3.2.2 対策の考え方 分流式下水道の雨水を対象としたノンポイント対策

3.2.2
対策の考え方
分流式下水道の雨水を対象としたノンポイント対策は,雨水の流出過程に応じて検討す
る必要があり,雨水の流出過程を次の 3 つの過程に分けて検討する。
①路面等から公共雨水ますまでの流出過程(表面流出過程)
②雨水管きょ内の流下過程
③雨水管きょの吐き口
【解
説】
(1)雨水の流出過程
ノンポイント負荷は,雨水の表面流出の過程で,地表面に堆積していた汚濁負荷が雨水
に取り込まれたものであり,その流出過程に応じて対策を検討する。
雨水の流出過程は,ノンポイント対策の面から次の 3 つの過程に分けられる。
①表面流出過程(路面等から公共雨水ますまでの流出過程)
②雨水管きょ内の流下過程
③雨水管きょの吐き口
(2)流出過程と対策手法の関係
雨水の流出過程に応じた対策手法は,おおむね表3-2および図3-2のように整理さ
れる。
表面流出および雨水管きょ内の流下過程では,雨水流出量の抑制および清掃等による堆
積負荷量の削減により流出負荷量を抑制する手法が考えられる。
排水区域からの放流に際しては,雨水の貯留および処理により流出負荷量を削減する手
法が考えられる。
なお,ノンポイントソースは面的な広がりをもつことから,雨水排水区の土地利用状況,
維持管理の簡便性,経済性を考慮し,排水区域全体で効率的な対策を講じる必要がある。
表3-2
主な対策の考え方
流出過程
表面流出過程
雨水管きょ内の流下過程
雨水管きょの吐き口
対策手法
貯留・浸透
路面等の清掃
雨水管きょ,雨水ます(公共)等での浸透
雨水管きょ,雨水ます(公共)等の清掃
貯留(別途処理が必要)
処理(沈殿,ろ過等)
透水性
舗装
各戸貯留
路面清掃
雨水浸透ます・
トレンチ(宅内)
吐き口
雨水管きょ
雨水浸透ます・
トレンチ(公共)
表面流出過程
河川,湖沼
貯留池等
雨水管きょ内の流下過程 雨水管きょの吐き口
雨水が屋根,路面等から雨水ま
す(公共)まで流下する過程
【対策:貯留,浸透,路面清掃等】
雨水が雨水ますから吐き
口まで流下する過程
吐き口
【対策:雨水管きょ・ま 【対策:貯留,処理等】
す等での浸透・清掃等】
注)各対策の配置やイメージについては,図3-4の「排水区域における対策施設の配置」を参照されたい。
図3-2
雨水の流出過程とその対策