御 復 節 態 答 内 内 内 内 内 内 科 科 科 科 科 科 学 学 学 学 学 学 Molecular Medicine and Clinical Science Clinical Immunology 教授 Prof. 直江 知樹 Naoe, Tomoki 教授 Prof. 室原 豊明 Murohara, Toyoaki 教授 Prof. 後藤 秀実 Goto, Hidemi 教授 Prof. 下方 薫 Shimokata, Kaoru 教授 Prof. 大磯ユタカ Oiso, Yutaka 教授 Prof. 松尾 清一 Mstsuo, Seiichi 量 量 臓 病 医 子 介 病 構 管 療 断 析 報 学 学 学 学 学 教授 Prof. 石垣 武男 Ishigaki, Takeo 入 態 造 理 医 治 診 解 情 Radiology 子 器 態 療 Biomacromolecules Molecular and Cellular Biology 教授 Prof. 太田美智男 Ohta, Michio Drug Resistance and Pathogenesis Immunology 教授 Prof. 磯部 健一 Isobe, Kenichi Cellulor Immunology Organ Regulation and internal medicine Therapeutic Medicine Physiological Medicine Metabolic Diseases Interventional & Therapuetic Radiology Clinical Pathophysiology 教授 Prof. 中村 栄男 Nakamura, Shigeo Clinical Pathology Medical Information and Management Science 機能分子制御学 Molecular Biochemistry 分子標的治療学 Molecular Mycology and Medicine 先端応用医学(協力) 神 経 遺 伝 情 報 学 Neurogenetics and Bioinformatics 附属神経疾患・腫瘍分子医学研究センター 先端応用医学部門 附属神経疾患・腫瘍分子医学研究センター 先端応用医学部門 附属神経疾患・腫瘍分子医学研究センター 先端応用医学部門 疾患モデル解析学 教授 Prof. 古川 鋼一 Furukawa, Koichi ( ) 教授 Prof. 山内 一信 Yamauchi, Kazunobu 教授 Prof. 古川 鋼一 Furukawa, Koichi 教授 Prof. 菊池 韶彦 Kikuchi, Akihiko 教授 Prof. 大野 欽司 Ohno, Kinji Disease Models 附属神経疾患・腫瘍分子医学研究センター 先端応用医学部門 実験動物科学(協力) 験 動 物 科 学 Laboratory Animal Science Laboratory Animal 実 附属医学教育研究支援センター 実験動物部門 Science 老化基礎科学(連携) 老 化 基 礎 科 学 Aging Research 国立長寿医療センター 研究所 Aging Research ─6─ 客員教授 Visiting Prof. 田平 武 Tabira, Takeshi 客員教授 Visiting Prof. 丸山 光生 Maruyama, Mitsuo 2. 細胞情報医学専攻 Program in Cell Information Medicine 入学定員 Admission 39 名 【目 的】生体情報の研究は、生命現象の本質を解明するものであり、今後の医学・生命科学の主流の一つとなるも のである。 従って本専攻では、分子総合医学専攻と機能構築医学専攻の間にあって両方に関わる細胞情報 を研究対象とする。 この分野の研究の中心となる基礎医学系(細胞科学)と臨床医学系(脳神経病態制御 学、頭頸部・感覚器外科学) の大講座と協力及び連携分野で構成される。研究内容として内科学的、外科学 的診断、 治療法の開発を含む。 組織 大講座名 Field 細胞科学 Cell Science 脳神経病態制御学 Clinical Neurosciences 専門分野 Department 細胞生物物理学 Cell Biophysics イメージング生 理 学 Imaging Physiology 細 胞 生 理 学 Cell Physiology 分 子 動 態 学 Molecular Dynamics 分 子 薬 理 学 Molecular Pharmacology 神 経 内 科 学 Neurology 教授 Prof. 祖父江 元 Sobue, Gen 精 Psychiatry 教授 Prof. 尾崎 紀夫 Ozaki, Norio 神 医 学 腫瘍病態学(協力) 教授 Prof. 廣瀬 謙造 Hirose, Kenzo Psychobiology 脳 神 経 外 科 学 Neurosurgery 遺 伝 子 治 療 学 Molecular Neurosurgery 脳血管内治療学 Endovascular Neurosurgery 眼 Ophthalmology 科 学 頭頸部・感覚器外科学 耳 鼻 咽 喉 科 学 Head and Neck and Sensory Organ Medicine 認 知 ・ 言 語 医 学 顎 顔 面 外 科 学 神経科学(協力) 教授 Prof. 曽我部正博 Sokabe, Masahiro 精 神 生 物 学 感覚器障害制御学 細 胞 情 報 医 学 専 攻 担当教授 Professors 教授 Prof. 貝淵 弘三 Kaibuchi, Kozo ( ) 教授 Prof. 教授 Prof. 寺 田 純 Yoshida, Jun 浩子 Terasaki, Hiroko Protective Care for Sensory Disorders Otorhinolaryngology 教授 Prof. 中島 務 Nakashima, Tsutomu Cognitive and Speech Medicine Maxillofacial Surgery 教授 Prof. 上田 実 Ueda, Minoru 咀嚼障害制御学 Protective Care for Masticatory Disorders 神経情報薬理学 Neuroscience 分 子 腫 瘍 学 Molecular Carcinogenesis 教授 Prof. 高橋 隆 Takahashi, Takashi 腫 瘍 生 物 学 Cancer Biology 教授 Prof. 濵口 道成 Hamaguchi, Michinari 附属神経疾患・腫瘍分子医学研究センター 発生・再生医学部門 附属神経疾患・腫瘍分子医学研究センター 腫瘍病態統御部門 附属神経疾患・腫瘍分子医学研究センター 腫瘍病態統御部門 臨床薬物情報学(協力) 医 療 Clinical Pharmacology 病院 薬剤部 薬 学 視 覚 神 経 科 学 Clinical Phormacy Visual Neuroscience 環境医学研究所 高次神経統御部門 高次神経統御学(協力) Neuroimmunology 神 経 免 疫 学 Higher Nervous Control 環境医学研究所 高次神経統御部門 脳 生 命 科 学 Brain Life Science 環境医学研究所 高次神経統御部門 教授 Prof. 貝淵 弘三 Kaibuchi, Kozo 教授 Prof. 鍋島 俊隆 Nabeshima, Toshitaka 教授 Prof. 小松由紀夫 Komatsu, Yuki 教授 Prof. 錫村 明生 Suzumura, Akio 教授 Prof. 澤田 誠 Sawada, Makoto Neural Regulation 神 経 性 調 節 学 器官系機能調節学(協力) 環境医学研究所 器官系機能調節部門 Circulation 循 環 器 学 Regulation of Organ 環境医学研究所 器官系機能調節部門 Function Humoral Regulation 液 性 調 節 学 教授 Prof. 水村 和枝 Mizumura, Kazue Teratoloty and Genetics 分子・細胞適応学(協力) 発 生 ・ 遺 伝 学 環境医学研究所 分子・細胞適応部門 Molecular and Cellular Endocrinology and Metabolism 内 分 泌・代 謝 学 Adaptation 環境医学研究所 分子・細胞適応部門 教授 Prof. 村田 善晴 Murata, Yoshiharu 環境医学研究所 器官系機能調節部門 神経生化学(連携) Neurochemistry 神 経 生 化 学 Neurochemistry 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 ─7─ 教授 Prof. 児玉 逸雄 Kodama, Itsuo 教授 Prof. 神谷香一郎 Kamiya, Koichiro 教授 Prof. 妹尾 久雄 Seo, Hisao 客員教授 Visiting Prof. 大平 敦彦 Ohhira, Atsuhiko 客員教授 Visiting Prof. 中山 敦雄 Nakayama, Atsuo 3. 機能構築医学専攻 Program in Function Construction Medicine 入学定員 Admission 49 名 【目 的】医学の諸課題を器官、組織の構築に重心をおいて研究し、生体機能を臓器レベル、個体レベルで再建回復 することに力点を置く。 また、これに関わる大学院教育と、関連する学部教育(兼任)を担当する。形態学的 解析技術を主要な研究方法とする基礎医学系(機能形態学、病理病態学)と臨床医学系(病態外科学、運動・ 形態外科学、 生体管理学) の大講座と協力講座及び連携分野で構成される。 組織 大講座名 Field 機能形態学 Anatomy and Cell Biology 病理病態学 Pathology 病態外科学 Surgical Sciences 機 能 構 築 医 学 専 攻 運動・形態外科学 Musculoskeletal and Cutaneous Surgery 生体管理医学 Biomedical Regulation 発生・再生医学(協力) 専門分野 Department 分 子 細 胞 学 Molecular Cell Biology 教授 Prof. 藤本 豊士 Fujimoto, Toyoshi 機 能 組 織 学 Functional Anatomy and Neuroscience 教授 Prof. 杉浦 康夫 Sugiura, Yasuo 細 胞 生 物 学 Cell Biology 教授 Prof. 宮田 卓樹 Miyata, Takaki 超 微 形 態 学 Ultrastructural Morphology 生体反応病理学 Biological Response 分子病理診断学 Molecular Diagnosis 腫 瘍 病 理 学 Tumor Pathology 神経機能病理学 Neuropathology 器官調節外科学 Surgical Oncology 教授 Prof. 二村 雄次 Nimura, Yuji 血 管 外 科 学 Vascular Surgery 教授 Prof. 古森 公浩 Komori, Kimihiro 病態制御外科学 Gastroenterological Surgery 教授 Prof. 中尾 昭公 Nakao, Akimasa 内分泌・移植外科学 Endocrine and Transplantation 教授 Prof. 木内 哲也 Kiuchi, Tetsuya 胸部機能外科学 Cardio thoracic Surgery 教授 Prof. 上田 裕一 Ueda, Yuichi 胸部構築外科学 Chest Surgery 小 児 外 科 学 Pediatric Surgery 泌 尿 器 科 学 Urology 整 形 外 科 学 Orthopaedics リ ウ マ チ 学 Rheumatoloty 手 の 外 科 学 Hand Surgery 教授 Prof. 平田 仁 Hirata, Hitoshi 皮 膚 病 態 学 Dermatology 教授 Prof. 富田 靖 Tomita, Yasushi 皮膚結合組織病態学 Connective Tissue Disease and Autoimmunity 形 成 外 科 学 Plastic and Reconstructive Surgery 教授 Prof. 鳥居 修平 Torii, Shuhei 麻 酔・蘇 生 医 学 Anesthesiology 教授 Prof. 島田 康弘 Shimada, Yasuhiro 臨床感染統御学 Infectious Diseases 救急・集中治療医学 Emergency and Critical Care Medicine 分 子 病 理 学 Molecular Pathology 手 術 医 療 学 Operation Medicine 附属神経疾患・腫瘍分子医学研究センター 発生・再生医学部門 病院 手術部 細 胞 治 療 医 学 病態医療学(協力) 病院 輸血部 Clinical Management 病 理 組 織 医 学 病院 病理部 Medicine 光 学 医 療 学 病院 光学医療診療部 Cell Therapy Medicine 細 Cancer Genetics 胞 工 学 ( ) 教授 Prof. 高橋 雅英 Takahashi, Masahide 教授 Prof. 安藤 久實 Ando, Hisami 教授 Prof. 石黒 直樹 Ishiguro, Naoki 教授 Prof. 武澤 純 Takezawa, Jun 教授 Prof. 高橋 雅英 Takahashi, Masahide 教授 Prof. 高松 純樹 Takamatsu, Jyunki Diagnostic and Therapeutic Endoscopy Clinical Radiology 愛知県がんセンター 研究所 教授 Prof. 森 尚義 Mori, Naoyoshi Anatomical Pathology 放 射 線 医 療 学 病院 放射線部 細胞工学(連携) Cancer Genetics 担当教授 Professors ─8─ 客員教授 Visiting Prof. 髙橋 利忠 Takahashi, Toshitada 客員教授 Visiting Prof. 立松 正衛 Tatematsu, Masae 客員教授 Visiting Prof. 瀬戸 加大 Seto, Masao 4. 健康社会医学専攻 Program in Health and Community Medicine 入学定員 Admission 39 名 【目 的】医学、医療の諸課題を主として社会医学的、予防医学的視点から研究するとともに、医療の国際化、出生 率・若年齢人口の低下と高齢化社会の到来、高度化する医療の中での一次医療の重要性などの社会的視 点を踏まえ、社会との接点重点を置いて個体の疾病からの回復の追求と、関連する国民の健康増進につな がる基礎社会医学的、臨床医学的テーマを研究する。基礎医学系(社会生命科学)と臨床医学系(発育・加 齢医学) の大講座と協力講座及び連携分野で構成される。 組織 大講座名 Field 社会生命科学 Social Life Science 発育・加齢医学 Medicine in Growth and Aging 健 康 社 会 医 学 専 攻 専門分野 Department 担当教授 Professors 法 医・生 命 倫 理 学 Legal Medicine and Bioethics 教授 Prof. 勝又 義直 Kartsumata, Yoshinao 環境労働衛生学 Occupational and Environmental Health 教授 Prof. 那須 民江 Nasu, Tamie 公 衆 衛 生 学 Public Health 教授 Prof. 豊嶋 英明 Toyoshima, Hideaki 医学ネットワーク管理学 Health Information Dynamics 予 Preventive Medicine 防 医 学 Biostatistics and medical Decision Making 国際保健医療学 International Health 環 境 医 動 物 学 Environmental Medical Zoology 医 療 行 政 学 Medical Administration 教授 Prof. 伊藤 勝基 Ito, Katsuki 小 Pediatrics 教授 Prof. 小島 勢二 Kojima, Seiji 児 科 学 成 長 発 達 医 学 教授 Prof. 青山 温子 Aoyama, Atsuko Developmental Pediatrics 発 達・老 年 精 神 学 老 年 科 学 Geriatrics 教授 Prof. 井口 昭久 Iguchi, Akihisa 産 婦 人 科 学 Obsterics and Gynecology 教授 Prof. 吉川 史隆 Kikkawa, Fumitaka 生殖器腫瘍制御学 Reproductive Oncology 周産母子医学(協力) 周 産 母 子 医 学 Maternal and 病院 周産母子センター Perinatal Care Maternal and Perinatal Care 親と子どもの精神医学(協力) 親と子どもの心 療 学 Psychiatry for Parents and Children 病院 親と子どもの心療部 予 防 医 療 学 病院 予防医療部 在 宅 管 理 医 学 病院 在宅管理医療部 総合管理医学(協力) 総 合 診 療 医 学 Comprehensive 病院 総合診療部 Ambulatory Medicine 医療経営管理学 病院 医療経営管理部 総合医学教育学 医学部附属総合医学教育センター 健 康 栄 養 医 学 総合保健体育科学センター 健康増進医学(協力) 健 康 スポ ーツ医 学 Health Promotion 総合保健体育科学センター Medicine 精 神 健 康 医 学 総合保健体育科学センター 疫学(連携) Epidemiology 教授 Prof. 濵島 信之 Hamajima, Nobuyuki 医 学 推 計・判 断 学 疫 学 愛知県がんセンター研究所 教授 Prof. 本城 秀次 Honjo, Shuji Clinical Preventive Medicine Science of In- Home Medicine Family and Community Medicine 教授 Prof. 伴 信太郎 Ban, Nobutaro Hospital Managemento Strategy and Planning 教授 Prof. 立川 幸治 Tachikawa, Koji Medical Education 教授 Prof. 植村 和正 Uemura, Kazumasa Human Nutrition 教授 Prof. 近藤 孝晴 Kondo, Takaharu Sports Medicine 教授 Prof. 押田 芳治 Oshida, Yoshiharu Psychopathology and Psychotherapy 教授 Prof. 小川 豊昭 Ogawa, Toyoaki Epidemiology 客員教授 Visiting Prof. 田島 和雄 Tajima, Kazuo ─9─ Ⅱ.修士課程 Master's Course 1. 医学科専攻 Program in Medical Science 入学定員 Admission 20 名 【目 的】修士課程医科学専攻は、医学科、歯学科及び獣医学科以外の学部を卒業した者で、理・工学等の分野と医 学を有機的かつ科学的に追究しようとする学生に対して、モデルコースを設定の上、広く医学の基礎及び その応用法を教授し、 「多様な先端諸科学の基礎と医学」を修得した教育者、先端的研究者並びに臨床医 学、労働衛生、スポーツ医科及び医療 (臨床)薬学等の分野で高度な専門的知識を持って活躍できる技術者 の人材育成を目的とする。 【医科学専攻修士課程の概略】 高度専門技術者 教育者・研究者 生命科学領域の教育者・研究者 医 学 系 研 究 科 博 士 課 程 医学系研究科修士課程 (医科学専攻) 他研究科 博 士前期課程 歯 学 獣 医 学 医学部医学科 他学部・医学部保健学科 【履修のモデルコース】 コース名 主要科目 内 容 遺伝子コース 遺伝子治療、遺伝子診断など分子生物学と臨床医学の接点にある研究課題につい 生化学、病理学、 て、新しいベクターの導入法、有効な診断法などを修得させ、先端的な教育者、研究者 免疫学 及び、技術者を養成するする。 細胞医学コース 生化学、病理学、 構、細胞への薬剤作用機構等の分子メカニズム又は細胞システムとしての組織や個体 免疫学 細胞の微細構造と機能の連関、細胞の刺激受容/応答機構、細胞内シグナル伝達機 の機能や情報伝達機構を修得させ、先端的な教育者、研究者及び、技術者を養成する。 医用工学・ 医療情報学、 医療情報学コース 生理学 広く医療及び医学研究に用いられている機器やその他食品の製造・開発に関わる産 業における生理学、薬理学、病理学、解剖学及び生体工学等の研究、並びに病院における メディカルエレクトロニクス、メディカルエンジニアリング、補綴機器開発及び医用情 報管理等に従事する 「医科学の専門的技術と知識を有する高度技術者」 を養成する。 医療(臨床)薬学 医療薬学 コース 臨床治験をコーディネイトするクリニカルリサーチ・コーディネーター、治験の評 価や監査を行うモニタリング・監査担当者及び薬物療法を主体に患者にファーマ シューティカルケアを行う臨床薬剤師を養成する。 医動物学、 微生物学、 免疫学 耐性菌による難治感染症やアトピーの多発、また環境ホルモンやオゾン層破壊と いった人間の健康を脅かす新しい問題が浮上している現状について、人間と微生物・ 寄生虫等の様々な環境因子との関係を生態系として考え、食品産業・健康医療産業・ 行政分野で活躍できる人材を養成する。 健康増進・ 社会医学、 スポーツ医学コース 生理学 生活内容の変化に伴い生活習慣病という病気が増えており、その予防・克服のため の運動療法のために、主治医と密接に連繋して適切な処方指導のできる人材、そして 質の良い活動的な老後人生の意欲の高まりに応じて、福祉施設においてもこのような 主治医と密接に連繋して適切な処方指導のできる人材を養成する。 社会医学、 医動物学、 医療情報学 国や自治体における行政、企業さらに国際協力事業の業務等に従事することの出来 る、医学・医療の基礎知識と医療システム、医療経済等の社会医学的研究方法に通じ た職業的専門家となる人材を養成する。 人間生態環境学 コース 医療社会コース ─ 10 ─ 大学院医学系研究科医科学専攻修士課程の概要 遺伝子治療や臓器移植、あるいは核磁気共鳴映像(MRI)に代表されるような現代の医学と医療の急速な展開は、 分子生物学、免疫学、あるいはエレクトロニクスなどの広範な科学や技術の発展の上に成立している 。 先端諸科 学の成果が直接医療に結びつく時代になってきたのである 。 このことは、現代の医学が、経験重視の科学から理 論に立脚した科学への発展段階にあることを示しており、この傾向がますます加速されることに疑いの余地はな い 。 さらに、臨床薬剤師、移植コーディネーターなどの新しいエキスパートが生まれ、また、医学の基礎知識の ある高度な技術者がバイオインダストリーにおいて要請されている 。 21 世紀の医学を支えるには関連諸科学と 医学の基本を身に付けた人材の育成が極めて重要かつ緊急の課題となっている 。 本医科学専攻修士課程では、医学科、歯学科、獣医学科以外の学科で多様な専門分野を学んだ学生に対して、 広く医学の基礎およびその応用法を体系的かつ集中的に教育し、将来医学の先端的な研究推進に貢献しうる研究 者・教育者を養成することを主たる使命とするとともに、臨床医学、労働衛生、スポーツ医科学、臨床薬学等の 方面で専門的な学識を持って活躍できる人材の養成に資することを目的とする 。 ─ 11 ─ 区 分 必 修 科 目 ─ 12 ─ 医 科 学 各 論 選 択 必 修 科 目 講 講 講 講 講 実 験・ 実 習 微 生 物 学 医 動 物 学 学 社 会 医 学 医療情報学 剖 理 化 理 免 解 生 生 病 実 験・ 実 習 分子生物学 実 験・ 実 習 実 験・ 実 習 実 験・ 実 習 学 学 義 義 義 義 義 義 学 疫 学 講 学 理 義 義 義 病 講 義 講 理 薬 学 講 義 医 療 薬 学 化 生 学 講 講 理 生 学 習 学 剖 実 験・ 実 習 医科学実験研究 解 演 医科学セミナー 義 講 臨床 医 学 概 論 義 講 義 義 学 医 講 病 理 病 態 学 会 講 人 体 機 能 学 社 講 人 体 形 態 学 義 授 業 形 態 授 業 科 目 医学基礎実習 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 8 8 2 2 2 2 2 修士課程 教育課程表 単位数 2 年次 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 前期 後期 前期 後期 1 年次 開 講 時 期 履修に当たっては、研究課題に応じた科目を 1 科目以上選択し履修すること。 相談すること。 ②医科学各論の各科目は、高度な基礎・臨床医学の授業を行う。履修方法は指導教授と 履修すること。 スから、研究課題に応じたコースを 4 コース・2 単位以上(1 コース 0.5 単位)選択し ニング)」の中で行う。履修は、上記 1)の①の授業終了後に基盤医科学実習の各コー ①医学基礎実習の各科目は、博士課程の授業科目「基盤医科学実習(ベーシックトレー 2)選択必修科目の授業について 座で、基礎的な研究方法と個々の学生の研究課題に即した実験・実習を行う。 ②医科学セミナー、医科学実験研究の 2 科目は、上記①の授業終了後に学生配属先の講 ら 2 か月の間に集中して行う。 ①人体形態学、人体機能学、病理病態学、社会医学、臨床医学概論の 5 科目は、4 月か 1)必修科目の授業について 5.その他 4.医科学セミナー及び医科学実験研究の授業は、2 年間に亙り行う。 3.医学基礎実習の各授業は、1・2 年次生を対象に行う。 ②実験・実習は毎週 2 時間 15 週をもって 1 単位とする。 ①講義及び演習は毎週 1 時間 15 週をもって 1 単位とする。 2.各授業科目の単位の計算基準 科目のうちからそれぞれ 2 単位以上、合計 30 単位以上を修得しなければならない。 必修科目 26 単位並びに選択必修科目において「医科学各論」及び「医学基礎実習」の 1.履修方法 備 考 医科学専攻 修士課程 授業科目の講義等の内容 授 業 科 目 名 人 体 形 態 学 人 体 機 能 学 病 理 病 態 学 講 義 等 の 内 容 人体の正常な構造に関する知識を与えるとともに、医科学者として必要な観察眼を養 成し、生体構造の精妙さと生命の尊さについて教示する。 人体の正常な機能についての生理学、生化学、分子生物学に加えて、脳神経学、薬理 学の基礎知識を与え、人体の生命科学の基本について教示する。 病理学、感染症学、腫瘍病理学、免疫学、生態防御学の基礎知識を与えて病気の生態 防御機構の基礎概念及び診断治療の原理について教示する。 公衆衛生学、衛生学、予防医学、法医学、国際保健医療学に加え、加齢医学、臓器移植学、 社 会 医 学 生命倫理学、健康増進医学の基礎知識を与え、社会と医学の望ましいかかわり方につい て教示する。 臨床医学概論 医 科 学 各 論 解 剖 学 医 科 学 各 論 生 理 学 内科、外科、小児科等の代表的な臨床医学の基礎的知識を与えるとともに、診療の基 本的あり方について教示する。 人体の基本である構造の理解を一層深めるために局所解剖学講義を行うとともに、人 体の情報伝達に不可欠な中枢及び末梢神経系、病気の原因ともなり、生命維持に不可欠 な内臓諸器官を中心に教示する。 人体機能のメカニズムを分子、細胞、器官、個体のあらゆるレベルに関して動物機能(興 奮、感覚、中枢、運動など)と植物機能(体液、循環、呼吸、排泄など)について分子・ 細胞レベルから包括的に教示する。 生化学の知識の概略を伝え、そうした知識が得られるに至った歴史的過程の考察、理 医 科 学 各 論 論の発展の経過を述べ将来の可能性に触れるとともに、生体物質の化学、その体内代謝、 生 それを可能ならしめ、調節を行っている諸因子、即ち、酵素、核酸、ビタミン、ホルモン、 化 学 神経伝達物質、生体膜について包括的に教示する。 医 科 学 各 論 生理活性物質や細胞内情報伝達機構についての理解を深めると同時に、薬剤と生体と 薬 の相互作用の結果起こる現象や、その作用機構について教示する。 理 学 医 科 学 各 論 医 療 薬 学 医 科 学 各 論 病 理 学 安全で有効な医薬品の開発と医薬品の適正使用のために必要な臨床薬理学、臨床薬学 の基礎及び臨床知識並びに臨床治験に関わる製薬企業や病院従事者に必要な知識、臨床 薬剤師がファーマシューティカルケアを行う必要な知識と技能について教示する。 人体の病的生命現象を対象とする広い範囲の自然科学、その病的現象の基礎的な体系 的把握と病的現象の細胞学的、組織学的及び器官的基盤の体得を通じて病的現象につい ての自然科学的思考力を養成し、疾病についての基本的知識について教示する。 病原細菌学、ウイルス学及び医真菌学を通して、ヒトに病気を起こす微生物について 医 科 学 各 論 基礎的及び臨床的視点から、それぞれの微生物の病原性因子、感染のメカニズムについ 微 生 物 学 て分子、細胞レベルから個体レベルの反応までを取り扱うとともに、感染症の治療と耐 性菌についても教示する。 ─ 13 ─ 授業科目名 講 義 等 の 内 容 寄生、アレルゲン産生、感染症の媒介などによりヒトの健康を阻害する動物について、 医 科 学 各 論 その範囲は原虫、扁形動物(条虫、吸虫)、線形動物(線虫)、節足動物(昆虫、ダニ)、 医 動 物 学 さらに軟体動物から哺乳動物におよび、各種病因動物の形態、生活史、感染様式、病害 作用、予防法、治療法あるいは発症の社会的要因に関する基礎について教示する。 微生物などの攻撃から生体を防御する免疫の働きについて、この働きを担う免疫系の 医 科 学 各 論 免 疫 学 仕組みを、個体、臓器、細胞、分子・遺伝子の各レベルで理解し、この免疫系の働きを 基礎とする感染免疫や腫瘍免疫のしくみと、それらのしくみが破綻して生ずる免疫不全 症について及び免疫の働きが、両刃の剣として自己組織を損傷してアレルギーや自己免 疫病が発生する仕組みについて教示する。 医 科 学 各 論 社 会 医 学 人間を生物としての固体とみるのではなく、社会との関わりの中で捉えようとする学 問について、医療の法的な位置付け、医の倫理、集団遺伝学、臨床疫学、医療経済学等 の概要を教示する。 医学の各分野で扱われるすべての情報をその分野の目的のために最も効率よく利用で 医 科 学 各 論 きるような方法を科学する分野における情報理論、コンピュータ・リテラシー、ネット 医 療 情 報 学 ワーク、データベース、意志決定のための情報処理法、診療情報の安全性など、情報処 理の基本と応用について教示する。 医学基礎実習 生体から切り出した組織を固定し、光学顕微鏡で観察する。続いて超薄切片法を実施 解 し、試料の微細構造を電子顕微鏡によって観察する。 剖 学 生きた細胞を用いて、各種の生理機能を測定する。細胞として培養神経細胞を用い 医学基礎実習 るグループと培養心筋細胞を用いるグループに分かれる。測定するパラメーターは 生 Ca2+、 Na2+、 H+ などのイオン分布と電位差である。ことにリアルタイム共焦点レーザー 理 学 顕微鏡による細胞内イメージングを重視し、細胞内イオン分布の画像解析を行う。 ポストゲノム時代の要請に答えるためタンパク質の構造解析に焦点を絞る。まず、 医学基礎実習 SDS ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、分離したタンパク質の N −末端シークエ 生 ンス解析あるいはゲル内プロテアーゼ消化を行う。続いて、HPLC でペプチドを分離し、 化 学 シークエンス解析する。また、質量分析をタンパク質シークエンス解析に利用する。 医学基礎実習 病 理 学 組織切片中の抗原の存在を、酵素抗体法によって検出する。続いて、組織標本に基づ いた病理診断の実際について体験するサブコースと、実験動物を用いて疾病モデルを解 析するサブコースのいずれかを選択する。 まず基礎操作を修得する。そのため、①プラスミドベクター及びファージベクターの 医学基礎実習 分 子 生 物 学 取り扱い法、② RT − PCR による mRNA の検出と定量、③ DNA シークエンス及び遺 伝子データ解析の実習を行い、続いて、遺伝子の導入と発現の実験を行い、以下の 3 つ の課題の中から 1 つを選択する。①培養細胞への遺伝子の導入と発現、②遺伝子産物か らの抗体の作成、③部位特異的突然変異法。 医科学セミナー 医科学実験研究 指導教官の所属する研究室のゼミに参加して、原著論文の解読法と基礎的な研究法等 を修得させる。 教官の指導の下に、研究課題に即して実験・実習を行った上、修士論文を完成さ せる。 ─ 14 ─ ─ 15 ─ 人間は絶えず微生物・寄生虫との戦いの中で健康を保ち、生命を維持してきた。 効果の高い抗生物質・駆虫薬の発見により人類は、感染を克服できるかに見えたが、 耐性菌による難治感染症の出現、アトピーの多発など、新たな問題を生じている。 一方、環境ホルモンやオゾン層破壊のような地球環境変動と健康の問題が浮上して きた。人間と微生物・寄生虫や様々な環境因子との関係を生態系として考え、食品 産業・健康医療産業・行政分野で活躍できる人材の養成を目的とする。 高度情報化社会や車社会への移行に伴って生活習慣病といわれる病気が増えてい る。その予防・克服のために運動療法が使われるようになり、主治医と密接に連繋 して適切な処方指導のできる人材の需要がが高まっている。また、質のよい活動的 な老後人生への意欲が高まるなか、福祉施設でこれら人材の需要も強くなってきた。 これらの人材の養成を目的とする。 国または地方自治体の行政や企業、あるいは医療における国際協力事業などの業 務に従事するために、医学および医療の基礎知識を有し、なおかつ、医療システム、 医療経済など社会医学的研究方法に通じた職業的専門家の養成を目的とする。 人間生態環境学コース (医動物学、微生物学、免疫学) 健康増進・スポーツ医学コース (社会医学、生理学) 医療社会学コース (社会医学、医動物学、医療情報学) 容 医療、 (臨床) 、薬学コース (医療薬学) 大学薬学部卒業者であって、医学・医療の専門的知識を要する臨床治験をコーディ ネイトするクリニカルリサーチ・コーディネーター、治験の評価や監査を行うモニ タリング・監査担当者、あるいは薬物療法を主体に患者にファーマシューティカル ケアを行う臨床薬剤師の養成を目的とする。 医用工学・医療情報学コース (医療情報学・生理学) 広く医療及び医学研究に用いられている機器の製造、開発の関連産業、あるいは製 造食品業等における生理学、薬理学、病理学、解剖学、生体工学などの研究に従事 する研究・技術者のほか病院における、メディカルエレクトロニクス、メディカル エンジニアリング、補綴機器開発、医用情報管理に従事する医科学の専門的技術と 知識を有する高度技術者の養成を目的とする。 細胞医学コース (解剖学、生理学、薬理学) 細胞の微細構造と機能の連関、細胞の刺激受容/応答機構、細胞内シグナル伝達 機構、細部への薬剤作用機構等の分子メカニズム、あるいは細胞システムとしての 組織や個体の機能や情報伝達機構の研究を行い、これらの研究、技術開発に携わる 人材の養成を目的とする。 内 遺伝子治療、遺伝子診断など分子生物学と臨床医学の接点にある研究課題につい て、新しいベクターの導入法、有効な診断法などの研究を行い、これらの研究、技 術開発に携わる人材の養成を目的とする。 ス 名 遺伝子医学コース (生化学、病理学、免疫学) コ ー 医 学 専 攻 健 康 社 会 医 学 専 攻 機 能 構 築 医 学 専 攻 細 胞 情 報 医 学 専 攻 分 子 総 合 博 士 課 程 修士課程で可能な教育・研究の方向性をいくつかのモデルにより示す。選択必修科目の医科学各論と研究テーマを選択することで可能になる教育・研究の内容と博士課程へ の進学の将来の方向性を示すものである。 ( )内はコースに応じた医科学各論の選択必修科目の例を示す。 修士課程授業科目の片履修方法のモデルによる博士課程への進学例 5.教 室 紹 介 分子総合医学専攻 生物化学講座 分子生物学/生体高分子学 Ⅰ 教室の沿革・特色 生化学第一講座は 1916 年に開講され、1922 年に酸素学の世界的権威であった L.Michaelis 教授が招へいされ て基礎を作られた伝統ある講座である。八木国夫名誉教授は、ミカエリス複合体の結晶化などのフラビン酵素の 研究で著名であり、先々代の永津俊治名誉教授はチロシンヒドロキシラーゼを始めとするカテコールアミン代謝 の酸素学的、分子生物学的研究を進め、我が国の神経生物学のリーダーである。先代の村松喬教授は糖鎖生物学 の世界的権威であり、エンドグリコシダーゼの発見、発生初期に現れる長大な糖鎖エンブリオグリカンの発見と いった世界に先駆けた業績を発展させ、細胞表面分子認識の研究をおし進めた。一方、新しい成長因子ミッドカ インの構造、機能解析に力を注ぎ、臨床への展開の礎を築いた。 2004 年 9 月、門松健治が着任、村松教授時代に発見したミッドカインの研究を基礎と応用の両面でおし進め ようとしている。とくに癌、腎臓、血管の分野での貢献を視野に入れる。2 つめのテーマは糖鎖生物学と神経で ある。例えば、教室で作成したノックアウトマウスの一つはケラタン硫酸生合成不全が脳でおこる。テーマの 3 つ目は核酸薬を含むドラッグデザインおよびデリバリーの開発である。当面のターゲットに癌を据える。 研究スタイルの特徴は、物質の発見から個体レベルでの機能と病態まで、一貫したストーリーを作る研究を行 おうとするものである。糖、 蛋白質、 そして遺伝子(遺伝子改変動物作成を含む)の解析を自前で動かせるメリッ トを生かし、真に生物学に足跡を残す研究を目指す。 Ⅱ スタッフ 教 授 門松 健治 授 村松 寿子 COE ポスドク 武井 佳史 非常勤職員 市原 啓子 大 学 院 生 陳 森(D4) 、Zou Peng(D4)、河合 華代(D4、内科)、張 皓倩(D3)、 小杉 智規(D3、内科) 、坂野 比呂史(D3)、陳 嵐(D2)、山本 英樹(D2、整形) 、 村瀬 篤史(M2) 、山田 章人(M1)、 坂元 一真(学部学生 4 年) 研 中西 貴士 助 教 究 生 外国人研究員 劉 大革(外科) 実験補助員 小堀 恭子 秘 井上 人美、 安達 智子 書 Ⅲ 研究分野・内容 現在の研究は細胞表面物質の生化学と分子生物学を主軸として進められている。細胞と細胞の話し合いは組 織、器官の形成、そしてその異常としての各種の疾患を理解する上で基本的に重要である。この細胞間識別に於 いて主役を果たすのは、細胞膜、細胞間マトリックスに存在する細胞表面分子である。我々の、細胞表面分子に ついての研究はさらに 2 つに大別できる。新しい成長分化因子ミッドカイン(MK)と、細胞膜糖タンパク質で ある。 MK はレチノイン酸(ビタミン A 酸)による胚性腫瘍細胞の分化誘導の初期段階で発現が誘導される遺伝子 の産物として門松らによって cDNA クローニングされた。MK は、分子量 13, 000 の成長分化因子で、クローニ ングして、論文を発表した時点では、他のいかなるたんぱく質とも構造的に類似してなかった。MK は神経細胞 ─ 19 ─ 分子総合医学専攻 生物化学講座 の突起伸長、そして、生存を助け、また、血管内皮細胞のプラスミノーゲン活性化酸素の活性を増強するなど多 様な活性を示すことが判明した。MK は発生中期に於いての発現が高く、成体臓器での発現は、一般に弱い。し かし、多くのヒト癌で MK の強い発現が起こり、脳梗塞、心筋梗塞の修復過程やアルツハイマー病の老人斑、 さらに血管狭窄、腎炎、リウマチなどの炎症性疾患でも高いレベルの MK が検出されることを見出した。MK は 組織の修復とその異常に深く関与することが確実であり、医学的重要性が高いと考えている。MK の個体レベル での機能を識るため、MK 遺伝子ノックアウトを作成したところ虚血後の新生内膜の形成と腎炎が阻害された。 また、MK アンチセンスオリゴ DNA は癌の増殖を抑え、さらに、腎炎の炎症を軽減した。 細胞膜糖タンパク質は、細胞間識別に深く関与することが判明してきた。糖鎖の多い免疫グロブリンスーパー ファミリーに属するベイシジンについて、遺伝子ターゲッティングによる機能解明をすすめ、精子形成、着床、 行動に重要な役割を果たすことを明らかにした。また、このノックアウトマウスでは進行経網膜変性が起こり、 この発生機序にエネルギー代謝異常がある可能性がでてきた。現在、遺伝子ターゲッティングによる機能解析は さらにシンデカン -4、コンドロイチン 6 スルフォトランスフェラーゼ、N アセチルグルコサミン 6-O- スルフォ トランスフェラーゼ 1 へと展開している。N アセチルグルコサミン 6-O- スルフォトランスフェラーゼ 1 のノッ クアウトマウスではリンパ球のリンパ節やパイエル板へのホーミングが抑えられ、この酵素がセレクチンリガン ドの生合成に重要であることが判った。 さらに予想外の発見は、脳内ケラタン硫酸の発現が消失することである。 ケラタン硫酸の神経発達、 神経損傷治癒における役割が次の研究テーマとなる。従来から研究してきたガラクトー スα 1 → 3 ガラクトース結合についても、異種間移植の拒絶抗原という観点から第二外科との共同研究が進行し ている。 3 つ目のテーマは、核酸薬を含むドラッグデザインとデリバリーシステムの開発である。アンチセンスオリゴ デオキシヌクレオチドや siRNA をアテロコラーゲンと呼ばれる抗原性を抑えたコラーゲンとともに投与するこ とで局所での除放性の効果的投与が可能であることを示してきた。siRNA のデザインや投与法の新たな開発を 可能にするデータが集積しつつあるので、癌を当面のターゲットに据えてこれに取り組む。 Ⅳ 指導方針など 全力をあげて、未知の事柄に挑む若者を歓迎する。自分で考え、研究の前線で最大限の努力を続けることが研 究者として大成するための王道である。指導する側としては整備された研究環境、親切な技術指導、日常的討論、 そして激励を保証する。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Sumi, Y., Muramatsu, H., Hata, K., Ueda, M. and Muramatsu, T. Midkine enhances early stages of collagen gel contraction. J. Biochem., 127, 247-251 (2000). 2. Qi, M., Ikematus, S., Ichihara-Tanaka, K., Sakuma, S., Muramatsu, T. and Kadomatsu, K. Midkine rescues Wilms tumor cells from cisplatin-induced apoptpsis: regulation of Bcl-2 expression by midkine. J. Biochem., 127, 269-277 (2000). 3. Zou, K., Muramatsu, H., Ikematsu, S., Sakuma, S., Salama, RH., Shinomura, T., Kimata, K. and Muramatsu, T. A heparinbinding growth factor, midkine, binds to a chondroitin sulfate proteoglycan, PG-M/versican. Eur .J . Biochem., 267, 4046-4053 (2000). 4. Ishiguro, K., Kadomatsu, K., Kojima, T., Muramatsu, H., Tsuzuki, S., Nakamura, E., Kusugami, K., Saito, H. and Muramatsu, T. Syndecan-4 deficiency impairs focal adhesion formation only under restricted conditions. J. Biol. Chem., 275, 5249-5252 (2000). 5. Horiba, M., Kadomatsu, K., Nakamura, E., Muramatsu, H., Ikematsu, S., Sakuma, S., Hayashi, K., Yuzawa, Y., Matsuo, S., ─ 20 ─ 分子総合医学専攻 生物化学講座 Kuzuya, M., Kaname, T., Hirai, M., Saito, H. and Muramatsu, T. Neointima formation in a restenosis model is suppressed in midkine- deficient mice. J. Clin. Invest., 105, 489-495 (2000). 06. Sumi, Y., Muramatsu, H., Hata, K., Ueda, M. and Muramatsu, T. Secretary leukocyte protease inhibitor is a novel inhibitor of fibroblast-mediated collagen gel contraction. Exp. Cell Res., 256, 203-212 (2000). 07. Chen, G., Kurosawa, N. and Muramatsu, T. A novel variant form of murine β -1, 6-N-acetylglucosaminyltransferase forming branches in poly-N-acetyllactosamines. Glycobiology, 10, 1001-1011 (2000). 08. Uchimura, K., Fasakhany, F., Kadomatsu, K., Matsukawa, T., Yamakawa, T., Kurasawa, N. and Muramatsu, T. Diversity of N-acetylglucosamine-6-O-sulfotransferases: molecular cloning of a novel enzyme with different distribution and specificities. Biochem. Biophys. Res. Commun., 274, 291-296 (2000). 09. Yoshida, S., Shibata, M., Yamamoto, S., Hagihara, M., Asai, N., Takahashi, M., Mizutani, S., Muramatsu, T. and Kadomatsu, K. Homo-oligomer formation by basigin, an immunoglobulin superfamily member, via its N-terminal immunoglobulin domain. Eur. J. Biochem., 267, 4372-4380 (2000). 10. Ishiguro, K., Kadomatsu, K., Kojima, T., Muramatsu, H., Nakamura, E., Ito, M., Nagasaka, T., Kobayashi, H., Kusugami, K., Saito, H. and Muramatsu, T. Syndecan-4 deficiency impairs the fetal vessels in the placental labyrinth. Dev. Dyn., 219, 539-544 (2000). 11. Ishiguro, K., Kojima, T., Kadomatsu, K., Nakayama, Y., Takagi, A., Suzuki, M., Takeda, N., Ito, M., Yamamoto, K., Matsushita, T., Kusugami, K., Muramatsu, T. and Saito, H. Complete antithrombin deficiency in mice results in embryonic lethality. J. Clin. Invest., 106, 873-878 (2000). 12. Qi, M., Ikematsu, S., Maeda, N., Ichihara-Tanaka, K., Sakuma, S., Noda, M., Muramatsu, T. and Kadomatsu, K. Haptotactic migration induced by midkine: Involvement of protein-tyrosine phosphatase ζ , mitogen-activated protein kinase and phosphatidylinositol 3-kinase. J. Biol. Chem., 276, 15868-15875 (2001). 13. Ishiguro, K., Kadomatsu, K., Kojima, T., Muramatsu, H., Matsuo, S., Kusugami, K., Saito, H. and Muramatsu, T. Syndecan-4 deficiency increases susceptibility to κ -carrageenan-induced renal damage. Lab. Invest., 81, 509-516 (2001). 14. El-Fasakhany, M. F., Uchimura, K., Kannagi, R. and Muramatsu, T. A novel human Gal-3-O-sulfotransferase: cloning, characterization and its implications in biosynthesis of 3'-sulfo Lewisx . J. Biol. Chem., 276, 26988-26994 (2001). 15. Ishihama, H., Ohbayashi, M., Kurosawa, N., Kitsukawa, T., Matsuura, O., Miyake, Y. and Muramatsu, T. Colocalization of neuropilin-1 and Flk-1 in retinal neovascularization in a mouse model of retinopathy. Invest. Ophthalmol. Vis. Sci., 42, 1172-1178 (2001). 16. Takahashi, A., Muramatsu, H., Takagi, S., Fujisawa, H., Niyake, Y. and Muramatsu, T. A Splicing factor, Prp8: preferential localization in the testis and ovary in adult mice. J. Biochem., 129, 599-606 (2001). 17. Sato, W., Kadomatsu, K., Yuzawa, Y., Muramatsu, H., Hotta, N., Matsuo, S. and Muramatsu T. Midkine is involved in neutrophil infiltration into the tubulointerstitium in ischemic renal injury. J. Immunol., 167, 3463-3469 (2001). 18. Ishiguro, K., Kadomatsu, K., Kojima, T., Muramatsu, H., Iwase, M., Yoshikai, Y., Yanada, M., Yamamoto, K., Matsushita, T., Nishimura, M., Kusugami, K., Saito, H. and Muramatsu, T. Syndecan-4 deficiency leads to high mortality of lipopolysaccharide-injected mice. J. Biol. Chem., 275, 47483-47488 (2001). 19. Takei, Y., Kadomatsu, K., Matsuo, S., Itoh, H., Nakazawa, K., Kubota, S. and Muramatsu, T. Antisense oligodeoxynucleotide targeted to midkine, a heparin-binding growth factor, suppresses tumorigenicity of mouse rectal carcinoma cells. Cancer Res., 61, 8486-8491 (2001). 20. Salama, R. H. M., Muramatsu, H., Zou, K., Inui, T., Kimura, T. and Muramatsu, T. Midkine binds to 37-kDa laminin protein precursor, leading to nuclear transport of the complex. Exp. Cell Res., 270, 13-20 (2001). 21. Hayashi, K., Kadomatsu, K. and Muramatsu, T. Requirement of chondroitin sulfate/dermatan sulfate recognition in midkine-dependent migration of macrophages. Glycocoj. J., 18, 401-406 (2001). ─ 21 ─ 分子総合医学専攻 生物化学講座 22. Liu, D.-G., Kobayashi, T., Yokoyama, I., Ogawa, H., Nagasaka, T., Muramatsu, H., Kadomatsu, K., Oikawa, T., Shimano, Y., Morozumi, K., Uchida, K., Muramatsu, T. and Nakao, A. Enzymatic removal of Gal antigen in pig kidneys by ex vivo and in vivo administration of endo--galactosidase C. Xenotransplantation 9, 328-336 (2002). 23. Yanada, M., Kojima, T., Ishiguro, K., Nakayama, Y., Yamamoto, K., Matsushita, T., Kadomatsu, K., Nishimura, M., Muramatsu, T. and Saito, H. Impact of antithrombin deficiency in thrombogenesis: lipopolysaccharide and stress- induced thrombus formation in heterozygous antithrombin- deficient mice. Blood, 99, 2455-2458 (2002). 24. Sumi, Y., Muramatsu, H., Takei, Y., Hata, K., Ueda, M., Muramatsu, T. Midkine, a heparin-binding growth factor promotes growth and glycosaminoglycan synthesis of endothelial cells through its action on smooth muscle cells in an artificial blood vessel model. J. Cell Sci. 115, 2659-2667 (2002). 25. Shibata, Y., Muramatsu, T., Hirai, M., Inui, T., Kimura, T., Saito, H., McCormick, L.M., Bu, G., Kadomatsu, K. Nuclear targeting by the growth factor midkine. Mol. Cell. Biol. 22, 6788-6796 (2002). 26. Matsuura, O., Kadomatsu, K., Takei, Y., Uchimura, K., Mimura, S., Watanabe, K., Muramatsu, T. Midkine expression is associated with postnatal development of the lungs. Cell Struct. Funct. 27,109-115 (2002). 27. Zou, P., Zou, K., Muramatsu, H., Ichihara-Tanaka, K., Habuchi, O., Ohtake, S., Ikematsu, S., Sakuma S., Muramatsu, T. Glycosaminoglycan structures required for strong binding to midkine, a heparin-binding growth factor. Glycobiology 13, 35-42 (2003). 28. El-Fasakhany, F. M., Ichihara-Tanaka, K., Uchimura, K., Muramatsu T. N-Acetylglucosamine-6-0-sulfotransferase-1: production in the baculovirus system and its applications to the synthesis of a sulfated oligosaccharide and to the modification of oligosaccharides in fibrinogen. J. Biochem. 133, 287-293 (2003). 29. Ikematsu, S., Okamoto, K., Yoshida, Y., Oda, M., Sugano-Nagano, H., Ashida, K., Kumai, H., Kadomatsu, K., Muramatsu, H., Muramatsu, T., Sakuma, S. High levels of urinary midkine in various cancer patients. Biochem. Biophys. Res. Commun. 306, 329-332 (2003). 30. Ikematsu, S., Nakagawara, A., Nakamura, Y., Sakuma, S., Wakai, K., Muramatsu, T., Kadomatsu, K. Correlation of elevated level of blood midkine with poor prognostic factors of human neuroblastomas. Br. J. Cancer 88, 1522-1526 (2003). 31. Kobayashi, H., Nomura, S., Mitui, T., Ito, T., Kuno, N., Ohno, Y., Kadomatsu, K., Muramatsu, T., Nagasaka, T., Mizutani, S. Tissue distribution of placental leucine aminopeptidase/oxytocinase during mouse pregnancy. J. Histochem. Cytochem.52, 113-121 (2004). 32. Maruyama, K., Muramatsu, H., Ishiguro, N., Muramatsu, T. Midkine, a heparin-binding growth factor, is fundamentally involved in pathogenesis of rheumatoid arthritis. Arthritis Rheum.50, 1420-1429(2004). 33. Kobayashi, H., Mitsui, T., Nomura, S., Ohno, Y., Kadomatsu, K., Muramatsu, T., Nagasaka, T., Mizutani, S. Expression of glucose transporter 4 (GLUT4) in the human pancreatic islet of Langerhans. Biochem. Biophys. Res. Commun.314, 1121-1125 (2004). 34. Suzuki, N., Shibata, Y., Urano, T., Murohara, T., Muramatsu, T. and Kadomatsu, K. Proteasomal degradation of the nuclear targeting growth factor midkine. J. Biol. Chem.,279,17785-17791. 35. Inoh, K., Muramatsu, H., Ochiai, K., Torii, S. and Muramatsu,T. Midkine, a heparin-binding cytokine, plays key roles in intraperitoneal adhesions. Biochem. Biophys. Res. Commun.,317, 108-113 (2004). 36. Ochiai, K., Muramatsu, H., Yamamoto, S., Ando, H. and Muramatsu,T. The Role of midkine and pleiotrophin in liver regeneration. Liver Int.,in press. ─ 22 ─ 分子総合医学専攻 生物化学講座 Ⅵ 大学院修了者の進路 陳 国云(愛知県がんセンター) 、Fathy Fasakhany(愛知県がんセンター)、内村 健治(カリフォルニア大 学) 、 小田 善博(ヤクルト) 、 Shamima Akhter(テキサス大)、Amjad H. Talukder(テキサス大)、Qi Wen Fan(カ リフォルニア大) 、Maosong Qi(ハーバード大)、Zou Kun(長寿医療センター)、堀場充(環境医学研究所 名大) Ⅶ 過去5年間の代表論文 1. Ishiguro, K., Kadomatsu, K., Kojima, T., Muramatsu, H., Tsuzuki, S., Nakamura, E., Kusugami, K., Saito, H. and Muramatsu, T. Syndecan-4 deficiency impairs focal adhesion formation only under restricted conditions. J. Biol. Chem., 275, 5249-5252 (2000). 2. Horiba, M., Kadomatsu, K., Nakamura, E., Muramatsu, H., Ikematsu, S., Sakuma, S., Hayashi, K., Yuzawa, Y., Matsuo, S., Kuzuya, M., Kaname, T., Hirai, M., Saito, H. and Muramatsu, T. Neointima formation in a restenosis model is suppressed in midkine-deficient mice. J. Clin. Invest., 105, 489-495 (2000). 3. Ogawa, H., Muramatsu, H., Kobayashi, T., Morozumi, K., Yokoyama, I., Kurosawa, N., Nakao, A. and Muramatsu, T. molecular cloning of endo- β -galactosidase C and its application in removing α -galactosy l xenoantigen from blood vessels in the Pig Kidney. J .Biol Chem., 275, 19368-19374(2000). 4. Zou, K., Muramatsu, H., Ikematsu, S., Sakuma, S., Salama, RH., Shinomura, T., Kimata, K. and Muramatsu, T. A heparinbinding growth factor, midkine, binds to a chondroitin sulfate proteoglycan, PG-M/versican. Eur .J .Biochem., 267, 4046-4053(2000). 5. Qi, M., Ikematsu, S., Maeda, N., Ichihara-Tanaka, K., Sakuma, S., Noda, M., Muramatsu, T. and Kadomatsu, K. Haptotactic migration induced by midkine: Involvement of protein-tyrosine phosphatase ζ , mitogen-activated protein kinase and phosphatidylinositol 3-kinase. J. Biol. Chem., 276, 15868-15875(2001). 6. El-Fasakhany, M. F., Uchimura, K., Kannagi, R. and Muramatsu, T. A novel human Gal-3-O-sulfotransferase: cloning, characterization and its implications in biosynthesis of 3'-sulfo Lewisx . J. Biol. Chem., 276, 26988-26994 (2001). 7. Sato, W., Kadomatsu, K., Yuzawa, Y., Muramatsu, H., Hotta, N., Matsuo, S. and Muramatsu T. Midkine is involved in neutrophil infiltration into the tubulointerstitium in ischemic renal injury. J. Immunol., 167, 3463-3469 (2001). 8. Ishiguro, K., Kadomatsu, K., Kojima, T., Muramatsu, H., Iwase, M., Yoshikai, Y., Yanada, M., Yamamoto, K., Matsushita, T., Nishimura, M., Kusugami, K., Saito, H. and Muramatsu, T. Syndecan-4 deficiency leads to high mortality of lipopolysaccharide-injected mice. J. Biol. Chem., 275, 47483-47488 (2001). 9. Takei, Y., Kadomatsu, K., Matsuo, S., Itoh, H., Nakazawa, K., Kubota, S. and Muramatsu, T. Antisense oligodeoxynucleotide targeted to midkine, a heparin-binding growth factor, suppresses tumorigenicity of mouse rectal carcinoma cells. Cancer Res., 61, 8486-8491 (2001). 10. Uchimura, K., Kadomatsu, K., Nishimura, H., Muramatsu, H., Nakamura, E., Kurosawa, N., Habuchi, O., El-Fasakhany, F.M., Yoshikai, Y. and Muramatsu, T. Functional analysis of the chondoroitin 6-sulfotransferase gene in relation to lymphocyte subpopulation, brain development and oversulfated chondroitin sulfates. J. Biol. Chem., 277, 1443-1450 (2002) 11. Takei, Y., Kadomatsu. K., Itoh, H., Sato, W., Nakazawa, K., Kubota, S. and Muramatsu, T. 5'-, 3'-Inverted-thymidinemodified antisense oligodeoxynuclediotide targeting midkine: its application for cancer therapy. J. Biol. Chem., 277, 23800-23806 (2002). 12. Uchimura, K., El-Fasakhany, F. M, Hori, M, Hemmerich, S, Blink, S. E, Kansas, G.S, Kanamori, A, Kumamoto, K, Kannagi R. and Muramatsu, T. Specificities of N-acetylglucosamine-6-O-sulfotransferases in relation to L-selectin ligand synthesis and tumor-associated enzyme expression. J. Biol. Chem., 277, 3979-3984 (2002). 13. Yanada, M., Kojima, T., Ishiguro, K., Nakayama, Y., Yamamoto, K., Matsushita, T., Kadomatsu, K., Nishimura, M., ─ 23 ─ 分子総合医学専攻 生物化学講座 Muramatsu, T. and Saito, H. Impact of antithrombin deficiency in thrombogenesis: lipopolysaccharide and stress- induced thrombus formation in heterozygous antithrombin- deficient mice. Blood, 99, 2455-2458 (2002). 14. Sumi, Y., Muramatsu, H., Takei, Y., Hata, K., Ueda, M. and Muramatsu, T. Midkine, a heparin-binding growth factor promotes growth and glycosaminoglycan synthesis of endothelial cells through its action on smooth muscle cells in an artificial blood vessel model. J. Cell Sci., 115, 2659-2667 (2002). 15. Shibata, Y., Muramatsu, T., Hirai, M., Inui, T., Kimura, T., Saito, H., McCormick, L.M., Bu, G. and Kadomatsu, K. Nuclear targeting by the growth factor midkine. Mol. Cell. Biol. 22, 6788-6796 (2002). 16. Zou, P., Zou, K., Muramatsu, H., Ichihara-Tanaka, K., Habuchi, O., Ohtake, S., Ikematsu, S., Sakuma S. and Muramatsu, T. Glycosaminoglycan structures required for strong binding to midkine, a heparin-binding growth factor. Glycobiology 13, 35-42 (2003). 17. Philp, N.J., Ochrietor, J.D., Rudoy, C., Muramatsu, T. and Linser, P.J. Loss of MCT1, MCT3, and MCT4 expression in the retinal pigment epithelium and neural retina of the 5A11/basigin-null mouse. Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 44, 1305-1311 (2003). 18. Ikematsu, S., Nakagawara, A., Nakamura, Y., Sakuma, S., Wakai, K., Muramatsu, T. and Kadomatsu, K. Correlation of elevated level of blood midkine with poor prognostic factors of human neuroblastomas. Br. J. Cancer 88, 1522-1526 (2003). 19. Betsuyaku, T., Kadomatsu, K., Griffin, G.L., Muramatsu, T. and Senior, R.M. Increased basigin in bleomycin-induced lung injury. Am. J. Respir. Cell Mol. Biol. 28, 600-606 (2003). 20. Maruyama, K., Muramatsu, H., Ishiguro, N. and Muramatsu, T. Midkine, a heparin-binding growth factor, is fundamentally involved in pathogenesis of rheumatoid arthritis. Arthritis Rheum.50, 1420-1429(2004). 21. Suzuki, N., Shibata, Y., Urano, T., Murohara, T., Muramatsu, T. and Kadomatsu, K. Proteasomal degradation of the nuclear targeting growth factor midkine. J. Biol. Chem., 279,17785-17791(2004). 22. Muramatsu, H., Zou, P., Suzuki, H., Oda, Y., Chen, G.Y., Sakaguchi, N., Sakuma, S., Maeda, N., Noda, M., Takada, Y. and Muramatsu, T. α₄β₁- and α₆β₁-Integrins constitute the receptor complex for midkine, a heparin-binding growth factor.J.Cell Sci. in press. 23. Uchimura, K., Kadomatsu, K., El-Fasakhany, F.M., Singer, M.S., Izawa, M., Kannagi, R., Takeda, N., Rosen, S.D. and Muramatsu, T. N-acetylglucosamine 6-O -sulfotransferase-1 regulates expression of L-selectin ligands and lymphocyte homing. J. Biol. Chem. 279,35001-35008 (2004). 24. Takei, Y., Kadomatsu, K., Yuzawa, Y., Matsuo, S. and Muramatsu, T. A small interfering RNA targeting vascular endothelial growth factor as cancer therapeutics. Cancer Res. 64,3365-3370 (2004). 25. Kawai, H., Sato, W., Yuzawa, Y ., Kosugi, T. , Matsuo, S. , Takei, Y. , Kadomatsu, K. and Muramatsu, T. Lack of the growth factor midkine enhances survival against cisplatin-induced renal damage. Am J. Pathol. in press. 26. Kadomatsu, K. and Muramatsu, T. Midkine and pleiotrophin in neural development and cancer.Cancer Lett. 204,127-143 (2004) Review. ─ 24 ─ 分子総合医学専攻 生物化学講座 分子細胞化学/機能分子制御学 Ⅰ 教室の沿革・特色 名古屋大学の生化学教室は日本で最も古い歴史を有している。第一次世界大戦後のドイツからミハエリス教授 が愛知医学校(名古屋大学医学部の前身)に着任し、日本で最初の生化学教室が 1922 年に開設された。このミ ハエリス教授は、酵素反応論の分野で世界的に著明な研究者である。 平成 9 年 3 月より新しく古川教授が就任し、悪性腫瘍の原因究明と治療の開発を目ざした研究が開始された。 特に、糖鎖遺伝子の構造と機能に関する多面的な解析と糖鎖の発現調節機構の研究に焦点が置かれた。糖鎖は主 に細胞表面に存在し、様々な細胞機能調節に深く関与していることが判っている。近年、糖鎖の合成に働く糖転 移酵素の遺伝子が 1980 年代の中頃から相次いでクローニングされ、多様な糖鎖構造の一つ一つが果たしている 生物学的役割が、遺伝子操作に基づく解析によって急速に明らかにされつつある。 本講座では、主に分子生物学的手法により、糖鎖とそれに関連する分子群の細胞増殖と分化の調節、特に癌細 胞の悪性形質における役割、脳神経系の形成と機能維持ならびに修復機構、免疫系細胞の機能制御につき解明す る。また、細胞増殖と分化の制御に関わるリン酸化酵素の構造と機能についても併せて研究が進められている。 Ⅱ スタッフ 教 助 教 授 古 川 鋼 一 授 浦 野 健 師 古 川 圭 子 ヒューマンフロンティア 岡 島 徹 也 ポスドク (分子応答セ) 土 田 明 子 共 同 研 究 員 小 木 曽 学 大 学 院 生 大 海 雄 介、 大 橋 紗矢香、 奥 田 徹 哉、 橘 高 大 二 近 藤 裕 史、 朱 迎 松、 章 青、 鈴 木 敦 史 徳 田 典 代、 伴 玲 子、 李 香 玉 修 士 課 程 矢 野 椎 子 藤 井 優 子 講 Ⅲ 研究分野・内容 (1)糖鎖遺伝子の解析では、酸性糖脂質の合成に関わる新しい糖転移酵素群の cDNA クローニングが進行する共 に、既に単離したβ 1,4N- アセチルガラクトサミン転移酵素遺伝子α 2,8 シアル酸転移酵素遺伝子、およ びβ 1,3 ガラクトース転移酵素遺伝子に関しては、悪性黒色種(B16)、褐色細胞腫(PC12)およびメラノサ イトなどに遺伝子導入を行い、糖鎖変異と表現型の変化を解析すると共に、そのメカニズムについてミクロ ドメインの変異を中心に検討中である。また、遺伝子を過剰発現させたトランスジェニックマウスにおける 行動異常と皮膚および免疫機能解析、遺伝子機能を欠落させたノックアウトマウスの脳神経系や免疫系、生 殖系の異常と糖脂質の機能の解明が進行中である。とりわけ糖鎖変異培養細胞や変異動物由来の細胞膜にお いて、糖脂質分子と結合するチロシンキナーゼなどの細胞シグナル分子の同定と糖鎖との相互作用の解析を 重点的に進めている。また、酸性糖脂質欠損マウスでは神経変性が発生し、神経の再生能も著しく低下して いることが判明した。これらのメカニズムを検討することより、糖鎖の生物学的役割を明らかにすると共に、 神経再生遺伝子の同定とその応用・開発を目ざしている。 ─ 25 ─ 分子総合医学専攻 生物化学講座 (2)悪性腫瘍における糖鎖抗原の発現と機能という点では、 従来、 メラノーマや白血病を用いて検討を行ってたが、 現在ヒト肺癌細胞を中心に特異的酸性糖脂質の発現の意義を解明している。また、抗ガングリオシド抗体に より誘導されるアポトーシスのメカニズムの解明と、抗体のヒト化やサイトカインとの融合タンパクを作製 しての治療の開発を目ざしている。更に、 癌細胞に特異的に発現する糖鎖抗原合成酵素遺伝子のプロモーター を利用した癌の遺伝子治療の開発を進めている。 (3)発がんは細胞周期,特にチェックポイント制御の異常が原因であると言っても過言ではない。特に G2/M 期 におけるチェックポイント制御機構の破綻は,がん,特に悪性化の特徴の一つでもある染色体不安定性や細 胞分裂の異常をひき起こす。発がんのメカニズムの解明には,細胞周期におけるチェックポイント制御機構 における分子間相互作用の正確な把握は重要である。そこで,G2/M 期を制御するキナーゼに注目しその上 流および下流のシグナル伝達経路を生化学的あるいは分子生物学的手法を用いて解析している。 Ⅳ 指導方針など 大学院入学は比較的早い方が良いが、1 ∼ 2 年の臨床研修を行った後のほうが総合的には望ましい。最先端の 科学情報の正確な理解と技術の修熟ともに、基本的な生化学実験の手法と進め方をバランスよく修得し、個性あ る研究者としての力量を身につける。 Ⅴ 過去5年間の代表論文 1. Takamiya, K., Yamamoto, A., Zhao, J., Furukawa, K., Yamashiro, S., Okada, M., Haraguchi, M., Shin, M., Takeda, N., Kishikawa, M., Shiku, H., Aizawa, S. and Furukawa, K.: Complex gangliosides are essential in spermatogenesis of mice: Possible roles in the transport of testosterone. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95, 12147-12152, 1998 2. Fukumoto, S., Miyazaki, H., Urano, T., Furukawa, K. and Furukawa, K.: Expression cloning of mouse cDNA of CMPNeuAc:lactosylceramide α2,3-sialyltransferase (GM3 synthase), an enzyme that initiates the synthesis of gangliosides. J. Biol. Chem. 274, 9271-9276, 1999 3. Okajima, T., Fukumoto, S., Miyazaki, H., Ishida, H., Kiso, M., Furukawa, K., Urano, T., and Furukawa, K.: J. Biol. Chem. Molecular cloning of a novel α 2,3-sialyltransferase (ST3Gal VI) that sialylates type II lactosamine structures on glycoproteins and glycolipids. J. Biol. Chem. 274, 11479-11486, 1999 4. Itoh, M., Fukumoto, S., Kuga, Y., Mizuno, A. and Furukawa, K.: Prevention of the death of the rat axotomized hypoglossal nerve and promotion of its regeneration by bovine brain gangliosides. Glycobiology 9, 1247-1252, 1999 5. Zhao, J., Furukawa, K., Fukumoto, S., Okada, M., Miyazaki, H., Shiku, H., Aizawa, S., Matsuyama, M. and Furukawa, K.: Attenuation of the interleukin 2 signals in complex ganglioside-lacking mice. J. Biol. Chem. 274, 13744-13747, 1999 6. Okajima, T., Yoshida, K., Kondo, T., and Furukawa, K.: Human homolog of Caenorhabditis elegans sqv-3 gene is galactosyl-transferase I involved in the biosynthesis of the glyco-saminoglycan-protein linkage region of proteoglycans. J. Biol. Chem. 274, 22915-22918, 1999 7. Okajima, T., Fukumoto, S., Ito, H., Kiso, M., Hirabayashi, Y., Urano, T., Furukawa, K., Furukawa, K.: Molecular cloning of brain-specific GD1α synthase (ST6GalNAc V) containing CAG/glutamine repeats. J. Biol. Chem. 274, 30557-30562, 1999 8. Okajima, T., Fukumoto, S., Furukawa, K., Urano, T., and Furukawa, K.: Molecular basis for the progeroid variant of EhlersDanlos syndrome: Identification and characterization of two mutations in galactosyltransferase I gene. J. Biol. Chem. 274, ─ 26 ─ 分子総合医学専攻 生物化学講座 28841-28844, 1999 9. Fukumoto, S., Mutoh, T., Hasegawa, T., Miyazaki, H., Okada, M., Goto, G., Furukawa, K., Urano, T., and Furukawa, K.: GD3 synthase gene expression in PC12 cells results in the continuous activation of TrkA and ERK1/2 and enhanced proliferation. J. Biol. Chem. 275, 5832-5838, 2000 10. Okajima, T., Chen, H.-H., Ito, H., Kiso, M., Tai, T., Furukawa, K., Urano, T., and Furukawa, K.: Molecular cloning and expression of mouse GD1α/GT1aα/GQ1bα synthase (ST6GalNAc VI) gene. J. Biol. Chem. 275, 6717-6723, 2000 11. Kojima, Y., Fukumoto, S., Furukawa, K., Tetsuya, O., Wiels, J., Yokoyama, K., Suzuki, Y., Ohta, M., and Furukawa, K.: Molecular cloning of Gb3/CD77 synthase, a glycosyltransferase that initiate the synthesis of globo-series glycosphingolipids. J. Biol. Chem. 275, 15152-15156, 2000 12. Honda, K., Mihara, H., Kato, Y., Yamaguchi, A., Tanaka, H., Yasuda, H., Furukawa, K., and Urano, T.: Degradation of human aurora2 protein kinase by the anaphase-promoting complex-ubiquitin-proteasome pathway. Oncogene 19, 2812-2819, 2000 13. Furukawa, K., Iwamura, K., Uchikawa, M., Sojka, B.N., Wiels, J., Okajima, T., Urano, T., and Furukawa, K.: Molecular basis for the p phenotype: Identification of distinct and multiple mutations in the α1,4-galactosyltransferase gene in Swedish and Japanese individuals. J. Biol. Chem. 275, 37752-37756, 2000 14. Okajima, T., Nakamura, Y., Uchikawa, M., Haslam, D.B., Numata, S., Furukawa, K., Urano, T., and Furukawa, K.: Expression cloning of human globoside synthase cDNAs: Identification of β 3Gal-T3 as UDP-N-acetylgalactosamine: globotriaosylceramide β1,3-N-acetylgalactosaminyltrans-ferase. J. Biol. Chem. 275, 40498-40503, 2000 15. Ito, M., Fukumoto, S., Kiso, M., Kuga, Y., Mizuno, A. and Furukawa, K.: Specificity of carbohydrate structures of gangliosides in the activity to regenerate the rat axotomized hypoglossal nerve. Glycobiology 11, 125-130, 2001 16. Yoshida, S., Fukumoto, S., Kawaguchi, H., Sato, S., Ueda, D. and Furukawa, K.: Ganglioside GD2 in small cell lung cancer cell lines: Enhancement of cell proliferation and mediation of apoptosis. Cancer Res. 61, 4244-4252, 2001 17. Iwamoto, T., Fukumoto, S., Kanaoka, K., Sakai, E., Shibata, M., Fukumoto, E., Inokuchi, Ji. J., Takamiya, K., Furukawa, K., Furukawa, K., Kato, Y., Mizuno, A.: Lactosylceramide is essential for the osteoclastogenesis mediated by the macrophagecolony stimulating factor and receptor activator of NF-κB ligand. J. Biol. Chem. 276, 46031-46038, 2001 18. Mitsuda, T., Furukawa, K., Fukumoto, S., Miyazaki, H., Urano, T., and Furukawa, K.: Over-expression of ganglioside GM1 results in the dispersion of platelet derived growth factor receptor from glycolipid-enriched microdomains and in the suppression of cell growth signals. J. Biol. Chem. 277, 11239-11246, 2002 19. Furukawa, K., Yokoyama, K., Sato, T., Wiels, J., Hirayama, Y., Ohta, M., and Furukawa, K. : Expression of the Gb3/ CD77 synthase gene in megakaryoblastic leukemia cells: implication in the sensitivity to verotoxins. J. Biol. Chem. 277, 11247-11254, 2002 20. Sugiyama, K., Sugiura, K., Hara, T., Sugimoto, K., Shima, H., Honda, K., Furukawa, K., Yamashita, S., and Urano, T.: Aurora-B associated protein phosphatases as negative regulators of kinase activation. Oncogene 21, 3103-3111, 2002 21. Inoue, M., Fujii, Y., Furukawa, K., Okada, M., Okumura, K., Hayakawa, T., Furukawa, K., and Sugiura, Y.: Refractory skin injury in the complex knock-out mice expressing only GM3 ganglioside. J. Biol. Chem. 277, 29881-29888, 2002 22. Okada, M., Itoh, M., Haraguchi, M., Okajima, T., Inoue, M., Ohishi, H., Matsuda, Y., Iwamoto, T., Kawano, T., Fukumoto, S., Miyazaki, H., Furukawa, K., Aizawa, S., Furukawa, K.: b-series ganglioside deficiency exhibits no definite changes in the neurogenesis and the sensitivity to Fas-mediated apotosis, but impairs regeneration of the lesioned hypoglossal nerve. J. Biol. Chem. 277, 1633-1636, 2002 23. Bowes, T., Wagner, E.R., Boffey, J., Nicholl, D., Cochrane, L., Benboubetra, M,, Conner, J., Furukawa, K., Furukawa, K., Willison, H.J.: Tolerance to self gangliosides is the major factor restricting the antibody response to lipopolysaccharide core oligosaccharides in Campylobacter jejuni strains associated with Guillain-Barre syndrome. Infect. Immun. 70, 5008-5018, 2002 ─ 27 ─ 分子総合医学専攻 生物化学講座 24. Bullens, R.W.M., O'Hanlon, G.M., Wagner, E., Molenaar, P.C., Furukawa, K., Furukawa, K., Plomp, J.J., Willison, H.J.: Complex gangliosides at the neuromuscular junction are essential receptors for autoantibodies and botulinum neurotoxin but redundant for normal synaptic function. J. Neurosci. 22, 6876-6884, 2002 25. Nakamura, Y., Haines, N., Chen, J., Okajima, T., Furukawa, K., Urano, T., Stanley, P., Irvine, K.D., Furukawa, K.: Identification of a Drosophila gene encoding xylosylprotein β4-galactosyltransferase that is essential for the synthesis of glycosaminoglycans and for morphogenesis. J. Biol. Chem. 277, 46280-46288, 2002 26. Tsuchida, A., Okajima, T., Furukawa, K., Ando, T., Ishida, H., Yoshida, A., Nakamura, Y., Kannagi, R., Kiso, M., and Furukawa, K.: Synthesis of disialyl Lewis a structure in colon cancer cell lines by a sialyltransferase ST6GalNAc VI responsible for the synthesis of α-series gangliosides. J. Biol. Chem. 278, 22787-22794, 2003 27. Nakagawachi, T., Soejima, H., Urano, T., Furukawa, K., Emi M., Sekiguchi, M., Miyazaki, K., and Mukai, T.: Silencing effect of CpG island hypermethylation and histone modifications on O6-methylguanine-DNA methyltransferase (MGMT) gene expression in human cancer. Oncogene 22, 8835-8844, 2003 28. Bullens, R.W., O'Hanlon, G.M., Wagner, E., Molenaar, P.C., Furukawam K,, Furukawam K,, Plompm J,J,, Willison, H.J.: Roles of complex gangliosides at the neuromuscular junction. Ann. NY Acad. Sci. 998, 401-403, 2003 29. Iwamura, K., Furukawa, K., Uchikawa, M., Birgitta, N.S., Kojima, Y., Wiels, J., Urano, T., Furukawa, K.: The blood group P1 synthase gene is identical to the Gb3/CD77 synthase gene: A solution of the P1/P2/p puzzle. J. Biol. Chem. 278, 44429-44438, 2003 30. Yasui, Y., Urano, T., Kawajiri, A., Nagata, K.I., Tatsuka, M., Saya, H., Furukawa, K., Takahashi, T., Izawa, I., Inagaki, M.: Autophosphorylation of a newly identified site of Aurora-B is indispensable for cytokinesis. J. Biol. Chem. in press 31. Nishio, M., Fukumoto, S., Furukawa, K., Ichimura, A., Miyazaki, H., Kusunoki, S., Urano, T., Furukawa, K.: Overexpressed GM1 suppresses NGF signals by modulating the intra-cellular localization of NGF receptors and membrane fluidity in PC12 cells. J. Biol. Chem. in press 32. Miyazaki, K., Ohmori, K., Izawa, M., Koike, T., Kumamoto, K., Furukawa, K., Ando, T., Kiso, M., Yamaji, T., Hashimoto, Y., Suzuki, A., Yoshida, A., Takeuchi, M., Kannagi, R.: Loss of disialyl lewisa, the ligand for lymphocyte inhibitory receptor sialic Acid-binding immunoglobulin-like lectin-7 (siglec-7) associated with increased sialyl lewisa expression on human colon cancers. Cancer Res. 64, 4498-505, 2004 33. Yuki, N., Susuki, K., Koga, M., Nishimoto, Y., Odaka, M., Hirata, K., Taguchi, K., Miyatake, T., Furukawa, K., Kobata, T., and Yamada, M.: Carbohydrate Mimicry between Human Ganglioside GM1 and Campylobacter jejuni Lipo-oligosaccharide Causes Guillain-Barré Syndrome. Proc. Natl. Acad. Sci. USA in press ─ 28 ─ 分子総合医学専攻 微生物・免疫学講座 分子病原細菌学/耐性菌制御学 Ⅰ 教室の沿革・特色 細菌学教室は 1905 年以来の長い伝統を持っている。第 3 代鶴見三三教授は日本で初めての電子顕微鏡を名古 屋帝大に導入するのに貢献した。昭和 20 ∼ 30 年代には多くの先輩が活躍し、小川透(名古屋私立大学教授) 、 米田正彦(大阪大学教授) 、松本利貞(癌研究部門教授)、永田育也(無菌第二部門教授)、阿多寶茂(医真菌部 門教授) 、八須賀養悦(名古屋市立大学教授、学長)など多くの教授を輩出した。その後大学紛争や時代の流れ の中で研究がウイルス学や免疫学の方向へ向かうと共に細菌学教室は一時停滞の時代があった。1973 年(昭和 48 年)に加藤延夫教授が就任し、中島泉助教授とともに新しい細菌学教室がスタートした。加藤教授が 1993 年 (平成 5 年)に退官するまでの 20 年間に中島泉(免疫学講座教授)、吉田哲也(広島大学教授)、横地高志(愛 知医大教授) 、長瀬文彦(保健学科教授) 、その後太田美智男(細菌学教室教授)、長谷川高明(保健学科教授) 、 伊藤秀郎(保健学科教授) 、 荒川宜親(国立感染研部長)らが育った。加藤教授は任期中に 3 度の医学部長を務め、 医学部の充実に力を尽くした。また教授在任中の平成 4 年からは名古屋大学総長として 2 度の任期合計 6 年間務 めた。その後愛知芸術文化センター総長、平成 12 年からは愛知医科大学学長を併任して現在に至っている。加 藤教授時代の研究分野は前半は免疫、特に感染免疫を主としていた。後半はグラム陰性桿菌表層多糖の構造と機 能、遺伝子解析ならびに細菌の薬剤耐性機構に移った。太田美智男が平成 6 年に教授に就任後は表層多糖、薬剤 耐性の研究を継続するとともに、細菌が分泌する各種の毒素の構造と機能の研究、細菌の分泌蛋白のプロテオー ム解析、細菌膜蛋白の機能など、研究の範囲が広がっている。研究対象の細菌は MRSA,O157 大腸菌、劇症型 A 群レンサ球菌、セレウス菌、肺炎球菌など医学上重要な細菌である。なお、検査部感染症部門との共同研究を永 年行うとともに、付属病院の院内感染対策に参加している。この数年の大学院生は薬学部など医学部以外の出身 が多く、外国からの留学生も含めて人数が増え、研究室は活気に満ちている。また近年細菌感染症が多剤耐性菌 の出現などで再び注目を集めていることも教室の活性化につながっている。なお、太田美智男が教授に就任後毎 年 10 − 15 編の英文論文を発表し、科学研究費も毎年取得している。さらに、厚生省の新興・再興感染症研究班 にも参加している。近年の研究は感染症の診断と治療、病態解析に関係したテーマについて、分子生物学、遺伝 子解析、蛋白解析(結晶解析を含む)を DNA チップ、DNA シーケンサー、LC/MAS、X 線回折などの最新の 手法を用いて行っている。 (敬称略) Ⅱ スタッフ 教 授 太 田 美智男 授 長谷川 忠 男 手 鳥 居 啓 三 技 術 補 佐 員 宗 則 和 子 助 教 助 大 学 院 生 (博士課程)武 野 彰、 山 田 景 子、 三 善 郁 代、 吉 井 美 穂、 岡 本 陽、 大 蔵 照 子、 ヴァシレヴァ マリア、 石 原 由 華 (修士課程)名 倉 崇 文、 松 本 直 樹、 佐々木 暢 琢 非 常 勤 講 師 荒 川 宜 親(国立感染症研究所)、 安 形 則 雄(名古屋市衛生研究所)、 森 正 司(名古屋市衛生研究所)、 鈴 木 康 元(愛知県衛生研究所) 堀 井 俊 伸(浜松医科大学附属病院) 客 員 研 究 員 河 野 廉(三重大学先端技術研究センター) 学内共同研究者 川 村 久美子(医学部保健学科)、磯 部 稔(名古屋大学農学研究科)その他 学外共同研究者 安 形 則 雄(名古屋市衛生研究所)、松 本 昌 門(愛知県衛生研究所)、 澤 田 和 明(豊橋技術科学大学)その他 ─ 29 ─ 分子総合医学専攻 微生物・免疫学講座 Ⅲ 研究分野・内容 黄色ブドウ球菌、MRSA の全分泌蛋白のプロテオーム解析と疫学応用 黄色ブドウ球菌分泌蛋白の産生調節機構の解析 細菌プロテアーゼによる post translational modification の解析 細菌細胞壁合成酵素ならびに分泌蛋白の結晶解析 黄色ブドウ球菌の分泌蛋白の分泌機構に関する研究 A 群レンサ球菌の全分泌蛋白のプロテオーム解析 劇症型レンサ球菌感染症の症例解析 劇症型 A 群レンサ球菌感染症発症毒素の解析 O157 大腸菌の酸耐性機構の解析 セレウス菌全ゲノム配列決定 セレウス菌嘔吐毒素の作用の解析 細菌の膜における薬剤くみ出し機構の解析 ピロリ菌の酸耐性機構の解析 H. parainfluenzae の抗原エピトープ解析 院内感染対策 Ⅳ 指導方針など a. 研究ならびに感染症についての教育を行う。 b. 研究は基本をマンツーマンで指導し、あとは自主性を育てる。微生物取り扱いの手技をマスターするのは当 然として、遺伝子操作、蛋白解析などの基本的な技術の習得を行うようにする。研究テーマについては各自 が 2 テーマくらいを責任を持って並行して行う。英文論文として成果を発表することになるが、博士課程卒 業までに最低 2 編の英文論文の発表を目標として課している。 c. 文献検索と、英文論文を読み評価する能力をセミナーを通じてトレーニングする。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Yamashita Y, Shibata Y, Nakano Y, Tsuda H, Kido N, Ohta M, Koga T: A novel gene required for phamnose-glucose polysaccharide synthesis in Streptococcus mutans. J Bacteriol 181: 6556-6559, 1999 2. Kamiya K, Arisawa T, Goto H, Shibayama K, Horii T, Hayakawa T, Ohta M: Are autoantibodies against Lewis antigens involved in the pathogenesis of Helicobacter pylori-induced peptic ulcers? Microbiol Immunol 43: 403-408, 1999 3. Ashoori M, Ohta M, Ohsuka S, Shibayama K, Horii T, Ueda M, Kurosaki H: Antibacterial activities of new synthetic divalent cation chelators. Microbiol Immunol 43: 311-316, 1999 4. Yokoyama K, Ito M, Agata N, Isobe M, Shibayama K, Horii T, Ohta M: Pathological effect of synthetic cereulide, an emetic toxin of Bacillus cereus, is reversible in mice. FEMS Immunol Med Microbiol 24: 115-120, 1999 5. Yokoyama K, Horii T, Yamashino T, Hashikawa S, Barua S, Hasegawa T, Watanabe H, Ohta M: Production of Shiga toxin by Escherichia coli measured with reference to the membrane vesicle-associated toxins. FEMS Lett 192:139-144, 2000 6. Horii T, Yokoyama K, Barua S, Odagiri T, Futamura N, Hasegawa T, Ohta M: The staphylokinase gene is located in the structural gene encoding N-acetylmuramyl-L-alanine amidase in methicillin-resistant Staphylococcus aureus. FEMS Microbiol Lett 185:221-224, 2000 ─ 30 ─ 分子総合医学専攻 微生物・免疫学講座 7. Ohtake K, Ohta M, Minowada J, Hatama S, Takahashi E, Ikemoto A, Okuyama H, Fujii Y: Extracellular Nef of HIV-1 can target CD4 memory T population. AIDS 14:1662-1664,2000 8. Mase K, Hasegawa T, Horii T, Hatakeyama K, Kawano Y, Yamashino Y, Ohta M: Firm Adherence of Staphylococcus aureus and Staphylococcus epidermidis to Humann Hair and Effect of Detergent Treatment. Microbiol Immunol 44:653-656, 2000 9. Kawano Y, Ito Y, Yamakawa Y, Yamashino T, Horii T, Hasegawa T, Ohta M: Rapid isolation and identification of staphylococcal exoproteins by reverse phase capillary high performance liquid chromatography-electrospray inonization mass spectrometry. FEMS Microbiology Lett 189:103-108, 2000 10. Kawano Y, Kawagishi M, Nakano M, Mase K, Yamashino T, Hasegawa T, Ohta M: Proteolytic cleavage of staphylococcal exoproteins analyzed by two-dimentional gel electrophoresis. Microbiol Immunol 45: 285-290, 2001 11. Yokoyama K, Iinuma Y, Kawano Y, Kawagishi M, Yamashino T, Hasegawa T, Ohta M: Resolusion of Escerichia coli O157: H7 that contaminated radish sprouts in outbreaks by two-dimensional gel electrophoresis. Curr Microbiol 43: 311-315, 2001 12. Katsuno S, Takashi M, Ohshima S, Ohta M, Kato N, Kurokawa H, Arakawa Y: Direct screening of the IMP-1 metallo- β lactamage gene (blaIMP) from urine samples by polymerase chain reaction. Int J Urol 8: 110-117, 2001 13. Hatama S, Ohtake K, Ohta M, Kobayashi M, Imakawa K, Ikemoto A, Okuyama H, Mochizuki M, Miyazawa T, Tohya Y, Fujii Y, Takahashi E: Reactivation of Feline Virus from a Chronically Infected Feline Renal Cell Line by Trichostatin A. Virology 283: 315-323, 2001 14. Barua S, Yamashino T, Hasegawa T, Yokoyama K, Torii K, Ohta M: Involvement of surface polysaccharides in the organic acid resistance of Shiga Toxin-producing Escherichia coli O157:H7. Mol Microbiol 43: 629-640, 2002 15. Nakano M, Kawano Y, Kawagishi M, Hasegawa T, Iinuma Y, Ohta M: Two-dimensional analysis of exoproteins of methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA)for possible epidemiological applications. Microbiol Immunol 46: 11-22, 2002 16. Hasegawa T, Torii K, Hashikawa S, Iinuma Y, Ohta M: Cloning and Characterization of the Deoxyribonuclease sd α Gene from Streptococcus pyogenes. Curr Microbiol 45: 13 - 17, 2002 17. Furukawa K, Yokoyama K, Sato T, Wiels J, Hirayama Y, Ohta M, Hurukawa K: Expression of the Gb3/CD77 synthase gene in megakaryoblastic leukemia cells: implication in the sensitivity to verotoxins. J Biol Chem 277: 11247-54, 2002 18. Nakano M, Miyazawa H, Kawano Y, Kawagishi M, TORII Keizo, Hasegawa T, Iinuma Y, Ohta M: An outbreak of neonatal toxic shock syndrome-like exanthematous disease (NTED) caused by methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) in a neonatal intensive care unit. Microbiol Immunol 46: 277-284, 2002 19. Hasegawa T, Torii K, Hashikawa S, Ohta M: Cloning and characterization of two novel DNases from Streptococcus pyogenes. Arch Microbiol 177:451-456, 2002 20. Zhao Ying Lan, Cen Xiao Bo, Ito M,Yokoyama K, Takagi K, Kitaichi K, Nadai M, Ohta M, Takagi K, Hasegawa T: Shigalike toxin Ⅱ derived from Escherichia coli O157:H7 modifies renal handling of levofloxacin in rats. Antimicrob Agents Chemother 46: 1522-1528, 2002 21. Furushita M, Shiba T, Maeda T, Yahata M, Kaneoka A, Takahashi Y, Torii K, Hasegawa T, Ohta M: Similarity of Tetracycline Resistance Genes Isolated from Fish Farm Bacteria to Those from Clinical Isolates. Appl Environ Microbiol 69:5336-42, 2003 22. Hashikawa S, Iinuma Y, Furushita M, Ohkura T, Nada T, Torii K, Hasegawa T, Ohta M: Characterization of Group C and G Streptococcal Strains That Cause Streptococcal Toxic Shock Syndrome. J Clin Microbiol 42:186-192, 2003 23. Nakamura T, Hasegawa T, Torii K, Hasegawa Y, Shimokata K, Ohta M: Two-dimensional gel electrophoresis analysis of the abundance of virulent exoproteins of group A streptococcus caused by environmental changes. Arch Microbiol 181:74-81, 2004 ─ 31 ─ 分子総合医学専攻 微生物・免疫学講座 Ⅵ 大学院修了者の進路 大 竹 かおり 2000 年終了 名古屋大学附属病院 医師 古 下 学 2000 年中退 水産大学校 助手 横 山 佳 子 2001 年修了 京都女子大学 講師 河 野 廉 2001 年修了 三重大学先端技術研究センター 中 野 み よ 2002 年修了 三重大学農業部 研究員 Soumitra Barua 2002 年修了 米国にて postdoctoral fellow 橋 川 真之介 2004 年修了 名糖産業(株)研究員 Ⅶ 過去5年間の代表論文 1. Horii T, Kimura T, Kawamura-Sato k, Nada t, Shibayama k, Ohta M: β -lactamase inhibitors have antibacterial activities against Helicobacter pylori. J Infect Chemother 5: 206-207, 1999 2. Yamashita Y, Shibata Y, Nakano Y, Tsuda H, Kido N, Ohta M, Koga T: A novel gene required for phamnose-glucose polysaccharide synthesis in Streptococcus mutans. J Bacteriol 181: 6556-6559, 1999 3. Kawamura-Sato K, Shibayama K, Horii T, Iinuma Y, Arakawa Y, Ohta M: Role of multiple efflux pumps in Escherichia coli in indole expulsion. FEMS Microbiol Lett 179:345-352, 1999 4. Matsumoto M, Ishikawa N, Saito M, Shibayama K, Horii T, Sato K, Ohta M: Streptococcal pyrogenic exotoxin F (SpeF) causes permeabilization of lung blood vessels. Infect Immun 67: 4307-4311, 1999 5. Yamamoto S, Miyake K, Koike Y, Watanabe M, Machida Y, Ohta M, Iijima S: Molecular characterization of type-specific capsular polysaccharide biosynthesis genes of Streptococcus agalactiae type Ia. J Bacteriol 181: 5176-5184, 1999 6. Matsumoto M, Miwa Y, Matsui H, Saito M, Ohta M, Miyazaki Y: An outbreak of pharyngitis caused by food-borne group A Streptococcus. Jpn J Infect Dis 52: 127-128, 1999 7. T. Horii, T. Kimura, K. Sato, K. Shibayama, and M. Ohta: Emergence of fosfomycin-resistant isolates of Shiga-like toxinproducing Escherichia coli O26. Antimicrob Agents Chemother 43: 789-793, 1999 8. K. Kamiya, T. Arisawa, H. Goto, K. Shibayama, T. Horii, T. Hayakawa, and M. Ohta: Are autoantibodies against Lewis antigens involved in the pathogenesis of Helicobacter pylori-induced peptic ulcers? Microbiol Immunol 43:403-408, 1999 9. T. Osada, K. Yamamura, K. Fujimoto, K. Mizuno, T. Sakurai, M. Ohta, and T. Nabeshima: Prophylaxis of local vascular graft infection with levofloxacin incorporated into albumin-sealed dacron graft (LVFX-ALB graft). Microbiol Immunol 43: 317-321, 1999 10. Ashoori M, Ohta M, Ohsuka S, Shibayama K, Horii T, Ueda M, Kurosaki H: Antibacterial activities of new synthetic divalent cation chelators. Microbiol Immunol 43: 311-316, 1999 11. Horii T, Ichiyama S, Ohta M, Kobayashi M: Relationship between morphological changes and endotoxin release induced by carbapenems in Pseudomonas aeruginosa. J Med Microbiol 48: 309-315, 1999 12. Shibayama K, Ohsuka S, Sato K, Yokoyama K, Horii T, Ohta M: Four critical aspartic acid residues potentially involved in the catalytic mechanism of Escherichia coli K-12 WaaR. FEMS Microbiol Lett 174: 105-109, 1999 13. Yokoyama K, Ito M, Agata N, Isobe M, Shibayama K, Horii T, Ohta M: Pathological effect of synthetic cereulide, an emetic toxin of Bacillus cereus, is reversible in mice. FEMS Immunol Med Microbiol 24: 115-120, 1999 14. N. Agata, M. Ohta, M. Mori, and K. Shibayama: Growth conditions of and emetic toxin production by Bacillus cereus in a ─ 32 ─ 分子総合医学専攻 微生物・免疫学講座 defined medium with amino acids. Microbiol Immunol 43: 15-18, 1999 15. 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Nakano M, Kawano Y, Kawagishi M, Hasegawa T, Iinuma Y, Ohta M: Two-dimensional analysis of exoproteins of ─ 33 ─ 分子総合医学専攻 微生物・免疫学講座 methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA)for possible epidemiological applications. Microbiol Immunol 46: 11-22, 2002 32. Hasegawa T, Torii K, Hashikawa S, Iinuma Y, Ohta M: Cloning and Characterization of the Deoxyribonuclease sd� Gene from Streptococcus pyogenes. Curr Microbiol 45: 13 - 17 , 2002 33. Furukawa K, Yokoyama K, Sato T, Wiels J, Hirayama Y, Ohta M, Hurukawa K: Expression of the Gb3/CD77 synthase gene in megakaryoblastic leukemia cells: implication in the sensitivity to verotoxins. J Biol Chem 277: 11247-54, 2002 34. Tsuzuki T, Ina K, Ohta M, Hasegawa T, Nagasaka T, Saburi N, Ueda M, Konagawa T, Kaneko H, Imada A, Nishikawa T, Nobata K, Ando T, Kusugammi K: Clarithromycin increases the release of heat shock protein B from Helicobacter pylori. Alment Pharmacol Ther 16: 217-228, 2002 35. Nakano M, Miyazawa H, Kawano Y, Kawagishi M, TORII Keizo, Hasegawa T, Iinuma Y, Ohta M: An outbreak of neonatal toxic shock syndrome-like exanthematous disease (NTED) caused by methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) in a neonatal intensive care unit. Microbiol Immunol 46: 277-284, 2002 36. Hasegawa T, Torii K, Hashikawa S, Ohta M: Cloning and characterization of two novel DNases from Streptococcus pyogenes. Arch Microbiol 177:451-456, 2002 37. Horii T, Mase K, Suzuki Y, Kimura T, Ohta M, Maekawa M, Kanno T, Kobayashi M: Antibacterial activities of β -lactamase inhibitors associated with morphological changes of cell wall in Helicobacter pylori. Helicobacter 7: 39-45, 2002 38. Zhao Ying Lan, Cen Xiao Bo, Ito M, Yokoyama K, Takagi K, Kitaichi K, Nadai M, Ohta M, Takagi K, Hasegawa T: Shigalike toxin Ⅱ derived from Escherichia coli O157:H7 modifies renal handling of levofloxacin in rats. Antimicrob Agents Chemother 46: 1522-1528, 2002 39. 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Biol Pharm Bull 27:851-856,2004 ─ 35 ─ 分子総合医学専攻 微生物・免疫学講座 分子細胞免疫学/免疫細胞動態学 Ⅰ 教室の沿革・特色 1981 年に設立された免疫学講座は、2000 年 4 月の大学院重点化に伴う組織の改変により、旧細菌学講座、旧 病態制御研究施設ウイルス部門とともに微生物・免疫学講座として再編された。その中で分子細胞免疫学と免疫 細胞動態学の 2 分野で免疫学教室を構成し、基礎免疫学の研究と教育を担当する。高度に分化した免疫の仕組み を知ることは、生命の基礎を理解し、難治性感染症、アレルギー、がん、移植など医学上の課題を解決するため に重要である。本教室では、免疫を担うリンパ球の活性化と制御の仕組みを、免疫学的、細胞生物学的、生化学 的および分子遺伝学的方法を駆使して個体レベル、細胞レベル、分子遺伝子レベルで解析し、免疫を人為的に制 御する方法の開発をめざす。学外、学内の他分野の研究者や海外留学生との共同により独自の路線で研究を進め ている。 Ⅱ スタッフ 助 教 授 助 大 学 院 鈴 木 治 彦(分子細胞免疫学) 手 武 田 湖洲恵(免疫細胞動態学) 生 エンダルティ アウグスティナ テリ、 リファイ ムハイミン、 李 永 鎬 臨床系大学院生 木 村 な ち(免疫応答内科) 特 別 研 究 員 川 本 善 之 研 横 山 稔 厚 究 生 外 国 人 研 究 員 戴 研、 施 哲 客 員 研 究 者 小 池 千 裕、 坪 井 秀 夫 学内共同研究者 長 瀬 文 彦(医学部保健学科教授) 学外共同研究者 吉 田 友 昭(愛知医科大学助教授) Ⅲ 研究分野・内容 新たに同定された CD8 陽性制御性 T 細胞の免疫制御機構の解明と臨床適応への展開 遺伝子欠損マウスを用いたストレス応答シグナルの機能解析 IL-2R β鎖欠損マウス系における免疫系制御不全の分子機序 リンパ球生存維持因子の同定 メラノーマ発生トランスジェニックマウス系における腫瘍免疫 C- キナーゼトランスジェニックマウス系における免疫系老化促進の機序 天然物による免疫系修飾の分子機序 実験動物モデルにおける自己免疫発症の機序 酸化ストレスによるシグナル伝達修飾の分子機序 ─ 36 ─ 分子総合医学専攻 微生物・免疫学講座 Ⅳ 指導方針など 免疫学の基礎的研究に意欲をもつ者であれば、受け入れは出身学部、大学、国籍を問わない。独立した研究者 の育成をめざす。院生の自主性によりほぼすべての時間を研究に充てることができる。 Ⅴ 大学院生の業績 大学生が first author の論文は 1984 年以降、J. Immunol., Eur. J. Immunol., Int. Immunol., Immunognetics, Immunology, Scand. J. Immunol., Mol. Immunol., Transplantation, J. Biol. Chem., FEBS Lett., Biochem. Biophys. Res. Commun., J. Cell. Biochem., Oncogene, Cancer Res., Brit. J. Cancer などに 70 編以上である(最近の代表的 な論文の題名は後に記す) 。また、大学院生の学会発表は、日本免疫学会、日本癌学会、日本細菌学会、日本分子 生物学会の各総会および国際免疫学会議などに年数演題である。 Ⅵ 過去 5 年間の大学院修了者の進路 平成 15 年度 坪 井 秀 夫(名古屋大学客員研究員) 川 本 善 之(日本学術振興会特別研究員) 平成 14 年度 武 田 湖州恵(名古屋大学助手) アンワルル A. アカンド(ダッカ大学助教授) 平成 13 年度 武 田 湖州恵(教育研究 COE/ 名古屋大学非常勤講師) 武 田 湖州恵(厚生省リサーチレジデント) 伍 江 紅(米国留学) 劉 偉(米国留学) 竹 内 啓(保健衛生大学医員) 平成 12 年度 アンワルル A. アカンド(名古屋大学助手) 平成 11 年度 杜 軍(名古屋大学医学部保健学科助手) Ⅶ 過去5年間の代表論文 1. Yokoyama, T. et al.: Inhibition of Fas-mediated apoptotic cell death of murine T lymphocytes in a mouse model of immunosenescence in linkage to deterioration in cell membrane raft function. Immunology. 112:64-71, 2004. 2. Kawamoto, Y. et al.: Identification of RET autophosphorylation sites by mass spectrometry. J. Biol. Chem. 279: 14213-14224, 2004. 3. Kato, M. et al.: c-Kit targeting immunotherapy for hereditary melanoma in a mouse model. Cancer Res. 64: 801-806, 2004. 4. Nakashima, I. et al.: 4-Hydroxynonenal triggers multistep signal transduction cascades for suppression of cellular functions. Mol. Aspects Med. 24: 231-238, 2003. 5. Zhou, Y. W. et al.: Murine lymph node-derived stromal cells effectively support survival but induce no activation/ proliferation of peripheral resting T cells in vitro. Immunology. 109: 496-503, 2003. 6. Suzuki, H. et al.: Involvement of MKK6 in TCR αβint CD69lo : a target population for apoptotic cell death in thymocytes. FASEB J. 17: 1538-1540, 2003. ─ 37 ─ 分子総合医学専攻 微生物・免疫学講座 7. Liu, W. et al.: Protein phosphatase 2A-linked and -unlinked caspase-dependent pathways for downregulation of Akt kinase triggered by 4-hydroxynonenal. Cell. Death. Differ. 10: 772-781, 2003. 8. Du, J. et al.: Involvement of MEKK1/ERK/P21Waf1/Cip1 signal transduction pathway in inhibition of IGF-I-mediated cell growth response by methylglyoxal. J. Cell. Biochem. 88: 1235-1246, 2003. 9. Hossain, K. et al.: Caspase activation is accelerated by the inhibition of arsenite-induced, membrane rafts-dependent Akt activation. Free Radic. Biol. Med. 34: 598-606, 2003. 10. Nakashima, I. et al.: Redox-linked signal transduction pathways for protein tyrosine kinase activation. Antioxid. Redox Signal. 4: 517-531, 2002. 11. Akhand, A. A. et al.: Redox-linked cell surface-oriented signaling for T-cell death. Antioxid. Redox Signal. 4: 445-454, 2002. 12. Nakashima, I. et al.: Redox control of T-cell death. Antioxid. Redox Signal. 4: 353-356, 2002. 13. Kato, M. et al.: Repair by Src kinase of function-impaired RET with multiple endocrine neoplasia type 2A mutation with substitutions of tyrosines in the carboxyterminal kinase domain for phenylalanine, Cancer Res. 62: 2414-2422, 2002. 14. Akhand, A. A. et al.: Evidence of both cell surface and intracellular cysteine targets of protein modification for activation of RET kinase. Biochem. Biophys. Res. Commun. 292: 826-831, 2002. 15. Koike, C. et al.: Molecular basis of evolutionary loss of the alpha 1, 3-galactosyltransferase gene in higher primates. J Biol Chem 277: 10114-10120, 2002. 16. Seely, S., Kato, M. et al.: Genomic screen for catalysis of homotypic vacuole fusion. Mol Biol Cell 13: 782-794, 2002. 17. Wu J. et al. Modes of activation of mitogen-activated protein kinases and their roles in cepharantine-induced apoptosis in human leukemia cells. Cell. Signal. 14: 509-515, 2002. 18. Hayakawa, A., Wu J. et al.: Activation of caspase-8 is critical for sensitivity to cytotoxic anti-Fas antibody-induced apoptosis in human ovarian cancer cells. Apoptosis 7: 107-113, 2002. 19. Kato, M. et al.: RET tyrosine kinase enhances hair growth in association with promotion of melanogenesis. Oncogene 20: 7536-7541, 2001. 20. 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Memory type CD8+ T cells protect IL-2R α -deficient mice from systemic infection with HSV type 2. Journal of Immunology 165: 4552-4560 (2000). ─ 46 ─ 分子総合医学専攻 微生物・免疫学講座 75. Yokoyama, N., Hirata, M., Ohtsuka, K., Nishiyama, Y., Fujii, K., Fujita, M., Kuzushima, K., Kiyono, T., and Tsurumi, T. Coexpression of human chaperone Hsp70 and Hsdj or Hsp40 cofactor increases solubility of overexpressed target proteins in insect cells. Biochimica et Biophysica Acta 1493: 119-124 (2000). 76. ○ Shiba, C., Daikoku, T., Goshima, F., Takakuwa, H., Yamauchi, Y., Koiwai, O., and Nishiyama, Y. The UL34 gene product of herpes simplex virus type 2 is a tail-anchored type II membrane protein that is significant for viral envelopment. Journal of General Virology 81: 2397-2405 (2000). 77. Umemura, M., Wajjwalku, W., Upragarin, N., Liu, T., Nishimura, H., Nishiyama, Y., Wilson, G. M., and Yoshikai, Y. Expression of mouse mammary tumor virus superantigen accelerates tumorigenicity of myeloma cells. Journal of Virology 74: 8226-8233 (2000). 78. ○ Kasuya, H., Mizuno, M., Yoshida, J., Nishiyama, Y., Nomoto, S., and Nakao, A. Combined effects of adeno-associated virus (AAV) vector and a herpes simplex virus mutant as neoplastic therapy. Journal of Surgical Oncology 74: 214-218 (2000). 79. Tsunobuchi, H., Nishimura, H., Goshima, F, Daikoku, T., Suzuki, H., Nakashima, I., Nishiyama, Y., and Yoshikai, Y. Interleukin-15 is important for the generation of protective immunity against herpes simplex virus type 2 infection in mice. Virology 275: 57-66 (2000). 80. Kato, K., Daikoku, T., Goshima, F., Kume, H., Yamaki, K., and Nishiyama, Y. Synthesis, subcellular localization and VP16 interaction of the herpes simplex virus type 2 UL46 gene product. Archives of Virology 145: 2149-2162 (2000). 81. Inagaki, K., Daikoku, T., Goshima, F., and Nishiyama, Y. Impaired induction of protective immunity by highly virulent herpes simplex virus type 2 in a murine model of genital herpes. Archives of Virology 145: 1989-2002 (2000) 82. ○ Watanabe, D., Honda, T., Nishio, K., Tomita, Y., Sugiura, Y., and Nishiyama, Y. Corneal infection of herpes simplex virus type-2 induced an expression of tumor suppressor gene (p53) and neuronal apoptosis in the brain stem of mice. Acta Neuropathologica 100: 647-653 (2000). 83. Hoshino, Y., Kimura, H., Kuzushima, K., Tsurumi, T., Nemoto, K., Kikuta, A., Nishiyama, Y., Kojima, S., Matsuyama, T., and Morishima, T. Early intervension in post-transplant lymphoproliferative disorders based on Epstein-Barr viral load. Bone Marrow Transplant 26: 199-201 (2000). 84. Suzutani, T., Nagamine, M., Shibaki, T., Ogasawara, M., Yoshida, J., Daikoku, T., Nishiyama, Y., and Azuma, M. The role of UL41 gene of herpes simplex virus type 1 in evasion of nonspecific host defense mechanisms during primary infection. Journal of General Virology 81: 1763-1771 (2000). 85. Fujii, K., Yokoyama, N., Kiyono, T., Kuzushima, K., Homma, M., Nishiyama, Y., Fujita, M., and Tsurumi, T. The EpsteinBarr virus pol catalytic subunit physically interacts with the BBLF4/BSLF1/BBLF2/3 complex. Journal of Virology 74: 2550-2557 (2000). ─ 47 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 病態内科学講座 大学院重点化(大学院大学化)に伴い、従来のナンバー内科学講座(内科学第一講座、内科学第二講座、内科学 第三講座) が統合されて、6つの臓器別分野から成る一つの大講座として再編されたのが病態内科学講座である。 平成 15 年度を新しい病態内科学講座としての管理運営体制への移行期間とし、平成 16 年度からは実態に即して 運営されている。 病態内科学講座は、分子細胞内科学分野 (血液病学)、器官制御内科学分野(循環器病学)、病態修復内科学分野 (消化器病学) 、機能調節内科学分野 (呼吸器病学)、代謝病態内科学分野(糖尿病・内分泌病学)、免疫応答内科学 分野 (腎臓病学) の6分野から構成され、これまでナンバー内科に分散して存在していたそれぞれの各臓器研究グ ループが分野ごとに統合され、より効率的に、より高いレベルの研究成果をあげることを目指している。 病態内科学講座における研究は、様々な疾患の病態解明とそれに基づく新しい診断・治療・予防法の開発や実 用化を目指しており、また、診断や治療に関する臨床的エビデンスを大規模臨床試験で創っていくことも大変重 要な使命であると考えている。これらの研究成果を世界に発信するとともに、究極的には国民の健康の維持、増 進に寄与することを最大の目標としている。 これまでの内科学は医学の中心であったし、これからも中心であり続けることは疑いないと思われる。名古屋 大学の内科を発展させて世界に冠たる業績を上げるためには、旧来のナンバー内科制度でみられたようなセク ショナリズムを排して、効率的な研究体制がとれる柔軟で透明性の高い講座となる組織改革が必要である。これ らのことを念頭に置いて、内科学講座の構成員は全力を挙げて新しい体制の構築に向けて取り組んできた結果、 病態内科学講座が誕生した。 附属病院においても旧来のナンバー内科制を廃し、内科病棟は平成 15 年度から臓器別に再編され効率的な運 用がされている。大学院の6分野と附属病院の6診療科が一体化され、6つの臓器から成る統合した内科として 名実ともに一元的な運営が行われていることは、全国でも注目され誇ることができるものである。 かかる創設期の病態内科学講座をさらに発展させていくためには、柔軟な思考力を持ち、行動力に富んだ若い 人たちの積極的な参加が不可欠である。自由闊達な、そして創造的な息吹を、病態内科学講座に吹きこまれるこ とを期待している。 ─ 48 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 分子細胞内科学(血液・腫瘍内科学) Ⅰ 教室の沿革・特色 “病態内科学講座分子細胞内科学”とは、平成 13 年から 15 年にかけての大学院重点化ならびに旧ナンバー内 科の臓器別再編成に伴い、旧第一内科の血液グループが母体となって独立した内科学教室である。旧内科学第一 講座の創設は大正時代まで遡ることができ、日本血液学会創始者として名高い勝沼精蔵先生が初代教授を務めら れた。その後日比野進先生、祖父江逸郎先生、齋藤英彦先生が歴任されており、血液学のみならず内科学におい て歴史と伝統のある教室である。 Ⅱ スタッフ 現在教室には、教員 4 名、医員 6 名、COE 研究員 1 名、研究生 3 名、大学院生 8 名が在籍しており、関連教 室である難治感染症部、輸血部や保健学科との共同研究も盛んである。 直江知樹(分子細胞内科学 教授) 恵美宣彦(分子細胞内科学 助教授) 木下朝博(血液内科 講師) 松下 正(血液内科 助手) Ⅲ 研究分野・内容 教室における研究の方向は、血液疾患における分子病態の解明を進め、新しい診断・治療技術の開発と EBM を作りうる質の高い臨床研究を推進することにある。その内容は、造血システムの維持・破綻など基礎的研究か ら、分子標的治療法の開発、血栓症の制御、移植・再生医療の臨床応用まで幅が広い。 1.赤血球分化・グロビン転写機構の解明 2.白血病発症に関与する新規遺伝子の発現クローニング 3.ヒ素療法の有効性の機序解明 4.造血幹細胞の自己複製機能の解明 5.シグナル伝達を標的とした分子標的治療の基礎研究 6.白血病キメラ転写因子の転写抑制機序の解明と新しい分化誘導療法の開発 7.免疫不全マウスによるヒト白血病マウスの作成 8.白血病・リンパ腫における遺伝子変異と異常メチル化の意義 9.施設内におけるサリドマイド治療、ヒ素治療など自主的治療研究 10.JCOG や JALSG などとの臨床多施設共同研究 11.血液凝固タンパク質 von Willebrand 因子の高次構造と機能解析 12.凝固関連蛋白のノックアウトマウスの解析 13.移植マイナー抗原の探索ならびにその臨床的応用 14.細胞接着・遊走に関与する分子機構の解明 ─ 49 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 Ⅳ 指導方針など 2 年の初期研修とおおよそ 3 年の専門研修を終えた医師を対象として、大学院学生を募集する。大学院生は入 学後、臨床から徐々に研究へとシフトし、後半は研究に専念できるような体制をとっている。院生はプロジェク トに応じたリーダーの直接指導を受け、定期的ないくつかのミーティングに参加と発表を求められる。大学院卒 業後は海外留学を希望する者が多く、現在 7 名が米国に留学中である。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Kanie T, Abe A, Matsuda T, Kuno Y, Towatari M, Yamamoto T, Saito H, Emi N, Naoe T.:TEL-Syk fusion constitutively activates PI3-K/Akt, MAPK and JAK2-independent STAT5 signal pathways. Leukemia 18:548-55,2004 2. Nishida T, Hamaguchi M, Hirabayashi N, Haneda M, Terakura S, Atsuta Y, Imagama S, Kanie T, Murata M, Taji H, Suzuki R, Morishita Y, Kodera Y.: Intestinal thrombotic microangiopathy after allogeneic bone marrow transplantation: a clinical imitator of acute enteric graft-versus-host disease.Bone Marrow Transplant 33:1143-50,2004 3. Hishida A, Matsuo K, Tajima K, Ogura M, Kagami Y, Taji H, Morishima Y, Emi N, Naoe T, Hamajima N.:Polymorphisms of p53 Arg72Pro, p73 G4C14-to-A4T14 at exon 2 and p21 Ser31Arg and the risk of non-Hodgkin's lymphoma in Japanese. Leuk Lymphoma 45:957-64, 2004 4. Yanada M, Terakura S, Yokozawa T, Yamamoto K, Kiyoi H, Emi N, Kitamura K, Kohno A, Tanaka M, Tobita T, Takeo T, Sao H, Kataoka T, Kobayashi M, Takeshita A, Morishita Y, Naoe T, Sugiura I.:Multiplex real-time RT-PCR for prospective evaluation of WT1 and fusion gene transcripts in newly diagnosed de novo acute myeloid leukemia. Leuk Lymphoma 45:1803-8,2004 5. Ozeki K, Kiyoi H, Hirose Y, Iwai M, Ninomiya M, Kodera Y, Miyawaki S, Kuriyama K, Shimazaki C, Akiyama H, Nishimura M, Motoji T, Shinagawa K, Takeshita A, Ueda R, Ohno R, Emi N, Naoe T.:Biologic and clinical significance of the FLT3 transcript level in acute myeloid leukemia. Blood 103:1901-8,2004 6. Murata M, Warren EH, Riddell SR.:A human minor histocompatibility antigen resulting from differential expression due to a gene deletion. J Exp Med 197:1279-89,2003 7. Watamoto K, Towatari M, Ozawa Y, Miyata Y, Okamoto M, Abe A, Naoe T, Saito H.: Altered interaction of HDAC5 with GATA-1 during MEL cell differentiation. Oncogene 22:9176-84,2003 8. Kajiguchi T, Yamamoto K, Hossain K, Akhand AA, Nakashima I, Naoe T, Saito H, Emi N.: Sustained activation of c-junterminal kinase (JNK) is closely related to arsenic trioxide-induced apoptosis in an acute myeloid leukemia (M2)-derived cell line, NKM-1. Leukemia 17:2189-95,2003 9. Minami Y, Yamamoto K, Kiyoi H, Ueda R, Saito H, Naoe T.:Different antiapoptotic pathways between wild-type and mutated FLT3: insights into therapeutic targets in leukemia. Blood 102:2969-75,2003 10. Hishida A, Matsuo K, Hamajima N, Ito H, Ogura M, Kagami Y, Taji H, Morishima Y, Emi N, Tajima K.:Associations between polymorphisms in the thymidylate synthase and serine hydroxymethyltransferase genes and susceptibility to malignant lymphoma. Haematologica 88:159-66,2003 11. Hishida A, Yamamoto K, Kato C, Yokozawa T, Emi N, Tanimoto M, Saito H.: Recovery of normal hematopoiesis after severe bone marrow aplasia induced by interferon-alpha in a patient with chronic myelogenous leukemia. 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Ozawa Y, Towatari M, Tsuzuki S, Hayakawa F, Maeda T, Miyata Y, Tanimoto M, Saito H.:Histone deacetylase 3 associates with and represses the transcription factor GATA-2.Blood 98:2116-23,2001 17. Murata M, Towatari M, Kosugi H, Tanimoto M, Ueda R, Saito H, Naoe T.: Apoptotic cytotoxic effects of a histone deacetylase inhibitor, FK228, on malignant lymphoid cells. Jpn J Cancer Res 91:1154-60,2000 18. Hayakawa F, Towatari M, Kiyoi H, Tanimoto M, Kitamura T, Saito H, Naoe T.: Tandem-duplicated Flt3 constitutively activates STAT5 and MAP kinase and introduces autonomous cell growth in IL-3-dependent cell lines. Oncogene 19:624-31,2000 Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. Abe A, Emi N, Kanie T, Imagama S, Kuno Y, Takahashi M, Saito H, Naoe T.: Expression cloning of oligomerizationactivated genes with cell-proliferating potency by pseudotype retrovirus vector. Biochem Biophys Res Commun 320:920-6,2004 2. Yanada M, Emi N, Naoe T, Sakamaki H, Takahashi S, Hirabayashi N, Hiraoka A, Kanda Y, Tanosaki R, Okamoto S, Iwato K, Atsuta Y, Hamajima N, Tanimoto M, Kato S.: Tacrolimus instead of cyclosporine used for prophylaxis against graft-versushost disease improves outcome after hematopoietic stem cell transplantation from unrelated donors, but not from HLAidentical sibling donors: a nationwide survey conducted in Japan.Bone Marrow Transplant 34:331-7,2004 3. Yanada M, Emi N, Naoe T, Sakamaki H, Iseki T, Hirabayashi N, Karasuno T, Chiba S, Atsuta Y, Hamajima N, Takahashi S, Kato S.: Allogeneic myeloablative transplantation for patients aged 50 years and over. Bone Marrow Transplant 34:29-35,2004 4. Ninomiya M, Kiyoi H, Ito M, Hirose Y, Ito M, Naoe T.: Retinoic acid syndrome in NOD/scid mice induced by injecting an acute promyelocytic leukemia cell line. Leukemia 18:442-8,2004 5. Tobinai K, Igarashi T, Itoh K, Kobayashi Y, Taniwaki M, Ogura M, Kinoshita T, Hotta T, Aikawa K, Tsushita K, Hiraoka A, Matsuno Y, Nakamura S, Mori S, Ohashi Y; IDEC-C2B8 Japan Study Group.:Japanese multicenter phase II and pharmacokinetic study of rituximab in relapsed or refractory patients with aggressive B-cell lymphoma. Ann Oncol 15:821-30,2004 6. Shimizu A, Matsushita T, Kondo T, Inden Y, Kojima T, Saito H, Hirai M.: Identification of the amino acid residues of the platelet glycoprotein Ib (GPIb) essential for the von Willebrand factor binding by clustered charged-to-alanine scanning mutagenesis. J Biol Chem 279:16285-94,2004 7. Okada H, Takagi A, Murate T, Adachi T, Yamamoto K, Matsushita T, Takamatsu J, Sugita K, Sugimoto M, Yoshioka A, Yamazaki T, Saito H, Kojima T.:Identification of protein Salpha gene mutations including four novel mutations in eight unrelated patients with protein S deficiency. Br J Haematol 126:219-25,2004 8. Yanada M, Yamamoto K, Emi N, Naoe T, Suzuki R, Taji H, Iida H, Shimokawa T, Kohno A, Mizuta S, Maruyama F, Wakita A, Kitaori K, Yano K, Hamaguchi M, Hamajima N, Morishima Y, Kodera Y, Sao H, Morishita Y.: Cytomegalovirus antigenemia and outcome of patients treated with pre-emptive ganciclovir: retrospective analysis of 241 consecutive patients undergoing allogeneic hematopoietic stem cell transplantation. Bone Marrow Transplant 32:801-7,2003 9. Akatsuka Y, Nishida T, Kondo E, Miyazaki M, Taji H, Iida H, Tsujimura K, Yazaki M, Naoe T, Morishima Y, Kodera Y, ─ 51 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 Kuzushima K, Takahashi T.: Identification of a polymorphic gene, BCL2A1, encoding two novel hematopoietic lineagespecific minor histocompatibility antigens. J Exp Med 197:1489-500,2003 10. Kanbe E, Abe A, Towatari M, Kawabe T, Saito H, Emi N.: DR1-like element in human topoisomerase IIalpha gene involved in enhancement of etoposide-induced apoptosis by PPARgamma ligand. Exp Hematol 31:300-8,2003 11. 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Kunishima S, Matsushita T, Kojima T, Sako M, Kimura F, Jo EK, Inoue C, Kamiya T, Saito H.:Immunofluorescence analysis of neutrophil nonmuscle myosin heavy chain-A in MYH9 disorders: association of subcellular localization with MYH9 mutations. Lab Invest 83:115-22,2003 16. Hirose Y, Kiyoi H, Iwai M, Yokozawa T, Ito M, Naoe T.: Successful treatment with imatinib mesylate of a CML patient in megakaryoblastic crisis with severe fibrosis. Int J Hematol 76:349-53,2002 17. Kiyoi H, Ohno R, Ueda R, Saito H, Naoe T.: Mechanism of constitutive activation of FLT3 with internal tandem duplication in the juxtamembrane domain. Oncogene 21:2555-63,2002 18. Li Y, Nagai H, Ohno T, Yuge M, Hatano S, Ito E, Mori N, Saito H, Kinoshita T.: Aberrant DNA methylation of p57(KIP2) gene in the promoter region in lymphoid malignancies of B-cell phenotype. Blood 100:2572-7,2002 19. 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Ishiguro K, Kadomatsu K, Kojima T, Muramatsu H, Iwase M, Yoshikai Y, Yanada M, Yamamoto K, Matsushita T, Nishimura M, Kusugami K, Saito H, Muramatsu T.: Syndecan-4 deficiency leads to high mortality of lipopolysaccharideinjected mice. J Biol Chem. 276:47483-8,2001 23. Kojima T, Takagi A, Maeda M, Segawa T, Shimizu A, Yamamoto K, Matsushita T, Saito H.:Plasma levels of syndecan-4 (ryudocan) are elevated in patients with acute myocardial infarction. Thromb Haemost 85:793-9,2001 24. Kunishima S, Kojima T, Matsushita T, Tanaka T, Tsurusawa M, Furukawa Y, Nakamura Y, Okamura T, Amemiya N, Nakayama T, Kamiya T, Saito H.: Mutations in the NMMHC-A gene cause autosomal dominant macrothrombocytopenia with leukocyte inclusions (May-Hegglin anomaly/Sebastian syndrome). Blood 97:1147-9,2001 25. Kuno Y, Abe A, Emi N, Iida M, Yokozawa T, Towatari M, Tanimoto M, Saito H.: Constitutive kinase activation of the TEL-Syk fusion gene in myelodysplastic syndrome with t(9;12)(q22;p12). Blood 97:1050-5,2001 26. Tsushita K, Ohashi H, Utsumi M, Shimoyama M, Nagai H, Kinoshita T.: Mutation study of the BCL10 gene in lymphoma ─ 52 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 with both RNA and DNA. Leukemia 15:1139-40,2001 27. Naoe T, Kiyoe H, Yamamoto Y, Minami Y, Yamamoto K, Ueda R, Saito H.: FLT3 tyrosine kinase as a target molecule for selective antileukemia therapy. Ishiguro K, Kojima T, Kadomatsu K, Nakayama Y, Takagi A, Suzuki M, Takeda N, Ito M, Yamamoto K, Matsushita T, Kusugami K, Muramatsu T, Saito H.: Complete antithrombin deficiency in mice results in embryonic lethality. J Clin Invest 106:873-8,2000 28. Naoe T, Takeyama K, Yokozawa T, Kiyoi H, Seto M, Uike N, Ino T, Utsunomiya A, Maruta A, Jin-nai I, Kamada N, Kubota Y, Nakamura H, Shimazaki C, Horiike S, Kodera Y, Saito H, Ueda R, Wiemels J, Ohno R.: Analysis of genetic polymorphism in NQO1, GST-M1, GST-T1, and CYP3A4 in 469 Japanese patients with therapy-related leukemia/ myelodysplastic syndrome and de novo acute myeloid leukemia. Clin Cancer Res 6:4091-5,2000 29. Kitamura K, Minami Y, Yamamoto K, Akao Y, Kiyoi H, Saito H, Naoe T.: Involvement of CD95-independent caspase 8 activation in arsenic trioxide-induced apoptosis. Leukemia 14:1743-50,2000 30. Yokozawa T, Towatari M, Iida H, Takeyama K, Tanimoto M, Kiyoi H, Motoji T, Asou N, Saito K, Takeuchi M, Kobayashi Y, Miyawaki S, Kodera Y, Ohno R, Saito H, Naoe T.: Prognostic significance of the cell cycle inhibitor p27Kip1 in acute myeloid leukemia. Leukemia 14:28-33,2000 31. Nakayama T, Matsushita T, Hidano H, Suzuki C, Hamaguchi M, Kojima T, Saito H.: A case of purpura fulminans is caused by homozygous delta8857 mutation (protein C-nagoya) and successfully treated with activated protein C concentrate. Br J Haematol 110:727-30,2000 32. Katsumi A, Matsushita T, Yamazaki T, Sugiura I, Kojima T, Saito H.: Severe factor VII deficiency caused by a novel mutation His348 to Gln in the catalytic domain. Thromb Haemost 83:239-43,2000 33. Yuge M, Nagai H, Uchida T, Murate T, Hayashi Y, Hotta T, Saito H, Kinoshita T.: HSNF5/INI1 gene mutations in lymphoid malignancy. Cancer Genet Cytogenet 122:37-42,2000 34. Uchida T, Ohashi H, Aoki E, Nakahara Y, Hotta T, Murate T, Saito H, Kinoshita T.: Clonality analysis by methylationspecific PCR for the human androgen-receptor gene (HUMARA-MSP). Leukemia 14:207-12,2000 ─ 53 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 器官制御内科学(循環器内科学) Ⅰ 教室の沿革・特色 器官制御内科は、旧第一内科・旧第二内科・旧第三内科の各々の循環器グループが一体となり、循環器疾患を 対象とした診療・教育・研究を行っている。現在、教室員は 教官 7 名、医員 10 名、客員研究生 7 名 大学院生 22 名 より構成されている。大学院生は、臨牀研究や動物モデルを用いた研究ならびに基礎研究等を、積極的 かつ活発に研究を行っている。 Ⅱ スタッフ 室 原 豊 明 (器官制御内科学教授) 奥 村 健 二 (器官制御内科学講師) 因 田 恭 也 (器官制御内科学講師) 松 井 英 夫 (器官制御内科学助手・医局長) 天 野 哲 也 (器官制御内科学助手) 今 井 健 次 (器官制御内科学助手) 近 藤 隆 久 (器官制御内科学助手) 他、39 名 Ⅲ 研究分野・内容 現在、24名の大学院生がおり、それぞれ最先端の研究分野に取り組んでいる。 現在大学院生の取り組んでいるテーマは、 1)血管新生療法に関する基礎研究および臨牀研究 2)動脈硬化症・血管内膜肥厚の分子機序 3)遺伝子多型と心血管系疾患の発症に関する研究 4)循環器疾患の疫学研究 ( 関連病院と連携した大規模臨牀研究 ) 5)心筋再生に関する研究 6)心筋代謝と心肥大に関する研究 7)血中脂質と動脈硬化に関する研究 8)核磁気共鳴法を応用した心筋細胞 Mg2+ 濃度の調節機能に関する研究 Ⅳ 指導方針など 器官制御内科の大学院生の受け入れの基準は、原則として卒後 2 年の初期臨床研修を終了後、内科学一般の基 本的知識及び手技を有し、その上で循環器専門分野の研修を行った人を対象としている。大学院生としては、臨 床及び基礎研究に積極的に取り組む意欲のある人たちを歓迎している。大学院生には、当教室内のみならず、学 内の寄附講座教室(プロテアーゼ臨床応用学寄附講座・循環器ゲノム情報応用診断学寄附講座)や基礎系教室(分 ─ 54 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 子病理学・神経情報薬理学) 、学外では東京大学医科学研究所などと積極的に交流を促し、研究を推進している。 成果を原著論文として発表し学位を受ける。臨牀教室であるので、研究と同時に臨床家としての研修も必要であ る。現在の認定医制度のもとで、日本内科学会認定医・専門医に加え、循環器病学会の専門医を取得する指導も 行っている。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Yamada A, Ichihara S, Murase Y, Kato T, Izawa H, Nagata K, Murohara T, Yamada Y, Yokota M. Lack of association of polymorphisms of the lymphotoxin alpha gene with myocardial infarction in Japanese. J Mol Med. 2004;82:477-83. 2. Uetani T, Ishii H, Sakai S, Watanabe J, Kanashiro M, Ichimiya S, Murohara T, Matsubara T. Beneficial effect of rotational atherectomy with low platform speed on late outcomes. Int J Cardiol. 2004;94:35-40. 3. Takeshita K, Hayashi M, Iino S, Kondo T, Inden Y, Iwase M, Kojima T, Hirai M, Ito M, Loskutoff DJ, Saito H, Murohara T, Yamamoto K. Increased expression of plasminogen activator inhibitor-1 in cardiomyocytes contributes to cardiac fibrosis after myocardial infarction. Am J Pathol. 2004;164:449-56. 4. Takeshita K, Fujimori T, Kurotaki Y, Honjo H, Tsujikawa H, Yasui K, Lee JK, Kamiya K, Kitaichi K, Yamamoto K, Ito M, Kondo T, Iino S, Inden Y, Hirai M, Murohara T, Kodama I, Nabeshima Y. Sinoatrial node dysfunction and early unexpected death of mice with a defect of klotho gene expression. Circulation. 2004;109:1776-82. 5. Suzuki N, Shibata Y, Urano T, Murohara T, Muramatsu T, Kadomatsu K. Proteasomal degradation of the nuclear targeting growth factor midkine. J Biol Chem. 2004;279:17785-91. 6. Murase Y, Yamada Y, Hirashiki A, Ichihara S, Kanda H, Watarai M, Takatsu F, Murohara T, Yokota M. Genetic risk and gene-environment interaction in coronary artery spasm in Japanese men and women. Eur Heart J. 2004;25:970-7. 7. Kitamura Y, Okumura K, Imamura A, Mizuno T, Tsuzuki M, Numaguchi Y, Matsui H, Murohara T. Association of plasminogen activator inhibitor-1 4G/5G gene polymorphism with variations in the LDL particle size in healthy Japanese men. Clin Chim Acta. 2004;347:209-16. 8. Uetani T, Matsubara T, Nomura H, Murohara T, Nakayama S. Ca2+-dependent modulation of intracellular Mg2+ concentration with amiloride and KB-R7943 in pig carotid artery. J Biol Chem. 2003;278:47491-7. 9. Murakami R, Kambe F, Mitsuyama H, Okumura K, Murohara T, Niwata S, Yamamoto R, Seo H. Cyclosporin A enhances interleukin-8 expression by inducing activator protein-1 in human aortic smooth muscle cells. Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2003;23:2034-40. 10. Takahashi R, Okumura K, Matsui H, Saburi Y, Kamiya H, Matsubara K, Asai T, Ito M, Murohara T. Impact of alphatocopherol on cardiac hypertrophy due to energy metabolism disorder: the involvement of 1,2-diacylglycerol. Cardiovasc Res. 2003;58:565-74. Ⅵ 大学院修了者の進路 客員研究者として研究を続行する者、更なる研究を求めて留学(米国)する者、関連病院に臨牀医として活躍 する者などがいる。 Ⅶ 過去5年間の代表論文 1. Shimada T, Takeshita Y, Murohara T, Sasaki KI, Egami K, Shintani S, Katsuda Y, Ikeda H, Nabeshima YI, Imaizumi T. ─ 55 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 Angiogenesis and Vasculogenesis Are Impaired in the Precocious-Aging klotho Mouse. Circulation. 2004;110:1148-1155. 2. Numaguchi Y, Okumura K, Harada M, Naruse K, Yamada M, Osanai H, Matsui H, Ito M, Murohara T. Catheterbased prostacyclin synthase gene transfer prevents in-stent restenosis in rabbit atheromatous arteries. Cardiovasc Res. 2004;61:177-85. 3. Murohara T, Ikeda H, Otsuka Y, Aoki M, Haramaki N, Katoh A, Takajo Y, Imaizumi T. Inhibition of platelet adherence to mononuclear cells by alpha-tocopherol: role of P-selectin. Circulation. 2004;110:141-8. 4. Kondo T, Hayashi M, Takeshita K, Numaguchi Y, Kobayashi K, Iino S, Inden Y, Murohara T. Smoking cessation rapidly increases circulating progenitor cells in peripheral blood in chronic smokers. Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2004;24:1442-7. 5. Kato T, Chan MC, Gao SZ, Schroeder JS, Yokota M, Murohara T, Iwase M, Noda A, Hunt SA, Valantine HA. Glucose intolerance, as reflected by hemoglobin A1c level, is associated with the incidence and severity of transplant coronary artery disease. J Am Coll Cardiol. 2004;43:1034-41. 6. Sasaki K, Duan J, Murohara T, Ikeda H, Shintani S, Shimada T, Akita T, Egami K, Imaizumi T. Rescue of hypercholesterolemia-related impairment of angiogenesis by oral folate supplementation. J Am Coll Cardiol. 2003;42:364-72. 7. Izawa H, Iwase M, Takeichi Y, Somura F, Nagata K, Nishizawa T, Noda A, Murohara T, Yokota M. Effect of nicorandil on left ventricular end-diastolic pressure during exercise in patients with hypertrophic cardiomyopathy. Eur Heart J. 2003;24:1340-8. 8. Egami K, Murohara T, Shimada T, Sasaki K, Shintani S, Sugaya T, Ishii M, Akagi T, Ikeda H, Matsuishi T, Imaizumi T. Role of host angiotensin II type 1 receptor in tumor angiogenesis and growth. J Clin Invest. 2003;112:67-75. 9. Tateishi-Yuyama E, Matsubara H, Murohara T, Ikeda U, Shintani S, Masaki H, Amano K, Kishimoto Y, Yoshimoto K, Akashi H, Shimada K, Iwasaka T, Imaizumi T. Therapeutic angiogenesis for patients with limb ischaemia by autologous transplantation of bone-marrow cells: a pilot study and a randomised controlled trial. Lancet. 2002;360:427-35. 10. Sasaki K, Murohara T, Ikeda H, Sugaya T, Shimada T, Shintani S, Imaizumi T. Evidence for the importance of angiotensin II type 1 receptor in ischemia-induced angiogenesis. J Clin Invest. 2002;109:603-11. 11. Shintani S, Murohara T, Ikeda H, Ueno T, Sasaki K, Duan J, Imaizumi T. Augmentation of postnatal neovascularization with autologous bone marrow transplantation. Circulation. 2001;103:897-903. 12. Shintani S, Murohara T, Ikeda H, Ueno T, Honma T, Katoh A, Sasaki K, Shimada T, Oike Y, Imaizumi T. Mobilization of endothelial progenitor cells in patients with acute myocardial infarction. Circulation. 2001;103:2776-9. 13. Murohara T, Ikeda H, Duan J, Shintani S, Sasaki K, Eguchi H, Onitsuka I, Matsui K, Imaizumi T. Transplanted cord blood-derived endothelial precursor cells augment postnatal neovascularization. J Clin Invest. 2000;105:1527-36. 14. Takada Y, Inden Y, Akahoshi M, Shibata Y, Shimizu A, Yoshida Y, Yamada T, Tsuboi N, Hirayama H, Ito T, Kondo T, Saito H, Hirai M. Changes in repolarization properties with long-term cardiac memory modify dispersion of repolarization in patients with Wolff-Parkinson-White syndrome. J Cardiovasc Electrophysiol. 2002;13:324-30. 15. Inden Y, Hirai M, Takada Y, Shimizu A, Shimokata K, Yoshida Y, Akahoshi M, Kondo T, Saito H. Prolongation of activation-recovery interval over a preexcited region before and after catheter ablation in patients with Wolff-ParkinsonWhite syndrome. J Cardiovasc Electrophysiol. 2001;12:939-45. 16. Yoshida Y, Hirai M, Yamada T, Tsuji Y, Kondo T, Inden Y, Akahoshi M, Murakami Y, Tsuda M, Tsuboi N, Hirayama H, Okamoto M, Ito T, Saito H, Toyama J. Antiarrhythmic efficacy of dipyridamole in treatment of reperfusion arrhythmias : evidence for cAMP-mediated triggered activity as a mechanism responsible for reperfusion arrhythmias. Circulation. 2000;101:624-30. 17. Okumura K, Matsui H, Ogawa Y, Takahashi R, Matsubara K, Imai H, Imamura A, Mizuno T, Tsuzuki M, Kitamura Y. The polymorphism of the beta3-adrenergic receptor gene is associated with reduced low-density lipoprotein particle size. Metabolism. 2003;52:356-61. ─ 56 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 18. Okumura K, Matsui H, Kamiya H, Saburi Y, Hayashi K, Hayakawa T. Differential effect of two common polymorphisms in the cholesteryl ester transfer protein gene on low-density lipoprotein particle size. Atherosclerosis. 2002;161:425-31. 19. Matsui H, Morishima I, Hayashi K, Kamiya H, Saburi Y, Okumura K. Dietary fish oil does not prevent doxorubicininduced cardiomyopathy in rats. Can J Cardiol. 2002;18:279-86. 20. Kosokabe T, Okumura K, Sone T, Kondo J, Tsuboi H, Mukawa H, Tomida T, Suzuki T, Kamiya H, Matsui H, Hayakawa T. Relation of a common methylenetetrahydrofolate reductase mutation and plasma homocysteine with intimal hyperplasia after coronary stenting. Circulation. 2001;103:2048-54. 21. Morishima I, Sone T, Okumura K, Tsuboi H, Kondo J, Mukawa H, Matsui H, Toki Y, Ito T, Hayakawa T. Angiographic no-reflow phenomenon as a predictor of adverse long-term outcome in patients treated with percutaneous transluminal coronary angioplasty for first acute myocardial infarction. J Am Coll Cardiol. 2000;36:1202-9. 22. Amano T, Matsubara T, Watanabe J, Nakayama S, Hotta N. Insulin modulation of intracellular free magnesium in heart: involvement of protein kinase C. Br J Pharmacol. 2000;130:731-8. 23. Imai K, Matsubara T, Kanashiro M, Ichimiya S, Hotta N. Lipid peroxidation may predict restenosis after coronary balloon angioplasty. Jpn Circ J. 2001;65:495-9. ─ 57 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 病態修復内科学(消化器内科学) Ⅰ 教室の沿革・特色 病態修復内科は、内科の臓器別編成に伴い、今まで独立して歩んできた旧第一内科、旧第二内科、旧第三内科 の消化器グループが一つにまとまった新しい消化器内科である。従来の研究に基づいて、医局員はさらに専門別 に、1)消化管、2)胆道・膵臓、3)肝臓の 3 サブグループに分かれて研究を行っている。 構成員は、9 名の教官、20 名の医員、2 名の非常勤講師、5 名の客員研究生、4 名の研究生、21 名の大学院生、 3 名の留学生の 64 名である Ⅱ スタッフ 後藤秀実教授、成瀬 達助教授、楠神和男講師、丹羽康正講師(医局長)、 矢野元義助手、片野義明助手、大宮直木助手、伊藤彰浩助手、安藤貴文助手 20 名の医員、2 名の非常勤講師、5 名の客員研究生、4 名の研究生、21 名の大学院生、3 名の留学生 Ⅲ 研究分野・内容 1)消化管グループの研究は (1)ヘリコバクター・ピロリ感染での胃癌・消化性潰瘍の病態解明に関する分子生物学的研究、 (2)消化管癌の最新の診断と治療法の開発、 (3)胃癌と遺伝子多型との関連、 (4)カプセル内視鏡、小腸内視鏡の開発と臨床応用、 (5)炎症性腸疾患の病態解明と新規治療法の開発、 などである。 2)胆道・膵臓グループは (1)内視鏡的、経十二指腸乳頭的アプローチによる胆道・膵臓疾患での最先端の診断と治療法の開発、 (2)超音波内視鏡下穿刺生検材料を用いての胆道癌・膵臓癌の病態解明に関する分子生物学的研究、 (3)手術不能膵癌に対する新しい治療法の開発、 (4)膵炎の遺伝的背景と分子メカニズムの研究および新しい診断・治療法の開発、 などである。 3)肝臓グループは (1)C 型肝炎ウイルスの変異と治療効果の研究、 (2)C 型肝炎における肝細胞内鉄蓄積と除鉄による治療法の開発、 (3)急性 B 型肝炎におけるウイルスの型と病型の研究、 (4)劇症肝炎に対する最新治療法の開発、 などである。 こ の よ う に 種 々 の 研 究 を 行 っ て い る が、 近 年 の 光 学 医 療 機 器 の 進 歩 に 伴 う カ プ セ ル 内 視 鏡、Virtual Endoscopy、Virtual Pathology などの開発・臨床応用にも積極的に取り組んでいる。 ─ 58 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 Ⅳ 指導方針など 病態修復内科では、消化器疾患のうち特に癌を中心に基礎的および臨床的研究を行っている。基礎的研究につ いては学内外の施設と共同研究を行っている。臨床的研究では、最新の光学医療機器を用いての診断・治療法の 開発に取り組んでいる。基礎的研究および臨床的研究ともに指導体制は確立している。また、従来の内視鏡ある いは腹部超音波などによる診断および治療技術の取得と、これらの機器により得られた画像の読影力に関しても 指導を行い、臨床力の向上にも努めている。 Ⅴ 過去5年間大学院生の業績 1. Ishiguro K, Kojima T, Taguchi O, Saito H, Muramatsu T, Kadomatsu K. Syndecan-4 expression is associated with follicular atresia in mouse ovary. Histochem Cell Biology 112: 25-33, 1999. 2. Kamiya K, Arisawa T, Goto H, Shibayama K, Horii T, Hayakawa T, Ohta M. Are autoantibodies against lewis antigens involved in the pathogenesis of Helicobacter pylori-induced peptic ulcers? Microbiol Immunol 43:403-408, 1999. 3. Ishiguro Y, Iwashita T, Murakami H, Asai N, Iida K, Goto H, Hayakawa T, Takahashi M. The role of amino acids surrounding tyrosine 1062 in ret in specific binding of the shc phosphotyrosine-binding domain. Endocrinology 140:3992-3998, 1999. 4. Yoshikawa T, Naruse S, Kitagawa M, Ishiguro H, Nakae Y, Ono T, Hayakawa T. Effect of a new inhibitor of type II phospholipase A2 on experimental acute pancreatitis in rats. Pancreas 19:193-198, 1999. 5. Ko SB, Naruse S, Kitagawa M, Ishiguro H, Murakami M, Hayakawa T. Arginine vasopressin inhibits fluid secretion in guinea pig pancreatic duct cells. Am J Physiol 277:G48-54, 1999. 6. Ieda H, Naruse S, Kitagawa M, Ishiguro H, Hayakawa T. Effects of guanylin and uroguanylin on rat jejunal fluid and electrolyte transport: Regul Pept 79:165-171, 1999. comparison with heat-stable enterotoxin. 7. Hayashi K, Kumada T, Nakano S, Takeda I, Sugiyama K, Kiriyama S, Shimizu H, et al. Usefulness of measurement of lens culinaris Agglutinin-reactive fraction of α -Fetoprotein as a marker of prognosis and recurrence of small hepatocellular carcinoma. Am J Gastroenterol 94 : 3028−3033, 1999. 8. Ishiguro K, Kadomatsu K, Kojima T, Muramatshu H, Tsuzuki S, Nakamura E, Kusugami K, Saito H, Muramatshu T. Syndecan-4 deficiency impairs focal adhesion formation only under restricted conditions. J Biol Chem 275: 5249-5252, 2000. 9. Kato T, Goto H, Niwa Y, Ohmiya N, Hayakawa T, Murakami T, Nakai N, S.M.Hutson, Shimomura Y. Expression of mRNAs for c-myc and branched-chain aminotransferases in human gastric cancer cells and tissues. J Clin Biochem Nutr 29:29-36, 2000. 10. Seki Y, Naruse S, Seo Y, Kitagawa M, Ishiguro H, Wang Y, Murakami M, Hayakawa T. Time-course magnetic resonance imaging of rat pancreatic cyst after experimental pancreatitis. Magn Reson Imaging 18:1003-1010, 2000. 11. Wang Y, Naruse S, Kitagawa M, Ishiguro H, Nakae Y, Yoshikawa T, Hayakawa T. Do plasma and urine trypsinogen activation peptides (TAP) really increase in trypsin-taurocholate-induced pancreatitis? ─ 59 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 Pancreas 20:389-393, 2000. 12. Mizuno N, Naruse S, Kitagawa M, Ishiguro H, Hayakawa T. Effects of an inhibitor of myosin light chain kinase on amylase secretion from rat pancreatic acini. Biochem Biophys Res Commun 269:792-797, 2000. 13. Mizuno N, Naruse S, Kitagawa M, Ishiguro H, Hayakawa T. Effects of phospholipase A₂ inhibitors on Ca²+ oscillations in pancreatic acinar cells. Pancreas 20:77-83, 2000. 14. Hayashi K, Fukuda Y Katano Y Nakano I Hayakawa T. Transient marked decrease in serum transaminases in chronic hepatitis C after surgery. Am J Gastroenterol 95: 1090-1091, 2000. 15. Hayashi K Fukuda Y Nakano I Katano Y Yokozaki S Toyoda H Takamatsu J Hayakawa T. Poor response to interferon treatment for chronic hepatitis C in human immunodeficiency virus-infected haemophiliacs. Haemophilia 6: 677-681, 2000. 16. Suzuki A, Naruse S, Kitagawa M, Ishiguro H, Yoshikawa T, Ko SB, Yamamoto A, Hamada H, Hayakawa T. 5-hydroxytryptamine strongly inhibits fluid secretion in guinea pig pancreatic duct cells. J Clin Invest 108:749-756, 2001. 17. Mizuno N, Naruse S, Kitagawa M, Ishiguro H, Ito O, Ko SB, Yoshikawa T, Tanahashi C, Ito M, Hayakawa T. Insulinoma with subsequent association of Zollinger-Ellison syndrome. Intern Med 40:386-390, 2001. 18. Yoshikawa T, Naruse S, Kitagawa M, Ishiguro H, Nagahama M, Yasuda E, Semba R, Tanaka M, Nomura K, Hayakawa T. Cellular localization of group IIA phospholipase A₂ in rats. J Histochem Cytochem 49:777-782, 2001. 19. Jin C, Naruse S, Kitagawa M, Ishiguro H, Nakajima M, Mizuno N, Ko SB, Hayakawa T. The effect of calcitonin gene-related peptide on pancreatic blood flow and secretion in conscious dogs. Regul Pept 99:9-15, 2001. 20. Nakajima M, Naruse S, Kitagawa M, Ishiguro H, Jin C, Ito O, Hayakawa T. Role of cholecystokinin in the intestinal phase of pancreatic circulation in dogs. Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol 280:G614-620, 2001. 21. Wang Y, Naruse S, Kitagawa M, Ishiguro H, Nakae Y, Hayakawa T. Urinary excretion of trypsinogen activation peptide (TAP) in taurocholate-induced pancreatitis in rats. Pancreas 22:24-7, 2001. 22. Hayashi K, Fukuda Y, Nakano I, Katano Y, Nagano K, Yokozaki S, Hayakawa T, Toyoda H, Takamatsu J. Infection of hepatitis A virus in Japanese haemophiliacs. J Infect 42: 57-60, 2001. 23. Hayashi K, Matsuda S, Machida K, Yamamoto T, Fukuda Y, Nimura Y, Hayakawa T, Hamaguchi M. Invasion activating caveolin-1 mutation in human scirrhous breast cancers. Cancer Res 61: 2361-2364, 2001. 24. Niimi C, Goto H, Ohmiya N, Niwa Y, Hayakawa T, Nagasaka T, Nakashima N. Usefulness of p53 and Ki-67 immunohistochemical analysis for preoperative diagnosis of extremely well-differentiated gastric adenocarcinoma. Am J Clin Pathol 118:683-692, 2002. 25. Jin C, Naruse S, Kitagawa M, Ishiguro H, Muxin W, Nakajima M, Yokohata K, Ito O, Hayakawa T. Motilin regulates interdigestive gastric blood flow in dogs. Gastroenterology 123:1578-1587, 2002. ─ 60 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 26. Jin CX, Naruse S, Kitagawa M, Ishiguro H, Kondo T, Hayakawa S, Hayakawa T. Pancreatic stone protein of pancreatic calculi in chronic calcified pancreatitis in man. JOP 3:54-61, 2002. 27. Ko SB, Naruse S, Kitagawa M, Ishiguro H, Furuya S, Mizuno N, Wang Y, Yoshikawa T, Suzuki A, Shimano S, Hayakawa T. Aquaporins in rat pancreatic interlobular ducts. Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol 282:G324-331, 2002. 28. Shimizu H, Kumada T, Nakano S, Kiriyama, S, Honda T, Nakano I, Fukuda Y, Hayakawa T. Liver dysfunction among workers handling 5-nitro-o-toluidine. Gut 50:266-270, 2002. 29. Hayashi K, Kumada T, Nakano S, Takeda I, Kiriyama S, Sone, Y, Toyoda H, Shimizu H, Honda T. Incidence of hepatocellular carcinoma in chronic hepatitis C after interferon Therapy. Hepatogastroenterology 44:508-512, 2002. 30. Otagiri H, Fukuda Y, Nakano I, Katano Y, Toyoda H, Yokozaki S, Hayashi K, Hayakawa T. Evaluation of a new assay for hepatitis C virus genotyping and viral load determination in patients with chronic hepatitis C. J Virol Methods 103:137-143, 2002. 31. Shimizu H, Matsuguchi T, Fukuda Y, Nakano I, Hayakawa T, Takeuchi O, Akira S, Umemura M, Suda T, Yoshikai Y. Toll-like receptor 2 contributes to liver injury by Salmonella infection through Fas ligand expression on NKT cells in mice. 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The association between tumour necrosis factor-alpha gene polymorphism and the susceptibility to rugal hyperplastic gastritis and gastric carcinoma. Eur Gastroenterol Hepatol 16:693-700, 2004. 36. Honda T, Fukuda Y, Nakano I, Katano Y, Goto H, Nagasaki M, Sato Y, Murakami T, Shimomura Y. Effects of liver failure on branched-chain alpha-keto acid dehydrogenase complex in rat liver and muscle: comparison between acute and chronic liver failure. J Hepatol. 40:439-445, 2004. 37. Minami M, Ando T, Hashikawa S, Torii K, Hasegawa T, Dawn A. Israel, Ina K, Kusugami K, Goto H, Ohta M. Antibacterial effect of glycine on Helicobacter pylori in vitro. Antimicrob Agents Chemother (in press) Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. Shinkai M, Niwa Y, Arisawa T, Ohmiya N, Goto H, Hayakawa T. Evaluation of prognosis of squamous cell carcinoma of theoesophagus by endoscopic ultrasonography. Gut 47:120-125, 2000. ─ 61 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 2. Yokozaki S Takamatsu J Nakano I Katano Y Toyoda H Hayashi K, Hayakawa T Fukuda Y. Immunologic dynamics in hemophiliac patients infected with hepatitis C virus and human immunodeficiency virus:influence of antiretroviral therapy. Blood 96: 4293-4299, 2000. 3. Suzuki A, Naruse S, Kitagawa M, Ishiguro H, Yoshikawa T, Ko SB, Yamamoto A, Hamada H, Hayakawa T. 5-hydroxytryptamine strongly inhibits fluid secretion in guinea pig pancreatic duct cells. J Clin Invest 108:749-756, 2001. 4. Nakano I, Fukuda Y, Katano Y, Toyoda H, Hayashi K, Hayakawa T, Kumada T, Nakano S. Interferon responsiveness in patients infected with hepatitis C 1b differs depending on viral subtype. Gut 49: 263-267, 2001. 5. Yoshioka K, Kobayashi M, Orito E, Watanabe K, Yano M, Sameshima Y, Kusakabe A, Hirofuji H, Fuji A, Kuriki J, Arao M, Murase K, Mizokami M, Kakumu S and the IFN Treatment Group of Affiliated Hospitals of the Third Department of Internal Medicine at Nagoya University school of Medicine Biochemical response to interferon therapy correlates with interferon sensitiveity-determining region in hepatitis C virus genotype 1b infection. J Viral Hepatitis 8:421-429, 2001. 6. Ina K, Kusugami K, Shimada M, Tsuzuki T, Nsihio Y, Binion David G., Imada A, Ando T. Suppressive effects of cyclosporine A on neutrophils and T cells may be related to therapeutic benefits in patients with steroid-resistant ulcerative colitis. Inflammatory Bowel Diseases 8: 1-9, 2002. 7. Jin C, Naruse S, Kitagawa M, Ishiguro H, Muxin W, Nakajima M, Yokohata K, Ito O, Hayakawa T. Motilin regulates interdigestive gastric blood flow in dogs. Gastroenterology 123:1578-1587, 2002. 8. Ishikawa H, Hirooka Y, Itoh A, Hashimoto S, Okada N, Itoh T, Kawashima H, Goto H. A comparison of image quality between tissue harmonic imaging and fundamental imaging with an electronic radial scanpanning echoendoscope in the diagnosis of pancreatic diseases. Gastrointest Endosc 57:931-936, 2003. 9. Suzuki T, Ina K, Nishiwaki T, Tsuzuki T, Okada T, Furuta R, Nobata K, Ando T, Kusugami K, Goto H. Differential roles of interleukin-1β and interleukin-8 in neutrophil transendothelial migration in patients with Helicobacter pylori infection. Scand J Gastroenterol 39: 313-321, 2004. 10. Yano M, Hayashi H, Yoshioka K, Kohgo Y, Saito H, Niitsu Y, Kato J, Iino S, Yotsuyanagi H, Kobayashi Y, Kawamura K, Kakumu S, Kaito M, Ikoma J, Wakusawa S, Okanoue T, Sumida Y, Kimura F, Kajiwara E, Sata M, Ogata K. A significant reduction in serum alanine aminotransferase levels after 3-month iron reduction therapy for chronic hepatictis C a multicenter, prospective, randomized, controlled trial in Japan. J Gastroenterol 39: 570-574, 2004. ─ 62 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 機能調節内科学(呼吸器内科学) Ⅰ 教室の沿革・特色 大学院大学化により、従来の旧第一内科第六研究室と旧第二内科第二研究室が統合され、学内で呼吸器内科の 診療・教育・研究を担当する教室として 2002 年 4 月に誕生しました。肺癌、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、 間質性肺炎、呼吸器感染症などあらゆる呼吸器疾患の患者さんに対し、質の高い医療を提供することを目標にし ています。研究は、これらの高度先進医療を確立するエビデンスを追求することを主眼において行っています。 この有意義な統合は幸いにも当教室の診療、研究活動に一層の磨きをかけることとなりました。大学院生はそれ らの教室業務に一員として参加し、有能な専門医、医学者を目指しています。 Ⅱ スタッフ 下方 薫 (機能調節内科学教授) 長谷川好規(附属病院講師) 久米 裕昭 (機能調節内科学講師) 今泉 和良 (附属病院助手) 伊藤 康 (附属病院助手) その他、教室員 39 名 Ⅲ 研究分野・内容 肺癌、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎、呼吸器感染症などを中心として、臨床研究とそれを支え る基礎研究とが調和し、十分に機能する研究体制で臨んでいます。肺癌については、癌遺伝子、癌抑制遺伝子の 解明、遺伝子治療やオーダーメード医療の研究を行っています。喘息、肺気腫、間質性肺炎では、ノックアウト マウスを用いて炎症病態の解明、関連遺伝子の検索を行っています。さらに、病態を難治化させる気道リモデリ ングの機序について生理学的、分子生物学的の両面から検討を加えています。 研究テーマ 1)肺癌に対する抗腫瘍免疫の誘導 2)肺癌に関する遺伝子解析 3)気管支喘息、COPD の疾患関連遺伝子の同定 4)間質性肺炎の病態に関する免疫学的解析 5)気道炎症に伴う気道構成細胞の機能異常とリモデリングとの関係 6)内分泌攪乱物質による気道上皮細胞への影響 7)気道平滑筋のβアドレナリン受容体機能と細胞内 Ca2+ 感受性との関係 8)気道感染症に対する分子生物学的アプローチ ─ 63 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 Ⅳ 指導方針など 大学院1年次は、研究活動を開始するに当たり、臨床医学の見識を深めると同時に、研究テーマに密接した臨 床での問題点を掘り下げる目的で臨床業務にも従事してもらっています。2年次以降はそれを生かし研究に専念 することになります。各自大学院生には、教員および教室構成員の複数名が直接研究指導をしています。得られ た結果は、指導教員と密接に検討するだけでなく、毎週各グループで行われる検討会で討議されています。そ して、毎月の全体会議で成果を発表しその内容を高めるため教授や他の教員たちと十分な意見交換を行っていま す。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Machida K, Matsuda S, Yamaki K, Senga T, Thant AA, Kurata H, Miyazaki K, Hayashi K, Okuda T, Kitamura T, Hayakawa T, Hamaguchi M: v-Src suppresses SHPS-1 expression via the Ras-MAP kinase pathway to promote the oncogenic growth of cells. Oncogene19: 1710-8, 2000. 2. Yanagisawa K, Uchida K, Nagatake M, Masuda A, Sugiyama M, Saito T, Yamaki K, Takahashi T, Osada H: Heterogeneities in the biological and biochemical functions of Smad2 and Smad4 mutants naturally occurring in human lung cancers. Oncogene 19: 2305-11, 2000. 3. Masuda A, Matsuguchi T, Yamaki K, Hayakawa T, Kubo M, LaRochelle WJ, Yoshikai Y: Interleukin-15 induces rapid tyrosine phosphorylation of STAT6 and the expression of interleukin-4 in mouse mast cells. J Biol Chem 275: 29331-7, 2000. 4. Ito S, Kume H, Honjo H, Katoh H, Kodama I, Yamaki K, Hayashi H: Possible involvement of Rho kinase in Ca²+ sensitization and mobilization by MCh in tracheal smooth muscle. Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol 280: L1218-24, 2001. 5. Masuda A, Matsuguchi T, Yamaki K, Hayakawa T, Yoshikai Y: Interleukin-15 prevents mouse mast cell apoptosis through STAT6-mediated Bcl-xL expression. J Biol Chem 276: 26107-13, 2001. 6. Abe T, Yamaki K, Hayakawa T, Fukuda H, Ito Y, Kume H, Komiya T, Ishihara K, Hirai K: A seroepidemiological study of the risks of Q fever infection in Japanese veterinarians. Eur J Epidemiol 17: 1029-32 , 2001. 7. Hashimoto N, Kawabe T, Hara T, Imaizumi K, Wakahara H, Saito H, Shimokata K, Hasegawa Y: Effect of erythromycin on matrix metalloproteinase-9 and cell migration. J Lab Clin Med 137: 176-183, 2001. 8. Ito S, Kume H, Yamaki K, Katoh H, Honjo H, Kodama I, Hayashi H: Regulation of capacitative and noncapacitative receptor-operated Ca2+ entry by rho-kinase in tracheal smooth muscle. Am J Respir Cell Mol Biol 26: 491-8, 2002. 9. Ito Y, Tamakoshi A, Wakai K, Takagi K, Yamaki K, Ohno Y: Trends in asthma mortality in Japan. J Asthma 39: 633-9, 2002. 10. Aoyama M, Murakami M, Iwashita T, Ito Y, Yamaki K, Nakayama S: Slow deactivation and U-shaped inactivation properties in cloned Cav1.2b channels in Chinese hamster ovary cells. Biophys J 84: 709-24, 2003. 11. Ishikawa T, Kume H, Kondo M, Ito Y, Yamaki K, Shimokata K: Inhibitory effects of interferon-gamma on the heterologous desensitization of β-adrenoceptors by transforming growth factor-beta 1 in tracheal smooth muscle. Clin Exp Allergy 33: 808-15, 2003. 12. Nakamura T, Hasegawa T, Torii K, Hasegawa Y, Shimokata K, Ohta M: Two-dimensional gel electrophoresis analysis of the abundance of virulent exoproteins of group A streptococcus caused by environmental changes. Arch Microbiol. 181: 74-81, 2004.. ─ 64 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 13. Hashimoto N, Kawabe T, Imaizumi K, Hara T, Okamoto M, Kojima K, Shimokata K, Hasegawa Y: CD40 plays a crucial role in lipopolysaccharide-induced acute lung injury. Am J Respir Cell Mol Biol 30: 808-15, 2004. 14. Ito S, Kume H, Honjo H, Kodama I, Katoh H, Hayashi H, Shimokata K: ML-9, a myosin light chain kinase inhibitor, reduces intracellular Ca2+ concentration in guinea pig trachealis. Eur J Pharmacol 486: 325-33, 2004. 15. Aoyama M, Yamada A, Wang J, Ohya S, Furuzono S, Goto T, Hotta S, Ito Y, Matsubara T, Shimokata K, Chen SR, Imaizumi Y, Nakayama S: Requirement of ryanodine receptors for pacemaker Ca²+ activity in ICC and HEK293 cells. J Cell Sci 117(Pt 13): 2813-25, 2004. 16. Ito G, Uchiyama M, Kondo M, Mori S, Usami N, Maeda O, Kawabe T, Hasegawa Y, Shimokata K, Sekido Y: Kruppellike factor 6 is frequently down-regulated and induces apoptosis in non-small cell lung cancer cells. Cancer Res 64: 3838-43, 2004. 17. Nakagawa T, Hayashita Y, Maeno K, Masuda A, Sugito N, Osada H, Yanagisawa K, Ebi H, Shimokata K, Takahashi T: Identification of decatenation G2 checkpoint impairment independently of DNA damage G2 checkpoint in human lung cancer cell lines. Cancer Res 64: 4826-32, 2004. Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. Ito Y, Mizuno Y, Aoyama M, Kume H, Yamaki K: CFTR-Mediated anion conductance regulates Na+-K+-pump activity in Calu-3 human airway cells. Biochem Biophys Res Commun 274: 230-5, 2000. 2. Mizuno Y, Ito Y, Aoyama M, Kume H, Nakayama S, Yamaki K: Imipramine inhibits Cl—secretion by desensitization of β-adrenergic receptors in calu-3 human airway cells. Biochem Biophys Res Commun 274: 620-5, 2000. 3. Kimura T, Kitaichi K, Hiramatsu K, Yoshida M, Ito Y, Kume H, Yamaki K, Suzuki R, Takagi K: Intradermal application of nociceptin increases vascular permeability in rats: the possible involvement of histamine release from mast cells. Eur J Pharmacol.407: 327-32, 2004. 4. Kato K, Daikoku T, Goshima F, Kume H, Yamaki K, Nishiyama Y: Synthesis, subcellular localization and VP16 interaction of the herpes simplex virus type 2 UL46 gene product. Arch Virol 145: 2149-62, 2000. 5. Hasegawa Y, Nishiyama Y, Imaizumi K, Ono N, Kinoshita T, Hatano S, Saito H, Shimokata K: Avoidance of bone marrow suppression using A-5021 as a nucleoside analog for retrovirus-mediated herpes simplex virus type I thymidine kinase gene therapy. Cancer Gene Ther 7: 557-562, 2000. 6. Ando Y, Saka H, Ando M, Sawa T, Muro K, Ueoka H, Yokoyama A, Saitoh S, Shimokata K, Hasegawa Y: Polymorphisms of USP-glucuronosyltransferase gene and irinotecan toxicity : a pharmacogenetic analysis. Cancer Res 60: 6921-6926, 2000. 7. Shimono Y, Murakami H, Hasegawa Y, Takahashi M: RET finger protein is a transcriptional repressor and interacts with enhancer of polycomb that has dual transcriptional functions. J Biol Chem 275: 39411-39419, 2000. 8. Hara T, Nishikawa H, Hasegawa Y, Yoshikai Y: Thymus-dependent modulation of Ly49 inhibitory receptor expression on N+ 1.1 g/8T cell. Immunology 102: 24-30, 2001. 9. Kume H, Ito S, Ito Y, Yamaki K: Role of lysophosphatidylcholine in the desensitization of �-adrenergic receptors by Ca2+ sensitization in tracheal smooth muscle. Am J Respir Cell Mol Biol 25: 291-8, 2001. 10. Yoshida N, Shimizu Y, Kitaichi K, Hiramatsu K, Takeuchi M, Ito Y, Kume H, Yamaki K, Suzuki R, Shibata E, Hasegawa T, Takagi K: Differential effect of phosphodiesterase inhibitors on IL-13 release from peripheral blood mononuclear cells. Clin Exp Immunol 126: 384-9, 2001. 11. Baba H, Kawamura I, Kohda C, Nomura T, Ito Y, Kimoto T, Watanabe I, Ichiyama S, Mitsuyama M: Essential role of domain 4 of pneumolysin from Streptococcus pneumoniae in cytolytic activity as determined by truncated proteins. Biochem ─ 65 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 Bioph Res Commun 281: 37-44, 2001. 12. Ando M, Ando Y, Sekido Y, Ando M, Shimokata K, Hasegawa Y: Genetic polymorphisms of the UDPglucuronosyltransferase 1A7 gene and irinotecan toxicity in Japanese cancer patients. Japanese Journal of Cancer Research 93: 591-597, 2002. 13. Iinuma Y, Senda K, Takamura S, Ichiyama S, Tano M, Abe T, Yamamoto T, Nanashima K, Baba H, Hasegawa Y, Shimokata K: Evaluation of a commercially available serologic assay for antibodies against tuberculosis-associated glycolipid antigen. Clin Chem Lab Med 40: 832-836, 2002. 14. Sato M, Horio Y, Sekido Y, Minnna John D., Shimokata K, Hasegawa Y: The expression of DNA methyltransferases and methyl-CpG-binding proteins is not associated with the methylation status of p14ARF, p16INK4a and RASSF1A in human lung cancer cell lines. Oncogene 21: 4822-4829, 2002. 15. Sekido Y, Sato M, Usami N, Ssigemitsu K, Mori S, Maeda O, Yokoi T, Hasegawa Y, Yoshioka H, Shimokata K: Establishment of a large cell lung cancer cell line (Y-ML-1B) producing granulocyte colony-stimulating factor. Cancer Genetics and Cytogenetics 137: 33-42, 2002. 16. Kume H, Ishikawa T, Oguma T, Ito S, Shimokata K, Kotlikoff MI: Involvement of Ca²+ mobilization in tachyphylaxis to β-adrenergic receptors in trachealis. Am J Respir Cell Mol Biol 29b: 359-66, 2003. 17. Shimono Y, Murakami H, Kawai K, Wade PA, Shimokata K, Takahashi M: Mi-2 beta associates with BRG1 and RET finger protein at the distinct regions with transcriptional activating and repressing abilities. J Biol Chem 278: 51638-45, 2003. 18. Son M, Ito Y, Sato S, Ishikawa T, Kondo M, Nakayama S, Shimokata K, Kume H: Apical and basolateral ATP-induced anion secretion in polarized human airway epithelia. Am J Respir Cell Mol Biol 30: 411-9, 2004. 19. Ito Y, Son M, Sato S, Ishikawa T, Kondo M, Nakayama S, Shimokata K, Kume H: ATP release triggered by activation of the Ca²+ activated K+ channel in human airway Calu-3 cells. Am J Respir Cell Mol Biol 30: 388-95.2004. 20. Ito Y, Son M, Sato S, Ohashi T, Kondo M, Shimokata K, Kume H: Effects of fluoranthene, a polycyclic aromatic hydrocarbon, on cAMP-dependent anion secretion in human airway epithelia. J Pharmacol Exp Ther 308: 651-7, 2004. ─ 66 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 代謝病態内科学(糖尿病・内分泌内科学) Ⅰ 教室の沿革・特色 本教室は病態内科学講座における臓器別再編成に伴い、糖尿病、内分泌、代謝を各々専門とするものが合流し て代謝病態内科学(糖尿病・内分泌内科)として新しく発足致しました。2003 年 2 月に就任された大磯ユタカ教 授のもと、教官 4 名、医員 6 名、大学院生 12 名、客員研究生 4 名で、この分野の研究、診療、教育を担当してい ます。また、5 名の先生が現在米国で留学生活を送っています。 Ⅱ スタッフ 教 助 助 教 授 大 磯 ユタカ 授 中 村 二 郎 手 濱 田 洋 司 三 浦 義 孝 中 島 英太郎 Ⅲ 研究分野・内容 バゾプレシン分泌調節機構の分子生物学的研究 糖尿病合併症の発症・進展メカニズムの解明とその治療法の確立 インスリン分泌機構の分子生物学的研究 糖尿病発症機序の解明とその治療法の確立 脂肪細胞分化の分子生物学的研究 肥満・摂食の分子生物学的研究 thyrostimulin の機能解析 Ⅳ 指導方針など 現在、教官、ポスドクによるプロジェクトリーダーの下に直接配置して指導しています。糖尿病・内分泌・代 謝分野の臨床研究や、臨床に還元できるような基礎的研究に重点をおくとともに、専門臨床を担うことのできる よう指導しております。 Ⅴ 大学院修了者の進路 名古屋大学、岐阜大学、藤田保健衛生大学教官 留学、留学後客員研究員、臨床病院赴任 ─ 67 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 Ⅵ 大学院生の業績 《大学院生が筆頭の論文》 1. Ozaki N, Shibazaki T, Kashima Y, Miki T, Takahashi K, Ueno H, Sunaga Y, Yano H, Matsuura Y, Iwanaga T, Takai Y, Seino S: cAMP-GEF-II is a direct target of cP in regulated exocytosis. Nat Cell Biol 2000;2:805-811 2. Mutsuga N, Iwasaki Y, Morishita M, Nomura A, Yamamori E, Yoshitda M, Asai M, Ozaki N, Kambe F, Seo H, Oiso Y, Saito H: Homeobox protein Gsh-1-dependent regulation of the rat GHRH gene prpmoter. Mol Endo 2001;15:149-156 3. Yasuda Y, Nakamura J, Hamada Y, Nakayama M, Chaya S, Naruse K, Nakashima E, Kato K, Kasuya Y, Hotta N: Role of PKC and TGF-β receptor in glucose-induced proliferation of smooth muscle cells. Biochem Biophys Res Commun 2001;281:71-77 4. Nakayama M, Nakamura J, Hamada Y, Chaya S, Mizubayashi R, Yasuda Y, Kamiya H, Koh N, Hotta N: Aldose reductase inhibition ameliorates pupillary light reflex and F-wave latency in patients with mild diabetic neuropathy. Diabetes Care 2001;24:1093-1098 5. Kato Y Miura Y, Inagaki A, Itatsu T, Oiso Y: Age of onset possibly associated with the degree of heteroplasmy in two male siblings with diabetes mellitus having an A to G transition at 3243 of mitochondrial DNA Diabetic Medicine 2002;19:784-786,2002 6. Kato Y, Miura Y, Yamamoto N, Ozaki N, Oiso Y. Suppressive effects of a selective inducible nitric oxide synthase (iNOS) inhibitor on panacreatic beta-cell dysfunction Diabetologia 46:1228-1233, 2003 7. Kamiya H, Nakamura J, Hamada Y, Nakashima E, Naruse K, Kato K, Yasuda Y, Hotta N. Polyol pathway and protein kinase C activity of rat Schwannoma cells. Diabetes Metab Res Rev 19: 131-9, 2003 8. Miwa K, Nakamura J, Hamada Y, Naruse K, Nakashima E, Kato K, Kasuya Y, Yasuda Y, Kamiya H, Hotta N. The role of polyol pathway in glucose-induced apoptosis of cultured retinal pericytes. Diabetes Res Clin Pract 60: 1-9, 2003 9. Li W, Hamada Y, Nakashima E, Naruse K, Kamiya H, Akiyama N, Hirooka H, Takahashi N, Horiuchi S, Hotta N, Oiso Y, Nakamura J. Suppression of 3-deoxyglucosone and heparin-binding epidermal growth factor-like growth factor mRNA expression by an aldose reductase inhibitor in rat vascular smooth muscle cells. Biochem Biophys Res Commun. 314: 370-6.,2004 Ⅶ 過去5年間の代表論文 《IF 3 以上のもの》 1. Miura Y, Hershkoviz E, Inagaki A, Parvari R, Oiso Y, Philip M: A novel mutation causing complete thryoxine-binding globulin deficiency (TBG-CD-Negev) amoung the Bedouins in southern Israel. J Clin Endocrinol Metab 85.3200-3202, 2000 2. Suzuki A, Palmer G, Bonjour JP, Caverzasio J: Stimulation of sodium-dependent phosphate transporter and signaling mechanisms induced by basic fibroblast growth factor in MC3T3-E1 osteoblast-like cells. J Bone Miner Res 2000;15:95-102 3. Kakiya S, Murase T, Arima H, Yokoi H, Iwasaki Y, Miura Y, Oiso Y: Role of endogeneous nociceptin in the regulation of arginine vasopressin release in conscious rats. Endocrinology 2000;141:4466-4471 ─ 68 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 4. Kakiya S, Arima H, Yokoi H, Murase T, Yambe Y, Oiso Y: Effects of acute hypotensive stimuli on arginine vasopressin gene transcription in the rat hypothalamus. Am J Physiol 2000;270:E886-E892 5. Morishita M, Iwasaki Y, Yamamori E, Nomura A, Mutsuga N, Yoshida M, Asai M, Oiso Y, Saito H: Antidiabetic sulfonylurea enhances secretagogue-induced adrenocorticotropin secretion and proopiomelanocortin gene expression in vitro. Endocrinology 2000;141:3313-3318 6. Ozaki N, Shibazaki T, Kashima Y, Miki T, Takahashi K, Ueno H, Sunaga Y, Yano H, Matsuura Y, Iwanaga T, Takai Y, Seino S: cAMP-GEF-II is a direct target of cP in regulated exocytosis. Nat Cell Biol 2000;2:805-811 7. Yambe Y, Watanabe-Tomita Y, Kakaiya S, Yokoi H, Nagasaki H, Arima H, Murase T, Yuasa H, Kondo K, Yamashita H, Oiso Y: Analysis of vasopressin system and water regulation in genetically polydipsic mice. Am J Physiol 2000;278:E189-E194 8. Caverzasio J, Palmer G, Suzuki A, Bonjour JP: Evidence for the involvement of two pathways in activation of extracellular signal-regulated kinase (ERK) and cell proliferation by Gi and Gq protein-coupled receptors in osteoblast-like cells. J Bone Miner Res 2000; 15:1697-1706 9. Glasgow E, Murase T, Zhang B, Verbalis JG, Gainer H: Gene expression in the rat supraoptic nucleus induced by chronic hyperosmolality versus hypoosmorality. Am J Physiol 2000, 279:R1239-1250 10. Tian Y, Sandberg K, Murase T, Baker EA, Speth RC, Verbalis JG: Vasopressin V2 receptor binding is down-regulated during renal escape from vasopressin-induced antidiuresis. Endocrinology 2000;141:307-314 11. Hamada Y, Nakamura J, Naruse K, Komori T, Kato K, Kasuya Y, Nagai R, Horiuchi S, Hotta N: Epalrestat, an aldose reductase inhibitor, reduces the levels of Nε-(carboxymethyl)lysine protein adducts and their precursors in erythrocytes from diabetic patients. Diabetes Care 2000;23: 1539-1544 12. Yoshioka S, Uemura K, Tamaya N, Tamagawa T, Miura H, Iguchi A, Nakamura J, Hotta N: Dietary fat-induced increase in blood pressure and insulin resistance in rats. J Hypertension 2000;18: 1857-1864 13. Morita Y, Ikeguchi H, Nakamura J, Hotta N, Yuzawa Y, Matsuo S: Complement activation products in the urine from proteinuric patients. J Am Soc Nephrol 2000;11: 700-707 14. Nomura A, Iwasaki Y, Saito Y, Aoki Y, Yamamori E, Ozaki N, Tachikawa K, Mutsuga N, Morishita M, Yoshida M, Asai M, Oiso Y, SaitoH: Involvement of upstream open reading frames in regulation of rat V(1b) vasopressin receptor expression. Am J Physiol 2001;280:E780-787 15. Mutsuga N, Iwasaki Y, Morishita M, Nomura A, Yamamori E, Yoshitda M, Asai M, Ozaki N, Kambe F, Seo H, Oiso Y, Saito H: Homeobox protein Gsh-1-dependent regulation of the rat GHRH gene prpmoter. Mol Endo 2001;15:149-156 16. Nakamura J, Kasuya Y, Hamada Y, Nakashima E, Naruse K, Yasuda Y, Kato K, Hotta N: Glucose-induced hyperproliferation of cultured rat aortic smooth muscle cells through polyol pathway hyperactivity. Diabetologia 2001; 44:480-487 17. Nakayama M, Nakamura J, Hamada Y, Chaya S, Mizubayashi R, Yasuda Y, Kamiya H, Koh N, Hotta N: Aldose reductase inhibition ameliorates pupillary light reflex and F-wave latency in patients with mild diabetic neuropathy. Diabetes Care 2001;24:1093-1098 18. Miura Y, Suzuki A, Sato I, Kato K, Oiso Y: A case of fulminant type 1 diabetes associated with Graves’ disease. Diabetes Care 2002;25:1894-1895 ─ 69 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 19. Arima H, House, SB, Gainer H, Aguilera G: Neuronal Activity Is Required for the Circadian Rhythm of Vasopressin Gene Transcription in the Suprachiasmatic Nucleus in Vitro. Endocrinology 2002; 143:4165-4171 20. Ishizaki S, Murase T, Sugimura Y, Kakiya S, Yokoi H, Tachikawa K, Arima H, Miura Y, Oiso Y: Role of Ghrelin in the regulatiuon of vasopressin release in conscious rats. Endocrinology 2002;143:1589-1593 21. Suzuki A, Guicheux J, Palmer G, Miura Y, Oiso Y, Bonjour JP, Caverzasio J: Evidence for a role of p38 MAP kinase in expression of alkaline phosphatase during ostoblastic cell differentiation. Bone 2002;30:91-98 22. Yu W, Niwa T, Miura Y, Horio, F, Teradaira S, Ribar TJ, Means AR, Hasegawa Y, Senda, T, Niki I: Calumodulin overexpression causes Ca2+-dependent apoptosis of pancreatic beta cells which can be prevented by inhibition of nitric oxide synthase. Laboratory Investigation 2002;82:1229-1239 23. Hirade K, Kozawa O, Tanabe K, Niwa M, Matsuno H, Oiso Y, Akamatsu S,Ito H, Kato K, Katagiri Y and Uematsu T: Thrombin stimulates not only dissociation of HSP27 but also the induction of HSP27 via p38 MAP kinase in vascular smooth muscle cells. Am J Physio. Heart and Circulatory Physiology 2002; 283:H941-948 24. Kozawa O, Hatakeyama D, Tokuda H, Oiso Y, Matsuno H and Uematsu T: Sphingomyelinase amplifies BMP-4-induced osteocalcin synthesis in osteoblasts:role of ceramide. Cell. Signal 2002; 14:999 25. Okumura A, Kondo K, Hirai C, Nishimura H, Tamai H, Kawarazaki F, Ichikawa M, Mizuno M, Oiso Y, Yamamoto M: Nephrogenic diabetes insipidus associated with hemochromatosis. Am J Kidney Diseases 2002; 40:403-406 26. Sugimura Y, Murase T, Ishizaki S, Tachikawa K, Arima H, Miura Y, Usdin TB, Oiso Y. Centrally administered tuberoinfunfibular Peptide of 39 residures inhibitis arginine vasopressin release in conscious rats Endocrinology 144:2791-2796, 2003 27. 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Tokuda H, Hatakeyama D, Shibata T, Akamatsu S, Oiso Y, Kozawa O p38 MAP kinase regulates BMP-4-stimulated VEGF synthesis via p70 S6 kinase in osteoblasts. Am J Physiol Endocrinol Metab. 284:E1202-1209, 2003 32. Tokuda H, Harada A, Hirade K, Matsuno H, Ito H, Kato K, Oiso. Y, Kozawa O. Incadronate amplifies prostaglandin F2 alpha-induced vascular endothelial growth factor synthesis in osteoblast. Enhancement pf MAPK activity. J Biol Chem 278:18930-18937, 2003 ─ 70 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 33. Yoshida M, Iwasaki Y, Asai M, Nigawara T, Oiso Y. Gene therapy for central diabetes insipidus: effective antidiuresis by muscle-targeted gene transfer. Endocrinology 145: 261-8, 2004 34. Yamamori E, Iwasaki Y, Oki Y, Yoshida M, Asai M, Kambayashii M, Oiso Y, Nakashima N. Possible involvement of ryanodine receptor-mediated intracellular calcium release in the effect of corticotropin-releasing factor on adrenocorticotropin secretion. Endocrinology 145: 36-8, 2004 35. Kondo N, Arima H, Banno R, Kuwahara S, Sato I, Oiso Y. transcription under acute and chronic hypovolemia in rats. Am J Physiol Endocrinol Metab. 286:E337-46, 2004 Osmoregulation of vasopressin release and gene 36. Asaba K, Iwasaki Y, Yoshida M, Asai M, Oiso Y, Murohara T, Hashimoto K. Attenuation by reactive oxygen species of glucocorticoid suppression on proopiomelanocortin gene expression in pituitary corticotroph cells. Endocrinology 145: 39-42, 2004 37. Kakita A, Suzuki A, Nishiwaki K, Ono Y, Kotake M, Ariyoshi Y, Miura Y, Itoh M, Oiso Y. Stimulation of Na-dependent phosphate transport by platelet-derived growth factor in rat aortic smooth muscle cells. Atherosclerosis. 174:17-24, 2004 ─ 71 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 免疫応答内科学(腎臓内科学) Ⅰ 教室の沿革・特色 大学院大学化に伴い、病態内科学講座は一元化された大講座へと変革され、臓器別の 6 分野に再編成されまし た。腎臓内科は、第三内科開設以来の伝統を誇り、研究室のメンバーは心おきなく研究・教育・臨床に打ち込み、 学内外に多彩な研究者・臨床医を輩出してきました。その結果、平成 14 年 1 月には松尾教授が病態内科学講座 免疫応答内科学の初代教授として選出され、研究室の活気はさらにあがっています。今後、新しく大学院に入学 する者が、今後の病態内科学の新たな歴史の一翼を担っていくこととなるでしょう。 Ⅱ スタッフ 教 授 松 尾 清 一(医学博士、腎臓病学) 講 師 湯 澤 由紀夫(医学博士、腎臓病学) 助 手 森 田 良 樹(医学博士、腎臓病学) 丸 山 彰 一(医学博士、腎臓病学) 生 伊 藤 聡 子、 森 永 貴 理、 河 合 華 代、 小 杉 智 規、 八尾村 多佳朗、 壇 原 敦、 尾 崎 武 徳、 安 田 香、 西 村 勇 人、 浦 濱 善 倫、 石 本 卓 嗣、 大 学 院 Ⅲ 研究分野・内容 ◇腎臓研究室 湯澤講師、丸山助手、森田助手、他 16 名(うち大学院生 11 名) 当研究室では腎障害進展の病態解明と新たな診断治療の開発を目的とした研究を行っています。これまでは特 に尿細管間質傷害に着目しその発症進展機序について基礎と臨床の両面から解析を行ってきました。研究の進め 方としては、プロジェクト制を採用しています。外部からの研究者を交えたプロジェクト会議を年2回開催し、 この結果で採用されたプロジェクト毎に研究グループが編成され、その後の半年間の研究の方向性を決定しま す。週一回プログレスレポート発表会が開催され、研究者は1ヶ月に一度のペースで研究成果を発表し、教授を 含めた参加者全員により具体的な意見交換が行われます。問題解決のプロセスを共有することは研究者にとって 大きな財産になるものと考えています。 腎臓グループの研究テーマは 3 つあります。第一は腎障害の発症・進展に関わる免疫学的機序の解明、第二 は腎障害の進展阻止のための新しい治療法の開拓、第三は臓器障害における補体系の役割の解明と臨床応用で す。これらの研究の原動力としては当研究室がすすめてきた①海外を含む学内外の多くの研究者との積極的な 共同研究、②大学院生を中心とした若い研究者による分子生物学の最新の技法の導入、③全国レベルの研究会を 組織することによる競争意識の高揚、によるところが大きいと言えます。共同研究を行っている施設は学内の 臨床・基礎・社会医学の各教室はもちろんのこと、阪大、名市大、新潟大、国立国際医療センター、愛知県ガン センター、等の国内施設、ウェールズ大学、ワシントン大学、カロリンスカ大学、ハーバード大学、フロリダ大 学、アムステルダム大学等の海外施設、など多彩です。多くの大学院生は一定期間基礎の研究室でトレーニング を積み、その後当研究室で基礎研究の成果を腎臓病や膠原病の臨床に還元することをめざして研究を続けます。 ─ 72 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 また。当研究室が主催する二つの全国レベルの研究会、 「若手のための腎セミナー」と英語を公用語として行って いる「Tsurumai Seminar on Tubulointerstitial Injury」、はいずれも全国 35 以上の施設から 100 名以上の参加者 があり、若手の研究者が刺激し合う研究会として注目を集めています。過去に大学院生が筆頭著者となっている ジャーナルも海外の一流誌が多く、関連学会でも積極的に活動しています。また、留学経験を有する多くの指導 スタッフがそろっており、平成 17 年度も質量ともに高いレベルの業績が期待できそうです。 Ⅳ 指導方針など 現在、病態内科学講座は一元化された大講座へと変革され、臓器別の 6 分野へと再編成されました。平成 17 年度も、大学院生の受け入れ状況はこれまでと特に変わりはないと思われます。その後は、病態内科学講座一元 化の流れに合わせ、臓器別の 6 分野へと再編成された形で研究体制も整っていく予定です。 Ⅴ 大学院生の業績 《大学院生が First Author の論文》 1. Kawai H. et al. : Lack of the Growth Factor Midkine Enhances Survival against Cisplatin-induced Renal Damage. Am J Pathol in press 2. Fujita Y. et al.: Caveolin-1 in mesangial cells suppresses MAP kinase activation and cell prolifelation induced by βFGF and PDGF. Kidney Int in press. 3. Kato S. et al.: Endotoxin-Induced Chemokine Expression in Murine Peritoneal Mesothelial Cells:The Role of Toll-Like Receptor 4. J Am Soc Nephrol 15: 1289-1299, 2004. 4. Fukuda N. et al.: Identification of a Novel Glial Cell Line-derived Neurotrophic Factor-inducible Gene Required for Renal Branching. J Biol Chem 278:50386-50392, 2003 5. Manchang Liu et al.: Non-dipping is a potent predictor of cardiovascular mortality and is associated with autonomic dysfunction in haemodialysis patients. Nephrol Dial Transp 18(3): 563-569, 2003. 6. Manchang Liu et al.: The nephrotoxicity of aristolochia manshuriensis in rats is attributable to its aristolochic acids. Clin Exp Nephrol 17:186-194, 2003. 7. Tsuboi N, et al.: Roles of Toll-like receptors in C-C chemokine production by renal tubular epithelial cells. J Immunol 169: 2029-2033, 2002. 8. Sato W. et al.: Midkine expression in the course of nephrogenesis and its role in ischaemic reperfusion injury. Nephrol Dial Transp 17: 52-54, 2002. 9. Ito I. Et al.: The effects of a new synthetic selection blocker in an acute rat thrombotic glomwrulonephritis. Am J Kid Dis 38: 265-273, 2001. 10. Kasuga H, et al.: Effects of anti-TGF-b type II receptor antibody on experimental glomerulonephritis. Kidney Int 60: 1745-1755, (2001). 11. Sato W, et al.: Midkine is involved in neutrophil infiltration into the tubulointerstitium in ischemic renal injury. J Immunol 167:3463-3469, (2001). 12. Kurata H. et al.: Constitutive activation of MAP kinase kinase (MEK1) is critical and sufficient for the activation of MMP-2. Exp Cell Res 254:180-188, 2000. ─ 73 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 Ⅵ 大学院修了者の進路 《平成 13 年度》 佐 藤 和 一(留学 フロリダ大学) 加 藤 朋 美(公立陶生病院) 劉 満 昌(ジョンホプキンス大学) 《平成 14 年度》 加 藤 佐和子(留学:カロリンスカ大学) 福 田 直 行(市立掛川総合病院) 《平成 15 年度》 藤 田 豊(機能形態学講座分子細胞学 助手) 坪 井 直 毅(留学:ハーバード大学) Ⅶ 過去5年間の代表論文 1. Kawai H. et al.: Lack of the Growth Factor Midkine Enhances Survival against Cisplatin-induced Renal Damage. Am J Pathol in press 2. Fujita Y. et al.: Caveolin-1 in mesangial cells suppresses MAP kinase activation and cell prolifelation induced by βFGF and PDGF. Kidney Int in press. 3. Kato S. et al.: Endotoxin-Induced Chemokine Expression in Murine Peritoneal Mesothelial Cells:The Role of Toll-Like Receptor 4. J Am Soc Nephrol 15: 1289-1299, 2004. 4. Fukuda N. et al.: Identification of a Novel Glial Cell Line-derived Neurotrophic Factor-inducible Gene Required for Renal Branching. J Biol Chem 278:50386-50392, 2003 5. Matsuo S et al.: The causative factors for the progression of renal diseases. Contrib Nephrol 139; 20-31, 2003 6. Shimizu H et al.:Anti-monocyte chemoattractant protein-1 gene therapy attenuates renal injury induced by protein-overload proteinuria. J Am Soc Nephrol 14; 1496-1505, 2003 7. Matsuo S et al.:Proteinuria and tubulointerstitial injury: The causative factors for the progression of renal diseases. Contrib Nephrol 139; 20-31, 2003 8. Naruse T et al.:P-selectin-dependent macrophage migration into the tubulointerstitium via vasa recta in rats with unilateral ureteral obstruction. Kidney International 62; 94-105, 2002 9. Ikeguchi H et al.: Effects of human soluble thrombomodulin on experimental glomerulonephritis. Kidney International 61; 490-501, 2002 10. Tsuboi N, et al.: Roles of Toll-like receptors in C-C chemokine production by renal tubular epithelial cells. J Immunol 169: 2029-2033, 2002. 11. Ito I. Et al.: The effects of a new synthetic selection blocker in an acute rat thrombotic glomwrulonephritis. Am J Kid Dis 38: 265-273, 2001. 12. Kasuga H, et al.: Effects of anti-TGF-b type II receptor antibody on experimental glomerulonephritis. Kidney Int 60: 1745-1755, (2001). 13. Sato W, et al.: Midkine is involved in neutrophil infiltration into the tubulointerstitium in ischemic renal injury. J Immunol 167:3463-3469, (2001). ─ 74 ─ 分子総合医学専攻 病態内科学講座 14. Kurata H. et al.: Constitutive activation of MAP kinase kinase (MEK1) is critical and sufficient for the activation of MMP-2. Exp Cell Res 254:180-188, 2000. 15. Morita Y et al.: Complement activation products in the urine from proteinuric patients. Journal of American Society of Nephrology 11; 700-707, 2000 16. Morita Y et al.:The role of complement in the development of tubulointerstitial injury of rats with mesangial proliferative glomerulonephritis. Journal of American Society of Nephrology 8; 1363-1372, 1997 17. Akahori T et al.: Selective expression of a novel complex sialyl LewisX epitope on vascular endothelium in a rat model of local skin inflammation. Journal of Immunology 158; 5384-5392, 1997 18. Nomura A et al.:Tubulointerstitial injury induced in rats by a monoclonal antibody which inhibits function of a membrane inhibitor of complement. Journal of Clinical Investigation 96; 2348-2356, 1995 ─ 75 ─ 分子総合医学専攻 高次医用科学講座 量 子 医 学 Ⅰ 教室の沿革・特色 量子医学分野では画像診断(X 線診断、CT,MRI,超音波画像、PET を含む核医学、熱画像など)に関する基礎的、 臨床的な研究を行っている。それに付随する課題として画像情報の取り扱いおよびその他の医療情報との連携に 関する研究、画像観察装置(可視化装置)の開発と評価の研究も行っている。また、放射線および非電離放射線 の生体への影響およびそれらの管理・防護に関する研究を行っている。量子介入治療学分野では量子医学分野と の連携のもとで、放射線腫瘍学に関する研究とインターベンショナル治療、いわゆる Interventional Radiology の研究を行っている。 Ⅱ スタッフ 量子医学分野 授 石垣 武男 助 教 授 長縄 慎二 講 師 太田 豊裕、 佐竹 弘子 助 手 岩野 信吾、 澤木 明子、 鈴木 耕次郎、 石原 俊一 教 量子介入治療学分野 助 教 授 伊藤 善之 Ⅲ 研究分野・内容 01.3 テスラ MRI の基礎的検討と臨床応用 02.MRI におけるパルスシーケンスの開発 03.マルチスライス CT における新しい検査手法の開発 04.CT 肺がん検診における被曝線量の軽減 05.マルチスライス CT による各種疾患の診断に関する研究 06.液晶モニタ診断の安全性に関する研究 07.遠隔画像診断の研究 08.PET,SPECT による診断法の開発研究 09.三次元原体照射法の研究 10.デジタル画像の研究 Ⅳ 指導方針など 研究室単位ではなく、臓器別および診断モダリティの縦横のつながりでグループを形成してそれぞれの責任者 が指導を行う体制 をとる。 ─ 76 ─ 分子総合医学専攻 高次医用科学講座 Ⅴ 大学院生の業績 《大学院生が first author の論文》 1. Sato C, Naganawa S, Kumada H, Miura S, T Ishigaki. MR imaging of gastric cancer in vitro: accuracy of invasion depth diagnosis. Eur Radiology 2004 July (Epub ahead of print) 2. Nakamura T, Naganawa S, Fukatsu H, Sakurai Y, Aoki I, Ninomiya A, Nakashima T, Ishigaki T. Contrast enhancement of the cochlear aqueduct in MR imaging: its frequency and clinical significance. Neuroradiology. 2003 Sep;45(9);626-630 3. Kojima M, Itoh S, Ikeda M, Satake H, Koyama S, Aoyama T, Watanabe N, Ishigaki T. Usefulness of a method for changing tube current during helical scanning in multislice CT Radiation Medicine 21(5): 193-204,2003 4. Nakamura T, Naganawa S, Koshikawa T, Fukatsu H, Sakurai Y, Aoki I, Ninomiya A, Ishigaki T. High-spatial-resolution MR cistenography of the cerebellopontine angle in 90 seconds with a zero-fill interpolated fast recovery 3D fast asymmetric spin-echo sequence. AJNR Am J Neuroradiol. 2002;23:1407-1412 5. Zhan Y, Fukatsu H, Naganawa S, Satake H, Sato Y, Ohiwa M, Endo T, Ichihara S, Ishigaki T. The role of contrast-enhance MR Mammography for determinng candidates for breast conservation surgery. Breast Cancer. 2002;9(3):231-239 6. Ishihara S, Shimamoto K, Ikeda M, Kato K, Mori Y, Ishiguchi T, Ishigaki T. CRT diagnosis of pulmonary disease: influence of monitor brightness and room illuminance on observer performance. Comput Med Imaging Graph. 2002 May-Jun;26(3):181-5. 7. Sawaki A, Shimamoto K, Hattori T, Ikeda M, Ishiguchi T, Ishigaki T, Sakuma S. Three-dimensional image display without special eyeglasses: observation of magnetic resonance angiography using the stereoscopic liquid crystal display. J Digit Imaging. 2001 Sep;14(3):111-6. 8. Suzuki K, Ishiguchi T, Kawatsu S, Iwai H, Maruyama K, Ishigaki T. Dilatation of stent-grafts by luminal pressures: experimental evaluation of polytetrafluoroethylene (PTFE) and woven polyester grafts. Cardiovasc Intervent Radiol. 2001 Mar-Apr;24(2):94-8. 9. Shibahara E, Fukatsu H, Naganawa S, Ito T, Iwayama E, Ishigaki T, Segawa T, Zhang W. Water fat separation using the single acquisition "sandwich" type 3-point Dixon method to optimize knee joint scans. Nagoya J Med Sci. 2000 May;63(1-2):41-9. 10. Murase E, Ishiguchi T, Ikeda M, Ishigaki T. Is lower-dose digital fluorography diagnostically adequate compared with higher-dose digital radiography for the diagnosis of fallopian tube stenosis? Cardiovasc Intervent Radiol. 2000 Mar-Apr;23(2):126-30. 11. Iwayama E, Naganawa S, Ito T, Fukatsu H, Ikeda M, Ishigaki T, Ichinose N. High-resolution MR cisternography of the cerebellopontine angle: 2D versus 3D fast spin-echo sequences. AJNR Am J Neuroradiol. 1999 May;20(5):889-95. 12. Inagaki H, Kato T, Tadokoro M, Ito K, Fukatsu H, Ota T, Isomura T, Nishino M, Ishigaki T. Interactive fusion of three-dimensional images of upper abdominal CT and FDG PET with no body surface markers. Radiat Med. 1999 Mar-Apr;17(2):155-63. ─ 77 ─ 分子総合医学専攻 高次医用科学講座 13. Yoshida K, Fukatsu H, Ando Y, Ishigaki T, Okada T. Evaluation of sleep apnea syndrome with low-field magnetic resonance fluoroscopy. Eur Radiol. 1999;9(6):1197-202. Ⅶ 過去5年間の代表論文 1. Naganawa S, Koshikawa T, Nakamura T, Kawai H, Fukatsu H, Ishigaki T, Komada T, Maruyama K, Takizawa O. Comparison of flow artifacts between 2D-FLAIR and 3D-FLAIR sequences at 3T. Eur Radiol. 2004 June (Epub ahead of print). 2. Itoh, S. Ikeda, M. Achiwa, M. Satake, H. Iwano, S. Ishigaki, T. Late-arterial and portal-venous phase imaging of the liver with a multislice CT scanner in patients without circulatory disturbances: automatic bolus tracking or empirical scan delay? Eur Radiol. 2004 Apr (Epub ahead of print) 3. Naganawa S, Koshikawa T, Fukatsu H, Ishigaki T, Maruyama K, Takizawa O. Whole-brain vascular reactivity measured by fMRI using hyperventilation and breath-holding tasks: efficacy of 3D prospective acquisition correction (3D-PACE) for head motion. Eur Radiol. 2004;14:1484-1488. 4. Naganawa S, Koshikawa T, Nakamura T, Fukatsu H, Ishigaki T, Aoki I. Flow ghost artifact in slice-encoding direction mimicking vestibular schwannoma in contrast-enhanced 3D spoiled gradientecho sequence. Eur Radiol. 2004;14:496-499. 5. Naganawa S, Koshikawa T, Kawai H, Fukatsu H, Ishigaki T, Maruyama K, Takizawa O. Optimization of diffusion-tensor MR imaging data acquisition parameters for brain fiber tracking using parallel imaging at 3T. Eur Radiol. 2004;14:234-238. 6. Naganawa S, Nihashi T, Fukatsu H, Ishigaki T, Aoki I. Pre-surgical mapping of primary motor cortex by functional MRI at 3 T: effects of intravenous administration of Gd-DTPA. Eur Radiol. 2004;14:112-114. 7. Naganawa S, Koshikawa T, Fukatsu H, Ishigaki T, Sato E, Sugiura M, Yoshino T, Nakashima T. Enlarged endolymphatic duct and sac syndrome: relationship between MR findings and genotype of mutation in Pendred syndrome gene. Magn Reson Imaging. 2004 Jan;22(1):25-30. 8. Okuda T, Itho Y, Ikeda M, Nakamura T, Horikawa Y, Yanagawa S, Ishigaki T. Long-term result of high dose-rate afterloading brachytherapy in squamous cell carcinoma of the cervix: relationship between facility structure and outcome. Jpn J Clin Oncol. 2004;34(3): 142-8 9. Zhang R, Yamauchi K, Nonogawa M, Ikeda M, Zhang W, Huang D. A telemedicine system for collaborative work on radiographic coronary video-images. J Telemed Telecare. 2004;10(3):152-5 10. Sugiura M, Naganawa S, Nakashima T, Misawa H, Nakamura T. Magnetic resonance imaging of endolymphatic sac in acute low-tone sensorineural hearing loss without vertigo. ORL J Otorhinolaryngol Relat Spec. 2003 Sep-Oct;65(5):254-60. 11. Nakashima T, Naganawa S, Sone M, Tominaga M, Hayashi H, Yamamoto H, Liu X, Nuttall AL. Disorders of cochlear blood flow. Brain Res Brain Res Rev. 2003 Sep;43(1):17-28. Review. 12. Naganawa S, Koshikawa T, Nakamura T, Fukatsu H, Ishigaki T, Aoki I. High-resolution T1-weighted 3D real IR imaging of the temporal bone using triple-dose contrast material. ─ 78 ─ 分子総合医学専攻 高次医用科学講座 Eur Radiol. 2003;13:2650-2658 13. Naganawa S, Koshikawa T, Sato K, Katagiri T, Mimura T, Ishigaki T, Aoki I. Pseudostenosis of the internal carotid artery in 3D time-of-flight MR angiography: effects of a magnetization transfer contrast pulse and metallic material. Eur Radiol. 2003;13:2298-2303. 14. Naganawa S, Sato K, Katagiri T, Mimura T, Ishigaki T. Regional ADC values of the normal brain: differences due to age, gender, and laterality. Eur Radiol. 2003 Jan;13(1):6-11. 15. Itoh S, Ikeda M, Ota T, Satake H, Takai K, Ishigaki T. Assessment of the pancreatic and intrapancreatic bile ducts using 0.5-mm collimation and multiplanar reformatted images in multislice CT. Eur Radiol. 2003;13(2):277-285. 16: Itoh S, Ikeda M, Achiwa M, Ota T, Satake H, Ishigaki T. Multiphase contrast-enhanced CT of the liver with a multislice CT scanner. 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Videotaped helical CT images for lung cancer screening. J Comput Assist Tomogr. 2000 Mar-Apr;24(2):242-6. 54. Satake H, Shimamoto K, Sawaki A, Niimi R, Ando Y, Ishiguchi T, Ishigaki T, Yamakawa K, Nagasaka T, Funahashi H. Role of ultrasonography in the detection of intraductal spread of breast cancer: correlation with pathologic findings, mammography and MR imaging. Eur Radiol. 2000;10(11):1726-32. 55. Naganawa S, Ishiguchi T, Ishigaki T, Sato K, Katagiri T, Kishimoto H, Mimura T, Takizawa O, Imura C. Real-time interactive MR imaging system: sequence optimization, and basic and clinical evaluations. Radiat Med. 2000 Jan-Feb;18(1):71-9. 56. Naganawa S, Ito T, Iwayama E, Fukatsu H, Ishigaki T, Nakashima T, Ichinose N. MR imaging of the cochlear modiolus: area measurement in healthy subjects and in patients with a large endolymphatic duct and sac. Radiology. 1999 Dec;213(3):819-23. 57. Naganawa S, Ito T, Iwayama E, Fukatsu H, Ishiguchi T, Ishigaki T, Ichinose N. 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Radiat Med. 1999 Jan-Feb;17(1):41-5. ─ 82 ─ 分子総合医学専攻 高次医用科学講座 臓器病態診断学/病態構造解析学 Ⅰ 教室の沿革・特色 臨 床 検 査 医 学(Laboratory medicine)は、 臨 床 検 査 診 断 学、 病 態 検 査 学 あ る い は 臨 床 病 理 学(Clinical pathology)とも呼ばれ、比較的新しい学問領域である。本講座は、臨床検査から得られる成績から構築された新 しい診断学の確立をめざし、昭和 60 年 4 月に開設された。新しい検査技術の開発、検査精度の向上、検査情報の 管理、検査室の運営、検査成績に基づいた疾患および病態の解明などをテーマとし、分子生物学、工学、物理化 学など様々な手法を用いて研究が行われている。平成 12 年 4 月には大学院重点化の一貫として、分子総合医学専 攻、高次医用科学講座、臓器病態診断学および病態構造解析学に改組され現在に至っている。 Ⅱ スタッフ 長 坂 徹 郎 助教授(病態構造解析学)名大 昭 58 卒 造血器疾患の臨床病理、病理・細胞診断学、分子病理診断学 附属病院検査部 根 来 民 子 講師 神経生理部門主任(脳波担当)名大昭 46 卒 臨床脳波学、臨床てんかん学、小児神経学 平 山 正 昭 助手 神経生理部門主任(筋電図担当) 岐大昭 59 卒 臨床脳波学(睡眠脳波を含む) 、臨床筋電図学、自律神経、パーキンソン病 榊 原 綾 子 医員 病理部門 名大平 11 卒 新 井 康 祥 医員 神経生理部門 奈良医大平 12 卒 Ⅲ 研究分野・内容 臨床検査医学教室は、検査部と一体となって教育、検査、診断、治療の支援を行っている。これらは、病理、 感染症、臨床化学、一般検査、血液、遺伝子(以上検体検査部門)、循環生理、呼吸生理、神経生理(以上生理機 能部門)の各々に所属する専門の教官および医員を中心に遂行されている。病理部、輸血部とも協力して、診療 と教育にあたっている。 病理部門では、婦人科腫瘍、造血器疾患の臨床病理学的研究、病理診断への遺伝子診断の応用を中心に研究し ている。共同研究としては、婦人科とアミノペプチターゼの組織、細胞内局在に関する研究、心筋症モデル動物 におけるアポトーシスの研究等を行っている。 神経生理部門(筋電図)では、従来の筋電図、誘発筋電図に加え、中枢内の伝導時間を測定できる磁気刺激法 による運動誘発筋電図や眼振図、重心動揺検査をおこなっている。さらに、自律神経障害の定量化のために、現 在NASAで行われている microneurography やレーザードプラーやトノメトリー法による連続血圧の測定を行っ ている。さらに、血圧や心拍のゆらぎを FFT や最大エントロピー法だけでなくウェーブレット法による瞬時の ゆらぎ解析による自律神経障害の解明を行っている。 (脳波)では、ビデオ・脳波同時記録によるてんかん発作の 解析および脳波信号のコンピューター解析を行っている。 ─ 83 ─ 分子総合医学専攻 高次医用科学講座 Ⅳ 指導方針など 検査の重要性、研究の面白さを体験させ、その成果を英文論文として発表する。病院の中での検査部のあり方、 役割を学び、管理運営の基礎をつくる。大学院在学中に取得可能な資格としては、死体解剖資格、日本臨床病理 学会認定臨床検査医、日本病理学会認定病理医、日本臨床細胞学会認定細胞診指導医等がある。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Xu J, Nagasaka T, Nakashima N. Involvement of cytotoxic granule in the apoptosis of aplastic anemia Br J Haematol 120:86 850-852 2003 2. Murata T, Nagasaka T, Kamiya J, Nimura Y, Wakai K, Yoshida K, Nakashima N. p53 labeling index in cholangioscopic biopsies is useful for determining spread of bile duct carcinomas Gastrointest Endsc 56:688-695 2002 3. Prognostic value of mechanical efficiency in ambulatory patients with idiopathic dilated cardiomyopathy in sinus rhythm. Kim IS, Izawa H, Sobue T, Ishihara H, Somura F, Nishizawa T, Nagata K, Iwase M, Yokota M. J Am Coll Cardiol 2002 39: 1264-1268 4. Proliferation, apoptosis, and intratumoral vascularity in multiple myeloma: correlation with the clinical stage and cytological grade. Xu JL, Lai R, Kinoshita T, Nakashima N, Nagasaka T. J Clin Pathol 2002 55: 530-534. 5. Akashi K, Nagasaka T, Nakashima N, Harada T, Okamoto T, Mizutani S, Ishiko H. Squamous cell carcinoma of the vulva and adjacent lesions treated at Nagoya University Hospital from 1965-1997 Nagoya J Med Sci 64:109-121 2001 6. Biphasic changes in left ventricular end-diastolic pressure during dynamic exercise in patients with nonobstructive hypertrophic cardiomyopathy. Takeichi Y, Yokota M, Iwase M, Izawa H, Nishizawa T, Ishiki R, Somura F, Nagata K, Isobe S, Noda A. J Am Coll Cardiol 2001 38: 335-343. 7. Association of a T29-->C polymorphism of the transforming growth factor-beta1 gene with genetic susceptibility to myocardial infarction in Japanese. Yokota M, Ichihara S, Lin TL, Nakashima N, Yamada Y. Circulation 2000 101: 2783-2787. 8. Different beta-adrenergic regulation of myocardial contraction and relaxation between apical and nonobstructive hypertrophic cardiomyopathy. Zuo P, Izawa H, Ishiki R, Noda A, Nishizawa T, Shigemura K, Nagata K, Iwase M, Yokota M. Am Heart J 2000 140: 329-337. 9. p53, Bax and Bcl-2 expression, and apoptosis in gestational trophoblast of complete hydatidiform mole. Qiao S, Nagasaka T, Harada T, Nakashima N. Placenta 1998 19: 361-369. 10. Numerous vessels detected by CD34 in the villous stroma of complete hydatidiform moles. Qiao S, Nagasaka T, Nakashima N. Int J Gynecol Pathol 1997 16: 233-238. ─ 84 ─ 分子総合医学専攻 高次医用科学講座 Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. Tissue distribution of placental leucine aminopeptidase/oxytocinase during mouse pregnancy Kobayashi H, Nomura S, Mitsui T, Ito T, Kuno N, Ohono Y, Kadomatsu K, Muramatsu T, Nagasaka T, Mizutani S. J Histochem Cytochem 2004 52:113-122 2. Expression of glucose transporter 4 in the human pancreatic islet of Langerhans Kobayashi H, Mitsui T, Nomura S, Ohno Y, Kadomatsu K, Muramatsu T, Nagasaka T, Mizutani S. Biochem Biophys Res Com 2004 314:1121-1125 3. Ultrastructural localization of aminopeptidase A/angiotensinase and placental leucine aminopeptidase/oxytocinase in chorionic villi of human placenta Ito N, Nomura S, Iwase A, Ito T, Ino K, Nagasaka T, Tsujimoto M, Kobayashi M, Mizutani S. Early Human Dev 2003 71:29-37 4. Dipeptidyl peptidase IV expression in endometrial endometrioid adenocarcinoma and its inverse correlation with tumor grade Khin EE, Kikkawa F, Ino K, Kajiyama H, Suzuki T, Shibata K, Tamakoshi K, Nagasaka T, Mizutani S. Am J Obest Gynecol 2003 188:670-676 5. Expression of Ki-67 antigen and vascular endothelial growth factor in sporadic and neurofibromatosis type 2-associated schwannomas Saito K, Kato M, Susaki N, Nagatani T, Nagasaka T, Yoshida J. Clin Neuropathol 2003 22:30-34 6. Interleukin-1beta stimulates placental leucine aminopeptidase/oxytocinase expression in Bewo choriocarcinoma cells Ikoma Y, Nomura S, Ito T, Katsumata Y, Nakata M. Iwanaga K, Okada M, Kikkawa F, Tamakoshi K,Nagasaka T, Tsujimoto M, Mizutani S. Mol Hum Reprod 2003 9:103-110 7. Morphological assessment of the development of multinuclwated giant cells in glioma by using mitosis-specific phosphorylated antibodies Maeda K, Mizuno M, Wakabayashi T, Takasu S, Nagasaka T, Inagaki M, Yoshida J. J Neurosurg 2003 98:854-859 8. Primary cutaneous diffuse large B cell lymphoma: a clinically aggressive case Narimatsu H, Morishita Y, Shimada K, Ozeki K, Kohno A, Kato Y, Nagasaka T. Intern Med 2003 42:354-357 9. Simultaneous segmental obstruction of bile duct and portal vein markedly changes a population of Biliary and hepatic cells in human liver Kyokane T, Nagino M, Kamiya J, Nimura Y, Nagasaka T. Langenbeck Arch Surg 2003 388:270-275. 10. Telomerase, p53 and PCNA activity in osteosarcoma Nakashima H, Nishida Y, Sugiura H, Katagiri H, Yonekawa M, Yamada Y, Iwata H, Nagasaka T, Ishiguro N. Eur J Surg Oncol 2003 29:564-567 11. 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Somura F, Izawa H, Iwase M, Takeichi Y, Ishiki R, Nishizawa T, Noda A, Nagata K, Yamada Y, Yokota M. Circulation 2001 104: 658-663. 24. Cardiac functional and structural alterations induced by endotoxin in rats: importance of platelet-activating factor. Iwase M, Yokota M, Kitaichi K, Wang L, Takagi K, Nagasaka T, Izawa H, Hasegawa T. Crit Care Med 2001 29: 609-617. 25. Association of a T29-->C polymorphism of the transforming growth factor-beta1 gene with genetic susceptibility to myocardial infarction in Japanese. Yokota M, Ichihara S, Lin TL, Nakashima N, Yamada Y. Circulation 2000 101: 2783-2787. 26. Symptomatology of infantile spasms. Watanabe K, Negoro T, Okumura A. ─ 86 ─ 分子総合医学専攻 高次医用科学講座 Brain Dev 2001 23: 453-466. 27. Cerebral oxygenation state in childhood moyamoya disease: a near-infrared spectroscopy study. Lin Y, Yoshiko K, Negoro T, Watanabe K, Negoro M. Pediatr Neurol 2000 22: 365-369. 28. Platelet factor 4 fragment induces histamine release from rat peritoneal mast cells. Suzuki R, Kimura T, Kitaichi K, Tatsumi Y, Matsushima M, Zhao YL, Shibata E, Baba K, Hasegawa T, Takagi K. Peptides 2002 23: 1713-1717 29. Matrix metalloproteinases and tissue inhibitors of matrix metalloproteinases in sputum from patients with bronchial asthma. Suzuki R, Kato T, Miyazaki Y, Iwata M, Noda Y, Takagi K, Nakashima N, Torii K. J Asthma 2001 38: 477-484 30. Homeobox protein Gsh-1-dependent regulation of the rat GHRH gene promoter. Mutsuga N, Iwasaki Y, Morishita M, Nomura A, Yamamori E, Yoshida M, Asai M, Ozaki N, Kambe F, Seo H, Oiso Y, Saito H. Mol Endocrinol 2001 15: 2149-2156. 31. Polyamine regulation of the rat pro-opiomelanocortin gene expression in AtT-20 cells. Yamamori E, Iwasaki Y, Aoki Y, Nomura A, Tachikawa K, Ariyoshi Y, Mutsuga N, Morishita M, Yoshida M, Asai M, Oiso Y, Saito H. J Neuroendocrinol 2001 13: 774-778. 32. Involvement of upstream open reading frames in regulation of rat V(1b) vasopressin receptor expression. Nomura A, Iwasaki Y, Saito M, Aoki Y, Yamamori E, Ozaki N, Tachikawa K, Mutsuga N, Morishita M, Yoshida M, Asai M, Oiso Y, Saito H. Am J Physiol Endocrinol Metab 2001 280: E780-787. 33. Effects of various mutations in the neurophysin/glycopeptide portion of the vasopressin gene on vasopressin expression in vitro. Iwasaki Y, Oiso Y, Saito H, Majzoub JA. Tohoku J Exp Med 2000 191: 187-202. 34. Antidiabetic sulfonylurea enhances secretagogue-induced adrenocorticotropin secretion and proopiomelanocortin gene expression in vitro. Morishita M, Iwasaki Y, Yamamori E, Nomura A, Mutsuga N, Yoshida M, Asai M, Oiso Y, Saito H. Endocrinology 2000 141: 3313-3318. ─ 87 ─ 分子総合医学専攻 高次医用科学講座 医療管理情報学 Ⅰ 教室の沿革・特色 医療管理情報学教室は昭和 40 年に開設されたカルテ部にまでさかのぼる。カルテ部は平成 3 年 4 月に発展・ 改組し医療情報部が設置されたが、平成 12 年 4 月に大学院重点化によって医療管理情報学を専門分野とする教 室に発展した。なお医療情報部は従来通り病院内の中央診療施設等の部門に属して病院情報システムの開発・管 理にあたっている。 当カルテ部は国立大学附属病院では初めて中央病歴室として設置されたもので、セクショナリズムの強い各講 座の壁を破って、このような中央病歴室が設置されたことは画期的なことであった。カルテ部の時代には、教官 や診療録管理士によって、診療録や医学資料の管理法、病名コーディング、診療統計、病歴の情報システム化等 に関する研究を行ってきた。診療情報の利用にあたっては原本が最も重要であるので、診療録のみならず、X 線 フィルムや心電図などの医用画像も原本のまま永久保管を目指して管理にあたってきたが、スペースの制限はい かんともし難く、今では古い入院診療録についてはマイクロフィルムで保管し、原本が廃棄されても、情報が残 るようになっている。平成 3 年 5 月からは診療情報の永久保管と、カルテのイメージ情報の伝送とを考え、イメー ジファイリングシステムによるカルテの電子ファイリング化を行い、高齢化社会や高度医療の時代への対応を考 えている。 カルテ部の設置からこの 25 年間に、コンピュータテクノロジーは驚くほど発展し、カルテ部としての機能が みなおされてきた。診療情報の原本である診療録の管理のみならず、コンピュータに入力された医療・医学情報 の管理を充実し、有用な情報の提供と種々の活用が必要となってきた。その役割を果たすために電子化された診 療情報を専門に扱う組織が必要となり、平成 2 年 4 月に院内措置として医療情報部が発足し、平成 3 年 4 月に省 令として医療情報部が認められた。平成 3 年 12 月、山内一信が初代教授として着任し、続いて池田充が助教授 として就任した。教官 2 名と医療情報掛の事務官 6 名、病歴管理室の事務官 5 名、さらには電算システムに関す る知識の豊富なコ・メデイカルの人達にも、併任の形で協力していただき、診療録管理と病院情報システムの開 発・構築を行ってきた。平成 12 年 4 月、近年の医学医療の高度化に対応するためにこの分野でも大学院重点化 が必須となり、医療管理情報学教室の発足となった。なお、医療情報部は、平成 15 年 4 月より医療経営管理部 に発展した。 Ⅱ スタッフ 教 授 山内一信 大 学 院 生 黄 達民、江 征、楊 軍、王 凱、井田浩正、勝山貴美子、加藤 憲、加藤浩樹、 若宮俊司 大学院研究生 大津廣子、小林 慎、南 龍峰 医学部研究生 臼田千穂 客員研究員 水野 智、太田圭洋、真野俊樹、張 文萍 Ⅲ 研究分野・内容 医療管理情報学は、コンピュータ科学に代表される情報学とそれを医療経営や医療経済の分析に応用しようと する病院管理学が融合し、時代の要請をうけて分化した新しい学問分野である。学問領域として分化してから比 較的日が浅いため、既成の概念にはとらわれない自由な発想がなににもまして必要とされる分野であるが、研究 ─ 88 ─ 分子総合医学専攻 高次医用科学講座 の3本柱は医療情報学、医療経済学、病院管理学で良質な医療の実現を目指して研究・教育・診療に情熱を燃 やしている。この3本柱となる学問領域の広さは、他の臨床医学と同様に膨大であり、現状のスタッフではその すべてをカバーすることはかなり困難であるが、我々の教室では以下に述べることを中心として研究を進めてい る。 1) 医療情報システムの開発と研究 医学知識は最近著しく増加しているため、臨床の現場に必要とされる知的情報を迅速に提供することは、情 報科学の支援なくしては不可能な状況である。このことは、臨床研究においてはもっと切実な問題であり、医 療情報学の先進国である米国では、 臨床研究の質は病院情報システムの質によって決まるとさえいわれている。 当院の病院情報システムは、医事会計システムに端を発し、各種の部門システムを備え、オーダリングシステ ムを完備しつつあるものであり、我が国において最大級の規模を誇るシステムである。当教室では、この現行 の病院情報システムの改良に努力するとともに、身近な端末から必要な情報を迅速かつ容易に入手できるよう な近未来の医療情報システムの設計・開発を行っている。特に平成 16 年 4 月には電子カルテシステム、医療 行為実施入力システム、データウェアハウスシステムを稼動させ、総合的病院情報システムはほぼ完成した。 2)電子カルテシステムの開発 ところで、本学の医療管理情報学教室(医療情報部)は 「 カルテ部 」 がその発生母体となっているが、カル テや X 線フィルムに代表される診療情報の管理とシステム化は、本学の医療情報部にとって重要な課題のひ とつである。このシステム化の一つの理想型が電子カルテであり、実用化の段階をむかえつつある。完全な電 子カルテ化への過渡的なシステムともいうべきものに、カルテをイメージとして光ディスクに記録して管理す る、電子ファイリングシステムを応用したシステムがある。本院では 1990 年より設置され、現在入院カルテ についてはすべて電子ファイリングに入力されるようにシステム化されている。これは、本学附属病院の規模 では全国的に見ても最も進んだもののひとつである。また、完全な電子カルテの実現にむけて、言語解析理論 や分散システム構築理論等の理論的な背景に関する基礎的な研究を持続して行っている。平成 16 年 4 月から は電子カルテシステムの本格運用を行っている。 3)画像情報システム (PACS) の構築 画像情報は医療の中でも必須の情報であり、病院情報システムの中で画像情報システムの果す役割は大きい。 本学医学部附属病院では、全国でも有数の規模の画像ファイリングシステムが稼働中であり、放射線部との共 同研究で PACS (Picture Archiving and Communication System) 構築に向けてシステム開発を行なっている。 それと平行して、PACS についてのシステム評価、システム設計に関する研究も行っている。 4)コンピュータ診断支援 複雑できわめて多くの正確な知識が必要とされる医学的診断において、コンピュータを使用して医師の負担 を少しでも軽くしょうというのが、コンピュータ診断支援の目的である。この分野では、心電図のコンピュー タによる自動診断が実用化レベルに至ったという大いなる成功例がある。病院情報システムや PACS におい ては、今後の中心課題はその「知能化」にあるといわれている。この分野で現在比較的盛んなものに、ニュー ラルネットワークの応用がある。本教室では、ニューラルネットワークの応用に関して、現在精力的に研究を 進めているところである。血液検査結果の診断、心電図診断並びに、画像診断に関して成果をあげている。 5)病院管理学と医療経済学 病院機能評価、医療評価が遅れているために、効率的な診療や病院経営がなおざりにされてきた。病名、検 査件数、手術成績、処方数、在院日数、死亡率、予後などいくつかの因子を分析し、良質な医療とはなにかを 数値指標でもって示す。さらに、包括的な医療費支払制度(DPC)についても医療経済学的な視点からの研 究を進めている。 6)インフォームドコンセントの定量的解析 患者と医師・医療者とのコミュニケーションがうまく行われているのかどうかを定量的に分析するために、 情報連携基盤センターの情報基盤システムデザイン研究部門と医工連携を行い、言語解析システムを開発して いる。 ─ 89 ─ 分子総合医学専攻 高次医用科学講座 Ⅳ 指導方針など ・医療情報学および病院管理学に興味ある医師ならば、卒業年数に関わらず受入れ可能である。 ・医療情報学の基礎から応用まで、医療情報学の研究者としての見識が習得できるように指導する。医療情報学 の研究手段として、コンピュータの果たす役割は大きいので、その利点および欠点をよく理解してもらうとと もに、利用方法を修得させる。同様に重要な役割を果たす数理統計学についても、基礎から医学応用まで、医 療情報学の研究者としての見識が身につくように指導する。 ・病院管理学的分析手法についても指導する。 ・研究そのものが仕事、業務につながるので、研究に費やす時間は十分ある。 Ⅴ 大学院生の業績(学会発表) 1. Yoshihiro Ota, Kazunobu Yamauchi: Is Regulating the Number of Beds Effective in Controlling National Medical Expenditure? Japan Hospital 16: 25-30, 1997 2. Ning Ouyang, Mitsuru Ikeda, Kazunobu Yamauchi: Use of an artificial neural network to analyze an ECG with QS complex in V1-2 leads. Medical & Biological Engineering & Computing 35(5): 556-560, 1997 3. Ning Ouyang, Kazunobu Yamauchi: Using a Neural Network to Diagnose the Hypertrophic Portions of Hypertrophic Cardiomyopathy. MD Computing 15(2): 106-109, 1998 4. Zhixing Xu, Kazunobu Yamauchi, Mitsuru Ikeda, Shu Yang, Yoshinori Hasegawa: Evaluation of a PC-based teleconferencing system for reading chest Radiographs. Journal of Telemedicine and Telecare 5(2): 122-125, 1999 5. Ning Ouyang, Wing-Kai Lam, Kazunobu Yamauchi, Lei Xu: Using an Improved Back-Progagation Learning Method to Diagnose the Sites of Cardiac Hypertrophy. MD Computing 16(1): 79-81,1999 6. Shu Yang, Kazunobu Yamauchi, Makoto Nonokawa, Mitsuru Ikeda: Use of anaartifical neural network to differentiate between ECGs with IRBBB patterns of atrial septal defect and healthy subjects. Medical Informatics and the Internet in Medicine 27(1): 49-58, 2002 7. Run Zhang, Kazunobu Yamauchi, Makoto Nonokawa, Mitsuru Ikeda, Wenping, Zhang, Damin Huang: Performance of a collaboration system for coronary cineangiogram video images. Journal of Telemedicine and Telecare, 2004 Ⅵ 大学院修了者の進路 情報化時代にあって、 病院情報システムや情報処理に明るい人材が求められている。研究者として医療情報学、 放射線医学、病院管理学、循環器病学などにも幅広いニーズがある。また研究施設や中規模以上の病院などにお いても病院情報システムに明るい人材が求められており、進路は前途洋洋たるものがある。 Ⅶ 過去5年間の代表論文・著書 1. Hiroaki Miyazima, Kazunobu Yamauchi, Kunio Yagi, and Masashi Tanaka, Jian-Sheng Gong, Jin Zhang, Makoto Yoneda, Ko Sahashi, Hiroaki Miyazima, Kazunobu Yamauchi, Kunio Yagi, and Masashi Tanaka: Mitochondrial Genotype Frequent in Centenarians Predisposes Resistance to Adult-Onset Diseases. J. Clin. Biochem. Nutr 24: 105-111, 1998 2. Katsuhiko Kato, Kazuhiro Shimamoto, Takeo Ishigaki, Rie Nimi, Tsuneo Ishiguchi, Takeo Mimura, Kazunobu Yamauchi, Mitsuru Ikeda, and Akira Iwata. An experimental teleradiology transmission system using a high-speed ATM backbone ─ 90 ─ 分子総合医学専攻 高次医用科学講座 network. Journal of Telemedicine and Telecare. l6(2): 114-118, 2000 3. Mitsuru Ikeda, Takeo Ishigaki, Kazunobu Yamauchi: A Signal-Detection Experiment Measuring The Effect of ComputerAided Detection on Radiologists' Performance. Medical Decision Making 20(3): 343-351, 2000. 4. Kazunobu Yamauchi, Mitsuru Ikeda, Yoshihiro Ota, Shu Yang, Takeo Ishigaki, Eiichiro Itouji, Shuji Adachi, Shouzou Hirota, Michio Kohno: Evaluation of the Space Collaboration System: Its History, Image Quality, and Effectiveness for Joint Case Conference. Nagoya J Med Sci 63(1,2): 19-24, 2000 5. Mitsuru Ikeda, Shigeki Itoh, Takeo Ishigaki, Kazunobu Yamauchi: Application of resampling techniques to the statistical analysis of the Brier score. Methods of Information in Medicine 40: 259-264, 2001 6. Mitsuru Ikeda, Takeo Ishigaki, Kasunobu Yamauchi: Relationship between Brier score and area under the binormal ROC curve. Computer Methods and Programs in Biomedicine 67: 187-194, 2002 7. Hiroaki Shimokawa, Katsuhiko Hiramori, Hiroyuki Iinuma,,Saichi Hosoda, Hiroshi Kishida, Hirofumi Osada, Takashi Katagiri, Kazunobu Yamauchi, Yoshiki Yui, Takazo Minamino, Mitsuyoshi Nakashima, Kazuzo Kato: Anti-anginal Effect of Fasudil, a Rho-Kinase Inhibitor, in Patients with Stable Effort Angina: A Multicenter Study. J Cardiovasc Pharmacol 40(5): 751-761, 2002 8. Hiroyuki Shiotsuki, Yoshikazu Okada, Yoichi Ogushi, Yutaka Tsutsumi, Ichiro Kuwahira, Naoki Kawai, Kazunobu Yamauchi: Evaluation of Image Qualities on the International Standard Video-conferencing. Tokai J Exp Clin Med 28(4): 151-160, 2003 9. Mitsuru Ikeda, Takeo Ishigaki, Kazunobu Yamauchi: How to Establish Equivalence between Two Treatments in ROC Analysis. Proc. In SPIE 5034: 383-392, 2003 * ─ 91 ─ 分子総合医学専攻 先端応用医学講座 分子標的治療学 Ⅰ 教室の沿革・特色 本研究部門は 1965 年4月に医学部付属医真菌研究施設として発足して以来、Candida 酵母をはじめとする病 原真菌を研究材料として、病原因子及び感染機構の究明、さらにそれらの分子細胞生物学的基盤の解明をめざし て研究を行っている。また他方、皮膚科教室との共同研究により、本邦最初の Protothecosis の発見、第2番目の Coccidioidomycosis(コクシディオイデス症)の報告、あるいは小児科教室との共同研究による真菌アレルゲンの 同定と解析等、臨床各科との共同研究も活発に行われてきている。移植医療等の医療の高度化や末期癌などの易 感染患者のケアの必要性が認識されるにつれ、真菌とその感染についての基礎から臨床応用に至るまでの幅広い 理解が求められている。またそれは、発症者のほぼすべてに真菌感染が見られるエイズの世界的な蔓延にいまや 緊急の課題である。また本研究部門では病原微生物としての Candida 酵母ばかりでなく、最も基本的な真核細胞 として酵母細胞を捉え、そのゲノム、形態、生活様式など多面的なアプローチを試みながら研究を進めている。 Ⅱ スタッフ 教 授 菊 池 韶 彦(理博) 教 授 中 川 善 之(理博) 講 師 神 戸 俊 夫(医博) 助 手 紅 朋 浩(理博) 助 非常勤研究員 種子田 艶(博士(医学)) 大 学 院 生 川 岸 美 佳、アマドウ ジャロ、ワニー バスキ、今 西 貴 之 岡 田 公 一 技術専門職員 水 口 幾久代 Ⅲ 研究分野・内容 ・Candida 酵母のストレスと遺伝子転写制御(中川) 病原性酵母が侵襲をめざす生体内は、低栄養、活性酸素などのストレス環境下である。過酷な環境に耐えて 生残してこそ感染を成立させることができる。そのような環境下でのカタラーゼ遺伝子をはじめとする関連諸 遺伝子の転写制御機構の解明をめざしている。 ・真菌を用いた細胞骨格の動態に関する研究(紅) 真核生物の成長、増殖の制御に深くかかわっている細胞骨格について、分子レベルでの解析が容易な真菌を 用い、分子細胞生物学的手法で解析している。特に、数多くの抗ガン剤や抗真菌剤の標的となっているチュー ブリン・微小管系に注目しており、その機能実現の仕組みや、阻害剤の作用機作・阻害剤耐性メカニズムの解 明をめざしている。 ・真菌の種および株間識別系の開発(神戸) 代表的な真菌感染症であるカンジダ症、 アスペルギルスおよび皮膚糸状菌症は、薬剤感受性(耐性菌を含む) や感染力の異なる様々な真菌種により引き起こされる。したがって、的確な診断・治療と感染予防には、真菌 を種および株レベルで迅速・正確に同定する系の存在が必要となる。2 型 DNA topoisomerase 遺伝子を標 ─ 92 ─ 分子総合医学専攻 先端応用医学講座 的とした“種”同定から、rRNA 遺伝子および反復配列を標的とした“株”間識別系の確立を進めている。 ・ヒトから酵母まで共通した遺伝子群の酵母による機能解析(菊池) ヒトやマウスの DNA トポアイソメレースは酵母の酵素(生育に必須)の替りをすることができる。これを 利用してヒトやマウスの DNA トポアイソメレースの構造や機能の分子遺伝学的解析が可能になる。また同様 の手法を用いることにより、高等生物の細胞内では機能の分かっていない遺伝子の役割を推測することができ る。ここでは染色体機能に関わるタンパク質複合体、たとえばヌクレオソーム形成因子、クロマチンリモデリ ング因子、サイレンシング因子などの解析を進めている。 Ⅳ 指導方針など 研究の原動力となるのは、純粋で極めて素朴な知的好奇心である。医真菌学はまだまだ幼若な分野であり、好 奇心をくすぐる研究対象にはいとまがない。しかし、 (基礎)研究を通じて、医療あるいは社会に貢献するために は、超一流のアイデアを元に、地道で着実な努力を重ねなければならない。ここでは、“何が最も大切な問題であ り、その解決にはどうすればよいか”ということを、日頃の研究生活を通じて身につけてもらいたい。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Iwaguchi, S. -I. et al. (1992) Clonal variation of chromosome size derived from rDNA cluster region in Candida albicans. J. Gen. Microbiol. 138: 1177-1184 2. Iwaguchi, S. -I. et al. (1992) Isolation and characterization of a repeated sequence (RPS1) of Candida albicans. J. Gen. Microbiol. 138: 1893-1900 3. Chindamporn, A. et al. (1993) Clonal size-variation of rDNA cluster region on chromosome XII of Saccharomyces cerevisiae. J. Gen. Microbiol. 139: 1409-1415 4. Chibana, H. et al. (1994) Diversity of tandemly repetitive sequences due to short periodic repetitions in the chromosomes of Candida albicans. J. Bacteriol. 176: 3851-3858 5. Chindamporn, A. et al. (1995) Analysis of the chromosomal localizaiton of the repetitive sequences (RPSs) in Candida albicans. Microbiol. 140: 469-476 6. Chibana, H. and Tanaka, K. (1996) Analysis of the cell cycle in the budding yeast Candida albicans by positioning of chromosomes by fluorescence in situ hybridization (FISH) with repetitive sequences. Genes to Cells 1: 727-740 7. Kim Kil-Hwan. et al. (1999) Cloning and characterization of the gene encoding Aspergillus nidulans DNA topoisomerase II. Gene 236: 293-301 8. K.-H.KIM, T.KANBE, T.AKASHI, I.MIZUGUCHI, A.KIKUCHI (2002) “Identification of a single nuclear localization signal in the C-terminal domain of an Aspergillus DNA topoisomerase II” Mol. Genet. Genom. 268, 287-297 9. Sakaguchi, A. et al. (2001) A distinct subnuclear localization of mammalian DNA topoisomerase IIβ in yeast. Biochem. Biophys. Res. Commun. 283: 876-882 10. Sakaguchi, A. et al. (2002) Epitope distribution of randomly established monoclonal antibodies against human type II DNA topoisomerases. J. Biochem. (Tokyo) 132: 409-416. 11. A.SAKAGUCHI, A.KIKUCHI (2004). “Functional compatibility between isoform □ and □ of type II DNA topoisomerase” J Cell Sci. 117, 1047-1054 ─ 93 ─ 分子総合医学専攻 先端応用医学講座 12. T. Taneda and A. Kikuchi (2004)” Genetic analysis of RSC58, a component of yeast chromatin remodeling complex, interacting with Swi6 transcription factor.” Mol. Gen. Genomics 271 479-489 Ⅵ 大学院修了者の進路 岩 口 伸 一 平成 4 年 3 月修了 奈良女子大学理学部生物学教室 知 花 博 治 平成 7 年 3 月修了 千葉大学真菌医学研究センター チンダンポーン・アリヤ 同上 タイ国チュラロンゴン大学帰任 金 佶 奐 平成 13 年 3 月修了 米国テキサス大学サウスウェスタンメディカルセンター 阪 口 亜矢子 平成 15 年 3 月修了 スイスジュネーブ大学 種子田 艶 平成 16 年 3 月修了 非常勤研究員 Ⅶ 過去5年間の代表論文 1. Koyama, T. et al. (2000) Characterization of a major antigenic component for IgE antibodies in sera of patients with atopic dermatitis. Microbiol. Immunol, 44: 373-379 2. Koyama, T. et al. (2001) Antigenic components of Malassezia species for immunoglobulin E antibodies in sera of patients with atopic dermatitis. J. Dermatol. Sci. 26: 201-208 3. Koyama, T. et al. (2002) Effects of topical vehicles on growth of the lipophilic Malassezia species. J Dermatol Sci. 29: 166-170. 2002. 4. Kamiya, A. et al. (2004) PCR and PCR-RFLP techniques targeting the DNA topoisomerase II gene for rapid diagnosis of the etiologic agent of dermatophytosis. J. Dermatol. Sci., 34: 35-48 clinical 5. Kato, M. et al., (2001) Phyrogenetic relationship and mode of evolution of yeast DNA topoisomerase II gene in the pathogenic Candida species. Gene, 272: 275-281 6. Kanbe, T. et al.,(2002) Identification of the pathogenic Aspergillus species by nested PCR using a mixture of specific primers to DNA topoisomerase II gene. Microbiol. Immunol. 4 6:841-8 7. Kanbe, T. et al. (2002) PCR-based identification of pathogenic Candida species using primer mixes specific to Candida DNA topoisomerase II genes. Yeast. 19: 973-989 8. Kanbe, K. et al. (2003) Species-identification of dermatophytes Trichophyton, Microsporum and Epidermophyton by PCR and PCR-RFLP targeting of the DNA topoisomerase II genes. J. Dermatol. Sci., 33: 41-54, 9. Kanbe, T. et al. (2003) Improvements of PCR-based identification targeting the DNA topoisomerase II gene to determine major species of the opportunistic fungi Candida and Aspergillus fumigatus. Microbiol. Immunol, 47: 631-618 10. Yoshikawa, Y. et al. (2002) Daunomycin triggers blebbing and breakage of giant DNA encapsulated in a cell-sized liposome. Chem. Phys. Lett. 366: 305-310 11. Yoshikawa, K. et al. (2002) All-or-none folding transition in giant mammalian DNA. Chem. Phys. Let. 354: 354-359 12. Yoshikawa, Y. (2003) Ascorbic acid induces a marked conformational change in long duplex DNA. Eur. J Biochem., 270:3101-3106 13. Kodama, S. et al. (2003) Enantioseparation of imazalil residue in orange by capillary electrophoresis with 2-hydroxypropylβ-cyclodextrin as a chiral selector. J. Agric. Food Chem. 51: 6128-6131 ─ 94 ─ 分子総合医学専攻 先端応用医学講座 14. Matsuzawa, S. et al. (2004) Compaction and multiple chain assembly of DNA with the cationic polymer poly (alminum chroride) (PAC). Langmuir, 20: 6439-6442 15. Nakagawa, Y. et al. (2003) Disruption of the human pathogenic yeast Candida albicans catalase gene decreases survival in mouse-model infection and elevates susceptibility to higher temperature and to detergents. Microbiol. Immunol. 47:395-403 16. Nakagawa, Y. et al. (2004) Recurrent isolation of an uncommon yeast, Candida pararugosa, from a sarcoma patient. Med. Mycol. 42: 267-271 17. Iwaguchi, S-I. et al. (2004) Chromosome translocation induced by the insertion of the URA3 blaster into the major repeat sequence (MRS) in Candida albicans. Yeast 21: 619-634 18. Shimizu, Y. et al. (2000) NBP1 (Nap Binding Protein 1), an essential gene for G2/M transtion of Sacchromyces cerevisiae, encodes a protein of distinct sub-nuclear localization. Gene, 246: 395-404 19. Akashi, T. (2001) Divergencies of γ -tubulin and γ -tubulin-related proteins. Plant Morph., 13: 21-30 20. Horio, T. et al. (2002) Molecular and structural characterization of the spindle pole bodies in the fission yeast Schizosaccharomyces japonicus var. japonicus. Yeast 19: 1335-1350 21. Miyaji-Yamaguchi, M et al. (2003) Involvement of nucleocytoplasmic shuttling of yeast Nap1 in mitotic progression. Mol. Cell. Biol. 2003 23:6672-84. 22. Shimamura, M. et al. (2004) Gamma-tubulin in basal land plants: characterization, localization, and implication in the evolution of acentriolar microtubule organizing centers. Plant Cell. 16 :45-59 23. Y.OKADA et al. (2000) "Assignment of functional aminoacids around the active site of human DNA topoisomerase II�" J.Biol.Chem. 275, 24630-24638 24. Y.OKADA et al. (2001)"Atypical multidrug resistance may be associated with catalytically active mutants of human topoisomerase II □ " Gene 272, 141-148 25. A.NIIMI et al. (2001)"Co-lopcalization of chiken DNA topoisomerease II □ , but not □ , with sites of DNA replication and possible involvement of a C-terminal region of a through its binding to PCNA" Chromosoma 110, 102-114 26. M.KOBAYASHI et al. (2001)"Decreased topoisomerase IIa expression confers increased resistance to ICRF-193 as well as VP-16 in mouse embryonic stem cells" Cancer Letters 166, 71-77 27. K.TSUTSUI et al. (2001)"Involvement of DNA topoisomerase II □ in neuronal differentiation" J.Biol.Chem. 276, 5769-5778 28. A.WATANUKI (2002) ”Prognostic significance of DNA topoisomerase II a expression in human hepatocellular carcinoma” Anticancer Res. 22, 1113-1120 29. K.MATOBA et al. (2002) “Three-dimentional electron microscopy of the reverse gyrase from Sulfolobus tokodai” Biochem. Biophys. Res. Comm. 297, 749-755 30. M. TANAKA et al. (2002)"Gene therapy for mitochondrial disease by delivering restriction endonuclease SmaI into mitochondria" J. BIOMED.SC. 9, 534-541 31. N.AKIMITSU et al. (2003) “Induction of apoptosis by depletion of DNA topoisomerase II □□ in mammalian cells” Biochem. Biophys. Res. Comm. 307, 301-307 32. N.SUDA et al. (2003) “Function of the loop residue Thr792 in human DNA topoisomerase II □ ” Biochem. Biophys. Res. Comm. 303, 46-51 33. N. Suda et al. (2004). “The alpha4 residues of human DNA topoisomerase IIalpha function in enzymatic activity and anticancer drug sensitivity.” Nucleic Acids Res. 32: 1767-1773 ─ 95 ─ 分子総合医学専攻 先端応用医学講座 34. K. OHKUNI et al. (2003) “Genome-wide expression analysis of NAP1 in Saccharomyces cerevisiae” Biophys. Biochem. Res. Comm. 306, 5-9 35. K.OHKUNI et al. (2003) “Yeast Nap1 binding protein Nbp2p is required for mitotic growth at high temperatures and for cell wall integrity” Genetics 165, 517-529 ─ 96 ─ 分子総合医学専攻 先端応用医学講座 神経遺伝情報学 Ⅰ 教室の沿革・特色 生体防御学部門は世界に先駈け無菌動物の飼育に成功した宮川正澄教授(病理学第1教授併任)によって無菌 動物研究施設第1部門として創設され、その後、浅井純平第2代教授(病理学第1教授へ転任) 、名倉宏第3代教 授(東北大学へ転出) 、吉開泰信第4代教授(平成 14 年8月 九州大学へ転出)が、教室を主催され、感染免疫の 分子基盤の構築の解明に寄与して来た。 平成 16 年9月、大野の着任に伴い、神経・主要分子医学センターの神経学研究部門の一翼を担うべく、新たに 出発をすることになった。 Ⅱ スタッフ 教 授 大野欽司 助 手 増田章男 研究補助員 板野恵子、西川あゆ美 Ⅲ 研究分野・内容 疾患におけるスプライシング異常 ヒトの multi-exon genes の 74% は alternative splicing を受けることが知られており、alternative splicing に 関与するタンパクの組織特異的また発達段階特異的な発現調節により限られた数の遺伝子から多様な遺伝子産 物を生成している。この alternative splicing に関与する splicesome タンパクの発現異常により疾患が起きる。 一方、エクソンおよびイントロン上の点変異が、alternative splicing に関与する cis-acting elements を破壊し、 aberrant splicing を起こすことも知られている。 当研究室では、これら alternative splicing の分子機構の同定、および治療オプションを視野に入れた alternative splicing 修飾分子の同定を行っていく。 既認可薬のスプライシング異常症に対する薬効スクリーニング Thalidomide の抗腫瘍効果など、既認可薬には知られていない薬効が期待されるものが存在する。米国では NIH の主導のもとに、1000 種類の FDA 認可薬のスクリーニングが各種疾患モデルシステムを用いて行われて いる。このプロジェクトの成果として、家族性自律神経失調症において高頻度に認められる IKBKAP 遺伝子の スプライシング変異に対して、皮膚老化防止薬 kinetin が著効を示すことが報告された。この FDA 認可薬およ び日本だけで認可されたユニークな薬剤を用いて、各種遺伝子におけるスプライシング異常を補正する薬剤を同 定し、その分子機構の解明を行っていく。 細胞外マトリックスタンパクの遺伝子治療 従来、培養細胞レベルでの遺伝子治療は、多くの疾患モデルにおいて成功を収めてきている。しかし、標的組 織および標的細胞に目的とする遺伝子を発現させるためのターゲッティングが一般に困難であり、固体レベルで の成功例は少ない。細胞外マトリックスタンパクは細胞内タンパクと同様に組織特異的に発現するが、タンパク 自体が、細胞外マトリックスへの anchoring signals を有していると考えられる。そこで、細胞外マトリックス ─ 97 ─ 分子総合医学専攻 先端応用医学講座 タンパクが欠損している病態において、自己リンパ球を正常組み換え遺伝子で transform し、血中に細胞外マト リックスタンパクを産生させることにより、組み換えタンパクが標的細胞外マトリックスに移行すると期待され る。この手法を開発するための基礎的な研究を行っていく。 先天性筋無力症候群の研究 先天性筋無力症候群は、神経筋接合部分子の先天的遺伝子変異により神経筋接合部の信号伝達が障害をされる 疾患群である。ニコチン作動性骨格筋アセチルコリンレセプター、アセチルコリンレセプターを終板に集積させ る細胞内構造タンパク rapsyn、アセチルコリンエステラーゼをシナプス基底幕に係留する collagen Q、さらに、 神経終末においてコリンからアセチルコリンを再合成するコリンアセチルトランスフェラーゼの遺伝子変異の解 析を従来行ってきた。さらに、ほかの神経筋接合部分子においても遺伝子変異を同定しており、それらのタンパ クおよび細胞レベルの解析を行う。 siRNA 設計アルゴリズムの構築 現在、siRNA の設計においては、企業が提供をする高価なアルゴリズムを用いるか、数多くの siRNA を設計し、 試行錯誤を繰り返す必要がある。当研究室では、既発表のデータを用いて、最適アルゴリズムのインプリメント が行った。このアルゴリズムの有効性を今後検討していく。また、SELEX 法による panning を行い、siRNA と して避けるべき配列、また好ましい配列を同定していく。 Ⅳ 指導方針など 当研究室は、 「若い」教室で、大学院生の興味・希望に応じて、上記のメインテーマのいずれかに沿った研究テー マを新しく走らせることが可能であり、そのための努力は惜しまないつもりである。 Ⅴ 大学院生の業績 (な し) Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. Wang H-L, Milone M, Ohno K, Shen X-M, Tsujino A, Batocchi AP, Tonali P, Brengman JM, Engel AG, and Sine SM. Acetylcholine receptor M3 domain: stereochemical and volume contributions to channel gating. Nature Neuroscience 1999; 2: 226-233. 2. Ohno K, Anlar B, Engel AG. Congenital myasthenic syndrome caused by a mutation in the Ets-binding site of the promoter region of the acetylcholine receptor ε subunit gene. Neuromuscular Disorders 1999; 9:131-135. 3. Middleton L, Ohno K, Christodoulou K, Brengman JM, Milone M, Neocleous V, Serdaroglu P, Deymeer F, Özdemir C, Mubaidin A, Horany K, Al-Shehab A, Mylonas I, Tsingis M, Zamba E, Pantzaris M, Kyriallis K, Engel AG. Chromosome 17p linked myasthenia stem from defects in the acetylcholine receptor ε subunit gene. Neurology 1999; 53: 1076-1082. 4. Ohno K, Brengman JM, Felice KJ, Cornblath DR, Engel AG. Congenital endplate acetylcholinesterase deficiency caused by a nonsense mutation and an A-to-G splice donor site mutation at position +3 of the collagen-like tail subunit gene (COLQ): How does G at position +3 result in aberrant splicing? Am J Hum Genet 1999; 65: 635-644. 5. Quiram PA, Ohno K, Milone M, Patterson MC, Pruitt NJ, Brengman JM, Sine SM, Engel AG. Molecular defect underlying ─ 98 ─ 分子総合医学専攻 先端応用医学講座 congenital myasthenic syndrome reveals interaction between acetylcholine receptor β and δ subunits essential for assembly. J Clin Invest 1999; 104: 1403-1410. 6. Ohno K, Engel AG, Brengman JM, Shen X-M, Heidenrich FR, Vincent A, Milone M, Tan E, Demirci M, Walsh P, Nakano S, Akiguchi I. The spectrum of mutations causing endplate acetylcholinesterase deficiency. Ann Neurol 2000; 47: 162-170. 7. Wang H-L, Ohno K, Milone M, Brengman JM, Evoli A, Batocchi A-P, Middleton, LT, Christodoulou K, Engel AG, Sine SM. Fundamental gating mechanism of nicotinic receptor channel gating revealed by mutation causing a congenital myasthenic syndrome. J Gen Physiol 2000; 116: 449-462. 8. Iwami KI, Matsuguchi T, Masuda A, Kikuchi T, Musikacharoen T, Yoshikai Y. Cutting edge: naturally occurring soluble form of mouse Toll-like receptor 4 inhibits lipopolysaccharide signaling. J Immunol 2000; 165: 6682-6686. 9. Masuda A, Matsuguchi T, Yamaki K, Hayakawa T, Kubo M, LaRochelle WJ, Yoshikai Y. Interleukin-15 induces rapid tyrosine phosphorylation of STAT6 and the expression of interleukin-4 in mouse mast cells. J Biol Chem 2000; 275: 29331-29337. 10. Ohno K, Tsujino A, Brengman JM, Harper CM, Bajzer Z, Udd B, Beyring R, Robb S, Kirkham F, Engel AG. Choline acetyltransferase mutations cause myasthenic syndrome associated with episodic apnea in humans. Proc Natl Acad Sci U.S.A. 2001; 98: 2017-2022. 11. Sahashi K, Yoneda M, Ohno K, Tanaka M, Ibi T, Sahashi K. Functional characterization of mitochondrial tRNATyr mutation (5877G → A) associated with familial chronic progressive external ophthalmoplegia. J Med Genet 2001; 38: 703-705. 12. Masuda A, Matsuguchi T, Yamaki K, Hayakawa T, Yoshikai Y. Interleukin-15 prevents mouse mast cell apoptosis through STAT6-mediated Bcl-xL expression. J Biol Chem 2001; 276: 26107-26113. 13. Shapira Y, Sadeh ME, Bergtraum MP, Tsujino A, Ohno K, Shen X-M, Brengman JM, Edwardson S, Matoth I, Engel AG. Three novel COLQ mutations and variation of phenotypic expressivity due to Q240X. Neurology 2002; 58: 603-609. 14. Ohno K, Engel AG, Shen X-M, Selcen D, Brengman JM, Harper CM, Tsujino A, Milone M. Rapsyn mutations in humans cause endplate acetylcholine receptor deficiency and myasthenic syndrome. Am J Hum Genet 2002; 70: 875-885. 15. Byring RF, Pihko H, Tsujino A, Shen X-M, Gustafsson B, Hackman P, Ohno K, Engel AG, Udd B. Congenital myasthenic syndrome associated with episodic apnea and sudden infant death. Neuromuscular Disorders 2002; 12: 548-553. 16. Sine SM, Shen X-M, Wang H-L, Ohno K, Lee W-Y, Tsujino A, Brengman JM, Bren N, Vajsar J, Engel AG. Naturallyoccurring mutations at the acetylcholine receptor binding site independently alter ACh binding and channel gating. J Gen Physiol 2002; 120: 483-496. 17. Shen X-M, Ohno K, Fukudome T, Tsujino A, Brengman JM, DeVivo DC, Packer RJ, Engel AG. Congenital myasthenic syndrome caused by low-expressor fast-channel acetylcholine receptor δ subunit mutation. Neurology 2002; 59: 1881-1888. 18. Masuda A, Yoshikai Y, Aiba K, Matsuguchi T. Th2 cytokine production from mast cells is directly induced by lipopolysaccharide and distinctly regulated by c-Jun N-terminal kinase and p38 pathways. J Immunol 2002; 169: 3801-3810. 19. Shen X-M, Ohno K, Tsujino A, Brengman JM, Gingold M, Sine SM, Engel AG. Mutation causing severe myasthenia reveals functional asymmetry of AChR signature cysteine loops in agonist binding and gating. J Clin Invest 2003, 111: 497-505. 20. Ohno K, Sadeh M, Blatt I, Brengman JM, Engel AG. E-box mutations in RAPSN promoter region in eight cases with congenital myasthenic syndrome. Hum Mol Gen 2003; 12: 739-748. 21. Tsujino A*, Maertens C*, Ohno K, Shen X-M, Fukuda T, Harper CM, Cannon SC, Engel AG. Myasthenic syndrome caused by mutation of SCN4A. Proc Natl Acad Sci U.S.A. 2003; 100: 7377-7382. *Equal contribution. 22. Matsuguchi T, Masuda A, Sugimoto K, Nagai Y, Yoshikai Y. JNK-interacting protein 3 associates with Toll-like receptor 4 and is involved in LPS-mediated JNK activation. Embo J 2003; 22: 4455-4464. ─ 99 ─ 分子総合医学専攻 先端応用医学講座 23. Ohno K, Engel AG. Lack of founder haplotype for rapsyn N88K mutation: N88K is an ancient founder mutation or arises from multiple founders. J Med Genet 2004; 41: 8e. 24. Kimbell L*, Ohno K*, Engel AG, and Rotundo R. C-terminal and heparin domains of ColQ are both essential for anchoring acetylcholinesterase at the synapse. J Biol Chem 2004; 279: 10997-11005. *Equal contribution. 25. Ohno K, Milone M, Shen X-M, Engel AG. A frameshifting mutation in CHRNE unmasks skipping of the preceding exon. Hum Mol Gen 2003; 12: 3055-3066. 26. Selcen D, Ohno K, Engel AG. Myofibrillar myopathy. Clinical, morphologic, and genetic studies in 63 patients. Brain 2004; 127: 439-451. 27. Cai Y, Cronin CN, Engel AG, Ohno K, Hersh LB, Rodgers DW. Crystal structure of choline acetyltransferase reveals an unexpected distribution of mutations that cause congenital myasthenic syndrome. EMBO J 2004; 23: 2047-2058. 28. Banwell BL, Ohno K, Sieb JP, Engel AG. Novel truncating RAPSN mutations causing congenital myasthenic syndrome responsive to 3,4-diaminopyridine. Neuromuscular Disorders 2004; 14: 202-207. 29. Abe T, Arai T, Ogawa A, Hiromatsu T, Masuda A, Matsuguchi T, Nimura Y, Yoshikai Y. Kupffer cell-derived interleukin 10 is responsible for impaired bacterial clearance in bile duct-ligated mice. Hepatology 2004; 40: 414-423. 30. Sugimoto K, Ohata M, Miyoshi J, Ishizaki H, Tsuboi N, Masuda A, Yoshikai Y, Takamoto M, Sugane K, Matsuo S, Shimada Y, Matsuguchi T. A serine/threonine kinase, Cot/Tpl2, modulates bacterial DNA-induced IL-12 production and Th cell differentiation. J Clin Invest 2004; 114: 857-866. 31. Musikacharoen T, Oguma A, Yoshikai Y, Chiba N, Masuda A, Matsuguchi T. Interleukin-15 induces IL-12 receptor β1 gene expression through PU.1 and IRF 3 by targeting chromatin remodeling. Blood 2004; in press. 32. Masuda A, Yoshikai Y, Kume H, Matsuguchi T. The interaction between GATA proteins and AP-1 promotes the transcription of interleukin-13 in mast cells. J Immunol 2004; in press. ─ 100 ─ 分子総合医学専攻 実験動物科学講座 実 験 動 物 科 学 Ⅰ 教室の沿革・特色 名古屋大学医学部附属施設は 1984 年 4 月に設置が認可された。初代施設長には星野宗光教授が就任し、鬼頭純 三助教授と動物実験委員会を中心に、当施設が科学的に高く評価される動物実験を行うための研究センターとな る事を目的として、設計と運営の原則が定められた。建物は 1986 年 3 月に竣工した。その後 1988 年に加藤延夫 教授、1992 年に竹内康浩教授、1994 年に鬼頭純三教授が施設長に就任した。当施設の建設準備の段階から施設の 管理運営に携わってきた鬼頭純三教授が定年退官された後、1998 年に杉浦康夫教授が、そして 1999 年には西村 正彦教授が施設長に就任した。2004 年 5 月に動物実験施設が医学教育研究支援センター実験動物部門に改組され、 センター長に濱口道成教授が就任した。 スタッフは教授1名、助手1名の合計2名であり、医学教育研究支援センター実験動物部門の管理運営業務と 実験動物学の教育研究業務を担っている。西村正彦教授の就任以来、研究面では主にマウス・ラットを用いたヒ トの各種疾患および病態モデルの開発・育成と、その原因遺伝子の解析をテーマとしている。最近ではポストゲ ノム時代を視野に入れ、"Forward Genetics( 順行遺伝学 )" の手法を用いて上記のテーマに積極的にアプローチし ている。 Ⅱ スタッフ 教 授 助 手 大 野 民 生 Ⅲ 研究分野・内容 種を越えた遺伝子の共通性の観点から、実験動物のマウス・ラットなどがヒトの生命機能全般を解明するうえ で優れたモデルとなりうることが分かってきた。特に、疾患が一つの遺伝子だけでなく複数の遺伝子によって起 こる場合、ヒトでその原因遺伝子を突き止めるのは難しいが、実験動物では遺伝育種学的手法によりさまざまな 遺伝子の組み合わせを作出し、複雑な疾患の原因究明に迫ることができる。本講座では実験動物においてヒトの 各種疾患および病態モデルを開発・育成し、その原因遺伝子を遺伝学的手法により解析している。 ・多因子疾患の体系的遺伝解析系としてのマウス・コンソミック系統群の育成とその応用 ・マウスを用いた寄生虫感染に対する宿主抵抗性遺伝子の解析 ・糖尿病モデル動物の開発とその病態および原因遺伝子の解析 Ⅳ 指導方針など ヒトおよび実験動物の最新ゲノム情報を取り入れ、実験動物でしかできない系統的な遺伝的解析法を駆使し て、複雑なヒトの疾患および未知の生物機能の解明に寄与することを目指した指導を行う。同時に、動物実験施 設という厳密にコントロールされた飼育環境下で、動物の生命福祉に充分に配慮した動物実験を指導する。 ─ 101 ─ 分子総合医学専攻 実験動物科学講座 Ⅴ 過去5年間の代表論文 1. Kobayashi M, Io F, Kawai T, Nishimura M, Ohno T, Horio F: SMXA-5 mouse is a diabetic model susceptible to feeding a high-fat diet. Biosci Biotechnol Biochem, 68(1):226-230, 2004. 2. Kobayashi M, Ohno T, Tsuji A, Nishimura M, Horio F: Combinations of non-diabetic parental genomes elict impaired glucose tolerance in mouse SMXA RI strains. Diabetes, 52(1):180-186, 2003. 3. Anunciado R V P, Nishimura M, Mori M, Ishikawa A, Tanaka S, Horio F, Ohno T, Namikawa T: Quantitative trait locus analysis of serum insulin, triglyceride, total cholesterol and phospholipid levels in the (SM/J × A/J)F2 mice. Exp Anim, 52(1):37-42, 2003. 4. Ohno T, Katoh J, Kikkawa Y, Yonekawa H, Nishimura M: Improved strain distribution patterns of SMXA recombinant inbred strains by microsatellite markers. Exp Anim, 52(5):415-417, 2003. 5. Ohno T, Ishih A, Wakana S, Nishimura M, Terada M: Mouse H2 haplotype influence on the survival rate after Angiostrongylus costaricensis infection. Exp Parasitol, 100(2):140-142, 2002. 6. Ohno T, Ishih A, Tanaka S, Nishimura M, Terada M: Chromosomal mapping of host susceptibility loci to Angiostrongylus costaricensis nematode infection in mice. Immunogenetics, 53(10-11):925-929, 2002. 7. Ohno T, Ishih A, Kohara Y, Yonekawa H, Terada M, Nishimura M: Chromosomal mapping of the host resistance locus to rodent malaria (Plasmodium yoelii) infection in mice. Immunogenetics, 53(9):736-740, 2001. 8. Ohno T, Kitoh J, Tanaka S, Nishimura M, Namikawa T: Diabetic cataract of the musk shrew (Suncus murinus, Insectivora) exhibiting spontaneous non-insulin dependent diabetes mellitus (NIDDM). Exp Anim, 50(5):431-433, 2001. 9. Ishih A, Ohno T, Nishimura M, Terada M: Genetic analysis of mortality in murine angiostrongyliasis costaricensis using SMXA recombinant inbred mouse strains. Parasitol Int, 49(4):335-338, 2000. 10. Ohno T, Horio F, Tanaka S, Terada M, Namikawa T, Kitoh J: Fatty liver and hyperlipidemia in IDDM (Insulin Dependent Diabetes Mellitus) of streptozotocin-treated shrews. Life Sci, 66(2):125-131, 2000. ─ 102 ─ 分子総合医学専攻 老化基礎科学講座 老 化 基 礎 科 学 〔国立 長寿医療センター研究所〕 Ⅰ 教室の沿革・特色 老化基礎科学教室は、名古屋大学の連携大学院医学系研究科として平成 12 年 国立療養所中部病院長寿医療研 究センター(以下センター)に発足した。当センター研究所は 平成 15 年度にナショナルセンターに格上げにな り国立長寿医療センター(National Center for Geriatrics and Gerontology)と名称を変更した。研究所は 13 部 5 省令室と拡張された。ここ大府は名古屋から快速で 13 分の所にあり、本校との行き来もさほど不便ではない。現 在所長及び老化機構研究部長が教授、老化制御研究部分子制御研究室長が助教授として客員辞令を得ているが、 その他に主として医学・生物学系の研究部長・室長がスタッフとして大学院生の教育、研究指導にあたっている。 老化の生物学はまちがいなく生物現象の解明であるが、我国では新しい学問であり、このような専門講座をも つ大学は我国ではまだほとんどない。老化は今日の生物学的技法ではなお解明の困難な面も少なくないが、社会 からの要求度も高く、正に 21 世紀最大の研究分野である。このことは科学雑誌 Science が SAGE KE(Science of Aging Knowledge Environment) (http://sageke.sciencemag.org/)を立ち上げたことからも明白である。当センターでは研究分野、技法は異 なっても等しく個体の老化の問題を頭の中心において研究を進めている。即ち遺伝子から個体までの各レベル での研究を総合して老化機構の解明及び各種の介入を通じての機能的寿命(functional life span, あるいは health span)の延長を目指している。当然アルツハイマー病・骨粗鬆症その他各種の加齢関連疾患(いわゆる老年病) の病因解明、予防・治療法の開発研究も強力に進めている。 Ⅱ スタッフ 教 授(客員) 田平 武(所長) <[email protected]> 教 授(客員) 磯部健一(老化機構研究部長) <[email protected]> 助教授(客員) 山下 均(老化制御研究部分子制御研究室長) <[email protected]> 疫学研究部長 下方浩史 <[email protected]> 長寿脳科学研究部長 伊藤健吾 <[email protected]> アルツハイマー病研究部病因遺伝子研究室長 駒野宏人 <[email protected]> アルツハイマー病研究部発症機序解析研究室長 道川 誠 <[email protected]> 老年病研究部 感覚器疾患研究室長 松浦 彰 <[email protected]> 老年病研究部 早期老化症研究室長 本山 昇 <[email protected]> 加齢動物育成室長 田中 愼 <[email protected]> 実験動物管理室長 丸山光生 <[email protected]> Ⅲ 研究分野・内容 ① 脳の老化機構と痴呆(田平) ② ストレスと加齢、遺伝子発現調節と加齢、加齢と免疫機能(磯部) ③ エネルギー制御/体熱制御の分子機構と老化(山下) ④ 老化及び老年病の疫学(下方) ─ 103 ─ 分子総合医学専攻 老化基礎科学講座 ⑤ 老化、高齢者神経疾患を対象とした機能画像医学(伊藤) ⑥ 分子免疫学(加齢と免疫記憶) 、細胞老化の分子生物学(丸山) ⑦ アルツハイマー病の生化学、分子生物学(駒野) ⑧ アルツハイマー病の神経生物学および脂質生化学(道川) ⑨ 染色体構築の分子細胞生物学、染色体不安定性症候群と老化(松浦) ⑩ 老化・老年病と DNA 傷害チェックポイントの分子生物学(本山) ⑪ 加齢実験動物科学(田中) Ⅳ 指導方針など 我国のみならず先進国、発展途上国を問わず、世界各国とも平均寿命の急速な延長により高齢化社会に急速に 突入しつつある。我国でも高齢化に伴い高齢者医療費の急騰、介護保険の導入など、対処すべき問題が山積して いる。当センターは高齢化問題の解決を目指し、単に医・生物学など基礎科学のみならず、リハビリテーション、 老人支援機器開発など幅広い研究活動を行っているが、本講座関連としてはセンター内で特に老化及び老年病の 基礎科学に関連する研究者が指導に当たる。老化の生物学は、分析的な手法を用いた 20 世紀生物学では克服で きず、個体を総合的にとらえる 21 世紀の生物学として、21 世紀初頭生物学上の最大の課題となろう。本センター は各研究部・研究室でそれぞれの角度から老化の問題を追及しているが、各研究者を横につなぐ命題として、“加 齢の生物学的機序並びに加齢関連疾患のリスクファクターとしての加齢”を常に考え研究に当たっている。ただ し老化基礎科学といっても狭い意味の基礎生物学にとらわれることなく、ポジトロン CT、脳磁図などをも駆使 した機能画像機器による高齢者脳機能診断、分子遺伝学的手法を用いた疫学研究など、本センターの特徴を生か したバラエティーに富んだ研究内容を整えている。もちろん、実験動物施設棟では加齢動物を常時提供できる体 制を整えている。各大学院生も一人一人は異なったテーマで異なった方法論を用いた研究を進めていくことにな るが、センター全体として共通命題への意識を徹底した研究指導を行う。最終的には一つ一つの研究が健康寿命 の延長という高齢化社会の切り札となることを目指した目的研究であることが、他の一般大学の研究とは異なっ ている点である。21 世紀の初頭に要求される老年学のブレークスルーを成し遂げることが期待されており、こ のような研究指導を通じ次世代の医生物学老年学(Biomedical Gerontology)研究の専門家を育成することを目 指している。以下に各スタッフの研究業績を示すので、興味あるテーマがあれば、各スタッフに直接 E-mail 等で 連絡をとって下さい。 詳しくはセンターのホームページをご覧下さい(http://www.nils.go.jp)。 Ⅴ 研究業績(一部) 1. Chui DH, Tanahashi H, Ozawa K, Ikeda S, Checler F, Ueda O, Suzuki H, Araki W, Inoue H, Shirotani K, Takahashi K, Gallyas F, Tabira T. Transgenic mice with Alzheimer presenilin 1 mutations show accelerated neurodegeneration without amyloid plaque formation. Nat Med 5: 560-4 (1999). 2. Tabira T, Chui DH, Kuroda S. Significance of intracellular Abeta42 accumulation in Alzheimer's disease. Front Biosci 7: a44-9 (2002). 3. Takeuchi A, Mishina Y, Miyaishi O, Kojima E, Hasegawa T, Isobe K. Heterozygosity with respect to Zfp148 causes complete loss of fetal germ cells during mouse embryogenesis. Nat Genet 33: 172-6 (2003). 4. Kojima E, Takeuchi A, Haneda M, Yagi A, Hasegawa T, Yamaki K, Takeda K, Akira S, Shimokata K, Isobe K. The function of GADD34 is a recovery from a shutoff of protein synthesis induced by ER stress: elucidation by GADD34deficient mice. FASEB J 17(11): 1573-5 (2003). ─ 104 ─ 分子総合医学専攻 老化基礎科学講座 5. Wang Z, Kontani Y, Sato Y, Mizuno T, Mori N, Yamashita H. Muscle type difference in the regulation of UCP3 under cold conditions. Biochem Biophys Res Commun 305: 244-249 (2003). 6. Yamashita H, Sato Y, Mori N. Differences in induction of uncoupling protein genes in adipose tissues between young and old rats during cold exposure. FEBS Lett 458: 157-161 (1999). 7. Yamada Y, Ando F, Niino N, Shimokata H: Association of a polymorphism of the matrix metalloproteinase-9 gene with bone mineral density in Japanese men. Metabolism 53(2): 135-137 (2004). 8. Shimokata H, Ando F, Niino N. A new comprehensive study on aging−the National Institute for Longevity Sciences, Longitudinal Study of Aging (NILS-LSA). J Epidemiol 10 (1 Suppl): S1-9 (2000). 9. Nagano AS, Ito K, Kato T, Arahata Y, Kachi T, Hatano K, Kawasumi Y, Nakamura A, Yamada T, Abe Y, Ishigaki T. Extrastriatal mean regional uptake of fluorine-18-FDOPA in the normal aged brain−an approach using MRI-aided spatial normalization. Neuroimage 11: 760-6 (2000). 10. Suzuki M, Hatano K, Sakiyama Y, Kawasumi Y, Kato T, Ito K. Age-related changes of dopamine D1-like and D2-like receptor binding in the F344/N rat striatum revealed by positron emission tomography and in vitro receptor autoradiography. Synapse 41: 285-93 (2001). 11. Ito K, Nagano-Saito A, Kato T, Arahata Y, Nakamura A, Kawasumi Y, Hatano K, Abe Y, Yamada T, Kachi T, Brooks DJ. Striatal and extrastriatal dysfunction in Parkinson's disease with dementia: a 6-[18F]fluoro-L-dopa PET study. Brain 125: 1358-65 (2002). 12. Oberdoerffer P, Otipoby KL., Maruyama M, Rajewsky K. Unidirectional Cre-mediated genetic inversion in mice using the mutant loxP pair lox66/lox71. Nucl Acids Res 31: e140 (2003). 13. Maruyama M, Lam KP, Rajewsky K. Memory B-cell persistence is independent of persisting immunizing antigen. Nature 407: 636-42 (2000). 14. Komano H, Shiraishi H, Kawamura Y, Sai X, Suzuki R, Serneels L, Kawaichi M, Kitamura T, Yanagisawa K. A new functional screening system for identification of regulators for the generation of amyloid β-protein. J Biol Chem 277: 39627-39633 (2002). 15. Shiraishi H, Sai X, Wang HQ, Maeda Y, Kurono Y, Nishimura M, Yanagisawa K, Komano H. PEN-2 enhances γ-cleavage after the formation of Presenilin heterodimer. J Neurochemsitry (2004). in press 16. Sai X, Kawamura Y, Kokame K, Yamaguchi H, Shiraishi H, Suzuki R, Suzuki T, Kawaichi M, Miyata T, Kitamura T, De Strooper B, Yanagisawa K, Komano H. Endoplasmic reticulum stress-inducible protein, Herp, enhances presenilin-mediated generation of amyloid beta-protein. J Biol Chem 277: 12915-20 (2002). 17. Sawamura N, Ko M, Yu W, Zou K, Hanada K, Suzuki T, Gong JS, Yanagisawa K, Michikawa M. Modulation of amyloid precursor protein cleavage by cellular sphingolipids. J Biol Chem 279(12): 11984-11991 (2004). 18. Zou K, Gong JS, Yanagisawa K, Michikawa M. A novel function of monomeric amyloid beta-protein serving as an antioxidant molecule against metal-induced oxidative damage. J Neurosci 22: 4833-41 (2002). 19. Michikawa M, Gong JS, Fan QW, Sawamura N, Yanagisawa K. A novel action of Alzheimer's amyloid beta-protein (Abeta): oligomeric Abeta promotes lipid release. J Neurosci 21: 7226-35 (2001). 20. Sekoguchi E, Sato N, Yasui A, Fukada S, Nimura Y, Aburatani H, Ikeda K, Matsuura A. A novel mitochondrial carnitineacylcarnitine translocase induced by partial hepatectomy and fasting. J Biol Chem 278: 38796-38802 (2003). 21. Takata H, Kanoh Y, Gunge N, Shirahige K, Matsuura A. Reciprocal association of the budding yeast ATM-related proteins Tel1 and Mec1 with telomeres. Mol Cell 14: 515-22 (2004). 22. Takai H, Naka K, Okada Y, Watanabe M, Harada N, Saito S, Anderson CW, Appella E, Nakanishi M, Suzuki H, Nagashima K, Sawa H, Ikeda K, Motoyama N. Chk2-deficient mice exhibit increased radioresistance and defective p53─ 105 ─ 分子総合医学専攻 老化基礎科学講座 mediated transcription. EMBO J 21: 5195-5205 (2002). 23. Motoyama N, Naka K. DNA damage tumor suppressor genes and genomic instability. Curr Opin Genet Dev 14: 11-16 (2004). 24. Tanaka S, Tamaya N, Matsuzawa K, Miyaishi O. Differences in survivability among F344 rats. Exp Anim 49: 141-5 (2000). 25. Miyaishi O, Tanaka S, Kanawa R, Matsuzawa K, Isobe K: Anisocytosis precedes onset of the large granular lymphocyte leukemia in aged F344/N rats. Arch Geront Geriat 30: 161-172 (2000). ─ 106 ─ 細胞情報医学専攻 細胞科学講座 細胞生物物理学/イメージング生理学 Ⅰ 教室の沿革・特色 本講座は細胞の情報伝達機構、特に刺激の受容−変換を担うイオンチャネルを中心とした生理学的、生物物理 学的、分子生物学的研究をおこなっている。主な手法としてパッチクランプ法、脂質平面膜へのチャネル蛋白質 の再構成、細胞内情報分子のライブイメージングを用いている。設備としては DNA シーケンサー、高速液クロ を始めとした分子生物学・生化学機器、細胞培養設備、脂質平面膜装置、パッチクランプ装置、Ca 顕微鏡、共焦 点レーザー顕微鏡に加えて当研究室が開発した超光学顕微鏡など世界最高水準のものを備えている。 現在の教室の基礎は伊藤文雄前教授(1975-1992)によって築かれた。教授は、筋紡錘における機械刺激受容か ら神経インパルス発生までの機序を電気生理学と超微形態学的手法により詳細に解析され、この分野をリードす る独特の理論を打ち立てられた。曽我部助教授(1985)が赴任して以来、パッチクランプ、脂質平面膜、Ca 側光 などの新しい手法が導入され、機械刺激受容チャネルを中心とした世界最先端の研究が進められている。1992 年 に曽我部が教授に就任し、生体、あるいは合成イオンチャネルの研究、細胞の機械刺激受容/応答機構やシナプ ス形成機構に関する研究を展開している。また、脳活動のリアルタイム光学記録法を用いた神経可塑性の研究も 始めている。 Ⅱ スタッフ 教 授 曽我部 正博 授 辰巳 仁史、成瀬 恵治 助 手 横山 悠男 研 員 山本 充、李 鳳霞 助 教 究 学術振興会特別研究員 古市 卓也 客 員 研 究 員 古家 喜四夫、早川 公英、野村 健、フェルナンド ロペッツ、唐 凉瑶、岸上 明生、 平田 宏聡、鈴木 慎一、坂口 菜朋子、村瀬 正樹、 技 術 補 佐 員 高橋 美紀恵、立松 律弥子、秋田 久美 大 生 宮脇 千賀子、岸尾 正博、大塩 立華、載 小牛、徐 正霞、 町田 裕亮、豊田 政嗣、杉村 岳俊、澤田 康之、西山 智子、 安間 治朗(整形外科)、平野 祐司(整形外科)、笹本 彰紀(第1外科)、 武田 秀夫(第 1 外科)、横山 真矢(第一外科) 生 久下 倫生 研 学 院 究 医 学 部 学 生 木村 大樹、神戸 未来、安間 恵子、松尾 一成 Ⅲ 研究分野・内容 1)イ オ ン チ ャ ネ ル:機械受容チャネルの遺伝子同定と発現系を用いた電気生理学的(パッチクランプ)研究。 2)脂 質 平 面 膜: 生体チャネルや人工チャネルの電気生理学的、分子動力学的研究。 3)細胞シグナリング: 内皮細胞、心筋、上皮細胞の機械刺激に対する Ca 応答、ATP 応答や形態応答における 細胞内シグナリング機構の解析、および接着分子(インテグリン)の機能解析。 4)シナプス形成機構: 成長円錐の移動・接着の分子機構のイメージングによる研究。 5)脳活動の光学計測: 脳神経活動のリアルタイムイメージングによる脳神経回路の解析や海馬シナプス可塑性 の研究。鳥類の聴覚 - 発声系の解析。 ─ 107 ─ 細胞情報医学専攻 細胞科学講座 Ⅳ 指導方針など 特別な方針はありませんが、学問への意欲と情熱が持続するように手助けしたいと考えています。 研究の世界は地味で忍耐を要求されますが、いつでも新発見の可能性と世界への窓が開かれていることが魅力で す。 Ⅴ 最近5年間の代表論文・著書 ( *印は大学院生が中心となった論文を示す) イオンチャネル関係リスト 1. Ishida, H., Qi, Z., Sokabe, M., Donowaki, K. & Inoue, Y. Molecular design and synthesis of artificial Ion channels based on cyclic peptides containing unnatural amino acids. J. Org. Chem. 66(9): 2978-2989 (2001) 2. * Miyazu, M., Tamimura, T. & Sokabe, M. Molecular cloning and characterization of a putative cyclic nucleotide-gated channel from Drosophila melanogaster. Insect. Mol. Biol. 9: 283-292 (2000) 3. Imai, K., Tatsumi, H. & Katayama, Y. Mechanosensitive chloride channels on the growth cones of cultured rat dorsal root ganglion neurons. Neuroscience. 97(2): 347-55 (2000) 4. Kanzaki, M., Nagasawa, M., Kojima, I., Sato, C., Naruse, K., Sokabe, M. & Iida, H. Molecular identification of a eukaryotic, stretch-activated nonselective cation channel. Science 285: 882-886 (1999) 5. * Kawakubo, T., Naruse, K., Matsubara, T., Hotta, N. & Sokabe, M. Characterization of a newly found stretch-activated KCa,ATP channel in cultured chick ventricular myocytes. Am. J. Physiol. 276: H1827-H1838 (1999) 6. * Qi, Z., Sokabe, M., Donowaki, K. & Ishida, H. A structure-function study on a de novo sythetic hydrophobic ion channel. Biophys. J. 76: 631-641 (1999) 7. * Qi, Z. & Sokabe, M. Accelerated diffusion of Na+ in a hydrophobic region revealed by molecular dynamic simulations of a synthetic ion channel. Biophys. Chem. 82: 183-193 (1999) 8. * Qi, Z. & Sokabe, M. Dynamic properties of individual water molecules in a hydrophobic pore lined with acyl chains: a molecular dynamics study. Biophys. Chem. 71: 35-50 (1998) 9. Sokabe, M., Nunogaki, K. & Naruse, K. Stretch activated ion channels: Single channel vs. whole cell responses. Progr. Cell Res. 6: 139-149 (1997) 10. Kobuke, Y., Tanaka, Y. & Sokabe, M. Artificial non-peptide single ion channels. Progr. Cell Res. 6: 167-188 (1997) 11. Sokabe, M., Auerbach, A. & Sigworth, F. (Eds) " Towards Molecular Biophysics of Ion Channels" 307 pages, Elsevier Sci BV, Amsterdam, Netherland (1997) 12. 曽我部正博(編著)シリーズニューバイオフィジックス 5「イオンチャネル」共立出版 (1997) 細胞生物学関係リスト 1. Kawakami, K., Tatsumi, H. & Sokabe, M. Dymanics of integrin at focal adhesion in endothelial cells detected by near field microscopy. J. Cell Sci. 114 (17): 3125-35 (2001) 2. * Murase, K., Naruse, K., Kimura, A., Okumura, K., Hayakawa, T. & Sokabe, M. Protamine augments stretch induced calcium increase in vascular endothelium. Br. J. Pharmacol. 134: 1403-1410 (2001) 3. * Wang, J.G., Matsushita, T., Sokabe, M. & Naruse, K. Uniaxial cyclic stretch induces focal adhesion kinase (FAK) tyrosine phosphorylation followed by mitogen-activated protein kinase (MAPK) activation. Biochem. Biophys. Res. Comm. 26: 288(2): 356-61 (2001) ─ 108 ─ 細胞情報医学専攻 細胞科学講座 4. Takayama, S., Ostuni, E., LeDuc, F., Naruse, K., Ingber, D.E. & Whitesides, G.M. Subcellular positioning of small molecules. Nature 411: 1016 (2001) 5. Qi, Z., Murase, K., Obata, S. & Sokabe, M. Extracellular ATP-dependent activation of plasma membrane Ca2+ pump in HEK-293 cells. Br J Pharmacol, 131: 349-345 (2000) 6. * Sai, X., Naruse, K. & Sokabe, M. Activation of pp60src is critical for stretch-induced orienting response in fibroblasts. J. Cell Sci. 112 (9): 1365-1373 (1999) 7. Sokabe, M., Yu, W. & Takemoto, K. Ionic mechanisms of RVD in A6 cells: SA channel, [Ca2+]i, whole cell currents, and RVD. In " Cell Volume Regulation:The Molecular Mechanism and Volume Sensing Machinery" (ed. Okada, Y.), Elsevier Science BV. Amsterdam, pp 71-84 (1998) 8. Naruse, K., Sai, X., Yokoyama, N. & Sokabe, M. Uniaxialcyclic stretch indeces c-src activation and traslocation in human endothelial cells via SA channel activation. FEBS Lett 441: 111-115 (1998) 9. Naruse, K., Yamada, T. & Sokabe, M. Involvement of SA channels in orienting response of cultured endothelial cells to cyclic stretch. Am. J. Physiol. 43: H1532--H1538 (1998) 10. Naruse, K., Yamada, T., Hamaguchi, M. & Sokabe, M. Stretch dependent tyrosine Phosphorylation regulates morphological response of endothelial cells. Oncogene 17: 455-463 (1998) 11. Fujitsuka, N., Fujitsuka, C., Shimomura, Y., Murakami, T., Yoshimura, A., Kawakami, K., Ritchie, WF., Kaneko, N. & Sokabe, M. Intramembrane structure of the sensory axon terminals in bulfrog muscle spindles. Anat. Rec. 252: 340-354 (1998) 12. Murakami,T., Shimomura, Y., Yoshimura, A., Sokabe, M., Fujitsuka, N. Induction of nuclear respiratory factor-1 expression by an acute bout of execise in rat muscle. Biochim. Biophys. Acta. 1318: 113-122 (1998) 13. 曽我部正博、臼倉次郎(編著)シリーズニューバイオフィジックス 7「バイオイメージング」 共立出版 (1998) 14. * Yu, W. & Sokabe, M. Hypotonically induced whole cell currents in A6 cells: relationship with cell volume and cytoplasmic Ca2+. Jpn. J. Physiol. 47(6): 553-565 (1997) 15. * Suzuki, M., Naruse, K., Asano, Y., Okamoto, T., Nishikimi, N., Sakurai, Y., Nimura,Y. & Sokabe, M. Up-regulation of integrin ?A3 expression by cyclic stretch in human umbilical endothelial cells. Biochem. Biophys. Res. Com. 239: 372-376 (1997) 16. Sokabe, M., Naruse, K., Sai, S., Yamada, T., Kawakami, K., Inoue, M., Murase, K. & Miyazu, M. Mechanotransduction and intracellular signaling mechanisms of stretch-induced remodering in endothelial cells. Heart and Vessels Suppl.12: 191-193 (1997) 神経科学関係リスト 1. * Wang, J., Sokabe, M. & Sakaguchi, H. Functional connections between HVC and the shelf of the zebra finch revealed by real time optical imaging technique. NeuroReport 12(2): 215-222 (2001) 2. * Miyashita, T., Tatsumi, H., Furuta, H., Mori, N. & Sokabe, M. Calcium sensitive non-selective cation channel identified in the epithelial cells isolated from the endolymphatic sac of guinea-pigs. J. Membr. Biol. 182: 113-122 (2001) 3. Tatsumi, H., Katayama, Y. & Sokabe, M. Attachment of growth cones on substrate observed by multi-mode light microscopy. Neurosci. Res. 35(3): 197-206 (1999) 4. Tatsumi, H. & Katayama, Y. Growth cones exhibit enhanced cell-cell adhesion after neurotransmitter release. Neurosci. 99:855-865 (1999) 5. * Wang, J., Sakaguchi, H. & Sokabe, M. Sexdifferences in the vocal motor pathway of the zebra finch revealed by real-time optical imaging technique. NeuroReport 10(12): 1-4 (1999) ─ 109 ─ 細胞情報医学専攻 細胞科学講座 6. * Ito, M., Akaike, T., Sokabe, M., Nitta, A., Iida, R., Olariu, A., Yamada, K.& Nabeshima, T. Impairments of log-term potentiation in hippocanpal slices of β-amyloid-infused rats. Eur. J. Pharmacol. 382: 167-175 (1999) 7. * Wang, J., Akaike, T. & Sokabe, M. Spatiotemporal properties of neural activity propagation from the subicular complex to the posterior cingulate cortex in rat brain slices detected by the optical recording technique. Jpn. J. Physiol. 49: 445-455 (1999) 8. Akaike, T., Wang, J., Sokabe, M., Takuma, S., Kamibayashi, K. & Nomura, Y. Optical siganls from a rat brain slice stained with voltage-sensitive dyes reflect field potentials of the neural activity: differentiation of optical signals with time and field potentials. In "Slow synaptic responses and modulation" (Eds. Kuba K, et. Al.) Springer Verlag, pp446-449 (1999) 9. Soeda, H., Tatsumi, H., et al. Visualization of calcium channels involved in transmitter release from neuronal growth cones. Neurosci. Lett. 251: 93-96 (1998) 10. Uma Maheswari, R. et al. Observation of subcellular structures of neurons by an illumination mode nea-field optical microscope under an optical feedback control. Optical Review 3: 463-467 (1998) 11. Soeda, H., Tatsumi, H. & Katayama, Y. Neurotransmitter release from growth cones of rat dorsal root ganglion neurons in culture. Neuroscience 77: 1187-1199 (1997) ─ 110 ─ 細胞情報医学専攻 細胞科学講座 細胞生理学/分子動態学 Ⅰ 教室の沿革・特色 名古屋医科大学(19931 年)になってからの旧生理学第1講座の初代教授は福田邦三で、主に心筋についての 研究を行った。1937 年、福田が東大へ転任した後、久野寧が教授になり、汗腺についての研究で数々の先駆的功 績を挙げ、世界的に高い評価を受けた。久野は、1955 年に退官した(その間、1939 年に名古屋帝国大学、1947 年に名古屋大学、1949 年に新制名古屋大学へと移り変る。 )後任は、高木健太郎教授で、自律神経反射に関して の非常に幅広い研究を行い、 数多くの立派な生理学者が育っていった。高木は 1972 年名古屋市立大学の学長となっ た。その後、その門下の熊沢孝朗は、環境医学研究所の教授に就任するまで痛覚の研究を続けた。1979 年、富田 忠雄教授が就任し、平滑筋の自動能、膜興奮と収縮機構、自律神経による調節機序に関する広範な研究を展開し、 世界の平滑筋研究の指導的な役割を果たした。富田は 1995 年に退官した。1996 年、久場健司教授が就任し、神 経筋接合部や神経シナプスの化学伝達機構や、細胞内 Ca2+ の動態と生理作用に関する研究が主テーマになった が、それまでの平滑筋の研究も続けられ、これらの研究テーマは互いに関連性を保ちながら進められた。その後 2003 年に、久場は退官した。 Ⅱ スタッフ(2004 年 6 月現在) 細胞生理学部門 教 授 教 授 中山 晋介 助 助 手 徳納 博幸 外国人研究者 王 靖 客員研究者 武川 紅年 臨床からの受け入れ大学院生 2 名 分子動態部門 該当教官未発令 Ⅲ 研究分野・内容 細胞生理学部門 自律神経系機能の研究を、多彩な生理学的手法を用いて展開している。 1)自律神経系の自発性に関する研究:自律神経系末梢の組織・臓器には、それぞれ独自にリズムが存在し、そ の活動を交感・副交感神経やホルモン等液性因子が調節している。心筋におけるペースメーカーとその神経・ 液性調節が良く知られているが、様々な平滑筋組織(胃腸管・膀胱・リンパ管等)にも類似の機構が存在す ることが分かってきた。この新規ペースメーカー機構とその調節、さらには周辺細胞間相互連関による機能 発現の研究を行っている(中山、王、武川)。この研究のために微小細胞塊標本を作製するとともに、基本メ カニズムである細胞内 Ca オシレーションを示す細胞を再構築することに成功した。 2)イオン調節機構・ホメオスタシスに関する研究 : 平滑筋やニューロンの細胞膜のイオンチャネルの開閉が膜 電位の変化や、神経伝達物質、細胞膜内制御物質によりどのように制御され、修飾されるかを、パッチクラ ンプ法や、かごめ化合物の光化学的励起による密度ジャンプ法により調べている(中山、徳納)。さらにイオ ントランスポート(主にMg輸送)による細胞内環境維持や、代謝機構の研究を非侵襲的手法である核磁気 ─ 111 ─ 細胞情報医学専攻 細胞科学講座 共鳴法を用いて行っている。 3)細胞内 Ca2+ 遊離機序に関する研究:筋収縮や神経伝達物質の放出、その他多くの細胞機能発現の仲介をする 細胞内 Ca2+ 濃度上昇の機序の一つとして、細胞内 Ca2+ 貯蔵オーガネラからの Ca2+ 遊離機序がある。この中 で、Ca2+ により活性化される Ca2+ 遊離(Ca2+ 誘起性 Ca2+ 遊離)機構がニューロンでどのように活性化され、 どのように細胞機能の発現に関与するかを電気生理学的及び光学的手法(ビデオイメージング法、共集点レー ザー顕微鏡、二光子励起レーザー顕微鏡)により調べている。(徳納、中山) 4)交感神経節の長期増強に関する研究:交感神経節ニコチン性シナプスでは、シナプス前線維の条件刺激によ りシナプス前性とシナプス後性の長期増強(LTP)が発生する。シナプス前性の長期増強は、シナプス前終 末の反覆興奮により細胞内 Ca2+ 濃度が上昇し、CAMKII の活性化を介して、自発性およびインパルスによる 開口放出の効率が上昇することによると考えられるが、このシナプス前終末の Ca2+ 濃度の上昇は、細胞膜の 電位依存性 Ca2+ チャンネルを通る Ca2+ 流入によることが一般に信じられている。ところが、最近、運動神 経終末での実験により、伝達物質の放出を数十倍に増大する短期の可塑性は細胞内 Ca2+ 貯蔵部位からの Ca2+ 遊離によることが示唆されている。そこで、交感神経節ニコチン性シナプスの LTP の機序に細胞内 Ca2+ 遊 離が関与するかどうかを調べている。 (叢、徳納) Ⅳ 大学院生の業績〔院生 ( 出版当時 ) の名前に下線〕 1. Aoyama, M., Yamada, A., Wang, J., Ohya, S., Furuzono, S., Goto, T., Hotta, S., Ito, Y., Matsubara, T., Shimokata, K., Chen, S.R.W., Imaizumi, Y. & Nakayama, S. (2004). Requirement of ryanodine receptors for pacemaker Ca2+ activity in ICC and HEK293 cells. J. Cell Sci. 117: 2813-2825. 2. Ishikawa, T., Nakayama, S., Nakagawa, T., Horiguchi, K., Misawa, H., Kadowaki, M., Nakano, A., Inoue, S., Komuro, T., & Takaki, M. (2004). Characterization of in vitro gut-like organ formed from mouse embryonic stem cells. Am. J. Physiol. 286: C1344-1352. 3. Uetani, T., Matsubara, T., Nomura, H., Murohara, T. & Nakayama, S. (2003). Ca2+-dependent modulation of intracellular Mg2+ concentration with amiloride and KB-R7943 in pig carotid artery. J. Biol. Chem. 278: 47491-47497. 4. Aoyama, M., Murakami, M., Iwashita, T., Ito, Y., Yamaki, K. & Nakayama, S. (2003). Slow deactivation and U-shaped inactivation properties in cloned Cav1.2b channels in CHO cells. Biophys. J. 84: 709-724. 5. Huang, S. M., Kitamura, A., Akita, T., Narita, K. and Kuba, K. (2002)Adenosine depresses a Ca2+-independent step in transmitter exocytosis at frog motor nerve terminals. Eur. J. Neurosci. 15:1291-1298 6. Lu, F.-M., and Kuba, K. (2002)Synchronous and Asynchronous Exocytosis Induced by Subthrehold High K+ at Cs+-Loaded Terminals of Rat Hippocampal Neurons. J. Neurophysiol 87:1222-1233 7. Suzuki, S., Osanai, M., Mitsumoto, N., Akita, T., Narita, K., Kijima, H. and Kuba, K. (2002)Ca2+-Dependent Ca2+ Clearance Via Mitochondrial Uptake and Plasmalemmal Extrusion in Frog Motor Nerve Terminals. J.Neurophysiol. 87:1816-1823 9. Lu, F.-M., and Kuba, K. (2001)Synchronized Ca2+ signals mediated by Ca2+ action potentials in the hippocampal neuron network in vitro. Cell Calcium 29(6):379-394 10. Narita, K., Akita, T., Hachisuka, J. Huang, S.-M., Ochi, K. and Kuba, K. (2000). Functional coupling of Ca2+ channels to ryanodine receptors at presynaptic terminals: amplification of exocytosis and plasticity. J. Gen. Physiol. 115: 519-532 11. Hua, S.-Y. Liu, C. Lu, F.-M., Nohmi, M. and Kuba, K. (2000) Modes of propagation of Ca2+-induced Ca2+ release in bullfrog sympathetic ganglion cells. Cell Calcium 27:195-204. 12. Huang, S. M., Akita,T., Kitamura,A., Nakayama, S., Tokuno, H. and Kuba, K. (1999) Long-term use-dependent enhancement of impulse-induced exocytosis by adrenaline at frog motor nerve terminals. Neurosci. Res. 33: 239-244 ─ 112 ─ 細胞情報医学専攻 細胞科学講座 13. Huang, S.-M, Nakayama,S., Iino, S., Tomita,T. (1999) Voltage sensitivity of slow wave frequency in isolated circular muscle strips from guinea pig gastric antrum. Am. J. Physiol. 276: G518-G528 14. Kuba, K., Narita, K. and Akita, T. (1999) Ca2+-Induced Ca2+ Release in Presynaptic Terminals and Exocytosis. In Slow Synaptic Responses and Modulation edited by K. Kuba, H. Higashida, D. A. Brown and T. Yoshioka. Springer Verlag, Tokyo, pp173-181 15. Narita, K., Akita, T., Ochi, K. and Kuba, K. (1999) Enhancement of Neurotransmitter Release by Activation of Ryanodine Receptors after Ca2+-Dependent Priming at Motor Nerve Terminals. In Slow Synaptic Responses and Modulation edited by K. Kuba, H. Higashida, D. A. Brown and T. Yoshioka. Springer Verlag, Tokyo, pp206-208 16. Kuba, K., Narita, K. & Akita, T. (1999) Ca2+-induced Ca2+ release in the presynaptic terminals and exocytosis. In Slow Synaptic Modulation and Plasticity, eds. Kuba, K., Higashida, H., Brown, D. A. & Yoshioka, T., Springer, Tokyo, 173-181, 1999. 17. Narita, K., Akita, T., Osanai, M., Shirasaki, T., Kijima, H. & Kuba, K. (1998) A Ca2+-induced Ca2+ release mechanism involved in asynchronous exocytosis at frog motor nerve terminals. J. Gen. Physiol. 112, 593-609. 18. Ya-Lin Cong, Takeuchi, S., Tokuno, H. & Kuba, K. (2004) Long-term potentiation of transmitter exocytosis expressed by Ca2+-induced Ca2+ release from thapsigargin-sensitive Ca2+ stores in preganglionic nerve terminals. Euro. J. Neurosci. 20, 1-8. Ⅴ 過去5年間の代表論文・著書名(5年以前の数編の重要論文含む) 1. Nakayama, S., Yamashita, T., Konishi, M., Kazama, H. & Kokubun, S. (2004). P2Y-mediated Ca2+ response is spatiotemporally graded and synchronized in sensory neurons: a two-photon excitation study. FASEB J.: (in press). 2. Liu, H.-N., Ohya, S., Furuzono, S., Wang, J., Imaizumi, Y. & Nakayama, S. (2004). Co-contribution of IP3R and Ca 2+ influx pathways to pacemaker Ca2+ activity in stomach ICC. J. Biol. Rhythm.: (in press). 3. Kajioka, S., Nakayama, S., Asano, H. & Brading, A.F. (2004). Involvement of ryanodine receptors in muscarinic-receptormediated membrane current oscillation in urinary bladder smooth muscle Am. J. Physiol.: (in press). 4. Kajioka, S., Nakayama, S., McCoy, R., McMurray, G., Abe, K. & Brading, A.F. (2004). Inward current oscillation underlying tonic contraction caused via ETA receptors in pig detrusor smooth muscle. Am. J. Physiol. 286: F77-85. 5. Ito, Y., Son, M., Sato, S., Ishikawa, T., Kondo, M., Nakayama, S., Shimokata, K. & Kume, H. (2004). ATP release triggered by activation of the Ca2+-activated K+ channel in human airway Calu-3 cells. Am. J. Respir. Cell Mol. Biol. 30: 388-395. 6. Son, M., Ito, Y., Sato, S., Ishikawa, T., Kondo, M., Nakayama, S., Shimokata, K. & Kume, H. (2004). Apical and basolateral ATP-induced anion secretion in polarized human airway epithelia. Am. J. Respir. Cell Mol. Biol. 30: 411-419. 7. Murakami, M., Aoyama, M., Suzuki, T., Sasano, H., Nakayama, S. & Iijima, T. (2003). A new splice variant isoform of the *2 subunit of the voltage-dependent calcium channel and its gene structure. Mol. Cell. Biochem. 254: 217-225. 8. Murakami, M, Yamamura, H., Suzuki, T., Kang, M.-G., Ohya, S., Murakami, A., Miyoshi, I., Sasano, H., Muraki, K., Hano, T., Kasai, N., Nakayama, S., Campbell, K.P., Flockerzi, V., Imaizumi, Y., Yanagisawa, T. & Iijima, T. (2003). Modified cardiovascular L-type channels in mice lacking the voltage-dependent Ca2+ channel * subunit. J. Biol. Chem. 278: 43261-43267. 9. Nakayama, S., Nomura, H., Smith, L.M., Clark, J.F., Uetani, T. & Matsubara, T. (2003). Mechanisms for monovalent cation-dependent depletion of intracellular Mg2+: Na+-independent Mg2+ pathways in guinea-pig smooth muscle. J. Physiol. 551: 843-853. 10. Nakayama, S. & Clark, J.F. (2003). Smooth Muscle and NMR Review: An Overview of Smooth Muscle Metabolism. Mol. ─ 113 ─ 細胞情報医学専攻 細胞科学講座 Cell. Biochem. 244: 17-30. 11. Nakayama, S. & Torihashi, S. (2002). Spontaneous rhythmicity in cultured cell clusters isolated from mouse small intestine. Jpn. J. Physiol. 52: 217-227. 12. Torihashi, S., Fujimoto, T., Trost, C. & Nakayama, S. (2002). Calcium oscillation linked to pacemaking of interstitial cells of Cajal; Requirement of calcium influx and localisation of TRP4 in caveolae. J. Biol. Chem. 277: 19191-19197. 13. Kajioka, S., Nakayama, S., McMurray, G., Abe, K. & Brading, A.F. (2002). Ca2+ channel properties in smooth muscle cells of the urinary bladder from pig and human. Eur. J. Pharmacol. 443: 19-29. 14. Huang, S. M., Kitamura, A., Akita, T., Narita, K. and Kuba, K. (2002). Adenosine depresses a Ca2+-independent step in transmitter exocytosis at frog motor nerve terminals. Eur. J. Neurosci. 15: 1291-1298 15. Lu, F.-M., and Kuba, K. (2002). Synchronous and Asynchronous Exocytosis Induced by Subthrehold High K+ at Cs+-Loaded Terminals of Rat Hippocampal Neurons. J. Neurophysiol 87:1222-1233 16. Nakayama, S., Nomura, H., Smith, L.M. & Clark, J.F. (2002). Simultaneous estimation of intracellular free Mg2+ and pH using a new pH-dependent dissociation constant of MgATP. Jpn. J. Physiol. 52: 323-326. 17. Suzuki, S., Osanai, M., Mitsumoto, N., Akita, T., Narita, K., Kijima, H. and Kuba, K. (2002). Ca 2+-Dependent Ca2+ Clearance Via Mitochondrial Uptake and Plasmalemmal Extrusion in Frog Motor Nerve Terminals. J.Neurophysiol. 87: 1816-1823 18. Konishi, M., Yamashita, T., Nakayama, S. & Kokubun, S. (2001). Calcium waves in skinned cardiac myocytes evoked by two-photon excitation photolysis of caged calcium. Jpn. J. Physiol. 51: 127-132. 19. Lu, F.-M., & Kuba, K. (2001). Synchronized Ca2+ signals mediated by Ca2+ action potentials in the hippocampal neuron network in vitro. Cell Calcium 29: 379-394 20. Ito, Y., Nakayama, S., Son, M., Kume, H. & Yamaki, K. (2001). Protection by tetracyclines against ion transport disruption caused by nystatin in human airway epithelial cells. Toxicol. Appl. Pharmacol. 177: 232-237. 21. Nakayama, S., Klugbauer, N., Kabeya, Y., Smith, L.M., Hofmann, F. & Kuzuya, M. (2000). α1-Subunit of smooth muscle Ca2+ channel preserves multiple open states induced by depolarization. J. Physiol. 526: 47-56. 22. Tomita, T., Hata, T., & Tokuno, H. (2000). Effects of removal and reapplication of K+ and Cl- on spontaneous electrical activity, slow wave, in the Circular Muscle of the Guinea-Pig Gastric Antrum. Jpn. J. Physiol.50: 191-198. 23. Mizuno, Y., Ito, Y., Aoyama, M., Kume, H., Nakayama, S. & Yamaki, K. (2000). Imipramine inhibits Cl - secretion by desensitisation of β-aderenergic receptors in Calu-3 human airway cells. Biochemical and Biophysical Research Communications 274, 620-625. 24. Clark, J.F., Matsumoto, T. & Nakayama, S. (2000). Intact smooth muscle metabolism: Its responses to cyanide poisoning and pyruvate stimulation. Frontiers in Bioscience 5a, 18-23. 25. Nohmi, M., Hua, S.-Y., Liu, C. & Kuba, K. (2000) Ryanodine- and thapsigargin-insensitive Ca2+-induced Ca2+ release is primed by lowering external Ca2+ in rabbit autonomic neurons. Pflügers Archiv, In press. 26. Takai, A., Tsuboi, K., Koyasu, M., & Isobe, M. (2000). Effects of modification of the hydrophobic C1-C16 segment of tautomycin on its affinity to type 1 and type 2A protein phosphatases. Biochem. J. 350: 81-88. 27. Takai, A. & Harada, K. I. (2000). Freshwater hepatotoxins. In Sea Food Toxicity: Mode of Action, Pharmacology and Physiology of Phycotoxins, ed. Botana, L. M., Marcel Dekker, New York. 28. Narita, K., Akita, T., Hachisuka, J. Huang, S.-M., Ochi, K. & Kuba, K. (2000). Functional coupling of Ca2+ channels to ryanodine receptors at presynaptic terminals: amplification of exocytosis and plasticity. J. Gen. Physiol. 115: 519-532 ─ 114 ─ 細胞情報医学専攻 細胞科学講座 29. Hua, S.-Y. Liu, C. Lu, F.-M., Nohmi, M. & Kuba, K. (2000) Modes of propagation of Ca2+-induced Ca2+ release in bullfrog sympathetic ganglion cells. Cell Calcium 27, 195-204. 30. Amano, T., Matsubara, T., Watanabe, J., Nakayama, S. & Hotta, N. (2000). Insulin modulation of intracellular free magnesium in heart: Involvement of protein kinase C. Br. J. Pharmacol. 130: 731-738. 31. Suzuki, S., Osanai, M., Murase, M., Suzuki, N., Ito, K., Shirasaki, T., Narita, K., Ohnuma, K., Kuba, K. & Kijima, H. (2000) Ca2+ dynamics at the frog motor nerve terminal. Pflügers Arch. 440: 351-365. 32. Liu, C., Shirasaki, T., Tanaka, S. & Kuba, K. (2000) Activity-dependent enhancement of miniature excitatory postsynaptic current amplitude and its modulation by protein kinase C in cultured rat sympathetic neurons. Neuroscience Lett. 280: 57-60 33. Hunag, S.-M., Nakayama, S., Iino, S. & Tomita, T. (1999). Voltage sensitivity of Slow wave frequency in isolated circular muscle strips from guinea pig gastric antrum. Am. J. Physiol. 276: G518-528. 34. Smith, L.M., Kajioka, S., Brading, A.F. & Nakayama, S. (1999). Effects of phosphorylation-related drugs on slow Ca2+ tail current in guinea-pig detrusor cells. Eur. J. Pharmacol. 370: 187-193. 35. Yotsu-Yamashita, M., Sugimoto, A., Takai, A., & Yasumoto, T. (1999). Effects of specific modifications of several hydroxyls of tetrodotoxin on its affinity to rat brain membrane. J. Pharm. Exp. Therap. 283: 1688-1696. 36. Huang, S.-M., Akita, T., Kitamura, A., Nakayama, S., Tokuno, H. & Kuba, K. (1999). Long-term, use-dependent enhancement of impulse-induced exocytosis by adrenaline at frog motor nerve terminals. Neurosci. Res. 33: 239-244. 37. Kuba, K. Ca2+ dynamics and modulation: Introductory review (1999) In Slow Synaptic Modulation and Plasticity, eds. Kuba, K., Higashida, H., Brown, D. A. & Yoshioka, T., Springer Verlag, Tokyo, 163-172. 38. Nakayama, S., Kuzuya, M., Miyoshi, M., Kuba, K. & Okamura, Y. (1999). The α1-subunit of the L-type Ca2+ channel is converted to a long open and noninactivating state by large depolarization. In Slow Synaptic Responses and Modulation, eds. Kuba, K., Higashida, H., Brown, D.A. & Yoshioka, T. Springer-Verlag, Tokyo, pp 158-160. 39. Kuba, K. & Nakayama, S. (1998). Two-photon laser-scanning microscopy: Tests of objective lenses and Ca 2+ probes. Neurosci. Res. 32: 281-294. 40. Narita, K., Akita, T., Osanai, M., Shirasaki, T., Kijima, H. & Kuba, K. (1998) A Ca2+-induced Ca2+ release mechanism involved in asynchronous exocytosis at frog motor nerve terminals. J. Gen. Physiol. 112, 593-609. 42. Watanabe, J., Nakayama, S., Matsubara, T. & Hotta, N. (1998). Regulation of intracellular free Mg2+ concentration in isolated rat hearts via β-adrenergic and muscarinic receptors. J. Mol. Cell. Cardiol. 30: 2307-2318. ─ 115 ─ 細胞情報医学専攻 細胞科学講座 神経情報薬理学/分子薬理学 Ⅰ 教室の沿革・特色 当講座は平成 12 年度より貝淵弘三教授のもと新にスタートした。学問の境界を取り払い、 生化学、 分子生物学、 細胞生物学などの研究手法を積極的に導入し、様々な生理現象を分子、細胞、個体レベルで統合的に解析するべ く研究に励んでいる。当講座は出身学部を問わず、医学部、理学部、農学部、薬学部、工学部など多様な学部の 出身者に研究に参加してもらいたいと考えている。 Ⅱ スタッフ 教 授 貝 淵 弘 三 講 師 天 野 睦 紀 助 手 門 田 裕 志、 田 谷 真一郎 学振特別研究員 有 村 奈利子、 西 村 隆 史 ポストドクトルフェロー 渡 辺 崇、 坪 井 大 輔 大 学 院 生 13 名(修士 2 名、博士 11 名) Ⅲ 研究分野・内容 生体を構成する細胞は細胞外シグナルに応答して、細胞骨格や細胞接着装置をダイナミックに変化させて細胞 形態、細胞運動、細胞質分裂、細胞の極性形成などの高次機能を制御していると考えられている。しかし、その 制御機構は長らく不明な点が多いままである。低分子量 GTP 結合蛋白質 Rho ファミリー(Rho、Rac、Cdc42) は、種々の細胞外シグナルの下流で細胞骨格や接着、細胞極性、細胞運動、小胞輸送、平滑筋収縮、神経回路網 形成などを制御していると考えられている。当研究室では Rho ファミリーやその標的蛋白質の作用機構を解析 することで、細胞の高次機能を制御する分子機構の解明に取り組んでいる。さらに、これらの細胞内情報伝達機 構と動脈硬化、癌、神経精神疾患などの病態との関係についても解析し、細胞内分子を標的とした創薬の開発を 精力的に進めている。 主な研究内容 1)Rho- キナーゼを分子標的とした阻害薬の開発 2)神経回路ネットワークの形成機構の解析 3)細胞極性、細胞骨格、細胞接着の制御機構の解析 4)神経疾患の発症メカニズムの解析 1)Rho- キナーゼを分子標的とした阻害薬の開発 動脈硬化性疾患、狭心症、高血圧症は我が国の死因の大きな部分を占め、その予防および治療法の開発は重要 な問題である。我々は、Rho- キナーゼ阻害剤が高血圧や肺高血圧、冠動脈攣縮、脳血管攣縮、動脈硬化改善に 著効を示す可能性を示してきた。Rho-Rho- キナーゼ経路のトランスジェニックマウスは、Rho- キナーゼが関わ る種々の疾患のモデルとなり、上記疾患の予防や治療法を開発する上でも有用であると考えられる。現在、Rhoキナーゼ阻害剤のスクリーニング及び Rho- キナーゼが関わる疾患のモデルマウスの作製を行い臨床応用可能な Rho- キナーゼ阻害剤を開発している。 ─ 116 ─ 細胞情報医学専攻 細胞科学講座 2)神経回路ネットワークの形成機構の解析 神経細胞は一本の軸索と複数の樹状突起という極性の異なる突起を有し、脳内において複雑な神経回路網の基 盤を形成している。我々は Rho- キナーゼの基質蛋白質として同定した CRMP-2 が軸索形成に中心的役割を果た していることを明らかにした。さらに、CRMP-2 が微小管のダイナミクスや接着分子のリサイクリングを制御す ることで軸索伸長に重要な役割を果たしていることを明らかにした。現在、CRMP-2 がどのような分子メカニズ ムで神経細胞の軸索・樹状突起の運命決定を制御するのかを解析している。 3)細胞極性、細胞骨格、細胞接着の制御機構の解析 創傷の治癒過程や発生過程において細胞は極性をもって運動する。この極性形成や細胞運動には微小管とア クチン細胞骨格の協調した再編成が重要である。Cdc42 と Rac1 は細胞極性を制御しているが分子メカニズム は不明である。我々は Cdc42、Rac1 とその標的蛋白質 IQGAP1 が CLIP-170 と結合することを明らかにした。 CLIP-170 は特定の細胞表層を認識し、微小管を捕捉させ、細胞極性形成に重要な役割を果たしている。我々は IQGAP1 が CLIP-170 と結合することで微小管を特定の細胞表層で捕捉することにより細胞極性形成に重要な役 割を果していることを明らかにした。現在、組織の再構築や癌浸潤の現象に Cdc42、Rac1 と IQGAP1 がどのよ うな役割を果たすのか解析している。 4)神経疾患の発症メカニズムの解析 統合失調症は世界人口の約1%が羅患している精神疾患である。統合失調症の発症原因は不明であるが、中枢 神経系の発達障害が発症原因の一つであると考えられている。また、統合失調症患者の遺伝学的解析から、複数 の遺伝子の変異が発症に密接に関与することが示唆されている。我々は統合失調症発症の危険遺伝子として発見 された DISC1 という分子に着目して統合失調症の発症メカニズムの解析を行っている。これまでに、DISC1 の 機能を阻害すると神経細胞の軸索伸長が阻害されることを明らかにした。現在、DISC1 がどのような分子メカ ニズムで神経細胞の軸索伸長を制御するのか解析している。 Ⅳ 指導方針など 大学院生の指導を通じて、第一線で活躍できる研究者を育成、輩出していくことは非常に重要なことであると 考えている。研究の基本操作を効率良く指導することはもちろんのこと研究計画の立て方、遂行方法などが身に 付くように、十分に議論しながら指導する。また、情報検索、論文検索などを通して広く情報収集することを指 導する。さらに、国内外の一流の研究者を数多く招聘し、セミナー、討論を通じて国際レベルの科学に触れる機 会を提供する。国内外の学会で研究成果を発表する機会もできる限り提供したいと考えている。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Nishimura T, Kato K, Yamaguchi T, Fukata Y, Ohno S, Kaibuchi K. Role of the PAR-3/KIF3 complex in the establishment of neuronal polarity. Nature Cell Biol., 6, 328-334, 2004 2. Noritake J, Fukata M, Sato K, Nakagawa M, Watanabe T, Izumi N, Wang S, Fukata Y, Kaibuchi K. Positive Role of IQGAP1, an Effector of Rac1, in Actin-Meshwork Formation at Sites of Cell-Cell Contact. Mol. Biol. Cell, 15, 1065-1076, 2004 3. Nishimura T, Fukata Y, Kato K, Yamaguchi T, Matsuura Y, Kamiguchi H, Kaibuchi K. CRMP-2 regulates polarized Numbmediated endocytosis for axon growth. Nature Cell Biol., 5, 819-826, 2003 4. Maeda A, Amano M, Fukata Y, Kaibuchi K. Translocation of Na(+),K(+)-ATPase is induced by Rho small GTPase in renal epithelial cells. Biochem. Biophys. Res. Commun., 297, 1231-1237, 2002 ─ 117 ─ 細胞情報医学専攻 細胞科学講座 5. Tsuboi D, Qadota H, Kasuya K, Amano M, Kaibuchi K. Isolation of the interacting molecules with GEX-3 by a novel functional screening. Biochem. Biophys. Res. Commun., 292, 697-701, 2002 6. Arimura N, Inagaki N, Chihara K, Menager C, Nakamura N, Amano M, Iwamatsu A, Goshima Y, Kaibuchi K. Phosphorylation of collapsin response mediator protein-2 by Rho-kinase: Evidence for Two Separate Signaling Pathways for Growth Cone Collapse. J. Biol. Chem., 275, 23973-23980, 2000 Ⅵ 過去5年間の代表論文(10 編) 1. Fukata M, Nakagawa M, Kaibuchi K. Roles of Rho-family GTPases in cell polarization and directional migration. Curr. Opin. Cell Biol., 15, 590-597, 2003 2. Fukata Y, Itoh TJ, Kimura T, Menager C, Nishimura T, Shiromizu T, Watanabe H, Inagaki N, Iwamatsu A, Hotani H, Kaibuchi K. CRMP-2 binds to tubulin heterodimers to promote microtubule assembly. Nature Cell Biol., 4, 583-591, 2002 3. Fukata M., Watanabe T., Noritake J., Nakagawa M., Yamaga M., Kuroda S., Matsuura Y., Iwamatsu A., Perez F., Kaibuchi K. Rac1 and Cdc42 capture microtubules through IQGAP1 and CLIP-170. Cell, 109, 873-885, 2002 4. Soto MC, Qadota H, Kasuya K, Inoue M, Tsuboi D, Mello CC, Kaibuchi K. The GEX-2 and GEX-3 proteins are required for tissue morphogenesis and cell migrations in C. elegans. Genes Dev., 16, 620-632, 2002 5. Taya S, Inagaki N, Sengiku H, Makino H, Iwamatsu A, Urakawa I, Nagao K, Kataoka S, Kaibuchi K. Direct interaction of insulin-like growth factor-1 receptor with leukemia-associated RhoGEF. J. Cell Biol., 155, 809-819, 2001 6. Inagaki N, Chihara K, Arimura N, Menager C, Kawano Y, Matsuo N, Nishimura T, Amano M, Kaibuchi K. CRMP-2 induces axons in cultured hippocampal neurons. Nature Neurosci., 4, 781-782, 2001 7. Kaibuchi K, Kuroda S, and Amano M. Regulation of the cytoskeleton and cell adhesion by the Rho family GTPases in mammalian cells. Annu. Rev. Biochem., 68, 459-486, 1999 8. Kawano Y, Fukata Y, Oshiro N, Amano M, Nakamura T, Ito M, Matsumura F, Inagaki M, Kaibuchi K. Phosphorylation of myosin-binding subunit (MBS) of myosin phosphatase by Rho-kinase in vivo. J. Cell Biol., 147, 1023-1038, 1999 9. Kaibuchi K, Kuroda S, Fukata M, Nakagawa M. Regulation of cadherin-mediated cell-cell adhesion by the Rho family GTPases. Curr. Opin. Cell Biol., 11, 591-596, 1999 10. Fukata, Y, Oshiro, N, Kinoshita, N, Kawano, Y, Matsuoka, Y, Bennett, V, Matsuura, Y, and Kaibuchi, K. Phosphorylation of adducin by Rho-kinase plays a crucial role in cell motility. J. Cell Biol., 145, 347-361, 1999 ─ 118 ─ 細胞情報医学専攻 脳神経病態制御講座 神 経 内 科 学 Ⅰ 教室の沿革・特色 神経内科学教室は、昭和 59 年4月 11 日に名古屋大学医学部附属病院診療科として認可され、初代教授として高 橋昭先生が昭和 60 年3月1日付で御就任されて正式に発足した。その後、平成3年4月 21 日には名古屋大学医学 部神経内科学講座が設置され、講座と診療科を持つ臨床教室となった。さらに平成 12 年4月1日には、大学院重 点化に伴い名古屋大学大学院医学研究科細胞情報医学専攻脳神経病態制御学講座神経内科学分野と名称が改めら れた。本学で神経内科学教室が開設されてからはまだ 20 年を経るにすぎないが、名古屋大学における神経内科学 (神経病学)の診療・教育・研究の歴史は古く、明治期、愛知医学校における川原 汎先生をはじめとして我が国 最古の伝統を継承している。第二次世界大戦後は第一内科学講座において神経研究室(第4研究室)として数多く の臨床研究業績を生み、日本神経学会をリードする活躍を遂げてきた。平成7年4月には祖父江 元教授が就任、 診療・研究・教育の新たな体制作りとともに関連研究・診療施設とも密接な連携をとるべく活動をはじめている。 現在同窓は 302 名にのぼり(平成 16 年) 、中部地区を中心に全国で神経内科学の臨床・研究に活躍している。 Ⅱ スタッフ 教授1、客員助教授1、講師1、助手2、臨床検査医学在籍助手1、医員8、大学院生 23、研究生2、客員研 究者7の合計 46 名で構成されている。 授 祖父江 元 客員助教授 教 田中 章景 講 師 道勇 学 助 手 犬飼 晃、山本 正彦、平山 正昭(臨床検査医学) 医 員 岩崎 靖、 伊藤 益美、 菱川 望、 渡邊 宏久、 森 恵子、 小池 春樹、 石垣 診祐、 川合 圭成 大 学 院 生 曽根美 恵、 伊藤 隆、 中村 友彦、 熱田 直樹、 宮田さやか、 飯島 正博、 南山 誠、 伊藤 瑞規、 松尾 幸治、 馬渕 直記、 曽根 淳、 沖祐 美子、 坂野 晴彦、 澤田 元子、 鈴木 啓介、 徳井 啓介、 末永 正機、 木沢麻由紀、 和座 雅浩、 山田 新一、 佐橋健太郎 研 木村 正剛、 若山 忠士 究 生 客員研究者 市村みゆき、 伊藤 宏樹、 服部 直樹、 足立 弘明、 丹羽 淳一、 勝野 雅央、 岡 田 洋平 Ⅲ 研究分野・内容 教室での研究は、神経内科の臨床における対象疾患の多様性を反映し、下に示すようにその分野は多岐にわた る。ことに神経内科に対する社会的なニーズが急速に増大しており、その対象となる領域は急速に拡大している。 最近は臨床研究に加え、疾患に関連する基礎的な神経科学の研究も重要な分野を形成している。 ・神経変性疾患パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、多系統変性症、脊髄小脳変性症など が神経変性疾患の代表的なものである。神経変性がなぜ起こるかは未だ不明であり、神経細胞死の分子病態機 構の解明が現在のもっとも重要な課題である。また最近は神経細胞死を防御する治療法の開発が世界的に注目 されており、将来可能となるであろう神経疾患の遺伝子治療に向けた基礎的研究をはじめとして、教室とし ─ 119 ─ 細胞情報医学専攻 脳神経病態制御講座 てもこの方向の研究を精力的に進めている。臨床面では natural history に関する縦断的研究と PET、fMRI、 MEG などを駆使した機能画像による病態把握を行っている。 ・自律神経疾患自律神経障害は多くの疾患の予後を決定する重要な要素であり、教室では電気生理学的アプロー チを通してその実体を把握するとともに、治療への努力を行っている。またマイクロニューログラムを用いて 直接交感神経活動を導出し、自律神経疾患の病態把握と治療評価に応用するための研究を行っている。 ・免疫性神経疾患多発性硬化症、重症筋無力症、ギラン - バレー症候群、多発筋炎など重要な疾患がある。現在、 多発性硬化症について特異抗体を利用した免疫治療を目指す基礎的研究、ギラン - バレー症候群、多発筋炎など の病態発現に関わるサイトカイン等の解析とインターフェロン、ガンマグロブリンなどを用いた治療的研究、 多発性硬化症の臨床、実験免疫学的研究などを包括的に推進している。 ・脊髄疾患脊髄疾患には我が国に特異的に頻度の高い疾患もあり、これらを中心にミエロパチーの臨床病理・画 像診断学的研究を行っている。 ・末梢神経・筋疾患 末梢神経、筋疾患に関しては名大病院および関連病院からの膨大な数の生検材料、剖検検 体が集積されており、これらを基盤にした臨床病理学的研究、分子遺伝学的および分子生物学的研究を行って いる。また神経栄養因子とその受容体機構に関する研究も推進している。 ・脳血管障害急性期の脳血管障害に対する治療的臨床研究アプローチと、多発性脳梗塞あるいはラクネに伴う慢 性期脳血管障害に対する臨床および基礎研究アプローチの2つの方向がある。とくに後者は痴呆の原因として 重要であり、臨床研究では縦断的病態把握を行っている。脳血管障害は我が国の三大疾患の1つで、予防ある いは介護を含めた医療面における社会的ニーズには高いものがあり、教室では関連病院、関連研究施設と太い 連携をとり研究を進めている。 ・痴呆性疾患アルツハイマー型老年痴呆を中心に高次脳機能、画像、臨床的各種マーカーを指標に病態の縦断的 把握を目指す prospective-longitudinal study を行っている。またベータ蛋白や関連蛋白の産生機構、あるいは糖 化に関する基礎的研究を行っている。さらに脳の老化と痴呆脳の機構を神経栄養因子やその受容体機構の面か ら検討している。 ・遺伝性神経筋疾患 関連病院を含め全国の施設から依頼を受ける遺伝子診断のシステム化を中心に遺伝子の情 報解析を行っている。FALS、FAD などの遺伝性神経変性疾患、SBMA をはじめとするトリプレットリピート 病、FAP など単一遺伝子病については原因遺伝子の情報解析とともに、原因遺伝子産物を基にした病態発現機 構解明に関する研究を推進している。また孤発性の ALS、AD など多因子遺伝を背景とする神経変性疾患につ いては分子インデックス法や DNA チップなど先端的技術を駆使して遺伝子発現プロファイルを作成しており、 新規遺伝子を含め包括的に疾患の病態関連因子群の把握を行っている。 Ⅳ 指導方針など 大学院の入学にあたっては、臨床教室であるために基礎的な臨床医経験が必要である。すなわち医学部卒業後 2年間の初期臨床ローテート研修、ついで1−2年間の神経内科臨床研修の合計3−4年間の臨床経験を経たう えで入学することが望ましいと考える。臨床研究の重要性を理解した上で、各自の希望に従い研究の専攻分野を 決定し研究活動を展開する。 大学院在学中は入院診療を中心に診療活動にも参加する。研究のための時間確保は、 大学院生個々の状況に応じて必ずしも一様ではないが、充分な研究活動ができるように常時配慮している。 ─ 120 ─ 細胞情報医学専攻 脳神経病態制御講座 Ⅴ 大学院生の業績 1. Kobayashi Y, Kawai K, Honda H, Tomida S, Niimi N, Tamatani T, Miyasaka M, Yoshikai Y : Antibodies against leukocyte function-associated antigen-1 (LFA-1) and agaist intercellular adhesion molecule-1 (ICAM-1) together suppress the progression of experimental allergic encephalomyelitis. Cell Immunol 164 : 295-305, 1995. 2. Ito H, Sugiyama Y, Mano T, Okada H, Matsukawa T, Iwase S : Skin sympathetic nerve activity and event-related potentials during auditory oddball paradigms. J Auton Nerv Syst 60 : 129-135, 1996. 3. Takeuchi Y, Matsukawa T, Sugiyama Y, Iwase S, Mano T : Effect of metoclopramide on muscle sympathetic nerve activity in human. J Auton Nerv Syst 58 : 115-120, 1996. 4. Ito Y, Niwa H, Ieda T, Nagamatsu M, Yasuda T, Yanagi T, Sobue G : Post-trancefusion reversible posterior leukoencephalopathy syndrome with cerebral vasoconstriction. Neurology 49 : 1174-1175, 1997. 5. Kobayashi Y, Kawai K, Ito K, Honda H, Sobue G, Yoshikai Y : Aggravation of murine experimental allergic encephalomyelitis by administration of T-cell receptor gammadelta-specific antibody. J neuroimmunol 73 : 169-174, 1997. 6. Niimi Y, Matsukawa T, Sugiyam Y, Shamsuzzaman ASM, Ito H, Sobue G, Mano T : Effect of heat stress on muscle sympathetic nerve activity in humans. J Auton Nerv Syst 63 : 61-67, 1997. 7. Ito S, Iwashita T, Asai N, Murakami H, Iwata Y, Sobue G, Takahashi M: Biological properties of Ret with cysteine mutations correlate with multiple endocrine neoplasma type 2A, familial meddullary thyroid carcinoma, and Hirschsprung's disease phenotype. Cancer Res 57 : 2870-2872, 1997. 8. Ito Y, Yamamoto M, Li M, Doyu M, Tanaka F, Mutoh T, Mitsuma T, Sobue G : Differential temporal expression of mRNAs for ciliary neurotrophic factor (CNTF), leukemia inhibitory factor (LIF), interleukin-6 (IL-6), and their receptors (CNTFR alpha, LIFR beta, IL-6R alpha and gp130) in injured peripheral nerves. Brain Res 793 : 321-327, 1998. 9. Ito Y, Tanaka F, Yamamoto M, Doyu M, Nagamatsu M, Riku S, Mitsuma T, Sobue G : Somatic mosaicism of the expanded CAG trinucleotide repeat in mRNAs for the responsible gene of Machado-Joseph disease (MJD), dentatorubralpallidoluysian atrophy (DRPLA), and spinal and bulbar muscular atrophy (SBMA). Neurochem Res 23 : 25-32, 1998. 10. Ito Y, Arahata Y, Goto Y, Hirayama M, Nagamutsu M, Yasuda T, Yanagi T, Sobue G : Cisplatin neurotoxicity presenting as reversible posterior leukoencephalopathy syndrome. Am J Neuroradiol 19 : 415-417, 1998. 11. Kodama Y, Iwase T, Mano T, Cui J, Kitazawa H, Okada H, Takeuchi S, Sobue G : Attenuation of regional differentiation of sympathetic nerve activity during sleep in humans. J Auton Nerv Syst 74 : 126-133, 1998. 12. Nakayabu M, Miwa S, Suzuki M, Izuta S, Sobue G, Yoshida S : Mismatched nucleotides may facilitate expansion of trinucleotide repeats in genetic diseases. Nucleic Acids Res 26 : 1980-1984, 1998. 13. Taguchi E, Muramatsu H, Fan Q, Kurosawa N, Sobue G, Muramatsu T : Zep: A novel zinc finger protein containing a large proline-rich domain. J Biochem 124 : 1220-1228, 1998. 14. Watanabe H, Tanaka F, Matsumoto M, Doyu M, Ando T, Mitsuma T, Sobue G : Frequency analysis of autosomal dominant cerebellar ataxias in Japanese patients and clinical characterization of spinocerebellar ataxia type 6. Clin Genet 53 : 13-19, 1998. 15. Kawakami O, Sudoh H, Koike Y, Mori S, Sobue G, Watanabe S : Control of upright stsnding posture during low-frequency linear oscillation. Neurosci Res 30 : 333-342, 1998. 16. Mitsuma N, Yamamoto M, Li M, Ito Y, Mitsuma T, Mutoh T, TakahashiM, Sobue G : Expression of GDNF receptor (RET and GDNFR-a) mRNAs in the spinal cord of patients with amyotrophic lateral sclerosis. Brain Res 820 : 77-85, 1999. 17. Li M, Miwa S, Kobayashi Y, Merry D E, Yamamoto M, Tanaka F, Doyu M, Hashizume Y, Fischbeck K H, Sobue G: Nuclear Inclusions of the androgen receptor protein in spinal and bulbar muscular atrophy. Ann Neurol, 44: 249-254, 1998 ─ 121 ─ 細胞情報医学専攻 脳神経病態制御講座 18. Li M, Nakagomi Y, Kobayashi Y, Merry D E, Tanaka F, Doyu M, Mitsuma T, Hashizume Y, Fischbeck K H, Sobue G: Nonneural nuclear inclusions of androgen receptor protein in spinal and bulbar muscular atrophy. Am J Pathol, 153: 695-701, 1998 19. Yasui K, Hashizume Y, Yoshiida M, Kameyama T, Sobue G : Age-related morphologic changes of the central canal of the human spinal cord. Acta Neuropathol 97 : 253-259, 1999. 20. Misu K, Hattori N, Nagamatsu M, Ikeda S, Ando Y, Nakazato M, Takei Y, Hanyu N, Usui Y, Tanaka F, Harada T, Inukai A, Hashizume Y, Sobue G : Late onset familial amyloid polyneuropathy type I (transthyretin Met-30 -Associated familial amyloid polyneuropathy) unrelated to endemic focus in Japan : Clinicopathological and genetic features. Brain 122 : 1951-1962, 1999. 21. Takeuchi H, Misu K, Hattori N, Nagamatsu M, Sobue G : Immunoglobulin therapy for ideopathic chronic sensory ataxic neuropathy. Neurology 54 : 1008-1010, 2000. 22. Misu K, Yoshihara T, Shikama T, Awaki E, Yamamoto M, Hattori N, Hirayama M, Takegami T, Nakashima K, Sobue G : An axonal form of Charkot-Marie-Tooth disease showing distinctive features in association with mutations in the peripheral myelin protein zero gene (Thr124Met or Asp75Val). J Neurol Neurosurg Psychiatry, 69: 806-811, 2000 23. Misu K, Hattori N, Ando Y, Ikeda S, Sobue G: Anticipation in early-but not late onset familial amyloid polyneurolathy (TTR Met 30) in Japan. Neurology, 55: 451-452, 2000 24. Takeuchi H, Misu K, Hattori N, Nagamatsu M, Sobue G: Immunoglobulin therapy for idiopathic chronic sensory ataxic neuropathy. Neurology, 54: 1008-1010, 2000 25. Hishikawa N, Hashizume Y, Hirayama M, Imamura K, Washimi Y, Koike Y, Mabuchi C, Yoshida M, Sobue G: Brainstemtype Lewy body disease presenting with progressive autonomic failure and lethargy. Clin Autonom Res, 10: 139-143, 2000 26. Koike H, Misu K, Yasui K, Kameyama T, Ando T, Yanagi T, Sobue G: Differential response to corticosteroid therapy of MRI findings and clinical manifestations in spinal cord sarcoidosis. J Neurol, 247: 544-549, 2000 27. Liang Y, Inukai A, Kuru S, Kato T, Doyu M, Sobue G: The role of lymphotoxin in pathogenesis of polymyositis. Acta Neuropathol, 100: 521-527, 2000 28. Sawada K, Doyu M, Tanaka F, Sobue G, Kato K: Detection of triplet repeat expansion in the human genome by use of hybridization signal intensity. Analytical Biochem, 286: 59-66, 2000 29. Watanabe H, Tanaka F, Doyu M, Riku S, Yoshida M, Hashizume Y, Sobue G: Differential somatic CAG repeat instability in variable brain cell lineage in dentatorubral pallidoluysian atrophy (DRPLA): a laser-captured microdissection (LCM)-based analysis. Hum Genet, 107: 452-457, 2000 30. Ishigaki S, Niwa J, Yoshihara T, Mitsuma N, Doyu M, Sobue G: Two novel genes, human neugrin and mouse m-neugrin, are upregulated with neuronal differentiation in neuroblastoma cells. Biochem Biophys Res Com, 279: 526-533, 2000 31. Niwa J, Ishigaki S, Doyu M, Suzuki T, Tanaka K, Sobue G: A novel centrosomal RING-finger protein, Dorfin, mediates ubiquitin ligase activity. Biochem Biophys Res Com, 281: 706-713, 2001 32. Adachi H, Kume A, Li M, Nakagami Y, Niwa H, Do J, Sang C, Kobayashi Y, Doyu M, Sobue G: Transgenic mice with an expande CAG repeat controlled by the human AR promoter show polyglutamine nuclear inclusions and neuronal dysfunction without neuronal cell death. Hum Mol Genet, 10(10): 1039-1048, 2001 33. Koike H, Mori K, Misu K, Hattori N, Ito H, Hirayama M, Sobue G: Painful alcoholic polyneuropathy with predominant small-fiber loss and normal thiamine status. Neurology, 56: 1727-1732, 2001 34. Koike H, Misu K, Hattori N, Ito S, Ichimura M, Ito H, Hirayama M, Nagamatsu M, Sasaki I, Sobue G: Postgastrectomy polyneuropathy with thiamine deficiency. J Neurol Neurosurg Psychiatry, 71(3): 357-362, 2001 35. Hishikawa N, Hashizume Y, Yoshida M, Sobue G: Widespread occurrence of argyrophilic glial inclusions in Parkinson's ─ 122 ─ 細胞情報医学専攻 脳神経病態制御講座 disease. Neuropathol Appl Neurol, 27(5): 362-37, 2001 36. Watanabe H, Misu K, Kobayashi T, Hattori N, Doyu M, Yokoyama I, Ando Y, Nakao A, Sobue G: ABO-incompatible auxiliary partial orthotopic liver transplant for late-onset familial amyloid polyneuropathy. J Neurol Sci, 195: 63-66, 2002 37. Katsuno M, Ando T, Hakusui S, Yanagi T, Sobue G: Motor conduction studies in miller fisher syndrome with severe tetraparesis. Muscle & Nerve, 25: 378-382, 2002 38. Mori K, Hattori N, Sygiura M, Koike H, Misu K, Ichimura M, Hirayama M, Sobue G: Chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy presenting with features of GBS. Neurology, 58: 979-982, 2002 39. Watanabe H, Saito Y, Terao S, Ando T, Kachi T, Mukai E, Aiba K, Abe Y, Tamakoshi A, Doyu M, Hirayama M, Sobue G: Progression and prognosis in multiple system atrophy. An analysis of 230 Japanese patients. Brain, 125: 1070-1083, 2002 40. Iwai K, Yamamoto M, Yoshihara T, Sobue G: Anticipation in familial amyotrophic lateral sclerosis with SOD1-G93S mutation. J Neurol Neurosurg Psychiatry, 72(6): 819-820, 2002 41. Dei R, Takeda A, Niwa H, Li M, Nakagomi Y, Watanabe M, Inagaki T, Washimi Y, Yasuda Y, Horie K, Toshio M, Sobue G: Lipid peroxidation and advanced glycation and products in the brain in normal aging and in Alzheimer’s disease. Acta Neuropathol, 104: 113-122, 2002 42. Ishigaki S, Liang Y, Yamamoto M, Niwa J, Ando Y, Yoshihara T, Takeuchi H, Doyu M, Sobue G: X-linked inhibitor of apoptosis protein is involved in mutant SOD-1 mediated neuronal degeneration. J Neurochem, 82: 576-584, 2002 43. Katsuno M, Adachi H, Kume A, Li M, Nakagomi Y, Niwa H, Sang C, Kobayashi Y, Doyu M, Sobue G: Teststerone reduction prevents phenotypic expression in a transgenic mouse model of spinal and bulbar muscular atrophy. Neuron, 35: 843-854, 2002 44. Niwa J, Ishigaki S, Hishikawa N, Yamamoto M, Doyu M, Murata S, Tanaka K, Taniguchi N, Sobue G: Dorfin ubiquitylates mutant SOD1 and prevents mutant SOD1-mediated neurotoxicity. J Biol Chem, 277(39): 36793-36798, 2002 45. Takeuchi H, Kobayashi Y, Yoshihara T, Niwa J, Doyu M, Ohtsuka K, Sobue: Hsp70 and Hsp40 improve neurite outgrowth and suppress intracytoplasmic aggregate formation in cultured neuronal cells expressing mutant SOD1. Brain Res, 949: 11-22, 2002 46. Takeuchi H, Kobayashi Y, Ishigaki S, Doyu M, Sobue G: Mitochondrial localization of mutant superoxide dismutase 1 triggers caspase-depenent cell death in a cellular model of familial amyotrophic lateral sclerosis. J Biol Chem, 277(52): 50966-50972, 2002 47. Sang C, Kobayashi Y, Du J, Katsuno M, Adachi H, Doyu M, Sobue G: c-Jun N-terminal kinase pathway mediates Lactacustin-induced cell death in a neuronal differentiated Neuro2a cell line. Mol Brain Res, 108: 7-17, 2002 48. Ishigaki S, Niwa J, Ando Y, Yoshihara T, Sawada K, Doyu M, Yamamoto M, Kato K, Yotsumoto Y, Sobue G: Differentially expressed genes in sporadic amyotrophic lateral sclerosis spinal cords -screening by molecular indexing and subsequent cDNA microarray analysis. FEBS Lett, 531: 354-358, 2002 49. Koike H, Misu K, Ikeda S, Ando Y, Nakazato M, Ando E, Yamamoto M, Hattori N, Sobue G: Type I (transthyretin Met30) familial amyloid polyneuropathy in Japan: early- vs late-onset form. Arch Neurol, 59(11): 1771-1776, 2002 50. Hamada K, Hirayama M, Watanabe H, Kobayashi R, Ito H, Ieda T, Koike Y, Sobue G: Onset age and severity impairment are associated with reduction of myocardial 123I-MIBG uptake in Parkinson’s disease. J Neurol Neurosurg Psychiatry, 74(4): 423-426, 2003 51. Ito T, Niwa J, Hishikawa N, Ishigaki S, Doyu M, Sobue G: Dorfin localizes to Lewy bodies and ubiquitylates synphilin-1. J Biol Chem, 278(31): 29106-29114, 2003 52. Mori K, Iijima M, Sugiura M, Koike H, Hattori N, Ito H, Hirayama M, Sobue G: Sjören’s syndrome associated painful sensory neuropathy without sensory ataxia. J Neurol Neurosurg Psychiatry, 74: 1320-1322, 2003 ─ 123 ─ 細胞情報医学専攻 脳神経病態制御講座 53. Ando Y, Liang Y, Ishigaki S, Niwa J, Jiang Y, Kobayashi Y, Yamamoto M, Doyu M, Sobue G: Caspase-1 and -3 are differentially upregulated in motor neurons and glial cells in mutant SOD1 transgenic mouse spinal cord: a study usign laser microdissection and real time RT-PCR. Neurochem Res, 28: 839-846, 2003 54. Katsuno M, Adachi H, Sobue G: Sweet relief for Huntington disease. Nature Med, 10: 123-124, 2004 55. Minamiyama M, Katsuno M, Adachi H, Waza M, Sang C, Kobayashi Y, Tanaka F, Doyu M, Inukai A, Sobue G: Sodium butyrate ameliorates phenotypic expression in a transgenic mouse model of spinal and bulbar muscular atrophy. Hum Mol Genet, 13: 1183-1192, 2004 56. Katsuno M, Sobue G: Spinal and bulbar muscular atrophy: ligand-dependent pathogenesis and therapeutic perspectives. J Mol Med, 82: 298-307, 2004 Ⅵ 大学院修了者の進路 平成 15 年度修了者(3名) 2名 病院赴任 1名 神経内科客員研究者 平成 14 年度修了者(7名) 1名 神経内科客員研究者 1 名 神経内科研究員 2名 神経内科医員 3名 病院赴任 平成 13 年度修了者(5名) 1名 神経内科客員研究者後、国立大学助手 2 名 神経内科客員研究者 1名 神経内科医員 1名 病院赴任 平成 12 年度修了者(4名) 1名 神経内科客員研究者 1名 神経内科医員 2名 病院赴任 平成 11 年度修了者(4名) 1名 神経内科客員研究者 3名 病院赴任 平成 10 年度(2名) 2名 病院赴任 平成9年度(2名) 1名 国立研究機関助手後、室長 1名 ドイツ留学後、病院赴任 平成8年度(3名) 1名 国立大学助手後、病院赴任 2名 病院赴任 平成7年度(3名) 1名 神経内科医員後、客員研究者 1名 米国留学後神経内科医員→病院赴任 1名 病院赴任 ─ 124 ─ 細胞情報医学専攻 脳神経病態制御講座 平成6年度(2名) 2名 病院赴任 平成5年度(7名) 1名 海外留学(英国)後、国立大学助教授→教授 3名 病院赴任(神経内科医長) 2名 海外留学(米国)後、病院赴任 1名 病院赴任後開業 平成4年度(5名) 1名 神経内科講師 1名 国立研究機関室長 1名 米国留学後、私立医大助教授 1名 米国留学中(Res. Assist. Prof.) 1名 米国留学後、病院赴任 Ⅶ 過去5年間の代表論文 1. Hattori N, Ichimura M, Nagamatsu M, Li M, Yamamoto K, Kumazawa K, Mitsuma T, Sobue G : Clinicopathological features of Churg-Strauss syndrome-associated neuropathy. Brain 122 : 427-439, 1999 2. 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J Med Genet, 41: 1-5, 2004 ─ 130 ─ 細胞情報医学専攻 脳神経病態制御講座 精神医学/精神生物学 Ⅰ 教室の沿革・特色 精神医学分野は旧精神医学講座を引継いだものであるが、大学院重点化によって精神生物学分野と発育加齢医 学講座児童精神医学分野(児童精神医学分野の紹介は別項参照)が大学院重点化によって誕生した。旧精神医学 講座は、初代北林貞道教授によって開講され、杉田直樹教授、村松常雄教授(力動精神医学、社会精神医学) 、 堀 要教授(児童精神医学) 、笠原 嘉教授 ( 精神病理学 )、太田龍朗教授(精神生理学)を経て、平成 15 年 10 月より現在の尾崎紀夫教授に引継がれており、すでに 95 年の歴史と伝統を持っている。尾崎紀夫教授は、精神 疾患のゲノム医学研究、疾学研究、時間生物学的研究、更には臨床精神薬理、神経科学、リエゾン精神医学を専 門とし、内外の多くの施設とも共同して広範な精神医学研究を展開している。 Ⅱ スタッフ 教 授 尾崎紀夫(精神医学・精神生物学) 助 教 授 西岡和郎(精神医学) 稲田俊也(精神生物学) 講 師 大饗広之(病院:精神科) 講 師 入谷修司(病院:精神科) 助 手 木村宏之(病院:精神科) 北上富常(病院:精神科) Ⅲ 研究分野・内容 近年、卒前・卒後医学教育における精神医学の重要性が強調されていることを裏付ける証左として、1」精神 障害の発症頻度は高いが、適切な医療的対応を受けていない患者も多く、大きな社会的損失がもたらされている。 2」身体疾患患者は精神障害を合併する頻度が高く、精神医学的介入が身体患者の QOL 向上とその疾患自体の予 後のために有用である。が挙げられる。我々は精神医学教育機関としてその要請に応えねばならない。臨床面で は「患者の生物・心理・社会的側面に配慮し、実証的データと患者・家族のニーズに基づく精神医療の実践する こと」を念頭に置き、日々の臨床が「新たな実証的データを作成するための研究」に繋がるよう配慮している。 その上で、1)現行の診断・治療法の範囲内で最も妥当なものは何かを検証する研究と、「治療抵抗性症例」に対 応すべく 2)病態生理を解明し、病態生理に即した治療・予防法の開発を見いだす研究、を目指している。 主たる研究テーマ 1. ゲノム医学を活用した統合失調症、気分障害、薬物依存、不安障害の病態生理研究 2.統合失調症、気分障害の薬理遺伝学的研究 3.統合失調症、気分障害の神経画像研究 4.統合失調症、気分障害、不安障害の臨床精神薬理研究 5.統合失調症、気分障害、不安障害の心理社会的治療法の研究 6.気分障害、不安性障害の養育体験、人格特性の研究 7.気分障害、睡眠障害の疫学研究 ( ゲノムコホート研究を含む ) ─ 131 ─ 細胞情報医学専攻 脳神経病態制御講座 8.職域における精神障害の疫学的研究と早期発見の手法開発および介入研究 9.腎移植患者・心不全患者等、身体疾患患者のうつ病発症頻度、養育体験、人格特性の研究 10.痴呆性疾患の神経病理学的研究 Ⅳ 指導方針など 日々の臨床と直結する 1) 「現行の診断・治療法の範囲内で最も妥当なものは何かを検証する研究」を実践す るとともに、1)によって明らかになる「現在の治療法ではいかんともしがたい症例の存在」を意識して、2)「病 態生理をつきとめ、病態生理に即した治療・予防法の開発を目指す研究」を模索することが基本方針である。そ のために、最新の臨床精神医学研究あるいは EBM、神経科学、ゲノム医学、情報科学といった諸分野に精通す ると同時に、倫理的配慮に留意した研究者の育成を目指している。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Ikeda M, Iwata N, Suzuki T, Kitajima T, Yamanouchi Y, Kinoshita Y, Inada T, Ozaki N: Association of AKT1 with schizophrenia confirmed in a Japanese population. Biol Psychiatry (in press) 2. Saito S, Ikeda M, Iwata N, Suzuki T, Kitajima T, Yamanouchi Y, Kinoshita Y, Takahashi N, Inada T, Ozaki N: Lack of Association between a functional SNP in ZDHHC8 and Japanese schizophrenia. Am J Med Genet (in press) 3. Takahashi N, Tomita K, Higuchi T, Inada T: The inter-rater reliability of the Japanese version of the Montgomery-Asberg depression rating scale (MADRS) using a structured interview guide for MADRS (SIGMA). Hum Psychopharmacol 19 (3) :187-92, 2004 4. Qiao H, Noda Y, Kamei H, Nagai T, Furukawa H, Miura, Kayukawa Y, Ohta T and Nabeshima T.: Clozapine, but haloperidol reverses social behavior deficit in mice during withdrawal from chronic phencyclidine treatment. NeuroReport 12: 11-15, 2001 Ⅵ 過去5年間の代表論文・著者名 1. Iijima Y, Inada T, Ohtsuki T, Senoo H, Nakatani M, Arinami T: Association between chromogranin b gene polymorphisms and schizophrenia in the Japanese population. Biol Psychiatry 56 (1) :10-17, 2004 2. Koizumi H, Hashimoto K, Kumakiri C, Shimizu E, Sekine Y, Ozaki N, Inada T, Harano M, Komiyama T, Yamada M, Sora I, Ujike H, Takei N, Iyo M: Association between the glutathione S-transferase M1 gene deletion and female methamphetamine abusers. Am J Med Genet 126B (1) :43-45, 2004 3. Ohtsuki T, Tanaka S, Ishiguro H, Noguchi E, Arinami T, Tanabe E, Yara K, Okubo T, Takahashi S, Matsuura M, Sakai T, Muto M, Kojima T, Matsushima E, Toru M, Inada T: Failure to find association between PRODH deletion and schizophrenia. Schizophr Res 67 (1) :111-113, 2004 4. Iwata N, Suzuki T, Ikeda M, Kitajima T, Yamanouchi Y, Inada T, Ozaki N: No association with the neuregulin 1 haplotype to Japanese schizophrenia. Mol Psychiatry 9 (2) :126-127, 2004 5. Takano A, Uchiyama M, Kajimura N, Mishima K, Inoue Y, Kamei Y, Kitajima T, Shibui K, Katoh M, Watanabe T, Hashimotodani Y, Ozeki Y, Hori T, Yamada N, Toyoshima R, Ozaki N, Okawa M, Nagai K, Takahashi K, Isojima Y, Yamauchi T, Ebisawa T: A Missense Variation in Human Casein Kinase I Epsilon Gene that Induces Functional Alteration and Shows an Inverse Association with Circadian Rhythm Sleep Disorders. Neuropsychopharmacology (4) :1-9, 2004 ─ 132 ─ 細胞情報医学専攻 脳神経病態制御講座 6. Okada M, Northup J, Ozaki N, Russell J, Linnoila M, Goldman D: Modification of Human 5-HT2C Receptor Function by Cys23Ser,an Abundant, Naturally Occurring Amino Acid Substitution. Mol Psychiatry 9 (1) :55-64, 2004 7. Hashimoto R, Yoshida M, Ozaki N, Yamanouchi Y, Iwata N, Suzuki T, Kitajima T, Tatsumi M, Kamijima K, Kunugi H: Association analysis of the G308A promoter polymorphism of the tumor necrosis factor alpha (TNF-α ) gene in Japanese patients with schizophrenia. Journal of Neural Transmission 111 (2) :217-222, 2004 8. Miura H, Qiao H, Kitagami T, Ohta T: Fluvoxamine, a selective serotonin reuptake inhibitor, suppresses tetrahydrobiopterin in the mouse hippocampus. Neuropharmacology 46 (3) :340-348, 2004 9. Hori K, Tominaga I, Inada T, Oda T, Hirai S, Hori I, Onaya M, Teramoto H: Donepezil-responsive alcohol-related prolonged delirium. Psychiatry Clin Neurosci 57 (6) :603-604, 2003 10. Inada T, Senoo H, Iijima Y, Yamauchi T, Yagi G: Cytochrome P450 II D6 gene polymorphisms and the neurolepticinduced extrapyramidal symptoms in Japanese schizophrenic patients. Psychiatr Genet 13 (3) :163-168, 2003 11. Ujike H, Harano M, Inada T, Yamada M, Komiyama T, Sekine Y, Sora I, Iyo M, Katsu T, Nomura A, Nakata K, Ozaki N: Nine- or fewer repeat alleles in VNTR polymorphism of the dopamine transporter gene is a strong risk factor for prolonged methamphetamine psychosis. Pharmacogenomics J 3 (4) :242-247, 2003 12. Inada T, Nozaki S, Inagaki A, Furukawa TA: Efficacy of diazepam as an anti-anxiety agent: meta-analysis of double-blind, randomized controlled trials carried out in Japan. Hum Psychopharmacol 18 (6) :483-487, 2003 13. Inada T, Nakamura A, Iijima Y: Relationship between catechol-O-methyltransferase polymorphism and treatment-resistant schizophrenia. Am J Med Genet 120B (1) :35-9, 2003 14. Suzuki E, Kitao Y, Ono Y, Iijima Y, Inada T: Cytochrome P450 2D6 polymorphism and character traits. Psychiatr Genet 13 (2) :111-113, 2003 15. Kokai M, Inada T, Ohara K, Shimizu M, Iwado H, Morita Y: Inter--rater and test--retest reliability of the Japanese version of the subjective deficit syndrome scale. Hum Psychopharmacol 18 (2) :145-149, 2003 16. Inada T, Beasley CM, Jr., Tanaka Y, Walker DJ: Extrapyramidal symptom profiles assessed with the Drug-Induced Extrapyramidal Symptom Scale: comparison with Western scales in the clinical double-blind studies of schizophrenic patients treated with either olanzapine or haloperidol. Int Clin Psychopharmacol 18 (1) :39-48, 2003 17. Yamanouchi Y, Iwata N, Suzuki T, Kitajima T, Ikeda M, Ozaki N: Effect of DRD2, 5-HT2A, and COMT genes on antipsychotic response to risperidone. Pharmacogenomics J 3 (6) :356-361, 2003 18. The Japanese Schizophrenia Sib-pairLinkageGroup(JSSLG)(Arinami T IH, Minowa Y, Ohtsuki T, Tsujita T, Imamura A, Yoshikawa T, Toyota T, Yamada K, Shimizu H, Yoshitsugu K, Shibata H, Fujii Y, Fukumaki Y, Tashiro N, Inada T, Iijima Y, Kitao Y, Furuno T, Someya T, Mumtake T, Kaneko N, Tsuji S, Mineta M, Takeichi M, Ujike H, Takehisa Y, Tanaka Y, Nakata K, Kitajima T, Nishiyama T, Yamanouchi Y, Iwata N, Ozaki N, Ohara K, Suzuki Y, Shibuya H, Ohmori O, Shinkai T, Hori H, Nakamura J, Kojima T, Takahashi S, Tanabe E, Yara K, Nanko S, Yoneda H, Kusumi I, Kameda K, Koyama T, Fukuzako H, Hashiguchi T, Tanabe K, Okazaki Y): Initial genome-wide scan for linkage with schizophrenia in the Japanese Schizophrenia Sib-pair Linkage Group(JSSLG)families. Am J Med Genet (Neuropsychiatr Genet) 120B (1) :22-28, 2003 19. Suzuki T, Iwata N, Kitamura Y, Kitajima T, Yamanouchi Y, Ikeda M, Kamatani N, Ozaki N: Association of a haplotype in the serotonin 5-HT4 receptor gene (HTR4) with Japanese schizophrenia. Am J Med Genet 121B (1) :7-13, 2003 20. Ozaki N, Goldman D, Kaye WH, Plotnicov K, Greenberg BD, Lappalainen J, Rudnick G, Murphy DL: Serotonin transporter missense mutation associated with a complex neuropsychiatric phenotype. Mol Psychiatry 8 (11) :933-936, 2003 21. Okada M, Irie S, Sawada M, Urae R, Urae A, Iwata N, Ozaki N, Akazawa K, Nakanishi H: Pepstatin A induces extracellular acidification distinct from aspartic protease inhibition in microglial cell lines. Glia 43 (2) :167-174, 2003 22. Noda M, Yasuda S, Okada M, Higashida H, Shimada A, Iwata N, Ozaki N, Nishikawa K, Shirasawa S, Uchida M, Aoki S, Wada K: Recombinant human serotonin 5A receptors stably expressed in C6 glioma cells couple to multiple signal transduction pathways. J Neurochem 84 (2) :222-232, 2003 ─ 133 ─ 細胞情報医学専攻 脳神経病態制御講座 23. Kusunoki K, Kitajima T, Ozaki N: Does quazepam influence sleep and daytime activity in healthy adults? Sleep and Biological Rhythms 1 (2) :171-172, 2003 24. Kitagami T, Yamada K, Miura H, Hashimoto R, Nabeshima T, Ohta T: Mechanism of systemically injected interferon-alpha impeding monoamine biosynthesis in rats: role of nitric oxide as a signal crossing the blood-brain barrier. Brain Res 978 (1-2) :104-114, 2003 25. Imai M, Kayukawa Y, Ohta T, Li L, Nakagawa T: Cross-regional survey of seasonal affective disorders in adults and highschool students in Japan. J Affect Disord 77 (2) :127-133, 2003 26. Inada T, Yagi G, Miura S: Extrapyramidal symptom profiles in Japanese patients with schizophrenia treated with olanzapine or haloperidol. Schizophr Res 57 (2-3) :227-238, 2002 27. Obata T, Aomine M, Inada T, Kinemuchi H: Nicotine suppresses 1-methyl-4-phenylpyridinium ion-induced hydroxyl radical generation in rat striatum. Neurosci Lett 330 (1) :122-124, 2002 28. Iwase T, Kajimura N, Uchiyama M, Ebisawa T, Yoshimura K, Kamei Y, Shibui K, Kim K, Kudo Y, Katoh M, Watanabe T, Nakajima T, Ozeki Y, Sugishita M, Hori T, Ikeda M, Toyoshima R, Inoue Y, Yamada N, Mishima K, Nomura M, Ozaki N, Okawa M, Takahashi K, Yamauchi T: Mutation screening of the human Clock gene in circadian rhythm sleep disorders. Psychiatry Res 109 (2) :121-128, 2002 29. Hirano S, Sato T, Narita T, Kusunoki K, Ozaki N, Kimura S, Takahashi T, Sakado K, Uehara T: Evaluating the state dependency of the Temperament and Character Inventory dimensions in patients with major depression: a methodological contribution. J Affect Disord 69 (1-3) :31-38, 2002 30. Omura I, Mizutani M, Goto S, Hashimoto R, Kitagami T, Miura H, Ohta T: Plasma biopterin levels and depressive state in pregnancy and the early puerperal period. Neuropsychobiology 45 (3) :134-138, 2002 31. Miura H, Qiao H, Ohta T: Attenuating effects of the isolated rearing condition on increased brain serotonin and dopamine turnover elicited by novelty stress. Brain Res 926 (1-2) :10-17, 2002 32. Miura H, Qiao H, Ohta T: Influence of aging and social isolation on changes in brain monoamine turnover and biosynthesis of rats elicited by novelty stress. Synapse 46 (2) :116-124, 2002 33. Nakamura A, Inada T, Kitao Y, Katayama Y: Association between catechol-O-methyltransferase (COMT) polymorphism and severe alcoholic withdrawal symptoms in male Japanese alcoholics. Addict Biol 6 (3) :233-238, 2001 34. Takase K, Ohtsuki T, Migita O, Toru M, Inada T, Yamakawa-Kobayashi K, Arinami T: Association of ZNF74 gene genotypes with age-at-onset of schizophrenia. Schizophr Res 52 (3) :161-165, 2001 35. Ishigooka J, Inada T, Miura S: Olanzapine versus haloperidol in the treatment of patients with chronic schizophrenia: results of the Japan multicenter, double-blind olanzapine trial. Psychiatry Clin Neurosci 55 (4) :403-414, 2001 36. Drube J, Kawamura N, Nakamura A, Ando T, Komaki G, Inada T: No leucine(7)-to-proline(7) polymorphism in the signal peptide of neuropeptide Y in Japanese population or Japanese with alcoholism. Psychiatr Genet 11 (1) :53-55, 2001 37. Iwata N, Ozaki N, Inada T, Goldman D: Association of a 5-HT5A receptor polymorphism, Pro15Ser, to schizophrenia. Molecular Psychiatry 6 (2) :217-219, 2001 38. Imamura K, Sawada M, Ozaki N, Naito H, Iwata N, Ishihara R, Takeuchi T, Shibayama H: Activation mechanism of brain microglia in patients with diffuse neurofibrillary tangles with calcification: a comparison with Alzheimer disease. Alzheimer Dis Assoc Disord 15 (1) :45-50., 2001 39. Hatsuda S, Sugita S, Suzuki S, Matsubara M, Ozaki N, Kayukawa Y, Ohara M: Inhibition of K(+)-evoked release of rat striatal 5-hydroxytryptamine by an atypical antidepressant: trazodone. Neuropsychobiology 44 (2) :103-107, 2001 40. Kitao Y, Inada T, Arinami T, Hirotsu C, Aoki S, Iijima Y, Yamauchi T, Yagi G: A contribution to genome-wide association studies: search for susceptibility loci for schizophrenia using DNA microsatellite markers on chromosomes 19, 20, 21 and 22. ─ 134 ─ 細胞情報医学専攻 脳神経病態制御講座 Psychiatr Genet 10 (3) :139-143, 2000 41. Kusunoki K, Sato T, Taga C, Yoshida Y, Komori K, Narita T, Hirano S, Iwata N, Ozaki N: Low novelty-seeking differentiated obsessive-compulsive disorder from major depression. Acta Psychiatr Scand 101 403-405, 2000 42. Kayukawa Y, Shirakawa S, Hayakawa T, Imai M, Iwata N, Ozaki N, Ohta T: Habitual snoring in an outpatient population in Japan [In Process Citation]. Psychiatry Clin Neurosci 54 (4) :385-391, 2000 ─ 135 ─ 細胞情報医学専攻 脳神経病態制御講座 脳神経外科学/遺伝子治療学/脳血管内治療学 Ⅰ 教室の沿革・特色 当教室は第一外科齋藤眞教授より約 80 年受け継がれてきた日本でも最も伝統ある脳神経外科教室の一つであ る。脳神経外科学講座としては昭和 42 年 6 月に設立され、当初第一外科、第二外科の合同診療からスタートし、 昭和 44 年に脳神経外科診療科として独立した。初代の景山直樹教授は昭和 46 年に着任、脳腫瘍中心に脳神経外 科の発展に貢献され、昭和 63 年からは 2 代目杉田虔一郎教授が脳血管障害を中心に microsurgery を開発確立 された。現在、平成 8 年 2 月に就任された三代目の吉田純教授の下、これまで築き上げられた伝統を守りその上 で遺伝子治療などの 21 世紀に向けた新しい脳神経外科医療を開発しようと取り組んでいる。教室には教官 13 名 , 医員(社会人大学院生)10 名、大学院生 13 名が在籍し教育・臨床・研究に励んでいる。教育面ではポリクリ等 の教育をはじめ卒後研修教育も独自な教育プログラムを行っている。卒後2年間の臨床研修のあと、卒後 3 年目 より初期専門医教育を名古屋大学脳神経外科関連の教育指定病院で行い後期専門医教育を大学病院で行い、研修 の仕上げを行っている。臨床面では脳腫瘍、血管障害、脊椎脊髄疾患、血管内手術、頭蓋底手術など、広範な分 野において各教官がトップレベルの仕事を続けている。研究は脳腫瘍グループ、脊髄血管グループ、機能画像解 析グループ、頭蓋底グループの他、遺伝子治療分野、脳血管内治療分野に分かれて行っている。また、当教室で はバイオ医療学「東レ」寄付講座ならびに探索医療センターである遺伝子再生センターを担当し高度先端医療の 開発を行っている。名古屋大学脳神経外科の主要関連施設は 45 を越え、250 名以上の同門の先生が年間 6000 例 以上の脳神経外科手術を行い日本の脳神経外科施設の中で基幹病院としての役割を果たしている。 Ⅱ スタッフ 教 助 授 教 田 純 授 齋藤 清、若林 俊彦、水野 正明、宮地 茂、佐藤 雄一郎 講 師 梶田 泰一、永谷 哲也 助 手 原 政人、中原 紀元、波多野 寿、岡本 奨、夏目 敦至 医 員 (社会人大学院生) 竹林 成典、青島 千洋、岡田 健、野田 寛、大島 共貴、中島 康博、市川 優寛、 中坪 大輔、伊藤 元一、相見 有里 大 学 院 生 服部 健一、藤田 貢、遠藤 乙音、津野 隆哉、大澤 弘勝、飯塚 宏、石井 大、 竹内 祐喜、久野 智彦、泉 孝嗣、島戸 真司、中根 幸実、大井 祥恵 Ⅲ 研究分野・内容 機能脳神経外科・画像解析グループ スタッフ:講 師 梶田 泰一(グループリーダー) 大学院生 遠藤 乙音、竹林 成典、野田 寛 機能的脳神経外科とは、薬でなかなか治らない不随意運動(パーキンソン病、振戦)、てんかん、痛み等の神 経症状を外科的に治療することである。また、近年 MRI を代表とする脳神経画像診断技術はめざましく、脳の いろいろな働きが目にみえたり、脳神経の走行が描写できるようになった。我々は、この最新の技術を脳の病気 の解明に役立てたり、外科手術に応用できるように研究をしている。 ─ 136 ─ 細胞情報医学専攻 脳神経病態制御講座 Ⅰ . 臨床研究 1)てんかんの外科的治療 てんかんとは、大脳神経細胞が過剰に電気的に興奮した結果、生ずる発作である。内科的治療で、70-80% は発作が消失するが残りの20- 30%は、適切な薬物治療でも発作がとまらない難治性となる。画像・脳波検 査を行い、 発作の焦点を同定できれば (症候性てんかん)、手術によって治すことも可能である。我々はコンピュー ター技術をとりいれたナビゲーションを用いて、確実に焦点を切除している。特に側頭葉てんかんの手術では、 術後の発作の消失率は8- 9割の成績である。 2)不随意運動症の定位脳手術 代表的な不随意運動の病気であるパーキンソン病は 40 歳以後、特に 50-60 歳代に症状が出始める。出現する 神経の症状は振戦(ふるえ) 、筋強剛、動作緩慢、姿勢反射障害(倒れやすい)などである。これらの症状はパー キンソン病に使用される薬(抗パーキンソン病薬)によく反応し、症状が消失したり改善する。しかしながら、 長期にこの薬を服用していると、薬が効かなくなったり、新たな不随意運動が出現するなどの副作用がでる。定 位脳手術は、そのような症状が軽減するように、その原因となっている視床 Vim 核、淡蒼球、視床下核等を治 療するものである。我々は、コンピューター技術を用いて、脳の治療部位への適切な針の進入経路を計算、さら に、非常に細い電極を用いて、一つ一つの神経細胞の活動を記録して、目的とする異常な神経を同定するきわめ て精度の高い手術を行っている。 3)MRI. SPECT, PET などの画像診断の研究 我々のグループは、脳虚血性疾患の画像解析において、多くの優れた実績があり、放射線科、他施設と共同で、 Functional MRI, 脳磁図を用いて知覚、視覚機能の研究を行っている。本年は、特に、循環器病研究委託費公募 課題「脳磁図を用いた脳虚血による局所性機能異常の非侵襲的診断法に関する研究班」のメンバーとして、国立 中部病院の文堂先生とともに、内頸動脈や中大脳動脈が閉塞・狭窄した患者における脳の神経活動を脳磁図をつ 用いた評価をおこなった。 Ⅱ . 基礎研究 A. ラット辺縁系てんかんモデルにおける脳深部刺激療法の有用性の検討 てんかんに対する脳深部刺激療法の可能性を探るため、ラットのてんかんモデルにおいて検討を行った。雄の SD ラットにカイニン酸を全身投与し、急性期の辺縁系発作を誘発し、一側の視床下核を高頻度刺激する群、一 側の黒質網様体層を高頻度刺激する群、および刺激を行わない対照群にて脳波学的、行動学的に比較した。その 結果、一側視床下核刺激群では、対照群に比し、発作全体の持続時間は変らず、全般発作の持続時間が有意に減 少した。すなわち二次性全般化が有意に抑制された。また臨床発作の重症度も軽減された。一方、一側黒質網様 体層刺激群ではこのような効果はみられなかった。今後、辺縁系発作のみならず、新皮質起始の発作でも効果が あるかを検討した上で、難治な部分てんかんに対する臨床適応を考慮する。 B.胚性幹細胞(ESC)を用いた再生医療の開発 カニクイサル胚性幹細胞(ES 細胞)を用いて、霊長類に対する再生医療の基盤づくりを目指す研究を進めて おり、安定した ES 細胞の取り扱い、及び自 然分化での傾向の分析は 2002 年に達成された。これに加え 2003 年には、遺伝子導入や各種の cytokine を用いない環境下での、高効率な Neurofilament(+) の neuron への選択的 分化誘導法の確立と、霊長類 ES 細胞では未分化性維持に必須とされる feeder 細胞との共 培養を、非接触・分 離型の共培養法を開発することにより、純化された ES 細胞が得られるようになった。誘導条件の違いによる分 化 neuron の性質の相 違や、非接触共培養法の効率化の探求を引き続き行っていく。 ─ 137 ─ 細胞情報医学専攻 脳神経病態制御講座 遺伝子治療グループ スタッフ:助 教 授 水野 正明(グループリーダー) 助 手 夏目 敦至(遺伝子・再生医療センター) 大学院生 津野 隆哉、久野 智彦、大澤 弘勝、竹内 裕基、 遠藤 人(特別研究生:富山医科薬科大学からの国内留学生) 遺伝子治療グループは、脳神経外科学をはじめ、外科学、皮膚科学、泌尿器科学、循環器内科学等と共同しな がら、先端医療開発を進めているグループである。これまでに、本学附属病院で展開している「正電荷リポソー ム包埋ヒトβ型インターフェロン遺伝子による悪性グリオーマの遺伝子治療臨床研究」や、信州大学医学部皮膚 科学教室と共同で開発し、2004 年1月に臨床研究をスタートした「正電荷多重膜リポソーム包埋ヒトβ型イン ターフェロン遺伝子を用いる進行期悪性黒色腫の遺伝子治療臨床研究」と題する遺伝子治療の基盤研究、前臨床 研究及び臨床研究をサポートしてきた。前者の遺伝子治療臨床研究では、再発の悪性グリオーマ患者5人のご協 力の下で、当該治療の安全性と有効性を確認した。一方、新しい先端医療の開発を目指す基盤研究では、個々の 研究の位置づけを明確にして、取り組む方向性を探っている。このような試みは、今後はその中で、遺伝子医療、 再生医療、ゲノム医療、医用工学情報医療、細胞療法、ペプチド療法等を含む「未来医療」開発を進めていきた いと考えている。 Ⅰ . 臨床研究 1)コアテクノロジーの開発 ①遺伝子包埋リポソームの製剤化と大量調製技術の拡充 遺伝子包埋リポソームの製剤化技術(GMP 下での調製技術の開発)を確立し、凍結乾燥化にも成功した。 そして、 この調製法に基づいて調製した遺伝子包埋リポソーム製剤を、共同研究先である信州大学に提供し、 遺伝子治療臨床研究を実施した。このことは、大学が自ら調製した製剤を、他施設で臨床応用するといった、 我が国ではこれまでになかった新しい共同研究体制を打ち出したことになった。今後、多くの先端医療開発 で応用されるものと期待している。 ②臨床研究用アデノ随伴ウイルスベクターの調製法の確立 アデノ随伴ウイルス(AAV)を遺伝子レベルで改変し、遺伝子導入用ベクターとしたものが、AAV ベクター である。本年度は、臨床研究用ベクターの調製に必要な産生細胞の大量培養法を、ビーズ培養法を基盤に開 発した。 ③遺伝子解析システムの確立 遺伝子解析研究は、 今後遺伝子に関連した先端医療を開発するためには必須のテーマである。これまでにも、 当グループでは、DNA や RNA の抽出、PCR や RT-PCR、さらにシークエンスをルーチンワークとして行っ てきたが、これに DNA マクロアレイを加え、全体をひとつのシステムとして体系化した。これにより、患 者検体から、効率よく遺伝子学的情報を取得できるようになり、今後の先端医療開発に役立てたいと考えて いる。 2)新しいシーズの開発 ①新規ベクターの開発 1)フラーレンの応用 『フラーレン』とは 60 個もしくはそれ以上の炭素原子が球状あるいはチューブ状に繋がった中空構造を 有する巨大分子(C60、C70、C76、C78 など)で、グラファイト(黒煙)・ダイアモンドに次ぐ第三の炭 素原子である。このフラーレンを東京大学理学部(物理有機化学)の中村栄一教授らが修飾し、DNA を デリバーできるよう工夫しており、当グループではこれを先端医療分野に応用するための研究を開始して いる。 2)ハイブリッドベクターの開発 アデノウイルスベクターとカチオン性リポソームの複合体や、アデノ随伴ウイルスベクターをカチオン性 ─ 138 ─ 細胞情報医学専攻 脳神経病態制御講座 リポソームに包埋したベクター等のハイブリッドベクターを調製している。これにより遺伝子発現時間の 延長や、抗原性の低下を実現した。 ②抗腫瘍効果の分子メカニズム 1)インターフェロンβのシグナル伝達機構 JAK、TYK、STAT、Caspase を中心にインターフェロンβのシグナル伝達機構を分子レベルで解明す ることを目指している。本年度は、ヒトグリオーマ細胞では、インターフェロンβタンパクに対する感 受性が、ヒトグリオーマ細胞ではインターフェロンβの mRNA レベルと相関することがわかり、また、 Akt や Ras にも影響を与えることが確認できた。 2)ヒトグリオーマ細胞の示すサイトカイン抵抗性の分子メカニズム ヒトグリオーマ細胞では、デスレセプターから入る細胞死のシグナルが、IAP(アポトーシス関連蛋白阻 害因子)の高発現によりブロックされていることがわかった。また、これらの因子を siRNA 等で抑制す ることで、抗がん剤等の感受性を高めることができた。新しい分子標的医療の開発につながるものと期待 される。 3)膵癌細胞におけるインターフェロンβ遺伝子治療の効果 インターフェロンβ遺伝子治療の効果を、膵臓癌でも確認した。 ③遺伝子治療の開発研究 1)インターフェロンβ遺伝子治療と樹状細胞を用いた免疫療法の併用効果 インターフェロンβ遺伝子治療と樹状細胞療法を併用することで、さらに強い抗腫瘍効果の誘導が可能で あることを、ヒトグリオーマ細胞及び悪性黒色腫細胞で確認した。これを臨床に応用すべく、臨床用細胞 調製施設の立ち上げを進めている。 2)インターフェロンβ遺伝子を用いた遺伝子治療の開発(悪性黒色腫、腎細胞癌、肝炎) 2000 年4月からスタートしたインターフェロンβ遺伝子治療は、これまでに5人の患者さんに行われ、 安全性と有効性に関する検討が行われた。今後は、当該治療の有効性について、さらに詳細に検討すべく、 症例数を増やしていく方向性を出していく予定である。また、本年度は、悪性黒色腫に対するインターフェ ロンβ遺伝子治療臨床研究を、信州大学との共同研究のもとで開始した。これらの臨床研究は、脳神経外 科・吉田教授を中心に進めているプロジェクトである。 ④再生医療 1)神経前駆細胞の分離・培養 近年、多機能性細胞(神経幹細胞)が同定され、注目を集めている。昨年の神経幹細胞の同定・分離に続 き、神経幹細胞をマウス胎児脳からの分離・培養する技術の確立を目指している。 脳腫瘍グループ スタッフ:助 教 授 若林 俊彦(グループリーダー、遺伝子・再生医療センター) 助 手 中原 紀元(バイオ医療学) 助 手 波多野 寿 助 手 夏目 敦至(遺伝子・再生医療センター) 大学院生 島戸 真司、 藤田 貢、 石井 大 当教室脳腫瘍グループは、特に悪性脳腫瘍の包括的診断・治療を目指し、脳腫瘍の診断(放射線画像、病態病 理、遺伝子解析、分子生物学的検索)及びその結果に基づく各種治療法(手術法、放射線療法、化学療法、免疫 療法、温熱療法、遺伝子治療等)の開発、さらに手術中の神経機能障害の温存及び機能予後の改善を目指し、ナ ビゲーション技術、モニタリング、マッピング及び術中 CT やエコーなどの最新手術支援機器を導入した診断・ 治療法の向上に努めている。 ─ 139 ─ 細胞情報医学専攻 脳神経病態制御講座 Ⅰ . 臨床研究 脳腫瘍についてはこれまでに悪性グリオーマに対する IAR/IMR 療法(インターフェロン、ACNU/MCNU、 放射線照射併用療法)を確立し、その後その変法や維持療法への移行による生命予後のさらなる改善を模索して きている。頭蓋内胚細胞性腫瘍に対しては CDDP/Etoposide あるいは ICE 併用療法の有効性について検討を重 ねており、頭蓋内原発悪性リンパ腫に対しては血液内科との共同研究で DeVIC 療法の有効性を明らかにし、こ れらの治療法の無再発率及び生命予後を検討中である。さらに最近では、既に欧米では臨床の場で頻用されてい る悪性脳腫瘍に対する Temozolomide(テモダール)の有効性に着目し、個人輸入という方法を取りながらその 有効性をいち早く検討しており、現在本邦に導入するべく Phase II study の指定施設として臨床治験を試みてい る。また、近年世界的に注目されつつある小児悪性脳腫瘍に対する治療法の確立を目指し、症例の集中化を図る ために東海小児脳腫瘍研究会を立ち上げる準備委員の一角として尽力し、統一化したプロトコールによる治療の 検討を実施している。一方、 先端医療の臨床研究開発として、マイクロカプセル(リポソーム)に包んだインター フェロンベータ遺伝子による悪性脳腫瘍への遺伝子治療の臨床応用が、2000 年4月より当教室にて始まり、現 在までに実施された5症例の安全性とさらに一部には有効性が確認されたため、2004 年1月の学内遺伝子治療 臨床研究審査委員会にて、遺伝子治療の推進が承認された。この臨床研究を支援する形で、脳神経外科講座には 遺伝子治療学講座(水野正明 助教授)が大学院広域講座として増設され、さらに平成 13 年4月には東レ株式 会社による医学部への寄附講座としてバイオ医療学(東レ)(佐藤雄一郎 助教授ら)の新設、さらに平成 14 年 4月には本臨床研究の成果が認められて、当医学部附属病院に遺伝子・再生医療センターが開設されるに及び、 近未来型の探索医療を推進する体制が整いつつある。 また、臨床応用を目指した各種診断・治療戦略の基礎研究開発もそれぞれ若手研究員の努力により積極的に展 開してきている。例えば、脳腫瘍の遺伝子解析によるオーダーメイド治療はすでに臨床の場に応用されており、 さらに遺伝子の変異や欠失と疾患の病態或いは治療への反応や予後判定に威力を発揮しつつある。細胞周期を同 定する特殊なモノクローナル抗体を駆使した病理病態の検討では今まで不明瞭であった腫瘍の本体を解明する糸 口を見い出しつつある。一方、手術実地面では神経機能障害の保全・改善を目的とした低侵襲的な手術方法を日 夜心がけており、脳実質内腫瘍のように難解な手術についても、定位的脳手術、手術中 CT 撮影、画像誘導手術 (ナビゲーションシステム) 、術中モニタリングマッピング、Awake surgery 等を駆使して、病変に対しては的 確に摘出し機能に対しては温存に努める精度の高い手術を行っている。これら最新の機器を利用して、脳腫瘍の 治療の際に、生命予後ばかりでなく、機能予後も高め、患者さんの生活の質の向上を目指した手術等を実行して いる。 Ⅱ . 基礎研究 基礎研究面では、磁性微粒子をマイクロカプセル化することにより脳腫瘍細胞内へ導入し、高周波磁場処理に よる脳腫瘍特異的温熱療法の開発も準備が進んでおり、現在、名大大学院工学研究科化学・生物学専攻教室との 連係のもと、 実用化を目指して成果を蓄積している。また、悪性脳腫瘍の細胞表面抗原の解析から生み出された、 各種モノクローナル抗体を利用して、特異的画像診断や抗体療法などの分子標的治療の開発や免疫治療への検討 を展開中であり、特に EGFR Type III Mutant を認識するモノクローナル抗体 3C10 は愛知県がんセンター研究 所/高橋利忠所長や愛知医科大学第二病理学/吉川和宏先生の御指導のもと、そのキメラ化に成功し、臨床応用 への可能性が開けてきている。また、DC(樹状細胞)を用いた細胞療法も基礎実験では強い抗腫瘍活性を認め ており、その抗原を選定できれば臨床上での即戦力としての有効性が期待されており、現在小児科と合同で細胞 調整施設の ISO 取得の整備を急いでいる。本グループは国内研究機関との共同研究も盛んであり、当大学の講 座間の連携による研究協力の他、愛知医科大学、愛知県がんセンター、名古屋大学大学院工学研究科、国立長寿 医療センター、あるいは各種民間企業等との交流にて多くの研究を行ってきている。また海外との情報交換にも 力を入れ、北米、欧州、アジア等との国際交流も豊富であり、年間に多くの研究協力者が訪問し、交流を深めて いる。 ─ 140 ─ 細胞情報医学専攻 脳神経病態制御講座 脳腫瘍グループ スタッフ:助 手 原 政人(グループリーダー) 助 手 岡本 奨 大学院生 青島 千洋 脊髄・脳血管グループは脊髄・脊椎疾患、顔面痙攣・三叉神経痛及び脳血管障害に対する外科的治療を行うと ともに、これらの疾患に対する臨床的・基礎的研究および教育を担当している。 Ⅰ . 臨床研究 脊髄・脊椎疾患 脳神経外科において年々重要となってきている分野である。画像診断としての MRI,MR ミエログラフィー、 3D-CT などの発展や、電気生理学的手法(術前の MEP、SEP、SCV、MCV、F 波、H 波など)の発展もあり、 病変部の同定をより正確に行うことが可能となっている。病変部の詳細な検討により、神経 ( 脊髄及び神経根 ) の減圧のみで対処可能な場合は、当施設の方針として固定を行わない方法を選択、この際、手術用顕微鏡を使っ たマイクロサージャリーの技術は非常に重要となる。この手術においては、非常に侵襲が少ないため、多くの症 例で翌日の歩行が可能となる。また、背柱の不安定性が存在している場合脊柱固定術が必要となるが当施設は、 手術支援機器(ナビゲーションシステム、モバイルCT、神経モニタリングシステムなど)を豊富に取り揃えて いるため、安全な手術が可能である。固定法 ( インスツルメンテーション ) の進歩も著しく、固定術後であって も早期離床 (1 −3日の安静臥床の後 ) が可能であり、低リスクで大きな効果が得られようになった。さて、当グ ループで扱う疾患は椎間板ヘルニア・変形性脊椎症・脊柱管狭窄症等の変性疾患、脊柱靭帯骨化症、脊髄・脊椎 腫瘍、脊髄動静脈奇形などの血管病変、脊髄・脊椎外傷、感染症、先天奇形、手根管症候群、肘部管症候群、胸 郭出口症候群など、広範な分野にわたる。我々のモットーとしては、(1)信念の基、我々がよいと考えて行っ ている手術方法以外に、最新の治療法を含めた他の手術方法も提示し、これら広い選択枝の中から、患者さんと 相談の上で手術方法の選択を行うこと、 (2)できるだけ患者さんの負担の少ない手術方法で行うこと、(3)神 経モニタリングを行い、手術中の神経損傷を未然に防ぐこと、(4)術中ナビゲーションシステムによる手術の 安全性、術中モバイルCTなどによる手術の確実性の向上をめざすこと、である。 術中電気生理モニタリング すべての脊椎脊髄手術、顔面痙攣、三叉神経痛で電気生理学的モニタリングを行っている。その中で、頚髄症 および頸椎神経根症手術における術中 MEP 変化のデータがまとまりつつある。手術操作による術後の運動機能 悪化を防ぐために、MEP が有用であると報告されているが、術中 MEP の変化には様々な要因が関与しており、 その解釈は決して容易ではない。当グループでは頚髄症および頸椎神経根症の手術における術中 MEP 所見と術 後の神経症状との相関につき検討している。 Ⅱ . 基礎研究 マウス脊髄損傷モデルにおけるシグナル伝達系 JAK-STAT の活性化 脊髄損傷により局所では様々なサイトカインが分泌されている。JAK(Janus kinase)-STAT(Signal Transducer and Activator of Transcription) 系はサイトカインにより活性化されるシグナル伝達系の一つであり、apoptosis にも関与すると言われている。細胞膜に存在する JAK-1 はサイトカインがそのレセプターと会合すると活性化 され、リン酸化 JAK-1 に向かって転写因子である STAT-3 が会合し、その Tyr705 がリン酸化されると二量体 を形成し核内へ移動。更に Ser727 がリン酸化されると標的遺伝子の転写が起こると言われている。当グループ ではマウス脊髄損傷モデルを用いてシグナル伝達系の一つである JAK-STAT 系の活性化ならびに IL-6 の発現に ついて検討した。 ─ 141 ─ 細胞情報医学専攻 脳神経病態制御講座 血管内治療グループ スタッフ:助 教 授 宮地 茂(グループリーダー) 大学院生 服部 健一、飯塚 宏、泉 孝嗣、中根 幸実 脳血管内治療はカテーテルを用いて血管の中から脳の血管性病変を治療するもので、開頭することなく行え るという低侵襲性により、近年大変注目を浴びている分野である。特に昨年脳動脈瘤および頸部内頸動脈狭窄病 変に対する直達手術と血管内治療を比較した世界的レベルの多施設共同研究では、血管内治療の成績が直達手 術を上回るという衝撃的な結果が相次いで発表され、我が国でも大きな反響を呼んでいる。我が名古屋大学の初 代外科教授である斎藤 真先生は、1927 年にポルトガルの Egas Moniz とほぼ時期を同じくして世界で初の脳 血管撮影を成功させている。それ以降脳神経外科の発展の中で脳血管撮影の果たした役割はきわめて大きなもの がある。近年あらゆる画像技術が発展し、脳疾患の多面的評価が可能になってきており、カテーテルを用いた手 技(catheter intervention)はマイクロカテーテル技術の著しい進歩により、血管を写すだけでなく血管の中で 作業をする方向に進化してきた。名古屋大学脳神経外科では、この分野にいち早く着目した初代脳神経外科教授 景山直樹先生により日本脳神経血管内手術研究会が立ち上げられ、その主幹として 1982 年の第1回よりこの分 野のパイオニアとして活動してきた。本研究会は第 14 回より日本脳神経血管内治療学会となり、会員数も 1,500 人を超える大きな会へ発展してきている。また、 本学同門で昨年は 500 例を超える脳血管内治療が行われました。 これは、同門での脳血管内治療への期待と、大学から巣立っていったグループ員が各施設にて積極的に脳血管内 治療を推進した結果であると思われる。 Ⅰ . 臨床研究 1)血管内治療について最近最も問題とされている事項についてのエビデンスの作成(未破裂瘤、脳虚血性病変、 動静脈奇形などの治療成績のまとめ) 動脈瘤に関しては同門の症例データを基にした脳底動脈瘤における塞栓術の問題点を解剖学的見地から分析 している。また、ISAT の報告をうけ、直達手術との成績の比較を4年前と同様に後ろ向きに行い、以前のデー タと比較する予定です。脳虚血性病変に関しては冠動脈と頸動脈病変合併例について心臓血管外科と共同でこ れまでの例を再検討するとともに、その適応決定のガイドラインを作成している。また、ステント留置の際に 血管内視鏡を用いておける血管内超音波と血管内視鏡をステント留置の評価法として検討していく予定であ る。脳動静脈奇形に関しては隣接する functional brain の機能評価を行うための多角的な画像評価を行ってい る。また脳および脊髄動静脈奇形に付随する動脈瘤についての治療方針を検討している。 2)その他の臨床リサーチ a.非出血性椎骨動脈解離についての血管内治療の検討 b.動脈瘤に対するコイル塞栓術における pitfall について、過去5年間の合併症例を検討 c.血管内治療に役立つ画像情報についての検討 d.脳動静脈奇形の治療指針の作成 e.脳血管内治療における教育と治療における留意点についてのまとめ 3)画像ネットワークを利用した脳卒中救急医療の支援 a.SIMRAD、メールなどを用いた静止画による脳血管内治療のコンサルテーションは現在増加しつつあり、 昨年重複も含めて 65 例のコンサルテーションがあった。 b.急性期破裂動脈瘤の治療適応についてのコンサルテーションを、テレビ会議システムを用いて同門関連施 設との間で一度行い、すぐに治療支援をおこなうことで患者の救命に貢献できた。 私たちのグループでは、脳血管内治療の知識・技術のみに偏らず、脳血管治療医としての幅広い見識を持っ た治療医の養成を目指している。3年間のトレーニングの後、脳血管内治療専門医として自立することになる が、三年前より始まったこの専門医試験で、同門からも多くの指導医、専門医を輩出している。 ─ 142 ─ 細胞情報医学専攻 脳神経病態制御講座 Ⅱ . 基礎研究 現在推進されている産学連携、医工連携を最も重要課題とし、新しい血管内治療機器の開発、血管内診断及び 血管内治療に役だつ画像情報処理を特に工学部、大型計算機センター、企業と共に進めている。また、動物モデ ル、コンピューターシミュレーションモデルを用いた血管病変の血行動態の研究や病理学的検討を行っている。 一方、現在当科では脳卒中救急医療ネットワークづくりを進めているが、脳卒中急性期における血管内治療の貢 献についても検討している。さらに、EBM に基づく医療をめざし、「治療の必要性」を常に頭に置いて、riskbenefit assessment に基づいた適応決定をするべくガイドラインを作成中であります。脳血管内治療は脳神経外 科の治療モダリティーとして確立されてきており、インフォームドコンセントにも選択枝として不可欠のものに なってきた。上述のように脳血管撮影に始まった我が大学の伝統を受け継ぎながら、この分野を発展させるべく グループ員一同日夜努力している。 頭蓋底・内分泌グループ スタッフ:助 教 授 齋藤 清 講 師 永谷 哲也 大学院生 岡田 健、市川 優寛、中根 幸実、相見 有里 当グループでは良性脳腫瘍、頭蓋底手術、内視鏡手術を担当している。良性脳腫瘍には、髄膜腫、間脳下垂体 腫瘍(下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫など) 、神経鞘腫(聴神経鞘腫、三叉神経鞘腫など)などが含まれる。これらの 脳腫瘍に対しては、開頭手術や、下垂体腺腫には経蝶形骨洞手術が行われるが、我々の方針は、(1)頭蓋底手 術手技や内視鏡手術手技などを用いて確実に腫瘍を摘出する。(2)手術中にナビゲーションシステムや神経の モニタリングを行い、安全に手術を行う。 (3)患者様にとって低侵襲な方法で手術する。である。当院では経 験の多さに加えて、月に一回、形成外科・耳鼻咽喉科・口腔外科の先生と合同検討会を行い、頭蓋底腫瘍の状態 に応じた治療法について常に検討して、良い結果をおさめている。神経内視鏡手術は、細径の神経内視鏡(硬性 鏡と軟性鏡)が開発されたために急速に発展している。神経内視鏡を用いると、開頭術が不要になったり、小さ な開頭で最良の結果を得ることができる。我々は積極的に内視鏡を使用しており、下垂体腺腫は全て内視鏡単独 の経鼻手術で摘出している。また、水頭症に対する第三脳室底開窓術、くも膜嚢胞などの頭蓋内嚢胞性病変の開 放術、脳内血腫・脳室内血腫除去術などは内視鏡手術の良い適応疾患である。また、新しい内視鏡手術機器の開 発にも取り組んでいる。 Ⅰ . 臨床研究 A.頭蓋底手術におけるナビゲーションと神経モニターの応用 頭蓋底髄膜腫の手術は容易ではなく、合併症も多い。我々の成績では亜全摘および全摘出が 70%で、術後の 脳神経麻痺は一過性も含めると 45%にみられた。そこで、手術の確実性を高め、合併症を減らすために、我々 は積極的にナビゲーションシステムとモニタリングシステムを用いている。頭蓋底手術の術野は深部で分かりに くいことが多いが、ナビゲーションによりオリエンテーションがつきやすく、手術スタッフ全員にとって有用で あった。また、各種のモニタリングを用いるが、運動誘発筋電位(MEP)は、脳神経を含めた運動神経機能の モニターとして有用である。 B.神経内視鏡手術 当科では下垂体疾患に対する経鼻手術の頻度が全体の 50?60%を占め他は水頭症を合併した脳室内病変がこれ に続く。経鼻手術は現在一側の鼻腔からアプローチを行い、内視鏡単独で手術操作を行なう形を取っている。手 術法としては顕微鏡手術を使っても同様な形なので顕微鏡と内視鏡を組み合わせることも可能であるが当科は内 視鏡の将来性を考え比較的早い時期より内視鏡単独の手術を行ってきた。経鼻手術での内視鏡の最も大きな欠点 は狭い術野と2次元のモニターである。前者に対しては我々は術野をなるべく広く取れるような鼻鏡や狭い術野 に対応できる細形の道具の開発を行ってきた。 ─ 143 ─ 細胞情報医学専攻 脳神経病態制御講座 C.術中視床下部機能モニター 脳神経外科手術を安全に行うために、手術中には各種のモニタリングを行っている。運動系(MEP)・知覚系 (SEP) ・感覚系(聴覚 ABR、視覚 VEP)の術中モニターは既に各種の脳・脊髄手術に応用されているが、自 律神経系を直接モニターする方法はない。一方、視床下部や脳幹部病変の手術中や術後には自律神経機能の変化 が観察される。そこで、自律神経機能のモニタリングシステムを開発するために、トルコ鞍上部腫瘍の手術中に マイクロニューログラフィー(右下肢腓骨神経にタングステン電極を経皮的に挿入して直接交感神経活動を記録 する、 最も鋭敏な自律神経機能検査法)および皮膚血流量(レーザードップラーにより右足底で計測)をモニター した。その結果、痛み刺激となる術中操作に加えて、視床下部におよぶ術中操作によっても交感神経活動が誘発 され皮膚血流低下がみられることが確認された。 Ⅱ . 基礎研究 視神経再生:ネコ視神経損傷モデルにおける軸索再生 昨年までは、成猫の左視神経を切断し遠位端を坐骨神経と縫合するという、末梢神経移植を用いた視神経再 生モデルを用いて視神経再生の基礎実験を行った。この実験では、網膜神経節細胞の軸索の再生速度は、平均で 1.1mm /日であり、再生の最も速いのは a 細胞で 1.4mm /日、b 細胞では 1.1mm /日、最も遅いのは non-a , b 細胞で 1.0mm /日と推算された。今年度からは視神経を絞扼して損傷するモデルを用い、神経再生を促進させ る治療法の検討を行っている。 Ⅳ 指導方針など 大学院生入学時期の規定はないが、卒後早期の入学が望ましく、卒後 2 年間の初期臨床研修終了後の入学者が 多い。大学院 1 年目からは臨床診療の中で、主としてリサーチ活動を行い、学術的なアプローチを身につける。 基本的には 2,、3 年で基礎研究を中心としたリサーチ活動を終了し、学位論文とする。4 年目は研究をさらに発 展させるか、国内外への留学の機会が与えられる。医局業務としては、手 1 回の関連病院での臨床研修及び週半 日の大学内での検査当番が義務づけられるが、その他の時間は研究に費やすことになる。 Ⅴ 大学院生の業績 《大学院生が first author の論文》 1. Nihashi T, Kakigi R, Hoshiyama M, Miki K, Kajita Y, Yoshida J, Yatsuya H Effect of tactile interference stimulation of the ear in human primary somatosensory cortex: a magnetoencephalographic study. Clinical Neurophysiology 114: 1866-1878, 2003 2. Saito R, Mizuno M, Nakahara N, Tsuno T, Kumabe T, Yoshimoto T, Yoshida J: Vaccination with tumor cell lysate pulsed dendritic cells auguments the effect of IFN-b gene therapy for malignant glioma in an experimental mouse intracranial glioma. Int J Cancer, in press 3. Saito R, Mizuno M, Kumabe T, Yoshimoto T, Tanuma S, Yoshida J: Apoptotic DNA Endonuclease (DNase-g) Gene Transfer Induces Cell Death Accompanying DNA Fragmentation in Human Glioma Cells. J. Neuro-Oncol, in press 4. Saito R, Mizuno M, Hatano M, Kumabe T, Yoshimoto T, Yoshida J: Two different mechanism of apoptosis resistance observed in Interferon-b induced apoptosis of human glioma cells. J NeuroOncol, in press 5. Yoshida J, Mizuno M, Yoshida J, Mizuno M, Fujii M, Kajita Y, Nakahara N, Hatano M, Saito R, Nobayashi M, Wakabayashi T: Human gene therapy for malignant gliomas (glioblastoma multiforme and anaplastic astrocytoma) by in ─ 144 ─ 細胞情報医学専攻 脳神経病態制御講座 vivo transduction with human b-interferon gene using cationic liposomes. Hum Gene Ther 15: 77�86, 2004 6. Ryuke Y, Mizuno M, Natsume A, Suzuki O, Nobayashi M, Kageshita T, Matsumoto K, Saida T, Yoshida J: Growth inhibition of subcutaneous mouse melanoma and induction of natural killer cells by liposome-mediated interferonbeta gene therapy. Melanoma Res 13: 349 - 356, 2003 7. Takasu S, Takahashi T, Okamoto S, Oriuchi N, Nakayshiki N, Okamoto K, Muramatsu H, Hayashi T, Nakahara N, Mizuno M, Wakabayashi T, Higuchi T, Endo K, Kozaki K, Miyaishi O, Saga S, Ueda R, Yoshida J, Yoshikawa K: Radioimmunoscintigraphy of intracraniak glioma xenograft with a technetium-99m-labeled mouse monoclonal antibody specifically recognizing type III mutant epidermal growth factor receptor. J Neuro-Oncol 63: 247-256, 2003 8. Kobayashi N, Miyachi S, Negoro M, Suzuki O, Hattori K, Kojima T, Yoshida J Endovascular treatment strategy for direct carotid-cavernous fistulas resulting from rupture of intracavernous carotid aneurysms. AJNR Am J Neuroradiol 24: 1789-1796, 2003 9. Suzuki O, Miyachi S, Negoro M, Okamoto T, Sahara Y, Hattori K, Kobayashi N, Kojima T, Yoshida J Treatment strategy for aneurysms of the posterior cerebral artery. Interventional Neuroradiology 9 (Suppl 1): 83-88, 2003 10. Sahara Y, Miyachi S, Nagasaka T, Negoro M, Suzuki O, Hattori K, Kobayashi N, Kojima T, Yoshida J Radiological and pathological changes in the sinus of an experimental arteriovenous fistula of the rat. Interventional Neuroradiology 9 (Suppl 1): 101-105, 2003 11. Kojima T, Miyachi S, Negoro M, Nakabayashi K, Fukui K, Takahashi I, Sahara Y, Suzuki O, Hattori K, Kobayashi N, Hattori K, Nakai K, Yoshida J Coil retrieval following embolization of cerebral aneurysms.Interventional Neuroradiology 9 (Suppl 1): 149-155, 2003 Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. Kajita Y, Miyachi S, Wakabayashi T, Inao S, Yoshida J A dural arteriovenous fistula of the tentorium successfully treated by intravascular embolization. Surg Neurol 52: 294-298, 1999 2. Miyachi S, Negoro M, Okamoto T, Suzuki O, Yoshida J Endovascular treatment of unruptured vertebro-basilar aneurysms. Interventional Neuroradiology 5: 83-88, 1999 3. Miyachi S, Negoro M, Okamoto T, Suzuki O, Yoshida J Effective and pitfall of embolization of cerebral arteriovenous malformations. Interventional Neuroradiology 5: 151-156, 1999 4. Nagatani T, Inao S, Suzuki Y, Yoshida J Perforating branches from offending arteries in hemifacial spasm; anatomical correlation with vertebrobasilar configuration. J Neurol Neurosurg Psychiatry 67: 73-77, 1999 5. Natsume A, Mizuno M, Ryuke Y, Yoshida J Antitumor effect and cellular immunity activation by murine interferon-b gene transfer against intracerebral glioma in mouse. Gene Therapy 6: 1626-1633, 1999 6. Saito K, Fukuta K, Takahashi M, Tachibana E, Yoshida J Management of the cavernous sinus in en bloc resections of malignant skull base tumors. Head Neck 21: 734-742, 1999 7. Saito K, Takahashi M, Fukuta K, Tachibana E, Yoshida J Recovery of the olfactory function after an anterior craniofacial approach. Skull Base Surg 9: 201-206, 1999 ─ 145 ─ 細胞情報医学専攻 脳神経病態制御講座 8. Takayasu M, Hara M, Suzuki Y, Yoshida Y Treatment of traumatic atlanto-occipital dislocation in chronic phase � A case report �. Neurosurg Rev 22: 135-137, 1999 9. Takayasu M, Hara M, Takagi T, Suzuki Y, Yoshida Y Osteoplastic anterolateral vertebrotomy without fusion for multilevel cervical ossification of the posterior longitudinal ligament. Neurosurgery 45: 500-507, 1999 10. Hara M, Takayasu M, Watanabe K, Noda A, Takagi T, Suzuki Y, Yosida J Protein kinase inhibition by fasudil hydrochloride promotes neurological recovery after spinal cord injury in rats J Neurosurg (Spine 1) 93: 94-101, 2000 11. Hara M, Takayasu M, Watanabe K, Noda A, Takagi T, Suzuki Y, Yoshida J The effect of fasudil hydrochloride, a protein kinase inhibitor on neurological function after experimental spinal cord injury J Neurosurg 93: 94-101, 2000 12. Maesawa S, Flickinger JC, Kondziolka D, Lunsford LD Repeated radiosurgery for incompletely obliterated arteriovenous malformations J Neurosurg 92(6): 961-970, 1999 13. Maesawa S, Kondziolka D, Balzer J, Fellows W, Dixon E, Lunsford LD The behavioural and electroencephalographic effects of stereotactic radiosurgery for the treatment of epilepsy evaluated in rat kainic acid model Stereotactic Functional Neurosurgery 73(1-4): 115, 1999 14. Maesawa S, Kondziolka D, Dixon CE, Balzer J, Fellows W, Lunsford LD Subnecrotic stereotactic radiosurgery controlling epilepsy produced by kainic acid injection in rats J Neurosurg 93(6): 1033-40, 2000 15. Maesawa S, Kondziolka D, Lunsford LD Stereotactic radiosurgery for management of deep brain cavernous malformations Neurosurg Clin N Am. 10(3): 503-11, 2000 16. Maesawa S, Kondziolka D, Thompson TP, Flickinger JC, Lunsford LD Brain metastasis in patients with no known primary tumor Cancer 89(5): 1095-101, 2000 17. Miyachi S, Negoro M, Okamoto T, Otsuka G, Suzuki O, Yoshida J Embolization of arteriovenous malformations prior to radiosurgery Interventional Neuroradiology 6: 131-137, 2000 18. Miyachi S, Tanaka T, Kobayashi S, Kida Y, Negoro M, Okamoto T, Yoshida J Embolisation of cerebral arteriovenous malformations to assure successful subsequent radiosurgery J Clinical Neuroscience 7: 82-85, 2000 19. Mizuno M, Saito K, Takayasu M, Yoshida J Percutaneous Microcompression of the Trigeminal Ganglion for Elderly Patients with Trigeminal Neuralgia and Patients with Atypical Trigeminal Neuralgia Neuro Med Chir 40: 347-351, 2000 20. Nakahara N, Okada H, Witham T, Attanucci J, Fellows W, Lotze M, Chambers WH, Kondziolka D, Pollack IF Combination radiosurgery with cytokine gene transfected tumor cell vaccination: A new strategy against metastatic brain tumors Neuro-Oncol. 2(4): 282, 2000 21. Natsume A, Mizuno M, Ryuke Y, Yoshida J Cationic liposome conjugation to recombinant adenoviral vector reduces viral antigenicity Jpn J Cancer Res 91: 363-367, 2000 ─ 146 ─ 細胞情報医学専攻 脳神経病態制御講座 22. Natsume A, Tsujimura K, Mizuno M, Takahashi T, Yoshida J IFN-beta gene therapy induces systemic antitumor immunity against malignant glioma J Neurooncol 47: 117-124, 2000 23. Takayasu M, Nagatani T, Noda A, Suzuki Y, Shibuya M, Yoshida Y Clinical safety and performance of Sugita titanium aneurysm clips Acta Neurochir 142: 159-163, 2000 24. Wakabayashi T, Hatano N, Kajita Y, Yoshida T, Mizuno M, Taniguchi K, Ohno T, Nagasaka T, Yoshida J Initial and maintenance combined therapy treatment with interferon-b, MCNU (Ranimustine), and radiotherapy for patients with previously untreated maligannt glioma J Neuro Oncology 49: 57-62, 2000 25. Wakabayashi T, Kajita Y, Hatano N, Thompson T, Nagasaka T, Yoshida J Clinicopathological study of oligodendroglial tumors: the effectiveness of interferon beta, ACNU/MCNU, and radiation (IAR/ IMR) for anaplastic tumors Brain Tumor Pathol 17: 29-33, 2000 26. Hara M, Takayasu M, Takagi T, Yoshida J En Bloc Laminoplasty using Threadwire Saw (T-Saw) Neurosurgery 48: 235-239, 2001 27. Kajita Y, Takayasu M, Yoshida J, Dietrich HH, Dacey RG Jr Vasodilatory effect of basic fibroblasy growth factor in isolated rat cerebral arterioles: mechanism involving nitric oxide and membrane hyperpolarization Neuro Med Chir 41: 177-186, 2001 28. Nagatani T, Saito K, Yoshida J Treatment of a sphenoid sinus mucocele using an endoscope combined with a navigating system: a case report J Clinic Neurosci 8: 456-460, 2001 29. Nakahara N, Okada H, Witham TF, Attanucci J, Fellows WK, Chambers WH, Niranjan A, Kondziolka D, Pollack IF Combination of stereotactic radiosurgery and cytokine gene-transduced tumor cell vaccination: a new strategy against metastatic brain tumors J Neurosurg 95: 984-989, 2001 30. Natsume A, Mataa M, Goss J, Huang S, Wolfe D, Oligino T, Glorioso J, Fink DJ Bcl-2 and GDNF delivered by HSV-mediated gene transfer act additively to protect dopaminergic neurons from 6-OHDAinduced degeneration Exp Neurol 169: 231-238, 2001 31. Usui N, Matsuda K, Mihara T, Tottori T, Ohtsubo T, Baba K, Mtsuyama N, Inoue Y, Yagi K, Kajita Y, Yoshida J MRI of cortical dysplasia-correlation with pathological findings Neuroradiology 43: 830-837, 2001 32. Wakabayashi T, Kajita Y, Mizuno M, Nagasaka T, Yoshida J Efficacy of Adjuvant Therapy with Procarbazine, MCNU and Vincristine for Oligodendroglial Tumors Neuro Med Chir 41: 116-120, 2001 33. Wakabayashi T, Yoshida J, Kajita Y, Mizuno M Intratumoral microinfusion of Nimustine (ACNU) for recurrent glioma Brain Tumor Pathol 18: 23-28, 2001 34. Maeda K, Mizuno M, Wakabayashi T, Takasu S, Nagasaka T, Inagaki M, Yoshida J: Morphological assessment of the development of multinucleated giant cells in glioma by using mitosis-specific phosphorylated antibodies. J Neurosurg 98: 854-859, 2003 ─ 147 ─ 細胞情報医学専攻 頭頸部・感覚器外科学講座 眼科学/感覚器障害制御学 Ⅰ 教室の沿革・特色 明治 15 年外科より眼科学が独立してから、本学の眼科学教室の歴史は始まっている。初代の小倉開治教授よ り数えて、現在の三宅養三教授は 10 代となる。平成 11 年度には大学院講座として感覚器障害制御学講座が誕生 し、寺崎浩子教授が就任し共同で研究を進めている。代々糖尿病や色覚および眼病理の研究が大勢を占めていた が、市川教授(8 代)および粟屋教授(9 代)の時期に小児眼科・斜視・弱視・形成・ブドウ膜などの広い分野の 研究が行われるようになっている。三宅教授の研究の主題は網膜機能の解析であり、多くの網膜変性疾患を DNA 分析や発生・組織学的な面も含めて多角的に研究している。寺崎教授は網膜硝子体手術の開発と手術方法の検討 を主に行っている。最近では人工網膜、再生医学も取り入れ最先端の研究も行われている。いずれにしろ間口の広 い、奥行きの深い守備範囲で臨床と研究に取り組むことを基本姿勢にしている教室であるので、入局されればゆ く ては努力と共に容易に開かれるであろう。 Ⅱ スタッフ 教 授 三 宅 養 三(医学博士) 感覚器障害制御学教授 寺 崎 浩 子(医学博士) 助 授 中 村 誠(医学博士) 講 師 近 藤 峰 生(医学博士)、伊 藤 逸 毅(医学博士) 助 手 近 藤 永 子(医学博士)、谷 川 篤 宏(医学博士)、杉 田 二 郎(医学博士) 、 浅 見 哲(医学博士)、加 地 秀(医学博士、留学休職中) 教 Ⅲ 研究分野・内容 1.視覚の電気生理 特に網膜の局所網膜電図を主とした、網膜変性疾患の診断と、網膜における諸疾患 の病態の解明を目的とした研究。 2.視覚の心理物理 視覚などを心理物理学的手法を用いて、その機構の解明と異常の早期診断を目的と した研究。 3.斜視・弱視 小児の視覚の発達について、臨床データから正常発達と異常の発生メカニズムを研究。 4.角 膜 遺伝性角膜疾患に対する分子生物学的検討、および角膜移植手術 5.網膜硝子体手術 網膜硝子体における新しい手術手技の開発とその評価を研究。 6.眼疾患に関する分子遺伝学 遺伝性眼疾患の原因遺伝子の研究と、遺伝子型と表現型の相関についての研究 担当教官の主な研究テーマ 三 宅 網膜と視路の電気生理、網膜と硝子体変性疾患、網膜硝子体手術 寺 崎 色覚、網膜硝子体手術、視覚心理物理 ─ 148 ─ 細胞情報医学専攻 頭頸部・感覚器外科学講座 中 村 分子生物学、分子遺伝学、網膜硝子体手術 近 藤(峰) 網膜と視路の電気生理、網膜硝子体手術、人工網膜の開発と研究 伊 藤 眼科疾患の画像解析 近 藤(永) 網膜疾患の視覚機能解析、神経眼科 杉 田 角膜、ドライアイ 谷 川 網膜と視路の電気生理、動物モデル解析 浅 見 網膜硝子体疾患の薬理学的治療、網膜硝子体手術 Ⅳ 指導方針など 選択した課題の研究に必要な基礎的手法に習熟し、課題の眼科学における位置づけを明確にして、得られた結 果を正しく評価できるように指導する。また、眼科学の基本的知識を理解し、視覚のしくみを理解し、視覚の障 害をより適切に解決することができる能力を養成する。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Maeda M, Sato M, Ohmura T, Miyazaki Y, Wang AH, Awaya S: Binocular Depth-from-Motion in infantile and late-onset esotropia patients with poor stereopsis. Invest Ophthalmol Vis Sci 40: 3031-3036, 1999 2. Asano S, Honda T, Goshima F, Watanabe D, Miyake Y, Sugiura Y, Nishiyama Y: US3 protein kinase of herpes simplex virus type 2 plays a role in protecting corneal epithelial cells from apoptosis in infected mice. J General Virology 80: 51-56,1999 3. Kachi S, Nishizawa Y, Olshevskaya E, Yamazaki A, Miyake Y, Wakabayashi T, Dizhoor A, Usukura J: Detailed localization of photoreceptor guanylate cyclase activating protein-1 and -2 mammalian retinas using light and electron microscopy. Exp Eye Res 68: 465-473, 1999 4. Tanikawa A, Horiguchi M, Kondo M, Suzuki S, Terasaki H, Miyake Y: Abnormal focal macular electroretinograms in eyes with idiopathic epimacular membrane. Am J Ophthalmol 127: 559-564, 1999 5. Watanabe N, Miyake Y, Wakabayashi T, Usukura J: Periciliary structure of developing rat photoreceptor cells. A deep etch replica and freeze substitution study. J Electron Microsc 48: 929-935, 1999 6. Kuno S, Kawakita T, Kawakami O, Miyake Y, Watanabe S: Postural adjustment response to depth direction moving patterns produced by virtual reality graphics. Jpn J Physiol 49: 417-424, 1999 7. Komeima K, Hayashi Y, Naito Y, Watanabe Y: Inhibition of neuronal nitric-oxide synthase by calcium/calmodulindependent protein kinase IIα through ser847 phosphorylation in NG108-15 neuronal cells. J Biol Chem 275: 28139-28143, 2000 8. Hori K, Katayama N, Kachi S, Kondo M, Kadomatsu K, Usukura J, Muramatsu T, Mori S, Miyake Y: Retinal dysfunction in basigin deficiency. Invest Ophthalmol Vis Sci 41: 3128-3133, 2000 9. Kachi S, Hirano K, Takesue Y, Miura M: Unusual corneal deposit after the topical use of cyclosporine as eyedrops. Am J Ophthalmol 130: 667-669, 2000 10. Sugita J, Yokoi N, Kinoshita S: Observation of corneal epithelial disturbance through soft contact lens using fluorescein dextran. Cornea 19: 508-511, 2000 11. Nomura R, Terasaki H, Hirose H, Miyake Y: Blue-on-yellow perimetry to evaluate s-cone sensitivity in diabetics. Ophthalmic Res 32: 69-72, 2000 ─ 149 ─ 細胞情報医学専攻 頭頸部・感覚器外科学講座 12. Kawakita T, Kuno S, Miyake Y, Watanade S: Body sway induced by depth linear vection in reference to central and peripheral visual field. Jpn J Physiol 50: 315-321, 2000 13. Miyagawa A, Kobayashi M, Fujita Y, Nakamura M, Hirano K, Kobayashi K, Miyake Y: Surface topology of collagen fibrils associated with proteoglycans in mouse cornea and sclera. Jpn J Ophthalmol 44: 591-595, 2000 14. Ishihama H, Ohbayashi M, Kurosawa N, Kitsukawa T, Matsuura O, Miyake Y, Muramatsu T: Colocalization of neuropilin-1 and Flk-1 in retinal neovascularization in a mouse model of retinopathy. Invest Ophthalmol Vis Sci 42: 1172-1178, 2001 15. Nomura R, Kondo M, Tanikawa A, Yamamoto N, Terasaki H, Miyake Y: Unilateral cone dysfunction with bull's eye maculopathy. Ophthalmology 108: 49-53, 2001 16. Asami T, Terasaki H, Hirose H, Suzuki T, Horio N, Miyake Y: Vitreoretinal traction maculopathy caused by retinal diseases. Am J Ophthalmol 131: 134-136, 2001 17. Takahashi A, Muramatsu H, Takagi S, Fujisawa H, Miyake Y, Muramatsu T: A splicing factor, Prp8: preferential localization in the testis and ovary in adult mice. J Biochem 129: 599-606, 2001 18. Sugita J, Yokoi N, Fullwood NJ, Quantock AJ, Takada Y, Nakamura Y, Kinoshita S: The detection of bacteria and bacterial biofilms in punctal plug holes. Cornea 20: 362-365, 2001 19. Miyagawa A, Kobayashi M, Fujita Y, Hamdy O, Hirano K, Nakamura M, Miyake Y: Surface ultrastructure of collagen fibrils and their association with proteoglycans in human cornea and sclera by atomic force microscopy and energy-filtering transmission electron microscopy. Cornea 20: 651-656, 2001 20. Tan L, Kondo M, Sato M, Kondo N, Miyake Y: Multifocal pupillary light response fields in normal subjects ans patients with visual field defects. Vision Res 41: 1073-1084, 2001 21. Yamamoto E, Horio N, Terasaki H, Miyake Y: Evaluation of optic nerve function by flicker adaptation in optic nerve diseases. Neuro-Ophthalmology 25(1): 35-41, 2002 22. Niwa T, Terasaki H, Kondo M, Piao CH, Suzuki T, Miyake Y: Function and morphology of macula before and after removal of an idiopathic epiretinal membrane. Invest Ophthalmol Vis Sci 44(4): 1652-1656, 2003 23. Suzuki T, Terasaki H, Niwa T, Mori M, Kondo M, Miyake Y: Optical coherence tomography and focal macular electroretinogram in eyes with epiretinal membrane and macular pseudohole. Am J Ophthalmol 136(1): 62-67, 2003 24. Ohmura T, Ming R, Yoshimura Y, Komatsu Y: Age and experience dependence of N-methyl-d-aspartate receptorindependent long-term potentiation in rat visual cortex. Neuroscience Letters 341: 95-98, 2003 25. Mori M, Terasaki H, Ito Y, Horio N, Niwa H, Suzuki T, Miyake Y: Foveal shape after idiopathic macular hole surgery with and without internal limiting membrane removal. Retina 23(6): 870-842, 2003 26. Kojima T, Terasaki H, Nomura H, Suzuki T, Mori M, Ito Y, Miyake Y: Vitrectomy for diabetic macular edema: effect of glycemic control (HbA(1c)), renal function (creatinine) and other local factors. Ophthalmic Res 35(4): 192-198, 2003 27. Nishiguchi KM, Sandberg MA, Kooijman AC, Martemyanov KA, Pott JW, Hagstrom SA, Arshavsky VY, Berson EL, Dryja TP: Defects in RGS9 or its anchor protein R9AP in patients with slow photoreceptor deactivation. Nature 427(6969): 75-78, 2004 28. Okamoto Y, Miyake Y, Horio N, Takakuwa H, Yamamoto E, Terasaki H: Delayed regeneration of foveal cone photopigments in vogt-koyanagi-harada disease at the convalescent stage. Invest Ophthalmol Vis Sci 45(1): 318-322, 2004 29. Ueno S, Kondo M, Niwa Y, Terasaki H, Miyake Y: Luminance dependence of neural components that underlies the primate photopic electroretinogram. Invest Ophthalmol Vis Sci 45(3): 1033-1040, 2004 30. Ito S, Nakamura M, Nuno Y, Ohnishi Y, Nishida T, Miyake Y: Novel complex mutation in GUCY2D in a Japanese family with cone-rod dystrophy. Invest Ophthalmol Vis Sci 45: 1480-1485, 2004 ─ 150 ─ 細胞情報医学専攻 頭頸部・感覚器外科学講座 31. Asami T, Terasaki H, Kachi S, Nakamura M, Yamamura K, Nabeshima T, Miyake Y: Ultrastructure of internal limiting membrane removed during plasmin-assisted vitrectomy from eyes with diabetic macular edema. Ophthalmology 111(2): 231-237, 2004 32. Ito S, Nakamura M, Ohnishi Y, Miyake Y: Autosomal dominant cone-rod dystrophy with R838H and R838C mutations in the GUCY2D gene in Japanese patients. Jpn J Ophthalmol 48: 228-235, 2004 Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. Kondo M, Miyake Y, Piao CH, Tanikawa A, Horiguchi M, Terasaki H: Amplitude increase of multifocal electroretinogram during light adaptation. Invest Ophthalmol Vis Sci 40: 2633-2637, 1999 2. Terasaki H, Miyake Y, Nomura R, Horiguchi H, Suzuki S, Kondo M: Blue-on-yellow perimetry in the complete type of congenital stationary night blindness. Invest Ophthalmol Vis Sci 40: 2761-2764, 1999 3. Maeda M, Sato M, Ohmura T, Miyazaki Y, Wang AH, Awaya S: Binocular Depth-from-Motion in infantile and late-onset esotropia patients with poor stereopsis. Invest Ophthalmol Vis Sci 40: 3031-3036, 1999 4. Nomura H, Shimokata H, Ando F, Miyake Y, Kuzuya F: Age-related changes in intraocular pressure in a large Japanese population. Ophthalmology 106: 2016-2022, 1999 5. Asano S, Honda T, Goshima F, Watanabe D, Miyake Y, Sugiura Y, Nishiyama Y: US3 protein kinase of herpes simplex virus type 2 plays a role in protecting corneal epithelial cells from apoptosis in infected mice. J General Virology 80: 51-56,1999 6. Kachi S, Nishizawa Y, Olshevskaya E, Yamazaki A, Miyake Y, Wakabayashi T, Dizhoor A, Usukura J: Detailed localization of photoreceptor guanylate cyclase activating protein-1 and -2 mammalian retinas using light and electron microscopy. Exp Eye Res 68: 465-473, 1999 7. Sato M: Magnetic resonance imaging and tendon anomaly associated with congenital superior oblique palsy. Am J Ophthalmol 127: 379-387, 1999 8. Tanikawa A, Horiguchi M, Kondo M, Suzuki S, Terasaki H, Miyake Y: Abnormal focal macular electroretinograms in eyes with idiopathic epimacular membrane. Am J Ophthalmol 127: 559-564, 1999 9. Miyake K, Ohta I, Miyake S, Terasaki H: Capsular book syndrome with external blockage of the capsular opening by a clliary sulcus fixated posterior chamber lens. Am J Ophthalmol 127: 605-607, 1999 10. Yato H, Matsumoto Y: CD56+ T cells in the peripheral blood of uveitis patients. Br J Ophthalmol 83: 1386-1388, 1999 11. Shimazu K, Miyake Y, Watanabe S: Retinal ganglion cell response properties in the transcorneal electrically evoked response of the visual system. Vision Res 39: 2251-2260, 1999 12. Miyake K, Ichihashi S, Shibuya Y, Ohta I, Miyake S, Terasaki H: Blood-retinal barrier and autofluorescence of the posterior polar retina in long-standing pseudophakias. J Cataract Refr Surg 25: 891-897, 1999 13. Miyake Y, Terasaki H: Golden tapetal-like fundus reflex and posterior hyaloid in a patient with X-linked juvenile retinoschisis. Retina 19: 84-86, 1999 14. Terasaki H, Miyake Y, Mori M, Suzuki T, Kondo M: Fluorescein angiography of extreme peripheral retina and rubeosis iridis in proliferative diabetic retinopathy. Retina 19: 302-308, 1999 15. Hirano K, Sai S: Severe Acanthamoeba sclerokeratitis in a non-contact lens wearer. Acta Ophthalmol Scandinav 77: 347-348, 1999 16. Watanabe N, Miyake Y, Wakabayashi T, Usukura J: Periciliary structure of developing rat photoreceptor cells. 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Sato E, Nakashima T, Miura Y, Furuhashi A, Nakayama A, Mori N, Murakami H, Naganawa S, Tadokoro M: Phenotypes associated with replacement of His by Arg in the Pendred syndrome gene Eur J Endocrinol 45: 697-703, (2001) 7. Iwashima Y, Misawa H, Katayama N, Mori S, Nakashima T: Vertical eye-movement oscillation with a frequency double that of lateral linear acceleration in patients with long-standing unilateral vestibular loss Auris Nasus Larynx 29: 141-146, (2002) 8. Kitamura Y, Teranishi M, Sone M, Nakashima T: Round window membrane in young and aged C57BL/6 mice. Hear Res 174:142-148 (2002) 9. Furuhashi A, Sato E, Nakashima T, Miura Y, Nakayama A, Mori N, Takahashi H, Kobayashi S: Hyperbaric oxygen therapy for the treatment of large vestibular aqueduct. Undersea & Hyperbaric Medicine 28: 195-200 (2001) 10. Sato E, Nakashima T, Lilly DJ, Fausi SA, Ueda H, Misawa H, Uchida Y, Furuhashi A, Asahi K, Naganawa S: Tympanometric findings in patients with enlarged vestibular aquedusts. Laryngoscope 112:1642-1646 (2002) 11. Sugiura S, Yoshikawa T, Nishiyama Y, Morishita Y, Sato E, Hattori T, Nakashima T: Detection of human cytomegalovirus DNA in perilymph of patients with sensorineural hearing loss using real-time PCR. J Med Virol 69: 72-75(2003) 12. Sugiura M, Naganawa S, Nakashima T, Misawa H, Nakamura T: Magnetic resonance imaging of endolymphatic sac in acute low-tone sensorineural hearing loss without vertigo. ─ 158 ─ 細胞情報医学専攻 頭頸部・感覚器外科学講座 ORL 65:254-260, 2003 13. Yamamoto H, Tominaga M, Sone M, Nakashima T: Contribution of stapedial artery to blood flow in the cochlea and its surrounding bone Hear Res 186:69-74, 2003 14. Kobayashi M, Umemura M, Sone M, Namashima T: Differing effects on the inner ear of three gentamicin compounds: GM-C1, C2 and Cla Acta Otolaryngol 123: 916-922, 2003 15. Hoshino M, Tatsumi H, Nakashima T, Sokabe M: In vitro reconstitution of signal transmission from a hair cell to the growth cone of a chick vestibular ganglion cell Neuroscience 120: 993-1003, 2003 16. Sugiura S, Goshima F, Takakuwa H, Sata T, Nakashima T, Nishiyama Y: Treatment of solid sarcomas in immunocompetent mice with novel, oncolytic herpes simplex viruses Otolaryngol Head Neck Surg 130:470-478, 2004 Ⅵ 代表論文 1. Sone M, Schachern PA, Paparella MM: Loss of spiral ganglion cells as primary manifestation of aminoglycoside ototoxicity Hear Res 115: 217-223, (1998) 2. Naganawa S, Ito T, Iwayama E, Fukatsu H, Ishigaki T, Nakashima T, Ichinose N: MR imaging of the cochlear modiolus: Area measurement in healthy subjects and in patients with a large endolymphatic duct and sac Radiology 213: 819-823, (1999) 3. Uchida Y, Nomura H, Itoh A, Nakashima T, Ando F, Niino N, Shimokata H: The effects of age on hearing and middle ear function J Epidemiol 10: S-26 S-32, (2000) 4. Nakashima T, Ueda H, Furuhashi A, Sato E, Asahi K, Naganawa S, Beppu R: Air-bone gap and resonant frequency in large vestibular aqueduct syndrome Am J Otol 21: 671-674, (2000) 5. Nakashima T, Itoh A, Misawa H, Ohno Y: Clinicoepidemiologic features of sudden deafness diagnosed and treated at university hospitals in Japan Otolaryngol Head Neck Surg 123: 593-597, (2000) 6. Hattori T, Beppu R, Arao H, Kouda M, Ueda H, Nakashima T: What makes cochlear implant patient anxious? Adv Otorhinolaryngol 57: 254-256, (2000) 7. Misawa h, Suga N: Multiple combination-sensitive neurons in the auditory cortex of the mustached bat Hear Res 29: 15-29, (2001) 8. Ueda H, Nakashima T, Nakata S: Surgical strategy for cholesteatoma in children Auris Nasus Larynx 28: 125-129, (2001) 9. Nakashima T, Suzuki T, Iwagaki T, Hibi T: Effectts of anterior inferior cerebellar artery occlusion on cochlear blood flow-a comparison between laser-Doppler and microsphere methods Hear Res 162: 85-90, (2001) ─ 159 ─ 細胞情報医学専攻 頭頸部・感覚器外科学講座 10. Nakashima T, Ueda H, Misawa H, Suzuki T, Tominaga M, Ito A, Numata S, Kasai S, Asahi K, Vernon JA, Meikle MB: Transmeatal low-power laser irradiation for tinnitus Otol Neurotol 23: 296-300, (2002) 11. Nakashima T, Hattori T, Sone M, Sato E, Tominaga M: Blood flow measurements in the ears of patients receiving cochlear implants. Ann Otol Rhinol Laryngol 111: 998-1001 (2002) 12. Uchida Y, Ueda H, Nakashima T: Bezold's abscess arising with recurrent cholesteatoma 20 years after the first surgery; with a review of the 18 cases published in Japan since 1960. Auris Nasus Larynx 29: 375-378 (2002) 13. Nakashima T, Naganawa S, Sone M, Tominaga M, hayashi H, Yamamoto H, Liu X, Nuttall AL Disorders of cochlear blood flow. Brain Res Brain Res Rev 43: 17-28 (2003) 14. Sone M, Hayashi H, Tominaga M, Nakashima T: Changes in cochlear glood flow due to endotoxin-induced ototis media Ann Otol Rhinol Laryngol 113: 450-454(2004) 15. Nakashima T, Hattori T, Sone M, Sato E, Tominaga M, Sugiura M: Blood flow in the ears of patients receiving cochlear implants. Ann Otol Rhinol Laryngol 113: 426-430(2004) ─ 160 ─ 細胞情報医学専攻 頭頸部・感覚器外科学講座 顎顔面外科学/咀嚼障害制御学 Ⅰ 教室の沿革・特色 本教室の前身は、大正6年に愛知県立医学専門学校に設置された歯科部に始まる。その後昭和 42 年3月に東京 医科歯科大学より岡達を初代教授として迎え、口腔外科学講座が開講された。当教室の研究の大きな流れは、岡 教授のもと、 日本の先駆けとして開始した顎関節症の基礎的・臨床的研究と、 金田敏郎(昭和 60 年より第2代教授) が助教授時代から確立してきた血液疾患患者の口腔出血管理に関する基礎的・臨床的研究とにその源を発してい る。平成 6 年からは上田実教授が第3代教授として教室を主宰し、 研究グループも若干の再編がなされた。また、 平成 11 年度の大学院重点化により、頭頸部・感覚器外科学講座 顎顔面外科学/咀嚼障害制御学の2つの教室と なった。 現在は後述する2グループに分かれ、口腔外科学を広くカバーしつつ、個々の分野で先鋭的な取り組みが試み られている。すなわち本学基礎研究室や他施設との共同研究など、種々の研究手法を用いながら、 「基礎研究と臨 床の現場との有機的なつながり」を目指している。自由の中にも精力的な研究・臨床活動を慕ってか、毎年全国 各地の大学から入局者があり、平成 15 年度現在在局医局員 54 名、関連病院 19 施設、大学院生 17 名を数える。 Ⅱ スタッフ 教 授 上田 実 助 教 授 藤内 祝、日比英晴(遺伝子・再生医療センター)、各務秀明(組織工学) 講 師 光藤健司、服部 宇 助 手 西口浩明、小田知生、水野裕和、蛯沢克己、山田陽一(遺伝子再生医療センター) Ⅲ 研究分野・内容 1.再生医療グループ 上田教授、日比助教授、各務助教授を中心として、下記の一連の研究を遂行中である。また、組織工学講座(平 成 12 年開設 J − TEC 寄付講座、 平成 15 年開設日立メディコ寄附講座)、遺伝子再生医療センター(平成 14 年開設) との共同研究により、各種組織再生・新規治療に関する研究を行っている。 A.インプラント 高度先進医療の認可を受けたインプラント治療・歯槽骨再生に関する実験的・臨床的研究を行っている。 1)Osseointegrated Implant を用いた咬合および顔面の再建に関する研究 歯牙欠損、顎骨欠損の症例を対象に、インプラントを用いた咬合再建に関する実験的・臨床的研究を行っ ている。また、上顎腫瘍などにより顔面エピテーゼを必要とする症例に対しても、インプラントを応用し てエピテーゼの作製を行うための研究を行っている。 2)インプラント適応拡大のための骨増生に関する研究 骨量の不足のためインプラントの植立が困難な症例に対して、自家骨移植に変わり得る培養骨の研究・臨 床応用を遂行中である。 B.顎変形症・顎関節 顎関節症、顎変形症の臨床を中心に、下記のような研究を行っている。 1)顎関節部の疼痛に関する実験的研究 ─ 161 ─ 細胞情報医学専攻 頭頸部・感覚器外科学講座 ラット顎関節炎モデルを作製し,疼痛関連の知覚神経,サイトカインを中心とした顎関節構成体の細胞生 物学的検討を本学第2解剖学教室との共同研究にて行っている。 2)顎関節疾患の臨床的研究 顎関節は当医局の伝統的分野であり、若年発症顎関節症や開口障害症例についての病態発症誘因を解明、 細径顎関節鏡を用いた直視下洗浄療法,顎関節鏡視下手術法の新規治療法・病態検討を行っている。 3)顎骨延長法に関する実験的研究 先天的・後天的な顎骨変形および骨欠損症例,腫瘍による顎骨欠損に対し、上下 顎骨・移植骨・再建骨を任意の方向に任意の量で延長するために、骨延長装置の 開発・臨床的研究を進めている。また,治療期間の短縮,早期の骨形成促進のた め,培養骨の応用研究・臨床応用を施行している. C.軟組織の再生 以前より培養口腔粘膜細胞を用いた人工粘膜および皮膚の作製を行ってきた。最近は、これらの臨床応用を 中心に研究を行っている。また、これら細胞に遺伝子を導入し、各種増殖因子や抗菌ペプチドを発現させ、よ り高性能な培養粘膜および培養皮膚の作製を手がけている。さらに、培養技術を応用し、角膜、末梢神経など 再生に関する研究を行っている。 D.歯胚再生・硬組織再生 歯胚再生研究はインプラント(人工歯根)に代わる新たな治療法を目標に日立メディコ(株)との共同研究 を行っている.歯の発生における情報伝達系の解明,歯の幹細胞の探索など研究課題は多く存在するが,ティッ シュエンジニアリング的手法を駆使することで人工的に歯が再生する可能性を示すデータも得られている. 骨髄組織から採取した未分化間葉系細胞を培養することで、骨形成能を有する移植組織の作製を行っている。 具体的には未分化間葉系細胞の細胞表面マーカーを用いた特徴付けや、培養中におけるこれらの機能維持につ いて検討している。さらに、移植に用いるマトリックスとして、カルシウム製剤などの評価を行っている。一 方、軟骨組織の再生に関する研究として、種々の軟骨組織から採取した軟骨細胞を培養し、培養人工軟骨の作 製を行っている。これも同様に、細胞培養の確立と移植マトリックスの評価について動物実験を通して検討し ている。 2.腫瘍グループ 藤内助教授を中心に下記の研究を行っている。 1)口腔悪性腫瘍への温熱療法の応用に関する基礎的・臨床的研究 Fe-Pt 合金の針状感温磁性体を用いた磁場誘導組織内加温法を口腔内原発部位に適用し、その治療効果につ いて検討中である。また,磁性粒子を用いた磁場誘導組織内加温法の研究を名古屋大学工学部との共同研究 も行っており,近い将来,臨床応用を目指しております. 愛知県癌センター研究所放射線部との共同研究にて、超選択的動注療法の臨床的研究を進めている。 2)口腔癌に対する遺伝子治療に関する実験的研究 遺伝子導入ベクターとしてカチオニックリポソーム(MLV)を用いて、インターフェロンγを導入し、抗 悪性腫瘍効果を検討している。同様の手法を用いて、口腔癌頸部リンパ節転移モデルに対する抗腫瘍効果を 検討している。 Ⅳ 指導方針など 当教室としての大学院生の受け入れに特別な条件はない。入学後は本人の意志を尊重しつつ基本的には研究グ ループに属し、必要に応じて基礎系の教室で研究することもある。時間的には自己の裁量にまかされており、研 究に専念することが可能である。なお、大学院出身者は研究面において後進の指導にあたることを責務とする。 ─ 162 ─ 細胞情報医学専攻 頭頸部・感覚器外科学講座 Ⅴ 大学院修了者の進路 基本的には、病院歯科口腔外科の医員に採用される。また、希望があれば、関連病院の歯科口腔外科すること も可能である。 Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. Tohnai I., Hayashi Y., Mitsudo K., Shigetomi T., Ueda M., Ishigaki T. Prognostic evaluation of preoperative thermochemoradiotherapy for N3 cervical lymph node metastases of oral cancer. Oncology vol.62, 234-240, 2002 2. Ueda M., Hibino Y., Hata K. Transeplantation of cultured epithelial cells Methods in Molecular Biology vol.188, 197-211, 2002 3. Oda T., Sawaki Y., Ueda M. Future prospects for distraction osteogenesis in the maxillofacial skeleton. Alveolar Distraction Osteogenesis 173-182, 2002 4. Holland AM., Hale M., Kagami H., Hammer R.E., MacDonald R.J. Experimental control of pancreatic development and maintenance. Proc Natl Acad Sci USA vol.99, 12236-12241, 2002 5. Boo J.S., Yamada Y., Hibino Y., Okazaki Y., Okada K., Hata K., Yoshikawa T., Sugiura Y., Ueda M. Tissue-engineered bone using mesenchymal stem cells and a biodegradable scaffold. J. Craniofac.Surg vol.13, no.2, 231-239, 2002. 6. Okada K., Yamada Y., Kogami H., Ueda M., Hata K. Mechanical stress up-regulates on osteogenic differentiation of human mesenchymal stem cells in vitro. Tissue engineering abstract vol.8, no.6, 1157-1158, 2002 7. Tsurusako S., Tanaka H., Hayashi Y., Tohnai I., Ueda M., Ishizaki K. Low incidence of p53 mutations in well-differentiated tongue squamous cell carcinoma in japan Japanese Journal of Cinical Oncology vol.32, no.9, 327-331, 2002 8. Jensen O., Ueda M., Laster Z., Mommaerts M., Rachmiel A. Alveolar distraction osteogenesis Selected Readings in Oral and Maxillofacial Surgery vol.10, no.4, 1-48, 2002 9. Mitsudo K., Jayakumar A., Henderson Y., Frederick M. J., Kang, Y., Wang M., El-Naggar A. K., Clayman G. L. Inhibition of Serine Proteinases Plasmin, Trypsin, Subtilisin A, Cathepsin G, and Elastase by LEKTI: A Kinetic Analysis. Biochemistry vol.42, no.13, 3874-3881, 2003 10. Yamada, Y., Boo, J.S., Ozawa, R., Nagasaka, T., Okazaki, Y., Hata, K.,Ueda, M. Bone regeneration following injection of mesenchymal stem cells and fibrin glue with a biodegradable scaffold. J. Craniomaxiillofac. surg. vol.31, 27-33, 2003. 11. K. Kojima, L. J. Bonassar, A. K. Roy, H. Mizuno, J. Cortiella, C. A. Vacanti A composite tissue-engineered trachea using sheep nasal chondrocyte and epithelial cells FASEB Journal 2003, vol.17,823-828, 2003 12. Hamaguchi S., Tohnai I., Ito A., Mitsudo K., Shigetomi T., Ito M., Honda H., Kobayashi T., Ueda M. Selective hyperthermia using magnetoliposomes to target cervical lymph node metastasis in a rabbit tongue tumor model Cancer Science vol.94, no.9, 834-839, 2003 13. Ozawa, R., Yamada, Y., Nagasaka, T., and Ueda M., A comparison of osteogenesis-related gene expression of mesenchymal stem cells during the osteoblastic differentiation induced Type-I collagen and/or fibronectin, Int J Oral-Med Sci, vol.1, 148-155, 2003. ─ 163 ─ 細胞情報医学専攻 腫瘍病態学講座 分 子 腫 瘍 学 Ⅰ 教室の沿革・特色 当分野は、松本利貞、小島清秀、吉田松年の歴代教授のもとに、当初医学部附属癌研究施設として発足し、の ちに附属病態制御研究施設・がん細胞研究部門として改組されつつ、癌研究に大いに貢献してきた。平成 15 年に 新たに設置された大学院医学系研究科附属神経疾患・腫瘍分子医学研究センターの分子腫瘍学分野となり、さら に平成 16 年 7 月には高橋隆教授を迎えて新たなスタートを切った。当分野において遂行中の研究は、 「がん」の 本態解明を目指した極めて基礎的な研究から 、 がん克服を目指した診断・治療への応用研究まで多岐に渡る。し かしながら、そこにはヒトがんの発生と進展の分子機構を一つの疾患として統合的に探求し、得られた成果を癌 の克服に還元することを目指すという揺ぎ無い基調方針が貫かれている。これまでも新規分野に対して積極果敢 に取り組む攻めの姿勢をとり続けてきたが、とくにゲノム情報の充実を追い風に、基礎的な分子病態解析の成果 を如何に癌の克服に還元していくかを常に意識し、 多岐にわたるトランスレーショナルリサーチを展開中である。 Ⅱ スタッフおよび研究課題 教 授 高橋 隆 肺癌を中心とするヒト固形腫瘍の分子病態の解明とその臨床応用 講 師 鈴木 元 DNA 複製及びチェックポイント機構とゲノム安定性に関する酵母を用いた基礎的 研究ならびヒト癌の発生・進展への関わりの解明 助 手 柳澤 聖 マススペクトロメトリーによるプロテオミクス解析などを通じたヒト癌の発生・進 展に関わる分子の同定および機能解析とその臨床応用 共同研究員 竹内俊幸(バイオ産業情報化コンソーシアム) マイクロアレー法を用いた網羅的遺伝子発現解 析によるヒト癌の分子病態解析とその応用 大 学 院 生 永井英雅(器官調節外科) 網羅的発現解析による転移関連分子の探索 高見澤潤一(器官調節外科) マイクロ RNA 異常とヒト癌の発生・進展 前野 健(名市大・臨床分子内科) ヒト癌の足場非依存性増殖機構の解明 山田英貴(器官調節外科) ヒト癌の増殖調節とマイクロ RNA 田中寿明(岡山大・血液腫瘍呼吸器内科) 細胞周期チェックポイント異常とヒト発癌 衣斐寛倫(名市大・臨床分子内科) 細胞周期チェックポイント異常とヒト発癌 研究補助員 富田たづ子 荒川未和 Ⅲ 研究分野・内容 ヒトゲノム計画の完遂が宣言された今、充実したゲノム情報を基盤としたがん研究の新たな展開が期待されて いる。癌の個性の探求や発生・進展の分子機構の解明などの基礎研究と、得られた情報にもとづく革新的な遺伝 子・分子診断法や分子標的薬の開発というトランスレーションの両者の実現が、まさに可能な時代となったとい える。当研究分野においては、ゲノム情報の充実を追い風に、ヒト癌の発生・進展の分子病態の解明を目指し、 基礎的な研究から臨床応用を目指した研究まで、多岐にわたる研究を展開中である。 マイクロアレー解析によって得た遺伝子発現プロファイルデータの綿密なバイオインフォマティクス解析を通 じ、癌の個性の描出とテーラーメイド医療の実現につながる成果をあげるとともに、マススペクトロメトリーを ─ 164 ─ 細胞情報医学専攻 腫瘍病態学講座 用いた網羅的な蛋白発現プロファイリングを遂行中であり、プロテオミクス解析は我々の研究に新たな展開をも たらしつつある。また、我々が初めて樹立に成功した不死化ヒト末梢気道上皮細胞株やリンパ及び血行性高転移 ヒト肺癌細胞亜株を用いた実験モデル系を構築し、その網羅的発現解析や細胞生物学的解析結果と、実際のヒト 癌における検討から得られたデータとを有機的に統合した解析を進めることによって、分子標的として有用な転 移関連遺伝子・分子の同定を目指している。 また当分野においては酵母の遺伝学的解析をもとに、ゲノムの安定性の維持に密接に関わる DNA 複製におけ る忠実度の保障機構やチェックポイント制御機構について、特に DNA ポリメラーゼを基軸に遂行中である一 方、ヒト肺癌において複数の細胞周期チェックポイント異常の存在を明らかとしている。酵母とヒトを用いた研 究を平行して推進している当分野の強みを最大限に生かし、オリジナリティーの高い研究を展開することを目指 している。 Ⅳ 指導方針など 当分野で進められつつある研究は 、「がん」の本態解明を目指した基礎的研究から 、 その克服を目指した臨床 応用研究まで多岐に渡る。当分野のスタッフはそれぞれの特性を発揮しつつ互いの密接な協力体制の下に研究を 進めつつあるので 、 大学院生は科学的な課題に対する多角的な見方や発想法の習得の機会がふんだんに得られ る。また 、 研究内容も酵母の遺伝学を基盤とする極めて基礎的な内容から 、 ゲノム情報を最大限に活用し先端医 療としての還元を直接目指した応用研究まで多彩であり 、 大学院生にとっては自分の興味と特性がどのような研 究にもっとも適合しているのかを模索する良い機会が得られる。さらに 、 臨床部門の医師との交流も盛んであり 、「がん」診療上の課題と研究成果の還元が 、 如何にして整合性を持って追求され得るかについても学ぶことが できる。 大学院生には、欧文の一流誌に論文を発表できるように指導する過程で、研究を進める上で必要な実験手技や 文献的知識のみならず、 研究の着想と組み立て方や英語論文の執筆の仕方にいたるまで、日常的なディスカッショ ンを通じて細やかに指導が行われる。また 、 学位習得後の留学希望者には、受け入れ先に関して指導を行う。 Ⅴ 大学院生の業績 大学院生が筆頭著者である最近5年間の英文原著論文(高橋教授が愛知県がんセンター研究所(本学連携大学院) 在籍時に学位取得を指導した研修生を含む) 1. Yanagisawa, K., Uchida, K., Nagatake, M., Masuda, A., Sugiyama, M., Saito, T., Yamaki, K., Takahashi, T., and Osada, H. Heterogeneities in the biological and biochemical functions of Smad2 and Smad4 mutants naturally occurring in human lung cancers. Oncogene 19: 2305-2311, 2000. 2. Haruki, N., Saito, H., Tatematsu, Y., Konishi, H., Harano,T., Masuda, A., Fujii, Y., and Takahashi, T. Histological typeselective, tumor-predominant expression of a novel CHK1 isoform and infrequent in vivo somatic CHK2 mutation in small cell lung cancer. Cancer Res. 60: 4689-4692, 2000. 3. Okada, Y., Ito, Y., Kikuchi, A., Nimura, Y., Yoshida, S., and Suzuki, M. Assignment of functional amino acids around the active site of human DNA topoisomerase II alpha. J. Biol. Chem. 275: 24630-24638, 2000. Mizutani, Y., TamiyaKoizumi, K., Irie, F., Hirabayashi, Y., Miwa, M., and Yoshida, S. Cloning and expression of rat neutral sphingomyelinase: enzymological characterization and identification of essential histidine residues. Biochim. Biophys. Acta 1485: 236-246, 2000. Nozawa, K., Suzuki, M., Takemura, M., and Yoshida, S. In vitro expansion of mammalian telomere repeats by DNA polymerase alpha-primase. Nucleic Acids Res. 28: 3117-3124, 2000. Haruki, N., Yatabe, Y., Travis, W. D., Nomoto, S., Osada, H., Nakamura, S., Nakao, A., Fujii, Y., and Takahashi, T. Characterization of high-grade neuroendocrine tumors of the lung in relation to menin mutations. Jpn. J. Cancer Res. 91: 317-323, 2000. ─ 165 ─ 細胞情報医学専攻 腫瘍病態学講座 4. Kurumiya, Y., Nozawa, K., Sakaguchi, K., Nagino, M., Nimura, Y., and Yoshida, S. Differential suppression of liver-specific genes in regenerating rat liver induced by extended hepatectomy. J. Hepatol. 32: 636-644, 2000. Sakaguchi, K., Takeuchi, E., Suzuki, M., Oda, K., Nagino, M., Nimura, Y., and Yoshida, S. DNA polymerases and Ki-67 nuclear antigen are induced in correlation with the resected mass of rat liver up to 90%. Langenbeck's Arch. Surg. 385: 135-142, 2000. 5. Tosaka, A., Ogawa, M., Yoshida, S., and Suzuki, M. O-helix mutant T664P of Thermus aquaticus DNA polymerase I: altered catalytic properties for incorporation of incorrect nucleotides but not correct nucleotides. J. Biol. Chem. 276: 27562-27567, 2001. Haruki, N., Harano, T., Masuda, A., Kiyono, T., Tatematsu, Y., Shimizu, S., Mitsudomi, T., Konishi, H., Osada, H., Fujii, Y., and Takahashi, T. Persistent increase in chromosome instability in lung cancer: possible indirect involvement of p53 inactivation. Am. J. Pathol. 159: 1345-1352, 2001. 6. Haruki, N., Saito, H., Harano, T., Nomoto, S., Takahashi, T., Osada, H., Fujii, Y., and Takahashi, T. Molecular analysis of the mitotic checkpoint genes BUB1, BUBR1 and BUB3 in human lung cancers. Cancer Lett. 162: 201-205, 2001. 7. Okada, Y., Tosaka, A., Nimura, Y., Kikuchi, A., Yoshida, S., and Suzuki, M. Atypical multidrug resistance may be associated with catalytically active mutants of human DNA topoisomerase II alpha. Gene 272: 141-148, 2001. Mizutani, Y., Tamiya-Koizumi, K., Nakamura, N., Kobayashi, M., Hirabayashi, Y., and Yoshida, S. Nuclear localization of neutral sphingomyelinase 1: biochemical and immunocytochemical analyses. J. Cell. Sci. 114: 3727-3736, 2001. Yoshida, K., Tosaka, A., Kamiya, H., Murate, T., Kasai, H., Nimura, Y., Ogawa, M., Yoshida, S., and Suzuki, M. Arg660Ser mutation in Thermus aquaticus DNA polymerase I suppresses T - C transitions; implication of wobble base pair formation at the nucleotide incorporation step. Nuc. Acids Res. 29: 4206-4214, 2001. 8. Koshikawa, K., Osada, H., Kozaki, K., Konishi, H., Masuda, A., Tatematsu, Y., Nakao, A., and Takahashi, T. Significant up-regulation of a novel gene, CLCP1, in a highly metastatic lung cancer subline as well as in lung cancers in vivo. Oncogene 21: 2822-2828, 2002. 9. Mizuno, K., Osada, H., Konishi, H., Tatematsu, Y., Fujii, Y., and Takahashi, T. Aberrant hypermethylation of the CHFR prophase checkpoint gene in human lung cancers. Oncogene 21: 2328-2333, 2002. 10. Perpelescu, M., Kobayashi, J., Furuta, M., Ito, Y., Izuta, S. Takemura, M., Suzuki, M., and Yoshida S. Novel phenalenone derivatives from a marine-derived fungus exhibit distinct inhibition spectra against eukaryotic DNA polymerases. Biochemistry 41: 7610-7616, 2002. 11. Limsirichaikul, S., Ogawa, M., Niimi, A., Iwai, S., Murate, T., Yoshida, S., and Suzuki, M. The Gly-952 residues of Saccharomyces cerevisiae DNA polymerase alpha is important in discriminating correct deoxyribonucleotides from incorrect ones. J. Biol. Chem. 278: 19079-19086, 2003. Furuta, M., Nozawa, K., Takemura, M., Izuta, S., Murate, T., Tsuchiya, M., Yoshida, K., Taka, N., Nimura, Y., and Yoshida, S. A novel platinum compound inhibits telomerase activity in vitro and reduces telomere length in a human hepatoma cell line. Int. J. Cancer 104: 709-715, 2003. 12. Kurumiya, Y., Nagino, M., Nozawa, K., Kamiya, J., Uesaka, K., Sano, T., Yoshida, S., and Nimura. Y. Biliary bile acid concentration is a simple and reliable indicator for liver function after hepatobiliary resection for biliary cancer. Surgery 133: 512-520, 2003. Suda, N., Nakagawa, Y., Kikuchi, A., Sawada, M., Takami, Y., Funahashi, H., Nakao, A., Yoshida S., and Suzuki, M. Function of the loop residue Thr792 in human DNA topoisomerase IIalpha. Biochem. Biophys. Res. Commun. 303: 46-51, 2003. 13. Tomida, S.*, Koshikawa, K.*, Yatabe, Y., Harano, T., Ogura, N., Mitsudomi, T., Some, M., Takahashi, T., Osada, H., and Takahashi, T. Gene expression-based, individualized outcome prediction of surgically treated lung cancer patients. Oncogene 23: 5360-5370, 2004. *(equal contribution) 14. Takamizawa, J.*, Konishi, H.*, Yanagisawa, K., Tomida, S., Osada, T., Harano, T., Yatabe, Y., Nagino, ., Nimura, Y., Mitsudomi, T., and Takahashi, T. Reduced expression of the let-7 microRNAs in human lung cancers in association with shortened postoperative survival. Cancer Res. 64: 3753-3760, 2004. *(equal contribution) 15. Nakagawa, T., Hayashita, Y., Maeno, K., Masuda, A., Sugito, N., Osada, H., Yanagisawa, K., Ebi, H., Shimokata, K., and Takahashi, T. Identification of decatenation G2 checkpoint impairment independently of DNA damage G2 checkpoint in human lung cancer cell lines. Cancer Res. 64: 4826-4832, 2004. 16. Suda, N., Ito, Y., Imai, T., Kikumori, T., Kikuchi, A., Nishiyama, Y., Yoshida, S., and ─ 166 ─ Suzuki, M. The alpha4 細胞情報医学専攻 腫瘍病態学講座 residues of human DNA topoisomerase IIalpha function in enzymatic activity and anticancer drug sensitivity. Nucleic Acids Res.,32: 1767-1773, 2004 Ⅵ 大学院修了者の進路(平成 6 年以降在籍の大学院生) 武村 政春 (助手を経て三重大学生命科学研究支援センターヒト機能ゲノミクス部門 助手) 野沢 桂 (山之内製薬分子医学研究所 研究員) 水谷有紀子 (北海道大学大学院薬学研究科 非常勤研究員) 岡田 亜樹 (長寿医療研究センター 研究員) Siripan Limsirichaikul (Thailand、Silpakorn University, Department of Biopharmacy 講師) Perpelescu Marinela ( 名古屋大学大学院理学系研究科 客員研究員 ) 田中 活水(株式会社ヤクルト) Ⅶ 過去5年間の代表論文 1. Journal articles Kozaki, K., Miyaishi, O., Tsukamoto, T., Tatematsu, Y., Hida, T., Takahashi, T., and Takahashi, T. In vivo selected human lung cancer cell line H460-LNM35 consistently exhibits lymphogenous metastasis via both subcutaneous and orthotopic propagation. Cancer Res. 60: 2535-2540, 2000. 2. Okada, Y., Ito, Y., Kikuchi, A., Nimura, Y., Yoshida, S., and Suzuki, M. Assignment of functional amino acids around the active site of human DNA topoisomerase II alpha. J. Biol. Chem. 275: 24630-24638, 2000. 3. Kozaki, K., Koshikawa, K., Tatematsu, Y., Miyaishi, O., Saito, H., Hida, T., Osada, H., and Takahashi, T. Multi-faceted analyses of a highly metastatic human lung cancer cell line NCI-H460-LNM35 suggest mimicry of inflammatory cells in metastasis. Oncogene 20: 4228-4234, 2001. 4. Masuda, A., Osada, H., Yatabe, Y., Kozaki, K., Tatematsu, Y., Takahashi , T., Hida, T., Takahashi ,T., and Takahashi, T. Protective function of p27KIP1 against apoptosis in small cell lung cancer cells in unfavorable microenvironments. Am. J. Pathol. 158: 87-96, 2001. 5. Haruki, N., Harano, T., Masuda, A., Kiyono, T., Tatematsu, Y., Shimizu, S., Mitsudomi, T., Konishi, H., Osada, H., Fujii, Y., and Takahashi, T. Persistent increase in chromosome instability in lung cancer: possible indirect involvement of p53 inactivation. Am. J. Pathol. 159: 1345-1352, 2001. 6. Konishi, H., Nakagawa, T., Harano, T., Mizuno, K., Saito, H., Masuda, A., Matsuda, H., Osada, H., and Takahashi, T. Identification of frequent G2 checkpoint impairment and a homozygous deletion of 14-3-3? at 17p13.3 in small cell lung cancers. Cancer Res. 62: 271-276, 2002. 7. Masuda, A., Maeno, K., Nakagawa, T. Saito, T., and Takahashi, T. Association between mitotic spindle checkpoint impairment and susceptibility to the induction of apoptosis by antimicrotubule agents in human lung cancers. Am. J. Pathol. 163: 1106-1119, 2003. 8. Limsirichaikul S, Ogawa M, Niimi A, Iwai S, Murate T, Yoshida S, Suzuki M. The Gly-952 residue of Saccharomyces cerevisiae DNA polymerase alpha is important in discriminating correct deoxyribonucleotides from incorrect ones. J. Biol. Chem. 278: 19079-19086. 2003. 9. Ogawa M, Limsirichaikul S, Niimi A, Iwai S, Yoshida S, Suzuki M. Distinct function of conserved amino acids in the fingers of Saccharomyces cerevisiae DNA polymerase alpha. J. Biol. Chem. 278: 19071-19078, 2003. 10. Konishi, H., Sugiyama, M., Mizuno, K., Saito, H., Yatabe, Y., Takahashi, T., Osada, H. and Takahashi T. Detailed characterization of a homozygously deleted region corresponding to a candidate tumor suppressor locus at distal 17p13.3 in ─ 167 ─ 細胞情報医学専攻 腫瘍病態学講座 human lung cancer. Oncogene 22: 1892-1905, 2003. 11. Tomida, S.*, Koshikawa, K.*, Yatabe, Y., Harano, T., Ogura, N., Mitsudomi, T., Some, M., Takahashi, T., Osada, H., and Takahashi, T. Gene expression-based, individualized outcome prediction of surgically treated lung cancer patients. Oncogene 23: 5360-5370, 2004. *(equal contribution) 12. Niimi A, Limsirichaikul S, Yoshida S, Iwai S, Masutani C, Hanaoka F, Kool ET, Nishiyama Y, Suzuki M. Palm mutants in DNA polymerases alpha and eta alter DNA replication fidelity and translesion activity. Mol. Cell. Biol. 24 : 2734-2746. 2004. 13. Takamizawa, J.*, Konishi, H.*, Yanagisawa, K., Tomida, S., Osada, T., Harano, T., Yatabe, Y., Nagino, ., Nimura, Y., Mitsudomi, T., and Takahashi, T. Reduced expression of the let-7 microRNAs in human lung cancers in association with shortened postoperative survival. Cancer Res. 64: 3753-3760, 2004. *(equal contribution) 14. Nakagawa, T., Hayashita, Y., Maeno, K., Masuda, A., Sugito, N., Osada, H., Yanagisawa, K., Ebi, H., Shimokata, K., and Takahashi, T. Identification of decatenation G2 checkpoint impairment independently of DNA damage G2 checkpoint in human lung cancer cell lines. Cancer Res. 64: 4826-4832, 2004. 15. Reviews and books Takahashi, T. Lung cancer: an ever increasing store of in-depth basic knowledge and the beginning of its clinical application. Oncogene 21, 6868 - 6869, 2002. 16. Gazdar A.F., and Takahashi, T. Molecular genetic alterations including oncogenes, and suppressor genes (Small cell lung cancer). In: W.D. Travis, et al. (eds.), World Health Organization International Histological Classification of Tumours. Pathology and Genetics of Tumours of the Lung, Thymus and Heart. Springer-Verlag, Berlin Heidelberg (in press) 17. Takahashi T. and Sidransky, D. Biology of lung cancer. In: J.F. Murray, J.A. Nadel, R.J. Mason, V.C. Broaddus (eds.), Textbook of Respiratory Medicine. 4th edition. Elsevier Science, Philadelphia (in press). ─ 168 ─ 細胞情報医学専攻 腫瘍病態学講座 腫 瘍 生 物 学 Ⅰ 教室の沿革・特色 当部門は昭和 58 年の 3 研究施設の統合による病態制御研究施設発足の際、ウイルス病や癌等の発症機構を分子 のレベルで解明することを目的とする新研究部門として発足し、昭和 59 年 2 月永井美之が初代教授に就任した。 永井によるパラミクソウイルス群の病原性に関する研究は、国内外から高い評価を受け、平成 5 年度に永井は東 京大学医科学研究所ね転出した。一方、濱口を中心にした 1987 年から始まったラウス肉腫癌遺伝子 v-src による 発癌機構の研究は癌細胞の浸潤転移を活性化するシグナル伝達系に焦点を当てて進められてきている。永井が東 京大学へ転出した後、後任として、平成 5 年 12 月に濱口道成が教授に就任した。更に、Tob 等の発見者である松 田が研究に参加し、現在はチロシンキナーゼ型癌遺伝子を中心として、幅広く癌関連遺伝子の構造と機能を実験 モデルとヒト癌組織の解析の両面から解析を進めている。 Ⅱ スタッフおよび研究課題 教 授 濱 口 道 成(医学博士) 助 教 授 松 田 覚(医学博士) 研究機関研究員 千 賀 威 ・ 苺 谷 育 克 特 別 研 究 員 Aye Aye Thant(日本学術振興会) 大 学 院 生 「博士課程」 内 藤 祐 子、 Myat Lin Oo、 Amin A.R.M.Ruhul、 大 島 久 美、 Naing Naing Mon、 蓑 紅、 黄 鵬 宇、 國 料 俊 男(器官調節外科学)、 谷 村 葉 子(器官調節外科学)、 深 谷 泰 士(整形外科学)、 伊 藤 聡 子(免疫応答内科学)、 吉 田 統 彦(眼科学) 「修士課程」 長谷川 仁 紀、 牧 野 圭 志 Ⅲ 研究分野・内容 チロシンキナーゼは、ラウス肉腫ウイルスの癌遺伝子産物 p60v-src の持つ酵素活性として 20 年ほど前に発見さ れ、当初細胞癌化のキーエンザイムと考えられた。ところが、その後の研究の展開の結果、チロシンキナーゼは 正常の増殖因子受動体の持つ酵素活性であることが明らかになると共に、分化、免疫応答等多彩且つ根元的な生 命活動を制御する酵素である事が証明されつつある。 当部門では、チロシンキナーゼの基質及びその下流のシグナル伝達因子の遺伝子にたいする多様な変異遺伝子 を開発し、それを用いる事により、種々の生命現象とりわけ細胞癌化、癌細胞の浸潤転移の分子基盤となるシグ ナル伝達の解明を目指している。現在最も中心的な課題は細胞癌化の分子機構で、チロシンキナーゼの内でも最 も代表的な p60v-src を主題として、その細胞癌化シグナル伝達とりわけ癌化細胞の浸潤・転移の基盤となるシグ ナル伝達の詳細を解析している。我々の興味の第一は癌細胞の浸潤・転移に決定的な役割をはたすマトリックス メタロプロテアーゼ(MMP)の解析である。我々は Src キナーゼが MMP-2 の分泌を活性化すること、この活性化 が Src キナーゼの癌化能と直結することを見出している。更に、最近数年の解析から、FAK,Ras,MEK,PI3K ─ 169 ─ 細胞情報医学専攻 腫瘍病態学講座 等の制御因子を同定している。また、ひと卵巣癌や、肺癌を用いて MMP 分泌活性化に機構を明らかに、アンチ センスやドミナントネガティブ遺伝子を用いて、MMP 分泌と癌細胞の浸潤を抑制する事に成功している。第二 に焦点をあてていることは、細胞骨格構成、運動の制御である。我々の解析から、Src キナーゼが細胞骨格に結 合することが癌細胞の形態変化にとって必須の過程であることが明らかになった。現在形態変化に決定的な役割 を果たす気質蛋白の同定を試みつつある。また、ヒアルロン酸による癌細胞特異的な細胞運動活性化機構を明ら かにしている。第三点は細胞間接着の制御機構である。正常細胞はカドヘリンと呼ばれる糖蛋白質によって相互 に認識・統合し、強固な組織構築を形成する。このカドヘリンによる細胞接着は、臓器形成、分化等生命の根幹 をなす細胞の営みであると考えられる。一方、癌細胞においてはその浸潤・転移は強固な母組織の構造からの逸 脱を意味し、カドヘリン機能の制御の抑制が推定された。我々の解析から Src キナーゼは、カドヘリンの機能を 制御すると考えられるカテニンをリン酸化することによって、カドヘリン機能を制御することが明らかになった。 以上の研究のほか、我々は臨床各科と共同研究を行い、人癌の転移・浸潤、悪化に決定的なシグナル伝達因子 の同定を進めている。 Ⅳ 指導方針など 仕事の質、換言すれば、論文の数よりは質が問われる傾向が強まりつつある。従って、まず、研究課題の設定 を慎重に行う。研究遂行にあったて、深い考察と高い技術の獲得に努力を惜しまない。4 年修了した時点で、該 当領域の第一線に立つことをめざす。 Ⅴ 大学院生の業績 濱口教授就任以来、主要業績の大半は濱口教授の指導のもとになされた大学院生の first author の論文であり、 大学院生が研究の中心的な担い手である。学会発表については、日本癌学会、日本生化学会はもとより米国での Oncogene Meeting 等海外の国際学会でも発表している。 Ⅵ 大学院修了者の進路(平成 6 年以降在籍の大学院生) 坂口 剛正(1987 年中退)広島大学医学具細菌学教室助手(1987-1996)広島大学医学部細菌学教室講師(1996-) 豊田 哲也(1987 年修了)国立遺伝子学研究所分子遺伝系助手(1991-1995)久留米大学医学部ウイルス学教室教 授(1995-) 後藤 敏(1989 年修了)名古屋大学アイソトープ研究室助手(1990-1994)福井医科大学微生物学教室助教授 (1994-) (この間英国 Oxford 大学病理学教室へ留学) Noel M .Inocencio(1991 年修了)Vermont 大学微生物学・分子生物学教室(米国)研究員(1991-) 喩 忠(1996 年修了)カリフォルニア大学ロサンゼルス校微生物学研究員(1995-) 肖 恒冶(1995 年修了)国立長寿医療センター研究員(1995-) 大西由佳乃(大学院研究生 1997 年修了)東京大学医科学研究所特定疾患研究員(1997-)国立感染症研究所・エ イズ研究センター、産業技術総合研究所・生物情報解析研究センター Mihaela Sdrbulea(1998 年修了)世界保健機構、笹川平和財団研究員 王 小東(1998 年修了)La Jolla Institute for allergy & Immunology 研究員 町田 和也(1999 年修了)コネッチカット大学メディカルセンター研究員 劉 恩波(1999 年修了)The Burnham Institute 研究員 ─ 170 ─ 細胞情報医学専攻 腫瘍病態学講座 曽原 康厳(2001 年修了)Childrens Center for Hematology-Oncology 研究員 劉 玉珍(2001 年修了)Harvard 大学医学部研究員 張 彦英(2002 年修了)バンクーバー大学医学部微生物免疫学教室研究員 Ⅶ 過去5年間の代表論文 1. Clustered cysteine residues in the kinase domain of v-Src: critical role for protein stability, cell transformation and sensitivity to herbimycin A. Takeshi Senga, Kou Miyazaki, Kazuya Machida, Hiroyuki Iwata, Satoru Matsuda, Izumi Nakashima and Michinari Hamaguchi. Oncogene 19: 273-279 (2000). 2. v-Src suppresses SHPS-1 expression via the Ras-MAP kinase pathway to promote the oncogenic growth of cells. Kazuya Machida, Satoru Matsuda, Kenichi Yamaki, Takeshi Senga, Aye Aye Thant, Hisashi Kurata, Kou Miyazaki, Kazuhiko Hayashi, Takahito Okuda, Toshio Kitamura, Tetsuo Hayakawa and Michinari Hamaguchi. Oncogene, 19: 1710-1718 (2000). 3. The Ras-MEK1 pathway is critical for the activation of MMP secretion and the invasiveness in v-crk-transformed 3Y1. Enbo Liu, Aye Aye Thant, Fumitaka Kikkawa, Hisashi Kurata, Shinya Tanaka, Akihiro Nawa, Shigehiko Mizutani, Satoru Matsuda, Hidesaburo Hanafusa and Michinari Hamaguchi. Cancer Res. 60: 2361-2364 (2000). 4. The JAK-inhibitor, JAB/SOCS-1 selectively inhibits cytokine-induced, but not v-Src induced JAK-STAT activation. Takashi Iwamoto, Takeshi Senga, Yuko Naito, Satoru Matsuda, Yozo Miyake, Akihiko Yoshimura and Michinari Hamaguchi. Oncogene 19: 4795-4801 (2000). 5. A role for FAK in the Concanavalin A-dependent secretion of matrix metalloproteinase-2 and -9. Thet Thet Sein, Aye Aye Thant, Yukiko Hiraiwa, ARM Ruhul Amin, Yasuyoshi Sohara, Yuzhen Liu, Satoru Matsuda, Tadashi Yamamoto and Michinari Hamaguchi. Oncogene 19: 5539-5542 (2000). 6. Invasion activating caveolin-1 mutation in human scirrhous breast cancers. Kazuhiko Hayashi, Satoru Matsuda, Kazuya Machida, Tatsuyoshi Yamamoto, Yoshihide Fukuda, Yuji Nimura, Tetsuo Hayakawa and Michinari Hamaguchi. Cancer Res., 61: 2361-2364 (2001). 7. Hyaluronan activates cell motility of v-Src-transformed cells via Ras-MAPK and PI3K-Akt in a tumor-specific manner. Yasuyoshi Sohara, Naoki Ishiguro, Kazuya Machida, Hisashi Kurata, Aye Aye Thant, Takeshi Senga, Satoru Matsuda, Koji Kimata, Hisashi Iwata and Michinari Hamaguchi. Mol. Biol. Cell 12: 1859-1868 (2001). 8. JAK/Stat3 dependent activation of RalGDS/Ral pathway in M1 mouse myeloid leukemia cells. Takeshi Senga, Takashi Iwamoto, Toshio Kitamura, Yozo Miyake and Michinari Hamaguchi. J. Biol. Chem. 276 (35): 32678-32681 (2001). 9. Suppression of cell spreading by v-Crk requires Ras-MEK-MAP kinase signaling. Yuzhen Liu, Yukiko Hiraiwa, Enbo Liu, Hisashi Kurata, Aye Aye Thant, Satoru Matsuda, and Michinari Hamaguchi. Oncogene 20: 5908-5912 (2001). 10. Hyaluronan-CD44s signaling regulates matrix metalloproteinase-2 secretion in a human lung carcinoma cell line QG90. Yanying Zhang, Aye Aye Thant, Kazuya Machida, Yasukatsu Ichigotani, Yuko Naito, Yukiko Hiraiwa, Takeshi Senga, Yasuyoshi Sohara, Satoru Matsuda and Michinari Hamaguchi Cancer Res. 15; 62 (14): 3962-3965 (2002) ─ 171 ─ 細胞情報医学専攻 臨床薬物情報学講座 医 療 薬 学 Ⅰ 教室の沿革・特色 「 医療薬学 」 という言葉が薬学・薬系大学においてすら目新しかった昭和 59 年に国立大学医学部・医科大学 で最も早くに設置された専攻コースである。以来 20 余年にわたって薬学部を持たない名古屋大学では唯一、薬 物と生体との関係を研究する場として、非常に重要な位置を占めている。患者さんに薬物が投与された時の体内 動態(吸収、分布、代謝、排泄)や、投与された薬の薬効(薬理作用)や副作用がどのように発現するかを学ぶ 医療薬学領域の基礎研究はもちろん、より良い医療の提供を目指しての臨床研究や次世代の薬物療法の柱である テーラーメード医薬品の構築を見据え、薬物作用と遺伝子的要素の関連等にも研究範囲を広げている。変革期に ある医学研究の中で、医療薬学も例外でなく、分子生物学から臨床研究までを包括する学問となり、今まで以上 に柔軟な思考を以って精力的に活動できる若手研究者が求められている。研究の性格上、テーマも多岐にわたっ ているが、常に世界の最先端の動向に注目して、臨床の現場でも十分活用できる成果を得ることを目標に日夜研 究活動を行っている。本講座所属の博士・修士の大学院生ばかりでなく、薬系大学の修士課程学生や医療薬学専 攻科生、病院・開局薬剤師・製薬企業勤務者に対しても基礎・臨床研究の指導に努めており、最近では薬学出身 者以外の学生が修士・博士課程に入学している。さまざまなバックグランドを持つ人材が集結し、医療薬学領域 の様々な研究についてホットな議論を展開している。近年採択された数々の論文にもその努力は十分生かされて おり、疾病の苦しみを少なからず和らげる道を開くことを期待している。 Ⅱ スタッフ 教官スタッフ 2 名は大学院生の指導に対して、その能力を生かすための労を惜しまない。さらに本薬剤部では、 薬剤師も大部分が修士・博士の学位を有し、大学院生・研究生への指導をおこなっている。 教 授 助 教 授 副薬剤部長 薬 剤 師 技能補佐員 ポ ス ド ク 大学院生博士課程 修 士 課 程 社会人大学院生 研 究 生 外国人研究者 他大学所属学生 鍋島俊隆(薬博) 新田淳美(医博) 小倉庸蔵、山村恵子(薬博) 、野田幸裕(医博) 大島基宣、篠田正彦(医博) 、松原弘幸、長谷川雅哉(医博)、村岡勲(医博)、葛谷孝文(医博) 、 長田孝司(医博) 、 玉置紀子、 太田小織、山本雅人(薬修・社会人大学院生)、伊東亜紀雄(医博) 、 清水久美子、加藤勝義(研究生)、矢野亨治 ( 社会人大学院生 )、梅村雅之(薬博)、 千崎康司(研究生) 、兒門由香里、石川和宏(医博)、稲垣聡美、小林智美、 鳥本真由美(薬修) 、水谷佳代、前田美希代、石塚雅子、手塚智子(薬修)、深津英之、 秋 詠鮮、辻 美江、宮川泰宏(薬修)、宮崎雅之(薬修) 小枝星子、阪井祐介(薬修) 、熊倉康郎(薬修)、久保田亜季(薬修)、松垣智子(薬修)、 東海由季、竹内一世(薬修) 、久野久美(薬修)、城ノ内温子、大鹿みさき、高見真代 曾 南(成都中医薬大学) 、チン・シャーボ(華西医科大学、医博) 溝口博之(京薬大修士修了) 、Yijin Yan (Zhengzhou 工学院 , 修士修了 )、毛利彰浩(岐薬大修) 、 村井里奈(岐薬大修) 、丹羽美苗(千葉大修士修了) 大谷 晋(名大理) 安藤正樹(三和科学研究所) 、坂入崇史(アベンティスファーマ)、宇佐美牧子(アベンティスファーマ)、 片山 歳也(四日市社会保険病院)、中山忍(藤田保健衛生大学病院)、 吉田真紀子(青山第二病院) 恒川 王大勇 ( 沈陽薬科大学、薬博 )、アルカム・トルソン(浙江中医学院修士修了)、 ヅアオ・インラン(華西医科大学、医博)、周 園(東北医科大学*中国、修士) 桐山典子(京薬大修士) 、衣斐大介(日大修士) 研究生 14 名、客員研究員 11 名 ─ 172 ─ 細胞情報医学専攻 臨床薬物情報学講座 Ⅲ 研究分野・内容 1)薬物依存の神経機構に関する研究:メタンフェタミン、モルヒネおよびニコチンなどの依存性薬物による精 神障害の機構を解明し、その診断、予防、治療方法を確立するための研究をおこなっている。 2)精神疾患に関する行動薬理学的研究:ストレスによる精神障害や精神分裂などのメカニズムを解明するため に、薬理学的および遺伝的動物モデルを用いて行動薬理学的研究を行っている。 3)神経変性疾患を中心に神経栄養因子の生理作用および臨床応用に結びつく研究を行っている。 4)培養神経細胞を用いて、神経細胞死のメカニズムについて検討を行い、細胞死を防ぐ方法を検討している。 5)医療薬学的研究:各診療科と共同で、患者のQOLの改善とファーマシューティケルケアの向上を目指し、 医療薬学の見地から臨床研究を行っている。 Ⅳ 指導方針など 薬学部出身者が大部分であるが、修士・博士課程学生とも、いずれの学部出身者でも受け入れる。医療薬学で は薬を介して患者さんにアプローチするので、化学物質としての薬について理解した上で、薬が生体とどのよう にかかわり、作用を及ぼすのかを徹底的に研究する。修士・博士課程の大学院生とも、世界の第一線で研究を遂 行できる能力を身に着けることを目標としている。教官からの指導を受けながらも、研究の意義やターゲットを 明らかとすることは基より、実験の遂行、国際学会での発表・論文作成も一貫して当人が自らの手で達成できる ように養成していくつもりである。博士課程修了時には、化学的および生物学的知見を併せ持った研究者となる ことを理想とし、国内海外を問わず、いずれの研究室でも活躍できるようにしたいと考えている。その過程は必 ずしも易しいものではないが、研究上での発見の喜びや、それらが社会に還元されていくことのすばらしさを大 学院生に伝え、そのための環境を調えることが、指導者の使命と考えている。在学中のアルバイトは時間的に難 しいが、学術振興会の特別研究員応募には十分に尽力したい。青春のひと時を、充実させる手伝いができること を願っている。 Ⅴ 大学院生の業績 V大学院生の業績 (現教授就任以降 17 名の博士課程学生を受け入れ、博士課程学生が first author の論文は 報にのぼる。下記はその 1 部である) 1. Apichartpichean, R., Hasegawa, T., Nadai, M., Kuzuya, T. and Nabeshima,T.:Structure-pharmacokinetic relationships among the N1, N3-alkylxanthines in rats. J. Pharm. Pharmacol., 43, 262-269 (1991) 2. Nadai, M., Hasegawa, T., Muraoka, I., Takagi, K. and Nabeshima, T.: Dose-dependent pharmacokinetics of enprofylline and its renal handling in rats. J. Pharm. Sci., 80, 648-652 (1991) 3. Nitta, A., Murase, K., Furukawa, Y., Hayashi, K., Hasegawa, T. and Nabeshima, T.: Memory impairment and neural dysfunction after continuous infusion of anti-nerve growth factor antibody into the septum in adult rats.Neuroscience, 57, 495-499 (1993) 4. Nitta, A., Murakami, Y., Furukawa, Y., Kawatsura, W., Hayashi, K., Yamada, K., Hasegawa, T. and Nabeshima, T.: Oral administration of idebenone induces nerve growth factor in the brain and improves learning and memory in basal forebrainlesioned rats.Naunyn-Schmiedeberg's Arch. Pharmacol., 349, 401-407 (1994) 5. Kitaichi, K., Yamada, K., Hasegawa, T., Furukawa, H. and Nabeshima, T.: Effects of risperidone on phencyclidine-induced behaviors: comparison with haloperidol and ritanserin. Jpn. J. Pharmacol., 66, 181-189 (1994) ─ 173 ─ 細胞情報医学専攻 臨床薬物情報学講座 6. Haghgoo, S., Hasegawa, T., Nadai, M., Wang, L., Nabeshima, T. and Kato, N.: Effect of a bacterial lipopolysaccharide on biliary excretion of �-lactam antibiotic, cefoperazone, in rats. 7. Antimicrobial Agents Chemother., 39, 2258-2261 (1995) . 8. Itoh, A., Nitta, A., Nadai, M., Nishimura, K., Hirose, M., Hasegawa, T. and Nabeshima, T.: Dysfunction of cholinergic and dopaminergic neuronal systems in □ -amyloid protein-infused rats. J. Neurochem., 66, 1113-1117 (1996) 9. Tang, Y.P., Noda, Y., Hasegawa, T. and Nabeshima, T.: Effects of VA-045 on learning and memory deficits in traumatic brain injury (TBI)-induced retrograde and anterograde amnesic mice. Br. J. Pharmacol., 122, 257-264 (1997) 10. Tang, Y.P., Murata, Y., Nagaya, T., Noda, Y., Seo, H. and Nabeshima, T.: NGFI-B, c-fos, and c-jun mRNA expression in mouse brain after acute carbon monoxide intoxication.J. Cereb. Blood Flow Metab., 17, 771-780 (1997) 11. Mamiya, T., Noda, Y., Nishi, M., Takeshima, H. and Nabeshima, T.: Enhancement of spatial attention in nociceptin/ orphanin FQ receptor-knockout mice.Brain Res., 783, 236-240 (1998) 12. Kitaichi, K., Noda, Y., Miyamoto, Y., Numaguchi, A., Osawa, H., Hasegawa, T., Furukawa, H. and Nabeshima, T.: Involvement of the serotonergic neuronal system in phencyclidine-induced place aversion in rats. Behav. Brain Res., 103, 105-111 (1999) 13. Mizuno, M., Yamada, K., Olariu, A., Nawa, H. and Nabeshima T.: Involvement of brain-derived neurotrophic factor in spatial memory formation and maintenance in a radial arm maze test in rats. J. Neurosci., 20, 7116-7121 (2000) 14. Mamiya, T., Noda, Y., Noda, A., Hiramatsu M., Karasawa, T., Kameyama, T., Furukawa, S., Yamada, K. and Nabeshima, T.: Effects of sigma receptor agonists on the impairment of spontaneous alternation behavior and decrease of cyclic GMP level induced by nitric oxide synthase inhibitors in mice. Neuropharmacology., 39, 2391-2398 (2000) 15. Mamiya, T., Noda, Y., Ren, X., Hamdy, M., Furukawa, S., Kameyama, T., Yamada, K. and Nabeshima, T.: Involvement of cyclic AMP systems in morphine physical dependence in mice: Prevention of development of morphine dependence by rolipram, a phosphodiesterase 4 inhibitor. Br. J. Pharmacol., 132, 1111-1117 (2001) 16. He, J., Yamada, K., Zou, L-B. and Nabeshima, T.: Spatial memory deficit and neurodegeneration induced by the direct injection of okadaic acid into the hippocampus in rats.J. Neural Transm., 108, 1435-1443 (2001) 17. Miyamoto, Y., Yamada, K., Noda, Y., Mori, H., Mishina, M. and Nabeshima, T.: Hyperfunction of dopaminergic and serotonergic neuronal systems in mice lacking the NMDA receptor ε1 subunit.J. Neurosci., 21, 750-757 (2001) 18. Mizuno, M., Yamada, K., Maekawa, N., Saito, K., Seishima, M. and Nabeshima, T.: CREB phosphorylation as amolecular marker of memory processing in the hippocampus for spatial leaning.Behav. Brain Res., 133, 135-141 (2002) 19. He, J., Yamada, K., Nakajima, A., Kamei, H. and Nabeshima, T.: Learning and memory in two different reward tasks in a radial arm maze in rats. Behav. Brain Res., 134,139-148 (2002) 20. Miyamoto, Y., Yamada, K., Noda, Y., Mori., H., Mishina, M. and Nabeshima, T., : Lower sensitivity to stress and altered monoaminergic neuronal function in mice lacking the NDMA receptor ε 4 subunit.J. Neurosci., 22, 2335-2342 (2002) 21. Nakajima, A., Yamada, K., Zou, L. B., Yan., Y., Mizuno, M., and Nabeshima, T.: Interleukin-6 protects PC12 cells from 4-hydroxynonenal-induced cytotoxicity by increasing intracellular glutathione levels.Free Radic. Biol. Med., 32, 1324-1332 (2002) 22. Nagai, T., Noda, T., Une, T., Furukawa, K., Furukawa, H., Kan, Q. M., and Nabeshima, T.: Effect of AD-5423 on animal models of schizophrenia: phencyclidine-induced behavioral changes in mice.Neuroreport, 14, 269-272 (2003) 23. Nakajima, A., Yamada, K., Nagai, T., Uchiyama, T., Miyamoto, Y., Mamiya, T., He, J., Nitta, A., Mizuno, M., Tran, M. H., Seto, A., Yoshimura, M., Kitaichi, K., Hasegawa, T., Saito, K., Yamada, Y., Seishima, M., Sekikawa, K., Kim, H. C., Nabeshima, T.: Role of tumor necrosis factor-α in methamphetamine-induced drug dependence and neurotoxicity.�J. Neurosci., 24, 2212-2225 (2004) ─ 174 ─ 細胞情報医学専攻 臨床薬物情報学講座 24. Mizoguchi, H., Yamada, K., Mizuno, M., Mizuno, T., Nitta, A., Noda, Y., Nabeshima, T.: Regulations of methamphetamine reward by extracellular signal-regulated kinase 1/2/ets-like gene-1 signaling pathway via the activation of dopamine receptors Mol. Pharmacol., 65, 1293-1301 (2004) 25. Nagai, T., Yamada, K., Yoshimura, M., Ishikawa, K., Miyamoto, Y., Hashimoto, K., Nitta, A., Noda, Y., and Nabeshima, T.: The tissue plasminogen activator-plasmin system participates in the rewarding effect of morphine by regulating dopamine release. Proc Natl Acad Sci USA., 101, 3650-3655 (2004) Ⅵ 大学院修了者の進路 本研究室大学院修了者の進路には、大学の教官等のアカデミックポジション、留学、製薬企業等での研究者、 病院薬剤部での臨床薬剤師等の可能性がある。本研究室出身生の能力の高さは定評があり、現教授就任以来の 10 名の博士課程修了者中多くの者がアカデミックポジションを得ている。下記の博士課程修了者以外にも、本 薬剤部からは、長谷川高明愛知医科大学教授、山田清文金沢大学大学院教授、大嶋耐之北陸大学薬学部助教授、 亀井浩行名城大学助教授、成橋和正金沢大学助手、太田好美新潟大学保健学科助手らを輩出している。これらの ネットワークも在学生にとっても貴重な財産となるであろう。 平成2年修了 灘井 雅行 (本院薬剤部文部技官・岐阜薬科大学助教授を経て、名城大学薬学部助教授) 平成7年修了 Aptichartichean, Ruttikorn (タイ武田製薬株式会社) 平成7年修了 北市 清幸 (カナダ留学を経て名大医学部保健学科助手) 新田 淳美 (岐阜薬大助手を経て名大医学部助教授) 平成8年修了 Haghgoo, Jaromi Soheila (イラン国立GMP査察官) 平成9年修了 伊東亜紀雄 (名大病院薬剤部主任) 平成10年修了 唐 亜平 (シカゴ大学助教授) 平成13年修了 間宮 隆吉 (名城大学薬学部助手) 宮本 嘉明 (長寿研特別研究員) 平成14年修了 水野 誠 (新潟大学医学部脳科学研究所助手) He, Jue (カナダ ポスドク) 平成15年修了 中島 明 (シカゴ大学ポスドク) 永井 拓 (名大薬剤部勤務を経て金沢大学大学院助手) Ⅶ 過去5年間の代表論文 1. Kuzuya, T., Hasegawa, T., Ogura, Y. and Nabeshima, T.: Effect of transmucosal fluid movement on zinc and copper absorption from the rat small intestine. Clin. Exp. Pharmacol. Physiol., 25, 412-416 (1998) 2. Noda, Y., Mamiya, T., Nabeshima, T., Nishi, M., Higashioka, M. and Takeshima, H.: Loss of antinociception induced by naloxone benzoylhydrazone in nociceptin receptor-knockout mice. J. Biol. Chem., 273, 18047-18051 (1998) 3. Yamamura, K., Ohta, S., Yano, K., Yotsuyanagi, T., Okamura, T. and Nabeshima, T.: Oral mucosal adhesive film containing local anesthetics: in vitro and clinical evaluation. J. Biomed. Mater. Res., 43, 313-317 (1998) 4. Noda, Y., Miyamoto, Y., Mamiya, T., Kamei, H., Furukawa, H. and Nabeshima, T.: Involvement of dopaminergic system in phencyclidine-induced place preference in mice pretreated with phencyclidine repeatedly. J. Pharmacol. Exp. Ther., 286, 44-51 (1998) 5. Manabe, T., Noda, Y., Mamiya, T., Katagiri, H., Houtani, T., Nishi, M., Noda,T., Takahashi, T., Sugimoto, T., Nabeshima, T. and Takeshima, H.: Facilitation of long-term potentiation and memory in mice lacking nociceptin receptors. Nature, 394, 577-581 (1998) ─ 175 ─ 細胞情報医学専攻 臨床薬物情報学講座 6. Noda, Y., Kamei, H., Kamei, Y., Nagai T., Nishida, M. and Nabeshima, T.: Neurosteroids ameliorate conditioned fear stress: An association with sigma1 receptors. Neuropsychopharmacology, 23, 276-284 (2000) 7. Kato, K., Shishido, T., Ono, M., Shishido, K., Kobayashi, M., Suzuki, H., Nabeshima, T., Furukawa, H. and Niwa, S.: Effects of phencyclidine on behavior and extracelluar levels of dopamine and its metabolites in neonatal ventral hippocampal damaged rats. Psychopharmacology, 150, 163-169 (2000) 8. Tran, M. H., Yamada, K., Olariu, A., Mizuno, M., Ren, X. H., Nabeshima, T: Amyloid β-peptide induces nitric oxide production in rat hippocampus: association with cholinergic dysfunction and amelioration by inducible nitric oxide synthase inhibitors1. FASEB J., 15, 1407-1409 (2001) 9. Mori, A., Noda, Y., Nagai, T., Mamiya, T., Furukawa, H. and Nabeshima, T.: Involvement of dopaminergic system in the nucleus accumbens in the discriminative stimulus effects of phencyclidine. Neuropharmacology, in press (2002) ─ 176 ─ 細胞情報医学専攻 高次神経統御学講座 視覚神経科学 Ⅰ 教室の沿革・特色 当教室は昭和 35 年環境医学研究所第 5 部門航空医学として発足し、平成 3 年度の研究所改組により部門名が 高次神経統御部門平衡適応に変更された。この間、網膜での情報処理機構の電気生理学的研究と宇宙における生 理機能を宇宙環境模擬実験装置により調べる研究が行われてきた。平成 8 年 8 月に現教授の就任に伴い、大脳皮 質視覚野のシナプス可塑性と機能発達を研究するようになり、教室名も高次神経統御部門視覚神経科学と改めら れた。 Ⅱ スタッフ 教 授 小松由紀夫 講 師 黒谷 亨 助 手 吉村由美子、高田 直樹 大 学 院 生 稲垣 壮、任鳴、舟橋 梨江 共同研究員 桜木 惣吉(愛知教育大学)、山田 和政(星城大学) Ⅲ 研究分野・内容 1)経験に依存する脳機能発達の基礎過程と考えられている、シナプス可塑性の分子機構をラット・マウス大脳 皮質視覚野の切片標本を用いて電気生理学的方法により研究する。 2)シナプス可塑性が脳機能発達に果たす役割を、可塑性を阻害して育てた動物の視覚野細胞の視覚反応解析に より検討する。 Ⅳ 指導方針など 当研究室の研究内容に興味を持ち、高い研究意欲のある者であれば、特に受け入れ条件は定めていない。指導 方針としては、上記の研究に関係したテーマを選択し、その実験・研究発表を通して自立した研究者の育成を目 指している。論文抄読会を毎週木曜日夜に行っている。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Liu HN, Kurotani T, Ren M, Yamada K, Yoshimura Y and Komatsu Y: Presynaptic activity and Ca2+ entry are required for the maintenance of NMDA receptor-independent LTP at visual cortical excitatory synapses. J Neurophysiol 92: 1077-1087, 2004. 2. Ohmura T, Ren M, Yoshimura Y and Komatsu Y: Age and experience dependence of N-methyl-D-aspartate receptorindependent long-term potentiataion in rat visual cortex. Neurosci Lett 341: 95-98, 2003. ─ 177 ─ 細胞情報医学専攻 高次神経統御学講座 Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. Yoshimura Y, Ohmura T and Komatsu Y: Two forms of synaptic plasticity with distinct dependence on age, experience and NMDA receptor subtype in rat visual cortex. J Neurosci 23: 6557-6566, 2003. 2. Komatsu Y and Yoshimura Y: Long-term modification at visual cortical inhibitory synapses. In “Excitatory-Inhibitory Balance: Synapses, Circuits and Systems” ed. by Hensch TK, Kluwer Academic/Plenum Publishers, pp 75-87, 2003. 3. Kurotani T, Yoshimura Y and Komatsu Y: Postsynaptic firing produces long-term depression at inhibitory synapses of rat visual cortex. Neurosci Lett 337: 1-4, 2003. 4. Molnar Z, Kurotani T, Higashi S, Yamamoto N and Toyama K: Development of functional thalamocortical synapses studied with current source-density analysis in whole forebrain slices in the rat. Brain Res Bull 60: 355 ? 371, 2003. 5. Akasaki T, Sato H, Yoshimura Y, Ozeki H and Shimegi S: Suppressive effects of receptive field surround on neuronal activity in the cat primary visual cortex. Neurosci Res 43: 207-220, 2002. 6. Higashi S, Molnar Z. Kurotani T and Toyama K: Prenatal development of neural excitation in rat thalamocortical projections studied by optical recording. Neuroscience 15: 1231-46, 2002. 7 Komatsu Y and Yoshimura Y: Activity-dependent maintenance of long-term potentiation at visual cortical inhibitory synapses. J Neurosci 20 : 7539-7546, 2000. 8. Yoshimura Y, Sato H, Imamura K and Watanabe Y: Properties of horizontal and vertical inputs to pyramidal cells in the superficial layers of the cat visual cortex. J Neurosci 20: 1931-1940, 2000. 9. Ishida Y, Shirokawa T, Miyaishi O, Komatsu Y and Isobe K: Age-dependent changes in projections from locus coeruleus to hippocampus dentate gyrus and frontal cortex. Eur J Neurosci 12: 1263-1270, 2000. 10. 小松由紀夫、吉村由美子 : 大脳皮質視覚野におけるシナプス可塑性の年齢と経験依存性、蛋白質核酸酵素 49: 378-383, 2004. 11. 小松由紀夫 : 視覚野抑制性シナプスにおける長期増強の誘発機構、蛋白質核酸酵素 45: 491-497, 2000. ─ 178 ─ 細胞情報医学専攻 高次神経統御学講座 神 経 免 疫 学 〔環境医学研究所・高次神経統御部門〕 Ⅰ 教室の沿革・特色 1967 年に当分野の前身である環境医学研究所第 6 部門(航空心理)が増設された。1982 年に間野忠明教授が 2 代目教授として着任後は microneurography を用いたヒトの交感神経活動の研究が中心となり、微小重力環境下 における自律神経系の機能についての研究がなされた。2001 年 2 月に錫村明生教授が着任し、分野名も神経免疫 学と改名し、日本で最初の Department of Neuroimmunology が発足した。神経系はながく免疫学的特権部位とよ ばれ、免疫系の監視から免れる特異な部位と考えられてきた。これらの特殊な状況下での神経系における免疫反 応、病態発現機序、治療法の開発を研究する学問が神経免疫学である。また、種々の外的ストレスが自律神経や内 分泌系を介して免疫系の調節していることも明らかになっており、これら神経 - 免疫 - 内分泌系の研究も神経免疫 学の重要な課題である。 当教室では神経系の細胞の生理、病態における機能を in vitro で細胞生物学的、分子生物学的に解析すると同時 に、動物モデルを用いた in vivo での解析も行っている。現在のメインのプロジェクトは 神経系の発達、機能維 持におけるグリア細胞の役割の解析、 免疫性神経疾患の病態におけるグリア細胞の役割の解析、 グリア細胞の機 能の調節による病態の修飾(治療)であり、自己免疫性炎症性脱髄のみならず、神経変性の病態解明と治療法の開 発についても研究を進めている。 Ⅱ スタッフ 教 授 錫 村 明 生(医学博士) 教 授 水 野 哲 也(医学博士) 助 手 竹 内 英 之(医学博士) 助 技術補佐員 小 坂 哲 子 大 学 院 生 久 能 玲 子、 八 幡 泉、 園 部 佳 史 研 生 金 世 杰 外国人特別研究員 王 金 岩 COE ポスドク 張 桂 琴 所外研究員 川ノ口 潤、 加 藤 秀 紀(名古屋市立大学、神経内科)、 阪 野 正 大(医学部 5 年)、 小野寺 一 成(医学部 4 年) 究 Ⅲ 研究分野・内容 平成 16 度のプロジェクト研究 1.多発性硬化症を中心とする免疫性脱髄の治療法の開発に関する基礎研究(厚生省特定疾患対策研究事業 : 免 疫性神経疾患に関する調査研究班) 2.実験的自己免疫性脳脊髄炎の治療法の開発(文部科学省、産学官連携イノベーション創出事業費補助金研 究開発事業「脳特異的な遺伝子・薬物・抗体の導入技術の開発と治療への応用」) 3.ミクログリアのサブポピュレーションに関する研究(科学研究費補助金(基盤 C)) 4.アルツハイマー病に対する経口投与可能な神経保護薬の開発;ミトコンドリアにおける細胞死シグナルの 制御の試み(厚生省科学研究費補助金 21 世紀型医療開拓推進研究事業) ─ 179 ─ 細胞情報医学専攻 高次神経統御学講座 その他の研究 1.中枢神経系の生理、病態におけるグリア細胞の役割に関する研究 2.免疫細胞と神経系細胞の相互作用に関する研究 3.神経系におけるサイトカイン産生とその機能に関する研究 4.神経変性機序の分子生物学的研究 5.神経疾患の遺伝子治療に関する基礎的研究 Ⅳ 指導方針など 当教室は診療の duty がないため、学生、教官ともにすべての時間を研究に費やすことができ、十分ディスカッ ションをしながら研究を進めることができる。培養その他の基本的な手技を取得するまでの間は教官と一緒に実 験を進めるが、その後はある程度の教室の流れの中で、独自の研究を進める。最終的には、独創性をもった実験 を組み立てうるような独立した研究者の育成を目標としている。 Ⅴ 教室行事 教 室 会 議:1 − 2 回/月 抄 読 会:1 回/週 プログレスレポート:1 回/ 1 − 2 週 Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. 錫村明生、神経免疫学、黒川清、松澤佑次(編) 、内科学教科書(第 2 版) 、文光堂、東京、pp1695-1699、2003 2. 糸山泰人、錫村明生、吉田孝人(編)免疫学からみた脳神経と脳神経疾患、日本医学館、東京、1999 3. Kawanokuchi, J., Mizuno, T., Kato,H., Mitsuma, N., Suzumura, A. Effects of interferon- □ on microglial functions as inflammatory and antigen presenting cells in the central nervous system. Neuropharmacol.46:734-742, 2004. 4. Mizuno,T., Kurotani,T., Komatsu,Y., Kawanokuchi,J., Kato,H., Mitsuma,N., Suzumura,A. Neuroprotective role of phosphodiesterase inhibitor ibudilast on neuronal cell death induced by activated microglia. Neuropharmacol., 46:404-411, 2004. 5. Suzumura,A., Ito,A., Mizuno,T. Phosphodiesterase inhibitors suppress IL-12 production with microglia and T helper 1 development. Multiple Scler. 9: 574-578, 2003. 6. Mizuno,T., Kawanokuchi,J., Numata,K., Suzumura,A. Production and neuroprotective functions of fractalkine in the central nervous system. Brain Res., 979: 65-70, 2003. 7. Suzumura,A., Microglia; immunoregulatory cells in the central nervous system. Nagoya J. Med. Sci. 65:9-20, 2002. 8. Yoshikawa,M., Suzumura,A., Ito,A., Tamaru,T. and Takayanagi,T. Effects of phosphodiesterase inhibitors on nitric oxide production by glial cells. Tohoku J. Exp. Med. 196:167-177, 2002. 9. Sugie,K., Futamura,N., Suzumura,A., Tate,G., Umehara,F. Hereditary motor and sensory neuropathy with minifascicle formation in a patient with 46XY pure gonadal dysgenesis: A new clinical entity. Ann Neurology, 51: 385-388, 2002. 10. Ito,Y., Yamamoto,M, Li,M., Mitsuma,N., Tanaka,F., Doyu,M., Suzumura,A., Mitsuma,T., and Sobue,G. Temporal ─ 180 ─ 細胞情報医学専攻 高次神経統御学講座 expression of mRNA for neuropoietic cytokines, interleukin-11(IL-11), oncostatin M (OSM), cardiotrophin-1 (CT-1) and their receptors (IL11R □ and OSMR □ ) in peripheral nerve injury. Neurochem Res, 8: 1113-1118, 2000. 11. Shimada,K., Kita, T., Yonetani, Y., Suzumura, A., Takayanagi, T., Nakashima, T., The effect of endothelin-1 on lipopolysaccharide-induced cyclooxygenase 2 expression in association with prostaglandin E(2). Eur J Pharmacol. 388(2):187-94, 2000. 12. Suzumura,A., Nakamuro,T., Tamaru,T. and Takayanagi,T. Drop in relapse rate of multiple sclerosis patients using combination therapy of three different phosphodiesterase inhibitors. Multiple Sclerosis 6: 56-58, 2000. 13. Hasegawa, Y., Inagaki, T., Sawada, M. and Suzumura, A. Impaired cytokine production by peripheral blood mononuclear cells and monocytes/macrophages in Parkinsons’s disease. Acta Neurol. Scand. 101: 159-164, 2000. 14. Hasegawa, Y., Sawada, M., Ozaki, N., Inagaki, T, Suzumura, A., Increased soluble tumor necrosis factor receptors in the serum of elderly people. Gerontology 46: 185-188, 2000. 15. Suzumura,A.,Tamaru, T., Yoshikawa, M., Takayanagi, T. Multinucleated giant cell formation by microglia: induction by interleukin(IL)-4 and IL-13. Brain Res. 849: 239-243, 1999. 16. Inoue, H., Sawada, M., Ryo, A., Tanahashi, T., Wakatsuki, T., Hada, A., Kondoh, N., Kanagaki, K., Takahashi, K., Suzumura, A., Yamamoto, M. and Tabira, T. Serial analysis of gene expression in a microglial cell line. Glia 28:265-271, 1999. 17. Suzumura, A., Ito, A., Yoshikawa, M and Sawada, M. Ibudilast Suppresses TNF □ Production by Glial Cells Functioning Mainly as Type III Phosphodiesterase Inhibitor in the CNS. Brain Res. 837: 203-212, 1999. 18. Shimada,K., Kita, T., Yonetani, Y., Suzumura, A., Takayanagi, T., Nakashima, T., Modulation by endothelin-1 of lipopolysaccharide-induced cyclooxygenase 2 expression in mouse peritoneal macrophages. Eur J Pharmacol. 376: 285-292, 1999. 19. Tanaka,M., Tanaka,K., Nakano,R., Inuzuka,T., Tsuji,S., Shinozawa,K., Kojo,T., Matsui,T., Kumamoto,T. and Suzumura,A. HLA antigens in Japanese patients with anti-Hu antibodies. Neurology, 52: 431, 1999. 20. Yoshikawa,M., Suzumura,A., Tamaru,T., Takayanagi,T. and Sawada,M. Effects of phosphodiesterase inhibitors on microglia. Multiple Sclerosis, 5: 126-133, 1999. 21. Suzumura,A. and Sawada,M. Effects of vesnarinone on activation of murine microglia. Life Science 64: 1197-1203, 1999 22. Sawada, M., Suzumura, A., Hosoya, H., Marunouchi, T. and Nagatsu, T. IL-10 inhibits both production of cytokine and expression of cytokine receptors in microglia. J. Neurochem. 72: 1466-1471, 1999. ─ 181 ─ 細胞情報医学専攻 高次神経統御学講座 脳 生 命 科 学 (Department of Brain Life Science) 〔環境医学研究所・高次神経統御部門〕 Ⅰ 教室の沿革・特色 当研究分野は宇宙医学実験センターの終了に伴い新設部門として平成 17 年 1 月に発足した。当研究分野では脳 を標的化したドラッグデリバリシステムを応用した神経疾患の包括的治療法の開発や、脳の形態形成や記憶情動 などの高次脳機能の発現のメカニズムを遺伝子レベル、細胞レベル、個体レベルで調べることにも重点を置いて 研究を推進している。 Ⅱ スタッフ 教 授 澤田 誠 助 手 小野 健治 技術補佐員 高橋 美枝 客 員 教 授 永津 俊治、 清水 初志、 小泉 信一 客員研究者 鈴木 弘美、 向山 博幸 共同研究員 河辺 亜理砂、 佐藤 愛美 Ⅲ 研究分野・内容 1.脳の標的化診断治療法の開発と実用化 我々は脳を構成する細胞群の成り立ちや役割を研究する中で、脳を脳以外の末梢臓器を区別する仕組みを見出 すとともに、特殊な細胞が血液中から脳へ特異的に侵入し疾患部位に集積することを世界に先駆けて発見し、 その性質を維持した細胞を株化することに成功した。この性質を利用して脳に選択的に薬物、蛋白、遺伝子を 導入する新しい手法を開発し、脳機能の解析や脳疾患に対応する遺伝子治療に応用することを検討している。 また我々の樹立した株化ミクログリアを用いての細胞移入法によって種々の遺伝子を脳の形態形成のいろいろ なステージに特異的に発現させてその作用を調べる実験系を開発し、現在その解析を行っている。現在はこの 基本技術のメカニズムをになう分子の単離を行っており、臨床応用に向けた実用化を検討している。 2.神経変性疾患のメカニズムの解明 アルツハイマー病やパーキンソン病、脳梗塞や脳腫瘍など広範な神経疾患に関わるミクログリアの動態につい ても研究を行っている。まず、神経疾患におけるミクログリアの毒性転換に関わるメカニズムについて、外来 性遺伝子を導入した細胞を作製し毒性転換を誘発させることに成功した。このシステムを用いた解析を行うこ とで神経疾患における神経細胞死を抑制する新しい治療法を確立できるかもしれない。 3.脳の構築とミクログリアの関わり ミクログリアが広範な神経疾患に関与する理由として本来脳の機能維持に重要である脳の細胞間ネットワーク でミクログリアが中心的な役割を果たしていることが考えられるため、神経幹細胞の分化、細胞死のモデルシ ステム、神経変性モデルを作製し分子生物学的、細胞生物学的解析から形態学的解析、電気生理学的解析、行 動解析など多くの手段を用いて解析している。さらにミクログリアには機能の異なる複数のサブタイプがあっ て複雑な制御システムを形成して脳の発生や形態形成を調節していること示した。以上のような研究成果に基 づき、我々はミクログリアが従来言われているような脳の恒常性維持だけでなく記憶や学習と言った脳の高次 ─ 182 ─ 細胞情報医学専攻 高次神経統御学講座 機能の形成や形態形成・脳の構築において重要な役割を持っていると考えており、生物個体と環境との関わり に於ける脳の役割を調べる上で重要と考えている。 Ⅳ 指導方針など 当研究室で行っている研究テーマの中から興味のあるテーマについて話し合った上で、細胞培養、遺伝子解析、 タンパク質の解析などの手法を用いて研究していただきます。 最近私たちは私たちの研究を通じて医学における基礎研究の重要性について特に痛切に実感しています。基礎 医学研究が現代の医療の土台のある部分を支えていることは事実ですが、同時に研究成果の臨床面への応用の方 向を決定するのは医療に従事するあなたたちであると考えています。医療と研究の両立をめざして力を合わせて いきましょう。 Ⅴ 教室行事 研究内容プレゼンテーション:年2回程度自分自身のプロジェクトについてレビューする 英文論文抄読会 :週一回 プログレスレポート:週一回(研究進捗状況を当番制で各人月一回程度報告する) Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. Adachi, K., Yimin, Y., Satake, K., Matsuyama, Y., Ishiguro, N., Sawada, M., Hirata, Y., Kiuchi, K. (2005). Localization of cyclooxygenase-2 induced following traumatic spinal cord injury. Neurosci. Res. 51(1): 73-80. 2. Himeda, T., Ohara, Y., Asakura, K., Kontani, Y., Murakami, M., Suzuki, H., Sawada, M. (2005). A lentiviral expression system demonstrates that L (*) protein of Theiler's murine encephalomyelitis virus (TMEV) is essential for virus growth in a murine macrophage-like cell line. Virus Res. 108(1-2): 23-28. 3. Ueyama, T., Lennartz, MR., Noda, Y., Kobayashi, T., Shirai, Y., Rikitake, K., Yamasaki, T., Hayashi, S., Sakai, N., Seguchi, H., Sawada, M., Sumimoto, H., Saito, N. (2004) Superoxide production at phagosomal cup/phagosome through beta I protein kinase C during Fc gamma R-mediated phagocytosis in microglia. J Immunol. 173(7): 4582-9. 4. Imamura, K., Hishikawa, N., Ono, K., Suzuki, H., Sawada, M., Nagatsu, T., Yoshida, M., Hashizume, Y. (2004). Cytokine production of activated microglia and decrease in neurotrophic factors of neurons in the hippocampus of Lewy body disease brains. Acta Neuropathol. (Berl). 5. Imamura, K., N. Hishikawa, M. Sawada, T. Nagatsu, M. Yoshida and Y. Hashizume (2003). "Distribution of major histocompatibility complex class II-positive microglia and cytokine profile of Parkinson's disease brains." Acta Neuropathol (Berl). 6. Okada, M., S. Irie, M. Sawada, R. Urae, A. Urae, N. Iwata, N. Ozaki, K. Akazawa and H. Nakanishi (2003). "Pepstatin A induces extracellular acidification distinct from aspartic protease inhibition in microglial cell lines." Glia 43(2): 167-74. 7. Ono, K., K. Yoshihara, H. Suzuki, K. F. Tanaka, T. Takii, K. Onozaki and M. Sawada (2003). "Preservation of hematopoietic properties in transplanted bone marrow cells in the brain." J Neurosci Res 72(4): 503-7. 8. Koguchi, K., Nakatsuji, Y., Okuno, T., Sawada, M., and Sakoda, S. (2003) Microglial cell cycle-associated proteins control microglial proliferation in vivo and in vitro and are regulated by GM-CSF and density-dependent inhibition. J. Neurosci. Res. 74(6) 898-905. ─ 183 ─ 細胞情報医学専攻 高次神経統御学講座 9. Ohara, Y., T. Himeda, K. Asakura and M. Sawada (2002). "Distinct cell death mechanisms by Theiler's murine encephalomyelitis virus (TMEV) infection in microglia and macrophage." Neurosci Lett 327(1): 41-4. 10. Salimi, K., K. Moser, B. Zassler, M. Reindl, N. Embacher, C. Schermer, C. Weis, J. Marksteiner, M. Sawada and C. Humpel (2002). "Glial cell line-derived neurotrophic factor enhances survival of GM-CSF dependent rat GMIR1-microglial cells." Neurosci Res 43(3): 221-9. 11. Tanaka, K. F., H. Kashima, H. Suzuki, K. Ono and M. Sawada (2002). "Existence of functional beta1- and beta2-adrenergic receptors on microglia." J Neurosci Res 70(2): 232-7. 12. Vilhardt, F., O. Plastre, M. Sawada, K. Suzuki, M. Wiznerowicz, E. Kiyokawa, D. Trono and K. H. Krause (2002). "The HIV-1 Nef protein and phagocyte NADPH oxidase activation." J Biol Chem 277(44): 42136-43 13. Imamura, K., M. Sawada, N. Ozaki, H. Naito, N. Iwata, R. Ishihara, T. Takeuchi and H. Shibayama (2001). "Activation mechanism of brain microglia in patients with diffuse neurofibrillary tangles with calcification: a comparison with Alzheimer disease." Alzheimer Dis Assoc Disord 15(1): 45-50. 14. Ishiguro, H., K. Yamada, H. Sawada, K. Nishii, N. Ichino, M. Sawada, Y. Kurosawa, N. Matsushita, K. Kobayashi, J. Goto, H. Hashida, N. Masuda, I. Kanazawa and T. Nagatsu (2001). "Age-dependent and tissue-specific CAG repeat instability occurs in mouse knock-in for a mutant Huntington's disease gene." J Neurosci Res 65(4): 289-97. 15. Iwata, A., S. Miura, I. Kanazawa, M. Sawada and N. Nukina (2001). "alpha-Synuclein forms a complex with transcription factor Elk-1." J Neurochem 77(1): 239-52. 16. Katoh, Y., M. Niimi, Y. Yamamoto, T. Kawamura, T. Morimoto-Ishizuka, M. Sawada, H. Takemori and A. Yamatodani (2001). "Histamine production by cultured microglial cells of the mouse." Neurosci Lett 305(3): 181-4. 17. Suzuki, H., F. Imai, T. Kanno and M. Sawada (2001). "Preservation of neurotrophin expression in microglia that migrate into the gerbil's brain across the blood-brain barrier." Neurosci Lett 312(2): 95-8. 【論文 - 和文】 1. 澤田誠、鈴木弘美(2004)良いミクログリア、悪いミクログリア、Dementia Japan 18:252-262. 2. 永津俊治、澤田誠 (2004) サイトカインおよび神経栄養因子 - パーキンソン病における変化、脳の科学 26( 増 刊 ):121-125. 3. 小野健治、澤田誠 (2004) マイクログリアの起源および疾患との関連、Molecular Medicine 41(8):965-970. 4. 鈴木弘美、澤田誠 (2004) 脳機能障害とミクログリアのかかわりおよび細胞を用いた標的化治療・診断(バイ オイメージングが切り開くあらたな診断・治療評価技術)、医学のあゆみ 210(3):187-190. 5. 今井文博 , 澤田誠 , 鈴木弘美 : 脳疾患治療へのミクログリア応用 脳21 6; 26-30, 2003 6. 澤田誠:ミクログリア細胞を用いた脳疾患の治療戦略 神経研究の進歩、45, 63-72, 2001. 7. 澤田誠:脳の遺伝子治療 分子精神医学 2(2) 176-177, 2002. 8. 澤田誠、田中謙二:グリア細胞 整形外科 9. 澤田誠:ミクログリア細胞を用いた脳疾患の治療戦略 神経研究の進歩、45, 63-72, 2001. 10. 澤田誠:ミクログリアの脳保護作用と脳特異的薬物輸送 現代医学 48(3) 615-620, 2001. 11. 澤田誠、鈴木弘美:新しい局面を迎えた脳と免疫系のクロストーク研究:幹細胞の相互互換性と脳内侵入 脳の科学 23、印刷中 12. 澤田誠:ミクログリア 21世紀の神経免疫学展望 医学の歩み別冊 32-35, 2001 ─ 184 ─ 細胞情報医学専攻 器官系機能調節学講座 神 経 性 調 節 学 〔環境医学研究所・器官系機能調節部門〕 Ⅰ 教室の沿革・特色 生体と環境をつなぐ入り口となる感覚受容器として痛み(侵害)受容器の研究が当分野において開始されたの は、熊澤孝朗前教授が就任された 1982 年である。同教授が 1996 年に定年退官された後、その助教授であった水 村和枝が教授に昇格し、当分野を担当することとなった(1996 年 8 月)。熊澤孝朗前教授以来、痛み受容器の一 つであるポリモーダル受容器を中心にすえて研究を進めており、その感作機構、炎症や神経損傷時の反応性変化 とその分子機構、そこにおける神経成長因子の役割について明らかにしてきた。また、気象変化による疼痛増悪 の機構の解析にも着手している。行動レベルから細胞・分子レベルまで、目的に応じて幅広い実験手法を用いて いる。 Ⅱ スタッフ 教 授 水村 和枝 授 佐藤 純 助 手 小崎 康子、 片野坂公明 技 官 田村 良子 助 教 大 学 院 生 (博士課程)高橋 賢、 余 錦、 田口 徹、 舟久保恵美、 妹尾 詩織 (修士課程)太田 剛史、 那須 輝顕 共同研究のため来所中の研究者・他科他大学の大学院生 5 名 Ⅲ 研究分野・内容 1.ポリモーダル受容器(侵害受容器の 1 種)の反応特性、特にその感作機構の研究。方法としては取り出し皮膚 ―神経標本または筋―神経標本で、末梢神経の dissection による単一神経記録法を用いている。各種炎症メ ディエーターの効果、その細胞内情報伝達系に着目して研究を進めてきた。今後、炎症や糖尿病、筋肉痛その 他の病態モデルを用いて、特に機械刺激に対する反応を中心にして病態時のポリモーダル受容器の反応特性 の変化とその機構を調べる。 2.慢性疼痛状態における冷痛覚過敏の機構を、個体又は取り出し皮膚―神経標本を用いて単一神経記録を行い 解析する。冷痛覚過敏が存在する慢性疼痛状態を作成し、各種皮膚受容器からの活動を記録して冷感受性が 亢進している受容器を同定するところから開始し、感作の分子機構を探ろうとしている。それぞれの受容器 の機械反応の変化も解析する。 3.脊髄神経節細胞体を末梢ポリモーダル受容器のモデルとした侵害受容・変換機構の研究。細胞内記録、パッ チクランプ記録、カルシウムイメージングを用いている。また、チャネルと炎症メディエーター受容体を強制 発現させた cell line を用いてパッチクランプ記録によるチャネル修飾機構の解析も進めている。 4.痛覚過敏における神経栄養因子の役割の解析。炎症時や神経損傷時におけるポリモーダル受容器の反応性亢 進機構解析の一環として、培養脊髄神経節細胞をもちい各種感受性発現調節における神経成長因子(NGF) やグリア由来神経栄養因子(GDNF)の役割を、細胞内記録、パッチクランプ法、カルシウムイメージング、 炎症メディエーター受容体の mRNA の RT-PCR による測定、in situ hybridization、免疫組織化学等を用い て解析する。 ─ 185 ─ 細胞情報医学専攻 器官系機能調節学講座 5.末梢神経損傷(坐骨神経絞扼モデル) 、慢性炎症(アジュバント関節炎モデル)、糖尿病性ニューロパチーに伴 う疼痛症の病態機序、とくに交感神経神経活動の影響についての研究。モデル動物から得た取り出し皮膚― 神経標本より単一神経記録法で侵害受容器活動を記録し、交感神経作動薬の影響を解析する。 6.慢性筋肉痛のモデルを作成し、筋ポリモーダル受容器活動の変化を単一神経記録により解析する。また、後 根神経節細胞、筋における各種ニューロペプチド、受容体、イオンチャネル発現からその機構を探る。筋痛 覚閾値の測定法を有限要素法を用いたシミュレーションにより検討中である。 7.気象変化による痛みの増悪機序の解明。種々の環境変化(低圧、低温、高湿度)を、環境医学研究所に設置さ れている低圧・低温シミュレーターにより作成し、これに病態モデル動物(アジュバント関節炎、神経絞扼動 物)を曝露して痛覚過敏の変化をしらべている。また、この変化における交感神経活動の影響を、交感神経切 除、交感神経活動記録、血中及び脳内カテコラミン動態のマイクロダイアリシス・HPLC 法による解析等を 用いて解析中である。また、気圧検出機構についての探索的研究も進行中である。 Ⅳ 指導方針など ・卒業後できるだけ早期(直後または 1、2 年後)に大学院へ入学するのが望ましい。 ・入学後しばらくはいくつかの研究グループに加わってトレーニングを受けつつ、自分の研究テーマについてイ メージアップする。その後は教官の援助を受けながら、自分の実験を組み立てていくようにする。できるだけ 複数の研究テクニックを身につけられるようにする。 ・全員が一同に会し研究の進行状況を報告する Progress Report を週一度開く。このとき、報告・討論を英語で 行うことを薦め、国際学会において英語で研究発表を行うことができるよう日頃からトレーニングする。 ・副科として選択する場合、週に 3 日間の全日の研究日または(2 日全日+半日を 2 回)の研究日は必須である。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Banik, R. K., Sato, J. Giron, R., Yajima, H. and Mizumura, K. Interactions of bradykinin and norepinephrine on rat cutaneous nociceptors in both normal and inflamed conditions in vitro. Neurosci.Res. 49:421-425, 2004. 2. Takahashi, K., Sato, J. and Mizumura, K. Responses of C-fiber low threshold mechanoreceptors and nociceptors to cold were facilitated in rats persistently inflamed and hypersensitive to cold. Neurosci. Res. 47 :409-419, 2003. 3. Banik, R. K., Kozaki, Y., Sato, J., Gera, L., and Mizumura, K. B2 receptor-mediated enhanced bradykinin sensitivity of rat cutaneous C-fiber nociceptors during persistent inflammation. J. Neurophysiol. 86: 2727-2735, 2002. 4. Banik, R. K., Kasai, M. and Mizumura, K. Reexamination of the difference in susceptibility to adjuvant-induced arthritis among LEW/Crj, Std:Wistar/ST and Slc:SD rats. Exp.Anim. 51 (2):197-201, 2002. 5. Banik, R. K., Sato, J., Yajima, H. and Mizumura, K. Differences between the Lewis and Sprague Dawley rats in chronic inflammation induced norepinephrine sensitivity of cutaneous C-fiber nociceptors. Neurosci.Lett. 299:21-24, 2001. Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. Senba,E., Katanosaka,K., Yajima,H., and Mizumura,K. The immunosuppressant FK506 activates capsaicin- and bradykininsensitive DRG neurons and Cutaneous C-fibers. Neuroscience Research . 2004. Ref Type: In Press 2. Banik, R. K., Sato, J. Giron, R., Yajima, H. and Mizumura, K. Interactions of bradykinin and norepinephrine on rat ─ 186 ─ 細胞情報医学専攻 器官系機能調節学講座 cutaneous nociceptors in both normal and inflamed conditions in vitro. Neurosci.Res. 49:421-425, 2004. 3. Sato,J., Aoyama,M., Yamazaki,M., Okumura,S., Takahashi,K., Funakubo,M., and Mizumura,K., Artificially produced meteorological changes aggravate pain in adjuvant-induced arthritic rats, Neurosci. Lett., 354: 46-49, 2004. 4. Kruger,L., Kavookjian,A.M., Kumazawa,T., Light,A.R., and Mizumura,K., Nociceptor structural specialization in canine and rodent testicular "free" nerve endings, J. Comp Neurol., 463:197-211, 2003. 5. Sugiura,T., Kasai,M., Katsuya,H., and Mizumura,K., Thermal properties of acid-induced depolarization in cultured rat small primary afferent neurons, Neurosci. Lett., 350: 109-112, 2003. 6. Takahashi,K., Sato,J., and Mizumura,K., Responses of C-fiber low threshold mechanoreceptors and nociceptors to cold were facilitated in rats persistently inflamed and hypersensitive to cold, Neurosci. Res., 47: 409-419, 2003. 7. Koeda,T., Sato,J., Kumazawa,T., Tsujii,Y., and Mizumura,K., Effects of adrenoceptor antagonists on the cutaneous blood flow increase response to sympathetic nerve stimulation in rats with persistent inflammation, Jpn J Physiol, 52: 521-530, 2002. 8. Suzuki, Y., Sato, J., Kawanishi, M., and Mizumura, K. Tissue glucose level modulate the mechanical responses of cutaneous nociceptors in streptozotocin-diabetic rats but not normal rats in vitro. Pain 99: 475-484, 2002. 9. Sugiura, T., Tominaga, M., Katsuya, H., and Mizumura, K. Bradykinin lowered the threshold temperature for heat activation of vanilloid receptor 1. J. Neurophysiol. 88: 544-548, 2002. 10. Suzuki, Y., Sato, J., Kawanishi, M., and Mizumura, K. Lowered response threshold and increased responsiveness to mechanical stimulation of cutaneous nociceptive fibers in streptozotocin-diabetic rat skin in vitro-correlate s of mechanical allodynia and hyperalgesia observed in the early stage of diabetes. Neurosci. Res. 171-178, 2002. 11. Koda, H. and Mizumura, K. Sensitization to mechanical stimulation by inflammatory mediators, by second messengers possibly mediating these sensitizing effects, and by mild burn in canine visceral nociceptors in vitro. J. Neurophysiol. 87: 2043-2051, 2002. 12. Banik, R. K., Kasai, M., and Mizumura, K. Reexamination of the difference in susceptibility to adjuvantinduced arthritis among LEW/Crj, Std: Wistar/ST and Slc: SD rats. Exp. Anim. 51: 197-201, 2002. 13. Banik, R. K., Kozaki, Y., Sato, J., Gera, L., and Mizumura, K. B2 receptor-mediated enhanced bradykinin sensitivity of rat cutaneous C-fiber nociceptors during persistent inflammation. J. Neurophysiol. 86: 2727-2735, 2001. 14. Banik, R. K., Sato, J., Yajima, H., and Mizumura, K. Differences between the Lewis and Sprague Dawley rats in chronic inflammation induced norepinephrine sensitivity of cutaneous C-fiber nociceptors. Neurosci. Lett. 299: 21-24, 2001. 15. Kasai, M. and Mizumura, K. Increases in spontaneous action potentials and sensitivity in response to norepinephrine in dorsal root ganglion neurons of adjuvant inflamed rats. Neurosci. Res. 39: 109-113, 2001. 16. Kasai, M. and Mizumura, K. Effects of PGE2 on neurons from rat dorsal root ganglia in intact and adjuvant ─ 187 ─ 細胞情報医学専攻 器官系機能調節学講座 -inflamed rats: role of NGF on PGE2-induced depolarization. Neurosci. Res. 41: 345-353, 2001. 17. Sato, J., Takanari, K., Omura, S., and Mizumura, K. Effects of lowering barometric pressure on guarding behavior, heart rate and blood pressure in a rat model of neuropathic pain. Neurosci. Lett. 299: 17-20, 2001. 18. Mizumura, K. and Kumazawa, T. Thermonociception: sensory and modulatory mechanisms in pathological conditions-A review. In Kosaka, M. ed. Thermotherapy: Principles and Practice- Application s in Neoplasia, Inflammation, and Pain". Tokyo, Springer-Verlag. 2001, 504-513. 19. Mizumura, K., Koda, H., and Kumazawa, T. Possible contribution of protein kinase C in the effects of histamine on the visceral nociceptor activities in vitro. Neurosci. Res. 37: 183-190, 2000. 20. Sato, J., Morimae, H., Takanari, K., Seino, Y., Okada, T., Suzuki, M., and Mizumura, K. Effects of lowering ambient temperature on pain-related behaviors in a rat model of neuropathic pain. Exp. Brain Res. 133: 442-449, 2000. ─ 188 ─ 細胞情報医学専攻 器官系機能調節学講座 循 環 器 学 〔環境医学研究所・器官系機能調節部門〕 Ⅰ 教室の沿革・特色 循環器分野では、昭和 33 年に豊嶋英雄教授(物故)のもとで創設されて以来、一貫として心電図の論理的・基 礎的研究が続けられてきた。昭和 42 年に山田和生教授が就任されてからは、心臓の興奮伝播に関する実験的研 究やコンピューターシミュレーションによる研究が盛んに行われるとともに体表面心臓電位図の装置開発と実用 化にむけての多くの基礎的・臨床的研究が行われ、心電図学、細胞電気生理学、応用電子学の分野で輝かしい研 究業績が積み重ねられてきた。この研究の潮流は、昭和 60 年就任の外山淳冶教授に引き継がれ、細胞レベルの実 験データに基づいた不整脈治療の理論に関する多くの研究が行われた。平成 10 年に児玉逸雄教授が就任し、分 子生物学的研究がさらに盛んに行われ、研究の幅が一層広がった。 本教室における研究方針として、常に臨床的な視点から出発し、得られた結果が臨床の場にフィードバックで きることを重視する点があげられる。このため、生理学・生化学等の基礎医学教室だけでなく、循環器内科・心 臓外科等の臨床教室および一般病院との間で広く研究交流が行われている。 Ⅱ スタッフ 教 授 児 玉 逸 雄(医学博士) 教 授 李 鍾 国(医学博士) 助 手 堀 場 充(医学博士) 助 事務補佐員 田 代 怜 子 研究支援推進員 北 條 真 弓 実験補佐員 三 輪 佳 子 大 学 院 生 山 崎 正 俊、 中 川 晴 道、 史 榕 茜、 山 内 正 樹、 石 黒 有 子、 原 田 将 英 Ⅲ 研究分野・内容 当研究室では、特殊環境下における心臓機能の異常発現とその適応現象を主として電気生理学的手法・分子生 物的手法および形態学的手法により解析している。対象として単一細胞から生体に至るまで多様な実験系を用い ている。現在の研究テーマの多くは、心臓の病態を細胞機能の面から解析するものが多い。現在の主要な研究課 題を下記に示す。 1)不整脈の成立機序の解明および抗不整脈薬の作用機序の解析―膜電位感受性色素を用いた光マッピングシ ステムを用いて、心室頻拍・細動の成立機序を調べ、それに対する抗不整脈薬の効果を解析し、有効な治療 薬を検索している。また、哺乳類の単一心筋細胞を用いたパッチクランプ法も行いイオンチャネルへの効 果を解析している。 2)心臓突然死のメカニズムの解明:心室細動や心室頻拍などの致死性不整脈発生の分子機構を解明するため に、マウスを用いて致死性不整脈動物モデルを作成し、催不整脈性に関わる遺伝子・蛋白の発現変化など について解析している。 3)遺伝子導入・ES 細胞移植による不整脈治療へのアプローチ;種々の遺伝子導入による心筋電気特性調節 による不整脈治療の開発また ES 細胞由来心筋細胞の電気生理学的変化特性の解析を行っている。 ─ 189 ─ 細胞情報医学専攻 器官系機能調節学講座 4)心筋梗塞あるいは心筋虚血再灌流障害時に発現する各種蛋白や不整脈関連因子の解析、およびそれらが心 機能におよぼす影響の検討をしている。特にミッドカイン・カルパスタチンの役割を中心に行っている。 5)免疫組織染色を用いてイオンチャネルの形態学的特徴を解析し、高血圧による圧負荷や低酸素など各種病 態における変化を解析している。 Ⅳ 指導方針など 望ましい人材としては、医学部卒業後数年間の臨床研究を経て循環器学をその基礎にまで深く掘り下げて研究 する意欲のある者。 大学院生は最初の一年間で研究技術を開発する能力の習得と研究論文を作成する能力を学ぶ。学位取得後は本 人の研究指向に応じて基礎か臨床研究者あるいは臨床医になるかの方針を示唆し、それに基づいたポジションの 斡旋に尽力する。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Zhang L, Lee JK, John SA, Uozumi N, Kodama I: Mechanosensitivity of GIRK Channels Is Mediated By PKC-dependent Channel-PIP2 Interaction. J Biol Chem. 279(8): 7037-7047, 2004. 2. Maekawa A, Lee JK, Nagaya T, Kamiya K, Yasui K, Horiba M, Miwa K, Uzzaman M, Maki M, Ueda Y, Kodama I: Overexpression of calpastatin by gene transfer prevents troponin I degradation and ameliorates contractile dysfunction in rat hearts subjected to ischemia/reperfusion. J Mol Cell Cardiol 35(10): 1277-1284, 2003. 3. Tsuji Y, Opthof T, Yasui K, Inden Y, Takemura H, Niwa N, Lu Z, Lee JK, Honjo H, Kamiya K, Kodama I: Ionic Mechanisms of acquired QT prolongation and Torsades de Pointes in rabbits with chronic complete atrioventricular block. Circulation 106: 2012-2018, 2002. 4. Lu Z, Kamiya K, Opthof T, Yasui K, Kodama I: Density and kinetics of IKr and IKs in guinea pig and rabbit ventricular myocytes explain different efficacy of IKs blockade at high heart rate in guinea pig and rabbit; Implications for arrhythmogenesis in humans. Circulation 104: 951-956, 2001. 5. Takeuchi S, Takagishi Y, Yasui K, Murata Y, Toyama J, Kodama I: Voltage-gated K+ channel, Kv4. 2, localizes predominantly to the transverse-axial tubular system of the rat myocyte. J Mol Cell Cardiol. 32: 1361-1369, 2000. 6. Tsuji Y, Opthof T, Kamiya K, Yasui K, Liu W, Lu Z and Kodama I: Pacing-induced heart failure causes a reduction of delayed rectifier potassium currents along with decreases in calcium and transient outward currents in rabbit ventricle. Cardiovasc Res. 48: 300-309, 2000. 7. Uzzaman M, Honjo H, Takagishi Y, Emdad L, Magee AI, Severs N J, Kodama I: Remodeling of gap Junctional coupling in hypertrophied right ventricles of rats with monocrotaline-induced pulmonary hypertension. Circ Res. 86: 871-878, 2000. Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. Takeshita K, Fujimori T, Kurotani Y, Honjo H, Tsujikawa H, Yasui K, Lee JK, Kamiya K, Kitaichi K, Yamamoto K, Ito M, Kondo T, Iino S, Inden Y, Hirai M, Murohara T, Kodama I, Nabeshima Y. Sinoatrial node dysfunction and early unexpected death of mice with a defect of klotho gene expression. Circulation 109(14):1776-1782, 2004.� 2. Hidaka K, Lee JK, Kim HS, Ihm CH, Iio A, Ogawa M, Nishikawa S, Kodama I, Morisaki T: Chamber-specific Differentiation of Nkx2.5-positive cardiac precursor cells from murine embryonic stem cells. FASEB J 17(6). 740-742, 2003. 3. Liu W, Yasui K, Opthof T, Ishiki R, Lee JK, Kamiya K, Yokota M, Kodama I: Developmental changes of Ca2+ handling in ─ 190 ─ 細胞情報医学専攻 器官系機能調節学講座 mouse ventricular cells from early embryo to adulthood. Life Sciences 71: 1279-1292, 2002. 4. Yasui K, Liu W, Opthof T, Kada K, Lee JK, Kamiya K, Kodama I: If current spontaneous activity in mouse embryonic ventricualr myoctes. Circulation Research 88: 536-542, 2001. 5. Boyett MR, Honjo H, Kodama I: The sinoatrial node, a heterogeneous pacemaker structure. Cardiovasc Res. 47: 658-87, 2000. 6. Kodama I, Sakuma I, Shibata N, Knisley SB, Niwa R, Honjo H.: Regional differences in arrhythmogenic aftereffects of high intensity DC stimulation in the ventricles. PACE. 23: 807-817, 2000. 7. Horiba M, Kadomatsu K, Nakamura E, Muramatsu H, Ikematsu S, Sakuma S, Hayashi K, Yuzawa Y, Matsuo S, Kuzuya M, Kaname T, Hirai M, Saito H, Muramatsu T: Neointima formation in a restenosis model is suppressed in midkine-deficient mice. J Clin Invest 105: 489-495, 2000. 8. Yasui K, Kada K, Hojo M, Lee JK, Kamiya K, Toyama J, Opthof T and Kodama I: Cell-to cell interaction prevents cell death in cultured neonatal rat ventricular myocytes. Cardiovasc Res. 68-76, 2000. 9. Kodama I, Boyett MR, Nikmaram MR, Yamamoto M, Honjo H, Niwa R: Regional differences in effects of E-4031 within the sinoatrial node. Am J Physiol 276: H793-802, 1999. 10. Lee JK, John SA, Weiss JN: Novel gating mechanism of polyamine block in the strong inward rectifier K channel Kir2. 1. J Gen Physiol. 13: 555-564, 1999. 11. Lee JK, Nishiyama A, Kambe F, Seo H, Takeuchi S, Kamiya K, Kodama I, Toyama J: Downregulation of voltage-gated K� channels in rat heart with right ventricular hypertrophy. Am J Physiol 277: H1725-1731, 1999. ─ 191 ─ 細胞情報医学専攻 器官系機能調節学講座 液 性 調 節 学 〔環境医学研究所・器官系機能調節部門〕 Ⅰ 教室の沿革・特色 当液性調節分野は、平成 3 年環境医学研究所の大部門改組に伴って新しく設置された分野である。初代教授は 妹尾久雄教授(現所内内分泌学) 、 ついで児玉逸雄教授(現所内循環器分野)、林秀晴教授(現浜松医科大学内科) が歴任された。平成 13 年 8 月以降、神谷香一郎教授が分野を担当している。 当分野では、酸素ストレス、メカノストレス、電気刺激、薬物投与など外的環境に対応した心臓機能の変化と その破綻や、心房細動、心肥大・心不全などの心疾患に伴う心筋イオンチャネル発現の変化(リモデリング)と 不整脈発生の機序及びその予防法を、さまざまな研究手法で解析している。例えば、心臓の電気現象を捕らえる ために、単一の心筋細胞、組織標本、心臓全体を用いて、膜電位固定法にて活動電位、イオン電流の観察、活 動電位の二次元光学マッピングや高分解能電位マッピングなどを用いた組織・器官における細胞間コミュニケー ションの解析などを行っている。心臓電気現象の遺伝子・蛋白発現を介した分子機序を解明するために、mRNA 定量、タンパク定量、コンピュータによるチャネル蛋白と薬剤分子相互作用の三次元表示など、様々な分子生物 学的手法を駆使して多角的な解析を行っている。また、免疫組織化学、生化学的解析や、電子顕微鏡や共焦点顕 微鏡などを用いた細胞微細構造の形態観察も行っている。 Ⅱ スタッフ 教 授 神 谷 香一郎(医学博士) 教 授 本 荘 晴 朗(医学博士) 助 助 手 清 水 敦 哉(医学博士) 非常勤研究員 盧 智 波(医学博士) 研究支援研究員 丹 羽 良 子(医学博士) 大 学 院 生 小 熊 哲 也(副科) 、 中 川 晴 道(副科)、 山 崎 正 俊(副科) 、 白 木 晶(副科)、 石 黒 有 子(副科) Ⅲ 研究分野・内容 1)抗不整脈薬の分子機序:ポストゲノム科学への取り組みとして、薬物の作用を薬物分子とイオンチャネル蛋 白の立体構造との関連から解析し、薬物誘発性 QT 延長症候群の分子機序を解析している。 2)心臓のペースメーカー機能:洞結節あるいは異所性心房ペースメーカーの歩調取り電位の成立機序や、肺静 脈起始部の異所性興奮が心房細動の引き金になる機序を解明する。 3)膜電位蛍光色素を用いた optical mapping 法によるリエントリー性不整脈の解析:ランゲンドルフ灌流下の ウサギ摘出心臓に心室頻拍を誘発し、リエントリーの成立機序を解明すると共に抗不整脈薬の効果を検討し ている。 (所内循環器分野との共同研究) 4)心筋再生医療の実用化:心不全・心筋梗塞の治療の目的で、骨格筋芽細胞・骨髄幹細胞などの種々の細胞移 植による心機能回復治療の開発や実用化の基礎的研究を実施している。 5)心臓リモデリングに伴う電気生理学的変化の解析:長期薬物投与や心肥大、心不全標本を用い、心臓リモデ リングに伴うイオンチャネルの変化とその制御様式を、m RNA 発現解析およびパッチクランプ法による機 ─ 192 ─ 細胞情報医学専攻 器官系機能調節学講座 能解析を用いて検討している。 6)免疫組織染色を用いてイオンチャネルの形態学的特徴の解析:高血圧による圧負荷や低酸素など各種病態に おけるギャップジャンクションチャネルの変化を解析している。(所内循環器分野との共同研究) 7)気管平滑筋の細胞内 Ca2+ 動態と張力制御機構:カテコラミンに対する気管支平滑筋の収縮弛緩作用の機序 を検討している。 (医学部呼吸器内科との共同実験) Ⅳ 指導方針など 大学院生の受け入れに関して、 特別の条件は設けていない。教官による指導の元で主体的に研究計画を考案し、 その計画にもとづき実験に専念し、成果を論文にまとめあげる努力をおしまないことを期待しており、そのよう に指導する。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Ito S, Kume H, Yamaki K, Katoh H, Honjo H, Kodama I, Hayashi H. Regulation of capacitative and noncapacitative receptor-operated Ca2+ entry by rho-kinase in tracheal smooth muscle. Am J Respir Cell Mol Biol. 2002;26:491-8. 2. Lu Z, Kamiya K, Opthof T, Yasui K, Kodama I. Density and kinetics of IKr and IKs in guinea pig and rabbit ventricular myocytes explain different efficacy of I Ks blockade at high heart rate in guinea pig and rabbit: implications for arrhythmogenesis in humans. Circulation. 2001;104:951-6. 3. Ito S, Kume H, Honjo H, Katoh H, Kodama I, Yamaki K, Hayashi H. Possible involvement of Rho kinase in Ca 2+ sensitization and mobilization by MCh in tracheal smooth muscle. Am J Physiol. 2001;280:L1218-24. 4. Uzzaman M, Honjo H, Takagishi Y, Emdad L, Magee AI, Severs NJ, Kodama I. Remodeling of gap junctional coupling in hypertrophied right ventricles of rats with monocrotaline-induced pulmonary hypertension. Circ Res. 2000;86:871-8. 5. Yamamoto M, Honjo H, Niwa R, Kodama I. Low-frequency extracellular potentials recorded from the sinoatrial node. Cardiovasc Res. 1998;39:360-72. Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. Shimizu A, Matsushita T, Kondo T, Inden Y, Kojima T, Saito H, Hirai M. Identification of the amino acid residues of the platelet glycoprotein Ib (GPIb) essential for the von Willebrand factor binding by clustered charged-to-alanine scanning mutagenesis. J Biol Chem. 2004; 279: 16285-94. 2. Takeshita K, Fujimori T, Kurotaki Y, Honjo H, Tsujikawa H, Yasui K, Lee JK, Kamiya K, Kitaichi K, Yamamoto K, Ito M, Kondo T, Iino S, Inden Y, Hirai M, Murohara T, Kodama I, Nabeshima Y. Sinoatrial node dysfunction and early unexpected death of mice with a defect of klotho gene expression. Circulation. 2004; 109: 1776-82. 3. Niwa N, Yasui K, Opthof T, Takemura H, Shimizu A, Horiba M, Lee JK, Honjo H, Kamiya K, Kodama I. Cav3.2 subunit underlies the functional T-type Ca2+ channel in murine hearts during the embryonic period. Am J Physiol Heart Circ Physiol. 2004; 286: H2257-63. 4. Ito S, Kume H, Honjo H, Kodama I, Katoh H, Hayashi H, Shimokata K. ML-9, a myosin light chain kinase inhibitor, reduces intracellular Ca2+ concentration in guinea pig trachealis. Eur J Pharmacol. 2004; 486: 325-33. 5. Honjo H, Boyett MR, Niwa R, Inada S, Yamamoto M, Mitsui K, Horiuchi T, Shibata N, Kamiya K, Kodama I. Pacinginduced spontaneous activity in myocardial sleeves of pulmonary veins after treatment with ryanodine. Circulation. 2003; 107: 1935-43. ─ 193 ─ 細胞情報医学専攻 器官系機能調節学講座 6. Honjo H, Inada S, Lancaster MK, Yamamoto M, Niwa R, Jones SA, Shibata N, Mitsui K, Horiuchi T, Kamiya K, Kodama I, Boyett MR. Sarcoplasmic reticulum Ca2+ release is not a dominating factor in sinoatrial node pacemaker activity. Circ Res. 2003; 92: e41-4. 7. Maekawa A, Lee JK, Nagaya T, Kamiya K, Yasui K, Horiba M, Miwa K, Uzzaman M, Maki M, Ueda Y, Kodama I. Overexpression of calpastatin by gene transfer prevents troponin I degradation and ameliorates contractile dysfunction in rat hearts subjected to ischemia/reperfusion. J Mol Cell Cardiol. 2003; 35: 1277-84. 8. Boyett MR, Dobrzynski H, Lancaster MK, Jones SA, Honjo H, Kodama I. Sophisticated architecture is required for the sinoatrial node to perform its normal pacemaker function. J Cardiovasc Electrophysiol. 2003; 14: 104-6. 9. Tsuji Y, Opthof T, yasui K, Inden Y, Takemura H, Niwa N, Lu Z, Lee JK, Honjo H, Kamiya K, Kodama I. Ionic mechanisms of acquired QT prolongation and Torsades de Pointes in rabbits with chronic complete atrioventricular block. Circulation. 2002; 106:2012-8. 10. Liu W, Yasui K, Opthof T, Ishiki R, Lee JK, Kamiya K, Yokota M, Kodama I. Developmental changes of Ca2+ handling in mouse ventricular cells from early embryo to adulthood. Life Sci. 2002;71:1279-1292. 11. Honjo H, Boyett MR, Coppen SR, Takagishi Y, Opthof T, Severs NJ, Kodama I. Heterogeneous expression of connexins in rabbit sinoatrial node cells: Correlation between connexin isotype and cell size. Cardiovasc Res. 2002;53:89-96. 12. Ohuchi K, Fukui Y, Sakuma I, Shibata N, Honjo H, Kodama I. A dynamic action potential model analysis of shock-induced aftereffects in ventricular muscle by reversible breakdown of cell membrane. IEEE Trans Biomed Eng. 2002;49:18-30. 13. Ito S, Kume H, Yamaki K, Katoh H, Honjo H, Kodama I, Hayashi H. Regulation of capacitative and noncapacitative receptor-operated Ca2+ entry by rho-kinase in tracheal smooth muscle. Am J Respir Cell Mol Biol. 2002;26:491-8. 14. Musa H, Lei M, Honjo H, Jones SA, Dobrzynski H, Lancaster MK, Takagishi Y, Henderson Z, Kodama I, Boyett MR. Heterogeneous expression of Ca2+ handling proteins in rabbit sinoatrial node. J Histochem Cytochem. 2002;50:311-24. 15. Kamiya K, Mitcheson JS, Yasui K, Kodama I, Sanguinetti MC. Open channel block of HERG K+ channels by vesnarinone. Mol Pharmacol. 2001;60:244-53. 16. 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Possible involvement of Rho kinase in Ca 2+ sensitization and mobilization by MCh in tracheal smooth muscle. Am J Physiol. 2001;280:L1218-24. 26. Kojima T, Takagi A, Maeda M, Segawa T, Shimizu A, Yamamoto K, Matsushita T, Saito H. Plasma levels of syndecan-4 (ryudocan) are elevated in patients with acute myocardial infarction. Thromb Haemost. 2001 May;85(5):793-9. 27. Tsuji Y, Opthof T, Kamiya K, Yasui K, Liu W, Lu Z, Kodama I. Pacing-induced heart failure causes a reduction of delayed rectifier potassium currents along with decreases in calcium and transient outward currents in rabbit ventricle. Cardiovasc Res. 2000;48:300-9. 28. Yasui K, Kada K, Hojo M, Lee JK, Kamiya K, Toyama J, Opthof T, Kodama I. Cell-to-cell interaction prevents cell death in cultured neonatal rat ventricular myocytes. Cardiovasc Res. 2000;48:68-76. 29. Uzzaman M, Honjo H, Takagishi Y, Emdad L, Magee AI, Severs NJ, Kodama I. Remodeling of gap junctional coupling in hypertrophied right ventricles of rats with monocrotaline-induced pulmonary hypertension. Circ Res. 2000;86:871-8. 30. Boyett MR, Honjo H, Kodama I. The sinoatrial node, a heterogeneous pacemaker structure. Cardiovasc Res. 2000;47:658-87. 31. Lei M, Honjo H, Kodama I, Boyett MR. Characterisation of the transient outward K+ current in rabbit sinoatrial node cells. Cardiovasc Res. 2000;46:433-41. 32. Zhang H, Holden AV, Kodama I, Honjo H, Lei M, Varghese T, Boyett MR. Mathematical models of action potentials in the periphery and center of the rabbit sinoatrial node. Am J Physiol. 2000;279:H397-421. 33. Kodama I, Sakuma I, Shibata N, Knisley SB, Niwa R, Honjo H. Regional differences in arrhythmogenic aftereffects of high intensity DC stimulation in the ventricles. Pacing Clin Electrophysiol. 2000;23:807-17. 34. Dobrzynski H, Rothery SM, Marples DD, Coppen SR, Takagishi Y, Honjo H, Tamkun MM, Henderson Z, Kodama I, Severs NJ, Boyett MR. Presence of the Kv1.5 K+ channel in the sinoatrial node. J Histochem Cytochem. 2000;48:769-80. 35. Kamiya K, Guo W, Yasui K, Toyama J. Hypoxia inhibits the changes in action potentials and ion channels during primary culture of neonatal rat ventricular myocytes. J Mol Cell Cardiol. 1999;31:1591-8. 36. Kodama I, Kamiya K, Toyama J. Amiodarone: ionic and cellular mechanisms of action of the most promising class III agent. Am J Cardiol. 1999;84:20R-28R. 37. Lee JK, Nishiyama A, Kambe F, Seo H, Takeuchi S, Kamiya K, Kodama I, Toyama J. Downregulation of voltage-gated K+ channels in rat heart with right ventricular hypertrophy. Am J Physiol. 1999;277:H1725-31. 38. Cheng J, Kamiya K, Liu W, Tsuji Y, Toyama J, Kodama I. Heterogeneous distribution of the two components of delayed rectifier K+ current: a potential mechanism of the proarrhythmic effects of methanesulfonanilideclass III agents. Cardiovasc Res. 1999;43:135-47. 39. Cheng J, Niwa R, Kamiya K, Toyama J, Kodama I. Carvedilol blocks the repolarizing K+ currents and the L-type Ca2+ current in rabbit ventricular myocytes. Eur J Pharmacol. 1999;376:189-201. 40. Guo W, Kamiya K, Yasui K, Kodama I, Toyama J. Paracrine hypertrophic factors from cardiac non-myocyte cells downregulate the transient outward current density and Kv4.2 K+ channel expression in cultured rat cardiomyocytes. Cardiovasc Res. 1999;41:157-65. 41. Kada K, Yasui K, Naruse K, Kamiya K, Kodama I, Toyama J. Orientation change of cardiocytes induced by cyclic stretch stimulation: time dependency and involvement of protein kinases. J Mol Cell Cardiol. 1999;31:247-59. 42. Liu W, Yasui K, Arai A, Kamiya K, Cheng J, Kodama I, Toyama J. β-adrenergic modulation of L-type Ca2+-channel currents in early-stage embryonic mouse heart. Am J Physiol. 1999;276:H608-13. ─ 195 ─ 細胞情報医学専攻 器官系機能調節学講座 43. Honjo H, Lei M, Boyett MR, Kodama I. Heterogeneity of 4-aminopyridine-sensitive current in rabbit sinoatrial node cells. Am J Physiol. 1999;276:H1295-304. 44. Coppen SR, Kodama I, Boyett MR, Dobrzynski H, Takagishi Y, Honjo H, Yeh HI, Severs NJ. Connexin45, a major connexin of the rabbit sinoatrial node, is co-expressed with connexin43 in a restricted zone at the nodal-crista terminalis border. J Histochem Cytochem. 1999;47:907-18. 45. Kodama I, Boyett MR, Nikmaram MR, Yamamoto M, Honjo H, Niwa R. Regional differences in effects of E-4031 within the sinoatrial node. Am J Physiol. 1999;276:H793-802. 46. Boyett MR, Honjo H, Yamamoto M, Nikmaram MR, Niwa R, Kodama I. Downward gradient in action potential duration along conduction path in and around the sinoatrial node. Am J Physiol. 1999;276:H686-98. 47. Kodama I, Sakuma I, Shibata N, Honjo H, Toyama J. Arrhythmogenic changes in action potential configuration in the ventricle induced by DC shocks. J Electrocardiol. 1999;32(Suppl):92-9. ─ 196 ─ 細胞情報医学専攻 分子・細胞適応学講座 発 生・遺 伝 学 〔環境医学研究所〕 Ⅰ 教室の沿革・特色 当教室は、昭和 25 年に着任した村上氏廣教授によって創設され、環境要因による奇形成立の諸原則の確立に多 大な貢献をし、世界で数少ない実験奇形研究の本拠の一つとなった。その後、昭和 47 年からは亀山義郎教授、平 成2年より山村英樹教授、そして平成9年からは村田善晴教授が教室を担当し、現在に至っている。当初、胎生 病理学的研究が中心であったが、その後、正常および異常発生の形態学的研究が中心となり、現在は、これに分 子生物学的手法を取り入れ、胎児の発生や個体の発達に対し遺伝因子と環境因子がどのような影響を及ぼしてい るかを研究している。また、当教室はこれまでヒトの疾患モデルに供するため、遺伝的に障害を持つ実験動物を 数多く開発し、系統維持してきた。現在、これらの動物のうち幾つかに焦点を絞り、その原因遺伝子の特定や発 症機構の解明に関する研究を進めている。当教室は、これまで培ってきた形態学的および分子生物学的研究を通 して研究所内、所外との共同研究も積極的に展開しており、これまで中心であった中枢神経系のみならず、内分 泌系や循環器分野における研究でも実績を上げている。 Ⅱ スタッフ 教 授 村田 善晴 教 授 村瀬 孝司 助 手 高岸 芳子、 加納 安彦 助 技術専門官 早坂 静 COEポスドク研究員 孫 暁陽 大 学 院 生 竹藤 聖子、椙村 益久 その他、他学部に所属する研究員・大学院生・学部学生等の共同研究員 4 名 Ⅲ 研究分野・内容 1)甲状腺ホルモン応答性遺伝子として同定した遺伝子(ZAKI-4)がコードする蛋白の機能解析 我々は、内分泌・代謝分野との共同研究で、ヒト皮膚線維芽細胞より甲状腺ホルモン応答性遺伝子である ZAKI-4 cDNA のクローニングに成功した。この遺伝子によりコードされる蛋白は、ごく最近、神経系の機能や 発達、 循環器系の機能に重要な役割を持つカリシニューリンの作用を in vitro で阻害することが明らかにされた。 そこで、 ZAKI-4 の in vivo での役割を明らかにするため、現在 ZAKI-4 のノックアウトマウスを作製中である。 2)甲状腺ホルモン不応症の発症機構の解明 甲状腺ホルモン不応症は、ほとんどが常染色体優性遺伝の形式をとり、その大多数の症例で TR βの遺伝子に 異常が認められる。従って、その発症機構としては、変異 TR βが正常 TR αないしβの機能を阻害するドミナ ントネガティブ効果が重要と考えられているが、TR βに異常は認められず TR αも正常な症例も少なからず存 在する。このような症例の発症機構はまったく不明であり、甲状腺ホルモン不応症の発症機構に関する研究分野 で最大の焦点となっている。我々は、TR β遺伝子に異常を認めない症例と TR β遺伝子の変異による症例とが 臨床上まったく区別が付かない点に注目し、 「TR βに特異的に結合するアクチベータが存在し、このアクチベー タの変異によっても甲状腺ホルモン不応症が発症する」という仮説を立てた。現在、Yeast two-hybrid システ ムを用いて、このアクチベータの存在を明らかにし、その同定を目的とした研究を展開している。 ─ 197 ─ 細胞情報医学専攻 分子・細胞適応学講座 3)水・電解質代謝異常がもたらす中枢神経障害の発症機構 水・電解質代謝異常は脳に様々な異常をもたらす。特に、低ナトリウム血症を急速に補正した際に発症する橋 中心性髄鞘崩壊(Central Pontine myelinolysis, CPM)は、致死的であるが、その発症機構は不明であり、従っ て予防法も確立されていない。当教室では、ラットにおいて血中ナトリウムを急速に補正した際、脳に CPM に 類似した病変をもたらすことに成功した。この CPM の動物実験モデルを用いて、CPM の発症機構、とりわけ 一酸化窒素(NO)の関与に注目して研究を進めている。 4)糖尿病の催奇形性に関する研究 糖尿病に罹患した妊婦の重大な問題のひとつは、何らかの奇形を持った児を出産する可能性が高いことであ る。しかしながら、このような糖尿病の催奇形性に関する研究は多くない。その原因のひとつは、動物疾患モデ ルが確立していないことである。当教室では、従来より先天異常に関する研究を行っており、その実績があるた めこの研究課題を計画した。現在までに、糖尿病の催奇形性には酸化ストレスや NO などのフリーラジカルが関 与し、抗酸化剤あるいは NO 合成酵素阻害剤が奇形の発症予防に有効であるという結果を得ている。 5)脳におけるモータータンパク・ミオシン Va の働きの解明 当教室では、自然発症的に被毛の淡色と運動失調や後弓反張などの神経症状を表す dilute-opisthotonus(dop ) ラットを発見し、遺伝的な解析によって dop ラットの異常は細胞内のモータータンパクであるミオシン Va の欠 損にあることを明らかにした。このことから、dop ラットや同様にミオシン Va 遺伝子に変異を持つミュータン トマウスを用いて、脳におけるミオシン Va の働きを解明する研究を行っている。これまでに、dop ラットなら びにミオシン Va の欠損した dilute-lethal(dl )マウスの小脳プルキンエ細胞では、正常では必ず存在するはずの 樹状突起棘の小胞体(細胞内 Ca ストア)が欠如しており、このため小脳運動学習に必須な長期抑圧の誘導が起 こらないことを示した。現在、 発育期には神経症状を表すが成長すると症状の回復する dilute‒neurological(dn ) マウスを用いて、dop ラットや dl マウスで見られた小脳の形態学的および生理学的な異常が dn マウスの行動と どのように相関するのかを検討している。dn マウスでは、少量のミオシン Va タンパクが発現していることか ら、発育に伴うタンパクの発現とその機能がどのようにマウスの行動の回復とつながるのかを研究して、ミオシ ン Va の脳の高次機能における役割を明らかにしたいと考えている。一方、ミオシン Va の脳における分布を免 疫組織化学法やウェスタンブロット法で検討したところ、様々な部位でその発現がみられたことから、ミオシ ン Va の多様な働きが考えられた。そこで現在、小脳や大脳皮質への神経線維の投射やシナプス伝達でのシナプ ス小胞の循環における、ミオシン Va の役割を明らかにする研究を遂行している。同時に、他のミオシンアイソ フォーム(ミオシン IIA, IIB, Vb)の関与も検討しており、更にミオシン Vb のミオシン Va とは異なる脳での 分布や働きを解析しつつある。 6)遺伝性に特異な運動失調を示す変異マウスの表現型と原因遺伝子の解析 Shambling マウスは、特異な運動失調を呈する変異種で、常染色体劣性遺伝の形式をとる。これまでの研究に より、Shambling locus(shm )は 11 番染色体上に存在することが明らかとなっているが、shm の詳細な位置を 知る目的で、現在マイクロサテライトの多型性を用いた連鎖解析を行っている。得られた結果とマウスゲノムの 情報を基に Shambling mouse の原因遺伝子を特定することを目指している。一方、当研究所では Joggle マウス と命名した Shambling マウスとは異なる運動失調を呈する変異マウスの系統を維持している。現在、Joggle マ ウスの脳を形態学的に解析し、その表現型の特徴を検索している。 Ⅳ 指導方針など 大学院生の受け入れの条件は特にない。当教室はいわば基礎医学系に属するが、医学部出身で臨床研修を終了 した人も受け入れている。臨床医学を実践するに当たり、基礎医学の分野で研究に専念する機会を一時的に持つ ことはとても重要と考えられる。臨床研修を終え、病院に赴任して「何か他に自分のやるべきことはないか?」 と感じ始めた人は一度、我々の教室を訪ねて欲しい。 研究に当たっては、本人の自主性をもちろん重視するが、入学してしばらくはどんなことをやればいいのか分 ─ 198 ─ 細胞情報医学専攻 分子・細胞適応学講座 からない人が多いと思うので、大学院の入学当初は、教室で行われている研究を手伝う形でいろいろな実験技法 を学んでもらうことにしている。その中から興味を持った研究テーマを選んで、本格的に研究に参画すればいい。 自主性は重んじるが、決して放任することはないので、その点は心に留めて頂きたい。研究者間のコミュニケー ションを重視しており、大学院生の研究の進捗状況等について教授と話し合う機会を適宜設けている。 Ⅴ 大学院生の業績(在学中に発表した主要な論文) 1. Win DARMANTO, Minoru INOUYE, Yoshiko TAKAGISHI, Masaharu OGAWA, Katsuhiko MIKOSHIBA, Yoshiharu MURATA: Derangement of Purkinje cells in the rat cerebellum following prenatal exposure to X-irradiation: Decreased reelin levels is a possible cause. Journal of Neuropathology Experimental Neurology 59: 251-262, 2000. 2. Hossain MD. AOLADO, Minoru INOUYE, Shizu HAYASAKA, Win DARMANTO, Yoshiharu MURATA: Hydrocephalus in mice following X-irradiation at early gestational stage: Possibly due to persistent deceleration of cell proliferation. Journal of Radiation Research 41: 213-226, 2000. 3. Ayesha SIDDIQ, Takashi MIYAZAKI, Yoshiko TAKAGISHI, Yasuhiko KANOU, Shizu HAYASAKA, Minoru INOUYE, Hisao SEO, Yoshiharu MURATA: Expression of ZAKI-4 messenger ribonucleic acid in the brain during rat development and the effect of hypothyroidism. Endocrinology 142: 1752-1759, 2001 4. Lumi EMDAD, Mahmud USSAMAN, Yoshiko TAKAGISHI, Haruo HONJO, Tatsuro UCHIDA, Nicholas J. SEVERS, Itsuo KODAMA, Yoshiharu MURATA: Gap junction remodeling in hypertrophied left ventricles of aortic-banded rats: prevention by angiotensin II type 1 receptor blockade. Journal of Molecular and Cellular Cardiology 33: 219-231, 2001. 5. Yoko TAKEUCHI, Yoshiharu MURATA, Peter SADOW, Yoshitaka HAYASHI, Hisao SEO, Jianming XU, Bert W. O’ MALLEY, Roy E. WEISS, Samuel REFETOFF: Steroid receptor coactivator-1 deficiency causes variable alterations in the modulation of T3-regulated transcription of genes in vivo. Endocrinology 143: 1346-1352, 2002. 6. S. Hoshino, Y. Takagishi, Y. Kanou, S. Hayasaka, K. Hattori, F. Kambe, H. Seo, Y. Murata. Spatial and Intracellular Distribution of the Endogenous Calcineurin-inhibitory proteins, ZAKI-4, in mouse brain. Acta Histochemica et Cytochemica. 2004 (in press). Ⅵ 過去5年間の代表論文・著者名(大学院生の業績として先に掲げたものは除く) 1. M. Uzzaman, H. Honjo, Y. Takagishi, L. Emdad, A.I. Magee, N.J. Severs, I. Kodama: Remodeling of gap junctional coupling in hypertrophied right ventricles of rats with monocrotaline-induced pulmonary hypertension. Cir. Res. 86: 871-878, 2000. 2. S. Futaki, Y. Takagishi, Y. Hayashi, S. Ohmori, Y. Kanou, M. Inouye, S. Oda, H. Seo, Y. Iwaikawa, Y. Murata: Identification of a novel myosin-Va mutation in a an ataxic mutant rat, dilute opisthotonus. Mammalian Genome 11: 649-655, 2000. 3. Y. Takagishi, K. Yasui, N. Severs, Y. Murata: Species-specific difference in distribution of voltage-gated L-type Ca2+ Channel of cardiac myocytes. America Journal of Physiology (Cell physiology) 279: C1963-C1969, 2000. 4. M. Miyata, E. Finch, L. Khiroug, K. Hashimoto, S. Hayasaka, S. Oda, M. Inouye, Y. Takagishi, G. Augustine, M. Kano: Local calcium release in dendritic spine required for long-term depression. Neuron 28: 233-244, 2000. 5. M. Inouye, S. Takahashi, Y. Kubota, S. Hayasaka, Y. Murata: Similarity between the effects of carbon-ion irradiation and X-irradiation on the development of rat brain. Journal of Radiation Research 41: 303-311, 2000. 6. Y-P. Tang, K. Yamada, Y. Kanou, T. Miyazaki, X-L. Xiong, F. Kambe, Y. Murata, H. Seo, T. Nabeshima: Spatiotemporal expression of β-amyloid in rats. Brain Research Molecular Brain Research 80: 188-197, 2000. 7. M. Uzzaman, H. Honjo, Y. Takagishi, L. Emdad, A.I. Magee, N.J. Severs, I. Kodama: Remodeling of gap junctional ─ 199 ─ 細胞情報医学専攻 分子・細胞適応学講座 coupling in hypertrophied right ventricles of rats with monocrotaline-induced pulmonary hypertension. Circulation Research 86: 871-878, 2000. 8. S. Takeuchi, Y. Takagishi, K. Yasui, Y. Murata, J. Toyama, I. Kodama: Voltage-gated K+ channel, Kv4.2, localizes predominantly to the transverse-axial tubular system of the rat myocyte. Journal of Molecular and Cellular Cardiology 32: 1361-1369, 2000. 9. H. Dobrzynski, S.M. Rothery, D.D. Marples, S.R. Coppen, Y. Takagishi, H. Honjo, M. M. Tamkun, Z. Henderson, I. Kodama, N.J. Severs, M.R. Boyett: Presence of the Kv1.5 K+ channel in the sinoatrial node. The Journal of Histochemistry & Cytochemistry 48: 769-780, 2000. 10. D.V. Gathercole, D.J. Colling, J.N. Skepper, Y. Takagishi, A.J. Levi, N.J. Severs: Immunogold-labeled L-type calcium channels are clustered in the surface plasma membrane overlying junctional sarcoplasmic reticulum in guinea-pig myocytesimplications for excitation-contraction coupling in cardiac muscle. Journal of Molecular and Cellular Cardiology 32: 1981-1994, 2000. 11. P.E. Macchia, Y. Takeuchi, T. Kawai, K. Cua, K. Gauthier, O. Chassande, H. Seo, Y. Hayashi, J. Samarut, Y. Murata, R.E. Weiss, S. Refetoff: Increased sensitivity to thyroid hormone in mice with complete deficiency of thyroid hormone receptor α . Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 98: 349-354, 2001. 12. D. Sarkar, T. Imai, F. Kambe, A. Shibata, S. Ohmori, S. Hayasaka, H. Funahashi, H. Seo: Overexpression of glutathioneS-transferase A1 in benign adrenocortical adenomas from patients with cushing's syndrome. The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism 86: 1653-1659, 2001. 13. Y-G. Park, S. Hayasaka, Y. Takagishi, M. Inouye, M. Okumoto, S. Oda: Histological characteristics of the pelage skin of rough fur mice (C3H/HeJ-ruf/ruf). Experimental Animals 50: 179-182, 2001. 14. H. Dobrzynski, D.D.R. Marples, H. Musa, T.T. Yamanushi, Z. Henderson, Y. Takagishi, H. Honjo, I. Kodama, M.R. Boyett: Distribution of the muscarinic K+ channel proteins Kir3.1 and Kir3.4 in the ventricle, atrium, and sinoatrial node of heart. The Journal of Histochemistry & Cytochemistry 49: 1221-1234, 2001. 15. B. Zhang, E. Glasgow, T. Murase, J.G. Verbalis, H. Gainer: Chronic hypoosmolality induces a selective decrease in magnocellular neurone soma and nuclear size in the rat hypothalamic supraoptic nucleus. Journal of Neuroendocrinology 13: 29-36, 2001. 16. D. Sarkar, T. Imai, F. Kambe, A. Shibata. S. Ohmori, A. Siddiq, S. Hayasaka, H. Funahashi, H. Seo: The human homolog of diminuto/dwarfl gene(hDiminuto): A novel ACTH-responsive gene overexpressed in benign cortisol-producing adrenocortical adenomas. The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism 86: 5130-5137, 2001. 17. S. Sakano, Y. Hasegawa, Y. Murata, T. Ito, E. Genda, H. Iwata, N. Ishiguro, H. Seo: Inhibitory effect of bFGF on endochondral heterotopic ossification. Biochemical and Biophysical Reserch Communications 293: 680-685, 2002. 18. H. Honjo, M.R. Boyetto, S.R. Coppen, Y. Takagishi, T. Opthof, N.J. Severs, I. Kodama: Heterogeneous expression of connexins in rabbit sinoatrial node cells: correlation between connexin isotype and cell size. Cardiovascular Research 53: 89-96, 2002. 19. H. Musa, M. Lei, H. Honjo, S.A. Jones, H. Dobrzynski, M.K. Lancaster, Y. Takagishi, Z. Henderson, I. Kodama, M.R. Boyetto: Heterogeneous expression of Ca2+ handling proteins in rabbit sinoatrial node. The Journal of Histochemistry and Cytochemistry 50: 311-324, 2002. 20. M. Rogatcheva, Y. Hayashi, S. Oda, H.Seo, K. Cua, S. Refetoff, M. Murakami, M. Mori, Y. Murata. Type 1 iodothyronine deiodinase in the house musk shrew (Suncus Murinus, Insectivora: Soricidae): Cloning and characterization of complementary DNA, unique tissue distribution and regulation by T3. General and Comparative Endocrinology. 127: 48-58, 2002. 21. R. Hashimoto, M. Nagaya, Y. Ishiguro, M. Inouye, H. Aoyama, S. Futaki, Y. Murata. Relationship of the fistulas to the rectum and genitourinary tract in mouse fetuses with high anorectal malformations induced by all-trans retinoic acid. Pediatric Surgery International 18 (8): 723-727, 2002. ─ 200 ─ 細胞情報医学専攻 分子・細胞適応学講座 22. T. Murase, Y. Tian, X-Y. Fang, J.G. Verbalis. Synergistic effects of nitric oxide and prostaglandins on renal escape from vasopressin-induced antidiuresis. Americal Journal of Physiology-Regulatory Integrative and Comparative Physiology. 284 (2): R354-R362, 2003. 23. P. M. Sadow, E. Koo, O. Chassande, K. Gauthier, J. Samarut, X.U. Jianming, B.W. O’Malley, H. Seo, Y. Murata, R.E. Weiss. Thyroid hormone receptor-specific interactions with steroid receptor coactivator-1 in the pituitary. Molecular Endocrinology. 17(5): 882-894, 2003. 24. Y. Sugimura, T. Murase, S. Ishizaki, K. Tachikawa, H. Arima, Y. Miura, T.B. Usdin, Y. Oiso. Centrally administered tuberoinfundibular peptide of 39 residues inhibits arginine vasopressin release in conscious rats. Endocrinology. 144 (7): 2791-2796, 2003. 25. K. Tachikawa, H. Yokoi, H. Nagasaki, H. Arima, T. Murase, Y. Sugimura, Y. Miura, M. Hirabayashi, Y. Oiso. Altered cardiovascular regulation in arginine vasopressin-overexpressing transgenic rat. Americal Journal of Physiology-Endocrinology and Metabolism. 285 (6): E1161-E1166, 2003. 26. K. Kinoshita, Y. Miura, H. Nagasaki, T. Murase, Y. Bando, Y. Oiso. A novel deletion mutation in the arginine vasopressin receptor 2 gene and skewed X chromosome inactivation in a female patient with congenital nephrogenic diabetes insipidus. Journal of Endocrinological Investigation. 27: 167-170. 2004 27. Y. Mizuno, Y. Kanou, M. Rogatcheva, T. Imai, S. Refetoff, H. Seo, Y. Murata. Genomic organization of mouse ZAKI-4 gene that encodes ZAKI-4α and β isoforms, endogenous calcineurin inhibitors, and changes in the expression of these isoforms by thyroid hormone in adult mouse brain and heart. European Journal of Endocrinology. 150: 371-380, 2004. ─ 201 ─ 細胞情報医学専攻 分子・細胞適応学講座 内 分 泌・代 謝 学 〔環境医学研究所〕 Ⅰ 教室の沿革・特色 当研究室は、第二部門(内分泌・代謝部門)として、低圧・低酸素及び無重力などの特殊環境下での内分泌機 能の役割、高山病の発症機序とその治療法の解明、スペースシャトル搭乗者に見られる体液、骨・筋代謝異常の 発症に関する内分泌系の役割などを研究してきた。平成3年、研究所の改組により、分子・細胞適応部門、内分泌・ 代謝分野となり、環境の変化に対する生体の応答と適応の機序を、主に内分泌代謝学の立場から、分子生物学的 手法を用いて研究している。生体は、外的環境の物理・化学的変化に対し、内分泌系や免疫系等の様々な応答を 介し適応している。これらの応答の多くは、主としてホルモンやサイトカインによる遺伝子の発現の変化を介し て行われる。そこで当分野では、外的刺激に対する遺伝子発現の変化を解析すること、その発現を制御する転写 因子の機能とその調節機序を明らかにすること、更に、ホルモンやサイトカインの細胞内シグナル伝達系につい ても蛋白リン酸化やレドックス制御の面から明らかにすることを目的に研究を行っている。また、内分泌疾患の 発症機序についても、甲状腺ホルモン不応症、成長ホルモン単独欠損症、副腎腺腫の発症機序について研究を行っ ている。国外の研究者との交流も盛んで、甲状腺ホルモン不応症の第一発見者であるシカゴ大学 Refetoff 教授と は長年共同研究を行ってきた。当研究室で研究を行った大学院生(副科を含めて)の多くは、現在、留学中又は 留学経験を持っている。 Ⅱ スタッフ 教 授 妹尾 久雄 教 授 神部 福司 助 手 大森 幸子、 服部 公彦 助 技術支援推進員 牧 和子 非常勤講師 林 良敬、 河野 節子、 菅沼 信彦、 上條 隆司、 末田 香里 COE-PDF 曹 霞 大 学 院 生 芦 秀麗、 Mirza Rusella、 山本 拓也(整形外科) 、 小林 宏暢(第二外科) 共同研究員 神田 和実 Ⅲ 研究分野・内容 (1)新たなカルシニューリン(Cn)結合蛋白 ZAKI-4 の発現調節とその機能 我々はヒト皮膚線維芽細胞より新たな甲状腺ホルモン(TH)応答性遺伝子 ZAKI-4 をクローニングした。更に、 この遺伝子の構造を決定し、2つのアイソフォーム、alpha と beta が産生されることを明らかにした。これら アイソフォームは、蛋白脱リン酸化酵素 Cn と結合し、その活性を抑制することも明らかにした。Cn は免疫抑 制剤 Cyclosporine A や FK506 の標的分子であり、ZAKI-4 は内因性 Cn 抑制蛋白として免疫細胞をはじめ神経 細胞などの機能制御に重要な役割を果たしていると考えられ、種々の研究を行っている。 (2)甲状腺ホルモン(TH)の新しい作用機序 ヒトの発育、成長に必須のホルモンである TH は、細胞の核に存在するレセプターに結合して標的遺伝子の発 現を調節することによりその作用を発揮する。我々は、ZAKI-4 遺伝子の発現調節機序を研究している過程で、 ─ 202 ─ 細胞情報医学専攻 分子・細胞適応学講座 こうした従来の機序とは異なった TH の新しい作用機序を発見した。即ち、TH は、細胞質に存在するレセプター (TR)を介して PI3 キナーゼ(PI3K)を活性化し、次に Akt/PKB を活性化する。活性型 Akt/PKB は核に移 行し mTOR を活性化する。mTOR は ZAKI-4 を含めた遺伝子の転写・翻訳を調節する。TH による PI3K- Akt/ PKB-mTOR カスケードの活性化作用は TH 刺激後数分以内に発揮され、遺伝子の発現を介さない作用である。 (3)酸素ストレスと転写調節因子の機能調節 細胞内の酸化還元(レドックス)環境の変動は種々の疾患の発症に深く関っている。また、レドックス制御は 遺伝子の発現を調節する転写因子の活性制御に関わっている。我々は、ストレス応答転写調節因子として知られ ている NF- κB のサイトカインによる活性化に、活性酸素が細胞内情報伝達物質として働くことを明らかにし た。また、中枢神経系、甲状腺等の分化・発達に重要な Pax-8 の DNA 結合活性が、細胞内の酸素ストレスのバ ランスにより、特定のシステイン残基のグルタチオン化を介して調節されることを示した。このようにレドック ス環境が生体や細胞に及ぼす影響を分子レベルで明らかにしている。 (4)DHCR24 遺伝子の内分泌細胞における発現とその機能 我々は、クッシング症候群の発症機序を明らかにする目的で、Representational Difference Analysis(RDA) 法を行い、副腎皮質腺腫で発現が増加する遺伝子 hDiminuto や glutathione S-transferase-A1 などを同定した。 その後、hDiminuto はコレステロール生合成の最終段階を触媒する酵素(DHCR24)であることが明らかに なった。現在 DHCR24 がどのように腺腫の発症に関わっているかを、この遺伝子のノックアウトマウスから 得られた培養細胞を用いて細胞の増殖やアポトーシスの面から研究している。臨床的に DHCR24 欠損症は、 desmosterolosis として知られ、小頭症、脳梁の欠如、著しい発育遅延を引き起こすことが報告されている。事実、 DHCR24 ノックアウトマウスも生後3日以内に殆どが死亡する。現在このマウスの病態解明を行っている。 (5)家族性成長ホルモン単独欠損症(type II)の発症機序に関する研究 成長ホルモン欠損症(type II)は成長ホルモン遺伝子異常により常染色体優性遺伝を示す。この機序をトラ ンスジェニックマウスを作製して研究している。また、既知の遺伝子変異を有さない家系においては、連鎖解析 を行っている。 (6)微小重力環境下における骨委縮の発症機序に関する研究 ラット尾部懸垂モデルにおける後肢骨の廃用性委縮に及ぼす内分泌系の影響並びに発症機序に関する研究を 行っている。また、クリノスタット培養機を用いて、重力ベクトルを平均化した環境が細胞機能に及ぼす影響を 検討している。 Ⅳ 指導方針など 我々の研究内容は純然たる基礎医学ではなく、「環境の変化に対する生体適応」という基礎と臨床の中間的な ものである。また、上述の様に多くの臨床的研究テーマも取り扱ってきた。したがって、当研究室を大学院の主 科として選択することは、かならずしも基礎医学の研究者の道のみを歩むことを意味しない。大学院に所属する 時期に関しては臨床研修前、後は問わない。この研究室では、教室員のみならず他の研究室、研究機関と活発に 交流することを重視し、 自分の殻に閉じこもるような研究態度は是としない。お互いに情報を交換しつつ、将来、 基礎のみならず臨床の研究室においても中心的に研究を推進して行けるような研究者を養成することを指導目的 としている。スタッフの項で明らかなように、多くの臨床系の大学院生が副科として当研究室を選択し研究に参 加している。ただし、副科として当研究室に所属する場合は、週3日以上当研究所で研究できることが前提で、 臨床の duty により研究生活に支障をきたさないようあらかじめ主科の指導者と話し合っておく必要がある。 ─ 203 ─ 細胞情報医学専攻 分子・細胞適応学講座 Ⅴ 大学院生の業績 1. Sueda K, Seo H, Matsui N: Human transcortin synthesis by a cell-free translation of hepatic mRNA. Endocrinol. Japon, 32: 295-303, 1985. 2. Hatano T, Ogawa K, Kanda K, Seo H, Matsui N: Effect of ovarian steroids on cyclic adenosine 3': 5'-Monophosphate production stimulated by arginine vasopressin in rat renal monolayer cultured cells. Endocrinol. Japon, 35: 267-274, 1988. 3. Kambe F, Seo H, Murata Y, Matsui N: Cloning of a cDNA coding for human thyroxine-binding globulin (TBG): Existence of two TBG mRNA species possessing different 3'-untranslated regions. Mol. Endocrinol., 2: 181-185, 1988. 4. Furuhashi M, Seo H, Mizutani S, Narita O, Tomoda Y, Matsui N: Expression of low density lipoprotein receptor gene in human placenta during pregnancy. Mol. Endoclinol., 3: 1252-1256, 1989. 5. Mizuno M, Yoshida J, Sugita K, Inoue I, Seo H, Hayashi Y, Koshizaka T, Yagi K: Growth inhibition of glioma cells transfected with the human beta-interferon gene by liposomes coupled with a monoclonal antibody. Cancer Res., 50: 7826-7829, 1990. 6. Miyamoto N, Matsui N, Inoue I, Seo H, Nakabayashi K, Oiwa H: Hyperbaric diuresis is associated with decreased antidiuretic hormone and increased atrial natriuretic polypeptide in humans. Jpn. J. Physiol., 41: 85-99, 1991. 7. Hayashi Y, Mori Y, Janssen O.E, Sunthornthepvarakul T, Weiss R.E, Takeda K, Weinberg M, Seo H, Bell G.I., Refetoff S: Human thyroxine-binding globulin gene: Complete sequence and transcriptional regulation. Mol. Endocrinol., 7: 1049-1060, 1993. 8. Sakano S, Murata Y, Miura T, Iwata H, Sato K, Matsui N, Seo H: Collagen and alkaline phosphatase gene expression during bone morphogenetic protein (BMP)-induced cartilage and bone differentiation. Clin. Orthopaed. Relat. Res., 292: 337-344, 1993. 9. Menjo M, Murata Y, Fujii T, Nimura Y, Seo H: Effects of thyroid and glucocorticoid hormones on the level of messenger ribonucleic acid for iodothyronine type I-5'deiodinase in rat primary hepatocyte cultures grown as spheroids. Endocrinology, 133: 2984-2990, 1993. 10. Tsukahara S, Kambe F, Suganuma N, Tomoda Y, Seo H: Increase in Pit-1 mRNA is not required for the estrogen-induced expression of prolactin gene and lactotroph proliferation. Endocrine J., 41: 579-584, 1994. 11. Miyazaki T, Sato M, Murata Y, Maeda K, Seo H: Factor(s) present in sera from patients on long-term hemodialysis increase(s) mRNAs for collagenase and stromelysin in synovial cells. Am. J. Nephrol., 15: 48-56, 1995. 12. Matsuyama-Morita T, Imai T, Murata Y, Kambe F, Funahashi H, Takagi H, Seo H: Adrenocorticotropic hormone (ACTH) increases the expression of its own receptor gene. Endocr. J., 42: 475-480, 1995. 13. Ito T, Sakano S, Sato K, Sugiura H, Iwata H, Murata Y, Seo H: Sensitivity of osteoinductive activity of demineralized and defatted rat femur to temperature and duration of heating. Clin. Orthopaed. Related Res., 316: 267-275, 1995. 14. Sato M, Miyazaki T, Nagaya T, Murata Y, Ida N, Maeda K, Seo H: Antioxidants inhibit tumor necrosis factor-αmediated stimulation of interleukin-8, monocyte chemoattractant protein-1, and collagenase expression in cultured human synovial cells. J. Rheumatol., 23: 432-438, 1996. 15. Hirooka T, Suganuma N, Furuhashi M, Kitagawa T, Ando H, Kikkawa F, Tomoda Y, Seo H: Synthesis and release of glycosylated prolaction in transfected cells with human prolactin cDNA. Endocr. J., 43: 423-428, 1996. 16. Nomura Y, Nagaya T, Tsukaguchi H, Takamatsu J, Seo H: Amino acid substiutions of thyroid hormone receptor-bata at codon 435 with resistance to thyroid hormone selectively alter homodimer formation. Endocrinology, 137: 4082-4086, 1996. 17. Nishiyama A, Kambe F, Kamiya K, Yamaguchi S, Murata Y, Seo H, Toyama J: Effects of thyroid and glucocorticoid hormones on Kv1.5 potassium channel gene expression in the rat left ventricle. Biochem. Biophys. Res. Commun., 237: ─ 204 ─ 細胞情報医学専攻 分子・細胞適応学講座 521-526, 1997. 18. Tang Y.P., Murata Y, Nagaya T, Noda Y, Seo H, Nabeshima T: NGFI-B, c-fos, and c-jun mRNA expression in mouse brain after acute carbon monoxide intoxication. J. Cerebral Blood Flow and Metab., 17: 771-780, 1997. 19. Suzuki S, Nagaya T, Suganuma N, Tomoda Y, Seo H: Inductions of immediate early genes and Ref-1 by human chorionic gonadotropin in murine Leydig cell line (MA-10). Biochem. Molec. Biol. Int., 44: 217-224, 1998. 20. Kikumori T, Kambe F, Nagaya T, Imai T, Funahashi H, Seo H: Activation of transcriptionally active nuclear factorkappaB by tumor necrosis factor-alpha and its inhibition by antioxidants in rat thyroid FRTL-5 cells. Endocrinology, 139: 1715-1722, 1998. 21. Ito T, Hayashi Y, Ohmori S, Oda S, Seo H: Molecular cloning of sucrase-isomaltase cDNA in the house musk shrew suncus murinus snd identification of a mutation responsible for isolated sucrase deficiency. J. Biol. Chem., 273: 16464-16469, 1998. 22. Kurokouchi K, Kambe F, Yasukawa K, Izumi R, Ishiguro N, Iwata H, Seo H: TNF-α increases expression of IL-6 and ICAM-1genes through activation of NF-kB in osteoblast-like ROS17/2.8 cells. J. Bone Mineral Res., 13: 1290-1299, 1998. 23. Yamaguchi S, Murata Y, Nagaya T, Hayashi Y, Ohmori S, Nimura Y, Seo H: Glucocorticoids increase retinoid-X receptor alpha (RXRα) expression and enhance thyroid hormone action in primary cultured rat hepatocytes. J. Mol. Endocrinol., 22: 81-90, 1999 24. Menjo M, Yamaguchi S, Murata Y, Hayashi Y, Nagaya T, Ohmori S, Refetoff S, Seo H: Responsiveness to thyroid hormone is enhanced in rat hepatocytes cultured as spheroids compared with that in monolayers: Altered responsiveness to thyroid hormone possibly involves complex formed on thyroid hormone response elements. Thyroid, 9: 959-967, 1999. 25. Otsuka G, Nagaya T, Saito K, Mizuno M, Yoshida J, Seo H: Inhibition of nuclear factor-κB activation confers sensitivity to tumor necrosis factor-alpha by impairment of cell cycle progression in human glioma cells. Cancer Res., 59: 4446-4452, 1999. 26. Nomura Y, Nagaya T, Hayashi Y, Kambe F, Seo H: 9-cis-retinoic acid decreases the level of its cognate receptor, retinoid X receptor, through acceleration of the turnover. Biochem. Biophys. Res. Commun., 260: 729-733, 1999. 27. Sarkar D, Kambe F, Hirata A, Iseki A, Ohmori S, Seo H: Expression of E16/CD98LC/hLAT1 is responsive to 2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin. FEBS Letters, 462: 430-434, 1999. 28. Sarkar D, Kambe F, Hayashi Y, Ohmori S, Funahashi H, Seo H: Involvement of AP-1 and steroidogenic factor (SF)-1 in the cAMP-dependent induction of human adrenocorticotropic hormone receptor (ACTHR) promoter. Endocr. J., 47: 63-75, 2000. 29. Kurokouchi K, Kambe F, Kikumori T, Sakai T, Sarkar D, Ishiguro N, Iwata H, Seo H: Effects of glucocorticoids on TNFα-dependent activation of NF-κB and expression of ICAM-1 gene in osteoblast-like ROS17/2.8 cells. J. Bone Miner. Res., 15(9), 1707-1715, 2000. 30. Sarkar D, Nagaya T, Koga K, Nomura Y, Gruener R, Seo H: Culture in vector-averaged gravity under clinostat rotation results in apoptosis of osteoblastic ROS17/2.8 cells. J. Bone Mineral Res., 15: 489-498, 2000. 31. Kobayashi K, Kambe F, Kurokouchi K, Sakai T, Ishiguro N, Iwata H, Koga K, Gruener R, Seo H: TNF-α-dependent activation of NF-κB in human osteoblastic HOS-TE85 cells is repressed in vector-averaged gravity using clinostat rotation. Biochem. Biophys. Res. Commun., 279: 258-264, 2000. 32. Sarkar D, Imai T, Kambe F, Shibata A, Ohmori S, Siddiq A, Hayasaka S, Funahashi H, Seo H: The human homolog of Diminuto/Dwarf1 gene (hDiminuto): A novel ACTH-responsive gene overexpressed in benign cortisol-producing adrenocortical adenomas. J. Clin. Endocrinol. Metab., 86(11): 5130-5137, 2001. 33. Shibata A, Hayashi Y, Imai T, Funahashi H, Nakao A, Seo H: Somatic gene alteration of A1B1 gene in patients with breast cancer. Endocrine J., 48(2): 199-204, 2001. ─ 205 ─ 細胞情報医学専攻 分子・細胞適応学講座 34. Sakai T, Kambe F, Ishiguro N, Kurokouchi K, Takigawa M, Iwata H, Seo H: TNF-α induces expression of genes for matrix degradation in human chondrocyte-like HCS-2/8 cells through activation of NF-κB: Abrogation of the TNF-α effect by proteasome inhibitors. J Bone Miner. Res., 16(7): 1272-1280, 2001. 35. Kato M, Nagaya T, Fujieda M, Saito K, Yoshida J, Seo H: Expression of PPγ and its ligand-dependent growth inhibition in human brain tumor cell lines. Jpn. J. Caner Res., 93: 1-7, 2002. 36. Cao X, Kambe F, Miyazaki T, Sarkar D, Ohmori S, Seo H: Novel human ZAKI-4 isoforms: Hormonal and tissue-specific regulation and function as calcineurin inhibitors. Biochem. J., 367: 459-466, 2002. 37. Cao X, Kambe F, Ohmori S, Seo H: Oxidoreductive modification of two cysteine residues in paired domain by Ref-1 regulates DNA-binding activity of Pax-8. Biochem. Biophys. Res. Commun., 297: 288-293, 2002. 38. Murakami R, Kambe F, Mitsuyama H, Okumura K, Murohara T, Niwata S, Yamamoto R, Seo H: Cyclosporin A enhances interleukin-8 expression by inducing activator protein-1 in human aortic smooth muscle cells. Arterios. Thromb. Vascul. Biol., 23(11): 2034-2040, 2003. 39. Mitsuyama H, Kambe F, Murakami R, Cao X, Ishiguro N, Seo H: Calcium signaling pathway involving calcineurin regulates interleukin-8 gene expression through activation of NF-κB in human osteoblast-like cells. J. Bone. Miner. Res., 19(4): 671-679, 2004. 40. Hibi Y, Nagaya T, Kambe F, Imai T, Funahashi H, Nakao A, Seo H: Is thyroid follicular cancer in Japanese caused by a specific t(2;3)(q13;p25) translocation generating Pax8-PPARgamma fusion mRNA? Endocr. J., 51: 361-366, 2004. 41. Wakabayashi K, Kambe F, Cao X, Murakami R, Mitsuyama H, Nagaya T, Saito K, Yoshida J, Seo H: Inhibitory effects of cyclosporin A on calcium mobilization-dependent interleukin-8 expression and invasive potential of human glioblastoma U251MG cells. Oncogene, 2004. in press. Ⅵ 大学院修了者の進路 末田 香里 名古屋女子大学教授 波多野 敬 日本福祉大学教授 宮本 法博 当教室助手を経て、小島病院勤務 神部 福司 日本学術振興会特別研究員、助手を経て当教室助教授 林 良敬 米国シカゴ大学医学部 Assistant Professor、日本学術振興会特別研究員を経て、科学技術振興事 業団関口細胞外環境プロジェクトグループリーダー 野村 由夫 津島市民病院内科医長 Devanand Sarkar Postdoctoral Research Scientist, Department of Urology, College of Physicians & Surgeons, Columbia University 曹 霞 当教室員、COE-PDF Ⅶ 過去5年間の代表論文 1. Nagaya T, Chen K, Fujieda M, Ohmori S, Richer J.K., Horwitz K.B, Lupski J.R., Seo H: Localization of the human nuclear receptor corepressor (hN-CoR) gene between the CMT1A and SMS critical regions of chromosome 17p11.2. Genomics, 59: 339-341, 1999. 2. Nomura Y, Nagaya T, Yamaguchi S, Katunuma N, Seo H: Cleavage of RXRα by a lysozomal enzyme, cathepsin L-type protease. Biochem. Biophys. Res. Commun., 254: 388-394, 1999. 3. Hayashi Y, Yamamoto M, Ohmori S, Kikumori T, Imai T, Funahashi H, Seo H: Polymorphism of homopolymeric ─ 206 ─ 細胞情報医学専攻 分子・細胞適応学講座 glutamines in coactivators for nuclear hormone receptors. Endocrine J., 46: 279-284, 1999. 4. Imai T, Tobinaga J, Matsuyama-Morita T, Kikumori T, Sasano H, Seo H, Funahashi H: Virilizing adrenocortical adenoma: In vitro steroidogenesis, immunohistochemical studies of steroidogenic enzymes, and gene expression of corticotropin receptor. Surgery, 125: 396-402, 1999. 5. Hayashi Y, Yamamoto M, Ohmori S, Kamijo T, Ogawa M, Seo H: Inhibition of growth hormone (GH) secretion by a mutant GH-1 gene product in neuroendocrine cells containing secretory granules: An implication for isolated GH deficiency inherited in an autosomal dominant manner. J. Clin. Endocrinol Metab., 84: 2134-2139, 1999. 6. Kamijo T, Hayashi Y, Seo H, Ogawa M: Hereditary isolated growth hormone deficiency caused by GH1 gene mutations in Japanese patients. Growth Horm. IGF Res., 9: 31-36, 1999. 7. Kamijo T, Hayashi Y, Shimatsu A, Kinoshita E, Yoshimoto M, Ogawa M, Seo H: Mutations in intron 3 of GH-1 gene associated with isolated GH deficiency type II in three Japanese families. Clin. Endocrinol., 51: 355-360, 1999. 8. Hayashi Y, Kamijo T, Yamamoto M, Ohmori S, Phillips J. A. Ⅲ , Ogawa M, Igarashi Y, Seo H: A novel mutation at the donor splice site of intron 3 of the GH-1 gene in a patient with isolated growth hormone deficiency. Growth Horm. IGF Res., 9: 434-437, 1999. 9. Nagaya T, Fujieda M, Otsuka G, Yang J.P., Okamoto T, Seo H: A potential role of activated NF-κB in the pathogenesis of euthyroid sick syndrome. J. Clin. Invest., 106(3): 393-402, 2000. 10. Imai T, Sarkar D, Shibata A, Funahashi H, Morita-Matsuyama T, Kikumori T, Ohmori S, Seo H: Expression of adrenocorticotropin receptor gene in adrenocortical adenomas from patients with Cushing syndrome: Possible contribution for the autonomous production of cortisol. Annals of Surg., 234(1): 85-91, 2001. 11. Macchia P.E., Takeuchi Y, Kawai T, Cua K, Chassande O, Seo H, Hayashi Y, Samarut J, Murata Y, Weiss R.E., Refetoff S: Increased sinsitivity to thyroid hormone in mice with complete deficiency of thyroid hormone receptor alpha. Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.A. 98(1): 349-354, 2001. 12. Kikumori T, Kambe F, Nagaya T, Funahashi H, Seo H: Thyrotropin modifies activation of nuclear factor-κB by tumor necrosis factor a in rat thyroid cell line. Biochem. J., 354: 573-579, 2001. 13. Siddiq A, Miyazaki T, Takagishi Y, Kanou Y, Hayasaka S, Inoue M, Seo H, Murata Y: Expression of ZAKI-4 messenger ribonucleic acid in the brain during rat development and the effect of hypothyroidism. Endocrinology, 142(5): 1752-1759, 2001. 14. Sarkar D, Imai T, Kambe F, Shibata A, Ohmori S, Hayasaka S, Funahashi H, Seo H: Overexpression of glutathione-Stransferase A1 in benign adrenocortical adenomas from patients with Cushing's syndrome. J. Clin. Endocrinol. Metab., 86(4): 1653-1659, 2001. 15. Hayashi Y, Kamijo T, Ogawa M, Seo H: Mutations in intron 3 of GH-1 gene in Japanese families with isolated GH deficiency inherited in an autosomal dominant manner. Jap. Soc. Pediatric Endocrinol., 10(1): 69-73, 2001. 16. Mutsuga N, Iwasaki Y, Morishita M, Nomura A, Yamamori E, Yoshida M, Asai M, Osaki N, Kambe F, Seo H, Oiso Y, Saito H: Homeobox protein Gsh-1-dependent regulation of the rat GHRH gene promoter. Mol. Endocrinol., 15(12): 2149-2156, 2001. 17. Takeuchi Y, Murata Y, Sadow P.M., Hayashi Y, Soe H, Xu J, O'malley B.W., Weiss R.E., Refetof S: Steroid receptor coactivator-1 deficiency causes variable alterations in the modulation of T3-regulated transcription of genes in vivo. Endocrinology, 143(4): 1346-52, 2002. 18. Sakano S, Hasegawa Y, Murata Y, Ito T, Genda E, Iwata H, Ishiguro N, Seo H: Inhibitory effect of βFGF on endochondral heterotopic ossification. Biochem. Biophys. Res. Commun., 293: 680-685, 2002. 19. Shibata A, Nagaya T, Imai T, Funahashi H, Nakao A, Seo H: Inhibition of NF-κB activity decreases the VEGF mRNA expression in MDA-MB-231 breast cancer cells. Breast Cancer Res. Treatment, 73: 237-243, 2002. ─ 207 ─ 細胞情報医学専攻 分子・細胞適応学講座 20. Hayashi Y, Kamijo T, Ogawa M, Seo H: Familial isolated growth hormone deficiency: genetics and pathophysiology. Endocr. J., (Review), 49(3): 265-272, 2002. 21. Rogatcheva M, Hayashi Y, Oda S, Seo H, Cua K, Refetoff S, Murakami M, Mori M, Murata Y: Type 1 iodothyronine deiodinase in the house musk shrew(Suncus murinus, Insectivora: Soricidae): cloning and characterization of commplementary DNA, unique tissue distribution and regulation by T3. General and Comparative Endocrinol., 127: 48-58, 2002. 22. Sadow P.M., Koo E, Chassande O, Gauthier K, Samarut J, XU Jianming, O'Malley B.W., Seo H, Murata Y. Weiss R.E.: Thyroid hormone receptor-specific interactions with steroid receptor coactivator-1 in the pituitary. Molecular Endocrinology, 17(5): 882-894, 2003. 23. Cao X, Seo Hisao: Thyroid hormone-dependent regulation of ZAKI-4α, an inhibitor of calcineurin, and its implication in brain development and function. Current Opinion in Endocrinol. & Diabetes, 10: 357-363, 2003. 24. Iwata H, Itoh T, Sakano S, Sugiura H, Kawamura M, Murata Y, Seo H: Is bone matrix still important substitute for bone graft surgery-from point of view of heat and MBP activity. Bone, 32(5): S120(Suppl.), 2003. 25. Kozaki Y, Kambe F, Hayashi Y, Ohmori S, Seo H, Kumazawa T, Mizumura K: Cloning of cDNAs for prostaglandin EP3 receptor(EP3R) from canine dorsal root ganglia(DRG): Two different cDNAs encoding the isoforms with different C-termini and their inhibitory effects of cAMP accumulation. Neurosci. Res., 26: S80(Suppl.), 2003. 26. Mizuno Y, Kanou Y, Rogatcheva M, Imai T, Refetoff S, Seo H, Murata Y: Genomic organization of mouse ZAKI-4 gene that encodes ZAKI-4 α and β isoforms, endogenous calcineurin inhibitors, and changes in the expression of these isoforms by thyroid hormone in adult mouse brain and heart. Europ. J. Endocrinol., 150: 371-380, 2004. 27. Kamijo T, Hayashi Y, Seo H, Yamamoto M, Ogawa M, Choski CS, Sawant N.J., Colaco M.P., Desai M.P.: A nonsense mutation (E72X) in growth hormone releasing hormone receptor (GHRHR) gene is the major cause of familial isolated growth hormone deficiency in Western region of India: founder effect suggested by analysis of dinucleotide repeat polymorphism close to GHRHR gene. Growth Horm. IGF Res., 2004. in press ─ 208 ─ 細胞情報医学専攻 神経生化学講座 神 経 生 化 学 〔愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所〕 Ⅰ 教室の沿革・特色 本学大学院医学系研究科では、 大学院重点化計画に基づき、 平成11年に細胞情報医学専攻が新設された。その際、 新規の専門分野として、愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所内に、連携大学院講座「神経生化学」が設置さ れた。平成 16 年 4 月からは、担当教員として、大平敦彦客員教授(周生期学部長) 、中山敦雄客員教授(発生障害 学部長) 、浅野富子客員助教授(神経制御部室長)が就任した。発達障害研究所では、脳神経系の機能および発生・ 再生・加齢について、生化学的手法のみならず遺伝学、分子生物学、発生工学、細胞生物学、生理学、神経解剖学、 病理組織学など多様な方法論を駆使して、幅広い医学研究が進められている。この特色を生かし、大学院生の教 育と研究指導には、客員教員を中心として、遺伝学部(若松延昭部長) 、病理学部(細川昌則部長・副所長)のスタッ フも協力して臨む。 Ⅱ スタッフ 客 員 教 授 大平 敦彦 客 員 教 授 中山 敦雄(発生障害学部長) 客員助教授 浅野 富子(生化学部室長) 大 学 院 生 周尾 卓也(周生期学部所属) Ⅲ 研究分野・内容 ① 神経系における分子シャペロンおよび G 蛋白質の機能(神経制御学部) ② 脳の神経回路形成におけるプロテオグリカン・成長因子・神経栄養因子の機能解析(周生期学部) ③ 新生児脳障害の新規治療法の開発(周生期学部) ④ 精神・神経疾患の動物モデル開発による病因解析とヒト遺伝子探索(遺伝学部) ⑤ エピジェネシスの異常に基づく知的障害の分子病態の解明(遺伝学部) ⑥ 神経系の機能発現に関与する転写調節機構の解析(発生障害学部) ⑦ in vivo, in vitro モデル系を用いた中枢神経系の神経細胞変性メカニズムの解明(病理学部) Ⅳ 指導方針 脳は、生命科学領域に残る最後のフロンティアと言われ、その神秘的ともいえる機能の解明に向けて、活発な 研究が展開されている。 「神経生化学」は、脳神経系が機能を獲得し、それを維持していく機構を、物質的基盤に 立って解明する研究分野であり、 脳研究における重要な位置を占めている。本講座では、 脳を主な研究対象として、 この急速に拡大・発展している学問分野の次代を担う研究者を育成するための教育と研究指導を行う。 脳は、学習・記憶・感情・欲求など個体の性格や行動様式を規定する高次機能を生み出す重要な器官である。 ─ 209 ─ 細胞情報医学専攻 神経生化学講座 Ⅴ 大学院生の業績 1. Oohira, A., Shuo, T., Tokita, Y., Nakanishi, K. and Aono, S.: Neuroglycan C, a brain-specific part-time proteoglycan, with a particular multidomain structure. Glycoconj. J., in press (2004). 2. Shuo, T., Aono, S., Matsui, F., Tokita, Y., Maeda, H., Shimada, K. and Oohira, A.: Developmental changes in the biochemical and immunological characters of the carbohydrate moiety of neuroglycan C, a brain-specific chondroitin sulfate proteoglycan. Glycoconj. J., 20: 267-278 (2004). 3. Yamauchi, S., Tokita, Y., Matsui, F., Shuo, T., Aono, S. and Oohira, A.: Ectoprotein kinase and brain development. Connec. Tissue, 35: 31-36 (2003). 4. Mtsui, F., Kawashima, S., Shuo, T., Yamauchi, S., Tokita, Y., Aono, S., Keino, H. and Oohira, A.: Transient expression of juvenile-type neurocan by reactive astrocytes in adult rat brains injured by kainate-induced seizures as well as surgical incision. Neuroscience, 112: 773-781 (2002). 5. Yamauchi, S., Tokita, Y., Aono, S., Matsui, F., Shuo, T., Ito, H., Kato, K., Kasahara, K. and Oohira, A.: Phosphorylation of neuroglycan C, a brain-specific transmembrane chondroitin sulfate proteoglycan, and its localization to the lipid rafts. J. Biol. Chem., 277: 20583-20590 (2002). 6. Aono, S., Keino, H., Tokita, Y., Yamauchi, S. and Oohira, A.: Neuroglycan C, a part-time proteoglycan, in the central nervous system. Connec. Tissue, 32: 45-48 (2000). 7. Oohira, A., Matsui, F., Tokita, Y., Yamauchi, S. and Aono, S.: Molecular interactions of neural chondroitin sulfate proteoglycans in the brain development. Arch. Biochem. Biophys., 374: 24-34 (2000). Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. Akita, K., Toda, M., Hosoki, Y., Inoue, M., Fushiki, S., Oohira, A., Okayama, M., Yamashina, I. and Nakada, H.: Heparan sulfate proteoglycans interact with neurocan and promote neurite outgrowth from cerebellar granule cells. Biochem. J., in press (2004). 2. Shinohara, H., Udagawa, J., Morishita, R., Ueda, H., Otani, H., Semba, R., Kato, K., and Asano, T.: Gi2 signaling enhances proliferation of neural progenitor cells in the developing brain. J. Biol. Chem., in press (2004). 3. Nakanishi, K., Watanabe, K., Kawabata, M., Fukuda, A. and Oohira, A.: Altered synaptic activities in cultures of neocortical neurons from prenatally X-irradiated rats. Neurosci. Lett., 355: 61-64 (2004). 4. Shuo, T., Aono, S., Matsui, F., Tokita, Y., Maeda, H., Shimada, K. and Oohira, A.: Developmental changes in the biochemical and immunological characters of the carbohydrate moiety of neuroglycan C, a brain-specific chondroitin sulfate proteoglycan. Glycoconj. J., 20: 267-278 (2004). 5. Miyata, S., Akagi, A., Hayashi, N., Watanabe, K. and Oohira, A.: Activity-dependent regulation of a chondroitin sulfate proteoglycan 6B4 phosphacan/RPTP □ in the hypothalamic supraoptic nucleus. Brain Res., 1017: 163-171 (2004). 6. Maesawa, S., Kaneoke, Y., Kajita, Y., Usui, N., Misawa, N., Nakayama, A. and Yoshida, J.: Long-term stimulation of the subthalamic nucleus in hemiparkinsonian rats: neuroprotection of dopaminergic neurons. J. Neurosurg., 100: 679-687 (2004) 7. Ueda, H., Morishita, R,, Narumiya, S., Kato, K., and Asano, T.: G □ q/11 signaling induces apoptosis through two pathways involving reduction of Akt phosphorylation and activation of RhoA in HeLa cells. Exp. Cell. Res., 298: 207-217 (2004). 8. Okamoto, M., Sekiyama, J., Mori, S., Kurazono, S., Usui, S., Hasegawa, M. and Oohira, A.: Kainic acid-induced convulsions cause prolonged changes in the chondroitin sulfate proteoglycans neurocan and phosphacan in the limbic structures. Exp. Neurol., 184: 179-195 (2003). ─ 210 ─ 細胞情報医学専攻 神経生化学講座 9. Sango, K., Oohira, A., Ajiki, K., Tokashiki, A., Horie, M. and Kawano, H.: Phosphacan and neurocan are repulsive substrata for adhesion and neurite extension of sdult rat dorsal root ganglion neurons in vitro. Exp. Neurol., 182: 1-11 (2003). 10. Nakayama, A., Murakami, H., Maeyama, N., Yamashiro, N., Sakakibara, A., Mori N. and Takahashi, M.: Role for RFX transcription factors in non-neuronal cell-specific inactivation of the microtubule-associated protein (MAP) 1A promoter. J. Biol. Chem., 278: 233-240 (2003) 11. Mtsui, F., Kawashima, S., Shuo, T., Yamauchi, S., Tokita, Y., Aono, S., Keino, H. and Oohira, A.: Transient expression of juvenile-type neurocan by reactive astrocytes in adult rat brains injured by kainate-induced seizures as well as surgical incision. Neuroscience, 112: 773-781 (2002). 12. Yamauchi, S., Tokita, Y., Aono, S., Matsui, F., Shuo, T., Ito, H., Kato, K., Kasahara, K. and Oohira, A.: Phosphorylation of neuroglycan C, a brain-specific transmembrane chondroitin sulfate proteoglycan, and its localization to the lipid rafts. J. Biol. Chem., 277: 20583-20590 (2002). 13. Toba, Y., Horie, M., Sango, K., Tokashiki, A., Matsui, F., Oohira, A. and Kawano, H.: Expression and immunohistochemical localization of heparan sulfate proteoglycan N-syndecan in the migratory pathway from the rat olfactory placode. Eur. J. Neurosci., 15: 1-13 (2002). 14. Inatani, M., Honjo, M., Oohira, A., Kido, N., Otori, Y., Tano, Y., Honda, Y. and Tanihara, H.: Spatiotemporal expression patterns of N-syndecan, a transmembrane heparan sulfate proteoglycan, in developing retina. Invest. Ophthalmol. Vis. Sci., 43: 1616-1621 (2002). 15. Haraguchi, M., Tsujimoto, H., Fukushima, M., Higuchi, I., Kuribayashi, H., Utsumi, H., Nakayama, A., Hashizume, Y., Hirato, J., Yoshida, H., Hara, H., Hamano, S., Kawaguchi, H., Furukawa, T., Miyazono, K., Ishikawa, F., Toyoshima, H., Kaname, T., Komatsu, M., Chen, ZS., Gotanda, T., Tachiwada, T., Sumizawa, T., Miyadera, K., Osame, M., Yoshida, H., Noda, T., Yamada, Y., and Akiyama, S.: Targeted deletion of both thymidine phosphorylase and uridine phosphorylase and consequent disorders in mice. Mol. Cell. Biol., 22: 5212-5221 (2002) 16. Katoh-Semba, R., Asano, T., Ueda, H., Morishita, R., Takeuchi, I. K., Inaguma, Y. and Kato, K.: Riluzole enhances expression of brain-derived neurotrophic factor with consequent proliferation of granule precursor cells in the rat hippocampus. FASEB J., 16: 1328-1330 (2002) (Online# 10.1096/fj.02-0143fje). 17. Tokita, Y., Keino, H., Matsui, F., Aono, S., Ishiguro, H., Higashiyama, S. and Oohira, A.: Regulation of neuregulin expression in the injured rat brain and cultured astrocytes. J. Neurosci., 21: 1257-1264 (2001). 18. Okamato, M., Sakiyama, J., Ito, S., Mori, S., Nakata, Y. and Oohira, A.: Developmentally-regulated expression of brain specific chondroitin sulfate proteoglycans, neurocan and phosphacan, in the postnatal rat hippocampus. Cell Tissue Res., 306: 217-229 (2001). 19. Inatani, M., Tanihara, H., Otori, Y., Oohira, A., Honjo, M., Kido, N., Tano, Y. and Honda, Y.: Inhibitory effects of neurocan and phosphacan on neurite outgrowth from retinal ganglion cells in culture. Invest. Ophthalmol. Vis. Sci., 42: 1930-1938 (2001). 20. Asano, T., Shinohara, H., Morishita, R., Ueda, H., Kawamura, N., Katoh-Semba, R., Kishikawa, M. and Kato, K.: Selective localization of G protein □ 5 subunit in the subventricular zone of the lateral ventricle and rostral migratory stream of the adult rat brain. J. Neurochem., 79: 1129-1135 (2001). 21. Ueda, H., Morishita, R., Itoh, H., Narumiya, S., Mikoshiba, K., Kato, K. and Asano, T.: G□11 induces caspase-mediated proteolytic activation of Rho-associated kinase, ROCK-I, in HeLa Cells. J. Biol. Chem., 276: 42527-42533 (2001). 22. Kinoshita, M., Nukada, T., Asano, T., Mori, Y., Akaike, A., Satoh, M. and Kaneko, S.: Binidng of G □ o N terminus is responsible for the voltage-resistant inhibition of □ 1A (P/Q-type, Cav2.1) Ca2+ channels. J. Biol. Chem., 276: 28731-28738 (2001). 23. Ueda, H., Morishita, R., Yamauchi, J., Itoh, H., Kato, K. and Asano, T.: Regulation of Rac and Cdc42 pathways by Gi during lysophosphatidic acid-induced cell spreading. J. Biol. Chem., 276: 6846-6852 (2001). ─ 211 ─ 細胞情報医学専攻 神経生化学講座 24. Saitoh, O., Masuho, I., Terakawa, I., Nomoto, S., Asano, T. and Kubo, Y.: Regulator of G protein signaling 8 (RGS8) requires its NH2 terminus for subcellular localization and acute desensitization of G protein-gated K + channels. J. Biol. Chem., 276: 5052-5058 (2001). 25. Aono, S., Keino, H., Ono, T., Yasuda, Y., Tokita, Y., Matsui, F., Sonta, S., Taniguchi, M. and Oohira, A.: Genomic organization and expression pattern of mouse neuroglycan C (NGC) in the cerebellar development. J. Biol. Chem., 275: 337-342 (2000). 26. Kasahara, K., Watanabe, K., Takeuchi, K., Kaneko, H., Oohira, A., Yamamoto, T., and Sanai, Y.: Involvement of gangliosides in GPI-anchored neuronal cell adhesion molecule TAG-1 signaling in lipid rafts. J. Biol. Chem., 275: 34701-34709 (2000). 27. Asher, R. A., Morgenstern, D. A., Fidler, P. S., Adcock, K. H., Oohira, A., Braistead, J. E., Levine, J. M., Margolis, R. U., Rogers, J. H. and Fawcett, J. W.: Neurocan is up-regulated in injured brain and in cytokine-treated astrocytes. J. Neurosci., 20: 2427-2438 (2000). 28. Oohira, A., Kushima, Y., Tokita, Y., Sugiura, N., Sakurai, K., Suzuki, S. and Kimata, K.: Effects of lipid-derivatized glycosaminoglycans (GAGs), a novel prove for functional analyses of GAGs, on cell-to-substratum adhesion and neurite elongation in primary cultures of fetal rat hippocampal neurons. Arch. Biochem. Biophys., 378: 78-83 (2000). 29. Wada, Y., Yamashita, T., Imai, K., Miura, R, Takao, K., Nishi, M., Takeshima, H., Asano, T., Morishita, R., Nishizawa, K. Kokubun, S. and Nukada, T.: A region of the sulfonyluea receptor critical for a modulation of ATP-sensitive K+ channels by G-protein □□ -subunits. EMBO J., 19: 4915-4925 (2000). 30. Ueda, H., Itoh, H., Yamauchi, J., Morishita, R., Kaziro, Y., Kato, K. and Asano, T.: G protein □□ subunits induce stress fiber formation and focal adhesion assembly in a Rho-dependent manner in HeLa cells. J. Biol. Chem., 275: 2098-2102 (2000). ─ 212 ─ 機能構築医学専攻 機能形態学講座 分 子 細 胞 学 Ⅰ 教室の沿革・特色 機能形態学講座は,平成 12 年4月に名古屋大学医学部が大学院化されたのに伴い,旧来の解剖学教室が改組 されたものである.分子細胞学分野の前身は解剖学第一講座に当たる.解剖学教室の歴史は昭和 14 年の名古屋 帝国大学医学部の発足当時に遡る.初代の長松英一教授以降,杉山鉦一教授,酒井恒教授,小林繁教授を経て, 平成 11 年に藤本豊士が教授に就任して現在に至っている.解剖学は形態を記載する学問であるというイメージ が強いが,現実には片方の軸足をイメージング技法,他方の軸足を分子生物学・生化学的技法に置いた生理学と しての色彩が強まりつつある.分子細胞学分野では,超微形態学を基礎に組織細胞化学,生化学,分子生物学な どの多様な手法を動員して,細胞生物学的な問題に取り組んでいる. Ⅱ スタッフ 教 授 藤 本 豊 士 授 鳥 橋 茂 子 助 手 藤 田 秋 一 技 助 教 官 奥 村 哲 夫 COE ポスドク 大 崎 雄 樹 大 学 院 生 桑 原 雅 樹 尾 関 慎太郎 Ⅲ 研究分野・内容 現在の研究テーマは「形質膜機能ドメイン(カベオラ,ラフト)と脂質滴の解析」と「消化管運動のペース メーカーシステムの構造と機能」の2つに集約される.これらのテーマの内容については,当分野のホームペー ジ(http://www.med.nagoya-u.ac.jp/cel-bio/index.htm)に参考となる写真とともに紹介しているので,是非参 照して頂きたい. Ⅳ 指導方針など 古典的な形態学は形態を観察し,それを元に機能を類推することが中心であったが,現代の形態学では細胞の 超微構造を分子レベルで解析し,その機能的意義を実験的に追究することが可能となった.例えば藤本のテーマ である「カベオラ」という構造は,1955 年に電顕観察によって同定されたが,その機能が解明されるためには, カベオリンという構造蛋白質の発見を待たなければならなかった.すなわち,カベオリン蛋白質とカベオリン遺 伝子を様々に改変し,その結果を試験管内や細胞内で解析することにより,カベオリンがカベオラ構造を形成す るための基本的な要素であること,またカベオラがシグナル伝達の制御やコレステロール輸送に関与することが 明らかになったのである.細胞の内外には,構造そのものは電顕で観察されていても機能が不明のまま残されて いるものが多く残されている.それらの構造を構成する分子を遺伝子まで遡って解析することにより,構造と機 能の連関を分子レベルで理解することができるはずである.また,カベオラの場合がまさにそうであるが,遺伝 子まで遡及することにより,様々な疾病との関連について研究を展開することも可能になる.上記のような研究 ─ 213 ─ 細胞情報医学専攻 細胞科学講座 を進めるためには,分子生物学,生化学などの実験手技を修得することがもちろん必要であるが,超微形態学的 な方法と素養を早い時期に身につけることも重要であると考えている.それは単に解析の手法として有用である ばかりでなく,新たな問題を発見し,実験結果を細胞全体のパースペクティブの中に位置づけて理解するための 基盤になると思うからである.このような観点から,大学院課程では超微形態学,組織細胞化学,生化学,分子 生物学などについてのトレーニングを行いたい. Ⅴ 大学院生の業績(過去5年間) 1. Fujita, Y., S. Maruyama, H. Kogo, S. Matsuo, and T. Fujimoto: Caveolin-1 in mesangial cells suppresses MAP kinase activation and cell proliferation induced by bFGF and PDGF. Kid Int, in press. 2. Nakamura, N., T. Akashi, T. Taneda, H. Kogo, A. Kikuchi, and T. Fujimoto: ADRP is dissociated from lipid droplets by ARF1-dependent mechanism. Biochem. Biophys. Res. Commun., in press. 3. Kuwahara, M., T. Ogaeri, R. Matsuura, H. Kogo, T. Fujimoto, and S. Torihashi: In vitro organogenesis of gut-like structures from mouse embryonic stem cells. Neurogastroenterol Motil 16: 14-18 (2004) 4. Nakamura, N., and T. Fujimoto: Adipose differentiation-related protein has two independent domains for targeting to lipid droplets. Biochem Biophys Res Commun, 306: 333-338 (2003) 5. Fukumoto, S. and T. Fujimoto: Deformation of lipid droplets in fixed samples. Histochem Cell Biol, 118: 423-428 (2002) 6. Yu W, Niwa T, Fukasawa T, Hidaka H, Senda T, Sasaki Y, Niki I: Synergism of protein kinase A, protein kinase C, and myosin light-chain kinase in the secretory cascade of the pancreatic _-cell. Diabetes 49:945-952 (2000) Ⅵ 過去5年間の代表論文・著書名(大学院生の論文以外のもの) 1. Nomura, R., A. Kiyota, E. Suzaki, K. Kataoka, Y. Ohe, K. Miyamoto, T. Senda, and T. Fujimoto: Human coronavirus 229E binds to CD13 in raft and enters the cell through caveolae. J Virol, in press. 2. Torihashi, S., K. Yokoi, H. Nagaya, K. Aoki, and T. Fujimoto: New monoclonal antibody (AIC) identifies interstitial cells of Cajal in the musculature of the mouse gastrointestinal tract. Auton Neurosci., 113: 16-23 (2004) 3. Kogo, H., T. Aiba, and T. Fujimoto: Cell type-specific occurrence of caveolin-1alpha and -1beta in the lung caused by expression of distinct mRNAs. J Biol Chem 279: 25574-25581 (2004) 4. Tauchi-Sato, K., S. Ozeki, T. Houjou, R. Taguchi, and T. Fujimoto: The surface of lipid droplets is a phospholipid monolayer with a unique fatty acid composition. J Biol Chem 277: 44507-44512 (2002) 5. Torihashi, S., T. Fujimoto, C. Trost, and S. Nakayama: Calcium oscillation linked to pacemaking of interstitial cell of Cajal; requirement of calcium influx and localisation of TRP4 in caveolae. J Biol Chem 277: 19191-19197 (2002) 6. Fujimoto, T., H. Kogo, K. Ishiguro, K. Tauchi, and R. Nomura: Caveolin-2 is targeted to lipid droplets, a new 'membrane domain' in the cell. J Cell Biol 152: 1079-1085 (2001) 7. Torihashi S., Hori M., and Ozaki H.: Macrophages in the muscle layer of the gastrointestinal tract: Impairment of muscle contraction by treatment with lipopolysaccharide. Acta Histochem. Cytochem., 34: 218-222 (2001) 8. Fujimoto, T., H. Kogo, R. Nomura, and T. Une: Isoforms of caveolin-1 and caveolar structure. J Cell Sci 113: 3509-3517 (2000) ─ 214 ─ 機能構築医学専攻 機能形態学講座 9. Kogo H, Fujimoto T: Caveolin-1 isoforms are encoded by distinct mRNAs. Identification of mouse caveolin-1 mRNA variants caused by alternative transcription initiation and splicing. FEBS lett 465:119-123 (2000) 10. Kogo H, Fujimoto T: Concentration of caveolin-1 in the cleavage furrow as revealed by time-lapse analysis. Biochem Biophys Res Commun 268:82-87 (2000) 11. Hagiwara H, Aoki T, Ohwada N, Fujimoto T: Identification of a 195 kda protein in the striated rootlet: its expression in ciliated and ciliogenic cells. Cell Motil Cytoskeleton 45:200-210 (2000) 12. Torihashi S, Ozaki H, Hori M, Kita M, Ohota S, Karaki H : Resident macrophages activated by lypopolysaccharide (LPS) suppress muscle tension and initiate inflammatory response in the gastrointestinal muscle layer. Histochem Cell Biol 113:73-80 (2000) ─ 215 ─ 機能構築医学専攻 機能形態学講座 機 能 組 織 学 Ⅰ 教室の沿革・特色 解剖学教室の沿革をたどれば、明治 4 年の名古屋落仮医学校設立まで遡るが、大正 6 年浅井猛郎教授の就任に よって第一講座が、続いて、大正 8 年佐藤尾一教授が第二講座へ就任し、その基礎ができた。昭和 6 年、国立名 古屋医科大学となって、同 7 年戸苅近太郎教授が就任した。戸苅教授の研究は、卵巣、黄体の組織発生や甲状腺、 上皮小体、副腎、胸腺など諸内分泌腺の組織発生および生後発育にわたる広範なものであり、杉山鉦一(元第一 講座教授) 、原 淳(元第二講座教授) 、伊藤 隆(北海道大学名誉教授) 、山田和順(名古屋市立大学名誉教授) 、 永津郁子(前藤田保健衛生大学教授) 、星野 洗(名古屋大学名誉教授)ら多くの人材を育てた。昭和 28 年に上 梓された戸苅近太郎著・組織学(南山堂)は本学での講義実習から生れた教科書である。その後改定が重ねられ、 伊藤 隆北海道大学名誉教授に引き継がれている。昭和 35 年原 淳教授が着任し、上皮小体の機能的構造の研究 を進めた。昭和 46 年、原教授定年退官後 10 年の間、教授空席という異常事態が続いたが、昭和 56 年から平成 8 年まで星野 洸教授が担当した。平成 8 年に杉浦康夫教授が着任し、平成 12 年に大学院重点化に伴って講座名が 改称され、幅広い神経科学に立脚した研究を開始した。 現教室の主な研究テーマは、杉浦教授を中心とした「痛覚に関係する神経科学的研究」である。 Ⅱ スタッフ 教 授 杉 浦 康 夫 教 授 尾 崎 紀 之 助 手 西 尾 康 二 助 手 篠 田 雅 路 助 大 学 院 生 藤 井 優 子、 浅 井 英 明(顎顔面外科学/咀嚼障害制御学)、 岩 田 佳 久(手の外科学)、 長 嶺 健二郎(顎顔面外科学/咀嚼障害制御学)、 堀 紀代美(リハビリテーション療法学) 研 安 達 和 俊、 安 井 正佐也、 若 尾 政 弘、 徐 東 輝 究 生 客員研究員 杉 浦 ミドリ、 白 石 洋 介 外国人研究員 任 振 華 Ⅲ 研究分野・内容 杉浦康夫 1.単一細胞標識法による侵害受容性一次求心性神経の形態学的研究 2.内臓からの求心性入力に関する生理学・形態学的研究 3.求心性神経の描出に有用なトレーサーの開発 尾崎紀之 1.内臓痛、特に胃の痛みのメカニズムの生理・形態学的解析 2.痛覚のメカニズムの生理・形態学的解析 ─ 216 ─ 機能構築医学専攻 機能形態学講座 西尾康二 1.酸化ストレスによる細胞老化の細胞生物学的研究 2.老化を誘導する遺伝子 PML 及び p53 の分子生物学的研究 3.ミトコンドリア脱共役蛋白質 UCP2 の細胞生理学的研究 4.腫瘍抑制蛋白質 p53 依存性細胞死の分子細胞生物学的研究 篠田雅路 1.顎関節痛のメカニズムの解析 2. 三叉神経痛のメカニズムの解析 Ⅳ 指導方針など 形態学的な視点に基づいて実験計画をたて、それを遂行できる神経科学的技術と、論理的思考によって、一流 誌に掲載される、国際的に通用する研究を指導する。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Tsuboi T, Honda T, Hishida S, Shigetomi T, Ueda M, Sugiura Y: A quantitative study of nerve fiber density in the submandibular gland of rats. Nagoya J Med Sci, 67 25-34,2004 2. Cao XC, Ling LJ: Anatomic basis and technical aspects of a new brachial plexus avulsion injury model in the rat.. Plast Reconstr Surg 111:2488-2490,2003 3. Ling LJ, Honda T, Shimada Y, Ozaki N, Shiraishi Y, Sugiura Y: Central projection of unmyelinated (C) primary afferent fibers from gastrocnemius muscle in the guinea pig.. J Comp Neurol 461:140-150,2003 4. Inoue A, Arao Y, Omori A, Ichinose S, Nishio K, Yamamoto N, Kinoshita Y, Mita S: Identification of S1 proteins B2, C1 and D1 as AUF1 isoforms and their major role as heterogeneous nuclear ribonucleoprotein proteins.. Biochem J 372:775-785,2003 5. Ma Q, Kobayashi M, Sugiura M, Ozaki N, Nishio K, Shiraishi Y, Furukawa K, Furukawa K, Sugiura Y: Morphological study of disordered myelination and the degeneration of nerve fibers in the spinal cord of mice lacking complex gangliosides.. Arch Histol Cytol 66:37-44,2003 6. Shinoda M, Honda T, Ozaki N, Hattori H, Mizutani H, Ueda M, Sugiura Y: Nerve terminals extend into the temporomandibular joint of adjuvant arthritic rats.. Eur J Pain 7:493-505,2003 7. Ishikawa H, Honda T, Toriyama K, Torii S, Sugiura Y: Origin and course of nerves immunoreactive for calcitonin generelated peptide surrounding the femoral artery in rat.. Anat Embryol (Berl) 207:299-305,2003 8. Xiong G, Ling L, Nakamura R, Sugiura Y: Retrograde tracing and electrophysiological findings of collateral sprouting after end-to-side neurorrhaphy.. Hand Surg 8:145-150,2003 9. 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Watanabe D, Honda T, Nishio K, Tomita Y, Sugiura Y, Nishiyama Y: Corneal infection of herpes simplex virus type 2--induced neuronal apoptosis in the brain stem of mice with expression of tumor suppressor gene (p53) and transcription factors.. Acta Neuropathol (Berl) 100:647-653,2000 13. Miyagawa A, Kobayashi M, Fujita Y, Nakamura M, Hirano K, Kobayashi K, Miyake Y: Surface topology of collagen fibrils associated with proteoglycans in mouse cornea and sclera.. Jpn J Ophthalmol 44:591-595,2000 14. Asano S, Honda T, Goshima F, Nishiyama Y, Sugiura Y: US3 protein kinase of herpes simplex virus protects primary afferent neurons from virus-induced apoptosis in ICR mice.. Neurosci Lett 294:105-108,2000 15. Watanabe D, Adachi A, Tomita Y, Yamamoto M, Kobayashi M, Nishiyama Y: The role of polymorphonuclear leukocyte infiltration in herpes simplex virus infection of murine skin.. Arch Dermatol Res 291:28-36,1999 16. 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Ling LJ, Honda T, Shimada Y, Ozaki N, Shiraishi Y, Sugiura Y: Central projection of unmyelinated (C) primary afferent fibers from gastrocnemius muscle in the guinea pig. J Comp Neurol 461:140-150,2003 4. Inoue A, Arao Y, Omori A, Ichinose S, Nishio K, Yamamoto N, Kinoshita Y, Mita S: Identification of S1 proteins B2, C1 and D1 as AUF1 isoforms and their major role as heterogeneous nuclear ribonucleoprotein proteins. Biochem J 372:775-785,2003 5. Shiraishi Y, Kobayashi M, Yasui M, Ozaki N, Sugiura Y: Innervation and functional characteristics of connective tissues, especially elastic fibers, in human fetal thoracic intervertebral articular capsule and its surroundings. Anat Embryol (Berl) 206:437-445,2003 6. Ma Q, Kobayashi M, Sugiura M, Ozaki N, Nishio K, Shiraishi Y, Furukawa K, Furukawa K, Sugiura Y: Morphological study of disordered myelination and the degeneration of nerve fibers in the spinal cord of mice lacking complex gangliosides. Arch Histol Cytol 66:37-44,2003 7. Shinoda M, Honda T, Ozaki N, Hattori H, Mizutani H, Ueda M, Sugiura Y: Nerve terminals extend into the temporomandibular joint of adjuvant arthritic rats. Eur J Pain 7:493-505,2003 8. Ishikawa H, Honda T, Toriyama K, Torii S, Sugiura Y: Origin and course of nerves immunoreactive for calcitonin gene─ 218 ─ 機能構築医学専攻 機能形態学講座 related peptide surrounding the femoral artery in rat. Anat Embryol (Berl) 207:299-305,2003 9. Xiong G, Ling L, Nakamura R, Sugiura Y: Retrograde tracing and electrophysiological findings of collateral sprouting after end-to-side neurorrhaphy. Hand Surg 8:145-150,2003 10. Bielefeldt K, Ozaki N, Gebhart GF: Role of nerve growth factor in modulation of gastric afferent neurons in the rat. Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol 284:G499-507,2003 11. Ling LJ, Honda T, Ozaki N, Shimada Y, Sugiura Y: The central projection of unmyelinated (C) primary afferent fibers from gastrocnemius muscle in the guinea pig. Proceedings of the 10th World Congress on Pain, Progress in Pain Research and Management, Vol 24, edited by Jonathan O Dostrovsky, Daniel B Carr, and Martin Koltzenburg, IASP Press, Seatle, 2003, pp227-234,2003 12. Ito N, Nomura S, Iwase A, Ito T, Ino K, Nagasaka T, Tsujimoto M, Kobayashi M, Mizutani S: Ultrastructural localization of aminopeptidase A/angiotensinase and placental leucine aminopeptidase/oxytocinase in chorionic villi of human placenta. Early Hum Dev 71:29-37,2003 13. 杉浦康夫、白石洋介 : 腰痛のメカニズム . 薬局 (0044-0035)54 巻 10 号 Page2589-2597(2003.10),2003 14. 尾崎紀之、杉浦康夫 : 総説:内臓痛と体性痛のメカニズム . ペインクリニック 24(6): 807-815, 2003,2003 15. 杉浦 康夫 : 痛みの研究に向かって、関係学会の糾合を . ペインクリニック 24(5) 613,2003 16. 杉浦康夫、尾崎紀之 : 内臓痛と体性痛の違い . 麻酔科診療プラクティス , 12, ペインクリニックに必要な局所 解剖 , 編集高崎真弓文光堂、pp235-237,2003 17. Bielefeldt K, Ozaki N, Whiteis C, Gebhart GF: Amitriptyline inhibits voltage-sensitive sodium currents in rat gastric sensory neurons. Dig Dis Sci 47:959-966,2002 18. 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Horii T, Ichiyama S, Ohta M, Kobayashi M: Relationship between morphological changes and endotoxin release induced by carbapenems in Pseudomonas aeruginosa. J Med Microbiol 48:309-315,1999 60. Watanabe D, Adachi A, Tomita Y, Yamamoto M, Kobayashi M, Nishiyama Y: The role of polymorphonuclear leukocyte infiltration in herpes simplex virus infection of murine skin. Arch Dermatol Res 291:28-36,1999 61. Senga K, Mizutani H, Kobayashi M, Ueda M: Ultrastructural study on adhesions in internal derangement of the temporomandibular joint. J Oral Maxillofac Surg 57:165-170,1999 62. Asano S, Honda T, Goshima F, Watanabe D, Miyake Y, Sugiura Y, Nishiyama Y: US3 protein kinase of herpes simplex virus type 2 plays a role in protecting corneal epithelial cells from apoptosis in infected mice. J Gen Virol 80 :51-56,1999 ─ 221 ─ 機能構築医学専攻 機能形態学講座 細 胞 生 物 学 Ⅰ 教室の沿革・特色 教室の沿革・特色 開設は昭和 14 年。山田和麻呂、佐野昌雄、若林隆の歴代教授の後を受け、平成 16 年 1 月 に宮田卓樹が教授に着任し、中枢神経系の発生・再生の研究を中心的課題として歩み始めました。スライス培養 など各種三次元培養法および種々の機能実験を駆使して発生過程にくりひろげられる組織構築のメカニズムを細 胞レベル・分子レベルで追求するとともに、人工的類組織構造体の作成など治療的観点での取り組みにも挑みま す。発生生物学会、神経科学会、細胞生物学会、分子生物学会、解剖学会、米国 Society forNeuroscience など を主な発表そして学問的交流の場とします。知的社会貢献を重視し、学園祭での一般来客者に対する研究室公開 に対して積極的に取り組んでいます。http://www.med.nagoya-u.ac.jp/dev-bio/ に動画付きの詳しい研究室紹介 を掲載しています。 Ⅱ スタッフ 教 授 宮 田 卓 樹 教 授 臼 倉 治 郎 助 手 西 沢 祐 治 助 手 村 山 綾 子 技 官 正 岡 実 助 博士課程学生 1名(2004 時点で D1) Ⅲ 研究分野・内容 最大の特徴は、神経前駆細胞とその娘細胞(ニューロンなど)の挙動を培養下、とくにスライス培養など組織 固有の三次元的環境を維持したままの培養のもとに、コツコツと執念深く追いかける手法です。神経前駆細胞に 関する研究は、これまで移植治療に用いるべきニューロンの産生源として確保することに力点が置かれ、細胞の 単離、濃縮など本来の組織から隔離する方向での研究が先行していますが、これからは本来の三次元組織のなか で前駆細胞やニューロンがいかに振舞うかを知り尽くそうとする方向での研究がきわめて重要になると確信され ます。そうしたアプローチこそが将来の再生医療の基盤となるべき三次元的な情報を与えてくれるからです。具 体的には、中枢神経系のなかでニューロンが複雑かつ整然とした層を形成することで知られる大脳、小脳、網膜 を主要な対象とし、その発生の機構、とりわけ前駆細胞における運動・細胞周期進行・細胞運命決定のリンクに ついて、また、前駆細胞による神経上皮構造の維持について、さらにニューロンの移動・配置について追求しま す。当研究室に伝統的な電子顕微鏡的解析もあわせて行います。このような基礎的探求の成果をもとに、人為的 に細胞の三次元的構築を制御できるよう試みます。 Ⅳ 指導方針など 根気強く対象と向き合い、自分自身の眼で見つめ、考え、新しい何かに気付ける人、そして、それを皆に認め てもらうために何が必要かということにも気付ける人、さらにそれらの気付きを人類に向けて勇気をもって発信 ─ 222 ─ 機能構築医学専攻 機能形態学講座 できる人、そういう人に育ってもらいたいです。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Miyata, T., Kawaguchi, A., Saito, K., Kawano, M., Muto, T., and Ogawa, M.: Asymmetric production of surface-dividing and non-surface-dividing cortical progenitor cells. Development 131, 3133-3145, 2004 (現博士課程院生の D1 時の論文:共著者) 2. Saito, K., Kawaguchi, A., Kashiwagi, S., Yasugi, S., Ogawa, M., and Miyata, T.: Morphological asymmetry in dividing retinal progenitor cells. Develop. Growth & Differ. 45, 219-229 (2003) (現博士課程院生の修士時の論文:筆頭著者) Ⅵ 過去5年間の代表論文・著者名 (1)神経発生・再生関連(宮田がコロラド大時、大阪大学時、理化学研究所時のものを含む) 1. Miyata, T., Kawaguchi, A., Saito, K., Kawano, M., Muto, T., and Ogawa, M.: Asymmetric production of surface-dividing and non-surface-dividing cortical progenitor cells. Development 131, 3133-3145, 2004 2. Saito, K., Kawaguchi, A., Kashiwagi, S., Yasugi, S., Ogawa, M., and Miyata, T.: Morphological asymmetry in dividing retinal progenitor cells. Develop. Growth & Differ. 45, 219-229, 2003 3. Shinozaki, K., Miyagi, T., Yoshida, M., Miyata, T., Ogawa, M., Aizawa, S., and Suda, Y.: Absence of Cajal-Retzius cells and subplate neurons associated with defects of tangential migration from ganglionic eminence in Emx1/2 double mutant cerebral cortex. Development 129, 3479-3492, 2002 4. Miyata, T., Kawaguchi, A., Saito, K., Kuramochi, H., and Ogawa, M.: Visualization of cell cycling by an improvement in slice culture methods. J. Neurosci. Res. 69, 861-868, 2002 5. Ogawa Y, Sawamoto K, Miyata,T., Miyao S, Watanabe M, Nakamura M, Bregman BS, Koike M, Uchiyama Y, Toyama Y, Okano H.: Transplantation of in vitro-expanded fetal neural progenitor cells results in neurogenesis and functional recovery after spinal cord contusion injury in adult rats. J. Neurosci. Res. 69, 925-933, 2002 6. Takasawa K, Kitagawa K, Yagita Y, Sasaki T, Tanaka S, Matsushita K, Ohstuki T, Miyata T, Okano H, Hori M, Matsumoto M. Increased proliferation of neural progenitor cells but reduced survival of newborn cells in the contralateral hippocampus after focal cerebral ischemia in rats. J. Cereb. Blood Flow Metab. 22, 299-307, 2002 7. Yagita Y, Kitagawa K, Sasaki T, Miyata, T., Okano H, Hori M, Matsumoto M. Differential expression of Musashi1 and nestin in the adult rat hippocampus after ischemia. J. Neurosci. Res. 69, 750-756, 2002 8. Yamazaki, Y., Makino, H., Hamaguchi-Hamada, K., Hamada, S., Sugino, H., Kawase, E., Miyata, T., Ogawa, M., Yanagimachi. R., and Yagi, T.: Assessment of the developmental totipotency of neural cells in the cerebral cortex of mouse embryo by nuclear transfer. Proc. Natl. Acad. Sci. USA S 98, 14022-14026, 2001 9. Miyata, T., Kawaguchi, A., Okano, H., and Ogawa, M. Asymmetric inheritance of radial glial fibers by cortical neurons. Neuron 31, 727-741, 2001 10. Kawaguchi, A., Miyata, T., Sawamoto, K., Takashita, N., Murayama, A., Akamatsu, W., Ogawa, M., Okabe, M., Tano, Y., Goldman, S.A., and Okano, H. Nestin-EGFP mice: visualization of the self-renewal and multipotency of CNS stem cells. Mol. Cell. Neurosci.17, 259-273, 2001 11. Yagita, Y., Kitagawa, K., Otsuki, T., Kuwabara, K., Mabuchi, T., Miyata, T., Okano, H., Hori, M., and Matsumoto, M.: Proliferation of neuronal progenitor cells and increased neurogenesis in the ischemic adult rat hippocampus. Stroke 32, 1890-1896, 2001 ─ 223 ─ 機能構築医学専攻 機能形態学講座 12. Kaneko, Y., Sakakibara, S., Imai, T., Suzuki, A., Nakamura, Y., Sawamoto, K., Ogawa, Y., Toyama, Y., Miyata, T., and Okano, H.: Musashi1: an evolutionally conserved marker for CNS progenitor cells including neural stem cells. Dev. Neurosci. 22, 139-153, 2000 13. Nakamura, Y., Sakakibara, S., Miyata, T., Ogawa, M., Shimazaki, T., Weiss, S., Kageyama, R., and Okano, H.: The bHLH gene Hes1 as a repressor of neuronal commitment of the CNS stem cells. J. Neurosci. 20, 283-293, 2000 14. Ohtani, T., Ishihara, K., Atsumi, T., Nishida, K., Keneko, Y., Miyata, T., Itoh, S., Narimatsu, M., Maeda, H., Fukada, T., Itoh, M., Okano, H., Hibi, T., and Hirano, T.: Dissection of signaling cascade through gp130 in vivo: Reciprocal roles for STAT3-and SHP2-mediated signals in cytokine and immunoglobulin production. Immunity 12, 95-105, 2000 15. Miyata, T., Maeda, T., and Lee, J.E.: NeuroD is required for differentiation of the granule cells in the cerebellum and hippocampus. Genes & Dev. 13, 1647-1652, 1999 (2)分子解析関係(抜粋) 1. Nishizawa Y, Usukura J, Singh DP, Chylack LT Jr, Shinohara T : Spatial and temporal dynamics of two alternatively spliced regulatory factors, lens epithelium-derived growth factor (ledgf/p75) and p52, in the nucleus. Cell Tissue Res 305, 107-114, 2001 2. Usukura J., Nishizawa Y., Shimomura A., Kobayashi K., Nagatsu T., Hagiwara M.: Direct imaging of phosphorylationdependent conformational change and DNA binding of CREB by electron microscopy. Genes to Cells 5, 515-522, 2000 3. Nishizawa Y., Komori N., Usukura J., Jackson KW.., Tobin SL., Matsumoto H.: Initiating ocular proteomics for cataloging bovine retinal proteins: microanalytical techniques permit the identification of proteins derived from a novel photoreceptor preparation. Exp. Eye Res. 69, 195-212, 1999 4. Kachi S., Nishizawa Y., Olshevskaya E., Yamazaki A., Miyake Y., Wakabayashi T., Dizhoor A., Usukura J. Detailed localization of photoreceptor guanylate cyclase activating protein-1 and -2 in mammalian retinas using light and electron microscopy. Exp. Eye Res. 68, 465-473, 1999 ─ 224 ─ 機能構築医学専攻 病理病態学講座 生体反応病理学/分子病理診断学 Ⅰ 教室の沿革・特色 病理学教室は明治 39 年に林直助教授によって開講された。林先生は病因論に特別な関心を持たれ、寄生虫学 特にツツガムシ病の研究に生涯を捧げられた。林先生の後任として、昭和7年に木村哲治先生が赴任され、昭和 14 年帝国大学となって二講座制となり、 木村先生が第一講座担当になられた。木村先生は木村病の発見者であり、 教室の正統的な病理学の基礎を確立された。先生の研究は動物界全般を踏まえた視野の広い学問であり、生検病 理学を含む人体病理学全般に及んでいた。昭和 21 年宮川正澄教授が第三代教授として着任され、無菌動物の作 成とそれを用いた独創的な仕事がなされた。この研究は、昭和 35 年の無菌動物研究所施設の設置、昭和 43 年の 宮川教授の学士院賞の受賞にもみられるように国際学会をリードする先駆的な仕事であった。昭和 53 年飯島宗 一先生が教授に着任され、若い研究者達が続々と入局し、再び教室の研究活動は活発となった。その成果は昭和 55 年、飯島教授の病理学会の宿題報告「生体防御機構の器官化、脾臓を中心に」で発表された。飯島教授が昭和 56 年7月より名古屋大学学長になられた後、昭和 59 年8月から浅井淳平教授が着任された。浅井教授は、生体 生体防御におけるリンパ網内系臓器の構造的基礎の重要性に着目し、とりわけ脾臓の構造と機能に関する独創的 研究を行った。浅井教授退官後、平成9年 11 月より森尚義教授が着任された。森教授は悪性リンパ腫の研究を 一貫して続けており、リンパ腫細胞を解析することでリンパ網内系研究に携わり現在に至っている。 このような教室の長い歴史のなかで、育まれた伝統的研究テーマは「生体防御に関わるリンパ網内系臓器の構 造と機能の解明」であり、実験的アプローチと人体病理学的アプローチとを両立、相関させて研究を推進させて いる点に教室の研究上の特色がある。なお、近年増加の一途を辿る臨床病理医の需要に対応すべく臨床病理を志 す人達にも広く門戸を開放して、その人材育成の「よき場」にもなっている。 Ⅱ スタッフ 教 授 森 尚 義 講 師 山 下 依 子 手 橋 本 光 義 生 岩 淵 英 人、 北 村 淳 子、 村 上 善 子、 島 田 聡 子、 市 橋 亮 一、 佐々木 英 一 助 大 学 院 客 員 研 究 者 伊 藤 真 文、 中 島 広 聖、 岩 水 幸 子 技 術 専 門 職 員 三 澤 伸 明 パートタイム勤務職員 都 梅 いずみ、 藤中 智恵美 Ⅲ 研究分野・内容 現在教室では、以下のような研究を進めている。 1)悪性リンパ腫及びリンパ節関連疾患の解析 生検や病理解剖で得られた実際の症例の検体を用い、形態学的、免疫組織学的、分子生物学的手法を用いて その疾患の特性や臨床病理学的特徴を明らかにする。最近では NK 細胞や種々の T 細胞由来の腫瘍につい て重点的に解析を進めている。 ─ 225 ─ 機能構築医学専攻 病理病態学講座 2)血球系細胞の不死化、腫瘍化メカニズムの解明 ヒト初代培養細胞を用いて、特にリンパ球の不死化や腫瘍化の分子メカニズムについて研究している。EB ウイルス関連腫瘍の発生のメカニズムについても重点的に研究している。 Ⅳ 指導方針など 大学院生の受け入れの条件としては、病理学の研究に情熱を持っていることが必須であることは当然である。 医学部卒業者の場合、病理学者の素養として、生検.剖検の病理診断が的確にできる認定病理医の資格を取得す る必要がある。そのために、大学院1、2年では種々の基本的な実験方法(病理標本の作成、免疫染色、電顕、 in situ hybridization などの形態学的手法と PCR やサザン、ノザンなどの分子生物学的手法、細胞培養及び抗体 作成、ウエスタン、免疫沈降などの細胞生物学的手法)の習得と相まって、人体病理の学習機会を多く持つよう 生検、剖検についての完全なマンツーマン指導の体制をとっている。さらにこの間に一人一報以上症例報告の 英文論文を作成する。大学院3、4年では各人の研究の発展に重点を置き、最近の新しい実験方法(FISH、定量 PCR、microdissection、tissue microarray や RNAi)を一人一手技以上習得したうえで学位論文を作成すること を目標としている。 大学院は一流の病理学者として成長していく過程の第一段階として位置づけている。したがって、将来、臨床 病理医を目指すか、病理学者を志すかは、大学院卒業後に決断してもらうことにしている。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Iwafuchi H, Mori N, Takahashi T, Yatabe Y. Phenotypic composition of salivary gland tumors: an application of principle component analysis to tissue microarray data. Mod Pathol. 2004 Jul;17(7):803-10. 2. Iwamizu-Watanabe S, Yamashita Y, Yatabe Y, Nakamura S, Mori N. Frequent expression of CD30 antigen in the primary gastric non-B, non-Hodgkin lymphomas. Pathol Int. 2004 Jul;54(7):503-9. 3. Kitamura A, Matsuno T, Narita M, Shimokata K, Yamashita Y, Mori N. A case report of rheumatoid arthritis with diffuse pulmonary rheumatoid nodules. Pathol Int, In press. 4. Shimada S, Ono K, Suzuki Y, Mori N. Malignant mesothelioma of the tunica vaginalis testis; a case with predominant sarcomatous component. Pathol Int, in press. Ⅵ 大学院修了者の進路 平成 11 年度修了者 1名 病院病理部短期赴任後、関連病院赴任 平成 12 年度修了者 1名 関連病院赴任 平成 13 年度修了者 1名 他大学助手採用 平成 14 年度修了者 2名 助手採用、他大学非常勤医員赴任 平成 15 年度修了者 2名 他大学助手採用、病院中央検査部非常勤医員赴任 ─ 226 ─ 機能構築医学専攻 病理病態学講座 Ⅶ 過去5年間の代表論文 1. Yamashita Y, Nakamura S, Kagami Y, Hasegawa Y, Kojima H, Nagasawa T, Mori N. Lennert's lymphoma: a variant of cytotoxic T-cell lymphoma? Am J Surg Pathol. 2000 Dec;24(12):1627-33. 2. Watanabe K, Yamashita Y, Nakayama A, Hasegawa Y, Kojima H, Nagasawa T, Mori N. Varied B-cell immunophenotypes of Hodgkin/Reed-Sternberg cells in classic Hodgkin's disease. Histopathology. 2000 Apr;36(4):353-61. 3. Mori N, Yamashita Y, Tsuzuki T, Nakayama A, Nakazawa M, Hasegawa Y, Kojima H, Nagasawa T. Lymphomatous features of aggressive NK cell leukaemia/lymphoma with massive necrosis, haemophagocytosis and EB virus infection. Histopathology. 2000 Oct;37(4):363-71. 4. Tanahashi C, Yamashita Y, Takahashi Y, Kubota H, Narita Y, Mori N. Intestinal T-cell lymphoma probably of CD8alphaalpha lymphocyte derivation. Histopathology. 2000 Jul;37(1):91-3. 5. Kawaguchi Y, Mori N, Nakayama A. Kit(+) melanocytes seem to contribute to melanocyte proliferation after UV exposure as precursor cells. J Invest Dermatol. 2001 Jun;116(6):920-5. 6. Nakayama A, Odajima T, Murakami H, Mori N, Takahashi M. Characterization of two promoters that regulate alternative transcripts in the microtubule-associated protein (MAP) 1A gene. Biochim Biophys Acta. 2001 Apr 16;1518(3):260-6. 7. Hashimoto M, Yamashita Y, Mori N. Immunohistochemical detection of CD79a expression in precursor T cell lymphoblastic lymphoma/leukaemias. J Pathol. 2002 Jul;197(3):341-7. 8. Mukai HY, Hasegawa Y, Kojima H, Okoshi Y, Takei N, Yamashita Y, Nagasawa T, Mori N. Nodal CD8 positive cytotoxic T-cell lymphoma: a distinct clinicopathological entity. Mod Pathol. 2002 Nov;15(11):1131-9. 9. Chikatsu N, Kojima H, Suzukawa K, Shinagawa A, Nagasawa T, Ozawa H, Yamashita Y, Mori N. ALK+, CD30-, CD20- large B-cell lymphoma containing anaplastic lymphoma kinase (ALK) fused to clathrin heavy chain gene (CLTC). Mod Pathol. 2003 Aug;16(8):828-32. 10. Nakayama A, Murakami H, Maeyama N, Yamashiro N, Sakakibara A, Mori N, Takahashi M. Role for RFX transcription factors in non-neuronal cell-specific inactivation of the microtubule-associated protein MAP1A promoter. J Biol Chem. 2003 Jan 3;278(1):233-40. 11. Iwamizu-Watanabe S, Yamashita Y, Yatabe Y, Nakamura S, Mori N. Frequent expression of CD30 antigen in the primary gastric non-B, non-Hodgkin lymphomas. Pathol Int. 2004 Jul;54(7):503-9. 12. Mori N, Murakami YI, Shimada S, Iwamizu-Watanabe S, Yamashita Y, Hasegawa Y, Kojima H, Nagasawa T. TIA-1 expression in hairy cell leukemia. Mod Pathol. 2004 Jul;17(7):840-6 ─ 227 ─ 機能構築医学専攻 病理病態学講座 腫瘍病理学/神経機能病理学 Ⅰ 教室の沿革・特色 旧病理学第 2 講座は昭和 14 年の帝国大学創立に伴って設置された。初代の教授である大島福造先生は発癌ウイ ルスによる家鶏肉腫の発生の研究をライフワークとした。これはその後の癌遺伝子の解明につながる先駆的な内 容を含んだ研究であった。昭和 33 年に就任した田内久教授は、肺癌の研究、老化の研究などに多大な業績をあ げた。昭和53年からは星野宗光教授が就任し、 癌の電子顕微鏡的研究、発癌とウイルスの関与について研究を行っ た。平成元年に就任した松山睦司教授は胸腺種の研究をテーマとし、ユニークな胸腺腫発生ラットを用いた研究 を行った。平成 8 年より高橋雅英が教授に就任し、自らが発見した RET 癌遺伝子を対象として発癌機構の解明 に向けた研究を展開している。 教室からは、産婦人科腫瘍病理の故牛島宥先生(名大名誉教授)、乳癌研究の田村潤先生(国立名古屋病院名誉 院長) 、早期胃癌研究の長与健夫先生(愛知県がんセンター名誉総長)、発癌物質研究の廣野巌先生(前藤田保健 衛生大学学長) 、糖鎖と癌転移の研究の小島清秀先生(名大名誉教授)、癌と間質の研究の竹内純先生(名大名誉 教授) 、佐賀信介先生(愛知医科大学教授) 、悪性リンパ腫研究の社本幹博先生(藤田保健衛生大学教授)、ウイル スによる発生異常の研究の筒井祥博先生(浜松医科大学教授)、卵巣腫瘍病理の中島伸夫先生(名大・臨床検査医 学教授)などの人材が輩出している。 大学院重点化に伴って、平成 12 年 4 月より旧病理学第一講座と病理学第二講座は病理病態学講座として 1 つの 大講座に再編された。 旧病理学第二講座は専門分野として腫瘍病理学と神経機能病理学を担当することになった。 現在、教室の主要テーマである発癌の分子メカニズムの解明と同時に、神経細胞の発生、分化に関わる研究、腎 臓の発生に関する研究も展開している。 Ⅱ スタッフ 教 授 高 橋 雅 英 講 師 村 雲 芳 樹 手 川 井 久 美、 時々輪 真由美 助 21 世紀 COE 客員助教授 浅 井 直 也 学術振興会特別研究員 下 野 洋 平、 榎 本 篤 研究機関研究員 児 玉 良 典 大 金 毅、 内 田 真由美、 村 上 朋 子、 長谷川 正 規、 鈴 木 智 景、 川 瀬 由加里、 加 藤 琢 哉 学 院 生 客 員 研 究 者 川 尻 愛 恵 研 山 田 哲 司 究 生 臨 床 大 学 院 生 下 野 圭 子、 森 永 貴 理、 壇 原 敦、 長谷川 太 作 Ⅲ 研究分野・内容 現在、高橋が発見した RET 癌遺伝子を対象とした研究を中心に、分子生物学、生化学、細胞生物学、発生工 学といった多角的な手法を用いての研究活動を行っている。 ─ 228 ─ 機能構築医学専攻 病理病態学講座 RET は受容体型チロシンキナーゼをコードし、多発性内分泌腫瘍症(MEN)2A 型、2B 型、家族性甲状腺髄様 癌(FMTC) 、Hirschsprung(HSCR)病といった複数の遺伝性疾患の原因遺伝子である。臨床像の全く異なる疾 患が同一遺伝子の変異の違いによって発症する点で注目されている。RET のリガンドは長らく不明であったが、 我々と米国 Genentech 社のグループとの共同研究により、グリア細胞が分泌する神経栄養因子 GDNF が RET の リガンドであることが明らかになった。GDNF はパーキンソン病の治療薬として期待され、RET と神経変性疾 患との関連の解析がホットな課題として挙がっている。その他に、GDNF/RET 系を介した腎臓発生の分子機構、 発癌と関係がある DNA 修復と突然変異機構の解析の研究も行っている。 現在、主なプロジェクトとして以下の内容についての研究を進めている。 1)活性化 RET 蛋白を介するシグナル伝達の解析 MEN2A 型、2B 型変異により活性化された RET 蛋白により、細胞の癌化が引き起こされる。活性化型 RET 蛋 白を介するシグナル伝達の下流因子、リン酸化基質を解析し、細胞の癌化に特異的なシグナルの解明を目指す。 2)GDNF-RET 系による神経細胞の分化機構の解析 GDNF による刺激で神経芽細胞腫細胞株に神経突起の伸張が起こる。神経分化に関わる GDNF-RET 系のシグ ナル伝達を解析する。神経変性疾患と GDNF-RET 系との関連を臨床材料を用いて検索する。 3)GDNF-RET 系による腎臓発生の分子機構 GDNF により発現が亢進する遺伝子群を differentialdisplay 法により網羅的に同定し、それらの遺伝子の中で 腎臓の発生の重要な役割を果たす遺伝子を明らかにし、機能解析を行う。 4)変異 RET 導入トランスジェニックマウス、ノックインマウスの作製 MEN2A 型、2B 型、FMTC の変異により細胞の癌化が誘導される。しかし、それぞれの臨床像の違いに対応 する活性の差を解析するには、細胞レベルでなく個体レベルでの研究が必要である。MEN2A 型変異 RET を導 入したトランスジェニックマウスを作製し活性型 RET の invivo での作用の解析を目指す。また RET の細胞内シ グナル伝達に重要な役割を果たすアミノ酸を別のアミノ酸に置換したノックインマウスを作製し、神経系や腎臓 の発生にどにような異常を生じるかを解析する。 5)リングフィンガー構造を有する RFP 蛋白の機能解析 RFP 蛋白は強力な転写抑制作用を有する核蛋白であり、精巣に高いレベルで発現している。RFP 蛋白と生体 内で結合する蛋白を同定することにより、その機能解析を進める。さらに RFP 遺伝子のノックアウトマウスを 作製し、どのような形態学的あるいは機能的異常を生じるかを解析する。 6)損傷乗り越え型 DNA 複製のメカニズムの解析 REV1、REV3、REV7 蛋白は DNA の損傷部位を乗り越えて DNA 複製を行う蛋白であり、その過程において 間違った塩基を導入することがあるため、突然変異導入に大きく関与しているとして注目されている。これらの 蛋白の機能解析、さらにこれらの蛋白と相互作用する蛋白の同定などにより、突然変異導入のメカニズムの解明 を目指す。 Ⅳ 指導方針など 学問をする者に最も必要な素質は、旺盛な好奇心、感性の豊かさと粘り強さである。上記の実験的研究で用いる 技術は、学問をする上で基本的に必須な技術であり、早い時期に身に付ける必要がある。大学院生には独自の研究 課題が与えられ、自覚的・自主的な研究活動が求められる。 また、病理学者に必須な人体病理のトレーニングとして、臨床検査医学講座、旧病理学第一講座、病院病理部と 一体となって病理解剖や生検診断学の基礎修練を十分に行う体制が確立している。 ─ 229 ─ 機能構築医学専攻 病理病態学講座 Ⅴ 大学院生の業績 1. Asai, N., Iwashita, T., Matsuyama, M. and Takahashi, M. Mechanism of activation of the ret proto-oncogene by multiple endocrine neoplasia 2A mutations. Mol. Cell. Biol. 15: 1613-1619 (1995). 2. Murakumo, Y., Takahashi, M., Hayashi, N., Taguchi, M., Arakawa, A., Sharma, N., Sakata, K., Saito, M., Amo, H., Katoh, H. and Matsuyama, M. Linkage of the athymic nude locus with the myeloperoxidase locus in the rat. Pathol. Int. 45: 261-265 (1995). 3. Iida, K., Miyaishi, O., Iwata, Y., Kozaki, K., Matsuyama, M. and Saga, S. Distinct distribution of protein disulfide isomerase family proteins in rat tissues. J. Histochem. Cytochem. 44: 751-759 (1996). 4. Iwashita, T., Asai, N., Murakami, H., Matsuyama, M. and Takahashi, M. Identification of tyrosine residues that are essential for transforming activity of the ret proto-oncogene with MEN2A or MEN2B mutation. Oncogene 12: 481-487 (1996). 5. Ito, S., Iwashita, T., Asai, N., Murakami, H., Iwata, Y., Sobue, G. and Takahashi, M. Biological properties of Ret with cysteine mutations correlate with multiple endocrine neoplasia type 2A, familial medullary thyroid carcinoma, and Hirschsprung's disease phenotype. Cancer Res. 57: 2870-2872 (1997). 6. Ohiwa, M., Murakami, H., Iwashita, T., Asai, N., Iwata, Y., Imai, T., Funahashi, H., Takagi, H. and Takahashi, M. Characterization of Ret-Shc-Grb2 complex induced by GDNF, MEN 2A, and MEN 2B mutations. Biochem. Biophys. Res. Commun. 237: 747-751 (1997). 7. Nozaki, C., Asai, N., Murakami, H., Iwashita, T., Iwata, Y., Horibe, K., Klein, R. D., Rosenthal, A. and Takahashi, M. Calcium-dependent Ret activation by GDNF and neurturin. Oncogene 16: 293-299 (1998). 8. Asai, M., Kato, M., Asai, N., Iwashita, T., Murakami, H., Kawai, K., Nakashima, I. and Takahashi, M. Differential regulation of MMP-9 and TIMP-2 expression in malignant melanoma developed in metallothionein/RET transgenic mice. Jpn. J. Cancer Res. 90: 86-92 (1999). 9. Oyabu, A., Higo, K., Ye, C., Amo, H., Saito, M., Yagyu, S., Morita, H., Maeda, K., Serikawa, T., Takahashi, M. and Matsuyama, M. Genetic mapping of the thymoma susceptible locus, Tsr1, in BUF/Mna rats. J. Natl. Cancer Inst. 91: 279-282 (1999). 10. Murakami, H., Iwashita, T., Asai, N., Iwata, Y., Narumiya, S. and Takahashi, M. Rho-dependent and -independent tyrosine phosphorylation of focal adhesion kinase, paxillin and p130Cas mediated by Ret kinase. Oncogene 18: 1975-1982 (1999). 11. Iwata, Y., Nakayama, A., Murakami, H., Iida, K., Iwashita, T., Asai, N. and Takahashi, M. Characterization of the promoter region of the human RFP gene. Biochem. Biophys. Res. Commun. 261: 381-384 (1999). 12. Ishiguro, Y., Iwashita, T., Murakami, H., Asai, N., Iida, K., Goto, H., Hayakawa, T. and Takahashi, M. The role of amino acids surrounding tyrosine 1062 in ret in specific binding of the shc phosphotyrosine-binding domain. Endocrinology 140: 3992-3998 (1999). 13. Hayashi, H., Ichihara, M., Iwashita, T., Murakami, H., Shimono, Y., Kawai, K., Kurokawa, K., Murakumo, Y., Imai, T., Funahashi, H., Nakao, A. and Takahashi, M. ─ 230 ─ 機能構築医学専攻 病理病態学講座 Characterization of intracellular signals via tyrosine 1062 in RET activated by glial cell line-derived neurotrophic factor. Oncogene 19: 4469-4475 (2000). 14. Kawai, K., Iwashita, T., Murakami, H., Hiraiwa, N., Yoshiki, A., Kusakabe, M., Ono, K., Iida, K., Nakayama, A. and Takahashi, M. Tissue-specific carcinogenesis in transgenic mice expressing the RET proto-oncogene with a multiple endocrine neoplasia type 2A mutation. Cancer Res. 60: 5254-5260 (2000). 15. Shimono, Y., Murakami, H., Hasegawa, Y. and Takahashi, M. RET finger protein is a transcriptional repressor and interacts with enhancer of polycomb that has dual transcriptional functions. J. Biol. Chem. 275: 39411-39419 (2000). 16. Hayashi, Y., Iwashita, T., Murakamai, H., Kato, Y., Kawai, K., Kurokawa, K., Tohnai, I., Ueda, M. and Takahashi, M. Activation of BMK1 via tyrosine 1062 in RET by GDNF and MEN2A mutation. Biochem. Biophys. Res. Commun. 281: 682-689 (2001). 17. Kurokawa, K., Iwashita, T., Murakami, H., Hayashi, H., Kawai, K. and Takahashi, M. Identification of SNT/FRS2 docking site on RET receptor tyrosine kinase and its role for signal transduction. Oncogene 20: 1929-1938 (2001). 18. Iwahashi, N., Nagasaka, T., Tezel, G., Iwashita, T., Asai, N., Murakumo, Y., Kiuchi, K., Sakata, K., Nimura, Y. and Takahashi, M. Expression of glial cell line-derived neurotrophic factor correlates with perineural invasion of bile duct carcinoma. Cancer 94: 167-174 (2002). 19. Tezel, G., Shimono, Y., Murakumo, Y., Kawai, K., Fukuda, T., Iwahashi, N. and Takahashi, M. Role for O-glycosylation of RFP in the interaction with enhancer of polycomb. Biochem. Biophys. Res. Commun. 290: 409-414 (2002). 20. Fukuda, T., Kiuchi, K. and Takahashi, M. Novel mechanism of regulation of Rac activity and lamellipodia formation by RET tyrosine kinase. J. Biol. Chem. 277: 19114-19121 (2002). 21. Watanabe, T., Ichihara, M., Hashimoto, M., Shimono, K., Shimoyama, Y., Nagasaka, T., Murakumo, Y., Murakami, H., Sugiura, H., Iwata, H., Ishiguro, N. and Takahashi, M. Characterization of gene expression induced by RET with MEN2A or MEN2B mutation. Am. J. Pathol. 161: 249-256 (2002). 22. Kawajiri, A., Yasui, Y., Goto, H., Tatsuka, M., Takahashi, M., Nagata, K. and Inagaki, M. Functional significance of Aurora-B in the separation of type III intermediated filaments during cytokinsis. Mol. Biol. Cell. 14: 1489-1500 (2003) 23. Nishikawa, M., Murakumo, Y., Imai, T., Kawai, K., Nagaya, M., Funahashi, H., Nakao, M. and Takahashi, M. Cys611Ser mutation in RET proto-oncogene is a kindred with medullary thyroid carcinoma and Hirschsprung's disease. Eur. J. Human Genet. 11: 364-368 (2003) 24. Shimoyama, Y., Morikawa, Y., Ichihara, M., Kodama, Y., Fukuda, N., Hayashi, H., Morinaga, T., Iwashita, T., Murakumoa, Y. and Takahashi, M. Identification of human SEP1 as a glial cell line-derived neurotrophic factor-inducible protein and its expression in the nervous system. Neuroscience 12: 899-906 (2003). 25. Fukuda, N., Ichihara, M., Morinaga, T., Kawai, K., Hayashi, H., Murakumo, Y., Matsuo, S. and Takahashi, M. Identification of a novel GDNF-inducible gene required for renal branching morphogenesis. J. Biol. Chem. 278: 50386-50392 (2003). ─ 231 ─ 機能構築医学専攻 病理病態学講座 26. Hashimoto, T., Ichihara, M., Watanabe, T., Kawai, K., Koshikawa, K., Yuasa, N., Takahashi, T., Yatabe, Y., Murakumo, Y., Zhang, J.-m., Nimura, Y. and Takahashi, M. Expression of CD109 in human cancer. Oncogene 23: 3716-3720 (2004). 27. Kodama, Y., Murakumo, Y., Ichihara, M., Kawai, K., Shimono, Y. and Takahashi, M. Induction of CRMP-2 by GDNF and analysis of the CRMP-2 promoter region. Biochem. Biophys. Res. Commun. 320:108-115 (2004). 29. Jijiwa, M., Fukuda, T., Kawai, K., Nakamura, A., Kurokawa, K., Murakumo, Y., Ichihara, M. and Takahashi, M. A targeting mutation of tyrosine 1062 in Ret causes a marked decrease of enteric neurons and renal hypoplasia. Mol. Cell. Biol. in press. Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. Kato, M., Iwashita, T., Takeda, K., Akhand, A. A., Liu, W., Yoshihara, M., Asai, N., Suzuki, H., Takahashi, M. and Nakashima, I. Ultraviolet light induces redox reaction-mediated dimerization and superactivation of oncogenic Ret tyrosine kinases. Mol. Biol. Cell. 11: 93-101 (2000). 2. Iwashita, T., Murakami, H., Kurokawa, K., Kawai, K., Miyauchi, A., Futami, H., Qiao, S., Ichihara, M. and Takahashi, M. A two-hit model for development of multiple endocrine neoplasia type 2B by RET mutations. Biochem. Biophys. Res. Commun. 268: 804-808 (2000). 3. Hayashi, H., Ichihara, M., Iwashita, T., Murakami, H., Shimono, Y., Kawai, K., Kurokawa, K., Murakumo, Y., Imai, T., Funahashi, H., Nakao, A. and Takahashi, M. Characterization of intracellular signals via tyrosine 1062 in RET activated by glial cell line-derived neurotrophic factor. Oncogene 19: 4469-4475 (2000). 4. Kawai, K., Iwashita, T., Murakami, H., Hiraiwa, N., Yoshiki, A., Kusakabe, M., Ono, K., Iida, K., Nakayama, A. and Takahashi, M. Tissue-specific carcinogenesis in transgenic mice expressing the RET proto-oncogene with a multiple endocrine neoplasia type 2A mutation. Cancer Res. 60: 5254-5260 (2000). 5. Shimono, Y., Murakami, H., Hasegawa, Y. and Takahashi, M. RET finger protein is a transcriptional repressor and interacts with enhancer of polycomb that has dual transcriptional functions. J. Biol. Chem. 275: 39411-39419 (2000). 6. Hayashi, Y., Iwashita, T., Murakamai, H., Kato, Y., Kawai, K., Kurokawa, K., Tohnai, I., Ueda, M. and Takahashi, M. Activation of BMK1 via tyrosine 1062 in RET by GDNF and MEN2A mutation. Biochem. Biophys. Res. Commun. 281: 682-689 (2001). 7. Qiao, S., Iwashita, T., Furukawa, T., Yamamoto, M., Sobue, G. and Takahashi, M. Differential effects of leukocyte common antigen-related protein on biochemical and biological activities of RET-MEN2A and RET-MEN2B mutant proteins. J. Biol. Chem. 276: 9460-9467 (2001). 8. Kurokawa, K., Iwashita, T., Murakami, H., Hayashi, H., Kawai, K. and Takahashi, M. Identification of SNT/FRS2 docking site on RET receptor tyrosine kinase and its role for signal transduction. Oncogene 20: 1929-1938 (2001). 9. Iwashita, T., Kurokawa, K., Qiao, S., Murakami, H., Asai, N., Kawai, K., Hashimoto, M., Watanabe, T., Ichihara, M. and Takahashi, M. Functional analysis of RET with Hirschsprung mutations affecting its kinase domain. Gastroenterology 121: 24-33 (2001). ─ 232 ─ 機能構築医学専攻 病理病態学講座 10. Murakumo, Y., Ogura, Y., Ishii, H., Numata, S., Ichihara, M., Croce, C. M., Fishel, R. and Takahashi, M. Interactions in the error-prone postreplication repair proteins hREV1, hREV3, and hREV7. J. Biol. Chem. 276: 35644-35651 (2001). 11. Takahashi M. The GDNF/RET signaling pathway and human diseases. Cytokine Growth Factor Rev. 2001 Dec;12 (4): 361-73. 12. Kato, M., Takeda, K., Kawamoto, Y., Tsuzuki, T., Dai, Y., Nakayama, S., Toriyama, K., Tamada, Y., Takahashi, M. and Nakashima I. RET tyrosine kinase enhances hair growth in association with promotion of melanogenesis. Oncogene 20: 7536-7541 (2001). 13. Iwahashi, N., Nagasaka, T., Tezel, G., Iwashita, T., Asai, N., Murakumo, Y., Kiuchi, K., Sakata, K., Nimura, Y. and Takahashi, M. Expression of glial cell line-derived neurotrophic factor correlates with perineural invasion of bile duct carcinoma. Cancer 94: 167-174 (2002). 14. Tezel, G., Shimono, Y., Murakumo, Y., Kawai, K., Fukuda, T., Iwahashi, N. and Takahashi, M. Role for O-glycosylation of RFP in the interaction with enhancer of polycomb. Biochem. Biophys. Res. Commun. 290: 409-414 (2002). 15. Kato, M., Takeda, K., Kawamoto, Y., Iwashita, T., Akhand, A. A., Senga, T., Yamamoto, M., Sobue, G., Hamaguchi, M., Takahashi, M. and Nakashima. I. Repair by Src kinase of function-impaired RET with multiple endocrine neoplasia type 2A mutation with substitutions of tyrosines in the COOH-terminal kinase domain for phenylalanine. Cancer Res. 62: 2414-2422 (2002). 16. Fukuda, T., Kiuchi, K. and Takahashi, M. Novel mechanism of regulation of Rac activity and lamellipodia formation by RET tyrosine kinase. J. Biol. Chem. 277: 19114-19121 (2002). 17. Watanabe, T., Ichihara, M., Hashimoto, M., Shimono, K., Shimoyama, Y., Nagasaka, T., Murakumo, Y., Murakami, H., Sugiura, H., Iwata, H., Ishiguro, N. and Takahashi, M. Characterization of gene expression induced by RET with MEN2A or MEN2B mutation. Am. J. Pathol. 161: 249-256 (2002) 18. Murakami, H., Yamamura, Y., Shimono, Y., Kawai, K., Kurokawa, K. and Takahashi, M. Role of Dok1 in cell signaling mediated by RET tyrosine kinase. J. Biol. Chem. 277: 32781-32790 (2002). 19. Nakayama, A., Murakami, H., Maeyama, N., Yamashiro, N., Sakakibara, A., Mori, N. and Takahashi, M. Role for RFX transcription factors in non-neuronal cell-specific inactivation of the microtubule-associated protein MAP1A promoter. J. Biol. Chem. 278: 233-240 (2003). 20. Kawajiri, A., Yasui, Y., Goto, H., Tatsuka, M., Takahashi, M., Nagata, K. and Inagaki, M. Functional significance of Aurora-B in the separation of type III intermediated filaments during cytokinsis. Mol. Biol. Cell. 14: 1489-1500 (2003) 21. Nishikawa, M., Murakumo, Y., Imai, T., Kawai, K., Nagaya, M., Funahashi, H., Nakao, M. and Takahashi, M. Cys611Ser mutation in RET proto-oncogene is a kindred with medullary thyroid carcinoma and Hirschsprung's disease. Eur. J. Human Genet. 11: 364-368 (2003) 22. Ohshima, N., Takahashi, M. and Hirose, F. Identification of a human homologue of the DREF transcription factor with a potential role in regulation of the histone H1 gene. J. Biol. Chem. 278: 22928-22938 (2003). ─ 233 ─ 機能構築医学専攻 病理病態学講座 23. Shimoyama, Y., Morikawa, Y., Ichihara, M., Kodama, Y., Fukuda, N., Hayashi, H., Morinaga, T., Iwashita, T., Murakumoa, Y. and Takahashi, M. Identification of human SEP1 as a glial cell line-derived neurotrophic factor-inducible protein and its expression in the nervous system. Neuroscience 12: 899-906 (2003). 24. Fukuda, N., Ichihara, M., Morinaga, T., Kawai, K., Hayashi, H., Murakumo, Y., Matsuo, S. and Takahashi, M. Identification of a novel GDNF-inducible gene required for renal branching morphogenesis. J. Biol. Chem. 278: 50386-50392 (2003). 25. Kawai, K., Jijiwa, M., Shimono, Y., Kurokawa, K., Murakumo, Y., Ichihara, M. and Takahashi, M. Establishment and characterization of mouse mammary carcinoma cell lines expressing RET with a multiple endocrine neoplasia 2A mutation. Cancer Science 94: 992-997 (2003). 26. Shimono, Y., Murakami, H., Kawai, K., Wade, P.A., Shimokata, K. and Takahashi, M. Mi-2? associates with BRG1 and RET finger protein at the distinct regions with transcriptional activating and repressing abilities. J. Biol. Chem. 278: 51638-51645 (2003). 27. 132. Kato, M., Takdea, K., Kawamoto, Y., Tsuzuki, T., Hossain, K., Tamakoshi, A., Kunisada, T., Kobayashi, Y., Ogino, K., Suzuki, H., Takahashi, M. and Nakahsima, I. c-Kit-targeting immunotherapy for hereditary melanoma in a mouse model. Cancer Res. 64: 801-806 (2004). 28. Kawamoto, Y., Takeda, K., Okuno, Y., Yamakawa, Y., Ito, Y., Taguchi, R., Kato, M., Suzuki, H., Takahashi, M. and Nakashima, I. Identification of RET autophosphorylation sites by mass spectrometry. J. Biol. Chem. 279: 14213-14224 (2004). 29. Hashimoto, T., Ichihara, M., Watanabe, T., Kawai, K., Koshikawa, K., Yuasa, N., Takahashi, T., Yatabe, Y., Murakumo, Y., Zhang, J.-m., Nimura, Y. and Takahashi, M. Expression of CD109 in human cancer. Oncogene 23: 3716-3720 (2004). 30. Kodama, Y., Murakumo, Y., Ichihara, M., Kawai, K., Shimono, Y. and Takahashi, M. Induction of CRMP-2 by GDNF and analysis of the CRMP-2 promoter region. Biochem. Biophys. Res. Commun. 320:108-115 (2004). 31. Jijiwa, M., Fukuda, T., Kawai, K., Nakamura, A., Kurokawa, K., Murakumo, Y., Ichihara, M. and Takahashi, M. A targeting mutation of tyrosine 1062 in Ret causes a marked decrease of enteric neurons and renal hypoplasia. Mol. Cell. Biol. in press. ─ 234 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 器官調節外科学 Ⅰ 教室の沿革・特色 専門分野“器官調節外科学”の沿革は、旧第一外科学教室の初代主任教授、斉藤真教授の着任に遡る(大正 8 年) 。斉藤教授は血管造影法を開発するとともに、脳神経外科の先駆者として業績を残し、戸田博教授は血管外 科・交感神経外科を開拓する一方、人工心肺の開発をわが国で初めて行い、心臓外科の端緒を築いた。橋本義雄教 授の時代には心臓・血管・脳神経外科の領域に腫瘍外科、高気圧治療、小児外科の研究が加わった。弥政洋太郎教 授の時代には心臓・血管・腫瘍・小児・高気圧治療の研究が 5 本柱として大きく成長したが、昭和 48 年、胸部外 科の開講後は心臓外科研究班は胸部外科へ移動した。昭和 59 年に就任した塩野谷恵彦教授の時代には、伊藤喬広 教授以下の小児外科研究班の主力が分院外科へ移動し、血管外科・腫瘍外科を中心に国際的なレベルの研究が数 多く行われた。平成 3 年 12 月、二村雄次教授が就任し、腫瘍外科、血管外科、小児外科の領域において精力的に 研究が推し進められてきた。平成 10 年には小児外科が附属病院の診療科として、平成 12 年 4 月からは新講座と して独立し、安藤久實教授が就任した。平成 12 年 4 月の大学院大学への移行にともない、旧第一外科教室は、器 官調節外科学(二村雄次教授) 、血管外科学の 2 専攻分野からなる第一外科ユニットとなり、平成 14 年 4 月に血 管外科学初代教授として古森公浩教授を迎えた。器官調節外科学では、腫瘍外科学を中心に、学内、国内ばかりで はなく、外国のグループとも共同研究を行い、臨床、研究レベルの更なる向上に努めている。 Ⅱ スタッフ 器官調節外科学(旧第一外科腫瘍研究室) 教 授 二 村 雄 次 教 授 梛 野 正 人 講 師 湯 浅 典 博 助 手 小 田 高 司、 新 井 利 幸、 西 尾 秀 樹、 江 畑 智 希 助 医員 12 名、大学院生 20 名(うち 6 名が国内留学中)、他 1 名が海外留学中 Ⅲ 研究分野・内容 器官調節外科学は肝胆膵疾患や食道疾患を中心に扱う消化器外科と、乳腺・内分泌外科を主な柱としている。 とりわけ肝胆膵外科では、極めて治療困難な肝門部悪性腫瘍に対し、肝切除術を中心に、必要に応じて主要血管 合併切除や膵頭十二指腸切除を併施し積極的に外科治療を行っている。経皮経肝胆道ドレナージや選択的胆管造 影、経皮経肝胆道鏡検査、血管造影、門脈枝塞栓術などの術前検査・術前管理を全て外科医の手で行っており、 詳細な術前診断に基づいた手術成績が日本のみならず国際的にもトップレベルの評価を受けている。この他、歴 史的に、食道疾患、胃腸疾患、乳腺疾患、甲状腺・上皮小体疾患を多く扱っている。 これらの臨床から生ずる諸問題すなわち、適正な手術術式の決定の指標としての癌の進展様式、癌の悪性度に 関する遺伝子的背景、肝切除後の肝不全の病態、閉塞性黄疸にともなう感染免疫の異常などを明らかにするため の基礎的・臨床的研究の他、胆道癌、膵癌、乳癌などに関する基礎研究の成果を臨床応用すべく分子標的治療の 研究に取り組んでいる。 ─ 235 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 基礎的研究 1.閉塞性黄疸および減黄術後の肝の病態生理、免疫能に関する研究 2.経皮経肝門脈枝塞栓術(PTPE)後の肝再生に関する基礎的研究 3.術後肝不全発症に関与するサイトカイン、脂質メディエーター、増殖因子、フリーラジカル、ガス状メディ エーターに関する研究 4.大量肝切除後の肝再生に関する研究 5.外科的感染症における感染免疫に関する研究 6.胆道癌、大腸癌、乳癌等における癌遺伝子、癌抑制遺伝子の発現に関する研究 7.胆道癌、膵癌、乳癌に対する分子標的治療に関する研究 臨床的研究 1.胆道癌に対する手術療法 2.適正な膵癌の手術療法を確立するための Randamized controlled trial 3.経皮経肝胆道鏡検査(PTCS)による肝胆膵疾患の診断と治療 4.経皮経肝門脈枝塞栓術(PTPE)による残存予定肝の代償性肥大に関する研究 5.肝切除術、PTPE 前後の肝血行動態の変化に関する研究 6.胆道癌、大腸癌、乳癌の発生、進展、浸潤に関する臨床病理学的研究 7.消化器癌、乳癌の悪性度に応じた適正な手術療法の決定に関する研究 8.胆道の外科解剖に関する研究 9.術後合併症予防対策としての probiotics の効果に関する研究 10.肝内結石症の発生に関する疫学的・病理学的・遺伝子学的研究 11.消化器外科手術前後における消化管機能に関する生理学的研究 Ⅳ 指導方針など 当教室入局者は、名古屋大学医学部附属病院、または東海地方を中心とする約 40 の関連病院で卒後初期臨床研 修を行うとともに日本外科学会外科専門医制度による外科専門医取得のための外科修練を開始する。2 年間の初 期臨床研修後、原則として卒後4年終了した時点で関連病院間を移動し、偏らない診断能力と手術手技を身に付 け卒後5年終了時を目標に外科専門医を取得する。外科の基礎研修を終了後早い時期から研究に取り組めるよう に、大学院進学希望者には卒後4年経過した時点で大学院を受験するよう指導している。大学院入学後は、約6ヶ 月間附属病院でさらに高度な腫瘍外科学を経験して臨床上の問題点を認識した後、器官調節外科研究室、基礎医 学系教室、あるいは国内外の研究施設において研究期間に入る。大学院生の研究指導に関しては、教室内のみでな く、学内の基礎系教室、国内・外の他研究施設との共同研究・交流を積極的に行っている。学位論文作成後は、大 学院4年間の残された期間を附属病院で臨床研究を行うと同時に後輩の研究指導にあたる。この期間 あるいは大 学院修了後に外国留学してさらに研究を進める選択もある。大学院修了までの期間は原則4年であるが、著しい 業績を挙げたものは3年間で修了できるので、大学院入学者には3年間での研究終了を目標としている。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Kurumiya Y, Nimura Y, Takeuchi E, Nozawa K, Nagino M, Hayata A, Maeda A, Yoshida S : Active form of human hepatocyte growth factor is excreted into bile after hepatobiliary resection J Hepatol 1999;30:22-28 2. Tsugane K, Tamiya-Koizumi K, Nagino M, Nimura Y, Yoshida S : A possible role of nuclear ceramide and sphingosine in ─ 236 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 hepatatocyte apoptosis in rat liver J Hepatol 1999;31:8-17 3. Kimura K, Nishimura H, Hirose K, Matsuguchi T, Nimura Y, Yoshikai Y: Immunogenetherapy of murine fibrosarcoma using IL-15 gene with high translation efficiency Eur J Immunol 1999;29:1532-1542 4. Yamaguchi S, Murata Y, Nagaya T, Hayashi Y, Ohmori S, Nimura Y, Seo H: Glucocorticoids increase retinoid-X receptor alpha (RXRα) expression and enhance thyroid hormone action in primary cultured rat hepatocytes J Mol Endocrinol 1999;22:81-91 5. Mokuno Y, Takano M, Matsuguchi T, Nishimura H, Washizu J, Naiki Y, Nimura Y, Yoshikai Y : Prostaglandin E1 protects against liver injury induced by Escherichia coli infection via a dominant Th2-like response of liver T cells in mice Hepatology 1999;30:1464-1472 6. Hayashi Y, Nishio M, Naito Y, Yokokura H, Nimura Y, Hidaka H, Watanabe Y: Regulation of neuronal nitric-oxide synthase by calmodulin kinase J Biol Chem 1999;274:20597-20602 7. Miyazaki K, Senga T, Matsuda S, Tanaka M, Machida K, Takenouchi Y, Nimura Y, Hamaguchi M : Critical amino acid substitutions in the Src SH3 domain that convert c- Src to be oncogenic Biochem Biophys Res Commun 1999;263:759-764 8. Kurumiya Y, Nozawa K, Sakaguchi K, Nagino M, Nimura Y, Yoshida S : Differential suppression of liver-specific genes in regenerating rat liver induced by extended hepatectomy J Hepatol 2000;32:636-644 9. Kimura K, Nishimura H, Matsuzaki T, Yokokura T, Nimura Y, Yoshikai Y : Synergistic effect of interleukin-15 and interleukin-12 on antitumor activity in a murine malignant pleurisy model Cancer Immunol Immunother 2000;49:71-77 10. Okada Y, Ito Y, Kikuchi A, Nimura Y, Yoshida S, Suzuki M: Assignment of functional amino acids around the active site of human DNA topoisomerase IIα J Biol Chem 2000;275:24630-24638 11. Niwa T, Nimura Y, Niki I : Lack of effects of incretin hormones on insulin release from pancreatic islets in the bile ductligated rats Am J Physiol Endocrinol Metab 2001;280:59-64 12. Taniai H, Suematsu M, Suzuki T, Norimizu S, Hori R, Ishimura Y, Nimura Y: Endothelin B receptor-mediated protection against anoxia-reoxygenation injury in perfused rat liver: Nitric oxide-dependent and –independent mechanisms Hepatology 2001;33:894-901 13. Niwa T, Fukasawa T, Yu W, Nimura Y, Senda T, Ohgawara H, Niki I: Characterization of secretory and morphologic properities of primary cultured endocrine cells from porcine pancreata Pancreas 2001;22:135-140 14. Yamamoto T, Oda K, Miyazaki K, Ichigotani Y, Takenouchi Y, Kamei T, Shirafuji N, Nimura Y, Hamaguchi M, Matsuda S: p73 is highly expressed in myoepithelial cells and in carcinomas with metaplasia Int J Oncol 2001;19:271-276 15. Yoshida K, Tosaka A, Kamiya H, Murate T, Kasai H, Nimura Y, Ogawa M, Yoshida S, Suzuki M: Arg600Ser mutation in Thermus aquaticus DNA polymerase I suppresses T → C transitions: implication of wobble base pair formation at the nucleotide incorporation step Nucleic Acids Research 2001;29:4206-4214 16. Iwahashi N, Nagasaka T, Tezel G, Iwashita T, Asai N, Murakumo Y, Kiuchi K, Sakata K, Nimura Y, Takahashi M: Expression of glial cell line- Derived neurotrophic factor correlates with perineural invasion of bile duct carcinoma American Cancer Society 2002;94:167-174 ─ 237 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 16. Kamei K, Nimura Y, Nagino M, Aono K, Nakashima I: Surgical stress reduces mortality from endotoxin shock Langenbeck’s Arch Surg 2002;386:512-517 17. Iwahashi N, Murakami H, Nimura Y, Takahashi M: Activation of RET tyrosine kinase regulates interleukin-8 production by multiple signaling pathways Biochem Biophys Res Commun 2002;294:642-649 18. Itoh N, Nishimura H, Matsuguchi T, Yajima T, Mokuno Y, Hitomatsu T, Nimura Y, Yoshikai Y: CD8α-deficient mice are highly susceptible to 5-fluorourachi-induced lethality Clin Diagn Lab Immunol 2002;9:550-557 19. Murata T, Nagasaka T, Kamiya J, Nimura Y, Wakai K, Yoshida K, Nakashima N: p5 labeling index in cholangioscopic biopsies in useful for determing spread of bile duct carcinomas Gastrointest Endosc 2002;56:688-695 20. Ebata T, Watanabe H, Ajioka Y, Oda K, Nimura Y: Pathological appraisal of lines of resection for bile duct carcinoma Br J Surg 2002;89:1260-1267 21. Kokuryo T, Yamamoto T, Oda K, Kamiya J, Nimura Y, Senga T, Yasuda Y, Ohno Y, Nakanuma Y, Chen MF, Jan YY, Yeh TS, Chiu CT, Hsieh LL, Hamaguchi M: Profiling of gene expression associated with hepatolithiasis by complementary DNA expression array Int J Oncol 2003;22:175-179 22. Hiromatsu T, Yajima T, Matsuguchi T, Nishimura H, Wajjwalku W, Arai T, Nimura Y, Yoshikai Y: Overexpression of interleukin-15 protects against escherichia coli – induced shock accompanied by inhibition of tumor necrosis factor-α-induced apoptosis J Infectious Disease 2003;187:1442-1451 23. Furuta M, Nozawa K, Takemura M, Izuta S, Murate T, Tsuchiya M, Yoshida K, Taka N, Nimura Y, Yoshida S: A novel platinum compound inhibits telomerase activity in vitro and reduces telomere length in a human hepatoma cell line Int J Cancer 2003;104:709-715 24. Hayashi E, Yasui A, Oda K, Nagino M, Nimura Y, Nakanishi M, Motoyama N, Ikeda K, Matsuura A: Loss of p27 kip1 accelerates DNA replication after partial hepatectomy in mice J Surg Res 2003;111:196-202 25. Komori K, Ajioka Y, Watanabe H, Oda K, Nimura Y: Proliferation kinetics and apoptosis of serrated adenoma of the colorectum Pathology International 2003;53:277-283 26. Norimizu S, Kudo A, Kajimura M, Ishikawa K, Taniai H, Yamaguchi T, Fujii K, Arii S, Nimura Y, Suematsu M: Carbon monoxide stimulates mrp2-dependent excretion of bilirubin-IXα into bile in the perfused rat liver Antioxidants & Redox Signaling 2003;5:449-456 27. Hiromatsu T, Matsuguchi T, Shimizu H, Yajima T, Nishimura H, Arai T, Nimura Y, Yoshikai Y: NK T cells stimulated with a ligand for TLR2 at least partly contribute to liver injury caused by Escherichia coli infection in mice Eur J Immunol 2003;33:2511-2519 28. Ishikawa A, Sasaki M, Ohira S, Ohta T, Oda K, Nimura Y, Chen MF, Jan YY, Yeh TS, Nakanuma Y: Aberrant expression of CDX2 is closely related to the intestinal metaplasia and MUC2 expression in intraductal papillary neoplasm of the liver in hepatolithiasis Lab. Invest 2004;84:629-638 29. Komori K, Ajioka Y, Watanabe H, Oda K, Nimura Y : p21 and Ki67 Expression of Serrated Adenoma of the Colorectum : An Investigation of Cell Differentiation / Maturation and its Relationship with Cell Proliferation Acta Medica et Biologica 2003;51:117-124 30. Hashimoto M, Ichihara M, Watanabe T, Kawai K, Koshikawa K, Yuasa N, Takahashi T, Yatabe Y, Murakumo Y, Zhang ─ 238 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 JM, Nimura Y, Takahashi M: Expression of CD109 in human cancer Oncogene 2004;23:3716-3720 31. Takenouchi Y, Oo ML, Senga T, Watanabe Y, Machida K, Miyazaki K, Nimura Y, Hamaguchi M: Tyrosine phosphorylation of NOS3 in a breast cancer cell line and Src-transformed cells Oncol Rep. 2004;11:1059-1062 32. Takamizawa J, Konishi H, Yanagisawa K, Tomida S, Osada H, Endoh H, Harano T, Yatabe Y, Nagino M, Nimura Y, Mitsudomi T, and Takahashi T: Reduced expression of the microRNAs in human lung cancers in association with shortened postoperative survival Cancer Reseach,2004 2004;64:3753-3756 33. Abe T, Arai T, Ogawa A, Hiromatsu T, Masuda A, Matsuguchi T, Nimura Y, Yoshikai Y: Kupffer cell-derived interleukin-10 is responsible for impaired bacterial clearance in bile duct-ligated mice Hepatology 2004;40:414-423 Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. Kurumiya Y, Nimura Y, Takeuchi E, Nozawa K, Nagino M, Hayata A, Maeda A, Yoshida S : Active form of human hepatocyte growth factor is excreted into bile after hepatobiliary resection J Hepatol 1999;30:22-28 2. Maeda A, Nagino M, Takeuchi E, Sano T, Kurumiya Y, Nimura Y : Interleukin 6 in bile as an indicator of liver function after hepatectomy in patients with biliary tract carcinoma Br J Surg 1999;86:458-464 3. Menjo M, Nimura Y, Hayakawa N, Kamiya J, Kondo S, Nagino M, Miyachi M, Kanai M : Ten-year survival after pancreatoduodenectomy for advanced gastric cancer - report of two cases Hepatogastroenterology 1999;46:1253-1256 4. Hayata A, Takeuchi E, Nagino M, Yoshida S, Nimura Y : Hepatocyte growth factor concentration in rat bile is affected by hepatic resection volume and external biliary drainage J Surg Res 1999;85:71-76 5. 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Hashimoto M, Ichihara M, Watanabe T, Kawai K, Koshikawa K, Yuasa N, Takahashi T, Yatabe Y, Murakumo Y, Zhang JM, Nimura Y, Takahashi M: Expression of CD109 in human cancer Oncogene 2004;23:3716-3720 121. Shibahara H, Tamada S, Goto M, Oda K, Nagino M, Nagasaka T, Batra SK, Hollingsworth MA, Imai K, Nimura Y, Yonezawa S: Pathologic features of mucin-producing bile duct tumors: two histopathologic categories as counterparts of pancreatic intraductal papillary-mucinous neoplasms Am J Surg Pathol 2004;28:327-338 122. Takenouchi Y, Oo ML, Senga T, Watanabe Y, Machida K, Miyazaki K, Nimura Y, Hamaguchi M: Tyrosine phosphorylation of NOS3 in a breast cancer cell line and Src-transformed cells Oncol Rep. 2004; 11:1059-1062 123. Yuasa N, Miyake H, Yamada T, Oda K, Nimura Y, Nagasaka T, Hattori T: Prognostic significance of the location of ─ 247 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 intramural metastasis in patients with esophageal squamous cell carcinoma Langenbeck’s Arch Surg 2004;389:122-127 124. Takamizawa J, Konishi H, Yanagisawa K, Tomida S, Osada H, Endoh H, Harano T, Yatabe Y, Nagino M, Nimura Y, Mitsudomi T, and Takahashi T: Reduced expression of the microRNAs in human lung cancers in association with shortened postoperative survival Cancer Research 2004;64:3753-3756 125. Iwahashi N, Tame E, Nagasaka T, Furuta M, Nagashima H, Nimura Y: Massive Hemorrhage and Pseudo-obstruction of the Small Intestine Caused by Primary AL Amyloidosis Associated with Gastric Cancer; Report of a Case Surg Today (in press) 126. Abe T, Arai T, Ogawa A, Hiromatsu T, Masuda A, Matsuguchi T, Nimura Y, Yoshikai Y: Kupffer cell-derived interleukin-10 is responsible for impaired bacterial clearance in bile duct-ligated mice Hepatology 2004;40:414-423 127. Ando H, Nagino M, Arai T, Nishio H, and Nimura Y: Changes in Splenic Volume during Liver Regeneration World J Surg (in press) 128. Yuasa N, Nimura Y: Survival after surgical treatment of early gastric cancer, surgical techniques, long-term survival Langenbeck’s Arch Surg (in press) ─ 248 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 血 管 外 科 学 Ⅰ 教室の沿革・特色 血管外科分野は外科学第一講座から、血管外科研究班が分離する形で独立した。外科学第一講座では初代齋藤 真教授(1919 年− 1950 年)による世界に先駆けた血管造影法の開発以来、血管外科の研究が大きなテーマであっ た。この伝統は戸田博教授(1950 年− 1953 年) 、橋本義雄教授(1953 年− 1968 年) 、弥政洋太郎教授(1973 年− 1984 年)に引き継がれ、血管外科分野における交感神経外科手術や高圧酸素療法の導入も積極的に推進された。 塩野谷惠彦教授(1984 年− 1991 年)は血管外科が専門であり、血管外科全般の研究が飛躍的に発展した。なかで も Buerger 病に関する数多くの業績は国際的に高く評価された。二村雄次教授(1991 年−)のもとで、引き続き 日本有数の血管外科研究室として研究を継続した。2002 年 4 月には、初代血管外科教授として古森公浩教授が就 任した。日本で初めての血管外科単科の講座の教授であり、大いなる発展が期待される。 大学病院として臨床、 研究、 教育が大事であるのはいうまでもないが、 人間味あふれる臨床医、 研究者を育てるのをモットーとしている。 Ⅱ スタッフ 教 授 古 森 公 浩 講 師 錦 見 尚 道 助 手 小 林 昌 義 医 員 2 名 大 学 院 生 8 名 Ⅲ 研究分野・内容 研究室ではバージャー病の病態と治療を基幹研究として扱ってきたため、バージャー病患者が多く入院してい たが、最近ではバージャー病の新患は激減し、動脈硬化に伴う大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症患者が殆どである。 1970 年代半ば以降我が国でも粥状動脈硬化疾患が増加し、現在では虚血性心疾患と脳血管障害が本邦における 死因の第 2・第 3 位を占める。血管外科医が取り扱う下肢慢性動脈閉塞症例においても、そのほとんどは閉塞性 動脈硬化症(ASO)によるものである。ASO は全身的な動脈硬化の部分症状であるので、この疾患が生命予後不 良因子であることは相違ない事実として受け止められつつある。また ASO による行動範囲の制限は、生活の質 quality of life(QOL)の向上を目指す現代医学の観点からも、早急に解決を望まれる重大な問題である。 動脈 瘤に対する従来の外科的手術はもちろんの事、ステント内挿術も行っており、良好な成績を得ている。また慢性 動脈閉塞症に対しても血行再建術だけではなく PTA、ステントなど血管内治療も施行している。また、重症虚 血肢に対する治療的血管新生療法 として細胞移植療法を 2002 年 12 月より開始し、これまでに6例に施行した。 また、九州大学第二外科、第一病理学教室と共同で FGF 遺伝子を用いた遺伝子治療の準備中である。 静脈疾 患では、1988 年より静脈瘤の硬化療法を他施設に先駆けて行っている。当科では、原則として硬化療法には局 麻下の高位結紮術を併用している。症状が重症な症例に対しては、ストリッピング手術を施行している。 以前 より Vascular technologist の養成にも力を入れており、米国コロラド大学で研修を受け、日本での無侵襲血管 診断検査室の先駆けとなっている。現在では、足関節圧測定、光電式容積脈波、空気容積脈波に始まり、カラー ドップラ超音波診断装置や経皮的酸素分圧などによる動静脈病変の診断などの無侵襲診断法のすべてを高い信頼 性で施行している。 研究は PTA やステント後の再狭窄の原因である血管内膜肥厚や血行再建術後の自家静脈 ─ 249 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 グラフト内膜肥厚の成因の解明、ならびに遺伝子治療の臨床応用、また治療的血管新生療法として細胞移植療法 と遺伝子治療の両面から基礎的、臨床的研究を行いトランスレーショナルリサーチ行っている。 1.血行再建術後晩期閉塞機序とその制御に関する研究 特にウサギを用いて、バルーン擦過モデルや顕微鏡下に自家静脈を移植した自家静脈グラフトを用いて 血管内膜肥厚の成因と予防について、特に最近では炎症との関連について研究を行っている。 2.血管内膜肥厚に対する遺伝子治療に関する研究 FGF の血管新生効果や内膜肥厚抑制効果について研究。 3.重症虚血肢に対する治療的血管新生療法に関する研究 細胞移植療法と遺伝子治療、骨髄単核球と遺伝子治療とのハイブリッド治療や薬物との併用効果 4.バージャー病や血管炎などの成因に対する病理組織学的検討 5.大血管手術時の腸管虚血の評価に関する研究 6.動脈瘤の成因に関する研究 実験的大動脈瘤モデルの作製 7.慢性動脈閉塞症や静脈還流障害の無侵襲診断法に関する研究 8.人工血管感染防御に関する研究 9.イオントフォレーシスを用いた血管疾患の治療に関する研究 Ⅳ 指導方針など 初期研修は旧第一外科として器官調節外科と合同で行っている。医師国家試験合格後は、名古屋大学医学部附 属病院(名大病院) 、あるいは東海地方を中心とする約 45 の関連病院で卒後初期研修を行う。外科専門医制度を 考慮した初期臨床研修から一貫した独自の卒後教育システムをとっており、2年間の初期臨床研修終了後、原則 として卒後4年目に若手医師は関連病院間を異動し、偏らない診断能力と手術手技を身に付ける。外科の基礎研 修を修了後早期から研究に取り組めるように、大学院進学希望者には若手医師交流の時期、卒後4年目で大学院 を受験するよう指導している。大学院入学後は、短期間の名大病院での血管外科学の臨床研修の後、研究期間に 入る。大学院生の研究指導に関しては、血管外科内のみでなく、学内の基礎系教室、国内・外の他研究施設との 共同研究・交流を積極的に行っている。2004 年8月現在、学内生化学教室1名、薬理学教室1名、九州大学病 理学教室1名、国内留学している。論文作成終了後は、大学院での残された期間、専門分野ごとの臨床研修が可 能であり、あるいは外国留学して研究を続行する選択もある。大学院終了までの期間は原則4年であるが、著し い業績を挙げたものは3年間で終了できるので、大学院入学者には3年間での終了を切望する。血管外科および 関連施設で臨床、 研究を修練することにより、 外科学会認定医、指導医、および心臓血管外科専門医が取得できる。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Kobayashi H,Matsushita M,Oda K,Nishikimi N,Sakurai T,Komori K: Effects of atherosclerotic plaque on the enlargement of an experimental model of abdominal aortic aneuurysm in rabbits. Eur J Vasc Endorasc in press,2004. 2. Kuzuya A,Matsushita M,Oda K,Kobayashi M,Nishikimi N,Sakurai T,Komori K: Healing of implanted expanded polytetrafluoroethylene vascular access grafts with different in ternodel distances: a histologic study in dogs. E u r J V a s c Endorasc in press,2004. 3. Watanabe T, Matsushita M, Nishikimi N, Sakurai T, Komori K, Nimura Y: The use of near-infrated spectroscopy with treadmill exercise to assess lower limb ischemia in patients with atherosclerotic occlusive disease. Surg Today, in press. 4. Banno H, Yamanouchi D, Fujita H, Nagata J, Kobayashi M, Matsushita M, Nishikimi N, Komori K: External iliac venous ─ 250 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 aneurysm in a pregnant woman. J.Vasc Surg in press 5. Nishimoto K,Yamaura K,Fukase F,Kobayashi M,Nishikimi N,Komori K: Subcutaneous tissue release of amikacin from a fibrin glue / polyurethane graft. J Infection and Chemotherapy 10:101-104,2004. 6. Shoji T,Yonemitsu Y, Komori K, Tani M, Itoh H, Sata S, Shimokawa H, Hasegawa M, Sueishi K, Maehara Y: Intramuscular Gene Transfer of FGF-2 Attenuates Regenerative Endothelial Dysfunction and Inhibits Neointimal Hyperplasia of Autologous Femoral Vein Grafts in Rabbit Poor Runoff Limbs. Am J Physiol ,285;H173-H182,2003. 7. Mori E, Komori K, Kume M, Yamaoka T, Shoji T, Furuyama T, Inoguchi H: Comparison of the long-term results between surgical and conservative treatment in patients with intermittent claudication. Surgery 131:S269-74, 2002 8. Kume M, Komori K, Matsumoto T, Onohara T, Takeuchi K, Yonemitsu Y, Sugimachi K: Administration of a decoy against the activator protein-1 binding site suppresses neointimal thickening in rabbit balloon-injured arteries. Circulation 105 : 1226-32, 2002 9. Mori E, Komori K, Yamaoka T, Tanii M,Kataoka C, Takeshita A, Usui M, Egashira K, Sugimachi K: Essential role of monocyte chemoattractant protein-1 in development of restenotic changes (neointimal hyperplasia and constrictive remodeling ) after balloon angioplasty in hypercholesterolemic rabbit. Circulation 105: 2905-10, 2002 10. Ohta S, Komori K, Yonemitsu Y, Onohara T, Matsumoto T, Sugimachi K: Intraluminal gane transfer of endothelial cellnitric oxide synthase suppresses intimal hyperplasia of vein grafts in cholesterol-fed rabbit:A limited biological effect as result of the loss of medial smooth muscle cells. Surgery 131 : 644 -53, 2002 11. Masaki I, Yonemitsu Y, Yamashita A, Sata S, Tanii M, Komori K, Nakagawa K, Hou X, Nagai Y, Hasegawa M, Sugimachi K, Sueishi K:Angiogenic gene therapy for experimental critical limb ischemia:acceleration of limb loss by overexpression of vascular endothelial growth factor 165 but not of fibroblast growth factor-2. Circ Res 90: 966-73, 2002 12. Ishida M, Komori K, Yonemitsu Y, Matsumoto T, Onohara T, Sugimachi K:Immunohistochemical phenotipic alterations of rabbit autologous vein grafts implanted under arterial circulation with or without poor distal runoff-implications of vein graft remodeling-. Atherosclerosis, 154: 345-354, 2001 13. Wei CG, Komori K, Mori E, Kume M, Yamaoka T, Matsumoto T, Sugimachi K: Natural course of the functional and morphological changes in canine autogenous arterial graft. Eur Surg Res, 33: 21-27, 2001 14. Matsumoto T, Komori K, Shoji T, Kuma S, Kume M, Yamaoka T, Mori E, Furuyama T, Yonemitsu Y, Sugimachi K: Successful and optimized in vivo gene transfer to rabbit carotid artery mediated by electronic pulse. Gene Therapy, 8 : 1174-1179, 2001 15. Masaki I, Yonemitsu Y, Komori K, Ueno H, Nakashima Y, Nakagawa K, Fukumura M, Kato A, Hasan MK, Nagai Y, Sugimachi K, Hasegawa M, Sueishi K: Reconbinant Sendai virus-mediated gene transfer to vasculature: a new class of efficient gene transfer vector to the vascular system. FASEB Journal, 15 : 1294-1296, 2001 16. Kawasaki, Komori K, Okazaki J, Ozeki Y, Sugimachi K: Inhibition of 12(S)-Hydroxy eicosatetraenoic acid(12-HETE) production suppressed the intimal hyperplasia caused by poor runoff conditions in the rabbit autologous vein grafts. J Cardiovasc Pharmacol 36: 555-563, 2000 17. Onohara T, Komori K, Yamamura S, Fujinaga Y, Sugimachi K:Modulation of platelet aggregation after percutaneous transluminal angioplasty of the iliac artery for atherosclerosis obliterans. Surgery 127: 87-91, 2000 18. Onohara T, Komori K, Kume M, Ishida M, Ohta S, Takeuchi K, Matsumoto T, Sugimachi K: Increased plasma fibrinogen level and future risk of coronary artery disease after repair of abdominal aortic aneurysm. J Am Coll Surgeons, 191: 619-625, 2000 19. Onohara T, Komori K, Kume M, Ishida M, Ohta S, Takeuchi K, Matsumoto T, Sugimachi K:Multivariate analysis of longterm results after an axillobifemoral and aortobifemoral bypass in patients with aortoiliac occlusive disease. J Cardiovasc Surg, 41: 905-910, 2000 ─ 251 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 20. Mawatari K, Muto Y, Komori K, Kawasaki K, Okazaki J, Eguchi D, Kuma S, Ikeda T, Sugimachi K: Value of the profundapopliteal collateral index for selecting between an inflow ans sequential arterial reconstruction in patients with multisegment arterial occlusive disease. J Cardiovasc Surg 41: 79-82, 2000 21. Onohara T, Fujinaga Y, Komori K, Sugimachi K: Increased prostacyclin production after percutaneous transluminal angioplasty of the iliac artery for atherosclerosis obliterans.Panminerava Med 41: 1-4, 1999 22. Kobayashi M, Ito M, Nakagawa A, Nishikimi N, Nimura Y: Immunohistochemical analysis of arterial wall cellular infiltration in Buerger's disease -endarteritis obliterans-. J Vasc Surg 29: 451-458, 1999 23. Kobayashi M, Ito M, Nakagawa A, Matsushita M, Nishikimi N, Sakurai T, Nimura Y: Neutrophil and endothelial cell activation in the vasa vasorum in vasculo-Behcet disease. Histopathology 36: 362-371, 2000 24. Aikawa K, Nishikimi N, Sakurai T, Nimura Y, Sokabe M, Naruse K: SA channel mediates superoxide production in HUVECs. Life Sciences 69: 1717-1724, 200125.Sawasaki N, Iwase S, Mano T: Effect of skin sympathetic response to local or systemic cold exposure on thermoregulatory functions in humans. Autonomic Neuroscience: Basic and Clinical 87: 274-281, 2001 Ⅵ 過去5年間の代表論文・著者名 1. Komori K,Furuyama T,Maehara Y: Influence of Renal Artery Clamp and Dividion of Left Renal Vein on Renal Function during Surgical Resection of Abdominal Aortic Aneurysm. Eur J Vasc Endovasc Surg 27:80-83,2004. 2. Kobayashi H,Matsushita M,Oda K,Nishikimi N,Sakurai T,Komori K:Effects of atherosclerotic plaque on the enlargement of an experimental model of abdominal aortic aneuurysm in rabbits. Eur J Vasc Endorasc in press,2004. 3. Kuzuya A,Matsushita M,Oda K,Kobayashi M,Nishikimi N,Sakurai T,Komori K: Healing of implanted expanded polytetrafluoroethylene vascular access grafts with different in ternodel distances: a histologic study in dogs. Eur J Vasc Endorasc in press,2004. 4. Watanabe T, Matsushita M, Nishikimi N, Sakurai T, Komori K, Nimura Y: The use of near-infrated spectroscopy with treadmill exercise to assess lower limb ischemia in patients with atherosclerotic occlusive disease. Surg Today, in press. 5. Banno H, Yamanouchi D, Fujita H, Nagata J, Kobayashi M, Matsushita M, Nishikimi N, Komori K: External iliac venous aneurysm in a pregnant woman. J.Vasc Surg in press 6. Matsushita M,Kuzuya A,Kobayashi M,Nishikimi N,Ito M,Oba Y,Yano T,Komori K: Buerger's disease in a 19-year-old woman. J Vasc Surg, 38:175-179,2003 7. Shoji T,Yonemitsu Y, Komori K, Tani M, Itoh H, Sata S, Shimokawa H, Hasegawa M, Sueishi K, Maehara Y: Intramuscular Gene Transfer of FGF-2 Attenuates Regenerative Endothelial Dysfunction and Inhibits Neointimal Hyperplasia of Autologous Femoral Vein Grafts in Rabbit Poor Runoff Limbs. Am J Physiol ,285;H173-H182,2003. 8. Mori E, Komori K, Kume M, Yamaoka T, Shoji T, Furuyama T, Inoguchi H: Comparison of the long-term results between surgical and conservative treatment in patients with intermittent claudication. Surgery 131:S269-74, 2002 9. Kume M, Komori K, Matsumoto T, Onohara T, Takeuchi K, Yonemitsu Y, Sugimachi K: Administration of a decoy against the activator protein-1 binding site suppresses neointimal thickening in rabbit balloon-injured arteries. Circulation 105 : 1226-32, 2002 10. Mori E, Komori K, Yamaoka T, Tanii M,Kataoka C, Takeshita A, Usui M, Egashira K, Sugimachi K: Essential role of monocyte chemoattractant protein-1 in development of restenotic changes (neointimal hyperplasia and constrictive remodeling ) after balloon angioplasty in hypercholesterolemic rabbit. Circulation 105: 2905-10, 2002 11. Ohta S, Komori K, Yonemitsu Y, Onohara T, Matsumoto T, Sugimachi K: Intraluminal gane transfer of endothelial cellnitric oxide synthase suppresses intimal hyperplasia of vein grafts in cholesterol-fed rabbit: A limited biological effect as ─ 252 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 result of the loss of medial smooth muscle cells. Surgery 131 : 644-53, 2002 12. Masaki I, Yonemitsu Y, Yamashita A, Sata S, Tanii M, Komori K, Nakagawa K, Hou X, Nagai Y, Hasegawa M, Sugimachi K, Sueishi K:Angiogenic gene therapy for experimental critical limb ischemia: acceleration of limb loss by overexpression of vascular endothelial growth factor 165 but not of fibroblast growth factor-2. Circ Res 90: 966-73, 2002 13. Komori K, Shoji T, Furuyama T, Yonemitsu Y, Mori E, Yamaoka T, Matsumoto T, Sugimachi K: Nonpenetrating vascular clips anastomosis inhibited intimal thcikening under poor runoff conditions in canine autogenous vein grafts. Eur J Vasc End Surg, 21: 241-247, 2001 14. Ishida M, Komori K, Yonemitsu Y, Matsumoto T, Onohara T, Sugimachi K:Immunohistochemical phenotipic alterations of rabbit autologous vein grafts implanted under arterial circulation with or without poor distal runoff-implications of vein graft remodeling-. Atherosclerosis, 154: 345-354, 2001 15. Wei CG, Komori K, Mori E, Kume M, Yamaoka T, Matsumoto T, Sugimachi K: Natural course of the functional and morphological changes in canine autogenous arterial graft. Eur Surg Res, 33: 21-27, 2001 16. Matsumoto T, Komori K, Shoji T, Kuma S, Kume M, Yamaoka T, Mori E, Furuyama T, Yonemitsu Y, Sugimachi K: Successful and optimized in vivo gene transfer to rabbit carotid artery mediated by electronic pulse. Gene Therapy, 8 : 1174-1179, 2001 17. Masaki I, Yonemitsu Y, Komori K, Ueno H, Nakashima Y, Nakagawa K, Fukumura M, Kato A, Hasan MK, Nagai Y, Sugimachi K, Hasegawa M, Sueishi K: Reconbinant Sendai virus-mediated gene transfer to vasculature: a new class of efficient gene transfer vector to the vascular system. FASEB Journal, 15 : 1294-1296, 2001 18. 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Onohara T, Komori K, Yamamura S, Fujinaga Y, Sugimachi K:Modulation of platelet aggregation after percutaneous transluminal angioplasty of the iliac artery for atherosclerosis obliterans. Surgery 127: 87-91, 2000 22. Onohara T, Komori K, Kume M, Ishida M, Ohta S, Takeuchi K, Matsumoto T, Sugimachi K: Increased plasma fibrinogen level and future risk of coronary artery disease after repair of abdominal aortic aneurysm. J Am Coll Surgeons, 191: 619-625, 2000 23. Onohara T, Komori K, Kume M, Ishida M, Ohta S, Takeuchi K, Matsumoto T, Sugimachi K:Multivariate analysis of longterm results after an axillobifemoral and aortobifemoral bypass in patients with aortoiliac occlusive disease. J Cardiovasc Surg, 41: 905-910, 2000 24. Komori K,Takeuchi K, Ohta S, Onohara T, Ishida M, Matsumoto T, Kuma S, Sugimachi K: Factors influencing late survival after abdominal aortic aneurysm repair in Japanese patients. Surgery 125: 545-552, 1999 25. Komori K, Takeuchi K, Ohta S, Funahashi S, Ishida M, Matsumoto T, Onohara T, Kume M, Sugimachi K. Properties of endothelium and smooth muscle cells of canine femoral artery after lumba sympathectomy. Eur J Surg 165: 1086-1090, 1999 26. Komori K, Ishida M, Matsumoto T, Kume M, Ohta S, Takeuchi K, Onohara T, Sugimachi K: Cytokine patterns and the effects of a preoperative steroid treatment in the patients with abdominal aortic aneurysms. Int Angiol 18: 193-197, 1999 ─ 253 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 病態制御外科学 Ⅰ 教室の沿革・特色 明治4年に名古屋大学医学部は始まっているが、明治9年には外科医のアルプレヒト・フォン・ローレッツを 教師として招いた。明治 26 年に外科は第1と第2に分かれ、第2外科は花房道純教授が担当した。大正 15 年か ら第6代として担当した桐原真一教授は昭和7年頃から胃鏡(胃カメラの前身)の開発に携わり、腹部外科を主 に臨床研究を行った。昭和 24 年に今永一教授(第7代)が着任し、門脈圧亢進症の研究を発展させた。この時期 に、肝胆膵、消化器癌、内分泌外科から成る教室の基礎が確立され、星川信教授(第8代) 、近藤達平教授(第9 代)と次々に研究の発展がみられた。高木弘教授(第 10 代)は従来の研究に加えて移植外科を創設し、移植の基 礎研究を進めた。 平成 11 年より、膵癌の外科治療を積極的に進めてきた中尾昭公教授(第 11 代)が就任、消化器外科のみなら ず移植外科にも力を入れ、名古屋大学では初の生体肝移植を行なった。しかし、名古屋大学が大学院大学に移行 したことにより、 第2外科は病態制御外科学(消化器外科)と内分泌・移植外科学の2講座に分かれ、 平成 15 年に、 内分泌・移植外科学の初代教授として、木内哲也教授が就任したため、現在肝移植は木内教授を中心に行なわれ ている。現在、 病態制御外科学講座では消化器癌の診断, 手術, 集学的治療に関する研究が幅広く展開されている。 また、鏡視下手術をはじめとする低侵襲手術の研究と教育については寄付講座を設立し、積極的に推進している。 Ⅱ スタッフ 教 授 中尾 昭公(病態制御外科学) 消化器外科二 講 師 金子 哲也、 竹田 伸 助 手 井上総一郎、 小寺 泰弘、 日比 健志 非常勤講師 杉本 博行、 粕谷 英樹 大 学 院 生 呉 成浩(D4) 、 阪井 満(D4)、 榊間 勝利(D4)、 今村 康宏(D3)、 石川 忠雄(D3) 、 井上 保(D3)、 中山 吾郎(D3)、 横山 裕之(D3)、 下山 理史(D2) 、 榊原 巧(D2)、 藤井 努(D2)、 三澤 一成(D1)、 加藤 公一(D1) 、 山田 豪(D1)、 木下 敬史(D1)、 江口 武彦(D1) 医 員 野本 周嗣、 小池 聖彦、 坪井 賢治、 渡邊 出、 大橋 紀文、 小松 義直、 出口 智宙、 三浦 進一、 福岡 伴樹、 海 外 留 学 小池 千裕、 安冨 元彦、 山下 克也 Ⅲ 研究分野・内容 消化器外科2 ・食道癌、胃癌、結腸/直腸癌の外科治療 ・内視鏡外科の手術手技(食道、胃、大腸) ・内視鏡外科の画像による手術支援 ・術前術後の補助化学療法 ─ 254 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 ・制癌剤感受性試験 ・癌の遺伝子診断 ・癌遺伝子と悪性度 ・肝胆膵疾患の外科治療 ・肝癌に対する低侵襲手術 ・門脈圧亢進症、食道静脈瘤の治療 ・肝胆膵悪性疾患に対する超音波診断 ・癌に対する単純ヘルペスウイルスHF10治療 ・癌集学的治療の臨床試験 Ⅳ 指導方針など 若い教室員、とくに大学院生に対しては、自由に研究テーマを選べるよう指導し、その研究が発展するような 環境作りに努力している。必要に応じて名古屋大学医学部の基礎研究室だけでなく、他学部、他大学および研究 施設との共同研究を積極的に推し進めている。また海外留学に関しても、希望を聞き入れ、できる限りの配慮を している。 Ⅴ 大学院生の業績 《過去5年の大学院生を筆頭著者とする論文を列記する。》 1. Hideki Kasuya et.al. Intraperitoneal delivery of hrR3 and ganciclovir prolongs survival in mice with disseminated pancreatic cancer. Journal of Surgical Oncology 72; 136-141, 1999 2. Hiroyuki Sekiguchi et.al. Phase II trial of 5-flurouracil and low-dose cisplatin in patients with squamous cell carcinoma of the esophagus. Surgery Today 29; 97-101, 1999 3. Ekmel Tezel et.al. Neuroendocrine-like differentiation in patients with pancreatic carcinoma. Cancer 89; 2230-2236, 2000 4. Ekmel Tezel et.al. PGP9.5 as a prognostic factor in pancreatic cancer. Clinical Cancer Research 6; 4764-4767, 2000 5. Takanori Matsui et.al. The ratio of splicing variants of MGC-24/CD164,a sialomucin, correlates with the metastatic potential of colorectal carcinomas. Journal of Biochemistry 127; 1103-1107, 2000 6. Hideki Kasuya et.al. Combined effects of adeno-associated virus vector and a herpes simplex virus mutant as neoplastic therapy. Journal of Surgical Oncology 74; 214-218, 2000 7. Takamasa Tokoro et.al. Adenovirus-mediated IL12 gene therapy for multiple hepatic cancer. Molecular Therapy 1; 162, 2000 8. Seiji Ito et.al. Real-time observation of micrometastasis formation in the living mouse liver using a green fluorescent protein gene-tagged rat tongue carcinoma cell line. International Journal of Cancer 93; 212-217, 2001 9. Ekmel Tezel et.al. Expression of neural cell adhesion molecule in pancreatic cancer. Pancreas 22; 122-125, 2001 10. Hideo Tsunoo et.al. Effects of interferon-βin combination with 5-fluorouracil on the growth of esophageal cancer cells in vitro. Anticancer Research 21; 3301-3306, 2001. 11. Kiyoshi Ishigure et.al. Human liver disease decreases methacrylyl-CoA hydratase and β-hydroxyisobutyryl-CoA hydrolase ─ 255 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 activities in valine catabolism. Clinica Chimica Acta 312; 115-121, 2001 12. Hideki Kasuya et.al. Gene therapy for pancreatic cancer. Hepato-Gastroenterology 48; 957-961, 2001 13. Osamu Okochi et.al. Detection of mitochondrial DNA alterations in the serum of hepatocellular carcinoma patients. Clinical Cancer Research 8; 2875-2878, 2002 14. Shuji Nomoto et.al. Mitochondrial D-loop mutations as clonal markers in multicentric hepatocellular carcinoma and plasma. Clinical Cancer Research 8; 481-487, 2002 15. Taiji Yamazaki et.al. PGP9.5 as a marker for invasive colorectal cancer. Clinical Cancer Research 8; 192-195, 2002 16. Katsumi Koshikawa et.al. Significant up-regulation of a novel gene, CLCP1, in a highly metastatic lung cancer subline as well as in lung cancers in vivo. Oncogene 21; 2822-2828, 2002 17. DaGe Liu et.al. Enzymatic removal of α Gal antigen in pig kidneys by ex vivo and in vivo administration of endo- β galactosidase C. Xenotransplantation 9; 228-236, 2002 18. Hiroshi Nakayama et.al. Molecular detection of p16 promoter methylation in the serum of colorectal cancer patients. Cancer Letters 188; 115-119, 2002 19. Seiji Ito et.al. Quantitative detection of CEA expressing free tumor cells in the peripheral blood of colorectal cancer patients during surgery with real-time RT-PCR on a LightCycler. Cancer Letters 183; 195-203, 2002 20. Seiji Ito et.al. Detection of tumor DNA in serum of colorectal cancer patients. Japanese Journal of Cancer Research 93; 1266-1269, 2002 21. Osamu Okochi et.al. ICG Pulse spectrophotometry for perioperative liver function in hepatectomy. Journal of Surgical Research 103; 109-113, 2002 22. Ekmel Tezel et.al. Characterization of scattered neuroendocrine cells in ductal carcinoma of the pancreas. Pancreas 25; 136-141, 2002 23. Hideo Tsunoo et.al. Effect of transfection with human interferon-β gene entrapped in cationic multilamellar liposomes in combination with 5-Fluorouracil on the growth of human esophageal cancer cells in vitro. Anticancer Research 22; 1537-1544, 2002 24. DaGe Liu et.al. Removal of α-galactosyl antigens from vascular endothelial cells in pig organs by intravenous infusion of endo-β-galactosidase. Transplantation Proceedings 34; 2755, 2002 25. Hideki Kasuya et.al. The potential of gene therapy in the treatment of pancreatic cancer. Drugs of Today 38; 457-464, 2002 26. Osamu Okochi et.al. Methylation-Mediated silencing of SOCS-1 gene in hepatocellular carcinoma derived from cirrhosis. Clinical Cancer Research 9; 5295-5298, 2003 27. Hiroshi Nakayama et.al. Molecular detection of p16 promoter methylation in the serum of recurrent colorectal cancer patients. International Journal of Cancer 105; 491-493, 2003 28. Takamasa Tokoro et.al. Differentiation of acinar cells into acinoductular cells in regenerating rat pancreas. Pancreatology 3; 487-496, 2003 29. Hideto Kimata et.al. Effective treatment of disseminated peritoneal colon cancer with new replication-competent herpes simplex viruses. Hepato-Gastroenterology 50; 961-966, 2003 30. Kiyoshi Ishigure et.al. Pancreatic metastasis from leiomyosarcoma in the back. Hepato-Gastroenterology 50; 1675-1677, 2003 31. Tsunenobu Takase et.al. PGP9.5 overexpression in esophageal squamous cell carcinoma. Hepato-Gasttoenterology 50; ─ 256 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 1278-1280, 2003 32. Takamasa Tokoro et.al. Intraductal papillary mucinous tumor of the pancreas in a young man: report of a case. Surgery Today 33; 138-141, 2003 33. Kazuhiko Hidemura et.al. Shiga-like toxin II impairs hepatobiliary transport of doxorubicin in rats by down-regulation of hepatic P glycoprotein and multidrug resistance-associated protein Mrp2. Antimicrobial Agents & Chemotherapy 47; 1636-1642, 2003 34. Yoshinari Mochizuki et.al. A peptic ulcer in a reconstructed gastric tube perforating the thoracic aorta after esophageal replacement. The Japanese Journal of Thoracic & Cardiovascular Surgery 51; 448-451, 2003 Ⅵ 大学院修了者の進路 引き続き大学での研究を希望する者は、教授、研究室のチーフとの話し合いの上、留学先あるいは大学での研 究が続けられるよう、配慮する。赴任希望者には、2年間いずれかの関連病院で勤務して頂いた上で、希望とニー ズに応じた赴任先の変更等に対応している。 Ⅶ 過去5年間の代表論文・著書名 1. Kenji Hibi et.al. PGP9.5 as a candidate tumor marker for non-small cell lung cancer. American Journal of Pathology 155; 711-715, 1999 2. Akimasa Nakao et.al. Intravascular ultrasonography for assessment of portal vein invasion by pancreatic carcinoma. World Journal of Surgery 23; 892-895, 1999 3. Akimasa Nakao et.al. Peritoneal washings cytology combined with immunocytochemical staining in pancreatic cancer. Hepatogastroenterology 46; 2974-2977, 1999 4. Tetsuya Kaneko et.al. Reversal of portal blood flow after hepatic resection: Evaluation with Doppler ultrasonography. Journal of Medical Ultrasonics 26; 787-793, 1999 5. Tetsuya Kaneko et.al. Intrahepatic anastomosis formation between the hepatic veins in the graft liver of the living related liver transplantation:Observation by Doppler ultrasonography. Transplantation 70; 982-985, 2000 6. Yasuhiro Kodera et.al. Primary gastric B cell lymphoma : Audit of 82 cases treated with surgery and classified according to the concept of mucosa-associated lymphoid tissue lymphoma. World Journal of Surgery 24; 857-862, 2000 7. Tetsuya Kaneko et.al. Experimental studies of new embolizing material for portal vein embolization. HepatoGastroenterology 47; 790-794, 2000 8. Tetsuya Kaneko et.al. Rapid progression of intrahepatic cholangiocarcinoma after drainage of large cystic lesions: Report of a case. Surgery Today 30; 1049-1052, 2000 9. Kenji Hibi et.al. Molecular detection of p16 promoter methylation in the serum of patients with esophageal squamous cell carcinoma. Clinical Cancer Research 7; 3135-3138, 2001 10. Kenji Hibi et.al. AIS overexpression in advanced esophageal cancer. Clinical Cancer Research 7; 469-472, 2001 11. Kenji Hibi et.al. Detection of mitochondrial DNA alterations in primary tumors and corresponding serum of colorectal cancer patients. International Journal of Cancer 94; 429-431, 2001 ─ 257 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 12. Kenji Hibi et.al. Mitochondrial DNA alteration in esophageal cancer. International Journal of Cancer 92; 319-321, 2001 13. Tetsuya Kaneko et.al. Intraoperative ultrasonography by high-resolution annular array transducer for intraductal papillary mucinous tumors of the pancreas. Surgery 129; 55-65, 2001 14. Yasuhiro Kodera et.al. Is Borrmann type IV gastric carcinoma a surgical disease? An old problem revisited with reference to the result of peritoneal washing cytology. Journal of Surgical Oncology 78; 175-181, 2001 15. Akimasa Nakao et.al. Recent advances in diagnosis and treatment of pancreatic cancer. Hepato-Gastroenterology 48; 914-915 2001 16. Akimasa Nakao et.al. The role of extended radical operation for pancreatic cancer. Hepato-Gastroenterology 48; 949-952, 2001 17. Shin Takeda et.al. The role of adjuvant therapy for pancreatic cancer. Hepato-Gastroenterology 48; 953-956, 2001 18. Soichiro Inoue et.al. Molecular diagnosis of pancreatic cancer. Hepato-Gastroenterology 48; 933-938, 2001 19. Tetsuya Kaneko et.al. Intraoperative diagnosis of pancreatic cancer extension using IVUS. Hepato-Gastroenterology 48; 944-948, 2001 20. Seiji Akiyama et.al. Small incisional esophagectomy with endoscopic assistance: evaluation of a new technique. Surgery Today 31; 378-382, 2001 21. Yasuhiro Kodera et.al. Lymph node metastasis in cancer of the middle-third stomach: criteria for treatment with a pyloruspreserving gastrectomy. Surgery Today 31; 196-203, 2001 22. Yasuhiro Kodera et.al. Use of a segment of transverse colon as a gastric substitute after total gastrectomy : an audit 18 patients. Gastric Cancer 4; 60-65, 2001 23. Yasuhiro Kodera et.al. Quantitative detection of disseminated free cancer cells in peritoneal washes with real-time reverse transcriptase: Polymerase chain reaction. A sensitive predictor of outcome for patients with gastric carcinoma. Annals of Surgery 235; 499-506, 2002 24. Yasuhiro Kodera et.al. Extended lymph node dissection in gastric carcinoma: where do we stand after the Dutch and British randomized trials? Journal of the American College of Surgeons 195; 855-864, 2002 25. Kenji Hibi et.al. Colorectal cancers with both p16 and p14 methylation show invasive characteristics.Japanese Journal of Cancer Research 93; 883-887, 2002 26. Tetsuya Kaneko et.al.Power Doppler ultrasonography for the assessment of vascular invasion by pancreatic cancer. Pancreatology 2; 61-68, 2002 27. Tetsuya Kaneko et.al.Clinical studies of new material for portal vein embolization: comparison of embolic effect with different agents. Hepato-Gastroenterology 49; 472-477, 2002 28. Yasuhiro Kodera et.al. Quantitative detection of disseminated cancer cells in the greater omentum of gastric carcinoma patients with real-time RT-PCR: a comparison with peritoneal lavage cytology. Gastric Cancer 5; 69-76, 2002 29. Kenji Hibi et.al. A cancer-prone case with a background of methylation of p16 tumor suppressor gene. Clinical Cancer Research 9; 1053-1056, 2003 30. Kenji Hibi et.al. Identification of S100A2 as a target of the ∆Np63 oncogenic pathway. Clinical Cancer Research 9; 4282-4385, 2003 31. Kenji Hibi et.al. Methylation pattern of HLTF gene in digestive tract cancers. International Journal of Cancer 104; 433-436, 2003 ─ 258 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 32. Akimasa Nakao et.al. Chimerism and tolerance in rat recipients of intestinal allografts from ALS-treated donors with and without adjunct naive-donor-strain bone-marrow cells. Transplantation 75; 1575-1581, 2003 33. Akimasa Nakao et.al. Total pancreatectomy with segmental duodenectomy for benign or low-grade malignancy tumors of the whole pancreas. Hepato-Gastroenterology 50; 912-914, 2003 34. Tetsuya Kaneko et.al. Doppler ultrasonography for postoperative hepatofugal portal blood flow of the intrahepatic portal vein. Hepato-Gastroenterology 50; 1825-1829, 2003 35. Akimasa Nakao et.al. Immunomodulatory effects of inhaled carbon monoxide on rat syngeneic small bowel graft motility. Gut 52; 1278-1285, 2003 36. Akimasa Nakao et.al. Debate: extended resection for pancreatic cancer; the affirmative case. Journal of Hepato-BiliaryPancreatic Surgery 10; 57-60, 2003 37. Tetsuya Kaneko et.al.Radiofrequency ablation therapy for malignant hepatic tumours: comparison of two procedures. HPB 5; 19-26, 2003 38. Yasuhiro Kodera et.al. Follow-up surveillance for recurrence after curative gastric cancer surgery lacks survival benefit. Annals of Surgical Oncology 10; 898-902, 2003 ─ 259 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 内分泌・移植外科学 Ⅰ 教室の沿革・特色 内分泌・移植外科学分野は、旧外科学第二講座が病態制御外科学と二分する形で生まれ、臨床領域としても新 たに乳腺・内分泌外科と移植外科という二つの診療科が確立された。明治 26 年に第1と第2に別れた外科学教室 が、領域別に再編されるという動きの中で、その先駆けの役割を果たしている。 移植外科学の領域では、旧外科学第二講座時代には実験移植の研究基盤が作られ、特に異種移植の基礎研究で は多くの業績が残された。続いて、 1998 年 11 月からは小児外科学分野と共同で臨床生体肝移植の試みが始められ、 この時代に脳死肝移植の認定施設として認められている。2003 年 1 月には、本学を肝移植医療の臨床・研究の中 心的施設に育てるという使命を受けて、独立後の初代教授として木内哲也教授が就任し、生体・脳死肝移植診療 の統括を担当している。現在、生体肝移植を中心とした肝移植臨床では既にこの地域をリードしており、学際的 共同研究を含めた臨床・研究面の活動は加速度的に活発化している。 内分泌外科学の領域は、1950 年代に副腎班として発足したグループがはじまりで、名大病院内では長らく副腎 グループと呼ばれていた。外科的内分泌療法として進行・再発乳癌に卵巣副腎全摘術が行われた歴史的な経緯か ら乳癌診療も担当していた。1970 年代後半からは甲状腺、副甲状腺、膵内分泌腫瘍の外科治療も積極的に担当す るようになり、現在の研究室の臨床的基盤が確立された。1970 年代はラジオイムノアッセイ、1980 年代後半から は分子生物学を基礎研究の中心的手段として用い多くの成果をあげてきた。内分泌内科との太い連携のもとに愛 知、岐阜、三重県を中心に中部地区の乳腺・内分泌外科の症例が集積し多くの臨床的研究を行い、また基礎研究 室との長い共同研究の歴史を持っている。1990 年以降は日本の内分泌外科の中でも最大規模のマンパワーを持続 して活発に活動している。 Ⅱ スタッフ 教 授 木 内 哲 也 講 師 今 井 常 夫(乳腺・内分泌外科学 担当) 助 手 尾 池 文 隆(移植外科学 担当) 非常勤講師 2 名、医員 3 名、大学院生 4名、客員研究者 1名 Ⅲ 研究分野・内容 移植外科学では、臓器移植医療、特に肝移植臨床の成績向上に直結する諸問題についての研究を中心に行って いる。肝移植の対象となる疾患は、胆汁鬱滞性疾患、代謝性疾患、ウイルス性その他の肝硬変、劇症肝炎、さら に肝腫瘍と大変幅広く、また対象とする年齢も乳児から高齢者まで分布しているため、肝臓病学全体についての 幅広い知識が要求される。さらに、消化器外科学・肝胆道外科学・血管外科学・小児外科学にまたがる幅広い技 術・素養に加え、免疫学・感染症学・薬理学・ウイルス学・代謝学さらに医療心理・社会・経済学など広汎な領 域の情報が必要となるため、最低限の移植臨床研修を経た後でなければ、実りある研究に結びつく基盤を作るこ とが難しい。 移植医療のシステム、適応と安全性向上に関わる内科的・外科的問題、臨床移植免疫、移植感染症、社会倫理 経済面の諸問題を研究対象とするが、特に生体肝移植では、bed-side で得られた発想が、現在でも国際的研究に ─ 260 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 結びつく場合が少なくない。その研究対象は広く、臨床・基礎の関連領域と連携した研究活動も考慮する。 研究テーマ(例): 1. 部分移植肝における血行動態と再生・機能 2. 移植感染症の病態と制御 3. 臓器移植における腫瘍免疫・感染免疫・同種免疫とその制御 4. 移植後における肝炎ウィルス制御 5. 移植医療における倫理・社会・心理・医療経済的諸問題 内分泌外科学では、乳腺・内分泌疾患に関する臨床、基礎研究を幅広く行っている。甲状腺、副甲状腺、副腎 に関する外科的内分泌疾患の症例が多数集積するため、臨床データを使った多様な研究を行うことが可能である。 乳癌は年間 70 例程度とがんセンターと比較すると多くないが、倫理委員会、IRB などの審査機関が充実してい るためその承認を得ることにより一般病院では行えない臨床研究を積極的に行うことが可能である。他分野との 共同研究である学部の壁を越えたトランスレーショナルリサーチに参加することもできる。基礎研究は基礎医学 教室の協力分野へ出向して、乳腺・内分泌外科に関係したテーマで分子生物学的手法を用いた研究に専念するこ とにより、高いレベルの成果を挙げられるように指導している。 研究テーマ(例): 1. 副腎疾患、乳腺疾患、甲状腺疾患、上皮小体機能亢進症の外科治療 2. 副腎内視鏡外科 3. 乳癌化学内分泌療法の臨床と基礎研究 4. 多発性内分泌腺腫瘍症の外科治療、遺伝子診断、発症メカニズムの研究 5. 副腎皮質ホルモン過剰症の発症メカニズムの研究 6. 甲状腺疾患、上皮小体疾患の最適な外科治療の開発 7. 副腎、上皮小体疾患に特異的な遺伝子の同定と機能解析 8. 乳癌に対する単純ヘルペスウイルス HF 10 療法の基礎、臨床研究 9. 抗体付きマグネトリポソームを使用する乳癌温熱免疫療法の開発 Ⅳ 指導方針など 初期研修は病態外科学講座の他の分野と合同で行っており、卒後臨床研修センターに所属して、大学病院ある いは東海地方を中心とする関連病院で卒後初期研修を行う例が多いが、いわゆる関連病院経由以外の経歴をもつ 者も歓迎する。 外科専門医制度を考慮した卒後教育システムの中で、希望があれば市中病院では経験できない大学病院の臨床 を早期に体験する機会も考慮する。特に移植外科領域では、消化器外科一般の臨床的素養が基盤となるため、こ れを研修期間のうちに身につけていることが要求される。内分泌外科学においても一般外科の研修を終了してか ら乳腺・内分泌外科の大学院へ入学することを推奨するが、自分の専門性に早く特化したい希望者に対しては大 学病院での乳腺・内分泌外科の臨床に早期から携わる機会も考慮する。 大学院入学後は、附属病院での一定の臨床研修の後、研究期間にはいる。大学院生の研究については、研究の 前提として臨床的視点が重要であるが、移植外科・内分泌外科内のみでなく、必要なら学内の基礎系教室、国内 外の研究施設との共同研究も考慮する。移植外科学では、研究を含めた臨床移植におけるスペシャリストの育成 を目標にしており、論文作成終了後も臨床研修を続けることが必要であるが、臨床面・研究面における海外留学 の機会も奨励し、紹介する。内分泌外科学では、大学院生のあいだに基礎研究と臨床研修の両方を経験すること を前提としている。どちらを先に行うかは大学院生の興味の持ち方によっても異なるが、理想的には 2 年間基礎 研究、2 年間臨床研修を行うことが望ましい。基礎研究は関連する基礎教室へ出向して基礎研究に没頭すること ─ 261 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 を奨励している。臨床研修では副腎疾患、副甲状腺疾患、多発性内分泌腺腫瘍症など稀な疾患を担当すること、 および乳癌、甲状腺疾患などを専門家として診療できるようにすることを目標とする。大学院卒業後、希望者に は基礎研究で海外留学の機会もある。 Ⅴ 大学院生の業績 《移植外科学》 1. 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Virilizing adrenocortical adenoma: In vitro steroidogenesis, immunohistochemical studies of steroidogenic enzymes, and gene expression of corticotropin receptor. Surgery 1999; 125, 396-402 23. Imai T, Tanaka Y, Kikumori T, Ohiwa M, Matsuura N, Mase T, Funahashi H. Laparoscopic partial adrenalectomy. Surgical Endoscopy 1999; 13, 343-345 24. Imai T, Kikumori T, Ohiwa M, Matsuura N, Mase T, Funahashi H. A case controlled study of laparoscopic compared to open lateral adrenalectomy. American Journal of Surgery 1999; 178, 50-53 25. Hayashi Y, Yamamoto M, Ohmori S, Kikumori T, Imai T, Funahashi H, Seo H. Polymorphism of homopolymeric glutamines in coactivators for nuclear hormone receptors. Endocrine Journal 1999; 46, 279-284 ─ 267 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 26. Funahashi H, Imai T, Tanaka Y, Tsukamura K, Hayakawa Y, Kikumori T, Mase T, Itoh T, Nishikawa M, Hayashi H, Shibata A, Hibi Y, Takahashi M, Narita T. Wakame seaweed suppresses the proliferation of 7,12-dimethylbenz(a)anthracene-induced mammary tumors in rats. Japanese Journal of Cancer Research 1999; 90, 922-927 27. Hayakawa Y, Tanaka Y, Funahashi H, Imai T, Matsuura N, Oiwa M, Kikumori T, Mase T, Tominaga Y, Nakao A. Hyperphosphatemia accelerates parathyroid cell proliferation and parathyroid hormone secretion in severe secondary parathyroid hyperplasia. Endocrine Journal 1999; 46, 681-686 ─ 268 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 胸部機能外科学/胸部構築外科学 Ⅰ 教室の沿革・特色 胸部外科教室は昭和 58 年に、第一外科の心臓外科研究グループおよび第二外科の心臓血管外科研究グループ、 肺外科研究グループが合併して胸部外科学講座が新設され、昭和 60 年 4 月に、医学部附属病院に胸部外科の診療 科が新設された。その主な専門領域は心臓血管外科、 呼吸器外科である。平成 11 年 8 月、 上田裕一教授が就任し、 教育、研究、診療の各面の向上にむけて更なる努力を行っているが、平成 12 年 4 月、大学院重点化に伴い、胸部 機能外科学(心臓外科) ・胸部構築外科学(呼吸器外科)の両講座として新たなスタートを切り、平成 15 年 1 月 から附属病院の診療科も心臓外科と呼吸器外科に独立した。平成 16 年 5 月に横井香平助教授が呼吸器外科部長に 就任し、名実ともに 2 つの診療科として再スタートを切った。平成 16 年 8 月現在、関連施設は心臓外科 18、呼 吸器外科 24 施設あり、関連施設と教室とが一体となり、卒後研修、臨床水準の向上、基礎および臨床研究の推進 を図っている。 Ⅱ スタッフ 胸部機能外科学(心臓外科) 教 授 上田 裕一(医学博士) 助 教 授 碓氷 章彦(医学博士) 講 師 秋田 利明(医学博士) 助 手 吉川 雅治(医学博士) 大 学 院 生 6名 医 員 7名(社会人大学院7名) 研 究 生 1名 胸部構築外科学(呼吸器外科) 助 教 授 横井 香平(医学博士) 助 手 吉岡 洋(医学博士) 大 学 院 生 3名 医 員 4名(社会人大学院2名) その他、病院の部局に 2 名の助手を派遣している。 Ⅲ 研究分野・内容 A. 基礎的研究テーマ a. 心臓外科グループ 1.心筋保護法 2.体外循環、低体温・逆行性臓器灌流の病態生理 3.補助循環、補助心臓、人工心臓、人工肺 4.心臓移植、心肺移植、肺移植、心筋細胞移植 5.再生医学、組織工学による代用弁・代用血管 6.心拍動下心内構造の観察 ─ 269 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 b. 呼吸器外科グループ 1.肺癌の臨床病理、免疫組織化学 2.腫瘍マーカー、制癌剤の感受性、腫瘍遺伝子解析 B. 臨床研究テーマ a. 心臓外科グループ 1.先天性、後天性心疾患の外科治療 2.虚血性心疾患の外科治療 3.不整脈の外科治療 4.胸部大動脈瘤の外科治療 5.重症心不全の外科治療 b. 呼吸器外科グループ 1.肺癌の外科治療、補助科学療法 2.縦隔悪性腫瘍の外科治療 Ⅳ 指導方針など 大学院教育は卒後教育期間の一環と位置づけ、心臓外科・呼吸器外科専門医実地修練に準拠した臨床指導およ び academic support を行う。原則として外科専門医取得または相応時に社会人大学院生として入学し、1年間 以上の臨床研修を医学部附属病院で行う。臨床研究実施、全国学会発表、論文作成を行い、4年間で心臓外科・ 呼吸器外科専門医取得に必要な業績を挙げるとともに、学位論文相応の研究を行う。入学試験は9月、1月の年 2回行われるが、年次により応募要項が異なるため、入学希望者は新規募集要項の郵送を教室に申し出る。胸部 外科の他に , 原則として基礎医学の指導教授を選び、基礎医学教室で研究指導を受ける。在籍期間の 1/2 を越え ない期間の国内 or 海外留学が可能である。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Yamada K, et al. Characterization of CD4+ CD8αα+ and CD4 − CD8αα+ intestinal intraepithelial lymphoytes in rats. International Immunology 11: 21-28, 1999. 2. Mizutani S, Usui A, Akita T, Ueda Y. The value of caval division in the maze procedure with valve surbery. Eur J Cardiothorac Surg 22: 822-824, 2002. 3. Hagiwara H. Mid-term Structural Change in the Radial Artery Grafts after Coronary Artery Bypass Grafting. in press. 4. Narita Y. Novel Pulse Duplicating Bioreactor System for Tissue-Engineered Vascular Construct. In press. 5. Maekawa A. Overexpression of calpastatin by gene transfer prevents troponin I degradation and ameliorates contractile dysfunction in rat hearts subjected to ischemia/reperfusion. in press. 6. Mori S. Fujii G, Ishida H, Tomari S, Matsuura A, Yoshida K. Atrial flutter after coronary artery bypass grafting. :Proposed mechanism as illuminated by independent predictors. Annals of Thoracic and Cardiovascular Surgery Vol. 9. No. 1: 50-56, 2003 February. 7. Asai T. Real-time Studies of Pivot Bearings in the NEDO Gyro PI-710 Centrifugal Blood Pump. in press. 8. Usami N, Sekido Y, Maeda O, Yamamoto K, John D Minna, Hasegawa Y, Yoshioka H, Imaizumi M, Ueda Y, Takahashi M, Shimokata K. β-catenin inhibits cell growth of a malignant mesothelioma cell line, NCI-H28, with a 3p21.3 homozygous ─ 270 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 deletion. Oncogene, 22: 7922-7930, 2003. Nature Publishing Group. 9. Uchiyama M. Usami N, Kondo M, Mori S, Ito M, Ito G, Yoshioka H, Imaizuni M, Ueda Y, Takahashi M, John D. Minna, Shimokata K, Sekido Y. LOSS OF HETEROZYGOSITY OF CHROMOSOME 12p DOES NOT CORRELATE WITH KRAS MUTATION IN NON-SMALL CELL LUNG CANCER. Int. J. Cancer: 107: 962-969, 2003. Ⅵ 大学院修了者の進路 過去5年間の大学院修了者は公的病院の心臓・呼吸器外科医として赴任あるいは海外留学している。海外留学 希望者に対しては、在学中(上記) 、修了後を問わず可能な限り斡旋を行っている。現在の教官定員の枠は少な いため、教官採用は不定期であるが、応募可能である。 Ⅶ 過去5年間の代表論文 1. Ueda Y. Retrograde Cerebral perfusion in Aortic Arch Surgery During Hypothermic Circulatory Arrest: Analysis of Risk Factors for Mortality and Morbility. Diseases of the aorta. Buenos Aires University of Moron: 405-412, 2001. 2. Ueda Y. Continuous Retrograde Cerebral Perfusion:Brain Protection During Aortic Surgery with Hypothermic Circulatory Arrest. Cardio-aortic and Aortic Surgery. 7:53-59: 2001. 3. Yokoi K, Matsuguma H, Anraku M. Extrapleural pneumonectomy for lung cancer with carcinomatous pleuritis. J Thorac Cardiovasc Surg 2002; 123: 184-185. 4. Yokoi K, Tsuchiya R, Mori T, Nagai K, Furukawa T, Fujimura S, Nakagawa K, Ichinose Y. Results of surgical treatment of lung cancer involving the diaphragm. J Thorac Cardiovasc Surg 2000; 120: 799-805. 5. Yokoi K, Kamiya N, Matsuguma H, Machida S, Hirose T, Mori K, Tominaga K. Detection of brain metastasis in potentially operable non-small cell lung cancer: a comparison of CT and MRI. Chest 1999; 115:714-719. 6. Usui A, Yasuura K, Watanabe T, Maseki T. Comparative Clinical Study between Retrograde Cerebral Perfusion and Selective Cerebral Perfusion in Surgery for Acute Type A Aortic Dissection. European J Cardio Thoracic Surgery. 15;571-578,1999 7. Usui A, UedaY, Watanabe T, Kawaguchi O, Ohara Y, Takagi Y. Repetitive atrial flutter complicates with left side simple maze procedure. Ann Thorac Surg 73:1457-9, 2002 8. Usui A, Fujimoto K, Ishiguchi T, Yoshikawa M, Akita T, Ueda Y. Cerebrospinal dysfunction after endovascular stentgrafting via median-sternotomy (frozen elephant trunk procedure). Ann Thorac Surg. 74:S1821-24,2002. ─ 271 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 小 児 外 科 学 Ⅰ 教室の沿革・特色 名古屋大学における小児外科の歴史は昭和 43 年に第一外科に小児外科研究班が認められたことに始まる。昭 和 60 年に伊藤喬廣先生が分院外科に就任されてからは第一外科小児外科研究班と協力しながら、実質的な名古 屋大学小児外科学教室として小児外科の専門的診療、教育、および研究活動を行った。平成8年 12 月に分院が 本院に統合されるに当り、名古屋大学小児外科グループは再び本院において一つにまとまり、診療、教育、研究 活動を開始した。平成9年に小児外科診療科が新設され、平成 10 年5月には小児外科初代教授として安藤久實 先生が就任され、名実共に名古屋大学小児外科教室が誕生した。平成 12 年4月には名古屋大学の大学院大学と しての再構築に伴い、病態外科学講座小児外科分野として大学院の教育にも重点を置くことになった。名古屋大 学小児外科教室は従来より行ってきた胆道閉鎖症、先天性胆道拡張症、小児腫瘍、ヒルシュスプルング病、鎖肛、 先天性食道閉鎖症などの臨床・研究に加え、生体部分肝移植、体外循環回路を用いての呼吸補助(ECMO)、内 視鏡手術など、最新の治療にも積極的に取り組んでおり、最近では胆管細胞を主とした再生医療の研究も進めて おり、常に小児外科治療の最先端に位置するよう努力している。なお、当教室は日本小児外科学会の認定施設で あり、日本小児外科学会総会を始め多くの研究会を開催しており、学会の指導的立場にもある。また、小児外科 医の育成にも努め、名古屋大学小児外科研究班出身者・教室員は 40 名に達している。教室開設以来、12 名の新 入局者があったが、彼らは国内留学、海外留学など他施設との交流を深めながら、名古屋大学小児外科教室の明 日を担う人材として大いなる期待がかけられている。 Ⅱ スタッフ 教 授 安 藤 久 實(医学博士) 助 教 授 瀬 尾 孝 彦(医学博士) 講 師 金 子 健一朗(医学博士) 医 員 小 野 靖 之 医 員 城 田 千代栄 医 員 和 田 英 見 医 員 田井中 貴 久 大 学 院 生 小 倉 行 雄 Ⅲ 研究分野・内容 1.膵胆管合流異常における胆道の組織学的,免疫組織的研究および胆汁の生化学的研究 ・ネコを用いての胆管拡張を伴わない膵胆管合流異常モデルの作製 ・膵胆管合流異常における免疫組織染色法による胆嚢・胆管上皮の検討 ・胆道拡張症における胆嚢と胆管の神経分布の研究 ・胆道拡張症の胆管拡張の成因に関する研究 ・先天性胆道拡張症、膵胆管合流異常に合併する肝内、膵内胆管の異常、合併する肝内結石、膵石の成因に関 する研究 ─ 272 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 2.小児消化管疾患の生理学的分子生物学的検討 ・Hirschsprung 病における腸管神経の異常についての検討 ・食道閉鎖症におけるペースメーカー細胞の発達異常についての研究 ・Hirschsprung 病ラットにおける ret proto-oncogene products の発現 ・Hirschsprung 病ラットにおける neurocalcin ・Hirschsprung 病類縁疾患における腸管運動異常についての研究 ・ラット胎仔における腸管神経の系統発達について ・Whole-mount 標本を用いた Hirschsprung 病と類縁疾患腸管の外来神経分布に関する研究 3.小児外科学領域における人工臓器の開発と治療の研究 ・新生児・小児用の完全自動制御血液ポンプの開発と改良、新生児呼吸不全に対する体外循環人工肺治療 (ECMO)への臨床応用 ・VA-ECMO 下の心機能、冠血流量、心筋酸素消費量の変化の研究 ・肝静脈―門脈バイパスによる小児生体内分離肝灌流法の開発と、肝と全身組織の生化学的変化、電顕を中心 とした組織学的変化の検討 ・生体内分離肝灌流中の肝と全身の代謝学的変化の検討と、正常代謝の維持に関する研究 4.胆道閉鎖症患児の肝の組織学的、生化学的研究 ・抗 PCNA 抗体を用いての肝小葉と門脈領域の肝細胞、胆管上皮細胞の免疫組織化学的検討 ・高速液体クロマトグラフィーを用いての胆汁ビリルビン分画の変動と減黄効果についての検討 ・肝門部空腸吻合術手術法の検討と術前術後管理についての研究 ・胆道閉鎖症黄疸遷延例に対する部分的切除の減黄効果に関する検討 5.生体部分肝移植の臨床的研究 ・生体部分肝移植術後の肝機能障害の成因に関する研究 ・肝移植術後の肝血行動態の超音波学的検討 6.小児悪性腫瘍の臨床的検討 ・進行神経芽腫の治療法に関する検討 ・肝芽腫に対する術前化学療法と遅延的一期的切除術による縮小手術の検討 7.再生医療の小児外科への応用 ・ES 細胞を用いた肝細胞と胆管細胞の再生 ・胆管細胞の培養、増殖と細胞移植 Ⅳ 指導方針など 現在、日本小児外科学会の制定した小児外科認定医制度規則で認められた教育カリキュラムに基づき小児外科 の卒後教育を実施している。小児外科の研修に先立ち一般外科等の研修を約4年間行い、日本外科学会の実施す る外科認定医の資格を取得する必要があるため、臨床研修を含めて最低4年間を一般外科研修に充てる。一般外 科手術の修得度により卒後4から 5 年経過した後に帰局し、小児外科の専門トレーニングに入る。基本的には大 学院生も帰局前のコースは同様である。帰局後は大学院生、医員および研究生として小児外科に関する研究に従 事するが、大学院生は一定期間、小児外科あるいは、基礎系教室において研究に専念することになる。小児外科 医としての研修期間に日本小児外科学会の実施する認定医試験に合格し、認定医の資格を取得することが可能で ─ 273 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 ある。大学院修了後は小児専門施設での小児外科臨床研修を行うとともに、海外あるいは国内留学をして更なる 小児外科学の研究を行うこともできる。 Ⅴ 大学院生の業績 《大学院生が first author の論文》 1. Takahiko Seo, Takahiro Ito, Kenji Iio, Junji Kato, Hiroyuki Takagi: Experimental study on the hemodynamic effects of veno-arterial extracorporeal membrane oxygenation with an automatically driven blood pump on puppies. Artif Organs 15: 402-407, 1991 2. Takahiko Seo, Takahiro Ito, Yukio Ishiguro, Hisami Ando, Kenji Iio, Takashi Umeda, Yoshihiko Kishida: Lymphangioma of the right diaphragm. Pediatr Surg Int 7: 384-386, 1992 3. Takahiko Seo, Takahiro Ito, Yukio Ishiguro, Hiroyuki Takagi: New neonatal extracorporeal membrane oxygenation circuit with a self-regulating blood pump. Surgery 115: 463-472, 1994 4. Fujio Ito, Hisami Ando, Yoshio Watanabe, Takahiro Ito: Serum bilirubin fractions in cholestatic pediatric patients: Determination with micronex high-performance liquid chromatography. J Pediatr Surg 30: 596-599, 1995 5. Fujio Ito, Takahiko Seo, Takahiro Ito, Takashi Umeda, Hisami Ando, Hiroyuki Takagi: Development of an isolated perfusion circuit with double bypass using automatic blood pumps. Artif Organs 19: 866-869, 1995 6. Fujio Ito, Hisami Ando, Kenji Iio, Yukio Ishiguro, Takahiro Ito: The prognostic significance of biliary bilirubin Conjugates in biliary atresia. Eur J Pediatr Surg 5: 271-273, 1995 7. Hiroyuki Iwata, Takahiro Ito, Tatsuro Mutoh, Yukio Ishiguro, H. Xiao, Michinari Hamaguchi: Abundant but inactive-states gp140proto-trk is expressed in neuroblastomas of patients with good prognosis. Jpn J Cancer Res 85: 32-39, 1994 8. Kenitiro Kaneko, Hisami Ando, Takahiro Ito: Continuous percutaneous cyst drainage for multicystic kidney. Nagoya J Med Sci 56: 123-127, 1993 9. Kenitiro Kaneko, Hisami Ando, Takahiro Ito: Ultrasonographic diagnosis of incomplete torsion of the gallbladder. Ann Rept Nagoya Univ Br Hosp 27: 46-50, 1993 10. Kenitiro Kaneko, Hisami Ando, Takahiro Ito, Kenji Kasai, Yoshio Watanabe, Takahiko Seo: Increased cell proliferation and transforming growth factor-_ (TGF_) in the gall-bladder epithelium of patients with pancreaticobilliary maljunction. Pathol Int 46: 253-260, 1996 11. Kenitiro Kaneko, Hisami Ando, Takashi Umeda, Osamu Murahashi, Katsumasa Hiraiwa, Norihiro Niimi, Moazzem M. Hossain, Takahiro Ito: A new model for pancreaticobiliary maljunction without bile duct dilatation: Demonstration of cell proliferation in the gallbladder epithelium. J Surg Res 60: 115-121, 1996 12. Moazzem M. Hossain, Osamu Murahashi, Hisami Ando, Kenji Iio, Kenitiro Kaneko, Takahiro Ito: Immunohistochemical study of proliferating cell nuclear antigen in hepatocytes of biliary atresia: A parameter to predict clinical outcome. J Pediatr Surg 30: 1297-1301, 1995 13. Moazzem M. Hossain, Osamu Murahashi, Hisami Ando, Kenitiro Kaneko, Takahiro Ito: Proliferation of intrahepatic bile duct epithelium in biliary atresia. -A useful predictor of clinical outcome- Pediatr Surg Int 11:126-129, 1996 Ⅵ 大学院修了者の進路 ・平成6年度の修了者:市民病院小児外科副部長→小児外科講師、1名、帰国者、1名 ・平成5年度の修了者:市民病院小児外科部長、1名 ─ 274 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 ・平成2年度の修了者:アメリカ留学後小児外科助手→助教授、1名 Ⅶ 過去5年間の代表論文・著書名 1. Kaneko K, Ando H, Watanabe Y, Seo T, Harada T: Pathologic changes in the common bile duct of an experimental model with pancreaticobiliary maljunction without biliary dilatation. Pediatr Surg Int 16: 26-28, 2000 2. Kaneko T, Kaneko K, Sugimoto H, Inoue S, Hatsuno T, Sawada K, Ando H, Nakao A: Intrahepatic anastomosis formation between the hepatic veins in the graft liver of the living related liver transplantation: observation by Doppler ultrasonography. Transplantation 70:982-985, 2000 3. Watanabe Y, Ando H, Seo T, Katsuno S, Marui Y, Horisawa M: Two-dimensional alterations of myenteric plexus in jejunoileal atresia. J Pediatr Surg 36: 474-478, 2001 4. Kaneko K, Ando H, Watanabe Y, Seo T, Nagino M, Kamiya J, Nimura Y: Aggressive preoperative management and extended surgery for inflammatory pseudotumor involving the hepatic hilum in a child. Surgery 129:757-760, 2001 5. Seo T, Ando H, Watanabe Y, Harada T, Ito F, Kaneko K, Katsuno S, Marui Y, Ochiai K: Colonic atresia and Hirschsprung's disease: Importance of histologic examination of the distal bowel. J Pediatr Surg 36:E19, 2002 6. Watanabe Y, Ando H, Seo T, Katsuno S, Marui Y, Ono Y, Torihashi S: Attenuated nitrergic inhibitory neurotransmission to interstitial cells of Cajal in the lower esophageal sphincter with esophageal achalasia in children. Pediatr Int 44: 145-148, 2002 7. Kaneko K, Ando H, Seo T: Intrahepatic calculi after bile duct excision for pancreaticobiliary maljunction. Koyanagi Y, Aoki T (eds) Pancreaticobiliary maljunction Igaku Tosho, Tokyo, 2002; pp 375-382. 8. Kaneko K, Ando H, Tsuda M: New surgical procedure for sliding inguinal hernia repair in female infants and girls. J Am Coll Surg 194:544-546, 2002 9. Seo T, Ando H, Ito T, Takagi H, Inagaki Y, Suzuki A: Development of disposable self-regulating blood pumps and automatically-controlled portable extracorporeal membrane oxygenation systems for neonatal extracorporeal membrane oxygenation. Artif Organs 27: 192-198, 2003 10. Katsuno S, Ando H, Seo T, Shinohara T, Ochiai K, Ohta M: A case of retroperitoneal abscess caused by Salmonella Oranienburg. J Pediatr Surg. 38:1693-1695, 2003 11. Watanabe Y, Ando H, Seo T, Kaneko K, Katsuno S, Shinohara T, Mori K, Toriwaki J: Three-dimensional image reconstruction of an anorectal malformation with multidetector-row helical computed tomography technology. Pediatr Surg Int. 19:167-71, 2003 12. Kaneko K, Tsuda M: Ultrasound-based decision-making in the treatment of acute appendicitis in children. J Pediatr Surg 39:1316-1320, 2004 13) Kaneko K, Tsuda M: Four-triangular-skin-flap approach to umbilical diseases and laparoscopic umbilical port. J Pediatr Surg 39: 1404-1407, 2004 ─ 275 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 泌 尿 器 科 学 Ⅰ 教室の沿革・特色 泌尿器科学教室は、1943 年三矢辰雄先生を初代教授として皮膚泌尿器科学教室より分離独立した。当時の業績 はレントゲン学関係のものが多く、尿路シネマトグラフィーでは世界の最先端にあった。1957 年より清水圭三先 生が第 2 代教授として教室の発展に尽力されたが、1969 年定年退官された後、大学紛争のため教授選考が行われ ず、三矢英輔先生が第 3 代教授に就任される 1975 年まで、6 年間の教授不在期間があった。三矢教授の時代に男 性学、尿流動態学、腫瘍学の 3 つの研究グループが形成され、1987 年に第 4 代教授に就任された三宅弘治先生が さらにその発展に尽力された。1997 年に大島伸一先生が第 5 代教授に就任され、泌尿器科学における最近の急速 な変革に対応するため、研究グループとして腎移植・腎生理、尿路感染・尿路結石、内視鏡泌尿器、尿路上皮腫瘍、 腎癌、精巣腫瘍、前立腺癌、小児泌尿器、尿流動態・女性泌尿器、性機能の 10 グループを再編成し、大学内のみ ならず関連病院も含めた研究体制が確立され、現在に至っている。特に腹腔鏡手術の応用に精力的な診療・研究 を行い、腎癌に対する腹腔鏡下根治的腎摘除術については世界最大の症例数を有している。 Ⅱ スタッフ 助 教 授 小 野 佳 成 講 師 服 部 良 平、 後 藤 百 万 助 手 山 本 徳 則、 吉 川 羊 子、 吉 野 能、 加 藤 真 史 医 員 小 松 智 徳、 松 川 宜 久、 春日井 震 大 学 院 土 屋 ふとし、 松 沼 寛、 千 田 基 宏 Ⅲ 研究分野・内容 1.腎移植・腎生理研究グループ 移植腎の長期生着率の向上をめざした新しい免疫抑制療法の確立のため、種々の臨床的・基礎的研究を行っ ている。また、ABO 不適合腎移植や、尿路合併症を有する症例の腎移植などにも取り組んでいる。 2.尿路結石・尿路感染グループ 体外衝撃波結石破砕術(ESWL)をめぐる臨床的問題点として、ESWL 後の水腎の検討、ESWL 時代におけ る経皮的腎結石摘出術や経尿道的尿管結石破砕術の適応などについて検討を行っており、また結石疝痛発作 のメカニズムの解明と疼痛治療の観点から、腰背部皮下への局所麻酔薬あるいは生理食塩水局注による pain control について臨床的、および基礎的研究を行っている。尿路感染については、周術期における抗生剤予防投 与法、ニューキノロン感受性についての研究を行っている。 3.泌尿器内視鏡研究グループ 本グループの研究は、その性格上手術技術の開発とその成績の評価という臨床研究が中心となる。腎盂尿管 移行部狭窄に対する内視鏡下切開術(endopyelotomy)は本邦最多の症例の経験を有し、良好な長期成績を報 告している。上部尿路狭窄に対する経尿道尿管アプローチによる治療、レーザーを用いた治療、膀胱尿管逆流 に対する内視鏡下膀胱三角部形成術など、新しい治療を開発している。腹腔鏡手術に関しては、特に腹腔鏡手 術の応用に精力的な診療・研究おこない、腎癌に対する腹腔鏡下根治的腎摘除術については現在約 300 例の症 例数を有し、腎盂尿管癌に対しても腹腔鏡下腎尿管全摘・膀胱部分切除術も行っている。さらに本邦で初めて ─ 276 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 腹腔鏡下根治的前立腺全摘除術を成功し現在も症例を重ねている。そのため学外、外国からの見学者も多く、 本年は韓国からの留学生を迎えている。 4.尿路上皮腫瘍研究グループ 表在性膀胱腫瘍の再発予防に対する膀胱内注入療法、浸潤性膀胱癌に対する動注放射線療法、膀胱全摘除+ 代用膀胱造設術施行者における QOL および再発因子の検討、超高齢者膀胱癌患者の治療方法、表在性膀胱腫 瘍における免疫組織化学的検討などの研究を行っている。また、京都大学、奈良県立医大と伴に、浸潤性膀胱 癌に対する膀胱全摘除術のアウトカムリサーチを行い、治療成績、リンパ節廓清の意義等を検討している。腎 尿管腫瘍に対する腹腔鏡下腎尿管摘除術の臨床応用を行い、その有用性を検討している。 5.腎癌研究グループ 限局性腎癌に対する新しいレーザーを使った腎温存治療についての研究、泌尿器内視鏡グループと伴に進行 性腎癌におけるインターフェロン療法や ILZ 療法等臨床、基礎研究を行っている。 6.精巣腫瘍研究グループ poor risk 精巣腫瘍症例に対する、末梢血幹細胞移植を併用した大量化学療法についての検討、さらに末梢血 幹細胞採取の至適時期、 末梢血幹細胞輸注による薬剤性腎障害の改善等についての研究を行っている。泌尿器、 内視鏡グループと伴に腹腔鏡下リンパ節廓清手術の開発を行っている。 7.前立腺癌研究グループ 前立腺腫瘍マーカー(total PSA、free PSA)に関する研究、進行前立腺癌に対する内分泌化学療法の有用性 に関する研究を行っている。 8.小児泌尿器科研究グループ 尿道下裂の手術方法については、当教室では現在一期的手術法を採用し、治療成績の向上を得ており、さら に手術手技の確立をめざして研究を行っている。また、停留精巣患者における腹腔鏡手術の有用性、包茎の軟 膏塗布治療、膀胱尿管逆流における逆流腎症について逆流防止術の腎機能に対する影響、乳児水腎症の手術適 応などの臨床研究を中心に行っている。 9.尿流動態・女性泌尿器科研究グループ 本グループでは尿失禁患者の QOL 評価、尿失禁診断・治療のガイドラインの作成、腹圧性尿失禁に対する バイオフィードバック治療、腹圧性尿失禁に対する新しい手術治療(TVT スリング法)の評価、高齢者尿失禁 の実態調査、高齢者尿失禁の排尿管理に関するガイドラインの作成、二分脊椎における神経因性膀胱の排尿管 理、神経因性膀胱に対する膀胱拡大術の長期成績、根治的前立腺全摘除術後の尿失禁の病態の研究、女性尿排 出障害の病態に関する研究など多くのテーマについて臨床研究を行っている。また、行政・民間・大学の連携 による高齢者排泄管理に関する地域ネットワークの創設を行い、高齢者排泄管理の改善による QOL 向上・寝 たきり防止といった泌尿器科社会医学的研究ともいえる新しい研究分野を立ち上げつつある。基礎的研究にお いては、従来より膀胱、尿道などの下部尿路平滑筋における種々の薬理学的研究を主テーマとして行ってきた が、さらに前立腺肥大症における前立腺硬度の研究や前立腺肥大症における膀胱の求心神経路の変化など近年 特に問題となっている前立腺肥大症についても研究範囲を広げつつある。 10.性機能研究グループ 勃起障害は、バイアグラの登場により世界的に注目されている。通常の勃起障害における診断、治療のみな らず、脊髄損傷患者における勃起障害においても、人工射精などを含めた種々の治療方法についての研究を 行っている。 11. 腎臓拡大内視鏡グループ 泌尿器科内視鏡技術を応用し、腎臓の毛細血管を可視化し赤血球の速さを定量する腎臓拡大内視鏡を開発 し、腎の機能血管である糸球体や尿細管周囲毛細血管を観察し病態解明を行っている。その一つの成果として は、非免疫性に生じる移植腎再還流障害において早期に low flow 現象が生じることを責任血管である尿細管 周囲毛細血管で明らかにし、虚血再還流ラットモデルを用いてその治療薬を開発している。また、 生体腎移 植のレシピエントの腎臓吻合の早期の low flow 現象が生じる時期の尿から尿細管幹細胞を同定、培養に成功 し再生医療への応用を模索中である。この腎拡大内視鏡をさらに発展させ、等倍と約 400 倍を同時に観察可能 ─ 277 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 な親子内視鏡を開発中である。 Ⅳ 指導方針など 大学院生に対する指導としては、まず、泌尿器科学の分野で現在までに未解決の諸問題、特に泌尿器科臨床に おいて遭遇する疑問や解決すべき問題を提示し、それに関する文献を徹底的に調べさせた後に、全世界での研究 の現状を把握させる。ついで、それらの問題点を解決するために必要な基礎的実験や臨床的研究計画を立案させ る。この段階で、学内外の基礎的研究者と相談し、1 ∼ 2 年間は基礎教室において実験技術の習得および基礎実 験を行い、さらに当科担当教官の指導のもとに研究の完成へとすすむ。 実験結果が出るたびに、少人数でのミーティングを開き、仮説と実験結果の食い違いがないかを絶えず検証さ せる。結果の統計学的な解析法を指導し、適切な統計学的検定が行えるように訓練させる。ある程度実験が進行 し、結果をまとめる段階になったら、教室内で討議を重ね、他の分野の研究者の意見を聞いて、研究の弱点を補 強する。論文にまとめる際は、英文で正しい医学論文が書けるように指導する。 Ⅴ 過去5年間の代表論文・著者名 1. Ono Y, Kinukawa T, Hattori R, Yamada S, Nishiyama N, Mizutani K, Ohshima S : Laparoscopic radical nephrectomy for renal cell carcinoma: a five-year experience. Urology 53: 280-286, 1999. 2. Ono Y, Ohshima S, Takahashi Y, et al: Endocrine plus uracil/tegafur therapy for prostate cancer. Oncology 13: 120-124, 1999. 3. Gotoh M, Yoshikawa Y, Kondo Atsuya, Kondo Atsuo, Ono Y, Ohshima S: Positive bladder cooling reflex in patients with bladder outlet obstruction due to benign prostatic hyperplasia. World J Urol 17: 126-130, 1999. 4. Okamuara K, Tsuji Y, Ohshima S, et al: Closure of the mouth of a bladder diverticulum via the endoscopic transvesicotransurethral approach. J Endurol 13: 123-126, 1999. 5. Takashi M, et al: Use of diagonostic categories in urinary cytology in comparison with the bladder tumour antigen (BTA) test in bladder cancer patients. Int Urol Nephrol 31: 189-196, 1999. 6. Gotoh M, Okamuara K, Hattori R, Nishiyama N, Kobayashi H, Tanaka K, Yamada S, Kato T, Kinukawa T, Ono Y, Ohshima S : A randomized comparative study of the bandloop versus the standard loop for transurethral resection of the prostate. J Urol 162: 1645-1647, 1999. 7. Hattori R, Yamada S, , Nishiyama N, , Kinukawa T, Ono Y, Ohshima S: Long-term results of laparoscopic radical nephrectomy. Asia J Sur, 22: 217-222, 1999. 8. Ono Y, Ohshima S: Laparoscopic radical nephrectomy for renal cell carcinoma. Recent Advances in Endourology, Urologic Laparoscopy 1: 73-86, 1999. 9. Gotoh M, Yoshikawa Y, Kondo Atsuya, Kondo Atsuo, Ono Y, Ohshima S : Prognostic value of pressure-flow study in surgical treatment of benign prostatic obstruction. World J Urol 17: 274-278, 1999. 10. Kondo Atsuo, Saito M, et al: Vaginal nylon sling: loop length and surgical outcomes in those with urethral hypermobility and intrinsic sphincter deficiency. Int Urogynecol J 10: 182-187, 1999. 11. Hattori R, Ohshima S, Ono Y, Fujita T, , Kinukawa T, Matsuura O: Long-term outcome of kidney transplants from nonheart beating donor: multivariate analysis is of factors affecting the graft survival. Transplant Proc 31: 2847-2850, 1999. 12. Okamuara K, Kato N, Tsuji Y, Ono Y, Ohshima S: A comparative study of endoscopic trigonoplasty for vesicoureteral reflux ─ 278 ─ 機能構築医学専攻 病態外科学講座 in children and in adults: Int J Urol 6: 562-566, 1999. 13. Tsuji-Hayashi Y, Fukuhara S, Green J, Takai I, Sshinzato T, Uchida K, Ohshima S, Yamazaki C, Maeda K : Health-related quality of life among renal-transplant recipients in Japan. Transplantation 68: 1331-1335, 1999. 14. Mizutani K, Nishiyama N, Hattori R, Matsuura O, Kinukawa T, Ono Y, Ohshima S: Usage of high-risk donors in nonheart-beating cadaveric kidney transplantation: Is an older donor available? Transplant Proc 31: 2843-2846, 1999. 15. TakashiI M, Schenck U, Koshikawa Takashi, Nakashima N, Ohshima S: Cytological changes induced by intravesical bacillus Calmette-Guerin therapy for superficial bladder cancer. Urol Int 64: 74-81, 2000. 16. Kinukawa T, Hattori R, Ono Y: Current status of laparoscopic radical nephrectomy. Laparoscopic Urologic Surgery. B. I. Churchill Livingstone, pp273-281, 2000. 17. Gotoh M, Ono Y, Ohshima S : High-energy TURP using a thick loop. Recent Advances in Endourology 2, pp167-175, 2000. 18. Takagi Y, Takashi M, Koshikawa T, Sakata T, Ohshima S : Immunohistochemical demonstration of cyclin D1 in bladder cancers as an inverse indicator of invasiveness but not an independent prognostic factor. Int J Urol 7: 366-372, 2000. 19. Hibi H, Yamada Y, Honda N, Fukatsu H, Katsuno S Ohshima S, Yamamoto M: Microsurgical vasoepididymostomy with sperm cryopreservation for future assisted reproduction. Int J Urol 7: 435-439, 2000. 20. Gotoh M, Mizutani K, Furukawa T, Kinukawa T, Ohshima S : Qualtiy of micturition in male patients with orthotopic neobladder replacement. World J Urol 18: 411-416, 2000. 21. Kamihira O, Kinukawa T, Matsuura O, Hattori R, Nishiyama N, Ono Y, Ohshima S : Successful use of graft from marginal donors in non-heart beating renal transplantation. Transplant Proc 32: 1578-1582, 2000. 22. Tanaka K, Kinukawa T, Matsuura O, Hattori R, Hirabayashi S, Sahashi M, Fujita T, Ono Y, Ohshima S : The effect of donor age on living-ralated kidney transplantation. Transplant Proc 32: 1583-1584, 2000. 23. Wakai K, Takashi M, Okamura K, Yuba H, Suzuki K, Murase T, Obata K, Itoh H, Kato T, Kobayashi M, Sakata T, Otani T, Ohshima S, Ohno Y : Foods and nutrients in relation to bladder cancer risk: a case-control study in Aichi prefecture, central Japan. Nutrition and cancer 38: 13-22, 2000. 24. Kato M, Mizutani K, Hattori R, Kinukawa T, Uchida K, Hoshinaga K, Ono Y, Ohshima S: In situ renal cooling for kidney transplantation from non-heart-beating donors. Transplant Proc 32:1608-1611, 2000. 25. Kuriyama M, Takahashi Y, Sahashi M, Ono Y, Tanaka T, Shimizu H, Ohshima S : Prospective and randomized comparison of combined androgen blockade versus combination with oral UFT as an initial treatment for prostate cancer. Jpn J Clin Oncol 31: 18-24, 2001. 26. Ono Y, Kinukawa T, Hattori R, Gotoh M, Kamihira O, Ohshima S : The long-term outcome of laparoscopic radical nephrectomy for small renal cell carcinoma. J Urol 165: 1867-1870, 2001. 27. Kondo A, Gotoh M : The role of connective tissue at the level of the pelvic floor. The Urinary Sphincter The Urinary Sphincter. Marcel Dekker Inc., 2001. pp 111-131. 28. Yuba H, Okamura K, Ono Y, Ohshima S : Growth fractions of human renal cell carcinoma defined by monoclonal antibody Ki-67. Predictive values for prognosis. 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Portis J A, Yan Y, Landman J, Chen C, Barrett H P, Fentle D D, Ono Y, Mcdougall M E, Clayman V R : Long-term followup after laparoscopic radical nephrectomy. J Urol 167, 1257-1262,2002. 37. Hatsuse K, Ono Y, Kinukawa T, Hirabayashi S, Hattori R, Yamada S, Ohshima S : Long-term results of endopyeloureterotomy using the transpelvic extraureteral approach. Urology 60: 233-238,2002. 38. Okamura K, Ono Y, Kinukawa T, Matsuura O, Yamada S, Ando T, Fukatsu T, Ohno Y, Ohshima S: Randomized study of single early instillation of (2,,R)-4,-0-tetrahydropyranyl-doxorubicin for a single superficial bladder carcinoma. Cancer 94: 2363-2368,2002. 39. Hattori R, Ono Y, Fukuhara N, Kato M, Ohshima S, Kinoshita Y, Nimura H: Usefulness of cooling perfusion apparatus in cadaveric kidney perfusion. Transplant Proc 34: 1469-1472,2002. 40. Tanabe K, Takahashi K, Takahara S, Uchida K, Ohshima S, Toma H, Sonoda T: Outcome of kidney transplantation from non-heart-beating donors followed by tacrolimus immunosuppression in Japan. Transplant Proc 34: 1580-1582, 2002. 41. Fukuhara N, Ono Y, Kinukawa T, Hattori R, Nishiyama N, Yamada S, Kamihira O, Ohshima S : Long-term outcome of tacrolimus in cadaveric kidney transplantation from non-heart-beating donors. Transplant Proc 34: 1577-1579,2002. 42. Takahara S, Takahashi K, Uchida K, Ohshima S, Toma H, Sonoda T : Excellent results following 3 years of tacrolimus immunosuppression in kidney transplantation recipients in Japan: overall analysis of more than 1000 patients. Transplant Proc 34: 1597-1599,2002. 43. Yoshimura N, Takahara S, Uchida K, Takahashi K, Ohshima S, Toma H, Sonoda T : afety analysis following tacrolimus immunosuppression in renal transplant recipients in Japan: 3-year results in over 1000 patients. Transplant Proc 34: 1600-1603,2002 44. Takahashi K, Takahara S, Uchida K, Ohshima S, Toma H, Sonoda T : Successful results after 3 years' tacrolimus immunosuppression in ABO-incompatible kidney transplantation recipients in Japan. Transplant Proc 34: 1604-1605,2002. 45. Uchida K, Takahashi K, Takahara S, Ohshima S, Toma H, Sonoda T : Excellent 3-year results following living-donor kidney transplantation and tacrolimus immunosuppression in Japan. . Transplant Proc 34: 1606-1607,2002. 46. Hasegawa A, Takahashi K, Ito K, Ohshima S, Uchida K, Sonoda T: Optimal use of tacrolimus in living donor renal transplantation in children. Transplant Proc 34: 1939-1941,2002. 47. Honma Y, Ando T, Yoshida M, Kageyama S, Takei M, Kimoto K, Ishizuka O, Gotoh M and Hashimoto T�Voiding and incontinence frequencies: variability of diary data and required diary length. Neurourol. Urodyn. 21:204-209, 2002 48. 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Kondo A, Gotoh M and Kamihira O: Spina bifida in infancy and childhood. Textbook of the Neurogenic Bladder: Adults and Infancy. 195-207, 2004 69. Naughton MJ, Donovan J, Badia X, Corcos J, Gotoh M, Kelleher C, Lukacs B and Shaw C: Symptom severity and QOL scales for urinary incontinence. Gastroenterology, 126:114-123, 2004. 70. Fujita Y, Yamamoto T, Fuse M, Kobayashi N, Takeda S, Aoyagi T: Pulse dye densitometry using indigo carmine is useful for cardiac output measurement, but not for circulating blood volume measurement. European Journal of Anaesthesiology 21:1-6,2004. 71. Takahashi A, Tsukamoto T, Tobisu K, Shinohara N, Sato K, Tomita Y, Komatubara S, Nishizawa O, Igarashi T, Fujimoto H, Nakazawa H, Komatsu H, Sugimura Y, Ono Y, Kuroda M, Ogawa O, Hirao Y, Hayashi T, Tsushima T, Kakehi Y, Arai Y, Ueda S, Nakagawa M: adical Cystectomy for Invasive Bladder Cancer: Results of Multi-institutional Pooled Analysis. Jpn J Clin Oncol 34: 14-19,2004. 72. Nishiyama H Habichi T, Watanabe J, Teramukai S, Tada H, Ono Y, Ohshima S Fujimoto K Fukushima M, Ogawa O: Clinical outcome of a large-scale multi-institutional retrospective study for locally advanced bladder concer: a survey including 1131 patients treated during 1990-2000 in Japan. Eur Urol 45;176-181,2004. ─ 282 ─ 機能構築医学専攻 運動・形態外科学講座 整形外科学/リウマチ学/手の外科学 Ⅰ 教室の沿革・特色 当教室は昭和2年に名倉重雄初代教授の着任により、日本でも8番目の整形外科学講座として開設された。そ して第2代松丸寛教授、第3代中川正教授、第4代三浦隆行教授、第5代岩田久教授により着実に発展し、平成 13 年 12 月1日に第6代石黒直樹教授が就任した。現在の整形外科学は随意運動器官すべての治療、特に機能再 建を行っており、Quality of Life(QOL)の向上や Amenity of Life をめざした治療、研究を行っている。そして 治療手段も外科的治療のみならず、内科的治療、リハビリテーションまで含み、その対象疾患は大変多岐にわたっ ている。またその一方で整形外科の中で専門化が進み、 外傷外科、 関節外科、 脊椎外科、 手の外科、 運動器腫瘍外科、 スポーツ医学、リハビリテーション医学などのように分化しつつある。当教室では整形外科の全領域を網羅して 研究や診療を行っている。 Ⅱ スタッフ 石黒教授(整形外科学) ・中村教授(手の外科学)以下、助教授1名、講師4名、助手3名、医員 17 名、大学 院生 31 名および保健学科、関連病院のスタッフも含めて研究に当たっており、以下の診療研究班を設けている。 股関節班: 助 教 授 長谷川幸治 医 員 川崎 雅史、 増井 徹男 腫瘍班: 助 手 西田 佳弘 医 員 山田 芳久、 筑紫 聡 小児班: 講 師 北小路隆彦 助 手 鬼頭 浩史 医 員 加藤 光康 脊椎班: 教授(保健学科) 河村 守雄 講 師 松山 幸弘 医 員 吉原 永武、 酒井 義人、 中村 博司、 片山 良仁 膝・肩・スポーツ班: 教授(保健学科) 猪田 邦雄 助 教 授 長谷川幸治 医 員 三嶋 真爾、 酒井 忠博、 深谷 泰士 リウマチ班: 教 授 石黒 直樹 助 手 小嶋 俊久 医 員 大場 満成、 土屋 廣起、 杉浦 文昭 手の外科班: 教 授 中村 蓼吾 講 師 堀井恵美子 助 手 中尾 悦宏 医 員 稲垣 弘進、 篠原 孝明 非常勤講師 伊藤 隆安、 小野 芳裕、 加藤 文彦、 川上 紀明、 木全 弘治、 近藤 精司 佐藤 公治、 清水 卓也、 杉浦 昌、 高橋 成夫、 服部 義、 武藤 芳照、 山賀 寛、 横江 清司、 吉橋 裕治 ─ 283 ─ 機能構築医学専攻 運動・形態外科学講座 Ⅲ 研究分野・内容 • 股関節班:①新しい人工関節材料の開発(ハイドロキシアパタイト含有ガスセラミクスコーティング金属材料) 、②股関 節のコンピューターシュミレーションによる力学的解析、③大腿骨頭壊死の基礎的、臨床的研究 • 腫瘍班:①骨軟部腫瘍の MRI による画像診断(治療方針決定、化学療法効果判定)、②磁場刺激に対する細 胞応答 • 小児班:①脚延長の基礎・臨床、②小児股関節疾患の長期予後、③骨形成促進に対する細胞治療 • 脊椎班:①脊髄慢性圧迫障害、②化学的椎間板溶解術、③脊椎・脊髄疾患の術中エコー診断 • 膝・肩関節班:①反復性膝蓋骨脱臼の長期予後、②半月板変性の生化学的分析、③軟骨再生の研究 • リウマチ班:①関節軟骨基質の各種サイトカインの遺伝子発現、②関節破壊における MMPs の役割、③機 械的刺激に対する細胞応答の分析、④各種関節症における軟骨骨代謝の研究と治療法開発 • 手の外科班:①手関節不安定症の診断と治療、②手の先天奇形の遺伝子レベルでの分析、③関節鏡の手関節 への応用 Ⅳ 指導方針など 大学院入学は卒後2年目以降であればいつでも良いが、教室としては少なくとも2年の整形外科初期研修を受 けた後での入学を勧めている。当教室の大学院生は基礎研究を行うので、当教室のみならず広い視野を持つため に、基礎系教室や他の施設にお願いして研究するテーマもある。大学院生には、医員よりもより先駆的な研究を 行っていただくために、熱意をもって大学院に入学していただきたい。 大学院生は基本的に、医局会への参加、1ヵ月に1回の新患係、病棟当番を義務として割り当てられるが、こ のほかに原則として週2回の代務もお願いしている。希望者は各臨床研究班に所属し、医員と同じように手術、 外来等を行うこともできる。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Tetsuo Masui, Shinji Sakano, Yukiharu Hasegawa, Hideki Warashina, Naoki Ishiguro : Expression of inflammatory cytokines, RANKL and OPG induced by titanium, cobalt-chromium and polyethylene particles. Biomaterials : in press, (2004) 2. Yimin Yu, Yukihiro Matsuyama, Shojiro Nakashima, Makoto Yanase, Kazutoshi Kiuchi, Naoki Ishiguro : Effects of MPSS and a potent iNOS inhibitor on traumatic spinal cord injury. Neuroreport 15 : in press, (2004) 3. Fumiaki Sugiura, Hiroshi Kitoh, Naoki Ishiguro : Osteogenic potential of rat mesenchymal stem cells after several passages. Biochem Biophys Res Commun. 316 : 233-239, (2004) 4. Kiyoko Maruyama, Hisako Muramatsu, Naoki Ishiguro, Takashi Muramatsu : Midkine, a heparin-binding growth factor, is fundamentally involved in the pathogenesis of rheumatoid arthritis. Arthritis Rheum 50 : 1420-1429, (2004) 5. Hirohito Mitsuyama, Fukushi Kambe, Ryuichiro Murakami, Xia Cao, Naoki Ishiguro, Hisao Seo : Calcium signaling pathway involving calcineurin regulates interleukin-8 gene expression through activation of NF-kappaB in human osteoblastlike cells. J Bone Miner Res. 19 : 671-679, (2004) 6. Izuru Tabata, Yoshihiro Nishida, Hideshi Sugiura, Lisheng Zhuo, Masahiko Yoneda, Koji Kimata, Hiroatsu Nakashima, Naoki Ishiguro : A study of inter-alpha-trypsin inhibitor chains expression in liposarcomas. Eur J Surg Oncol. 29 : 665-669, (2003) 7. Hideki Warashina, Shinji Sakano, Shinji Kitamura, Ken-ichi Yamauchi, Jin Yamaguchi, Naoki Ishiguro, Yukiharu Hasegawa : Biological reaction to alumina, zirconia, titanium and polyethylene particles implanted onto murine calvaria. Biomaterials ─ 284 ─ 機能構築医学専攻 運動・形態外科学講座 24 : 3655-3661, (2003) 8. Hiroki Tsuchiya, Hiroshi Kitoh, Fumiaki Sugiura Naoki Ishiguro : Chondrogenesis enhanced by overexpression of sox9 gene in mouse bone marrow-derived mesenchymal stem cells. Biochem Biophys Res Commun. 301 : 338-343, (2003) 9. Taichi Tsuji, Yukihiro Matsuyama, Manabu Goto, Yimin Yu, Koji Sato, Yukiharu Hasegawa, Naoki Ishiguro : Knee-spine syndrome: correlation between sacral inclination and patellofemoral joint pain. J Orthop Sci. 7 : 519-523, (2002) 10. Yuji Takamine, Hiroki Tsuchiya, Takahiko Kitakoji, Kazuhiro Kurita, Yoshihiro Ono, Y. Ohshima, Hiroshi Kitoh, Naoki Ishiguro, Hisashi Iwata : Distraction Osteogenesis Enhaaced by Osteoblastlike Cells and Collagen Gel. Clin Orthop 399 : 240-246, (2002) 11. Taichi Tsuji, Yukihiro Matsuyama, Naoki Natsume, Yukiharu Hasegawa, Seiji Kondo, Hiroshi Kawakami, Hisatake Yoshihara, Hisashi Iwata : Analysis of Chondrex a (YKL-40, HC gp-39) in Cerebrospinal Fluid of Patients with Spinal Disease. Spine 27 : 732-735, (2002) 12. Taichi Tsuji, Yukihiro Matsuyama, Koji Sato, Hisashi Iwata : Infantile spinal cord tumor: diagnostic difficulties. A case report. J Pediatr Orthop B 11 : 1-5, (2002) 13. Hideki Warashina, Yukiharu Hasegawa, Hiroki Tsuchiya, Shinji Kitamura, Ken-ichi Yamauchi, Yukio Torii, Masashi Kawasaki, Shinji Sakano : Clinical, radiographic and thermographic assessment of osteoarthritis in the knee joint. J Rheum 61 : 852-854, (2002) 14. Shin-ichiro Saito, Seiji Kondo, Shinji Mishima, Naoki Ishiguro, Yukiharu Hasegawa, Linda J. Shandell, Hisashi Iwata : Analysis of cartilage-derived retinoic acid-sensitive protein (CD-RAP) in synovial fluid from patients with osteoarthritis and rheumatoid arthritis. J Bone Joint Surg (Br) 84 : 1066-1069, (2002) 15. Taichi Tsuji, Yukihiro Matsuyama, Koji Sato, Yukiharu Hasegawa, Y Yimin, Hisashi Iwata : Epidemiology of low back pain in the elderly: correlation with lumbar lordosis. J Orthop Sci 6 : 307-311, (2001) 16. Yasuyoshi Sohara, Naoki Ishiguro, Kazuya Machida, Hisashi Kurata, Aye Aye Thant, Takeshi Senga, Satoru Matsuda, Koji Kimata, Hisashi Iwata, Michinari Hamaguchi : Hyaluronan activates the cell motility of v-Src-transformed cells via RasMAPK and PI3K-Akt in a tumor-specific manner. Molecular Cellurar Biology 12 : 1859-1868, (2001) 17. Tadahiro Sakai, Fukushi Kanbe, Hirohiro Mitsuyama, Naoki Ishiguro, Kurokochi Kurokouchi, Takigawa M, Hisashi Iwata, Hisao Seo : TNF-a induces expression of genes for matrix degradation in human chondrocyte-like HCA-2/8 cells through activation of NF-kB: Abrogation of the TNF-a effect by proteasome inhibitors. Journal of Bone Mineral Research 16 : 1272-1280, (2001) 18. Watanabe T, Ichihara M, Hashimoto M, Shimono K, Shimoyama Y, Nagasaka T, Murakumo Y, Murakami H, Sugiura H, Iwata H, Ishiguro N, Takahashi M : Characterization of gene expression induced by RET with MEN2A or MEN2B mutation. Am J Pathol. 161 : 249-256, (2002) 19. Taichi Tsuji, Yukihiro Matsuyama, Koji Sato, Hisashi Iwata : Evaluation of spinal cord blood flow during prostaglandin E1induced hypotension with power Doppler ultrasonography. Spinal Cord 39 : 31-36, (2001) 20. Kenji Kobayashi, Fukushi Kanbe, Kazutoshi Kurokouchi, Tadahiro Sakai, Naoki Ishiguro, Hisashi Iwata, Kazuo Koga, Raphael Gruener, Hisao Seo : TNF-α-dependent activation of NF-κB in human osteoblastic HOS-TE85 cells is repressed in vector-Averaged Gravity Using clinostat Rotation. Biochem Bioph Res Co 279 : 258-264, (2000) 21. Kotaro Satake, Yukihiro Matsuyama, Mitsuhiro Kamiya, Hiroshi Kawakami, Hisashi Iwata, Kayo Adachi, Kazutoshi Kiuchi : Up-regulation of glial cell line-derived neurotrophic factor (GDNF) following traumatic spinal cord injury. Neuroreport 11 : 3877-3881, (2000) 22. Kotaro Satake, Yukihiro Matsuyama, Mitsuhiro Kamiya, Hiroshi Kawakami, Hisashi Iwata, Kayo Adachi, Kazutoshi Kiuchi : Nitric oxide via macrophage iNOS induces apoptosis following traumatic spinal cord injury. Mol Brain Res 85 : 114-122, (2000) 23. Kotaro Satake, Yukihiro Matsuyama, Hisashi Iwata, Koji Sato, Noriaki Kawakami : Cerebellar haemorrhage complicating resection of a cervical intramedullary tumour. Spinal Cord 38 : 504 , (2000) ─ 285 ─ 機能構築医学専攻 運動・形態外科学講座 24. Hironori Shibata, Naoki Ishiguro, Takayasu Ito, Hisashi Iwata, Y. Miura : Localization of TACE (TNFalfa converting enzyme) and its regulation by cytokines in human rheumatoid arthritic synovial tissue. Trans. Orthop. Res. Soc. 25 : 1039, (2000) Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. Yukihiro Matsuyama, Noriaki Kawakami, Hisatake Yoshihara, Taichi Tuji, Mitsuhiro Kamiya, Yasutsugu Yukawa, Naoki Ishiguro : Long term results of occipito-thoracic fusion surgery in RA patients with destruction of the cervical spine. J Spinal Disord Tech. : in press, (2004) 2. Yukihiro Matsuyama, Noriaki Kawakami, Makoto Yanase, Hisatake Yoshihara, Naoki Ishiguro, Takashi Kameyama, Yoshio Hashizume : Cervical myelopathy due to OPLL -clinical evaluation by MRI and Intraoperative Spinal Sonography-. J Spinal Disord Tech. : in press, (2004) 3. Yukihiro Matsuyama, Yukiharu Hasegawa, Hisatake Yoshihara, Taichi Tsuji, Yoshihito Sakai, Hiroshi Nakamura, Noriaki Kawakami, Tokumi Kanemura, Yasutsugu Yukawa, Naoki Ishiguro : Hip-Spine Syndrome: Total sagittal alignment of the spine and clinical symptoms in patients with bilateral congenital hip dislocation. Spine : in press, (2004) 4. Yukihiro Matsuyama, Manabu Goto, Hisatake Yoshihara, Taichi Tsuji, Yoshihito Sakai, Hiroshi Nakamura, Kohi Sato, Mitsuhiro Kamiya, Naoki Ishiguro : Vertebral Reconstruction with Biodegradable Calcium Phosphate Cement in the Treatment of Osteoporotic Vertebral Compression Fracture Using Instrumentation. J Spinal Disord Tech. 17 : 291-296, (2004) 5. Yoshihiro Nishida, Cheryl B. Knudson, Warren Knudson : Osteogenic Protein-1 inhibits matrix depletion in a hyaluronan hexasaccharide-induced model of osteoarthritis. Osteoarthritis Cartilage 12 : 374-382, (2004) 6. Mitsutoshi Uchibori, Yoshihiro Nishida, Izuru Tabata, Hideshi Sugiura, Hiroatsu Nakashima, Yoshihisa Yamada, Naoki Ishiguro : Expression of matrix metalloproteinases and tissue inhibitors of metalloproteinases in pigmented villonodular synovitis suggests their potential role for joint destruction. J Rheumatol. 31 : 110-9, (2004) 7. Shinji Sakano, Yukiharu Hasegawa, Yukio Torii, Masashi Kawasaki, Naoki Ishiguro : Curved intertrochanteric varus osteotomy for osteonecrosis of the femoral head. J Bone Joint Surg Br. 86 : 359-365, (2004) 8. Yukiharu Hasegawa, Shinji Sakano, Toshiki Iwase, Seiki Iwasada, Shuhei Torii, Hisashi Iwata : Pedicle bone grafting versus transtrochanteric rotational osteotomy for avascular necrosis of the femoral head. J Bone Joint Surg Br. 85 : 191-198, (2003) 9. Masashi Kawasaki, Yukiharu Hasegawa, Shinji Sakano, Yukio Torii, Hideki Warashina. Quality of life after several treatments for osteoarthritis of the hip. J Orthop Sci. 8 : 32-35, (2003) 10. Shukuki Koh, Ryogo Nakamura, Emiko Horii, Etsuhiro Nakao, Hironobu Inagaki, Hiroki Yajima : Surgical outcome of radial osteotomy for Kienbock's disease-minimum 10 years of follow-up. J Hand Surg Am. 28 : 910-6, (2003) 11. Shukuki Koh, Ryogo Nakamura, Emiko Horii, Etsuhiro Nakao, Kaori Shionoya, Hiroki Yajima : Loose body in the wrist: diagnosis and treatment. Arthroscopy 19 : 820-824, (2003) 11. Hiroshi Kitoh, Takahiko Kitakoji, Mitsuyasu Katoh, Yuji Takamine : Delayed ossification of the proximal capital femoral epiphysis in Legg-Calve-Perthes' disease.J Bone Joint Surg Br 85 : 121-124, (2003) 12. Hiroatsu Nakashima, Hideshi Sugiura, Yoshihiro Nishida, Yoshihisa Yamada, Izuru Tabata, Naoki Ishiguro : Stimulated type I collagen turnover in patients with giant cell tumor of bone. Calcif Tissue Int. 73 : 5-8, (2003) 13. Hiroatsu Nakashima, Yoshihiro Nishida, Hideshi Sugiura, Hirohisa Katagiri, Masahiro Yonekawa, Yoshihisa Yamada, Hisashi Iwata, T Nagasaka, Naoki Ishiguro : Telomerase, p53 and PCNA activity in osteosarcoma. Eur J Surg Oncol 29 : 564-567, (2003) 14. Manabu Goto, Noriaki Kawakami, Hideyuki Azegami, Yukihiro Matsuyama, Kenzen Takeuchi, Ryu Sasaoka : Buckling and bone modeling as factors in the development of idiopathic scoliosis. Spine 28 : 364-370, (2003) ─ 286 ─ 機能構築医学専攻 運動・形態外科学講座 15. Yukiharu Hasegawa, Toshiki Iwase, Shinji Kitamura, Ken-ichi Yamauchi, Shinji Sakano, Hisashi Iwata : Eccentric rotational acetabular osteotomy for acetabular dysplasia. J Bone Joint Surg 84A : 404-410 (2002) 16. Yukiharu Hasegawa, Shinji Sakano, Toshiki Iwase, Hideki Warashina : The long-term behavior of poly-L-lactide screws in a minipig fracture model: Preliminary report. J Biomed Mater Res Appl Biomater : 679-685 (2002) 17. Shinji Sakano, Yukiharu Hasegawa, Yoshiharu Murata, Takayasu Ito, Eiichi Genda, Hisashi Iwata, Naoki Ishiguro and Hisao Seo : Inhibitory effect of bFGF on endochondral heterotopic ossification. Biochem Biophys Res Commun. 293 : 680-5, (2002) 18. Choi HR, Kondo S, Hirose K, Ishiguro N, Hasegawa Y, Iwata H : Expression and enzymatic activity of MMP-2 during healing process of the acute supraspinatus tendon tear in rabbits. J Orthop Res. 20 : 927-33, (2002) 19. Hidefumi Inoh, Naoki Ishiguro, Shin-Ichi Sawazaki, Hideki Amma, Motoi Miyazu, Hisashi Iwata, Masahiro Sokabe, Keiji Naruse : Uni-axial cyclic stretch induces the activation of transcription factor nuclear factor �B in human fibroblast cells. FASEB Jornal 16 : 405-407 (2002) 20. Emiko Horii, Rhogo Nakamura, Shukuki Koh, Hironobu Inagaki, Hiroki Yajima, Etsuhiro Nakao : Surgical treatment for chronic radial head dislocation. J Bone Joint Surg Am. 84 : 1183-8, (2002) 21. Hiroshi Kitoh, Takahiko Kitakoji, Kazuhiro Kurita, Mitsuyasu Katoh, Yuji Takamine : Deformities of the elbow in achondroplasia. J Bone Joint Surg Br. 84 : 680-683, (2002) 22. Hideshi Sugiura, Mitsuru Takahashi, Hirohisa Katagiri, Yoshihiro Nishida, Hiroatsu Nakashima, Masahiro Yonekawa, Hisashi Iwata : Additional wide resection of malignant soft tissue tumors. Clin Orthop 394 : 201-210, (2002) 23. Hiroatsu Nakashima, Hirohisa Katagiri, Hideshi Sugiura, Masahiro Yonekawa, Yoshihiro Nishida, Yoshihisa Yamada : Epithelioid sarcoma mimicking a primary osseous multifocal scapula lesion. Skeletal Radiology 31 : 430-433, (2002) 24. Naoki Ishiguro, Takayasu Ito, Takeshi Oguchi, Toshihisa Kojima, Hisashi Iwata, Mirela Ionescu and A. Robin Poole : Relationships of Matrix Metalloproteinases and their Inhibitors to Cartilage Proteoglycan and Collagen Turnover and Inflammation revealed by Analyses of Synovial fluids from Patients with Rheumatoid Arthritis. Arthiritis & Rheumatism 44 : 2503-2511 (2001) 25. Toshihisa Kojima, F. Mwale, T. Yasuda, C. Gira, A. Robin Poole, S. Lacerty : Early degradation of type IX and II collagens with onset of experimental inflammatory arthritis. Arthritis Rheum 44 : 120-127, (2001) 26. Yukio Hirashima, Naoki Ishiguro, Seiji Kondo, Hisashi Iwata : Osteoclast induction from bone morrow cells is due to proinflammatory mediator from macrophages exposed to polyethylene particles. A possible machanism of osteolysis in failed THA. Journal of Biomedical Material Research 56 : 177-183 (2001) 27. Seiji Kondo, Wei-Fen Xie and Linda J. Sandell : Cytokine regulation of cartilage-derived retinoic acid-sensitive protein (CD-RAP) in primary articular chondrocytes: suppression by IL-1, bfGF, TGFbeta and stimulation by IGF-1. Journal of Orthopaedic Research 19 : 712-719 (2001) 28. Seiji Kondo, Wei-Fen Xie, Linda J. Sandell : Cytokine regulation of cartilage-derived retinoic acid-sensitive protein (CDRAP) in primary articular chondrocytes: suppression by IL-1, bfGF, TGFbeta and stimulation by IGF-1. J Orthop Res 19 : 712-719, (2001) 29. Ho-Rim Choi, Seiji Kondo, Shinji Mishima, Takuya Shimizu, Yukiharu Hasegawa, Kunio Ida, Masaaki Hirashima, Hisashi Iwata : Axillar nerve injury caused by intradeltoid muscular injection : A case report. J Shoulder Elb Surg 10 : 493-495, (2001) 30. Ho-Rim Choi, Yukiharu Hasegawa, Seiji Kondo, Takuya Shimizu, Kunio Ida, Hisashi Iwata : High tibial osteotomy for varus gonatrhosis : a 10- to 24-year follow-up study. J Orthop Sience 6 : 493-497, (2001) 31. Emiko Horii, Ryogo Nakamura, Hitomi Makino : Triphalangeal thumb without associated abnormalities: clinical characteristics and surgical outcomes. Plast Reconstr Surg 108 : 902-907, (2001) ─ 287 ─ 機能構築医学専攻 運動・形態外科学講座 32. Hideshi Sugiura, Hirohisa Katagiri, Masahiro Yonekawa, Keiji Sato, Shigeki Yamamura, Hisashi Iwata : Walking ability and activities of daily living after limb salvage operations for malignant bone and soft-tissue tumors of the lower limbs. Arch Orthop Trauma Surg 121 : 131-134, (2001) 33. Yukio Torii, Yukiharu Hasegawa, Seiki Iwasada, Toshikazu Kubo, Hisashi Iwata : Osteonecrosis of the femoral head after allogenic bone marrow transplantation. Clin Orthop 382 : 124-132, (2001) 34. Ken-ichi Yamauchi, Yukiharu Hasegawa, Seiki Iwasada, Shinji Sakano, Shinji Kitamura, Hideki Warashina, Hisashi Iwata : Head Penetration into hylamer acetabular liner sterilized by gamma irradiation in air and in a nitrogen atmosphere. J Arthroplasty 16 : 463-470, (2001) 35. Masashi Kawasaki, Yukiharu Hasegawa, Seiji Kondo, Hisashi Iwata : Concentration and localization of YKL-40 in hip joint diseases. J Rheumatol 28 : 341-345, (2001) 36. Masashi Kawasaki, Yukiharu Hasegawa, Shinji Sakano, Harutoshi Sugiyama, Takara Tajima, Seiki Iwasada, Hisashi Iwata : Prediction of osteonecrosis by magnetic resonance imaging after femoral neck fractures. Clin Orthop 385 : 157-164, (2001) 37. Mitsuhiro Kamiya, Atsushi Harada, Masashi Mizuno, Hisashi Iwata, Yoshiji Yamada : Association between a polymorphiem of the transforming growth factor-β1 gene and genetic susceptibility to ossification of the posterior longitudinal ligament in Japanese patients. Spine 26 : 1264-1266, (2001) 38. Naoki Natsume, Seiji Kondo, Yukihiro Matsuyama, Kenji Sumida, Hidefumi Inou, Noriaki Kawakami, Linda J. Sandell, Hisashi Iwata : Analysis of cartilage-derived retinoic acid-sensitive protein in cerebrospinal fluid from patients with spinal diseases. Spine 26 : 157-160, (2001) 39. Hidefumi Inoh, Noriaki Kawakami, Yukihiro Matsuyama, Takaaki Aoki, Tokumi Kanemura, Naoki Natsume, Hisashi Iwata : Correlation between the age of pinealectomy and the development of scoliosis in chickens. Spine 29 : 1014-1021, (2001) 40. Ryogo Nakamura : Scaphoid mal-union : current concept and perspectives. Hand Surgery 5 : 155-160 (2000) 41. Emiko Horii, Ryogo Nakamura, Etsuhiro Nakao, Hitoshi Kato, Hiroki Yajima : Distraction lengthening of the forearm for congenital and developmental problems. J Hand Surg Br 25 : 15-21, (2000) 42. Hitoshi Kato, Ryogo Nakamura, Kaori Shionoya, Naoki Makino, Toshihiko Imaeda : Does high-resolution MR imaging have better accuracy than standard MR imaging for evaluation of the triangular fibrocartilage complex? J hand Surg Br 25 : 487-491, (2000) 43. Hideki Takagi, Naoki Ishiguro, Hisashi Iwata, Toshihisa Kanamono : Genetic association between rheumatoid arthritis and estrogen receptor microsatellite polymorphism. J Rheum 27 : 1638-1642. (2000) 44. Yukiharu Hasegawa, Hisashi Iwata : Natural history of unreduced congenital dislocation of the hip in adults. Arch Orthop Trauma Surg 120 : 17-22. (2000) 45. Hiroshi Kawakami, Atsumi Nitta, Yukihiro Matsuyama, Mitsuhiro Kamiya, Kotaro Satake, Koji Sato, Kikuo Kondo, Hisashi Iwata, Shoei Furukawa : Increase in neurotrophin-3 expression followed by purkinje cell degeneration in the adult rat cerebellum after spinal cord transection. J Neurosci Res 62 : 668-674, (2000) 46. Takahiko Kitakoji, Tadashi Hattori, Kunio Ida, Hisashi Iwata : Arthrodiatasis for chondrolysis with hinge abduction: a case report.J Pediatr Orthop B 9 : 198-200, (2000) 47. Yoshihiro Nishida : Osteogenic protein-1 promotes the synthesis and retention of extracellular matrix within bovine articular cartilage and chondrocyte cultures. Osteoarthr Cartilage 8 : 127-163, (2000) 48. Yoshihiro Nishida : Osteogenic protein-1 stimulates cell-associated matrix assembly by human articular chondrocytes : upregulation of hyaluronan synthase, CD44 and aggrecan. Arthritis Rheum 43 : 206-214, (2000) 49. Yoshihiro Nishida : Stimulation of hyaluronan metabolism by interleukin-1 alpha in human articular cartilage. Arthritis Rheum 43 : 1315-1326, (2000) ─ 288 ─ 機能構築医学専攻 運動・形態外科学講座 皮膚病態学/皮膚結合組織病態学 Ⅰ 教室の沿革・特色 当教室の歴史は、明治 42 年楠 太教授が皮膚泌尿器科教室教授に就任時より始まり、田村春吉教授に引き継が れ、昭和 18 年、皮膚泌尿器科教室から皮膚科学講座として分離して以来、皮膚内科学(DermatologyinGeneralM edicine)を主要研究思想としてきた。田村教授は名大総長に就任されたため、昭和 21 年加納魁一郎教授に引き継 がれた。次の小林敏夫教授(昭和 49 年∼昭和 54 年) 、大橋 勝教授(昭和 55 年∼平成 9 年)を経て、平成 9 年 より現在の富田 靖教授が教室を主宰している。平成 12 年の大学院大学への移行に伴い、皮膚病態学分野と名称 が変更され、同時に皮膚結合組織病態分野が関連領域として併設された。皮膚悪性腫瘍、自己免疫疾患、遺伝性 疾患、ウイルス疾患に至るまで皮膚病変を有する疾患を網羅し、生体を有機的に捉え得る皮膚科研究者・専門医 の育成を目標に、教室員は活発に研究・診療を行っている。 Ⅱ スタッフ 教 授 富 田 靖 助 教 授 鈴 木 民 夫 (皮膚結合組織病態学)室 慶 直 講 師 榊 原 章 浩、 杉 浦 一 充、 柴 田 真 一 助 手 安 江 敬、 杉 浦 光 洋 大 学 院 生 岡 本 都 子、 後 藤 直 哉、 鄭 淑 雲、 稲 垣 克 彦、 鈴 木 教 之、 伊 藤 史 朗、 二 村 恭 子、 服 部 尚 生、 岩 田 貴 子、 岩 田 洋 平、 田 中 伯 予 Ⅲ 研究分野・内容 富 田 靖:色素異常症、遺伝性疾患、色素細胞学、皮膚悪性腫瘍 鈴 木 民 夫:白皮症の病因遺伝子、メンブレントラフック 室 慶 直:膠原病と抗核抗体、自己抗原の機能構造解析 榊 原 章 浩:皮膚腫瘍の診断と治療 杉 浦 一 充:膠原病と抗核抗体、自己抗原の機能構造解析 柴 田 真 一:皮膚腫瘍の診断と治療 Ⅳ 指導方針など 皮膚科学はそれ自体が専門科であり、細かく診療科を分けていない。Dermatology in General Medicine の思 想の基、common skin disease から、悪性腫瘍、膠原病にいたるまで診断・治療できる臨床能力の習得を必須とし、 その上で各人の興味と適性にあった研究テーマを追求することとしている。研究テーマによっては、学外及び学 内留学を積極的に展開している。大学院入学に対し、卒後年数等特に規定の条件はないが、希望テーマの有無に 拘わらず情熱を持った方を特に希望したい。大学院卒後の進路は、研究テーマ等を考慮し、関連病院皮膚科へ部 ─ 289 ─ 機能構築医学専攻 運動・形態外科学講座 長・医長として赴任するか、国内外留学、もしくは本学・他学の医育機関での学研生活に入る。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Ogawa Y, Adachi A, Okamoto M, Hashimoto T, Tomita Y. A Case of Refractory Bullous Pemphigoid with PlasmapheresisAssociated Thrombopenia : Efficacy of Pulsed Intravenous Cyclophosphamide Therapy. J. Dermatol., (in press). 2. Okamoto M, Ogawa Y, Watanabe A, Sugiura K, Shimomura Y, Aoki N, Nagasaka T, Tomita Y, Muro Y. Autoantibodies to DFS70/LEDGF are increased in alopecia areata patients. J. Autoimmun, (in press). 3. Ogawa Y, Sugiura K, Watanabe A, Kunimatsu M, Mishima M, Tomita Y, Muro Y. Autoantigenicity of DFS70 is restricted to the conformational epitope of C-terminal alpha-helical domain. J. Autoimmun, (in press). 4. Shimizu M, Adachi A, Zheng S, Matsunaga J, Kusakari Y, Tagami H, Nagasaka T, Tomita Y. Detection of various types of human papillomavirus DNA, mainly pelonging to the cutaneous group, more frequently in normal tissue than in squamous cell careinomas of the lip. J. Dermatol. Sci., (in press). 5. Watanabe A, Kodera M, Sugiura K, Usuda T, Tan E M, Takasaki Y, Tomita Y, Muro Y. Anti-DFS70 antibodies in 597 healthy hospital workers. Arthritis Rheum. 50:892-900, (2004). 6. Inagaki K, Suzuki T, Shimizu H, Ishii N, Umezawa Y, Tada J, Kikuchi N, Takata M, Takamori K, Kishibe M, Tanaka M, Miyamura Y, Ito S, Tomita Y. Oculocutaneous Albinism Type 4 is one of the most common Types of Albinism in Japan. Am. J. Hum. Genet. 74:466-471, (2004). 7. Miyata Y, Okada K, Fujimoto A, Hata K, Kagami H, Tomita Y, Ueda M. The effect of the long-term cultivation on telomere length and morphology of cultured epidermis. J Dermatol Sci 34:221-230, (2004). 8. Kamiya A, Kikuchi A, Tomita Y, Kanbe T. PCR and PCR-RFLP techniques targeting the DNA topoisomerase II gene for rapid clinical diagnosis of the etiologic agent of dermatophytosis. J Dermatol Sci 34:35-48, (2004). 9. Koyama T, Kanbe T, Kikuchi A, Tomita Y. Effects of topical vehicles on growth of the lipophilic Malassezia species. J Dermatol Sci. 29: 166-170, (2002). 10. Koyama T, Kanbe Y, Ishiguro A, Kikuchi A, Tomita Y. Antigenic components of Malassezia species for immunoglobulin E antibodies in sera of patients with atopic dermatitis. J Dermatol Sci. 26: 201-208, (2001). 11. Watanabe D, Honda T, Nishio K, Tomita Y, Sugiura Y, Nishiyama Y. Corneal infection of herpes simplex virus type2induced neuronal apoptosis in the brain stem of mice with expression of tumor suppressor gene (p53) and transcription factors. Acta Neuropathol 100: 647-653, (2000). 12. Watanabe D, Ushijima Y, Goshima F, Takakuwa H, Tomita Y, Nishiyama Y. Identification of Nuclear Export Signal in UL37 Protein of Herpes Simplex Virus Type 2. Biochemical and Biophysical Research Communications 276: 1248-1254, (2000). 13. Handa Y, Sakakibara Y, Araki M, Yamanaka N. Spiny keratoderma of the palms and soles-Report of two cases Eur. J. Dermatol 10: 542-545, (2000). 14. Handa Y, Yotsumoto S, Isobe E, Sai Y, Yoshii N, Nakao S, Fujita N, Hamaguchi S, Kanzaki T. A case of symptomatic heterozygous female Fabry's disease without detectable mutation in the �-galactosidase gene. Dermatology 200: 262-265, (2000). 15. Koyama T, Kanbe T, Ishiguro A, Kikuchi A, Tomita Y. Isolation and characterization of a major antigenic component of Malassezia globosa to IgE antibodies in Sera of Patients with Atopic Dermatitis. Microbiol Immunol 44: 373-379, (2000). 16. Hayashi Y, Muro Y, Kuriyama K, Tomita Y, Sugimoto K. Differences in specificities of anti-centromere sera for the monomeric and dimeric C-terminal peptides of human centromere protein C. Int. Immunol. 12: 1431-1437, (2000) ─ 290 ─ 機能構築医学専攻 運動・形態外科学講座 Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. Tomita Y, Suzuki T. Genetics of pigmentary disorders. Am J Med Genet, (in press). 2. Muro Y. Antinuclear antibody. Autoimmun, (in press). 3. Muro Y, Tomita Y. Anti-ribosomal-P antibodies in a Sjoren syndrome patient associated with lupus erythematosus. J Dermatol, (in press). 4. Suzuki T, Ito S, Inagaki K, Suzuki N, Yoshino M, Hashimoto T, Tomita Y. Investigation on the IVS5+5G → A Splice Site Mutation of HPS1 Gene Found in Japanese Patients with Hermansky-Pudlak Syndrome. J Dermatol Sci, (in press). 5. Suzuki T, Inagaki K, Fukai K, Obana A, Lee S T, Tomita Y. A Korean case of oculocutaneous albinism type IV (OCA4) caused by a D157N mutation in the MATP gene. Br J Dermatol, (in press). 6. Adachi A, Suzuki T, Tomita Y. Detection of human papillomavirus type 56 DNA, belonging to a mucous high-risk group, in hair follicles in the genital area of a woman no longer suffering from viral warts. British J. Dermatol 151:212-215, (2004). 7. Toriyama K, Kamei Y, Kazeto T, Yasue T, Suga Y, Inoie M, Tomita Y, Torii S. Combination of Short-Pulsed CO2 Laser Resurfacing and Cultured Epidermal Sheet Autografting in the Treatment of Vitiligo. Ann Plast Surg 53:178-180, (2004). 8. Sugiura K, Tomita Y, Muro Y. Functional structure and autoimmunity of human centromere. Recent Res Devel Biophys Biochem 3:657-670, (2003). 9. Handa Y, Miwa S, Yamada M, Ono H, Suzuki T, Tomita Y. Multiple pigmented basal cell carcinomas arising in the normalappearing skin after radiotherapy for carcinoma of the Cervix. Dermatol Surg 29:1233-1235, (2003). 10. Miyamura Y, Suzuki T, Kono M, Inagaki K, Ito S, Suzuki N, Tomita Y. Mutations of the RNA-Specific Adenosine Deaminase Gene (DSRAD) Are Involved in Dyschromatosis Symmetrica Hereditaria. Am J Hum Genet 73:693-699, (2003). 11. Suzuki T, Miyamura Y, Matsunaga J, Shimizu H, Kawachi Y, Ohyama N, Ishikawa O, Ishikawa T, Terao H, Tomita Y. Six Novel P Gene Mutations and Oculocutaneous Albinism Type 2 Frequency in Japanese Albino Patients. J Invest Dermatol 120:781-783, (2003). 12. Suzuki T, Miyamura Y, Tomita Y. High Frequency of The Ala481Thr mutation of the P gene in the Japanese population. Am J Med Genet 118A:402-403, (2003) 13. Suzuki T, Miyamura Y, Inagaki K, Tomita Y. Characterization of the human RAB23 and RAB7 genes:exclusion of new major pathological loci for Japanese OCA. J Dermatol Sci 32:131-136, (2003). 14. Handa Y, Yamanaka N, Inagaki H, Tomita Y. Large ulcerated perianal hidradenoma papilliferum in a young female. Dermatol Surg 29:790-792, (2003). 15. Handa Y, Asai T, Tomita Y. Nodular foscitis of the forehead in a Pediatric patient. Dermatol Surg 29:867-868, (2003). 16. Handa Y, Watanabe O, Adachi A, Yamanaka N. Squamous cell carcinoma of the anal margin with pruritus ani of long duration. Dermatol Surg 29:108-110, (2003). 17. Muro Y, Sugimoto K. Autoimmunity in scleroderma. Meyers RA eds. Encyclopedia of Molecular Cell Biology and Molecular Medicine. WILEY-VCH 459-479, (2003). 18. Ogawa Y, Adachi A, Tomita Y. The successful use of topical tacrolimus treatment for a chronic actinic dermatitis patient with complications of idiopathic leukopenia. J Dermatol 30:805-809, (2003). 19. Nakamura E, Miyamura Y, Matsunaga J, Kano Y, Dakeishi-Hara M, Tanita M, Kono M, Tomita Y. A novel mutation of the tyrosinase gene causing oculocutaneous albinism type 1 (OCA1). J. Dermatol. Sci. 28: 106-118, (2002). ─ 291 ─ 機能構築医学専攻 運動・形態外科学講座 20. Tanita M, Matsunaga J, Miyamura Y, Dakeishi M, Nakamura E, Kono M, Shimizu H, Tagami H, Tomita Y. Polymorphic sequences of the tyrosinase gene: allele analysis on 16 OCA1 patients in Japan indicate that three polymorphic sequences in the tyrosinase gene promoter could be powerful markers for indirect gene diagnosis. J Hum Genet 47: 1-6, (2002). 21. Yoshida M, Hirotsu S, Nakahara M, Uchiwa H, Tomita Y. Histamine is involved in Ultraviolet B-induced pigmentation of Guinea Pig Skin. J Invest Dermatol 118: 255-260, (2002). 22. Suzuki I, Kato T, Motokawa T, Tomita Y, Nakamura E, Katagiri T. Increase of Pro-opiomelanocortin mRNA Prior to Tyrosinase, Tyrosinase-Related Protein 1, Dopachrome Tautomerase, Pmel-17/gp100, and P-Protein mRNA in Human Skin After Ultraviolet B Irradiation. J Invest Dermatol 118: 73-78, (2002). 23. Suzuki T, Adachi A, Tomita Y. Characteristic intracytoplasmic materia in a perianal wart that contains human papilloma virus type 56 and 16 DNA. Dermatology 203: 14-18, (2001). 24. Kamimoto T, Zama T, Aoki R, Muro Y, Hagiwara M. Identification of a novel kinesin-related protein, KRMP1, as a target for mitotic peptidyl-proryl isomerase Pin1. J. Biol. Chem. 276: 37520-37528, (2001). 25. Katano K, Kawano M, Koni I, Sugai S, Muro Y. Clinical and laboratory features of anticentromere antibody positive primary SS. J. Rheumatol. 28: 2238-2244, (2001). 26. Muro Y. Autoantibodies in atopic dermatitis. J. Dermatol. Sci. 25: 171-178, (2001). 27. Tomita Y, Miyamura Y, Kono M, Nakamura E, Matsunaga J. Molecular basis of congenital hypopigmentary disorders in Human and oculocutaneous albinism 1 in Japan. Pigment Cell Res Suppl 8: 130-134, (2000). 28. Takizawa Y, Kato S, Matsunaga J, Aozaki R, Tomita Y, Nishikawa T, Shimizu H. Electron microscopic DOPA reaction test for oculocutaneous albinism. Arch Dermatol Res 292: 301-305, (2000). 29. Kono M, Miyamura Y, Matsunaga J, Tomita Y. Exclusion of linkage between dyschromatosis symmetrica hereditaria and chromosome 9. J Dermatol Sci 22: 88-95, (2000). 30. Muro Y, Azuma N, Onouchi H, Kunimatsu M, Tomita Y, Sasaki M, Sugimoto K. Autoepitopes on autoantigen centromere protein-A (CENP-A) are restricted to the N-terminal region, which has no homology with histone H3. Clin. Exp. Immunol. 120: 218-223, (2000). 31. Ochs R L, Muro Y, Si Y, Ge H, Chan E K L, Tan E M. Autoantibodies to DFS 70 kd/transcription coactivator p75 in atopic dermatitis and other conditions. J. Allergy Clin. Immunol. 105: 1211-1220, (2000). 32. Muro Y, Kamimoto T, Tomita Y, Hagiwara M. Spectrum and clinical significance of autoantibodies against a dynaminrelated protein, dymple. Arthritis Rheum. 43: 1516-1519, (2000) ─ 292 ─ 機能構築医学専攻 運動・形態外科学講座 形 成 外 科 学 Ⅰ 教室の沿革・特色 当教室は、1986 年 4 月に開設され、東海地方においては形成外科学を持つ大学が少ないため、この分野をめ ざす人材が広く集まっている。また、関連病院も多くスタッフが若いこともあり、自由で活発な雰囲気がある。 これからの社会のニーズに応じて多くのスペシャリストを育成したい。 Ⅱ スタッフ 教 授 鳥 居 修 平 助 教 授 亀 井 譲 講 師 鳥 山 和 宏 医 員 八 木 俊路朗、 高 成 啓 介、 熊 野 充 剛、 福 島 正 則 大 学 院 生 八 木 俊路朗、 高 成 啓 介、 菱 田 雅 文、 中 里 公 亮 Ⅲ 研究分野・内容 1)マイクロサージャリー(微小血管吻合)による組織移植 手術用顕微鏡を用いて微小血管吻合を行うことにより、皮膚・骨・筋肉・腸管・大網などを移植することができる。 臨床的には四肢の外傷、悪性腫瘍切除後の欠損、顔面神経麻痺、乳房などの再建を行っているが、これに伴って、 recipient vessels の不足、donor の犠牲、移植組織の血行動態、同種移植などが研究課題となる。 2)再生医療 培養皮膚の開発、臨床応用をはじめ、最近では、脂肪由来の幹細胞に注目し、脂肪はもちろん、脂肪由来の骨 再生の基礎的研究を行っている。 3)創傷治癒 皮膚欠損や粘膜欠損に対する、創傷治癒の基礎的研究と、筋弁や大網により修復される際の創傷治癒形態を検 討比較し、瘢痕をより残さない形での創傷治癒について研究している。また、感染創に対する筋弁や大網の反応 についての基礎的研究も行っている。 Ⅳ 指導方針など 卒後 2 ∼ 5 年で入学、週 3 ∼ 4 日間を研究日に費やすことができる。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Shunjiro Yagi, Yuzuru Kamei and Shuhei Torii: Selection of donor side in mandibular reconstruction using osteocutaneous fibular flap. Ⅲ Congress of the World Society for Reconstructive Microsurgery-WSRM. International Proceedings, 151-155, Guillermo Loda Ed. Medimond, 2005 ─ 293 ─ 機能構築医学専攻 運動・形態外科学講座 2. 八木俊路朗,亀井 譲,高橋正克,藤本保志,鳥居修平:両側頸部放射線潰瘍に遊離大網弁を用いた1例, 日本形成外科学会会誌,25 : 522-526, 2005 3. 中里公亮,松岡京子,田邊吉彦,牧野良彦,鳥居修平:老人性眼瞼内反症に対する水平方向後葉切除術の経験, 形成外科,48:129-135, 2005 4. Kazuhiko Ino, Hisako Muramatu, Keiko Ochiai, Shuhei Torii, Takashi Muramatsu: Midkine, a heparine-binding cytokine, plays key roles in intraperitoneal ahhesions. Biochemical and Biophysical research Communications. 317:108-113, 2004 5. 菱田雅之,柏崎喜宣:巨大な rotation flap を用いた脊髄髄膜瘤の 2 例,形成外科,24 : 95-99, 2004 6. Katumi Ebisawa, Ken-Ichiro Hata, Kunihiko Okada, Koji Kimata, Minoru Ueda, Shuhei Torii, Hideto Watanabe: Ultrasound enhances transforming growth factor B-mediated chondrocyte differentiation of human mesenchymal stem cell. Tissue Engineering 10 : 921-929, 2004 7. Hirohiko Ishikawa, Takashi Honda, Kzuhiro Toriyama, Shuhei Torii and Yasuo Sugiura: Origin and course of nerves immunoreactive for calcitonin gene-related surrounding the femoral artery in rats. Anat Embryol 207 : 299-305, 2003 8. Iwashita N et al.: Expression of midkine in normal and burn sites of rat skin. Burns 25 : 119-124, 1999 9. Toriyama K et al.: Evaluation of heparin-binding growth factors in rescuing morphogenesis of heparitinase-treated mouse embryonic lung explants. Differentiation 61 : 161-167, 1997 10. Iwata T et al.: Immunosuppression by anti-ICAM-1 and anti-LFA-1 monoclonal antibodies of free and vascularized skin. Immunobiology 195 : 160-171, 1996 11. Lee, J.et al.:Thyroid hormone induced fibronectin gene expression in cultured rat hepatocytes. Enuiromental medicine 34 : 117-120, 1990 Ⅵ 大学院修了者の進路 赴任および名古屋大学在籍 Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. 北川泰雄,小堀雅登,鳥山和宏,鳥居修平:脂肪組織からの体性幹細胞の分離,The Lipid,17: 69-75, 2006 2. 亀井 譲,鳥居修平:小児生体肝移植におけるマイクロサージャリー,形成外科,48:831-836, 2005 3. 亀井 譲,鳥居修平:内視鏡下手術による再建,PEPARS No 6, 70-74, 2005 4. Toriyama K, Kamei Y, Kazeto T, Yasue Takashi, Suga Yasushi, Inoie Masukazu, Tomita Yasushi, Torii S: Combination of short-pulsed CO2 laser resurfacing and cultured epidermal sheet autografting in the treatment of vitiligo: A preliminary report. Ann Plast Surg, 53 : 178-180, 2004 5. Ikuo Hyodo, Bin Nakayama, Mitsuru Takahashi, Kzuhiro Toriyama, Yuzuru Kamei and Shuhei Torii: The gastrocnemius with soleus bi-muscle flap. British Journal of Plastic Surgery, 57 : 77-82, 2004 6. 亀井 譲,鳥山和宏,高田 徹,八木俊路朗,鳥居修平:大網の阻血限界時間とその組織学的変化,日本形 成外科学会会誌,23 : 613-618, 2003 7. Role of the Anterolateral Thigh Flap in Head and Neck Reconstruction : Advantages of Moderate Skin and Subcutaneous Thickness. NAKAYAMA Bin, HYODO Ikuo, TORE Shuhei, HASEGAWA Yasuhisa, FUJIMOTO Yasushi, MATSUURA Hidehiro, YATSUYA Hirosh, Journal of Reconstructive Microsurgery, 18 : 141-145, 200 ─ 294 ─ 機能構築医学専攻 運動・形態外科学講座 8. Usefulness of a first transferred free flap vascular pedicle for secondary microvascular reconstruction in the head and neck. NAKAYAMA Bin, KAMEI Yuzuru, TORIYAMA Kazuhiro, HYODO Ikuo, TORII Shuhei, HASEGAWA Yasuhisa, Plast. Reconst. Surg. 109 : 1246-1253, 2002 9. Endogenous adipocyte precursor cells for regenerative soft-tissue engineering. TORIYAMA Kazuhiro, KAWAGUCHI Nobuko, KITO Junzou, TAJIMA Rie, KITAGAWA Yasuo, INOU Kazuhiro, TORII Shuhei, Tissue Engineering 8 : 157-165, 2002 10. Clinical results of cultured epitherial cell grafting in the oral and maxillofacialregion, Cultured human keracynocytes and tissue engineered skin substitutes. TSAI C. Y., UEDA Minoru, HATA Kenichiro, HORIE K., SUGIMURA K., TORIYAMA Kazuhiro, TORII Shuhei, Horch RE, Munster AM and Achauer Ed. 347-352, 2001 11. Endoscopic Correction of Pectus Excavatum. KAMEI Yuzuru, TORII Shuhei, HASEGAWA Takashi, AOYAMA hisashi, YOKOO Kazuhisa, Plast. Reconst. Surg. 107 : 333-337, 2001 12. Endoscopically Assisted Minimal Laparotomy for Jejunal Harvest. KAMEI Yuzuru, TORII Shuhei, HOTTA Yoshihiro, NISHIZEKI Osamu, Plast. Reconst. Surg. 108: 995-999, 2001 13. Possibility of Venous Return Through Bone Marrow in the Free Fibular Osteocutaneous Flap. KAMEI Yuzuru, AOYAMA hisashi, YOKOO Kazuhisa, HAYASHI Yuji, FUJII Katsuyoshi, KONDO Chizuko, SATO Yoshiro, Ann. Plast. Surg. 47: 450-452, 2001 14. Pedicle Myocutaneous Flaps for Reconstruction Following Total Pelvic Exenterationof Intrapelvic Recurrent Rectal Cancer : Report of a Case. ANDO Hideyuki, ITO Katsuki, TORII Shuhei, KASAI Yasushi, AKIYAMA Seiji, NAKANO Akimasa, Surg. Today 31: 363-366, 2001 15. Natural skin reduction and breast recovery using a tissue expander after enucleation of a giant breast tumour. KAMEI Yuzuru, TORII Shuhei, Scand J Plast Reconstr Hand Surg 34: 383-385, 2000 ─ 295 ─ 機能構築医学専攻 生体管理医学講座 麻酔・蘇生医学 Ⅰ 教室の沿革・特色 麻酔学講座の開設は昭和 39 年であり、歴史は比較的新しい。昭和 60 年 3 月、初代の竹島登教授退官にともな い、昭和 60 年 8 月に島田康弘教授が就任し現在に至る。 麻酔科学は臨床の学問の一つであるが、刻々と状態の変化する手術患者の麻酔はまさに生理学や薬理学の応用 科学と言ってよい。さらに、麻酔がいかにしてかかるかという根本的な麻酔理論や生体の個々の細胞に及ぼす影 響は、物理化学や生物化学の知識を持って初めて解明されるべき分野であるが、いまだ結論はでていない。 ペインクリニックも麻酔科学の領域の一つである。難治性疼痛患者を通してみると、発痛や除痛機構など解明 すべき問題は山積みされている。 以上のように、麻酔科学は学問としての成立が比較的最近であり、未解明の分野が多い。また、これに取り組む 教室員も創造力を持つ若人が多く活気にあふれた教室である。 Ⅱ スタッフ 教 授 島 田 康 弘(医学博士) 助 教 授(手術部) 滝 和 美(医学博士) 助 教 授 講 師 西 脇 公 俊(医学博士 )、 佐 藤 光 晴(医学博士) 助 手 佐 藤 栄 一、 高 野 碧 年、 角 渕 浩 央(医学博士)、 橋 本 篤 助 手(手術部) 小 林 信、 北 村 英 恵 医 員 6 人(手術部2人) Ⅲ 研究分野・内容 1)麻酔と自律神経系に関する研究 心拍および連続測定された動脈血圧の揺れをコンピューター処理することにより、自律神経系の機能状態 が無侵襲的に解析することができる。本法は麻酔の深さや循環系に対する影響を評価するのに適している。ま た、術後や集中治療をうけている重症患者の予後評価にも適しており、現在臨床研究が盛んに行われている。 2)肺水腫の成因に関する研究 動物の心肺標本を用いて、交感神経刺激を行うことにより肺水分量の変化をみる実験的研究である。交感神 経端末からはノルアドレナリン以外にも多くの神経ペプチドが分泌され、それが肺水腫の成因となっているの ではないかとの仮説のもとに生理および薬理学的手法を用いて研究が進められ多くの成果をあげている。愛知 医科大学薬理学講座との共同研究である。 3)血管病変をもつ手術患者の周術期管理に関する研究 大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症などの血管病変を持つ患者は虚血性心疾患をはじめとするさまざまな合併症を もっている確立が高いとされているが、術前の合併症のスクリーニング、術中、術後管理などに関してはいま だ統一した見解を得ておらず、何らかのガイドラインが必要とされる。臨床の場で術前検査の結果、術中前後 ─ 296 ─ 機能構築医学専攻 生体管理医学講座 の合併症の頻度などを解析し、周術期管理の指標となるものをつくりあげようとしている。 4)疼痛生理に関する研究 痛み発症機序に交感神経機能は重要な働きをなしている。本研究では血管壁を周期的に調節している交感神 経と密接に関連しているレニンアンジオテンシン系の遺伝子制御と難治性の神経因性疼痛との関連を分子生物 学的手法用いて解明しており、遺伝子治療の可能性に関しても検討している。 Ⅳ 指導方針など 大学院生としての受け入れ時期としては、卒後臨床研修の終了以降が望ましい。これは臨床系の大学院生とし て麻酔専門医システムとの関係があるためである。大学院を修了したものは、臨床をはなれた研究者となるので はなく大学あるいはそれに類した研究施設の付随した病院で臨床麻酔を指導し、かつ研究が指導できる能力を持 てるように指導されるべきである。 大学院の1年時には、原則として基礎医学の講座に出向し、週3日以上の研究を保証する。2年目以降は週 2日の研究日を保証する。麻酔専門医としての受験資格を得るには、この間少なくとも週3日は麻酔指導病院で 研修を行う必要がある。その意味では、大学院 1 年時は受験資格期間として認定されることは難しい。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Hamdy O et al. Presence and quantification of neuropeptide Y in pulmonary edema fluids in rats. Exp Lung Res: 26: 137-147, 2000 2. Feng GG et al. Inhibition of fibrin-induced neurogenic pulmonary edema by previcus unilateral left vagotomy correlates with increased levels of brain nitric oxide synthase in the nucleus tractus solitarii. Auton Neurosci 102: 1-7, 2002 3. Ling L-J et al. Central projection of unmyelinated (c) primary afferent fibers from ganstrocnemius muscle in the guinea pig. J Comp Neurol 461:140-150,2003 Ⅵ 大学院修了者の進路 助手採用 Ⅶ 過去5年間の代表論文・著書名 1. Kondoh H et al. Association of anesthesia technique with blood loss and transfusion rates in patients with gynecological hysterectomy; A retrospective multi-institutional record review. Anesth Resusc 35(1): 49-54, 1999 2. Takahashi T et al. Effects of tracheal gas insufflation and tracheal gas exsufflation on intrinsic positive end-expiratory pressure and carbon dioxide elimination. Respir Care 44(8): 918-924, 1999 3. Fujiwara Y et al. Transfer function analysis of the circulation in patients undergoing sevoflurane anesthesia. Can J Anesth 46 (9): 820-826, 1999 4. Fujiwara Y et al. Effects of isoflurane anesthesia on pulmonary vascular response to K+ATP channel activation and circulatory ─ 297 ─ 機能構築医学専攻 生体管理医学講座 hypotension in chronically instrumented dogs. Anesthesiology 90(3): 799-811, 1999 5. Kimura T et al. Heart rate and blood pressure power spectral analysis during calcium channel blocker induced hypotension. Can J Anesth, 46: 1110-1116, 1999 6. Yokota S et al. Analgesic effects of the indomethacin ointment on acute pain induced by Injury: An experimental analysis by fos expression in the spinal cord of rats. Pain Res 15(1): 9-14, 2000 7. 川瀬正樹ら。解離性大動脈瘤に対する人工血管(elephant trunk)とその吹き流しのステント固定術後、左心不 全と凝固線溶異常を呈した 1 例。ICU と CCU:24(1)、57-62、2000 8. Kawase M et al. Heart rate variability during massive hemorrhage and progressive hemorrhagic shock in dogs. Can J Anesth: 47(8), 807-814, 2000 9. Hosoda R et al. Association between chronic pain and T102C polymorphism of the 5-HTR2A gene. Proceedings of Worldwide Pain Conference: 43-47, 2000 10. 木村智政ら。前投薬の考え方(合併症のある患者の術前処置を含めて)前投薬投与時の自律神経活動への影 響。日本臨床麻酔学会誌:20(5) 、291-294、2000 11. 高野碧年ら。先天性表皮水疱症(劣性栄養障害型)の脊椎麻酔の経験。麻酔:49(9)、1018-1020、2000 12. Kumagai K et al. Unilateral pulmonary cystic enlargement in a newborn: remember the one-sided blind intubation. Paediatr Anaesth: 10, 111-113, 2000 13. Kimura T et al. Angiotensin-converting enzyme gene polymorphism in patients with neuropathic pain. Proceedings of the 9th World Congress on Pain: 16, 471-476, 2000 14. 細田蓮子ら。セロトニン受容体(5-HTR2A)遺伝子多型 T102C と慢性疼痛疾患の関連について。平成 11 年度 セロトニン(5-HT2)研究会報告:32-33、2000 15. Hamdy O et al. Presence and quantification of neuropeptide Y in pulmonary edema fluids in rats. Exp Lung Res: 26: 137-147, 2000 16. Kondo U et al. Propofol selectively attenuates endothelium-dependent pulmonary vasodilation in chronically instrumented dogs. Anesthesiology 93(2), 2000 17. 横田修一ら。先天性表皮水疱症(劣性栄養障害型)の脊椎麻酔の経験。麻酔 49:1018-1020、2000 18. 小松徹ら。心拍変動の基礎と麻酔科領域での臨床応用。臨床麻酔 24(11)、1771-1786、2000 19. 冨田 彰ら。肝切除の麻酔管理:肝血流維持を目標においた麻酔管理を心がける。LISA 7(2):170-174、2000 20. 小松 徹ら。心拍変動。集中治療第 12:113-123、2000 21. Sato K et al. Unexpected hyperkalemia following succinylcholine administration in prolonged immobilized parturients treated with magnesium and ritodrine. Anesthesiology 93: 1539-1541, 2000 22. Thunobuchi H et al. Memory-type CD8+ T cells protect IL-2 receptor α-deficient mice from systemic infection with HSV type2. J.Immunol 165:4552-4560,2000 23. Thunobuchi H et al. A protective role of interleukin-15 in a mouse model for systemic infection with herpes simplex virus. Virology 275:57-66,2000 24. 西脇公俊ら。高齢者癌性疼痛治療上の特徴:全国ホスピス・緩和ケア病棟へのアンケート調査から。日本ペ インクリニック学会誌 7(2) :138-144、2000 25. 鬼頭和裕ら。心房中隔欠損症に伴う肺高血圧症により拡張した肺動脈が左冠動脈狭窄を来した患者の麻酔経 ─ 298 ─ 機能構築医学専攻 生体管理医学講座 験。麻酔 50:184-187、2001 26. 高橋利通ら。術後の肺感染症。現代医療 33、2001 27. Kumagai K et al. Perioperative management of a patient with purpura fulminans syndrome due to protein C deficiency. Can J Anesth 48: 1070-1074, 2001 28. 荒川陽子ら。星状神経節ブロック時に心因性反応を生じた CRPS の 1 症例。日本ペインクリニック学会誌 27-27、2001 29. Kawase M et al. Monitoring of retrohepatic inferior vena caval pressure predicted postoperative hematoma after hepatic surgery. Can J Anesth 48(9), 932-933, 2001 30. Kawase M et al. Heart rate variability and arterial blood pressure variability show different characteristic changes during hemorrhage in isoflurane-anesthetized, mechanically ventilated dogs. Anesth Analg 94: 16-21, 2002 31. 木村智政ら。大動脈瘤に対するバルーン閉塞併用によるステンドグラフト内挿術の麻酔管理。日本臨床麻酔 学会誌 22(2) :72-75、2002 32. 木村智政ら。遺伝子治療と麻酔。臨床麻酔 26(3):519-526、2002 33. 西脇公俊ら。 AII/ARDSの診断基準、重症度判定基準。現代医療 34:65-70、2002 34. 鳥居 圭ら。 小児漏斗胸患者の周術期における鎮痛法の検討。日本小児麻酔学会誌 9:130-133、2003 35. 矢野華代ら。 名古屋大学医学部附属病院における小児麻酔中に発生したオカーレンス報告の検討。日本小 児麻酔学会誌 9:134-138、2003 36. 島田康弘。 第7回日米麻酔会議。臨床麻酔 27:117、2003 37. 木村智政ら。 喉頭疾患。気道確保のすべて(文光堂)、2003 38. Thunobuchi H et al. Expressions of inhibitory Smads,Smad6 and Smad7,are differentially regulated by TPA in human lung fibroblast cells. BBRC 316:712-719,2004 39. 西脇公俊ら。 神経原性肺水腫。SIRSの病態と治療 Ⅰ ALI / ARDS(医薬ジャーナル社):220-226、 2004 40. 西脇公俊ら。 神経原性肺水腫と神経性肺血管透過性調節。ARDSのすべて(医歯薬出版株式会社) : 182-186、2004 ─ 299 ─ 機能構築医学専攻 生体管理医学講座 救急・集中治療医学 Ⅰ 教室の沿革・特色 救急医学講座は平成 6 年度に設置が認められ、平成 7 年に武澤 純が初代救急医学講座教授に、その後平成 8 年に高橋英夫が助教授に就任した。救急医学講座は学生教育、臨床教育にあたるとともに、病院救急部、集中治 療部と一体化して臨床業務、卒後研修、臨床研究にもあたっている。現在も依然人員不足のため、診療を中心に 教室運営が成されているが、国立大学全国協議会を主体に、集中治療部、救急部の技能評価システムの構築を実 施した。今後は救急・重症患者教育システムの構築、Evidence based Medicine(EBM)に立脚した臨床研究を目 指している。教室の研究目的はあくまでも臨床研究であり、比較的短期間に患者の治療や管理に還元できる内容 の研究を心がけている。 Ⅱ スタッフ 教 授 武 澤 純 助 教 授 高 橋 英 夫 講 師 真 弓 俊 彦 助 手 福 岡 敏 雄 助 手 有 嶋 拓 郎 助 手 榊 原 陽 子 助 手 臼 井 真 人 医 員 小野寺 睦 男 医 員 朝 倉 雄 介 Ⅲ 研究分野・内容 武 澤:呼吸不全患者の人工呼吸管理、医療における TQM 高 橋:ベロ毒素による HUS 呼吸不全の病態生理の解明、医療の安全性。 福 岡:EBM に基づく重症患者治療法の再評価、メタアナリシス 真 弓:遺伝子多型性に基づく重症感染症の治療 榊 原:ICU に於ける感染症サーベイランス 有 嶋:遺伝子解析を用いた真菌感染症の診断 臼 井:不整脈に対する外科治療 小野寺:人工呼吸管理の自動化最適化 Ⅳ 指導方針など ・博士号の取得より、継続性のある研究テーマの発見と外国雑誌への論文掲載を目的とする。 ・EBM に立脚した臨床研究、治療法の開発を目的として研究を行う。 ・社会的にも臨床的にも問題となっている課題の解決を図る。 ─ 300 ─ 機能構築医学専攻 生体管理医学講座 Ⅴ 過去5年間の代表論文 1. Mayumi T, Takezawa J. Takahashi H. et al. Low-dose intramuscular polymyxin B improves survival of septic rats. Shock 11; 82-86: (1999). 2. Sakakibara Y, Fukuoka T, Nakashima Y, et al. Management of infantile pneumomediastinum using high-frequency oscillation. Crit Care and Shock 1; 38-40: (1999). 3. Jun Takezawa. Optimal ventilator settings in respiratory failure from the viewpoint of pulmonary meehanics. Crit Care Alert 10; 65-68: (2002) 4. 福岡と潮、武澤純。蘇生と救急処置「ガイドライン 2000」. 日本内科学会雑誌 91;146-158:(2002) 5. 武澤純 . 医療安全としての院内感染予防 . 保健医療科学 51;203-209;(2002) 6. 真弓俊彦、有嶋拓郎、伊藤亜抄子、小野寺睦雄、臼井真人、福岡敏雄、榊原陽子、高橋英夫、武澤純 . 敗血 症と遺伝子多型 . Surgery frontier 10,17-24: (2003) 7. Jun Takezawa. Randomized controlled Trials - Strengths and Weakness. Critical Care Alert 5:53-56;(2003) ─ 301 ─ 機能構築医学専攻 生体管理医学講座 細 胞 治 療 医 学 (附属病院輸血部) Ⅰ 教室の沿革・特色 附属病院輸血部は病院の中央施設として昭和 47 年に設置され、各診療科、診療部門での輸血療法に必要な全て の業務を行っている。輸血部の業務の一つは血液製剤の管理、検査、払い出し、発注など直接的な血液製剤に関 するものである。輸血部設置以来長年にわたりこれらの業務はいわゆる時間内に限定されていたが、平成 9 年 4 月より検査部の全面的な協力により時間外業務を開始した。これにより診療担当者は輸血検査、払い出しという 本来不必要な業務から開放され治療に専心することが可能になり、また不測の事故の可能性も極度に減少した。 さらに、平成 11 年 8 月からは血漿分画製剤の管理払い出しも開始し、輸血医療に対する一元的なサポートを行っ ている。平成 6 年からはまた究極の輸血である自己血輸血を推進するために、従来各科が行っていた採血を中央 化しその結果としてその実施数は著しく増加し、現在では輸血が必要な手術例の約 80 パーセントは自己血のみで 行われるに至っている。 近年著しい進歩を遂げた移植医療においては我が国においても、脳死患者からの臓器提供を受けるいわゆる脳 死移植が開始されその重要性はますます高くなってきている。骨髄、末梢あるいは臍帯からの造血幹細胞移植の 適応疾患は従来の造血器腫瘍をはじめとする造血器の疾患から、各種の固形腫瘍にまで適応が拡大されてきてい る。輸血部は従来の輸血用血液の検査・管理に加えて、これらの移植センター・細胞治療部として機能を果たし てきた。 Ⅱ スタッフ 教 授 高 松 純 樹(医学博士) Ⅲ 研究分野・内容 研究面では、輸血による感染症、とくに輸血後肝炎の最も重大な原因となっている C 型肝炎、および輸血によ る後天性免疫不全ウイルス(HIV)感染症の研究を行っている。我が国における輸血後 HIV 感染症の大部分は血 友病患者であり、これら患者はまた同時に C 型肝炎ウイルスにもほぼ 100 パーセント感染していることからこ れら両ウイルスのそれぞれの感染症に対する相互関係、疾患進展への影響などを検討した。その結果、HIV 感染 は HCV 感染に対しては悪影響をを及ぼし、C 型肝炎の進行を促進することが明らかになった。一方最近明らか にされた G 型肝炎ウイルス(HGV)と HIV の混合感染では、HGV は HIV 感染の進行(エイズ発症)に抑制的 な効果を示すことを世界に先駆けて明らかにした。さらには消化器内科との共同研究により、これらの肝炎患者 に対してインターフェロンをはじめとする各種抗ウイルス剤を用いた治療についても積極的に行い成果を挙げて いる。 関係診療科との連携により、安全な輸血医療のための臨床研究を始め、細胞処理法の改良、保存方法の改良あ るいは革新のための基礎的・臨床的研究を開始しており、すでに本学においても実施されている、生体肝移植、 あるいは遺伝子治療等の先進医療に応えるべき研究を実施している。今後は皮膚体外増殖による熱傷治療、自己 免疫疾患に対する PBSCT、樹状細胞を用いた免疫療法など、新しい医療をめざす研究を当該科との連携のもと に行う予定である。 ─ 302 ─ 機能構築医学専攻 生体管理医学講座 Ⅳ 指導方針など 輸血医療の基礎となる免疫血液学、血液学、血液凝固学を始め感染症、体液調節、輸血検査の原理、意味等に ついてもなどを学習する。さらには末梢血液より得られた単核球の分離、精製、濃縮さらにはこれらの培養技術 の習得も行う。 Ⅴ 過去5年間の代表論文 1. Polymorphism in Rantes chenokine promotor affects HIV-1 disease progression. Liu H, Chao D, Nakayama EE, Taguchi H, Goto M, Xin X, Takamatsu J, Saito H, Ishikawa Y, Akaza T, Juji T, Takebe Y, Ohishi T, Fukutake K, Maruyama Y, Yashiki S, Sonoda S, Nakamura T, Nagai Y, Iwamoto A, Shioda T. Proc Natl Acad Sci USA 96:4581-4585,1999 2. Detection of TT virus in plasma derived clotting factor concentrates. Yokozaki S, Fukuda Y, Nakano I, Katano Y, Toyoda H, Takamatsu J. Blood 94:3617,1999 3. Immunologic dynamics in hemophiiac patients infected with hepatitis C virus and human immunodeficiency virus: Influence of antiretroviral thrapy. Yokozaki S, Takamatsu J, Fukuda Y, Nakano I, Katano Y, Toyoda H. Blood 96:4293-4299,2000 4. Ishiguro K, Kojima T, Kadomatsu K, Nakayama Y, Takagi A, Suzuki M, Takeda N, Ito M, Yamamoto K, Matsushita T, Kusugami K, Muramatsu T, Saito H. Complete antithrombin deficiency in mice results in embryonic lethality. J Clin Invest 106:873-878, 2000. 5. Hepatitis C virus RNA dynamics during antiretroviral therapy. Yokozaki S, Takamatsu J, Nakano I, Katano Y, Toyoda H, Hayashi K, Hayakawa T, Fukuda Y. Blood 97:3318-3319, 2001 6. GB virus C and mortality from HIV infection. Takamatsu J, Toyoda H, Fukuda Y. N Eng J Med 346:377-379, 2002. 7. Yamamoto K, Takeshita K, Shimokawa T, Yi H, Isobe K, Loskutoff DJ, Saito H. Plasminogen activator inhibitor-1 is a major stress-regulated gene: Implications for stress-induced thrombosis in aged individuals. Proc Natl Acad Sci USA 99:890-895, 2002. 8. Yamamoto K, Shimokawa T, Yi H, Isobe K, Kojima T, Loskutoff DJ, Saito H. Aging accelerates endotoxin-induced thrombosis: increased responses of plasminogen activator inhibitor-1 and LPS signaling with aging. Am J Pathol 161:1805-1814, 2002. 9. Yamamoto K, Shimokawa T, Yi H, Isobe K, Kojima T, Loskutoff DJ, Saito H. Aging and obesity augment the stress-induced expression of tissue factor gene in the mouse. Blood 100:4011-4018, 2002. 10. Takeshita K, Hayashi M, Iino S, Kondo T, Inden Y, Iwase M, Kojima T, Ito M, Loskutoff DJ, Saito H, Murohara T, Yamamoto K. Increased expression of plasminogen activator inhibitor-1 in cardiomyocytes contributes to cardiac fibrosis after myocardial infarction. Am J Pathol 164:449-456, 2004. ─ 303 ─ 機能構築医学専攻 生体管理医学講座 病理組織医学 (附属病院・病理部) Ⅰ 教室の沿革・特色 病理部設置の動きは、全国的に病院での病理部門を独立させ、病理解剖を病院に移し、臨床に密着した病理診 断を求める声が高まり、 “臨床病理部の設置”が病院の概算要求にもり込まれた。昭和 50 年 4 月、病理部が文部 省から認可され、病理解剖が医学部から病院へ移管されることになった。 昭和 57 年 3 月、病理部は新築され特殊診療棟の一階へ移転し、冷蔵庫や資料保存室、カンファランスルーム などが設けられた。この結果、 血清や臓器の長期保存や剖検資料の集中管理ができるようになり、移転を機会に、 両病理教室それぞれ保管されていた過去の剖検資料が病理部に移管された。剖検症例検討会も開催され、現在ま でに 570 回を越え、全剖検例の臨床と病理に関する討論が CPC 形式で行われ、研修医を含めた卒後教育に貢献 している。 病理部の地域活動としては、 愛知県医師会の要請により県下4医科大学と共同で『愛知県医師会剖検システム』 に参加して、大病院のみならず小規模医療機関の剖検も積極的に行うことになった。これは地域医療の質の向上 を図る上で全国でもユニークな試みとして注目をあつめている。またテレパソロジー(遠隔病理診断)のシステ ムを構築し、得に術中迅速診断での地域医療支援を推進している。専門領域での成果を、地域医療に還元するた め、病理診断のコンサルテーションセンターとしての機能を果たしている。 病理部における研究活動は、業務と関連し、疾患の病理学的解析が中心である。従来の形態学的手法に加え、 分子生物学的手法を取り入れた形態解析による疾患の理解を目指している。従来の静的な病理診断から、より動 的な、すなわち治療に直結する診断への応用が可能な研究を重ねている。 Ⅱ スタッフ 助 教 授 伊 藤 雅 文 助 手 下 山 芳 江 医 員 榊 原 綾 子 技 官 鈴 木 利 明 Ⅲ 研究分野・内容 病理部の研究は、従来の形態中心の病理研究に、分子生物学的手法を加え、疾患の分子生物学的変化を形態に、 また形態から分子生物学的変化へと、その連続を追い掛ける研究を行っている。手法は、従来の古典的な形態観察 法に加え、免疫組織化学、病理組織からの DNA の分離と解析、in situ の分子雑種法による遺伝子解析などを用い ている。臨床に直結した病理学的研究が主体である。その中心は、造血器疾患の病理、骨髄移植、肝移植の病理、 感染症の病理、血管障害の病理である。 骨髄病理に関する研究では、他に類を見ない膨大な蓄積症例ファイルをもち、われわれの保存材料を利用しての 分子レベルでの検索を行っている。また診断学的に実用性の高い新規検査法の開発を行い、実績を上げている。移 植病理では、歴史的に先進的な位置を占めてきた骨髄移植病理の業績を背景に、近年増加している生体肝移植の病 理にも取り組んでおり、今後拒絶を中心とする免疫制御システムの病理学的解析を行う予定である。移植に関連し た感染症病理の研究は、現在病原体をより病理学的に同定するシステムの開発を行っている。血管障害の病理は、 細小血管の病理から、大血管系疾患の病理まで幅広く取り扱っており、独自の視点での研究で、成果を上げている。 ─ 304 ─ 機能構築医学専攻 生体管理医学講座 Ⅳ 指導方針など 病理部における大学院生の教育は、部門が業務と直結していることもあり、より実践的な病理診断学の教育を 中心としている。病理解剖は、その実施、まとめ、CPC を行うことで完結する。病理診断については、病理学 会の専門医を目指したレベルの教育を行っている。研究に関しては、病理部で従来から継続して行っている研究 を中心に、その展開を目指すことを主眼とする指導方針である。研究協力として、その他の講座からの大学院生 の研究に関する指導も幅広く行っており、病理形態学的検索に関しては、現時点でほとんどの内容が可能な陣容 となっている。 Ⅴ 大学院生の業績 (独自の大学院生を現在受け入れていない) 1. M.Kobayashi, M.Ito,: Immunohistochemical analysis of arterial wall cellular infiltration in Buerger's disease (endoarteritis obliterans). J Vasc Surg 29:451, 1999 2. K.Yokoyama, M.Ito,: Pathological effect of synthetic cereulide, an emetic toxin of Bacillus cereus, is reversible in mice. FEMS 24:115, 1999 3. Y. Kasuya, M. Ito,: An aldose redutase inhibitor prevents the intimal thickening in coronary arteries of galactose-fed beagle dogs. Diabetologia 42:1404, 1999 4. M.Kobayashi, M.Ito,: Neutrophil and endothelial cell activation in the vasa vasorum in Vasculo-Behcet disease. Histopathol 36: 362, 2000 5. C. Tanahashi,: MELAS with the mitochondrial DNA 3243 point mutation: neuropathological study. Acta Neuropathol 99: 31, 2000 6. M. Noshiro,: Gastric metaplasia in the duodenal bulb exhibits increased mucosal Interleukin-8 activity in Helicobacter pylori-positive duodenal ulcer patients. Scand J Gastroenterol 35: 482, 2000 7. K.Ishiguro,: Syndecan-4 deficiency impairs the fetal vessels in the placental labyrinth. Develop Dynam 219: 539, 2000 8. K.Ishiguro,: Complete antithrombin deficiency in mice results in embryonic lethality. J Clin Invest 106: 873, 2000 9. H Kamiya,: Antioxidant changes in the hypertrophied heart due to energy metabolic disorder. Basic Res Cardiol 96: 431, 2001 10. H Matsuno: Interstitial hyperthermia using magnetite cationic liposomes inhibit to tumor growth of VX-7 transplanted tumor in rabbit tongue. Jpn J Hyperthermic Oncol 17:141, 2001 11. H. Kamiya: Calcineurin inhibitor attenuates cardiac hypertrophy due to energy metabolic disorder. Can J Cardiol 17:1297, 2001 12. Takeshita: Increased expression of plasminogen activator inhibitor-1 with fibrin deposition in a murine model of aging, "Klotho" mouse. Semin In Thrombosis and Hemostasis 28: 545, 2002 13. Y Saburi: Changes in distinct species of 1,2-diacylglycerol in cardiac hypertrophy due to energy metabolic disorder. Cardiovascular Res 57: 92, 2003 14. A Fukatsu: Relationship between serum prostate-specific antigen and calculated epithelial volume. Urology 61: 370, 2003 15. S Hamaguchi: Selective hyperthermia using magnetoliposomes to target cervical lymph node metastasis in a rabbit tongue tumor model. Cancer Sci 94: 34, 2003 ─ 305 ─ 機能構築医学専攻 生体管理医学講座 16. K Takeshita, M Hayashi, S Iino, T Kondo, Y Inden, M Iwase, T Kojima, M Hirai, M Ito, D J Loskutoff, H Saito, T Murohara, K Yamamoto: Increased expression of plasminogen activator inhibitor-1 in cardiomyocytes contributes to cardiac fibrosis after myocardial infarction. Am J Pathol 164: 449, 2004 17. K Takeshita: Sinoatrial node dysfunction and early unexpected death of mice with a defect of klotho gene expression. Circulation 109:1776, 2004 Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. JW Choi, Y Kim, M Fujino, M Ito: A new anti-hemoglobin F antibody against synthetic peptides for the detection of F-cell precursors (F-blasts) in bone marrow. Int J Hematol 74: 277, 2001 2. 鈴木利明、鈴木綾子、伊藤雅文 : 病理組織学的検索により確定されたジフテリア感染症の1例 . 医学検査 50:1447, 2001 3. A. Nakagawa, M. Ito, S. Saga: Fetal cytotoxic T-cell proliferation in chronic active Epstein-Barr virus infection in childhood. Am J Clin Pathol 117: 283, 2002 4. JW Choi, Y Kim, M Fujino, M Ito: Hemoglobin F synthesis is not restricted to fetal erythropoietic organs during extramedullary hematopoiesis. Haematologica 87: 323, 2002 5. JW Choi, M Fujino, M Ito: F-blast is a useful marker for differentiating hypocellular refractory anemia from aplastic anemia. Int J Hematol 75: 257, 2002 6. JW Choi, Y Kim, M Fujino, M Ito: Significance of fetal hemoglobin-containing erythroblasts (F blasts) and the F blast/F cell ratio in myelodysplastic syndromes. Leukemia 16: 1478, 2002 7. JW Choi, Y Kim, M Fujino, M Ito: F blast production correlates strongly with upregulation of inducible nitrix oxide synthase in myelodysplastic syndromes. Annals Hematol 81: 548, 2002 8. M. Ito: The diagnosis from the pathological viewpoint of a blood disease. Int J Hematol 76: 2, 2002 9. M Ito, Y Kim, JWeon Choi, H Ozawa, M Fujino: Prevalence of Intravascular Large B-cell Lymphoma with Bone Marrow Involvement at Initial Presentation. Int J Hematol 77:159, 2003 10. C Ito, M Ito, H Kamijo, M Asai, O Narita: An evaluation of the effects of salpingectomy on implantation of embryos – importance of activation of T/NK lymphocytes in the endometrium. Fertility and Sterility 82:149, 2004 ─ 306 ─ 機能構築医学専攻 病態医療学講座 光 学 診 療 学 (名古屋大学医学部附属病院 光学医療診療部) Ⅰ 教室の沿革・特色 光学医療診療部の臨床研究は、昭和 33 年に院内措置で内視鏡が発足して、胃カメラが導入されたことから始ま る。それ以来、食道、胃、大腸、胆道、膵臓などの内視鏡的診断に関する研究が行われてきた。昭和 35 年には検 査部の中央化により、検査部内視鏡室が正式に発足した。昭和 50 年代には腹部超音波が臨床応用されるようにな り、さらに 60 年代の初めには超音波内視鏡が開発され、消化器疾患の診断能が向上した。それにより消化管の早 期癌の内視鏡的切除、胆石・膵石の砕石、食道静脈瘤や潰瘍による消化管出血の治療に関する研究が積極的に行 われるようになった。その後、電子内視鏡、細径超音波プローブ、腹部カラードプラ、内視鏡カラードプラ、体 外衝撃波装置(胆石、膵石治療) 、ダイレーザー装置(膵石治療)などの優れた光学医療機器を導入することによ り各種の消化器疾患について診断から治療までを一貫して行うとともに、教育・研究の面でも大きな成果を上げ、 中部地区の医療レベルの向上に寄与してきた。本診療部では、通常の上部・下部消化管の診断と治療で多くの研 究成果を上げている。特に超音波内視鏡による消化器癌の深逹度診断とそれにともなう早期消化器癌の内視鏡的 切除、さらに胃潰瘍の病態解明に関しては本邦で先駆的な業績をあげてきた。また肝臓、胆道、膵臓領域では、 腹部超音波検査を東海地区で初めて導入し、広く普及させるとともに、この機器を用いることにより肝臓、胆道、 膵臓疾患の診断に大きく貢献した。さらに超音波内視鏡検査(細径超音波プローブを含む)に関する研究におい ても、その有用性を世界に先駆けて報告した。新しい技術として、上部消化管の切開剥離法、小腸内視鏡、超音 波画像の 3 次元化や造影超音波、造影超音波内視鏡をはじめ超音波内視鏡下穿刺術などの新しい治療法・診断法 を臨床に応用している。最近では、optical coherence tomography:OCT(光干渉断層法)や confocal endoscopy (共焦点内視鏡)など、数百μから数μの解像度を有する診断法を用いた Virtual biopsy(仮想生検)の検討やマ イクロアレイを用いた遺伝子解析を診断と治療に応用すべく検討している。 Ⅱ スタッフ 教 授 後 藤 秀 実(医学博士) 講 師 廣 岡 芳 樹(医学博士) 医 員 金 森 明 Ⅲ 研究分野・内容 光学診療部で行われている研究部分野と内容は以下の通りである。 1.検査としては上部・下部消化管内視鏡検査、消化管運動検査、腹部超音波検査、内視鏡逆行性膵胆管造影検 査、超音波内視鏡検査(上部・下部消化管、胆道、膵臓など)超音波内視鏡下穿刺術、など消化器の医師と して必要な基礎的な診断技術から専門医師としての高度な技術まで幅広く研究されている。 2.治療としては、早期の消化管癌および良性腫瘍(食道、胃、十二指腸、大腸)の切除、上部、下部消化管出 血(食道静脈瘤、消化管出血など)の止血、消化管閉塞にたいするステント留置、閉塞性黄疸に対するドレ ナージ、総胆管結石症の截石、膵石症の破砕等である。これらの治療法の安全性と、今後の高齢化社会に対 して、非侵襲的な内科的治療の研究・開発を行っている。 ─ 307 ─ 機能構築医学専攻 病態医療学講座 3.内視鏡像、超音波内視鏡、それに腹部超音波像の 3 次元化、また小腸内視鏡に加え、カプセル内視鏡や OCT 等消化管および胆膵領域での非侵襲的な virtual endoscopy の開発に取り組んでいる。 Ⅳ 指導方針など 光学医療診療部の学習では、内視鏡あるいは腹部超音波などによる診断および治療技術の取得と、これらの最 新機器により得られた画像の読解力を習得することが重要である。これらは臨床経験を重ねることにより向上す るものであるが、学生および大学院生の教育では読影力を、臨床研修医の教育としては緊急内視鏡などの一通り の基礎的な技術と読影力を習得するように指導する。 Ⅴ 過去5年間の代表論文・著者名 1. Evaluation of prognosis of squamous cell carcinoma of the oesophagus by endoscopic ultrasonography Shinkai, M., Niwa, Y., Arisawa, T., Ohmiya, N., Goto, H., Hayakawa, T. Gut 47 (15): 120-125, (2000) 2. Present situation of EUS-FNAB in our institute and future appropriate direction of this procedure in Japan Hirooka Y.,Itoh A.,Hashimoto S.,Niwa Y.,Goto H. Dig Endoscopy 15:51-58, (2003) 3. Differentiation of benign and malignant lymph nodes with contrast-enhanced echolymphography using endoscopic ultrasound-guided puncture. Kojima S, Goto H, Hirooka Y, Itoh A, Ishiguro Y, Hashimoto S, Hirai T, Hayakawa T Hepato-Gastroenterology 50: 1285-1291, (2003) 4. A comparison of image quality between tissue harmonic imaging and fundamental imaging with an electronic radial scanning echoendoscope in the diagnosis of pancreatic diseases. Ishikawa H, Hirooka Y, Itoh A, Hashimoto S, Okada N, Itoh T, Kawashima H, Goto H. Gastrointest Endosc 57: 931-936, (2003). 5. Comparison of image quality between electronic and mechanical radial scanning echoendoscopes in pancreatic diseases. Niwa K, Hirooka Y, Niwa Y, Ohmiya N, Itoh A, Hashimoto S, Ishikawa H, Okada N, Itoh T, Goto H. J Gastroenterol Hepatol 19: 454-459, (2004). ─ 308 ─ 機能構築医学専攻 細胞工学講座 細 胞 工 学 (連携講座) Ⅰ 教室の沿革・特色 当連携講座は 、 平成 12 年度より名古屋大学大学院医学研究科・機能構築医学専攻コースの連携講座 (細胞工学) として発足し、愛知県がんセンター研究所の複数の研究室から構成されている。現在は、腫瘍免疫学部 、 腫瘍病 理学部 、 分子病態学部の三つの研究室に基礎を置き 、 がん研究における最先端の知見を種々の手法を用いて明ら かにしつつある。愛知県がんセンター研究所は 、1964 年に愛知県がんセンター発足と同時に設置され、世界に誇 るトップクラスのがん研究施設として、がん研究の歴史に大きな足跡を残してきた(http://www.acc.pref.aichi. jp/acc/) 。その中にあって本連携講座は、ヒトがん抗原の同定や免疫療法の開発ならびに消化管がんをモデル系 としたヒトがんの発症と進展の分子機構に関する病理学研究を精力的に進めている。所属する研究者は、遺伝子 改変マウスやキメラマウス等の細胞工学的手法にも精通し、 最先端の免疫学ならびに分子病理学的検索を駆使し、 幅広い研究を展開している。 Ⅱ スタッフ 教 授 高 橋 利 忠(研究所・所長) 立 松 正 衞(腫瘍病理学部・部長) 助 教 授 田 口 修(分子病態学部・室長) 大 学 院 生 森 島 聡 子、 川 瀬 孝 和、 白 水 崇、 小 栗 崇 史、 山 口 知 也、 Ⅲ 研究分野・内容 ① 腸上皮化生ならびに胃癌の細胞分化に関わる遺伝子発現とその分子機構(立松) ② ヒト胃癌の浸潤・転移の分子機序の解明と微少転移に対する遺伝子診断と治療法の開発(立松) ③ Helicobacter pylori と胃がんの発生・予防に関する研究 ④ がん免疫療法に向けてのヒトがん抗原の同定とマウス TL 抗原をモデルとした免疫療法の開発(高橋) ⑤ 癌細胞における細胞骨格異常の解析と細胞周期に関わる新規調節キナーゼの研究 (高橋) ⑥ 自己免疫現象を応用したがんの免疫療法の開発(田口) Ⅳ 指導方針など 当連携講座は 、 愛知県がんセンター研究所において活動中の研究グループの複合体であり 、 そこで進められつ つある研究は 、「がん」の本態解明を目指した基礎的研究から 、 その克服を目指した臨床応用研究まで多岐に渡 る。これまで当連携講座に属する研究者達はそれぞれ 、 日本全国の大学(主として医学部)の大学院生等を愛知 県がんセンター研究所の研修生として受け入れ 、 欧文の一流誌に論文を発表できるように指導してきた(下記に 最近3年間に発表された研修生が筆頭著者の論文を記載する)。さらに 、 学位習得後の留学希望者には受け入れ 先に関しても指導を行ってきた。平成12年度より連携講座として直属の大学院生を採用し指導する体制が整 い。現在 5 名の大学院生が所属し、着実に研究成果をあげており、今後の発展が期待される。 ─ 309 ─ 機能構築医学専攻 細胞工学講座 当連携講座を形作る研究グループは、医学系と理学系の研究者がそれぞれの特性を発揮しつつ研究を進めつつ あるので 、 大学院生は多角的な見方や発想法の習得の機会がふんだんに得られる。また 、 研究内容も極めて基礎 的な内容から 、 臨床応用を直接目指した応用研究まで多彩であり 、 大学院生にとっては教室員或いは当がんセン ター研究所の研究員達との交流を通じて 、 自分の興味と特性がどのような研究にもっとも適合しているのかを模 索する良い機会がえられるであろう。さらに 、 当がんセンターの臨床部門の医師との交流も盛んであり 、「がん」 の診療上の課題と研究成果の還元が 、 如何にして整合性を持って検討されるべきかについても学ぶことができよ う。 Ⅴ 最近3年間の研修生の主たる業績(筆頭著者のみ) 1. Nishida, T., Akatsuka, Y., Morishima, Y., Hamajima, N., Tsujimura, K., Kuzushima, K., Kodera, Y. and Takahashi, T.: Clinical relevance of a newly identified HLA-A24-restricted minor histocompatibility antigen epitope derived from BCL2A1, ACC-1, in patients receiving HLA genotypically matched unrelated bone marrow transplant. Brit. J. Haematol., 124: 629-635, 2004. 2. Mochizuki, Y., Nakanishi, H., Kodera, Y., Ito, S., Yamamura, Y., Kato, T., Hibi, K., Akiyama, S., Nakao, A., Tatematsu, M.: TNF-alpha promotes progression of peritoneal metastasis as demonstrated using a green fluorescence protein (GFP)-tagged human gastric cancer cell line. Clin Exp Metastasis, 21(1): 39-47, 2004. 3. Kondo, E., Akatsuka, Y., Kuzushima, K., Tsujimura, K., Asakura, S., Tajima, K., Kagami, Y., Kodera, Y., Tanimoto, M., Morishima, Y. and Takahashi, T.: Identification of novel CTL epitopes of CMV-pp65 presented by a variety of HLA alleles. Blood, 103: 630-638, 2004. 4. Takasu, S., Takahashi, T., Muramatsu, H., Hayashi, T., Nakahara, N., Mizuno, M., Wakabayashi, T., Oriuchi, N., Higuchi, T., Endo, K., Miyaishi, O., Saga, S., Yoshida, J. and Yoshikawa, K.: Radioimmunoscintigraphu of intracranial glioma xenograft with technetium 99mTc-labeled mouse monoclonal antibody recognizing type III mutant epidermal grouwth factor receptor. J. Neurooncol., 63: 247-256, 2003. 5. Miyazaki, M., Akatsuka, Y., Nishida, T., Fujii, N., Hiraki, A., Ikeda, K., Tsujimura, K., Kuzushima, K., Morishima, Y., Sato, S., Ueda, R., and Takahashi, T.: Potential limitations in using minor histocompatibility antigen-specific cytotoxic T cells for targeting solid tumor cells, Clin. Immunol., 107: 198-201, 2003. 6. Sakai, H., Tsukamoto, T., Yamamoto, M., Shirai, N., Iidaka, T., Hirata, A., Yanai, T., Masegi, T., Donehower, L. A., Tatematsu, M.: High susceptibility of nullizygous p53 knockout mice to colorectal tumor induction by 1,2-dimethylhydrazine. J. Cancer Res. Clin. Oncol., 129(6): 335-40, 2003. 7. Nozaki, K., Shimizu, N., Ikehara, Y., Inoue, M., Tetsuya, T., Inada, K., Tanaka, H., Kumagai, T., Kaminishi, M., Tatematsu, M.: Effect of early eradication on Helicobacter pylori-rerated gastric carcinogenesis in Mongolian gerbils. Cancer Sci., 94(3): 235-239, 2003. 8. Koike, M., Inada, K., Nakanishi, H., Matsuura, A., Nakamura, S., Tatematsu, M.: Cellular differentiation status of epithelial polyps of the colorectum: the gastric foveolar cell-type in hyperplastic polyps. Histopathology, 42(4): 357-64, 2003. 9. Kondo, E., Topp, M.S., Kiem, H-P., Obata, Y., Morishima, Y., Kuzushima, K., Tanimoto, M., Harada, M., Takahashi, T. and Akatsuka, Y.: Efficient generation of antigen-specific cytotoxic T cells using retrovirally transduced CD40-activated B cells. J. Immunol., 169: 2164-2171, 2002. 10. Tei, K., Kawakami-Kimura, N., Taguchi, O., Kumamoto, K., Higashiyama, S., Taniguchi, N., Toda, K., Kawata, R., Hisa, Y., and Kannagi, R. Roles of cell adhesion molecules in tumor angiogenesis induced by co-transplantation of cancer and endothelial cells to nude rats. Cancer Res., 62: 6289-6296, 2002. ─ 310 ─ 機能構築医学専攻 細胞工学講座 Ⅵ 過去5年間の代表論文・著書名 1. Kunio, K., Obata, Y., Takahashi, T.: Thymus-leukemia antigen (TL) as a major histocompatibility complex (MHC) class Ib molecule and tumor-specific antigen. Cancer Sci., 95: 469-474, 2004. 2. Mizoshita, T., Inada, K., Tsukamoto, T., Nozaki, K., Joh, T., Itoh, M., Yamamura, Y., Ushijima, T., Nakamura, S., Tatematsu, M.: Expression of the intestine-specific transcription factors, Cdx1 and Cdx2, correlates shift to an intestinal phenotype in gastric cancer cells. J Cancer Res Clin Oncol, 130(1): 29-36, 2004. 3. Sakai, H., Eishi, Y., Li, X. L., Akiyama, Y., Miyake, S., Takizawa, T., Konishi, N., Tatematsu, M., Koike, M., Yuasa, Y.: PDX1 homeobox protein expression in pseudopyloric glands and gastric carcinomas. Gut, 53(3): 323-30, 2004 4. Tsukamoto, T., Inada, K., Tanaka, H., Mizoshita, T., Mihara, M., Ushijima, T., Yamamura, Y., Nakamura, S., Tatematsu, M.: Down regulation of a gastric transcription factor, Sox2, and ectopic expression of intestinal homeobox genes, Cdx1 and Cdx2: Inverse correlation during progression from gastric/intestinal-mixed to complete intestinal metaplasia. J Cancer Res Clin Oncol, 130: 135-145, 2004. 5. Mizoshita, T., Tsukamoto, T., Inada, K., Ogasawara, N., Hirata, A., Kato, S., Joh, T., Itoh, M., Yamamura, Y., Tatematsu, M.: Immunohistochemically detectable Cdx2 is present in intestinal phenotypic elements in early gastric cancers of both differentiated and undifferentiated types, with no correlation to non-neoplastic surrounding mucosa. Pathol Int., 54: 392-400, 2004. 6. Cao, X., Tsukamoto, T., Nozaki, K., Mizoshita, T., Ogasawara, N., Tanaka, H., Takenaka, Y., Kaminishi, M., Tatematsu, M.: beta-Catenin geng alteration in glandular stomach adenocarcinomas in N-methyl-N-nitrosourea-treated and Helicobacter pylori-infected Mongolian gerbils. Cancer Sci. 95(6): 487-90, 2004. 7. Akatsuka, Y., Warren, E. H., Gooley, T.A., Brickner, A.G., Lin, M-T., Hansen, J.A., Martin P.J., Madtes, D.K., Engelhard, V.H., Takahashi, T. and Riddell, S.R.: Disparity for a newly identified minor histocompatibility antigen, HA-8, correlates with acute graft-versus-host disease after hematopoietic stem cell transplantation from an HLA-identical sibling. Brit. J. Haematol., 123: 671-675, 2003. 8. Tsujimura, K., Obata, Y., Kondo, E., Nishida, K., Matsudaira, Y., Akatsuka, Y., Kuzushima, K.. and Takahashi, T.: Thymus leukemia antigen (TL)-specific CTL recognize the α1/α2 domain of TL free from antigenic peptides. Int. Immunol., 15: 1319-1326, 2003. 9. Akatsuka, Y., Nishida, T., Kondo, E., Miyazaki, M., Taji, H., Iida, H., Tsujimura, K., Yazaki, M., Naoe, T., Morishima, Y., Kodera, Y., Kuzushima, K., and Takahashi, T.: Identification of a polymorphic gene, BCL2A1, encoding two novel hematopoietic lineage-specific minor histocompatibility antigens. J. Exp. Med., 197: 1489-1500, 2003. 10. Nakanishi, H., Mochizuki, Y., Kodera, Y., Ito, S., Yamamura, Y., Ito, K., Akiyama, S., Nakao, A., Tatematsu, M.: Chemosensitivity of peritoneal micromtastases as evaluated using a green fluorescence protein (GFP)-tagged human gastric cancer cell line. Cancer Sci., 94(1): 112-118, 2003. 11. Mizoshita, T., Tsukamoto, T., Nakanishi, H., Inada, K., Ogasawara, N., Joh, T., Itoh, M., Yamamura, Y., Tatematsu, M.: Expression of Cdx2 and the phenotype of advanced gastric cancers: relationship with prognosis. J Cancer Res Clin Oncol, 129(12): 727-34, 2003. 12. Tatematsu, M., Tsukamoto, T., Inada, K.: Stem Cells and gastric cancer: Role of gastric and intestinal mixed intestinal metaplasia. Cancer Sci., 94(2): 135-141, 2003. 13. Tsukamoto, T., Yamamoto, M., Ogasawara, N., Ushijima, T., Nomoto, T., Fujita, H., Matsushima, T., Nozaki, K., Cao, X., Tatematsu, M.: beta-Catenin mutations and nuclear accumulation during progression of rat stomach adenocarcinomas. Cancer Sci., 94(12): 1046-51, 2003. 14. Kontani, K., Taguchi, O., Ozaki, Y., Hanaoka, J., Sawai, S., Inoue, S., Abe, H., Hanasawa, K. and Fujino, S. Dendritic cell vaccine immunotherapy of cancer targeting MUC1 mucin. Int J Mol Med. 12: 493-502, 2003. 15. Teramoto, K., Kontani, K., Ozaki, Y., Sawai, S., Tezuka, N., Nagata, T., Fujino, S., Itoh, Y., Taguchi, O., Koide, Y., ─ 311 ─ 機能構築医学専攻 細胞工学講座 Ohkubo, I., Asai, T. and Ogasawara, K. DNA Encoding a Pan-MHC Class II Peptide Analogue Augmented Antigen-specific Cellular Immunity and Suppressive Effects on Tumor Growth Elicited by DNA Vaccine Immunotherapy. Cancer Res., 63: 7920-7925, 2003. 16. Kontani, K., Taguchi, O., Ozaki, Y., Hanaoka, J., Tezuka, N., Sawai, S., Inoue, S., Fujino, S., Maeda, T., Itoh, Y., Ogasawara, K.., Sato, H., Ohkubo, I. and Kudo, T. Novel vaccination protocol consisting of injecting MUC1 DNA and non-primed dendritic cells at the same region greatly enhanced MUC1-specific anti-tumor immunity in a murine model. Cancer Gene Ther. 9: 330-337, 2002. 17. Akatsuka, Y., Kondo, E., Taji, H., Morishima, Y., Yazaki, M., Obata, Y., Kodera, Y., Riddell, S.R. and Takahashi, T.: Targeted cloning of cytotoxic T cells specific for minor histocompatibility antigens restricted by HLA class I molecules of interest. Transplantation, 74: 1773-1780, 2002. 18. Akatsuka, Y., Goldberg, T.A., Kondo, E., Martin, E.G., Obata, Y., Morishima, Y., Takahashi, T. and Hansen, J.A.: Efficient cloning and expression of HLA class I cDNA in human B-lymphoblastoid cell lines. Tissue Antigens, 59: 502-511, 2002. 19. Izawa, I., Nishizawa, M., Tomono, Y., Ohtakara, K., Takahashi, T. and Inagaki, M.: ERBIN associated with p0071, 1n armadillo protein, at cell-cell junctions of epithelial cells. Genes to Cells, 7: 475-485, 2002. 20. Yazaki, M., Takahashi, T., Mizutani, K., Ito, Y., Wakiguchi, H., Inoue, M., Kawa, K., Kato, K., Kato, T., Saito, H., Togari, H.: Generation of HLA-Cw specific cytotoxic T-lymphocytes from cord blood used for cord blood stem cell transplantation. Brit. J. Haematol., 117: 893-898, 2002 21. Kodera Y, Nakanishi H, Ito S, Yamamura Y, Kanemitsu Y, Shimizu Y, Hirai T, Yasui K, Kato T, Tatematsu M.: Quantitative detection of disseminated free cancer cells in peritoneal washes with real-time reverse transcriptase-polymerase chain reaction: a sensitive predictor of outcome for patients with gastric carcinoma. Ann Surg. 235(4):499-506, 2002 22. Yamamoto M, Furihata C, Ogiu T, Tsukamoto T, Inada K, Hirano K, Tatematsu M. Independent variation in susceptibilities of six different mouse strains to induction of pepsinogen-altered pyloric glands and gastric tumor intestinalization by N-methyl-N-nitrosourea. Cancer Lett. 28;179(2):121-132, 2002 23. Sakai, H., Tsukamoto, T., Yamamoto, M., Hirata, A., Inagami, A., Shirai, N., Iidaka, T., Yanai, T., Masegi, T., Tatematsu, M.: Summation of initiation activities in the liver after partial hepatectomy. Cancer Letters, 176, 1-5, 2002. 24. Nozaki, K., Shimizu, N., Tsukamoto, T., Inada, K., Cao, X., Ikehara, Y., Kaminishi, M., Sugiyama, A., Tatematsu, M.: Reversibility of Heterotopic Proliferative Glands in Glandular Stomach of Helicobacter pylori-infected Mongolian Gerbils on Eradication. Jpn. J. Cancer Res, 93, 374-381, 2002. 25. Ito, S., Nakanishi, H., Hirai, T., Kato, T., Kodera, Y., Feng, Z., Kasai, Y., Ito, K., Akiyama, S., Nakao, A., Tatematsu, M.: Quantitative detection of CEA expressing free tumor cells in the peripheral blood of colorectal cancer patients during surgery with real-time RT-PCR on a LightCycler. Cancer Letters, 183, 195-203, 2002. 26. Guo WH, Weng LQ, Ito K, Chen LF, Nakanishi H, Tatematsu M, Ito Y. Inhibition of growth of mouse gastric cancer cells by Runx3, a novel tumor suppressor. Oncogene.;21(54):8351-5, 2002. 27. Cao X, Tsukamoto T, Nozaki K, Tanaka H, Shimizu N, Kaminishi M, Kumagai T, Tatematsu M. Earlier Helicobacter pylori Infection Increases the Risk for the N-Methyl-N-nitrosourea-induced Stomach Carcinogenesis in Mongolian Gerbils. Jpn J Cancer Res. 93(12):1293-8, 2002. 28. Shirai, N., Tsukamoto, T., Yamamoto, M., Iidaka, T., Sakai, H., Yanai, T., Masegi, T., Donehower, L A., Tatematsu, M.: Elevated susceptibility of the p53 knockout mouse esophagus to methyl-N-amylnitrosamine carcinogenesis. Carcinogenesis, 23(9), 1541-1547, 2002. 29. Nozaki K, Shimizu N, Inada K, Tsukamoto T, Inoue M, Kumagai T, Sugiyama A, Mizoshita T, Kaminishi M, Tatematsu M. Synergistic Promoting Effects of Helicobacter pylori Infection and High-salt Diet on Gastric Carcinogenesis in Mongolian Gerbils. Jpn J Cancer Res. 93(10):1083-9, 2002 30. Tsujimura, K., Obata, Y., Matsudaira, Y., Ozeki, S., Yoshikawa, K., Saga, S., Takahashi, T.: The binding of thymus leukemia ─ 312 ─ 機能構築医学専攻 細胞工学講座 (TL) antigen tetramers to normal intestinal intraepithelial lymphocytes and thymocytes. J. Immunol., 167: 759-764, 2001. 31. Inada, H., Izawa, I., Nishizawa, M., Fujita, E., Kiyono, T., Takahashi, To., Nomoi, T., Inagaki, M.: Keratin attenuates tumor necrosis factor-induced cytotoxicity through association with TRADO. J. Cell Biol., 155: 415-425, 2001. 32. Tsukamoto, T., Fukami, H., Yamanaka, S., Yamaguchi, A., Nakanishi, H., Sakai, H., Aoki, I., Tatematsu, M.: Hexosaminidase-altered Aberrant Crypts, Carrying Decreaed Hexosaminidase α and β Subunit mRNA, in Colon of 1,2-Dimethylhydrazine-treated Rats. Jpn. J. Cancer Res., 92: 109- 118,2001. 33. Ishii, K., Usui, S., Sugimura, Y., Yoshida, S., Hioki, T., Tatematsu, M., Yamamoto, H., Hirano, K.:Aminopeptidase N Regurated by Zinc in Human Prostate Participates in Tumor Cell Invasion. Int. J. Cancer. 92, 49-54, 2001. 34. Ito, S., Nakanishi, H., Ikehara, Y., Kato, T., Kasai, Y., Ito, K., Akiyama, S., Nakao, A., Tatematsu, M.: Real-time observation of micrometastasis formation in the living mouse liver using a green fluorescent protein gene-tagged rat tongue carcinoma cell line. Int. J. Cancer. 93, 212-217, 2001. 35. Inada, K., Tanaka, H., Nakanishi, H., Tsukamoto, T., Ikehara, Y., Tatematsu, M., Nakamura, S., Edith Martin Porter., Tatematsu, M.: Identification of Paneth cells in pyloric glands associated with gastric and intestinal mixed-type intestinal metaplasia of the human stomach. Virchows Arch. 439, 14-20(2001). 36. Ikehara, Y., Nishihara, S., Yasutomi, H., Kitamura, T., Matsuo, K., Shimizu, N., Inada, K., Kodera, K., Yamamura, Y., Narimatsu, H., Hamajima, N., Tatematsu, M.: Polymorphisms of two Fucosyltransferase genes(Lewis and Secretor Genes) involving type I Lewis antigens are associated with the presence of anti-Helicobacter pylori IgG antibody. Cancer Epidemiol. Biomarkers Prev., 10: 971-977, 2001. 37. Tsukamoto, T., Fukami, H., Yamanaka, S., Yamaguchi, A., Nakanishi, H., Sakai, H., Aoki, I., and Tatematsu, M. Hexosaminidase-altered aberrant crypts, carrying decreased hexosaminidase alpha and beta subunit mRNAs, in the 1,2-dimethylhydrazine treated rat colon. Jpn J Cancer Res. 92, 109-118, 2001. 38. Kontani, K., Taguchi, O., Narita, T., Izawa, M., Hiraiwa, N., Zenita, K., Takeuchi, T., Murai, H., Miura, S. and Kannagi, R. Modulation of MUC1 mucin as an escape mechanism of breast cancer cells from autologous cytotoxic T-lymphocytes. Br. J. Cancer 84: 1258-1264, 2001. 39. Hirose, F., Ohshima, N., Shiraki, M., Inoue, Y. H., Taguchi, O., Nishi, Y., Matsukage, A. and Yamaguchi, M. Ectopic expression of DREF induces DNA synthesis, apoptosis, and unusual morphogenesis in the drosophia eye imaginal disc: possible interaction with polycomb and trithorax group proteins. Mol. Cell. Biol. 21: 7231-7242, 2001 40. Nakayashiki, N., Yoshikawa, K., Nakamura, K., Hanai, N., Okamoto, K., Okamoto, S., Mizuno, M., Wakabayashi, T., Sega, S., Yoshida, J., Takahashi, T.: Prodaction of a single chain variable fragmanet recognizing type III mutant epidermal growth factor receptor. Jpn. J. Cancer Res., 91:1035-1043, 2000. 41. Yazaki, M., Takahashi, T., Ito, Y., Mori, C., Wada, Y.: Generation of HLA-A2 subtype specific T lymphocytes from cord blood used for cord blood stem cell transplantation. Bone Marrow Transplant., 26:451-454, 2000. 42. Tsujimura, K., Obata, Y., Iwase, S., Matsudaira, Y., Ozeki, S., Takahashi, T.: The epitope detected by CTL against thymus leukemia (TL) antigen is TAP-independent. Int. Immunol., 12, 1217-1225, 2000. 43. Iwase, S., Tsujimura, K., Matsudaira, Y., Ozeki, S., Onozaki, K., Obata, Y., Takahashi, T.: Comparison of anti-tumor responses against TL positive lymphoma induced by skin grafting and dendritic cell immunization. Microbiol. Immunol., 44: 609-618, 2000. 44. Ushijima, T., Yamamoto, M., Suzuki, M., Kuramoto, T., Yoshida, Y., Nomoto, T., Tatematsu, M., Sugiyama, T., Nagao, M.: Chromosomal mapping of genes controlling development, histological grade, depth of invasion, and size of rat stomach carcinomas. Cancer Res., 60:1092-1096,2000. 45. Shimizu, N., Ikehara, Y., Inada, K., Nakanishi, H., Tsukamoto, T., Nozaki, K., Kaminishi, M., Kuramoto, S., Sugiyama, T., Katsuyama, T., Tatematsu, M.: Eradication diminishes enhancing effects Helicobacter pylori infection on glandular stomach carcinogenesis in mongolian gerbils. Cancer Res., 60:1512-1514,2000. ─ 313 ─ 機能構築医学専攻 細胞工学講座 46 Tsukamoto, T., Inada, K., Fukami, H., Yamamoto, M., Tanaka, H., Kusakabe, M., C, E., Bishop., M., Tatematsu, M.: Mouse strain susceptibility to diethyinitrosamine induced hepatocarcinogenesis is cell autonomous whereas sexsusceptibility is due to the micro-environment : analysis with C3H □ BALB/c sexually chimeric mice. Jpn. J. Cancer Res., 91:665-673,2000. 47 Tsukamoto, T., Tanaka, H., Fukami, H., Inoue, M., Takahashi, M., Wakabayashi, K., Tatematsu, M.: More frequent □ -catenin gene mutations in adenomas than in aberrant crypt foci or adenocarcinomas in the large intestines of 2-amino-1methyl-6-phenylimidazo [4,5-b] pyridine (PhIP)-treated rats. Jpn. J. Cancer Res., 91:792-796,2000. 48 Nakanishi, H., Kodera, Y., Yamamura, Y., Ito, S., Kato, T., Ezaki, T., Tatematsu, M.: Rapid quantitative detection of carcinoembryonic antigen-expressing free tumor cells in the peritoneal cavity of gastric-cancer patients with real-time RTPCR on the lightcycler. Int. J. Cancer., 89:411-417,2000. 49 Yamamoto, M., Tsukamoto, T., Sakai, H., Shirai, N., Ohgaki, H., Furihata, C., L, A., Donehower., Yoshida, K., Tatematsu, M.: P53 knokout mice (-/-) are more susceptible than (+/-) or (+/+) mice to N-methyl-N-nitrosourea stomach carcinogenesis. Carcinogenesis.,21:10:1891-1897,2000. 50 Futamura, N., Nakamura S., Tatematsu, M., Yamamura Y., Kannagi R., Hirose H.: Clinicopathologic significance of sialyl Lex expression in advanced gastric carcinoma. Br J Cancer., 83(12):1681-1687,2000. ─ 314 ─ 健康社会医学専攻 社会生命科学講座 法医・生命倫理学 Ⅰ 教室の沿革・特色 昭和 60 年に矢田昭一前教授が警察庁科学警察研究所所長に転出し、昭和 61 年に当教室の助教授であった勝又 義直が第 5 代教授に就任した。矢田教授時代から現教授を通じて教室内の整備は格段と進み、 多数の教官や院生、 研究生が学位を取得したほか、浜松医大の浅野稔名誉教授、鈴木修教授、山梨医大の大矢正算教授、木戸啓助教 授、愛知医大の服部秀樹助教授、昭和大学の佐藤啓造教授、京都大学の玉木敬二教授、藤田保健衛生大学の石井 晃教授らが当教室より育ち、それぞれ活躍している。勝又教授は 4 年にわたった医学部長の任期を終え、2003 年 4 月に法医学の教育・研究の現場に復帰した。また、学会活動等にも力を注ぐとともに、シベリア抑留者の遺骨 の DNA 鑑定など、社会的活動なども活発に行ってきている。 法医学は、法医病理学、法医血清学、法中毒学、血液型等の集団遺伝学、医の倫理、医事法学などを含み、法 的に問題となる事項について医学の面から応えていく幅広い研究分野である。現在当教室では法医解剖や親子鑑 定など数多くの業務を遂行すると共に、法医学の各領域について幅広く研究を行っている。とりわけ最近社会的 に注目を浴びているいわゆる“DNA 鑑定” 、つまり、ヒト DNA の情報を利用した個人識別法に力をいれ、多く の研究者が種々の検査法の開発、集団遺伝学的研究、考古学的研究等を自由に行っている。また、近年の毒物混 入事件の多発で重要性が認識されてきた中毒学の分野では、新しい手法を導入した各種薬毒物の超高感度分析法 の開発で目覚しい成果を挙げている。 Ⅱ スタッフ 教 授 勝 又 義 直(医学博士) 教 授 山 本 敏 充(医学博士) 助 手 打 樋 利英子(医学博士) 助 大 学 院 生 樋 口 顕 子(D2) 技 官 吉 本 高 士 研 生 栗 原 リ ナ 外国人研究員 李 士 林 究 Ⅲ 研究分野・内容 1)DNA を利用した個人識別 (山本、打樋、李、勝又) 従来の血液型を応用できない試料も、最近の DNA から個人情報を読みとる技術の発展により可能となり、法 医学分野に新たな道を開くこととなった。その中でも、当教室では、ヒトゲノムの中に広く散在して存在してい る 1 ∼数塩基単位の繰り返し領域である STR(short tandem repeat)領域を用いて、日本人に適したローカス の選定やマルチプレックスシステムの開発などを行い、親子鑑定や個人識別などへの試みている。また、それら STR 領域を用いて、アレル頻度分布の違いを利用して様々な民族における集団遺伝学的解析や、霊長類における 塩基配列の相違を利用して系統進化学的な研究も行っている。また、今までには、仙台藩主伊達政宗公の遺髪な どの歴史学的資料やシベリア抑留者の遺骨の同胞鑑定など非常に陳旧な資料からの型判定にも成功してきた。そ の他、ミニサテライト DNA の反復配列内変異を用いて個人をデジタルコード化する画期的な方法(MVR-PCR 法)の自動化や、非常に多型的なそのアレルの集団遺伝学的研究も推し進め、また、新た ─ 315 ─ 健康社会医学専攻 社会生命科学講座 に一塩基多型(SNPs: single nucleotide polymorphisms)の法医学的応用の研究も始めている。 2)薬毒物の高感度分析法の開発 (勝又) 法医学では薬毒物の分析も重要な研究領域である。薬毒物を確実に検出・同定するためには質量分析計が不可 欠である。本教室は、ガスクロマトグラフ - タンデム質量分析計(GC / MS / MS)を保有しており、この機器 による薬毒物の高感度検出法を開発中である。また、揮発性薬毒物の高感度検出に威力を発揮する低温オーブン トラッピング法等、新しい技術の開発を進めている。また、ガスクロマトグラフ、高速液体クロマトグラフィー による薬毒物の簡便なスクリーニング法も検討している。 3)その他 現在は前記の二つが教室の主要研究テーマであるが、最近社会で注目を集めている医療過誤や医の倫理につい ても法医学的立場からの研究が行われている。 Ⅳ 指導方針など 大学院生としては学部卒業後直ちに、あるいは、1 ∼ 2 年の臨床研修後に受け入れている。臨床研修の方法は 本人の希望も含めて決めている。 法医学は法医解剖など実務に立脚した学問であるので、当教室で行われる実際例をもとに指導する。しかし、 大学院時代は主に研究活動に費やすことができる。法医学は極めて広い領域を網羅し、テーマの自由度が大きい ので、大学院生の希望をできるだけ生かし、各個人が興味を示す方向で指導する。 Ⅴ 大学院生の業績 1. 樋口顕子、勝又義直: 「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」への対応について―各大学へのアン ケート調査結果より . 日本医事新報、4121 号:57-60, 2003. Ⅵ 大学院修了者の進路 法医学は希望者が少なく、全国的に後継者不足となっている。従って、各大学の法医学教室の定員には空席が 多く、医学部出身者の大学院修了後の助手採用には不安がない。ちなみに、昭和大学法医学教室佐藤教授(昭和 58 年修了) 、京都大学法医学教室玉木教授(平成元年修了)、浜松医科大学法医学教室野沢秀樹助手(平成 10 年 修了)は当教室の大学院修了者である。 Ⅶ 過去5年間の代表論文 1. Yamamoto, T., Uchihi, R., Nozawa, H., Huang X-L., Leong, Y-K., Tanaka, M., Mizutani, M., Tamaki, K. and Katsumata, Y.: Allele distribution at nine STR loci-D3S1358, vWA, FGA, TH01, TPOX, CSF1PO, D5S818, D13S317 and D7S820-in the Japanese population by multiplex PCR and capillary electrophoresis. J. Forensic Sci., 44(1)167-170, 1999. 2. Tamaki, K., Huang X-L., Mizutani, M., Yamamoto, T., Katsumata, R., Uchihi, R., Katsumata, Y. and Jeffreys, A.J.: The potential contribution of MVR-PCR to paternity probabilities in a case lacking a mother. J. Forensic Sci., 44(4):863-867, 1999. 3. Ando Y., Tateishi, T., Sekido, Y., Yamamoto, T., Satoh, T., Hasegawa, Y., Kobayashi, S., Katsumata, Y., Shimokata, K. and Saito, H.: Re: Modification of clinical presentation of prostate tumors by a novel genetic variant in CYP3A4. J. Natl. Cancer ─ 316 ─ 健康社会医学専攻 社会生命科学講座 Res., 91 (18) :1587-1588, 1999. 4. Kato, Y., Katsumata, R., Yoshimoto, T., Tanaka, M., Huang X-L., Tamaki, K., Kumazawa, T., Sato, K. and Katsumata, Y.: Large-scale preparation of high-molecular weiht DNA from buccal mucosa. Legal Med., 1 (1) :6-10, 1999. 5. Nozawa, H., Yamamoto, T., Uchihi, R., Yoshimoto, T., Tamaki, K., Seiji Hayashi, Tomowo Ozawa, Katsumata, Y.: Purification of nuclear DNA from single hair shafts for DNA analysis in forensic sciences. Legal Med., 1 (2) :61-67, 1999. 6. Yoshimoto, T., Tamaki, K., Katsumata, S., Huang X-L., Uchihi, R., Tanaka, M., Uchida, H., Yamamoto, T., Song Chen, Armour, J.A.L. and Katsumata, Y..: Sequence analysis of alleles at a microsatellite locus D14S299 (wg1c5) and population genetic comparisons. Int. J. Legal Med., 113 (1) :15-18, 1999. 7. Tanaka, M., Yoshimoto, T., Nozawa, H., Hiroyuki Ohtaki, Kato, Y., Sato, K., Yamamoto, T., Tamaki, K. and Katsumata, Y.: Usefulness of a toothbrush as a source of evidential DNA for typing. J. Forensic Sci., 45 (3) :674-676, 2000. 8. Ishii, A., Seno, H., Watanabe-Suzuki, K., Kumazawa, T., Matsushima, H., Suzuki, O. and Katsumata, Y.: Ultrasensitive determination of phencyclidine in body fluids by surface ionization organic mass spectrometry. Anal. Chem., 72:404-407, 2000. 9. Katsumata, Y.: Organ transplantation, in-vitro fertilization, and euthanasia in Japan. Ferens. Sci. Int., 113:491-493, 2000� 10. Yamamoto, T., Tamaki, K., Huang, X. L., Yoshimoto, T., Mizutani, M., Uchihi, R., Ktsumata, Y. and Jeffreys, A. L.: The application of minisatellite variant repeat mapping by PCR (MVR-PCR) in a paternity case showing false exclusion due to STR mutation. J. Forensic Sci., 46:374-378, 2001. 11. Yoshimoto, T., Yamamoto, T., Uchihi, R., Tamaki., Huong, X. L., Mizutani, M., Tanaka, M., Armour, J. A. L., Katsumata, Y.: A new triplex STR system without irregular alleles by silber staining and its potential application to forensic analysis. J. Forensic Sci., 46:448-452, 2001. 12. Kojima, T., Ishii, A., Watanabe-Suzuki, K., Kurihara, R., Seno, H., Kumazawa, T., Suzuki, O., Katsumata, Y.: Sensitive determination of four general anaesthetics in human whole blood by capillary gas chromatography with cryogenic oven trapping. J. Chromatogr. B, 762:103-108, 2001. 13. Ishii, A., Kurihara, R., Watanabe-Suzuki, K., Kumazawa, T., Seno, H., Matsushima, H., Suzuki, O., Katsumata, Y.: Sensitive determination of pethidine in body fluids by surface ionization organic mass spectrometry. J. Chromatogr. B, 758:117-121, 2001. 14. Mizutani, M., Yamamoto, T., Torii, K., Kawase, H., Yoshimoto, T., Uchihi, R., Tanaka, M., Tamaki, K., Katsumata, Y.: Analysis of 168 short tandem repeat loci in the Japanese population, using a screening set for human genetic mapping. J. Hum. Genet. 46:448-455, 2001. 15. Mizuno, Y., Sato, K., Sano, T., Kurihara, R.,Kojima, T., Yamakawa, Y., Ishii, A., Ktsumata, Y.: Identification and characterization of 17 phenothiazine compounds by capillary high-performance liquid chromatography/fast atom bombardment mass spectrometry. Legal Med. 4: 207-216, 2002. 16. Ohtaki, H., Yamamoto, T., Yoshimoto, T., Uchihi, R., Ooshima, C., Katsumata, Y., Tokunaga, K.: A Powerful, novel, multiplex typing system for six short tandem repeat loci and allele frequency distributions in two Japanese regional populations. Electrophoresis 23:3332-3340, 2002. 17. Uchihi, R., Yamamoto, T., Usuda, K., Yoshimoto, T., Tanaka, M., Tokunaga, S., Kurihara, R., Tokunaga, K., Katsumata, Y.: Haplotype analysis with 14 Y-STR loci using 2 multiplex amplification and typing systems in 2 regional populations in Japan. Int. J. Legal Med. 117:34-38,2003. 18. Ishii, A., Tanaka, M., Kurihara, R., Watanabe-Suzuki, K., Kumazawa, T., Seno, H., Suzuki, O., Katsumata, Y.: Sensitive determination of pethidine in body fluids by gas chromatography-tandem mass spectrometry. J. Chromatogr. B 792:117-121, 2003. ─ 317 ─ 健康社会医学専攻 社会生命科学講座 環境労働衛生学 Ⅰ 教室の沿革・特色 当教室は昭和 10 年 7 月に鯉沼茆吾が初代衛生学教授に就任し、衛生細菌学教室から分離独立した。鯉沼は就 任前、内務省労働部の技官であり、我が国労働衛生の草分けの一人であった。彼は高原の医学利用にも大きな関 心をもち、彼のもと衛生学では労働衛生ならびに高原気候医学の研究が行われた。昭和 31 年 9 月に井上俊が教 授として就任し、労働衛生学、発育、口腔衛生、環境衛生、公害等の課題に取り組んだ。全国的にも有数の工業 地帯である中部地区で生じた様々な労働衛生、公害の問題がとりあげられ、ノルマルヘキサンによる多発神経炎 が世界ではじめて明らかにされた。昭和 59 年 2 月に竹内康浩が教授となり、労働衛生学、中でも有機溶剤によ る神経毒性、 生殖毒性の解明に力が注がれた。韓国で使用されたフロン代替溶剤 2 −ブロモプロパンの生殖毒性、 骨髄毒性の解明に引き続き、1 −ブロモプロパンの神経毒性と生殖毒性が動物実験によって発見され、健康障害 を予見、予防する研究が行われた。 平成 14 年 1 月、那須民江が教授に着任した。那須は信州大学で有機溶剤の代謝と毒性との関係、環境化学物 質の毒性発現における核内受容体の役割を解明してきた。那須の研究は、量−反応関係の記述にとどまらず、環 境化学物質の毒性機序の解明を視野に入れている。我が国をはじめ先進資本主義諸国においては典型的な産業中 毒が減る一方、環境化学物質の低濃度長期曝露による影響、生殖・次世代影響が深刻な問題となってきている。 次々と生み出される化学物質をどのように管理していくかということは、人類の存亡をも左右すると考えられて いる。同時に環境化学物質のリスク評価の考え方は大きく変貌しつつあり、毒性機序の理解を基礎としたリスク 評価が環境化学物質の管理に直接の影響を与える時代となっている。現在、当教室ではプラスティック可塑剤フ タル酸エステル、ブロモプロパン、農薬類(ペンタクロロフェノ−ルなど)の毒性機序の解明、そのほか様々な 環境化学物質によるヒト健康障害の解明を行っている。 Ⅱ スタッフ 教 授 那 須 民 江 助 教 授 市 原 学 助 教 授 上 島 通 浩 大 学 院 生 古 橋 功 一(博士 4 年) 、 伊 藤 由 起(博士 1 年)、 内 藤 久 雄(博士 1 年) 、 張 淑 芸(博士 1 年) 、 柳 場 由 絵(博士 1 年)、 猪 爪 優 子(修士 2 年) 、 岡 村 愛(保健学科修士 2 年) 研 北 森 一 哉(金城学院大学) 究 員 客員研究員 受託研究員 外国人特別研究員 王 海 蘭(リサーチレジデント)、 糸 原 誠一朗、 市 原 佐保子(三重大学)、 堀 文 子(岐阜医療技術短大)、 朝 枝 伸 幸(三和化学総合研究所)、 土 山 ふ み(名古屋市環境科学研究所) (山ノ下 理) 段 志文(中国政府奨学金、沈陽医学院)、黄 芬(日本国際銀行奨学金 安徽医科大学)、 Lee Chul-Ho(学術振興会 忠北大學校醫科大學) Ⅲ 研究分野・内容 1)プラスティック可塑剤フタル酸エステル類の核内受容体 PPAR αを介した毒性作用の解明 2)フロン代替物質ブロモプロパンの生殖毒性、神経毒性と毒性メカニズムの解明 ─ 318 ─ 健康社会医学専攻 社会生命科学講座 3)環境化学物質(ブロモプロパン、室内汚染化学物質、殺虫剤、有機溶剤)のヒト健康への影響の解析 4)ペンタクロロフェノ−ルなど農薬類および焼却灰中有害化学物質の Ah レセプタ−を介した内分泌かく乱作 用の解明 5)フタル酸エステル、トリクロロエチレン、ブロモプロパンの代謝と代謝活性化に関する研究 6)ノックアウトマウス(PPAR α、CYP2E1、Ah レセプタ− , Nrf2)などの遺伝子改変動物を用いた環境化学 物質のリスク評価 7)メカニズムを基礎としたリスク評価のためのバイオマ−カ−に関する研究 8)PPARalpha の遺伝子多型と易罹病性に関する分子疫学研究 Ⅳ 指導方針など 最初の 3 ∼ 6 ヶ月は、基本的な実験手技(生化学、分子生物学、機器分析、形態学、動物実験)の訓練を行う。 その後、本人の希望に応じた研究課題を設定し、実験または調査研究を行う。隔週水曜日午前に教室研究会を行 い、そこで文献抄読および報告会を行っている。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Wang H, Ichihara G, Ito H, Kato K, Kitoh J, Yamada T, Yu X, Tsuboi S, Moriyama Y, Sakatani R, Shibata E, Kamijima M, Takeuchi Y Toxicological Sciences 67:114-120, 2002 2. 那須民江、山田哲也、古橋功一 内分泌かく乱化学物質の毒性機序とリスク評価 現代医学 50:59 − 69 (2002) Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. Nakajima T, Kamijo Y, Tanaka N, Sugiyama E, Tanaka E, Kiyosawa K, Fukushima Y, Peters JM, Gonzalez FJ and Aoyama T. Peroxisome proliferator-activated receptor�protects against alcohol-induced liver damage. Hepatology, 2004 (in press) 2. Ichihara G, Li W, Shibata E, Ding X, Wang H, Liang Y, Peng S, Itohara S, Kamijima M, Fan Q, Zhang Y, Zhong E, Wu X, Valentine WM, Takeuchi Y. Neurologic Abnormalities in Workers of a 1-Bromopropane Factory. Environmental Health Perspectives 2004 in press. 3. Kamijima M, Hibi H, Gotoh M, Taki K, Saito I, Wang H, Itohara S, Yamada T, Ichihara G, Shibata E, Nakajima T, Takeuchi Y. A survey of semen induces in insecticide sprayers. J Occup Health 46: 109-118, 2004 4. Ichihara G, Li W, Ding X, Peng S, Yu X, Shibata E, Yamada T, Wang H,Itohara S, Kanno S, Sakai K, Ito H, Kato K, Takeuchi Y. A survey on exposure level, health status, and biomarkers in workers exposed to 1-bromopropane. American Journal of Industrial Medicine 2004;45:63-75. 5. Nakajima T, Yamanoshita O, Kamijima M, Kishi R, Ichihara G. Generalized skin reactions in relation to trichloroethylene exposure: a review from the viewpoint of drug-metabolizing enzymes. J Occup Health 45: 8-14 (2003) 6. Yamada T, Ichihara G, Wang H, Yu X, Maeda K, Tsukamura H, Kamijima M, Nakajima T, Takeuchi Y Exposure to 1-Bromopropane Causes Ovarian Dysfunction in Rats. Toxicol Sci, 71: 96-103, 2003 7. Wang H, Ichihara G, Ito H, Kato K, Kitoh J, Yamada T, Yu X, Tsuboi S, Moriyama Y, Takeuchi Y. Dose-dependent biochemical changes in rat nervous system after 12-week exposure to 1-bromopropane. Neurotoxicology, 24(2):199-206, 2003 ─ 319 ─ 健康社会医学専攻 社会生命科学講座 8. 上島通浩、柴田英治 . 臨床医のための有機溶剤中毒 1. 典型的な中毒の病像・病態.日本医事新報 4139: 33-36, 2003 9. Nakajima T, Ichihara G, Kamijima M, Aoyama T. Functional activation of peroxisome proliferators-activated receptor α (PPARα) by environmental chemicals in relation to their toxicities. Nagoya J 65: 85-94, 2002 10. Kamijo Y, Hora K, Tanaka N, Usuda N, Kiyosawa K, Nakajima T, Gonzalez FJ and Aoyama T. Identification of functions of peroxisome proliferators-activated receptor a in proximal tubules. J Am Soc Nephrol 13: 1692-1702 (2002).Wang RS, Nakajima T, Kawamoto T, Honma T. Effects of ALDH2 genetic polymorphism on metabolism of structurally different aldehydes in human liver. Drug Met Dispos:69-73, 2002 11. Ichihara G, Miller JK, Ziolkowska A, Itohara S, Takeuchi Y. Neurological disorders in three workers exposed to 1-bromopropane. J Occup Health 44:1-7, 2002 12. Kamijima M, Sakai K, Shibata E, Yamada T, Itohara S, Ohno H, Hayakawa R, Sugiura M, Yamaki K, Takeuchi Y. 2-Ethyl1-hexanol in indoor air as a possible cause of sick building symptoms. J Occup Health 44: 186-191, 2002 13. Yu X, Kubota H, Wang R, Saekusa J, Ogawa H, Ichihara G, Takeuchi Y, Hisanaga N. Involvement of the Bcl-2 family genes and Fas-signalling system in the primary andsecondary male germ cell apoptosis induced by 2-bromopropane in rat. Toxicol Appl Pharmacol 174:35-48, 2001 14. Kontani K, Kawakami M, Nakajima T, Katsuyama T.:Tobacco use and occupational exposure to carcinogens not to N-acetyltransferase 2 genotypes are major risk factors for bladder cancer in the Japanese. Urol Res 29:199-203, 2001 15. Nakajima T, Kamijo Y, Usuda N, Liang Y, Fukushima Y, Kametani K, Gonzalez FJ, Aoyama T. Sex-dependent regulation of hepatic peroxisome proliferation in mice by trichloroethylene via peroxisome proliferator-activated receptor α(PPARα) Carcinogenesis 21:677-682, 2000 16. Watanabe K, Fujii H, Takahashi T, Kodama M, Aizawa Y, Ohta Y, Ono T, Hasegawa G, Naito M, Nakajima T, Kamijo Y, Gonzalez FJ, Aoyama T. Constitutive regulation of cardiac fatty acid metabolism through peroxisome proliferator-activated receptor αassociated with age-dependent cardiac toxicity. J Biol Chem 275:22293-22299, 2000 17. Ichihara G, Yu X, Kitoh J, Asaeda N, Kumazawa T, Iwai H, Shibata E, Yamada T, Wang H, Xie Z, Maeda K, Tsukamura H, Takeuchi Y. Reproductive toxicity of 1-bromopropane, a newly introduced alternative to ozone-layer depleting solvents, in male rats. Toxicol Sciences 54:416-423, 2000 18. Ichihara G, Kitoh J, Yu X, Asaeda N, Kumazawa T, Iwai H, Shibata E, Yamada T, Wang H, Xie Z, Takeuchi Y. 1-Bromopropane, an alternative to ozone layer depleting solvents, is dose-dependently neurotoxic to rats in long-term inhalation exposure. Toxicol Sciences 55:116-123, 2000 ─ 320 ─ 健康社会医学専攻 社会生命科学講座 公 衆 衛 生 学 Ⅰ 教室の沿革・特色 本講座は、戦後の医学教育審議会決議をうけ、昭和 24 年 4 月に社会医学系講座として創設された。初代の野 辺地慶三教授の下では感染症の疫学、2 代目の古武彌人教授の下ではトリプトファン代謝、3 代目の水野宏教授 のもとでは小児保健や都市環境問題、4 代目の山田信也教授のもとでは産業発展に伴う地域・産業保健などが中 心的研究テーマとして取り上げられた。平成 7 年、現在の豊嶋英明教授が就任し、新しいスタッフと共に、働き 盛りの生活習慣病を中心に、高齢者、女性の健康、メンタリティーの問題へもターゲットを広げつつ研究を進め ている。 大学院重点化により、旧公衆衛生学講座は二つの分野、即ち公衆衛生学分野と医学ネットワーク管理学分野を 担当することになったが、両分野一体化したユニットとして教育、研究活動を続けていく。これを機に、21 世 紀の医療を見据え、医療経済の問題や、環境要因と遺伝要因の交互作用の解明にも研究の裾野を広げたいと望ん でいる。 Ⅱ スタッフ 教 助 教 助 大 研 教 学 院 究 授 豊嶋 英明(医学博士) 授 玉腰 浩司(公衆衛生学分野、医学博士) 授 八谷 寛(医学ネットワーク管理学分野、医学博士) 生 長澤 伸江(十文字学園女子大学所助教授) 村田千代栄 張 恵明 藤井 千恵(名古屋大学医学部保健学科助手) 和田 恵子 大塚 礼 生 近藤 良伸、 落合 正浩、 小出 浩司 客 員 研 究 員 近藤 克則(日本福祉大学助教授、医学博士) 内山美代子(北医療生協、医学博士) 石川美由紀(日本福祉大学非常勤講師) 技 瀧日久仁子 官 Ⅲ 研究分野・内容 本ユニットは、地域保健、高齢者保健、産業保健など広い分野の健康情報を得て、地域自治体や医療保険福祉 関係者などとの協力関係のもとに研究を行っている。 豊嶋は、過去、突然死や急性心筋梗塞の発生率、発症に対する古典的な危険因子や、ストレス・睡眠不足など の生活習慣の影響の評価などの臨床疫学的研究、血清脂質・アポタンパクの家族集積に関する研究、癌の発生要 因に関するコホート研究などを行ってきた。本学赴任後は職域コホートを設定し、スタッフと共に生活習慣病を 中心に、その発病の修飾要因の解明と予防を目的とした研究を行っている。文部省の大規模コホ−ト研究の一員 として 10 年間追跡、蓄積してきた生活習慣情報、各種血清物質測定値を用いた発がん要因の解明研究が、そろ そろ成果の収穫期に入りつつある。 近藤は、農村部や都市近郊フィールドにした健康調査を行っており、これまで、老人医療費、骨密度、肥満、 転倒に関わるリスク評価などを実施してきた。また高齢者保健では、生きがいが健康に与える影響についても調 ─ 321 ─ 健康社会医学専攻 社会生命科学講座 査を行ってきた。厚生省特定疾患の班研究には、原発性高脂血症の疫学調査で協力しており、循環器病委託研究 にも班員として加わってきた。そのほか死亡統計資料を用いた地域比較も行っている。 玉腰は、産婦人科の臨床経験をもとに、女性に特有のがんと生活習慣要因に関する研究や性差を考慮した生活 習慣病予防に関する研究を行っている。また、厚生科学研究・子ども家庭総合研究事業の「各種母子保健・医療 情報の集積・活用に関する研究」に研究協力者として加わっている。 八谷は、食事摂取頻度調査票の妥当性・信頼性の検討、血液生化学検査の精度管理の検討、生活習慣アンケー ト結果を用いた行動変容に対する疾患認知の影響の検討などの研究、さらにインスリン抵抗性症候群の疫学的病 態解明のための研究を行っている。 当教室の研究の当面の主なキーワードを並べると、インスリン抵抗性、高血圧、高脂血症、心筋梗塞、心電図、 脳卒中、血清疫学、遺伝要因、生活習慣、栄養、肥満度指数、骨密度、小児保健情報、胃がん、肺がん、大腸が ん、婦人科がん、健康指標、花粉症、歯周病、針刺し事故防止対策、睡眠障害などである。 Ⅳ 指導方針など 大学院の受け入れは、卒業後の年数などは特に制限はしていない。かつては医学部卒業直後か 1 年後の入学が 多かったが、臨床経験を積んだ人の大学院入学も歓迎する。また、他学部出身でも修士課程修了者であれば受験 資格があり、本分野に興味ある方々の入学も歓迎する。社会人入学者も歓迎する。 毎週月曜日の午前に事務連絡、研究報告の会、火曜日の夕方に抄読会、研究検討会を開いている。秋期には、 疫学統計解析の基本を身につけるための輪読会を定期的に開いている。そのほか必要に応じて随時研究検討会を 開いている。これらを通して基本的研究方法を身につけて貰う。学位は課程修了までに取得できるように指導す る方針である。研究テーマは先輩の研究の手伝いなどを通して、原則的には自身で見つけることが望ましい。研 究時間については、充分確保されている。 Ⅴ 大学院生の業績 1. 大塚 礼,八谷 寛,三浦弥生、村田千代栄,玉腰 浩司,大城宏治,西尾直樹,石川美由紀,張恵明,塩沢 まゆみ、小林あゆみ、伊藤美果、堀 容子、近藤 高明,豊嶋英明:地域在住高齢者における扁平足と足の自 覚症状、および肥満との関連.日本公衆衛生雑誌 2003; 50:988-998. 2. Nagasawa N, Tamakoshi K, Yatsuya H, Hori Y, Ishikawa M, Murata C, Zhang H, Wada K, Otsuka R, Mabuchi T, Kondo T, Toyoshima H. Association of white blood cell count and clustered components of metabolic syndrome in Japanese men. Circulation J in press. 3. 村田千代栄,近藤 高明,堀 容子,玉腰 浩司,八谷 寛,石川美由紀,張恵明,豊嶋英明:高齢者の社会関 係が生命予後に与える影響について 第 48 回東海公衆衛生学会学術大会 2002 年 7 月 . 4. 大塚 礼,八谷 寛,村田千代栄,大城宏治,西尾直樹,堀 容子,玉腰 浩司,石川美由紀,張恵明,近藤 高明, 豊嶋英明:高齢者における肥満と扁平足および外反母趾との関連 第 48 回東海公衆衛生学会学術大会 2002 年7月. 5. 石川美由紀,張恵明,八谷 寛,豊嶋英明:中国辺境地の衛生と教育事情 I −甘粛省天水市奥地の小学校 と衛生院の視察をもとに− 第 17 回日本国際保健医療学会 2002 年 8 月 . 6. 石川美由紀,近藤 高明,玉腰 浩司,八谷 寛,村田千代栄,張恵明,豊嶋英明:地域における高齢者の閉 じこもりに関する研究 第 61 回日本公衆衛生学会学術集会 2002 年 10 月 . 7. 村田千代栄,近藤 高明,堀 容子,玉腰 浩司,八谷 寛,石川美由紀,張恵明,豊嶋英明:高齢者の社会関 係は生命予後に影響緒与えるか? 第 61 回日本公衆衛生学会学術集会 2002 年 10 月 . ─ 322 ─ 健康社会医学専攻 社会生命科学講座 8. 大塚 礼,八谷 寛,村田千代栄,大城宏治,西尾直樹,堀 容子,玉腰 浩司,石川美由紀,張恵明,近藤 高明, 豊嶋英明,三浦弥生,伊藤美果,小林あゆみ,塩沢まゆみ:扁平足における足裏の痛み・疲れ、および扁平 足と肥満との関連性 第 13 回日本疫学会 2003 年 1 月 . 9. 間淵智子,八谷 寛,玉腰浩司,張 恵明,石川美由紀,村田千代栄,大塚 礼,近藤高明,豊嶋英明 . 愛 知県職域コホートのベースライン時におけるレプチンと白血球の関連.第 38 回日本循環器病予防学会 2003 年5月. 10. 張恵明,八谷寛,玉腰浩司,高井城,大塚礼,間淵智子,石川美由紀,村田千代栄,長澤伸江,大島一夫, 太田尚寿,須磨一剛,近藤高明,豊嶋英明.健診時心電図の判読における留意点の抽出.第 49 回東海公衆衛 生学会学術大会 2003 年 7 月 . 11. 張 恵明,八谷 寛,玉腰浩司,近藤高明,豊嶋英明.健診時心電図による冠動脈閉塞の既往に対する判定 精度について.第 19 回心電情報ワークショップ (小田原) 2003 年 10 月 . 12. Murata C, Kondo T, Hori Y, Tamakoshi K, Yatsuya H, Toyoshima H. Self-rated health after medical care utilization. American Public Health Associatio 131st Annual meeting November 15-20, 2003. 13. 張恵明,玉腰浩司,八谷寛,大塚礼,間淵智子,石川美由紀,村田千代栄,和田恵子,長澤伸江,近藤高明, 豊嶋英明.長期の体重変動と Metabolic Syndrome との関連.第 14 回日本疫学会学術総会 2004 年 1 月 . 14. 和田恵子,八谷 寛,間淵智子,大塚 礼,張 恵明,村田千代栄,石川美由紀,玉腰浩司,近藤高明,豊嶋英明. 血清レプチン値と高血圧の関連 第 14 回日本疫学会 2004 年 1 月 . 15. 大塚 礼,八谷 寛,玉腰浩司,石川美由紀,村田千代栄,張 恵明,和田恵子,間淵智子,近藤高明,豊嶋英明. 自覚的ストレスと血清レプチン濃度との関連 ( 男性における関連).第 14 回日本疫学会学術総会 2004 年 1 月 . 16. 村田千代栄,近藤高明,堀容子,宮尾大樹,玉腰浩司,八谷寛,榊原久孝,豊嶋英明.7 年間の追跡研究に よる地域在住高齢者の日常活動度と生命予後の関連について 愛知県公衆衛生研究会 2004 年 1 月 . Ⅵ 大学院修了者の進路 平成 9 年に修了された朱善寛氏は、直後、当教室の助手に採用され、教官として研究・教育の仕事に携わりな がら新に疫学研究法を身につけ、平成 12 年コロンビア大学へ留学のため渡米した。今後の活躍が大いに期待さ れる。それまでの大学院修了者は、医学部や他学部、および教育大学での公衆衛生、保健担当の教育職についた り、保健所や地方衛生研究所など保健衛生行政分野に就いている人がほとんどである。最近では、愛知教育大学 助手(現助教授) 、名古屋市衛生研究所研究員(現愛知教育大学助手)への転出がそれぞれ 1 名ある。 Ⅶ 過去5年間の代表論文 1. Zhu S, Kondo T, Sakakibara H, Tamakoshi K, Miyanishi K, Seki N, Tanabe N, Toyoshima H. Influence of Life-related Factors and participation in Health Examination on Mortality in a 4.5-year Follow-up of a Rural Cohort. Environmental Health and Preventive Medicine 2000;5:66-71. 2. Tamakoshi K, Kondo T, Yatsuya H, Hori Y, Kikkawa F, Toyoshima H. Trends in the mortality (1950-1997) and incidence (1975-1993) of malignant ovarian neoplasm among Japanese women: analyses by age, time, and birth cohort. Gynecol Oncol. 2001;83:64-71. 3. Yatsuya H, Toyoshima H, Mizoue T, Kondo T, Tamakoshi K, Hori Y, Tokui N, Hoshiyama Y, Kikuchi S, Sakata K, Hayakawa N, Tamakoshi A, Ohno Y, Yoshimura T. Family history and the risk of stomach cancer death in Japan: differences by age and gender. Int J Cancer. 2002;97:688-94. ─ 323 ─ 健康社会医学専攻 社会生命科学講座 4. Uchiyama M, Kondo T, Tsuzuki Y, Zhu S, Tamakoshi K, Sakakibara H, Uchiyama S, Toyoshima H. Difference in the occurrence of cardiovascular events according to class of antihypertensive agent, based on a follow-up study of Japanese hypertension patients. Jpn Heart J. 2001;42:585-95. 5. Zhu S, Toyoshima H, Kondo T, Tamakoshi K, Yatsuya H, Hori Y, Tsubono Y, Nishino Y, Tsuji I, Hisamichi S. Short- and long-term reliability of information on previous illness and family history as compared with that on smoking and drinking habits in questionnaire surveys. J Epidemiol. 2002;12:120-5. 6. Hori Y, Toyoshima H, Kondo T, Tamakoshi K, Yatsuya H, Zhu S, Kawamura T, Toyama J, Okamoto N. Gender and Age Differences in Lifestyle Factors Related to Hypertension in Middle- Aged Civil Service Employees. J Epidemiol. 2003;13:38-47. 7. Tamakoshi K, Yatsuya H, Kondo T, Hirano T, Hori Y, Yoshida T, Toyoshima H. The accuracy of long-term recall of past body weight in Japanese adult men. Int J Obes Relat Metab Disord. 2003;27:247-52. 8. Tamakoshi K, Yatsuya H, Kondo T, Hori Y, Zhang H, Ishikawa M, Murata C, Otsuka R, Zhu S, Toyoshima H. U-shaped association between white blood cell count and fasting plasma glucose level. Diabetes Care. 2003;26:950. 9. Tamakoshi K, Yatsuya H, Kondo T, Hori Y, Ishikawa M, Zhang H, Murata C, Otsuka R, Zhu S, Toyoshima H. The metabolic syndrome is associated with elevated circulating C-reactive protein in healthy reference range, a systemic low-grade inflammatory state. Int J Obes Relat Metab Disord. 2003;27:443-9. 10. Yatsuya H, Tamakoshi K, Yoshida T, Hori Y, Zhang H, Ishikawa M, Zhu S, Kondo T, Toyoshima H. Association between weight fluctuation and fasting insulin concentration in Japanese men. Int J Obes Relat Metab Disord. 2003;27:478-83. 11. Kondo T, Toyoshima H, Tsuzuki Y, Hori Y, Yatsuya H, Tamakoshi K, Tamakoshi A, Ohno Y, Kikuchi S, Sakata K, Hoshiyama Y, Hayakawa N, Tokui N, Mizoue T, Yoshimura T. Aggregation of stomach cancer history in parents and offspring in comparison with other sites. Int J Epidemiol. 2003;32:579-83. 12. Tamakoshi K, Yatsuya H, Kondo T, Ishikawa M, Zhang H, Murata C, Otsuka R, Mabuchi T, Hori Y, Zhu S, Yoshida T, Toyoshima H. Long-term body weight variability is associated with elevated C-reactive protein independent of current body mass index among Japanese men. Int J Obes Relat Metab Disord. 2003;27:1059-65. 13. Yatsuya H, Ohwaki A, Tamakoshi K, Wakai K, Koide K, Otsuka R, Mabuchi T, Murata C, Zhang H, Ishikawa M, Kondo T, Toyoshima H. Reproducibility and validity of a simple checklist-type questionnaire for food intake and dietary behavior. J Epidemiol. 2003;13:235-45. 14. Yatsuya H, Tamakoshi K, Hattori H, Otsuka R, Wada K, Zhang H, Mabuchi T, Ishikawa M, Murata C, Yoshida T, Kondo T, Toyoshima H. Serum phospholipid transfer protein mass as a possible protective factor for coronary heart diseases. Circ J. 2004;68:11-6. 15. Tamakoshi K, Wakai K, Kojima M, Watanabe Y, Hayakawa N, Toyoshima H, Yatsuya H, Kondo T, Tokudome S, Hashimoto S, Suzuki K, Ito Y, Tamakoshi A; JACC Study Group. A prospective study of body size and colon cancer mortality in Japan: The JACC Study. Int J Obes Relat Metab Disord. 2004;28:551-8. 16. Tamakoshi K, Wakai K, Kojima M, Watanabe Y, Hayakawa N, Toyoshima H, Yatsuya H, Kondo T, Tokudome S, Hashimoto S, Suzuki K, Ito Y, Tamakoshi A; JACC Study Group. A prospective study on the possible association between having children and colon cancer risk: findings from the JACC Study. Cancer Sci. 2004;95:243-7. 17. Tamakoshi K, Wakai K, Kojima M, Watanabe Y, Hayakawa N, Toyoshima H, Yatsuya H, Kondo T, Tokudome S, Hashimoto S, Suzuki K, Suzuki S, Kawado M, Ozasa K, Ito Y, Tamakoshi A; For the JACC Study Group. A prospective study of reproductive and menstrual factors and colon cancer risk in Japanese women: Findings from the JACC study. Cancer Sci. 2004;95:602-7. 18. Yatsuya H, Toyoshima H, Tamakoshi A, Kikuchi S, Tamakoshi K, Kondo T, Mizoue T, Tokui N, Hoshiyama Y, Sakata K, Hayakawa N, Yoshimura T. Individual and joint impact of family history and Helicobacter pylori infection on the risk of stomach cancer: a nested case-control study. Br J Cancer. in press. ─ 324 ─ 健康社会医学専攻 社会生命科学講座 予防医学/医学推計・判断学 Ⅰ 教室の沿革・特色 当教室は、わが国初めての予防医学講座として昭和 16 年に開設された。翌年に着任した初代教授鶴見三三(さ んぞう)は「一定の疾病では原因が発見され、またその予防方法も明瞭となっている。したがって個人の健康、 社会の秩序を維持するためには治療より予防が合理的である」と予防医学の重要性を唱えた。講座創設期の研究 テーマは当時猛威をふるっていた結核であった。 二代目岡田博教授(昭和 26 年着任)のもとで、結核をはじめとした感染症の疫学研究が続けられた。昭和 51 年に三代目青木國雄教授が着任すると、がんや難病の発生要因の解明および予防対策の確立をめざした疫学研究 に中心が移り、昭和 63 年には全国の疫学研究者が参加した 10 万人以上の文部科学省大規模コホート研究(JACC study)がスタートしその中心的役割を果たした。平成 3 年に四代目大野良之教授が着任し、がん、循環器疾患、 難病の疫学に加え、 高齢者の社会活動に関する研究や突然死の研究など新しい分野にも活動の場を広げた。また、 この時期に JACC study の追跡結果が集積され、全国の研究者の協力により多数の論文が発表され始めた。 平成 15 年 1 月にがんの遺伝子環境交互作用を研究テーマとした浜島信之教授が着任し、JACC study の中心的 役割を果たすと共に疫学の倫理指針に貢献してきた玉腰暁子助教授、血液疾患の臨床研究を担当する山本一仁助 手、疫学における倫理や説明と同意をめぐる問題をテーマとした内藤真理子助手の 4 人のスタッフによる教室が 活動を始めた。 Ⅱ スタッフ 教 授 濵島 信之(医学博士) 教 授 玉腰 暁子(医学博士) 助 手 山本 一仁(医学博士) 内藤真理子(歯学博士) 助 客員研究者 大 学 院 生 研 究 生 安藤 昌彦(医学博士) 、 岡本 和士(医学博士)、 川村 孝(医学博士)、 貴田 真紀、松原 史朗(医学博士) 〈博士課程〉 熱田 由子、 丹羽 慶光、 後藤 康幸 〈修士課程〉 西尾 和子、 田中 大介、 川合 紗世 江上いすず、 青山 京子 Ⅲ 研究分野・内容 1)がんの発生要因解明のための疫学研究(玉腰・西尾・丹羽) 文部科学省大規模コホート研究(JACC study)のデータを用いた、がん発生要因の検証探索。 2)日本多施設共同コーホート研究(J-MICC study)(内藤・玉腰・浜島) 平成 17 年度にわが国最大級の大規模コーホート研究が予定されている。その中央事務局として、登録、生 活歴データ管理、血液検体管理、追跡調査、解析の手順を検討し、実施準備を行っている。 3)遺伝子多型と疾病発生リスクに関する研究(浜島・丹羽・西尾・田中・川合・玉腰) 各種疾患、特にがんに関して、遺伝型と発生リスクとの関連を探索する。また、環境要因の影響を修飾する ─ 325 ─ 健康社会医学専攻 社会生命科学講座 かどうか(遺伝子環境相互作用)を検討する。 4)疫学研究における倫理問題に関する検討(玉腰・内藤) 人を対象とした疫学研究には多くの倫理問題が内在する。対象者の人権保護、研究実施の手続きなどを、理 念と現実から検討していく。 5)難病の疫学調査(玉腰) 全国調査により難病の頻度を明らかにし、難病対策の基礎資料を提供している。また、症例対照研究で難病 と生活習慣との関連を分析するなど、他にも難病に関する種々の疫学調査をしている。 6)周産期に関連した疫学研究(玉腰・松原) 妊婦の喫煙(受動喫煙を含む) ・飲酒・就労などの生活習慣と、出生体重などの児の状態との関係を検討し ている。 7)職域における疾病発生関連要因の検討(玉腰・熱田・後藤・内藤・浜島) 某職域において、ライフスタイルと疾病発生との関係を調査し、職場における疾病予防・健康増進に役立て る。 8)食品摂取頻度と生体指標の関連に関する研究(西尾・玉腰・浜島) 食品摂取頻度と生体指標との関連を遺伝子型別に検討することにより、生体指標に現われる個体差について 検討する。 9)予防医療の確立に関する研究(後藤・西尾・田中・川合・浜島) ピロリ菌除菌、禁煙誘導などの疾病予防のための医療をどのように地域で実施したらよいかを検討する。 10)臨床研究の確立に関する研究(山本・熱田・田中・浜島) 臨床研究を効率よく行うためには、これを支援するための組織が必要とされる。研究計画、登録、データ整 理、追跡調査、解析の知識と技術を備えたチームを形成し、実際に臨床研究を推進する。 Ⅳ 指導方針など 《博士課程》 1.受け入れ条件:医学部卒業者については原則として卒業後 10 年以内の者。予防医学、疫学研究者を目指す 場合であっても臨床経験は有用であり、特別なコースを望む者意外は、最低2年間の臨床研修を受けること が望ましい。疫学や予防医学を志す他学部の卒業生の場合には、名古屋大学大学院医学系研究科の修士課程 にまず入学することを勧める。英語能力はこの分野では極めて重要で、英語を習得するつもりがない場合に は入学を再考する必要がある。 2.学位:できる限り早い時点の学位論文完成をめざす。社会人大学院生であっても同様である。生活費捻出の ためのアルバイトは認めるが、学位論文完成のめどが立つまでは研究に重点を置くこと強く希望する。可能 であれば、3 年間の短期修了をめざす。研究テーマは本人の希望に応じる。 3.卒業後の進路:臨床医に戻ることを希望する者は、もとの臨床系講座に復帰する場合であっても、独自に病 院に就職する場合であっても、できる限り援助する。行政職を希望する場合には、相談に応じる。研究者と なることを選択した者については、大学や研究所での教育職、研究職、およびリサーチレジデントの職を紹 介する。海外での研究や研修についても相談に応じる。 ─ 326 ─ 健康社会医学専攻 社会生命科学講座 《修士課程》 疫学研究、遺伝子多型、臨床研究に関心のある者であれば、広く受け入れる。ただし、英語の能力は必須であ る。本人の希望に応じたテーマを相談の上、決定し、卒業後の進路に応じた知識技術の修得を支援する。 Ⅴ 大学院生の業績 《大学院生が first author の主な論文》 1. Niwa Y, Nakanishi T, Kuzuya K, Nawa A, Mizutani S. Salvage treatment with docetaxel for recurrent epithelial ovarian cancer. Int J Clin Oncol 2003; 8: 343-347. 2. Niwa Y, Hamajima N, Atsuta Y, Yamamoto K, Tamakoshi A, Saito K, Hirose T, Nakanishi A, Nawa K, Kuzuya K, Tajima K. Genetic polymorphisms of p73 G4C14-to-A4T14 at exon 2 and p53 Arg72Pro and the risk of cervical cancer in Japanese. Cancer Lett 205: 55-60, 2004. 3. Nishio K, Tanaka D, Atsuta Y, Yamamoto K, Tamakoshi A, Nakamura S, Sekido Y, Niwa T, Hamajima N. Genotype announcement in a genetic polymorphism study for health checkup examinees at Nagoya University Hospital. Nagoya J Med Sci 67: 45-49, 2004. 4. Nishio K, Nakamura S, Sekido Y, Niwa T, Hamajima N. Associations between disease risk and eight polymorphisms adopted for genotype announcement at Nagoya University Hospital. Nagoya J Med Sci 67: 51-58, 2004. 5. Atsuta Y, Kawase H, Hamajima N, Nishio K, Niwa Y, Tanaka D, Yamamoto K, Tamakoshi A. Duplex PCR-CTPP for CYP2E1 RsaI / IL-2 T-330G and IL-1B C-31T / TNF-A T-1031C polymorphisms. Mol Diagn (in press). Ⅵ 大学院修了者の進路(平成 10 年以降の修了者) 小嶋雅代 平成 10 年博士課程修了 名古屋市立大学大学院医学研究科 健康増進・予防医学分野 助手 林 櫻松 平成 12 年博士課程修了 愛知医科大学医学部公衆衛生学講師 Ⅶ 2003年以降の代表抜粋論文 1. Tamakoshi A, Hamajima N, Kawase H, Wakai K, Katsuda N, Saito T, Ito H, Hirose K, Takezaki T, Tajima K. Duplex polymerase chain reaction with confronting two-pair primers (PCR-CTPP) for genotyping alcohol dehydrogenase B subunit (ADH2) and aldehyde dehydrogenase (ALDH2). Alc Alc 38: 407-410, 2003. 2. Ando M, Wakai K, Seki N, Tamakoshi A, Suzuki K, Ito Y, Nishino Y, Kondo T, Watanabe Y, Ozasa K, Ohno Y for the JACC Study Group. Attributable and absolute risk of lung cancer death by smoking status: findings from the Japan Collaborative Cohort Study. Int J Cancer 105: 249-254, 2003. 3. Choi J-Y, Abel J, Neuhaus T, Ko Y, Harth V, Hamajima N, Tajima K, Yoo K-Y, Park SK, Noh D-Y, Han W, Choe K-J, Ahn S-H, Kim S-U, Hirvonen A, Kang D. Role of alcohol and genetic polymorphisms of CYP2E1 and ALDH2 in breast cancer development. Pharmacogenetics 13: 67-72, 2003. 4. Egami I, Wakai K, Kunitomo H, Tamakoshi A, Ando M, Nakayama T, Ohno Y. Associations of lifestyle factors with bone mineral density among male university students in Japan. J Epidemiol 13: 48-55, 2003. 5. Hamajima N, Katsuda N, Matsuo K, Saito T, Hirose K, Inoue M, Takezaki T, Tajima K, Tominaga S. High anti─ 327 ─ 健康社会医学専攻 社会生命科学講座 Helicobacter pylori antibody seropositivity associated with the combination of IL-8 -251TT and IL-10 -819TT genotypes. Helicobacter 8: 105-110, 2003. 6. Ito H, Hamajima N, Matsuo K, Okuma K, Sato S, Ueda R, Tajima K. Monoamine oxidase polymorphisms and smoking behaviour in Japanese. Pharmacogenetics 13: 73-79, 2003. 7. Ito Y, Wakai K, Suzuki K, Tamakoshi A, Seki N, Ando M, Nishino Y, Kondo T, Watanabe Y, Ozasa K, Ohno Y for the JACC Study Group. Serum carotenoids and mortality from lung cancer: a case-control study nested in the Japan Collaborative Cohort (JACC) Study. Cancer Sci 94: 57-63, 2003. 8. Kajiguchi T, Yamamoto K., Hossain K, Akhand AA, Nakashima I, Naoe T, Saito H, Emi N. Sustained activation of c-junterminal kinase (JNK) in closely related to arsenic trioxide-induced apoptosis in acute myeloid leukemia (M2) derived cell line, NKM-1. Leukemia 17: 2189-2195, 2003. 9. Kanda Y, Chiba S, Hirai H, Sakamaki H, Iseki T, Kodera Y, Karasuno T, Okamoto S, Hirabayashi N, Iwato K, Maruta A, Fujimori Y, Furukawa T, Mineishi S, Matsuo K, Hamajima N, Imamura M. Allogeneic hematopoietic stem cell transplantation from family members other than HLA-identical siblings over the last decade (1991-2000). Blood 102: 1541-1547, 2003. 10. Kaneko S, Tamakoshi A, Ohno Y, Mizoue T, Yoshimura T, the JACC Study Group. Menstrual and reproductive factors and the mortality risk of gastric cancer in Japanese menopausal females. Cancer Causes Control 14: 53-59, 2003. 11. Kobayashi S, Yano T, Matsumoto Y, Numano F, Nakajima N, Yasuda K, Yutani C, Nakayama T, Tamakoshi A, Kawamura T, Ohno Y, Inaba Y, Hashimoto H. Clinical and epidemiologic analysis of giant cell (Temporal) arteritis from a nationwaide survey in 1998 in Japan: the first government-supported nationwide survey. Arthritis Rheum 49: 594-598, 2003. 12. Kobayashi S, Yano T, Inaba Y, Hashimoto H, Matsumoto Y, Tamakoshi A, Kawamura T, Ohno Y. Ocular involvements of Japanese patients with giant cell arteritis from the first nation-wide survey. Arthritis Rheum 49: 867-868, 2003. 13. Kondo T, Toyoshima H, Tsuzuki Y, Hori Y, Yatsuya H, Tamakoshi K, Tamakoshi A, Ohno Y, Kikuchi S, Sakata K, Hoshiyama Y, Hayakawa N, Tokui N, Mizoue T, Yoshimura T for the JACC Study Group. Aggregation of stomach cancer history in parents and offspring in comparison with other sites. Int J Epidemiol 32: 579-583, 2003. 14. Matsuo K, Hamajima N, Ikehara Y, Suzuki T, Nakamura T, Matsuura A, Tajima K, Tominaga S. Smoking and polymorphisms of fucosyltransferase gene Le affect success of H. pylori eradication with lansoprazole, amoxicillin, and clarithromycin. Epidemiol Infect 130: 227-233, 2003. 15. Minami Y, Yamamoto K, Kiyoi K, Ueda R, Saito H, Naoe T. Different anti-apoptotic pathways between wild-type and mutated FLT3: insights into therapeutic targets in leukemia. Blood 102: 2969-2975, 2003. 16. Mizoue T, Yoshimura T, Tokui N, Hoshiyama Y, Yatsuya H, Sakata K, Kondo T, Kikuchi S, Toyoshima H, Hayakawa N, Tamakoshi A, Ohno Y, Fujino Y, Kaneko S, the Japan Collaborative Cohort Study Group. Prospective study of screening for stomach cancer in Japan. Int J Cancer 106: 103-107, 2003. 17. Nakanishi T, Nawa A, Niwa Y, Nakamura S, Kuzuya K. Associations between tumor diameter and prognostic variable of epithelial ovarian cancer. J Gynaecol Oncol 24: 45-47, 2003. 18. Nawa A, Nozawa N, Goshima F, Nagasaka T, Kikkawa F, Niwa Y, Nakanishi T, Kuzuya K, Nishiyama Y. Oncolytic viral therapy for human ovarian cancer using a novel replication-competent herpes simplex virus type I mutant in a mouse model. Gynecol Oncol 91: 81-88, 2003. 19. Usami N, Sekido Y, Maeda O, Yamamoto K, Minna JD, Hasegawa Y, Yoshioka H, Imaizumi M, Ueda Y, Takahashi M, Shimokata K. β-catenin inhibits cell growth of a malignant mesothelioma cell line, NCI-H28, with a 3p21.3 homozygous deletion. Oncogene 22: 5978-5986, 2003. 20. Yamada S, Koizumi A, Iso H, Wada Y, Watanabe Y, Date C, Yamamoto A, Kikuchi S, Inaba Y, Toyoshima H, Kondo T, Tamakoshi A for the JACC Study Group. Risk factors for fatal subarachnoid hemorrhage -The Japan Collaborative Cohort Study-. Stroke 34: 2781-2787, 2003. ─ 328 ─ 健康社会医学専攻 社会生命科学講座 21. Yamada Y, Hamajima N, Kato T, Iwata H, Yamamura Y, Shinoda M, Suyama M, Mitsudomi T, Tajima K, Kusakabe S, Yoshida H, Banno Y, Akao Y, Tanaka M, Nozawa Y. Association of a polymorphism of the phospholipase D2 gene with the prevalence of colorectal cancer. J Mol Med 81: 126-131, 2003. 22. Yanada M, Yamamoto K, Emi N, Naoe T, Suzuki R, Taji H, Iida H, Shimokawa T, Kohno A, Mizuta S, Maruyama F, Wakita A, Kitaori K, Yano K, Hamaguchi M, Hamajima N, Morishima Y, Kodera Y, Sao H, Morishita Y for the Nagoya BMT Group. Cytomegalovirus antigenemia and outcome of patients treated with preemptive ganciclovir: retrospective analysis of 241 consecutive patients undergoing allogeneic hematopoietic stem cell transplantation. Bone Marrow Transplant 32: 801-807, 2003. 23. Asai A, Nakayama T, Naito M. Ethics in questionnaire-based research. Eubios J Asian Int Bioethics 13:147-152, 2003. 24. Kato H, Ichinose Y, Ohta M, Hata E, Tsubota N, Tada H, Watanabe Y, Wada H, Tsuboi M, Hamajima N, Ohta M, Japan Lung Cancer Research Group on Postsurgical Adjuvant Chemotherapy. A randomized trial of adjuvant chemotherapy with uracil-tegafur for adenocarcinoma of the lung. N Engl J Med 350: 1713-1721, 2004. 25. Ito H, Matsuo K, Hamajima N, Mitsudomi T, Sugiura T, Saito T, Yasue T, Lee K-M, Kang D, Yoo K-Y, Sato S, Ueda R, Tajima K. Gene-Environment interactions between the smoking habit and polymorphisms in the DNA repair genes, APE1 Asp148Glu and XRCC1 Arg399Gln, in Japanese lung cancer risk. Carcinogenesis 25: 1395-1401, 2004. 26. Matsuo K, Hamajima N, Suzuki R, Andoh M, Nakamura S, Seto M, Morishima Y, Tajima K. Lack of association between DNA base excision repair gene XRCC1 Gln399Arg polymorphism and risk of malignant lymphoma in Japan. Cancer Genet Cytogenet 149: 77-80, 2004. 27. Hoshiyama Y, Kawaguchi T, Miura Y, Mizoue T, Tokui N, Yatsuya H, Sakata K, Kondo T, Kikuchi S, Toyoshima H, Hayakawa N, Tamakoshi A, Ohno Y, Yoshimura T for the JACC Study Group. A nasted case-control study of stomach cancer in relation to green tea consumption in Japan. Br J Cancer 2004; 90: 135-138. 28. Tamakoshi A, Ohno Y, JACC Study Group. Self-reported sleep duration as a predictor of all-cause mortality: results from the JACC Study, in Japan. Sleep 27: 51-54, 2004. 29. Tamakoshi K, Wakai K, Kojima M, Watanabe Y, Hayakawa N, Toyoshima H, Yatsuya H, Kondo T, Tokudome S, Hashimoto S, Suzuki K, Ito Y, Tamakoshi A, for the JACC Study Group. A prospective study on the possible association between having children and colon cancer risk: findings from the JACC Study. Cancer Sci 95: 243-247, 2004. 30. Wakai K, Hirose K, Takezaki T, Hamajima N, Ogura Y, Nakamura S, Hayashi N, Tajima K. Foods and beverages in relation to urothelial cancer: case-control study in Japan. Int J Urol 11: 11-19, 2004. 31. Naito M, Nakayama T, Fukuhara S. Quality of life assessment and reporting in randomized controlled trials: a study of literature published from Japan. Health and Quality of Life Outcomes 2: 31, 2004. 32. Kobashi G, Hoshuyama T, Sugimori H, Oki I, Kadowaki T, Kanda H, Otani T, Iwasaki M, Naito M, Takao S. What expectations do young Japanese epidemiologists have for the future of epidemiology? A questionnaire survey of members of the young epidemiologists society for discussing the future of epidemiology. J Epidemiology 14: 69-71, 2004. 33. Yanada M, Terakura S, Yokozawa T, Yamamoto K, Kiyoi H, Emi N, Kitamura K, Kohno A, Tanaka M, Tobita T, Takeo T, Sao H, Kataoka T, Kobayashi M, Takeshita A, Morishita Y, Naoe T, Sugiura I. : Multiplex Real-time RT-PCR for Prospective Evaluation of WT1 and Fusion Gene Transcripts in Newly Diagnosed De Novo Acute Myeloid Leukemia. Leuk Lymphoma 45: 1803-1808, 2004. 34. Fujino Y, Tamakoshi A, Hoshiyama Y, Mikami H, Okamoto N, Ohno Y, Yoshimura T, for the Japan Collaborative Cohort Study Group. Prospective study of transfusion history and thyroid cancer incidence among females in Japan. Int J Cancer 2004 (in press) 35. Kojima M, Wakai K, Tokudome S, Tamakoshi K, Toyoshima H, Watanabe Y, Hayakawa N, Suzuki K, Hashimoto S, Ito Y, Tamakoshi A, for the JACC Study Group. Bowel-movement frequency and risk of colorectal cancer in a large cohort study of Japanese men and women. Br J Cancer 2004 (in press) ─ 329 ─ 健康社会医学専攻 社会生命科学講座 36. Lin Y, Tamakoshi A, Kikuchi S, Yagyu K, Obata Y, Ishibashi T, Kawamura T, Inaba Y, Kurosawa M, Motohashi Y, Ohno Y, for the JACC Study Group. Serum insulin-like growth factor-I, insulin-like growth factor binding protein-3, and the risk of pancreatic cancer death. Int J Cancer 2004 (in press). 37. Ozasa K, Nakao M, Watanabe Y, Hayashi K, Miki T, Mikami K, Mori M, Sakauchi F, Washio M, Ito Y, Suzuki K, Wakai K, Tamakoshi A for the JACC Study Group. Serum phytoestrogens and prostate cancer risk in a nested case-control study among Japanese men. Cancer Science 2004 (in press) 38. Tamakoshi K, Wakai K, Kojima M, Watanabe Y, Hayakawa N, Toyoshima H, Yatsuya H, Kondo T, Tokudome S, Hashimoto S, Suzuki K, Ito Y, Tamakoshi A, for the JACC Study Group. A prospective study of body size and colon cancer mortality in Japan: The JACC Study. Int J Obesity 2004 (in press). 39. Naito M, Nakayama T, Ojima T, Kobashi G, Muto K, Washio M, Ishikawa S, Maruyama E, Ogami E, Sakai M, Sato K, Sugimori H, Suzuki M, Takahashi F, Yamagata Z, Tamakoshi A. Creating a brochure to promote understanding of epidemiological research. J Epidemiol. 2004 (in press) ─ 330 ─ 健康社会医学専攻 社会生命科学講座 国際保健医療学/環境医動物学 Ⅰ 教室の沿革・特色 国際保健医療学は、社会開発・経済開発の過程において生じる健康問題とその多面的な要因を分析し、実行可 能な対策を考える分野である。当教室は、開発途上国のヘルス・ポリシー / システム、健康問題とジェンダー、 紛争後復興開発と保健医療などを主な研究課題とし、フィールドでの実践的調査に基づいた理論構築に取り組ん でいる。 国際保健医療学を専門分野とする教室は日本国内では数少ない。当教室は 1965 年開講の医動物学講座を基盤 とし、大学院重点化過程で 1999 年に国際保健医療学 / 環境医動物学と改称した。2001 年 2 月に青山温子教授が 着任、本格的な国際保健医療学分野の研究・教育を開始した。今後は、本学社会医学系の重要な一員として、ま た日本における国際保健医療学分野の研究・教育の拠点の一つとしての発展が期待されている。 Ⅱ スタッフ 教 授 青山 温子 助 教 授 須藤 千春、 山本 直彦 助 手 永井 真理 大 学 院 生 宇井志緒利、 岡本美代子、 川口 レオ、 吉崎 基弥 Ⅲ 研究分野・内容 国際保健医療学とは、社会開発・経済開発の過程で生じる健康問題とその多面的要因を研究し、実行可能な対 策を考える、社会医学の一分野である。健康が阻害される時、病原体などの直接的要因や、栄養状態などの間接 的要因に加えて、経済的・社会的・文化的要因が遠隔的に作用している。健康改善には、医学・医療のみならず、 社会学・文化人類学・経済学・国際関係学など、いろいろな専門分野の知識・技術を取り入れ、総合的アプロー チを作り出す必要がある。 国際保健医療学の課題は広範に及んでいるが、現在、教室では、⑴ 開発途上国のヘルス・ポリシー / シス テムの分析と国際比較、⑵ 健康問題とジェンダー、とくに中東・アジアの女性のリプロダクティブ・ヘルス、 ⑶ 紛争後地域の健康問題及び復興開発・平和構築に果たす保健医療活動の役割評価を、主な研究課題としてい る。フィールドでの実践的調査活動は不可欠であり、アジア・中東・アフリカなどの開発途上国において調査研 究を実施している。フィールドでの成果に詳細な文献研究を加えて理論構築を進め、有効で実行可能な介入方法 の開発を目指している。また、国内外の大学や開発援助機関などとの協力も積極的に推進している。 当教室は、医学部学生に対する国際保健医療学及び医動物学分野の教育の責も担っている。各助教授は、以下 のような、医動物学分野の研究課題に取り組んでいる。須藤助教授 : 衛生動物学的に見た室内環境の変化に関す る研究。山本助教授 : HIV/AIDS の分子疫学的研究。 Ⅳ 指導方針など 大学院前半では、基本的知識を十分学んで、国際保健医療学分野の全体像を理解することを主眼とする。文献 ─ 331 ─ 健康社会医学専攻 社会生命科学講座 研究を通じて、情報収集法・論理的思考の組み立て方・発表や論文作成の方法を身につける。また、開発途上国 フィールド活動に参加して、調査研究の基本や外国で行動する時のルール・マナーを学ぶ。なお、英語能力は、 読・書・聞・話、いずれも、極めて高い水準を要求されるため、十分に研鑚することが重要である。各種学会で 積極的に発表することを勧めている。 大学院後半では、選択したテーマに沿って研究を進め、論文を完成する。各種の外部助成資金を積極的に獲得 してフィールド研究を行うことを推奨している。また、国内外の研究者・開発援助関係者との交流や、留学・国 外機関インターンシップなどの機会も提供したいと考えている。 Ⅴ 大学院生の業績 1. 宇野日出男、宇井志緒利、青山温子 : ドメスティック・バイオレンス (DV) − 公衆衛生の視点から。日本公 衆衛生雑誌 51:5, 305–310 (2004)。 2. 長江美穂、北林春美、青山温子 : 女性の健康問題としてのドメスティック・バイオレンス (DV) − タイ国保 健医療関係者の取組み。日本公衆衛生雑誌 51:4, 287–296 (2004)。 3. 宇井志緒利、Leng Kuoy、宇野日出男、青山温子:紛争後復興開発期における参加型保健研修が果たす役割 − カンボディアにおける取り組みから。第 14 回国際開発学会全国大会報告論文集、549-555 (2003)。 4. Win, T.T., Lin, K., Mizuno, S., Zhou, M., Liu, Q., Ferreira, M.U., Tantular, I.S., Kojima, S., Ishii, A. Kawamoto, F. Wide distribution of Plasmodium ovale in Myanmar. Trop. Med. Int. Health, 7, 231-239 (2002). 5. Win, T.T., Tantular, I.S., Pusarawati, S., Kerong, H., Lin, K., Matsuoka, M., Ishii, A., Kawamoto, F. Detection of Plasmodium ovale by the ICT Malaria P.f/P.v. immunochromatographic test. Acta Tropica, 80, 283-284 (2001). Ⅵ 過去5年間の代表論文・著者名 1. 青山温子、喜多悦子、宇野日出男、宇井志緒利、Gilbert Burnham:復興開発と保健医療−アフガニスタンの事例・ 第 1 報。国際開発学会第 4 回春季大会報告論文集、187–192 (2003)。 2. 青山温子 : 中東地域における保健医療分野での復興開発支援とジェンダー。UNDP- JICA 「 復興開発支援とジェ ンダー 」 報告書、pp. 23-30、36、(2002) JICA 国際協力総合研修所、東京。 3. アフガニスタンの女性支援に関する懇談会(原ひろ子、青山温子、池上清子、他): アフガニスタンの女性 支援策について。内閣府男女共同参画局、東京、2002。 4. 青山温子 : 保健医療分野におけるアフガニスタン女性支援。共同参画 21、2、22-23 (2002)。 5. 青山温子 : 健康・開発とジェンダー。女性教養 592、3-6 (2002)。 6. 青山温子、原ひろ子、喜多悦子:開発と健康 − ジェンダーの視点から。有斐閣、東京 (2001)。 7. Aoyama, A. Reproductive Health in the Middle East and North Africa: Well-Being for All. The World Bank, Washington, DC (2001). 8. 青山温子:保健医療セクター調査実施要領 − Ⅰ調査編。国際協力銀行、東京 (2001)。 9. 青山温子 : 社会・経済開発の中での保健医療 − 国際保健医療学とは。現代医学、49、83-91 (2001)。 10. 青山温子、西村洋子、鈴木恵美 : 中東・北アフリカ地域諸国のリプロダクティブ・ヘルス。周産期医学、 30、1479-1485 (2000)。 ─ 332 ─ 健康社会医学専攻 社会生命科学講座 11. Aoyama, A. Toward a Virtuous Circle: A Nutrition Review of the Middle East and North Africa. The World Bank, Washington, DC (1999). 12. 青山温子、門脇崇 : 西アジア諸国の女性の栄養について。アジア女性研究、8、38-46 (1999)。 13. Tantular, I.S., Kawamoto, F. An improved, dimple screening method for detection of glucose-6-phosphate dehydrogenase deficiency. Trop. Med. Int. Health, 8, 1-6 (2003). 14. Kawamoto, F., Win, T.T., Mizuno, S., Lin, K., Kyaw, O., Tantular, I.S., Mason, D.P., Kimura, M., Wongsrichanalai, C. Unusual Plasmodium malariae-like parasites in Southeast Asia. J. Parasitol., 88, 350-357 (2002). 15. Kawamoto, F., Liu, Q., Ferreira, M.U., Tantular, I.S. How prevalent are Plasmodium ovale and P. malariae in east Asia? Parasitol. Today 15, 422-426 (1999). 16. Tantular, I.S., Iwai, K., Lin, K., Basuki, S., Horie, T., Htay, H.H., Matsuoka, H., Marwoto, H., Wongsrichanalai, C., Dachlan, Y.P., Kojima, S., Ishii, A., Kawamoto, F. Field trials of a rapid test for G6PD deficiency in combination with a rapid diagnosis of malaria. Trop. Med. Int. Health, 4, 245-250 (1999). ─ 333 ─ 健康社会医学専攻 発育・加齢医学講座 小児科学/成長発達医学 Ⅰ 教室の沿革・特色 小児科学教室は、明治 42 年に多田学三郎教授(明治 42 年∼大正 4 年)が愛知県立医科学校の産科、婦人科部 長の兼務を免ぜられ、小児科部長専任となった時期に始まりました。 以後藤井静英教授(大正 4 年∼昭和 7 年) 、坂本陽教授(昭和 9 年∼昭和 35 年) 、中江亮一教授(昭和 35 年 ∼昭和 41 年)が教室を主宰された後、大学紛争のための 8 年に及ぶ教授不在の時代を経て、鈴木榮教授(昭和 49 年∼昭和 59 年) 、渡邊一功教授(昭和 59 年∼平成 13 年)と続き、小島勢二教授が平成 14 年に新たに就任されま した。平成 10 年より大学院大学化に伴い、 「健康社会医学専攻発育・加齢医学講座小児科学/成長発達医学」教 室として今日に至っています。平成 10 年 12 月には、大学院大学化にともない、新たに成長発達医学分野が開設 され、小島勢二教授が着任されました。小島教授は平成 14 年 11 月に渡邊教授の後任として小児科学教授に就任 されました。小児科学教室は、今年も 10 名の新入局者を迎えて、教授以下教官 10 名、医員 9 名、大学院 20 名、 計 39 名の教室員が小児科診療・研究・教育に取り組んでおります。なお、4 人の海外からの留学生が大学院に在 籍しております。国際交流も活発に行われ、現在も 4 名が海外留学中です。 研究体制としては、大学内では、神経・血液・免疫・アレルギー・ウイルス・循環器・新生児の 7 つの診療研 究グループが活発に活動しており、多くの研究業績をあげております。神経グループは小児期痙攣性疾患や発達 障害に対する神経生理・生化学的研究、周生期脳障害の研究、難治てんかんの臨床脳波学的研究、血液腫瘍グルー プは、小児造血幹細胞移植療法の実施、白血病や再生不良性貧血の病因及び治療研究、免疫グループは先天性免疫 不全症候群の分子生物学的研究、遺伝子治療の基礎研究、アレルギーグループはアレルギー疾患と環境因子、食物 アレルゲンの抗原分析と抗原性の修飾因子、必須脂肪酸摂取のアレルギー疾患に及ぼす影響の研究、ウイルスグ ループは難治ウイルス感染症であるウイルス性肝炎・脳炎の病態生理、周生期ウイルス感染症の研究、循環器グ ループは小児期不整脈の治療・長期予後、川崎病の治療研究、新生児グループは超早産児の中枢神経の発達に関 する研究、低酸素性虚血性脳症における分子生物学的研究が行われております。この他、小児期腎疾患については 社会保険中京病院、内分泌疾患は総合上飯田第一病院、代謝疾患は厚生連加茂病院、でそれぞれ活発な研究が行わ れています。 Ⅱ スタッフ *神経グループ 助 手 奥 村 彰 久 医 員 糸 見 世 子 大 学 院 生 柿 澤 裕 子、 近 藤 容 子、 辻 健 史、 生 田 岳 人、 検 査 部 講 師 根 来 民 子 *血液腫瘍グループ 教 授 小 島 勢 二 助 手 工 藤 寿 子 医 員 谷ヶ崎 博 大 学 院 生 小 山 慎 郎、 梁 娟、 山 本 知 子、 田 中 真己人、 日 高 啓 量、 吉 田 奈 央、 徐 銀 燕 ─ 334 ─ 健康社会医学専攻 発育・加齢医学講座 *免疫グループ 助 手 蒲 池 吉 郎 * アレルギーグループ 助 教 授 坂 本 龍 雄 大 学 院 生 加 藤 久美子、 大 島 美穂子、 二 村 昌 樹、 木 村 量 子、 廣 瀬 泉、 森 井 志 歩 * ウイルスグループ 講 師 木 村 宏 大 学 院 生 川 田 潤 一、 柴 田 友紀子 * 循環器グループ 助 手 大 橋 直 樹 大 学 院 生 木 下 知 子 * 新生児グループ 周産母子センター講師 早 川 昌 弘 周産母子センター助手 深 見 英 子 周産母子センター医員 加 藤 英 子 医 員 林 誠 司 大 学 院 生 佐 藤 義 朗 Ⅲ 研究分野・内容 【小児科学】 * 神経グループ 1.臨床てんかん学:てんかんの病態生理の解明と治療 2.発達期脳障害:出生前・周産期・出生後脳障害の病因、病態の解明。早期診断治療。 3.神経放射線学:頭部 MRI・SPECT・PET による神経疾患の診断 4.新生児神経学:神経生理学的手法による病態の解析 根 来 民 子(小児てんかん学・臨床電気生理学) 奥 村 彰 久(新生児神経学・小児てんかん学・小児神経学) * 血液腫瘍グループ 1.小児白血病の遺伝子診断と治療法確立に関する研究 2.造血幹細胞移植療法 3.小児がんトータルケアシステムの確立に関する研究 4.小児期にみられる再生不良性貧血や骨髄異形成症候群の造血障害機序の研究 5.再生不良性貧血に対する免疫抑制療法 小 島 勢 二(小児血液・腫瘍学) 工 藤 寿 子(小児血液・腫瘍学) * 免疫グループ 1.原発性免疫不全症の細胞生物学的、および分子生物学的手法を用いた病因、病態解析 ─ 335 ─ 健康社会医学専攻 発育・加齢医学講座 2.原発性免疫不全症の遺伝子解析結果に基づいた診断、分類の再検討 (重症複合型免疫不全症、伴性無γグロブリン血症など) 3.原発性免疫不全症の予後、QOL 改善のための治療法の検討 4.原発性免疫不全症(重症複合型免疫不全症、Wiskott-Aldrich 症候群など)の造血細胞移植療法 5.重症複合型免疫不全症の遺伝子治療に関する研究 蒲 池 吉 朗(小児臨床免疫学) * アレルギーグループ 1.アレルギー疾患と小児栄養のあり方に関する研究̶とりわけ必須脂肪酸バランス(n-3/n-6 比率)とアレル ギー疾患発症の予防効果についての検討 2.アレルゲン経口投与による免疫寛容の誘導の研究 3.室内化学汚染物質の小児呼吸器に及ぼす影響に関する研究 4.気道過敏性における神経ペプタイドの役割に関する研究 5.アトピー性皮膚炎の病態における皮膚ランゲルハンス細胞の役割に関する研究 坂 本 龍 雄(小児アレルギー学、小児呼吸生理学、臨床薬理学) * ウイルスグループ 1.ウイルス疾患の遺伝子診断 2.ウイルスの中枢神経系感染機構の解明 3.ウイルスによる母子感染・先天感染の発症病理の解明 4.難治性ウイルス疾患に対する免疫・細胞療法の確立 5.慢性ウイルス感染症(B型・C 型肝炎など)に対する抗ウイルス剤 / インターフェロン治療の臨床的応用 木 村 宏(小児感染免疫学、ウイルス学) * 循環器グループ 1.先天性心疾患:胎児期先天性心疾患の診断、成人先天性心疾患の QOL。 2.不整脈:小児及び先天性心疾患術後不整脈の機序、自然歴、電気生理検査、薬物治療、カテーテルアブレー ションによる治療。 3.心筋症:心臓移植を前提とした予後因子の検討。 4.心疾患関連遺伝子の解析 大 橋 直 樹(新生児先天性心疾患、自律神経と不整脈、心筋症の予後、成人先天性心疾患) * 新生児グループ 基礎研究:低酸素性虚血性脳症における分子生物学的研究、サイトカインの役割の検討。合成 thromboxane A2 で誘導される胎児発育不全ラットの開発およびこれを用いた胎児発育不全の病態解析。 臨床研究:超早産児の中枢神経の発達に関する研究。低酸素性虚血性脳症における脳保護療法の検討。 早 川 昌 弘、 深 見 英 子(新生児学) Ⅳ 指導方針など 大学院生には、小児科学の一歩進んだ分野で世界をリードする研究をしてやろうという意気込みを持った人 を歓迎します。卒後ローテート研究 2 年、小児科研修 1 ∼ 2 年後、問題意識を持って入学することが望ましい。 大学院生には、研究専念期間が認められています。 ─ 336 ─ 健康社会医学専攻 発育・加齢医学講座 Ⅴ 大学院生の業績 渡 辺 修 大(論 文) Watanabe N, Kamachi Y, Koyama N, Hama A, Liang J, Nakamura Y, Yamamoto T, Isomura M, Kudo.K, Kuzushima K, Kojima S; Expansion of human CMV-specific cytotoxic T lymphocytes to a clinical scale : a simple culture system using tetrametric HLA-peptido complex. Cytotherapy 6: 514-522, 2004 石 原 尚 子(論 文) Ishihara N, Yamada K, Yamada Y, Miura K, Kato J, Kuwabara N, Hara Y, Kobayashi Y, Hoshino K, Nomura Y, Mimaki M, Ohya K, Matsushima M, Nitta H, Tanaka K, Segawa M, Ohki T, Ezoe T, Kumagai T, Onuma A, Kuroda T, Yoneda M, Yamanaka T, Saeki M, Segawa M, Saji T, Nagaya M, Wakamatsu N. Clinical and molecular analysis of Mowat-Wilson syndrome associated with ZFHX1B mutations and deletions at 2q22-q24.1. J Med Genet. 2004; 5: 387-93. 久保田 哲 夫(論 文) Kubota T, Kaneoke Y, Maruyama K, Watanabe K, Kakigi R. Temporal structure of the apparent motion perception: a magnetoencephalographic study. Neurosci Res. 2004; 48: 111-8 鳥 居 明 子(論 文) Akiko Torii, Mio Miyake, Masashi Morishita, Komei Ito, Shinpei Torii, Tatsuo Sakamoto, Vitamin A reduces lung granulomatous inflammation with eosinophilic and neutrophilic infiltration in Sephadex-treated rats. Eur J Pharmacol 497; 335-342, 2004. 伊 藤 朱 美(論 文) Akemi Ito, Mio Miyake, Masashi Morishita, Komei Ito, Shinpei Torii, Tatsuo Sakamoto Dexamethasone reduces lung eosinophilia, and VCAM-1 and ICAM-1 expression induced by Sephadex beads in rats. Eur J Pharmacol 468; 59-66, 2003. 伊 藤 嘉 規(論 文) 1. Ito Y, Kimura H, Yabuta Y, Ando Y, Murakami T, Shiomi M, Morishima T. Exacerbation of herpes simplex encephalitis after successful treatment with acyclovir. Clin Infect Dis 30:185-187, 2000 2. Ito Y, Kimura H, Hara S, Kido S, Ozaki T, Nishiyama Y, Morishima T. Investigation of Varicella-Zoster Virus DNA in Lymphocyte Subpopulations by Quantitative PCR Assay. Microbiol Immunol 45:267-9, 2001. 田 中 直 子(論 文) 1. Tanaka N, Kimura H, Iida K, Saito Y, Tsuge I, Yoshimi A, Matsuyama T, Morishima T. Quantitative analysis of cytomegalovirus load using a real-time PCR assay. J Med Virol 60: 455-462, 2000 2. Tanaka N, Kimura H, Hoshino Y, Yoshikawa T, Asano Y, Horibe K, Kojima S, Morishima T. Monitoring of four herpesviruses in unrelated cord blood transplantation. Bone Marrow Transplant 26: 1193-1197, 2000. 3. Tanaka N, Kimura H, Hoshino Y, Nishikawa K, Kojima S, Morishima T. Expression of tegment protein pp65 of Human cytomegalovirus (CMV) and its application for the analysis of viral-specific cellular immunity in CMV-infected individuals, Arch Virol 147:12, 2405-2417, 2002 星 野 洋(論 文) 1. Hoshino Y, Kimura H, Kuzushima K, Tsurumi T, Nemoto K, Kikuta A, Nishiyama Y, Kojima S, Matsuyama T, Morishima T. Early intervention in post-transplant lymphoproliferative disorders based on epstein-barr viral load. Bone Marrow Transplant 26:199-201, 2000 2. Hoshino Y, Kimura H, Tanaka N, Tsuge I, Kudo K, Horibe K, Kato K, Matsuyama T, Kikuta A, Kojima S, Morishima T. Prospective Monitoring of the Epstein-Barr virus DNA by a real-time quantitative PCR after allogeneic stem cell transplantation. Br J Heamatol 115:105-11, 2001 原 紳 也(論 文) 1. Hara S, Kimura H, Hoshino Y, Tanaka N, Nishikawa K, Ihira M, Yoshikawa T, Morishima T. Detection of herpesvirus DNA in the serum of immunocompetent children. Microbiol Immunol 46:177-80, 2002 2. Hara S, Kimura H, Hoshino Y, Hayashi N, Negoro T, Okumura A, Kajita Y, Sakuma T, Nakayama T, Hosoya M, Tomoda A, Morishima T. Combination therapy with intraventricular interferon- □ and ribavirin for subacute sclerosing panencephalitis and monitoring measles virus RNA by quantitative PCR assay. Brain Dev 25:367-369, 2003 ─ 337 ─ 健康社会医学専攻 発育・加齢医学講座 林(菅谷)直 美(論 文) 1. Hayashi N, Kimura H, Morishima T, Tanaka N, Tsurumi T, Kuzushima K. Flow cytometoric analysis of cytomegalovirusspecific cell-mediated immunity in the congenital infection. J Med Virol 71:251-8, 2003 2. Sugaya N, Kimura H, Hara S, Hoshino Y, Kojima S, Morishima T, Tsurumi T, Kuzushima K. Quantitative analysis of Epstein-Barr virus (EBV)-specific CD8+ T cells in chronic active EBV infection. J Infect Dis 190:985-8, 2004 川 田 潤 一(論 文) 1. Kawada J, Kimura H, Ito Y, Hara S, Kawashima H, Okuno T, Morishima T. Absence of Associations between InfluenzaAssociated Encephalopathy and Human Herpesvirus 6or Human Herpesvirus 7. Pediatr Infect Dis J, 22:115-119, 2003 2. Kawada J, Kimura H, Ito Y, Hara S, Iriyama I, Yoshikawa T, Morishima T. Systemic Cytokine Responses in Patients with Influenza-Associated Encephalopathy. J Infect Dis 188:690-8, 2003 3. Kawada J, Kimura H, Morishima T. Influenza Virus and Febrile Convulsions. J Infect Dis 189:564-5, 2004 4. Kawada J, Kimura H, Ito Y, Hoshino Y, Tanaka-Kitajima N, Ando Y, Futamura M, Morishima T. Comparison of real-time and nested PCR assays for detection of herpes simplex virus DNA. Microbiol Immunol 48:411-5, 2004 5. Kawada J, Kimura H, Yoshikawa T, Ihira M, Okumura A, Morishima T, Hayakawa F. Himiconvulsion-hemiplegia syndrome and primary human herpesvirus 7 infection. Brain Dev 6:412-4, 2004 6. Kawada J, Kimura H, Ito Y, Ando Y, Tanaka-Kitajima N, Hayakawa M, Nunoi H, Endo F, MD, Morishima T. Evaluation of systemic inflammatory responses in neonates with herpes simplex virus infection. J Infect Dis 190:494-8, 2004 深 見 英 子(論 文) Fukami E, Nakayama A, Sasaki J, Mimura S, Mori N, Watanabe K. Underexpression of neural cell adhesion molecule and neurotrophic factors in rat brain following thromboxane A(2)-induced intrauterine growth retardation. Early Hum Dev, 1999:58;101-10. ediatr 2001:90;1283-7 Ⅵ 大学院修了者の進路 平成 11 年修了: 森田 誠(名古屋記念病院勤務) 平成 12 年修了: 深見 英子(名古屋大学周産母子助手)、 伊藤 嘉規(愛知県がんセンター勤務) 倉石 建治(大垣市民病院勤務)、 高田 弘幸(津島市民病院勤務) 高橋 昌久(開業) 、 高橋 義行(米国 NIH 留学中) 野崎 千佳(北医療生活協同組合北病院非常勤医師) 平成 13 年修了: 青嶋 努(掛川市立総合病院勤務)、 糸見 和也(あいち小児保健医療総合センター勤務)、 稲葉 淳(開業) 、 鈴木 聖子(中部労災病院勤務)、田中 直子(名古屋記念病院勤務) 、 松浦 恩来(津島市民病院勤務) 平成 14 年修了: 加藤 太一(社会保険中京病院勤務)、 竹中 純子(名城病院勤務) 星野 洋(米国 NIH 留学中)、 吉見 礼見(ドイツフライゴルブ大学留学中) 若宮 辰嘉(開業) 平成 15 年修了: 伊藤 朱美(名古屋掖済会病院勤務)、 鈴木 淑子(コロニー中央病院勤務)、 原 紳也(トヨタ記念病院勤務)、 丸山 幸一(安城更生病院勤務) 平成 16 年修了: 渡邊 修大(トヨタ記念病院勤務)、 中村 陽一(尾陽病院勤務)、 石原 尚子(加茂病院勤務) 、 鳥居 明子(東海産業医療団中央病院勤務) Ⅶ 過去5年間の代表論文 1. Kojima S, Kato S, Matsuyama T et al. Outcome of 154 Patients with severe aplastic anemia who received transplants from unrelated donors: The Japan Marrow Donor Program. Blood 100: 799-803, 2002 2. Kojima S, Tsuchida M, Kudoh T, Hanada R, et al.: Risk factors for evolution of acquired aplastic anemia into myelodysplastic therapy in children. Blood 100: 786-790, 2002 ─ 338 ─ 健康社会医学専攻 発育・加齢医学講座 3. Hirose Y, Kudo K, Kiyoi H, Hayashi Y, Naoe T, Kojima S; Comprehensive analysis of gene alterations in acute megakaryoblastic leukemia of Down's syndrome.. Leukemia 17: 2250-2252, 2003 4. Yoshimi A, Nakamoto C, Nakamura Y, Kato K, Matsuyama T, Kudo K, Kojima S; Induction of complete remission of hypoplastic leukemia with antithymocyte globulin. Int J Hematol 77: 277-281, 2003 5. Kojima S, Ohara A, Tsuchida M, Kudoh T, Hanada R, Okimoto T, Kaneko T, Takano T, Ikuta T, Tsukimoto I; Risk factor for evolution of acquired aplastic anemia into myelodysplastic syndrome and acute myeloid leukemia after immunosuppressive therapy in children. Blood 100: 786-790, 2002 6. Kojima S, Kato S, Matsuyama T, Kigasawa H, Kobayashi R, Kikuta R, Sakamaki H, Ikuta K, Tsuchida M, Hoshi Y, Morishima Y, Kodera Y; Outcome of 154 patients with severe aplastic anemia who received transplants from unrelated donors : The Japan Marrow Donor Program. Blood 100: 799-803, 2002 7. Yoshimi A, Tsuge I, Namizaki H, Hoshino Y, Kimura H, Takahashi Y, Watanabe N, Kuzushima K, Kojima S; Epstein-Barr virus specific T cell cytotoxicity is mediated through the perforin pathway in patients with lymphoproliferative disorders after allogeneic bone marrow tranplantation. Br J Hematol 116: 710-715; 2002 8. Kojima S, Inaba J, Yoshimi A, Takahashi Y, Watanabe N, Kudo K, Horibe K, Maeda N, kato K, Matsuyama T; Unrelated donor marrow transplantation in children with severe aplastic anemia using cyclophosphamide, anti-thymocyte globulin and total body irradiation. Br J Hematol 114: 706-711, 2001 9. Kudo K, Nagai H, Numata S, Ichihara M, Kinoshita T, Horibe K, Kato K, Matsuyama T, Kodera Y, Kojima S; Absence of mutations in the granulocyte colony-stimulating factor (G-CSF) receptor gene in patients with myelodysplas-tic syndrome/ acute myelodysplastic leukemia occurring after treatment of aplastic anemia with G-CSF. Br J hematol 111: 6596-6598, 2000 10. Kojima S, Horibe K, Inaba J, Yoshimi A, Takahashi Y, Kudo K, Kato K, Matsuyama T; Long-term outcome of acquired aplastic anemia in children : comparison between immunosuppressive therapy and bone marrow transplantation. Br J Hematol 111: 321-328, 2000 11. Kojima S, Hibi S, Kosaka Y, Yamamoto M, Tsuchida M, Mugishima H, Sugita K, Yabe H, Ohara A, Tsukimoto I; Immunosuppressive therapy using antithymocyte globulin cyclosporine and danazol with or without human granulocyte colony-stimulating factor in children with acquired aplastic anemia. Blood: 96 2049-2054, 2000 12. Tatsuo Sakamoto, Soichiro Yata, Izumi Hirose, Masaki Futamura, Masashi Morishita, Komei Ito Environmental exposure to endotoxin and the decreased risk of childhood atopy (Review). Allergol Int (in press) 13. Mio Miyake, Masashi Morishita, Komei Ito, Akemi Ito, Shinpei Torii, Tatsuo Sakamoto Production of granulomatous inflammation in lungs of pups and adults by Sephadex beads. Pediatr Res 56; 205-211, 2004. 14. Satoru Doi, Satoko Suzuki, Masashi Morishita, Masanori Yamada, Yasushi Kanda, Shinpei Torii, Tatsuo Sakamoto The prevalence of IgE sensitization to formaldehyde in asthmatic children. Allergy 58; 668-671, 2003. 15. Okumura A, Watanabe K, Ishikawa T. Five years after the "pocket monster" seizures. N Eng J Med 351: 403-4, 2004. 16. Okumura A, Hayakawa F, Kato T, Maruyama K, Kubota T, Suzuki M, Kidokoro H, Kuno K, Watanabe K. Abnormal Sharp Transients on Electroencephalograms in Preterm Infants with Periventricular Leukomalacia. The Journal of Pediatrics, 143: 26-30, 2003. 17. Kato T, Okumura A, Hayakawa F, Kuno K, Watanabe K. Electroencephalographic aspects of periventricular hemorrhagic infarction in preterm infants. Neuropediatrics 35: 161-6, 2004. ─ 339 ─ 健康社会医学専攻 発育・加齢医学講座 18. Okumura A. Hayakawa F. Kato T. Itomi K.Maruyama K. Ishihara N. Kubota T. Suzuki M. Sato Y. Kuno K. Watanabe K. Hypocarbia in preterm infants with periventricular leukomalacia: the relation between hypocarbia and mechanical ventilation. Pediatrics 107: 469-475, 2001. 19. Hayakawa M, Okumura A, Hayakawa F, Watanabe K, Ohshiro M, Kato Y, Takahashi R, Tauchi N Background electroencephalographic (EEG) activities of very preterm infants born at less than 27 weeks gestation: a study on the degree of continuity. Arch Dis Child Fetal Neonatal Ed 84:F163-167, 2001 20. Yasuda A, Kimura H, Hayakawa M, Ohshiro M, Kato Y, Matsuura O, Suzuki C, Morishima T Evaluation of cytomegalovirus infections transmitted via breast milk in preterm infants with a real-time polymerase chain reaction assay. Pediatrics 111:1333-1336, 2003 21. Hayakawa M, Kimura H, Ohshiro M, Kato Y, Fukami E, Yasuda A, Okumura A, Morishima T Varicella exposure in a neonatal medical centre: successful prophylaxis with oral acyclovir. J Hosp Infect 54:212-215, 2003 22. Hayakawa M, Kato Y, Takahashi R, Tauchi N Case of citrullinemia diagnosed by DNA analysis: including prenatal genetic diagnosis from amniocytes of next pregnancy. Pediatr Int 45:196-198, 2003 23. Hayakawa M, Okumura A, Hayakawa F, Kato Y, Ohshiro M, Tauchi N, Watanabe K Nutritional state and growth and functional maturation of the brain in extremely low birth weight infants. Pediatrics 111:991-995, 2003 24. Kimura H, Hoshin Y, Hara S, Sugaya N, Kawada J, Shibata Y, Kojima S, Nagasaka T, Kuzushima K, Morishima T. Differences between T cell-type and natural killer cell-type chronic active Epstein-Barr virus infection. J Infect Dis in press 25. Kimura H, Morishima T, Kanegane H, Ohga S, Hoshino Y, Maeda A, Imai S, Okano M, Morio T, Yokota S, Tsuchiya S, Yachie A, Imashuku S, Kawa K, Wakiguchi H. Prognostic factors for chronic active Epstein-Barr virus infection. J Infect Dis 187:527-533, 2003 26. Kimura H, Ito Y, Futamura M, Ando Y, Yabuta Y, Hoshino Y, Nishiyama Y, Morishima T. Quantitation of viral load in neonatal herpes simplex virus infection and comparison between type 1 and type 2. J Med Virol 67: 349-353, 2002 27. Kimura H, Hoshino Y, Kanegane H, Tsuge I, Okamura T, Kawa K, Morishim T. Clinical and Virological Characteristics of Chronic Active Epstein-Barr Virus Infection. Blood : 98:280-6 2001. 28. Aoshima T., Sekido Y, Miyazaki T., Kajita M., Mimura S., Watanabe K.,Shimokata K., Niwa T. Rapid detection of deletion mutations in inherited metabolic diseases by melting curve analysis with LightCycler. Clin Chem. 46(1). 119-122,(2000) ─ 340 ─ 健康社会医学専攻 発育・加齢医学講座 発達・老年精神医学 Ⅰ 教室の沿革・特色 当該分野のうち児童精神医学に関しては、旧精神医学講座第 4 代教授となった堀 要によって児童精神医学・ 児童福祉が創成されたことにはじまる。その後自閉症の本邦第一例の報告をはじめ、この地方のみならずわが国 における児童精神医学の発展に尽くし多くの実績を残した卓越した指導者を数多く輩出した。こうした実績と時 代の要請・背景もあって 2002 年 4 月には全国の国立大学病院ではじめて児童精神科が独立し、「親と子どもの心 療部」が設置された。ここでは本院の児童精神科と教育学領域の発達心理精神科学教育センターとが協同して、 学際的な研究と医療の開発ならびに専門家の育成にあたることとなり、全国から大きな期待が寄せられている。 また、旧精神医学講座時代から老年精神医学分野の研究が、神経病理学的研究や疫学的研究を始めとしてなさ れ、これまた多くの人材、業績を生み出して来た。特に、近年、高齢化社会を迎えて老年者の精神医学的問題を はじめ、 「各ライフステージに対応できる精神医学研究」の重要性が増している。この様な状況を踏まえ、2005 年度から発育・加齢医学講座の一分野として、「発達・老年精神医学」と名称変更を行った。これによって、一 生を通じてそれぞれのライフステージにおける精神医学的な問題をより包括的に扱うこととなり、社会的な要請 にこたえ得るような体制になった。 Ⅱ スタッフ 教 授 尾 崎 紀 夫 (発達・老年精神医学分野、親と子どもの心療学分野、精神生物学分野、精 神医学分野および病院:親と子どもの心療科科長、精神科科長併任) 本 城 秀 次 (発達心理精神科学教育研究センターと病院:親と子どもの心療部併任) 助 教 授 村 瀬 聡 美 (発達心理精神科学教育研究センターと病院:親と子どもの心療部併任) 講 師 入 谷 修 司 (病院:老年精神医学) 石 井 卓 (発達・老年精神医学分野) 小 石 誠 二 (病院:親と子どもの心療部) 助 手 野 邑 健 二 (病院:親と子どもの心療部) 金 子 一 史 (発達心理精神科学教育研究センターと病院:親と子どもの心療部併任) Ⅲ 研究分野・内容 2006 年 4 月より、本分野は大学院医学研究科健康社会医学専攻発育・加齢医学講座発達・老年精神医学分野 となった。これまでの伝統である自閉症をはじめとする発達障害、登校拒否、不安障害、およびうつ病などの臨 床的研究を行っている。また、産婦人科教室・教育学部と連携し乳幼児精神医学についての研究を全国でも先駆 的に取り組んでいる。 最近は、児童精神医学についての社会的関心が高く、それらを反映して注意欠陥多動障害、学習障害、および 行為障害についての要請が強い。これらの障害の合併や予後については、わが国では研究の緒についたところで ある。社会的要請にもこたえるような臨床的研究を行うよう努めたい。 一方、 わが国の急速な高齢化にともなって、ますます老年精神医学の重要性が高まっている。医学的なアプロー チだけでなく、心理学および社会学などから多角的な対応が求められている。全国にも老年精神学の研究 / 臨床 ─ 341 ─ 健康社会医学専攻 発育・加齢医学講座 の専門を標榜する機関は少なく、老年精神科専門医の人材養成をふくめ社会的ニーズに応えるべく研究を進めた い。 Ⅳ 過去5年間の代表論文 《老年医学関係》 1. Iritani S., Niizato K., Emson P.C.: Relationship of calbindin D28K-immunoreactive cells and neuropathological changes in the hippocampal formation of Alzheimer's disease. Neuropathology 21: 162-167, 2001 2. Arai T., Ikeda K., Akiyama H., Tsuchiya K., Iritani S., Ishiguro K., Yagishita S., Oda T., Odawara T. and Iseki E.: Different immunoreactivities of the microtubule-binding region of tau and its molecular basis in brains from patients with Alzheimer's disease, Pick's disease, progressive supranuclear palsy and corticobasal degeneration. Acta Neuropathologica 105: 489-498, 2003 3. Oshima K., Tsuchiya K., Miyazaki H., Iritani S., Niizato K., Nakamura R., Ueno H., Tohgi M., Akiyama H. and Arai H. Autopsy case of Lewy body dementia associated with abundant argyrophilic grains. No To Shinkei. 57: 695-700, 2005 《児童精神医学関係》 1. Honjo S., Nishide T., Niwa S., Sasaki Y., Kaneko H., Inoko K. and Nishide Y.: School refusal and depression with school inattendance in children and adolescents:Comparative assessment between the children's Depression Inventory and somatic complaints. Psychiatry and Clinical Neurosciences,55: 629-634, 2001 2. Honjo S., Mizuno R., Sechiyama H., Sasaki Y., Kaneko H., Nishide T., Nagata M., Sobajima H., Nagai Y.,Tsunesaburo Ando T and Nishide Y : Temperament of low birth weight infants and child-rearing stress : Comparison with full-term healthy infants. Early Child Development and Care 172: 65-75, 2002 3. Murase S.,Honjo S.,Inoko K. and Ohta, T: A child who visited the emergency room with stress-related nonpsychotic hallucinations. General Hospital Psychiatry 24; 453-454, 2002 4. Hasegawa, M., Honjo, S. : Assessment of twenty years of treating Anorexia Nervosa at a child psychiatry department. Japanese Journal of Child and Adolescent Psychiatry,43;110-121, 2002 5. Nagata M., Nagai Y., Sobajima H., Ando T. and Honjo S. : Depression in the mother and maternal attachment—results from a follow-up study at 1year postpartum. Psychopathology 36;142-151, 2003 6. Honjo S., Sasaki Y., Kaneko H., Tachibana K., Murase S., Ishii T., Nishide Y. and Nishide T.: Study on feelings of school avoidance, depression, and character tendencies among general junior high and high school students. Psychiatry and Clinical Neurosciences 57; 464-471, 2003 7. Murase S., Ochiai S., Ueyama M., Honjo S. and Ohta T.: Psychiatric features of seriously life- threatening suicide attempters – A clinical study from a general hospital in Japan-. Journal of Psychosomatic Research 55; 379-383, 2003 8. Honjo S., Arai S., Kaneko H., Ujiie T., Murase S., Sechiyama H., Sasaki Y., Hatagaki C., Inagaki E., Usui M., Miwa K., Ishihara M., Hashimoto O., Nomura K., Itakura,A. and Inoko,K. : Antenatal depression and maternal-fetal attachment. Psychopathology 36; 304-311, 2003 9. Ishii T., Takahashi O., Kawamura Y., Ohta T.: Comorbidity in attention deficit-hyperactivity disorder. Psychiatry and Clinical Neurosciences 57: 457-463, 2003 ─ 342 ─ 健康社会医学専攻 発育・加齢医学講座 10. Nagata M., Nagai Y., Sobajima H., Ando T. and Honjo S.: Depression in the early postpartum period and attachment to children—in mothers of NICU infants. Infant and Child Development 13 ; 93-110, 2004 11. Yoshizumi T., Murase S., Honjo S., Kaneko H. and Murakami T.: Hallucinatory experiences in a community sample of Japanese children. Journal of American Academy of Child and Adolescent. Psychiatry,43 ; 1030-1036, 2004 12. Honjo S., Sasaki Y., Murase S., Kaneko H. and Nomura K. Transient eating disorder in early childhood. A case report. European Child & Adolescent Psychiatry 14:52-54, 2005 13. Hakamata Y., Takahashi N., Ishihara R., Saito S., Ozaki N., Honjo S., Ono Y. and Inada T. No association between monoamine oxidase A promoter polymorphism and personality traits in Japanese females. Neuroscience Letters 389: 121-123, 2005 14. Sasaki Y., Mizuno R., Kaneko H., Murase S., and Honjo S. (2006) Application of the revised infant temperament questionnaire for evaluating temperament in the Japanese infant:Creation of an abridged Japanese version. Psychiatry and Clinical Neurosciences. 60: 9-17, 2006 15. Murase S, Honjo S, Kaneko H, Arai S, Nomura K, Hashimoto O, Ohta T. The clinical characteristics of serious adolescent suicide-attempters in Japan. Japanese Journal of Child and Adolescent Psychiatry and Allied Professions (in press) ─ 343 ─ 健康社会医学専攻 発育・加齢医学講座 老 年 科 学 Ⅰ 教室の沿革・特色 当教室は1979年4月に葛谷文男前教授 (現名誉教授) を初代教授に迎えて本学では内科系4番目の科として開講し、 同年 10 月には診療科が開設され外来診療を開始した.1981 年 1 月には病棟を開設した。葛谷教授定年退官の後を 受けて 1993 年 4 月に第三内科学講座講師であった井口昭久先生が第二代教授として着任され、現在に至っている。 1996 年新西病棟 10 階に移転し、常時 20 数名の入院患者の診療を行っている。当教室は中部地方に開設された最 初の老年科学講座(現在、岐阜大、金沢医大にも開設)であり、日本における老年医学診療、教育、研究の中枢と なっている。診療内容は、 外来患者は主として多臓器疾患を持つ高齢者である。加えて当教室の伝統である糖尿病、 高脂血症は他施設からの紹介患者が多く若干年齢層は若い。痴呆専門外来及び介護保険導入に伴い、主治医意見 書外来も行っている。入院患者も基本的には外来と同様、多臓器疾患をもつ高齢者である。頻度の高い疾患とし ては心不全、虚血性心疾患、脳血管障害、痴呆症、肺疾患(肺炎、肺癌) 、消化器悪性腫瘍等である。さらに、糖 尿病教育入院、物忘れ検査入院のシステムがあり、活発に稼働している。高齢入院患者の退院後の生活、手術適 応等を考慮した、高齢者包括機能評価も全国の老年科に先駆けて導入した。当科の診療の特徴は臓器別内科にと らわれない、横断的診療にある。さらに、病気の治療だけではなく、介護、退院後の生活にいたるまでの包括的 医療をめざしている。 Ⅱ スタッフ 教 官 井口 昭久(教授) 、 葛谷 雅文(助教授、病棟医長) 林 登志雄(講師、医局長) 、 梅垣 宏行(助手、外来医長) 医 員 小池 晃彦、 山田 素宏、 鈴木 裕介、 益田雄一郎 神田 茂、 中村 了、 恒川 卓 院 秋田 朝日、 旭 多貴子、 井澤 幸子、 磯部 麻里 岩田 充永、 榎 裕美、 大澤 雅子、 大西 丈二 岡田希和子、 木股 貴哉、 河野 勤、 長谷川 潤 平井 寿子、 深津亜樹子、 藤城 弘樹、 舟見 潤 大 学 特別研究員 森 典華 客員研究員 佐々木 健、 加納 初世 研 Arockia Rani P. Juliet、 丁 群芳 究 員 Ⅲ 研究分野・内容 当教室はいわゆる“老年病”に関する基礎研究ならびに高齢者医療に関する臨床研究を幅広く手がけている。 詳細は以下に示す。 基礎的研究: 血管生物学分野 (1)動脈硬化症ならびに血管新生の機構解明に関する基礎的研究:動脈硬化症に関する血管リモデリング過程、 さらには新生血管形成過程においてマトリックス・メタロプロテアーゼ(MMP)を初めとするさまざまな プ ロテアーゼは重要な役割を果たすことが知られているが、詳細はなお不明である。現在 MMP ならびに ─ 344 ─ 健康社会医学専攻 発育・加齢医学講座 カテ プシンを中心に動脈硬化症ならびに血管新生における役割を検討している。さらに加齢に伴い血管新 生(虚血臓器における側復血行路の形成障害)が低下することが知られるが、その機構ならびに将来の臨床応 用につながる基礎研究を行っている。 血管内分泌分野 (1)一酸化窒素合成酵素(NOS)分子制御による動脈硬化退縮:動物モデル(家兎、豚等)、分子細胞生物学、遺 伝子制御学の面から、動脈硬化発症進展における血管内皮機能、特に NO と活性酸素の重要性を明らかにし てきた。高脂血症是正のみでは、退綿も内皮機能回復も認め難かった。家兎動脈硬化病変に NOS を遺伝子導 入し内皮型 NOS に特異的な退縮作用を見い出した。 (2)性ホルモンの抗動脈硬化作用:機序として、女性ホルモンが血管内皮受容体を介し、NO を増加させる可能 性を 92 年 UCLA 薬理学にて発見し、帰国後は、分子生物学的検討を加へ、エストロゲンの eNOSmRNA 転写 活性化及び安定化作用、細胞内アシル化、膜カルモジュリン、カベオリンに対する作用を明らかにした。 神経科学分野 (1)加齢による neurotransmitter receptor の変化:ドーパミン受容体の 1 つのサブタイプである D2 受容体(D2R) は加齢にともなって脳内で減少することがしられており、運動機能、認知機能へ影響を及ぼすものと考えら れている。現在、我々は遺伝子導入によって、減少する D2R の補正を行うことを試みており同時に運動機能、 認知機能における D2R の役割を追求している。 (2)中枢神経の代謝調節の加齢変化:糖代謝をはじめとする身体の代謝は中枢神経によって制御されている。し たがって、 中枢神経が変化することによって身体の代謝も変化するものと考えられます。特にアルツハイマー 型痴呆症における身体の代謝変化について知ることは痴呆患者さんの治療を行っていくうえで重要なことで あると考えられる。我々は、動物実験によって、中枢神経の障害がいかに身体の代謝に影響を及ぼすかを検 討する一方、アルツハイマー型痴呆症患者の代謝異常についての検討も行っている。 臨床研究: 老年病分野 (1)高齢者総合機能評価(comprehensive geriatric assessment)を用い、退院遅延、退院先に及ぼす因子の抽出、 低栄養、囁下困難、裾瘡、転倒などの老年症候群との関連因子の抽出を行い介護予防への対策立案を行って いる。 (2)高齢者低栄養関連:日本人高齢者に使用できる栄養障害に関するアセスメント・ツールは存在しない。 現在我々 は、100 名以上の高齢者のデータを元に、日本人高齢者用栄養アセスメントを開発中である。さらに、高齢 者経管栄養における適正カロリー数の算定、経腸栄養剤の組成、などに関する調査ならびに介入試験を行っ ている。 (3)性ホルモンの老化、骨粗鬆症に対する作用:世界的にも報告のない後期高齢者(平均 80 才)を対象としたホ ルモン補充療法を試み、成果を報告した。 (4)高齢者無症候性心筋虚血と動脈硬化症の早期診断:高齢者は糖尿病合併患者を初め、無症候性の比率が高い ため、高齢者用改変プログラムで運動負荷試験、血管内皮機能、血中血管作動物質を定量し、心筋虚血及び 閉塞性動脈硬化症の早期診断を検討してきた。在宅医療時の心不全の早期診断も試みた。 (5)アルツハイマー型痴呆症の嘆覚異常による早期診断:アルツハイマー型痴呆症の早期診断は現在のところ困 難である。我々は、アルツハイマー型痴呆症では嗅覚機能が障害されていることを発見し嗅覚機能の検査に よるアルツハイマー型痴呆症の早期診断法の開発を目指している。 高齢者の終末期医療に関する研究 高齢者にとって普遍性を持った「終末期に関する問題」は、高齢者個人の観点から捉えた場合、極めて個別性の 高い「問題」へと変容する。高齢者医療の現場では、この乖離によって生じる乳轢、具体的には「患者の自己決定 ─ 345 ─ 健康社会医学専攻 発育・加齢医学講座 のあり方とそれに対する医療者の意思決定のあり方の間の矛盾」が存在する。 我々は、患者・患者家族・医療者等に対する聞き取り調査や、高齢者医療専門病院・長期介護施設患者・ホスピス・ 在宅患者に関する臨死期における実証的な調査を通じて、高齢者患者の自己決定のあり方、およびそれを可能に する終末期における情報開示のあり方を、実証的かつ臨床的に研究している。 現在進行中の研究として、 A.特別養護老人ホームにおける臨死期での前向き研究 B.在宅終末期患者の臨死期における大規模前向き研究 C.痴呆高齢患者の終末期臨床像の実証研究 D.在宅で看取られた患者の家族の意識構造に関する質的研究 高齢者ケアマネジメントに関する研究 介護保険施行後ケアプランは義務化され、要介護者はケアマネジャーによって立案されたプランにそって介護 サービスの提供を受けている。しかし、ケアプランを適切に立案する方法論や、要介護状態の高齢者に対する介 護サービスの供給に関する理論は殆ど検証されていない。 そこで我々は約 20 万人分のケアプランに関するデータベースを利用し、 A.立案されたケアプランと要介護者の属性の関係性について B.実施されたケアサービスと要介護者との関係性について C.ケアプラン作成機関と作成されたプランとの関係性 D.ケアプラン作成機関と利用された介護サービス料との関係性について分析し、ケアプラン作成の方法論確 立を目指している。 急性心筋梗塞(AMI)に関する医療経済的研究 中部 3 県下 18 病院の急性心筋梗塞患者の(1 年で約 2,000 例)の個票ベースの詳細なデータを収集し、 A.選択された治療と患者属性との関係について B.患者属性と医療費との関係について分析し、AMI に関する治療に質について検討している。 Ⅳ 指導方針など 医学部卒後 2 年の卒後初期研修を名大、名大関連病院もしくは全国の臨床研修指定病院で行った後に大学院に 入学が可能になる。多くの医師は初期研修終了後さらに、1 年ないし 2 年の専門研修を上記病院または、国立長 寿医療センターで行った上で大学院に進学している。 大学院修了後は,希望者は下記を始めとする海外各研究機関へ 1 − 3 年の留学が可能で、教室としても支援し ている。帰国後は原則として教室または関連機関で研究の継続、後進の育成に携わる。臨床修練を望むものは当 教室で医員、又は下記を始めとする各関連病院で臨床老年病学を修める。内科認定医、同専門医、老年科認定医 の取得を指導し、さらに、糖尿病または、循環器等の亜専門領域の専門医取得も併せて指導している。 以上、約 10 年間の卒後研修終了後に関連病院、関連研究機関または大学等に就職する。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Hirakawa.Y, Masuda.Y, Uemura.K, Onishi.J, Hattori.A, Kuzuya.M, Iguchi.A Current admission policies of long-term care facilities in Japan. Geriatrics and Gerontology International 3:73-78,2003 ─ 346 ─ 健康社会医学専攻 発育・加齢医学講座 2. Hirakawa.Y, Masuda.Y, Uemura.K, Kuzuya.M, Iguchi.A Effect of long-term care insurance on communication/recording tasks for in-home nursing care services. Archives of Gerontology and Geriatrics 38: 101-113,2004 3. Hirakawa.Y, Masuda.Y, Kimata.T, Uemura.K, Kuzuya.M, Iguchi.A A multicenter randomized controlled home massage trial for the bed-ridden elderly. Clinical Rehabilitation 2004.in press 4. Iwata.M, Kuzuya.M, Kitagawa.Y, Ohmiya.T, Iguchi.A Patient Transfer from Health Care Facility for the Elderly to Emergency Department: Prospective Observational Study at the Emergency Department in Japan. Geriatrics and Gerontology International 3 (4): 250-255,2004 5. Kurotani.S, Umegaki.H, Ishiwata.K, Suzuki.Y, Iguchi.A The age-associated changes of dopamine-acetylcholine interaction in the striatum. Exp. Gerontol. 38/39;1009-1013,2003 6. Mogi.N, Masuda.Y, Hattori.Y, Naito.M, Iguchi.A, Uemura.K The effect of death education on self-determination in medical treatment in university students. Geriatrics and Gerontology International 3:200-207,2003 7. Mogi.N, Umegaki.H, Hattori.A, Maeda.N, Miura.H, Kuzuya.M, Shimokata.H, Ando.F, Ito.H, Iguchi.A Cognitive Function in Japanese Elderly with Type 2 Diabetes Mellitus. J. Diabetes Complict 2004.in press 8. Onishi.J, Masuda.Y, Kuzuya.M, Ichikawa.M, Hashizume.M, Iguchi.A Long-term prognosis and satisfaction after PEG in a general hospital. Geriatrics and Gerontology International 2004.in press 9. Onishi.J, Suzuki.Y, Yoshiko.K, Hibino.S, Iguchi.A Predictive model for the assessment of cognitive impairment by quantitative electroencephalography. Cognitive and Behavioral Neurology 2004.in press 10. Onishi.J, Umegaki.H, Suzuki.Y, Uemura.K, Kuzuya.M, Iguchi.A The Relationship between Functional Disability and Depressive Mood in Japanese Older Adult Inpatients. J Geriatr Psychiatr Neurol 2004.in press 11. Yamamoto.S, Mogi.N, Umegaki.H, Suzuki.Yusuke, Ando.F, Shimmokata.H, Iguchi.A The Clock Drawing Test as a Valid Screening Method for Mild Cognitive Impairment. Dement Geriatr Cogn Disord ,2004 in press Ⅵ 大学院修了者の進路 米国国立老化研究所留学、ロンドン大学医学部留学、米国バンダビルト大学医学部留学、米国 UCLA 留学、 藤田保健衛生大学医学部助手、国立中部病院クリニカルレジデント、当教室医員 Ⅶ 過去5年間の代表論文 1. Kuzuya M, Ando F, Iguchi A, Shimokata H. Changes in Serum Lipid Levels during a 10 Year Period in a Large Japanese Population: A Cross-Sectional and Longitudinal Study Atherosclerosis 163: 313-320 (2002) 2. Kuzuya M, Ando F, Iguchi A, Shimokata, H. Effect of Aging on Serum Uric Acid Levels: Longitudinal Changes in a Large Japanese Population Group. Journal of Gerontology: Medical Sciences 2002, in press ─ 347 ─ 健康社会医学専攻 発育・加齢医学講座 3. Kuzuya M, Ramos AM, Kanda S, Koike T, Asai T, Maeda K, Shitara K, Shibiya M, Iguchi A, VEGF protects toxicity of oxidized LDL to endothelial cell via intracellular glutathione-dependent mechanism through KDR receptor. Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology 21: 765-770, 2001. 4. Kuzuya M, Asai T, Kanda S, Maeda K, Cheng XW, Iguchi A. Glycation cross-links inhibit matrix metalloproteinase-2 activation in vascular smooth muscle cells cultured on collagen lattice. Diabetologia 44: 433-436,2001. 5. Hayashi T, Esaki T, Muto E, Sumi D, Thakur NK, Kano H, Iguchi A. Dehydroepiandrosterone retards atherosclerosis formation through the conversion to estrogen -The possible role of nitric oxideArteriosclerosis Thrombosis and Vascular Biology 20: 782-792 (2000) 6. Hayashi T, Esaki T, Muto E, Sumi D,Thakur NK, Jayachandran M, Iguchi A. Physiological concentration of 17 β estradiol retards the progression of severe atherosclerosis induced by cholesterol diet plus balloon injury via NO. Arteriosclerosis Thrombosis and Vascular Biology 20: 1613-1621 (2000) 7. Watanabe H, Tran Q, Takeuchi M, Fukao M, Liu M, Kanno M, Hayashi T, Iguchi A, SetoM, Ohashi K. Myosin light chain kinase regulates endothelial calcium entry and endothelium-dependent vasodilatation. FASEB J. 15: 282-284 (2001) 8. Nomura H, Hayashi T, Esaki T, Kanda S,Kano H, Hattori A, Iguchi A. Standardization of plasma brain natriuretic peptide concentration in elderly Japanese-relation to latent renal dysfunction and ischemic heart diseases. J Am Geriatric Soc 2002 (in press) 9. Umegaki H, Ishiwata K, Ogawa O., Ingram DK, Roth GS, Yoshimura J, Oda K, Matsui-Hirai H, Ikari H, Iguchi A, Senda M. In vivo assessment of adenoviral vector-mediated gene expression of dopamine D2 receptors in the rat striatum by positron emission tomography Synapse 43: 195-200 (2002) 10. Umegaki H. Munoz J., Meyer R.C., Spangler E.L., Yoshimura J., Ikari H., Iguchi A., Ingram D.K. Involvement of dopamine D2 receptor in complex maze and acetylcholine release in ventral hippocampus of rats. Neuroscience 103 (1): 29-35 (2001) 11. Zu W., Umegaki H., Yoshimura J., Tamaya N., Suzuki Y., Miura H., Iguchi A. The elevation of plasma adrenocorticotrophic hormone and expression of c-Fos in hypothalamic paraventricular nucleus by microinjection of neostigmine into the hippocampus in rats: comparison with acute stress responses. Brain Res., 892 (2): 391-395 (2001) 12. Zhu W, Umegaki H, Suzuki Y, Miura H, Iguchi A. Involvement of the bed nucleus of the stria terminalis in hippocampal cholinergic system-mediated activation of the hypothalamo-pituitary-adrenocortical axis in rats. Brain Res. 916, 101-106 (2001) 13. Yuichiro Masuda, Michael D. Fetters, Ayako Hattori, Nanaka Mogi, Michitaka Naito, Akihisa Iguchi and Kazumasa Uemura. Physicians' reports on the impact of living wills at the end-of-life in Japan. Journal of Medical Ethics 2002 (in press) 14. Michael D. Fetters, and Yuichiro Masuda Japanese patients' preferences for receiving cancer test results while in the United States: Introducing an advance directives for cancer disclosure. Journal of Palliative Medicine 3: 361-374 (2000) 15. Cheng.X.W, Kuzuya.M, Sasaki.T, Arakawa.K, Kanada.S, Sumi.D, Koike. T, Maeda.K, Tamaya-Mori.N, Shi.G-P, Saito.N, Iguchi.A Increased expression of elastolytic cysteine proteases, cathepsins S and K, in the neointima of balloon-injured rat carotid arteries. Am J Pathol.164(1):243-251,2004 16. Hayashi.T, Sumi.D, Matsui-Hirai.H, Fukatsu.A, Packiasamy.AR.Juliet, Kano.H, Tsunekawa.T, Iguchi.A Sarpogrelate HCl, a selective 5-HT2A antagonist, retards the progression of atherosclerosis through a novel mechanism. Atherosclerosis 2003;168:23-31 17. Kuzuya.M, Kanda.S, Sasaki.T, Tamaya-Mori.N, Cheng.X.W, Itoh.T, Itohara.S, Iguchi.A Deficiency of gelatinase A suppresses smooth muscle cell invasion and development of experimental intimal hyperplasia. Circulation 108:1375-1381,2003 ─ 348 ─ 健康社会医学専攻 発育・加齢医学講座 18. Maeda.K, Kuzuya.M, Cheng.X.W, Asai.T, Kanda.S, Tamaya-Mori.N, Sasaki.T, Shibata.T, Iguchi.A Green tea catechins inhibit the cultured smooth muscle cell invasion through the basement barrier. Atherosclerosis 166(1):23-30,2003 19. Packiasamy.AR.Juliet, Hayashi.T, Iguchi A, Ignarro.L.J Concomitant production of nitric oxide and superoxide in human macrophages. Biochem Biophys Res Commun. 2003;310:367-70 20. Suzuki.Y,Yamamoto.S,Umegaki.H,Onishi.J,Mogi.N,Fujishiro.H,Iguchi.A Smell identification test as an indicator for cognitive impairment in Alzheimer’s disease. International Journal of Geriatric Psychiatry 2004.in press 21. Tsunekawa.T, Hayashi.T, Suzuki.Y, Matsui-Hirai.H, Kano.H, Fukatsu.A, Nomura.N, Miyazaki.A, Iguchi.A Plasma adiponectin plays an important role in improving insulin resistance with glimepiride in elderly type 2 diabetic subjects. Diabetes Care. 2003;26:285-9 22. Umegaki.H, Ishiwata.K, Ogawa.O, Ingram.D.K, Roth.G.S, Oda.K Kurotani.S, Ikari.H, Senda.M, Iguchi.Akihisa Longitudinal follow-up study of adenoviral vector-mediated gene transfer of dopamine D2 receptors in the striatum in young, middle-aged, and aged rats: a positron emission tomography study Neuroscience 121/2 479-486,2003 ─ 349 ─ 健康社会医学専攻 発育・加齢医学講座 産婦人科学/生殖器腫瘍制御学 Ⅰ 教室の沿革・特色 名古屋大学の前身である愛知医学校に産婦人科が創設されて以来約 100 年の歴史を持つ。絨毛性腫瘍の管理に 関しては日本のセンター的存在であり、また、他の婦人科癌においても、臨床では、婦人科癌の臨床データの解 析による治療成績の向上を目標とし、東海卵巣腫瘍研究会を運営し、関連病院と密に連絡をとりながら治療に取 り組んでおります。進行子宮頚癌の治療に併用放射線化学療法により、従来の治療成績に比して良好な成績を得 ています。また、子宮体癌に対しても、新たな予後因子の解明と、抗癌剤感受性との関連の研究が進みつつあり ます。産科的には出生前診断や周産期管理以外に、 陣痛発来機序や妊娠中毒症(高血圧)の病因解明を目指して、 様々な視野から研究を推進しております。不妊内分泌に関しては体外受精や腹腔鏡手術などにより、妊娠率の向 上に努めるとともに、基礎的には、卵巣黄体化や着床時、子宮内膜にプロテアーゼが如何に関与するかの解明を 行っており、学会活動も精力的に行っております。また、不妊相談外来も大変好評で成果をあげています。また、 更年期グループは、臨床では、ホルモン補充療法の専門外来を行い、骨量、糖脂質代謝、血圧に及ぼす影響を検 討しています。また、 基礎研究では、 教室の研究の基盤として、 プロテアーゼの分子生物学的解析を行っています。 また、最近は転写因子の研究を精力的に行っており、成果をあげています。 21 世紀 COE プログラム『神経疾患・ 腫瘍の統合分子医学の拠点形成』のメンバーの一員として、シンポジウムにて積極的に発表を行っている。 Ⅱ スタッフ 教 助 授 吉 川 史 隆 教 授 野 村 誠 二(生殖器腫瘍制御)、 板 倉 敦 夫(周産母子センター) 講 師 井 箟 一 彦、 安 藤 寿 夫 助 手 柴 田 清 住、 岡 田 真由美、 梶 山 広 明、 岩 瀬 明(周産母子センター)、 三 井 崇(周産母子センター)、 小 谷 友 美 非常勤研究員 12 名(周産母子センター 3 名を含む) 大 学 院 生 11 名(社会人大学院生 4 名および外国からの留学生 1 名を含む) 海外留学者 1名 Ⅲ 研究分野・内容 *不妊内分泌(安藤講師ら 6 名) 1)高度生殖医療と内視鏡手術 2)子宮内膜の周期変化と着床 3)卵巣黄体化と血管新生 *婦人科腫瘍(吉川助教授ら 7 名) 1)婦人科癌の化学療法 2)癌の浸潤転移機構におけるプロテアーゼの役割解明 3)婦人科癌の薬剤耐性 *更年期(野村助教授ら 6 名) 1)ホルモン補充療法 ─ 350 ─ 健康社会医学専攻 発育・加齢医学講座 2)骨粗鬆症の臨床と基礎 3)プロテアーゼの転写因子の分子生物学的研究 *周産期(板倉助教授ら 10 名) 1)妊娠中毒症の病態解明 2)胎盤機能不全の病態解明 3)遺伝子導入動物におけるプロテアーゼの機能解析 Ⅳ 指導方針など 大学院入学希望者に対しては特に制限を設けていないが、研究スケジュールを考慮すれば卒後2∼4年で入学 するのが望ましいと考える。入学後本人の意向を踏まえ研究に関する大きなテーマが決められるが、その後指導 教官と相談しながら研究の具体的な方向性を定めていくこととなる。1∼2年間は基礎教室で研究する機会が与 えられる。一方、 臨床教室の大学院生であるからには産婦人科臨床研修も極めて重要であり、入学後初期に産科、 腫瘍、不妊、更年期の各分野をローテートしながら、外来・入院患者の診察、手術、当直業務などにあたる。ロー テート終了後、何れかの分野に固定して更に臨床研修を深める。卒後は各人の意志や資質にもよるが、教官候補 生として大学に勤務することも可能である。それに先立って留学を希望する場合は医局が窓口となるが、現在の 教官の内 7 名が留学経験者である。また、一旦関連病院に赴任し一般産婦人科臨床を経験することも、将来の 指導者であり産婦人科全般に視野を広げうる人材育成のため重要である。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Morita T, Shibata K, Kikkawa F, Kajiyama H, Ino K, Mizutani S Oxytocin inhibits the progression of human ovarian carcinoma cells in vitro and in vivo. Int J Cancer 110(5):652-659, (2004) 2. Suganuma T, Ino K, Shibata K, Nomura S, Kajiyama H, Kikkawa F, Tsuruoka N, Mizutani S (2004). Regulation of aminopeptidase A expression in cervical carcinoma: Role of tumor-stromal interaction and vascular endothelial growth factor. Lab Invest (in press). 3. Kajiyama H et al. Prolonged survival and decreased invasive activity attributable to dipeptidyl peptidase IV overexpression in ovarian carcinoma. Cancer Res 62: 2753-7, (2002) 4. Ito M et al. Possible activation of the renin-angiotensin system in the feto-placental unit in preeclampsia. J Clin Endocrinol Metab 87: 1871-8, (2002) 5. Ito T et al. Ap-2 and Ikaros regulate transcription of human placental leucine aminopeptidase/oxytocinase gene. Biochem Biophys Res Commun 290: 1048-53, (2002) 6. Katsumata Y et al. Progesterone stimulates the expression of aminopeptidase A/angiotensinase in human choriocarcinoma cells. Placenta 22: 831-6, (2001) 7. Ito T et al. Transcriptional regulation of human placental leucine aminopeptidase/oxytocinase gene. Mol Hum Reprod 7: 887-94, (2001) 8. Iwase A et al. Characterization of a secretase activity for placental leucine aminopeptidase. Arch Biochem Biophys 393: 163-9, (2001) 9. Uehara C et al. Upregulation of neutral endopeptidase expression and enzymatic activity during the differentiation of human choriocarcinoma cells. Placenta 22: 540-9, (2001) ─ 351 ─ 健康社会医学専攻 発育・加齢医学講座 10. Iwase K et al. Expression of nm23-H1 in hydatidiform mole and its relationship with the development of postmolar disease. Gynecol Obstet Invest 51: 228-32, (2001) 11. Suzuki T et al. Imbalance between neutral endopeptidase 24.11 and endothelin-1 expression in human endometrial carcinoma. Oncology 60: 258-67, (2001) 12. Yoshida S et al. Homo-oligomer formation by basigin, an immunoglobulin superfamily member, via its N-terminal immunoglobulin domain. Eur J Biochem 267: 4372-80, (2000) 13. Liu E et al. The Ras-mitogen-activated protein kinase pathway is critical for the activation of matrix metalloproteinase secretion and the invasiveness in v-crk-transformed 3Y1. Cancer Res 60: 2361-4, (2000) 14. Niu R et al. Quantitative analysis of matrix metalloproteinases-2 and -9, and their tissue inhibitors-1 and -2 in human placenta throughout gestation. Life Sci 66: 1127-37, (2000) 15. Tomoda K et al. Cationic multilamellar liposome-mediated human interferon-beta gene transfer into cervical cancer cell. Anticancer Res 18: 1367-71, (1998) 16. Kuno N et al. Female sterility in mice lacking the basigin gene, which encodes a transmembrane glycoprotein belonging to the immunoglobulin superfamily. FEBS Lett 425: 191-4, (1998) 17. Shibata K et al. Both focal adhesion kinase and c-Ras are required for the enhanced matrix metalloproteinase 9 secretion by fibronectin in ovarian cancer cells. Cancer Res 58: 900-3, (1998). Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. Morita T, et al Oxytocin inhibits the progression of human ovarian carcinoma cells in vitro and in vivo. Int J Cancer 110(5):652-659, (2004) 2. Watanabe Y, et al. Adipocyte-derived leucine aminopeptidase suppresses angiogenesis in human endometrial carcinoma via renin-angiotensin system. Clin Cancer Res 9: 6497-6503, (2003) 3. Kajiyama H, et al. Dipeptidyl peptidase IV overexpression induces up-regulation of E-cadherin and tissue inhibitors of matrix metalloproteinases, resulting in decreased invasive potential in ovarian carcinoma cells. Cancer Res 63: 2278-2283, (2003) 4. Suzuki Y, et al. Possible role of placental leucine aminopeptidase in the antiproliferative effect of oxytocin in human endometrial adenocarcinoma. Clin Cancer Res 9: 1528-1534, (2003) 5. Ando H et al. Premenstrual disappearance of aminopeptidase A in endometrial stromal cells around endometrial spiral arteries/arterioles during the decidual change. J Clin Endocrinol Metab; 87: 2303-9, (2002) 6. Toda S et al. Existence of placental leucine aminopeptidase/oxytocinase/insulin-regulated membrane aminopeptidase in human endometrial epithelial cells. J Clin Endocrinol Metab 87: 1384-9, (2002) 7. Ohno Y et al. Pure red cell aplasia and acute hepatitis during pregnancy. Gynecol Obstet Invest 53: 112-3, (2002) 8. Itakura A et al. Immunological detection of 4-hydroxynonenal protein adducts in developing pontine and Purkinje neurons and in karyorrhexis in pontosubicular neuronal necrosis. Early Hum Dev 67: 19-28, (2002) 9. Itoh H et al. Hepatocyte growth factor in human breast milk acts as a trophic factor. Horm Metab Res 34: 16-20, (2002) 10. Ohno Y et al. Effect of prostaglandin E1 on ophthalmic artery velocimetry in a pre-eclamptic woman with visual disturbance caused by retinal arterial narrowing. Gynecol Obstet Invest 53: 68-70, (2002) 11. Ino K et al. Complete remission of gestational choriocarcinoma with choroidal metastasis treated with systemic chemotherapy alone: case report and review of literature. Gynecol Oncol 83: 601-4, (2001) ─ 352 ─ 健康社会医学専攻 発育・加齢医学講座 12. Wakahara F et al. Diagnostic efficacy of tumor markers, sonography, and intraoperative frozen section for ovarian tumors. Gynecol Obstet Invest 52: 147-52, (2001) 13. Tsukahara Y et al. Prenatal diagnosis of congenital diaphragmatic eventration by magnetic resonance imaging. Am J Perinatol 18: 241-4, (2001) 14. Hashiba Y et al. Microinjection of antisense c-mos oligonucleotides prevents the progression of meiosis in human and hamster oocytes. Fertil Steril 76: 143-7, (2001) 15. Kozaki H et al. Maternal serum placental leucine aminopeptidase (P-LAP) /oxytocinase and preterm delivery. Int J Gynaecol Obstet 73: 207-13, (2001) 16. Okamura M, Itakura A, Kurauchi O, Nakagawa A, Mizutani S. Color Doppler sonographic findings of fetal upper respiratory tract obstruction. Ultrasound Obstet Gynecol 16: 667-8, (2000) 17. Okamoto T et al. Human chorionic gonadotropin beta-core fragment is directly produced by cancer cells. Life Sci 68: 861-72, (2001) 18. Yamahara N et al. Placental leucine aminopeptidase/oxytocinase in maternal serum and placenta during normal pregnancy. Life Sci. 66: 1401-10, (2000) 19. Nakamura H et al. Oxytocin stimulates the translocation of oxytocinase of human vascular endothelial cells via activation of oxytocin receptors. Endocrinology 141: 4481-5, (2000) 20. Kikkawa F et al. Randomized trial of cisplatin and carboplatin versus cisplatin, vinblastine and bleomycin in ovarian cancer. Gynecol Obstet Invest 50: 269-74, (2000) 21. Ino K et al. The expression and localization of neutral endopeptidase 24.11/CD10 in human gestational trophoblastic diseases. Lab Invest. 80: 1729-38, (2000) 22. Nakanishi Y et al. Immunoaffinity purification and characterization of native placental leucine aminopeptidase/oxytocinase from human placenta. Placenta 21: 628-34, (2000) 23. Hariyama Y et al. Placental aminopeptidase A as a possible barrier of angiotensin II between mother and fetus. Placenta 21: 621-7, (2000) 24. Fujimura H et al. Adjuvant chemotherapy including cisplatin in endometrial carcinoma. Gynecol Obstet Invest 50: 127-32, (2000) 25. Ando H et al. Establishment of a ciliated epithelial cell line from human Fallopian tube. Hum Reprod 15: 1597-603, (2000) 26. Fujimura H et al. Aminopeptidase A expression in cervical neoplasia and its relationship to neoplastic transformation and progression. Oncology 58: 342-52, (2000) 27. Ino K et al. Expression of aminopeptidase A in human gestational choriocarcinoma cell lines and tissues. Placenta 21: 63-72, (2000) 28. Matsumoto H et al. Characterization of a recombinant soluble form of human placental leucine aminopeptidase/oxytocinase expressed in Chinese hamster ovary cells. Eur J Biochem 267: 46-52, (2000) ─ 353 ─ 健康社会医学専攻 周産母子医学講座 周 産 母 子 医 学 (附属病院・周産母子センター) Ⅰ 教室の沿革・特色 歴史を繙くと、明治 22 年(1989 年)11 月 1 日、院内に婦嬰科を新設し、婦人科、産科及び小児科患者の診察 及び治療を行ったとあるが、当院で本格的に妊産婦や新生児を取り扱うようになったのは、この頃と考えられる。 その後、昭和 18 年(1943 年)に分院が開設され、本院と分院の両方で分娩を取り扱う体制となった。昭和 51 年 (1976 年)には周産母子センターの前身の 1 つである分娩部が本院に設置され、助手 1 名の定員化がなされた。 しかし、分娩監視装置などの ME 機器を本格的に導入して現在に近い分娩が可能になったのは、昭和 57 年(1982 年)4 月に旧西病棟に隣接する特殊診療棟 4 階に分娩部が新設されてからである。一方分院では、生殖医学の急 速な進歩に伴い、昭和 59 年(1984 年)には体外受精(IVF)の実験動物による検討を、翌年からは臨床応用を開 始し、昭和 63 年(1988 年)には IVF による中部地方初の出産に成功した。分院はその後も凍結受精卵融解胚移 植、顕微授精(ICSI) 、精巣上体精子や精巣精子による ICSI に次々と成功し、東海地区の不妊症治療をリードす る生殖医療センターとしての特色を鮮明にする中、 平成 6 年(1994 年)以降分娩の取り扱いを行わない方針となっ た。時代はやがて少産少子化の現状が浮き彫りになるとともに、次代を担う生命への関心がより高まり、平成 9 年(1997 年)4 月 1 日に本院・分院の統合に連動する形で分娩部、分院産科婦人科、分院小児科の組織を統合し、 附属病院中央診療部門としての周産母子センターが発足した。当院周産母子センターは、妊娠中毒症や合併症妊 娠をはじめとしたハイリスク母体・胎児、及び新生児の集中管理・治療の他、IVF / ICSI を中心とする高度生殖 医療(ART)も含めた、妊娠成立から育児の開始までを総合的にケアするセンターとしての特色を有する。平成 11 年(1999 年)には、念願の NICU が新東病棟 4 階で稼働し始め、平成 17 年(2005 年)の新中央診療棟完成を 以て ART、産科周産期、NICU の 3 つのサブセンターが院内各部門と有機的に連携する本格的な体制が実現する 運びである。 Ⅱ スタッフ 教 授・ 部 長 小 島 勢 二(併任) 助教授・副部長 板 倉 敦 夫(産科周産期) 講 師 早 川 昌 弘(新生児) 助 手 深 見 英 子(新生児) 助 手 岩 瀬 明(不妊生殖) 助 手 三 井 崇(産科周産期) 医 員 4名 (2004 年 7 月 16 日現在) Ⅲ 研究分野・内容 1.不妊生殖研究部門(産婦人科学教室と連携) 体外受精に代表される高度不妊治療の急速な普及は、多くの不妊症患者に福音をもたらしたが、その妊娠率も 頭打ちとなっているのが現実である。とりもなおさずそれはヒトの生殖において未解明な問題が多いことが原因 であるといえる。当研究部門では、そのような現状を打破すべく、ヒトの生殖に関わる基礎的研究(子宮内膜の 月経周期形成、卵管上皮の機能、受精卵の子宮内膜への着床に関わる因子等)に取り組んでいる。なかでも排卵 誘発剤の使用によっておこる卵巣過剰刺激症候群の予防に関しては、細胞、実験動物レベルの研究から臨床研究 ─ 354 ─ 健康社会医学専攻 周産母子医学講座 まで一貫しておこなっている。臨床面では多種多様な不妊治療(ART や鏡視下手術などの生殖外科手術を含む) のなかから EBM に基づいて最適な治療方針を個別化し、確立することや卵巣機能の評価に取り組んでいる。近 年では不妊症患者のカウンセリングにも力をいれている。 2.産科周産期研究部門(産婦人科学教室と連携) 未熟児・新生児の管理の向上に伴い、死産や新生児死亡は減少したが、近年の疫学的研究によって、出生体重 と生活習慣病発症に相関があることが注目されるようになり、遺伝素因や生活習慣とともに、子宮内環境も生活 習慣病の発症リスクに加えられるようになった。胎盤は、胎児に栄養・酸素供給するとともに内分泌学的にも胎 児発育に影響を与えており、これらの調節作用を検討することにより、将来生活習慣病発症予防につながる可能 性がある。名古屋大学産婦人科では伝統的に胎盤の生化学的研究を行ってきたことより、周産母子医学でも、子 宮内環境のセンサーおよび胎児の循環・代謝調節機構としての胎盤の役割について検討を行っている。また体外 受精などの不妊治療は不妊症カップルに福音を与えてきたが、妊娠までの精神的負担も大きく、多胎を増加させ るといった問題や、周囲からの偏見もあり、妊娠中および育児についても解決すべき問題がある。これらについ て、3 部門共同で調査研究を行っている。 3.新生児研究部門(小児科学教室と連携) 研究については①早産児の中枢神経障害について、②早産児のウイルス母子感染についての 2 つのテーマを 中心に行っている。①早産児の中枢神経障害については、基礎的研究として、当教室で開発したトロンボキサ ン A2 アナログを用いた胎児発育不全ラットモデルを用いて、中枢神経障害の組織学的・分子生物学的検討をお こなっている。また、愛知県コロニー発達障害研究所との共同研究で、早産児への神経再生医学の応用、具体的 には低酸素性虚血性脳障害・脳室周囲白質軟化症の治療としての神経再生に関する研究を行っている。臨床研究 としては、小児科学神経研究室と協力し、超早産児の脳波解析をおこない、中枢神経障害について検討をしてい る。②早産児のウイルス母子感染については、小児科学ウイルス研究室と協力して、サイトメガロウイルスの経 母乳感染についての研究をすすめており、産褥期における母乳中のサイトメガロウイルスの排泄状況を解明する など、研究成果があがっている。 Ⅳ 指導方針など 周産母子医学とは、産婦人科学と小児科学を基軸とする集学的学問分野で、生殖医学、臨床遺伝学、周産期医 学、胎児医学、新生児医学などの専門分野を含む。大学院生に望むのは、この分野の医療に万遍なく自発的にと り組むことにより、基礎医学・臨床医学・社会医学そして医学以外の分野にまで貪欲な姿勢、motivation を持つ こと、その中で専門性を深めていくことである。妊娠成立から育児の開始までを一貫したものとしてとらえ、そ のプロセスが無事に進むよう、苦しみを理解し喜びをわかちあえるような広い視野を持った専門家を育成する。 Ⅴ 大学院修了者の進路 全国の大学および附属病院、その他の主要病院で当該部門や不妊センター、周産期センターなどが増加してお り、周産母子医学に立脚した視点を持った、新しいタイプの人材の需要が高まっている。 Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. Kotani Y, Iwase A, Ando H, et al. (2004) Oxytocin-induced prostaglandin E2 (PGE2) synthesis is regulated by progesterone via oxytocinase in Ishikawa cells. Horm Metab Res (in press) ─ 355 ─ 健康社会医学専攻 周産母子医学講座 2. Murata Y, Itakura A, Matsuzawa K, et al. (2004) Possible antenatal and perinatal related factors in development of cystic periventricular leukomalacia Brain Dev 2004 (in press) 3. Shibata D, Ando H, Iwase A, et al. 2004 Distribution of adipocyte-derived leucine aminopeptidase (A-LAP)/ERaminopeptidase (ERAP)-1 in human uterine endometrium. J Histochem Cytochem 52, (in press) 4. Mitsui T, Nomura S, Itakura A, et al. (2004) Role of aminopeptidases in the blood pressure regulation. Biol Pharm Bull 27: 768-771. 5. Ito N, Nomura S, Iwase A et al. (2004) ADAMs, a disintegrin and metalloproteinases, mediate shedding of oxytocinase. Biochem Biophys Res Commun 314: 1008-13 6. Kobayashi H, Mitsui T, Nomura S, et al. (2004) Expression of glucose transporter 4 in the human pancreatic islet of Langerhans. Biochem Biophys Res Commun. 314: 1121-1125. 7. Kobayashi H, Nomura S, Mitsui T, et al. (2004) Tissue distribution of placental leucine aminopeptidase/oxytocinase during mouse pregnancy. J Histochem Cytochem. 52: 113-121. 8. Ito C, Ito M, Itakura A, et al. (2004) A prospective evaluation of the effects of salpingectomy on endometrial lymphocyte clusters in cases with hydrosalpinges Fertil Steril 82:149-53. 9. Matsuura S, Itakura A, Ohno Y, et al. (2004) Effects of estradiol administration on feto-placental growth in rat Early Hum Dev 77: 47-56. 10. Goto S, Ino K, Mitsui T, et al. (2004) Survival rates of patients with choriocarcinoma treated with chemotherapy without hysterectomy: effects of anticancer agents on subsequent births. Gynecol Oncol. 93: 529-535. 11. Kawada J, Kimura H, Ito Y, et al. (2004) Evaluation of systemic inflammatory responses in neonates with herpes simplex virus infection. J Infect Dis 190: 494-8. 12. Ito N, Nomura S, Iwase A, et al. (2003) Ultrastructural localization of aminopeptidase A/angiotensinase and placental leucine aminopeptidase/oxytocinase in chorionic villi of human placenta. Early Hum Dev 71:29-37 13. Ando H, Furugori K, Shibata D, et al. (2003) Dual renin-angiotensin blockade therapy in patients at high risk of early ovarian hyperstimulation syndrome receiving IVF and elective embryo cryopreservation: a case series. Hum Reprod 18:1219-22 14. Itakura A. Okamura M. Ohta T. et al. (2003) Conservative treatment of a second trimester cervicoisthmic pregnancy diagnosed by magnetic resonance imaging. Obstet Gynecol. 101:1149-51 15. Murata Y. Ohno Y. Itakura A. et al. (2003) Bestatin results in pathophysiological changes similar to preeclampsia in rats via induction of placental apoptosis. Horm Metab Res 35:343-8. 16. Tsukahara Y. Itakura A. Ohno Y. et al. (2003) Umbilical plasma kininase I activity in fetal hypoxia. Horm Metab Res 35:583-7. 17. Ohno Y. Iwanaga K. Itakura A. et al. (2003) Increased intracranial blood flow volume in a preeclamptic woman with postpartum photophobia. Obstet Gynecol 101: 1082-4 18. Mitsui T, Nomura S, Okada M, et al. (2003) Hypertension and angiotensin II hypersensitivity in aminopeptidase A-deficient mice. Mol Med. 9: 57-62. 19. Murata Y, Ando H, Nagasaka T, et al. (2003) Successful pregnancy after bromocriptine therapy in an anovulatory woman complicated with ovarian hyperstimulation caused by follicle-stimulating hormone-producing plurihormonal pituitary microadenoma. J Clin Endocrinol Metab 88:1988-93 20. Itakura T, Kikkawa F, Kajiyama H, et al. (2003) Doppler flow and arterial location in ovarian tumors. Int J Gynaecol Obstet. 83: 277-283. ─ 356 ─ 健康社会医学専攻 周産母子医学講座 21. Yasuda A, Kimura H, Hayakawa M, et al. (2003) Evaluation of cytomegalovirus infections transmitted via breast milk in preterm infants with a real-time polymerase chain reaction assay. Pediatrics 111: 1333-6. 22. Sato Y, Okumura A, Kato T, et al. (2003) Hypoxic ischemic encephalopathy associated with neonatal seizures without other neurological abnormalities. Brain Dev 25: 215-9. 23. Hayakawa M, Kato Y, Takahashi R, et al. (2003) Case of citrullinemia diagnosed by DNA analysis: including prenatal genetic diagnosis from amniocytes of next pregnancy. Pediatr Int; 45: 196-8. 24. Hayakawa M, Okumura A, Hayakawa F, et al. (2003) Nutritional state and growth and functional maturation of the brain in extremely low birth weight infants. Pediatrics; 111: 991-5. 25. Hayakawa M, Kimura H, Ohshiro M, et al. (2003) Varicella exposure in a neonatal medical centre: successful prophylaxis with oral acyclovir. J Hosp Infect 54: 212-5. 26. Nakashima Y. Ohno Y. Itakura A. et al. (2002) Possible involvement of aminopeptidase A in hypertension in spontaneously hypertensive rats (SHRs) and change of refractoriness in response to angiotensin II in pregnant SHRs. J Hyperten 20: 2233-8. 27. Nomura M, Tsukahara S, Ando H, et al. (2002) Differential distribution of placental leucine aminopeptidase/oxytocinase and aminopeptidase A in human trophoblasts of normal placenta and complete hydatidiform mole. Placenta 23:631-9 28. Ando H, Nagasaka T, Nomura M, et al. (2002) Premenstrual disappearance of aminopeptidase A in endometrial stromal cells around endometrial spiral arteries/arterioles during the decidual change. J Clin Endocrinol Metab. 87: 2303-9. 29. Ito M, Itakura A, Ohno Y, et al. (2002) Possible activation of the renin-angiotensin system in the feto-placental unit in preeclampsia. J Clin Endocrinol Metab. 87: 1871-8. 30. Toda S, Ando H, Nagasaka T, et al. (2002) Existence of placental leucine aminopeptidase/oxytocinase/insulin-regulated membrane aminopeptidase in human endometrial epithelial cells. J Clin Endocrinol Metab. 87: 1384-9. 31. Ohno Y, Itakura A, Sano M, et al. (2002) Pure red cell aplasia and acute hepatitis during pregnancy. Gynecol Obstet Invest. 53: 112-3. 32. Itakura A, Kurauchi O, Takashima S, et al. (2002) Immunological detection of 4-hydroxynonenal protein adducts in developing pontine and Purkinje neurons and in karyorrhexis in pontosubicular neuronal necrosis. Early Hum Dev. 67: 19-28. 33. Itoh H, Itakura A, Kurauchi O, et al. (2002) Hepatocyte growth factor in human breast milk acts as a trophic factor. Horm Metab Res. 34: 16-20. 34. Ohno Y, Kawai M, Arii Y, et al. (2002) Effect of prostaglandin E1 on ophthalmic artery velocimetry in a pre-eclamptic woman with visual disturbance caused by retinal arterial narrowing. Gynecol Obstet Invest. 53: 68-70. 35. Ino K, Mitsui T, Nomura S, et al. (2001) Complete remission of gestational choriocarcinoma with choroidal metastasis treated with systemic chemotherapy alone: case report and review of literature. Gynecol Oncol. 83: 601-604. 36. Nakamura H, Itakura A, Okamura M, et al. (2001) Oxytocin stimulates the translocation of oxytocinase of human vascular endothelial cells via activation of oxytocin receptors. Endocrinology. 141: 4481-5. 37. Iwase A, Nomura S, Mizutani S. (2001) Characterization of a secretase activity for placental leucine aminopeptidase. Arch Biochem Biophys. 393: 163-9. 38. Kozaki H, Itakura A, Okamura M, et al. (2001) Maternal serum placental leucine aminopeptidase (P-LAP) /oxytocinase and preterm delivery. Int J Gynaecol Obstet. 73: 207-13. 39. Tsukahara Y, Ohno Y, Itakura A, et al. (2001) Prenatal diagnosis of congenital diaphragmatic eventration by magnetic ─ 357 ─ 健康社会医学専攻 周産母子医学講座 resonance imaging. Am J Perinatol. 18: 241-4. 40. Oshiro M, Mimura S, Hayakawa M, et al. (2001) Plasma and erythrocyte levels of trace elements and related antioxidant enzyme activities in low-birthweight infants during the early postnatal period. Acta Paediatr. 90: 1283-7 41. Hayakawa M, Okumura A, Hayakawa F, et al. (2001) Background electroencephalographic (EEG) activities of very premature infants born at less than 27 weeks gestation: a study on the degree of continuity. Arch Dis Child Fetal & Neonatal Ed. 84: F163-F167. 42. Oshiro M, Mimura S, Hayakawa M, et al. (2001) Plasma and erythrocyte levels of trace elements and related antioxidant enzyme activities in low-birthweight infants during the early postnatal period. Acta Paediatr 90: 1283-7. 43. Ando H, Kobayashi M, Toda S, et al. (2000) Establishment of a ciliated epithelial cell line from human Fallopian tube. Hum Reprod. 15: 1597-1603. 44. Hariyama Y, Itakura A, Okamura M, et al. (2000) Placental aminopeptidase A as a possible barrier of angiotensin II between mother and fetus. Placenta. 21: 621-7. 45. Sasaki J, Fukami E, Mimura S, et al. (2000) Abnormal cerebral neuronal migration in a rat model of intrauterine growth retardation induced by synthetic thromboxane A(2). Early Hum Dev 58: 91-9. 46. Fukami E, Nakayama A, Sasaki J, et al. (2000) Underexpression of neural cell adhesion molecule and neurotrophic factors in rat brain following thromboxane A(2)-induced intrauterine growth retardation. Early Hum Dev 58: 101-10. ─ 358 ─ 健康社会医学専攻 親と子どもの精神医学講座 親と子どもの精神医学 Ⅰ 教室の沿革・特色 児童精神医学分野の歴史は、旧精神医学講座第 4 代教授となった堀 要によってわが国の濫觴とも言える児童 精神医学・児童福祉が創成されたことにはじまる。その後自閉症の本邦の第一例の報告をはじめ、この地方のみ ならずわが国における児童精神医学の発展に尽し多くの業績を残した卓越した指導者を続々と輩出した。こうし た実績と時代の要請・背景もあって 2001 年 4 月には全国の国立大学病院ではじめて児童精神科が独立し、さら に「親と子どもの心療部」が設置された。ここでは本院の児童精神科と教育学領域の発達心理精神科学教育研究 センターとが協同して、学際的な研究と医療の開発ならびに専門家の育成にあたることとなり、全国から大きな 期待が寄せられている。 Ⅱ スタッフ 教 授 尾崎 紀夫(発達・老年精神医学分野,親と子どもの心療学分野,精神生物学分野,精神医学 学分野および病院:親と子どもの心療科科長,精神科科長併任) 教 授 本城 秀次(発達心理精神科学教育研究センターと病院:親と子どもの心療部併任) 助 教 授 村瀬 聡美(発達心理精神科学教育研究センターと病院:親と子どもの心療部併任) 講 師 石井 卓(発達・老年精神医学分野) 小石 誠二(病院:親と子どもの心療部) 助 手 野邑 健二(病院:親と子どもの心療部併任) 金子 一史(発達心理精神科学教育研究センターと病院:親と子どもの心療部併任) Ⅲ 研究分野・内容 1998 年 4 月より、本分野は大学院医学研究科健康社会医学専攻発育・加齢医学講座児童精神医学分野(2005 年 度から発達・老年精神医学分野と改称)となった。また、2003 年4月には協力講座として健康社会医学専攻親と 子どもの精神医学講座親と子どもの心療学分野が設置された。児童精神医学に関しては、この2つの分野が相互 に連携しながら、教育研究活動を行っている。 これまでの伝統である自閉症をはじめとする発達障害、登校拒否、不安障害、および若年のうつ病などの臨床 的研究を行うほか、産婦人科学教室・教育発達科学研究科と連携し乳幼児精神医学についての研究を全国でも先 駆的に取り組んでいる。 最近は、児童精神医学についての社会的関心が高く、それらを反映して注意欠陥多動障害、学習障害、および 行為障害等についての要請が強い。これらの障害の合併や予後については、わが国では研究の緒についたところ である。今後とも社会的要請にもこたえるような臨床的研究を行うよう努めたい。 Ⅳ 過去5年間の代表論文 1. Yoshizumi,T., Murase, S., Honjo,S., Kaneko,H., and Murakami,T.: Hallucinatory experiences in a community sample of Japanese children. Journal of American Academy of Child and Adolescent Psychiatry 43: 1030-1036, 2004. ─ 359 ─ 健康社会医学専攻 親と子どもの精神医学講座 2. Nagata,M., Nagai,Y., Sobajima H., Ando,T. and Honjo,S.: Depression in the early postpartum period and attachment to children—in mothers of NICU infants. Infant and Child Development 13: 93-110, 2004. 3. Marui,T., Hashimoto,O., Nanba,E., Kato,C., Tochigi,M., Umekage,T., Kato,N., Sasaki,T.: Gastrin-releasing peptide receptor (GRPR) locus in Japanese subjects with autism. Brain Development 26: 5-7, 2004. 4. Honjo,S., Arai,S., Kaneko,H., Ujiie,T., Murase,S., Sechiyama, H., Sasaki,Y., Hatagaki,C., Inagaki,E.,Usui,M., Miwa,K., Ishihara,M., Hashimoto,O., Nomura, K., Itakura,A. and Inoko,K.: Antenatal depression and maternal-fetal attachment. Psychopathology 36: 304-311, 2003. 5. Murase,S., Ochiai,S., Ueyama,M., Honjo,S and Ohta,T. : Psychiatric features of seriously life-threatening suicide attempters – A clinical study from a general hospital in Japan--. Journal of Psychosomatic Research 55: 379-383, 2003. 6. Nagata,S.,Nagai,Y., Sobajima,H., Ando,T. and Honjo,S.: Depression in the mother and maternal attachment—results from a follow-up study at 1year postpartum. Psychopathology 36: 142-151,2003. 7. Honjo,S., Sasaki,Y., Kaneko,H., Tachibana,K., Murase,S., Ishii,T., Nishide,Y. and Nishide,T.: Study on feelings of school avoidance, depression, and character tendencies among general junior high and high school students. Psychiatry and Clinical Neuroscience 57: 464-471, 2003. 8. Ishii, T., Takahashi, O., Kawamura, Y., Ohta, T.: Comorbidity in attention-hyperactivity disorder. Psychiatry and Clinical Neurosciences 57: 457-463, 2003. 9. Murase,S., Honjo,S., Inoko,K. and Ohta,T.: A child who visited the emergency room with stress-related nonpsychotic hallucinations. General Hospital Psychiatry 24: 453-454, 2002. 10. Honjo,S., Mizuno,R., Sechiyama,H., Sasaki,Y., Kaneko,H., NishideT., Nagata,M., Sobajima,H., Nagai,Y., Ando,T. and Nishide,Y.: Temperament of low birth weight infants and child-rearing stress: Comparison with full-term healthy infants. Early Child Development and Care 172: 65-75, 2002. 11. Honjo,S., Nishide,T., Niwa,S., Sasaki,Y., Hitoshi Kaneko,H., Inoko,K., Nishide,Y.: School refusal and depression with school inattendance in children and adolescents: Comparative assessment between the children's Depression Inventory and somatic complaints. Psychiatry and Clinical Neurosciences 55: 629-634, 2001. 12. Narita K., Sasaki T., Akaho R., Okazaki Y., Kusumi I., Kato T., Hashimoto O., Fukuda R., Koyama T., Matsuo K., Okabe Y., Nanko S., Hohjoh H. and Tokunaga K. : Human leukocyte antigen and season of birth in Japanese patients with schizophrenia. Am. J. Psychiat 157: 1173-5, 2000 13. Murase S., Sugiyama T., Ishii T., Wakako R. and Ohta, T. : Polysymptomatic conversion disorder in childhood and adolescence in Japan. Psychotherapy and Psychosomatics 69: 132-136, 2000 14. Murase S., Ochiai S. and Ohta T.: Separation anxiety leads to non-psychotic hallucination. J. Am. Acad. Child Adolesc. Psychiatry 39: 1345, 2000 ─ 360 ─ 健康社会医学専攻 総合管理医学講座 予 防 医 療 学 (附属病院・予防医療部) Ⅰ 教室の沿革・特色 21 世紀は予防の時代である。予防こそが最高の治療であるとの考えのもとに予防医療活動を行っている。診断 技術の発達は将来起こるであろう疾病の予測を可能にした。このように予知できる疾病の原因を取り除き、発症 を事前に阻止することは医療の一つの柱になると確信している。日本の大学医学部、あるいは医科大学で予防医 療部と名の付いた部門をもっているところは見あたらない。本大学の予防医療部は日本における予防医療のパイ オニアとして期待されている。 名古屋大学医学部附属病院分院の統廃合により平成 7 年度に予防医療部が新設された。実際にその活動を始め たのは平成 8 年度からである。予防医療とは健康な個人あるいは管理指導を要する人たちに対し疾病発生に関与 するリスクファクターの有無と程度を評価し、適切な生活指導を行うことにより疾病発生と進展を防止すること が課題である。こうした予防医療を行うにあたっては、カウンセリングが重要であり、看護婦、栄養士、運動療 法士、健康教育者、その他の専門家と協力してチームとして取り組むのが効果的と考えられる。予防医療に前向 きに取り組んでいくためには、積極的に現在健康状態にある人たち、なかでも健康ではあるがリスクファクター をもつ人たちに働きかけることがきわめて重要であるのは論を待たない。 当部は新しい教室であるが、若い人たちが自由に研究しており、熱気にあふれている。既に 4 名の大学院生が 卒業し、現在、1 名が在学し研究を行っている。特筆すべきこととして、当部の大学院生の研究成果が最近、 Nature 誌に掲載され注目を浴びた。 Ⅱ スタッフ 助 教 授 丹 羽 利 充 講 師 関 戸 好 孝 医 員 中 村 桜 子 医 員 杉 本 亨 Ⅲ 研究分野・内容 1)生活習慣病予防 2)がん多発家系、若年発症がん家系における、がん遺伝子、がん抑制遺伝子異常の検索とがん発症の予防 3)遺伝子診断と代謝診断による遺伝性疾患および代謝性疾患の発症予防 予防医療部ではすでに健診事業が開始されている。米国では徹底したスクリーニング検査法の洗いなおしが あった。全ての患者に全く同じルーチン検査を行う年 1 回の身体的検査に代わって、患者の年齢、性、その他の 危険因子を考慮し時機を得た定期健康診断の施行を日本でも考えて行く必要がある。 最近、健診センター等の予防医療的な面を課題にした施設が次々と作られているがその活動内容についての学 問的レベルは様々で、大学の部門として目指すところはそうした施設と連携をはかり、先進的な技術を提供して いくことであろう。分子生物的な検査手技を取り入れ普及をはかり、一方、予防医学教室や公衆衛生学教室とも 緊密な連絡を取りつつ、その成果を活かしていくことを考えている。DNA 診断など大学でなくては困難な技術 を中心にすえて、生活習慣病、悪性腫瘍の早期診断、早期治療に役立てている。ハイリスクグループの遺伝子診 ─ 361 ─ 健康社会医学専攻 総合管理医学講座 断とかカウンセリングなど新しいフィールドワークを開拓していきたい。 Ⅳ 指導方針など 予防医療部は平成 17 年度には大学院生 4 名を募集する予定である。これからの医学、医療の分野で大きな位 置を占めると考えられる予防医療に関心を示す若い学徒の参加を歓迎する。 Ⅴ 大学院生の業績 榎本 篤 1. Interaction of Human Organic Anion Transporters 2 and 4 with Organic Anion Transport Inhibitors. Enomoto A, Takeda M, Shimoda M, Narikawa S, Kobayashi Y, Kobayashi Y, Yamamoto T, Sekine T, Cha SH, Niwa T, Endou H: J Pharmacol Exp Ther 301 (3) : 797-802, 2002 2. Molecular identification of a renal urate anion exchanger that regulates blood urate levels. Enomoto A, Kimura H, Chairoungdua A, Shigeta Y, Jutabha P, Ho Cha S, Hosoyamada M, Takeda M, Sekine T, Igarashi T, Matsuo H, Kikuchi Y, Oda T, Ichida K, Hosoya T, Shimokata K, Niwa T, Kanai Y, Endou H: Nature 417 (6887) : 447-452, 2002 3. Role of organic anion transporters in the tubular transport of indoxyl dulfate and the induction of its nephrotoxicity. Enomoto A, Takeda M, Tojo A, Sekine T, Cha SH, Khamdang S, Takayama F, Aoyama I, Nakamura S, Endou H, Niwa T: J Am Soc Nephrol, 13: 1711-1720, 2002 4. Molecular identification of a novel carnitine transporter specific to human testis: Insights into the mechanism of carnitine recognitiion. Enomoto A, Wempe MF, Tsuchida H, Shin HJ, Cha SH, Anzai N, Goto A, Sakamoto A, Niwa T, Kanai Y, Anders MW, Endou H: J Biol Chem, 277: 36262-36271, 2002 Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. Rapid detection of deletion mutations in inherited metabolic diseases by melting curve analysis with LightCycler. Aoshima T, Sekido Y, Miyazaki T, Kajita M, Mimura S, Watanabe K, Shimokata K, Niwa T. Clin Chem 46: 119-122, 2000 2. Increased glutathionyl hemoglobin in diabetes mellitus and hyperlipiemia demonstrated by liquid chromatography/ electrospray ionization-mass spectrometry. Niwa T, Naito C, Mawjood AHM, Imai K. Clin Chem 46: 82-88, 2000 3. Biology of lung cancer. Sekido Y, K. Fong M, Gazdar A F, Minna JD. Textbook of Respiratory Medicine, 3rd edition, Chapter 44 p1375-1393 eds. J. F. Murray and J.A. Nadel W.B. Saunders Company 2000 4. Molecular biology of lung cancer. Sekido Y, Fong KM, Minna JD Cancer: Principles and Practice of Oncology, 6th edition, Chapter 31 p917-925 eds. Vincent T. DeVita, Jr., Samuel Hellman, Steven A. Rosenberg. Lippincott-Williams & Wilkins 2001. 5. Genetic alteration of the b-catenin gene (CTNNB1) in human lung cancer and malignant mesothelioma and identification of a new 3p21.3 homozygous deletion. Shigemitsu K, Sekido Y, Usami N, Mori S, Sato M, Horio Y, Hasegawa Y, Bader SA, Gazdar A F, Minna JD, Hida T, Yoshioka H, Imaizumi M, Ueda Y, Takahashi M, Shimokata K. Oncogene 20: 4249-4257, 2001. 6. Inhibition of lung cancer cell growth and induction of apoptosis after reexpression of 3p21.3 candidate tumor suppressor gene SEMA3B. Tomizawa Y, Sekido Y, Kondo M, Gao B, Yokota J, Roche J, Drabkin H, Lerman MI, Gazdar AF, Minna JD. Proc Natl Acad Sci USA 98: 13954-13959, 2001. ─ 362 ─ 健康社会医学専攻 総合管理医学講座 7. Carbamoyl phosphate synthetase I deficiency: Molecular genetic findings and prenatal diagnosis. Aoshima T, Kajita M, Sekido Y, Mimura S, Itakura A, Yasuda I, Saheki T, Watanabe K, Shimokata K, Niwa T. Prenatal Diag 21: 634-637, 2001 8. Molecular identification of a renal urate anion exchanger that regulates blood urate levels. Enomoto A, Kimura H, Chairoungdua A, Shigeta Y, Jutabha P, Ho Cha S, Hosoyamada M, Takeda M, Sekine T, Igarashi T, Matsuo H, Kikuchi Y, Oda T, Ichida K, Hosoya T, Shimokata K, Niwa T, Kanai Y, Endou H. Nature 417 (6887) : 447-452, 2002 9. Role of organic anion transporters in the tubular transport of indoxyl dulfate and the induction of its nephrotoxicity. Enomoto A, Takeda M, Tojo A, Sekine T, Cha SH, Khamdang S, Takayama F, Aoyama I, Nakamura S, Endou H, Niwa T. J Am Soc Nephrol 13: 1711-1720, 2002 10. Simultaneous detection of methylenetetrahydrofolate reductase gene polymorphisms, C677T and A1298C, by melting curve analysis with LightCycler. Nakamura S, Aoshima T, Ikeda M, Sekido Y, Shimokata K, Niwa T. Anal Biochem 306: 340-343, 2002 11. Establishment of a large cell lung cancer cell line (Y-ML-1B) producing granulocyte colony-stimulating factor. Sekido Y, Sato M, Usami N, Shigemitsu K, Mori S, Maeda O, Yokoi T, Hasegawa Y, Yoshioka H, Shimokata K. Cancer Genet Cytogenet 137: 33-42, 2002 ─ 363 ─ 健康社会医学専攻 総合管理医学講座 在 宅 管 理 医 学 Ⅰ 教室の沿革・特色 在宅管理医療部では主として、在宅での管理を必要とする内科系疾患を対象に臨床・研究を行っている。在宅 医学を目的とする教室としては国立大学唯一の存在であり、日本の在宅医学をリードする責務を担っている。 名大分院内科の腎疾患研究グループを源としており、分院時代からの研究土壌を背景として創造的で自由な発 想を伸ばす教育方針をとっている。さらに、幅広い視野を持った研究者を育成するため、鶴舞キャンパス、東山 キャンパスの基礎医学教室との交流のみならず、東海大学、藤田保健衛生大学など国内外の多くの研究機関と盛 んな交流を行っている。 Ⅱ スタッフ 講 師 中 井 滋 医 員 吉 崎 重 仁 , 中 村 俊 介 , 松 井 渉 大 学 院 生 舩 木 良 真 , 中 村 俊 介 , 松 井 渉 , 泉 治 紀 , 他 7 名 研 究 生 杉 浦 建 生 , 曽 我 太 郎 客員研究者 岩 山 範 久 , 他 1 名 Ⅲ 研究分野・内容 1.内科系慢性疾患の在宅管理研究 在宅管理医療部では、臨床部門として活躍しており、在宅中心静脈栄養法、在宅経腸栄養法、在宅血液透析療 法、在宅腹膜透析療法、在宅酸素療法、在宅持続陽圧呼吸法、在宅インスリン自己注射法等を中心とする在宅医 学全般の指導・管理を行うとともに、インターネットなど情報通信技術を駆使した、在宅患者との間の情報・指 示システムの構築を進めている。また、新しい在宅医学の可能性を探る目的で、慢性腎不全、高血圧、糖尿病な どの内科系慢性疾患及び老化を対象とし、データベース構築とそれを活用した Evidence に基づく医療管理プロ トコールの開発を進めている。 具体的には分院時代からの伝統を生かして、保存期腎不全患者におけるデータベー スを構築し、最良の腎機能保護治療を行うための、医学的な新知見を多く報告しており、高血圧などの医療者側 の治療・管理のみならず、ともすれば不足しがちであった食事療法などの患者側の自己管理を充実させ、疾患の 進展を予防する治療を行っている。さらにデータベースとして、24 時間蓄尿の生化学的分析にもとづく在宅管 理者の栄養評価、睡眠時無呼吸症候群や高齢者の入眠中の全身状態を評価する終夜睡眠時ポリグラフ(アリスⅢ) などの高度先機器を活用した臨床評価を、積極的に行っている。 2.長期入院患者の在宅化に向けて 在宅管理医療部では、末期悪性疾患により、入院を余儀なくされている患者や、日常生活活動度(ADL: activity of daily living)が 極 端 に 低 下 し た 患 者 の 在 宅 化 を、 在 宅 中 心 静 脈 栄 養 法(HPN: home parenteral nutrition)や 在宅経腸栄養法(HEN: home enteral nutrition)等の手法を用いて推進している。また、ADL の低 下した透析患者に対する在宅透析の適応にも積極的に取り組んでいる。これらを行う為の周辺技術の開発や、関 連機関へのネットワークの構築、在宅医療を妨げる社会的・行政的問題点の追求を主要な研究テーマとして取り 組んでいる。 ─ 364 ─ 健康社会医学専攻 総合管理医学講座 Ⅳ 指導方針など 原則的には特別の受け入れ条件は設定しない。しかし、独創的で自由な研究を行うにあたっては、基本的な臨 床に関する知識と経験を有することが好ましいため、最低限必要な臨床研修を受けた上での大学院入学を希望す る。入学後、必要に応じて専門分野に関する一定期間の臨床教育を行う。 大学院生は、まず、選択した課題の研究に必要な基本的な指導を受け、さらに幅広い知識と洞察力を養うため、 各方面の研究者との交流を行う。その上で各人の研究者としての独創的なアイディアを引き出すために、自由で 活発な討論の場を提供する。 在宅管理医療部では、日本の在宅医学をリードする人材を育成するために、大学院生個々の資質を充分に生か し、研究者として独立し得る高い能力を養成することを目的とする。 Ⅴ 大学院生の業績 1. Sakurai H. Era T. Jakt L M. Okada M. Nakai S. Nishikawa S. Nishikawa S. In vitro modeling of paraxial and lateral mesoderm differentiation reveals early reversibility. Stem Cells. Dec 13 2. Fujisawa Kzuhiro. Mtsumoto Y. Muramatsu H. Shinzato T. Hiramatsu K. Horie K. Cai Z. Oka H. Amano I. Muramatsu T. Maeda K. Increased serum midkine lebels during hemodialysis using heparin in chronic renal failure. Journal of Biochemistry. 123(5):864-9.(1998).May. 3. Yasuda Yoshinari. Miyata T. Nagaku M. Iida Y. Maeda K. Kurokawa K. Okubo K.Functionalquantitative analysis of the genome in cultured human mesangial cells. Technical note. Kidney International.53(1):154-8.(1998).Jan. 4. Murayama Shinichiro. Yagyu S. Higo K. Ye C. Mizuno T. Oyabu A. Ito M. Morita H. Maeda K. Serikawa T. Matsuyama M. A genetic locus susceptible to the overt proteinuria in BUF/Mna rat. Mammarian Genome. 9(11):886-8.(1998). Nov. 5. Horie Katsunori. Miyata T. Maeda K. Miyata S. Sugiyama S. Sakai H. Strihou CY. Monnier VM. Witztum JL. Kurokawa K. Immunohistochemical colocalization of glycoxidation products and lipid peroxidation diabetic nephropathy. Journal of clinical Investeigation. 100(12):2995-3004.(1997). Dec 15 6. Horie Katsunori. Miyata T. Yasuda T. Takeda A. Yasuda Y. Maeda K. Sobue G. Kurokawa K. Immunohistochemical localization of advanced glycation end products. pentosidine. and carboxmethyllysine in lipofuscin pigments of Alzheimer's disesase and aged nerons. Biochemical & Biophysial Rwsearch Communications. 236(2):327-32.(1997).Jul 18. 7. Iida Yoshiyasu. Amechanism for unsplicing and exon skipping in human alpha- and beta-globin mutant pre-mRNA splicing. Nucleic Acids Symposium Series.(37):183-4.(1997) Ⅵ 大学院修了者の進路 村山慎一郎 土岐市立総合病院 腎臓内科 浅井 真嗣 サンエイクリニック 飯田 喜康 小牧市民病院 内科 山田 師生 知立クリニック 佐藤 元美 社会保険中京病院 透析療法科 堀江 勝智 社会保険中京病院 腎臓内科 安田 宜成 名古屋大学医学部附属病院 在宅管理医療部 C a i Z h e R. W. Johnson Pharmaceutical Research Institute 堀江 明世 名古屋大学医学部附属病院 在宅管理医療部 桜井 英俊 名古屋大学大学院医学系研究科 免疫学講座 ─ 365 ─ 健康社会医学専攻 総合管理医学講座 Ⅶ 過去5年間の代表論文 1. Iwayama N, Shinzato T, Nakai S, Ando S, Nagake Y, Makino H, Maeda K : Quantitative estimation of dietary energy deficiency and effects of itssupplementation on protein nutritional status of nondiabetic uremic patientsundergoing protein restricted dietary regimens. Nagoya J Med Sci 64(1-2) : 33-42, 2001 2. Yasuda Y, Hiki H, Nishimotio A, Odani H, Iwase H, Shinzato T, and Maeda K : Influence of O-glycans in IgA1 hinge on its biological activity in human mesangial cells: A comprehensive gene expression profiling analysis. Nephrology 6 suppl : A25, 2001 3. Odani H, Iijima K, Nakata M, Miyata S, Kusunoki H, Yasuda Y, Hiki Y, Irie S, Maeda K, and Fujimoto D, Identification of N(omega)-carboxymethylarginine a new advanced glycation end product in serum proteins of diabetic patients: possibility of a new marker of aging and diabetes. Biochem Biophys Res Commun285 : 1232-1236, 2001 4. Kawabata K, Nakai S, Miwa M, Sugiura T, Otsuka Y, Shinzato T, Hiki N, Tomimatsu I, Ushida Y, Hosono F, Maeda K : CD31 expression on leukocytes is downregulated in vivo during hemodialysis. Nephron 89(2) : 153-60, 2001 5. Zhang J, Takahashi K, Takahashi F, Shimizu K, Ohshita F, Kameda Y, Maeda K, Nishio K, Fukuchi Y : Differential osteopontin expression in lung cancer. Cancer Lett 171(2) : 215-22, 2001 6. Tsuji-Hayashi Y, Sizer Fitts S, Takai I, Nakai S, Shinzato T, Miwa M, Green J, Young BA, Hosoya T, Maeda K, Blagg CR, Fukuhara S : Health-related quality of life among dialysis patients in Seattle and Aichi. Am J Kidney Dis 37(5) : 987-96, 2001 7. Hiki Y, Odani H, Takahashi M, Yasuda Y, Nishimoto A, Iwase H, Shinzato T, Kobayashi Y, Maeda K : Mass spectrometry proves under-O-glycosylation of glomerular IgA1 in IgAnephropathy. Kidney Int 59(3) : 1077-85, 2001 8. Tsuruta Y, Ito Y, Harada K, Narita Y, Ohbayashi T, Azekura H, Fukagawa M, Narita M, Maeda K : Measurements of blood DMSO and DMSO2 in a healthy person and a hemodialysis patient. Clin Exp Nephrol 5 : 158-162, 2001 9. Takeda A, Wakui M, Hisayoshi N, Dei R, Yamamoto M, Li M, Goto Y, Yasuda T, Nakagomi Y, Watanabe M, Inagaki T, Yasuda Y, Miyata T, Sobue G : Neuronal and glial advanced glycation end poduct [N�-(carboxymethyl)lysine] in Alzheimer`s disease brains. Acta Neuropathol 101 : 27-35, 2001 10. Green J, Fukuhara S, Shinzato T, Miura Y, Wada S, Hays RD, Tabata R, Otsuka H, Takai I, Maeda K, Kurokawa K : Translation cultural adaptation and initial reliability and multitrait testingof the Kidney Disease Quality of Life instrument for use in Japan. Qual Life Res 10(1) : 93-100, 2001 11. Sgeru Nakai, Takahiro Shinzato, Tsytomu Sanaka, Kenjiro Kikuchi, Tateki Kitaoka, Toshio Shinoda, Chikao Yamazaki, Rumi Sakai, Hiroyuki Omori, Osamu Morita, Kunitoshi Iseki, Kzuo Kubo, Kaoru Tabei, Ikuto Msakane, Kiyohide Fushimi, Atsushi Wada, Naoko Miwa, Takashi Akiba : The Current State of Chronic Dialysis Treatment in Japan (as of December 31 2000). J Jpn DialTher 35(7) : 1155-1184, 2002 12. Akeyo Horie, Yoshiyuki Hiki, Hiroko Odani, Yoshinari Yasuda, Mami Takahashi, Masashi Kato, Hitoo Iwase, Yutaka Kobayashi, Izumi Nakashima, Kenji Maeda : IgA1 Molecules Produced by Tonsillar Lymphocytes are Under-0-Glycosylated in IgA Nephropathy. Am J Kid Dis 42(3) : 486-496, 2003 13. Shigeru Nakai, Takahiro Shinzato, Yuji Nagura, Ikuto Masakane, Tateki Kitaoka, Toshio Shinoda, Chikao Yamazaki, Rumi Sakai, Hiroyuki Ohmori, Osamu Morita, Kunitoshi Iseki, Kenjiro Kikuchi, Kazuo Kubo, Kazuyuki Suzuki, Kaoru Tabei, Kiyohide Fushimi, Naoko Miwa, Atsushi Wada, Mitsuru Yanai, Takashi Akiba : An Overview of Regular Dialysis Treatment in Japan (as of 31 December 2001). Ther Apher & Dial 8(1) : 3-32, 2004 14. Kenji Wakai, Shigeru Nakai, Kenjiro Kikuchi, Kunitoshi Iseki, Naoko Miwa, Ikuto Masakane, Atsushi Wada, Takahiro Shinzato, Yuji Nagura, Takashi Akiba : Trends in incidence of end-stage renal disease in Japan 1983-2000: age-adjusted and age-specific rates by gender and caise. Nephrol Dial Transplant 19 : 2044-2052, 2004 15. Yoshinari Yasuda, Akeyo Horie, Hiroko Odani, Hitoo Iwase, Yoshiyuki Hiki : Application of Mass Spectrometry to IgA ─ 366 ─ 健康社会医学専攻 総合管理医学講座 Nephropathy: Structural and Biological Analyses of Underglycosylated IgA1 Molecules. Contrib Nephrol 141 : 170-188, 2004 16. Shigeru Nakai, Takahiro Shinzato, Yuji Nagura, Ikuto Masakane, Tateki Kitaoka, Toshio Shinoda, Chikao Yamazaki, Rumi Sakai, Osamu Morita, Kunitoshi Iseki, Kenjiro Kikuchi, Kazuo Kubo, Kazuyuki Suzuki, Kaoru Tabei, Kiyohide Fushimi, Naoko Miwa, Atsushi Wada, Mitsuru Yauchi, Seiji Marubayashi, Naoki Kimata, Takeshi Usami, Kenji Wakai, Takashi Akiba : An Overview of Regular Dialysis Treatment in Japan (as of 31 December 2003). Therapeutic Apheresis and Dialysis 9(6), 2005 17. Hidetoshi Sakurai, Takumi Era, Lars Martin, Jakt Mitsuhiro, Okada Shigeru, Nakai Satomi, Nishikawa and Shin-Ichi Nishikawa : In vitro modeling of paraxial and lateral mesoderm differentiation reveals early reversibility. Stem Cells Dec 13 : (On-line version), 2005 18. Shinsuke Tada, Takumi Era, Chikara Furusawa, Hidetoshi Sakurai, Satomi Nishikawa, Masaki Kinoshita, Kazuki Nakao, Tsutomu Chiba and Shin-Ichi Nishikawa : Characterization of mesendoderm: a diverging point of the definitive endoderm and in embryonic stem cell differentiation culture. Development 2005 Oct ; 132(19) : 4363-74, 2005 ─ 367 ─ 健康社会医学専攻 総合管理医学講座 総 合 診 療 医 学 (附属病院・総合診療部) Ⅰ 教室の沿革・特色 1996 年名古屋大学医学部附属病院分院の再編成に伴い名古屋大学医学部附属病院総合診療部が誕生し、1998 年 10 月に伴信太郎教授が初代教授として着任したときから独立した診療部門として本格的にスタートした。当教室 の柱をなすものは、 ‘総合する専門医(ジェネラリスト) ’としての診療、教育、研究である。大学病院における 総合診療部として、卒前・卒後の医学教育、および総合内科として外来、入院、救急、および総合的な面からの コンサルテーション診療に対して大きな役割を担っている。近年の医学・医療は専門細分化が進み、総合的に実 践する医療が希薄になってきている。総合診療部は診療・教育・研究のいずれの側面においても、名古屋大学医 学部に置ける欠くべからざる存在としてその重要性を増している。 Ⅱ スタッフ 教授/部長 伴 信太郎 講師/副部長 佐藤 寿一 助 手 鈴木 富雄、 徳山 秀樹 医 員 若林 英樹、 菊川 誠、 下島 卓弥、 中前 範子 大 学 院 生 向原 圭、 吉岡 哲也、 宮崎 景、 阿部 恵子、 廣田 勝弘、 西城 卓也、 錦織 宏 研 竹中 裕昭 究 生 研修登録医 高木 宏幸、 下方 映子、 杉本 雅一、 森 智治、 水野 直弓 Ⅲ 研究分野・内容 当教室で行われている研究は、教育に関する研究、診療に関する研究、疫学研究など多岐にわたっている。そ の共通点として、研究成果を臨床にまた教育の場に直接応用できることが挙げられる。主要な研究テーマを以下 に示す。 1)プライマリ・ケアにおけるアルコール関連障害に関する研究 プライマリ・ケアにおいてはアルコール問題が患者の健康事象に影響を及ぼしている場合が少なくない。臨床 の現場では患者が有するアルコール問題が必ずしも捉えられていない場合があり、臨床医のアルコール関連障害 に関する認識を高めていく必要がある。 当教室は、これまで日本では殆ど手つかずであったこの領域の研究をリー ドしている。 2)生活習慣の評価とプライマリ・ケアにおけるアプローチに関する研究 保健・医療活動の第一線の場であるプライマリ・ケアでは生活習慣へのアプローチが必要とされることが多い が、プライマリ・ケアにおける生活習慣の評価システムは確立していない。当教室はその開発に携わっている。 また、生活習慣を改善しそれを維持することは、疾患の予防と治療につながるとされているが、果たして生活 習慣をどの程度改善すればよいのか、またそのためにはどのような支援が必要であるのかを検証する介入研究を 行っている。 ─ 368 ─ 健康社会医学専攻 総合管理医学講座 さらに、海外赴任者およびその家族を対象とし、海外赴任に伴う生活習慣の変化を捉え、それが健康事象に及 ぼす影響について検討する国際共同研究をミシガン大学と行っている。 3)プライマリ・ケアにおける家族アプローチに関する研究 家族機能が疾患の発生および治療に影響を及ぼしている場合が少なくないと考えられ、プライマリ・ケアにお いては、家族へのアプローチが重要となってくる。当教室では、家族機能が生活習慣および健康事象に及ぼす影 響について検証するとともに、プライマリ・ケアにおける家族アプローチの現状を調査している。 4)卒前・卒後の医学教育に関する研究 教育機関である大学およびその附属病院においては卒前・卒後の医学教育は極めて大きな役割を持つ。これま での医学教育の問題点がクローズアップされその変革の必要性が叫ばれる中、医学教育の効果を評価することは 極めて重要となってくる。当教室においては、質的研究手法を取り入れ、医療面接教育、患者付き添い実習、プ ライマリ・ケア実習、在宅緩和ケア実習などの卒前教育についてのアウトカム研究を行っている。 今後は効果的な外来診療教育法についての研究にも取り組んでいく予定である。 5)エビデンスに基づいた予防医療の研究 科学的根拠に基づいた予防医療を提供することは、プライマリ・ケア医にとって必須の能力である。しかしな がら、我が国では予防医療は健康保険で支払われないために、第一線の臨床医が日常診療で予防医療を実践する ことは困難である。また、我が国の予防医療は、いわゆる健診(検診)や人間ドックに代表されるように根拠に 基づいているとは言い難いのが現状である。さらに、これまでの医学教育において根拠に基づいた予防医療の教 育は殆ど行われて来なかった。これらの現状を打開するべく、当教室では様々な予防医療的介入の日本人におけ る有効性についての文献レビュー、第一線の臨床医を対象とした健診(検診)についての意識調査研究、全国の 総合診療関連学会におけるワークショップといった活動を精力的に行っている。 6)模擬患者養成に関する研究 当教室では模擬患者(SP)の養成を2002年度から行っている。OSCE の導入に伴い、医療従事者および 学生のコミュニケーション教育に対するSPの役割は年々重要度を増している。SP参加型医療面接教育の効果 に関する研究と共に、SPの質の向上・標準化を目指して、全国のSPを対象にSP活動における問題点・悩み などの意識調査も実施している。また、日本では議論の多い「SPの身体診察教育への参加協力」の先駆的な取 り組みとして、SPの持つ身体診察に対するイメージ調査や、パイロットスタディとして身体診察参加の同意が 得られたSPと医学生を対象に身体診察を含む医療面接実習を行い、その前後の感想を質的に分析するなど、日 本における身体診察に貢献出来るSP養成の可能性に関する研究を行っている。 7)慢性疲労症候群の診断と治療のための集学的戦略の研究 慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndrome: 以下 CFS)は、6 ヶ月以上の疲労を訴える一群の人々の中に存 在する原因不明の症候群である。CFS の発症や再発には、ストレス、感染、神経・内分泌・免疫系のネットワー クの乱れなどが関与することが推定されているが、未だ明らかではない。また CFS は、身体疾患のみならず、 うつ病をはじめとする精神疾患との鑑別も難しく、又確立した治療法もないため、多くの患者が診断と治療を求 めて多施設を渡り歩いている。 CFS の患者が正しく診断的に絞り込まれ、的確な集学的治療を受けるためには、精神心理学、生理学、臨床 医学的(西洋医学と伝統医学)などの多角的な診療戦略の確立が求められており、2004 年から本格的に取り組 み始めた。 8)プライマリ・ケアにおける Narrative-Based Medicine(NBM)の実践に関する研究 患者の“Narrative(物語) ”を知り、患者とともに新たな“Narrative”を作り上げていくという NBM は、 ─ 369 ─ 健康社会医学専攻 総合管理医学講座 患者の痛み、悲しみ、不安、あるいは生活環境や価値観といった心理社会的背景を視野に入れた全人的医療を行 う上での有用な手段であると考えられる。本研究は、プライマリ・ケアにおいて NBM を実践するための方法と その有用性を検証するものである。 9)プライマリ・ケアにおける漢方診療の実践に関する研究 近年、漢方医学に多くの関心が向けられ、プライマリ・ケアの場においても漢方処方を希望する患者が増えて きている。本研究は、漢方医学における弁証論治の原則を実践に応用するための舌診に基づく漢方処方システム を構築しその有用性を検証することを目的とする。 Ⅳ 指導方針など 当教室の方針としては、まず十分な臨床能力を身につけたうえで、臨床や教育の現場で生じるさまざまな疑問 を研究に結びつけていただきたいと考えている。したがって、大学院入学は、初期臨床研修およびそれに続く総 合診療部での研修を終了した後、すなわち卒後 4 ∼ 5 年目以降が望ましい。 最初は、現在当教室で行っている研究プロジェクトに参加することにより研究の進め方を学び、その後は、自 分が興味を持った内容で自分が中心となる研究プロジェクトを立ち上げて活動していただく。 当教室においては、毎月第 4 月曜日に全医局員が参加するリサーチミーティングを行っている。そこでは、現 在行われている研究の進捗状況やこれから行おうとする研究の企画に関するプレゼンテーション、およびそれら に対する全体討論を行っている。 Ⅴ 大学院生の業績 〈著 書〉 1. 吉岡哲也、伴信太郎:研修医ノート:医の基本 : 診断情報の評価−感度・特異度・尤度比を中心に−。永井 良三編、診断と治療社、東京、2001, pp289-291. 〈訳 書〉 1. 向原圭他:外来診療マスターブック。伴信太郎監訳、医学書院、東京、2002. 2. 伴信太郎、佐藤寿一、鈴木富雄、向原圭、北村和也他:臨床の場で効果的に教える:「教育」というコミュニ ケーション。伴信太郎、佐野潔監訳、南山堂、東京、2002. 3. 宮崎景、伴信太郎:ハリソン内科学 原著第 15 版 Part2 Section1 (16) 腰背部痛および頸部痛、福井次矢、 黒川 清監訳、MEDSI、東京、2003. 〈総 説〉 1. 錦織 宏:私はなぜこの病院で研修することにしたか . Junior( 日本医事新報社 ) No.387, 1999. 2. 錦織 宏:研修医の 「 夢 」 と 「 現実 」. Junior( 日本医事新報社 ) No.394, 2000. 3. 向原圭:病歴と身体診察で脳血管障害をどれだけ診断できるか。JIM 11: 108-111, 2001. 4. 向原圭:根拠に基づいたコミュニケーション教育:The Macy Initiative on Health Communication(メイシー・プ ロジェクト): ニューヨーク大学・プライマリケア内科での試み。EBM ジャーナル 2: 110-113, 2001. 5. 向原圭、伴信太郎:基本的臨床能力への招待④:医療面接(1)−イントロダクション−。診断と治療 89: 1350-1354, 2001. 6. 向原圭、伴信太郎 : 基本的臨床能力への招待⑤:医療面接(2)−面接全体を通して必要とされるコミュニケー ─ 370 ─ 健康社会医学専攻 総合管理医学講座 ション能力−。診断と治療 89: 1699-1703, 2001. 7. 向原圭、伴信太郎:基本的臨床能力への招待⑥:医療面接(3)−面接の準備、開始段階におけるコミュニケー ション能力−。診断と治療 89: 1864-1868, 2001. 8. 向原圭、伴信太郎:基本的臨床能力への招待⑦:医療面接(4)−効率的な情報収集のために必要なコミュニ ケーション能力−。診断と治療 89: 2071-2075, 2001. 9. 向原圭 , 伴信太郎:基本的臨床能力への招待⑧:医療面接(5)−身体診察から面接を終了するまでのコミュ ニケーション能力−。診断と治療 89: 2243-2248, 2001. 10. 向原圭:老年入院患者において退院一年後の死亡率の予測は可能か?−ある程度可能である、家庭医のため の CME.家庭医療学研究会会報 43, 2001. 11. 吉岡哲也、伴信太郎:プライマリ・ケアとアルコール問題。JIM l1, 2001. 12. Mukohara K, Schwartz MD, Stevens DL: Headache Chapter, Telephone Medicine. American College of Physicians American Society of Internal Medicine, 2002. 13. 向原圭:おなかが痛い おなかが重い、総合診療初診の心得 21 ヵ条、総合診療ブック,医学書院,東京, 2002. 14. 阿部恵子、伴信太郎:基本的臨床能力への招待⑳:行動医学 (1)、治療と診断 91, 343-49, 2003. 15. 阿部恵子、伴信太郎:基本的臨床能力への招待○ 21:行動医学 (2)、治療と診断 91, 717-23, 2003. 16. 阿部恵子、伴信太郎:基本的臨床能力への招待○ 22:行動医学 (3), 治療と診断 91, 911-17, 2003. 17. 阿部恵子、佐藤寿一:NBM の実践、JIM 10, 853-55, 2003. 18. 西城卓也:研修医の Life と Communication 研修生活で出会う言葉―患者さんとの会話から―患者さんと病 棟で −黒戸口の人生 レジデントノート 羊土社 2003 11 月号 vol. 5 − No. 8 19. 西城卓也:研修医の Life と Communication 研修生活で出会う言葉―患者さんとの会話から―患者さんと病 棟で −黒戸口の人生 レジデントノート 羊土社 2003 11 月号 vol. 5 − No. 8 20. 宮崎景、向原圭:EBM の実践のための情報収集〔1〕診断と治療 91, 1059-63, 2003. 21. 宮崎景、伴信太郎: 動悸診療のプロセス JIM 14,32-38, 2004. 22. 宮崎景、伴信太郎:診療の達人になる 身体診察 Part1 臨床研修プラクティス 18(No.7),126-137, 2004. 23. 宮崎景、伴信太郎:診療の達人になる 身体診察 Part2 臨床研修プラクティス 18(No.7),117-126, 2004. 〈学会ワークショップ〉 1. 向原圭、伴信太郎: 「根拠に基づいた」病歴聴取と身体診察(Rational Clinical Examination)。第 9 回日本総合診 療医学会、2001. 2. Kachur E, Mukohara K, Ban N: The Professional and Organizational Culture of Medical Education-An Exploratory Workshop in the Context of an Interactive Exhibition. Association for Medical Education in Europe, Berlin, 2001. 3. Kachur E, Kedar H, Mukohara K: The Professional and Organizational Culture of Medical Education-An Exploratory Workshop in the Context of an Interactive Exhibition, Association for Medical Education in Europe, Lisbon, 2002. 4. 向原圭、宮崎景 、北村和也、宇田哲也、大村さやか:患者中心の予防医療 ー根拠に基づいた実践ー 第 11 回総合診療医学会 2003 ─ 371 ─ 健康社会医学専攻 総合管理医学講座 5. 大村さやか、北村和也、宮崎景、向原圭: スペシャル・インタレスト・グループ 「日常診療における予防医療の実践」 第 18 回家庭医療学会 2003 6. 宮崎景 、向原圭、北村和也、宇田哲也、大村さやか:患者中心の予防医療# 2 ̶根拠に基づいた実践̶ 第 12 回総合診療医学会 2004 7. 北村和也、宮崎景 、向原圭、大村さやか:患者中心の予防医療 ̶根拠に基づいた実践̶ 第 19 回家庭 医療学会 2004 〈学会発表〉 1. 吉岡哲也、北村和也、向原圭、鈴木富雄、竹中裕昭、佐藤寿一、伴信太郎:プライマリ・ケア外来においてア ルコール問題はどの程度認識されているか。第 15 回家庭医療学研究会総会、東京、2000. 2. 向原圭、鈴木富雄、佐藤寿一、吉岡哲也、徳山秀樹、伴信太郎:医学部 5 年生を対象とした医療面接教育の自 己評価。第 33 回日本医学教育学会総会、青森、2001. 3. Yoshioka T, Fetters MD, Kitamura K, Ban N: Japanese physician's experiences in family medicine faculty development programs abroad. 35th STFM Annual Spring conference, San Francisco, 2002. 4. Mukohara K, Schwartz MD: Randomized Controlled Trial of an Electronic Journal Club To Increase the Use of Evidence in Daily Practice by Academic Generalist Physicians. Society of General Internal Medicine Annual Meeting, Atlanta, 2002. 5. Mukohara K, Wakabayashi H, Kitamura K: Effectiveness of Teaching the Medical Interview: Non-randomized Controlled Trial. Association for Medical Education in Europe, Lisbon, 2002. 6. Keiko Abe, “Improving Interpersonal Communication Competence: Video-discussion Training for Nursing Students,” Communication, Medicine and Ethics, Cambridge,UK, June 2003. 7. 阿部恵子 , 伴信太郎、 高井次郎:“ 模擬患者の身体診察に対するイメージ:40 代と 60 代のグループインタビュー による質的分析” . 第 35 回日本医学教育学会,佐賀,2003. 8. 阿部恵子 , 向原圭、伴信太郎:“ 婦人科看護の特殊性をロールプレイと模擬患者から理解する:2 年次看護 学生に対する 7 回リピート学習 ”.第 35 回日本医学教育学会,佐賀,2003. 9. 宮崎景、向原圭、北村和也、大村さやか:日本人医師を対象とした、定期健診(検診)の必要性に対する意 識調査 第 18 回家庭医療学会、東京、 2003. 10. 宮崎景、向原圭、北村和也、大村さやか:患者中心の予防医療 ―根拠に基づいた実践― 中部プライマリ ケア研究会、名古屋、2003. 11. 阿部恵子、若林英樹、佐藤寿一、“ 糖尿病患者のナラティブの記述が日常診療に及ぼす影響 ” 第 12 回日本総 合診療医学会,神奈川,2004. 12. 阿部恵子、向原圭、菊川誠、伴信太郎、“ 歯科医院スタッフを対象とした反復医療面接教育セッションの効果 ” 第 23 回日本歯科医学教育学会学術大会、2004. 13. 西城卓也、伴信太郎 長期に倦怠感を訴える患者に対するアプローチ法の検討 第 12 回日本総合診療医学会 2004.神奈川. 14. Saiki T, Mukohara K, Abe K, Ban Nobutaro, Students’ perceptions of learner-centred,small group seminars on medical interview, 11th International Ottawa Conference on Medical Education, Barcelona, 2004 15. Saiki T, Mukohara K, Abe K, Ban Nobutaro, A questionnaire survey; students’ perceptions of learner-centred, small group seminars on medical interview. 第 27 回日本プライマリ・ケア学会、 横浜、 2004. 16. 西城卓也、下島卓弥、菊川誠、若林秀樹、宮崎景、向原圭、鈴木富雄、植村和正、伴信太郎 大学病院総合 診療病棟における臨床教育およびその指導医養成システムの開発−第 3 報 平成 15 年度版 高知、 第 36 回 ─ 372 ─ 健康社会医学専攻 総合管理医学講座 日本医学教育学会、 2004 17. 中耳炎にて治療中に胆道系酵素高値を示し Wegener 肉芽腫症と診断された症例 加藤省一、西城卓也、鈴木富雄、植村和正、伴信太郎 第 192 回日本内科学会東海地方会、 2004. 18. 向原圭、宮崎景、北村和也、大村さやか:根拠に基づいた予防医療についてのワークショップ第 1 報 第 36 回日本医学教育学会総会,高知,2004. 19. 宮崎景、向原圭、北村和也、大村さやか:根拠に基づいた予防医療についてのワークショップ第 2 報 第 36 回日本医学教育学会総会、高知、2004. 20. 宮崎景、北村和也、向原圭、大村さやか:医学生・研修医のための予防医療ワークショップ報告 第 19 回家 庭医療学会、大宮、 2004. 〈症例報告〉 1. 錦織 宏:自己免疫性溶血性貧血の治療中、突然に息苦しさを訴えた 61 歳男性 2000 年 12 月 15 日 JIM 10, 2000. 2. 研修を終えて 2002 年 9 月 1 日 「 大リーガー医に学ぶ 」( 医学書院 ) P.77 3. What’s your diagnosis? 「 ただの下痢じゃない? 」. JIM 13 巻 7 号 (2003 年 7 月号 ) 4. What’s your diagnosis? 「 たかが高血圧、されど高血圧 」 2004 年 2 月 15 日 JIM( 医学書院 ) 第 14 巻 2 号 (2004 年 2 月号 ) 5. What’s your diagnosis? 「 足が痛い 」 2004 年 9 月 15 日 JIM( 医学書院 ) 第 14 巻 9 号 (2004 年9月号 ) 〈学会報告〉 1. 向原圭、伴信太郎、吉田一郎:ヨーロッパ医学教育学会に参加して(印象記)。医学界新聞第 2477 号、2002. 〈その他〉 1. 吉岡哲也:福岡 ACLS コースインストラクター第 3 回。受講者 27 名、2000. 7. 15-16. 2. 吉岡哲也:福岡 ACLS コースインストラクター第 4 回。受講者 25 名、2000. 12. 9-10. 3. 吉岡哲也:福岡 ACLS コースインストラクター第 5 回。受講者 27 名、2001. 3. 24-25. Ⅵ 過去5年間の代表論文 1. 伴信太郎: (ビデオ)基本的身体診察法(1-5 巻)。メディカル情報センター、福岡、1999. 2. 藤崎郁、伴信太郎:ナースのための全身のみかた:フィジカルアセスメント講座。看護技術 45: 13-15, 1999. 3. 今中孝信、小泉俊三、青木誠、西田正之、伴信太郎、前沢政次、松本孝夫:大学における卒前総合診療部診療 教育カリキュラム。医学教育 30: 65-70, 1999. 4. 伴信太郎:これからの総合診療。現代医学 46: 363-367, 1999. 5. 伴信太郎:プライマリ・ケアに求められる臨床能力とは。全 15 回、日本醫事新報、2000. 6. 伴信太郎:研修医に求められる臨床能力とは。JIM 10: 2000-2022, 2000. ─ 373 ─ 健康社会医学専攻 総合管理医学講座 7. 北村和也、伴信太郎:Evidence-based Physical Examination −基本的身体診察法の考え方−。診断と治療 88: 530-535, 2000. 8. 伴信太郎:21 世紀プライマリ・ケア序説。プリメド社、大阪、2001. 9. 藤崎郁、伴信太郎:フィジカルアセスメント完全ガイド。学習研究社、東京、2001. 10. 伴信太郎:家庭医プライマリ・ケア医入門−地域で求められる医師をめざして−。家庭医療学研究会編、プ リメド社、大阪、2001, pp 286-292. 11. 伴信太郎: (ビデオ)OSCE 実施の手ほどき。メディカル情報センター , 福岡 , 2001. 12. 伴信太郎:インフォームドコンセントの教育について。治療 83: 170-173, 2001. 13. マイク・フェターズ、マーク・ザモルスキ−、佐野潔、トーマス・シュウェンク、伴信太郎 : クリニカル・クラー クシップ:米国における経験と提言。医学教育 32: 77-81, 2001. 14. 伴信太郎:基本的臨床能力への招待。診断と治療 89: 845-848, 2001. 15. Kitamura K, Fetters MD, Takenaka H, Sato J, Ban N: Recognition of alcohol-related problems by priamry care physicians in Japans. Jpn. J. Prim. Care 24: 104-117, 2001. 16. 伴信太郎:基本的臨床能力への招待②: 基本的臨床能力としてのコミュニケーション技法(1) :コミュニケー ションの基本:4 つの要素と 4 つの交流−。診断と治療 89: 1017-1022, 2001. 17. 伴信太郎、北村和也:プライマリ・ケアにおけるアルコール問題の頻度とそのスクリーニングのための CAGE 質問の本邦における操作特性。日本アルコール関連問題学会雑誌 3: 91-97, 2001. 18. 伴信太郎:家庭医が知っていて役立つ教育/学習の基本。家庭医療 8: 3-6, 2001. 19. 竹中裕昭、伴信太郎:日本の家庭医、看護婦による家族アプローチの現状調査(第 1 報)。家庭医療 8: 24-30, 2001. 20. 山内一信、伴信太郎:診察の基本手技と診察具の使いかた。Medical Practice 18: 5-12, 2001. 21. 竹中裕昭、伴信太郎、立木茂雄、佐々木宏起、松下明、小笠原章裕、中泉博幹、鈴木将玄、矢部正浩、原田 唯成、竹山泰雄、津田司、石田博:大学附属病院総合診療部外来における家族問題、家族機能。家庭医療 8: 40-48, 2001. 22. 竹中裕昭、恒籐暁、伴信太郎:ターミナルステージにおける予後推定と医師の対応。日本プライマリ・ケア学 会誌 24: 197-202, 2001. 23. 竹中裕昭、伴 信太郎 : 基本的臨床能力への招待:・基本的臨床能力としてのコミュニケーション技法[2] −家族とのコミュニケーションの取り方− . 診断と治療 89:1075-1078,2001. 24. 伴信太郎:基本的臨床技能の学び方・教え方:Essential Minimum と OSCE。医学教育学会臨床能力教育ワー キンググループ編、南山堂、東京、2002. 25. Kazuya Kitamura, Michael D. Fetters, Nobutaro Ban: The Experiences of Japanese Generalist Physicians in Overseas Faculty Development Programs. Family Medicine 34: 761-765, 2002. 26. 竹中裕昭、若林英樹、伴信太郎 : 症例検討における ” 家族面接ロールプレイ ” が有用であった一例 . 日 PC 誌 26: 32-35, 2002. 27. 伴信太郎 : プライマリ・ケアに求められる臨床能力とは . 臨床鍼灸 17: 1-9, 2002. 28. 伴信太郎 : 家庭医療のための臨床的推論(Clinical Reasoning). JIM 12: 163-166, 2002. ─ 374 ─ 健康社会医学専攻 総合管理医学講座 29. 伴信太郎:プライマリ・ケア教育 . 現代医療 34: 156-160,2002. 30. 津田順子、竹中裕昭、伴 信太郎 : 名古屋大学医学部付属病院総合診療部外来における家族アプローチの実 態調査 . 家庭医療 9(Suppl.):63,2002. 31. 伴信太郎 : プライマリ・ケアにおけるアルコール問題の現状 . 名古屋内科医会会誌 113: 24-31, 2002. 32. 竹中裕昭、伴信太郎 : 日本の家庭医、看護師による家族アプローチの現状調査(第 2 報). 家庭医療 10: 50-59, 2003. 33. 阿部恵子、伴 信太郎 : 基本的臨床能力への招待:⑳行動医学(1)−心理社会的側面の解説:医師 - 患者 関係の構築− . 診断と治療 91: 343-349,2003. 34. 阿部恵子、伴 信太郎 : 基本的臨床能力への招待:⑳行動医学(2)−心理社会的側面の解説患者心理と家 族ライフサイクル− . 診断と治療 91: 717-723,2003. 35. Nobutaro Ban: Continuing care of chronic illness: Evidence-based medicine and narrative-based medicine as competencies for patient-centered care. Asia Pacific Family Medicine 2: 74-76,2003. 36. 堀江典克、佐藤寿一、胡 暁晨、伴 信太郎 : 慢性疲労症候群患者の漢方治療−特に「証」に基づくことの 重要性について− . Nikkei Medical 2003 年 10 月号 別冊付録 : 16-17,2003. 37. 伴信太郎 : プライマリ・ケアに求められる総合的判断ー特に心理的側面への配慮についてー . 臨床鍼灸 18: 1-15, 2003. 38. 伴信太郎 : 新しい診療概念:客観的臨床能力試験ー OSCE-. 日本医師会雑誌 132: 868 − 870,2004. 39. 伴信太郎:診療の達人になる(Evidence based clinical skills); 第 1 回診療の達人に求められる臨床能力とは.臨 床研修プラクティス 1(4),122-127,2004. 40. Kazuya Kitamura, Michael D. Fetters, Nobutaro Ban: Contraceptive Care by Family Physicians and General Practitioners in Japan: Attitudes and Practices. Family Medicine 36: 279-283, 2004. 41. Kunihiko Matsui, Nobutaro Ban, Shunichi Fukuhara, Takuro Shimbo, Hiroshi Koyama, Seigo Nakamura, Naoki Nago, Toshio Fukuoka & Tsuguya Fukui: Poor English skills as a barrier for Japanese health care professionals in learning and practicing evidence-based medicine. Medical Education 38: 1203-1205,2004. 42. 柴田清、佐藤寿一:骨検診受診者の行動変容をもたらす事後指導の実践。生活教育 43: 33-36, 1999. 43. Oshida Y, Yamanouchi K, Ohsawa I, Usui K, Sato J, Kajita M, Sato Y: Relationship between insulin and blood pressure in Japanese obese subjects. Internal Med. 38: 467-471, 1999. 44. 佐藤寿一他:スポーツ医科学キーワード。臨床スポーツ医学臨時増刊号 1999、黒田善雄他編、文光堂、東京、 1999. 45. 大沢功、石田妙美、森圭子、佐藤栄子、加藤公彦、佐藤寿一、押田芳治、臼井邦子、山之内国男、佐藤祐造:効 用(utility)測定による糖尿病状態の QOL(quality of life)評価(第 1 報)。糖尿病 42: 341-346, 1999. 46. Oshida Y, Kako M, Nakai N, Shimomura Y, Li L, Sato J, Ohsawa I, Sato Y: Troglitazone improves insulin-stimulated glucose utilization associated with an increased muscle glycogen content in obese Zucker rats. Endocrine J. 46: 723-730, 1999. 47. Fukuharu M, Sato J, Ohsawa I, Oshida Y, Nagasaki M, Nakai N, Shimomura Y, Hattori M, Tokudome S, Sato Y: Additive effects of estrogen deficiency and diabetes on bone mineral density in rats. Diab. Res. Clin. Pr. 48: 1-8, 2000. 48. Wu P, Blair PV, Sato J, Jaskiewicz J, Popov KM, Harris RA: Starvation increases the amount of pyruvate dehydrogenase kinase inseveral mammalian tissues. Arch. Biochem. Biophys. 381: 1-7, 2000. ─ 375 ─ 健康社会医学専攻 総合管理医学講座 49. Fukuharu M, Sato J, Ohsawa I, Oshida Y, Kuriki K, Shibata K, Tamagawa T, Nagaya T, Fujiwara N, Tokudome S, Sato Y: Effects of lifestyle factors on ultrasonographically-determined bone health in free-living Japanese women. Public Health 115: 146-151, 2001. 50. Sato J, Ohsawa I, Oshida Y, Fukuharu M, Hu XC, Tamagawa T, Sato Y: Comparison of effects of three sulfonylureas on in vivo insulin action. Arzneimittel-Forsch. 51: 459-464, 2001. 51. Tokudome S, Imaeda N, Tokudome Y, Fujiwara N, Nagaya T, Sato J, Kuriki K, Ikeda M, Maki S: Relative validity of a semi-quantitive food frequency questionnaire versus 28-day weighed diet records in Japanese female dietitians. Eur. J. Clin. Nutr. 55: 735-742, 2001. 52. Li Z, Murakami T, Nakai N, Nagasaki M, Obayashi M, Xu M, Sato J, Oshida Y, Sato Y, Shimomura Y: Modification by exercise training of activity and enzyme expression of hepatic branched-chain α-ketoacid dehydrogenase complex in streptozotocin-induced deabetic rats. Eur. J. Clin. Nutr. 47: 345-350, 2001. 53. 佐藤寿一、佐藤祐造:糖尿病に対する運動の効果についての疫学研究による評価。臨床スポーツ医学 18: 781-785, 2001. 54. 佐藤祐造、徳留みずほ、佐藤寿一:生活習慣予防のための運動療法。総合臨床 50: 3249-3255, 2001. 55. Kuriki K, Nagaya T, Imaeda N, Tokudome Y, Fujiwara N, Sato J, Ikeda M, Maki S, Tokudome S: Discrepancies in dietary intakes and plasma concentrations of fatty acids according to age among Japanese female dietitians. Eur. J. Clin. Nutr. 56: 524-531, 2002. 56. Imaeda N, Fujiwara N, Tokudome Y, Ikeda M, Kuriki K, Nagaya T, Sato J, Goto C, Maki S, Tokudome S: Reproducibility of a semi-quantitative food frequency questionnaire in Japanese female dietitians. J. Epidemiol. 12: 45-53, 2002. 57. Tokudome Y, Imaeda N, Nagaya T, Ikeda M, Fujiwara N, Sato J, Kuriki K, Kikuchi S, Maki S, Tokudome S: Daily, weekly, seasonal, within- and between-individual variation in nutrient intake according to four season consequtive 7 day weighed diet records in Japanese female dietitians. J. Epidemiol. 12: 85-92, 2002. 58. Kajita M, Takahashi T, Hayashi K, Fukuharu M, Sato J, Sato Y: Self-esteem and mental health characteristics especially among lean students surveyed by University Personality Inventory Psychiat. Clin. Neuros. 56: 123-129, 2002. 59. Hayashi K, Sato J, Fujiwara N, Kajita M, Fukuharu M, Hu X, Kuriki K, Hoshino H, Kato R, Tokudome S, Sato Y Associations between physical strength, cerebral function and mental health in independent-living elderly Japanese women Environ. Health Prev. Med. 7: 123-128, 2002. 60. Sato E, Ohsawa I, Kataoka J, Miwa M, Tsukagoshi F, Sato J, Oshida Y, Sato Y. Socio-psychological problems of patoents with late adolescent onset type 1 diabetes. Analysis by qualitative research. Nagoya J. Med. Sci. 66: 21-29, 2003. 61. Tokudome Y, Kuriki K, Imaeda N, Ikeda M, Nagaya T, Fujiwara N, Sato J, Goto C, Kikuchi S, Maki S, Tokudome S. Seasonal variation in consumption and plasma concentrations of fatty acids in Japanese female dietitians. Eur. J. Epidemiol. 18: 945-953, 2003. 62. Kuriki K, Nagaya T, Tokudome Y, Imaeda N, Fujiwara N, Sato J, Goto C, Ikeda M, Maki S, Tajima K, Tokudome S. Plasma concentrations of (n-3) highly unsaturated fatty acids are good biomarkers of relative dietary fatty acid intakes: a cross-sectional study. J. Nutr. 133: 3643-3650, 2003. 63. Hu X, Sato J, Oshida Y, Xu M, Bajotto G, Sato Y. Effect of Gosha-jinki-gan (Chinese herbal medicine: Niu-Che-Sen-QiWan) on insulin resistance in streptozotocin-induced diabetic rats. Diab. Res. Clin. Pr. 59: 103-111, 2003. 64. 佐藤祐造、吉田麻美、佐藤寿一、亀井淳三、大澤仲昭:糖尿病合併症と漢方。インスリン抵抗性と漢方。日 本東洋医学会雑誌 54: 499-526, 2003. 65. 阿部恵子、佐藤寿一:Narrative-Based Medicine の実践例。医師の立場から(1)。医療における “ 物語 ”。J. Integrated Med. 13: 853-855, 2003. ─ 376 ─ 健康社会医学専攻 総合管理医学講座 66. 若林英樹、阿部恵子、佐藤寿一:糖尿病と Narrative Based Medicine。やる気を引き出す糖尿病診療 10 のコツ。 糖尿病診療マスター 2: 654-658, 2004. 67. 鈴木富雄、松村理司:誤嚥の疫学:市中病院の検討より。JIM 9, 1999. 68. 鈴木富雄、金地研二、松村理司:加佐診療所における僻地在宅医療と一般内科教育について。癌と化学療法 26: 402, 1999. 69. 鈴木富雄:ベッドサイド検査の学び方。JIM 10: 240-241, 2000. 70. 鈴木富雄他:診断と治療:ポケットガイド。松村理司監訳、医学書院、東京、2000. 71. 鈴木富雄、伴信太郎:身体所見のとりかた:胸部の診察:視診・触診・打診・聴診、医の基本、研修医ノート。 永井良三編、診断と治療社、東京、2001, pp372-374. 72. 鈴木富雄:便秘・下痢 : 総合外来初診の心得 21 か条。医学書院、東京:202-211, 2002. 73. 鈴木富雄、伴信太郎:基本的臨床能力への招待⑨−:基本的診察法(1)−(5)。診断と治療 90、2002. 74. 鈴木富雄:基本的臨床能力への招待:症例提示(プレゼンテーション)の仕方。診断と治療 90: 969-974, 2002. 75. 鈴木富雄:症例から学ぶクリニカル・ルール:喘息を心配して救急外来を受診した 76 歳男性。JIM 12: 36-40, 2002.12: 50-56, 2003. 76. 鈴木富雄:新人が知っておきたい感染対策ベーシック:抗菌薬のベーシック。INFECTION CONTROL 12: 50-56, 2003. 77. 鈴木富雄:レジデント新人研修 Part II:初めての当直∼病棟編:発熱を見たら。臨床研修プラクティス 1: 99-102, 2004. 78. 徳山秀樹:基本的臨床能力への招待:小外科入門(1)(2)。診断と治療 90、2002. 79. 徳山秀樹、 伴信太郎:講義のミニマムリクワイアメント−講義内容と魅力ある講義、 内科の立場から−。 胆と膵、 2002. ─ 377 ─ 健康社会医学専攻 総合管理医学講座 総 合 医 学 教 育 学 (医学部附属総合医学教育センター) Ⅰ 教室の沿革・特色 医学部附属総合医学教育センター(以下、センター)は 2005 年 8 月 1 日に設置され活動を開始したばかりであ り、現時点では大学院生の受け入れ態勢は整ってはいない。設置に至る経緯を概説すれば、当センターは旧附属 病院卒後臨床研修センターを基盤としている。一方で、独立行政法人化後の中期目標達成のために附属病院に設 置された「臨床教育サブワーキング」において策定された活動方針を踏襲している。それによれば、センターは 医学部と附属病院における、すべての職種の卒前、卒後、そして生涯教育の統括的役割が期待されている。研究 という観点で言えば、医学教育自体を対象とする研究が将来的には求められる。 業務(活動)内容は、 1.医学科・保健学科合同の共通教育カリキュラムの作成、教員能力開発(Faculty Development) 、および臨 床実習の在り方の検討 2.附属病院における卒後研修(特に医師および歯科医師)の実施と管理 3.病院職員教育、特に「救急救命蘇生」 「接遇」などの共通教育ユニットの実施と管理 4.教育資源管理、特にスキルス・ラボの開発と管理 からなる。 Ⅱ スタッフ 教 授 植 村 和 正(医学博士) Ⅲ 研究分野・内容 現在医学教育分野における研究は以下のテーマを当面の対象として準備中である。 1.終末期医療における臨床倫理教育のための教材作成とその成果 2.痴呆患者家族支援のための教育プログラムの開発 3.総合内科学分野における臨床能力育成プログラムの開発 Ⅳ 指導方針など 医学教育に対する考察力や研究心の育成はもちろんであるが、総合内科学、終末期医療、臨床倫理学などの分 野での高い臨床能力の習得を指導方針としたいと考えている。 Ⅴ 大学院生の業績・修了後の進路 現在のところなし ─ 378 ─ 健康社会医学専攻 総合管理医学講座 Ⅵ 過去5年間の代表論文 〈論 文〉 1. 1. Outcomes of written living wills in Japan: a survey of the deceased’s families. Y. Masuda, M. Fetters, E. Muto, N. Mogi, H. Ikari, H. Endo, H. Shimokata, A. Iguchi and K. Uemura. Bioethics Forum. 17(1):41-52, 2001 2. The effects of public long-term care insurance plan on care management and care planning in Japanese geriatric hospitals. Y. Masuda, M. Kuzuya, K. Uemura, R. Yamamoto, H. Endo, H. Shimokata, A. Iguchi. Arch. Gerontol. Geriat. 32:167-177, 2001 3. Noninvolvement of hyperglycemia and hyperleptinemia in the blood pressure increase induced by dietary lard in rats. N. Tamaya-Mori, K. Uemura, S. Yoshioka, M. Ueda, A. Hattori, M. Kuzuya, Y. Ohmoto, M. Muraguchi, J. Nakamura, A. Iguchi. Drugs Exp. Clin. Res. XXVII:177-184, 2001 4. Rise in plasma leptin levels after stimulation of hypothalamic chilinoceptive neurons by neostigmine in rats. M. Ueda, N. Tamaya-Mori, H. Miura, M. Kuzuya, A. Hattori, M. Muraguchi, Y. Ohmoto, A. Iguchi, K. Uemura. Drugs Exp. Clin. Res. XXVII:185-192, 2001 5. Sex difference in the dietary lard-induced increase in blood pressure. Role of testosterone. N. Tamaya-Mori, K. Uemura, A. Iguchi. Hypertension 39:1015-1020, 2002 6. Physicians’ reports on the impact of living wills at the end of life in Japan. Y. Masuda, M. Fetters, A. Hattori, N. Mogi, M. Naito, A. Iguchi, K. Uemura. J. Med. Ethics. 29:248-252, 2003. 7. A study of current admission policies in long-term care facilities in Japan. Y. Hirakawa, Y. Masuda, K. Uemura, J. Onishi, A. Hattori, M. Kuzuya, A. Iguchi. Geriatrics and Gerontology International 3:73-78, 2003 8. Aging accelerates dietary lard-induced increase in blood pressure in rats. N. Tamaya-Mori, K. Uemura, S. Tanaka, A. Iguchi. Exp. Gerontol. 38:905-910, 2003 9. The effect of death education on self-determination in medical treatment in University students. N, Mogi, Y. Masuda, A. Hattori, M. Naito, A. Iguchi, K. Uemura. Geriatrics and Gerontology International 3:200-207, 2003. 10. Effect of long-term care insurance on communication/recording tasks for in-home nursing care services. Y. Hirakawa, Y. Masuda, K. Uemura, M. Kuzuya, A. Iguchi. Arch. Gerontol. Geriat. 38:101-113, 2004 11. Effects of home massage-rehabilitation therapy for the bed-ridden elderly: a pilot trial with a three-month follow-up. Y. Hirakawa, Y. Masuda, T. Kimata, K. Uemura, M. Kuzuya, A. Iguchi. Clinical Rehabilitation 18:1-8, 2004. 12. The relationship between functional disability and depressive mood in Japanese older adult inpatients. J. Onishi, H. Umegaki, Y. Suzuki, K. Uemura, M. Kuzuya, A. Iguchi. J. Geriatr. Psychiatry Neurol. 17:93-98, 2004 13. A qualitative exploration of elderly patients’ preferences for End-of-Life care. A. Hattori, Y. Masuda, M.D. Fetters, K. Uemura, N. Mogi, M. Kuzuya, A. Iguchi. JMAJ (Japan Medical Association Journal) 48:388-397, 2005 14. Age differences in the delivery of cardiac management to women versus men with acute myocardial infarction: an evaluation of the TAMIS-II data. Y. Hirakawa, Y. Masuda,M. Kuzuya, A. Iguchi, T. Kimata, K. Uemura.Intenational Heart Journal 47 (2): in press, 2006 15. Differences in in-hospital mortality between men and women with acute myocardial infarction undergoing percutaneous transluminal coronary angiograoplasty (PTCA) in Japan. Y. Hirakawa, Y. Masuda, T. Kimata, K. Uemura, M. Kuzuya, A. Iguchi. Am. Heart J. in press, 2006 16. The effect of implementing advance directives on care of the dying: A randomized controlled trial in Japanese nursing homes. Canadian Medical Association Journal in press, 2006 17. How elderly people die of nonmalignant pulmonary disease at home. Y. Hirakawa, Y. Masuda, M. Kuzuya, A. Iguchi, and K. ─ 379 ─ 健康社会医学専攻 総合管理医学講座 Uemura. JMAJ (Japan Medical Association Journal) in press, 2006 18. 医学生に対する「高齢者の終末期医療に関する問題」についての意識調査─質的分析法を用いた意識構造の モデル─.益田雄一郎,服部文子,茂木七香,内藤通孝,井口昭久,植村和正. 日本老年医学会雑誌 38 : 212-217, 2001 19. 訪問診療対象高齢患者における在宅死を可能にする因子の検討.服部文子,益田雄一郎,茂木七香,内藤通孝, 井口昭久,植村和正.日本老年医学会雑誌 38 : 399-404, 2001 20. 在宅訪問栄養食事指導制度に対する栄養士の意識調査∼制度の普及促進に関する提言∼.平川仁尚,益田雄 一郎,植村和正,内藤通孝,葛谷雅文,井口昭久.日本老年医学会雑誌 40 : 509−514, 2003 21. 緩和医療の行われていない療養型病床群 2 施設における痴呆性高齢者の終末期医療に関する研究.平川仁尚, 益田雄一郎,木股貴哉,植村和正,葛谷雅文,井口昭久.日本老年医学会雑誌 41 : 99−104, 2004 22.「高齢者の終末期の医療およびケア」に関する日本老年医学会の「立場表明」.植村和正. 日老医誌 41(別冊): 45−47, 2004 23. 癌告知および脳死・臓器移植に関する名古屋大学医学部 5 年生の意識調査.平川仁尚,益田雄一郎,植村和正, 葛谷雅文,木股貴哉,井口昭久.医学教育 36 : 187−192, 2005 24. 全国の医学科・看護学科における終末期医療・看護教育の実態調査 . 平川仁尚,益田雄一郎,植村和正,葛 谷雅文,野口美和子,木股貴哉,井口昭久.日本老年医学会雑誌 42 : 540−545, 2005 25. 高齢重度認知症患者および高齢進行癌患者の在宅終末期ケアに関する研究∼在宅終末期ケアを推進する診療 所群における前向き研究から∼平川仁尚,益田雄一郎,葛谷雅文,井口昭久,旭多貴子,植村和正. 日本老年医学会雑誌 印刷中 . 〈著 書〉 1. 特集:21 世紀における高齢者疾患への展望.21 世紀における高齢者の終末期医療.井口昭久,植村和正. Geriatric Medicine 39(1) : 15-19 ライフサイエンス , 2001 2. 特集:21 世紀における高齢者疾患への展望.21 世紀における在宅医療・在宅看護. 遠藤英俊,三浦久幸, 谷向知,植村和正.Geriatric Medicine 39(1) : 21-24 ライフサイエンス , 2001 3. ADL を保つための老年者糖尿病管理.5.治療における心理的サポート. 植村和正.第 35 回/糖尿病学の 進歩.糖尿病の療養指導 2001, 151−154 診断と治療社 , 2001 4. 第一線の実地医家のための高齢者医療実践ガイド.第 6 章 高齢者の総合医療の進め方.高齢者のターミナ ルケア.植村和正,井口昭久.Medical Practice 19 : 335−337 文光堂 , 2002 5. 日本の医師養成─卒後初期研修プログラムの現状─.日本の特色ある研修プログラム.名古屋大学医学部附 属病院.植村和正,松尾清一.161−168 篠原出版社 , 2003 6. 『老年医療史と展望』 .第 2 章 老年医学研究.─終末期医療─.植村和正.222−225 メジカルビュー社 , 2003 7. 高齢者終末期医療と倫理的問題.植村和正,井口昭久.MR 継続教育用テキストⅡ 倫理 187−195 エルゼ ビア・サイエンス , 2003 8. 高脂肪食の血圧上昇への加齢と性の関与.森(玉谷)典華,植村和正.肥満研究 10 : 210−212, 2004 9. 高齢者基準値ハンドブック.Ⅱ . 各論 B. 耐糖能.植村和正,井口昭久.83−96.中外医学社 , 2005 ─ 380 ─ 健康社会医学専攻 健康増進医学講座 健康栄養医学/健康・スポーツ医学/精神健康医学 〔総合保健体育科学センター保健科学部〕 Ⅰ 教室の沿革・特色 健康増進医学講座は健康栄養医学分野、健康・スポーツ医学分野および精神健康科学分野とに大別される。 昭和 50(1975)年4月、教養部保健体育科と保健管理センターを母体とし、総合保健体育科学センターが発足 した。同センターは、教養科目の「健康・スポーツ科学」の教育と保健管理業務およびそれらに関連する研究 を行っており、保健科学部と体育科学部の 2 科学部から構成されている。健康増進医学は保健科学部(医系) の教員が担当している。大学院発足が平成3(1991)年4月と比較的新しく、大学院生も医系のみならず理学、 農学、工学、体育などの出身者が在籍している。 Ⅱ スタッフ 教 授 近藤 孝晴 医学博士 (健康栄養医学) 押田 芳治 医学博士 (健康・スポーツ医学) 小川 豊昭 医学博士 (精神健康科学) 教 授 大澤 功 医学博士 (健康・スポーツ医学) 石黒 洋 医学博士 (健康栄養医学) 津田 均 医学博士 (精神健康科学) 助 手 小池 輝晃 医学博士 (健康・スポーツ医学) 赤堀 薫子(精神健康科学) 大 学 院 宋 海珍(健康栄養医学)、 Afaf Titouna(健康栄養医学)、 AMELIA VIANA(健康・スポーツ医学)、久保田 正和(健康・スポーツ医学)、 川田 裕樹(健康・スポーツ医学)、 藤田 泰典(健康・スポーツ医学)、 筒井 秀代(健康・スポーツ医学)、 李 ピン(健康・スポーツ医学) 研 究 生 小川 知成(健康栄養医学)、 山根 則夫(健康栄養医学)、 石田 妙美(健康・スポーツ医学)、 和田 昌樹(健康・スポーツ医学)、 戸田 香(健康・スポーツ医学)、 後藤 慎一(健康・スポーツ医学)、 柴田 優子(健康・スポーツ医学)、 酒井 和子(健康・スポーツ医学)、 大須賀恵子(健康・スポーツ医学)、 賈 燕君(健康・スポーツ医学) 助 Ⅲ 研究分野・内容 1.健康栄養医学分野(担当:近藤、石黒) 消化管と膵臓の働きによる栄養素の消化吸収の調節機構を、ヒトを対象として用いた個体レベルおよび実験動 物を用いた細胞レベルで研究している。健常ボランティアを対象として、非侵襲的に消化管輸送機能と消化管内 細菌叢を評価する方法を開発し、身体運動時の消化器症状の発生機序、栄養素と摂食行動の関係、臨床における 有用性を研究している。この中には、呼気中の微量ガス測定による、消化管機能、代謝などの研究も含まれる。 膵臓はインスリンなどの消化管ホルモンを分泌する内分泌組織と、外分泌組織から構成される。外分泌組織は さらに、消化酵素を分泌する腺房細胞と、重炭酸イオンと水を分泌する導管細胞から構成されている。当教室で は、細胞内外の微小空間の各種イオン濃度の変化をモニターすることにより、単離細胞レベルで重炭酸イオンと 水の分泌を測定するシステムを開発し、細胞レベルにおける膵液分泌機構を研究している。また、重炭酸イオン 輸送を担う CFTR クロールチャネルの遺伝子変異・多型と膵炎の発症との関連を研究している。 ─ 381 ─ 健康社会医学専攻 健康増進医学講座 2.健康・スポーツ医学分野(担当:押田、大澤、小池) 肥満症、糖尿病、高血圧症で代表される生活習慣病の主要な病態の一つに、インスリン抵抗性が知られてい る。本研究分野は、インスリン抵抗性の発症メカニズムおよびその対策を明らかにすることで、高齢化社会にお ける生活習慣病の発症防止、進展阻止を究極の目的としている。特に運動療法の有効性の観点から、ヒトを対象 とした介入研究から in vivo の animal study、さらには分子生物学的検討やゲノム解析など、様々な手法を用い て検索を加えている。具体的な研究内容は、以下のごとくである。すなわち、⑴ 高齢者に対するレジスタンス 運動の介入効果、⑵ インスリン抵抗性モデルに対する運動療法の有効性機序̶ in vivo および in vitro の観点か ら−、⑶ 非インスリン依存性糖取込み機構、特に AMPK の観点から、⑷ インスリン抵抗性と一酸化窒素など autocrine 系との関連性、⑸ 肥満症や糖尿病のゲノム解析、⑹ トップアスリートの遺伝的特徴、⑺ 臨床疫学、医 療経済学、臨床決断分析学、などである。⑻ 東洋医学、ことに糖尿病合併症と漢方薬に関する研究、⑼ 加齢が 体組成におよぼす影響、などを行っている。 3.精神健康科学領域(担当:小川、津田) 精神健康科学領域の研究分野では、おもに精神病理学、精神分析学を基盤とした、臨床精神医学研究を行って いる。現在研究されているテーマとしては、生活史にさかのぼる詳細な症例検討にもとづく精神療法の研究、統 合失調症の構造主義的、現象学的な精神病理学、気分障害における病然性格、生活史の役割についての研究、ジェ ンダーと精神医学、 各種精神疾患の病理と同一性形成のあり方の関係についての研究などである。方法としては、 記述的、分析的、実証的、理論的方法などをとりいれている。器質的、精神生理学的研究も、自主的に研究領域 を開拓することができれば可能である。 Ⅳ 指導方針など 大学院生受け入れの条件は、原則として、医学部卒業生は臨床研修修了後が望ましいが、卒業直後でも可。医 学部以外の卒業生も歓迎する。研究者を育てる方針として、各人の創意工夫を生かし、自由に物事を考えること ができる精神を養うことを考慮している。研究テーマは各人の希望にできるかぎり沿うようにしている。また、 大学院生として特に obligation となる事項はないので、研究時間は十分にあり、自由に過ごして良いが、論文の 作成は当然のことながら義務付けられる。 Ⅴ 大学院生の業績(一部) 〈first author の論文〉 1. Gao KP et al.「Effect of lactase preparations in asymptomatic individuals with lactase deficiency--gastric digestion of lactose and breath hydrogen analysis」Nagoya J. Med. Sci. 65: 21-28, 2002. 2. Fujiki K et al.「Genetic evidence for CFTR dysfunction in Japanese: background for chronic pancreatitis」J. Med. Genet. 41(5), e55, 1-6, 2004. 3. Matsuyama, K., “The Clinical Application of Affect Attunement in Music Therapy”, The 3rd Asia-Pacific Symposium on Music Education Research & International Symposium on Gender and Back side falsetto Voice, Vol.2, pp.67-70 4. 松山久美、 「音楽療法における被観察乳児と臨床乳児−乳幼児観察の臨床的有用性−」、音楽心理学音楽療法 研究年報、第 31 巻、pp.44-51 5. 松山久美、 特集 - 諸外国における音楽療法 -「イギリスの音楽療法」、日本音楽療法学会誌、Vol.2- No.1、 pp.13-20 ─ 382 ─ 健康社会医学専攻 健康増進医学講座 6. Matsuyama, K., “The Process of Symbol Formation in Music Therapy” , The 4th Asia-Pacific Symposium on Music Education Research, pp.243-245 7. Role of imaginary companion in promoting the psychotherapeutic process. T.Sawa, H.Oae, T.Ogawa, T.Takahashi. Psychiatry and Clinical Neurosciences. 2004. 58, 145-151 8. 青年期にみられる Imaginary Companion について. 澤たか子、大饗広之、阿比留烈、古橋忠晃.精神神経学 雑誌.2002. 104(3), 210-220 9. The effect of nitric oxide synthase inhibitor on improved insulin action by pioglitazone in high-fructose-fed rats. Koshinaka K et al. Metabolism. 53(1) 22-27. 2004. 10. Effects of Keishi-ka jutsubu-to (traditional herbal medicine: Gui-zhi-jia-shu-fu-tang) on in vivo insulin action in streptozotocin-induced diabetic rats. Qin B et al. Life Science. 73. 2687-2701. 2003 11. Exercise training prevents maturation-induced decreases in insulin receptor substrate-1 and phosphatidylinositol 3-kinase in rat skeletal muscle. Nagasaki M et al. Metabolsim 49:1-7, 2000. 12. Mitochondrial ATPase subunit 6 and cytochrome b gne polymorphisms in young obese adults. Fuku N etal. Biochem. Biophys. Res. Com., 290. 1199-1205. 2002 13. Rat C peptide I and II stimulate glucose utilization in STZ-induced diabetic rats. Li L et al. Diabetologia. 42:958-964,1999. 14. The association of physical activity level characteristics and other lifestyles with obesity in Nagoya University alumni, Japan. Fujii T et al. Scand. Med.Sci.Sports 8:57-62,1998. 15. Regional difference in lipolysis caused by a �-adrenergic agonist as determined by the microdialysis technique. Iwao N et al. Acta.Physiol.Scand.161:481-487,1997. 16. Effect of C-peptide administration on whole body glucose utilization in STZ-induced diabetic rats. Wu W et al. Acta.Physiol. Scand.157:253-258,1996. 17. Exercise training prevents maturation-induced decrease in insulin sensitivity. Nakai N et al. J.Appl.Physiol.80:1963-1967,19 96. 18. Effects of daily voluntary running on in vivo insulin action in rat skeletal muscle and adipose tissue as determined by the microdialysis technique. Yang W-P et al. Int.J.Sports Med.16:99-104,1995. 19. Effects of meal frequency on body composition during weight control in boxers. Iwao S et al. Scand.J.Med.Sci.Sports. 6:265-272,1996. 〈学会発表〉 1. 松山久美 ,「音楽療法が提供する表現空間−分離の外傷体験が重症化させる発達障害児の症例について−」 、 日本芸術療法学会 , 福岡 , 2. Matsuyama, K. “Influence of Autistic States on Children with Autism and Their Siblings”, 6th European Music Therapy Congress , University of Jyvaskyla, Finland, proceedings pp77-78 3. 伊藤容子:3人の不登校児を抱えた母親の精神療法 . 第 48 回日本精神分析学会 ,2002 4. 伊藤容子:治療空間とスーパービジョン空間の連動について ―強迫女性の窮屈という言葉を通してー . 第 49 回日本精神分析学会 , 2003 5. 伊藤容子: 中年女性の慢性抑うつー背後にある要因 . 第 1 回日本うつ病学会 , 2004 6. Hypoxia- and nitric oxide- stimulated skeletal muscle glucose uptake is impaired in high fat fed rats. Koshinaka K et al. American Diabetes associated 63rd Scientific Sessions, New Orleans, USA, 2004 ─ 383 ─ 健康社会医学専攻 健康増進医学講座 7. Mitochondrial genome polymorphisms of ATP8 genes associated with endurance performance in Japanese runners. Takeyasu T et al. 12th International Biochemistry of Exercise Conference, Maastricht, The Netherland, 2004 8. Effect of endurance training on extracellular superoxide dismutase in human plasma. Nakao C et al. the 1999 ACSM Annual Meeting, Washington, U.S.A.,1999. 9. The effect of daily physical activity on fat distribution. Kajioka T et al. 8th International Congress on Obesity, Paris, 1998. 10. Daily voluntary running increases insulin-stimulated lactate formation in rat skeletal muscle and adipose tissue. Yang W-P et al. 5th International Course and Conference on Physiological Chemistry and Nutrition of Exercise and Training, Beijing, China, 1995. 10. Effects of aging and physical exercise on insulin sensitivity and GLUT-4 content in skeletal muscle plasma membrane. Nakai N et al. Amirican College of Sports Medicine, 1995 Annual Meeting Minneapolis, Minnesota, 1995. Ⅵ 大学院修了者の進路(判明分、一部) 三井 隆弘(平成 12 年 3 月修了) :名古屋大学総合保健体育科学センター共同研究者 Gao Kai-Ping(平成 15 年 3 月修了) :名古屋大学大学院医学系研究科附属神経疾患・腫瘍分子医学研究センター 研究員 藤木 理代(平成 16 年 3 月修了) :Department of Gastroenterology, Massachusetts General Hospital (Postdoctoral fellow) 澤 たか子:名古屋大学精神医学教室 楊 衛平(平成7年3月修了) :愛知淑徳大学健康科学教育センター教授 呉 イ(平成 7 年 3 月修了) :香港にて開業 藤井 輝明(平成 8 年 3 月修了): 熊本大学医療技術短期大学部看護学科教授 岩尾 智(平成 8 年 3 月修了): 愛知医科大学医学部衛生学教室講師 中井 直也(平成 9 年 3 月修了): 三重大学医学部生化学講座助手 岩尾 暢子(平成 10 年 3 月修了): 愛知医科大学寄付講座助教授 梶岡多恵子(平成 11 年 3 月修了): 愛知学院大学心身科学部助教授 李 玲(平成 11 年 3 月修了): 中国医科大学助教授 中尾千登世(平成 12 年 3 月修了): 国立長寿医療研究センター分子遺伝学研究部流動研究員 福春道太郎(平成 12 年 3 月修了): 学校法人河合塾英語科講師 長崎 大(平成 13 年 3 月修了): 愛知学院大学心身科学部講師 韓 艶清(平成 13 年 3 月修了): 名古屋大学総合保健体育科学センター外国人研究員 北村伊都子(平成 13 年 3 月修了): 国立長寿医療研究センター疫学研究部流動研究員 北越 香織(平成 13 年 3 月修了): 名古屋文理大学助手 福 典之(平成 14 年 3 月修了) :科学振興財団研究員 柴田 優子(平成 14 年 3 月修了): 名古屋大学総合保健体育科学センター研究生 越中 敬一(平成 16 年 3 月修了) :日本学術振興会特別研究員 福田 博美(平成 16 年 3 月満了) :愛知教育大学助手 秦 伯林(平成 16 年 3 月修了) :名古屋大学総合保健体育科学センター外国人研究員 教職を希望する場合は、可能な限り関係方面に問い合わせ、斡旋を行う(新しい分野の為、可能性は少なくな い) 。留学先もコンタクトをもつ大学、研究所が欧・米・豪に多数あり、本人の希望次第。医師では臨床に戻る ことも可能。 ─ 384 ─ 健康社会医学専攻 健康増進医学講座 Ⅶ 過去5年間の代表論文・著書 1. Aspekte seelischen Krankseins. (hrsg. v. Heinze M, Kupke Chr, Kurth Chr) Königshausen und Neumann, Würzburg S.207-220, 2002 2. Tsuda H, Utsumi T, Heinze M: Die gegenwärtige Situation der japanischen Psychopathologie. Nervenarzt 74 : 1025-1029, 2003 3. 押田芳治、佐藤祐造:運動療法のやり方と効果,Metabolic syndrom:診断と治療の進歩,日本内科学会雑誌, 93 (4),726-732,2004 4. 2.Koshinaka .K, Y. Oshida, et al : Insulin-nonspecific reduction in skeletal muscle glucose transport in high-fat-fed rats. Metabolism. 53(7). 913-918. 2004 5. Ohsawa I, Oshida Y, et al : Subjective health values of individuals with diabetes in Japan: comparison of utility values with the SF-36 scores.Diabetes Research and Clinical Practice. 62. 9-16. 2003 6. Kitakoshi K, Oshida Y, et al : Effects of troglitazone and voluntary running on insulin resistance induced high fat diet in the rat. Horm. Metab. Res. 33(6). 365-369. 2001 7. Oshida Y, et al : Nitric oxide decreases insulin resistance induced by high- fructose feeding. Horm. Metab. Res. 32(9). 339-342. 2000 8. Kimura S, Sato T, Takahashi T et al: Typus Melancholicns and the temperament and character inventory personality dimensions in patients with major depression. Psychiatry and Clinical Neurosciences 54:181-189,2000. 9. Kondo T, Ishiguro H, Mitsui T, Gao KP, Fujiki K et al: Assessment of colnic fermentation by hydrogen release from skin. Am. J. Gastroenterol. 97: 1271-2, 2002. 10. Mitsui T, Kondo T: Assessing nitrate metabolism in the intestinal tract by measuring breath nitric oxide and nitrous oxide, and its clinical significance. Clin. Chim. Acta. 319: 57-62, 2002. 11. Ishiguro H, Kondo T et al: Chloride transport in microperfused interlobular ducts isolated from guinea-pig pancreas. J. Physiol. 539: 175-89, 2002. 12. Ishiguro H, Kondo T et al: Membrane potential and bicarbonate secretion in isolated interlobular ducts from guinea-pig pancreas. J. Gen. Physiol. 120: 617-28, 2002. ─ 385 ─ 健康社会医学専攻 疫学講座 健康社会医学系 疫学 〔愛知県がんセンター研究所疫学・予防部〕 Ⅰ 教室の沿革・特色 愛知県がんセンター研究所は昭和 39 年にがんセンターが発足して以来、がんの疫学研究に取り組んできた。昭 和 45 年に疫学部は新たに独立して青木国雄部長(名古屋大学名誉教授、 愛知県がんセンター名誉総長)が赴任し、 研究スタッフも7名(研究員5名、技師2名)となり研究領域や研究課題数も増加した。青木部長は国内のみな らず海外との共同研究を通じて、消化器、呼吸器、造血器などのがんを中心に幅広い疫学研究を展開してきた。 昭和 54 年には米国で近代疫学を長年研鑽した富永祐民部長(愛知県がんセンター名誉総長)を迎え、疫学研究の 方法論の充実化、地域がん登録や人口動態統計を用いた記述疫学研究の推進、多部位のがんの要因探索のための 分析疫学研究、二次予防としてのがん検診の効果評価など、疫学研究としての布陣が整ってきた。平成2年から 田島和雄部長が引き継ぎ、平成 10 年度から名古屋大学大学院の連携講座となり、平成 11 年度に疫学を専攻する 大学院生が入学した。平成 12 年度には研究所の組織改革に伴い、疫学部はがん疫学研究室とがん予防研究室の2 室構成となり、疫学・予防部と改名された。その後は国際共同研究や病院疫学研究を強化し、一方では分子生物 学など基礎研究の技術も取り入れ、個体の発がん感受性を考慮した予防医療を目指し、発がんにおける環境・宿 主交互作用の解明のための分子疫学研究を推進している。 現在の主な研究課題は、1)がんの罹患・死亡変動に関する記述疫学的研究:特に愛知県地域がん登録の精度 向上へ向けた研究、2)主要部位のがんの危険、防御要因に関する病院疫学研究と地域住民のがん予防への応用、 3)がん予防のための行動変容を図っていく予防試験、4)がんの遺伝子環境交互作用を探索するための多面的 症例対照研究、5)環太平洋諸国における消化管がんの環境、宿主要因に関する民族疫学的、分子疫学的研究な どとなっているが、時代のニーズにあった新しい国内外の疫学研究の展開を常に目指している。なお、名古屋大 学の他の講座を専攻する大学院生および他大学の大学院生も研究生として加わり、学位取得のための疫学研究に 専念している。これまでの過去5年間に7名以上が学位を取得し、3名は当部のスタッフとして疫学、予防研究 に携わっている。また、疫学・予防部は発足して以来、すでに8名の教授を国内外に輩出してきた。 Ⅱ スタッフ 部 長 田島 和雄(教授 , 1999~) 室 長 若井 建志(助教授 , 2003~) 主 任 研 究 員 広瀬かおる 研 究 員 松尾恵太郎、 伊藤秀美 技 師 斉藤 敏子 大 学 院 生 池原 早苗(名古屋大学大学院 疫学) 研 究 生 栗木 清典(日本学術振興会特別研究生) 天野 幸輔(昭和大学医学部公衆衛生学研修生) 楊 春 霞(日中医学協会特別奨学生、四川大学疫学講座) Ⅲ 研究分野・内容 当部は一般の大学の教室と異なり学部学生に対する教育の義務はないが、その分だけ研究業績に対する責務が 大きい。そこで、当部における大学院生は研究者として自立できるように疫学の専門家としての素養を身につけ ─ 386 ─ 健康社会医学専攻 疫学講座 ることに力点をおいて研修体制を組んでいる。ここでは研究対象となる疾病をがんとしているが、がんの疫学研 究は多くの生活習慣病にも応用できると自負している。研修カリキュラムとして、第一年次は疫学研究の哲学や 方法論、さらに資料解析に必要な生物統計学を研修する。さらに、専門雑誌の読み方を体得しながら、初歩的な 疫学研究を手がける。第二年次には研究に専念し、その成果を国際的な学術雑誌に報告できる論文作成技術を訓 練する。第三年次と四年次は、疫学の研究理念に基づいて研究技術と応用研究をさらに研鑽する。 次に具体的な研修内容を紹介するために、当研究部における主要な2課題を取り上げ、それぞれについて簡単 に紹介する。 1)がん専門病院における大規模病院疫学研究:県民のがん予防に役立つ情報を構築するため、全新来患者を 対象に質問書を用いた生活習慣の実態調査を継続している。それらの研究協力者をがんと非がんの二群に 分け、両者間で生活習慣の特性を比較し、主ながんの要因を明らかする。さらに宿主要因としての遺伝子 の情報を組み合わせて、環境・宿主の相互作用を明らかにし、将来的に効率的な予防対策に資する。 2)消化管がんの環境・宿主要因に関する日・中・韓三国共同研究:アジア東北地域のがん予防対策に役立つ 国際共同研究を展開しながら三国の文化的友好交流にも貢献する。すでに、三国間で標準化した半定量的 食物摂取頻度調査票の開発をすすめており、一方では、三国協力による遺伝学的な背景を考慮に入れた民 族疫学研究を展開している。 疫学は、人の生き様の中から特定疾病の要因を探索し、防御要因の補強と危険要因の除去による疾病予防戦術 を図り、その効果を科学的に評価し、最終的に要因を実証していく、という一連の流れに載った研究を進めてい る。大陸を流れる大河が古代から悠久と流れ続けているように、人間の生き様には始めも終わりもなく、疫学は 人類が滅亡しない限り永遠に続くものである。私たちはその長い歴史の一通過点に登場する機会を得たことによ り、人間の生き様を観察し、予防のための試みを行うために試行錯誤している。その努力が人類に如何ほどの影 響を与え得るものかは歴史がその時々に判断してくれるが、疫学の最終ゴールである予防研究へ邁進するよう互 いに切磋琢磨していく。 Ⅳ 大学院生の業績 1. Matsuo K, et al.: Helicobacter pylori IgG antibody test established in the United States showed a substantially lower sensitivity for Japanese population. Am J Gastroenterol. 95: 1597-1598 (2000). 2. Matsuo K, et al.: Hospital capacity and post-transplant survival after allogeneic marrow transplantation: analysis of data from Japana Society for Hematopoietic Cell Transplantation. Bone Marrow Transplant 26: 1061-1067 (2000). 3. Matsuo K et al.: Alcohol, smoking, and dietary status and susceptibility to malignant lymphoma in Japan: Results of a hospital-based case-control study at Aichi Cancer Center. Jpn J Cancer Res 92: 1011-1017 (2001). 4. Matsuo K, et al.: Gene-environment interaction between an aldehyde dehydrogenase-2 (ALDH2) polymorphism and alcohol consumption for the risk of esophageal cancer. Carcinogenesis 22: 913-916 (2001). 5. Matsuo K,.et al.: Possible risk reduction in esophageal cancer associated with MPO -463 A allele. J Epidemiol 11: 109-114 (2001). 6. Matsuo K, et al.: No substantial difference in genotype frequencies of interleukin and myeloperoxidase polymorphsisms between malignant lymphoma patients and non-cancer controls. Haematologica 86: 602-608 (2001). 7. Matsuo K, et al.: Association between folate and methionine related polymorphisms and malignant lymphoma risk. Blood 97: 3205-3209 (2001). 8. Matsuo K, et al.: Better ROC curves for a regionally developed Helicobacter pylori antibody test. Asian Pacific J Cancer Prev 2: 155-156 (2001). ─ 387 ─ 健康社会医学専攻 疫学講座 9. Matsuo K, et al.: A possible gene-environment interaction: the aldehyde dehydrogenase 2 (ALDH2) genotype and alcohol consumption for the risk of rectal cancer. J Epidemiol 12: 70-76 (2002). 10. Huang XE, et al.: Effect of life styles on the risk of subsite-specific gastric cancer in those with and without family history. J Epidemiol 9: 40-45 (1999). 11. Huang XE, et al.: Comparison of lifestyle and risk factors among Japanese with and without gastric cancer family history. Int J Cancer 86: 421-424 (2000). 12. Huang XE, et al.: Effects of dietary, drinking, and smoking habits on the prognosis of gastric cancer. Nutr Cancer 38: 30-36 (2000). 13. Huang XE, et al.: Possible association of β2- and β3- adrenergic receptor gene polymorphisms with susceptibility to breast cancer. Breast Cancer Res 3: 264-269 (2001). 14. Ito H, et al.: Valid responses to ABO blood type question in self-reporting questionnaire. Asian Pacific J Cancer Prev 2: 315-317 (2001). 15. Ito H, et al.: A limited association of hOGG1 Ser326Cys polymorphism for adenocarcinoma of the lung. J Epidemiol 12:256-265, 2002. 16. Ito, H., Hamajima, N., Matsuo, K., Okuma, K., Sato, S., Ueda, R. and Tajima, K.: Monoamine oxidase polymorphisms and smoking behaviour in Japanese. Pharmacogenetics 13:73-79, 2003. 17. Hishida, A., Hamajima, N., Iwata, H., Matsuo, K., Hirose, K., Emi, N. and Tajima, K.: Re: Population-based, case-control study of HER2 genetic polymorphism and breast cancer risk. J. Natl. Cancer Inst. 94:1807-1808, 2002. 18. Hishida, A., Matsuo, K., Hamajima, N., Ito, H., Ogura, M., Kagami, Y., Taji, H., Morishima, Y., Emi, N. and Tajima, K.: Polymorphism in the hMSH gene (gIVS 12-6T-->C) and risk of malignant lymphoma in a Japanese population. Cancer Genet. Cytogenet. 147:71-74, 2003. Ⅴ 過去5年間の代表論文 国内、国際研究の報告論文(1999-2003 年に報告した 169 編の主要論文抜粋) 《国内研究》 1. Tajima, K., Hirose, K., Inoue, M., Takezaki, T. and Hamajima, N.: Exercise and cancer prevention: study from hospitalbased Epidemiologic research program at Aichi Cancer Center (HERPACC), in “Exerxise for Preventing Common Diseases” eds., Tanaka, H. and Shindo, M., pp 98-108, Springer, Tokyo, 1999. 2. Hirose, K., Tajima, K., Hamajima, N., Takezaki, T., Inoue, M., Kuroishi,T., Miura, S. and Tokudome, S.: Effect of body size on breast-cancer risk among Japanese women. Int. J. Cancer 80: 349-355, 1999. 3. Inoue, M., Tajima, K., Yamamura, Y., Hamajima, N., Hirose, K., Nakamura, S., Kodera, Y., Kito, T. and Tominaga, S.: Influence of habitual smoking on gastric cancer by histologic subtype. Int. J. Cancer, 81: 39-43, 1999. 4. Hirose, K., Tajima, K., Hamajima, N., Kuroishi, T., Kuzuya, K., Miura, S. and Tokudome, S.: Comparative case-referent study of risk factors among hormone-related female cancers in Japan. Jpn. J. Cancer Res. 90:255-261, 1999. 5. Hamajima, N., Tajima, K., Tominaga, S., Matsuura, A., Kuwabara, M. and Okuma, K.: Tea polyphenol intake and changes in serum pepsinogen levels. Jpn. J. Cancer Res. 90: 136-143, 1999. 6. 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Mizutani, M., Iwase, T., Miura, S., Okuma, K., Ohashi, K. and Tajima, K.: No association of the 5' promoter region polymorphism of CYP17 with breast cancer risk in Japan. Jpn. J. Cancer Res. 91:880-885, 2000. 11. Inoue, M., Tajima, K., Matsuura, A., Suzuki, T., Nakamura, T., Ohashi, K., Nakamura, S. and Tominaga, S.: Severity of chronic atrophic gastritis and subsequent gastric cancer occurrence: a 10-year prospective cohort study in Japan. Cancer Letters 161:105-112, 2000. 12. Tajima, K., Hirose, K., Inoue, M., Takezaki, T., Hamajima, N. and Kuroishi, T.: A model of practical prevention for outpatients visiting hospital: the hospital-based Epidemiologic research program at Aichi Cancer Center (HERPACC): Asian Pac. J. Cancer Prev. 1:35-47, 2000. 13. Hamajima, N., Matsuo, K., Saito, T., Hirose, K., Inoue, M., Takezaki, T., Kuroishi, T. and Tajima, K.: Gene-environment interactions and polymorphism studies of cancer risk in the Hospital-based Epidemiologic Research Program at Aichi Cancer Center II (HERPACC-II). Asian Pac. J. Cancer Prev. 2:99-107, 2001. 14. Hamajima, N., Matsuo, K., Tajima, K., Mizutani, M., Iwata, H., Iwase, T., Miura, S., Oya, H. and Obata, Y.: Limited association between a catechol-O-methyltransferase (COMT) polymorphism and breast cancer risk in Japan. Int. J. Clin. Oncol. 6:13-18, 2001. 15. Hamajima, N. and Matsuo, K.: Subtle instruction to quit smoking may be efficacious for certain smokers. Asian Pac. J. Cancer Prev. 1:257-258, 2000. 16. Takezaki, T., Hirose, K., Inoue, M., Hamajima, N., Yatabe, Y., Mitsudomi, T., Sugiura, T., Kuroishi, T. and Tajima, K.: Dietary factors and lung cancer risk in Japanese: with special reference to fish consumption and adenocarcinomas. Br. J. Cancer 84:1199-1206, 2001. 17. Hamajima, N., Matsuo, K., Saito, T., Tajima, K., Okuma, K., Yamao, K. and Tominaga, S.: Interleukin 1 polymorphisms, lifestyle factors, and Helicobacter pylori infection. Jpn. J. Cancer Res. 92:383-389, 2001. 18. Hamajima, N., Matsuo, K., Suzuki, T., Nakamura, T., Matsuura, A., Tajima, K. and Tominaga, S.: Low expression myeloperoxidase genotype negatively associated with Helicobacter pylori infection. Jpn. J. Cancer Res. 92:488-493, 2001. 19. Hamajima, N., Katsuda, N., Matsuo, K., Saito, T., Ito, L.S., Andom M., Inouem, M., Takezaki, T. and Tajima, K.: Smoking habit and Interleukin 1B C-31T polymorphism. J. Epidemiol. 11:120-125, 2001. 20. Inoue, M., Tajima, K., Mizutani, M., Iwata, H., Iwase, T., Miura, S., Hirose, K., Hamajima, N. and Tominaga, S.: Regular consumption of green tea and the risk of breast cancer recurrence: follow-up study from the hospital-based Epidemiologic research program at Aichi Cancer Center (HERPACC), Japan. Cancer Lett. 167:175-182, 2001. 21. Takezaki, T., Hamajima, N., Matsuo, K., Tanaka, R., Hirai, T., Kato, T., Ohashi, K. and Tajima, K.: Association of polymorphisms in the beta-2 and beta-3 adrenoceptor genes with risk of colorectal cancer in Japanese. Int. J. Clin. Oncol. 6:117-122, 2001. 22. Hirose, K., Tajima, K., Hamajima, N., Takezaki, T., Inoue, M., Kuroishi, T., Miura, S. and Tokudome, S.: Association of family history and other risk factors with breast cancer risk among Japanese premenopausal and postmenopausal women. Cancer Causes Control 12:349-358, 2001. ─ 389 ─ 健康社会医学専攻 疫学講座 23. Inoue, M., Ito, L., Tajima, K., Yamamura, Y., Kodera, Y., Takezaki, T., Hamajima, N., Hirose, K., Kuroishi, T. and Tominaga, S.: Height, weight, menstrual and reproductive factors and risk of gastric cancer among Japanese postmenopausal women: analysis by subsite and histologic subtype. Int. J. Cancer 97:833-838, 2002. 24. Hamajima, N., Matsuo, K., Watanabe, Y., Suzuki, T., Nakamura, T., Matsuura, A., Yamao, K., Ohashi, K. and Tominaga, S.: A pilot study to evaluate stomach cancer risk reduction by Helicobacter pylori eradication. Am. J. Gastroenterol. 97:764-765, 2002. 25. Hamajima, N., Matsuo, K., Iwata, H., Shinoda, M., Yamamura, Y., Kato, T., Hatooka, S., Mitsudomi, T., Suyama, M., Kagami, Y., Ogura, M., Ando, M., Sugimura, Y. and Tajima, K.: NAD(P)H: quinone oxidoreductase 1 (NQO1) C609T polymorphism and the risk of eight cancers for Japanese. Int. J. Clin. Oncol. 7:103-108, 2002. 26. Hamajima, N., Saito, T., Matsuo, K. and Tajima, K.: Competitive amplification and unspecific amplification in polymerase chain reaction with confronting two-pair primers. J. Mol. Diagn. 4:103-107, 2002. 27. Hamajima, N., Matsuo, K., Suzuki, T., Nakamura, T., Matsuura, A., Hatooka, S., Shinoda, M., Kodera, Y., Yamamura, Y., Hirai, T., Kato, T. and Tajima, K.: No associations of p73 G4C14-to-A4T14 at exon 2 and p53 Arg72Pro polymorphisms with the risk of digestive tract cancers in Japanese. Cancer Lett. 181:81-85, 2002. 28. Hamajima, N., Hirose, K., Tajima, K., et al: Alcohol, tobacco and breast cancer-collaborative reanalysis of individual data from 53 Epidemiological studies, including 58, 515 women with breast cancer and 95, 067 women without the disease. Br. J. Cancer 87:1234-1245, 2002. 29. Hirose, K., Hamajima, N., Takezaki, T., Miura, S. and Tajima, K.: Physical exercise reduces risk of breast cancer in Japanese women. Cancer Sci. 94:193-199, 2003. 30. Hamajima, N., Katsuda, N., Matsuo, K., Saito, T., Hirose, K., Inoue, M., Takezaki, T., Tajima, K. and Tominaga, S.: High anti-Helicobacter pylori antibody seropositivity associated with the combination of IL-8-251TT and IL-10-819TT genotypes. Helicobacter 8:105-110, 2003. 31. Huang, X.-E., Hamajima, N., Katsuda, N., Matsuo, K., Hirose, K., Mizutani, M., Iwata, H., Miura, S., Xiang, J., Tokudome, S. and Tajima, K.: Association of p53 Arg72Pro and p73 G4C14-to-A4T14 at exon 2 genetic polymorphisms with the risk of Japanese breast cancer. Breast Cancer 10:307-11, 2003. 32. Inoue, M., Tajima, K., Takezaki, T., Hamajima, N., Hirose, K., Ito, H. and Tominaga, S.: Epidemiology of pancreatic cancer in Japan: nested case-control study from the hospital-based Epidemiologic research program at Aichi Cancer Center (HERPACC). Int. J. Epidemiol. 32: 257-62, 2003. 33. Hirose, K., Takezaki, T., Hamajima, N., Miura, S. and Tajima, K.: Dietary factors protective against breast cancer in Japanese premenopausal and postmenopausal women: Int. J. Cancer 107:276-282, 2003. 34. Kuriki, K., Nagaya, T., Tokudome, Y., Imaeda, N., Fujiwara, N., Sato, J., Goto, C., Ikeda, M., Maki, S., Tajima, K. and Tokudome, S.: Plasma concentrations of (n-3) highly unsaturated fatty acids are good biomarkers of relative dietary fatty acid intakes: a cross-sectional study. J. Nutr. 133:3643-50, 2003. 35. Takezaki, T., Inoue, M., Hataoka, H., Ikeda, S., Yoshida, M., Ohashi, Y., Tajima, K. and Tominaga, S.: Diet and lung cancer risk from a 14-year population-based prospective study in Japan: with special reference to fish consumption. Nutr. Cancer 45:160-167, 2003. 36. Wakai K, Hayakawa N, Kojima M, Tamakoshi K, Watanabe Y, Suzuki K, Hashimoto S, Tokudome S, Toyoshima H, Ito Y, Tamakoshi A for the JACC Study Group. Smoking and colorectal cancer in a non-Western population: a prospective cohort study in Japan. J Epidemiol 13: 323-332, 2003. 《国際研究》 1. Tajima, K. and Takezaki, T.: Human T-cell leulkemia virus type I.: Human T-cell Leukemia Virus “Infections and Human Cancer, Cancer Survey” Vol. 33, eds., R. Newton, V. Veral and R.A. Weiss, Cold Springer Harbor Laboratory Press, US, pp. 191-212, 1999. 2. Li, H.C., Fujiyoshi, T., Lou, H., Yashiki, S., Sonoda, S., Cartier, L., Nunez, L., Munoz, I., Horai, S. and Tajima, K.: The ─ 390 ─ 健康社会医学専攻 疫学講座 presence of ancient human T-cell lymphotropic virus type I provirus DNA in an Andean mummy. Nature Med. 5:1428-1432, 1999. 3. Fujiyoshi, T., Li, H.-C., Lou, H., Yashiki, S., Karino, S., Zaninovic, V., Guillen, S., Camacho, M., Andrade, R., Hurtado, L.V., Gomez, L.H., Damiani, E., Cartier, L.,Dipierri, J.E., Hayami, M., Sonoda, S. and Tajima, K.: Characteristic distribution of HTLV type I and HTLV type II carriers among native ethnic groups in south America. Aids Res. Hum. Retroviruses 15:1235-1239, 1999. 4. Yoo, K.-Y., Tajima, K., Inoue, M., Takezaki, T., Hirose, K., Park, S.-K., Kang, D.-H., Kato, T. and Hirai, T.: Reproductive factors related to the risk of colorectal cancer by subsite: a case-control analysis. Br.J.Cancer 79:1901-1906, 1999. 5. Gao, C.-M., Takezaki, T., Ding, J-H., Li, M.-S., Tajima, K.: Protective effect of allium vegetables against both esophageal and stomach cancer: a simultaneous case-referent study of a high-epidemic areas in Jiangsu Province, China. Jpn. J. Cancer Res. 90:614-621, 1999. 6. Sugimura, H., Kohno, T., Wakai, K., Nagura, K., Genka, K., Igarashi, H., Morris, B.J., Baba, S., Ohno, Y., Gao, C.-M., Li, Z.-Y., Wang, J.-D., Takezaki, T., Tajima, K., Varga, T., Sawaguchi, T., Lum, K.-J., Martinson, J.J. Tsugane, S., Iwamasa, T.,Shinmura, K. and Yokota, J.: hOGG1 Ser326Cys polymorphism and lung cancer susceptibility. Cancer Epidemiol. Biomarkers Prev. 8:669-674, 1999. 7. Ohkura, S., Yamashita, M., Cartier,L., Tanabe,DG, Hayami, M., Sonoda, S. and Tajima, K.: Identification and phylogenetic characterization of a human T-cell leukemia virus type I isolate from a native inhabitant(Rapa Nui) of Easter Island. J. General Virol. 80:1995-2001,1999. 8. Takezaki, T., Gao, C.-M., Ding, J., Liu, T., Li, M. and Tajima, K.: Comparative study of lifestyles of residents in high and low risk areas for gastric cancer in Jiangsu Province, China; with special reference to allium vegetables. J. Epidemiol. 9: 297-305, 1999. 9. 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Zhao, S.-M., Li, H.-C., Lou, H., Lu, X.-X., Yu, X.-F., Gao, D.-H., Hu, J., Chiba, H., Takezaki, T., Yashiki, S., Fujiyoshi, T., Sonoda, S. and Tajima, K.: High prevalence of HBV in Tibet, China. Asian Pac. J. Cancer Prev. 2:299-304, 2001. 16. Gao, C.-M., Takezaki, T., Wu, J., Li, Z., Wang, J.-D., Ding, J., Liu, Y., Hu, X., Xu, T., Tajima, K. and Sugimura, H.: Interaction between cytochrome P450 2E1 polymorphisms and environmental factors with risk of esophageal and stomach cancers in Chinese. Cancer Epidemiol. Biomarkers Prev. 11:29-34, 2002. 17. Gao, C.-M., Takezaki, T., Wu, J.-Z., Li, Z.-Y., Liu, Y.-T., Li, S.-P., Ding, J.-H., Su, P., Hu, X., Xu, T.-L., Sugimura, ─ 391 ─ 健康社会医学専攻 疫学講座 H. and Tajima, K.: GSTM1 and GSTT1 genotype, smoking, consumption of alcohol and tea and risk of esophageal and stomach cancers: a case-control study of a high-incidence area in Jiangsu Province, China. Cancer Lett. 188:95-102, 2002. 18. Takezaki, T., Gao, C.-M., Wu, J.-Z., Li, Z.-Y., Wang, J.-D., Ding, J.-H., Liu, Y.-T., Hu, X., Xu, T.-L., Tajima, K. and Sugimura, H.: The hOGG1 ser326cys polymorphism and modification by environmental factors of stomach cancer risk in Chinese. Int. J. Cancer 99:624-627, 2002. 19. Uno, M., Hamajima, N., Ito, L.S., Oba, S.M., Marie, S.K.N., Shinjo, S.K., Onda, H., Saito, T., Takezaki, T., Tajima, K. and Tominaga, S.: Helicobacter pylori seropositivity and IL-1B C-31T polymorphism among Japanese Brazilians. Int. J. Mol. Med. 10:321-326, 2002. 20. Choi, J.-Y., Abel, J., Neuhaus, T., Ko, Y., Harth, V., Hamajima, N., Tajima, K., Yoo, K.-Y., Park, S.-K., Noh, D.-Y., Han, W., Choe, K.-J., Ahn, S.-H., Kim, S.-U., Hirvonen, A. and Kang, D.-H.: Role of alcohol and genetic polymorphisms of CYP2E1 and ALDH2 in breast cancer development. Pharmacogenetics 13:67-72, 2003. 21. Ito, L.S., Inoue, M., Tajima, K., Yamamura, Y., Kodera, Y., Hirose, K., Takezaki, T., Hamajima, N., Kuroishi, T. and Tominaga, S.: Dietary factors and the risk of gastric cancer among Japanese women: a comparison between the differentiated and non-differentiated subtypes. Ann. Epidemiol. 13:24-31, 2003. 22. Wang, Y.-M., Mo BQ, Takezaki, T., Imaeda, N., Kimura, M., Wang, X.-R., Tajima, K.: Geographical variation in nutrient intake between urban and rural areas of Jiangsu Province, China and development of a semi-quantitative food frequency questionnaire for middle-aged inhabitants. J. Epidemiol. 13:80-89, 2003. 23. Choi, J.-Y., Hamajima, N., Tajima, K., Yoo, K.-Y., Yoon, K.-S., Park, S.-K., Kim, S.U., Lee, K.-M., Noh, D.-Y., Ahn, S.-H., Choe, K.-J., Han, W., Hirvonen, A. and Kang, D.-H.: hOGG1 Ser326Cys polymorphism with breast cancer risk among Asian women. Breast Cancer Res. Treat. 79:59-62, 2003. 24. 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Oncol. 8:362-368, 2003. ─ 392 ─ 医学部内共通研究施設 6.医学部内共通研究施設 ⑴ アイソトープ総合センター分館 分館長 磯 部 健 一 (分子細胞免疫学教授) Ⅰ 沿革・特色 本施設は昭和 35 年名古屋大学医学部ラジオアイソトープ中央実験棟(旧一号病棟)に開設、昭和 45 年現在地 に新研究棟を建設し、名古屋大学医学部アイソトープセンターと改称した。昭和 52 年名古屋大学アイソトープ 総合センターの発足にともない名古屋大学アイソトープ総合センター分館と改称した。 現在、年間 300 人を超える職員,学生等が研究,教育のために利用しており、アイソトープの管理はもとより、 利用者の入退室、被曝管理等をコンピュータ化し、数少ないスタッフで安全管理を行っている。また、本施設は 最新の設備機器、動物実験室、P2 P3 実験室等を備え、アイソトープを利用した医学の研究開発、教育訓練、 諸設備共同利用の場として貢献している。 Ⅱ スタッフ 分館長・教授 磯 部 健 一 講 師 安 達 興 一 助 手 石 田 佳 幸 技 官 浜 田 信 義 技 官 中 村 嘉 行 Ⅲ 研究分野 血液細胞(白血病細胞)における増殖と分化の分子生物学的制御機序を解明し、白血病の発生機構を研究する 目的で、①造血因子で誘導される早期応答転写因子の発現様式、②造血因子レセプターから転写因子に至る細胞 質内シグナル伝達系の活性化、③ HOX 遺伝子の発現と血球の各系統分化との関係などを解析している。また、 RI 分野の研究として、液体シンチレーションカクテルに用いられているアルキルベンゼン類を微生物の機能を 利用して分解させるための技術開発を行っている。(安達) ①造血幹細胞のニッチについて研究を行っている。②感染免疫について研究を行っている。(石田) RI 管理業務に必要なパーソナルコンピュータ用ソフトウエアの開発,3H 標識化合物を使用する放射線業務従事者 の体内汚染の定量方法およびイメージングプレートを用いた汚染の分布観察、定量の開発を行なっている。 (浜田) RI 管理業務に必要なパーソナルコンピュータ用ソフトウエア、効果的な教育訓練プレゼンテーション、ホー ムページ(Web)の開発を行なっている。 (中村) Ⅳ 業務内容 ラジオアイソトープ(RI)による放射線障害を防止するため、非密封 RI 取扱の安全管理を行っている。また、 放射線業務従事者に対し RI の安全取扱に関する教育訓練を行い、RI 利用に関する知識・技術の向上をはかって ─ 393 ─ 医学部内共通研究施設 いる。一方、RI を使用する研究の急速な進歩に対応するため学内外の研究者と協力して、RI の利用、測定、廃 棄物処理等の新技術の開発を行っている。 Ⅴ 設 備 液体シンチレーションカウンタ オートウエルγカウンタ 自動サンプルオキシダイザ(3H 及び 14C の測定) バイオイメージアナライザ HPLC(ペプチドマッピング仕様)ラジオアナライザ付 DNA サーマルサイクラ(DNA 増幅システム) エレクトロポーレーション装置 超遠心機 その他、一般理化学機器 Ⅵ 業 績(主要論文) 《安達興一》 1. Nakamura,S., Kato,M., Ichimura,K., Yatabe,Y., Kagami,Y., Suzuki,R., Taji,H., Kondo,E., Asakura,S., Kojima,M., Murakami,S., Yamano,K., Tsuzuki,T., Adachi, K., Miwa,A., Yoshida,T.; Peripheral T/Natural Killer-Cell Lymphoma involving the Female Genital Tract:A Clinicopathologic Study of 5 Cases. International Joural of Hematology 73:108-114, 2001 2. Asou,N., Adachi,K., Tamura,J., Kanamaru,A., Kageyama,S., Hiraoka,A., Omoto,E., Akiyama,H., Tsubaki,K., Saito,K., Kuriyama,K., Oh,H. Kitano,k., Miyawaki,S., Takeyama,K., Yamada,O., Nishikawa,K., Takahashi,M., Matsuda, S., Ohtake,S., Ohno,R.; Analysis of prognostic factors in newly diagnosed patients with acute promyelocytic leukemia:the APL92 study of the Japan Adult Leukemia Study Group (JALSG). Cancer Chemother Pharmacol 48:S65-S71, 2001 3. Senga,T., Iwamoto,S., Yoshida,T., Yokota,T., Adachi,K., Azuma,E., Hamaguchi,M., Iwamoto,T.; LSSIG is a novel murine leukocyte-specific GPCR that is induced by the activation of STAT3.Blood 101(3):1185-1187, 2003 4. Iwamoto,T., Senga,T., Adachi,K., Hamaguchi,M.; Stat3-dependent induction of interleukin-3 receptor expression in leukemia inhibitory factorstimulated M1 mouse leukemia cells Cytokine 25:136-139, 2004 5. 安達興一,1. 人体影響[放射線安全取扱の基礎(アイソトープから X 線・放射光まで) ] (第1章放射線の人 体に与える影響)西澤邦秀編 名古屋大学出版会 1-15, 2001 6. 安達興一,3. 放射線アポトーシス[放射線安全取扱の基礎(アイソトープから X 線 ・放射光まで) ] (第1章 放射線の人体に与える影響)西澤邦秀編 名古屋大学出版会 34-37, 2001 7. 安達興一,放射線レベルと人体影響ー続・臓器別各論一.放射線従事者教育訓練テキスト 中部原子力懇談 会 16-27, 2001 《石田佳幸》 1. Shirokawa,T., Ishida,Y., Matsunaga,W., Nakai,S., Isobe,K.; Plasticity of central monoaminergic systems during aging. Nihon Shinkei Seishin Yakurigaku Zasshi 25(1):43-48, 2005 2. Tobe,I., Ishida,Y., Tanaka,M., Endoh,H., Fujioka,T., Nakamura,S.; Effects of repeated maternal stress on FOS expression in the hypothalamic paraventricular nucleus of fetal rats. Neuroscience 134(2):387-395, 2005 ─ 394 ─ 医学部内共通研究施設 《中村嘉行》 1. 中村嘉行,安達興一:イメージアナライザ3機種の比較検討報告 Tracer 31:7-12, 2002 2. 中村嘉行,小木曽 昇:医学部で実施しているX線装置取扱実習について Tracer 38:13-17, 2005 註 磯部教授(分館長)の研究分野、業績は分子細胞免疫学参照 ─ 395 ─ 医学部内共通研究施設 ⑵ 附属医学教育研究支援センター 実験動物部門 Ⅰ 教室の沿革・特色 当部門の前身である動物実験施設は 1984 年 4 月に設置が認可された。初代施設長には星野宗光教授が就任し、 鬼頭純三助教授と動物実験委員会を中心に、当施設が科学的に高く評価される動物実験を行うための研究セン ターとなる事を目的として、設計と運営の原則が定められた。建物は 1986 年 3 月に竣工した。その後 1988 年に 加藤延夫教授、1992 年に竹内康浩教授、1994 年に鬼頭純三教授が施設長に就任した。動物実験施設の建設準備 の段階から施設の管理運営に携わってこられた鬼頭純三教授が定年退官された後、1998 年に杉浦康夫教授が、 そして 1999 年には西村正彦教授が施設長に就任した。2004 年 5 月に改組により動物実験施設は医学教育研究支 援センター実験動物部門となり初代センター長に濵口道成教授が就任した。2005 年からは太田美智男教授がセ ンター長に就任した。 Ⅱ スタッフ センター長・教授 太 田 美智男 助 授 大 野 民 生 文 部 技 官・ 掛 長 小木曽 昇 文 八 木 滋 子、 大 矢 康 貴 教 部 技 官 技 能 補 佐 員 加 藤 八重子、 長谷川 千代子、 河 井 和 美、 林 哲 弘 市 川 陽 子、 宮 嶋 友 子、 星 野 達 郎 事 務 補 佐 員 斉 木 寛 子 Ⅲ 業務内容 施設内では動物の遺伝学的、微生物学的統御はもちろん、飼育環境や飼育技術の向上による高い精度と再現性 のある動物実験を行うための設備が整っており、名古屋大学医学部動物実験指針に基づいた適正な動物実験が行 われている。施設職員は施設内の適正な環境の維持管理業務と、動物の飼育管理業務の他に、利用者に対して適 正な動物実験を行うに必要な知識や技術の教育を行っている。現在、年間約 500 名以上の職員や学生が動物実験 に関する研究・教育のために本施設を利用している。 Ⅳ 飼育動物種・実験室 施設内で飼育されている動物種は、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、イヌ、ブタ、サル、など多岐にわ たっていることから、施設内にはこれらに対応するための様々な動物飼育室が備えられている。また、これらの 動物種に対応した様々な実験室や手術室も備えられている。更に、遺伝情報解析室、感染実験室、毒性実験室、 有機溶剤暴露実験室といった特殊実験にも対応できる設備も備えている。 ─ 396 ─ 医学部内共通研究施設 ⑶ 附属医学教育研究支援センター 教育研究機器部門 Ⅰ 目 的 医学生物学の研究には、数多くの機器や装置が使用されている。従来これらの機器や装置は、各講座に配置し 管理運用されてきたが、現在のように機器が高価になり、使用目的も多様化することによって、一講座が研究に 必要なすべての機器をそろえ、維持管理することは困難である。また、研究者が使用するすべての機器に習熟し、 管理運用することは研究効率の面からも問題が多い。そこで本学部では、ここ数年来導入された数多くの大型機 器をはじめ、従来から利用されてきた電子顕微鏡等の機器を中央に集めた、学内共同利用施設「教育研究機器セ ンター」を、平成 2 年 4 月に発足した。また、これらの機器を専門の技術者が管理運用するための組織として、 それまであった中央電子顕微鏡室の技術者を中心に「教育研究機器センター技術室」が、同時に発足した。当技 術室では、数多くの研究者にひろく活用してもらうために、教育研究機器センターの各研究室(超微形態、分子 構造解析、細胞機能解析、遺伝情報解析)に設置された、各機器の運用、保守管理をおこなっている。平成 16 年 4 月、独立行政法人化に共ない教育研究機器センターから附属医学教育支援センター 教育研究機器部門に名称 変更となった。 Ⅱ スタッフ 技 術 主 任 北 川 泰 三 技 術 職 員 藤 田 芳 和、 伊 藤 康 友 山 川 良 典、 田 中 稔 Ⅲ 構 成 《超微形態研究室》 透過分析、透過、走査の各種電子顕微鏡、共焦点レーザ、走査プローブ顕微鏡を中心とする細胞組織の形態観 察機器とそれに付随する周辺機器、及び凍結試料作製装置、各種電顕用試料作製装置が設置されている。 〈機 器〉 透過型電子顕微鏡…………………… 2 台 凍結固定装置………………………… 1 台 透過型分析電子顕微鏡……………… 2 台 真空蒸着装置………………………… 1 台 走査型電子顕微鏡…………………… 1 台 臨界点乾燥装置……………………… 1 台 共焦点レーザ顕微鏡………………… 2 台 凍結乾燥装置………………………… 1 台 走査プローブ顕微鏡………………… 2 台 加圧凍結装置………………………… 1 台 超高画質フルカラープリンター…… 3 台 オスミウムプラズマコーター……… 1 台 カラーフイルムレコーダー………… 1 台 イオンコーター……………………… 1 台 超ミクロトーム……………………… 3 台 光顕用凍結ミクロトーム…………… 1 台 凍結超ミクロトーム………………… 1 台 落射蛍光顕微鏡……………………… 2 台 凍結試料作製装置…………………… 2 台 担当者:内線 2404 藤田、内線 2407 田中 ─ 397 ─ 医学部内共通研究施設 《分子構造解析研究室》 タンパク質やペプチド、糖など生体を構成する物質を主な対象として、これらの分離、精製や構造解析を目的 とした各種装置が設置されている。 〈機 器〉 高速液体クロマトログラフ装置…………… 3 台 MALDI−TOF型質量分析装置…………… 1 台 ESI−三連四重極型質量分析装置……… 1 台 タンパク質同定(データベース検索)装置…… 1 台 ESI−イオントラップ型質量分析装置… 1 台 担当者:内線 2406 山川、内線 2395 北川 《細胞機能解析研究室》 細胞の機能について、個々の細胞、または細胞群のレベルで情報を取りだし、解析するためのフローサイトメー ターを中心に、各種機器が設置されている。 〈機 器〉 フローサイトメーター……………… 4 台 落射型蛍光顕微鏡…………………… 2 台 反応速度定数測定装置……………… 1 台 遠心乾燥装置………………………… 1 台 担当者:内線 2407 田中 《遺伝情報解析研究室》 遺伝子に関する分子生物学的研究に必要な装置として、蛋白質、核酸を分離するための超遠心機をはじめ、一 次構造を解析するためのシーケンサー、得られた情報を解析するコンピューターなどが設置されている。 〈機 器〉 DNAシーケンサー………………… 4 台 液体シンチレーションカウンター……… 1 台 DNA増幅装置……………………… 1 台 プレートリーダー(可視)……………… 2 台 高速液体クロマトグラフ装置……… 1 台 プレートリーダー(発光)……………… 1 台 プロテインシーケンサー…………… 1 台 プレートリーダー(螢光)……………… 2 台 分離用超遠心機……………………… 5 台 DNA抽出装置…………………………… 3 台 高速冷却遠心機……………………… 1 台 分子立体構造解析コンピューター……… 1 台 自動分光光度計……………………… 1 台 定量PCR装置…………………………… 2 台 蛍光分光光度計……………………… 1 台 遺伝子導入装置…………………………… 2 台 オートラジオグラフシステム……… 1 台 イメージアナライザー(螢光・発光)… 各 1 台 担当者:内線 2403 伊藤、内線 2395 北川 機器 WEB 予約等詳細 http://med.nagoya-u.ac.jp/kiki/kiki.html ─ 398 ─ 医学部内共通研究施設 ⑷ 図書館のご利用について 医学部図書館 利用案内 2006(大学院生向) ◆開館時間 に、1986 年以前に購入した図書は北側の集密式書 □通常 月∼金曜 09:00 ─ 20:00 架にあります。 □雑誌は和洋別、アルファベット順に配架されていま 土曜 13:00 ─ 17:00 □春季休業期間(3 月 22 日─ 31 日)および す。 夏季休業期間(8 月 8 日─ 9 月 30 日) 月∼金曜 09:00 ─ 17:00 ◆データベース検索 土曜 休 館 医学部図書館 Top Page からアクセスできます。 □ OVID(※学内のみ) ◆休館日 文献の検索ができます。データベースは分野ごと □日曜・国民の祝日 に分かれており、医学系では MEDLINE, EBMR, □蔵書点検期間(8 月 25 日─ 8 月 31 日) 看護学系では CINAHL が利用できます。他にも □年末・年始(12 月 28 日─ 1 月 8 日) Biological Adstracts 等が利用できます。 http://gateway. ovid. com/ autologin.html ◆時間外利用カード □ ISI WEB of Science(※学内のみ) どの論文がいつ何回引用されたか、という引用調 □対象となる大学院生:大学院医学系研究科および病 院、大幸医療センター、環研、保体センターに所属 査ができます。 する大学院生 http://isiknowledge. com/ □医中誌 WEB(※鶴舞キャンパス内のみ) □利用時間:04:00 ─ 24:00 注)0:00 ─ 4:00 の 4 時間は利用できません。 日本で発行された医学文献を検索できます。 ※申請には指導教員の許可が必要です。 http://login. jamas. or. jp/ ◆館外貸出 資料の種類 ※上記データベースは同時アクセス人数が限られてい 数量 貸出期間 図書 5冊 2 週間 製本雑誌 5冊 1 週間 未製本雑誌 (前年度および今年度 発行の未製本雑誌) 3冊 16:00 ─ 翌開館後 1 時間以内 ビデオテープ 2本 1 週間 各1点 当日 無線 LAN カード・LAN ケーブル・マニュアル ます。必ず、最後に Logoff ボタンを押してください。 □ PubMed 無料の MEDLINE。学外からも利用できます。 http://www. pubmed. gov/ ◆電子資料 □電子ジャーナル(※学内のみ) 注1)ビデオテープは貸出可のものに限ります。 多数の雑誌をインターネット経由で利用すること 注2)図書は貸出期間の延長ができます(1 回)。 ができます。 注3)参考図書(辞書等)は貸出できません。 http://www. nul. nagoya-u. ac. jp/ej/ □ Harrison's Online(※鶴舞キャンパス内のみ) ◆図書・雑誌の探し方 内 科 学 の テ キ ス ト“Harrison's Principles of 名古屋大学所蔵検索システム(OPAC)から検索する Internal Medicine. 16th ed.(McGraw-Hill)”のオ ことができます。 ンライン版です。 http://opac. nul. nagoya-u. ac. jp/ http://harrisons. accessmedicine. com/ □図書は和洋一緒に「日本十進分類法(NDC)」(背 □ FreeBooks4Doctors! ラベルの数字・記号)により配架されています。 無料で使用できる医学書のポータルサイト。 1987 年以降に購入した図書は南側の固定式書架 http://www. freebooks4doctors. com/ ─ 399 ─ 医学部内共通研究施設 ◆購入希望図書 □ THE NATIONAL ACADEMIES PRESS 同出版社の医学書が使用できます。 図書館で購入してほしい図書があれば、図書館カウ http://www. nap. edu/ ンターでお申し込みください。申し込みの結果につ いては、入口掲示板でお知らせします。 ◆館内設備 ◆図書館間相互貸借(ILL) :有料 □ PC コーナー(2 階) i Mac と Windows が利用できます。レポートの作 □学内:医学部図書館以外の名古屋大学内の図書館・ 成等、学習・研究用に提供していますので、私的 図書室の資料を借用したり、一部分を複写し て郵送してもらうことができます。 な利用はご遠慮ください。 □学外:学習・研究に必要な資料に限り、名古屋大学 □視聴覚室(2 階) 図書館で所蔵しているビデオテープと CD-ROM の にないものを他大学から借用したり、一部分 利用ができます。 を複写して郵送してもらうことができます。 ※利用時間:月─金曜 9:00 ─ 17:00 図書館カウンターでお申し込みください。 ※ただし、辞書類や学習用のテキスト等は申し込む □新聞等閲覧室(2 階) 一般の新聞(1 ヶ月保存)や雑誌を提供しており、 ことができません。 新聞等閲覧室内で閲覧することができます。 学内 ※利用時間:開館から閉館の 15 分前まで □落とし物の展示ケース(2 階) 受け取りには学生証が必要です。 □学内 LAN への接続(2,3 階) 学外 各自のノート PC を学内 LAN へ接続することがで きます。 ・有線 LAN:事前に登録が必要です。 ・無線 LAN:図書館で貸し出す無線 LAN カードの 所要時間 費 用 図書の借用 約5日 ─ 複写物の送付 約5日 1 枚 20 円 図書の借用 約 10 日 郵送料金 (往復) 複写物の送付 約 1 週間 1 枚 35─ 110 円 +郵送料金 ※上記は平均的な例です。例外も生じますので、詳し くはご相談ください。 み使用できます。 □コピー機(2,3 階) ・私費(3 階) :プリペイドカード式 2 台、コイン式 ◆他大学図書館の利用 1台です。プリペイドカードは 1 階の 他大学の図書館へ入館するには、事前調査と紹介状が 生協で購入してください。 必要です。図書館カウンターでご相談ください。 ・校費(2 階) :講座から校費用のコピーカードを持参 してください。所定の講座は、図書館 で学生証と引き換えに受け取ることが できます。カラーコピー兼用です。 ※私費・校費ともに、図書館の資料のみ、著作権法 の範囲内で複写を行うことができます。 ◆注 意◆ □館内では常に学生証を携帯してください。 □飲食・携帯電話の使用・喫煙を禁止します。 □館内で利用した資料は棚に戻してください。 □この「利用案内」は名古屋大学大学院医学系研 究科の学生向けの内容です。他の身分・所属の □ゼミ室(ゼミナール室) (4 階) 8名用、15 名用の2室があります。利用には予約 方には適用されません。 が必要です。1 週間前から受付けていますので、図 書館カウンターでお申し込みください。 ※予約には学生証が必要です。 ◆お問い合わせ先◆ 名古屋大学附属図書館 医学部分館 〒466−8550 名古屋市昭和区鶴舞町65 電話:052−744−2506(直通) e-mail : med@nul. nagoya-u. ac. jp http://www. med. nagoya-u. ac. jp/medlib/ ─ 400 ─ 2006 年 4 月 1 日 医学部内共通研究施設 4F 洋雑誌バックナンバー (− 1976) ゼミナール室 医学部史料室 3F 和雑誌バックナンバー (1971 − 2004) 洋雑誌バックナンバー (1977 − 2004) 私費コピー機 2F 一般図書・参考図書 厚生労働省報告書 新着雑誌 和雑誌バックナンバー (− 1970) PC コーナー 視聴覚室 校費コピー機(カラー) ─ 401 ─ 学位申請手続きについて 7.博士学位申請手続きについて 1.博士の学位授与条件 ① 課程博士……大学院の博士課程を修了した者に授与される。 ② 論文博士……大学の定めるところにより、大学院の博士論文の審査に合格し、かつ、大学院の博士課程を 修了した者と同等以上の学力を有することが確認された者に授与される。 ここでは、①課程博士の申請手続等について説明する。 2.学位申請資格、学位取得と博士課程の修了 1)本研究科博士課程に 4 年間在籍し、所定の単位を修得した者が学位論文を提出し、学位審査に合格すると、 博士(医学)の学位が授与され、博士課程を修了した者と認定される。 なお、所定の単位を修得し、所定の修業年限(4 年)在学したが、学位を取得できなかった者は、満了退 学となる。 2)在学年数に関しては、特に優れた研究業績を上げた者で指導教授の推薦があれば、3 年以上在学し、博士(医 学)の学位を取得すれば、所定の修業年限を短縮して博士課程を修了することができる。(学位取得の日を 以て在学年数 3 年を満たす見込みの者を含む。)なお特に優れた研究業績とは次の場合を云う。 ① 英文雑誌(ただし、名大ジャーナル以外の学内誌は除く)に 2 編以上の掲載論文がある場合。(症例の みのものは除く) ② 本研究科で指定した 3 年で修了可とできる掲載雑誌に掲載される論文がある場合。 3)本研究科を満了退学した者で、満了退学後 3 年以内であれば、課程博士の学位を申請することができる。 3.学位審査 1)学位を申請しようとする者は、1 年に 2 回(10 月および 12 月)実施する大学院研究発表会において、主論 文の内容を発表して、学位予備審査を受けた後に学位の申請手続きを行う。 2)学位の申請手続きについては、説明会を 10 月に実施する。 3)学位申請書類等 ① 学位申請書 …… 1 通 ② 論文(公表済の場合は別刷、 未公表の場合は掲載が予定されていることを条件とし、投稿原稿の写しを提出) 主論文 ……… 3 部 副論文 ……… 1 種類につき 3 部(添付する場合) 参考論文 …… 1 種類につき 3 部(添付する場合) ③ 掲載予定証明書(論文が未公表の場合)……1 通 ④ 論文目録 ………… 1 通 ⑤ 主論文の要旨(印刷したもの)…… 研究科委員会委員数+ 14 部 ⑥ 履歴書 ………………………… 1 通 ⑦ 表紙用ファイル(A4 判)…… 3 冊 上記書類の提出期限は、受理審議を受ける研究科委員会の 14 日前となるが、事前に日程を確認の上、大 学院掛に提出すること。 なお、 書類等の提出に当たっては、 点検等に時間を要するので、事前に提出日時を大学院掛に予約すること。 4)研究科委員会で論文が受理された者は、学位審査委員 3 名(学位予備審査委員に同じ)の審査を受け、審 査結果報告書を大学院掛に提出する。 5)審査結果をもとに研究科委員会で合否審議を受け、これに合格した者は総長への上申を経て学位が授与さ れる。 ─ 402 ─ 学位申請手続きについて 過去 10 年間の博士学位授与数 年 度 大学院学生在学者数 (4月1日現在) 学 位 授 与 数 課 程 博 士 満了退 学後3 年以内 論文 博士 計 1年 2年 3年 4年 計 4年 修了 6 86 68 67 82 303 43 3 23 89 158 7 75 84 67 67 293 39 5 29 109 182 8 111 69 83 60 323 29 4 18 112 163 9 121 108 65 84 378 52 5 18 95 170 10 132 117 103 68 420 30 6 22 95 153 11 148 136 111 102 497 63 6 16 90 175 12 145 144 129 108 526 56 12 37 80 185 13 128 143 136 120 527 59 15 25 93 192 14 152 126 138 125 541 15 171 147 127 128 573 49 19 42 66 176 16 174 166 145 118 603 44 14 59 40 157 ─ 403 ─ 短縮 修了 20 99 参考資料 8.参考資料 ⑴ 名古屋大学大学院通則 制 定 昭和 16 年 4 月 01 日 最終改正 平成 17 年 2 月 21 日 名古屋大学大学院通則 目 次 第 1 章 総則(第 1 条−第 9 条) 第 2 章 入学,進学,転科及び転専攻(第 10 条−第 17 条の 2) 第 3 章 教育課程,授業,研究指導,留学等(第 18 条−第 25 条) 第 4 章 休学及び復学(第 26 条−第 28 条) 第 5 章 退学及び転学(第 29 条・第 30 条) 第 6 章 課程修了,学位の授与等(第 31 条−第 35 条) 第 7 章 除籍及び懲戒(第 36 条・第 37 条) 第 8 章 検定料,入学料,授業料及び寄宿料(第 38 条−第 48 条) 第 9 章 大学院特別聴講学生,科目等履修生,特別研究学生及び大学院研究生 第 1 節 大学院特別聴講学生(第 49 条−第 52 条) 第 2 節 科目等履修生(第 52 条の 2 −第 52 条の 7) 第 3 節 特別研究学生(第 53 条−第 56 条) 第 4 節 大学院研究生(第 57 条−第 63 条) 第 5 節 検定料,入学料及び授業料の額(第 64 条) 第 10 章 外国人留学生(第 65 条) 附 則 第 1 章 総 則 (目 的) 第1条 本学大学院は,学術の理論及び応用を教授研究し,その深奥を究め,高度の専門性が求められる職業を 担うための深い学識及び卓越した能力を培うことにより,文化の進展に寄与するとともに,学術の研究者,高 度の専門技術者及び教授者を養成することを目的とする。 (研究科及び専攻) 第2条 研究科及び専攻は,次のとおりとする。 研 文 究 学 研 究 科 専攻 科 人文学 教育発達科学研究科 教育科学,心理発達科学 法 総合法政,実務法曹養成 学 研 究 科 経 済 学 研 究 科 社会経済システム,産業経営システム 理 素粒子宇宙物理学,物質理学,生命理学 学 研 究 科 医 学 系 研 究 科 分子総合医学,細胞情報医学,機能構築医学,健康社会医学,医科学,看護学,医療 技術学,リハビリテーション療法学 工 化学・生物工学,マテリアル理工学,電子情報システム,機械理工学,航空宇宙工学, 社会基盤工学,結晶材料工学,エネルギー理工学,量子工学,マイクロ・ナノシステ ム工学,物質制御工学,計算理工学 学 研 究 科 生命農学研究科 生物圏資源学,生物機構・機能科学,応用分子生命科学,生命技術科学 ─ 404 ─ 参考資料 国際開発研究科 国際開発,国際協力,国際コミュニケーション 多元数理科学研究科 多元数理科学 国際言語文化研究科 日本言語文化,国際多元文化 環 境 学 研 究 科 地球環境科学,都市環境学,社会環境学 情報科学研究科 計算機数理科学,情報システム学,メディア科学,複雑系科学,社会システム情報学 (専門職大学院等) 第2条の2 前条の法学研究科実務法曹養成専攻は,学校教育法(昭和 22 年法律第 26 号)第 65 条第 2 項に定 める専門職大学院とする。 2 前項の法学研究科実務法曹養成専攻は,専門職大学院設置基準(平成 15 年文部科学省令第 16 号)第 18 条 第 1 項に定める法科大学院(以下「法科大学院」という。)とする。 (課 程) 第3条 研究科の課程は,博士課程とする。ただし,法学研究科にあっては,博士課程及び法科大学院の専門職 学位課程(以下「法科大学院の課程」という。 )とし,医学系研究科にあっては,修士課程及び博士課程とする。 2 博士課程(医学系研究科の医学を履修する博士課程(以下「医学博士課程」という。)を除く。)は,前期 2 年の課程(以下「前期課程」という。 )及び後期 3 年の課程(以下「後期課程」という。)に区分する。 3 前期課程は,修士課程として取り扱うものとする。 4 医学博士課程は,区分を設けない課程とする。 (収容定員) 第4条 大学院の収容定員は,別表のとおりとする。 (標準修業年限) 第5条 博士課程の標準修業年限は,5 年とする。ただし,医学博士課程の標準修業年限は,4 年とする。 2 医学系研究科の修士課程の標準修業年限は,2 年とする。 3 法科大学院の課程の標準修業年限は,3 年とする。 (在学年限) 第6条 博士課程(医学博士課程を除く。 )の在学年限は,前期課程では 4 年,後期課程では 6 年とする。 2 医学系研究科の修士課程の在学年限は 4 年,医学博士課程の在学年限は 8 年とする。 3 法科大学院の課程の在学年限は,6 年とする。 (学 年) 第7条 学年は,4 月 1 日に始まり,翌年 3 月 31 日に終わる。 (学 期) 第8条 学年を分けて,次の 2 学期とする。 第 1 学期 4 月 1 日から 9 月 30 日まで 第 2 学期 10 月 1 日から翌年 3 月 31 日まで (休業日) 第9条 休業日(授業を行わない日)は,次のとおりとする。 日曜日 土曜日 国民の祝日に関する法律(昭和 23 年法律第 178 号)に規定する休日 春季休業 4 月 1 日から 4 月 4 日まで 夏季休業 8 月 8 日から 9 月 30 日まで 冬季休業 12 月 28 日から翌年 1 月 7 日まで 2 臨時の休業日は,総長がその都度定める。 ─ 405 ─ 参考資料 第2章 入学,進学,転科及び転専攻 (入学の時期) 第 10 条 入学の時期は,学年の始めとする。 2 前項の規定にかかわらず,研究科の定めるところにより,学年の途中においても,学期の区分に従い,入学 させることができる。 (前期課程,医学系研究科の修士課程及び法科大学院の課程の入学資格) 第 11 条 前期課程,医学系研究科の修士課程及び法科大学院の課程に入学することのできる者は,次の各号の いずれかに該当する者とする。 1)大学を卒業した者 2)学校教育法第 68 条の 2 第 3 項第 1 号の規定により学士の学位を授与された者 3)外国において学校教育における 16 年の課程を修了した者 4)外国の学校が行う通信教育における授業科目を我が国において履修することにより,当該外国の学校教育 における 16 年の課程を修了した者 5)文部科学大臣の指定した者 6)大学に 3 年以上在学し,又は外国において学校教育における 15 年の課程を修了し,本学大学院において, 所定の単位を優れた成績をもって修得したものと認めた者 7)本学大学院において,個別の入学資格審査(以下「個別審査」という。)により,大学を卒業した者と同等 以上の学力があると認めた者で,22 歳に達したもの (後期課程の入学又は進学の資格) 第 12 条 後期課程に入学又は進学することのできる者は,次の各号のいずれかに該当する者とする。 1)本学大学院若しくは他の大学院で修士の学位又は専門職学位を授与された者 2)外国において修士の学位又は専門職学位に相当する学位を授与された者 3)外国の学校が行う通信教育における授業科目を我が国において履修し,修士の学位又は専門職学位に相当 する学位を授与された者 4)文部科学大臣の指定した者 5)本学大学院において,個別審査により,修士の学位又は専門職学位を有する者と同等以上の学力があると 認めた者で,24 歳に達したもの (医学博士課程の入学又は進学の資格) 第 13 条 医学博士課程に入学又は進学することのできる者は,次の各号のいずれかに該当する者とする。 1)大学の医学,歯学又は獣医学(以下「医学等」という。)を履修する課程を卒業した者 2)外国において学校教育における 18 年の課程(最終の課程は医学等)を修了した者 3)外国の学校が行う通信教育における授業科目を我が国において履修することにより,当該外国の学校教育 における 18 年の課程(最終の課程は医学等)を修了した者 4)文部科学大臣の指定した者 5)大学の医学等を履修する課程に 4 年以上在学し,又は外国において学校教育における 16 年の課程(最終の 課程は医学等)を修了し,本学大学院において,所定の単位を優れた成績をもって修得したものと認めた者 6)本学大学院において,個別審査により,大学の医学等を履修する課程を卒業した者と同等以上の学力があ ると認めた者で,24 歳に達したもの (入学及び進学の出願手続) 第 14 条 前 3 条に規定する者で入学又は進学を志願するものは,所定の期日までに願書を当該研究科に提出し なければならない。ただし,入学を志願する者は,願書に第 38 条の検定料を添えなければならない。 (入学試験及び進学試験) 第 15 条 前条の入学志願者又は進学志願者に対しては,研究科において入学試験又は進学試験を行い,合格者 を決定する。 (入学及び進学の許可) ─ 406 ─ 参考資料 第 16 条 総長は,前条の入学試験の合格者で第 39 条の入学料の納入,保証書,宣誓書の提出等所定の手続を 完了したものに,入学を許可する。 2 研究科長は,前条の進学試験の合格者で所定の手続を完了したものに,進学を許可する。 (再入学,転入学及び編入学) 第 17 条 次の各号のいずれかに該当する者は,研究科において選考の上,適当の課程に総長が入学を許可する ことができる。 1)第 29 条の規定による本学大学院の退学者で,再び同一の課程に入学を志願するもの 2)他の大学院に在学する者で,本学大学院に転学を志願するもの 3)修士課程,博士課程の前期課程又は専門職学位課程を修了した者で,本学大学院に入学を志願するもの 2 第 14 条及び前条の規定は,前項の規定により入学する場合に準用する。 (転科及び転専攻) 第 17 条の 2 学生が他の研究科に転科を志願しようとするときは,事由を詳記した転科願を所属研究科長を経 て,当該研究科長に提出し,その許可を得なければならない。 2 学生が所属研究科内の他の専攻に転専攻を志願しようとするときは,当該研究科の定めるところにより,研 究科長の許可を得なければならない。 3 前 2 項の学生が既に修得した授業科目の単位の認定及び在学期間に関しては,当該研究科教授会において行 うものとする。 第 3 章 教育課程,授業,研究指導,留学等 (教育課程,授業,研究指導,成績評価等) 第 18 条 教育課程,授業,学位論文の作成等に対する指導(以下「研究指導」という。),成績評価等に関する ことは,研究科規程で定める。 (学修計画) 第 19 条 入学又は進学を許可された者は,研究科の定める指導教員の指導の下に学修計画を立て,研究科教授 会の承認を得なければならない。 (単位) 第 20 条 一の授業科目を履修した者に対しては,試験の上,単位を与える。 2 各授業科目の単位数の計算の基準は,研究科規程で定める。 (入学前の既修得単位の認定) 第 20 条の2 学生(法科大学院の学生を除く。)が本学大学院に入学する前に大学院において履修した授業科 目について修得した単位 (科目等履修生として修得した単位を含む。)については,教育上有益と認める場合は, 本学大学院において修得したものとして認定することができる。この場合において,単位の認定は,10 単位 を超えない範囲とする。 2 前項の既修得単位の取扱いについては,研究科において定める。 (他の研究科の授業科目の履修) 第 21 条 学生は,他の研究科の授業科目を履修することができる。この場合においては,所属研究科長を経て, 当該研究科長の許可を得なければならない。 (他の大学院の授業科目の履修等) 第 22 条 学生は,研究科長の許可を得て,他の大学院において授業科目を履修し,単位を修得することができる。 2 前項の場合,研究科長は,あらかじめ当該大学院との間において必要な事項について協議するとともに,許 可に当たっては,研究科教授会の議を経るものとする。 3 第 1 項の規定により,履修した授業科目について修得した単位は,10 単位を超えない範囲で,本学大学院 において修得したものとして認定することができる。 4 前項の規定は,外国の大学院が行う通信教育における授業科目を我が国において履修する場合について準用 する。 ─ 407 ─ 参考資料 (他の大学院又は研究所等における研究指導) 第 23 条 学生は,研究科長の許可を得て,他の大学院又は研究所等において,研究指導を受けることができる。 ただし,前期課程及び医学系研究科の修士課程の学生については,当該研究指導を受ける期間は,1 年を超え ないものとする。 2 前条第 2 項の規定は,前項の規定により学生が研究指導を受ける場合に準用する。 (留学) 第 24 条 学生は,研究科長の許可を得て,休学することなく,外国の大学院において授業科目を履修し,単位 を修得することができる。 2 学生は,研究科長の許可を得て,休学することなく,外国の大学院又は研究所等において,研究指導を受け ることができる。 3 第 22 条第 2 項の規定は,前 2 項の規定により学生が留学する場合に,同条第 3 項の規定は,第 1 項の規定 により学生が留学する場合に,前条第 1 項ただし書の規定は,前項の規定により学生が留学する場合に準用す る。 (休学期間中の外国の大学院の修得単位の取扱い) 第 24 条の2 学生が休学期間中に外国の大学院において修得した単位については,教育上有益と認める場合 は,本学大学院において修得したものとして認定することができる。 2 第 22 条第 3 項の規定は, 前項の規定により本学大学院において修得したものとして認定する場合に準用する。 (教職課程) 第 25 条 本学大学院において,教育職員免許法(昭和 24 年法律第 147 号)に規定する教育職員の免許状を受 ける資格を得ようとする者のために,教職課程を置く。 2 教職課程については,別に定める。 第 4 章 休学及び復学 (休 学) 第 26 条 学生は,傷病その他の事由により 3 月以上修学を中止しようとするときは,研究科長の許可を得て, 休学することができる。 2 前項の規定により休学しようとする者は,休学願に医師の診断書又は詳細な事由書を添え,これを提出しな ければならない。 3 第 1 項の場合において,研究科長は,研究科教授会の議を経て,これを許可する。 4 傷病のため修学することが適当でないと認められる学生に対しては,研究科長は,研究科教授会の議を経て, 期間を定め,休学を命ずることができる。 (休学期間) 第 27 条 休学は,引き続き 1 年を超えることができない。ただし,特別の事由がある者には,更に引き続き休 学を許可することができる。 2 博士課程(医学博士課程を除く。 )の休学期間は,通算して前期課程では 2 年,後期課程では 3 年を超える ことができない。 3 医学系研究科の修士課程の休学期間は,通算して 2 年,医学博士課程の休学期間は,通算して 4 年を超える ことができない。 4 法科大学院の課程の休学期間は,通算して 3 年を超えることができない。ただし,第 33 条の 2 第 2 項の規 定する者の休学期間は,3 年から同項の規定により法科大学院に在学したものとみなす期間を除いた期間を超 えることができない。 5 やむを得ない特別な事由があると認められるときは,前 3 項の規定にかかわらず,更に休学期間の延長を許 可することができる。 6 休学期間は,在学年数に算入しない。 (復 学) ─ 408 ─ 参考資料 第 28 条 学生は,休学期間中にその事由が消滅したときは,研究科長の許可を得て,復学することができる。 2 第 26 条第 4 項の規定により休学を命ぜられた者が復学するときは,学校医の診断書を添え,研究科長に願 い出て,その許可を得なければならない。 第 5 章 退学及び転学 (退 学) 第 29 条 学生が退学しようとするときは,事由を詳記した退学願を研究科長に提出し,その許可を得なければ ならない。 2 前項の場合において,研究科長は,研究科教授会の議を経て,これを許可する。 (転 学) 第 30 条 学生が他の大学院に転学しようとするときは,事由を詳記した転学願を研究科長に提出し,その許可 を得なければならない。 2 前条第 2 項の規定は,前項の規定により学生が転学する場合に準用する。 第 6 章 課程修了,学位の授与等 (前期課程及び医学系研究科の修士課程の修了) 第 31 条 前期課程又は医学系研究科の修士課程に 2 年以上在学し,所定の授業科目を履修して 30 単位以上を 修得し,かつ,必要な研究指導を受けた上,修士論文の審査及び試験に合格した者に対し,研究科長は,研究 科教授会の議を経て,修了を認定する。ただし,在学期間に関しては,優れた業績を上げた者については,前 期課程又は医学系研究科の修士課程に 1 年以上在学すれば修了を認定することができる。 2 前項の場合において,研究科が適当と認めるときは,特定の課題についての研究成果の審査をもって修士論 文の審査に代えることができる。 (博士課程の修了) 第 32 条 博士課程(医学博士課程を除く。以下この条において同じ。)に 5 年(修士課程に 2 年以上在学し, 当該課程を修了した者にあっては,当該課程における 2 年の在学期間を含む。)以上在学し,所定の授業科目 を履修して 30 単位以上を修得し,かつ,必要な研究指導を受けた上,博士論文の審査及び試験に合格した者 に対し,研究科長は,研究科教授会の議を経て,修了を認定する。ただし,在学期間に関しては,優れた研究 業績を上げた者については, 博士課程に 3 年(修士課程に 2 年以上在学し,当該課程を修了した者にあっては, 当該課程における 2 年の在学期間を含む。 )以上在学すれば修了を認定することができる。 2 前条第 1 項ただし書の規定による在学期間をもって修士課程を修了した者については,前項中「5 年(修士 課程に 2 年以上在学し,当該課程を修了した者にあっては,当該課程における 2 年の在学期間を含む。)」とあ るのは「修士課程における在学期間に 3 年を加えた期間」と,「3 年(修士課程に 2 年以上在学し,当該課程 を修了した者にあっては,当該課程における 2 年の在学期間を含む。)」とあるのは「3 年(修士課程における 在学期間を含む。 ) 」と読み替えて,前項の規定を適用する。 3 前 2 項の規定にかかわらず,第 12 条第 2 号から第 5 号までの規定により,大学院への入学資格に関し修士 の学位若しくは専門職学位を有する者と同等以上の学力があると認められた者又は専門職学位課程を修了した 者が,後期課程に入学した場合は,博土課程に 3 年(法科大学院の課程を修了した者にあっては 2 年)以上在 学し,必要な研究指導を受けた上,博士論文の審査及び試験に合格した者に対し,研究科長は,研究科教授会 の議を経て,修了を認定する。ただし,在学期間に関しては,優れた研究業績を上げた者については,博士課 程に 1 年以上在学すれば修了を認定することができる。 (医学博士課程の修了) 第 33 条 医学博土課程に 4 年以上在学し,所定の授業科目を履修して 30 単位以上を修得し,かつ,必要な研 究指導を受けた上,博士論文の審査及び試験に合格した者に対し,研究科長は,研究科教授会の議を経て,修 了を認定する。ただし,在学期間に関しては,優れた研究業績を上げた者については,医学博士課程に 3 年以 上在学すれば修了を認定することができる。 ─ 409 ─ 参考資料 (法科大学院の課程の修了) 第 33 条の2 法科大学院の課程に 3 年以上在学し,所定の授業科目を履修して 101 単位以上を修得した者に対 し,法学研究科長は,研究科教授会の議を経て,修了を認定する。 2 法科大学院において必要とされる法学の基礎的な学識を有すると認める者の第 1 項の在学期間については, 1年を超えない範囲で法科大学院が認める期間在学し,同項に規定する単位については,28 単位を修得した ものとみなすことができる。 3 前項の規定により法科大学院が修得したものとみなすことができる単位数は,第 22 条第 3 項,第 24 条第 3 項及び第 24 条の 2 第 2 項の規定により本学大学院において修得したものとして認定する単位数と合わせて 30 単位を超えないものとする。 (学位の授与) 第 34 条 総長は,第 31 条から前条までの規定により課程を修了した者に,それぞれ修士若しくは博士の学位 又は専門職学位を授与する。 2 学位の種類,論文審査の方法,試験等については,名古屋大学学位規程(平成 16 年度規程第 104 号)の定 めるところによる。 (単位等認定書) 第 35 条 博士課程に所定の期間在学し,所定の単位を修得し,かつ,必要な研究指導を受けた者には,単位等 認定書を交付することができる。 第 7 章 除籍及び懲戒 (除 籍) 第 36 条 学生が次の各号のいずれかに該当するときは,総長は,当該研究科教授会の議を経て,除籍する。 1)所定の在学年限に達しても,課程を修了できないとき。 2)傷病その他の事由により,成業の見込みがないと認められるとき。 3)死亡又は行方不明となったとき。 4)授業料納入の義務を怠り,督促を受けても,なお納入しないとき。 5)入学料の免除若しくは徴収猶予が不許可となった者又は一部免除若しくは徴収猶予の許可を受けた者が, 所定の期日までに納入すべき入学料を納入しないとき。 (懲戒) 第 37 条 学生の懲戒については,総長が,その都度懲戒委員会を設けて処理する。 2 懲戒委員会の構成については,別に定める。 3 懲戒は,退学,停学及び訓告とする。 第 8 章 検定料,入学料,授業料及び寄宿料 (検定料の納入) 第 38 条 入学を志願する者は,願書を提出する際に検定料を納入しなければならない。 (入学料の納入) 第 39 条 入学する者は,所定の期日までに入学料を納入しなければならない。 (入学料の免除及び徴収猶予) 第 40 条 入学する者が,次の各号のいずれかに該当するときは,入学料の全部若しくは一部を免除し,又は徴 収猶予することができる。 1)本学大学院に入学する者であって,経済的理由により入学料の納入が困難で,かつ,学業優秀と認められ るとき。 2)前号に規定するもののほか, 特別の事情により入学料を納入することが著しく困難であると認められるとき。 2 前項に規定する入学料の免除及び徴収猶予の取扱いについては,別に定める。 (授業料の納入) ─ 410 ─ 参考資料 第 41 条 各年度に係る授業料は, 前期(4 月から 9 月まで)及び後期(10 月から翌年 3 月まで)の 2 期に分けて, それぞれ年額の 2 分の 1 に相当する額を,前期にあっては 4 月,後期にあっては 10 月に納入しなければなら ない。ただし,後期に係る授業料については,当該年度の前期に係る授業料を納入するときに納入することが できる。 2 入学年度の前期又は前期及び後期に係る授業料については,前項の規定にかかわらず,入学を許可されると きに納入することができる。 (学年の途中で課程を修了する場合の授業料) 第 42 条 学生が,特別の事情により学年の途中で課程を修了する場合は,授業料の年額の 12 分の 1 に相当す る額(以下「月割額」という。 )に在学する月数を乗じて得た額を,当該学年の始めの月に納入しなければな らない。ただし, 課程を修了する月が後期の納入すべき時期(以下「後期の納期」という。)後であるときは, 後期の納期後の在学期間に係る授業料は,後期の納期に納入しなければならない。 (転学,退学及び除籍の場合の授業料) 第 43 条 学生が,後期の納期前に転学,退学又は除籍の場合,納入すべき授業料の額は,授業料の年額の 2 分 の 1 に相当する額とする。 (復学した場合の授業料) 第 44 条 学生が,前期又は後期の途中において復学した場合は,月割額に復学の日の属する月から次の納入す べき時期前までの月数を乗じて得た額を,復学の日の属する月に納入しなければならない。 (留学及び停学期間中の授業料) 第 45 条 学生は,留学又は停学期間中であっても,授業料を納入しなければならない。 (授業料の免除及び徴収猶予) 第 46 条 経済的理由により授業料の納入が困難で,かつ,学業優秀と認められる者その他特別の事情があると 認められる者に対しては,その期の授業料の全部若しくは一部を免除し,又は徴収を猶予することができる。 2 前項に規定する授業料の免除及び徴収猶予の取扱いについては,別に定める。 (寄宿料の納入) 第 46 条の2 寄宿舎に入居する者は,所定の期日までに寄宿料を納入しなければならない。 (寄宿料の免除) 第 46 条の3 寄宿舎に入居する者が特別な事情により寄宿料の納入が著しく困難であると認められるときは, 寄宿料を免除することができる。 2 前項に規定する寄宿料の免除の取扱いについては,別に定める。 (検定料,入学料,授業料及び寄宿料の額) 第 47 条 第 38 条の検定料,第 39 条の入学料,第 41 条の授業料及び第 46 条の 2 の寄宿料の額は,名古屋大学 授業料等の料金に関する規程(平成 16 年度規程第 87 号。以下「料金規程」という。)の定める額とする。 (既納の検定料,入学料,授業料及び寄宿料) 第 48 条 既納の検定料,入学料,授業料及び寄宿料は,返納しない。ただし,次に掲げる検定料及び授業料に ついては,この限りでない。 1)法科大学院で行う第 15 条に規定する入学試験を 2 段階の選抜方法で実施する場合において,出願書類等に よる第 1 段階目の選抜に合格しなかった者が納入した第 2 段階目の選抜に係る検定料 2)前期に係る授業料を納入するときに,当該年度の後期に係る授業料を納入した者が,後期の納期前に休学 又は退学した場合における納入した後期に係る授業料 3)第 41 条第 2 項の規定により納入した授業料 第 9 章 大学院特別聴講学生,科目等履修生,特別研究学生及び大学院研究生 第 1 節 大学院特別聴講学生 (大学院特別聴講学生) 第 49 条 他の大学院又は外国の大学院の学生で,本学大学院において授業科目を履修し,単位を修得しようと ─ 411 ─ 参考資料 するものがあるときは, 当該大学院との協議により,大学院特別聴講学生として入学を許可することができる。 (入学の時期) 第 50 条 大学院特別聴講学生の入学の時期は,学期の始めとする。ただし,特別の事情がある場合は,この限 りでない。 (授業料等) 第 51 条 大学院特別聴講学生は,履修しようとする授業科目の単位数に応じて,入学を許可された月に授業 料を納入しなければならない。ただし,国立大学の大学院の学生並びに本学と外国の大学との大学間交流協 定に基づく外国人留学生で総長が授業料等を不徴収とした者(以下「協定留学生」という。)及び大学間相互 単位互換協定に基づく大学院特別聴講学生で総長が授業料を不徴収とした者については,授業料の納入を要 しない。 2 前項に規定する授業料等の不徴収の取扱いについては,別に定める。 3 第 1 項の授業料については,免除及び徴収猶予を行わない。 4 大学院特別聴講学生として入学しようとする者は,検定料及び入学料の納入を要しない。 (その他) 第 52 条 本節に規定するもののほか,大学院特別聴講学生に関することは,研究科において定める。 第 2 節 科目等履修生 (科目等履修生) 第 52 条の2 本学大学院の学生以外の者で,一又は複数の授業科目を履修し,単位を修得しようとする者があ る場合,研究科において適当と認めたときは,科目等履修生として入学を許可することができる。 (入学の時期) 第 52 条の3 科目等履修生の入学の時期は,学期の始めとする。ただし,特別の事情がある場合は,この限り でない。 (入学出願手続) 第 52 条の4 科目等履修生として入学を志願する者は,願書に履修しようとする授業科目及び期間を記載し, 履歴書及び検定料を添え,所定の期日までに当該研究科長に提出しなければならない。 (入学料) 第 52 条の5 科目等履修生として入学する者は,所定の日までに入学料を納入しなければならない。 2 前項の入学料については,免除及び徴収猶予を行わない。 (授業料) 第 52 条の6 科目等履修生は,履修しようとする授業科目の単位数に応じて,入学を許可された月に授業料を 納入しなければならない。 2 前項の授業料については,免除及び徴収猶予を行わない。 (その他) 第 52 条の7 本節に規定するもののほか,科目等履修生に関することは,研究科において定める。 第 3 節 特別研究学生 (特別研究学生) 第 53 条 他の大学院又は外国の大学院の学生で,本学の大学院又は研究所等において研究指導を受けようとす るものがあるときは,当該大学院との協議により,特別研究学生として入学を許可することができる。 (入学の時期) 第 54 条 特別研究学生の入学の時期は, 学期の始めとする。ただし,特別の事情がある場合は,この限りでない。 (授業料等) 第 55 条 特別研究学生は,研究指導を受けようとする期間の月数に応じて,入学を許可された月に授業料を納 入しなければならない。ただし,国立大学の大学院の学生並びに協定留学生及び大学間特別研究学生交流協定 ─ 412 ─ 参考資料 に基づく特別研究学生で総長が授業料を不徴収とした者については,授業料の納入を要しない。 2 前項に規定する授業料の不徴収の取扱いについては,別に定める。 3 第 1 項の授業料については,免除及び徴収猶予を行わない。 4 特別研究学生として入学しようとする者は,検定料及び入学料の納入を要しない。 (その他) 第 56 条 本節に規定するもののほか,特別研究学生に関することは,研究科又は研究所等において定める。 第 4 節 大学院研究生 (大学院研究生) 第 57 条 本学大学院において特別の事項について研究しようとする者がある場合,研究科において適当と認め たときは,大学院研究生として入学を許可することができる。 (入学の時期) 第 58 条 大学院研究生の入学の時期は, 学期の始めとする。ただし,特別の事情がある場合は,この限りでない。 (入学出願手続) 第 59 条 大学院研究生として入学を志願する者は,願書に研究事項及び期間を記載し,履歴書及び検定料を添 え,所定の期日までに当該研究科長に提出しなければならない。ただし,協定留学生については,検定料の納 入を要しない。 (入学料) 第 60 条 大学院研究生として入学する者は,所定の期日までに入学料を納入しなければならない。ただし,協 定留学生については,入学料の納入を要しない。 2 前項の入学料については,免除及び徴収猶予を行わない。 (授業料) 第 61 条 大学院研究生は, 前期(4 月から 9 月まで)及び後期(10 月から翌年 3 月まで)の 2 期の区分ごとに, それぞれの期における在学予定期間に相当する授業料の額を当該期間における当初の月に納入しなければなら ない。ただし,協定留学生については,授業料の納入を要しない。 2 前項の授業料については,免除及び徴収猶予を行わない。 (研究費) 第 62 条 研究に要する費用は,特に定めるもののほか,大学院研究生の負担とする。 (その他) 第 63 条 本節に規定するもののほか,大学院研究生に関することは,研究科において定める。ただし,大学院 研究生の定員,入学資格,選考方法等については,大学院委員会の承認を得るものとする。 第 5 節 検定料,入学料及び授業料の額 第 64 条 第 59 条の検定料,第 60 条第 1 項の入学料並びに第 51 条第 1 項,第 55 条第 1 項及び第 61 条第 1 項 の授業料の額は,それぞれ料金規程に定める額とする。 第 10 章 外国人留学生 第 65 条 外国人で大学において教育を受ける目的をもって入国し,本学大学院に入学を志願する者があるとき は,外国人留学生として入学を許可することができる。 2 外国人留学生の入学許可については,第 16 条に規定する保証書の提出を要しない。 3 外国人留学生は,学生定員の枠外とすることができる。 4 前 3 項に規定するもののほか,外国人留学生の入学その他に関し必要な事項は,別に定める。 ─ 413 ─ 参考資料 別表(第 4 条関係) 入学定員 研 科 前期課程 (修士課程) 後期課程 前期課程 (修士課程) 後期課程 科 60 30 120 90 教育発達科学研究科 54 27 108 81 35 17 70 51 文 法 究 収容定員 学 学 研 研 究 究 科 <80> <240> 44 22 88 66 154 73 308 219 48 17 96 51 (10)20 161 50 644 科 445 167 890 501 生 命 農 学 研 究 科 121 57 242 171 国 際 開 発 研 究 科 64 32 128 96 多元数理科学研究科 47 30 94 90 国際言語文化研究科 48 24 96 72 環 境 学 研 究 科 137 64 274 192 情 報 科 学 研 究 科 106 48 212 144 経 済 学 研 究 科 理 学 研 究 科 医 学 系 研 究 科 工 学 研 究 備考)医学系研究科の入学定員及び収容定員の前期課程欄中の下段は,修士課程を,後期課程欄中の下段は, 医学博士課程を示す。また,医学系研究科欄の( )内は,修業年限 1 年のコースの定員を外数で,法 学研究科欄の下段の < > 内は,法科大学院専門職学位課程の定員を示す。 附 則 1 この通則は,平成 16 年 4 月 1 日から施行する。ただし,平成 15 年度以前に入学した者については,この規 程の施行前の名古屋大学大学院通則を適用する。 2 第 48 条第 1 号の規定は,平成 16 年度入学試験から適用する。 3 文学研究科,理学研究科,工学研究科,人間情報学研究科,多元数理科学研究科及び情報科学研究科の後期 課程に係る収容定員は,平成 16 年度においては,別表にかかわらず,次のとおりとする。 文学研究科後期課程 収容定員 86 名 理学研究科後期課程 収容定員 217 名 工学研究科後期課程 収容定員 509 名 人間情報学研究科後期課程 収容定員 39 名 多元数理科学研究科後期課程 収容定員 95 名 情報科学研究科後期課程 収容定員 96 名 4 法学研究科の前期課程に係る収容定員は,別表にかかわらず,次のとおりとする。 法学研究科前期課程 平成 16 年度 収容定員 95 名 5 法学研究科及び医学系研究科の後期課程に係る収容定員は,別表にかかわらず,次のとおりとする。 法学研究科後期課程 平成 16 年度 収容定員 79 名 平成 17 年度 収容定員 65 名 ─ 414 ─ 参考資料 医学系研究科後期課程 平成 16 年度 収容定員 17 名 平成 17 年度 収容定員 34 名 6 法科大学院の専門職学位課程に係る収容定員は,別表にかかわらず,次のとおりとする。 法科大学院専門職学位課程 平成 16 年度 収容定員 80 名 平成 17 年度 収容定員 160 名 附 則(平成 17 年 2 月 21 日通則) この通則は,平成 17 年 2 月 21 日から施行し,改正後の第 51 条及び第 55 条の規定は,平成 16 年 4 月 1 日 から適用する。 ─ 415 ─ 参考資料 ⑵ 名古屋大学大学院医学系研究科規程 制 定 昭和 30 年 4 月 01 日 最終改正 平成 16 年 7 月 21 日 (趣 旨) 第1条 名古屋大学大学院医学系研究科(以下「研究科」という。)における教育課程,授業,研究指導,成績 評価等(以下「研究科の教育」という。)については,名古屋大学大学院通則(平成 16 年度通則第 2 号)に定 めるもののほか,この規程の定めるところによる。 2 この規程に定めるもののほか,研究科の教育に関し必要な事項は,研究科委員会が定める。 (修士課程の授業科目,単位数等) 第2条 修士課程の授業科目及びその単位数は,別表第 1 のとおりとする。 2 修士課程医科学専攻(次項の医療行政コースを除く。)における授業科目の履修方法は,必修科目 26 単位並 びに選択必修科目において「医科学各論」及び「医学基礎実習」の科目のうちからそれぞれ 2 単位以上,合計 30 単位以上を修得しなければならない。 3 修士課程医科学専攻に医療行政コースを置き,そのコースの授業科目の履修方法は,必修科目 28 単位及び 選択必修科目 2 単位以上,合計 30 単位以上を修得しなければならない。 4 各授業科目の単位数の計算の基準は,研究科委員会が定める。 (博士課程の授業科目,単位数等) 第3条 博士課程(医学を履修する博士課程(以下「医学博士課程」という。)を除く。 )の授業科目及びその単 位数は,別表第 2 のとおりとする。 2 博士課程前期課程の看護学専攻,医療技術学専攻及びリハビリテーション療法学専攻における授業科目の履 修方法は, 共通科目から 6 単位以上及び専門科目から 24 単位以上,合計 30 単位以上履修しなければならない。 ただし,専門科目については,指導教員が指定する特論を 1 科目 2 単位,セミナー又は実習を 1 科目 2 単位及 び特別研究を 1 科目 10 単位,合計 14 単位を履修しなければならない。 3 博士課程後期課程の看護学専攻,医療技術学専攻及びリハビリテーション療法学専攻における授業科目の履 修方法は,指導教授が指定する特講 1 科目 2 単位,特講演習 1 科目 2 単位及び特別研究 1 科目 4 単位,合計 8 単位以上履修しなければならない。 4 各授業科目の単位数の計算の基準は,研究科委員会が定める。 (医学博士課程の科目区分,授業科目,単位数等) 第4条 医学博士課程の授業科目の科目区分及びその内容は,次表のとおりとする。 科 目 区 分 基 礎 科 目 大学院教育の一環としてできるだけ幅広く,かつ,基礎的な知識を 身に付けさせるための各専攻共通の科目である。 主 専 攻 科 目 学生が目指す専門分野の研究を推し進め,創造力豊かな研究者又は 医療指導者となるための中核的な科目である。 学生の所属する専門分野が開講する総合科目又は特定科目(セミ ナー及び実験研究から成る。)から選択し,履修する。 副 専 攻 科 目 高度な専門知識と研究創造能力を身に付けさせる科目として位置づ けられ,主専攻科目に関連した科目とする。 学生の所属する専攻が開講する総合科目又は特定科目(セミナー及 び実験研究から成る。)から選択し,履修する。履修時間数に応じて 試験を受けた上で,単位を認定する。 広領域専攻科目 医学・医療の広い分野の発展を総合的に把握させる科目として位置 づけられ,主専攻科目に関連した科目とする。 学生の所属する専攻以外の専攻が開講する総合科目又は特定科目 (セミナー及び実験研究から成る。)から選択し,履修する。履修時 間数に応じて試験を受けた上で,単位を認定する。 専 攻 科 目 内 容 ─ 416 ─ 参考資料 2 医学博士課程における各専攻の授業科目及びその単位数は,別表第 3 のとおりとする。 3 医学博士課程における授業科目の履修方法は,各専攻において履修し,修得すべき授業科目及びその単位数 は,主として研究する主専攻科目(総合科目又は特定科目)16 単位,各専攻共 通の授業科目 4 単位,副専攻 科目又は広領域専攻科目 10 単位以上,合計 30 単位以上とする。ただし,臨床医学系科目を主専攻科目とする 者は,6 単位以上の基礎医学系科目を副専攻科目又は広領域専攻科目として含めるものとする。 4 各授業科目の単位数の計算の基準は,研究科委員会が定める。 (指導教員) 第5条 入学を許可された者には,専門分野に従って,それぞれ指導教員を定める。 2 指導教員は,1 名以上とし,必要に応じて,他の研究科の教授を加えることができる。 3 指導教員は,授業科目の履修方法の指導及び研究指導を行うものとする。 (学修計画) 第6条 指導教員は,入学を許可された者の学修計画を定め,学年開始後 1 月以内に研究科長に提出しなければ ならない。 2 研究科長は,前項の学修計画について,研究科委員会の議を経て承認する。 (他の研究科等の授業科目の履修) 第7条 研究科委員会が適当と認めたときは,他の研究科又は他の学部の授業科目を履修し,修得した単位は, 課程修了に必要な単位として認定することができる。 (他の大学院の授業科目の履修) 第8条 学生が他の大学院の授業科目を履修し,修得した単位は,10 単位を超えない範囲で,課程修了に必要 な単位として認定することができる。 2 前項の規定により授業科目を履修し,単位を修得しようとするときは,3 月前までに研究科長に願い出なけ ればならない。 (他の大学院等における研究指導) 第9条 学生が他の大学院又は研究所等において研究指導を受けた場合の認定方法は,研究科委員会が定める。 (留 学) 第 10 条 学生が留学しようとするときは,3 月前までに研究科長に願い出なければならない。 2 前 2 条の規定は,学生が留学する場合に準用する。 (成績評価) 第 11 条 成績評価は,授業科目の試験(以下「科目試験」という。)及び学位試験とする。 2 科目試験の成績は,A,B,C 及び D とし,A,B 及び C を合格とする。 3 学位試験は,名古屋大学学位規程(平成 16 年度規程第 104 号)の定めるところにより行う。 4 学位論文は,学修計画によって所定の授業科目を履修し,30 単位以上(博士課程後期課程にあっては 8 単 位以上)を修得した後,随時提出することができる。 5 科目試験及び学位試験の時期,方法その他必要な事項は,あらかじめ公示する。 (追試験) 第 12 条 病気その他やむを得ない事由により科目試験を受けなかった者は,その試験に合格することによって 学位論文提出の資格を得られる場合に限り,研究科委員会の議を経て,追試験を受けることができる。 (再試験) 第 13 条 学位試験に不合格となった者は,研究科委員会の議を経て,6 月後に再試験を受けることができる。 (転入学者の既修得単位の認定) 第 14 条 他の大学院から転入学した者の既修得単位の認定については,研究科委員会が定める。 (大学院特別聴講学生の入学) 第 15 条 大学院特別聴講学生の入学は,研究科委員会において選考の上,研究科長が許可する。 (特別研究学生の入学) 第 16 条 特別研究学生の入学は,研究科委員会において選考の上,研究科長が許可する。 ─ 417 ─ 参考資料 (大学院研究生の定員) 第 17 条 大学院研究生の定員は,198 名とする。 (大学院研究生の入学) 第 18 条 大学院研究生の入学資格は,次のとおりとする。 1)大学の医学部又は歯学部を卒業した者 2)修士の学位を有する者 3)外国において学校教育における 18 年の課程を修了した者 4)研究科委員会において,前各号のいずれかに該当する者と同等以上の学力があると認めた者 2 大学院研究生の入学は,研究科委員会において選考の上,研究科長が許可する。 (大学院研究生の在学期間) 第 19 条 大学院研究生の在学期間は,1 年以内とする。ただし,学年の中途で入学した場合における在学期間は, 当該学年末までとする。 2 在学期間が満了しても研究のため,なお引き続き在学しようとする者があるときは,研究科長の許可を得て 在学期間を延長することができる。 3 前項の場合,研究科長は,研究科委員会の議を経て許可する。 附 則 この規程は,平成 16 年 4 月 1 日から施行する。ただし,平成 15 年度以前に入学した者については,この規程 の施行前の名古屋大学大学院医学系研究科規程を適用する。 附 則(平成 16 年 7 月 21 日規程第 291 号) この規程は,平成 16 年 10 月 1 日から施行する。ただし,平成 16 年 9 月 30 日以前に入学した者については, なお従前の例による。 ─ 418 ─ 参考資料 別表第 1(第 2 条関係) (1)修士課程医科学専攻 専 攻 授 業 科 目 必 須 科 目 人 体 形 態 学 2 単位 人 体 機 能 学 2 単位 病 理 病 態 学 2 単位 学 2 単位 臨 床 医 学 概 論 2 単位 医 科 学 セ ミ ナ ー 8 単位 医 科 学 実 験 研 究 8 単位 解 剖 学 2 単位 生 理 学 2 単位 生 化 学 2 単位 薬 理 学 2 単位 学 2 単位 学 2 単位 社 医 科 学 各 論 選 択 必 須 科 目 医科学 単 位 数 医 会 医 療 病 薬 理 微 生 物 学 2 単位 医 動 物 学 2 単位 学 2 単位 学 2 単位 学 2 単位 免 社 医 疫 会 療 医 情 報 医学基礎実習 解 剖 学 1 単位 生 理 学 1 単位 生 化 学 1 単位 病 理 学 1 単位 学 1 単位 分 子 生 物 【履修方法】 必須科目 26 単位並びに選択必須科目において「医科学各論」及び「医学基礎実習」の科目のうちからそれぞ れ 2 単位以上,合計 30 単位以上を修得しなければならない。 (省 略) ─ 419 ─ 参考資料 ⑶ 名古屋大学学位規程 制 定 昭和 28 年 4 月 01 日 最終改正 平成 16 年 7 月 20 日 名古屋大学学位規程 第1条 本学において授与する学位は,学士,修士,博士及び専門職とする。 第2条 名古屋大学通則(平成 16 年度通則第 1 号)第 32 条第 1 項の規定により卒業を認定された者に学士の学 位を授与し,その学位記には,学部又は学科の区分に従い,次の専攻分野の名称を付記するものとする。 学 部 学 科 名 学 士 部 文学 教 育 学 部 教育学 法 部 法学 経 済 学 部 経済学 情報文化学 情報文化学 理 学 部 理学 医 学 部 文 学 学 医 学 科 保 健 学 科 医学 看護学 保健学 リハビリテーション 学 工 学 部 工学 農 学 部 農学 2 名古屋大学大学院通則(平成 16 年度通則第 2 号。以下「大学院通則」という。 )第 34 条第 1 項の定めると ころにより本学大学院の課程を修了した者に修士,博士又は専門職の学位を授与し,その学位記には,研究科 の区分に従い,次の専攻分野の名称を付記するものとする。 研 究 科 名 修 士 博 士 専 門 職 文 学 研 究 科 文学 歴史学 文学 歴史学 教 育 発 達 科 学 研 究 科 教育学 教育 心理学 臨床心理学 教育学 教育 心理学 法 学 研 究 科 法学 比較法学 現代法学 法学 比較法学 現代法学 法務博士(専門職) 経済学研究科 経済学 経営管理学 経済学 理 学 研 究 科 理学 理学 医学系研究科 医科学 医療行政学 看護学 医療技術学 リハビリテーション療法学 医学 看護学 医療技術学 リハビリテーション療法 学 ─ 420 ─ 参考資料 工 学 研 究 科 工学 工学 生命農学研究科 農学 農学 国際開発研究科 学術 学術 多 元 数 理 科 学 研 究 科 数理学 数理学 国 際 言 語 文 化 研 究 科 文学 学術 文学 学術 環境学研究科 環境学 心理学 社会学 地理学 法学 経済学 理学 工学 建築学 環境学 心理学 社会学 地理学 法学 経済学 理学 工学 建築学 情報科学研究科 情報科学 工学 学術 情報科学 工学 学術 第 3 条 前条第 2 項に定めるもののほか,本学大学院研究科に論文を提出して,博士論文の審査及び試験に合 格し,かつ,博士課程を修了した者と同等以上の学力を有することを確認された者にも博士の学位を授与する ことができる。 第 4 条 大学院通則第 34 条第 2 項の定めるところにより本学大学院の前期 2 年の課程及び後期 3 年の課程の区 分を設けない博士課程に 2 年以上在学し,大学院通則第 31 条に規定する前期課程の修了要件を満たした者に も修士の学位を授与することができる。 第 5 条 本学大学院の課程による論文は,各研究科で定める授業科目を履修し,所定の単位を修得し,かつ, 必要な研究指導を受けた上,当該研究科長に提出するものとする。 第 6 条 第 3 条により学位を得ようとする者は,論文に履歴書及び学位審査手数料を添え,学位の種類を指定 した願書を当該研究科教授会又は当該研究科教授会が学位審査を委任している委員会等(以下「研究科教授会 等」という。)の承認を得て,総長に提出するものとする。 第 7 条 主論文は 1 編とし, 博士論文はその要旨を添え各 3 通,修士論文は 1 通を提出するものとする。この場合, 必要により,参考論文を添付することができる。 第 8 条 提出した論文及び納入した審査手数料は,返納しない。 第 9 条 論文を受理したときは,研究科教授会等は,指導教員を含む 2 名以上の教授を選出し,学位審査委員 会を組織する。ただし,必要あるときは,本学の他の研究科若しくは研究所,他の大学院若しくは研究所等又 は外国の大学院若しくは研究所等の教授その他の者を学位審査委員会に加えることができる。 2 学位審査委員会は,論文の審査及び試験に関する事項を担当する。 第 10 条 博士論文は,受理した後,1 年以内に審査を終了するものとする。ただし,特別の事情があるときは, 研究科教授会等の議決を経て,審査期間を延長することができる。 2 修士論文は,在学中に提出させ,審査を終了するものとする。 第 11 条 試験は,論文審査終了後に,筆記又は口頭で行う。 2 博士の試験は,論文の内容及びこれに関連ある専門分野の学識及び研究者として自立して研究活動を行い, 又はその他の高度に専門的な業務に従事するに必要な高度の研究能力について,修士の試験は,論文の内容を 中心として学識及び研究能力又は高度の専門性を要する職業等に必要な高度の能力について,審査するものと する。 ─ 421 ─ 参考資料 3 第 3 条による論文提出者に対しては,前項のほか,更に専攻学術に関し,大学院博士課程を修了した者と同 等以上の学力を有するか否かについて,審査するものとする。 第 12 条 学位審査委員会は,審査の結果を研究科教授会等に報告する。ただし,博士の学位試験については, その要旨を書面で報告しなければならない。 2 研究科教授会等は,前項の報告に基づいて合否を審議決定する。 3 学位審査の研究科教授会等における議決の方法は,各研究科が定める。ただし,その開会定足数は,当該研 究科教授会委員全員(海外旅行中又は休職中の者を除く。)の 3 分の 2 以上であることを要し,合格の決定は, 無記名投票により,出席者の 3 分の 2 以上の賛成を必要とする。 第 13 条 研究科長は, 学位試験に合格した者を合格決定の日から 20 日以内に,総長に報告しなければならない。 この場合,博士の学位試験に合格した者については,論文 2 編のほかに,論文の要旨,論文審査及び試験の結 果の要旨並びに履歴書各 1 通を添付するものとする。 第 14 条 学部の定める卒業の資格を認定された者には,当該学部長の報告に基づき,又は学位試験に合格した 者には,当該研究科長の報告に基づき,総長は,所定の学位を授与する。 2 学位記は,次のとおりとする。 第 号 名 古 屋 大 学 総 長 氏 名 名 古 屋 大 学 学 部 長 氏 名 第 号 名 古 平 成 屋 年 大 月 学 日 大 学 印 平 成 年 月 日 ︵ て ︶ 本 の 学 学 を 位 卒 を 業 授 し 与 た す こ る と を 認 め 学 士 ︵ 試 ︶ 験 の に 学 合 位 格 を し 授 た 与 の す で る 修 士 ︵ 又 は 博 士 ︶ の 単 位 を 修 得 し 学 位 論 文 の 審 査 及 び 最 終 本 学 学 部 学 科 所 定 の 課 程 を 修 め 大 学 印 氏 年 月 日 生 名 本 学 大 学 院 研 究 科 専 攻 に お い て 所 定 ─ 422 ─ 氏 年 月 日 生 名 都 道 府 県 学 学 位 記 様 式 一 位 記 都 道 府 県 学 位 記 学 位 記 様 式 二 ︵ 課 程 修 了 に よ る も の ︶ 参考資料 第 号 る 名 古 平 成 屋 年 大 月 学 日 大 学 印 修 了 し た の で 修 士 ︵ ︶ の 学 位 を 授 与 す 本 学 大 学 院 研 究 科 専 攻 の 修 士 課 程 を 氏 年 月 日 生 名 都 道 府 県 学 位 記 学 位 記 様 式 三 ︵ 研 究 成 果 の 審 査 に よ る も の ︶ 第 号 名 古 平 成 屋 年 大 月 学 日 大 学 印 第 号 名 古 平 成 屋 年 大 月 学 日 大 学 印 士 ︵ 専 門 職 ︶ の 学 位 を 授 与 す る の 専 門 職 学 位 課 程 を 修 了 し た の で 法 務 博 博 い 士 て ︵ 所 定 の ︶ 審 の 学 査 位 及 を び 授 試 与 験 す に る 合 格 し た の で 本 学 大 学 院 法 学 研 究 科 実 務 法 曹 養 成 専 攻 本 学 大 学 院 に 論 文 を 提 出 し 研 究 科 に お ─ 423 ─ ︵ 氏 年 月 日 生 名 氏 年 月 日 生 名 都 道 府 県 学 位 記 法 科 大 学 院 専 門 職 学 位 課 程 修 了 に よ る も の 学 位 記 様 式 四 ︶ 都 道 府 県 学 位 記 学 位 記 様 式 五 ︵ 論 文 提 出 に よ る も の ︶ 参考資料 第 15 条 博士の学位を授与された者は,1 年以内に学位論文を印刷公表しなければならない。ただし,学位授 与前に印刷公表したものは,この限りでない。 2 前項の規定にかかわらず,博士の学位を授与された者は,やむを得ない事由がある場合は,当該研究科の承 認を受け,当該論文に代えて,その内容を要約したものを印刷公表することができる。この場合,当該研究科 は,求めに応じてその論文の全文を閲覧に供するものとする。 3 学位授与後に公表する場合は,名古屋大学審査学位論文と明記することを要する。 第 16 条 修士,博士又は専門職の学位を授与された者で,次の各号のいずれかに該当するときは,大学院委員 会の議を経て,授与した学位を取り消すものとする。 1)不正の方法により学位を受けた事実が判明したとき。 2)修士,博士又は専門職の学位を授与された者に,その名誉を汚辱する行為があったとき。 第 17 条 第 6 条の学位審査手数料の額は, 名古屋大学授業料等の料金に関する規程(平成 16 年度規程第 87 号) に規定する額とする。 第 18 条 この規程に定めるもののほか,論文の審査及び試験に関し必要な事項は,各研究科において定める。 附 則 この規程は,平成 16 年 4 月 1 日から施行する。 附 則(平成 16 年 7 月 20 日規程第 285 号) 1 この規程は,平成 16 年 10 月 1 日から施行する。 2 法学研究科の専攻分野の名称は,改正後の第 2 条第 2 項の規定にかかわらず,平成 16 年 4 月以前に入学し, 当該専攻分野に係る課程を履修している者については,なお従前の例による。 参 考 名古屋大学授業料等の料金に関する規程に定める額 学位審査手数料 57,000 円 ─ 424 ─ 参考資料 鶴舞キャンパス建物配置図 N WC ev 棟 研究 基礎 解剖教育 施設保存棟 基 礎 研 究 棟 基礎研究棟別館 環 境 整 備 棟 附属動物実験施設 WC ev サ ー ク ル 室 中 央 動 力 棟 学 務 課 事 務 室 厚 生 会 館 宿 看 護 舎婦 附属図書館 医学部分館 ・食堂 運 転 手 詰 所 アイソトープ総合センター 分館 購買部等売店 医学部正門 ▲ ▲ 特 殊 診 療 棟 旧東病棟 旧 西 病 棟 高気圧治療部 装放 置射 施線 治 設療 中 央 診 療 棟 駐車場 材料棟 新中央診療棟 (工事中) 医系研究棟1号館 (校舎1号館) 中央診療棟 MRI-CT棟 外来診療棟 R I 診療棟 エネルギー センター棟 特殊病棟 西 病 棟 外来駐車場 東 病 棟 鶴友会館 病 院 正 門 ▲ ▲ ─ 425 ─ 保育所 名古屋大学大学院医学系研究科入学案内 2005 − 2006 発行年月日 2005 年 3 月 編 集 発 行 名古屋大学大学院医学系研究科 大学院教育委員会 〒 466-8550 名古屋市昭和区鶴舞町 65 ☎ 052(744)2431(ダイヤルイン)
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