2014年度マル査事績-脱税の実態は? ●脱税規模は低い水準 2014年度に全国の国税局が実施した強制調査は194 件と、前年より9件増えました。 調査実施後、毎年6割程度が検察庁へ告発されており、 昨年の件数は112件でした。税目でみると61%が法人 税、16%が所得税、12%が消費税の順でした。 告発分脱税額は123億円で、右図の通り前年より増加 しましたが、150億円を切っており低い水準です。内訳 は法人税75億円、所得税18億円、消費税11億円の他、 意外に目立つのが源泉所得税14億円です。 ●脱税の手口あれこれ… ●霊感商法、貧困ビジネスもターゲット <業種別の手口> クラブ・バー:ホステス報酬の源泉所得税を不納付。 不動産業:不動産の売上と仕入両方を除外。 建設業:架空原価の計上。 <税目別の手口> 消費税 ●架空の輸出免税売上と架空の課税仕入を計上し、 不正還付を受ける。 ●海外の仕入先に架空のインボイスを作成させ架空 仕入れを計上。 所得税 ●“脱税請負人”が給与所得者に対し、架空の事業 損失を計上して所得を減らす方法を指南し、還付申 告を行わせていた。 2014年度は★不動産業16件、★クラブ・バー10 件と告発件数が多く、建設業も8件で告発を受けて います。他に事業自体に問題があり、社会問題とな った業態についても告発されています。 ●脱税するとこんな羽目に… 国税庁では脱税防止効果を狙ってか、初めて下記 の事例を発表しました。 不動産業を営む法人が6,360万円を脱税したケース です。初めから申告していれば6,360万円で済んだと ころが、脱税したばかりに加算税2,500万円、罰金 1,200万円を課され、合計1億80万円を追徴されてい ます。 脱税が採算に合わない好事例といえましょう! ちなみに脱税後の裁判での有罪率はほぼ100%で、 最も重かったのは懲役3年でした。 ★大阪国税局OBも関与した除霊商法 「除霊しないと大変なことになる」と祈 祷をしつこく勧誘し、消費者庁から業務停 止命令も受けていた業者。 ブレスレット販売のほか四柱推命や風水などの占いを利 用した人生相談、鑑定業務を実施。2億2,200万円 の所得隠しで、脱税6,400万円。 ★デート商法で マンションを販売 女性社員が、婚活サイトで知り合った男 性とデートを重ね、相手にマンションを売りつ けて利益を得る手口。手数料等の所得を 隠して脱税していた。 ★貧困ビジネスで脱税 生活困窮者を劣悪な宿泊施設に住まわせ、本人か ら生活保護費全額を搾取し、本人へは2万円程度し か渡さない手口。入居者から徴収した住 居 費 を 他 人 の 口 座 へ 送 金 す る な ど で、 6,400万円を脱税。 ●脱税資金あちこちで発見 脱税資金は預金できないため、隠すか 使うかのいずれかとなります。今年も脱 税者が必死で隠した札束があちこちで発 見されました。 ★自宅納戸のダンボール、★ベッドのマットレス下のスーツケース (写真は自宅納戸に隠された札束)など。 一方「使った先」としては、不動産、株 式、外車や腕時計の購入、競馬や海外のカジ ノでの遊興費のほか、老人ホームの入居権利 金という事例までありました。 NEWS RELEASE 2015.8 Copyright© Eiwa Consulting , Inc. All Rights Reserved
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