英語版薬品情報提供書発行システムの汎用モデルの開発 井上幹雄 1), 西尾優作 2), 宮本菜摘 1), 瀧裕子 1), 吉野翠 1), 福田善彦 3) 1) アイン薬局大手町店 2) 腰越薬局 3) アイン薬局西新宿店 【目的】外国人患者が多く、英語版薬品情報提供書(英語薬情)の必要性が高い当社 大手町店では、マイクロソフト社のアクセスを用いた英語薬情発行システム(大手町 システム)を独自に開発、運用してきた。しかし、海外渡航などの患者要望から、他店 舗でも英語薬情の必要性が高まっている。そこで、様々な店舗条件でも英語薬情を 発行できる汎用システムを開発した。 【方法】アクセスを利用できる店舗は限られているため、大手町システムのエクセル版 を作成し、これを汎用システムとした。大手町システムの問題点を抽出し、これに対す る改善策を汎用システムに反映させ、操作性や動作の再現性などを確認した。 【結果】大手町システムの使用実績は、平成 24 年 11 月 1 日から平成 26 年 4 月 30 日までの 18 か月で 369 件であり、大手町店で英語薬情が必要となる頻度は 21 件/ 月程度と高かった。大手町システムでは、①英語用法の多様化、②ジェネリック医薬 品や同種同効薬の情報管理、③新薬発売時の迅速な情報更新、④日本語対応の機 能追加が求められた。これに対して汎用システムでは、①英語用法 568 種類の新規 導入、②YJ コードを利用した既存説明文への新たな薬効説明文の追記、③CSV 形 式データ配信による迅速な更新、④日本語表記を実現させた。汎用システムは大手 町システムと同等の動作を再現でき、操作性は向上した。 【考察】エクセル汎用システムを開発したことで、他店舗での英語薬情の運用が容易 となった。開発した汎用システムは、国際化が進む社会への対応が求められる保険 薬局の業務を強力にサポートできるものと考える。しかし、約 20,000 種類あると言わ れる全ての医薬品に対して薬効や副作用の説明文、注意事項等の必須事項が完全 に網羅されておらず、今後も更なるデータベースの追加とシステムのアップデートを 継続する必要がある。 (第 24 回医療薬学会年会(2014 年 9 月, 名古屋)にて発表, 一部要約)
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