武田薬品に対する 2/28 第2回住民対話集会質問項目 ―質問と回答― 武田問題対策連絡会 武田薬品工業とのリスクコミニケーションについて、12月16日、第1回対話集会を行った。 第1回の対話集会においては、住民の生命・安全健康に直接関係する事項(とりあえず平常運転に限定)につ いて排気、排水、廃棄物、バイオハザード問題などをテーマに行った。 今回(第2回)は、第1回対話集会で積み残し部分、未回答部分に着いての問題並びに動物実験・焼却炉から の排煙・臭気、立地条件問題等を中心行いたい。 病原体漏出の現実的可能性を前提に最悪の事態を心配することは市民として当然です。そのような市民の安全 安心の手がかりを得る為の最小限の情報として、下記項目について事前に文書回答を求めたい。 <第1回対話集会積み残し、未回答部分> ① 、遺伝子組み換え生成物の運搬、移動、活用 各実験室で生成された遺伝子組み換え生成物は、研究所内をどのような経路をとおり運搬、移動させ活用 するのか、移動フローを示して下さい。 <武田の回答> 漏出しない構造の容器に入れて運搬します。 ②、大気汚染と風データ ⅰ、確認。大気汚染と気象の環境評価・計算について。大気汚染の源となる排出物、計算範囲(平面と高度)、 計算式、使用した風(平均風だけか?)、高度ごとの上層風の風向・風速など、計算条件を簡潔にご説 明願います。 <武田の回答> ○ 浮遊粒子状物質、窒素酸化物、硫黄酸化物、あるいは塩化水素、ダイオキシン類は燃焼に伴う一定の 発生が不可避なため、燃焼時の運転管理方法や大気汚染物質の除去等の対策により、大気汚染物質の 排出量を可能な限り低減する必要があります。新研究所の施設の稼働では、エネルギー棟の蒸気ボイ ラー、ガスエンジからの排出ガス,廃棄物焼却施設からの排出ガスが対象となります。 ○大気汚染の予測方法の詳細は、予測評価書 p.198 等に示すとおりであり、 「窒素酸化物総量規制マニュ アル[新版]」等を参照し、環境影響評価において十分に実績のある手法により予測・評価を行ってい ます。ご参考のため、予測評価書の該当ページのコピーを添付します。 ○大気汚染の予測にあたって、高さの補正は p.188「d.気象条件」に明記しているとおり、「べき法則」 により推定しています。これは、上空ほど風速が速くなる一般的な法則に従って、風速をべき指数に 1 より算定するものです。なお、これらの高さの補正や予測手法は、「窒素酸化物総量規制マニュアル[新 版] 」等に示された実績のある手法によっています。 これら予測方法については、県の審査会で専門家の方にも審議いただいております ⅱ、武田は、大気汚染や気象の計算に藤沢市の 1 年間の風データを用いたとのことである。藤沢市役所によ れば、この測定場所は大気汚染の観測をするためのものであって、公表している風向・風速データの正当 性は保証しない、とのことである。現実に、すぐ前と横には風向風速計より高い建物と立ち木があり、こ の風データは気象学的に全く意味が無い。気象庁のガイドライン(または指導)に従って、正しい湘南の 風データを用いて大気汚染と気象の評価をやり直して頂きたい。 <武田の回答> ○ 予測は年間の連続観測データが必要なことから、 「神奈川県環境影響評価技術指針解説」に則し大気汚 染常時監視測定局(藤沢市役所)における風向・風速テータを用いています。藤沢市役所は新研究所から 約2km西と近傍に位置しており、観測結果の異常年検定を行うとともに、新研究所における現地調査 結果と相関が高いことを確認しました。 ○藤沢市役所における平成 18 年度の観測結果が異常でないと判断される根拠、現地調査と藤沢市役所の 観測結果の相関が高いことは資料編の資 2-1-4、資 2-1-5 にそれぞれ明記したとおりです。 なお、予測方法については、県の審査会で専門家の方にも審議いただいております。 ⅲ、事実確認。気象庁のデータによれば、湘南(例:辻堂)の風向・風速は武田の用いた藤沢市役所データ と大きく異なる。辻堂の平均風向は、南西・南南西が優勢であり、市役所データ(1年中北東・北北東が 優勢)とは逆になる。平均風速は市役所データの約3倍である。武田の予測評価書に、「本事業により、 −−−影響が懸念される地域は、西側から北側にかけて低層住宅が立ち並ぶ領域である」と書いてあるが、 現実は全く逆である。住民の日常感覚も辻堂データと一致する。誤ったデータを用いて、中高層マンショ ンや病院などの立ち並ぶ鎌倉側への影響がないように見せかけた偽装と考えられる。武田の見解を問う。 <武田の回答> 予測は年間の連続観測データが必要なことから、 「神奈川県環境影響評価技術指針解説」に則し、大気汚染 常時監視測定局(藤沢市役所)における風向・風速データを用いています。藤沢市役所は新研究所から約 2km 西と近傍に位置しており、観測結果の異常年検定を行うとともに、新研究所における現地調査結果と相関 が高いことを確認しました。 ○藤沢市役所における平成 18 年度の観測結果が異常でないと判断される根拠、現地調査と藤沢市役所の 観測結果の相関が高いことは資料編の資 2-14、資 2-1-5 にそれぞれ明記したとおりです。 なお、予測方法については、県の審査会で専門家の方にも審議いただいております。 ⅳ、 研究棟から排出される(1 時間当たり東京ドーム 6.5 杯分の、微生物類、毒性化学物質などを含めた)大 量汚染ガス排出に伴う大気の汚染について武田は一切評価していない。また、局地的な気象への影響(例 えば、ゲリラ豪雨)も含めた気象評価も行っていない。計算をやり直して頂きたい。武田の見解を問う。 <武田の回答> 対象事業では、有害化学物質等を一部扱いますが、周辺の住宅地等の一般環境への影響はもとより、室内 外及び屋外環境において従業員等の健康や安全を確保する観点から十分な排気処理措置、排水への必要な 流出防止措置を講じるとともに、使用量の抑制に努めます。 これらの措置については、予測評価書の「別添 4-3 その他の内容 p.122、p.128」等に示したとおりです。 これらの措置により、一般環境への影響を検討するレベルにおいて有害化学物質等の排出は予め防止でき るものと考えています。 予測評価書では知事の審査書も踏まえ、p.605 に示すとおり配慮事項の「有害化学物質の排出抑制措置」 を選定し有害化学物質等の排出を予め防止する措置について記載しました。 なお、新研究所で実施する実験は劇薬初期段階であるため、利用する材料に関して、生産工場と比べて量 的にはわずかです。新研究所において取扱う有機化合物の種類は多いですが、合成総量は年澗 2~3kg と 想定され、工場とは大きな差があります。現有施設において、これらの化合物は適切に管理されており、 県の審査会においても、その状況をご説明し、ご理解いただきました。新研究所においては、現有施設で の実績にあぐらをかくことなく、より安全な管理を行っていくことをお約束します。 ⅴ、 広域環境(大気)汚染について。研究所から排出されるダイオキシン類、微生物類(ウィルスも含めて)、 2 毒性化学物質などが関東広域(或いは更に東北地方まで?)のどの辺まで飛来するのかなど、評価すべ きである。つまり、高度 2000 m までの正しい風データを用いて、研究棟・動物焼却炉(15 m 煙突 1 本)・ エネルギー棟(45m 煙突 2 本)からの排出物について、上記の評価をし直すべきである。武田の見解を 問う。 <武田の回答> 浮遊粒子状物質、窒素酸化物、硫黄酸化物、あるいは塩化水素、ダイオキシン類は燃焼に伴う一定の発生 が不可避なため、燃焼時の運転管理方法や大気汚染物質の除去等の対策により、大気汚染物質の排出量を 可能な限り低減する必要があり、新研究所の施設の稼働では、エネルギー棟の蒸気ボイラー、ガスエンジ ンからの排出ガス、廃棄物焼却施設からの排出ガスが対象となります。予測評価書では、神奈川県の環境 影響評価条例に基づき、施設の稼働に伴う大気汚染への影響について、浮遊粒子状物質、窒素酸化物、硫 黄酸化物、塩化水素、ダイオキシン類の予測評価を行いました。 大気汚染の予測方法の詳細は、予測評価書 p,198 等に示すとおりであり、 「窒素酸化物総量規制マニュア ル[新版]」等を参照し、環境影響評価において十分に実績のある手法により予測・評価を行っています。 ご参考のため、予測評価書の該当ページのコピーを添付します。 ③ 託児所建設問題 武田は、研究所からの大量の強制排出ガスの無菌性を証明するため、敷地内に託児所を建設することを公 に表明したが、それは敷地のどこに位置しているのか示して頂きたい。この計画はアセス(評価書)に 示されていない(と記憶する)上、従来の説明会では一度も説明されていない。研究員の安全を確保するため といって施設内空気を全て強制排気し、外の子どもにこの排気を吸わせるなどと言うことは児童の健康侵害、人権侵害もはなはだ しいのではないか。 <武田の回答> 託児施設は、ご質問にあるような、「無菌性を証明する目的」で設置するものでも、「子弟の健康を犠牲に して研究員の安全を確保する排気システム」でもありません。あくまで、子供を持つ従業員の福利厚生の 一環として設置するものです。 ④ HEPA フィルターについて ⅰ、武田は WHO 第 3 版を引用し、「HEPA フィルターは、直径 o。3μm の粒子は 99.97%、直径 0.3μm よ り大きいか、より小さいサイズの粒子を 99.99%捕捉する。これは、事実上、HEPA フィルターが、すべ ての既知の病原体を効果的に捕捉する事を可能にし、無菌の排気だけがキャビネットから放出されること を保証する。」といっているから絶対に漏出しないと言い切った。しかし、WHO の英文を仔細に検討する と、効果的に補足しうるのは既知(known)の病原体であり、また、 「排気ガスに無菌(no microbe)が 保障されている」との箇所も microbe(微生物)という言葉が使われており、病原体となりうる DNA など の生物の構成物、ウィルス、ファージなど生物とも無生物とも解釈できる病原体まですべて含まれている とは解釈できない。無菌の排気とは何か、を定義して下さい。病原体(病原菌、ウィルス、ファージなど を含む微生物)は一切含まれない(数値でゼロである)のか? そうであれば、HEPA フィルターの性能 は 99.97%ではなく、100%になる筈。この矛盾を説明して下さい。 また、前回武田は、WHO マニュアルの上記の箇所を紹介し、 「HEPA フィルターの無菌が保証されている」 と説明した。誰が保証しているのか? (メーカでない)WHO が保証しているのか? 武田が住民に保 証するのか? そうであれば、データを示していただきたい。 <武田の回答> HEPA フィルターはポアサイズ(空隙の大きさ)のみで捕捉するものではなく、衝突、慣性、拡散など複数 の原理で粒子を捕捉するものであり、このうち、拡散による捕捉は粒子径が小さいほど効率が高くなりま す。 3 HEPA フィルターは、上記の捕捉原理上、もっとも捕捉効率の低くなる直径 0.3μm の粒子の捕捉率をも って、性能試験をすることになっています。多くの細菌は 0.3μm よりも大きく、またウィルスは小さい ことから、病原体の捕捉率は 99.97%よりも高いというのが WHO の文書の意味するところと理解します。 WHOの文書は、皆様にご安心いただくために提示させていただきました。 ⅱ、99.97%の性能について。この性能は微生物を用いて確かめたものでなく、シリカ粉末などの固体粒子 の実験結果から決めた JIS(工業規格)である、と製造メーカから聞いている。また、専門家の話によれ ば、HEPA フィルターは微生物で検定されたものでない上、微生物による補足率の実証はされていない。 更に、ウィルスやファージなどのフィルター効果の有効性は不明であるとのこと。微生物類の捕捉率が 実証されていないのに、武田は、如何なる根拠をもって HEPA フィルタ性能(99.97%)を保証するのか? また、長年のバイオ実験の経験から生物によるフィルター性能の試験データを持っているのであれば、 示して頂きたい <武田の回答> HEPA フィルターはポアサイズ(空隙の大きさ)のみで捕捉するものではなく、衝突、慣性、拡散など複数 の原理で粒子を捕捉するものであり、このうち、拡散による捕捉は粒子径が小さいほど効率が高くなりま す。 HEPA フィルターは、上記の捕捉原理上、もっとも捕捉効率の低<なる直径 0.3μm の粒子の捕捉率をも って、性能試験をすることになっています。多くの細菌は 0.3μm よりも大きく、またウィルスは小さい ことから、病原体の捕捉率は 99.97%よりも高いというのがWHOの文書の意味するところと理解します。 ⅲ、HEPA フィルターの検査・メンテナンス(機能・性能検査、掃除、取替えなど)の実施について。検査 体制は? 結果の確認、その外部メーカ(或いはサービス会社)の技術者の出入り管理のやり方を問う。 その際、フィルターに付着した微生物類の除去はどのように行い、その除去した微生物類はどこに流され るのか?また、交換したフィルターの始末を問う。 <武田の回答> 設備の定期点検の実施方法及び頻度並びにその記録の保管期限を定めた SOP(標準作業手順書)を作成しま す。例えば、P3 レベル実験室に関して、安全キャビネットの HEPA フィルターは現場設置時に、フィルタ ー面及び取り付け部の漏洩テストを実施し、フィルターの性能を確認します。バイオハザード対策用の HEPA フィルターは、所定の滅菌剤にて煉蒸滅菌を実施した後、交換します。 ⅳ、研究棟で使用したガスを内部で再循環せずに 1 回限りで外部に強制排出するのは、その排出ガスが人 体に有害であるから、と住民は認識している。武田は一方で、排出ガスはフィルター、スクラバー、活 性炭によってクリーンになるので住民には問題ない、と説明してきた。健康な研究所職員に有害な空気 が何故(乳幼児・老人を含む)近隣住民に安全なのか? それを研究棟内で循環して使わないのか? 排出ガスが人間に問題ないのであれば、何故 (その方がコスト削減、地球温暖化防止に貢献する。武田 の主張は自家撞着に陥っている。) <武田の回答> 対象事業では、有害化学物質等を一部扱いますが、周辺の住宅地等の一般環境への影響はもとより、室内 外及び屋外環境において従業員等の健康や安全を確保する観点から十分な排気処理措置、排水への必要な 流出防止措置を講じるとともに、使用量の抑制に努めます。 これらの措置については、予測評価書の「別添 4-3 その他の内容 p.122、p.128」等に示したとおりです。 これらの措置により、一般環境への影響を検討するレベルにおいて有害化学物質等の排出は予め防止でき るものと考えています。 新研究所においては、現有施設での実績にあぐらをかくことなく、より安全な管理を行っていくことをお 約束します。 4 ⑤、廃棄物自己処理責任問題 神奈川県の指針でも配慮事項(2)で事業者の廃棄物自己処理責任の徹底が謳われており、生物材料を含 有する廃棄物は、事業者の責任において処理・処分することが求められている。武田の新研究所は、単な る研究所ではなく、新しい遺伝子組み換え生物を作り出し、それを薬にしようという実験・開発・創薬工 場であり、そこから排出される排出物は生活排水ではなく、産業廃棄物である。こうした産業廃棄物を自 己処理せず外部に出すのは県の指針にも国の産業物処理法にも反するのではないか。 <武田の回答> バイオ実験施設からの排水に関しては、カルタヘナ法や感染症法等の関係法令及び社内規定等を遵守し、 滅菌処理を行った後、適切に排水します。滅菌後の菌体は通常の有機物(脂質、アミノ酸など)であり、 生活排水と同様に生物処理可能であると考えられます。 従って、適切な条件での滅菌処理を確実に実行することが、事業者の責任としての処理・処分にあたるも のです。 ⑥,大清水浄化センターへの排出問題 武田薬品の施設でありながら、工場から研究所に変わったから、協定は無効などということはまったく子 供だましの詭弁である。武田との協定は転売先にも効力が及ぶことまで書かれているにもかかわらず、 所有者が武田である限り、武田の協定責任が変わるものではない。ましてや新研究所は、旧工場に比べ 規模も数倍大きく、排出する水も排気も市内ではトップレベルである。さらに、研究所と銘打っている が、研究所の実態は動物投薬実験まで含んだ創薬開発工場である。工場と研究上は違うなどという詭弁 で協定をないがしろにするなどということは許されない。 大清水センター長は、武田の排水を受け入れる理由として、下水処理場には工場廃水を受け入れ義務があ り、これまでの武田との協定に問題があるかのようにいうが、これは、当初から、住民との協定で例外 が認められたことであり、なんら問題になるようなことではない。武田は、藤沢市の了解を得たと言っ ているが、協定を締結した一方の当事者として協定違反と思わないのか。 <武田の回答> 協定が結ばれた当時のお話しやご苦労は、前回の説明会で伺いました。 ご質問を拝見すると、結局のところ、新研究所が工場にあたるか否かが論点になるかと存じます。この点 は、法律的に、または行政として判断いただくことになろうかと存じます。 当社としては、科学的な面から新研究所からの排水の質や負荷量が、大清水浄化センターに受け入れてい ただけるものであるかどうかが重要であると考えています。実験室における適切な処理や、排出時の分別 を適切に行うこと、流量を調節して排出することで、受け入れが可能であるとの見解をいただいているこ とから、当社はそのお約束を守ることを徹底したいと考えています。 ⑦、どうして研究所排水の自社処理が出来ないのか バイオハザード対策排水処理技術は業界でも確立しており、専門メーカーも存在する。貴社湘南工場でも 排水処理装置を有していた。大清水の住民説明会でも技術的に出来ない問題では無いと述べていた。た だ、費用がかかるといっていただけである。設置に30億円、その他ランニング費用がかかるから毎年 1.8億円藤沢市に下水道料を払った方がコスト的に安いと説明していただけである。80億円もの助 成金を神奈川県から貰い、藤沢市の年間収入の10倍近い企業利益を上げている貴社が、お金がかかる から排水処理施設は出来ないという説明は納得出来ない。これだけの大量のバイオ汚水を下水に流すと いうことは、海流を通して市民および他府県に及ぶ国民に転嫁する以外の何者でもない。産業廃棄物の 自社処理責任をまっとうして貰いたい。ちなみに武田国男会長は経団連副会長、企業行動委員長として 環境問題を担当、社会的責任は重いと言わなければならない。 <武田の回答> 5 経済的な面、リスク管理の面などを考慮し、最終的には、公共下水道に受け入れていただいた方が良いと 判断しました。 ⑥で記載したとおり、新研究所からの排水の質や負荷量が、大清水浄化センターに受け入れていただける ものであるかどうかが重要であると考えています。 実験室における適切な処理や、排出時の分別を適切に行うこと、流量を調節して排出することで、受け入 れが可能であるとの見解をいただいていることから、当社はそのお約束を守ることを徹底したいと考えて います。 ⑧,スクラバー排水問題 スクラバー排水は、塩化水素などの酸性ガス補足するとしても、バイオ施設の汚染された排気の中に含 まれる微生物、ウイルス等の汚染物を洗い流すものである。どうしてこれが、研究所施設外に影響を与 えることは無い、というのか。大量のスクラバー排水に含まれる微生物、研究所内の浮流物は一切付着 しないというのか。再度答えてください。 具体的には、毎日900m3という大量のスクラバー排水が、微生物、浮遊粒子等を洗浄し、半分は大 気に放出され、半分は下水道に流し込む計画である。その際、スクラバーで洗い流された空気・水の全 量に含まれる大量の微生物や有毒化学物質等を、どのように滅菌・殺菌・無害化するのか、ご教示願い ます。 <武田の回答> 使用する実験材料の種類に応じて、実験場所・エリアが異なり、排気系統が異なります。種類に応じた適 切な排気処理装置を設置する事で、ご指摘のような「実験に用いた微生物類がスクラバー排水に混入する」 ことはないと考えております。 ⑨、実験室排水の処理について 武田は、P1、P2 も含めて、遺伝子組換え生物等を含む排水は、オートクレープ(高圧滅菌器)等で滅菌処理 を行った後に排水します。また、感染等の恐れある排水は滅菌処理を施してから排出します。と述べて いるが、フローシートでは、そうなっていない。われわれが言っているのは、これらの施設から出る排 水は、すべて滅菌せよという言っているのに、なぜそれができないのか。 <武田の回答> バイオ実験施設からの排水に関しては、カルタヘナ法や感染症法等の関係法令及び社内規定等を遵守し、 滅菌処理を行った後、適切に排水します。 ⑩、研究所から放出される蒸気、散水について 武田薬品研究所は、1日4500m3使う水の内、排水は2300m3、2200m3は空中に放出する ことになっている。外部に放出される空調系の蒸気はどのように配管され、実験室、安全キャビネット、 動物実験室等での加湿とのようにされるのか、また、オートクレイプに仕様される蒸気はどのくらいか、 また、そのまま外気に放出されるのか、そのフローを示してください。 <武田の回答> 空調等設備系用水の一部が蒸発により大気に放出されますが、散水でありません。熱源施設からの排熱に ついて、ヒートアイランド現象の緩和に寄与できるよう、建物屋上の冷却塔で気化熱として放出します。 冷却塔による排熱の気化熱としての放出は一般に広く行われている方式です。他社研究所の事例を見ても、 入水と排水の割合はほぼ同様の値になっているようです。 実験室の排気フロー上には、使用する実験材料の種類に応じて、適切な排気処理装置を設置します。 ハザード対応のオートクレーブ排水は、加熱滅菌して排出する構造となっております。また、排気につい ては、高温ガス用の濾過滅菌フィルターを通して排気します。 ⑪、P1 P2の実験施設について 武田は、P1、P2 レベルの実験もカルタヘナ法および関係法令を遵守して実施し、法令で規定された拡散 6 防止措置を講じます。と回答しているが ⅰ、圧倒的に多い、P1、P2 について数の記載が無い。大阪淀川区十三、茨城県つくばでの研究所の実績と比 較して回答していただきたい。 <武田の回答> 研究一実験の量の開示は、差し控えさせていただきます。十三約 1000 人、つくば約 200 人の現有研究者 が集結して実験を行いますので、当社全体としての量は、大きな増加にならないと考えております。 ⅱ、15棟のうち、P1・P2の棟はどこかを明示して下さい。 <武田の回答> 実験室の位置は開示いたしかねます ⅲ、バイオ実験系排水中の化学物質の分離回収について示すこと。特にフェノールについて。 <武田の回答>> フェノールは、DNA サンプルの除タンパク質に用います。フェノールとクロロホルムを合わせて使用す ることがほとんどですので、使用した分を廃棄用のポリタンクに分別回収し、 「含ハロゲン有機溶媒」とし て廃棄します。 ⑫、バイオ汚染排水の水質管理について バイオ汚染排水は ⅰ、病原体が漏出しても直ちに検出することは難しい ⅱ、条件が整えば増殖する、 ⅲ、不顕性感染がある、 ⅳ、病原体の分離・同定が技術的に難しいため原因不明のまま経過することがある、 このような特性を持つバイオ汚染排水の流出を未然に防止するための具体的対策が提示されない限り、 住民の不安は解消されない。 神奈川県の評価審査書でも、排出貯留槽の水質管理の方法について明示せよと指摘しているが、モニタ リングはPH、温度、TOC だけで、中和して放流することになっているが、これではバイオ排水の水質 管理とは言えない。バイオ汚染度の高い実験室排水、P3・RI 排水、動物実験排水、スクラバー排水等 を毎日サンプリング取水し、一定の時間を要するが培養テストを行い増殖のない不活性化が確実行われ るか管理すべきではないか。 <武田の回答> オートクレープによる滅菌処理は、長年にわたる実績のある技術であり、滅菌を達成するための時間一温 度の条件は確立されています。実際の運用に当っては、生物学的インジケータ等を用いて滅菌条件を設定 し、日常的には装置のタイマーと温度センサーで滅菌条件をモニタリングします。 ⑬、バイオハザード問題 ⅰ、武田は、 ・法令に従い拡散・漏出の防止措置をとるので安全。 ・排気・排水には病原体は含まれない。 ・万が一の実験感染者による拡散が生じる事はない(見解書) 。 と繰り返し主張してきた。これは、実質的に、「バイオハザードは万が−にもあり得ない」と断言している ことと同じである。 更問。万が一にバイオハザードは起きるのですか、起きないのですか?正式見解を問う。 <武田の回答> 前回もご回答した通り、「バイオハザードは万が一にもあり得ない」というのは当社の見解ではありませ ん。ご理解いただけないのは残念です。様々なリスクを許容可能なレベルまで低減させるために必要な安 全対策が各種の法令で定められています。安全対策の基本が法令遵守であることはこれまで再三、ご説明 してきた通りであり、その基本方針に変わりありません。法令以上の安全対策の例として、想定される最 大規模の地震(震度7)にも対応できる免震構造を採用すること、停電時にも安全設備を運用するために 7 必要な非常用電源を用意すること等についても、予測評価書に記載しましたし、貴会のメンバーに対して 繰り返しご説明してきました。今後も、周辺環境への影響を低減させる努力を継続してまいります。 ⅱ、HEPA フィルターが研究棟のどこに設置されるのか、吸気・排気双方について、設置場所を網羅的に示 して下さい。また、フィルターのメーカ・規格・概略仕様を示して頂きたい。 <武田の回答> P3 実験室の給気と排気、P2 および P3 実験室に設置する安全キャビネットの給気(キャビネット内循 環用)と排気に HEPA フィルターを設置します。 ⅲ、P1、P2 の部屋を含め、研究棟の部屋割り(配置と機能)を示して下さい。 <武田の回答> 実験室の位置は開示したしかねます。 ⅳ、研究棟(190 本の排気塔)からの大量排出ガスはクリーン(人の健康にとって無害)ですか? 有害で すか? Yes, No でご回答下さい。 <武田の回答> 前回の対話集会でもお話した通り、Yes か No では回答できません。対象事業では、有害化学物質等を 一部扱いますが、周辺の住宅地等の一般環境への影響はもとより、室内外及び屋外環境において従業員 等の健康や安全を確保する観点から十分な排気処理措置、排水への必要な流出防止措置を講じるととも に、使用量の抑制に努めます。これらの措置については、予測評価書の「別添 4-3 その他の内容 p.122、 p.128」等に示したとおりです。これらの措置により、一般環境への影響を検討するレベルにおいて有害 化学物質等の排出は予め防止できるものと考えています。新研究所においては、現有施設での実績にあ ぐらをかくことなく、より安全な管理を行っていくことをお約束します。 8 <第2回対話集会質問部分> 動物実験について 動物実験棟は、全施設15棟の内半分近い7棟もあり、ここで薬物動態試験、薬剤安全性試験、薬効・薬理実 験薬剤安全性試験、P3微生物使用実験が行われる。製薬の効果が動物実験を通じて試される所である。病原 菌を接種し、薬効をしらべる実験も P3施設では計画されている。こうした巨大な動物実験棟(動物実験棟⑪ ∼⑮の延べ面積は112,500m2で東京ドームの2.5倍の広さに当たる)を併設しているところに、今 回の武田薬品研究所建設の特徴がある。 実験動物の種類、量については、企業競争上公開出来ないと武田の見解書は述べているが、一般に実験動物と されている物には、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、犬、猫、鳥、豚、猿、などが上げられるが、どの 様なルートで購入し、その管理、飼育給餌、繁殖、解剖、衛生管理、汚物処理、施設管理等はどうなっている のか厳しくチェックされねばならない。動物実験棟が7棟もあると言うことは、そこに大量の実験動物が飼育 保管されているということを意味している。他の化学薬品と違って、実験動物は、呼吸し、物を食べ、汚物を 輩出する生き物であるという事であり、病原菌等が接種される動物達からの汚物の排水、排気、並びに日常飼 育する人を通じて危険物の外部濾出が一番懸念されるところである。 Q63,動物実験では、どのような動物をどのくらい使用するのか。種類、量(何匹)を日、 月、年で示して下さい。建物の大きさか推定すると、マウス換算で数十万匹飼育出来る規模である。動 物実験から排出される汚水、排気、焼却排煙、臭気は地区に与える影響がきわめて大きいものである。 企業機密などといって隠匿するのでは無くきちんと数値を示して下さい。 <武田の回答> 実験動物は薬の候補物質の安全性と有効性を確認する目的で使用します。その多くは小動物(マウスお よびラット等)ですが、大動物での安全性試験が義務付けられているため、イヌ、サル等も用います。 しかし、動物愛護の観点からも、動物実験の代替法(試験管での実験等)を駆使して、動物数の削減 に努力しております。量についての情報は開示いたしかねますが、飼育頭数にかかわらず汚水、排気、 臭気等は、適切に処理いたします。 Q64,動物実験では、薬効薬理実験 薬物動態実験、を行うと記されているが、具体的にどのような実験なの か。また、遺伝子組み換え化合物の動物への注入(給餌、吸引、接種等)は建屋の何処で、どの様に行 うのか。前回の質問では、企業秘密と言うことで回答を拒否されたが、動物実験室並びに実験装置(セ パレーター、ケージ等)の空調・加湿システム、給餌・給水・洗浄・汚物の排出のやり方、洗浄と滅菌 のやり方を説明して下さい。また、事前に病原菌を接種して、薬の効果を調べる実験もおこなうのか。 P3施設で行う動物実験とはどのような実験なのか説明して下さい。 <武田の回答> 薬効薬理実験:薬になる可能性がある化学物質を動物に投薬して、人での有効性を裏付けるための実験 です。 薬物動態実験:薬になる可能性がある化学物質を動物に投薬して、その物質の生体における吸収、分布、 代謝、排泄を調べる実験です。 9 薬剤安全性試験:薬になる可能性がある化学物質を動物に投薬して、安全性を確認する実験です。現在 当社の研究所では、感染症法で規定される特定病原体を保有しておらず、これらを用いた実験の計画は ありません。具体的実施予定の実験で、高次の拡散防止措置が必要な P3A レベルの遺伝子組換え実験(大 臣確認実験)は現状ではありません。将来的にも容易に想定できる実験計画はなく、極めて実施可能性 の低い実験になります。実験動物施設設計にあたっては、以下の図書等を参照しています。 ・日本建築学 会編「実験動物施設の設計」 (彰国社):1989 年の最新の基準・日本建築学会編「平成 8 年度ガイドライ ン実験動物施設の建築および設備」(アドズリー):2007 年度の最新版 Q65,実験が終わった動物の屠殺はどのように行うのか。大規模な動物実験を人口密集地でやることの是非を 武田薬品はどのように考えるのか。 <武田の回答> ①医薬品の研究開発において、有効性や安全性の確認のために動物実験は不可欠であり、動物の使用は 避けられないものです。一方、実験動物を使用する際には、実験動物を生命あるものとして尊重し、適 切に飼育管理すること及び動物実験における倫理に配慮しております。②当社では、動物愛護の精神に 則り「3R(Refinement :苦痛の軽減、Replacement : 代替法の利用、Reduction :動物利用数の削減)の 原則」のもと研究を進め、実験動物は「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準(環境 省告示第 88 号)」等関連法令に則って、適正な飼育管理を行っています。③実験に使用した動物は、 「動 物の殺処分方法に関する指針(環境省告示第 105 号) 」にしたがって、できる限り苦痛を与えない方法 で適正に処分しています。④大阪及びつくばの研究所においては、動物慰霊碑を設置し、両施設で、年 1 回動物慰霊祭を執り行い、実験に供した動物を供養しています。新研究所でも同様に動物慰霊碑を設 置し、動物の供養をいたします。周辺環境への影響については、県の条例に基づく環境影響予測評価を 実施し、大きな影響を与えないものと考えております。 Q66,動物実験排水は、固液分離槽で個体を除去しただけで下水に流し込むフローとなっている。固液分離槽 では何を分離するのか具体的に説明して下さい。 動物実験に供された動物排水は、病原菌が接種された物もあり、食物残渣、糞尿、血液、ケージ洗浄水 などきわめて危険性の高い排水である。評価書が言うような人間の生活排水と同様に見るべきではない のではないか。産業廃棄物というべきものではないか。 <武田の回答> 固液分離槽は、大動物の糞便及び体毛(固体)を分離する装置です。 現在当社の研究所では、感染症法で規定される特定病原体を保有しておらず、これらを用いた実験の計画 はありません。従って、病原体を動物に接種するような実験は行いません。 ただし、長い将来を考えた場合、感染症治療に係る創薬研究を実施する可能性は否定できず、その場合は、 対象となる病原性微生物を利用した薬効試験を、その時の施行法律を遵守し実施します。その際、病原体 が接種された動物で使用された機材は滅菌処理します。 Q67、P3施設の排水については、滅菌処理し適切に処理するとあるが、実験で病原菌を接種された動物の糞 尿排水の滅菌処理が心配です。実験動物の排水について糞尿自体、また実験棟清掃の汚水の排水が不明 である。動物実験棟から出る糞尿排水、飼育室洗浄排水、給餌給水排水、動物洗浄排水は、それぞれど のくらい出てくるのかそれぞれの量の内訳を示して下さい。 <武田の回答> 現在当社の研究所では、感染症法で規定される特定病原体を保有しておらず、これらを用いた実験の計画 はありません。ただし、長い将来を考えた場合、感染症治療に係る創薬研究を実施する可能性は否定でき 10 ず、その場合は、対象となる病原性微生物を利用した薬効試験を、その時の施行法律を遵守し実施します。 Q 追加 動物実験に関する国の指針では、法律で3R、苦痛の軽減、代替法の利用、動物利用数の削減が定め られている。武田はこの点についてどのように考えているのか。動物利用数の削減では、今まで十 三や筑波でやって来た実験動物数より削減されているのか、数値を上げて説明して下さい。また、 法の規定からして之までより実験動物数が増えてはならないと思うがどうか。 <武田の回答> ご指摘のように、弊社におきましても、動物愛護の精神に則り 3R の基準で研究を実施しています。 実験に限らす、現研究所においても、カセットドージングという手法など、使用する動物を減らすための 取り組みを行うとともに、代替法(試験管での実験等)の利用による動物使用数の削減を念頭に実施して おります。 焼却炉からの排煙・臭気問題 7月21日の武田製薬主催の説明会でも問題になったが、実験動物死骸焼却用の焼却炉からの臭気、煤煙公害 は、近隣地域住民の一番関心を寄せる問題である。 武田の実験動物焼却炉は、焼却能力150kg/h×2基×1日6時間稼働=1日1800kg焼却の焼却炉 である。1日1800kg焼却というと、45gのマウス換算で4万匹、15kg の猿に換算して 120 匹、かな りの量の焼却炉である。 武田薬品は、臭いも煙も出ませんなどと説明していたが、武田の実験動物焼却炉は、一般の火葬場と違って、 近接地域では目の前で焼却が行われるのと同じで、臭気が一切漂わないなどということはあり得ない事である。 ましてや実験動物の死骸焼却炉の煙や臭いともなれば、生理的にも嫌悪感を感ずるものであり、人間の火葬場 の様な煙突のない無臭無煙の焼却炉が最低限度求められなければならない。 実験動物の焼却炉について ⅰ、 事実確認。巨大な動物火葬場。実験動物(マウスから犬、サルまで)の死骸の焼却処分量は 1 日に(6 時間稼動で)1.8 トン。カニクイザル(体重 15 キログラムとして)を 1 日に 120 匹焼却する計算。人間 換算で(50 キログラムとして)1 日に 36 体焼却する火葬場に相当する。その能力は(24 時間稼動と して)アウシュヴィッツの 40%に相当する。6 時間稼動の現計画でもアウシュヴィッツの 10%に相当 する。周囲には、煙突から数十メートル∼数百メートルの範囲に民家、病院、老人ホーム、幼稚園、学 校、マンション、ショッピング・センターなどが多数存在する。この事実を武田は CSR の観点からど のように考えているのか? <武田の回答> 実験動物の焼却を研究所内で行うことに関して、精神的な面で不快に思われる方がおられることは承知 していますが、動物実験自体は必要なものですし、当社としては、安全の面でご迷惑をお掛けしないこ とを、申し上げたいと存じます。有害物質や、臭気について、現有施設(大阪工場地区の研究所等)にお いても問題は生じておりません。同様な施設を適切に管理することにより、汚染対策や悪臭対策を有効 に機能させられると考えています。 11 ⅱ 大量の焼却ガス(1時間当り2万立方メートル)を 800℃から 200℃まで数秒間で冷却すると武田は説明し た。これだけ大量のガスを数秒間で 600℃下げる超能力を持つ熱交換器は我々素人の理解を超える。燃 焼方式、熱交換器のメーカ・概略仕様をご教示願いたい。また、大阪工場での実績を強調されるので、 そこでのデータを示して頂きたい。12) 住民の主張。動物死骸の焼却炉についての疑義。武田薬品の現 計画では、800℃までの 1 回だけの燃焼後、数秒間で 200 ℃まで急冷することによりダイオキシンの発 生は人の健康に問題ない、と主張してきた。これは世界保健機関(WHO)が警告する 1 回限りの燃焼 方式であり、WHO は第 1 回燃焼(最低 800℃)及び第 2 回燃焼(最低 1000℃)の「再燃焼方式」を強 く勧告している(註:下記) 。 また、厚労省は「火葬場から排出されるダイオキシン類削減対策指針」において、再燃焼方式を前提(当 然のこと)にしている。廃棄物処理工学の専門家の話しでは「人も動物も同じことで、再燃焼方式は常 識。1 回の燃焼では、相当量のダイオキシン類が出る」とのことである。武田の動物焼却炉設備の煙突 からは、大量のダイオキシン、微生物、悪臭、煙などが排出され、近隣住民の健康に深刻な被害を与え ることが予想される。武田は、住宅の密集した当地に、1 回燃焼方式の巨大な動物焼却炉を設置すべき ではない。武田の見解を問う。 註 WHO Laboratory biosafety manual. – 3rd ed. Such materials may not be completely destroyed and the effluent from the chimney may pollute the atmosphere with microorganisms, toxic chemicals and smoke. (1回の燃焼方式では)そのような物質(感染症病原体、動物死骸およびプラスティック)は完全には分 解されず、また煙突から排出されるガスは微生物、有毒化学物質および煙で大気を汚染するであろう。 <武田の回答> 2次燃焼チャンバーを有する焼却炉を計画していますのでご指摘は当たりません。 なお、800度から 200 度への冷却は、ラジエター方式の水冷式熱交換器で 400 度程度にまで冷却し、 さらに、空冷式熱交換機で200度にまで冷却します。 ⅲ (強制罹病させた)動物の飼育・汚物処理・死骸処理・焼却などの業務には多くの派遣社員や、アルバイ トや、非正規雇用労働者が従事するものと予想される。これら短期間働く非正規の就労者に対する教 育はどのように行うのか? このような就労者を通してバイオ関連の微生物や毒物が絶対流出しない、 といいう保証は出来るのか? 万が一の対策を問う。 <武田の回答> 弊社の動物施設で業務に従事するすべての者は弊社の規則に準拠して作業を行います。業務を実施する者 には教育及び研修を実施しています。これまでの実績から、質問で懸念されていることは考えておりませ ん。 Q68,外に煙がでないようになっているか? 武田の説明は、現有施設におけるダイオキシン排出データ、臭気データともに問題なし、実績から安心だ、 としている。病院や老人施設の近くに設置することは問題である。まず、研究所からの大量排出ガスが 地形、高層建築の影響で滞留することが心配である。また、逆転層の問題もあり、様々な気象条件下にお ける逆転層と滞留の問題は計算したのか? <武田の回答> 廃棄物焼却施設は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和 46 年 9 月厚生省令第 35 号)」 等の関係法令に準拠します。 燃焼時温度を 800℃以上、滞留時間を 2 秒以上とするとともに、排出ガスを冷却装置により 800℃から 200℃以下に急冷する等、ダイオキシンの再合成は起きにくい仕組みとなっています。また、排ガス中 の飛灰などの微細な浮遺物を集塵装置で捕集分離することで、排出を抑制します。また、燃料は硫黄分 を含まない都市ガスとします。 現有施設(大阪工場地区の研究所等)においても同様の大気汚染や悪臭対策を講じており、外部への大 気汚染や臭気漏洩に関する問題は生じておらず、有効に機能しているものと考えています。なお、予測 12 に当たっては、大気安定度等、様々な気象条件を考慮しています。 Q70,動物の死骸処理を外部に委託できないか。適正な処理業者に委託し処理することを 再検討されたい(厳格な手続きを要す) 県の衛生研究所、国立感染症研究所、千葉県の昭和電工は、外部委託(冷凍保存し輸 送)、他に 2 県の例あり <武田の回答> 医薬品の研究開発において、有効性や安全性の確認のために動物実験は不可欠であり、動物の使用は避 けられないものである一方、実験動物を使用する際には、実験動物を生命あるものとして尊重し、適切 に飼育管理すること及び動物実験における倫理に配慮しております。 動物の死骸処理については外部委託についても内部で検討した結果、死骸などを外部に持ち出さないと の結論を下し、弊社の研究所内で処理することに決定しました。 焼却炉の性能等を吟味し、住民の皆様にはご迷惑をおかけしない設計にします。 Q73、焼却に関し、下記の事項を住民に対し情報開示せよ。 操業時、環境安全情報の開示の明確化 廃棄処理手順の説明責任 種と個体数の届出、審査制度の採用、 現行内規の提示を求める 焼却炉は大量の実験動物の火葬場であり、そのような施設を風致地域の多い藤沢・鎌倉の街中に設置すべ きでない <武田の回答> 廃棄物焼却施設については「大気汚染防止法」 「ダイオキシン特別措置法」及び「神奈川県生活環境の保 全等に関する条例」の排出基準を遵守すると共に、 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に準拠した施 設の設置を行います。供用開始後は、神奈川県バイオテクノロジー環境安全管理指針に基づいて行政へ 提出する環境安全計画、自主管理マニュアル等の情報等を、市民の皆様が自由に閲覧できるよう公開の 仕組み等について、今後、行政と協議を行います。 近隣住民の精神的苦痛 Q122、大量の動物の生体実験、堵殺、焼却に対する住民の不安および恐怖感を武田側はどう理解しているか? 1.8トンの焼却炉は45gのマウス換算で計算すれば、1日4万匹、カニクイ猿換算120匹も焼却 されることになる。動物とはいえ毎日多数の命が奪われることに対し、市民は精神的バイオハザードを 受けるのである。命を大切にしなければならないことを子ども達になんと教えるのか。数百のベットを 有する隣の病院の患者さん達に与える精神的苦痛はいかばかりか。このような場所に巨大な動物実験施 設を作ろうとする武田の良心は何処にあるのか。社長の見解をお示し願いたい。 <武田の回答> 弊社は製薬企業として、世界の人々の健康と医療の未来に貢献する優れた医薬品の創出に取り組んで参 りました。現在大阪市淀川区と茨城県つくば市に分散している研究施設を藤沢市の新研究所に統合し、 新薬の開発を心待ちにしている世界中の皆様にいち早く新薬をお届けすることを目指しています。研究 者は、病で苦しんでおられる患者さんに有効性の高い薬剤をご提供すること第一に考えて、新薬の研究開 発に日夜努力を重ねております。 医薬品の研究開発において、有効性や安全性の確認のために動物の使用は避けられないものである一方、 出来るだけ動物を使用しない代替法の利用や動物利用数の削減のための努力を継続していますことをご 理解いただきたく存じます。 Q124 人間の火葬場建設には住民との合意が法令上不可欠である。動物の巨大な火葬場の建設にたとえ法令 上、問題がないにしても CSR の観点から住民との合意が必要であると考えないのか。社長の見解をお閉 めし願いたい。 <武田の回答> 皆さんが手にされる医薬品は、動物を用いた有効性や安全性の試験を経て、開発・承認・販売されたも 13 のです。実験動物を使用する際には、実験動物を生命あるものとして尊重し、適切に飼育管理すること 及び動物実験における倫理に配慮しております。動物実験が科学的かつ倫理的に適正に行われているこ とについて、ご理解いただきたく存じます。 Q125 悪臭問題について その1 「敷地境界線上における臭気指数は 10 未満で、評価目標とした(中略)‥規制値(10)を下回るものである。 したがって、 実施区域周辺の生活環境に著しい影響を及ぼさないものと評価し、 評価目標は達成できる。」 (評価書 341P) 以上は評価書からの抜粋である。 「臭気指数 10 未満」をもって遵法状態が維持されるとしているが、こ の目標は住民にとってほんとうに「環境の維持保全」になるかどうか問題です。 臭気指数 10 なる値はかなりゆるい規制値ではないか?臭気指数 10 をことばに置き換えるならば、悪臭 が「何のにおいか」がわかり、その臭気の濃度は、 「弱いにおい」と「楽に感知できる」の中間位の濃さ である。 (だれもが「くさい」と感知する。) 昨年7月 21日に持たれた武田薬品の説明会会場で、市民からの「悪臭は発生しないと言うなら証文を 書いてくれ」という主旨の意見に、武田薬品側が「個人差もあり一概にはいえない。証文は無理」と返 答していたが、そんな生易しい、臭わないという人も居れば、臭うと言う人も居るといったレベルの臭 いではない、だれもがにおいを感じるレベルである。 説明会で返答を「個人差もあり一概にはいえない」とかの形容詞でごまかしたことを、武田側は認める か? 我々は評価書の目標が低すぎているのを警戒すべきである。 市民が問うたのは、個人差はあるとしても「やっと感知できる」レベル未満にするよう「証文にできる か」ということである。けっして「生活環境に著しい影響を及ぼさない」ギリギリのレベルを目標とし て許容するため証文に言及したのではない。 <武田の回答> 悪臭の予測及び評価にあたっては、悪臭防止法(1971)及び同法施行規則により定義されている「臭気 指数」を用いています。臭気指数による規制は 1995 年の悪臭防止法改正により、人の嗅覚を用いて判 定する方法として追加して導入されました。臭気指数とは、予測評価書に示すとおり、臭気の強さを表 す指標で、空気や水を臭いが感じられなくなるまで無臭空気(無臭水)で薄めたときの希釈倍数(臭気 濃度)を求め、その常用対数を 10 倍した値のことです。臭気指数 10 とは、目安として、 「何の臭いか がわかる」段階(臭気の強度について、人が嗅ぎ分けることができるとされている 6 段階の弱いほうか ら 2 番目)より強いものの、 「容易に感ずる」段階(6 段階の 3 番目)より弱い臭気です。神奈川県 の敷地境界における臭気指数の規制基準値について、実施区域が隣接する区域の用途地域が住居系域で あることから、第 1 種地域(イ主居系地域等)の規制基準値として、 「10」を適用しています。(工業系 地域等の第 2 種地域の規制基準値は「15」です。)なお、悪臭調査にあたっては、国家資格である「臭 気判定士」により悪臭防止法に則して臭気の判定を行っています。説明会でのやり取りについて、「悪臭 は決して出さないという証文を書けるか」とのご質問であったと理解しています。これに対するご回答 として、『悪臭の感じ方には個人差があるため』、国家資格である「臭気判定士」による客観的な臭気指 数の測定を行い、稼動後の臭気を予測した結果、敷地境界における規制値を下回っているとお答えしたも のです。実験室等から臭気が発生しますが、それぞれの臭気に対して、適切な脱臭または消臭対策を行 います。環境中における臭気につきましては、臭気指数で評価を行い、万一、規制値を満たさない場合 には追加の対策を実施いたします。 14 その 2 次表の「排気の臭気濃度」を見てわかるように、悪臭を排出するおそれのあるものは、実験動物焼却炉 だけでなく、動物実験棟毎に設置される「固液分離槽」5基からの悪臭や「創薬化学」および「薬効・ 薬理」実験施設からの排気もひどい臭気があり、しかも大量排出される。 (評価書 338P、表 5-2-5-5 を一部加工した。表中②④⑤は1時間あたりの値である。 ) N 廃棄物 o 焼却施設 固液分離槽 創薬化学 薬効・薬理実験 実験施設 施設(動物実験) ① 排気の臭気濃度(排出点) 320 100 16 50 - 排気の臭気指数(排出点) 25 20 12 17 19,700 27,000 40,000 80,000 1 5 80 45 19,700 135,000 3,200,000 3,600,000 6,304,000 13,500,000 51,200,000 180,000,000 ② 排出量㎥(N)/1基・h ③ 排出口基数 ④ ②×③ m3(N)/h ⑤ ①臭気濃度×②×③ ((④累計=696 万、⑤累計=25100 万) m3(N)/h、⑤累計÷④累計=臭気濃度 36 すなわち、④の累計の 696 万m3(N)/hは、平均すると臭気指数 15 に相当し、この大量の排気がどの程度 拡散されるというのか? ⑤の累計の、十分に拡散(2.5 億m3に迄)されなければ、まるごと排気は有害ガス そのもの、悪臭の塊と成って住宅地を襲う。 追記、これらの濃度は <武田の回答> ヘパフィルタ・スクラバー・活性炭などの対策 を講じた上でのことと見做す。 臭気濃度とは、予測評価書に示すとおり、空気や水を臭いが感じられなくなるまで無臭空気(無臭水)で薄 めたときの希釈倍数のことです。なお、臭気濃度の常用対数を 10 倍した値が臭気指数です。予測評価書 では、各排気の臭気濃度に各滋気総風量を乗じ、排出強度を求め、悪臭に係る予測評価を行っています。 予測評価にあたっては、臭気濃度が高くなる可能性がある複数の気象条件等を整理し、影響が大きくなる おそれがある拡散条件について、悪臭の拡散計算を行いました。その結果、敷地境界線上における規制基準 (第 1 種地域(住居系地域等)の規制基準値である臭気指数「10」)を満足すると予測しています。 記載された実 験室から臭気が発生しますが、それぞれの臭気に対して、適切な脱臭または消臭対策を行いますので、ご 質問にありますようなひどい臭気が住宅地を襲うことにはならないと予測しています。環境中における臭 気につきましては、臭気指数で評価を行い、万一、基準値を満たさない場合には追加の対策を実施いたし ます。 立地条件の問題 新研究所の東側には高層マンション群、大総合病院(550 床 15 階建、建設中) 、特別養護老人ホームなどが 隣接し、半径 500m圏内には、幼稚園・保育園5園、小・中学校4校が点在している。西側地域では、稠密住 宅街が続いている。また、研究所の目の前には、東海道線・村岡駅の新設が構想されている。 新研究所の巨大バイオ施設からは、大量の病原体やウィルスが常時、外部に漏出する。完全な「物理的封じ 込め」が不可能であることは、武田側の感染病学者・小松俊夫氏も認めている。また、遺伝子操作には、専門 家にも未知の領域が多く、不測のリスクを伴う。その不測のリスクを極小化するため最も重要な対策は立地対 15 策であり、その対策を具体化するのが製薬会社経営の重要な社会的責任である。 Q78、武田は、十三および筑波の実績を誇示しているが、それぞれの事業内容と規模について新研究所と比較 して示して頂きたい。例えば、排気ガスや排気物の量、排出汚水の量、焼却する実験動物の名前とそ の量、従業員数などを、定量的に提示して頂きたい。 <武田の回答> 新研究所では、研究者ひとりあたりの実験室・居室面積を増やしているため、建屋が大きくなっていま すが、研究者の数自体は十三地区とつくば地区を合わせた数となります。その総数は約 1200 人の予定 です。環境への影響という面につきましては、当社の事業場毎の環境負荷量や「特定化学物質の環境へ の排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」 (PRTR 法)に基づく届出データをホームペー ジ上で公開しています。新研究所も稼動後は同様の情報を開示いたします。 Q79 7 月 21 日の説明会において、武田は、コリンデールでは人口密集地で P4 実験を実施している、と説 明したが、その事業内容と規模を示して頂きたい。動物の火葬場はあるのか? で排出しているのか? 排気量は? 汚水は公共下水道に流しているのか? 域の住宅密集度・人口密度は? Safety Zone は? 燃焼したものを煙突 情報公開は? 周辺地 小さな研究所(イギリス政府傘下の公共機関・健 康保護局 HPA の一研究所と推定される)を引き合いに出して、自社の巨大施設を正当化しようとする のは HPA に対して失礼であり、タケダイズムに反する。大規模施設同士で比較するのであれば、アメ リカ・アトランタにある CDC(疫病管理センター)と詳細に比較して頂きたい。人口密度はどの位あ りますか? <武田の回答> コリンデールの写真は、英国では P4(BS し 4)施設であっても住宅地に近接して存在することをお示し して、一部に言われているようにバイオ施設が危険極まりないものではないことを一般の住民の方にご 理解いただくためにお出ししたものです。これは町並みを撮影したスナップ写真であり、撮影者の許可 を得て使用させていただきました。本来であれば多少なりとも不安感を払拭していただくというのがこ の写真をお示しした意図です。 立地政策について Q80,人口密集でかつ保育、教育、病院等の施設の集まった地域にリスクのある研究所を設 置するのは問題。 国によっては、半径 5km 以内が無人のところを立地条件にして いるが、日本でもできるであろう。 WHO も1997年に出版した「safety in health-care laboratories」では、住宅地や公共施設からでき るだけ離せといっている。責任者(社長)のきちんとした対応を要求する。 <武田の回答> ご質問にあるリスクのある研究所というのは、P3(BS し 3)施設のこととしてち答えします。P3(BSL-3) 施設の立地として、「半径 5km 以内が無人のところ」を条件にしている国の情報は把握しておりません し、少なくとも、WHOはこのような立地条件を出していません。これらの施設が、大学の医学部や 獣医学部、農学部、都道府県や政令市の衛生研究所、大手の検査センター、大学病院をはじめとする 大きな病院の検査室にあること(国立感染症研究所 杉山和良先生、平成20年度第2回神奈川県環境 影響評価審査会)を考えれば、常識的には 5km 以内が無人という立地は考えにくいところです。WH Oの"Safety in heaith-care laboratories"に記載されているのは、病院等の施設の中での実験室や検査 室の場所を規定したもので、「住宅地や公共施設からできるだけ離せ」との記載はありません。住宅地に 近接して立地する場合でも、適切な対策が施されていれば、安全に研究が行われると考えます。 Q81、大阪彩都の立地条件との比較 環境保全、汚染対策の面から見れば、人口密集地の藤沢よりも、大阪の彩都の方が立地条件は良いの ではないか。大阪彩都の方は、バイオ団地として整備される予定とのことであり、環境も整っており 16 藤沢よりも立地条件は良いと思われるのに。 <武田の回答> 当社が目指す「世界的製薬企業の創生」のためには、国内研究拠点を一元化することにより、最適な研究 体制を構築することが必要となりました。事業実施区域は、近年まで「当社湘南工場」として稼動して おり、インフラの整備状況、地域との共生という観点から有利な敷地であると判断しました。また、神 奈川県湘南地区は、首都圏に近く、魅力的な地域であることから、外国からの研究者を含めた国内外の 優れた研究者を惹きつける条件を備えていると考えています。彩都も候補地として検討したことは事実 ですが、上記の事情を総合的に判断し、旧湘南工場敷地を新研究施設建設の適地として選定しました。 Q83、新研究所は人口稠密・交通の要衝の地にあり、不測の事態に際し、二次感染の拡大を最も防ぎにくい場 所である。その意味で現計画の場所は最悪の立地といえる。「絶対安全」が不可能である限り、かかる 住宅密集地での建設を中止し、周囲に Safety Zone を十分広く確保できる土地に研究所を設置して頂き たい。 <武田の回答> 欧米の例もふくめて、住宅地に立地する場合でも、適切な対策が施されていれば、安全に研究が行われ ると考えます。なお、厚生労働省のホームページによれば、2009 年 1 月 31 日現在で、二種病原体等所 持許可証交付数が 70 施設、三種病原体等所持届出数が 147 施設あります。現状で稼動しているこれらの 施設は、法令の遵守により安全に運用されていると認識しています。 研究所の建物問題 建築基準問題 Q84、武田薬品の研究所建築は、200%以内の容積率に抑えること、 武田薬品の研究所建物は10層5階建てといっておりますが、各階の天井裏は単なる天井裏ではなく設 備室になっており10階建の建物です。10階建て計算すると藤沢市が指定している工場地域の建築容 積率200%を越え、260%近くになります。建物の図面を示して説明して下さい。 <武田の回答> 研究棟の主要な階の数は 5 階ですが、階と階の中間の一部分にメンテナンス用の床とそのための通路等を 設けているため、建築基準法上はそれらも階数算入された 10 階建ての建物と見なされます。従って、中 間階は一部分にしか床が有りませんので、延べ床面積による容積率は 130%程度となります。 空調設備に関する問題 Q 追加 大量の排気を放出する空調設備に関し、前回の質問に関する答えは、企業秘密尾という事で回答が拒否 されたが、研究所からの排気が地域に与える影響はきわめて大きい。下記の事項について改めて回答し て下さい 吸気から排気まで各槽、各実験室の空調フロー 空気の吸入場所 フィルターの設置場所、種類 蒸気の用途 暖房 加湿 (特に動物実験室の仕様、加湿フロー含む) 17 オートクレイプ(使用済みの蒸気は、何処で冷却し何処で放出するのか。安全弁の放 出口は屋内か、屋外か。 ) 冷却塔、送風機、排風機の仕様 <武田の回答> 空調発生源の冷凍機・加湿器の仕様 研究所からの排気が地域に与える影響に⊃いては、県の条例に基づく環境影響評価予測手続きの中で 評価しました。 新研究所からの排ガス等の発生源は大きく以下の 2 つに 分類されます。 ① 大気汚染への影響を予測評価するもの ・浮遊粒子状物質、窒素酸化物、硫黄酸化物、あるいは塩化水素、ダイオキシン類は燃焼に伴う一定 の発生が不可避なため、燃焼時の運転管理方法や大気汚染物質の除|去等の対策により、大気汚染 物質の排出量を可能な限り丿氏減する必要があります./ ・新研究所の施設の稼働では、エネルギー棟の蒸気ボイ,ラー、ガスエンジンからの排出ガス、廃棄 物焼却施設からの排出ガスが対象となります。 ・ 施設の稼備後は、「大気汚染防止法」(昭和 43 年 6 月法律第 97 号)やダイオキシン類対策特別措置 法(平成 11 年フ月法律第 105 号)等の関係法令で規定される排出基準よりも厳しい社内管理基準値 を設定し、定期的な環境測定を通じて、適切な環境管理を行います。また、万が一、定期測定で 社内管理基準値を上回る項目が発見された場合には直ちに対応策を講じて遵法状態を維持します。 前記の処置を含む日常業務は、法令に準拠した SOP(標準作業手順書)を作成のうえ、SOP に基づ く環境管理を実施します。 ・ 以上の措置等を前提に大気汚染への影響について予測及び評価を行った結果、予測評価書に示し たとおり、環境基準を満足すること等から、実施区域周辺の生活環境に著しい影響を及ぼさない ものと考えます。 ② 有害化学物質等の排出を予め防止するもの ・ 対象事業では、有害化学物質等を一部扱うものの、有害化学物質等の排出は一般環境への影響 を検討するレベルにおいて予め防止することとしております。 ・ 化学物質等を利用する実験室の排気は、排気の種別に応じて対象物質に応じた吸着特性のある 活性炭フィルターによる吸着、スクラバーによる洗浄を行い、外部に排出します。 研究所のエネルギー源と温暖化防止に関する問題 Q 追加 貴社研究所ではエネルーギー源として 電力 数値を示して下さい ガス 41000m3/日 藤沢市全体使用量の8%にも上る を使用することになっています。今日地球温暖化防止の取り組みの中で、貴社が使用するエネルギーに よって CO2 がどの位放出されるのか数値を上げて説明して下さい。またその数値は之までの研究所で使 用していた数値に対し、増えているのか、減っているのか比較表も示して下さい。私たちは貴社研究所 の排気大量外気放出システムが地球温暖化防止に逆していると思えてならないのですが。 <武田の回答> 二酸化炭素の排出については、全社的にその抑制の取り組みを進めています。新研究所では、ガスと電 力をバランスよく組み合わせたシステムの採用等の他、高効率機器の採用、排気熱回収、高断熱性ガラ ス等、様々な工夫により排出量削減を計画しています。更に、従業員の啓発(公共交通機関の利用促進、 冷暖房の温度設定の配慮等)、資材運搬の効率化等により、継続的な二酸化炭素排出量の削減に取り組む 方針です。 当社全体では、2015 年の二酸化炭素排出量を 1990 年比 30%減らすことを目標にしています。 18
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