環境・社会報告書 - 永谷園ホールディングス

永 谷 園 グ ル ー プ
環境・社会報告書
2 0 1 4
味ひとすじ、おいしさでつながる
トップメッセージ
創意と工夫で社会に貢献することが使命です
私たち永谷園は、2013年5月1日の創立記念日をもって創立60周年を迎え、新たな次の
30年に向かうスタートラインに立ちました。
社長就任後、
私はさまざまなお取引先へお伺いする機会が増えました。
そこで強く感じたの
は、
創業以来、
「味ひとすじ」の企業理念のもと、
「創意と工夫で、おいしく便利な商品を生み
出し、
社会に貢献する」
を使命に取り組んできたことに対する皆さまからの厚い信頼です。
これほどの励みはなく、創業以来の歴史の重みを私たちの一番の財産として、次の世代
に着実に継承しなければと思います。同時に、企業を取り巻く環境が大きく変化する中、
社会からの期待に応えるためには自ら変革に挑戦することが大切だと考えています。この
必要性を説き、
グループをひとつのベクトルに束ねていくのも社長としての重要な役割です。
安全で安心な商品を安定的にお届けいたします
企業は社会の変化に対応しながら、責任を持って成長・発展することが求められます。
会社を代表する立場として、永谷園という企業に課せられた社会的責任の重さを実感して
います。
食品企業である私たちが考える社会的責任は、
安全で安心な商品を安定的にお届けすること
だと思います。
そのため永谷園グループでは、
原料段階から安全を確認する独自の品質保証
システム
「NAFSAS
(ナフサス)
」
を構築し、
グループ全体で管理・運営を行っています。この
「NAFSAS」
は
“時代の変化に即応する品質保証システム”
と評価をいただき、
日本食糧新聞社
制定の第23回
「食品安全安心・環境貢献賞」
を受賞することになりました。
「日本になくてはならない会社」
を目指します
社長就任時から、私の思い描いている企業像はとても明快です。それは「日本になくては
ならない会社」
であり続けることです。
この理想像の追求こそが私たちの存在価値であると
考えています。
そのための取組みとして挙げられるのは、
各グループ企業がそれぞれの持ち味を生かし、
社会から必要とされる商品・サービスを、
きちんとしたかたちでお客さまにお届けすること
です。
さらに、
食生活の充実に貢献できる価値創造型の新商品を開発するという使命もあり
ますし、環境に配慮した生産体制の推進や従業員にとって働きやすい職場づくり、事業所
周辺でのコミュニティ活動もあります。
私たちが携わる食品事業は、
幸せで豊かな社会づくりへ貢献する手応えを直に実感できる
仕事です。このような幸せな環境で働いているのです
から、
ステークホルダーの皆さまから
「永谷園グループ
が、あって良かった」と言われるような仕事に、今後も
誇りを持って取り組んでいきたいと思います。
株式会社 永谷園 代表取締役社長
永谷園グループ
1 環境・社会報告書2014
CONTENTS
1
トップメッセージ
3
特集
2
目次/編集方針
マネジメント体制
4
5
6
CSR
コーポレート・ガバナンス
コンプライアンス
社会の中で
7
9
11
12
13
安全・安心への取組み、品質管理
お客さまとの関係
株主さまとの関係・情報コミュニケーション
従業員との関係
社会貢献
地球環境のために
14
環境基本方針/推進体制
16
2013年度取組み状況
18
地球温暖化防止への取組み
15
17
20
環境マネジメント
環境負荷の分析
容器包装への取組み
21
オフィスでの取組み
23
会社概要/業績の概要
22
環境会計/編集後記
編集方針
本報告書は、永谷園グループを支えてくださる皆さま
(お客さ
報告対象組織
ま、お取引先、株主さまなどの方々およびグループ従業員)
とのか
本報告書は、永谷園グループ
(株式会社永谷園および国内グルー
かわりを、より深くすることを目的として作成しました。 プ会社8社)
を報告対象としています。なお、株式会社永谷園の取
本報告書では、永谷園グループをよりご理解いただくために、
組みは、
「永谷園」
または事業所名のみで報告しています。
永谷園グループが2013年度に取り組んだ環境保全活動内容や企
環境パフォーマンス対象組織
業活動内容を広く紹介しています。
なお、本報告書の作成に際しては、環境省
「環境報告ガイドライ
(株)
永谷園
(茨城事業部・岡山事業部)
、
(株)
サンフレックス永谷
ン
(2012年版)
」
および
「環境会計ガイドライン
(2005年版)
」
を参
園
(本社工場・泉工場・宮下工場・遠野工場・高坂製袋工場・大
考にしました。
原工場・愛宕工場)
、
(株)
オクトス、
(株)
ニシエイ
(加工工場・海
報告対象期間
※CO2排出量は、上記対象組織のほか、
(株)
永谷園全事業所、藤原製麺
(株)
(第1工場、
苔工場)
、
(株)
花笠食品
第2工場、第4工場、第5工場、第6工場)
が対象となっています。
2013年4月〜2014年3月
※OA紙使用枚数は、上記対象組織のほか、
(株)
永谷園全事業所が対象となっています。
※一部、当該期間外における取組みが含まれています。
発行年月
環境会計対象組織
2014年9月
(株)
永谷園
(本社・技術開発センター・茨城事業部・岡山事業部)
、
次回発行予定
(株)
サンフレックス永谷園
(本社工場・泉工場・宮下工場・遠野工場・
林ノ上工場・高坂製袋工場・大原工場・愛宕工場・総務部)
、
(株)
2015年9月
オクトス、
(株)
ニシエイ
(加工工場・海苔工場)
、
(株)
花笠食品
永谷園グループ
2 環境・社会報告書2014
特集
永谷園の代表商品のひとつである「松茸の味お吸いもの」
(1964年発売)は、2014
年におかげさまで発売50周年を迎えました。
同年10月、日本中が沸いた東京オリンピックと時を同じくしてこの商品は誕生
誕生から 年
50
しました。
発売以来、世代を超えて、お客さまの生活の中で育まれ、ご利用いただいてき
たおかげで、
「お茶づけ海苔」に次ぐロングセラー商品に成長しました。
その累計販売食数(対象期間:1964~2013年度)は、約60億食以上にのぼります。
誕生の背景・香りを武器に
本来、
松茸は季節性が高く、
しかも高価なもの。
その香りやおいしさを
発売当初の
小袋のパッケージ
いつでも手軽に楽しめる商品はできないか? がスタートでした。
味作りのポイントは、
風味をバランス良く整えること。
原材料を選定し、
一つひとつを吟味し、
試作・試食を繰り
返すという地道な作業の連続でした。
発売に際しては、
売り方が社内で討議されました。
吸いものは、
もともと関西では
「すまし」
といわれ定着してい
ましたが、
関東ではみそ汁中心であまり飲まれていませんでした。
そこで、
「餅を入れて雑煮風に」
「炊き込みご飯に」
等の食べ方の提案をしました。
現在では当たり前になってい
るアレンジレシピの提案は実は当時から行われていたのです。
変わらぬ おいし さ「松 茸の味 お吸いもの」
「松茸の味お吸いもの」は松茸の高級イメージもあいまって、香りが楽しめるお吸
こうした取組みが功を奏し、
いものとしてお客さまの食生活の中に溶け込んでいきました。
これからもお客さまにご支持いただくために
「松茸の味お吸いもの」は今日に至るま
での50年間の長きにわたりお客さまに育
てていただいた商品です。この感謝の気持
ちを忘れることなく、さらにお客さまに満
足と感動を提供できる商品に育て上げて
いきたいと思います。
たとえば、
2007年にアレンジレシピとし
て提案し、瞬く間に普及した「エリンギの
和風パスタ」のようにロングセラー商品で
あっても常に新価値をお客さまに提示す
る姿勢を持ち続けるよう創意工夫を続け
てまいります。
【企業理念】
「味ひとすじ」とは、
1.創意と工夫で商品・サービスを常に考え、創り出すこと
2.お客様に実感、満足していただく「おいしさ」
を提供し続けること
3.食を通じて幸せで豊かな社会づくりに貢献していくこと
現在の小袋のパッケージ
永谷園グループ
3 環境・社会報告書2014
味
マネジメント体制/CSR
ステークホルダーの視点に立った
CSR活動に取り組みます。
ひとすじ
社員の絆で
つなげよう
(株)永谷園
[品質保証部
]浦田 豊
永谷園グループのCSR
永谷園グループでは、日頃から
「正しく、正直に、そしてまじめ
客満足」
、基盤整備に力を注いできた
「コンプライアンス」
や
「環境
に」
という考え方を大切にしています。この考え方を
「CSR」の取
問題への対応」
など、日頃から取り組んできたことです。これら
組みの基本として従業員がもう一度強く認識し、本業を通して
の取組みテーマや、今後さらに注力すべきテーマを明確にするた
社会や環境に対して一定の役割や責任を果たしていくことで、ス
め、2006年に
「CSRの定義」
および
「個別の取組みテーマ」
を定め
テークホルダーを含む社会全体との信頼関係を築くことが重要
ました。
だと考えています。
今できることを着実に成果として積み重ねていきたいと考え
永谷園グループのCSR活動は、決して新しい取組みということ
ています。
ではありません。長年取り組んできた
「品質の安全・安心」
や
「顧
これまで
生命線として
取り組んできた
テ
マ
テーマ
品質・商品安全
顧客満足
これからさらに
意識して
組む
取り組む
ーマ
テーマ
永谷園グループ
CSRの定義
CSRとは、企業が経済・環境・
個人顧客情報の
保護
社会などの幅広い分野における
従業員満足、
人権、
雇用、
労働安全
様々なステークホルダーとの
信頼関係を構築し、
もって企業
コーポレート・
ガバナンス
取組みです。
社会貢献
責任を果たすことにより、
自身の持続的な発展を目指す
これまで
基盤整備に
注力してきた
テーマ
環境
境
コンプライアンス、
リスク管理
永谷園グループ
4 環境・社会報告書2014
信
マネジメント体制/コーポレート・ガバナンス
頼を
お届けします
永谷園
健全な企業として
発展するために。
(株)永谷園
[広報部]石
井
智子
コーポレート・ガバナンス
コーポレート・ガバナンス体制
から取締役に対して、業務の執行状況を報告するための業
永谷園では、戦略策定・業務監督機能と、業務執行機能と
務部会を毎月開催し、さらに、随時各部門長が企画提案およ
の分離を明確にするために、2002年6月から
「執行役員制
び情報提供を行うための会議を毎週開催しています。
度」
を導入しており、現行の経営体制
(2014年6月27日現在)
経営のチェック機能については、永谷園では従来から監
は取締役8名、執行役員5名
(取締役兼務者を除く)
、監査役4
査役制度を採用しており、監査役会による経営監視に務め
名
(社外監査役2名を含む)
となっています。執行役員は取締
ています。監査役は、取締役会その他重要な会議に出席する
役会で選任され、任期は1年となります。
ほか、永谷園の業務や財産状況の調査はもとより、グループ
取締役会は、月1回の定期開催に加え、必要に応じて随時
会社の調査も積極的に実施しています。さらに、
会計監査人、
迅速に開催し、法定事項のほか、特に重要な業務執行に関す
内部監査部門との連携強化を図り、業務執行の適法性、妥当
る事項について取締役会規程にもとづき決議しています。
性に関する監査体制の充実に努めています。
また、経営の円滑な意思決定機能を強化するため、各部門長
●コーポレート・ガバナンス体制
選任・解任
取締役会
意思決定・監督
株主総会
監査
選任・解任
監査
各部門・グループ会社
業務執行
監査
諮問・答申
指示・報告
監査役会
業務監査・会計監査
選任・解任
業務部会
代表取締役社長
連携
会計監査人
コンプライアンス委員会
会計監査
連携
(
リスク管理室
コンプライアンス委員会
事務局
(
内部監査・内部統制監査
内部統制体制の整備・運用
「会社法」
および
「金融商品取引法」
にもとづく内部統制の
㈱サンフレックス永谷園および藤原製麺㈱も対象とするこ
整備・運用・評価に関しては、社長が任命する内部統制推
とにより、内部統制体制の信頼性の向上を図っています。こ
進者のもと、リスク管理室や各部門長およびグループ会社
れらの結果、2012年度に引き続き、2013年度の評価も、現
の内部統制責任者との連携、さらには必要な各会社・各部
時点で
「財務報告に大きな影響を与える重大な不備・欠陥は
署に配置されたリスク管理者との協働により推進していま
ない」
という評価です。
す。2013年度も、グループ会社8社に対して、
「全社的な内
2014年度も基本的には、2013年度同様の体制で臨みます
部統制」
と
「決算・財務報告プロセスに係る内部統制」
の整備
が、信頼性をより高めつつ、効率的な整備・運用が可能な内部
内容の充実を図り、チェックを行いました。また、
「業務プロ
統制の在り方を追求します。なお、2013年度に永谷園グルー
セスに係る内部統制」
と
「IT
(全般、業務処理)
統制」
の整備・
プに加わった
(株)
麦の穂ホールディングスや
(株)
麦の穂など
運用チェックは、重要な事業拠点である永谷園に加え、一部
も内部統制体制のより一層の充実化を推進していきます。
永谷園グループ
5 環境・社会報告書2014
ツ
マネジメント体制/コンプライアンス
イッター
うっかりつぶ
やき
つまづいたー
正しく、
正直に、
そしてまじめに。
(株)永谷園
[情報システ
ム
部]品川 駿介
コンプライアンス
コンプライアンス体制
現在では、身近なことを題材にした話し合いのテーマも
永谷園グループのコンプライアンス経営を維持するため
加わり、コンプライアンス担当者のもと、各部署・各会社10
の体制の中心は、グループ全体のコンプライアンス担当取
名以下の人数単位でコンプライアンスに関する話し合いが
締役
(永谷園・専務取締役)
が委員長を務める
「コンプライア
行われており、従業員のコンプライアンス意識の向上に大
ンス委員会」
です。この委員会が基本的な枠組みを考え、実
変役立っています。また、内部通報への対応もリスク管理室
行させる母体となっています。具体的な活動は、委員会の事
の業務であり、通報窓口の一つにもなっています。
務局である
「リスク管理室」
と事務局から任命された
「コンプ
❷内部監査:近年各種の企業不祥事が後を絶たず、
「内部
ライアンス担当者」
が担っています。コンプライアンス担当
監査」の重要性が極めて高くなってきています。現在は年
者は各部署・会社ごとに任命されており、現在約50名が活
に5〜6件の監査とほぼ同数のフォロー監査
(監査後、一定
動しています。
期間を経た時点で指摘事項の改善状況をチェックする監
リスク管理室は、社長直轄組織として、広い意味でのコン
査)を実施しています。業務改善から小さなコンプライア
プライアンスに関わる3つの業務を行っています。
ンス違反の是正まで、いろいろな観点から経営をサポート
❶コンプライアンス委員会の事務局:永谷園グループのコ
する活動を行っています。
ンプライアンス体制の維持・強化を図るため、コンプライア
❸内部統制業務:
「会社法」
「金融商品取引法」
における内部
ンス担当者とともに各種のコンプライアンス活動を実施し
統制の整備・運用・評価業務を行っています。リスク管理
ています。このなかでももっとも重視しているのが
「遵法週
室長が
「内部統制推進者」
を兼ねており、必要な各会社・部
間活動」
です。これは、
全従業員に配付されている
「倫理綱要」
署に置かれている
「リスク管理者」
と協働して、内部統制の整
を年に1回は皆で読み合わせをして確認し合いましょう、と
備・運用に関して管理しています。
いう趣旨で始めたものです。
●コンプライアンス体制
取締役会
監査役会
代表取締役社長
連携
コンプライアンス担当取締役
指示・報告
リスク管理室
(コンプライアンス委員会事務局)
コンプライアンス委員会
伝達・報告・連絡
コンプライアンス上の調査等
各部門・グループ会社
コンプライアンス担当者
内部監査
・
改善報告
相談・通報窓口
「遵法週間活動」
永谷園グループ
内部通報
・
相談
(社内・社外)
6 環境・社会報告書2014
安
社会の中で/安全・安心への取組み、品質管理
安心してお召しあがりいただける
安全な商品づくりに努めています。
心を
作るひと手間
惜しみません
(株)永谷園
[総務部]見
付
善行
「食品安全」への取組み
食品安全に関する制度について、日本だけでなく世界各
国でも関心が高まる中、GFSI※1では食品安全向上のために
取得を推奨している国際規格
(FSSC22000※2など)におい
て、HACCP※3管理を重要視しています。
また、アメリカでは2011年米国食品安全強化法が成立
し、食品危害に対する予防管理の強化という中で、HACCP
管理が義務づけられるとされています。日本国内でも、厚生
労働省により企業に対してHACCP管理を普及させる動き
があります。
永谷園では、2009年に始動した独自の品質保証システ
※4
ム
「NAFSAS
(ナフサス)
」
に基づき、各生産工場において
HACCP管理を導入しており、より安全な商品づくりを目指
しています。
※1 GFSI
世界食品安全イニシアチブ
(Global Food Safety Initiative)
は、世界中
の小売業やメーカー、フードサービス業など、業種を超えて食品安全専門
家達が集まり、協働して食の安全に取り組む組織。日本においても国内外
における食品安全に関する取組みの協働として、2012年から活動が始ま
りました。
※2 FSSC22000
ISO22000と食品製造に関する一般的衛生管理の基準
(ISO/TS220021)
を組み合わせた食品安全システムの国際規格。
※3 HACCP
工場を運営するにあたり基本となる衛生管理を実行したうえで、原材料の
入荷から商品の出荷まで、製造工程ごとに予測される危害を商品ごとに分
析し、適切に管理する衛生管理手法。
※4 NAFSAS
(ナフサス)
永谷園味ひとすじ食品安全保証システム
(Nagatanien Ajihitosuji Food
Safety Assurance System)
の頭文字をとったもの。
※5 フードディフェンス
食品への意図的な毒物などの混入や汚染等に対する安全管理。工場への人
の入退出管理や、工場内で使用する洗剤や薬品などの施錠管理、在庫管理
を徹底しています。
また、2013年12月に国内で発生した冷凍食品農薬混入事
件を教訓に、フードディフェンス※5対策についても見直しを
進め、強化を図って参ります。
安全性の向上には終わりがありません。永谷園はグルー
プ企業も含めて、今後も安全・安心への新たな取組みを続
けていきます。
人の出入りがある場所に監視カメラを設置し、不審者の侵入をモニタリング
●NAFSASの概念
食品安全
食品安全管理システム
永谷園グループ
品質保証システム
NAFSAS
[ナフサス]
永谷園
品質マネジメントシステム
[ISO9001]
品質保証・
顧客満足
永谷園グループ
危機管理
7 環境・社会報告書2014
商品回収システム
トレーサビリティシステム
分
別は
誰もができる
小さなエコ
社会の中で/安全・安心への取組み、
品質管理
安心してお召しあがりいただける
安全な商品づくりに努めています。
(株)永谷園
[生産計画部
]木村 肇
アレルギー物質を含む食品に関する表示への取組み
2013年9月、特定原材料に準ずるものとして新たに
「ご
永谷園では、特定原材料
(7品目)
およびそれに準ずるも
ま」
「カシューナッツ」
が追加され、表示に努めるよう消費者
の
(18品目)
についてすべて表示をしていますが、今回新た
庁から通知が出されました。
に追加された2品目についても、順次、パッケージに表示
をしていきます。
麻婆春雨 中辛
中央検査室の取組み
永谷園の中央検査室では、安全・安心な商品づくりのた
め、様々な検査を行っています。
原材料や各工場で生産された商品について理化学検査
(水分、塩分、pHなど)
と微生物検査を行い、規格に合って
VOICE
食物アレルゲン検査体制
永谷園では食物アレルギー配慮商品を販売しており、
いるか日々安全性を確認しています。
アレルゲン検査にも力を入れています。生産工場では、
また、残留農薬・重金属などの微量成分検査やアレルゲ
ELISA法により、生産後の商品のアレルゲン検査を行って
ン 検査なども適宜実施しています。特に残留農薬につい
います。また、一般の商品についても中央検査室にて適宜
※
て、一部海外で契約栽培をしている農作物に関しては、海
外の製造メーカーと中央検査室とでダブルチェックを行
い、厳しい検査体制で安全性を確保しています。アレルゲ
ン検査においては消費者庁が公定検査に指定している検
査法
(ELISA法)
に加え、新たに遺伝情報を活用した検査に
も取り組んでいます。
アレルゲン検査を行い、コンタミネーション※がないこと
を確認しています。
近年は特に安全・安心な商品づくりが注目され、食品
検査の重要性はますます大きくなってきました。アレル
ゲン検査をはじめ、必要な検査に適切に対応していきた
いと考えています。
さらに各生産工場では、商品の出荷判定を迅速に行うた
め、
「自主検査体制」
を構築していますが、その検査精度の
向上を図るため、中央検査室では各生産工場の品質管理部
門への定期的な巡回指導や、検査精度の検定を実施し、永
(株)
永谷園 品質管理部
久保寺 直也
谷園グループ全体の検査の
「質」
の向上に努めています。
※ アレルゲン
アレルギー症状を引き起こす原因物質のこと。アレルギー物質と同じ意味。
永谷園グループ
※ コンタミネーション
原
材料としては使用していないにもかかわらず、特定原材料が意図せずごく
微量、商品に混入してしまうこと。
8 環境・社会報告書2014
ま
社会の中で/お客さまとの関係
た買うよ
その一言を
引き出すぞ
お客さまに満足していただける
会社を目指します。
(株)永谷園
[品質保証部
]瓜生 久美子
お客さまとの関係
年間で約15,000件
(2013年度)
のお客さまからいただく貴
TOPICS
重なお問い合わせやご意見。永谷園は、そのようなお客さま
からのお申し出を、商品開発や改善に役立てたいと常に考え
品質保証連絡会とは
ています。
お客さまの要望や社会の情勢に対して迅速かつ適切に
対応していくための活動として、月に1回
「品質保証連絡会」
を実施しています。
「品質保証連絡会」
ではお客さまからいただく貴重なお申
し出内容を月単位で集計してリスク評価し、対応が急務で
あると判断した案件について、商品の企画から販売までの
関連部門で検討を行い、改善へと結びつける活動を行って
います。
同様に、食品安全に関する時事ニュースについても関連
部門で情報を共有し、企業としての対応方針を決定してい
ます。
本会の出席者は各部門の管理職としています。これによ
り、取組みに向けた決裁をその場で行うことができ、課題に
対して迅速に対応することができます。
また、毎月定期的に開催することで、取組み内容の進捗
状況もしっかり確認できるしくみとなっています。
「お客様相談室」
ではお客さまとのコミュニケーションの窓
口として、お客さまからのお申し出に対して迅速かつ正確に
お応えする体制を整えています。お客さまのお申し出は社内
のデータベースに蓄積し、日々
「お客様の声」
として社長も含
め社内に情報を発信しています。
また、データを集計・分析して定期的に
「品質保証連絡会」
を開催。開発部門や生産部門などでも、より良い商品づくりに
反映できるような仕組みにしています。
これからも永谷園はお客さまに満足していただける商品が
提供できるよう、一つひとつの
「お客様の声」
を大切にしてい
きます。
●お申し出内容(2013年度)
その他 12.6%
販売店問い合わせ
5.4%
原料・包装資材
商品全体
11.1%
50.9%
商品全体の内訳
キャンペーン
21.3%
商品案内
9.2%
賞味期限
6.5%
商品の利用方法
ご指摘
5.6%
20.0%
●お
客さまからご提供いただいた個人情報は、個人情報に関する法令等を遵守し、管理・保護しています。
●「お客様の声」
にお客さまの個人情報は記載されません。
喫食の感想 3.3%
その他 5.0%
改善事例
エー・ラベルカレーの賞味期間を3年に延長
エー・ラベルシリーズは、卵・乳・小麦・そば・落花生・
改善前
改善後
大豆を使用していないということで、以前から災害時の備蓄
品としてのニーズがありました。その中で、カレーは今まで
製造後の賞味期間が2年だったものを3年に延長すること
で使い勝手を良くし、また、パッケージ表面には、
「あたため
なくてもおいしい」
と表示し、多くのお客さまに様々なシー
ンでお召し上がりいただける品質であることを分かりやす
くしました。
永谷園グループ
9 環境・社会報告書2014
エー・ラベルカレー
社会の中で/お客さまとの関係
お客さまに満足していただける会社を目指します。
みその袋を開けやすく
VOICE
生みそタイプみそ汁のみその袋で、開封時にみそが飛び
お客さまの毎日に笑顔をプラスできるように
散るというお申し出をいただいていました。そこで、
みその袋に
『しじみ70個分のちから』
発売以来、
「ちからシリーズ」
「上手な開け方」
として、イラスト入りで袋の開け方のコツを分
かりやすく表示しました。
(あさげ、ゆうげ、ひるげシリーズ)
の次なる素材を常に探究してきました。
「ちからシリー
ズ」はお客さまの毎日の健康にちょっと良いものを提供
できる商品だと感じています。
『たまねぎのちからサラサ
ラたまねぎスープ』
も、たまねぎ1/2個分のケルセチン※
を摂取でき、たまねぎの健康感とおいしさ感をお届けで
きる商品です。手に取りやすいパッケージと、毎日続け
ていただきやすい品質を目指しました。今後も
「ちからシ
リーズ」
を通して、お客さまの毎日に笑顔をプラスできる
生みそタイプみそ汁 ひるげ
ような商品を開発していきます。
(株)
永谷園 開発第一部
捨てるときも開けやすく
田中 雅衣
カートン
(箱)
入り商品は、箱の裏面に開封用の
「あけくち」
を破線で表示していますが、廃棄する際も開けやすいように、
箱の底面にも破線を入れ簡単に開けられるようにしました。
※ ケルセチン
植物性のポリフェノールの一種。たまねぎに多く含まれていることで知られ
ています。
アンパンマンミニパックハヤシ ポーク
© やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV
改善前
改善後
破線を入れて、
開けやすく
しました
永谷園グループ 10 環境・社会報告書2014
社会の中で/株主さまとの関係・情報コミュニケーション
幅広いステークホルダーとの
コミュニケーションを大切に考えます。
あ
りのままの
永谷園を見せ
る
環境・社会報告
書
(株)永
谷園
[総務部]五
月女 真人
株主さまとの関係
永谷園グループは、グループの企業倫理に関する基本方
針である
「企業行動指針」
において、
「ステークホルダー※の
株主優待
立場を尊重し、長期的な信頼関係を築き、企業の発展につな
2014年3月31日現在、永谷園株式1単元
(1,000株)以上
げていく」
と規定しており、なかでも株主さまに対しては、
ご所有の株主さまに、3,000円相当の永谷園商品詰め合わせ
さらなる信頼関係を築くために、事業活動にかかわる情報
を6月上旬に贈呈しています。
を適切かつタイムリーに提供することを心がけています。ま
た、永谷園および永谷園商品に対する息の長いファンであっ
てほしいという願いのもと、2002年度から株主優待制度を
導入しており、今後さらに充実を図っていきます。
※ ステークホルダー
企
業の経営活動に関わる利害関係者のこと。
事業のご報告
定時株主総会終了後
(毎年6月)と
第2四半期決算発表後
(毎年12月)に
株主さま宛に事業活動の状況を記載
した「事業のご報告」をお送りしてい
株主優待の商品詰め合わせ例
(内容は毎回異なります)
ます。
事業のご報告
情報コミュニケーション
2013年度、永谷園では直接お客さ
まとお会いしてコミュニケーション
を取る場として
「リアルイベント」を
実施しました。永谷園商品のアレンジ
レシピを使った
「お料理イベント」や、
お茶づけ海苔を皆さまの社員食堂で
ランチとして提供する
「社員食堂イベ
ント」など、様々なイベントを通じて
直接お客さまにお会いし、商品を通じ
VOICE
お客さまと交流を深められるように
永谷園広報室では、お客さまとの交流をもっと深めら
れるように、
『お料理イベント』
や企業の社員食堂を使っ
て商品を提供する『社員食堂イベント』などを積極的に
行っております。
またネットでも参加していただける『レシピオーデ
ション』
なども開催しました。
てコミュニケーションを深めること
これからも、お客さまとの距離をもっと近づけていけ
ができました。イベントの様子は永谷
るように、交流の場を持っていき、お客さまに喜んでい
園ホームページで紹介しております
ただける内容のホームページ作りを心がけていきたいと
思います。
ので、ぜひご覧ください。
(株)
永谷園 広報部
鈴木 あゆみ
永谷園スマートフォンサイト
トップ画面
永谷園グループ 11 環境・社会報告書2014
お
社会の中で/従業員との関係
はようと
笑顔で始まる
一週間
健康で働きやすい
職場環境をつくります。
(株)永谷園
[総務部]藤
平
真永
自己啓発支援
永谷園では
「階層別研修※1」
及び
「職能別研修※2」
を核とし
て、人材育成に取り組んできました。
VOICE
2013年度からは、従業員が自ら将来のキャリアを考え、
永谷園教養講座を受講して
自己啓発に積極的に取り組むことができる学びの場
「永谷園
私は昨年、英語の教養講座を利用しました。以前より、
教養講座」
を開設しました。
語学の必要性はずっと感じていたのですが、海外出張時
2014年度以降は、Webを活用したe-ラーニングの導入を
に、実際に言語の壁に直面してしまったためです。勉強
はじめとして、従業員の
「学びの意識向上」
に応える
「教育、
の必要性を感じた時に、すぐに取り組める制度が社内に
研修の場」
のさらなる拡充を図ってまいります。
あるのはとてもいい環境だと感じています。
今後も習得しなければいけない
※1 階層別研修
キャリアに応じて職務を遂行するうえで必要な要素
(役割・知識・スキル
など)
を学び、ステップアップを図ります。
※2 職能別研修
各部門が所属部員の職務に応じた教育や訓練を実施し、必要な知識・技能
を学びます。
ことが盛りだくさんですが、この
制度を利用してさらなるレベル
アップを図っていきたいです。
(株)
永谷園 リスク管理室
小見 昌由
永谷園研修制度 体系図
階層別研修/年次・キャリアに応じて必要な要素
(役割・知識・スキル)
の向上
入社1、2年目
新入社員
研修
仮配属前
研修
各職務等級への昇格時
基礎教育
基幹社員
研修
中堅社員
研修
管理職入門
研修
管理職対象
(選抜)
選抜ミドル
マネジメント研修
職能別研修/職務に応じた知識・技能の向上
永谷園教養講座
永谷園グループ 12 環境・社会報告書2014
トップ
マネジメント研修
ポ
社会の中で/社会貢献
イ捨ては
エコもマナーも
捨てている
本業を通じて
社会に貢献します。
(株)永谷園
[岡山事業部
]佐々木 健児
地域社会と次世代の発展のために
職場体験、職場訪問の実施
周辺地域の美化清掃活動
永谷園グループの各事業所では、周辺地域からの要請を受
永谷園グループの各事業所では、
エコチームが中心となっ
け、インターンシップ事業の一環として職場体験を実施してい
て、定期的に周辺地域の清掃活動・美化活動に取り組んで
ます。また、永谷園本社では全国各地からの職場訪問要請に
います。従業員だけでなく、近隣の工場の方や地域の方と一
対応するなど、各地で永谷園グループの理解促進を図ってい
緒に活動を行うこともあり、周辺地域との交流の場にもなっ
ます。これからも、社会への貢献、将来を担う世代の育成のた
ています。今後も、永谷園グループでは従業員一人ひとりが
めに積極的に取り組んでまいります。
意識をして環境美化に努めてまいります。
インターンシップ
[藤原製麺
(株)
]
清掃活動
[永谷園 茨城事業部]
職場体験
[
(株)
サニーフーズ]
美化作業
[
(株)
オクトス]
チャリティ古本市の開催
献血活動の実施
永谷園本社では、
「チャリティ古本市実行委員会」
の一員と
(株)
サンフレックス永谷園では、社会貢献活動の一環とし
して
「〜本でつながるみなとの絆〜チャリティ古本市」
を開催
て献血活動を実施しています。献血当日は社員が次々に訪
しました。当日は近隣にお勤めの方などで来場者は途絶える
れ、献血に協力しました。社
ことなく、会場は終日多くの人でにぎわいました。収益金はす
会貢献のために、今後も献
べてみなと障がい者福祉事業団に寄付し、港区の障がい者自
血活動を継続して実施して
立支援に活用されます。
まいります。
献血活動の様子
VOICE
御津地域探究への協力
(株)
ニシエイでは、地元の中学校から授業の一環として
「御津地域探求」
の協力依頼を受けています。御津地域探
古本市の様子
究とは、
「生活している御津地域の様子を知り、自分と地域
のつながりについて考えること」
・
「地域の大人たちとの交
ペットボトルキャップの収集
流を通して、地域で生きていることを実感すること」
です。
永谷園および
(株)
ユニネットでは、各事業所でペットボトル
キャップの収集活動を行っています。収集したキャップは有価
で売却し、売却益をNPO法人
「世界の子どもへワクチンを 日
スライドを使用して商品がどのようにできるかを説明する
と、生徒の皆さんは、目を輝かせながら聞いて下さいます。
約1時間ではありますが、生徒の皆さんにとって有意義
本委員会」
に寄付することで、発展途上国の子どもたちにワク
な時間となっているように感じま
す。これからも地域とつながりのあ
チンを届ける活動を支援しています。2013年度は約4万3千
る活動に取り組んでいきたいと思
個、100kg超のキャップが集まり、約27名分のポリオワクチン
います。
を届けることができました。また、社会貢献になるだけでなく、
(株)
ニシエイ
永廣 義雄
廃棄物排出量の削減にもつながっています。
永谷園グループ 13 環境・社会報告書2014
守
地球環境のために/環境基本方針/推進体制
りたい
森の緑と
空の青
「環境基本方針」
のもと、
環境保全活動に取り組みます。
(株)永谷園
[海外事業部
]伊東 慶子
環境基本方針
「環境基本方針」
は、企業理念である
「味ひとすじ」
の考え
くかという会社の姿勢を宣言し、
「行動指針」
は
「環境理念」
を
にもとづいて、環境に関する取組みに対しての永谷園グルー
実現していくための具体的内容を定めたものです。
「行動指
プの姿勢・決意を宣言したものであり、
「環境理念」
と
「行動
針」
は
「永谷園グループ倫理綱要」
の
「企業行動指針」
の一つに
指針」
で構成されています。
制定され、永谷園グループの企業倫理に関する基本方針と
「環境理念」
は永谷園グループが環境にどう取り組んでい
して社内に周知されています。
永谷園グループ 環境基本方針
環境理念
永谷園グループは、
「味ひとすじ」
の企業理念のもと、お客さまに満足していただける商品・サービスを提供するとともに、
社会の一員として地球環境保全の大切さを理解し、環境に配慮した企業活動に取り組み、幸せで豊かな社会づくりに貢
献します。
行動指針
❶ 永谷園グループは環境に関する法令などの遵守はもとより、環境保全を推進していくための体制を構築し、地球環境
への負荷軽減に継続的に取り組みます。
❷ 環境保全に配慮した開発・生産に取り組み、
「環境に負荷の少ない商品・サービス」
を社会に提供します。
❸ 廃棄物の削減、リサイクルの推進および省資源・省エネルギーに努め、目標を掲げ
「環境問題へ真剣に取り組む事業所」
を目指します。
❹ 社員一人ひとりが前向きに環境問題を考え、
「環境問題へ真剣に取り組む社員」
としての誇りを持ちます。
環境保全活動推進体制
永谷園グループでは、環境保全活動
●環境保全活動推進体制
を推進する体制として、環境管理委員
最高経営層
会を設置しています。環境管理委員会
は、環境管理委員長をはじめ、生産拠
環境管理委員長
点のメンバー6名、事務系部門のメン
環境
パフォーマンス
永谷園グループ 14 環境・社会報告書2014
環境会計
各部・各事業所
環境・
社会報告書
関連会社
オフィス・教育
を中心に的確に対応しています。
物流
についても、関連する部門のメンバー
商品開発・調達
に進めています。また、環境法の遵法
事務局
(環境推進室)
生産
され、環境経営の維持・向上を効果的
環 境 管理 委員 会
バー17名、事務局3名の計27名で構成
効
地球環境のために/環境マネジメント
率化
進める技術が
エコになる
継続的な改善により、
環境保全活動を推進します。
(株)永谷園
[岡山事業部
]髙橋 早希
環境マネジメントシステムの維持・向上
永谷園グループの生産拠点
(6拠点)では、環境保全活動
効率化を図ったシステムで、実質的な活動を重視しながら
を継続的に実施していくために、ISO14001に準拠した「永
本来のPDCAを回していくものです。
谷園グループ環境マネジメントシステム」
を運用し、維持・
独自のシステムという利点を活かし、本業に即した活動
向上を目指しています。
を効率的・継続的に実施するため、各拠点において環境担
この独自のシステムは、
「永谷園グループ環境マネジメン
当であるエコスタッフを中心にルールを作成し、環境保全
トマニュアル」を基本としています。業務の負荷を軽減し、
に取り組んでいます。
内部環境監査
永谷園グループでは、環境マネジメントシステムの継続
VOICE
的改善のために、内部環境監査を重要な位置づけと考えて
います。
内部環境監査員を経験して
2014年1月には内部環境監査員研修を実施しました。こ
監査員として内部環境監査には7回参加しています。監
の研修では、監査員の力量および現場対応能力を高めるこ
査員になりたての頃は主任監査員の方に頼ってばかりで
とを目的とし、内部環境監査におけるこれまでの経験の共
したが、最近は主任監査員を務められるようになりまし
た。また、当社で運用しているFSSC22000(食品安全マネ
有や、講義で紹介する内部監査手法を例にロールプレイを
ジメントシステム)の内部監査でも、役立っています。
通して学びました。
監査では被監査側がどのような考えで運用しているか
2014年2〜3月には、内部環境監査を実施しました。監査
理解するために、意見交換を重視しています。また、他工
は工場間でのクロス監査の方法をとり、単に監査するだけ
場の取組みで良い点を勉強し、自社で水平展開を進めて
ではなく、監査す
います。
る 側・ さ れ る 側
今後も、環境マネジメントシス
の両方が意見交
テムを効果的に運用するために監
換する場とも考
査員として頑張っていきたいと思
え、より良い改善
います。
につながる機会
(株)
オクトス
と考えています。
木下 学
内部環境監査員研修
環境教育
永谷園では新入社員を対象とした環境教育を実施し、
「環境問題」
「環境経営と持続可能な発展」
「永谷園グループ
内部環境監査員やエコスタッフには専門的な教育が必
要となります。特に近年環境法の改正等が多数あるため、
の環境への取組み」について講義しました。
随時情報を共有し、資
また、環境マネジメントシステムを運用している拠点
料などを通して教育
では、年1〜2回、定期的に従業員向けの環境教育(講習会)
を実施しています。
を実施しています。従業員向けの環境教育の内容は、各拠
点によって異なります。2013年度に実施した環境教育で
は、環境法や永谷園グループ環境マネジメントシステムを
テーマにしたものがありました。
従業員向け教育
永谷園グループ 15 環境・社会報告書2014
何
地球環境のために/2013年度取組み状況
気ない
習慣ひとつ
エコ活動
環境負荷軽減のために
持続的に活動します。
(株)ニシエイ
小林 輝代
2013年度結果
実施項目
具体的取組み
地球温暖化防止
廃棄物削減
省資源
グリーン購入
2013年度実績
(2012年度対比)
CO2排出量削減
12.0%の増加
排出量削減
5.9%の削減
再資源化率向上
82.7%に向上
食品リサイクル率向上
66.2%に向上
水使用量削減
10.3%の削減
OA紙使用枚数削減
17.3%の削減
グリーン購入比率の向上
74.8%に低下
●C
O2排出量、廃棄物排出量、水使用量、OA紙使用枚数の実績は、2012年度を基準年とした売上額(OA紙使用枚数は従業員1人)
あたりの原単位の削減比率になっ
ています。
●食
品廃棄物については、改正食品リサイクル法の対象となる再資源化等の実施率になっています。
●CO2排出量
●廃棄物排出量
40,000
30,000
20,000
0.353
23,364
0.340
22,725
0.349
23,945
0.329
22,024
0.391
27,800
10,000
0
2009
2010
排出量
(t-CO2)
2011
2012
2013
0.4
8,000
0.3
6,000
0.2
4,000
0.1
2,000
0
(年度)
3,000
4.69
3,096
3,084
3,142
5.25
4.94
3,599
3,512
6
4
2
2009
2010
2011
2012
2013
66.1
66.2
1,342
1,350
2012
2013
0
(年度)
原単位
(t/億円)
●食品廃棄物排出量
88.4
86.0
2,737
2,653
86.5
2,717
80.4
82.7
2,893
2,906
100
60
20
2,400
78.9
0
2009
2010
再資源化量
(t)
2011
2012
2013
0
(年度)
再資源化率
(%)
100
72.1
1,800
1,200
600
1,000
783
806
2009
2010
64.2
947
0
排出量
(t)
●水使用量
2011
60
20
0
(年度)
再資源化率
(%)
●OA紙使用枚数
1,200
600
4.61
排出量
(t)
2,000
900
4.68
0
原単位
(t-CO2/百万円)
●再資源化量
4,000
8
7.39
6.22
489
416
300
7.63
7.57
511
519
6.79
483
0
2009
2010
使用量
(千m )
3
2011
2012
原単位
(m /百万円)
3
2013
12
16,000
9
12,000
5,993
6
8,000
8,672
3
4,000
0
(年度)
8,000
5,384
5,031
7,758
7,305
5,850
8,523
4,836
8,681
6,000
4,000
2,000
0
2009
使用枚数
(千枚)
永谷園グループ 16 環境・社会報告書2014
2010
2011
2012
原単位
(枚/人)
2013
0
(年度)
日
地球環境のために/環境負荷の分析
本発
エコの極意だ
M O T T A IN A
I
(株)
環境データを分析し、
可能な限り負荷を軽減します。
永谷園
[品質保証部
]綾井 宣男
環境負荷の分析
永谷園グループでは、事業活動
(生産活動)
と環境へのかかわりについて、環境への負荷を
「INPUT」
から
「OUTPUT」
までの流
れに沿って分析しています。
「INPUT」
は生産工程で使用したエネルギー、包装資材、原材料の投入量を、
「OUTPUT」
は商品および生産活動に付随して産
出・排出される物質を表しています。
商品を製造し、お客さまにお召し上がりいただくまでには、地球環境への負荷が発生します。製品の原材料の多くを自然の恵
みから得ている会社として、地球環境保全の大切さを理解し、今後も地球環境への負荷軽減に継続的に取り組みます。
INPUT
OUTPUT
エネルギー・水※1
大気
総エネルギー 422,355GJ※2
CO2排出量
27,390,450kWh
32kℓ
302千m3
3,077kℓ
273t
13kℓ
483千m3
●
包装資材
●
紙
●
プラスチック
●
その他
永谷園グループ 生産
購入電力
灯油
● 都市ガス
● A重油
● LPガス
● 軽油
●水
●
2.68万 t-CO2
CO2
CO2
廃棄物
廃棄物排出量 0.35万t (内、再資源化量 0.29万t)
商品
●
お茶づけ群
●
ふりかけ群
●
スープ群
●
その他
●
みそ汁群
原材料
●
●
海苔
みそ
●
●
鮭
その他
●
あられ
●
わかめ
※1 換算係数
の実排出係数に準拠
・電力:
「電気事業者別のCO2排出係数(2012年度実績)」
・都市ガス:各都市で発表している熱換算係数に準拠
・その他の燃料等:
「エネルギー使用の合理化に関する法律施行規則」
および
「地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく命令」
による係数に準拠
※2 GJ(ギガジュール)
ジュールは発熱量の単位 1GJ=1×109J
永谷園グループ 17 環境・社会報告書2014
温
地球環境のために/地球温暖化防止への取組み
地球温暖化防止への取組みは、
CO2排出量の削減から始まります。
暖化
止められるの
は
私たち
(株)花笠食品
成田 香苗
地球温暖化防止への取組み
●デマンド制御による節電/永谷園岡山事業部、
(株)
ニシエイ
永谷園岡山事業部では、2013年8月にデマンド
※1
警報
●省エネタイプ自動販売機の導入による節電/
(株)
ニシエイ、
(株)
花笠食品
装置を廃止し、デマンド制御装置を設置、運用を開始しま
(株)
ニシエイと
(株)
花笠食品では、従業員向けに設置して
した。
ある社内の自動販売機を24時間消灯するタイプや、
「ピーク
夏場、電力使用量の制限値を超えそうになった際に、一
シフト自販機」
と呼ばれるものに変更しました。これは飲料
般的にはエアコンのコンプレッサー
の出力を制限しま
の冷却を夜間に行うことで電力需要の高い日中の電力使用
すが、今回導入した装置は、登録したエアコンの設定温度
を抑え、ピーク電力を抑制するものです。断熱材の性能や扉
をグループ別に変更して、電力使用量を抑える方式です。
の気密性の向上、照明のLED化等で年間消費量も削減でき
快適性の重要度に応じて温度制御することで、現場に負
ます。また、冷却用のガスも地球温暖化の影響の少ないノン
担の少ないピークカット
フロンタイプを使用しています。
※3
※2
が行えています。これにより、
2013年のデマンド契約を20kW引下げることができま
した。
(株)ニシエイでは、30分間隔でデマンドチェックを実施
し、デマンドオーバー防止手順に従って対応しています。
※1 デマンド
最大需要電力のこと。契約者が使用した電力を30分ごとに計量し、その
うち月間で最も大きい値を最大デマンドといいます。
※2 コンプレッサー
室内機の熱交換器で気化した冷媒ガスを圧縮し液化する装置。
※3 ピークカット
電力の需要が集中する時間帯の使用電力を低く抑えること。
ピークシフト式自動販売機
[
(株)
花笠食品]
超省エネタイプ自販機
[
(株)
ニシエイ]
●インバーターの設置による節電/
(株)
花笠食品
(株)
花笠食品では、電力量削減の一環として、工場内の換
気ファンにインバーター※4を設置しました。気温に応じて周
波数を変更し、必要な時に必要なだけの能力での運転ができ
るようになりました。ちくわ麩焼成オーブン用の排熱ファン
には、オーブンからの信号で自動的に運転能力を切り替える
機能を付けて、ムダな電力使用を抑えています。
※4 インバーター
モーターの電源周波数を自在に変えることで、モーターの回転数を制御
するための装置。
新たに設置されたデマンド制御装置
[永谷園 岡山事業部]
周波数調整用インバーター
デマンドオーバー防止手順
[
(株)
ニシエイ]
デマンドチェックの様子
[
(株)
ニシエイ]
永谷園グループ 18 環境・社会報告書2014
節
地球環境のために/地球温暖化防止への取組み
地球温暖化防止への取組みは、
CO2排出量の削減から始まります。
水の
癖が身につき
濃いお酒
(株)永谷園
[岡山事業部
]楢本 浩志
●空調機の効率的な稼働による節電/
(株)
オクトス
その結果、年間20キロリットルのA重油を削減すること
(株)
オクトスでは、空調機の節電のため、以下の対策を実
ができました。
施しました。
①運転の見直し 空調機の間引き運転・実施時間の見直しを行い、1ヵ月あ
たり8,080kWhの削減ができました。
②熱交換器の洗浄対策
※5 原水用ブロアー
原水に酸素の供給を行うことで
水中の微生物を活性化し、有機
物の分解を促進させる浄化処理
施設のこと。
空調機の更新時に自動洗浄装置を取り付けています。ま
た、空調機ごとに洗浄用配管を設置し、定期的に洗浄してい
原水用ブロアーの様子
ます。
その結果、
熱交換機の目詰まりを防止することにより、
1ヵ月あたり630kWhの削減ができました。
●燃料削減の取組み/
(株)
サンフレックス永谷園
(株)
サンフレックス永谷園では、2013年5月に排水処理施設
の原水用ブロアー※5の間欠運転を実施しました。その結果、年
※6 ボイラー
水などの液体を加熱することで
蒸気や温水をつくる機械。食品
の製造には加熱・乾燥など多く
の熱を必要とする工程があり、
永谷園グループ各工場で使用し
ています。
間13.6キロリットルの燃料を削減することができました。
保温の様子
また、2014年1月に、ボイラー※6用のA重油削減のため、ボ
イラー蒸気配管の保温などを実施しました。
物流部門での取組み
●CO2排出量削減への取組み
省エネルギー法により、年間の輸送量が3,000万トンキロ
2013年度も引き続き、輸送に伴うCO2の排出量の削減に
を超える荷主
(事業者)
は、省エネルギー計画の策定やエネ
努めました。
ルギー使用量等の定期報告が義務づけられています。永谷
取組み内容としては、2012年度と同様、工場から近隣の
園は報告の対象となっており、計画書および定期報告書を
倉庫へ納入していた経路を、売上比率に準じて東部
(埼玉
提出しています。
県)
・中部
(三重県)
・西部
(岡山県)のSP倉庫
※3 トンキロ
何トン
(重さ)
のものを何キロ
(距離)
輸送したかという輸送量を表す単位。
に直送する
※1
ように変更し、そのアイテム数を増やしました。結果、2013
年度はSP倉庫までの輸送量を、2012年度に比べ売上金額あ
たり1.9%削減することができました。
VOICE
2014年度も引き続き、鉄道利用などのモーダルシフト※2
環境にやさしい輸送を目指して
の拡大を検討し、CO2排出量の削減に取り組みます。
近年の物流業界では
「いかに安全・確実に運ぶか」
はも
※1 SP倉庫
各営業現地の売上分を保管するストックポイント。
※2 モーダルシフト
貨物輸送の方法をトラックから環境負荷の低い鉄道・船舶などへ転換す
ること。
ちろん、
「いかに地球に優しく運ぶか」
といったことも注視
されています。物流業者の会社案内を見ると、必ずと言っ
ていいほど環境のための取組みが記載されています。
(ク
リーンディーゼル車保有台数、グリーン経営認証等)
今年
度もますます環境にやさしい輸送
●省エネルギー法
(荷主責任)
の対応
2013年度の売上配送も含んだ全体の輸送量は3,089万
トンキロ※3となり、2012年度対比で94.1%となりました。
また、売上高が2012年度比で103.8%と微増しましたが、
売上高あたりのCO2排出量は2012年度比で97.7%となり
ました。
永谷園グループ 19 環境・社会報告書2014
が出来るよう、物流部署と運送会
社で一丸となり業務に取り組んで
いきます。
(株)
永谷園 生産計画部
神方 遼
限
地球環境のために/容器包装への取組み
りある
資源をつなげ
未来まで
環境配慮型の容器包装へ
切り替えています。
(株)ユニネッ
ト
角田 正美
容器包装への取り組み
容器包装の見直しによって、
「軽量化」
「工場での廃棄物の
サイクルされることによる環境負荷の軽減につながってい
削減」
を実現しました。
ます。また、商品形態の変更により、生産時の廃棄物の削減
軽量化により商品の容器包装ゴミを減らすことができ、リ
を実現しております。
材質見直しによる包装資材の軽量化
廃棄部分の無い包装形態への変更
永谷園グループでは、包装資材の軽量化を継続的な課題
永谷園グループでは、生産時の廃棄物量を削減する包装
として取り組んでいます。今後も、資材材質・サイズの見直
形態への変更を行っています。
しを行い、軽量化とゴミの削減に取り組んでいきます。
2013年は、「お茶づけ海苔 4袋入」の小袋を、四方シー
●資材新規材質採用による軽量化
ル ※1から背貼り三方シール※2へ変更しました。この変更に
2013年9月 か ら 生 みそタイプみそ汁徳用商品で、 段
より、商品化されずに排出される部分がなくなりました。こ
ボールの新規材質を採用し、軽量化を実現しました。
「生
れにより、年間3トンの削減が見込まれます。
タイプみそ汁あさげ 徳用10食入」を含め8商品で資材の
※1 四方シール
四方向が全てシールされている包装形態
※2 背貼り三方シール
上下と、背面の中央部分を縦にシールされる包装形態
薄物化を行いました。これらの軽量化で、年間278トンの
段ボール使用量の削減が見込まれます。
段ボールの
新規材質を
採用
小袋の包装形態を変更
1
1
生タイプみそ汁
あさげ徳用
10食入
生タイプみそ汁 みそ汁太郎12食
ゆうげ徳用
10食入
104g/㎡の軽量化を実現
3
4
3
●資材材質変更による軽量化
2013年11月から「生みそタイプみそ汁 ひるげ」を含む
2
3商品でみそ小袋の材質を変更し、軽量化を行いました。
商品の安全性を確認した上で、使用する材質・厚みを検討
し、材質の見直しを行いました。これらの軽量化で、年間
お茶づけ海苔
4袋入
変更前
(四方シール)
2
変更後
(背貼り三方シール)
4.6トンの容器包装ゴミの削減が見込まれます。
みそ小袋の
材質を変更
変更前
(アルミ)
VOICE
環境負荷低減の追求
環境負荷低減につながる包装資材の導入に積極的に取
り組んでいます。現在も導入に向けて進めている取組みが
いくつかあります。今後も技術開
発を推進し、環境負荷低減を目指
生みそタイプみそ汁
ひるげ
します。
変更後
(アルミ蒸着)
(株)
永谷園 購買部
大橋 歩
永谷園グループ 20 環境・社会報告書2014
打
地球環境のために/オフィスでの取組み
オフィス部門でも、
環境負荷低減に取り組みます。
合わせ
パソコン持参
で
紙削減
(株)永谷園
[広報部]相
澤
友紀子
オフィスでの取り組み
永谷園グループオフィス部門では、
2012年度に引き続き、
環境への取り組みとして
「OA紙使用枚数の削減」
、
「電気使
用量の削減」
、
「水使用量の削減」
、
「廃棄物の削減・再資源化」
、
「グリーン購入比率の向上」
を実施しました。
●具体的な取り組み内容
1
OA紙使用枚数の削減
再生紙の利用、両面印刷、
社内文書のペーパーレス化 など
[2012年度対比]10.8%増加
2
電気使用量の削減
使用後の部屋の消灯、空調の停止 など
[2012年度対比]14.9%削減
3
水使用量の削減
流しや洗い場での節水 など
[2012年度対比]1.7%増加
4
廃棄物の削減・再資源化
分別による廃棄物の意識喚起・
リサイクル促進 など
●廃棄物排出量
[2012年度対比]28.1%削減
●リサイクル率
[2012年度対比]1.2ポイント向上
(61.5%)
5
グリーン購入比率の向上
グリーン商品の積極的な購入
●事務用品購入金額
[2012年度対比]0.7ポイント低下
(74.8%)
地域でのゴミ拾い活動
軽装実施期間の延長
永谷園本社では、特定非営利活動法人green bird※が主
永谷園の全事業所では、2013年度より軽装実施期間を
催するボランティア活動に参加し、道路のゴミ拾いを行っ
延長しました。今までは6月から実施していましたが、1ヵ
ています。参加者は始業時間前の8時30分に集合し、揃い
月早い5月からの実施に繰り上げました。節電および地球
のユニフォームを着用。本社に隣接する新虎通り
(新橋〜虎
温暖化防止の一環として、今後も継続的に取り組みます。
ノ門)
に沿って歩きながら、1時間程度のゴミ拾いを行いま
す。安全・安心な食品づくりだけでなく、きれいな街・環
境づくりにも貢献していきたいと考えます。
※ 特定非営利活動法人green bird
「きれいな街は、人の心もきれいにする」
をコンセプトに誕生した参加型ボ
ランティアプロジェクト。
「街のそうじ」
を主な活動とし、その活動は国内外
で行われ、今後もその活動範囲を広げていく予定です。
VOICE
ゴミ拾い活動に参加して
出勤途中の方々が行き交う歩道でのゴミ拾いに、最初
は恥ずかしさと面倒な気持ちで抵抗がありました。しか
し、集合場所で緑色のユニフォームと黄色い軍手を着用
した途端、やる気がふつふつと湧いてきました。
道路には吸殻や空き缶・びん、噛み捨てされたガムの
他、植栽の中にはお弁当の包み紙や新聞紙などの大型の
ゴミが捨てられていました。ゴミ袋はあっと言う間に
いっぱいになりましたが、心は爽快感で溢れました。
このゴミ拾いの活動がみんなの目に留まり、街を汚さ
ないようにする心が周囲に広がれ
ばいいと思います。
(株)
永谷園 総務部
ゴミ拾いの様子
吉田 麻美
永谷園グループ 21 環境・社会報告書2014
考
地球環境のために/環境会計/編集後記
環境経営の推進に伴うコストを
管理しています。
えて
使うかどうか
買う前に
(株)永谷園
[岡山事業部
]川上 佳恵
環境会計
永谷園グループでは、環境会計の導入により、環境保全活動を推進するうえで必要な経費を管理しています。また、環境保全
活動と経費のバランスを考え、環境経営を推進しています。
●環境保全コスト
(単位:千円)
環境保全コストの分類
事業エリア内コスト
公害防止コスト
● 水質汚濁防止
● 大気汚染防止 等
地球環境保全コスト
2013年度
主な取り組み
投資額
電動式フォークリフト・ガスボイラー・浄化槽等の導入・
維持管理費 など
● CO2削減
コンプレッサーの導入・維持管理費、省エネルギー推進 など
資源循環コスト
● 廃棄物のリサイクル 等
空冷式空調機、プチスケールの導入・維持管理費 など
● 省エネルギー 等
2012年度
費用額
投資額
費用額
820
173,608
12,217
59,415
3,150
40,155
6,753
26,482
22,985
237,866
23,036
185,319
上・下流コスト
容器包装リサイクル法の再商品化委託 など
―
105,345
―
118,162
管理活動コスト
EMS構築・運用、環境教育 など
―
38,673
―
40,043
研究開発コスト
環境負荷低減型の包装資材の開発 など
―
―
―
―
社会活動コスト
自然保護基金への寄付 など
―
685
―
612
環境損傷対応コスト
該当なし
―
―
―
―
26,956
596,332
42,007
430,035
合計
●環境保全活動に伴う経済効果
(単位:千円)
環境保全活動に伴う経済効果
収益
2013年度
2012年度
3,461
3,753
廃棄物のリサイクル売却収益
(金属くず、古紙、廃プラスチック類、動植物性残さ)
※環境保全割合については、簡便な基準による按分集計方法にもとづいて算出しています。
※千円未満は切り捨てで表示しています。
編集後記
TOPICS
環境会計とは
環境会計とは、環境活動
(設備投資を含む)
のためにど
のくらいのコストをかけて、どのくらい効果があったの
かを数値化したものです。
投資額 : 企
業の償却資産への設備投資額のうち、環境保
全を目的とした支出額を計上したもの。
費用額 : 企
業の費用のうち、環境保全を目的とした発生
額を計上したもの。
「永谷園グループ環境・社会報告書」
は、紙媒体とWeb媒体
で内容を大きく変えています。
紙媒体は
「ダイジェスト版」
として位置づけ、永谷園グループ
の環境・社会貢献活動を8ページに凝縮。様式も見開きスタイ
ルで見やすいよう工夫しています。
また、松茸の味お吸いもの50周年にちなんだ特集など、永谷
園グループに親しみを持っていただける内容になっています。
一方、Web版はダイジェスト版では紹介しきれなかった詳
細情報を掲載しました。また、
「CSR川柳」
や
「VOICE」
など、多
くの従業員が登場しています。
永谷園グループ各社では、社会的
責任を果たせるよう、これからもCSR
活動を推進していきます。最新の活動
は次回の報告書でご報告いたします
ので、次回も是非ご覧ください。
(株)
永谷園 広報部
斉藤 公一
永谷園グループ 22 環境・社会報告書2014
会社概要
商
号
株式会社 永谷園
他の事業所
創
立
昭和28年5月
関 連 会 社
本社所在地
東京都港区西新橋2丁目36番1号
資
本
金
35億292万円
売
上
高
従 業 員 数
[連結]1,795名
[単体]647名
(2014年3月末現在)
お茶づけ、ふりかけ、即席みそ汁、その他飲食
料品の製造販売
T
03-3432-3105
(代)
E
L
ホームページ
工
場
茨城工場、岡山工場
支
店
仙台支店、東京支店、名古屋支店、大阪支店、
広島支店、福岡支店
営
業
所
札幌営業所、新潟営業所、宇都宮営業所、
横浜営業所、静岡営業所、金沢営業所、
近畿量販営業所、高松営業所、鹿児島営業所
駐
在
所
沖縄駐在所
株式会社サンフレックス永谷園
株式会社オクトス、株式会社サニーフーズ
株式会社ニシエイ、株式会社花笠食品
藤原製麺株式会社、株式会社ふじの華
株式会社麦の穂ホールディングス
株式会社麦の穂
株式会社京都吉祥庵
MUGINOHO INTERNATIONAL, INC.
上海麦好穂食品有限公司
株式会社ユニネット
(2014年3月末現在)
[連結]711億円
[単体]636億円
(2014年3月期)
事 業 内 容
技術開発センター
http://www.nagatanien.co.jp/
業績の概要
(連結)
●売上高の推移
●経常利益の推移
(百万円)
(百万円)
5,000
80,000
66,175
66,905
66,991
68,516
71,129
4,262
4,000
60,000
3,666
3,927
3,052
3,000
2,505
40,000
2,000
20,000
1,000
0
0
2010/3
2011/3
2012/3
2013/3
●従業員数の推移
2011/3
2012/3
2013/3
2014/3
●売上構成
(2014年3月期)
(百万円)
(人)
2,580
2,000
1,500
2010/3
2014/3
1,795
1,447
1,441
1,452
4,491
1,457
15,865
■食料品事業
■お茶づけ・ふりかけ類
1,000
■スープ類
27,390
20,801
500
■調理食品類
■その他
■外食・その他の事業
0
2010/3
2011/3
2012/3
2013/3
2014/3
永谷園グループ 23 環境・社会報告書2014
68,548
連結合計:71,129