Layer Management for Topo

KmsTitle: Layer Management of Topo-Survey
KmsCategory: Notes
KmsAttribute:
KmsCode: note001c
File:kms-note01c_TOPO-Layer_isi_000512.doc
Date:00/05/12
Author: Ichizuru ISHIMOTO
Version: C
CADD ノート(1)、地形図作成時のレイヤ管理について
(Layer Management for Topo - Survey)
1
はじめに
海外の設計業務では、地形測量業務が含まれており、設計担当者に測量の知識が求められる。特に、近
年のCADDソフトの利用による、測量、設計、製図、数量計算等の作業の統合化を実現するためには、測
量データの管理手法を設計者が理解していることが不可欠となっている。CADDソフトの利用が一般化して
いることで、一連の作業の手順(プロシージャ)の見直しが不可欠となっている。
本書では、これまでのCADDプロジェクト1の経験から、地形図作成時のレイヤ管理についての標準設定(案)
を示す。地形図作成プロセスの標準化を進めることにより、作業の生産性を向上できる。
一連の作業のプロセスのCADDソフト対応化を順次進めて行くことを予定するが、本書はプロセス標準化シ
ステム構築の第1段とする。測量業務は、その成果品管理に限って言えば、設計業務より管理が容易と考
え、本書で提案するプロシージャを基本として、よりよい標準プロシージャが開発されてゆくことを願う。
2
提案するレイヤ名
2.1
提案するレイヤ名
提案する地形図の図面ファイルに関するレイヤ設定は次のとおりとする。
このレイヤの分類は次に述べるこれまでのプロジェクトからの学習、並びに日本国内の書籍2を参考とした。ペ
ンの太さについては今後のトライアルが必要である。実際的には、同じ地形図であってもプリント方法は2-3タ
イプ存在する。例えば、現地調査用には全てを黒(Color Number 7)でプリントすることが望ましいが、設計
図のバックグランドとする場合には、灰色(Color Number 8)でのプリントが望ましい、等の応用が必要である。
1
測量作業を伴うCADD プロジェクト。エルサルバドルの詳細設計(1996-97)、インドのフィージビリティ・スタディ
(1997-98)、ベトナム
の詳細設計(1998-2000)。
2
数値地図ユーザガイド(第 2 版補訂版):(財)日本地図センター、平成 10 年 1 月。
Keywords: CAD、CADD、測量、地形図、レイヤ、仕様、管理
1
KmsTitle: Layer Management of Topo-Survey
KmsCategory: Notes
KmsAttribute:
KmsCode: note001c
File:kms-note01c_TOPO-Layer_isi_000512.doc
Date:00/05/12
Author: Ichizuru ISHIMOTO
Version: C
表 2 - 1 地形図作成に用 いるレイヤ名
2.2
No.
レイヤ名
1
ペンの太さ
表示する対象
A1用紙
A3用紙
Boundary-mjr
0.15
0.15
2
Boundary-mnr
0.10
0.10
3
Road-mjr
0.3
0.15
国道等の主要な道路
4
Road-mnr
0.10
0.10
上記以外の道路
5
River
0.10
0.10
河川の情報
6
Water-sfr
0.20
0.10
河川以外の内水面、湖沼、ため池等の情報
7
Structure
0.30
0.15
構造物等の情報
8
Basepoint
0.30
0.15
三角点等の基準点
9
Others
0.10
0.10
10
Counter-mjr
0.30
0.15
主要な等高線
11
Counter-mnr
0.00
0.00
上記以外の等高線
12
3d-point
---
---
3次元情報を有したポイント
13
3d-line
0.00
0.00
3次元情報を有した線
行政区(国境、州境、県境等)に関する境界情報
街区(市町村境、町丁境、街区等 )に関する境界情
報
各種ユーティリティ、鉄道、公園、井戸、樹木等のそ
の他の土地利用
背景にある考え方
1) 地形測量の成果品は、AutoCADの3次元の図面で納品される。
2) 設計者は地形情報を修正・改変しない。つまり、地形図用の図面ファイルは別途保存する。
3) 設計者は地形図ファイルに基づき、3次元のDTMを作成する。
4) このDTMを含め、設計用の図面ファイルは別途用意する。
5) 設計作業と成果品に必要な地形図はAutoCADの外部参照機能によって利用する。
Keywords: CAD、CADD、測量、地形図、レイヤ、仕様、管理
2
KmsTitle: Layer Management of Topo-Survey
KmsCategory: Notes
KmsAttribute:
KmsCode: note001c
File:kms-note01c_TOPO-Layer_isi_000512.doc
Date:00/05/12
Author: Ichizuru ISHIMOTO
Version: C
測量
現場作業
測量
製図作業
ドラフト
地形図
受取り
最終成果
地形図
DTM構築
線形検討
topo-final.dwg
最終DTM
の完成
DTM-final
測量作業フェーズ
土量バラ
ンス他
設計作業フェーズ
最終線形
の完成
図 2-1
2.3
測量作業と設計作業の関係
利用方法に関する考察
1) 地形データのレイヤ分類は、DTM作成に必要か否か、で区別する。
2) プリント時の線幅が異なる情報は異なるレイヤとする。
3) ユーティティ関連は、場所によってはかなり情報量が多く、表示が混雑する場合も考えられる
が、街路区間等ユーティリティが輻輳する区間では別途レイヤを設置するものとして、標準時に
は含めない。
4) 用地境界は重要な情報であるが、地形測量時点では採取しないものとする。用地測量段階
で別途図面を作成するものとする。
5) レイヤの名称が長いと感じるのであれば、短縮形を利用しても良いが、AutoCAD外部参照機
能を利用する作業手法によれば、長いレイヤ名はそれほど問題ではないと考えられる。
Keywords: CAD、CADD、測量、地形図、レイヤ、仕様、管理
3
KmsTitle: Layer Management of Topo-Survey
KmsCategory: Notes
KmsAttribute:
KmsCode: note001c
3
これまでのプロジェクトの地形測量とレイヤ管理
3.1
これまでのプロジェクトの地形測量の概要
File:kms-note01c_TOPO-Layer_isi_000512.doc
Date:00/05/12
Author: Ichizuru ISHIMOTO
Version: C
これまでのプロジェクトの地形図作成時のレイヤ設定について以下にまとめる。海外業務は、当該国の技術
レベルや技術慣習並びにクライエントの予算等によって、実施する作業の内容が大きく異なる。
エルサルバドルの詳細設計(OECF, 1996-1997)
エルサルバドルの業務では、測量作業はプロジェクト内で実施した。初めてデジタル測量3を採用し、プロジェ
クトの初期には、測量機器メーカーによる器機取り扱いの講習会を2度に亘り開催した。地形が急峻である
こともあり、横断測量は不適当と判断し、100m 2に一点以上の採点密度でランダム測量を実施した。現場
の測量チームは概ね1km毎にデータを設計事務所へ提出してきた。設計チームは交差点等のコントロールを
考慮しながら、測量地形図のドラフトが完成した区間から線形設計を実施した。
インドのフィージビリティ・スタディ
(JICA, 1997-1998)
インドの業務はJICAであることもあり、地形測量の予算が確保されていた。予算が確保されている場合は、
横断測量を実施することが品質管理の観点から望ましい。測量作業は現地の会社に作業外注を行い、そ
のために作業仕様書を作成した。現地業者はトータル・ステーションの扱いには馴致していた。GPS点の現
地での測設と測量中心線の確定でJICA側の作業が増加したが、結果から考えると横断測量という従来か
らの方法であったため、測量成果は精度の良いものであった。
ベトナムの詳細設計(JBIC 4, 1998-2000 5)
ベトナムの測量業者はトータル・ステーションを利用しておらず、トータル・ステーションの購入から測量作業は
始まった。イギリス人の測量エンジニアは、デジタル測量が初めてであったため、初めに彼にデジタル測量の作
業の流れを学習してもらった。その後、現地の測量業者に測量機器メーカーによる器機取り扱いの講習会
を実施した。トータル・ステーションに不慣れなこともあり、成果品の精度も悪く、作業期間も予定より大幅に
遅れた。
3.2
これまでのプロジェクトのレイヤ管理
エルサルバドルの詳細設計(OECF, 1996-1997)
エルサルバドルの業務では、測量作業をプロジェクト内で実施し、筆者が測量地形図の図化を担当したた
め、CADオペレータにレイヤ名の管理、線の太さについて指示した。
インドのフィージビリティ・スタディ
(JICA, 1997-1998)
インドの業務では、測量作業を現地の会社に作業外注を行い、その成果品から筆者がDTMを構築した。2
次元の地形図については測量業者からの電子ファイルを極力利用したため、レイヤ名は彼らの初期設定を
反映している。
ベトナムの詳細設計(JBIC 6, 1998-2000 7)
筆者は、プロジェクト初期の測量の作業計画作成を除いて、実際の測量作業並びにその後のDTM構築に
は関与しなかったため、レイヤ名は測量会社の設定を反映している。
3
4
5
6
7
トータルステーションからのデータをデータ・レコーダに保存し、パソコンを通して地形図を作成する手法。
1999 年 10 月 1 日、海外経済協力基金(OECF)と日本輸出入銀行が合併し、日本協力銀行(JBIN)が設立された。
地形測量の現場作業は1999 年 8 月頃完了した。
1999 年 10 月 1 日、海外経済協力基金(OECF)と日本輸出入銀行が合併し、日本協力銀行(JBIN)が設立された。
地形測量の現場作業は1999 年 8 月頃完了した。
Keywords: CAD、CADD、測量、地形図、レイヤ、仕様、管理
4
KmsTitle: Layer Management of Topo-Survey
KmsCategory: Notes
KmsAttribute:
KmsCode: note001c
File:kms-note01c_TOPO-Layer_isi_000512.doc
Date:00/05/12
Author: Ichizuru ISHIMOTO
Version: C
表 3-1
No.
1
2
3
8
国名/実施年/
作業/路線延
長
エルサルバドル/
1996-97/
詳細設計/
21KM(4車線)
インド/
1997-98/
フィージビリティ・
スタディ/
57KM(27+30)
4車線
ベトナム/
1998-1999/
詳細設計/
160KM
2車線
(一部4車線)
地形測量の
形態/縮尺
ランダム採
点、変化点
1:1000
@100M の 横
断測量、
変化点
1:5000
@100M の 横
断測量、
変化点
1:5000
これまでのプロジェクトの地形図作成作業
レイヤ名
スタッフ数8
パソコンの性能
1)
CONT-MJR
CONT-MNR
FENCE
HOUSE
OTHER
REFERENCE
ROAD
SHOULDER
TREE
2)
道路エンジニア:2人
CADオペレータ:2人
CPU 75MHZ
MEMORY 24MB
3)
4)
AREA
BENCHMARK
BOREHOLE
BUILD
CONT_MJR
CONT_MNR
DRAIN
GPS
LINE
OTHER
RAIL
ROAD
STRUCT
VILLAGE
WELL
LINE-2D
LINE-3D
LINE-MN
LINE-TELE
LINE-TU
LINE-TX
MISC
POINT-2D
POINT-CONTROL
POINT-DESC
POINT_ELEV
POINT_NAME
POST-ELECTRIC
POST-LIGHTING
RICE-FIELD
SLOPE
TEXT
TRAFFIC-SIGN
5)
1)
2)
3)
道路エンジニア:1人
CPU 133MHZ
MEMORY 80MB
4)
5)
6)
1)
2)
3)
測量エンジニア:2人
DTMエンジニア:1人
CADオペレータ:1人
CPU 400MHZ
MEMORY 128MB
4)
5)
6)
地形図を作成する作業にプロジェクト・オフィス内で従事したスタッフ数
Keywords: CAD、CADD、測量、地形図、レイヤ、仕様、管理
解説
5
道路設計 CADD を利用した初めての測量、
設計統合プロジェクト。
測量作業は外注せずにプロジェクト内部で実
施。
パソコンの性能による制限から、地形図は
2KM程度毎に作成した(ポイント数4000程度
を目安)
DTMは2KM毎にサーフェス名を変えて作成し
た。
設計作業は外部参照機能を使わなかった。
地形測量はローカル業者に外注した。
GPS測量による基準点の設置。
ローカル業者の成果品は、① 2次元地形図、
②3次元地形図、③測点の数値データ、④
測量レポート
DTMは成果品の数値データから作成。
成果品の3次元地形図はコンターが不正確
で使えなかった。
設計作業は外部参照機能を使わなかった。
地形測量はローカル業者に外注した。
GPS測量による基準点の設置。
ローカル業者の成果品は、① 2次元地形図、
②測量レポート
DTMは成果品の2次元地形図からプロジェク
ト内で作成。
ファイルのハンドリングを考え、2-5KM程度で
図面ファイルを分割した。
設計作業は外部参照機能を使った。
KmsTitle: Layer Management of Topo-Survey
KmsCategory: Notes
KmsAttribute:
KmsCode: note001c
4
File:kms-note01c_TOPO-Layer_isi_000512.doc
Date:00/05/12
Author: Ichizuru ISHIMOTO
Version: C
今後のCADD設計作業のあり方
CADDソフトによる設計が一般的となり、特に海外では現地の条件によって各種の手法での測量作業が実
施されるであろう。今後の本書に示されたレイヤ設定を基本として、より実際的なナレッジを蓄積してゆきた
い。
5
考察
次回の改訂では、これまでの英文仕様書(Specification)に関して考察を行い、測量作業仕様書の標準ス
タイルと内容を本書に含めたい。
6
改訂の記録
Revision
Date Revised
Reasons/Contents Modified
1
000310
初版
2
000319
KMS対応文書とする。
C
000512
図表番号を自動インデックスに変更。Revisionをアルファベットに変更。
*
*
*
Keywords: CAD、CADD、測量、地形図、レイヤ、仕様、管理
6