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第 69 回 FIP(国際薬学会議)出席報告 2008 年 9 月 3~8 日、Istanbul Lütfi Kırdar Congress and Exhibition Center , Turkey で
開催された第 69 回 FIP(国際薬学会議)で
参加して参りました。
この会議場は軍事博物館の中にあり、外側
からはわかりにくい建物なのですが、現地
の方のお話では常に大きな国際学会の会場
になっているということでした。
「Responsibility for Patient Outcomes~
are you ready?」というタイトルで開催さ
れた本会は、患者に対する薬剤師の責任を
議論した内容が多く、大変に魅力的な年会
でした。
私は「薬剤師のモラルディレンマ」について、私が行っているケース・
アプローチの方法をポスター発表して参りましたが、各国の関心は大変
に高く、私自身が驚くほどでした。
スウェーデンの Sitaram Velaga 助教授からは「倫理教育って難しいけ
れど、あなたのやっているような方法はとっても有効だね。必ずメール
でレジュメを送ってきてよ!」と言われました。
国際的に見ると薬剤師の置かれた状況は異なると思いますが、ケース・
アプローチという教育方法は、いずれの国の薬剤師にとっても取り組み
易く、また効果的であることは伝えられたのだと感じました。
今回は各シンポジウムでも倫理問題を扱ったセッションが多く、国際的
に薬剤師の倫理教育が『旬』であると身をもって感じました。
FIP 主催の薬局ツアーに参加しました。
トルコでは薬剤師免許は更新制ではなく、一度ライセンスを取
得したら半永久的な資格であるということや、古い薬局が多い
こと、オリジナルの薬局製剤を調整して販売したり、アシスタ
ントやアルバイトを何人も使ってたりという、トルコの薬局事
情を知ることができました。
シンポジウムでは、アドヒアランスに対する薬剤師の関わりによる経済
効果や、専門職の説明責任について言及されていました。いずれも倫理
問題とかかわりが深く、大変興味深い納得のいく発表内容でした。
また、ファーマコゲノミクスに関するシンポジウムも1つ開催されてい
ました。
来年、FAPA を主催する台湾のレセプションに招待を受けました。
写真は海外の友人達です。アメリカ、台湾、スイス、ポスターの前
の彼女はカナダと在住国はバラバラですが、いつもとても仲良しで
行動を共にします。FAPA での再会を誓いました。
近年のグローバリゼーションにより、薬剤師を取り巻
く環境は国際間で大きく変わらなくなってきていると
いう印象を持ちました。薬剤師に求められる役割や薬
剤師に必要な教育など、薬剤師の抱えている課題はいずれの国も近しいものでした。今後も、引き続き
国際的に情報発信をして行かれたらと思います。