症状6 頭 痛 頭痛に関連して 確認すべき事項 所見 問 診 ●疼痛の部位 ●発症様式と経過 ●疼痛の質(強さ・程度) ●増悪・軽減因子 ●随伴症状の有無 発症様式と経過、疼痛の質 ●既往歴 ・高血圧 ・慢性肺疾患 ・貧血 ・慢性副鼻腔炎 ・緑内障 ・転倒,外傷 など 緩慢で鈍い ●持続性の疼痛 突然で激しい ●持続性の疼痛 ●間欠性・反復性の疼痛 ●間欠性・反復性の疼痛 部位 ●全体的 ●局所的 随伴症状 クモ膜下出血,脳出血, 髄膜炎,急性硬膜下血 腫,急性硬膜外血腫な どの緊急性の高い病態 を判断し,即座に対応 できるようにフィジカ ルアセスメントを進め ていく 側頭部 前頭部 後頭部 眼部 三叉神経領域 ●突然の発症,悪心 ・激しい嘔吐 ●発熱,頸部の硬直 ●手足のしびれ,麻痺, 物が二重に見える ●突然の嘔吐,性格の変化 ●頭部外傷後1∼2ヶ月後の 意識障害,尿失禁 ●肩こり,首筋の張り ●閃輝暗点,光や音に過敏 ●鼻汁,流涙, 眼の奥の激しい痛み ●激しい眼痛,眼のかすみ 考えられる病態 ●クモ膜下出血 ●脳出血 ●髄膜炎,脳炎 ●緑内障 ●感冒性頭痛 ●高血圧性脳症 ●片頭痛 ●高血圧性頭痛 ●側頭動脈炎 ●群発頭痛, 片頭痛 ●後頭神経痛 ●緑内障 ●副鼻腔炎, 三叉神経痛 視 診 ●髄膜炎 ●脳腫瘍 ●脳出血 ●慢性硬膜下血腫 ●緊張型頭痛 ないために,以下の 観察を継続する ●緑内障 ●バイタルサイン ●群発頭痛 ●意識レベル ●呼吸状態 ●頭蓋内圧亢進症状 ●髄膜刺激症状 ●局所神経症状 ●脳ヘルニアの徴候 ●炎症所見 二次性頭痛 ●クモ膜下出血 ●検査結果 ●脳出血 あり ●髄膜炎 ●急性頭蓋内血腫 ●低酸素血症 ●高炭酸ガス血症 など あり あり なし ●緊張型頭痛 あり ●群発頭痛 ●頭部外傷 触 診 聴 診 打診 ●頭部の変形,圧痛 あり ●髄膜刺激症状 項部硬直 ケルニッヒ徴候 ブルジンスキー徴候など あり ●肩・頸部の筋緊張 あり ●緊張型頭痛 ●側頭部や眼窩の血管雑音 あり ●脳動脈奇形 ●前額洞と上顎洞の圧痛 および叩打痛 あり ●副鼻腔炎 357-Vol.59 No.4 ●増悪/軽減因子 ●自律神経症状 (流涙,鼻汁,ホルネル徴候) 異常を早期発見し, 状態の変化を見逃さ ●片頭痛 ●片頭痛 ●日常生活に支障 光・音過敏 ●クモ膜下出血, 脳出血 ●髄膜炎 ●感冒性頭痛 ●心因性頭痛 ●脳腫瘍,脳膿瘍 ●慢性硬膜下血腫 ●緊張型頭痛 ●クモ膜下出血 ●意識レベル低下 ●一定の体位 体動や開眼を嫌がる ●群発頭痛 ●三叉神経痛 ●後頭神経痛 ●舌咽神経痛 ●脳腫瘍、脳膿瘍 ●慢性硬膜下血腫 ●緊張型頭痛 ●副鼻腔炎,側頭動脈炎 ●心因性頭痛 緊急度の高い病態か否か ●バイタルサイン 発熱,拡張期血圧上昇と徐脈, 血圧上昇,不規則な呼吸, いびき様の呼吸 ●頭蓋内圧亢進症状 悪心,嘔吐,うっ血乳頭 ●局所神経症状 けいれん,麻痺,感覚障害 ●眼症状 瞳孔・眼球異常,視野障害 ●姿勢異常 除脳硬直,除皮質硬直 ●頭部外傷 追加収集すべき 確認事項 求められる対応 最も緊急度の高いクモ膜下出血, 脳出血,髄膜炎の危険性を判断 し,これらの疑いがある場合は 急変の危険性が高いため,優先 順位にしたがって,以下の対応 が求められる . 1.医師への報告 2.マンパワーの確保 と処置室への移動 3.モニタリング 4.急変に備えた準備 ・救急カートの準備 5.酸素の準備 6.輸液の準備(血管確保) 7.採血・諸検査および 緊急手 術の準備 8.血圧コントロール 9.呼吸管理 10.体位管理 11.鎮痛管理 12.安静保持 13.安全確保 (転倒,転落,誤嚥など) 14.不安の軽減 15.家族への精神的ケア クモ膜下出血では,再出 血を防ぐため,過剰な刺 激を避けつつ,以下の対 応が求められる . 1.医師への報告 2.マンパワーの確保と 処置 室への移動 3.モニタリング 4.酸素の準備 5.輸液の準備 (血管確保) 6.血圧コントロール 7.感覚遮断(光・音) 鎮痛・ 鎮静体位管理 (半座位) 8.急変に備えた準備・ 救急カートの準備 9.採血・諸検査および 緊急 手術の準備 10.不安の軽減 ストレス軽減 リラクセーション 安静を保てる環境整備 増悪因子を避ける 軽快因子を勧める 生活指導 薬物療法の効果を観察 ●クモ膜下出血 ●髄膜炎 ●髄膜刺激症 状の有無 ●進行する片 麻痺の有無 痙攣,脳出血に よる急変に対す る迅速な対応 看 護 技 術 2013-4 45
© Copyright 2024 Paperzz